卒研中間発表 1114(シナリオ込)v2

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Page 1: 卒研中間発表 1114(シナリオ込)v2

ネットショッピングによる空間代替が及ぼす影響- 環境負荷削減と市街地活性化に着目して -

情報社会学科  IS プログラム専攻 西原研究室   70911026  加藤佑典

2012 年 11 月 15 日 - 中間発表

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Page 2: 卒研中間発表 1114(シナリオ込)v2

問題の所在

第 165 回 NRI メディアフォーラム .  これから情報・通信市場で何が起こるのか . ~ 2016 年度までの IT 市場を予測 ~ . 2011 年 11 月 29 日 . 株式会社野村総合研究所 . ICT ・メディア産業コンサルティング部 . 主席コンサルタント 桑津 浩太郎 . 他( URL : http://www.nri.co.jp/publicity/mediaforum/2011/pdf/forum165.pdf) より

背景  EC サイト( Electric commerce :電子商取引)の 市場規模の拡大  2009 年→ 2016 年の間に 5.4%→11.4% にシェアが拡大 (商業統計 19 年調査、 NRI データによる)

ネットショッピングの特徴 実空間の移動を伴わない買い物行動であるメリット 買い物の外出行動が減り、 環境への負荷が軽減されるデメリット 外出行動の減少に伴う市街地(商店街)のにぎわいの低下 

ネットショッピングが及ぼす実空間への影響を推計する必要有

2

H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H280.0%

2.0%

4.0%

6.0%

8.0%

10.0%

12.0%

14.0%

小売業におけるEC サイトの市場規模の推移

EC サイトの市場規模

H21 5.4%

H28 11.4%

Page 3: 卒研中間発表 1114(シナリオ込)v2

自宅 (移動) 小売店舗 (移

動) 自宅

空間代替の発生メカニズム

3 図:http://www.jpo.go.jp/shiryou/pdf/gidou-houkoku/supply.pdfより、著者加筆修正を行ったもの

植田ら( 2011: 既存研究 A )における定義「ネットショッピングで商品を購入することで、実空間での買い物が一回以上削減されること」を指す。

※ 一回以上とは、ネットショッピングにおけるまとめ買い行為により、複数回分の買い物が削減されることがあるため。

空間代替とは

消費者(顧客)の買い物行動

××

××自宅内で完結移動時の CO2排出量の削減

メリット

市街地への買い物行動の減少

デメリット

ネットショッピングにおける買い物行動

Page 4: 卒研中間発表 1114(シナリオ込)v2

既存研究 A-1 植田拓摩・山室寛明・谷口守( 2011 ) : 『サイバースペースへの

空間代替が自動車 CO2 排出量と都市内滞留時間に及ぼす影響―買い物行動に着目して―』 都市計画論文集 46 巻 3 号 pp.763-768

研究目的: 空間代替を通じた環境負荷低減と都市活性化の両立の可能性を明らかにする

対象地域:茨城県南地域(東京都市圏近郊)

調査時期: 2011 年

分析手法: WEB アンケート調査と東京都市圏 PT 調査 ( 平日 ) 、及び全国交通特性調査 ( 休日 ) を用い、買い物行動を自動車 CO2 排出量と都市内滞留時間の 2 点において分析

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Page 5: 卒研中間発表 1114(シナリオ込)v2

既存研究 A-2 結果 1) 空間代替を進めれば環境への負荷の軽減になると 単純に推進することはできない。2) 望ましい買い物行動 「まとめ買いの有無」と「ついでの行動かどうか」が鍵3) “ 特定の商品だけを目的とし、購入後すぐに帰宅する”  ものを削減していくことが望ましい

より詳細な調査検討が必要  (しかし今回の研究の内容を補強するだけの可能性が高い) ※ 本研究では物流における交通行動は分析の対象としていない

スマートフォンなど実空間に対する案内機能の高い技術が普及してきているため、スマートフォンなどの機能とまちあるきによって、都市内での滞留を促進する方向に向かうことができるかもしれない。

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課題と今後の展望

結果

Page 6: 卒研中間発表 1114(シナリオ込)v2

既存研究 B-1 高木史郎・藤井聡( 2007 ) : 『インターネット利用と生活圏域の拡

がりに関する研究』 交通工学 46 巻 3 号 pp.763-768

研究目的:住民の生活圏域が広域化してきているという先行研究の結果に対し、それが本当かどうか、インターネットを利用することによって個々人の生活圏域が広域化するという仮説設定し、実証的に分析する。

対象地域:浜松市及び豊橋市

調査時期: 2007 年

分析手法:両市に対し一世帯あたり2部ずつのアンケート調査を行い、それを元に移動距離の違いとインターネット利用の関連性を分析

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Page 7: 卒研中間発表 1114(シナリオ込)v2

結果インターネットで目的先の情報を取得した人々の目的先までの移動距離が、取得していない人々移動距離に比べて統計的に有意に長く(約7 km )インターネットを利用している人の方が生活圏域が広域化しているという結果が得られた。

  

課題として、今回の研究では、生活圏域が広域化することの是非については問えない。メリット、デメリット双方をそれぞれ精査する必要がある。

今後も進展していく情報化社会の動向も踏まえつつ、生活圏域の拡がりに 影響を及ぼす要因を 1 つずつ解き明かしていく研究に一定の意義が生じると考えられる。

既存研究 B-2

7

課題と今後の展望

結果

Page 8: 卒研中間発表 1114(シナリオ込)v2

残された課題と目的

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• 東京都市圏(大都市圏)によるもので、地方の中核都市レベルでの研究はないこと。

• 現在も進展している情報化社会の動向を踏まえ、スマートフォンなどの実空間に対する案内機能の高い技術を用いた新たな市街地活性化の方案の提言の可能性があること。

残された課題

• 地方中核都市である浜松市を調査対象地域とし、ネットショッピングが及ぼす空間代替の影響について地方中核都市レベルでの実態の把握を行う。

• スマートフォンや位置情報などの近年の IT 技術を用いた市街地活性化の実態を調査し、市街地活性化の現状を知る。

• 上記を踏まえ、浜松市における市街地活性化への提言を行う。

本研究の目的

Page 9: 卒研中間発表 1114(シナリオ込)v2

研究の枠組み

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現状分析環境への影響分析

購入品目の属性や代替された行動より、市街地への主な目的や中心市街地へのニーズを把握する

・個人属性・ネット環境・ネット利用目的・ネットショッピング利用経験・購入した商品の詳細な属性・空間代替の有無・交通手段について               など

ネットショッピング利用動向調査

・ IT 技術の動向調査・導入事例の検証・特産品のネットショッピング販売について・ネットショッピングと地域活性化について

IT 技術の利活用の動向

現状把握・現在の活性化施策の把握・ IT 技術の活用事例の調査・成功 / 失敗している事例の検証・今後の展望

提案

ネットショッピングによる空間代替がどの程度効果があるのかについて、地方都市における定性的な

分析

環境負荷削減について

浜松市の中心市街地に対して、 IT を利

活用した新しい活性化施策の提言

新しい活性化施策について

買い物行動

市街地活性化

施策の現状把

中心市街地の商店街

中間支援企業

ネットショッピング出店店舗

サプライヤー

・空間代替の把握・排出されるはずだった CO2 の算出・植田ら(既存研究 A )の手法を用いる+全国都市交通特性調査( H17 年度版)を用いる。現状把握

アンケート調査/分析

インタビュー調査/動向調査

ニーズがマッチしているかどうか

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インタビュー調査(1)株式会社シーポイント   営業企画部:新村さん 大石さん

2012 年 7 月 23 日 13 : 30~ 15 : 00

インタビュー内容*テテル(デジタルサイネージ:電子広告) 浜松ソフト産業協会や、にぎわい協議会が主体となって行っている。 企業としては成功させて、他の市町村にも活用していきたい。 飲食店のクーポンにしたのは、老若男女全ての人が使えるものにしたかったから。

*ICT技術研究組合の設立経緯や主な取り組み等 ホワイトスペース特区の実験の認可がおりたため、その実験を来年まで行っている。  他の放送事業を行っている浜松の会社と連携して市街地での実験的な事業を行っている。

*これからの浜松市の活性化の方針について まずは、テテルを成功させる。テテルを応用する形として、ビルのテナントの空き状況などを見れるようなシステムを他の市町村向けに展開している。10

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利用動向に関する調査(1)

調査実施日: 2012 年 10 月 26 日  14:00~ 14:15

調査方法:アンケート調査

調査項目 個人属性(性別、学部学科、居住環境、居住地) インターネット利用動向(接続環境、利用頻度、利用目的について) インターネットショッピングの商品購入履歴と商品の詳細について

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 静岡大学生 84名 (男 78名、女 6名 工学部生 63名、情報学部生 21名)

調査対象者

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利用動向に関する調査(2) 調査結果

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直近 1ヶ月の回数  度数 パーセント 有効パーセ

ント累積パーセ

ント

有効

0 36 42.9 42.9 42.9

1 21 25.0 25.0 67.9

2 22 26.2 26.2 94.0

3 2 2.4 2.4 96.4

5 3 3.6 3.6 100.0

合計 84 100.0 100.0  

全体の買い物回 数の平均 1.02 回 / 月1ヶ月以内に買い物をした ことのある人の平均  1.787 回 / 月

下宿・寮生の方が自宅生に比べ利用経験がある人が多い

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利用動向に関する調査(3)

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自宅生以外(下宿生・寮生)の方が自宅生に比べ利用経験がある人が多い。Χ二乗検定において、関連の傾向がみられた。

居住環境 と 買い物利用の有無 のクロス表度数

 

買い物利用の有無

合計利用する利用しな

い居住環境 自宅生 15 4 19

自宅生以外

61 4 65

合計 76 8 84

利用している 利用していない0

10

20

30

40

50

60

70

居住環境とネットショッピング利用率

自宅生自宅生以外

有意確率: 0.052

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商品の特性について 購入された商品( 86個)の平均金額: 6545.7円 中央値: 3000円 最小値: 10円(トレカ) 最大値: 12万円(楽器)

その他の例: ホビー 猫耳型イヤホン フィギュア テレビラック 扇子 タペストリー バイク用品 台所用品 自転車のライト

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利用動向に関する調査( 4 )

書籍・雑誌

CD・

DVD・ビ

デオ

コンピュータ・

家電関連商品

健康・美容関連商

品 衣類

日用雑貨・

小物・アクセサリ

食品・飲料

航空機等

のチケット

電子書籍

やソフトウ

ェアなどの電子媒体の商

品その他

02468

10121416

商品の種類

Page 15: 卒研中間発表 1114(シナリオ込)v2

分析の途中経過

ネットショッピング経由で購入された商品は 86個 そのうち 45個( 52.3% )が、インターネット  ショッピングを利用していなければ、実際に  購入に行っていたはずのものであった。

→ 空間代替が発生していることがわかる。

実際にどこに購入に行っていたかという候補地について ザザシティ、ビッグカメラ、 LOFT といった市街地にある店舗と、イオンモール市野、ニトリ、ケーズデンキといった郊外の大型商店施設が多くあげられた。

→居住地から比較的距離のある店舗への買い物が代替されていると考えられる。

 ≒環境への負荷軽減になると予測される15

利用動向に関する調査(5)ネットで購入しなかった場合

実際に買い物に出かけていたか否か    度数 パーセン

ト 有効 行く 45 52.3

  行かない 41 47.7

  合計 86 100

Page 16: 卒研中間発表 1114(シナリオ込)v2

予想される成果

地方中核都市(浜松市)において、どの程度空間代替による環境への負荷の低減が見込めるかを把握できる。  →先行研究で行われている東京都市圏よりも、  高い効果が得られるのではないかと考えられる。

インタビュー調査によると、中心市街地の活性化施策において、徐々に IT 技術の利活用がされてきているため、成功事例や IT 技術の動向を調査し、浜松市にマッチした形で、さらに利活用を促進できるような提言を行うことができる。

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Page 17: 卒研中間発表 1114(シナリオ込)v2

作業計画・スケジュール

• アンケート調査用紙の修正、加筆• 浜松市民に対して利用動向のアンケート調査(本調査)の実施(下旬)

11 月

• アンケートデータの集計• 得られたデータに対してパーソントリップデータを用いて環境評価分析• 街中にぎわい協議会やネットショッピング出店店舗へのインタビュー調査

12 月

• 論文執筆

1 月

• 卒業研究発表&論文提出

2 月

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文献リスト

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No.

著者名 著者 年月 論文名 巻号数

1 植田拓摩・山室寛明・谷口守

2011 サイバースペースへの空間代替が自動車 CO2 排出量と都市内滞留時間に及ぼす影響―買い物行動に着目して―

都市計画論文集 文集 46 巻 3 号 pp.763-768

2 植田拓摩・橋本成仁・谷口守

2010 個人行動特性に配慮した買い物行動のサイバー空間への潜在的代替性把握 土木学会論文集 D D 66 巻 2 号 pp.290-299

3 植田拓摩・橋本成仁・谷口守

2010 行動連鎖表を用いたサイバー化による都市内滞留行動への影響分析- 購買行動の空間代替・補完関係に着目した試論 -

土木計画学研究・論文集

27 巻 2 号 pp.375-383

4 谷口守 2006 サイバー立地に対応した空間利用コントロールの必要性に関する試論 日本都市計画学会都市計画論文集

41 巻 3 号 pp.779-784

5 高木史郎・藤井聡 2007 インターネット利用と生活圏域の拡がりに関する研究 交通工学 46 巻 3 号 pp.763-768

6 Cliff Guy 2010 Trading places Town & Country Planning

7 藤井聡・木村誠司・北村隆一 1996 選択構造の異質性を考慮した生活圏推定モデルの構築 土木計画学研究・論文集

No13,pp613-622

8 谷上正晃・吉井稔雄 2009 歩行者交通流におけるエントロピー増大傾向の検証 土木計画学研究・講演集

No40.pp

9 石丸希 2009 中心市街地活性化への IT 活用の成果と課題-活性化の道具としての IT の活用-

土地総合研究 夏号

夏号  pp49-55

10大森宣暁 2009 E-shopping は良いショッピング?-オランダのケース 運輸政策研究 Vol12No3 pp47-48

11染谷広幸・大塚時雄・三友仁志

2007 E コマースの普及が消費者の購買行動に 与える影響-書籍購入における物理的移動の情報通信への代替可能性に関する実証分析-