これからの税財政・社会保障と企業の対応

2005/2/23 長野県経営者協会 1

これからの税財政・社会保障と

企業の対応

2005 年 2 月 23 日日本経団連　藤原清明


所得税の負担


所得税・個人住民税の税率• 所得税　　課税総所得金額　 330 万円以下　　　　 10%　　　　　　　　　　　　 900 万円以下 20% 　　 1,800 万円以下　　　　 30% 　　 1,800 万円超 37%• 個人住民税（所得割）　　課税総所得金額　 200 万円以下　　　　 5%　　　　　　　　　　　　 700 万円以下 10% 　　 700 万円超 13%


所得税・住民税の負担額

給与収入夫婦子２人

夫婦子１人夫婦のみ独身、共働

き300 万円 0.8 6.5 11 15.4

500 万円 16 22.9 28.7 34.5

700 万円 37.7 46.6 55.2 64.6

1,000 万円 95.2 109.8 119.2 128.6

1,500 万円 235.8 260.6 276.3 291.9


社会保険の負担

• 年金保険料 13.934%

• 健康保険料　 8.2%( 政管健保 )

• 介護保険料　 1.11%( 政管健保 )


負担は便益に見合っているか• 財政赤字（ 17 年度予算案）　　　▲ 34.4 兆円　　　　　歳出全体（ 82.2 兆円）の 41.8% に相当

• 基礎的収支（ 17 年度予算案）　　　▲ 15.9 兆円　　　　　基礎的支出 (63.7 兆円 ) の 25% に相当

• 厚生年金　　　 450 兆円の積立不足（ 2000 年）


基礎的収支

公債金収入

税　収　等一般歳出等

赤　字

利払費

債務償還費


将来の税・社会保障負担

• 所得税　　　　　　　８％　 →　？• 年金保険料　　 13.934% → 　 18.3 ％• 医療保険料　８ .2 ％　 →　 12 ％

• 消費税　５％　 →　？


長期的なスケジュール• 2006年度　所得税・住民税、高齢者医療

• 2007年度　消費税

• 2009年度　基礎年金国庫負担 1/2、介護保険

• 2012年度　プライマリー・バランスの回復

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税制改革の課題• 経済活力の維持、強化（法人課税、個人課

税）

• 適正な直間比率

• 地域経済の活性化

• 不公平感の解消

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社会保障改革の課題• 制度の持続性確保

• 経済活力の維持、強化

• 給付の適正化

• 自助努力の奨励

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国民負担率と失業率• アメリカ (1997) 　 37.0% 　　　　　 4.8%(2001)• 日　　本 (2003) 　 47.1% 　　　　　 5.0%(2001)

　　　　　　　　　　　 → 68%(2025)• イギリス (2000) 　 51.2% 　　　　　 5.0%(2001)• ドイツ (2000) 　 56.5% 　　　 7.9%(2001)• フランス (2000) 　 66.7% 　　　　　 8.6%(2001)

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法人税率の国際比較

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社会保険料と雇用の悪循環• 社会保険料は「雇用外形課税」

　　　　　　　　保険料の引き上げ

　　　　　　　　国内雇用の減少

雇用コストの上昇

支え手の減少

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企業の社会保障負担の推移利益計上法人 106 社

• 社会保障費合計 4848 億円 (1995) → 5109 億円 (2002) 5.4%

増• 一人当り社会保障費 76 万円 (1995) → 95 万円 (2002) 24.8%

増• 従業員数 63.8 万人 (1995) → 53.9 万人 (2002) 15.6%

減

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医療費の急増

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社会保障給付費抑制策経済財政諮問会議　民間議員提案（ 2/15 ）

• 名目 GDP 伸び率を指標とする総額抑制

• 医療、介護給付費抑制のための 5 ヵ年計画

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企業にできる医療費抑制• 保険者機能強化　　　　　　　医療機関の評価　　　　　　　診療報酬の割引契約

　　　可能とする条件　　　　　保険者機能のアウトソーシング　　　　　レセプトのデジタル化　　　　　診療行為の標準化　　　　　　保険者同士の広域連携・合併

• 従業員の健康管理

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年金改革の考え方

• 給付水準、保険料の抑制• 国民年金、厚生年金、共済年

金の一体化• 基礎年金と生活保護の連続性• 所得再分配の強化

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年金改革のイメージ

税

社会保険料

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アメリカの公的年金

• 保険料： 12.4%

• 国民共通の制度　　　（除く一部鉄道職員）• 社会保障番号で管理

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アメリカ公的年金：将来見通し2052 年に基金が枯渇

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アメリカ公的年金：将来見通し所得代替率の大幅低下

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Bush 政権の年金改革案• 個人勘定の創設• 拠出限度額は 4% に徐々に引き上げ• 年金給付のみ。一時金給付は認めない。• 投資対象は、社債・株式の保守的な組み

合わせに限定• 退職者、退職に近い者には影響なし

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Bush 提案の意義

•事実上の給付削減• 積立方式の部分的導入• 移行費用が限定的• 制度の持続性確保

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18年度税制改正の課題ー法人課税関係ー

• 法人税実効税率• 研究開発税制、 IT投資促進税制

（ 17 年度末期限）• 会社法現代化（三角合併、合同会社）• 固定資産税

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18年度税制改正の課題ー個人所得課税関係ー

• 所得税、住民税：税率構造、控除制度　　　　　↑　　　　　消費税とのセット？

• 住宅税制のあり方

• 年金課税

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環境税の行方• 京都議定書の発効（ 2 月 16 日）

• 京都議定書目標達成計画策定（４～５月）

　　　　↓　　　場合によっては年末に再議論

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日本経済団体連合会　経済本部　税制・会計グループ長

藤原清明

03-5204-1679

[email protected]

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