システムの時代再び「減らすビジネス」二次電池と社会システム・イノベーション第二回フォーラム

2009 年 2 月 23 日宮田　秀明

１システムイノベーション　による進歩

２１世紀において“科学”と“技術”こそが世の中を革新し、健全な状２１世紀において“科学”と“技術”こそが世の中を革新し、健全な状態を作っていける。態を作っていける。科学者と技術者がすべての手段を通して正しい貢献をしなければならな科学者と技術者がすべての手段を通して正しい貢献をしなければならない。い。

World Innovation World Innovation FoundationFoundation

　　　８７名のノーベル賞受賞者、　　　　　　２８００人のフェローが　　　　　　いろいろな手段で　　　　　　イノベーション推進に貢献する

The WIF’s mission is vast. Indeed, over the next 5-The WIF’s mission is vast. Indeed, over the next 5-decades we wish to bring into beingdecades we wish to bring into being 　　 a new world a new world order that is based on equality, a sharing environment, order that is based on equality, a sharing environment, human dignity, self-worth and the economic co-human dignity, self-worth and the economic co-operation of nations as one nation. operation of nations as one nation.

In this respect we see that this is the only way that the In this respect we see that this is the only way that the world can evolve peacefully in future timesworld can evolve peacefully in future times 　　 and and where scientists and engineers are the only ones who where scientists and engineers are the only ones who can achieve this global state. can achieve this global state.

Indeed, understanding the emerging problems that face Indeed, understanding the emerging problems that face humanity over the next fifty-years is humanity over the next fifty-years is crucial to the success of our future world.crucial to the success of our future world.

WORLD INNOVATION FOUNDATIONMISSION STATEMENTMISSION STATEMENT

資本主義

FUTURE

自由競争の成功と失敗ad-hoc system

・部分最適を集めた社会・人口　６０億人→１００億人へ 　（毎日２５万人増加）・トヨタの世界戦略はトヨタの利益のため・原料・燃料・食料の価格変動 全体最適のできる資本主義を科学で 社会システムを最適にする　　科学・技術・ビジネス 社会システム工学

社会主義 統制社会の失敗MANAGEMENT OF WORLDMANAGEMENT OF WORLD

グリーンニューディールは科学と技術によって実現・成功させるというのは共通の認識

１．新原料材料　 material, 　 element innovation２．新製法　　　　 process innovation３．新製品　　　　 product innovation４．新ビジネス business innovation５．新システム systems innovation

　　　　　一般に未熟なマネジメント（企業経営と行政）が　イノベーションの社会実現を十分助けていないことが多い

１－５を複合したイノベーションが２１世紀には大切だろう。複雑非線形な社会をシステム・イノベーションと　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　要素技術イノベーションで社会システムを創造してビジネスとして成立させることが重要、そのためには、大きな経営力、構想力、人間力、行動力が必要である。

APOLLO 　 LUNAR 　 LANDING MISSION　　　　１９６９

１９８０－２０００半導体とネットワークの時代

２１世紀　システムの時代再び

重巡洋艦　妙高 １９２８竣工

すべて輸入の艦船で闘った日本海海戦から

たった２４年後に世界一の技術レベルの艦船が開発された。

艦政本部技術研究所設計者かつ研究者平賀　譲 松平　精

航空技術者（振動専門）新幹線の技術開発IHI 技術研究所所長

自動車産業を育てたのは元は軍の航空機デザイナーだった艦船航空機の優れた設計者は優れたプロジェクトマネジャーに　　なる設計と経営とプロジェクトマネジメントは似ているしかし、戦前の基礎技術はほとんど借り物だったシステム技術が競争力を作った冷戦時代のソ連もシステム技術が優れていた

新幹線プロジェクトビジョン　　　東京・大阪３時間の弾丸列車コンセプト　　レール方式で高速化　モデル　　　　広軌　電車方式ソリューション　世界銀行　国会対策　　　　　　　　　　振動などのたくさんの技術課題７年間のプロジェクト三鷹の鉄道技術研究所に集められた航空と艦船の技術者

経済社会文明経済活動 の手段社会ｼｽﾃﾑを創造（改革）する手段

社会文明

社会ｼｽﾃﾑ の設計工業製品 の設計

経済

システム創成学科の創設　　　２０００年

複雑になる社会・ビジネスのために新しいシステム工学が必要　　　　 2000 年にシステム創成学科設立

・力学 　　　工業製品（車は力学のかたまり）　 1Dim・力学・電気 　　　　 メカトロ工業製品（現在の車）　　　 3Dim・情報・力学・情報工学・複雑系工学　　　　　　　　　　 社会システム　 N-Dim・人間工学・経済　　　　　　　・哲学　　　　　　　 Design Technology　　　　　 Technology Management

Department of Systems InnovationProgram for Social Innovation

２　全体最適社会システムを目指す

株主企業

顧客

社会システム経済・文化

政府

Ａ，企業自身が複雑非線形なシステムＢ，顧客と作る社会システムは更に複雑非線形システムＣ，国内経済や国際経済は最も複雑非線形なシステムシステムを最適にするため科学的論理的な視点が必要である経営には複雑非線形な問題を解ける理系の方法が必要である

ＷＩＮ－ＷＩＮ関係の構築が基本

老若男女７０００万人の免許取得者自動車会社マーケティング開発製造販売

車という商品を通して自動車会社と顧客が作る「車社会システム」

Ｋカースモールカー

スポーツ

ワンボックスセダン

ＷＩＮ－ＷＩＮ関係

満足（利便など）利益

「ＥＶ社会システム」今度は最初からＥＶ社会システムとしてビジネスを始めることが大切

過去に創造された社会システムの例１．コンビニは小売業の社会システムが創造された２．宅配便はＣｔｏＣの輸送サービスを社会システムにした３．グーグルは情報社会システムをビジネスにした　　　　　　　新しい社会システムつくりをビジネスに自動車製造業はサービス業の側面をもっている　車による社会システムのためとしてビジネスを考える　社会システムを進化させるために　　　　　　　製造業・サービス業が一体化する　　　　　社会システムを創造するビジネスの典型例が　　　　　　　　　　　　環境ビジネス、エネルギービジネス

３　　　減らすビジネス

１９８３USUKI PIONEER

返本率を半減させる書籍の社会システムつくり　

講談社売上 1545 億円 トーハン6549 億円

出版

大規模店売上 1206 億円

中堅書店小学館売上 1482 億円

・・・

出版業界には、大きく、出版社、取次、書店、顧客の４つのプレイヤーが存在。なかでも取次２社は市場の８０ % のシェアを占め、かつ出版、書店の最大手の 6 倍近い売上規模を持つ。

取次 書店 顧客

日版6782 億円

約 4500 社（大手 5 社でシェア24 ％）

（大手 2 社で８０％） 約 16576店

集英社売上 1379 億円

再販売価格維持契約委託販売制 再販売価格維持契約委託販売制資料：各社 IR 資料 返本率が４０％で、病の社会システム

返本率を４０％から２０％に下げる　　　　　　　　　　　イベーションを起すための　　　４つのポイントを順に実現する・出版・流通・書店が情報統合する・販売予測する・書店をリアルとネットの複合化へ・顧客が製造（出版）に参加するプル・システム

情報統合と販売予測によるＢＢＩシステム（全体像）POS ・送品・返品データ

販売予測 書店在庫予測

出版社推奨出版スケジュール販売・返本予測増刷アラーム

P1

P2

取次新刊配本推奨リスト（出版社・ジャンル別）送品推奨リスト（注文推奨リストの集計）

T1

T2

書店展示推奨リスト注文推奨リスト

S1

S2

返本推奨リストS3在庫推奨リストT3

書籍

このシステムは二次電池とＥＶにも使えるかもしれない

経営的なパラダイム変革　 　　・要素技術主導の世界からシステム技術主導の世界へ 　　　・科学と技術を社会システム設計と管理運営に活用する世界へ 　　　・量的拡大を必要条件とするビジネスモデル（顧客との 　　　 WIN-WIN関係）から量的縮小下でも成立するビジネスモデル 　　　　または縮小そのものをビジネスとするモデル

減らすビジネス

いろいろな減らすビジネス・返本率を４０％から２０％に減らすと、理論値で２０００億円 / 年の利益・地産地消の小売流通業は中間プレーヤーと輸送負荷と廃棄を減らすモデル二次電池によるイノベーションは減らすビジネスモデルを開発し普及させることによって達成できる。家庭、ビル、地域、都市のエネルギー・電力使用量を減らすシステムを　　　　開発して減らすサービスによって利益をえるビジネスを電力会社が、

二次電池による社会システム・ビジネス

　　　電池のリース・社会財化・検定ビジネス

　　　不動産（家屋・ビル）エネルギーシステムビジネス　

　　　地域・都市エネルギーシステムビジネス

　　　自然エネルギー発電所への電池　　　　　　　　　　　　　　　　　　組み込みビジネス

　　　ＥＴＣ

社会システム研究開発の進め方

エネルギー種別構成二次電池

新エネルギー

新モデル

年間シミュレーション

リスク評価

再現・シミュレーション

評価関数

最適化 ＣＯ２コストリスク最小化

実装需要予測モデル

現状再現モデル

電力需要変動の過去デー

タ

外部要因データ（気温

等）

データビルデータ

ビジネスモデル　システム　　知財

「減らす」　実現

電池とシステムのよってエネルギー使用量とＣＯ２排出量を４０％削減

資料：資源エネルギー庁エネルギー白書 2008 　【第 212-2-3 】世帯当たりのエネルギー消費原単位と用途別エネルギー消費の推移、【第 212-2-4 】家庭におけるエネルギー源の推移１世帯平均 100% ＝ 41.2×108J/ 世帯　≒ 100 万kcal

ガソリン？％

家電・照明他

ガス 31%電力 48%

発電所 ガス製造所 石油精製工場

灯油 20%エネルギー種別

住宅 37%

製造

厨房9%

給湯30%

空調24%

冷房 2%

暖房 22%

リチウムイオン電池

EV

太陽電池

太陽熱他１％

•　リチウムイオン電池や太陽電池・ EV を取り入れた高効率エネルギー需給モデルの例を示す

・成功のためには、システムまたはビジネスモデルと多数の　知的財産が主役になる（付加価値が高い）・この部分をしっかりビジネスして成立させることが大切　発展途上ではインセンティブシステム・税制の活用が必要・リチウムイオン電池を DRAMや薄型テレビにしてはいけない　（いいものを作っているだけでは、いずれ下請型ビジネスに　よって苦しむ）・外資系コンサルタント、商社などとの正しい関係が必要

新しい社会システムの創造または、 現状の社会システムの変革をビジネスにする ことがテーマ すべてのプレーヤーが WIN-WIN関係を作ることが　新しい社会システムを作ることであり、　ビジネスを成立させること　ジレンマ構造を作らない

社会システム　 / 　ビジネスモデル

EV

二　次　電　池

部品 材料

IT ビジネスモデル　　　マイクロソフト　　　グーグル

コンピューター

　　　　半導体　　　材料

ネットワーク

需要変動に対するコストとリスク評価して最適化する情報システムなどを各種のシステムに組み込み、ハードウェアの価値をソフトウェアで高める

需要変動に対するコスト増加の確率分布

科学とＩＴ利用も鍵発電コスト増加

ＩＴ利用はまだ下水道レベル（ドラッカー）

３．二次電池を用いた住宅エネルギー管理モデルの研究 　 ４．二次電池を用いたビルエネルギー管理システムの研究 ５、東京大学に二次電池を導入する場合の　　　　　　　　最適な電池容量・配置決定モデルの研究６、電気自動車の特性に合わせた充電設備の最適配置の研究卒業論文、修士論文としての先行研究2009 年 4 月より業種横断的なプロジェクトチームを４，５のテーマに対して順次起動する。プラットフォームとしてＮＰＯの設立も準備中。

電池のリース・社会財化ビジネス不動産（家屋・ビル）エネルギーシステムビジネス　地域・都市エネルギーシステムビジネス自然エネルギー発電所への電池組み込みビジネスビジネス創出プロジェクト

ありがとうございました

（小売・流通）消費財の購買コストを下げるビジネス・商品の中間経費・流通経費を下げる・返品、廃棄率を下げ reliability と traceability　を高める製流販一体モデルへ・消費者の購買行動のコスト、入手利便性の　定量化を行い、顧客満足度を高めるビジネスモデルを作る・ネット・サービスと配達ビジネスの進化・楽しくない購買行動をなくしソロエル化

コンビニ

店舗在庫・物流卸メーカー物流センター 店舗

100－ 500M

スーパー店舗

500 ー１ Km（卸）

メーカー

メーカー物流センター

５０００ SKU

1 ５ , ０００ SKU

通販･アスクル

メーカー物流センター１０００ SKU/週

（卸）

生協ネットスーパー

メーカー物流センター１０００万 SKU

（卸）

消費

配送

配送

配送

個人の購買のための小売業は複雑な経路を持つ社会システム複雑さがコストを生み環境負荷も増やし、情報遮断による事故も５０兆円の消費財購買に 2兆円のガソリンと 7兆円の時間価値が 配達サービスは「そろえる」ビジネスでも

ある

流通における価格形成、コスト、消費者負担、環境負荷　　　　　ーすべてを小さくする購買社会システムー

ShopLogistics / PromotionFactory ConsumeDistributor

①Retail Network ②Consumer charge

Cost of Goods

Retailer Add

Market Price

Customer Add

Total Consumption Cost

Manufacture

Distributor

Retailer

Last one mileGas costTime cost

③EcoCost*

CO2

*Ecology Cost

製造・流通 顧客負担 環境負荷