矩形波信号を利用したサブサンプリング位相比較器の検討

Matsuzawa& Okada Lab.

Matsuzawa Lab.Tokyo Institute of TechnologyMatsuzawa

& Okada Lab.Matsuzawa Lab.Tokyo Institute of Technology

矩形波信号を利用したサブサンプリング位相比較器の検

討

東京工業大学大学院理工学研究科電子物理工学専攻

○ 上野智大，岡田健一，松澤昭

C-12-60

2


発表内容

• 研究背景・目的• サブサンプリング PLL• - サブサンプリング位相比較器• 20GHzPLL で利用する際の問題点• 波形整形回路• シミュレーション結果• 20GHzPLL としての評価• まとめ

2013/3/22

T. UENO, Tokyo Tech

3


-140

-120

-100

-80

-60

-40

10 10 10 10 10

位相

雑音

[dB

c/H

z]

オフセット周波数 [Hz]

2.4GHz PLL21.6GHz PLL

研究背景・目的

• 60GHz 無線通信に 20GHz 周波数シンセサイザを利用

• 周波数，分周比 N が大きく，位相雑音が劣化

• サブサンプリング手法で帯域内位相雑音を低減し，　　 60GHz 帯通信でのキャリアリカバリを容易にする2013/3/22

T. UENO, Tokyo Tech

19dB （ 9 倍）

帯域内位相雑音

（リファレンスクロック， Q 値は等しいと仮定）3 4 5 6 7

4


-140

-120

-100

-80

-60

-40

10 10 10 10 10

位相

雑音

[dB

c/H

z]


2.4GHz PLL21.6GHz PLL21.6GHz SSPLL

研究背景・目的

• 60GHz 無線通信に 20GHz 周波数シンセサイザを利用

• 周波数，分周比 N が大きく，位相雑音が劣化

• サブサンプリング手法で帯域内位相雑音を低減し，　　 60GHz 帯通信でのキャリアリカバリを容易にする2013/3/22

T. UENO, Tokyo Tech

帯域内位相雑音

（リファレンスクロック， Q 値は等しいと仮定）3 4 5 6 7

5




サブサンプリングPLL

2013/3/22 T. UENO, Tokyo Tech

[1] X.Gao, et al., JSSC 2009

• 通常の PLL

• サブサンプリング PLL[1]

• PD/CP に起因する雑音に分周比 N が寄与しなくなる

Φ𝑜𝑢𝑡

𝑖𝐶𝑃 ,𝑛= 𝑁𝐾 𝑑

𝐺(𝑠)1+𝐺(𝑠 )

Φ𝑜𝑢𝑡

𝑖𝐶𝑃 ,𝑛= 1𝐾 𝑑

𝐺(𝑠)1+𝐺(𝑠 )

（は一巡伝達関数，帯域内では）

6




サブサンプリング位相比較器


• VCO 出力の正弦波を利用して，位相差を電位差に変換

7




20GHzPLL に適用する際の問題点


• 20GHz 正弦波信号から直接の位相差検出が困難• →20 分周後の 1GHz 信号を利用• 　デジタル分周器を介した矩形波信号• 矩形波信号では位相差を電位差に変換できない

出力信号

基準信号

検出信号位相差を電位差に変換できない

従来の系今回の系

8




波形整形回路


• 矩形波信号を鈍らせ，位相差→電位差の変換を実現

-0.40

0.40.81.21.6

0 200 400 600 800 1000

電圧

[V]

時間 [ps]

-0.40

0.40.81.21.6

0 200 400 600 800 1000

電圧

[V]

時間 [ps]

Vsam_pVsam_n

デジタル分周器出力信号

GND

VDD

Ref

Ref

Ref

Ref

Vsam_p

Vsam_n

9




位相比較器シミュレーション結果


• 電位差（ =Vsam_p - Vsam_n ）を後続の CP で利用• シミュレーションにより目的の特性を確認• ロック時は位相ロック地点近傍で動作

-1.6-1.2-0.8-0.4

00.40.81.21.6

-200 0 200 400 600 800

電位

差[V

]

タイミングずれ [ps]

理想シミュレーション

位相ロック地点

10




20GHz サブサンプリング PLL の構成


• リファレンスクロック 18MHz ，出力周波数21.6GHz

• 1.08GHz 信号を位相差検出に利用• 実際には周波数を指定するための FLL も必要• 　　　　　　　　　　　　　　　（ Frequency

Lock Loop ）

LPF

4 5

CPSSPD 21.6GHz18MHz

1.08GHz

11




PLL シミュレーション結果

2013/3/22

• 手法の適用により帯域内位相雑音が約 18dB 改善

T. UENO, Tokyo Tech

従来の PLL サブサンプリングPLL

位相雑音 @1kHz offset[dBc/Hz]

-68.8 -87.1

3 4 5 6 7-150-130-110-90-70-50

10 10 10 10 10

位相

雑音

[dB

c/H

z]


従来のPLLサブサンプリングPLL

12




まとめ


• 矩形波信号を利用したサブサンプリング PLL を構成するため，回路の追加により位相比較器を実現した。

• リファレンスクロック 18MHz ，出力周波数21.6GHz のサブサンプリング PLL を構成し，従来構成と比べて 18dB 程度の改善を実現した。

矩形波信号を利用 した サブサンプリング位相比較器の検討

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