十勝川支流 川の生物学的調査 メム 川の淡水魚類及...

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十勝川支流 メム 川の生物学的調査 メム 川の淡水魚類及びその 環境 Biological Observations Of Memu Stream, TOkachi River System The Freshwater Fishes and its Environment. TOyohiko HIKITA (With Figures 16) Since 1955, the predatlon Of freshwater fishes On salmon eggs and fry has been investigated as a part 0f the natural spawning programs Of chum salmon in Memu stream, a tributary 0f TOkachi river. First Of al1, ft is necessary t0 know about the biological structures 0f the environment. In this paper the author is going to present outlines 0f the geographical condition Of TOkachi river systems, together with plant and animal lives tn Memu stream. Theresult 0f the present investigation showed that freshwater fishes which inhabit the stream are following I5 species : La@w 8f アワイ eissnen@ (f nf. /hynchus keta Onrco ノ方ノ nchus sou Onr.0/ んタ刀 chus go0@busch0 Tn@bolodon fiakonensis 加方 onensis MOroco ercnnMr S Ca/ s@us aXMr0tus Cy r 廿 nus ca ゆ幻 Bdr&WfM iom@ 0rp nS M@i@sgM グれ M.*s ばれ g @iic.trudatu5 Gaanirrns7Cus iir.ulrafMs M.edfM.S PIuM% fius タぴ乃 S$ttUS 力 ばれ iiuS P weitz 川力unsiftus i Wens4$ (?) Cnft :s @nu uauiaC h@nogo0bEus s けれ $l4s Among these species, the occurrence 0f the stickleback is the most dominant, having a wide distribution in a great number in this stream. Sculpin, lamprey and dace are commonly collected by a sco0p-net 0r gill net through the year round. HOwever, the rest 0f the fishes are not S0 frequent in the stream. The predatory fishes harmful t0 salmon eggsand fry in the stream are following 4 species, sculpin, rainbow trout, masou salmon and common dace. The carp which @s harmless does not inhabit the stream, naturally propagating only in a pond In front Of the Satsunai hatchery. When we compare the chum fry specimens Of the same age in the stream, it seems highly probable that the natural fry grows more rapidly than the artificial one. In conclusion Memu stream provides not only very suitable environment for the natural spa 0f chum salmon, but also suitable inhabitancy for other freshwater fishes. 北悔道さけ・ます ふ化場研究菜漬第 l63 47

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十勝川支流 メム 川の生物学的調査

メム 川の淡水魚類及びその 環境

Biological Observations Of Memu Stream, TOkachi River System

The Freshwater Fishes and its Environment.

TOyohiko HIKITA

(With Figures 16)

Since 1955, the predatlon Of freshwater fishes On salmon eggs and fry has been investigated as a

part 0f the natural spawning programs Of chum salmon in Memu stream, a tributary 0f TOkachi river.

First Of al1, ft is necessary t0 know about the biological structures 0f the environment. In this paper the

author is going to present outlines 0f the geographical condition Of TOkachi river systems, together

with plant and animal lives tn Memu stream.

The result 0f the present investigation showed that freshwater fishes which inhabit the stream are

following I5 species :

La@w タ 8f アワイ eissnen@

(f ・nf. つ /hynchus keta

Onrco ノ方ノ nchus 拠sou

Onr.0/ んタ刀 chus go0@busch0

Tn@bolodon fiakonensis 加方 onensis

MOroco 力 ercnnMr ぱS

Ca/ 必s@us aXMr0tus

Cy タ r廿 nus ca ゆ幻

Bdr&WfM 伍 iom@ 0rp . nS

M@i@sgM グれ M.*s ばれ gば @iic.trudatu5

Gaanirrns7Cus iir.ulrafMs 仰M.edfM.S

PIuM%却fius タぴ乃 S$ttUS力 ばれ 却iiuS

Pれ weitz 川力unsiftus iノWens4$ (?)

Cnft ぴ :s @nu 之 uauiaC

尺h@nogo0bEus sけれ $l4s

Among these species, the occurrence 0f the stickleback is the most dominant, having a wide

distribution in a great number in this stream. Sculpin, lamprey and dace are commonly collected by

a sco0p-net 0r gill net through the year round. HOwever, the rest 0f the fishes are not S0 frequent

in the stream. The predatory fishes harmful t0 salmon eggs and fry in the stream are following 4

species, sculpin, rainbow trout, masou salmon and common dace. The carp which @s harmless does

not inhabit the stream, naturally propagating only in a pond In front Of the Satsunai hatchery.

When we compare the chum fry specimens Of the same age in the stream, it seems highly probable

that the natural fry grows more rapidly than the artificial one.

In conclusion Memu stream provides not only very suitable environment for the natural spawning

0f chum salmon, but also suitable inhabitancy for other freshwater fishes.

北悔道さけ・ます・ ふ化場研究菜漬第 l63 号

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さけ・ます・ ふ化場 :研究報告第 l5 弓

――――山緒

北海道は現在本 。@に次いで大ぎな未だ開発の余地ある地方ど云われている。―力生物学的観点からi@種々北海

道に独特なものも少なくない興味おる位置を占めている。北海道内には大小数多くの河川" あ り,それ等河川の

地理的住頁 により河@lW 境も相違するため, 唾思する点類七,河川相互問に於いて魚種成いは各種の数量が相違

しでいることは諭ずる亡でもない。―つの特定河!ll内の或る生物を研究する時には,その河川環境と河川内の生

物環境の輪廓* 或七程度知る必要がある。 何故なれば河川に桟息する土物は総て,その河川lワ )持つ環境に支配さ

れ 。 ぞの中でハ ;勺相互に多か:L少XC かれ関連性* 持つて生物の環境か 形成していることから, 或る庫ボこの河lll

F'lgura ・ 1. Map Of TOkachi River system showing many tributaries, dams with bar and

Memu stream site with arrow,

* Name uf the representative

streams and lakes.

0-TOkar.hi

かOhtSLI

-Urahoro

[email protected], TOmur0,

の TOhfutsu

の―TOshibptsn

.Ibe, POnbetsu, Biribetsu,

Ashor0,

@-Shihoro

(TJ-Otofuke

,..@ Nukabira reservoir,

(s;-Shikaribetsu

[email protected], Urimaku,TOhmabetsu,@ Shikaribetsu lake,

(a)-Sahoro

do)-Biei

@-Obihiro

Q- Satsnnai

.-・ Urlkai, TOshibetsu.

の Sarubetsu

Q TFObetsu, Nukanai,

の NOyaushi

の―Ushikiilibetsu

OCEAN

48

十勝川支流メム 川の生物学的調査 メ A 川の淡水魚類及びその環境

に於いて自然K,存在する意義があり,それ故に生物環境に無関係に或る事象,起り得ないと云ラ 事を充分嗜慮し

て, 凡 ての面から関係ありそうな事を調査しなければ充分に目的を完遂する卒が出来ないものと思っている。

籾て北海道の諸河川,湖沼に分布レ亡 いる魚類に就いて,総括的には田中 0l929)を初めとL , ぞの後岡田・

池田 (1938) によって大体のアウト,ライソがまとめられた。最近では元田(l950) , 佐藤・小林(l954) 及び

著者 (l956) 等によって,それぞれ報告されているが, 又特定の魚踵或は河川に就いては断片的に多くの研究者

によって,その都度発表されている。

著者はこの報告でメム 山に凄息する淡水魚類が鮭卵及び稚魚に如何なる被害を与えているかを調査する目的で

(後述),同時にメム 川を形成している2 , 3生物環境及び淡水魚額に就いて調査したので,その時の概要を報告

する次第である。

十勝川支流メム川の地理的概況

十勝川はその本流の源を千島火山系の最終地帯である大雪山国立公園内の石狩岳 (l,980m) 及び―部日高山

脈中央部のトムラウシ山(2,l4lm) と -ト勝 岳 (2,077m) i@cよって形成される扇状部の諸渓流として発し ,それ

等渓流はそれぞれの山麓で合流して南東流する。その後西側の口高連山の諸渓流及び下流の東側では千島火山系

に包含される阿塞湖沼群中の雌阿寒岳 (l,503m) 等を源とする河川を合流し,広大な十勝平野を順次河幅* 増

北海通太平洋岸中央部大津附近で太平洋に注ぐ,全長約196.0km の北海道屈指の―大水系を 形成し-C いる。十勝川の支流の数は人爪 l2l 以上に及び,その内代表的な支流及び湖を列記すれば第I図の加く

である。 @@U勝地方の地質は上流域は第3紀及び第4紀層から戊り,中流域より河川に沿つて下流には―般に砂礫,

粘土の堆積物で構成される洪積層が発達している。―支流である 然別川の-ヒ流には自然湖―然別湖が十勝川本流

と同様,その源を石狩岳に発している。又然別湖より下流には発竜用ダムがある。 @ 方音更川上流の糠平射近で

はこの河川を電源開発の目的で堰止めて造られ糠半人造湖がある。 最近此等雨瑚はともに観光地として賑わって

いる。又十勝山は毎年秋になると鮭産卵群が湖上するが,現在その数量の多い事で,太平洋沿岸の諸河川中で最

高仇を占め,北海道鮭湖ヒ主要河川でも重要な河川の―つである。

次にメム 川支流は+ 勝川本流河口より約48km 上流,十勝平野の略々中央部にあり,十勝川の中流域に位置し

ている。この河川は十勝lllの―支流札内川の惨透水によつて出現した全長約4km の短小な支流で, 札内川と途

別川の問で十勝川に合流している(Figure 2) 。 メム 支流河口より約2, 000m 上流仁十,内事業場がある。 この河

川ぱ 場所によっで河幅は多ヅ 垂るが,概して木清く, 流れは綬く ,河床は殆んど砂礫で蔽われ,水深は数ヵ所を

除ヤ,―般に浅く, 特に礼内事業場より上流及ぴ下流付近はこれ等諸条件を捕えている為に,鮭の天然産卵河川仕

レこも,この上ない好適な状況にあるので,過去数年間にわたり詰種の天然産卵に関する貴重な諸調査並びに研

Figure 2. Memu stream@ basin showing locations of some tIibutaries and hatcheries.

TOKACH1 "F.P

@ をChiyoda Salmon

三九 Wモ,?.@Catching Station

o S,t,。。, , H, kh 。 「 y

Q Mlakubet ,。 H,」。h,「y

今令ダ、 @? ;@$ IMEMU STREAM@ *ハ

FOrmer TOBKTSU STRF-AM

49

さけ・ます・ ふ化場 :研究報告第 l5 号

究が突施ざれ・C来"C,得られた資料の―部は佐野・長沢(1957)及び佐野(l959) によって既に報告されている。

メム支流に於ける娃捕獲数と稚魚放流数について.

メム 支流,十勝川に合流する地点より約3km 下流の十勝川に水田用水を取入れる為の濯概用ダム (l934 年に

完成) が設置されているため,平水時;二 ',よ 多くの鮭産卵朔十群が,このダムに遮ぎられ・て ,上流に逃避するもの

が少く, @俘ィ h場では (l935 年かも) こ・ tiを利用L・,千代田捕碓採卵場を設首,ダムの下に溜つている鮭を吃網で

捕獲しているわけて@Z「@る 。 L, かL,だがら・喘降雨竿により河川が増水する時に:よ ,ダムの落差が減ずるだめに,

ダムを越えて上流に糊ヒ、T る数が増加するわけである。 次に燗化場車業成績害より, l954-l959 年までの千代田

浦穫場と メム 支流河口のメム哺礎場(木ウライ ) でキ甫捲した&rKの捕獲数及びノム支流に放流L,た人工附什稚魚放

流数を参考のために言n;士 L,てみると次の如くである。 十勝川本流 (千代田捕獲場) Memu Stream TOkachi River (Chiyoda)______ 年 year

17,358,7002. 95 33,039 1954

13,876,40018.254, 055 1955

12,167,630O・ 6417226, 5991956

17,116,51026. t115,22843,0881957

19,647,8004・ 54l, 98441,6801958

16,373,000 8116,3131959

千代田捕獲場・ e ま 蓬卵成魚を捕獲,採卵するだけで阿化設備がないので, ここで受精された卵は凡て十勝支場

管内の谷事業場 (支場な含む) に運搬L,て収零,牌叱させているわけである。 千代田捕獲場の捕獲数とメム 支流

の捕穫数共に年変鋭があるが, これは十E准 j@l本流に毎年湖上して来る鮭の数竜によるためであり, 加うるに後者

が前者より年変動が各年により特に著しいのは,各年により潮上魚群を構成する成熟度合及び方河川増水の回数

の多少によって,ダムを越える逃避数の相違による事もその要因として考えわれる。上表により各年度の両地の

捕獲数が余り範囲の幅が大きいので, 1954-l959 年まで6年問の平均によつて, メム 支流で捕陸した鮭成魚放は

千代田のそれのどれ位にあたるかを見ると, 大九l2 . 5?@@ (22,526 尾) が捕獲されている車になる。

メム 支流に於ける稚魚放流は,凡て札内事業場から行なわれる。木L内事業場の卵収容能カは予備の野外槽を含

めて約2, 000 万粒である。 この河川の放流尾数は成魚の捕碓数に反L, 略々 定数に近似な数量なのは,メム 支流

捕獲採卵の数に加え, -ヒ述した如く,卵の移殖の結果に上るためである。 6年間の稚魚放流総引・は 96,540,040 尾

に達している。L,かし過去数年間はこの河川では,雄天然産卵尖鹸を実施L,でいるので, 各年の人工附化稚魚放

流数に天然隅化稚魚数が加えられている事になるので,上表の尾数よりも多くの稚魚が降下している事になる。

謂 査 結 果

メム川の水中植物について.

水中植物 (或いは水生植物と 云われるものの中には.完全に水中@こ だけ繁茂する七の,恨だけ土中に茎と葉

が水中から水上に出ているもの, 恨と茎は上十に隠れ,葉" 水上に浮き,開花する時だけ花梗が伸びて,水上に

現れるもの,或いは限と茎が水中に葉だけ水上に浮いて,る七の等が含まれており, この河川に繁茂レ[いる水

中値物の大部分は顕朴植物である。 比等植物相の季節による消長は各種により句論異るけれども,春季より秋季

迄河床―桁にわたり繁茂しているのが水面とより明瞭に観察される (Figure 3) 。 植物の中には水流<T、!比咬的速

い部分,或は深い部分では,細長いものは流れに寸 かせで,ゆらゆらとゆれているもの七あり, 又或種類では流

れの 束い処では流れにまかせるが, 緩流部分では水上に直立するものもヵ,る 。 他方植物によって群落を形成して

いるもの,群落を形成しないもの或いは河岸かも水中,そし",・□十ほで連続して密生.しているものもある。 著者

が l958 年 5 月 8 日―は日までの問に採集した,最も普通な水中植物を表示すれば次の如 くである。

睡 名 (SpcCks)科 名 (FamHy)

イトモ P0 ぬ肌耳MO れ仇LCMMF Fed ヌマスギナ Equ@Stum SP

ト ク サ

50

十勝川支流メム の生物学的調査 メム 川の淡水 伎頽 及ぴその環境

F"すり re 3 A scene 0f flora @n Memu Stream.

-@ ・ Water Flow

姦魚油内に密生する。

ホソ,,ソシ,,トTガ必locktw ヵ alust た Linne 群生十 @ ムイザウ

エグ ソギシ @ シ Fル川 ex Obtustfohus Linne 群生 河岸にあ るの小普通であ る @ , し;、 し 河川の- 爪 拝には水中に 没ュる 。 中 l ‥ に

も密主している。

サイドワ ガヤ CdQz0湘grott@s aMM 柘wcea CL@nne)) ROth. var. brachが :rjc加 (Steud) Hack .

ヌ カ ポ Aerosfis c伽mta Trimia var- n%也也Ohw@

アナ ツ タネツケ, 'ナ C叶市市八 e re 年比 na Miq.丁 子 @ 隅化均 の上 下流村五に持に 多く,比較的 茂い水流の 速。処に群生する。

二ツ ジダサ Nがゆ廿仰 fa /et 仏 sona Geor 山ス イ レ ソ

河川中こなく ,卒業潟前庭の池に多生する。

ヌ 7 @ リ ィ K@p仇加市 れハ肋 @ぬ如 Lindberg var. cyciocaf加 Ki 怜ggawaヵヤツ リ ダ 卜ス ギ ナ モ H沙加* @ntl ゅ小 Linneス ギ ナ モ

極めて多く,水中に 群生し, 全河川に分布す。

河川内にこれ 等植物 " 多数繁茂 Lている安は,河川の 水捷昆虫の中, アオ ッ ,トゲアプ及ぴ @2@y、 リカ等の 小形

幼虫の良き 捷場であ り,―方 淡水魚頼の好適な 棲息携或は産卵場となり , 或は又敵 から攻準された時の絶好な 隠

れ場ともなつている。 秋季- 面に生えてした 植物も茶褐色になる 頃 , 鮭 が湖上して産卵床を 掘るため,部分的 @こ植物が取除かれ 卵 床を谷易に見分げられると 云う 利点本あ る。

丘広 , 札 内を中心とする +港地方の烏転と 乍卯 ・稚魚に対するきん 及び宅堆 について.

鳥類は河川に 棲息する淡水魚類に 比較して,その 行動範囲が空問的なだけに ,非常に広汎にわたるわけであ る。

烏頽 には季節的に 移助する "渡り と 云 う現 致 があ @@iて,種類によって 相違するが,寒帯がら 温帯に, x 遥かに

熱帯に到るものがあ り,―方逆に温帯,亜寒帯より 寒帯に糠 るものもあ る。

十勝地方には 渡りの途中にあ るもの, 渡つて来て営巣,産卵, 擁を蚤 育する問滞在するもの , 或ほ 山から 里に

季節的小杉助するもの ,又は常時棲息する 七の等に分ける 車が出来るが ,正確な分布範囲を 決定するのほ 中々 容

易 @?"' メム 川に放流する 燵 稚魚を食害する 鳥類の種類はそれ 程 多くないと思うが , l尾が l回に捕食する 旦は 淡水魚

Sl

さけ・ます・ ふ化場:研究報缶 第 l5 号

類に較べれば,比咬になわない程大きい事は充分考えら#しる 。 特に惟魚* 食害する穐類は水禽類(.; ズドリ I が

猟師及び市業場係宮の観察より明らかで寸, るが,調査力法に困雌性が古, るため,その黄的な課題は現在末だ実施

されておら・こ, 全く不明の状態で丸る, f・勝地力の 烏頽は大九l47 種の多ぎに及ぶ" , 二れ等の中鮭の稚魚亡食

宙すると推測される心のは大凡9随だげである。 尚 この池に@H@ギ, "{@ 子 コウ, ガソの数憧七, 或は捕食すると

思;,れるが,ここ "T@;よ省略L た。

カ ワ ガラ ス CfmC ぬS タ 0ll0SF TcmmlnCk ェゾ ー ?-7 -L , Cg ノが0 仇 どれ りぬ5 力 0UMd MOmiyama カ ワ 七 ミ A 七 Pd0 4ffA 七 &g724U ぬ nts@S C, meHn

カワアイサ Mgr 卯s 椛ア叩%w/ LiDH6 -マ カ モ A れ &5 力如 ハノア 九タ %C んぴ5 力伍け y方ノ %C んば 5 1,inn6

ヵ /L ガ モ A れ dS 力 oPCMoL 方 /wC ん7 20w0r ん y%C ぬy Swinhoe

ョ シ ガ モ Kれれ etta fadた aata (Geor 川 )

@f -t- Nettion crecca crecca. (I@inne)

オ シ ド リ A ぬ sa41e@ぬ ulata (Linne)

尚 鮭卵・稚魚三宍な与える哺乳類としL は ,野ネ、ズ,改びイタチの類が確認されてい小二すぎない。害鳥,守

戦共に今後の調査,研究が必要である。

メム川にほ忘.している水仁昆虫及びその他の功物について

―口に@qJll 内の水桂昆虫と呼ばれてL、 る 。 円二は 睡々様 な々生活史をおくるi@@:>を含ん-@., 、 るが, - 部の生涯水

中生活者を除*,大部分のも@) は陸博昆虫(?)幼上期, 蝸時期を水中@T@上活するもi?)が艮心多い。更二水申生活期

もそれぞれ異り成極では砂礫の問に生活の場を持ち,又或魎では水、 中植物の呈や葉に附苦し"乙 生活するもCG-)4。 *,

る 。 これ等の水鹿昆虫は戊 七七 :之形態が全く典り, 著L, い 変態亡行つ 十ので左,る。 勿蒲水捜昆虫心 子節的消長が

あ る事は諭づる立で七ない。也市河川内に抜息する魚類の各睡類の御料として, 水庄昆虫。)占める位五は極めて

大きいヵ、ら,斯る河川 仁於ける水伊昆主の多少が,魚碩の生艮とも密接な問係小づ, 引 , :十 、 T あ る,著者,l958 年

に探集L,た水捷昆虫か列記すれば,

A力 4f ばれ @4 Sp コェグリトビゲラ 閏

GOera japonic.二ンギョウトビケラ

Mystacidae sp . F加ァヅ叩 wea sp. ガク dr0 ク @tilasp. Steno タ tsyc 加 gr ねCゆPnmsヒゲナガヵソ トビケラ

1.e力Mtocerus sp.ヒゲナガトビケラ

Eクhemnerella mば er/ 口クロマダラカゲロウ

Eク乃 em%erella sp . れ 0zマダラヵワ ゲラ 屈

Eク ed グぴ s lad roo ばれ川二 /1L モリトヒラタ カゲロソ

Baet@s sp.コ カゲロウ 属

NpMrd (Np 湘ぴア ?) sp .オナシヵゲF ウ属

Pa/ 口 le力 za@ク ih,htaク hhlem@a s力@inos口トゲトビヵゲF,ウ

S@mnu@iれ r,m (Odagmm@d) aokiiアオキツメ トゲ アブ

Athenx sp.シ ギア ブ屈

C乃@叩 %nM%s sp.コース リ カ 沌

であり,その他に,ズダ二(Sperchon sp リ頬ヵ 普通に見られる。v 桟領 F はスジェビ (Lean 也/ タ乙 MC@dens),

ミズムシusellus %ゆ力 nn ば ns ぬ) 及び ョコノ ; {ョコェビノ (Gammarus sp . ) 寸 ,環形助物十のヒル類ではシ

マイシビル(He ゆ(1り della l@nteala) ととラタビル(.Glossゆ homa Com タ Ifinfiiリノ の 2硬LL る だげで九る。蚊体

耐物ではモノアラガ十(Lymnea ((Radix) japow ため, ヒラ i? ヤ斗 ドキ (SegmWonl而 a (POlypv@@s) nitidella) 及

52

十勝川支流メム 川の生物学的調査 メム 川の淡水魚類及びその環境

び小形淡水二枚貝(種名不明) が見られる。扁形動物中渦虫類としてはプ ラナリ ヤ (Dueesia eonwCep 血la) 唯

―鹿である。

メム川に接息している淡水魚類について

三角掬網と刺網を使用して魚類採集を実施した。著者はメ刈l@の魚硬口

録 (l956) を簡単に報告したが, この報告でその後採集された魚種を追加して再報告する。

ヤッメ ウナギ科 Petromyzonidae

や ツメ ウナギ属 Lampetra

X スナヤッ ノ Law タ etra reissneri (Dybowski)

サ ケ 科 Salmonldae

サ ケ 属 Oncorhynchus

'T Oncorhynchus keta (Walbaum)釆サ

% ヤ マ べ Onc.0 劫ノ %r.hus m 小oi( (Brevo0rt)

% カラフトマノ、 O@7ff/ 乃ノ wchus gorbuscha (Walbaum)

二ジ ? ス属 Sfalmn

@S ニ ジ マ ス Salmo eaぬぬれ P・@・ f か』 eが s Gibbons

コ イ 不斗 CyPHnidae

コ イ 亜 目 CypHnina

コ イ 亜 稗ト Cyprininae

ウ グ イ 属 Tribolodon

% ウ グ イ Ty@bolodon hakonens ぬ方 乙比 mffnS た CGdnther)

フ ナ 属 Carassius

Carassius aw'atus (Linne)東フ

コ イ 属 Cyprinus

ィ C ノ力 れれれ s C0 ノタfo (L@nn6)x コ

アプラハ ヤ属 MInrnkn

M@ りナ 0C。 すeア。れれ グ us (Pallas り来ヤチウグイ (ダルマハヤ)

ドジヨウ亜稗ト CObitinae

ドジョ ウ 属 Misgurnus

来 ド ジ ョ ウ M ムySS びノれぴ s aneuMill@caudaf ぴs (Cantor)

フクドジヨウ 属 Barbatula

糸フク ドジョウ Ba 柁atula toni Oreas (JOrdan and FOwler)

トゲ ウオ 科・ GasteroSteidae

ィ ト ヨ 属6 Gasterosteus

X イ ト ヨ Gぴterosteeus acu ぬ atws acule は ナ us CLinne)

ト ミ ョ 属 Puneitius

釆イノミラトミョ Pばれ Pガ血S pMwg ぬれS すれれ gね血s (Linn6)

米エゾ ト ミ ヨ P ばれ A材;ぴS タ wWgf ねMs fが彬乃S七 (NikolSky)

ヵ ジ ヵ 本 斗 COttidae

カ ジカ亜科 COttinae

ヵ ジ カ 属 COttns

東ハナヵ ジヵ COttus nozawae Snyder

クモ ハゼ 科 O0hiiflae

クモハゼ亜不斗 GOhiinae

ョシメボリ属 Rh@nogob@us

53

さけ・ます・ ふ化場 :研究報告第 l5 号

X ヨシノボリ 乃んぬ 。go0mus s而f1七 JOr 』 aan and Snyder

次に各魚種に就いて簡 年に記述して見ると,

X スナヤツメ (砂八日 ) Lanipet 似 reissneめ (Dybowski) Figure 4.

スナヤ ツメは生涯淡水生活者で,ヤツメ 類独持の変態Ammorcoetp.s 幼生期を経て成 沐 になる魚睡であり, 筋

Figure 4. Lampet'/a reissneri (Dybowski)Above : Male Below : Female

A. Head portion and B. Anal parts

cm

上1

節及び吸盤様の口の歯列等によつて区別されているわけである。 原記栽としてはヨーロッパ産のものに就いては

BloCh Cl782) が, ぬか洲FOw p血n7g 九をその後に Dybowski (l869) が Pgf ,・OM%Ow 7・ "@ss れe@ ・f を発表以来,

両者が類似するため, 本邦持に北日本に多いこの類につい'て槙々混L を生じ,現在末だ充分に統―されている

とは云われない。即ち研究者によつて学名心佐藤 (l95D は L.れな5椛バか,松原 (l955) は E%foSpAgw 沿

ノ6/sSw6yf及び青柳 (1957) は L 。7w ク gf/a ph 低バ等を採用しているが,著者はここではt.ノgfss 彬バを適用し

た。アメリヵではEu ,Opean b。O0k lamprey ,カナダではweSt 吋n bro0k Iamprey と普通に呼ばれ, リビェ

トでは UaAbHeBocToqHaH PyHbeBaH MHHOra と呼はれている。メム 川では極く 普通に多く棲息、している。

この種の産卵は河川の浅瀬で行なわれ,5 月中旬頃養魚池先でI尾の雌に士 5尾の雄が,かもみついている産卵

状況を観察された。ここで沃集L, たスナヤッメは8イ-l4 . 7Cm の全長範囲の心ので,成長段階もAmmoCoeteS

幼生から成魚安で含んでいた。成魚の中にはAmmor ・ 0etes より小形のものもあり,これは変態後には体が幾分

縮小される事を物語つている。成休の休色は陪色がかつた灰色で,産卵期には雄より雌の方が黒色が強くなる。

又―般に雌が雄よりも成熟個体で小形である。 産卵期が正づくと雄には Urogenitalpapilla を有するが雌には

ないので,雌雄を色別する事は溶易である。 AmmoCoeteS は河川の泥上が混在している比較的深みに睦息して

いる様である。 この類の分布は北海道,樺太,干島,沿海州及び朝鮮の各国地方である。

釆 ヤ マ べ (山女魚) Oncorhynchus mas 伽 (Brevo0rt)

この河川に於いては周年時々 採集される" ,数量は多くない。採集された全長範囲は5. 6-90-7.cm であり,

時に陸封型が児られる事もあるが,春期大形のものは銀白色を呈し,パール・7 ― クは淡く,背鰭先端に濃黒色

部のある 降海型であって,降下移動中のものである。 この時期の凡 ては―年越冬した,年齢は2年目のものであ

つた。餌料としては,水昆昆虫,陸棲昆虫のハ ムシの―種の外は空胃のものが多かつた。

% カラフトマス (セッパ リマス) Oncwhynchus eo0rbusch幻 (WalbaunD)

54

十勝川支流メム 川の生物学的調査 メム 川の淡水魚類及びその環境

著者は産卵形態のこの種特有のセ コソボになり, "ぶな" をつげた戊熟雄魚l尾を調査した。この魚種がこの

7可Jllに棚上する事は極めて珍らしく,ここ数年問は湖上した事を聞いていない。

束 ニ ジ マ ス (虹鱒) Sd ル%0 ゅかピ H。パ かM 。Ms GibbonS

採集した標本の全長は9・ 8-45.7cm であるが,個体数が3年間を通じ極めて少数である 処から,この河川で

は数量的に少ないものと思われる。時に刺網で大形魚が得られるが,ニジマスはこの河川では産卵する事なく,

十勝川本流上り込人式は移動するものでないかと考える。しかし過去にこの付近に養鱒をした事も聞いている

が, 或はそこから逃避したあのが繁殖したとも考えられるが,今の処確証を得ない。この穎が多数懐息する時に

は 蛙卵及び稚魚に大ぎな被害を与えるが,現在迄の調査では特に憂慮することもないように思う。採集魚中,餌

料をとつているものが殆んどなかった。この種を南米チリーではTruchaarcoiris と呼ばれる。

茨ウ グ イ T/@hf0lood(}nA。ん onens ぬ比ん。nensis (Gunther)

メム 川のウグイは凡て陸封型であり, L, ;、 も採集魚の全長範囲は3・ 9-29.5cm で, 小形魚が大部分を占めて

いる。大型魚の数量は多くない。特に2 月 25 日に1網でl32 尾の小形魚が泥の中でとられたが,これは越冬中

の七のでおる車は間違いない。餌料は時季によって異るが,春先は空胃の本のが多かったが,初夏には水棲昆虫,

泥土,水苔が多いが,時にはヵ ジヵの卵及びトゲ ウオをf甫食 するものもある。 この類七鮭の卵及び稚奄 の宮魚で

あ る。 この辺の子供連はウダイの仔魚をヤ チンコと云ってヤチウグイと区別がっかないようである。

Carassius auratus (Linne)米フ

フナは禰厩港,池沼等の濁水等にも多数棲息する適応性の強い化種であるが,この様な清流河川二七厘々探集

される。これはメム 川下流にある旧河川で産卵繁殖しているものが,水温上昇と共に?申j@lに人り,上流へ棚って

来るものであろう。採集した標本の全長は7・ 15-l4 ・ 2Cm で, 大形魚は採集されなかった。末広 (1942) に依れ

ばこの類は雑食性であるが, 快息場によって昆虫の幼虫,植物の茎,甲殻類を摂食する上三つているが,著者の

調査では殆んど空目で―部水懐昆虫であった。この魚種の野性形も温帯地方より北に広く分布しており, ソピ二

ト では Cepe6pRHbinKapac6 ,南米チり ―ではPezdo ,ado とそれぞれ三われている。アメリカ等にもCruSian

Carp と云えば野性のフナの事とわかるようである。 普通ゲリゴロウブナ,ヒラプナ等があり,更に地力により

変種が多く,外形的にも相違するので種々の型が明らかになつて来ている。人工的に改良されて出来た金魚は現

在世界中に広く観賞用として愛称され,アメリカ,カナダではGOld fish として愛称されている。

イ Cノタ れれれ s C0ゆぬ LLinn6)東コ

殆んど世界中に広く養殖魚となつている外, 野棲にも多数繁殖している最も普通な淡水魚類である。 アメリ

カ,カナダではCarp ,チリーではCarpa と云い, リビェトではCa ・iaH と呼びならされている。この種にも

ドイツ ゴイ 及びガガ; ゴイ 等の品 座がある。 メム Jllでは採集されなかつたが, 札内事業場前庭の池には大型漁が

多数繁殖している。

% ヤチ ウダイ (ダ几マハヤ ) MOyoCo 力 g/C%M/M5 (PallaS) Figure 5

北海道各地の潅概溝・池沼,小河川,貯水油等の濁水,流水の緩い処に普通に見らi,i,特にヤチ 地帯に多数棲息

する内地のアブラハヤに近似の北海道たげに現在見られる魚穐である。小林(弘) (1957) は旭川地方で採集した核

種の初期,後期発生及び食性に就いて報告されている。十勝川流域の旧 @llにも繁殖しており, メム 川では河水温

の高くなる夏季に河川内で採集される。又礼内事業場前庭の池には多数のヤチウグイが棲息,繁殖している。河

Figure 5. MOroco percnurus (Pallas)

55

さけ・ます・ ふ化場 :研究報告第 15 号

川で採集されたこの魚種は,或はこの池から出たものかも知れない。採集魚の全長は5, 2-9 ・ 3cm であつた。成

体の形態はウグイに比較してずんぐりしており,生体色では背面は個体により襯色で多少黄味を桁ぴLいる。体

側は黄金色の光沢を持ち,体側には処々 暗黒褐色色素を持つ鱗が散在している。十勝地力の人はヤチウグイの車

を "ヤ チンコ" と呼び馴れている。この魚種は北海道,シべリャ,沿海州,樺太及び朝鮮北東部にわたって分布

し ・ている。 ソビェトのアムール河では 03epHbifめ roabHH と呼んでいる。

東フ クト。ョウ 0川,泥.鮒) B 。柁市ulna 廿 。柘 。ト 。as (JOrdan and FOwler) Figure 6.

田中 (l929)が日本産魚類分布の中 ・で , JL海道に特有の淡水魚類としてOrt乃ァfas Oreas とレL報告されて、

Figure 6. Barbatula foni weas (JOrdan and FOwler)

Above : Male Below : Female

る 。 その後の研究により北海道に産するものにBarb&atula tont0 化のなる学名を付げるべぎ事に略ヰ安定した

コルスキー教観が方, るが, 森 (l952) が朝鮮産リストに報告してL、 るタカノハドジョウB0 袖がれ 伍 foぬ 及び二

授がソピュト産として報告しているNemachilus 加化af・ ulnaは,いずれ* 極く近似種と考えもれるので,今後こ

れ等魚種を比較研究する必要があるよう二思う。この種の分布は北海道,樺人である。 メム 川で探集したドジョ

ウは殆んどこの魚踵で,普通のドジョウと異 り 流水性である。 採集した全長は5・ 3-l6.4cm の範囲で,呵成り

多数棲息繁殖してい石。 雌雄のEgl 東はドジョウより困難であるが, 各鰭が―般に雄の方が雌より長く, 特に胸

鰭の形態によつて溶易に区別されるが,幼魚では識別出来ない。又色彩で心雌雄の判別はつかない。この魚踵の

飼料は主に水按昆虫, ヒルが泥と共に捕食さえ。"C いる。

ウ (内上也 ドジョウ ) Mis どれ ノ れは s 0れ とび illicは れイ atus lCantor)東 ド ジ ョ

松原口 955) の検索によれば,日本領土は全域,朝鮮,・台湾,支郡, 印 度に広く分布し,樺太からi-.報告され

ているとの車であるが, L.かしLindberg (l959)の樺太鹿のりストには報告がない0 メム 川では数が少なく

初夏から秋にかけ時々 採集さ十しるだけでおる。これは旧川で繁殖せるもの千河@llに出た七のと思、 う 。 全長地囲は

ln. 9-l7.lcm であつた。上述のフクドジヨウに比較すれば,むしろ濯概溝,水山及び河川の濁つた,流水の緩

い処に多い種類で,環境に対L適応性が強い。末広口 942) @e依れば餌料はユスリカ, 鞘翅煩, 端脚頽, 枕脚類・

葉脚類,藍藻類,泥土等であるが,著老の多くは空胃 であつたが,ヒル及ぴ泥等を多L に捕良し,rいる個体七も

つた。

56

十勝川支流メム 川の生物学的調査 メム 川の淡水魚類及びその環境

東 イ ト ヨ て辣魚 ) Gasf 。w5i・。Ms aculeafus aculeatus (Linne) Figure 7・ a,

この魚庫に就いては池田 (l933. 1934) の詳細な研究がある。 地カ小林 (順) (l932) がイトヨ類, ト : ヨ類

Figure 7・ a・ Gasf 。化5fiu5n 。Hた atusaculeatus (Linn 勺

b. Pungitius 加乃g廿i$川坤%eitius (Linn 勺

20 Cm

* 広汎に研究し,6種類に立とめら?L・ ている,即ちイトヨ属をイトヨとハりヨの 2種に分け,ト ; ョ属を4踵頽と

した。これ等魚鹿の分類形質は背鰭前部にある 辣の形及び数, 体側々而に並ぶ鱗板の数或は有無等により大きく

区分されているので丸るが,河川,湖沼の地理的位置により,又同―河川でも陸封,降海型で多少形態的変異が認

められている。それ故に各国の研究者によつて諸説が丸り,或研究者は鱗板の数,形態を特に重視しており, 又

或研究者はこれを変異として取扱つかつているようである「 G 。 。。nhnnk と Nelson Ci959 、) 等はアラスカ,コダ

ツク島のカル ルク及びべ? 両湖でイトヨの生活史を研究し, 突に興味ある事芙* 報告している。又小林 (弘)

(l957)によればイ トヨの陸封・降海両型を背鰭前部の蚊長によっ"C区別されると力説している。即ち降侮型で

は陸封型より強大であるのに対L,,陸封型では比較的短小であると, 鱗板についても交雑実験飼育の結果辣の数

及び形に棟々変異を生ずる事を立証している。

メム 川では多数棲息,繁殖L,ており,河川内に繁茂している水中植紡の問を群泳し "Cいるのが凄 観々察される。

沃集した魚の全長範囲はl. 27-8 ・ 9Cm で方 ,つた。 庁鰭前部の煉は通常3煉であるが,多数標本中には4煉のも

のも数個体あつた。この河Jllに棲息しているイ トヨの 鱗板は TraChura 型の,小林 (l953) の陸封型に相当す

る七のである。 イトヨは或長が比較的早く2年乃至3年日で成熱するものである。 産卵は5月―6月で,水中植

物の根元に泥と草からなる巣を観察された。多数の採集標本から成熟雌魚2 ケ休の季卵数を調べた処, 左卵巣よ

り占卵巣が大きく,全長7・ 45Cm で259 粒 (左右合計),地の7・ 2Cm で l70 粒である " Greenbank と NelSon

(l959) に依れば,成熟魚の腹腔内に発限卵を持つている個体を観察して,これは性巣が両性傾向にあり,自己受精 (self-fertilization)をおこならのだと結論しているが,著者は末だ期る発眼卵を持つ成熱魚を見出した事

がなく,同 ―個体に両性殖巣を共有するものを観察していないので,今後の問題とL,て充分検討しなげればなら

ないと思う。 更に彼等の研究から,先に Kincaid (l9l9) が報告している様に,イトヨが上り大型魚を攻撃

L,て,これ等を殺t, て被害な与えていると元 う 論及び ROunsefell (l958) がトゲウオがサゥ 幼魚に夫際に宮を

与えることがあると 云ラ 主張に反論L・ て ,実際この様な市がないと否定L, TL ・ 、 る 。 著者も現在迄数年間CO調査で,

鮭稚魚を殺害・たる車芙はなく,Greenbank 及ぴ Nelson の研究結果と・ ―致L・ている。 本種の餌料は小型の水懐昆

虫,軟体動物,蛭類が主な七のであった。アジャ大陸,アメリカ大陸の北部地方に広く分布し,口仁頑士では育

柳 (l957)に依れば太平洋岸では利根川まで,日本海岸では島根県を経て大分県までである。 北は北海道の各河

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さけ・ます・ ふ化場 :研究報告第 l5 号

川に普通である。 Lindberg (l959)によれば南樺太及び南十島で報告し,沿海州 ,朝鮮等にも産する。HubbS

と FOllett (1953) 及び SCOtt (l958) @こよればアメりヵ側ではカリフオルニアからカナダ及び北西アラスカ迄

分布する車を報告している。この奄鹿は我国では十トヨ,イトウ十 , 又はトゲウオと云われ,アメリカ及びカナ

ダではthreeSpneStiCklcback 或は northernthreeSpineSti 。klebaCk , 又リビ 二ト では TpeXHMan KO 刀 の川 Ka

とそれぞれ和名を付げている。

米イ バラト, ョ (キタ ノト ; ョ ) Punsitius 力 u・yi如f而力un2却t@us (linne) Figure 7. b

小林 (順) 0l932) は北海道後志地方,札幌及び旭川の標本の研究により,イラト ; ョ又はキタノト; ョ とし

て Puns@t@us brevispinos於 (Otaki) を報告したo しかしその後の研究者によつて2 名 法又は3名法が採用さ

れている。岡田・中村(l948) 及び音柳 01957) は F.タ物がtiuMsを, 又松原 0l955) は P . P . 加nsitius を用

いている。メム 川にはイトヨと同様多数唾息して又繁殖している。時に水中埴物の問をイトヨと混じつて湖泳し

ているのが良く観察される。淋泳している時にはイ トヨの 尾柄は人く, ト ; ョ は黒味が強く, 尾屯が細いので容

月に区別される。産卵期は5月頃であるが,実際に舘巣している旭又は巣を早付ける車は出来なかつた。全長範

囲@/ 2. 6-7 . 8cm で, 餌料はイトョと同様であつた。採集された中より2個体の雌の牟卵数は,全長4. 65 。m で

70 粒及び4. 85cm で77 肋で,イトヨ と反対に右卵巣が左卵巣より僅か大ぎかつた。この類の休色はイ トョが背

面蕗色で,体側は頭部より尾部まで銀山色光沢であるのに対し, ト,ョは暗褐色に背面より体側にか叶 緑色がか

つており,体M に不明瞭な斑紋がある。 又腹部は黄金色を呈するも がある。 本種の分布は新旧両大陸の北部地

方に広く分布,日本では太平洋岸は東京付近,日本海では新潟県信濃川水系まで及んでいる。北海道には特に多

@、 。 ぞの他 Lindberg (1959)) によれば南樺太,南十島に棲息する他,北朝鮮,沿海州で報告されてL 、 る。 又

S。ott (l958) はがナダ,了 ラスカで報告し ヨーロッパ,北氷洋に面する流域にも分布する卒が知られている。

北海道では前種同様トゲウ十, トリ ギョと普通に云われ,カナダではminespine stickleb"。k . ソビェトでは

は Zwerestichlung 等と通常呼ばれている。CeBepHaH AeBsmHmLnaH K. OU 田山 Ka , ドイツで

x ェゾ ト , ョ C?) Pung@tius 力 uneittus tymmens た (Nikolsky)

イ バラト; ョ と比較して体形が棚長く,各鰭軟条前の煉は短小である,休色は全体暗色がかつている。現在迄

北海道では日本海に面する諸河川に発見され,他に樺太,沿海州に広く分布している事が知られているが,本州

からは末だ報告されていない様・ であ る。 この鹿の発生に就いては市川外 (1956)の立派な写真東がある。 ノム川

では唯―個体l957 年4 月 5 口に採集した6. 2 ・ m のものであつた。これが事失であれば太平洋岸では最初である

が, l個体で確証を碍ないが今後尚多数の個体が採集されるのを期待して,ここでは? 印亡付けておく。ソビ ュ

ト ではこの蓮を Caxa 刀HHCKaR KO .@I旧 uKa (カラフトト ; ョ ) と呼ばれている。

東 ヨシノボリ Rhtnogo0bius similfs JOrdan and Snyder Figure 8.

この魚種はハゼ科の中でも最も普通なもので, 北は北海道より南は朝鮮,満州,台湾,フィリツピソ迄に分布

Fi9ure 8・ Rhinogo0btu%ssimilis JOrdan and Snyder

0 Cm 1

している。ぞれ故広く亜熱帯から温帯まで懐息するために, 各地に於いて生態・形態的変異の幅が非常に大き

い。メム 川に於 いては極く稀 にしか採集されず, 探集さ十した尾数も 3年間でl0 屋内外で,全長範囲は5. 83-7 . 3

cm であつた。メム 川では比較的深い泥留の処で採集された。休色も淡い褐色で背面はそれより幾分濃い。水野

外 0l958) に依るとこの種に卵と仔魚が小型で,隅十乙 後直ちに降る降海型と卵と仔魚は大型で, ―生涯淡水で過

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十勝川支流メム 川の生物学的調査 メム 川の淡水魚類及びその環境

す陸封型の2型があると述べている。ノム州産ヨシノボリの卵の観察より, 降悔型との事であるが,しかしなが

ら著者はメム 山河口までは十勝川本流河口から約48km 心 上流にあり,それに加え途中下代田ダム (約 l・ 9m)

がえ,り,鮭でも湖上出来ない程のダムであるのに,この魚睡がダムを越えて湖上する事には末だ疑間が方,り ,尚数量的に極めて少ない事を合せ考え,今後尚研究する余地がある十思う。ソビ 、 ト ではこの魚類を総称して

BhiqKH , アメリヵでGOby と 二つている。

東ハナヵジヵ COftus n70zawae Snyder Figure 9.

ハナヵジヵほ北海道各地の河Jllに最も普通に怯思している魚種である。 松原 (1955) はこの種にC. reinnffな

Fi9ure 9. COttusnozawae Snyder Above:Male Be@ow :Female

―る干名を採用,C ・ woぬ川仰を Syn 。nym にしている。又佐藤・小林(D5l) は C ・ wo印川仰を,渡部 Q958)

す、 C . w似側也と C ・ rg@ 爪 @ を別種にしている。北海道のヵジヵの産卵生態に就いては岡田 (篇) (l936) が C ・

poWox を採用したが, その後の研究の結果,先述の佐藤・小林によってC ・ wo却川叱である事L 立証されたわ

けである。 メム lllには数多く棲息・繁殖しており,二角掬網で簡単に採集される。次にl26 個体 乙 全長範囲6・ 4

-l2 . 85 (平均9. 79。m) 二の体各部に就いて測定した結果は次の如くである。 第 l背鰭辣数はW-X (= 通H) ;

第2背鰭敢条l6-19 (l8) ,胸鰭l3-l5 (l4) ; 笛鰭l2-l5 (13) ; 腹鰭I , 4, MMM 練有孔数33-36 (35) ;鯛

雑0-l/2-6 (3) ; 幽門垂2-4 (4) ;脊椎骨数33-36 (34) ; 採集魚の中から9尾を抽出L,,耳石と脊椎骨に

より年齢を調べるL , 大凡全長4・ 8cm で2 年, 7・ 3-l0.85cmT-3 年及びl2 ・ l―17.ficm で 4年であった。カジ

ヵの色彩は個体に依つて種々様 で々あるが, ―般に背面,体側は暗褐色から淡褐色の地色で,体側に4条の明瞭

な,即ち第l背始部にI条,第2背鰭部K-2 条及び尾柄後部にl条の濃い褐色の太い不規則横縞斑紋が存在す

る。 又頭部の頓部に限丁及び後服縁部より前鯉蓋に達する殆んど2条の不明瞭斑紋がある。 腹部は幼魚,若魚で

は山色であるが,成魚になると苗燈色がかっている心のが多い。その他細かい色彩,斑紋は個体変異が著しし、 。

次に雌雄の相違点は,雄には肛門突起(Anal papilla) があるが, 雌にはない。雄の瞠鰭は成魚で極端に長く,

肛門部迄達する七 u) もある。 解条の内側には席状突挺が並んでいる,y>,雌では長さが短小で,斯る突起はない。

それ故に雄雄か識別するのがお見でおるが,当歳魚-c は二れ等特徴が下明瞭で区別出来ない。色彩で@文@昨 雄の差

は認められないが,雄の第 l背鰭の基部は暗黒色で,縁辺" 山色或は燈赤色又は苗味であるが, 雌では各仰条@こ

白色斑紋が散し,外縁部が巾色なもの" 最も多い。しかしこ十 L4,個体による少異" 多い (Figure l0 ・ a, b) 。 成

59

さけ,ます・ ふ化場 :研究報告第 l5 号

仁P

口屯

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キ口卜山ト斗山

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L

L

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めE山C

十勝川支流メム 川の生物学的調査 メム 川の淡水魚類及びその環境

熟魚の性巣は雌雄共にむしろ短小な塊状の形態を持つている。成熟卵巣中の成熱卵中に末成熱の小形卵向が混任

しているのが普通である。 精巣は卵巣に比較すると,僅か長く 処4 に織がある。 若齢魚の卵巣,情巣の区別は,

卵巣は精巣より円味を帯び,色彩も淡桃色なのに,精巣は純白である。 大小ヵ ジヵによる卵巣,精巣の発育状態

は第11 図に示した。m0 尾の雌の享卵数の左右の卵巣を平均すると略木 差がない。成熟卵は燈黄色で各卵粒が分

Figure 11. Sveral immature gonads from many specimens

Of the different size.

Testis0vary

乃LMature

低P@i@L@0@ T"低*;; Mature

離L, 易 、 、 が,未成熱卵は黄白色成は白色で分離L・にくい。 同 -個体の成熱卵数と未成熱卵数を比絞すると,末成

令長9・ l-11.755cm 範囲で,434-l , l65 粒ま熟卵数が少いのが普適である。 末戊熱卵と成熱叩数を合計すると,

で変異が大きく,大体全長が増大するに従い卵数が多くなる傾向がある。 各個体卵粒の卵経を成熱魚?尾, ln 粒

ずつを; ク L メーターで,成熟卵 (大形),末成熱卵 (小形) に分けて言ト狽 @してみると,人形では4. l9-5 . 83lnm

の範囲で,小形はl・ 2-2 ・ 9mm である。 更に梢々成熱個体H 足では大形が2. 5-4 . 8mm で,小型のはI. l7-

2・ 29mm であつた。産卵はノム川では4月―5月中の様である。 この魚種の餌料は水凄昆, 虫蛭を主とし,時に魚

卵, 忙の淡水魚類専七 捕食する事もち,る。 鮭卵及ぴ惟魚に対する害魚である。 本種は北海道,樺太に分布してい

るが,渡部(l958) によれば,ウッ七 ;ヵジヵC・たわ 而が道南 知内川から採集報告されているが,今後両種の

関係を分布的,生態的に研究する必要がある様に思う。 メム 川流域の人@よ ,このヵジヵの車を ドソ カッ 或はドソ

ヵヂと呼び,食用としてなかなか利用価値があるとの事である。 カジカ亡総称して,アメリがFは LeShwater

SCu@pin , リビェトではn0AKaMeHuHKM と呼んでいる。

メム川のサケ稚魚について.

数年間この河jllでは鮭の天然産卵実験,実施されて,毎年天然牌化した稚愈が降下し、Cいると共に,他方札内

芋業場で人エ陀イ Lした稚魚心同時に放流されているわげであるが,それ等両方の碓魚が岬化, 魍出する時期は人

然の方が人工隅化の心のより遥かに甲い。 しかしなが。その時期は年によりかなりの変敢があるだろうし,生長

度合七相異なる,思Ji れる。天然附化椎魚の算定柵は札内車業堵養魚油機の河川を憤切ヴ丁投首されており, 篇.

定柵より上流にはA 点地より放流した人工隅化推魚は洲らないと思L れるので,著者はl958 年5L l3 口に算定

柵より上流で,二角掬網を使用採集して後期の天然僻化椎魚と養魚池上部の注水部で群泳している人エ咽化稚魚

を採集して全長を比較してみた。比等両者は外形的には入作隅イ L椎魚は―般に体形が大きく,肥えて,均磨がと

れ,採収するに七 敏掠でなかなか困難であるのに反L , 人工牌イヒ 稚魚は頭部が大とく,体形は痩せて所調Pin-

head ヱは T"dpole 形を呈している。人工附イ巳 稚魚と天然附化椎角、 との同日採集のものを凶示した (第 l2 図 )。

67

さけ・ます・ ふ化場 :研究報告第 l5 号

62

十勝川支流メム 川の生物学的調査 メム 川の淡水魚類及びその環境

吹に全長組成は人工船化稚魚のモードは4. 05-4 . l5cm にあり, 天然隅化推魚では5. 05-5 ・ 25cm の間にある。

更にl3 日以後に採棄した天然隅化稚魚l6 尾の全長範囲5. 35-7 ・ 75cim で, そのモードは5・ 45 になつていた。

明瞭に表われない原因は標本個体数の小足なためで九ろう(Figure l3)。 天然稚魚及び人工稚魚の胃 内容物餌料

は個体数によって行なつて第l4 図に表示した。図に就いて説明すると, 天然隅化稚魚は砂礫上を@ナ L まわるヵ

ワ ゲラの幼虫を捕食しているが,人工隅化稚魚には見られなかつだ。又水中植物に附若L・ているアブの幼虫及び

Figure 13. Distributions Of total length Of chum salmon fry collected On May, l958.

MIy 8-12

ごイ二コ

-ノ-コZ-

ム0

ア山コ

三二

z

― l23

.@v B-l2

― lf

L

93 5 05 5 @5 5 25 5 35 5 55 5. 65

1

ength

Figure 14. Stomach contents Of chum

salmon fry 0f Figur 13.

M : Miscellanous, Ch : Midge,

C : Caddis fly, S : Stonefly,

D : Black fly.

63

さけ・ます・ ふ化場 :研究報告第 l5 号

ユスりカ幼虫を捕食L,ていた。亦 トピケラは人工Fmure 15-a. Diagrammatical sketch showing

隅化椎古 にも多数捕食されていたが, 人工 附化individual variations Of the parr

mark and scattered black spots on惟魚ではトビ ゲラ類の非常に小形のi,ので丸つた

back in natural fry.の。二反 ¥3天仏脾化稚魚では餌料生娩の発生段階の

進んだ比較的人型なものを摂食L,ていだ。。 その 他' の中には水中植物に附着し"ている 腐泥,植物

ゴ ; クズ ,その他の判定出来なかった九fO ノ * )・ 牛 I t f J,f,。4 ,

ff)を含んでいる0 天然府代稚魚では空胃の心のが

無いのに対し, 人工牌什椎点中 c@ は調査時空日の

心のが若干含まれていた。以士の芋を換言すれば 勿諭稚魚の生長度合により変るがこの調査では人"(@)」イ・t;廿〃 f 4‥ ー十 、 "ごメ・,。' ,,・;':ざ。

工附イ L稚魚は天然燗イヒ 稚魚より各餌料の小形のも のを捕食している事になる。更にサケ稚魚が動物

質餌料など るポボこれをもつても明らかである。 今後各般陪@n 稚魚の飼料を分折する必要がある。

'・ 下 ・ ‥千 ‥ 4- 甘‥歩半 *・ケ什 * ・ *"":加入然隅ィ L放び人工脾化した稚魚の斑紋を観察,、 屯ら7

すると,両者を明らかに区別出来る様な差は認め

られないが,パール・マークの非常に明らかなも

のから,殆んど不明瞭なもの,中にはパール・マ ークの殆んど無いと云つた方が適当な個体まであタす ・クィ l 47 ・ 1f 8‥ J‥イ "(@)る。 更に体側背部に沿つて散在して L る斑点本比 較的大きく数の少いもの,数の多いもの,非常に

微細なもの,淡色なもの或いは此羊斑点の欠如た るもの迄変異がある (築け図 a, b)b l959 年度に・,"牛,"*・,,,,牛‥廿,,4 8 ・ :。・せむ ;採集した天然岬化稚魚、約30 尾の平均体長を参考

K@,に加えると,l n 3l 口 ―4. 33cm (0.49g), 2 月

28 口 ―4.36 (0.5l), 3 月乃 28 口 - 4.75 (0.65), 5

H 3 日― 6. 22 (l.8l) となつて,この川ではI月

の下旬に既に天然牌イ L稚魚が碑出する車が分る。 又日を追つて生長度合が顕著である事が分る 。

,。O リ

娃稚魚算定柵で採取された淡水魚類について.

算定柵より上流に棲息する魚類を,鮭稚魚を算 定すると同時に採取観察することが出・来るので , l958 年及びl959 年3月から4 @ョ 30 日までに算定

.<(@,

したその時の状況を記述する。両年の総計尾数は

9, 873 尾で,年鹿別の合計十/l959 年の方が少くな

つている。又総計より敷品の多い七のはイトヨ(Cdsze 化sfgMs 叱M7cdfMs 此%lgdfMs) であり,次いでイ バラト;

ヨ (PM れ gifiMs 力 M7tgfZfMs 力 M%Pf 初 5) , スナヤ ツメ 仕D川カ efr0 ァgf5w びり, ウグイ (T ,・仏o加イOれ加如れgれsfs

血止 O叱瓜f5), ドジョウ (B0y&dfMAd fo市 Oグ gds 十 MF5g/MwM AwgMf/ 比仰血仇5) ,カジカ (COf ぬs れO叩側め,ヤ

マ べ (Onc 。所rynzchus mason) , ュゾアカガエル(Ranatem タ 。叩血), フナ (Ca 仏issius auratus') 及びズヂェビ

(Leandeir paucidens) の順位である。 この中で当松上流城に多いカ ジカが少いのは,カジカは底捜性のために

浮上する事が少いため算定柵にかかりづらく,反対にスナヤツメが非常に多いのは,夜間この類が浮上して餌を

とるために多くかかるもの十思われる。次@こ l959 年3 月, 4 月の毎日の採取数を検討すると,切論その口の河

川状況にも大きく作用されが,イトョ, ト ; ョは3月より4月中□降に順次数が増加するが,人体両種共同様な

64

十勝川支流メム 川の生物学的調査 メム 川の淡水魚類及びその環境 and scattered black spots On back ;n artificial fry.

ノー

,・ O ソ を @'@, 。 @, 。 " ,,,,・f 。"@", 叫二三

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傾向を示している(F@gure l6) 。 スナヤ ッメは殆んど同傾向が続いている。―方ウグイは4 月 20 日以前には出

現しなかったが,急に採取されて来たのは,この頃該種が順次下流に移動- 始めたもので@r いかと推定される。

この様な市から魚種の移動行動が充分に分析されるのでな、 、 ;、 と老える。

著者は以上の諸項日より メム J@l支流は十勝平野@@)十部に位@i@ しているけれど七,生物環境から渓流型の性質亡

持つ河川であると同時に,淡水魚相から渓流系と中流系の混懐する河川である。 淡水魚類棲息の場としては現在

好適な河川の様に考えられる。

最後にこの報告を取纏めるに際し,極 専々門分野で"御教示頂いた北海道大学理学部植物学教室秋山茂雄先生,

舟橋説往氏及び北海道大学付属植物園の原秀夫先牛, 水桟昆虫その地に就いては奈良女子大学生物学教室川合禎

次,赤木郁郎画先生並びに北海道大学理学部軌物学教室森谷清樹,長尾善両氏,亦鳥類に関しては北海道大学農

学部応用動物学教室の芳賀良―尺C よる処が多く, 記して謝意を表する次第である。 尚数年問の調査中絶えず種

々 援助を受けた佐野調査課長,徳井技官並びに採集に協カ 煩いた札内事業場の長沢有晃, 幸内患六,高橋康雄,

65

さけ・ます・ ふ化場 :研究報告第 l5 モ

角田忠義諸氏に対し心から御礼申し上げる次第である。

Fi9uFe H . DaHy CatCh Of the Sevcral freshwater LSheS CO@lected by thC COunting

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