《《 管理会計セミナー 第1部 - cio-partners2016/02/17 · 管理会計セミナー...
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《《 管理会計セミナー 第1部 》》
業務との整合性がカギ!管理する為の管理会計とは…
CIOパートナーズ株式会社代表取締役 吉田 明弘
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第1部の講演内容
第1章 各社の抱える悩みと成否の分かれ目
第2章 管理する為の管理会計のポイント
第3章 管理会計を活用して一歩先を予測するには…
第4章 管理する為の管理会計の実現に向けて
管理会計セミナー「一歩先を予測し、生産性の向上につなげる為の管理会計を考える」 第1部 業務との整合性がカギ! 管理する為の管理会計とは 2『 …』
はじめに… 管理会計には非常に多岐に渡る論点があります。
従って、今回のセミナーは「実績ベースの利益管理のあり方」に焦点を絞って講演します。
また、ポイントを出来るだけ分かり易く解説する為に、具体例を用いていますが、反面、皆様の会社の実態とは異なる例示も少なくない、と考えられます。
こうした点をご理解いただきたく、予めお願い申し上げます。
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第1章各社の抱える悩みと成否の分かれ目
管理会計セミナー「一歩先を予測し、生産性の向上につなげる為の管理会計を考える」 第1部 業務との整合性がカギ!管理する為の管理会計とは 3『 …』
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1-1.そもそも「管理会計」とは…
本来、会計には(1)業績開示(IR)や税金計算の根拠としての側面(財務会計)と(2)企業活動を管理するツールとしての側面(管理会計)の二面性があります。
ただし、管理会計については諸説があり、明確な定義は定まっていない為、一般的な通説を以下に列挙します。
上記では、「管理会計とは、経営目標の設定や意思決定を支援する為、会計を活用する事」としています。
この、会計(経理)と経営の関係については、故 松下幸之助氏も同様の発言をしています。
管理会計セミナー「一歩先を予測し、生産性の向上につなげる為の管理会計を考える」 第1部 業務との整合性がカギ! 管理する為の管理会計とは 4『 …』
管理会計とは…
企業の歴史的および計画的な経済的処理をするにあたって、経営管理者が合理的な経営目的の達成計画を設定し、またこれらの諸目的を達成する為に知的な意思決定を行なう事を援助する為に、適切と思われる技術および概念を適用することである。 (アメリカ会計学会)
『経理というものは単に会社の会計係ではなく、企業経営全体の羅針盤の役割を果たす、いわゆる経営管理、経営経理でなくではならない。』
(故、松下幸之助 氏)
これらが示す通り、企業は利益創出に向けて経済活動を営み、この活動結果を最も適切に表す情報が会計情報です。従って…
会計情報を最大限、経営に活用する事こそが管理会計の本質と私たちは考えています。
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1-2.管理会計における各社の悩み…
管理会計の重要性を、経営層は充分に認識していても、社内での浸透や活用が一向に進んでいない企業が少なくありません。 そこで、こうした企業に多く見受けられる代表的な「お客様の声」を列挙します。
管理会計セミナー「一歩先を予測し、生産性の向上につなげる為の管理会計を考える」 第1部 業務との整合性がカギ! 管理する為の管理会計とは 5『 …』
業績への貢献程度がハッキリしない 自分達が携わる仕事が、どの程度、会社の業績に貢献できているのか、が分からない… 特に、売上計上に直接関係しないバックオフィスのコストセンターで、こうした声を聞く事が多い。
経営環境の変化についていけない 原材料や仕入れコストが大きく変動しているのに、期中の利益見通しはタイムリーに修正できない… 折角、月次決算を行っているが、管理会計では翌月以降にならないと影響が反映されない…
従業員の行動に変化がない 折角、部門や顧客、商品ごとに細かく利益を把握できるのに、社内では参考情報程度にしか活用されていない…
現場は、利益の良し悪しに関係なく、同じ日常業務を繰り返している…
この様な問題の多くは、利用者や情報システムではなく、
管理会計の作成プロセス(つまり、ルール)に原因があります。
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1-3.管理会計の成否を左右する3要素
前述の通り、多くの企業が管理会計で抱える問題点の原因は「管理会計のルール」にある、と私たちは考えています。
中でも、「管理単位」「作成プロセス」「管理サイクル」の3要素の何れか(もしくは複数)に原因を抱えている企業が少なからず散見されます。
管理会計セミナー「一歩先を予測し、生産性の向上につなげる為の管理会計を考える」 第1部 業務との整合性がカギ! 管理する為の管理会計とは 6『 …』
職務権限との整合性(管理部門の扱い)
最小管理単位の定義 業務管理との整合性
作成プロセスに対する利用者の納得
財務会計との整合性
通常の予実管理サイクル 期初の前提条件の変化に対応する見直しサイクル
管理単位
作成プロセス管理サイクル
相互作用 相互作用
相互作用
直接部門・間接部門に関わらず全社業績への貢献度を測定できる
経営環境の変化をタイムリーに管理会計に反映できる
従業員の行動に“変化”が発生
管理会計を使った意識改革の達成つまり…
管理する為の管理会計へ…レベルアップ
管理会計の成否を決定づける「管理会計ルールの3要素」第2章でポイントを解説
© CIO-Partners co.,ltd禁無断転載
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第2章管理する為の管理会計のポイント
管理会計セミナー「一歩先を予測し、生産性の向上につなげる為の管理会計を考える」 第1部 業務との整合性がカギ!管理する為の管理会計とは 7『 …』
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2-1.管理する為の管理会計の基本① ~データはボトムアップ~
管理会計を作成する為のデータは、ボトムアップ(小さい単位からの積み上げ)が基本です。 しかし、配賦処理を乱用している企業ほど「大きな単位のデータを分解する事」にばかり注力しています。
契約
売上高
仕入原価
販促費用
営業所
売上高
仕入原価
販促費用
人件費・家賃
営業部
売上高
仕入原価
販促費用
人件費・家賃
広告宣伝費
会社
売上高
仕入原価
販促費用
人件費・家賃
広告宣伝費
研究開発費
管理会計セミナー「一歩先を予測し、生産性の向上につなげる為の管理会計を考える」 第1部 業務との整合性がカギ! 管理する為の管理会計とは 8『 …』
管理単位:最小 管理単位:大
管理会計の基本は【ボトムアップ】( の流れ)
しかし、現実は…
管理単位の検討も程々に…共通費の見せ方(配賦処理の方法論。 の流れ)ばかり
検討しているケースが散見される。
最小管理単位には…
契約単位、プロジェクト単位、顧客単位、設置ロケ単位、消費者単位、コース単位、店別商品(群)単位、店別の業務単位など…企業毎に異なる多種多様な最小管理単位があります。
管理単位
作成プロセス
管理サイクル
最小管理単位
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2-2.管理する為の管理会計の基本② ~権限と責任の一致~
管理会計におけるモラルハザードとは、「作成したアウトプットを真剣に直視しない」状態です。
つまり、出てきた結果(多くは、部門利益など)に正面から向き合わず、評価される為に“上”から押し付けられた便宜的な尺度に過ぎない、と半ば諦めに近い考えを多くの管理者が持つ状態と言えます。
このモラルハザードの原因は多種多様ですが、最も多い原因のひとつに
権限と責任(管理会計上の責任)の不一致 が挙げられます。
管理会計セミナー「一歩先を予測し、生産性の向上につなげる為の管理会計を考える」 第1部 業務との整合性がカギ! 管理する為の管理会計とは 9『 …』
委譲されている職務権限
求められる責任の範囲(≒求める管理会計責任の範疇)
営業所長
支店長
本部長
社長
無秩序
無気力・無関心
管理単位
作成プロセス
管理サイクル
配賦ばかり振られてくると、陥りがち
他部門へ配賦してばかりだと陥りがち
例えば…
支店長の責任=∑営業所長の責任
となっている企業も多い。
しかし現実は、営業所長で決裁・決定できず、支店長レベルに決裁を仰いで、初めて決定できる事項も少なくない。
こうした決裁権(権限)に見合う責任が、営業所長の管理PLではなく、支店長の管理PLに直課され、支店長の管理責任が明確になっているのか…
が焦点にあたる。
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2-3.最小管理単位と管理体系
最小管理単位は、(1) 売上と直接原価が把握できるか? (2) 属性情報を使って様々な管理軸の基礎として活用できるか? (3) 日頃、追いかけている収益部門の担当者が明確か? の3つの観点で検討します。
部門別の管理会計
顧客別の管理会計
商品別の管理会計
チャネル別の管理会計
…
最小管理単位
営業所 支店 事業部
顧客企業
企業グループ
業種
商品アイテム
ブランド 商品群
全社業績
セグメント別業績
IR情報
最小管理単位は…
属性情報を使って部門別・顧客別・商品別など
様々な管理軸の基礎となる単位
更に…収益部門の担当者が日頃、追いかけている単位
管理単位
作成プロセス
管理サイクル
それぞれの管理軸と管理の階層
管理会計セミナー「一歩先を予測し、生産性の向上につなげる為の管理会計を考える」 第1部 業務との整合性がカギ! 管理する為の管理会計とは 10『 …』
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2-4.配賦処理のメリット・デメリット
配賦処理が全て悪い訳ではありません。 しかし、配賦処理を多用する事で、管理会計が機能不全に陥っている企業が少なくありません。
管理会計セミナー「一歩先を予測し、生産性の向上につなげる為の管理会計を考える」 第1部 業務との整合性がカギ! 管理する為の管理会計とは 11『 …』
◎×配賦処理のメリット
安易に導入しやすい 損益を算出・把握しやすい(例では支店PLで部門経費を控除した利益を管理できる)
費用計上時に細かく分けて入力する必要がない、など
配賦処理のデメリット
営業部の人件費の増減が、支店利益の増減に直接影響を及ぼす。
配賦は各支店長にとっては「管理不能費」時には、「支店利益」の目標を達成する為に売上を増やす以外に選択肢がなくなる事も…
支店PL上で直接分と配賦分の人件費が混在し、管理が難しくなる(事もある)。
営業部では全ての人件費が一旦、支店PLに賦課される為、コストコントロールへの意識が希薄になる傾向にある。
時には、営業部長の責任は「支店長の尻叩き」と勘違いしている様な場合も…
営業部
支店A 支店B 支店C
売上 800原価 630
人件費① 100
人件費② 80(営業部からの配賦分)※売上基準で配賦
支店利益 ▲10
売上 600原価 420
人件費 80
60
支店利益 40
売上 600原価 450
人件費 60
60
支店利益 30
部門人件費 200
何でもかんでも配賦すれば良い…という単純な話ではない。むしろ…
そのコストは、誰が管理するべきかが肝心
管理単位
作成プロセス
管理サイクル
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2-5.共通費の「みなし展開」(1)
管理ありきで検討した結果、共通費を配賦処理ではなく、みなし処理で展開する事があります。
共通費をみなし展開する事で、コスト発生部門と負担部門の責任分担の明確化を図る事などが可能。
代表的な利用例1. 本社の費用を現場の収益部門に展開する時2. 配送コスト等を、顧客単位などの最小管理単位に展開する時、など
共通費を「みなし展開」する際のポイントとメリット
管理会計セミナー「一歩先を予測し、生産性の向上につなげる為の管理会計を考える」 第1部 業務との整合性がカギ! 管理する為の管理会計とは 12『 …』
管理単位
作成プロセス
管理サイクル
No 管理基準の適用ポイント 適用ポイントの補足や例示 メリット(本社費用で適用時)
1 費用はコスト発生部門につける
① 共通費と実額の差額はコスト発生部門の責任で管理する。
② この際、差額がコスト発生部門の生産性や効率性を表す指標となる様に単価を検討する。
③ 極端に精緻さを追求しない。
④ 複数パターンを組み合せる事もある。(例)本社費と本部費の併用など
a. 本社の管理責任が明確になり、コスト管理性が強化
b. 想定外のコスト増減の影響がいきなり収益部門に及ばない
c. 共通費を負担する単位の
本来の収益性を把握可能2 共通費の単価やレートは
事前に設定する
3 共通費の為の管理科目を活用する
関連する勘定科目に相当する金額を、No2で検討する単価に加味する。
例:本社の人件費や家賃、減価償却費、為替差損益等の相当額を「本社費」とする
d. 現場のPLがシンプルになる
e. 共通費の負担部門の
直接費と混在しない
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共通費の科目 例1:本社費、本部費 例2:ルート配送料
共通費に含まれる内訳
本社で発生する以下の費用
本社の人件費、地代家賃、減価償却費、為替差損益、広告宣伝費、など
各センターで発生する以下の費用
外注費、車両リース料、運転手の人件費、燃料費、交通費、車両諸税、など
共通費の負担先 支店や営業所 顧客(配送先)
共通費の展開基準(例)
人数基準(単価)
売上高基準(レート)
顧客数基準(単価)
一律単価 ※全部門の統一単価
配送回数基準(単価)
配送量基準(単価)
通過料基準(レート)
一律単価 ※統一単価
共通費と実額の差額の意味合い
本社の業務体制と全社の事業動向の適合性を表す
各センターの配送効率を表す
備考・補足
2~3パターンを組み合せる事もある例:本社費と本部費など
本社で少し「有利差異」が生じる様に設定する方がリスクが小さい
センター間の配送効率を比較する為に、単価は全社一律で設定する
※センター毎に細かく単価を設定しない
2-5.共通費の「みなし展開」(2)
共通費の「みなし展開」を使った代表例を掲載
管理会計セミナー「一歩先を予測し、生産性の向上につなげる為の管理会計を考える」 第1部 業務との整合性がカギ! 管理する為の管理会計とは 13『 …』
管理単位
作成プロセス
管理サイクル
業績予測の機動的な修正共通費として1クッションを設ける事で期初の前提条件から外部環境が著しく変化した時、政策的に単価を見直す事も可能!(2-7で紹介)
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2-6.「管理基準」と財務基準の使い分け(1)
管理ありきで検討した結果、一部の管理会計単位に財務会計と異なる基準を用いる事があります。
管理基準と財務基準を使い分ける事で、本社と現場の責任分担の切り分け、管理責任の明確化が可能。
代表的な利用例1. 現場スタッフの人件費を、配属先の部門PLに賦課する時2. 現場が利用する設備の減価償却費を、利用部門の部門PLに賦課する時、など
管理基準と財務基準を使い分ける際のポイントとメリット
管理会計セミナー「一歩先を予測し、生産性の向上につなげる為の管理会計を考える」 第1部 業務との整合性がカギ! 管理する為の管理会計とは 14『 …』
管理単位
作成プロセス
管理サイクル
No 管理基準の適用ポイント 適用ポイントの補足や例示 メリット(人件費で適用の場合)
1 実額を直接つけない管理基準として予め設定した単価やルールに基づく費用を直接部門で管理する。
極端に精緻さを追求しない。
個人情報・プライバシーの保護
人事への不要な現場介入を予防(圧力低減)
2 財管の差額を政策コストと位置づける
適度の有利差異が財管差額の管理部門で生じる様に意識する。
人事部の本来のミッションと原資の関係が明確化教育等もおざなりにならない
3関連する勘定科目を
パッケージ化する
関連する勘定科目の相当額を、No1で検討する単価に加味する。
例:人件費の場合の社会保険料など
現場のPLがシンプルになる(管理し易くなる)
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2-6.「管理基準」と財務基準の使い分け(2)
管理会計セミナー「一歩先を予測し、生産性の向上につなげる為の管理会計を考える」 第1部 業務との整合性がカギ! 管理する為の管理会計とは 15『 …』
例示 財務基準と管理基準を使い分けた現場スタッフの人件費の管理(例)
管理単位が小さくなると「人件費の扱い」で悩むケースが少なくない。
個人の給与が特定できるのは、絶対NG給与の高いベテラン社員を嫌がる現場の管理職が、
ますます増えそう…現場では目先の損益にばかり関心が集まり、
教育研修等の投資が益々、敬遠されるのでは…
資格 標準単価
主管 @900,000.-
参事 @700,000.-
主査 @550,000.-
主事 @400,000.-
主事補 @300,000.-
支店AのPL
売上高 xx,xxx,xxx
給与(管理)1,650,000.-
…
本社(人事部の管理単位)
給与(管理)▲ 16,500,000.-
給与手当 14,020,000.-法定福利費 1,400,000.-賞与引当金 700,000.-
部門利益 380,000.-
……
管理基準の単価表(例)
参事:1名主査:1名主事:1名
管理基準で計上
会社PL
全社レベルは、財務基準のみで構成される。
※管理基準は相殺
管理単位
作成プロセス
管理サイクル
財務基準の実額を一括計上
管理基準の総額と同額をマイナス計上
財管の差額は人事部の政策的な投資の原資に活用する
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2-7.前提条件の変化への対応方法(管理基準の調整)
グラフ:輸入物価指数と為替レートの動向(2006年1月の数値を”100”として作成)
管理会計セミナー「一歩先を予測し、生産性の向上につなげる為の管理会計を考える」 第1部 業務との整合性がカギ! 管理する為の管理会計とは 16『 …』
管理基準を採用する際は…
出来るだけ恣意性の排除し プロセスの一貫性を担保
する事が肝心。だから…
事前の基準作りが欠かせない
市況の変化(為替・資材価格等)
財管の差額管理単位の損益に影響
管理会計の基準値を改訂
全ての管理単位で新基準を適用
着地見通し(業績予測)の修正
財管差額の要因分析 改訂基準に照らして判断
外部要因 or 担当部門の運営に問題がある?一過性 or 長期トレンド?
期初の前提値と比べて●●%以上の変動が●●ヶ月以上連続している、など
翌期予算を編成する時は年次で検討しかし、見直しは随時、行う!
管理単位
作成プロセス
管理サイクル
平均値の指数でさえこれだけ変動する。つまり、前提条件は
変化して当然!
2006 2007 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015140
120
100
80
期間:2006年1月~2015年12月(出所)総務省・統計局60
為替レート
輸入物価指数
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第3章管理会計を活用して一歩先を
予測するには…
管理会計セミナー「一歩先を予測し、生産性の向上につなげる為の管理会計を考える」 第1部 業務との整合性がカギ!管理する為の管理会計とは 17『 …』
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企業活動の結果を、正確に捉え、経営判断に活かす事がむずかしくなる
例)決算期に業績を確定させてみたら、想定より、利益が少なかった…
各現場の活動(行動)と結果を総合的に捉えた経営判断が可能となる
行動する事と結果を残す事のバランスがとれた経営が可能に…
経営上のリスクを事前に捉えて、早期の経営判断に活かす事が難しい傾向にある…
例)売上や利益が減少している事に気付いた時は、顧客の減少は更に深刻な事態に陥っていた…
結果を残す事より、行動する事に重点をおいてしまう傾向に…
目先の結果を気にするあまり、結果に直ぐに結びつかない行動が、ないがしろにされ易くなる…
3-1.管理会計(会計情報)と業務KPI(営業情報など)の関係
会計情報の特性は「結果を正確・客観的に表す」事、その為に「素早い判断に活かす事が難しい事」にあります。 従って、いくら、管理ありきで管理会計ルールを策定しても、会計情報だけを活用した「経営管理体制」には自ずと限界があります。
管理会計セミナー「一歩先を予測し、生産性の向上につなげる為の管理会計を考える」 第1部 業務との整合性がカギ! 管理する為の管理会計とは 18『 …』
会計情報営業情報 会計情報 営業情報 会計情報
営業情報
すなわち…
リスクを最小化した経営が可能営業情報の例示顧客数、来店客数、販売アイテム数、クレーム件数、単純な粗利情報、等
営業情報に偏重した経営管理営業情報と会計情報のバランス
がとれた経営管理会計情報に偏重した経営管理
… BSC(バランススコアカード)も本来は同様の考え方にある。
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3-2.その上で「管理会計を活かして一歩先を予測」するには…
予実管理を毎月徹底して「着地見通し」を頻繁に見直す対応は会計情報だけでも可能です。しかし、会計情報の特性は「結果を客観的に表す」事にあります。つまり、会計情報だけを活用した「一歩先の予測」は、自ずと限界があります。
従って、管理会計を活かして一歩先を予測するには、管理会計と業務管理をハイブリッドした経営管理体制の実現が欠かせない、と私たちは考えています。
管理会計セミナー「一歩先を予測し、生産性の向上につなげる為の管理会計を考える」 第1部 業務との整合性がカギ! 管理する為の管理会計とは 19『 …』
会計情報と業務KPIを組み合せた分析の実現
管理単位の整合性確保
管理単位
作成プロセス
管理サイクル
管理会計ルールの整備
管理会計を活かした
一歩先の予測が可能に…
管理会計と社内各部が取り組む業務管理(営業管理、生産管理、購買管理など)の管理単位の整合性を確保して、業務管理で明らかになった見通しを速やかに管理会計の検証に活かせる体制を目指す。
管理会計システムのアウトプット(各管理単位別の売上情報や利益情報など)と、業務KPI(来店客数や不良品率などの非財務情報)を組み合せた分析の実現する。
先手の打てる経営即ち、競争力の強化
CIOパートナーズの提言!
会計と業務のハイブリッドに欠かせない2大要件
業務と整合性のとれた…
管理ありきのルール(第2章で解説)
(分析をハイブリッド化する為の前提条件)
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3-3.管理会計と業務管理との管理単位の整合性を確保するには…
前述の通り、会計と業務のハイブリッド化には「それぞれの管理単位の整合性確保」が欠かせません。 その為には、商品軸や顧客軸などの管理ヒエラルキー(管理階層)を管理会計と業務管理で共通化し、それぞれの管理単位の位置付けや関係性を整理する事がポイントです。
管理会計セミナー「一歩先を予測し、生産性の向上につなげる為の管理会計を考える」 第1部 業務との整合性がカギ! 管理する為の管理会計とは 20『 …』
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管理会計の最小管理単位
商品アイテムPL
ブランドPL
商品群PL研究開発費
広告宣伝費
販売促進費
例:飲料水
例:ジョージア
開発の管理単位
マーケティングの管理単位
営業の管理単位
生産管理や購買管理の単位
最小管理単位以外で費用を管理している場合…
それぞれの業務の管理単位と
同じ単位で費用を管理している事が望ましい…
最小管理単位で計上している場合…
それぞれの業務管理の単位が
管理会計上のどの単位と一致するのか…を、
整理する事が望ましい…
しかし実際は、各部門の方言単位になっている企業を往々に見かける…
売上高商品仕入…
管理単位
作成プロセス
管理サイクル
商品軸、顧客軸など…
同じヒエラルキーを基盤に各管理の位置付けと関係
を整理する事がポイント
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3-4.管理会計と業務KPIを組み合せた分析例
A店
B店
C店
D店
E店
F店
G店
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
-15 -10 -5 0 5 10 15
月間の売上高(店舗別)
来店客数の増減(前年同月比。%)
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円の大きさ:店舗利益
売上規模と来店客数の動向が類似しているB店とF店でも、今後、取り組む課題の優先順位は全く異なると考えられる。F店…撤退も視野に固定費削減B店…巻き返しの為のマーケティング強化、など
利益率が同様に低迷しているD店とE店であっても、来店客数が増加傾向にあるE店と減少傾向にあるD店では、今後の見通しが全く異なる。
つまり…細分化した単位の管理会計情報と営業情報(動向情報など)を組み合せる事で、一歩先が格段に予測し易くなり客観的な数字に基づいた合理的な判断を下せる…
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第4章管理する為の管理会計の実現に向けて
管理会計セミナー「一歩先を予測し、生産性の向上につなげる為の管理会計を考える」 第1部 業務との整合性がカギ!管理する為の管理会計とは 22『 …』
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4-1.管理会計システムの整備に向けたロードマップ
管理会計システム整備のロードマップ(例)
管理会計セミナー「一歩先を予測し、生産性の向上につなげる為の管理会計を考える」 第1部 業務との整合性がカギ! 管理する為の管理会計とは 23『 …』
管理会計ルールの検討 システム整備
管理単位の検討
勘定科目の管理メッシュの検討
データ収集要件の検討
データ加工要件の検討
運用基準と単価の初設定
運用・展開
利用者向け教育
共通費・管理基準ロジック検討
システム整備
• 業務システムの改修
• 利益管理DBの構築
徐々に決め事は具体的になるがトップダウンで決めるべき事項は最後まで多い
(参考)上記に沿って検討を進めた上場企業A社では…
部分の検討に56回のセッションを開催
管理会計システムの整備は「ルール7割・システム3割」しかも、ルールの検討は決め事の連続。つまり、継続的にトップが関与したトップダウンの連続!
• 最小管理単位は?
• 本社などの扱いは?
• 顧客軸などの管理階層
• 業務管理単位との連携
• 直接費としての管理単位は?
• 共通費などでコストを認識する範囲は?
• 管理基準の適用範囲は?等 等
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在庫管理システム
4-2.情報システムの全体イメージ(例)
最後に、情報システムの全体イメージ(例)を以下に記載する。なお、管理会計データベースの実現ソリューションには、ERPの機能を利用する例や、別にBIツールを導入する例などがある。
購買システム
販売システム
会計システム
人事システム
固定資産管理システム
管理システム(グループ会社)
管理会計データベース
自動仕訳情報
自動仕訳情報
総勘定元帳
会計明細データ
管理会計用の明細データ管理基準計算用の基礎データ各種マスタ・データ
会計明細情報
管理会計用マスタの更新
仕訳データの変換 管理基準値の算定 各種指標の計算、等
管理会計セミナー「一歩先を予測し、生産性の向上につなげる為の管理会計を考える」 第1部 業務との整合性がカギ! 管理する為の管理会計とは 24『 …』
管理会計用の明細データ管理基準計算用の基礎データ各種マスタ・データ
講演 第2~3部でご紹介
既存システムから
如何にデータを集めるかがシステム整備の鍵
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4-3.最後に…管理する為の管理会計を実現する為のポイント
第1部の締めくくりとして、「管理する為の管理会計」を実現する為のキーポイントをまとめ、総括とします。
最優先すべきは「如何に管理すべきか…」管理会計を上手く活用できていない企業の多くは、「財管一致」に拘りすぎ、配賦処理を多用した結果、作成プロセスが複雑化している事に原因があります。管理会計の本質は「管理会計の情報提供を通じて、社員の意識の変化を促し、企業体質の強化を図る」事にあります。その為には、責任の所在を明確化する事を優先した「管理ありきのルール作り」こそ最も重要といえます。
会計と業務の「ハイブリッド」こそ、有効活用のカギ
予実管理を徹底して行い、着地見通しを頻繁に見直す等の対応は会計情報だけでも可能です。しかし、会計情報の特性は「結果を客観的に表す」事にあります。つまり、会計情報だけを活用した「一歩先の予測」には自ずと限界が生まれます。従って、一歩先を予測するには、「会計情報」と「日々の業務管理の情報(業務KPI)」の双方の特色を活かしたハイブリッド型の経営管理こそが、唯一の実現手段といえます。
管理会計の整備には「トップダウン」が欠かせない管理会計システムの成否は「ルールの出来/不出来」で決まります。しかし、管理会計のルール作りは、多くの利害関係者が関わる為、個別最適の視点では結論が出ない事が往々にあります。こうした環境の中で管理会計の整備を進めるには「経営トップの強いリーダーシップ」が不可欠です。「ルール:7、情報システム:3」の取り組み姿勢の下、一貫してトップが積極的に関与し続ける体制こそ、管理会計の整備には欠かせない、といえます。
管理会計セミナー「一歩先を予測し、生産性の向上につなげる為の管理会計を考える」 第1部 業務との整合性がカギ! 管理する為の管理会計とは 25『 …』
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スライド番号 1第1部の講演内容スライド番号 31-1.そもそも「管理会計」とは…1-2.管理会計における各社の悩み…1-3.管理会計の成否を左右する3要素スライド番号 72-1.管理する為の管理会計の基本① ~データはボトムアップ~2-2.管理する為の管理会計の基本② ~権限と責任の一致~2-3.最小管理単位と管理体系2-4.配賦処理のメリット・デメリット2-5.共通費の「みなし展開」(1)2-5.共通費の「みなし展開」(2)2-6.「管理基準」と財務基準の使い分け(1)2-6.「管理基準」と財務基準の使い分け(2)2-7.前提条件の変化への対応方法(管理基準の調整)スライド番号 173-1.管理会計(会計情報)と業務KPI(営業情報など)の関係3-2.その上で「管理会計を活かして一歩先を予測」するには…3-3.管理会計と業務管理との管理単位の整合性を確保するには…3-4.管理会計と業務KPIを組み合せた分析例スライド番号 224-1.管理会計システムの整備に向けたロードマップ4-2.情報システムの全体イメージ(例)4-3.最後に…管理する為の管理会計を実現する為のポイントスライド番号 26