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2 21 23 “わたし まち” 足立区 郷土博物館では、 古くて新しい足立区の魅力を 知ることができる! 館内には、昔懐かしいおもちゃや生活道具類の展示もあ る。実際に手で触れることができ、子どもたちよりもむ しろ大人のほうが夢中になっている姿も見かけられる 舩津文渕「猛虎図」より

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Page 1: ¿ C r p S b µ Ù ¿ Ä qà · b nh M Úø¯ ³ æ °®N $¯ ª J°®« ¦ $¯ K b Ð y q C_^ [¿ N ¿ O ä æ z H w ^ ¼ x a : w Ô H ¯ è « ³ ï · T $ ú x Ï R å Ï Ð Ì

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 それを受けて、足立区では区制80周

年事業の一環として文化遺産調査を実

施しました。

 その結果、江戸絵画を中心とした美

術品や関連資料が確認されました。建

物の解体前日に情報提供があり、大慌

てで現地へ向かい、その場で寄贈され

るなど突然の調査もありました。いず

れにしても家庭の中で大切に保管・使

用されてきたものであり、地域の方々

との信頼関係なくしては調査は進みま

せんでした。

 こうした調査を通して、千住だけで

なく区内のほかの地域でも、俳諧や絵

画など文雅を楽しむ当時の様子が明ら

かになってきました。

絵師を支えた足立の人々

 千住宿は、日光街道の江戸を出て最

初の宿場町であり、仙台の伊達家や秋

田の佐竹家など東北や関東から江戸に

向かう大名行列や、多くの旅人が行き

交う場所でした。

 また、当時の足立区周辺の河川に囲

まれた穏やかな風景や自然は、都市に

住む人々の好む行楽地で、江戸の人々

が徒歩や船で遊びに出かける場所とし

て人気を博しました。

 東郊一の規模を誇る千住青物市場(や

っちゃ場)は、神田、駒込と並ぶ江戸

三大青物市場の一つに数えられ、街道

沿いには多くの商店が建ち並び、大変

にぎわっていました。

 幕末から明治にかけての千住では、

地域の有力者たちが作品を発注するこ

とで画家の活動を支援し、多数の文人

や絵師が活躍するなど、華やかさに満

ちていました。

 経済的に豊かな商家の旦那衆は、

数々の美術品を収集し、日々の暮らし

に彩を与えました。季節に合わせた掛

け軸を床の間に掛け、年中行事や冠婚

葬祭などの折には屏風を飾りました。

絵師たちは初節句を祝うための雛人形

足立区広報担当おすすめスポット

“わたしのまち”

区立郷土博物館での文化遺産調査の様子。区内には地域の生活に密着した資料が多く残されていることが明らかになった

谷文晁「西蛮画獣譜写」 鈴木其一「歌仙図」 酒井抱一「光琳百図」

2

あります。

続々と発見される美術資料

 歌川広重や葛飾北斎の作品をはじめ

1300点もの浮世絵コレクションを

誇る郷土博物館は、平成21年、江戸時

代から昭和までの「江戸東京の東郊」

をテーマに、足立区の発展の歴史を知

ることのできる場としてリニューアル

オープンしました。

 「千住の琳派展」や「大千住展」と

いった千住に伝わる歴史美術資料を紹

介する展覧会が開催されると、「うち

にも同じような資料がある」という情

報が区内各地から多く寄せられるよう

になりました。

 四方を川に囲まれ、区立公園の面積

は23区最大という水とみどり豊かな足

立区。江戸時代には、川には舟が浮か

び、千住を中心に人々が行き交い、大

変にぎわっていました。

 千住は松尾芭蕉「奥の細道」の旅立

ちの地としても知られ、古くから俳諧

の文化が根付いた土地でした。俳諧は

広い階層の人々の間で親しまれ、足立

の人と江戸の文人や絵師たちとの交流

も深まっていました。

 ここ数年足立区では、そうした絵師

たちによる美術品の数々が見つかって

います。精神的に豊かな文化・暮らし

ぶりは、江戸時代で終わらず昭和にま

で続いていたことが明らかになりつつ

江戸時代から交通の要としてにぎわっていた千住を中心に、

足立の人々と絵師たちの間には親しい交流がありました。

当時の足立の人々は生活の中に美術作品を取り入れ、

教養豊かな文化的な暮らしを送っていました。

この春、郷土博物館に当時の様子を知ることができる貴重な作品が展示されます。

足立は美術品の宝庫だった

足立は美と知性の宝庫だった

  〜文人たちが集い 

作品を残したまち〜

広報担当おすすめスポット

“わたしのまち”

足立区

郷土博物館では、古くて新しい足立区の魅力を

知ることができる!

館内には、昔懐かしいおもちゃや生活道具類の展示もある。実際に手で触れることができ、子どもたちよりもむしろ大人のほうが夢中になっている姿も見かけられる

舩津文渕「猛虎図」より

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 それを受けて、足立区では区制80周

年事業の一環として文化遺産調査を実

施しました。

 その結果、江戸絵画を中心とした美

術品や関連資料が確認されました。建

物の解体前日に情報提供があり、大慌

てで現地へ向かい、その場で寄贈され

るなど突然の調査もありました。いず

れにしても家庭の中で大切に保管・使

用されてきたものであり、地域の方々

との信頼関係なくしては調査は進みま

せんでした。

 こうした調査を通して、千住だけで

なく区内のほかの地域でも、俳諧や絵

画など文雅を楽しむ当時の様子が明ら

かになってきました。

絵師を支えた足立の人々

 千住宿は、日光街道の江戸を出て最

初の宿場町であり、仙台の伊達家や秋

田の佐竹家など東北や関東から江戸に

向かう大名行列や、多くの旅人が行き

交う場所でした。

 また、当時の足立区周辺の河川に囲

まれた穏やかな風景や自然は、都市に

住む人々の好む行楽地で、江戸の人々

が徒歩や船で遊びに出かける場所とし

て人気を博しました。

 東郊一の規模を誇る千住青物市場(や

っちゃ場)は、神田、駒込と並ぶ江戸

三大青物市場の一つに数えられ、街道

沿いには多くの商店が建ち並び、大変

にぎわっていました。

 幕末から明治にかけての千住では、

地域の有力者たちが作品を発注するこ

とで画家の活動を支援し、多数の文人

や絵師が活躍するなど、華やかさに満

ちていました。

 経済的に豊かな商家の旦那衆は、

数々の美術品を収集し、日々の暮らし

に彩を与えました。季節に合わせた掛

け軸を床の間に掛け、年中行事や冠婚

葬祭などの折には屏風を飾りました。

絵師たちは初節句を祝うための雛人形

足立区広報担当おすすめスポット

“わたしのまち”

区立郷土博物館での文化遺産調査の様子。区内には地域の生活に密着した資料が多く残されていることが明らかになった

谷文晁「西蛮画獣譜写」 鈴木其一「歌仙図」 酒井抱一「光琳百図」

2

あります。

続々と発見される美術資料

 歌川広重や葛飾北斎の作品をはじめ

1300点もの浮世絵コレクションを

誇る郷土博物館は、平成21年、江戸時

代から昭和までの「江戸東京の東郊」

をテーマに、足立区の発展の歴史を知

ることのできる場としてリニューアル

オープンしました。

 「千住の琳派展」や「大千住展」と

いった千住に伝わる歴史美術資料を紹

介する展覧会が開催されると、「うち

にも同じような資料がある」という情

報が区内各地から多く寄せられるよう

になりました。

 四方を川に囲まれ、区立公園の面積

は23区最大という水とみどり豊かな足

立区。江戸時代には、川には舟が浮か

び、千住を中心に人々が行き交い、大

変にぎわっていました。

 千住は松尾芭蕉「奥の細道」の旅立

ちの地としても知られ、古くから俳諧

の文化が根付いた土地でした。俳諧は

広い階層の人々の間で親しまれ、足立

の人と江戸の文人や絵師たちとの交流

も深まっていました。

 ここ数年足立区では、そうした絵師

たちによる美術品の数々が見つかって

います。精神的に豊かな文化・暮らし

ぶりは、江戸時代で終わらず昭和にま

で続いていたことが明らかになりつつ

江戸時代から交通の要としてにぎわっていた千住を中心に、

足立の人々と絵師たちの間には親しい交流がありました。

当時の足立の人々は生活の中に美術作品を取り入れ、

教養豊かな文化的な暮らしを送っていました。

この春、郷土博物館に当時の様子を知ることができる貴重な作品が展示されます。

足立は美術品の宝庫だった

足立は美と知性の宝庫だった

  〜文人たちが集い 

作品を残したまち〜

広報担当おすすめスポット

“わたしのまち”

足立区

郷土博物館では、古くて新しい足立区の魅力を

知ることができる!

館内には、昔懐かしいおもちゃや生活道具類の展示もある。実際に手で触れることができ、子どもたちよりもむしろ大人のほうが夢中になっている姿も見かけられる

舩津文渕「猛虎図」より19

宿

世田谷区

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5

し続けるために、地域や企業の枠組みを

超えて平成26年4月に『一般社団法人新

宿観光振興協会(以下、「協会」という。)』

を創設し、官民が一体となって取組んで

います。協会では、観光客や来街者に向

けて、新宿区内を「新宿駅周辺」「四谷」

「高田馬場・早稲田・大久保」「落合」「神楽

坂」の5つのエリアにわけたマップ入りの

観光情報誌「新宿Plus

」を年2回発行し、

ショッピングやグルメ、文化施設など、

地域の魅力情報を提供しています。また、

海外向けには、「新宿エクスプローラー」

を英語、中国語(繁体・簡体)、韓国語、タ

イ語で作成し、アジアを中心とした海外

の旅行代理店で配布するなど、観光客の

視点に立った情報提供も行っています。

多くの観光スポットを持つ新宿区

 新宿は、乗降客数世界一の巨大ター

ミナル新宿駅を持ち、百貨店やブラン

ドショップが集積するほか、世界有数

の繁華街である歌舞伎町があります。

その一方、江戸の風情を残す神楽坂や、

多国籍の文化が共生している大久保な

ど、地域ごとに違う特徴があり、多様

な顔を持つ魅力的なまちです。また、文

人・画家が多彩な活動を行ったまちで

もあり、有形・無形の文化財や、地場に

息づく染色・印刷産業など、豊かな土地

の記憶・まちの記憶に彩られています。

 こうした新宿の魅力を一層高め、創造

性にあふれたまちとして持続的に発展

広報担当おすすめスポット

“わたしのまち” 新宿区

新宿区は繁華街から住宅街に至るまでさまざまなまちの姿が区内に点在し、

多くの人が住み集うまちです。

そして、まちの観光にまつわる情報発信やイベントの開催、創出を

行っているのが一般社団法人新宿観光振興協会です。

今回はおすすめスポットとともに、新宿観光振興協会の取組の一部をご紹介します。

にぎわい都市・新宿の創造への取組

  〜多彩で個性的な顔を持ち、新しいことを創出するまち〜

新宿を知るなら「新宿観光振興協会」

新宿区には多様な顔を持つ魅力的な場所が多い。左上:夜の新宿大ガード(新宿) 右上:外堀の桜(四谷) 左下:「染の小道」(落合)の様子 右下:夜の新大久保の様子(大久保)

4

の絵師、谷た

文ぶん

晁ちょう

の弟子です。江戸琳

派の祖である酒さ

井い

抱ほう

一いつ

の弟子、鈴す

木き

其き

一いつ

とも交流がありました。発見された

中には美術史上貴重なものも多く、酒

井抱一の「光琳百図」は、1815年に

尾お

形がた

光こう

琳りん

の百回忌に際して酒井抱一が

編纂した光琳の画集です。何点か現存

していますが、抱一の朱文、押印がある

貴重な資料です。

 また、「西さ

蛮ばん

画が

獣じゅう

譜ふ

写うつし

」は、文渕の師

匠、谷文晁が医学者ヨンストンが描いた

動物図鑑を写したものとされています。

 3月13日から5月22日まで開催され

を描いた作品を依頼されることもあり

ました。

絵師

舩津文渕

 郷土博物館による文化遺産調査の結

果、千住から離れた農村地帯でも、江

戸文化との交流を示す資料が発見され

ています。

 江戸後期沼田村(足立区江北)の名な

主ぬし

で自身も絵師であった舩ふ

津つ

文ぶん

渕えん

が所蔵

していた絵や版本など100点以上を

同家の子孫が保管していることが明ら

かになったからです。文渕は江戸時代

る「文化遺産調査特別展 美と知性の

宝庫 足立」では、この文渕の資料を

中心に見ることができます。

 数々の美術資料は絵師ゆかりの家か

ら見つかっています。その中には日記

や注文簿なども含まれており、当時の

絵師の暮らしぶりや絵師と足立の人々

との強い結び付きなどが推察でき

ます。展示される作品からは、毎

日の暮らしの中で美に親しむ当時

の人々の、教養豊かな様子を垣間

見ることができます。芸術の香り

高い、活気あふれる当時の足立の

暮らしに思いを馳せ、郷土博物館で豊

かなひとときを過ごしてみませんか。

足立区広報担当おすすめスポット

“わたしのまち”

見て楽しい遊んで楽しい、会話が弾む

郷土博物館の人気常設展示

昔の家を再現

高度成長期に多く建てられた平屋建ての1軒2世帯の棟割長屋。昭和35年に建てられてから築4年後の夏の日の夕方5時ころ、両親と小学生の子ども2人の家庭をイメージして作ったとのこと。まるで、「ご飯できたわよ~」とお母さんが子どもを呼ぶ声が聞こえてきそう。

木造都営住宅の復元模型

四季折々の草花が楽しめる

隣接する東渕江庭園は故 小形研三氏が設計した野趣あふれる回遊式日本庭園。梅、桜、藤棚など季節の変化に癒されます。

東渕江庭園

かつての足立区では米や野菜が作られ、江戸東京の人々の食を支えていた。東郊の農村には堆肥をつくるための草を採る森などがなく、代わりに肥料として都市から出される下肥を豊富に使うことができた。このため、当時の足立は平坦な耕地が一面に広がる風景だった。当時を知る人にとっては懐かしい展示かも!?

昭和40年代頃まではあちこちで見られた

肥こえ

溜だ

めの原寸復元

今年11月で開館30年を迎える

足立区大谷田5-20-1 [交通]JR亀有駅北口より東武バス「足立郷土博物館」下車徒歩1分、「東淵江庭園」下車徒歩4分、JR・東京メトロ千代田線綾瀬駅西口より東武バス「東淵江庭園」下車徒歩4分、駐車場有り [休館日]月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日)、年末年始 [開館時間]9:00~17:00(入館は16:30まで) [入館料]一般200円(高校生以上)※70歳以上は無料

足立区立郷土博物館

お化け煙突

千住火力発電所1/200復元模型大正15年~昭和39年、足立区にそびえていた千住火力発電所の四本煙突。見る角度によって本数が違って見えることから「お化け煙突」と呼ばれ、東京タワーができるまでは都内で1番の高さともいわれていた。東京電力に博物館の職員が通い、調査し正確に再現してある。

3月13日から5月22日まで開催される、文化遺産調査の成果による舩津家所蔵の美術資料展。書画をたしなみ生活に取り入れていた教養人が多数足立に居住し、江戸の絵師を含めて互いに交流していた当時の様子を知ることができる。期間中は常設展示は行わず、全館を通して展示される

20平成28年3月 No.312