ITの視点から 日本の医療を問い直す

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ITの視点から 日本の医療を問い直す. 日医総研委託研究員 岡田武夫. Information and communication is not technical matter but political issue. 「欧州の電子カルテ オランダ・スコットランド編」より. 情報. 一般には、森鴎外がクラウゼビッツの戦争論を訳出するときに「 nachricht 」の訳語として使ったのが最初、と言われている。 明治最初期のフランス陸軍の歩兵の演習軌典の訳書に「情報」という言葉があるという。 「敵情報告」を省略して「情報」にした?. - PowerPoint PPT Presentation

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Page 1: ITの視点から 日本の医療を問い直す

ITの視点からITの視点から日本の医療を問い直す日本の医療を問い直す

日医総研委託研究員岡田武夫

Page 2: ITの視点から 日本の医療を問い直す

Information and communication Information and communication isis

not technical matter not technical matter but political issue.but political issue.

「欧州の電子カルテ オランダ・スコットランド編」より

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情報情報

一般には、森鴎外がクラウゼビッツの戦争論を訳出するときに「 nachricht」の訳語として使ったのが最初、と言われている。

明治最初期のフランス陸軍の歩兵の演習軌典の訳書に「情報」という言葉があるという。

「敵情報告」を省略して「情報」にした?

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informationinformation

informinform

formform

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データ( data)

情報( information)

知識( intelligence)

数字・文字の羅列1通のメール

データ・アーカイブメーリングリスト

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医療行為とは?医療行為とは?

Dataの収集– 診察・検査…

Informationの形成– 診断・評価

Intelligenceの使用– 治療方針の決定・評価

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医療行為とは?医療行為とは?

Dataの収集– 根性の問題

Informationの形成– 根性と知恵

Intelligence– 知恵

治療行為– 根性

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EBMとは?EBMとは?

信頼できる証拠( Evidence)を一人ひとりの医師が自分の目で判断する– 証拠を批判的に吟味する– 科学者としての基本的な能力

患者の価値観や希望を十分に聞き取る– コミュニケーション能力

証拠と患者の価値観や希望を基に「理にかなった診療」を行う

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情報化情報化

検索できる形で検索できる形でデータの集合体をデータの集合体を蓄積する蓄積する

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データ

GOT  20,GPT  22,γGTP  90

GOT GPT γGTP

1997/05/08 18 21 48

1999/05/17 22 20 66

2000/06/01 19 25 78

2001/05/18 20 22 90

知識

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商売人の視点から商売人の視点から日本の医療を問い直す日本の医療を問い直す

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お客様は神様ですお客様は神様です

現金を持っているヤツが一番強い。お客様にお金を払ってもらわないと、生活が成り立たない。

お金を払うかどうかはお客様の都合。お金を払ってもらうために、お客様とこびへつらう必要がある。

それ以外に方法はないのか?

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医療の世界のお金の流れ医療の世界のお金の流れ

国民皆保険である– ほとんどの医療費は、医療保険にまつわるものである

保険料負担と自己負担

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医療費の割合(経費)医療費の割合(経費)

50.3% 25.2% 24.5%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

経費人件費材料費その他

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制度別の医療費制度別の医療費

14.1%10.5%0.1%3.5%18.9%1.1% 33.3% 4.8%13.7%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

制度

政管健保組合健保船員保険共済組合国保労災他老人保健給付分公費負担医療給付患者負担

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医療費の負担割合医療費の負担割合

24.4% 7.8% 54.0% 13.8%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

負担

国庫負担地方負担保険料患者負担など

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お金を持っているヤツがお金を持っているヤツが一番偉い一番偉い

誰が誰にお金を払うのか?

医療機関

患者保険者

国民

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交渉を行うときの鉄則交渉を行うときの鉄則

誰が誰に影響力を持っているか?– 現物を持っているものが強い

お金は借りた人のもの モノは借りた人のもの

近攻遠交

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医療機関の味方は?医療機関の味方は?

お金の流れから見ると「一般国民」「患者」は「一般国民の代表」であるが、マイナーな勢力に過ぎない。

病院へ来ない人にどうアピールするか?

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組織外に情報を流すメリット組織外に情報を流すメリット

組織外の人も組織内の人も同じ「人間」である。

組織外の人は、潜在的な応援団である。組織内にいる人は、組織外の情報(善

意の第三者)をより信頼する傾向がある。– これらをフルに利用したのが「小泉首相」

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本当に出来高払い?本当に出来高払い?

本来の出来高払いは、青天井のはず。医療保険の保険料は、給与所得などで決定される。

公費投入部分は国や自治体の裁量。すなわち、医療費の総枠は、国民所得や財政によって決定される。

実質的な「総枠予算制」

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本当に出来高払い?(2)本当に出来高払い?(2)

「出来高払い」=「医療機関の言い値が通る世界」

すべての医療機関、すべての保険者が、基本的に同一の点数表を使っているというのは不思議。

「出来高払い」ならば、複数の点数表があっても良いのでは?

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フリー・アクセスフリー・アクセス

大病院志向– ワンストップサービス

コンビニとショッピングセンター・専門店の使い分け– コンビニは、身の回りのモノ・緊急避難– ショッピングセンターは、まとめ買いの出来る日用品

– 専門店は、趣味のモノ、とっておきのモノ

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昔は?昔は?

個人商店は、事実上、年中無休・24時間営業だった。

事実上、今のコンビニと同じ機能を果たしていた。

現在のコンビニの多くは、元をただせば個人商店

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機能分化=点数表の分化機能分化=点数表の分化

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営利企業の目的営利企業の目的

利潤を産み続けること「続ける」ためには何が必要か?

– 信頼性の確保– 徹底したリスクマネジメント– 徹底したリスクコントロール

航空会社の多くは「営利企業」

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営利と非営利営利と非営利

「非営利」の意味は果実の「非分配」である

営利企業は、株主(出資者)のものである。営利企業は株主に果実を配当するために利

益を追求する。非営利事業の基本条件は、出資者に経済的な果実を分配しないことであって、利益や内部留保を生まないことではない。

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NPOの経営とガバナンスNPOの経営とガバナンス

株式会社の場合– 株主総会・取締役(会)・監査役・監査法人

– 開示すべき情報の明示NPOの場合

– 民法上は、理事以外の規定は曖昧。– ガバナンス・外部監査・情報開示の面で、

株式会社と同様な体制を整える必要がある。

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医療機関はNPO医療機関はNPOでなければならないでなければならない

医療は公益事業である。民間が積極的に公益を担う必要がある。

– サービスには民間の自由な発想が必要。

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医療費の負担割合医療費の負担割合

24.4% 7.8% 54.0% 13.8%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

負担

国庫負担地方負担保険料患者負担など

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医療機関はNPO医療機関はNPOでなければならないでなければならない

特定の個人・法人に果実が分配されてはならない。

果実の分配は、税や公益事業への寄付・出資などで行われる必要がある。

出資者・寄付者に対しては、寄付税制の拡充などで報いる必要がある。

ガバナンス体制の確立・第三者による監査・情報開示は、社会的認知を得るために必須。

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医師会はNPOである医師会はNPOである

特定の個人・法人に果実が分配されてはならない。

果実の分配は、税や公益事業への寄付・出資などで行われる必要がある。

出資者・寄付者に対しては、寄付税制の拡充などで報いる必要がある。

ガバナンス体制の確立・第三者による監査・情報開示は、社会的認知を得るために必須。

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日医総研はNPO日医総研はNPOである必要はないである必要はない

特定の個人・法人である医師会員・医師会だけに果実が分配されるべきである。

医師や医師会は、分配された果実で公益事業をより効果的に行い、社会に対して果実を還元できる。

ガバナンス体制の確立・第三者による監査・情報開示は、社会的認知を得るために必須。

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診療録とは何か?診療録とは何か?

「カルテ」をどう書くべきか?

記載方法 POMRを日医も推奨POMRは紙媒体では面倒くさいなぜなら、POMRは「電子カルテ」を

前提にした方式だから。– Problem list を Master Table とする Database

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診療と情報診療と情報

診療を行うために必要な情報– 医学的な情報– 社会・経済的情報

診療の結果生じた情報– 診察所見・検査所見・投薬内容…

円滑な医療者・患者関係を作るために必要な情報

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診療録に何を書くのか?診療録に何を書くのか?

患者の主訴各種の計測値

– 身長・体重・体温・血圧・脈拍・…オーダー情報・指示

– 検査の指示・処方・…アセスメント

– 客観的・主観的

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書かなくても良いのでは?書かなくても良いのでは?

個人の趣味・性癖

その他、プライバシーに直接関わる情報– 家族構成– 自宅での生活状況

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紙のメリット・デメリット紙のメリット・デメリット

一覧性

必要なところを強調する、不必要なところを隠す、と言ったことが出来ない

強調や隠蔽が事実を歪める可能性は否定できない

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紙のデメリット紙のデメリット

一度に一ヶ所にしか存在できない– 真正性を主張する場合は有利

多人数による共同作業には不向き多人数が情報を共有するためには、場

所や時間を共有する必要がある。

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電子カルテを使った医療電子カルテを使った医療

コンピュータ=石頭計算機– 融通が利かない点をどう活用するか?

医療のワークフローの徹底的な見直し– 従来通りのやり方を踏襲する必要はない。– 電子カルテは、紙カルテの代替物ではない。

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工程管理・品質管理工程管理・品質管理

最低レベルの引き上げ– つまらない見落としの排除– 頼れるアドバイザが必要

セーフティネットの確立

ベテランにはベテランらしい医療を初心者にはベテランの知恵を

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航空機の運航航空機の運航

定期航空会社は、スケジュール通りに航空機を飛ばす。

気象データの入手経路– 気象庁のデータ(天気図)– 飛行場や気象観測施設のデータ– 飛行場の気象レーダ– 気象衛星– パイロットレポート

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航空機の運航2航空機の運航2

ディスパッチャー– フライトプランの作成

パイロット– 実際に航空機を運航する

ディスパッチャーとパイロットの意見が一致しない場合、航空機は出発できない。

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ブリーフィングブリーフィング

ディスパッチ・ブリーフィング– コックピットクルーとディスパッチャー

キャビン・ブリーフィング– キャビンクルー

合同ブリーフィング– コックピットクルーとキャビンクルー

デ・ブリーフィング

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電子カルテの必要性電子カルテの必要性

アシスタントとしてのコンピュータ– 備忘録・注意喚起・参考書– ログブック(業務日誌)

診療の工程管理– 見落としの排除– Negative data の重要性

本当になかったのか? 見落としただけなのか?

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現在の医療の欠陥?現在の医療の欠陥?

「実施」の確認の欠如医師は指示するだけでよいのか?

– 実施状況の確認– 実施後の変化の確認

医師の業務とは何か?権限と権限委譲のルール

– 看護婦の業務は? 薬剤師の業務は?– コメディカルの業務は?

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電子カルテの役割電子カルテの役割

状況の監視と確認– その場にいる必要がない

委譲した権限の管理ツール

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ITITにはお金がかかるにはお金がかかる

コンビニエンスストアは、なぜ値引きをしないのか?

情報インフラと配送システムの維持管理にかかる莫大な経費

他品種少量展開・個別配送の宿命か?

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医療の情報化の医療の情報化の経費を誰が払うのか?経費を誰が払うのか?

社会サービスの一環としての医療を支えるシステム

医療機関が連携するためのシステム

他と差別化するためのシステム

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ORCA(仮称)とは?ORCA(仮称)とは?

医療機関にネットワークを医療機関(特に診療所)にとってメリットのあるシステムは何か?

レセコンを使わない医療機関は無かろう– レセコンの費用の問題

ネットワークを介してサポートするタイプのレセコンを開発

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ORCAORCA(仮称)のめざすもの(仮称)のめざすもの

情報システムにおける主導権の確保– システムを作ることが目的ではない– 実例を示すためにシステムを作る

医療機関間の情報交換の促進– 実のある病診連携・診診連携をするために– 交換方法の提案– データの共有や二次利用はその先にある話

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ORCAORCA(仮称)の究極の目(仮称)の究極の目的?的?

ORCAが不要となること

医師主導で円滑な情報交換を可能とするシステムが存在していればよい

そう言うシステムが、複数存在していればなお良い

ORCAがその一つである必要はない