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多職種みんなが使えるを目指す 地域医療連携支援システムの取り組み 医療法人社団プラタナス 桜新町アーバンクリニック 院長 遠矢 純一郎 日本在宅医療学会 シンポジウム2 患者情報 - ITによる地域共有化を目指して 2012.06.30 演題番号 S2-01

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Health & Medicine


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桜新町アーバンクリニック遠矢純一郎当院が所在している世田谷区での実地検証を行いながら2010年秋より開発を続け、2011年8月からはサービスとして正式にスタート。2012年5月現在で登録されている患者数が約1300名、施設数は約40施設、利用ユーザー数が約130人に広がっている。より多くの職種が簡単安価で安全に利用出来るIT連携の実現を目指す取り組みを報告するとともに、その中でみえてきた地域医療介護連携の課題とICT連携の今後について述べる。

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Page 1: 日本在宅医療学会 「多職種みんなで使えるを目指す地域医療連携支援システムの取り組み」

多職種みんなが使えるを目指す 地域医療連携支援システムの取り組み

医療法人社団プラタナス 桜新町アーバンクリニック 院長 遠矢 純一郎

日本在宅医療学会 シンポジウム2 患者情報 - ITによる地域共有化を目指して

2012.06.30

演題番号 S2-01

Page 2: 日本在宅医療学会 「多職種みんなで使えるを目指す地域医療連携支援システムの取り組み」

在宅医療における地域連携の難しさ

多職種多事業所間での情報共有

医療-介護間の言語の違い

医師からの情報が少ない、判らない

治療やケアの目標が見えにくい

Page 3: 日本在宅医療学会 「多職種みんなで使えるを目指す地域医療連携支援システムの取り組み」

在宅医療・介護間の情報共有の現状

患者宅にある連絡ノート FAXや郵便によるやりとり

• 患者宅でしか見ることが出来ない • 記録の二度手間、情報の統一性が無い • 情報の二次活用が出来ない

紙情報

Page 4: 日本在宅医療学会 「多職種みんなで使えるを目指す地域医療連携支援システムの取り組み」

- 医療・介護の多職種が 等しく記入

- 記録に画像やファイルを添付可能

- 治療・ケア進捗管理

- 訪看指示書・報告書など書類作成 機能

- スケジュール機能

- 安価な利用料

クラウド型地域連携システム「EIR」 の特徴

家族

薬剤師 医師

看護師

ヘルパー

*エイル社調べ

2012年5月現在* 登録患者数:約1300人 登録施設数:約40施設 登録利用者数:約130名

Page 5: 日本在宅医療学会 「多職種みんなで使えるを目指す地域医療連携支援システムの取り組み」

「EIR」 携帯電話やiPhone(アプリ版)でも利用可

クラウド型地域連携システム EIR www.eir-note.com

携帯電話やスマートフォンでも利用可能

iPhone版、Android版あり

Page 6: 日本在宅医療学会 「多職種みんなで使えるを目指す地域医療連携支援システムの取り組み」

“EIR”による情報共有を実践し、 在宅医、訪問看護師、薬剤師が感じた変化*

・ により、判断や指示を適切に行えた

・患者さんを が強くなった

・他職種からの

*)EIR使用感インタビューより

・医師の説明内容や治療方針が判り、

・自分の が、いつでもすぐに得られる

・口頭では無く により、不安や間違いが減った

・ 出来るので、報告に手間がかからない

・ 出来るので、服薬指導しやすい

・医師に相談しやすくなり、患者の になった

訪問看護師

薬剤師

在宅医

同じ言葉で説明出来る

担当以外の利用者情報

文書化された指示

看護記録から転載

診療・ケア記録を閲覧

病状把握が可能

写真付きの報告

チームで支えている意識

患者紹介が増えた

Page 7: 日本在宅医療学会 「多職種みんなで使えるを目指す地域医療連携支援システムの取り組み」

ICT連携 導入への障壁

I T に不慣れ • デバイス •操作、設定、文字入力 • セキュリティ

コストの問題 •端末購入費、通信費 • システム利用料 •診療・介護報酬が付かない

メリットを 感じにくい

•記録・報告業務の省力化? •診療・ケアの質の向上? •教育、モチベーションup?

地域の統一 が難しい

•多事業所への導入が大変 •自治体や医師会との関係 •病院中心ではなく在宅ケア目的

Page 8: 日本在宅医療学会 「多職種みんなで使えるを目指す地域医療連携支援システムの取り組み」

紙情報をそのまま利用

ポータブルスキャナーと スマートタブレットで

現場で紙情報を画像化しクラウドに送信

「KYBER smartnote」

手書きのメモ紙を専用アプリで撮影送信すると、テキスト変換される

Page 9: 日本在宅医療学会 「多職種みんなで使えるを目指す地域医療連携支援システムの取り組み」

ある訪看ステーションの例

まずは施設内共有から

ICT化前 ICT化後

コール当番のスタッフは、毎日「利用者情報ファイル」を持ち帰っていた

Page 10: 日本在宅医療学会 「多職種みんなで使えるを目指す地域医療連携支援システムの取り組み」

桜新町アーバンクリニックにおけるIT化全体像

診療情報

患者情報

電子カルテシステム 「おかえりくん」

ボイスメール

在宅医 事務

地域医療連携システム 「EIR」

請求システム ORCA

ファイル共有システム 「医療版Dropbox」

属性情報

サマリー

HTML

カルテ情報

処方情報

入力

グループ診療

地域 連携

Page 11: 日本在宅医療学会 「多職種みんなで使えるを目指す地域医療連携支援システムの取り組み」

ICT連携 実践して見えたこと

情報の蓄積から何が得られたか?

医師-看護師連携

• 病状管理に必要な情報を的確に報告

• 共有された情報を正しく理解し、 次の診療や看護に活かしている

• 文書化された情報のおかげで、 より正確な対応が可能となった

迅速で的確な治療・看護が可能となった

医療-介護連携

• 診療情報を理解出来ない • 介護者向けの記録になっていない • 具体的な指示がない

ケアの質の向上に つながってない

Page 12: 日本在宅医療学会 「多職種みんなで使えるを目指す地域医療連携支援システムの取り組み」

ICT連携 実践して見えたこと

情報の蓄積がケアに活かされるためには?

日々の蓄積された診療+介護情報を正しく評価し それぞれの職種により具体的な指示を行える 「トータル・ケアマネージャー」の存在が必要

医療-介護連携

• 診療情報を理解出来ない • 介護者向けの記録になっていない • 具体的な指示がない

ケアの質の向上に つながってない

Page 13: 日本在宅医療学会 「多職種みんなで使えるを目指す地域医療連携支援システムの取り組み」

*静岡大学 竹林洋一 2012

認知症ナレッジベースの試み 平成24年6月18日付 「今後の認知症施策の方向性について」(厚労省)

「認知症初期集中支援チーム」による情報収集とアセスメントを支援

Page 14: 日本在宅医療学会 「多職種みんなで使えるを目指す地域医療連携支援システムの取り組み」

・在宅医療=モバイル環境下での診療、連携

・スマホやクラウドで実現される新たな情報活用

・蓄積された情報を診療やケアに活かす工夫が必要

在宅医療介護におけるICT連携