現代社会と経営(11 月 1 日：イノベーションと需要の好

循環 )

長岡技術科学大学情報経営系教授　阿部俊明

　 平 均 買　　　替　　　え　　　理　　　由　　　 (%)

参考・

　 使 用 　 上 位 住 居 　 普及率

　 年 数 故 障 品目へ の変更 その他 (17 年 3月末

　 ( 年 ) 　 の移行 　 　 現在）

電気冷蔵庫 10.5 72.2 14.4 6.6 6.8 -

ルームエアコン 10.3 57.7 12.9 15.5 13.9 87.0

カラーテレビ 9.4 73.5 18.7 3.1 4.7 99.3

電気洗濯機 9.0 75.8 13.2 5.6 5.4 -

電気掃除機 7.4 72.5 17.8 2.5 7.2 -

乗用車 新車 6.7 28.3 28.1 - 43.5 48.2

ビデオカメラ 6.6 39.4 42.2 1.8 16.5 39.6

DVD ﾌﾟﾚｰﾔｰ･ﾚｺｰﾀﾞｰ 4.6 43.8 42.6 1.2 12.3 49.0

パソコン 4.3 35.2 52.9 0.6 11.3 64.6

デジタルカメラ 2.9 22.0 64.0 0.6 13.4 46.2

携帯電話 2.4 31.2 49.7 - 19.0 82.0

（注）買替え理由欄のうち「住居の変更」は平成６年６月実施調査から追加。

　　「住居の変更」とは住居の新築、購入、増改築をいう。

主要耐久消費財の買い替え状況（一般世帯）　　　　　　　　　　　出所：内閣府「消費動向調査： H17 年3 月）

イノベーションと需要の好循環

・ 1950 ～ 60 年代に 、電気洗濯機、ﾃﾚﾋﾞ電気冷蔵庫等の耐久消費財などのヒット商品が登場（ ）し、売れるｲﾉﾍﾞｰｼｮﾝ（需要が発生）

・耐久消費財の需要増大に応じて、企業が技術開発、設備投資に取り組み、高性能・低価格商品が生む（さらにｲﾉﾍﾞｰ

）ｼｮﾝ

・商品がさらに売れる（さらに需要が増大）

高度経済成長期のヒット商品

・テレビ、電気洗濯機、電気冷蔵庫等の耐久消費財をはじめ、多数のヒット商品が登場。

出典：経済企画庁「家計消費の動向」

耐久消費財の普及率の推移

0%

50%

60%

70%

80%

90%

10%

20%

30%

40%

100%

1977

1961

1959

1957

1969

1967

1965

1963

1975

1973

1971

1979

電気冷蔵庫

白黒テレビ

カラーテレビ

ステレオ 乗用車

エアコン

1955

電気洗濯機

高度経済成長期のヒット商品価格対初任給比の推移

出所：産業構造審議会資料データ出典：総理府「小売物価統計調査」及び労働省　　　　　　　　「賃金構造基本統計調査」から経済産業省試算

61 776４

6362 676665 706968 737271 767574 78 79 80

5.0

2.0

3.5

3.0

4.0

4.5

1.0

1.5

2.5

0.0

0.5

ｶﾗｰﾃﾚﾋﾞ

ｴｱｺﾝ

電気冷蔵庫白黒ﾃﾚﾋﾞ

電気洗濯機

（倍）

2 万 1500 円

3 万円

4 万 900 円 9 万 1200 円

情報通信機器の世帯普及率

出所：内閣府経済社会総合研究所「消費動向調査」

最近の身近なヒット商品

①　携帯電話

② PC

以下データ出所：産業構造審議会新成長部会資料他

①携帯電話の普及

出典：情報通信ハンドブック

携帯電話市場は急成長の契機は、デジタルサービスの開始（９３ 年３ 月）や規制緩和による端末売りきり制の開始（９４ 年４ 月）

NTT 自動車電話サービス開始 (’79)

電気通信制度改革開始 (’85)

日本移動通信 (’88) ，関西セルラー (’89) 参入

デジタルサービス開始（‘ 93 Apr)

端末売りきり制開始 (’94 Apr)

ツーカー， J- フォン参入 (’94)

第一世代（アナログ）

加入者数

（

百万

人

）

1979 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 9899 2000 01

第二世代（デジタル）

出典：情報通信ハンドブック、野村総合研究所

A 社の月額基本料・新規契約料、端末の平均重量及び携帯電話加入者数の推移

①携帯電話の普及と価格の低下

新規契約料

月額基本料

加入者数

平均重量（ｇ ）

　

加入者数

（

百万人

）

　

新規契約料・月額基本量

（

円

）

1984 　 85 　 86 　 87 　 88 　 89 　 90 　 91 　 92 　 93 　 94 　 95 　 96 　 97 　 98 　 99 2000 01

159.5

87.3

122.5

84.686.2 85.6

90

①携帯電話の買い換え需要の伸びと各種新規ｻｰﾋﾞｽ

携帯電話出荷台数の推移

出荷台数

（

百万台／年

）

デジタルサービス開始(93 年 3 月 )

端末売りきり制開始(94 年 4 月 )

着メロ作曲機能（ 97 年頃）

ショートメールサービス開始 (97 年 5 月 )同一キャリア間におけるメールのやりとりが可能になった。

i モード (99 年 2 月 )携帯からインターネットへの接続が可能になり、他キャリア携帯ユーザーとのメールのやり取りや、パソコンとのメールのやり取りが可能になった。

カラー液晶（ 99 年）１６ 和音（ 99 年）

504540353025201510　 5　 0

1992 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000（年）

買い替え需要　

新規加入者需要

出典：野村総合研究所

①携帯電話の普及をもたらした技術の進歩携帯電話機全体に関する特許数： 1987 年の携帯電話サービスの本格的な開始を境に急激に増加。 1995 年頃には年間 1600 件以上の出願数。

出願件数

出願年

実用新案

　　特 　許

71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95

2000

1800

1600

1400

1200

1000

800

600

400

200

0

出所：産業構造審議会資料、データ出典：特許庁資料

出所：経済企画庁「消費動向調査」（世帯）　　　　 ( 社 )中央調査社「事業所機器リポート」（企業普及率）　　　　郵政省「通信利用動向調査（企業保有台数）注）企業は「従業員 5 名以上の民営事業所」が対象

②パソコンの普及家庭：1993 年の Windows 発売や 1995 年頃からの 普及とともに、普及が本格ｲﾝﾀｰﾈｯﾄ化。

企業：1980 年代前半から徐々に普及

普及率

50%45%40%35%30%25%20%15%10% 5% 0%

　

平均保有台数

（

所有者平均

）［

台

］

　

10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0

企業普及率

世帯普及率

世帯保有台数

企業保有台数

1982 84 86 88 90 92 94 96 98 年度

インターネット利用者数及び人 口普及率の動向

出所：平成 19 年度情報通信白書

インターネット利用端末別の利用人 口推移

出所：情報通信白書（ H19 年度）

ブロードバンド契約数の推移

出所：情報通信白書（ H19 年度）

パソコン国内出荷台数と単価

単価

（

万

円

）

出荷台数

（

千

台

）

12,000

10,000

8,000

6,000

4,000

2,000

0

35

30

25

20

15

10

5

01979 81 83 85 87 89 91 93 95 97 99

BASIC搭載PC

●ｲﾝﾀｰﾈｯﾄ

漢字処理機能 一太郎 DOS/V Windows3.1

Windows95

マニア●パソコン通信

●ゲーム

●組立･ﾌﾟﾛｸﾞﾗﾐﾝｸﾞ

● 表計算ﾜｰﾌﾟﾛ･●OA( 処理ﾃﾞｰﾀ )

●ワープロ 一般の人

●LAN( 部門情報　共有、電子 ）ﾒｰﾙ　　　　　　　● CSS

●LAN( 端末、ﾎｽﾄ共有）ﾌｧｲﾙ

●VAN 端末

●WAN 、ｲﾝﾄﾗﾈｯﾄ企業

16bit 32bit

単価

年度

ﾎﾟｰﾀﾌﾞﾙﾃﾞｽｸﾄｯﾌﾟ

②パソコンの普及をもたらした技術の進歩

注 ) 1987 年度まではデスクトップ／ ポータブルの区別なし出所） 社日本電子工業振興協会「わが国におけるパーソナルコンピュータの出荷実績」

一般ユーザ向け普及が進展しだした 93 年～ 96 年頃の状況：① 性能等向上の一方で価格が低下し割安感がでた ②簡単に使えるものとの認識が広がっ た ワープロ／ 表計算ソフト、イン

ターネットブラウザとモデムが初めから搭載され、 Windows いう分かやすい GUI

（ RAM 、 HDD の大幅な容量増加、 CD-ROM 、モデムの搭載、ワープロ／ 表計算のバンドル）

　　　　　　

イノベーションが利益、豊かさを生む

プロセス・イノベーション

省資源・省ｴﾈﾙｷﾞｰ環境にやさしい

プロダクト・イノベーション

新しい製品･ｻｰﾋﾞｽ

もっと安く製造・提供

もっと良い性能 品質･

会社の利益・成長

人 々の収入・消費

社会の 豊かさ

イノベーションと需要の好循環（これからの時代）

プロダクト・サービス

イノベーション

ビジネス・プロセス

イノベーション

質の高い人 材

消費者

Ｉ Ｔ 革命

産学連携等も含めた技術開発

女性・高齢者の 活用

人 材の流動化

需 要 喚 起実 質 所 得 上 昇

（ 生産 性向 上 ）

新たなビジネススタイル

市場の効率性向上

ニュービジネスの創出

顧客サービスの向上

新技術の活用や新たな研究

開発

社会構造の変化に対応

ものオンリーから、サービスも 加え、 またビジネスの仕組みも変える

の可能性ある「もの」と「ﾋﾞｼﾞﾈｽ ｻｰ」ﾋﾞｽ

・社会構造変化　－安心と活力ある少子高齢化社会（効率的な医療・介護　　　 が、社会保障制度の持続的維持にもｻｰﾋﾞｽ必要）

　－高齢者の 就労・社会参加により、消費 も増え持てる資産 も活用

・男女共同参画社会（保育 の充実）ｻｰﾋﾞｽ・快適な環境の中の生活の実現　－環境意識の高まり（ 市場、環境 、循ﾘｻｲｸﾙ ﾏﾈｰｼﾞﾒﾝﾄ

環 型ｼｽﾃﾑ　－魅力ある都市環境　－生活 創造の場としての地方経済の活性化･・技術革新　－ IT による 、自己啓発 再教育ｺﾐｭﾆｹｰｼｮﾝ ･　－ 、 、情報、環境その他ﾅﾉﾃｸﾉﾛｼﾞｰ ﾊﾞｲｵ

伸びると期待される需要の例

１．健康に対する不安解消需要　　・遺伝子治療当、新しい医療の実現 3.8 　→　 10.7　　・介護 、介護用機器等ｻｰﾋﾞｽ 6.3 　→　 13.0２．自由時間に対する需要　　・交通渋滞のない移動を実現する ITS 0.3 　→　 2.1　　・安価な保育ｻｰﾋﾞｽ 1.3 　→　 2.6　　・日常支援ロボット 0 　→　 4.0３．豊かで居心地の良い空間消費に対する需要　　・高齢者 でも快適な住宅のバリアフリー化 0.2 　→　 1.6　　・環境に優しい低公害車 1.1 　→　 2.6

４．人との つながり（ ・参画に対する需要ｺﾐｭﾆｹｰｼｮﾝ　　・ IT を活用したｺﾐｭﾆｹｰｼｮﾝ 5.0 　→　 11.3

５．自己啓発、再教育に対する需要　　・多様なﾏﾙﾁﾃﾞｨｱｺﾝﾃﾝﾂ 2.4 　→　 14.7

2000 年から 2010 年、単位：兆円

出所：産業構造審議会新成長政策部会「中間とりまとめ」（ H13.7) の 経済 前提ﾏｸﾛ ｼﾅﾘｵ

今後 10 年間で成長が期待できる分野（経団連調査）

出所：経団連「第 7回経済運営と経済情勢に関するアンケート調査」

　　（ 2002 年 9 月）

2010 年の実質産出額の予測（経団連調査）

出所：経団連「産業強化の仮題と展望」（ 2003 年 4 月）

2010 年までの成長産業（経団連調査）

出所：経団連「産業力強化の仮題と展望」（ 2003 年 4 月）