平成 年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 · 2018-06-13 · 1 平成29年度...

12
1 平成 29 年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 期日 平成 30 年 3 月 17 日(土) 10:30~17:00 場所 福岡県立大学 5303 実習室 第一部 グループ・スーパービジョン 10:30~12:00 参加対象者 当大学院の在学生、修了生、大学院入学予定者、教員 スーパーバイザー 長谷川病院 精神看護専門看護師 後藤優子先生 スーパーバイジー 八幡厚生病院 師長兼精神看護専門看護師 畑辺由起子様 テーマ 看護管理者と兼務の精神看護専門看護師の役割開発 第二部 講演2題 参加対象者 福岡県及び近隣県の看護職者 テーマ オレム―アンダーウッドモデルとストレングスモデルの融合 講師 聖路加国際大学大学院看護学研究科長 萱間真美教授 講師 長谷川病院 精神看護専門看護師 後藤優子先生 1.第一部 グループ・スーパービジョンの報告 グループ・スーパービジョンには、在学生、修了生、入学予定者、教員の 15 名が参加しました。後藤優子先生は 長谷川病院の精神看護専門看護師として、10 年以上のキャリアをお持ちのエキスパートのスペシャリストです。 近年、長谷川病院は、これまで培ってきた、オレム―アンダーウッドモデルを用いたエビデンスのある看護を基 盤に、ストレングスモデルの推進者である萱間真美先生にスーパービジョンを受けながら看護を展開している病 院です。その中で、後藤優子先生は、精神看護専門看護師として実践のモデルを示しながら、リーダーシップを 発揮していらっしゃるパイオニアです。後藤先生には、当大学院の精神看護専門看護師役割実習で、在学生、修 了生ともに大変お世話になっています。グループ・スーパービジョンでは、その後藤先生のスーパービジョンの もと、活発に意見交換が行われました。まずスーパーバイジーの畑辺由起子様から、SWOT 分析による所属組織の アセスメント、現在行っている役割開発、今後行いたい役割開発の方向性がプレゼンテーションされました。畑 辺様は、認知症病棟の看護師長として、昨年 12 月からは精神看護専門看護師としてご活躍中です。八幡厚生病院 は、スーパー救急病棟をはじめ、多くの地域資源を擁する、北九州の精神医療の先駆的で中核的な病院です。日 本の精神医療福祉の制度改革が進む中、多くの病院がそうであるように入院精神医療から地域生活支援へのシフ トをいかに果たしていくかが、課題となっており、時代に対応した人材育成のあり方、時代の変化に対する当然 起こりうる心理的な抵抗、その中で精神看護専門看護師として何をなし得るのか、その時に忘れてならないこと は何か、ということが議論の焦点となりました。人材育成においては、現在他の精神科病院でも行っていて、一 定の成果を上げている、パーソナル・ポートフォリオが紹介されました。パーソナル・ポートフォリオは、個々 人の成長の軌跡を残すことにより、モチベーションを維持・向上させていく方法であり、もし病院としてそのこ とに取り組みたいのであれば、協力を惜しまないことが表明されました。また、現在、スーパーバイジーが看護

Upload: others

Post on 14-Jan-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 平成 年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 · 2018-06-13 · 1 平成29年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 期日 平成30年3月17日(土) 10:30~17:00

1

平成29年度 精神看護セミナーⅢの開催報告

期日 平成30年3月17日(土) 10:30~17:00

場所 福岡県立大学 5303実習室

第一部 グループ・スーパービジョン 10:30~12:00

参加対象者 当大学院の在学生、修了生、大学院入学予定者、教員

スーパーバイザー 長谷川病院 精神看護専門看護師 後藤優子先生

スーパーバイジー 八幡厚生病院 師長兼精神看護専門看護師 畑辺由起子様

テーマ 看護管理者と兼務の精神看護専門看護師の役割開発

第二部 講演2題

参加対象者 福岡県及び近隣県の看護職者

テーマ オレム―アンダーウッドモデルとストレングスモデルの融合

講師 聖路加国際大学大学院看護学研究科長 萱間真美教授

講師 長谷川病院 精神看護専門看護師 後藤優子先生

1.第一部 グループ・スーパービジョンの報告

グループ・スーパービジョンには、在学生、修了生、入学予定者、教員の15名が参加しました。後藤優子先生は

長谷川病院の精神看護専門看護師として、10年以上のキャリアをお持ちのエキスパートのスペシャリストです。

近年、長谷川病院は、これまで培ってきた、オレム―アンダーウッドモデルを用いたエビデンスのある看護を基

盤に、ストレングスモデルの推進者である萱間真美先生にスーパービジョンを受けながら看護を展開している病

院です。その中で、後藤優子先生は、精神看護専門看護師として実践のモデルを示しながら、リーダーシップを

発揮していらっしゃるパイオニアです。後藤先生には、当大学院の精神看護専門看護師役割実習で、在学生、修

了生ともに大変お世話になっています。グループ・スーパービジョンでは、その後藤先生のスーパービジョンの

もと、活発に意見交換が行われました。まずスーパーバイジーの畑辺由起子様から、SWOT分析による所属組織の

アセスメント、現在行っている役割開発、今後行いたい役割開発の方向性がプレゼンテーションされました。畑

辺様は、認知症病棟の看護師長として、昨年12月からは精神看護専門看護師としてご活躍中です。八幡厚生病院

は、スーパー救急病棟をはじめ、多くの地域資源を擁する、北九州の精神医療の先駆的で中核的な病院です。日

本の精神医療福祉の制度改革が進む中、多くの病院がそうであるように入院精神医療から地域生活支援へのシフ

トをいかに果たしていくかが、課題となっており、時代に対応した人材育成のあり方、時代の変化に対する当然

起こりうる心理的な抵抗、その中で精神看護専門看護師として何をなし得るのか、その時に忘れてならないこと

は何か、ということが議論の焦点となりました。人材育成においては、現在他の精神科病院でも行っていて、一

定の成果を上げている、パーソナル・ポートフォリオが紹介されました。パーソナル・ポートフォリオは、個々

人の成長の軌跡を残すことにより、モチベーションを維持・向上させていく方法であり、もし病院としてそのこ

とに取り組みたいのであれば、協力を惜しまないことが表明されました。また、現在、スーパーバイジーが看護

Page 2: 平成 年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 · 2018-06-13 · 1 平成29年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 期日 平成30年3月17日(土) 10:30~17:00

2

師長であり、様々な委員会等に参加して所属組織のことを熟知していることは大きな強みであり、丁寧に組織分

析をしていくことで、精神看護専門看護師としてのニーズを掘り起こす突破口になるのではないかとの意見もあ

りました。また、専門看護師の教育機能の特徴である、On the Job でモデルを示したり知識を提供したりしなが

ら、受け持ち看護師や看護チーム・多職種チームと一緒にケアを展開し、患者や家族のQOLの促進という良い変

化が起こることを通じて、看護職者がエンパワメントされたことの実践例も紹介されました。また、スーパーバ

イジーが大切にしている看護観や所属組織の将来ビジョンの明確化のためのリフレクションが必要なことが参加

者から発言されました。また、トップマネージャーの看護観や、将来ビジョンなどを明確にするためには、トッ

プマネージャーとの真のコミュニケーションが必要ではないかというこという意見もありました。スーパーバイ

ザーからは、組織分析は、誰のために、何のために行うのか、専門看護師は誰のために何のためにいるのか、と

いう根本的なことを忘れないで、役割開発を行うことが大切で、それがないと、組織内での単なるパワーゲーム

に陥ってしまう危険性があることが述べられ、警鐘が乱打されました。また、変革の促進因子(スーパーバイジー

に賛同してくれる人や組織の強み)を少しずつ増やしていく地道な作業が必要であることが述べられました。この

時代のどの医療機関においても課題となる、普遍的で本質的な内容であったと思います。最後に参加者からひと

言ずつ、感想が述べられました。スーパーバイジーの畑辺様からは、参加者やスーパーバイザーからの助言や意

見を参考に、少しずつでも精神看護専門看護師としての役割開発をしていきたいことが述べられました。スーパ

ーバイザーの後藤様からは、精神看護専門看護師役割実習で指導したときよりも、一段と成長した姿を見ること

ができて、とても充実した時間であったことが述べられました。

2.第二部 講演2題の報告

最初の講演は、聖路加国際大学大学院看護学研究科長で、精神看護学に関連する多くの著書やご研究があり、

教鞭をとる傍ら、精神障害を持つ人への訪問看護の実践も行っていらっしゃる萱間真美先生に行ってもらいまし

た。萱間先生は、学士と修士は聖路加看護大学、博士は東京大学で取得されています。臨床経験は、長谷川病院

で積まれています。萱間先生は、聖路加国際大学の大学院で、たくさんの精神看護専門看護師も排出されてお

り、2017年4月からは、高度実践看護師を博士課程で育成する、Doctoral of Nursing Practice(通称DNP)を開設さ

れました。アメリカでは、高度実践看護師(専門看護師、ナースプラクティショナー、助産師、麻酔看護師)が一

緒に仕事をする、医師や薬剤師等の多職種は博士号保有者が多い現状から、高度実践看護師の養成を修士課程か

ら博士課程にシフトさせる改革が進められています。そのような中で、日本で初めてのDNPのコースの開設は、

とても意義のあることだと思います。

また、萱間先生は、日本の看護界でまだ質的研究が研究としてあまり認められていなかった時代に、質的研究

の面白さ、楽しさ、看護研究にとっての有用性を御著書や学会でのワークショップなどで広めた御功績のある先

生です。また、東京女子医科大学大学院の田中美恵子教授と共著の長期入院患者の社会復帰に関するご研究で

は、「援助の門を開いて身を引く」という、看護や看護教育に携わる者なら、「なるほど!」、と唸りたくなる

ような普遍性のあるカテゴリーを生成された研究者でもあります。2017年には、「リカバリー・退院支援・地域

連携のための ストレングスモデル実践活用術」という、画期的な本を書かれ、ストレングス・マッピングシート

を用いた精神に障害を持つ人への援助の提供を提唱されています。

講演には75名の方が参加され、大阪、大分、佐賀など、遠方からも来ていただきました。

Page 3: 平成 年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 · 2018-06-13 · 1 平成29年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 期日 平成30年3月17日(土) 10:30~17:00

3

萱間先生からは、問題解決志向の看護過程の展開は、救急・急性期の看護にはフィットするし、大事だけれど

も、長期入院患者や地域で生活する精神に障害を持つ人への看護においては、あまり有効なアプローチではない

ことを、ご自身の訪問看護の御経験も交えながら伝えられました。看護師の問題志向の考え方は、身にしみこん

でいて、他の職種からは、協働し辛いととらえられていることなどを、ご自分の御経験をもとに話されました。

そして、他職種と話し合う中で、リカバリーやストレングスの考え方を看護師もできるようになると協働の道が

開かれることを実感し、看護師国家試験の出題基準にストレングスとリカバリーを入れられたそうです。そし

て、これは4月号の「看護教育」という雑誌にも紹介されているのですが、ジョンという精神障害を持つ人への

ストレングス・マッピングシートを用いた、コミュニケーションの方法を具体的に、わかりやすくプレゼンテー

ションしていただきました。そして、このツールを用いるときに一番大事なことは、精神に障害を持つ人の言葉

をそのまま用いて表記することであり、看護師が自分の言葉に置き換えないことであることが伝えられました。

このツールを用いたコミュニケーションは、学生のほうが上手であるともおっしゃっていました。また、人に夢

や希望を伝えることは、日本人では特に抵抗が強く、最初は「夢はない」「言えない」と反応されても、それは

それでよいこと、ストレングス・マッピングシートを埋めることが大事ではなく、このツールを媒介にして、そ

の人のニーズに迫ることのほうが大切であることが伝えられました。問題志向からストレングス志向へのパラダ

イムシフトは、問題志向に慣れて身に沁みついている看護師にとって難しいけれどもチャレンジのし甲斐がある

ことであることが伝わってきました。

筆者は、日本の精神障がい者を対象にした古い調査では、欧米の精神障がい者と比較して、夢や希望を持って

いない人が多いとの結果を思い出しました。文化的に、夢や希望を他人に表現することを躊躇することもあるか

もしれませんが、日本で患者の身近にいる看護者が、当事者の話に耳を傾けていないことの結果かもしれないと

も思いました。看護師は患者さんが夢や希望を語ると、とかく「非現実的」とのレッテルを貼りがちだけれど

も、非現実的に思える発言の中にある患者の真のニーズを理解していくこと、受け止めていくことの大切さが伝

えられたと感じました。

二つ目の講演は、長谷川病院の精神看護専門看護師の後藤優子先生に、長谷川病院で実際にオレム―アンダー

ウッドモデルとストレングスモデルをどのように融合させて、実践を展開されているのかについて、プレゼンテ

ーションをしていただきました。後藤先生からは、まず、オレム‐アンダーウッドモデルの概略について、教え

ていただきました。また、オレム―アンダーウッドモデル(看護師発)とストレングスモデル(当事者発)という、

根本的に異なる考え方から出てきた理論を、融合させることの難しさが語られました。しかし、このままでは一

Page 4: 平成 年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 · 2018-06-13 · 1 平成29年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 期日 平成30年3月17日(土) 10:30~17:00

4

生病院で過ごすしかないかもしれないと思っていた、対抗困難事例をある病棟でうけもち、ストレングス・マッ

ピングシートを活用して援助をしていくことで、退院して現在は地域生活を継続できていることが紹介されまし

た。その方が、時々外来に来た時に声を掛けてくれることに、後藤先生ご自身もエンパワメントされていること

が伝えられました。後藤先生も、萱間先生と同様に、ストレングス・マッピングシートを用いるときに、患者の

言葉がどのようなものであれ、それを看護師の言葉に言い換えたりしないことの大切さを語られました。まだ、

試行錯誤の段階だけれども、問題志向からストレングス志向にシフトすることで、看護師の患者のへの観方が変

わり、お互いにとって楽になれることを実感として伝えていただきました。

お二人の御講演の中で、最も強調されていたのは、看護の対象者との信頼関係であり、ストレングス・マッピ

ングシートは、信頼関係の構築・発展に寄与し得るツールだということです。

筆者は、オレム-アンダーウッドモデルの創始者の故Patricia Underwood(2017年6月他界)がモデルの中で最も

大切にした「自己決定」という概念が、当事者発のストレングスモデルやリカバリーの概念と看護者発のオレム

-アンダーウッドモデルをつなぐ、重要な概念なのではないかとお話を聞きながら、感じました。当大学では、

だいぶ前から、リカバリーやストレングスの考えた方は学部の精神看護学概論の中で90分使って講義しています

し、大学院ではストレングスモデル、リカバリーモデルに加えて、パーソンセンタードケアの考え方について

も、精神看護関連法規・制度政策論や精神障がい者地域移行・地域定着看護論で多くの時間を使って学修し、実

習でもストレングス・マッピングシートを部分的にですが活用させていただいています。今回のセミナーでは、

直接その考案者や実践者からお話が聞けて、とても嬉しく、感動しながらあっという間に時間が過ぎてしまいま

した。会場の参加者からも、強い関心と熱気が感じられました。

講演後は、お二人に前に座っていただき、フロアから、自由にご質問やご意見を伺いました。実際に臨床で使

ってみていることや、それに対する意見をアンケートという形でとってみた話など、臨床の中で普及させていく

苦労話なども参加者から紹介されました。参加者からは、非現実的なことが出てきたときにはどうしたらよいの

かとの質問があり、看護師が非現実的と思っても、ストレングス・マッピングシートには、患者の言葉をそのま

ま書くということ、夢や希望は変化してもよいことが回答されました。

遠路、東京からお二人に来学していただいたこと、たくさんの方々にご参加いただいたことに、心より、感謝

申し上げます。ありがとうございました。

Page 5: 平成 年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 · 2018-06-13 · 1 平成29年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 期日 平成30年3月17日(土) 10:30~17:00

5

3.アンケート結果の報告

アンケートの配布数は75部、回収数は59部で、回収率は79%でした。アンケートにご回答いただいた方は、

59名でしたが、精神看護関連の臨床経験と看護師としての臨床経験をご回答いただいたのは、57名でした。他に

も欠損値はありましたが、全て分析の対象にしています。回答者の看護師としての平均経験年数は、17.02年、

精神科看護関連の平均経験年数は、12.92年でした。精神科での経験が1年未満の方、30年以上の方も含まれて

おり、かなり幅広い年齢層の方がアンケートにご回答いただいていました。

回答者の普段の主たる仕事は、医療機関が最も多く80%で、次いで地域での看護、教育機関での教育の順でし

た。

講演①の分かりやすさの問いには、93%の人が「全くそう思う」「そう思う」と答えていました。

講演①の分かりやすさと内容への興味は、93%以上の人が「全くそう思う」「そう思う」と答えていました。

平均値 最小値 最大値看護師としての臨床経験(n=57,SD=8.88)) 17.02 3 35

精神看護関連の臨床経験(n=57,SD=8.58) 12.92 0 31

講演①の内容に興味が持てた(n=59,SD=1.18) 6.51 1 7

講演①はわかりやすかった(n=58,SD=1.20) 6.45 1 7

精神看護セミナーにまた参加してみたい(n=59,SD=1.02) 6.37 1 7

精神看護セミナーに参加して新しい発見や学びがあった(n=57,SD=1.22) 6.26 1 7

講演②の内容に興味が持てた(n=58,SD=1.12) 6.26 1 7

講演②は分かりやすかった(n=59,SD=1.31) 6.15 1 7

精神看護セミナーで学んだことは仕事に活用できそうだ(n=59,SD=1.31) 6.14 1 7

記述統計量

質問項目

全くそう思う,

42, 71%

そう思う, 14,

24%

全くそう思わな

い, 2, 3%

どちらでもない,

1, 2%

講演①の内容に興味が持てた

n=59 n=58

n=59

Page 6: 平成 年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 · 2018-06-13 · 1 平成29年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 期日 平成30年3月17日(土) 10:30~17:00

6

講演②の分かりやすさと内容への興味については、83%以上の人が「全くそう思う」「そう思う」と答えてい

ました。オレム―アンダーウッドモデルが福岡ではまだ十分には普及していないことが、結果に影響した可能性

がありますが、今回のアンケートだけから結論付けることはできません。

本セミナーに参加して新しい学びや発見があったかとの質問には、90%の人が「全くそう思う」「そう思う」

と回答していました。

また、本セミナーでの学びを仕事に活かせそうかとの問いには、81%の人が「全くそう思う」「そう思う」と答

えていました。

精神看護セミナーにまた参加したいと回答された方は、ややそう思うまでを含めると96%でした。

n=58

n=59

n=57 n=59

n=59

Page 7: 平成 年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 · 2018-06-13 · 1 平成29年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 期日 平成30年3月17日(土) 10:30~17:00

7

土曜日の貴重な時間に本学までご足労いただいた、参加者の皆様方、アンケートにご回答いただいた方々に心

よりお礼申し上げます。また、年度末のお忙しい時期に、東京から御講演に来てくださった萱間真美先生と後藤

優子先生に深謝いたします。

平成30年度も引き続き、精神看護セミナー、精神看護トピック・セミナーは継続していきますので、どうぞよ

ろしくお願いいたします。詳しくは次のページからの開催案内を御高覧ください。

文責 福岡県立大学 准教授 松枝美智子

セミナー担当 福岡県立大学大学 准教授 松枝美智子 / 講師 安永薫梨 / 助教 宮﨑初 中本亮

協力 福岡県立大学 講師 増滿誠 天草市本渡看護専門学校 専任教員 脇崎裕子

福岡大学 助教 池田智(精神看護専門看護師) 八幡厚生病院 看護師長 畑辺由起子(精神看護専門看

護師) くおーれ訪問看護ステーション管理者 山本智之(精神看護専門看護師)

見立病院 看護次長 熊本勝治(精神看護専門看護師)

(株)麻生 飯塚病院 リエゾンチーム看護師 堤一樹 西南女学院大学 助教 安藤愛

福岡県立大学大学院 矢治亜樹子 高木美歩 恵良友彦

Page 8: 平成 年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 · 2018-06-13 · 1 平成29年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 期日 平成30年3月17日(土) 10:30~17:00

8

平成30年度の大学院看護学研究科の精神看護セミナー、精神看護トピック・セミナー、公開授業の開催案内

平成30年度からは、地域包括ケア時代を先導するチームケアの促進を目的に、看護職者だけでなく広く多職種

にも門戸を開いてセミナー等を開催します。これまで同様、学ぶ意欲にあふれる参加者を求めていますので、

奮って御参加ください。一緒にこれからの精神保健医療福祉のあるべき方向性を探求しましょう。

1.精神看護セミナーⅠ 7月 14日(土)10:30-17:15

第一部 10:30-12:30グループ・スーパービジョン(参加対象 当大学大学院在学生、修了生、教員)

場所 福岡県立大学 5号館3階 5303実習室

テーマ 「精神看護専門看護師資格取得を念頭においた役割開発:直接ケアを中心に」

スーパーバイザー 神戸女子大学講師 福山敦子先生

スーパーバイジー セノーテ訪問看護ステーション若宮 管理者 入江正光様(当大学院精神看護専門看護

師コース修了生)

第二部 講演13:30-15:00 (参加対象 福岡県及び近隣県の看護職者をはじめとする保健医療福祉職者)

テーマ 「精神保健医療福祉先進国に学ぶ:イタリア、フィンランドでの地域ケアの哲学と実践」

講師 神戸女子大学講師(精神看護専門看護師) 福山敦子先生

第三部 事例検討会 15:15-17:15 (参加対象 福岡県及び近隣県の看護職者をはじめとする保健医療福祉職

者)

テーマ 訪問看護で対応に困難を感じる方への看護

事例提供施設 福岡プライマリケア訪問看護ステーション 代表取締役 熊谷紀子様

スーパーバイザー 福岡県立大学 准教授 松枝美智子

2.精神看護セミナーⅡ 平成30年9月15日(土)10:00-17:15

場所 福岡県立大学 5号館3階 5303実習室

第一部 グループ・スーパービジョン 10:00-12:00(参加対象 大学院在学生、修了生、教員)

テーマ 「精神看護専門看護師コースの大学院生としての訪問看護の直接ケア」

スーパーバイザー 滋賀医科大学医学部附属病院 精神看護専門看護師 安藤光子先生

スーパーバイジー 一本松すずかけ病院 主任 矢治亜樹子様(精神看護専門看護師コース在学中)

第二部 講演13:00-14:30 (参加対象 福岡県及び近隣県の看護職者をはじめとする保健医療福祉職者)

テーマ「自殺念慮のある患者への精神看護専門看護師の高度実践」

Page 9: 平成 年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 · 2018-06-13 · 1 平成29年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 期日 平成30年3月17日(土) 10:30~17:00

9

講師 滋賀医科大学医学部附属病院 精神看護専門看護師 安藤光子先生

第三部 事例検討会 15:15-17:15(参加対象 福岡県及び近隣県の看護職者をはじめとする保健医療福祉職者)

事例提供者 国立病院機構 福岡病院 小児看護専門看護師 金子恵美様

スーパーバイザー 福岡県立大学 准教授 松枝美智子

3. トピック・セミナーⅠ 10月4日(木) 13:30~17:10(参加対象 福岡県及び近隣県の看護職者をはじめと

する保健医療福祉職者)

講演① 13:30-15:00

テーマ「病院精神医療を超えて:地域社会のリカバリーを目指して」

講師 医療法人 コミュノテ風と虹 のぞえ総合心療病院 理事長兼病院長 堀川公平先生

講演② 15:10-16:10

テーマ「重度の精神障害のある人を地域で支える:医療機関による支え方」

講師 医療法人昌和会 見立病院 地域医療センター長兼看護次長(精神看護専門看護師)

熊本勝治先生(当大学院精神看護専門看護師コース修了生)

講演③ 16:10-17:10

テーマ「重度の精神障害のある人を地域で支える:独立型訪問看護ステーションによる支え方」

講師 くおーれ訪問看護ステーション 管理者(精神看護専門看護師,精神保健福祉士)

山本智之先生(当大学院精神看護専門看護師コース修了生)

4.トピック・セミナーⅡ 11月17日(土) 13:30-16:10(参加対象 福岡県及び近隣県の看護職者をはじめと

する保健医療福祉職者)

場所 一本松すずかけ病院 コミュニティホール

講演① 13:30~15:00

テーマ「トラウマ・インフォームド・ケアの原理と実際」

講師 奈良学園大学大学院 教授 川野雅資先生(有馬高原病院ナースサイエンティスト)

Page 10: 平成 年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 · 2018-06-13 · 1 平成29年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 期日 平成30年3月17日(土) 10:30~17:00

10

講演② 15:10~16:10

テーマ「PTSDの病理:トラウマの理解」

講師 一本松すずかけ病院 精神保健指定医 徳丸武彦先生

5.大学院看護学研究科公開授業 1/17(木)の13:00-14:30(参加対象 福岡県及び近隣県の看護職者をはじめとす

る保健医療福祉職者)

場所 福岡県立大学 5号館3階 5303実習室

岩手医科大学看護学部副学部長 地域包括ケア講座 教授 兼 日本精神科看護協会会長

末安民生先生(当大学院特別講師)

※ 大学院の公開授業は、大学院で行われている授業の一部を受講生以外にも公開する制度です。

6.精神看護セミナーⅢ 3月2日(土) 10:00-17:15

場所 福岡県立大学 5号館3階 5303実習室

第一部 グループ・スーパービジョン 10:00-12:00(参加対象 当大学の大学院在学生、修了生、教員)

スーパーバイザー 長谷川病院 精神看護専門看護師 後藤優子様

スーパーバイジー 見立病院地域医療センター長兼看護次長(精神看護専門看護師) 熊本勝治様(当大学院

精神看護専門看護師コース修了生)

第二部 講演 13:00-14:30(参加対象 福岡県及び近隣県の看護職者をはじめとする保健医療福祉職者)

テーマ 衝動性の高い人へのストレングス志向の高度看護実践

講師 長谷川病院 精神看護専門看護師 後藤優子様

第三部 事例検討会 15:15-17:15 (参加対象 福岡県及び近隣県の看護職者をはじめとする保健医療福祉職

者)

テーマ 衝動性が高く、退院が困難になっている事例

事例提供者 八幡厚生病院 看護師長(精神看護専門看護師) 畑辺由起子様(当大学院精神看護専門看護師

コース修了生)

スーパーバイザー 福岡県立大学 准教授 松枝美智子

Page 11: 平成 年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 · 2018-06-13 · 1 平成29年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 期日 平成30年3月17日(土) 10:30~17:00

11

※お申込みは、できるだけ施設単位で、次ページの申込書にご記入の上、次の宛先に郵送してください。

宛先 825-8585 福岡県田川市伊田4395番地 福岡県立大学 准教授 松枝美智子

お問合せ 0947-42-1403(松枝研究室直通)

Page 12: 平成 年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 · 2018-06-13 · 1 平成29年度 精神看護セミナーⅢの開催報告 期日 平成30年3月17日(土) 10:30~17:00

12

福岡県立大学大学院看護学研究科の精神看護セミナー、精神看護トピック・セミナー、公開授業参加申し込み書

貴施設名( )

お申込み代表者 職位・御氏名

お申込み代表者の連絡先メールアドレス(PCのみ可)

参加をお申し込みになる行事の番号を○で囲んでください。

1. 精神看護セミナーⅠ 7月14日(土) (申し込み締め切り 7月7日(土))

2. 精神看護セミナーⅡ 9月15日(土) (申し込み締め切り 9月8日(土))

3. 精神看護トピック・セミナーⅠ 10月4日(木) (申し込み締め切り 9月27日(木))

4. 精神看護トピック・セミナーⅡ 11月17日(土) (申し込み締め切り 11月10日(土))

5. 大学院公開授業 1月17日(木) (申し込み締め切り 1月10日(木))

6. 精神看護セミナーⅢ 3月2日(土)(申し込み締め切り 2月23日(土)

御所属病棟等 職種 職位 お名前

※記入欄が不足する場合は、コピーしてご使用ください。