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改訂版情報教科書から消えた， CD読み取り面のピットの形状の記述の誤り改訂版情報教科書から消えた， CD読み取り面のピットの形状の記述の誤り

足利裕人鳥取県立鳥取工業高等学校

足利裕人鳥取県立鳥取工業高等学校

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http://www.***.netＷｈａｔ　ｐｉｔ？

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http://www.***.netあらまし

高等学校情報教科書初版本　　　 CD の読み取り面のピットの形状を穴として

いた　→　 ６割

　　筆者の指摘→調査官も聞いていた　　　　　　　・今回の改訂で改善（ピットが穴は消えた）　◎誤記は残っている　　　・読み取り方法　　　・レーベル面側の電子顕微鏡写真を読み取り

面に使用（天地を逆にする）

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http://www.***.netはじめに

高等学校情報教科書初版本　　　 CD のピットが読

み取り面側でも穴とされる誤記は， 62%

　　　図や写真と本文の記述が矛盾するものは15%

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http://www.***.net表１　各社のピットの記述

社 ABC 写真，図 文章

A ＡＢＣ 　 記述なし

Ｂ

A間違った図（ CD）の表面として穴側を記述

CDの表面にはピットという小さい溝がとびとびに空いている。 CDの読み取り面（写真の裏側）からレーザ光線を当てる

Ｂ図のピットは突起になっているが，原理の図をピントのずれで説明していて間違い（図２）

CDは，円盤状の媒体の片面にごく微小な凹凸をつけ，レーザ光線を当てたときの反射光の強弱によって情報を読み出す

Ｃ 　 記述なし

ＣＡ 　 記述なしＢ 平面的な写真 　Ｃ 平面的な写真（情報Ｂと同じ） 　

Ｄ

Ａ レーベル面側の穴の開いた写真 コラム：写真の面の裏側（読み取り面側）にレーザ光線を当てて情報を読みとる

Ａ’ レーベル面側の穴の開いた写真 キャプション： CDではピット（写真中央の矢印）の配置と長さで数値を記録している　

Ｂ 斜め上から見たレーザ顕微鏡による立体的写真（図１）

ＣＤの読み取り面には，「０」と「１」の状態を表す突起が配置され

Ｃ イラストで表現 　

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Ｅ

Ａ ピットの穴を描き下から光を当てる 　

Ｂ 　 記述なし

Ｃ 改訂前と同じイラスト，写真は怪しい 　

Ｆ

Ａ 記述なし

Ａ‘ ぼかした写真

Ｂ 記述なし

Ｃ 平面的な写真で怪しいＣＤを当てる読み取り面から見るとくぼみ，レーザ光を当てる読み取り面（光沢面）から見ると，突起になる

Ｇ Ａ 記述なし

Ｈ Ａ 記述なし

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http://www.***.net各社のピットの扱い

改訂版　 45% （情報A.B.C22 冊中 11 冊）の教科書から CD のピットに関する記述が削除

不鮮明な写真　　　　　　→　• レーベル面側から撮影した電子

顕微鏡写真が多い

記述の間違いも見られる

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ピットが突起状であることを見事に捉えたレーザ顕微鏡の立体的写真を採用した社

同じ社の教科書でも他のものはレーベル面側からのピットが穴になった写真を使っており，社内での統一がとれていない。

レーザ顕微鏡写真

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http://www.***.netピット情報の読み取りの誤記

　表１のＢ社の情報Ｂでは，ピットに当たった反射光はピントがずれて広がるため，弱い信号として検出される図になっている。

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出版社に問い合わせた• 文科省の「情報機器と情報社会のしくみ素材

集」を参考にした」これは筆者が監修した部分

• 「 CD-ROM ドライブは、レーザ光をディスクの記憶面に当て、反射してくる光の強弱でデータを読みとっている」

• → 「ピットに当て」と誤解したものであることを説明した　→　供給本で訂正と回答

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http://www.***.net情報機器と情報社会のしくみ

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http://www.***.net日本最大手のＨ社からの回答

• CD-ROM は製造時に記録するデータが決まっていて，その情報は成型金型にパターンが刻まれている

• 成型した際にランドより 1/4 波長ずれた高さで記録面側に突き出た形でピットも成型される

• そこにレーザー光線を当てるとランドとピットの反射光は 1/2 波長ずれた状態となるので、干渉によりピット部分の反射光は暗くなる

• 理論上は、 CD-ROM の場合は、干渉によりピット部分の反射光が弱くなることで、反射光の明暗によりデータを読み取ることになる

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http://www.***.netPit の高さは λ/4 　で反射光をうち消す

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http://www.***.net光学専門書の記述にも穴に光を当てた図が

Ｂ社が現行本で参考にした図：光技術計測協会　担当：日本板硝子技術者

光学専門書の図

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まとめ：　専門家は正しい知識を発信すべき

・ Pit の誤記やレーベル面側からの電子顕微鏡写真の使用はまだまだ多い

・各社ともＤ社の情報Ｂのレーザ顕微鏡写真を参考にし，正しいイメージを与えるよう努めて欲しい

・ある光学関係の出版社に問い合わせたが，「ディジタルの世界では０と１は全てひっくり返っても何ら問題はない，初期にはピットの凹凸のどちらを読むか試行錯誤の時代があった」という回答もあった。しかし，現実には凸を読んでいるのが現実

・知らずに間違いを引用している情報教育の専門家や教科書会社の編集担当者が多い

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http://www.***.net参考文献

足利裕人：「 CD のピットに関する教科書の誤記について」　 JADIE2006第１回全国大会講演論文集， pp.87-90 ， 2005

　 高等学校情報 A,B,C 教科書　　　日本文教出版，数研出版，開隆堂，啓林館

，第一学習社，実教出版，東京書籍，教育出版