光化学 6 章  6.1 .4 ver. 1.0

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光化学 6 章  6.1 .4 Ver. 1.0. FUT 原 道 寛. 光 化学 I. 6.1.4. 消光と光増感. A. B. C. D. E. 6.1.4. 消光と光増感. A. C. B. D. 6.1.4. 消光と光増感. A. B. C. D. 6.1.4. 消光と光増感. A. B. C. D. E. 6.1.4. 消光と光増感. A. B. C. 一重項 酸素. A. B. C. C. 一重項酸素. A. B. C. D. E. 6.1.4. 消光と光増感. A. - PowerPoint PPT Presentation

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光化学6 章  6.1.4   Ver.   1.0

FUT原 道寛

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光化学 I• “ 光化学”を学ぶにあたって序章• 光とは何か1 章• 分子の電子状態2 章• 電子励起状態3 章• 分子と光の相互作用4 章• 光化学における時間スケール5 章• 分子に光をあてると何が起こるか

• 1 化学反応機構の概略• 2 光反応とポテンシャルエネルギー曲線6 章

• 光化学の観測と解析7 章• どのように光を当てるか8 章• 光化学の素過程9 章• 光化学反応の特徴10 章 2

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6.1.4. 消光と光増感ベンゾフェノンの光還元反応を空気飽和下で行う• 反応効率は低くなる.• 水素引抜き反応と競争して酸素がベンゾフェノンの T1 を失活させるため第三物質による反応効率の低下や蛍光・りん光などの発光効率が減少すること• 消光( quenching )といい,その第三物質を消光剤( quencher )という.励起分子が基底状態分子と相互作用することによって,その励起エネルギーを失う or その励起分子が消失する現象• 消光という.

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C D

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6.1.4. 消光と光増感励起分子が第三物質によって消光され,その第三物質の反応が誘発された場合,• これを光増感反応( photosensitized   reaction )という(図 6 .

8 参照).光増感反応が起こるには,光増感剤の励起状態が反応基質の一つによって消光されることが必要• 言い換えると光増感と消光は表裏一体となっていることである.光増感反応において三重項エネルギー移動機構がもっとも一般的。• エキシプレックスまたは励起状態電子移動を経由する光増感反応もある,表 6 . 2 .

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B C

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6.1.4. 消光と光増感

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6.1.4. 消光と光増感酸素• 基底状態で三重項( T0 , 3Σg‾ )をとる特異な常磁性分子であり,• 多くの光反応や蛍光およびりん光に対する典型的な消光剤となる.酸素による励起分子の消光には• 複数の機構が可能,• もっとも重要な機構は三重項エネルギー移動である.

酸素• 200 nm 以下に T0→Tn ( n≥1 )遷移による吸収を示し,エネルギー的に低い一重項状態への遷移,• T0→S1 ( 1△g 、~ 95   kJmol - 1 )および T0→S2 ( 1Σg

+,~157   kJmol―1 )遷移はスピン禁制となるので,これに相当する光吸収は事実上ない.

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6.1.4. 消光と光増感一重項酸素( 1 O 2 )を発生させるには直接光励起ではできない.一方, 95   kJmol - 1 以上のエネルギーをもつ三重項励起分子( 3M* )は,• T0 酸素分子にエネルギー移動を行うことができる.エネルギー移動による一重項酸素( 1O2 )の生成過程• 3M* + 3O2→M + 1O2

• スピン保存則からも許容であり, 1O2 の発生にもっともよく用いられる. 7

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一重項酸素酸素分子

• 基底状態で三重項状態の特異な分子である• 分子軌道は下式に示されるとおり最高被占準位( HOMO )が縮重.• 二つの縮重した 2pπg 軌道に 2 個の電子を配置するには右図のように,三とおりの方法.

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B

C C

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2 個の縮重した 2pπg 軌道( πx とπy )それぞれに電子が 1 個ずつ,スピンを平行にして入る三重項状態( 3Σg‾ )がもっとも安定(基底状態).他の二つの状態は 2 個の電子のスピンが対になった一重項状態( 1Σg

+および 1△g )であり,励起状態ローズベンガルなどの色素類への光照射により右式のようなエネルギー移動で一重項酸素が生成.

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一重項酸素A

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6.1.4. 消光と光増感一重項酸素は多くの不飽和有機分子と速やかに反応して酸素付加体を与える.その反応形式にはいくつかのタイプがあるが,式( 6 ・ 13 )に G . Schenck が提案した著名な古典的反応例を示す.

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式 6.13

• ホウレン草から抽出したクロロフィルをα -テルピネンのエタノール溶液に少量加え,

• 酸素を通しながら太陽(可視光)にさらす• α -テルピネンと酸素の付加体(アスカリドール)が高収量で生成

特徴• この反応はクロロフィルが存在しないとまったく起こらず.• クロロフィルが可視光を吸収、• 光を吸収しない α -テルピネンと酸素の光増感反応が起こった

光を吸収し自らは反応に直接関与しないクロロフィルのような分子• 光増感剤( photosensitizer )• 光増感剤:ローズベンガルやメチレンブルーなどの色素も有効

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6.1.4. 消光と光増感

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6.1.4. 消光と光増感一重項酸素による酸素付加反応• エン反応とよばれるヒドロペルオキシドの生成(式( 6 ・ 14 )).

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エン反応:アリル位に水素をもつアルケンと、アルケン、カルボニル基などの 2π 電子系との間で σ結合の形成を伴う水素移動が起こる反応のことである。

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6.1.4. 消光と光増感式( 6 ・ 15 )• 増感剤( Sens ):電子受容性• 反応基質:ジフェニルシクロブタン( CB ):電子供与したがって,• 励起錯体の電子状態:[ Sensδ‾CBδ +] * ,• 正電荷: CB 上に発現。• シクロブタン環の電子密度が減少• 結合が弱くなる.

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6.1.4. 消光と光増感電子移動光増感反応の例:式( 6 ・16 )• 1,1 -ジフェニルエチレン( DPE )へのメタノールの反 Markovnikov 付加反応を示す.• 励起一重項状態の電子受容性光増感剤( 1Sens* ):極性溶媒中で電子供与体 DPE から電子を引抜き,• 増感剤のラジカルアニオン( Sens ・一)とオレフィンラジカルカチオン( DPE ・+)を与える

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6.1.4. 消光と光増感電子移動光増感反応の例:式( 6 ・ 16 )• DPE ・+にメタノールが求核付加し,安定な中性ラジカルを与え,• Sens ・―がこの中性ラジカルを一電子還元し,• 続いてプロトンが付加し,• 増感剤の再生とともに反応この反応• 実際には化学収率が悪く,また量子収量も低い.• 種々の複雑な副反応や失活過程が関与するため

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マルコフニコフ則• ハロゲン化水素が非対称なアルケンへ付加した場合の主生成物について触れられていた。より多くの水素が結合している sp2炭素(二重結合を持つ炭素)にハロゲン化水素由来の水素が結合するというものである。一般的に、非対称形の反応剤が非対称形のアルケンに付加するときは、二重結合の二個の炭素のうち水素原子数の多いほうの炭素に反応剤の電気的に陽性な部分が結合する、という規則に拡張できる。• 具体例を挙げれば、プロペン (CH3CH=CH2) に酸触媒で水を付加すると

2- プロパノール (CH3CH(OH)CH3) が選択的に生成し、 1- プロパノールは生成しない。 1-ペンテン (CH2=CHCH2CH2CH3) に光触媒で塩化水素を付加すると 2- クロロペンタン (CH3CClHCH2CH2CH3) が選択的に生成する。• これは反応中間体であるカルボカチオンが結合している炭化水素基が多いほど超共役効果で安定化されるからである。より安定な中間体を形成する生成物のほうが生成に有利である。

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逆マルコフニコフ則 • マルコフニコフ則が成立するのは、親電子的付加反応の場合のみである。ハロゲン化水素付加の場合でも、条件をラジカル付加反応が起こるようにすると、マルコフニコフ則と逆の生成物を与える。これも超共役によって説明でき、より安定なラジカル中間体が生成するように反応が進むのでマルコフニコフ則とは逆の反応が起きる。• これを逆マルコフニコフ則 ( 反マルコフニコフ則 ) 、またはアンチマルコフニコフ則という。

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参考文献• 光化学 I  井上ら 丸善(株)

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