シェンプ・ヒルト式 ディスカス cs 型 飛 行 規 程 ·  · 2011-06-13して schempp...

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様式 Ⅰ − 2− 1 シェンプ・ヒルト式 ディスカス CS 型 個別飛行規程(JA 767Y) 行:NPO 法人 羽生ソアリングクラブ 無断複写厳禁 発行 : 2002 年 12 月 22 日 改定 :

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様式 Ⅰ − 2− 1

シェンプ・ヒルト式

ディスカス CS 型

飛 行 規 程

個別飛行規程(JA 767Y)

発 行:NPO 法人 羽生ソアリングクラブ

無断複写厳禁

発行 : 2002 年 12 月 22 日

改定 :

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様式 Ⅰ − 2− 2

第 号

飛 行 規 程 承 認 書

種 類 滑 空 機

型式

および 製造者

シェンプ・ヒルト式 ディスカス CS 型

シェンプ・ヒルト 航空機製作所

国籍記号および登録記号 JA 767Y 製造番号 301 CS

型式証明書番号 ──────

耐空証明書番号

および有効期間 平成 14 年 12 月 22 日 から 平成 15 年 12 月 21 日 まで

作成管理者 山 﨑 博 行

作成管理者による種類 □ TC □ 原 ■ 個別 □ STC

構成による区分■ 基本

□ 追加(表題: )

承 認 事 由

□ 型式証明

□ 追加型式設計承認

■ 耐空証明(新規)

□ 修理改造検査

□ 型式設計変更

□ 追加型式設計変更承認

□ 耐空証明(更新)

□ その他

上記の航空機の飛行規程について承認する。

耐空検査員(G− 12 号)承認

高 田 豊 信

承認年月日 2002 年 12 月 22 日

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シェンプ・ヒルト式 ディスカス CS 型(JA 767Y)

変 更 状 況 表

変更番号 変 更 年 月 日 変 更 頁 変 更 理 由

Original 2002 年 12 月 22 日 全ページ新規設定

この飛行規程は、JA 767Y、S/N 301 CS に対

して Schempp – Hirth 社が発行した FLIGHT

MANUAL for the sailplane DISCUS CS

(Revision 5:04.10.2002)に拠るものであ

る。

発行: 2002 年 12 月 22 日

改定:

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様式 Ⅰ − 2− 3

シェンプ・ヒルト式 ディスカス CS 型(JA 767Y)

頁 一 覧 表

頁 設 改 定 日 付 頁 設 改 定 日 付

表紙 2002 年 12 月 22 日 承認対象外

飛行規程承認書 2002 年 12 月 22 日 7− 1 2002 年 12 月 22 日 承認対象外

変更状況表 2002 年 12 月 22 日 7− 2 2002 年 12 月 22 日 承認対象外

頁一覧表 2002 年 12 月 22 日 承認対象外 7− 3 2002 年 12 月 22 日 承認対象外

目次 2002 年 12 月 22 日 承認対象外

Appendix − 1 2002 年 12 月 22 日 承認対象外

1− 1 2002 年 12 月 22 日 承認対象外 (別添 1)

1− 2 2002 年 12 月 22 日 承認対象外 Appendix − 2 2002 年 12 月 22 日 承認対象外

1− 3 2002 年 12 月 22 日 承認対象外 (別添 2)

1− 4 2002 年 12 月 22 日 承認対象外 Appendix − 3 2002 年 12 月 22 日 承認対象外

1− 5 2002 年 12 月 22 日 承認対象外 (別添 3)

Appendix − 4 2002 年 12 月 22 日 承認対象外

2− 1 2002 年 12 月 22 日 (別添 4)

2− 2 2002 年 12 月 22 日 Appendix − 5 2002 年 12 月 22 日 承認対象外

2− 3 2002 年 12 月 22 日 (別添 5)

2− 4 2002 年 12 月 22 日 Appendix − 6 2002 年 12 月 22 日 承認対象外

2− 5 2002 年 12 月 22 日 (別添 6)

2− 6 2002 年 12 月 22 日

2− 7 2002 年 12 月 22 日

3− 1 2002 年 12 月 22 日

4− 1 2002 年 12 月 22 日

4− 2 2002 年 12 月 22 日

4− 3 2002 年 12 月 22 日

4− 4 2002 年 12 月 22 日

4− 5 2002 年 12 月 22 日

4− 6 2002 年 12 月 22 日

4− 7 2002 年 12 月 22 日

4− 8 2002 年 12 月 22 日

4− 9 2002 年 12 月 22 日

4− 10 2002 年 12 月 22 日

5− 1 2002 年 12 月 22 日

6-1 2002 年 12 月 22 日

6− 2 2002 年 12 月 22 日

6− 3 2002 年 12 月 22 日

6− 4 2002 年 12 月 22 日

発行: 2002 年 12 月 22 日

シェンプ・ヒルト式 ディスカス CS型(JA 767Y)

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シェンプ・ヒルト式ディスカス CS 型 個別飛行規程(JA 767Y)

目 次

表 紙 (様式 Ⅰ − 2− 1)

飛行規程承認書(様式 Ⅰ − 2− 2)

変更状況表

頁一覧表 (様式 Ⅰ − 2− 3)

目 次

項 目 ページ 項 目 ページ

第1章 概 要1.国籍記号および登録記号

2.製造者の氏名および住所

3.製造番号および製造年月日

4.種類および型式

5.耐空類別

6.主要寸度および三面図

7.装備品の名称・型式・数量

8.用語の定義

9.構造概要

第2章 限 界 事 項1.対気速度限界

2.重量、重心位置限界

3.運用様式限界

4.制限運動荷重倍数

5.曳航策安全装置6.タイヤの空気圧

7.横風

8.最低装備品

9.必要追加計器

10.標識および掲示板

11.整備手順書

12.対気速度計の系統誤差

第3章 非 常 操 作1.きりもみからの回復

2.非常脱出

3.安全に対する心得

第4章 通 常 操 作1.日常点検

2.飛行前点検

3.離陸

4.自由飛行

5.低速度における操舵と失速

6.高速飛行

7.水バラストを搭載しての飛行

8.凍結点以下の気温での飛行

9.制限された曲技飛行

11.着陸進入および着陸

1-1-1

1-1

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4-10

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第5章 性 能1.基本性能データ表

2.スピード・ポーラ・ダイアグラム

第6章 重量と重心1.重量限界

2.重心位置

第7章 機体の取扱い1.機体の組立と分解

2.保存、格納および輸送

3.機体表面の保守

Appendix<別添− 1>

Discus CS の三面図

<別添− 2>

主要装備品リスト

<別添− 3>

スピード・ポーラ・ダイアグラム

<別添− 4>

自重と重心範囲

<別添− 5>

自重と重心範囲

<別添− 6>

重心位置算出チャート

5-5-1

5-1

6-6-1

6-3

7-7-1

7-2

7-3

Appendix

-1

-2

-3

-4

-5

-6

(目次 − 1) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

改定 :

シェンプ・ヒルト式 ディスカス CS 型(JA 767Y)

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第1章 概 要

1.国籍記号および登録記号 JA 767Y

2.製造者の氏名および住所 シェンプ・ヒルト航空機製作所 ドイツ連邦共和国

3.製造番号および製造年月日

製造番号 301 CS

製造年月日 2002 年 10 月 04 日

4.種類および型式

種類 滑空機

型式 シェンプ・ヒルト式 ディスカス CS 型

5.耐空類別 滑空機 実用 U

6.主要寸度および三面図

主翼 翼幅 15.00 m

翼面積 10.58 m2

アスペクト・レシオ 21.3

翼面負荷 最小 28 kg/m2

最大 50 kg/m2

胴体 全長 6.58 m

胴体幅 0.62 m

胴体高 0.81 m

三面図: 別添 − 1 参照

7.装備品の名称・型式・数量

別添 − 2 参照

8.用語の定義

A.一般用語

この飛行規程に使用されている用語は、耐空性審査要領等に拠る。

B.その他の用語

この飛行規程に使用されている前項以外の用語は、次に定義する。

1)一般的な定義

a)警告(Warning)

使用者がこの警告を無視すると、死亡事故を含む重大な損傷の可能性がある。

b)注意(Caution)

使用者がこの注意を無視すると、人の傷害、または航空機、器材等の損傷の可能性がある。

c)重要(Important)

この重要事項は、機体を運用するに当たって、遵守しなければならない事項である。

(1− 1) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

改定 :

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シェンプ・ヒルト式 ディスカス CS型(JA 767Y)

d)参考(Note)

この参考事項は、使用者の記憶、喚起を促すためのものである。

2)構造

a)CFRP(Carbon Fiber Reinforcement Plastic)

カーボン繊維を用いた強化プラスチックをいう。

b)GFRP(Glass Fiber Reinforcement Plastic)

ガラス繊維を用いた強化プラスチックをいう。

9.構造概要

A.概要説明

このディスカス CS は、固定式水平安定板にエレベーターが付いている T 型尾翼をもった

CFRP / GFRP 構造の高性能単座滑空機である。

1)主翼

主翼は、左右に分割され、前縁が三段の後退角をもった台形翼であり、翼上面には二段式の

エアブレーキを装備している。

エルロンは、翼内に駆動機構をもっている。

主翼前縁の D 型部分には、水バラスト タンクが内蔵されていて、約 184 リットル(kg)の

容量がある。

主翼は、CFRP の桁のフランジと GFRP の シェアー・ウエブ(剪断力の加わる桁腹)による翼

内の構造物を GFRP で覆って整形している。更に性能を向上させるために、翼端にウイン

グ・レットを取付けて運用することができる。

2)胴体

座席は、セミ・リクライニング姿勢で快適に操縦することができる。

風防は、単体構造で横開きとなっている。胴体の外殻は、GFRP を重ね合せだけで整形され

ていて、高いエネルギー吸収性をもっている。これは、GFRP の尾部に対する剛性を有して

いる。

前部胴体は、両側面と底部が二重殻構造になっている。

着陸装置の主輪は、緩衝装置が付いた引き込み式である。また、主輪には、ブレーキが装備

されている。

3)水平尾翼

水平安定板は、GFRP のサンドウィチの構造であり、エレベーターは、GFRP を重ね合せただ

けで成形されている。

4)垂直尾翼

垂直安定板とラダーの両方とも GFRP のサンドウィッチ構造である。垂直安定板は、内蔵式

の水バラスト・タンクとなっていて、6.5 リットル(kg)の容量がある。

B.操縦席の配置と操縦装置

全ての計器と操作装置は、パイロットから容易に手が届く範囲にある。

① 計器板

計器覆いは、2本のスクリューで計器板へ固定されている。

計器板は、風防を開けると、わずかな力で跳ね上がる。

(1− 2) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

改定 :

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シェンプ・ヒルト式 ディスカス CS型(JA 767Y)

② 換気装置

操縦席の右側に小さな取っ手があり、これを動かすことにより換気調整を行う。

前方 − 「開」、 後方 − 「閉」

加えて、小窓、で換気を行うことができる。

③ 主輪のブレーキ・コントロール・レバー

ブレーキ・コントロール・レバーが操縦桿に取付られている。

④ ラダー ・ペダルの調整

計器板右側下部にある黒色の T 型グリップでペダルの調整を行う。

ラダー・ペダルの位置は、地上および飛行中に調整することができる。

(1− 3) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

改定 :

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シェンプ・ヒルト式 ディスカス CS型(JA 767Y)

前方への調整

T 型グリップを引いて、ロックを外す。踵でペダルを押しながら望みの位置にして、T 型

グリップを放し、その近くのロック位置に固定する。

後方への調整

ペダルを望みの位置まで T 型グリップで引く。踵[つま先でなく]でペダルを押しながら

望みの位置にして、T 型グリップを放し、その近くのロック位置に固定する。ロックは、

クリック音で確認できる。

⑤ 曳航索離脱グリップ

計器板の左側下部に黄色の T 型グリップがあり、これを引くことにより曳航索を離脱させ

る。

⑥ 着陸装置操作レバー

操縦席の右側面に脚の上げ下げを操作する黒色のレバーがある。

脚引き込み:レバーのロックを外して後方へ引き、凹みのあるロック位置に固定する。

脚下げ:レバーのロックを外して前方へ押し、凹みのあるロック位置に固定する。

⑦ 風防

風防は、プレキシ・グラス製の一体構造で横開きとなっている。

風防へ開放制限索を取付けることを忘れてはならない。

⑧ 風防固定装置

風防枠の左側に赤色のノブがある。

風防を開けるには、この赤色のノブを前方へ押して、風防を持ち上げる。

⑨ 風防非常投棄装置

風防枠の右側に赤色の非常投棄操作ノブがある。

風防を投棄するには、まず、上記 ⑧ の赤色のノブを前方へ押して、風防を持ち上げる。

次に、右側にある赤色の非常投棄操作ノブを前方へ押して、風防を突き放す。

⑩ 水バラストの放水装置

操縦席右側の中央部にある黒色の丸形ノブで操作する。

バルブを「開」位置でロックするには、ノブを下方に押して、凹みのあるロック位置で固定す

る。

⑪ エアブレーキ操作レバー

操縦席の左側にある青色のレバーで操作する。

レバーの最前方位置 : エアブレーキ 「閉」でロック

レバーを後方へ動かす : 動きしろ約 40 mm でエアブレーキのロックが解除

レバーの最後方位置 : エアブレーキが全開

(1− 4) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

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シェンプ・ヒルト式 ディスカス CS型(JA 767Y)

⑫ エレベーター ・トリム

操縦席の左側にある緑色のノブで操作する。

スプリング・エレベーター・トリムは、緑色のノブを内側に倒してロックを外し、任意の位

置へ移動させてたら、ノブを放すとロックされる。

ノブの前方位置 : 「機首下げ」

ノブの後方位置 : 「機首上げ」

⑬ 落下傘リップ・コード取付位置

胴体の鋼管構造の前方、左側に赤色のリングがある。

(1− 5) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

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シェンプ・ヒルト式 ディスカス CS型(JA 767Y)

耐空検査員(G− 12 号)承認 2002 年 12 月 22 日

第2章 限 界 事 項

1.対気速度限界

A.対気速度限界およびその意味

速度は、指示対気速度(IAS )で表示する。

km/h kts

超過禁止速度 VNE

(Maximum Permitted Speed)250 135

悪気流速度 VRA

(Maximum Permitted Speed in Rough Air)200 108

運動速度 VA

(Maneuvering Speed)200 108

最大航空機曳航速度 VT

(Maximum Permitted Speed on Aerotow)180 97

最大ウインチ曳航速度 VW*

(Maximum Permitted Speed on Winch Launch)150 81

*: 自動車曳航にも適用する。

高速度で、動翼を全操舵範囲で操作した場合、機体の応力限界を超える恐れがある。

それ故、200 km/h(108 kts)を超える場合は、動翼の操舵範囲が制限される。

超過禁止速度 VNE = 250 km/h(135 kts)では、動翼の操舵範囲が 1/3 に制限される。

超過禁止速度においてエレベーターに許容される操舵量は、かなり少なく、制限運動荷重倍

数によって決定される。

悪気流速度 VRA= 200 km/h(108 kts)は、激しい悪気流の中、例えば、リー・ウエイブのロータ

ー、雷雲および目視できる旋風の中での、または山頂を通過するとき遭遇する乱気流におい

て超えてはならない速度である。

B.対気速度計の標識

km/h kts

赤色放射線 超過禁止速度 250 135

黄色弧線 警戒範囲 200 〜 250 108 〜 135

緑色弧線

限:

限:

常用運用範囲

悪気流速度

失速速度 VS1 の 1.1 倍

95 〜 200 51 〜 108

黄色三角印 最小進入速度 115 62

失速速度 VS1 は、次の形態を条件としている。

a)エア・ブレーキ : 「閉」

b)最大離陸重量 : Wmax 525 kg

(2− 1) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

改定 :

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シェンプ・ヒルト式 ディスカス CS型(JA 767Y)

耐空検査員(G− 12 号)承認 2002 年 12 月 22 日

高度の上昇と共に、指示対気速度(IAS)に対する真対気速度(TAS)が増加することに注意し

なければならない。

これによって機体に与える負荷は、あまり問題とはならない。しかしながら、フラッター

を防止するために、次に示す速度(IAS)を超えてはならない。

高度 対気速度(IAS) 高度 対気速度(IAS)

meter ft km/h kts meter ft km/h kts

0 0 250 135 6,000 19,680 230 124

1,000 3,280 250 135 7,000 22,960 217 117

2,000 6,560 250 135 8,000 26,240 205 111

3,000 9,840 250 135 9,000 29,520 193 104

4,000 13,120 250 135 10,000 32,800 182 98

5,000 16,400 243 131 12,000 39,360 158 85

2.重量、重心位置限界

この限界については、第 6 章「重量と重心」を参照。

3.運用様式限界

この滑空機は、本章 第8項「最低装備品」に示す装備を施した場合、次の運用様式に適する。

昼間有視界飛行

ウインチ曳航

航空機曳航

自動車曳航

4.制限運動荷重倍数

次に示す制限運動荷重倍数を超えてはならない。

A.運動速度 VA = 200 km/h(108 kts)において

n=+ 5.3 n=− 2.65

B.超過禁止速度 VNE = 250 km/h(135 kts)において

エア・ブレーキ「閉」

n=+ 4.0 n=− 1.5

エア・ブレーキ「開」

最大荷重 n=+ 3.5

(2− 2) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

改定 :

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シェンプ・ヒルト式 ディスカス CS型(JA 767Y)

耐空検査員(G− 12 号)承認 2002 年 12 月 22 日

5.曳航索安全装置

ウインチ曳航および航空機曳航:最大 680 daN

曳航索安全装置の最小強度は、最大全備重量の値よりも小さくてはならない。

6.タイヤの空気圧

主輪 : 全備重量が 360 kg まで :3.5 bar(50 psi)

全備重量が 360 kg 以上 :4.5 bar(64 psi)

尾輪 : 2.0 bar(28 psi)

7.横風

離陸および着陸における最大横風成分 : 20 km/h(5.6 m/s、11 kts)

8.最低装備品

対気速度計 装備数:1

高度計 装備数:1

安全ベルト 装備数:1

落下傘、または背当て 装備数:1

外気温度計 装備数:1

9.必要追加計器

加速度計 装備数:1 曲技飛行を実施する場合

酸素供給装置 装備数 : 1 3000m(10000ft)以上の高高度飛行を実施する場合

3000m 以上の高高度を飛行する場合は、次の容量を有する酸

素供給装置を装備しなければならない。

1) 3000m から 4000m までの高度で飛行する場合は、当該飛行

に関わる飛行時間から 30 分を減じた飛行時間中、搭乗者

が必要とする量。

2) 4000mを超える高度で飛行する場合は、当該飛行に関わる

飛行時間中、搭乗者が必要とする量。

参考:構造強度上、計器板と計器の重量は、10 kg を超えてはならない。

(2−3)発行 : 2002 年 12 月 22 日

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耐空検査員(G−12 号)承認 2002 年 12 月 22 日

10.標識および掲示板

表示場所:操縦席

本滑空機は、本機に取付けた標識および

掲示板ならびに飛行規程に規定された運用

限界に従って運用しなければならない。

(2− 4) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

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シェンプ・ヒルト式 ディスカス CS 型(JA 767Y)

耐空検査員(G−12 号)承認 2002 年 12 月 22 日

第3章 非 常 操 作

1.きりもみからの回復操作手順

1)きりもみの旋転方向と反対のラダーを旋転が止まるように操作する。

2)旋転が止まるまで操縦桿を前方へ緩める。

3)旋転が停止後、ラダーを中立にして、急降下から緩やかに引き起こす。

2.非常脱出手順

1)風防枠左側にある風防開閉レバー(赤色ノブ)を前方へ押して、風防を開ける。

2)風防枠右側にある赤色ノブを前方へ押す。

3)風防を投棄する。

4)風防枠に面する胴体側の縁は、強度があり、突き出た部分がないので、搭乗者が脱出の際に、

これを支えとして使用することができる。

計器板は、手足のわずかな力で持ち上げることができるので、非常脱出を容易にしている。

3.安全に対する心得

刈り込まれていない草原から、ウインチ曳航、または航空機曳航による離陸は、絶対に避けな

ければならない。

翼端が丈の高い草木に引っかかる場合は、直ちに曳航索を離脱しなければならない。さもない

と、グランド・ループを避けることができない。これにより、機体の破損、あるいは搭乗者の

負傷を生じる危険がある。

低高度での非常離脱後の直線飛行においては、翼面荷重に応じて適切な速度を保持しなければ

ならない。

低高度における旋回飛行においては、バンク角に応じて速度を増加させなければならない。

これにより、不用意な、突然の失速に陥ることが防止できる。

飛行中、わずかな振動、あるいは舵感が鈍く感じる場合は、機体が失速状態にあるので、直ち

に操縦桿を前方へ動かさなければならない。

(3− 1) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

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エアー・ブレーキの作動状態を点検する。

エアー・ブレーキのロックが確実であって、翼面と一致していることを点検する。

a)胴体の状態を点検する。特に、胴体下部を注意深く点検する。

b)垂直安定板の前縁より前方 0.8 m のテール・ブーム側面にある静圧口の状態を点検す

る。

a)尾輪タイヤの空気圧の点検 : 2.0 bar(28 psi)

尾輪後部にある水バラストの垂直安定板タンクの放出口が閉塞していないかを点検す

る。

b)トータル・エナージー・コンペンセイション・プルーブの系統を点検する。

c)垂直安定板タンクの水バラストの流出孔が閉塞していないかを点検する。

d)垂直安定板タンクの水バラストの搭載量を点検する。

(搭載量が疑わしい場合は、水バラストを放出すること)

a)水平安定板が適切に取り付けられ、固定されているかを点検する。

b)エレベーターおよびラダーの作動状態を点検する。

c)エレベーターおよびラダーの後縁の損傷がないか目視点検する。

d)エレベーターおよびラダーの後縁を静かに揺すり、異常な遊び(ガタ)がないかを点検

する。

③ を参照

② を参照

計器板近くにある静圧口と機首にあるピトー・チューブの状態を点検する。

計器板の裏側にあるコネクターを外すことにより系統、静圧系統およびトータル・エナージ

ー・コンペンセイション・ラインから水抜きができる。

ハード・ランディングの後、または過大な荷重を受けた場合、主翼の固有振動の点検を実施

しなければならない。(最新の検査報告書に記載された正確な測定値を参照する)

機体全体の表面の亀裂や損傷を詳細に点検する。このためには、機体を分解しなければなら

ない。

損傷が発見された場合(例えば、後部胴体、または尾翼表面の亀裂、あるいは主翼付け根部、

または付け根部リブのベアリング周辺で積層の剥離が発見された場合)、有資格整備士によ

る飛行可能の判断がある場合を除き、不具合が修復されるまで機体の運用を中止しなければ

ならない。

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2.飛行前点検

操縦席内のプラカード(第2章 9. 項「標識および掲示板」)を参照。

3.離陸

A.航空機曳航

航空機曳航最大速度 VT= 180 km/h(97 kts)

航空機曳航は、機首曳航フック、または C.G. 曳航フックを使用する。

離陸に際して、トリムを前方から 1/3 手前の位置にセットする。(飛行中の重心位置が最後

方にある場合は、トリムを機首下げ一杯にするとよい)

重心位置が中間より前方にある場合、地上滑走中は、エレベーターを中立にするとよい。

重心位置が後方にある場合、地上滑走中は、尾輪が浮き上がるようにエレベーターを機首下

げにするとよい。

離陸滑走中のエルロン・コントロールの操舵量は、少し多めにする必要がある。

約 75 〜 95 km/h(40 〜 51 kts)で離陸したら、操縦桿のエレベーター・コントロールの

負荷に応じて、この負荷が最小になるようにトリムを再びセットすることができる。

通常の曳航速度は、100 〜 120 km/h(54 〜 65 kts)程度であり、水バラストが搭載された

場合は、120 〜 140 km/h(65 〜 76 kts)の間で行う。

曳航機の後方位置占位点を維持するには、わずかな操舵量しか必要としない。

機体が曳航機のプロペラ後流に入ると、それに応じて大きな操舵量が必要となる。更に、尾

翼の振動が生じ、また対気速度計の指示が変動する現象が発生する。

着陸装置は、曳航中に引っ込めることができる。しかしながら、この操作を行うには、操縦

桿を持った手を持ち換えなければならず、曳航機の後方位置占位点を逸脱してしまう恐れが

あるので、低高度で行うことは薦められない。

曳航索を離脱するときは、黄色のグリップを一杯に引く。この操作を数回繰り返す。曳航索

が離脱したことを確認してから旋回する。

B.ウインチ曳航

ウインチ曳航最大速度 VW= 150 km/h(81 kts)

ウインチ曳航は、C.G. 曳航フックのみを使用すること。

エレベーター・トリムは、通常、中立位置にセットするが、重心位置が後方にある場合は、

機首下げ一杯の位置にセットするとよい。

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曳航索をぴんと張った時、機体が前へとび出して曳航索を乗り越えないように主輪ブレー

キを軽く効かせておくとよい。

地上滑走および離陸は、通常であって、地上から離れたときに急に方向が変わったり、極

端に急上昇するような傾向はない。

操縦席重量に応じて、重心位置が後方にある場合は、操縦桿をほとんど前方へ押さえきっ

た状態で離陸し、重心位置が前方の場合は、操縦桿をわずかに引き戻した状態で離陸す

る。

安全な高度に達したならば、操縦桿をわずかに引くことによりウインッチ曳航に適した上

昇姿勢へ移行することができる。

通常の飛行重量における曳航速度は、水バラストを搭載しない場合、90 km/h(49 kts)以

下であってはならない。また、水バラストを搭載した場合は、100 〜 110 km/h(54 〜 59

kts)を下回ってはならない。

通常の曳航速度は、水バラストを搭載しない場合、約 100 km/h(54 kts)。また、水バラ

ストを搭載した場合は、約 115 〜 125 km/h(62 〜 68 kts)である。

曳航が最高高度に達すると、曳航索は、通常、自動的に離脱されるが、曳航索が確実に離

脱したことを確かめるために曳航索離脱装置・ハンドルを数回引くこと。

重要:

最大離陸重量 525 kg でのウインチ曳航は、充分な能力のあるウインチと完全

な状態の曳航索を用いて実施すること。

400 m(1300 ft)以下の離脱高度しか得られないウインチ発航は、ソアリング

するには適さない。この場合、曳航索の長さが影響している。

疑いがある場合は、全備重量を減らし、例えば 400 kg 以下にすること。

水バラストを搭載してのウインチ曳航は、向かい風成分が 20 km/h(5.6 m/

s、11 kts)以下では薦められない。

背風でのウインチ曳航は、絶対に行ってはならない。

4.自由飛行

この機体は、快適な飛行特性を有し、全ての対気速度、搭載重量(水バラスト搭載の有無に

かかわらず)、および重心位置において楽々と飛行することができる。

重心位置が許容範囲の真中で、トリムは、速度約 70 km/h から約 220 km/h(38 〜 119 kts)

の範囲をカバーすることができる。

飛行特性は、快適であり、操舵は、大変調和がとれている。

(4− 4) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

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45°バンクから 45°バンクへの切り返しは、顕著な横滑りを生じることなしに遂行できる。

エルロンとラダーは、操舵範囲一杯まで使うことができる。

これに要する時間は、ちなみに全備重量 525 kg ではつぎの表の通りである。

切り返しに要する時間

Airspeed Time of Reversal Turns

km/h kts (Seconds)

95 51 4

120 65 3

5.低速度における操舵と失速

この機体に精通するためには、安全な高度において低速飛行と失速の特性について習熟する

ことを薦める。

失速は、直線飛行および約 45°バンクの旋回飛行から開始する。

A.水平直線飛行からの失速

直線飛行における典型的な失速速度は、次の通りである。

離陸重量 333 kg 525 kg

C.G. の位置 mm mm

基準線から後方への距離 400 260

エア・ブレーキ km/h km/h

「閉」 58 83

(指示誤差) (<60) (77)

「開」 63 88

(指示誤差) (<60) (77)

この表において、機首曳航フックを装備している機体では、失速速度付近で大きな対気速度

計の指示誤差を生じることを( )内に示している。

重心が後方限界一杯の位置にある場合、失速警報は、失速前 3 〜 5 km/h(2 〜 3 kts)高

い値で操縦桿の振動として感知される。

更に操縦桿を手前に引くと、失速点まで振動が増加し、エルロンの効きは、フワフワとな

る。

重心が前方限界一杯の位置にある場合、失速警報は、失速が起こる直前に感知される。エレ

ベーターとエルロンは、失速の直前まで正常に効き続ける。

重心が後方位置にある状態で失速に達すると、どちらかの主翼が先に落ちることがあるが、

通常、主翼の水平を維持することができる。

重心が前方位置にある状態では、操縦桿を手前一杯に引くと簡単に前方に機首を落として失

速に入る。

正常飛行状態への回復は、操縦桿に加えている力(バック・プレシャー)を抜けばよい。必要

に応じて、傾きと反対側のラダーとエルロンを当てる。

(4− 5) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

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B.旋回飛行からの失速

操縦桿を手前一杯に引いて、45°の釣り合い旋回飛行から失速に入れると、失速状態で飛

行を続けるか、あるいは急に主翼を落下させる。

重心が前方位置にある状態で操縦桿を手前一杯に引くと、機体は、簡単に失速に入る。

正常飛行状態への回復は、適切に操縦桿を操作することにより実施できる。

C.きりもみ

重心が後方位置にある場合、失速に入れて、ラダーを一杯に踏み込むと、機体は、きりも

み状態に入る。

重心位置が後方限界にある場合、きりもみ旋転中にピッチ・オシレーションを伴う。

きりもみ旋転中にエルロンを同じ方向に当てるとピッチ姿勢が急になり、旋転速度が増加

する。

標準的な回復操作により、きりもみの回復中における高度損失は、回復操作開始時点から

測って水平飛行に戻るまで約 50 〜 80 m(164 〜 262 ft)である。

不利な機体姿勢からの回復では、150 m(492 ft)を要することさえあり得る。

回復速度は、120 〜 190 km/h(65 〜 103 kts)の間である。

きりもみからの回復操作手順は、第3章を参照のこと。

重心位置が前方限界にある場合、きりもみ旋転に陥ることはないが、操縦の仕方によって

は、スパイラル・ダイブに進展することはあり得る。

通常の逆操作を行うことにより、この状態から直ちに回復することができる。

6.高速飛行

高速飛行は、超過禁止速度 VNE = 250 km/h(135 kts)まで充分に操縦できる。

動翼の操舵範囲を一杯に使用できるのは、運動速度 VA = 200 km/h(108 kts)までであり

200 km/h(108 kts)から 250 km/h(135 kts)の間は、速度に応じて制限され、超過禁

止速度 VNE = 250 km/h(135 kts)では、動翼の全操舵範囲の 1/3 の操舵量のみ操作が

許容される。

特にエレベーターは、急な操舵を避けなければならない。

激しい悪気流の中、例えば、リー・ウエイブのローター、雷雲および目視できる旋風の中

での、または山頂を通過するとき遭遇する乱気流においては、「悪気流速度」VRA = 200 km/h

(108 kts)を超えてはならない。

重心位置が後方にある場合、失速速度から最大許容速度までの操縦桿の操舵量は、比較的

少なく、速度の変化は、操縦桿に加わる重さとしての操舵感の変化を感知できる。

(4− 6) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

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エア・ブレーキは、超過禁止速度 VNE = 250 km/h(135 kts)に達するまで開くことができ

る。

しかしながら、この様な速度においては、非常時、または不用意に最大許容速度を超えて

しまった時にのみ使用すべきである。

エア・ブレーキの効果は、非常に大きいので、もしエア・ブレーキを突然開くと、これに

よる減速力は相当大きなものである。

それ故、エア・ブレーキを開く時は、安全ベルトをしっかりと締め、操縦桿が不用意に動

かないように保持しなければならない。

操縦席周囲には、固定されていない物を放置してはならない。

エア・ブレーキを開く場合、急降下からの回復操作は、閉じているときよりも緩やかに操

作しなければならない。(第2章 3項「制限運動荷重倍数」参照)

エア・ブレーキを全開にしての急降下は、最大全備重量で降下角約 30°、水バラストなし

で約 45°、約 250 km/h(135 kts)に制限されている。

7.水バラストを搭載しての飛行

水バラストタンクは、主翼の D ゾーンに内蔵されている。

タンクは、主翼の D ゾーンの上面にある濾過付きの開口部から清水を注入する。

開口部のキャップは、差込式で、6 mm の雌ネジに尾翼組立用のスクリューを入れて、取り

外す。

キャップにあるネジ穴は、タンクの通気口も兼ねているので、ここに物が詰まってはなら

ない。

更に、両タンクは、タンクの最も高い部位から翼端の下面まで主翼の中をチューブを通し

て通気している。

水バラスト・タンクを一杯に満たして、翼端を接地させて置く場合は、キャップにある通

気口をテープでしっかりと塞いでおかなければならない。主翼の付根にあるタンクの一番

高い部位に空気の溜まり場が形成されれば、通気用チューブを通して漏れだしている水は、

間もなく止まることになる。

ここで処置したキャップの通気口のテープは、離陸する前に除去しなければならない。こ

れにより、タンク内の水は、短時間で放出することができる。

主翼タンクの容量

TANK Liters U.S. Gal. Imp. Gal.

Total 184 48.6 40.5

Left 97 25.6 21.3

Right 87 23.0 19.2

満水のタンクからの放出は、4 〜 5 分かかる。

タンクへ水を注入するときは、操縦者の重量を心に留めて置くこと。最大許容重量を超えて

いないことを確かめる。

(第6章 1. C. 項「水バラストの搭載重量」参照)

(4− 7) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

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両タンクは、左右の不均衡を防止するためにほぼ同量の水を搭載しなければならない。

(それぞれ異なるタンクの容量を満水にすることは、主翼の付根付近にあって、超過重量と

して気付くことは難しい)

両タンクの一部を満水として離陸する場合、両主翼が均衡するように両タンクの水を均等に

配分するために主翼を水平に保持する。

主翼は、追加重量が加わって重くなっているので、翼端保持者は、離陸滑走開始時に機体を

水平に保持しながらできる限り長く伴走を続けること。

バラスト・タンク内の内部隔壁のおかげで、タンクが満水になっていない状態で飛行しても

水バラストの顕著な移動は生じない。

最大許容重量で飛行する場合、この機体の低速度飛行および失速の動きは、水バラストを搭

載しないときの飛行特性とは若干異なる。

失速速度は、増加し(5.項「低速度における操舵と失速」参照)、飛行姿勢を修正するには、

舵面をより多く操作しなければならない。

また、失速から回復するときは、正常の姿勢に戻るのに若干余計に高度損失を生じる。

水は、主翼基部近くの翼下面の開口部から放出される。

このダンプ・バルブの機構は、主翼組立時に自動的に連結される。

タンクから水の放出が不均衡であったり、一方のタンクの水のみ放出されような異常事態に

おいて、(正常な飛行姿勢を維持するために、反対側のエルロンを 50%まで使用することが

認められている)重量が増加していることを考慮して、また失速を避けるためにも幾分増速

しなければならない。

それにもかかわらず、もし、機体が非常に浅い水平角できりもみに入った場合、標準手順に

よるきりもみ回復操作として、操縦桿を前方一杯に押さえ、エア・ブレーキを開かなければ

ならない。

着陸時には、重い方の主翼が先に接地するので、滑走中の方向転進に備えなければならな

い。

○垂直安定板の水タンク

主翼へ水バラストを搭載することによって生じる重心位置の前方への移行は、垂直安定板の

水タンクへ水を搭載することによって補正することができる。これにより、旋回飛行時の適

切な性能を得ることができる。

垂直安定板タンクの使用方法については、第6章 1.項「重量限界」を参照のこと。

○垂直安定板タンクの水バラスト

水タンクは、垂直安定板の中に内蔵され、6.5 (6.5 kg)の容量を有する。

垂直安定板タンクに水を給水するには、外径 8 mmφ のプラスチック・チューブを垂直安定

板とラダーの隙間にある給水口(内径 10 mmφ )に差し込み、他端を補給用の水容器に接続

する。

水バラスト 1Kg 毎に1個づつ 6 個の流出孔があり、更にタンクの上部に最大容量 6.5 Kg に

対する 7 個めの流出孔があり、それぞれが垂直安定板の右面に表示されている。(第2章 9.

項「標識および掲示板」参照)

この流出孔は、水ゲージの目盛りとして大切である。

(4− 8) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

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タンクに注水する前にテープを用いて流出孔を塞ぐ。この場合、主翼タンクのバラストを補

正するに必要なバラスト重量に応じて流出孔を塞ぐ。(第6章 1. C. 項「水バラストの搭

載重量」参照)

kg(リットル)単位で測って、必要とする量の目盛りより下位の目盛りをテープで塞ぐ。

例:

例えば、3 kg(リットル)の水バラストを搭載する場合、下位の 2 個の流出孔をテ

ープで塞ぐ。注水して、余分な水は、3番目以上の流出孔から放流される。

垂直安定板タンクの通気は、最上部の 6.5 kg の流出孔と給水管に通じている。

垂直安定板タンクのバラストの水は、ラダー前方の胴体下部からダンプされる。

垂直安定板タンクのダンプ・バルブは、主翼タンクの 2 個のダンプ・バルブの放出機構と

連結し、常に3個のダンプ・バルブが同時に作動するようになっている。

垂直安定板タンクが満水状態で放出するには、約 2 〜 2.5 分が必要であり、主翼タンクの

放出時間の半分を必要とする。それ故、垂直安定板タンクからの放出は、主翼タンクよりも

常に早く終了する。

重要:

1)大気温度 0℃(32°F)近くで長時間飛行する場合、大気温度が 2℃(36°F)に達し

たならば、いかなる場合においても水バラストを放出しなければならない。

2)期待する平均上昇率が 1.5 m/s(295 ft/min)を超えなければ多量の水バラストを

使用する意味がない。

同じことは、大きなバンク角が必要となる狭いサーマルの中での飛行にも当てはま

る。

3)場外着陸(Off – Field Landing)を行う前に、必ず水バラストを放出しなければな

らない。

4)凍結の危険がある場合、決して水バラストを搭載したままで駐機してはならない。

駐機するときは、全てのタンクから水を放出し、Cap を外して、タンク内部を乾燥

させること。

5)タンクへ注水する場合、全てのダンプ・バルブが同時に作動し、開閉すること。

ダンプ・バルブの漏洩は、バルブ・シートとを清掃してグリースを塗布することに

より避けられる。

ドレーン・プラグは、バルブを開にする。次にバルブを閉にして、尾翼組立用工具

を用いて、ドレーン・プラグを引き出して所定の位置にする。

6)注水は、加圧注入のようなタンクの加圧を行ってはならない。常に、水は、落下式流

入(Poured in 方式)で注水しなければならない。

7)垂直安定板タンクへ注水する場合は、テープのない流出孔が閉塞していないことを確

かめる。

(4− 9) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

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8.凍結温度以下での飛行

大気温度 0℃(32°F)以下で飛行する場合(長波の中、または冬季)、通常得られる操縦系

統の円滑さが損なわれる可能性がある。

操縦系統が凍結しないように全ての操縦系統上に湿気がないようにする。特に、エア・ブ

レーキには注意を払うこと。

エア・ブレーキの翼との接合面に沿って全面にワセリンを塗布することにより、凍結を防

止する。また、舵面を時々動かすこと。

水バラストを搭載して飛行する場合は、本章 7項「水バラストを搭載しての飛行」の説明に

注意すること。

警告:

機体表面のポリエステル・コーティングは、低温で脆くなることが長年の経験から

わかっている。

特に、約 6,000 m(約 20,000 ft)以上の長波での飛行では、大気温度が -30℃( -22°

F)以下になり、表面のコーティングの厚さや機体構成要素の負荷の状況によっては

ゲルコートに亀裂が生じやすい。

最初、亀裂は、表面のポリエステル・コーティングにのみ現れる。しかしながら、

時間の経過と環境の変化に伴って、亀裂は、エポキシ/グラス・マトリックス構造

にまで達することになる。非常に低温である高々度からの急降下によって亀裂は、

明らかに増えてくる。

それ故に、製造者としては、亀裂のない良好な表面の仕上げ状態を維持するため

に、大気温度が -20℃( -4°F)以下になるような高々度の飛行を絶対に避けるべき

であると云いたい。

エア・ブレーキをひらいて急降下することは、非常時にのみ行うべきである。

9.制限された曲技飛行

注意: 水バラストを非搭載でのみ許容される。

本機は、次の曲技飛行を実施することが許容されている。

・宙返り

・きりもみ

・失速反転

・レージィー・エイト

1)宙返り

指示対気速度(IAS)180 km/h(97 kts)で開始する。

ループからの回復速度は、約 170 km/h(92 kts)

(4− 10) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

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2)きりもみ

きりもみは、重心が後方にあるときのみ実施することができる。

まず、エルロンを中立にして、失速させてから、ラダーを一杯に踏み込んできりもみに入れ

る。旋転している間、操縦桿は、手前に一杯引いておく。

きりもみからの回復操作は、旋転方向と逆のラダーを踏み込み、エルロンを中立のまま操縦

桿を前方に緩める。

回復速度は、約 140 km/h(76 kts)。

ここで、重心が後方限界位置であったとすると、旋転は、回復操作をとってからおおよそ半

回転続く。

3)失速反転

速度 160 km/h(86 kts)で操作に入る。垂直上昇中に、旋回の内側になる主翼を少し傾け

る。捻れた操作にならないように、約 140 km/h(76 kts)で傾いた側のラダーを踏む。

回復速度は、約 150 km/h(81 kts)。

4)レージィー・エイト

速度 160 Km/h(86 kts)で操作に入る。上昇角 45°に引き起こしてから、約 120 km/h

(65 kts)で旋回に入る。

回復速度は、約 150 km/h(81 kts)。

10.着陸進入および着陸

脚下げにして、エア・ブレーキを全開しての通常進入速度は、95 km/h(51 kts)であり、

最大全備重量では、115 km/h(62 kts)である。

この状態での滑空比は、おおよそ 1:5.5 である。

エア・ブレーキは、非常に効きがよいので、円滑に操作しなければならない。また、エ

ア・ブレーキの操作によるトリムの変化はほとんどない。

サイド・スリップは、操縦し易いので、効果的な着陸方法として使用できる。また、エ

ア・ブレーキを併用することもできる。

最低速度での着地は、尾輪を最初に接地させる。

主輪ブレーキの効きは、非常によい。

着陸滑走距離が延びるのを防止するために、最低速度約 70 km/h(38 kts)で着地させるこ

と。

着地速度を、70 km/h でなく、90 km/h(49 kts)とした場合、ブレーキで消費される運動

エネルギーは、係数にして 1.65 に増加するので、着陸滑走距離もかなり延びることにな

る。

参考: 場外着陸(Off – Field Landing)においても、常に脚下げで着

陸しなければならない。

(4− 11) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

改定 :

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第5章 性 能

1.基本性能データ表

本機の基本性能データ表 − 全備重量 350 kg における飛行性能

失速速度 69 km/h 37 kts

0.61 m/s 120 ft/min最小沈下速度

78 km/h 42 kts

最良滑空比速度 100 km/h 54 kts

2.スピード・ポーラ・ダイアグラム

本機のスピード・ポーラ・ダイアグラムは、別添− 3に示す。

(5− 1) 発行 : 2002 年 12 月 14 日

改定 :

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第6章 重量と重心

1.重量限界

A.機体重量

空虚重量 (約) 233 kg

最大離陸重量 525 kg

揚力を発生しない構造部分の最大重量 240 kg

水バラストの最大搭載重量は、下記 C.項を参照。

B.搭乗者限界

搭乗者 : 1 名

最小操縦席重量(操縦者および落下傘) 70 kg

最大操縦席重量(操縦者および落下傘) 110 kg

参考:この機体の実際の最小、または最大操縦席重量は、上記の代表的な重量

と異なることがあるので操縦席にある「操縦席重量」の標識は、実際の

重量を標示しなければならない。

操縦席重量が、最小操縦席重量よりも軽い場合は、次のようにトリム・バラストを用いて

重量を増加させなければならない。

1) バラスト(鉛、または砂が入ったクッション)は、シート・ベルトの取付金具を利用

してしっかりと固定しなければならない。

2) 鉛板製のバラストを機首部に装着することができる。

バラスト 2.2 Kg は、操縦席重量 5.0 kg に相当する。

バラストの取付位置は、基準線(BE)の前方 1,715 mm である。

承認された最大離陸重量、または揚力を発生しない構造部分の承認された最大重量を超え

てはならない。

操縦席(落下傘、または背当てを含む)のアーム(基準線からの距離)は、基準線(BE)

の前方 450 mm である。

C.水バラストの搭載重量

水バラストを含む最大離陸重量 525 kg

水バラストのアーム(基準線からの距離)は、基準点(BE)後方 203 mm(7.99 in)である。

機体空虚重量と操縦席重量に対し、両翼のタンクに搭載する水バラスト量(単位:リット

ル)

操縦席の重量(落下傘、または背当てを含む)機体空虚重量

70 kg 80 kg 90 kg 100 kg 110 kg

240 kg 184 184 184 184 175

245 kg 184 184 184 180 170

250 kg 184 184 184 175 165

(6− 1) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

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D.小荷物室(Baggage Compartment)

小荷物室の最大許容搭載重量 2.0 kg

小荷物室の搭載重量は、最大許容水バラスト搭載重量を決定する際に考慮しなければ

ならない。

小荷物室のアーム(基準線からの距離)は、基準点(BE)後方 880 mm である。

E.垂直安定板の水バラスト・タンクを使用する場合の搭載重量

性能上、有利になるように重心を後方限界近くまで移動させるためには、垂直安定板にあ

るタンク(機首上げモーメント mFT)へ水バラストを搭載することによって、主翼の水バラ

ストによる機首下げモーメント(ノーズ・ヘビー・モーメント)(mWT)を補正する。

主翼の水バラストの搭載量に対する垂直安定板バラスト mFT の搭載量は、次の表により決定

する。

184 主翼バラストの最大搭載量

170

142

113

85

57

28

搭搭搭搭搭バラストの搭搭搭搭搭

mWT

0

0 1 2 3 4 5 6

垂直安定板タンクの水バラストの搭載量 mFT

(6− 2) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

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例 : 水バラストの搭載量を決定する例を次に示す。

両主翼の水バラストの搭載量

mWT = 70 kg (リットル)

前ページの表に基づいて決定された垂直安定板にある水バラスト・タンクの搭載

mFT = 2.0 kg (リットル)

垂直安定板のタンクの目盛りは、kg 単位(リットル)で段階的に表示されている

ので、搭載量として、

2.0 kg (リットル)

が垂直安定板のタンクに注入される。

垂直安定板の水バラスト・タンクの搭載量を決める場合、最大許容搭載重量を超えてはな

らないことを念頭に置くこと。これは、次のように確かめる。

mPILOT + mFT ≦ 最大許容搭載重量

最大離陸重量を超えないために、主翼バラストの許容最大搭載量を決めるときに垂直安定

板バラストの搭載量も考慮しなければならない。

注意: 水バラストが凍結する恐れがある場合、垂直安定板のタンクは、絶対に

使用してはならない。

垂直安定板のタンクを使用する場合、次の表の条件に適合していることを確かめなければ

ならない。

垂直安定板のタンクの運用制限

最低地上気温(℃) 13.5 17 24 31 38

最高運用高度(m) 1,500 2,000 3,000 4,000 5,000

注意: 外気温度計を監視し、2℃以下で運用してはならない。

2.重心位置

A.飛行中の重心位置

機体姿勢:主輪を接地させ、胴体の Tail Boom の上に 100:4.4 のくさび状のブロックを

置いて、この上面が水平になるように尾輪をジャッキ・アップする。

基準線(BE)・・・・・・・・・主翼基部にある Rib の前縁

前方限界重心位置 基準線の後方 260 mm(10.24 in)

後方限界重心位置 基準線の後方 400 mm(15.75 in)

許容された後方限界重心位置を超えていないことを確認しなければならない。これは、最

小操縦席重量(操縦者および落下傘の重量)を遵守すれば、保証される。

最小操縦席重量に満たない場合、前述の通りトリム・バラストを用いて補正しなければな

らない。

(6− 3) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

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B.空虚重量における重心位置

1)重量・重心の決定

a)修理、塗装、装備品の追加装備、改修等を実施した後、機体の重量を実測して、新たに重

量・重心を設定しなければならない。

b)如何なる場合においても、4 年毎に同様に重量・重心を設定しなければならない。

c)空虚重量の重心が許容された範囲内にあることを確認しなければならない。必要に応じて、

補正用バラスト・ウエイトを取付ける。

d)通常、空虚重量の重心限界と搭載重量の一覧表を遵守すれば、飛行中の重心位置が許容範囲

内に入るようになっている。

e)別添− 4 および別添− 5 の表に示す重心範囲を決めるには、次の操縦席重量を基に行う。

前方重心位置 : 最大操縦席重量 110 kg+ 最大許容水バラスト搭載重量

後方重心位置 : 最小操縦席重量 + 手荷物室搭載重量 2.0 kg

2)重量・重心の記録

決定した重量および重心位置は、整備実施記録書へ記載すること。

最近実施した計測に基づく重心位置算出チャートを別添− 6 に示す。

3)簡便な判定方法

空虚重量の重心位置を簡便に決める方法として、下の一覧表を用いて、種々の空虚重量と操

縦席重量に対する尾輪の最大許容負荷(許容最後方重心位置)を定めることができる。

a)尾輪の負荷重量を実際に測るには、前記 A.項「飛行中の重心位置」に記述されているよ

うに主輪を接地させて、尾輪をジャッキアップして行う。

b)尾輪で計測された負荷重量が下の一覧表に示す値よりも低ければ、重心位置は、許容範囲内

にある。

尾輪で計測された負荷重量 (kg) が下に示す値よりも低け

れば、重心位置は、許容範囲内にある

220 28.7 29.7 30.8 31.8

225 29.0 30.0 31.1 32.2

230 29.4 30.4 31.5 32.4

235 29.7 30.7 31.8 32.8

240 30.0 31.1 32.0 33.1

245 30.3 31.4 32.4 33.5

250 30.7 31.7 32.7 33.8

255 31.0 32.1 33.0 34.1

(kg)

260 31.3 32.3 33.4 34.4

70 75 80 85

操縦席重量 (kg)

(6− 4) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

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第7章 機体の取扱い

1.機体の組立と分解

A.組立

翼端の下にウイング・スタンドを付ければ、機体の組立は、二人で行うことができる。

主翼や尾翼の結合部は、きれいに清掃してグリースを塗布しなければならない。

○主翼

エア・ブレーキ・レバーをロック解除位置にする。水バラスト放水装置のノブを前方(閉)位

置にして、左主翼を取り付ける。

翼端を保持する作業者は、主翼後部取付ピンが胴体のスイーベル・ベアリングに軸線から外れ

た下への力が懸からないように主翼の前縁よりも後縁が高くなるように支えることに専念する

ことが大切である。

主桁の基部が胴体の向こう側に正しく納まっていることを確かめる。(桁が定位置に納まるよ

うに、必要に応じて、胴体を傾けたり、主翼を緩やかに上下にゆする。)

主翼の付根にある操縦系統レバーが胴体の漏斗型受け金具に正しく入っていることを確かめ

る。

前方主翼取付管を覆っているカバーの凹みにメイン・ボルトを約 30 mm(1.2 in)押し込み、

主翼がぬけだすのを防ぐ。

右主翼を取り付ける。作業手順は、左主翼と同じである。

もし、主翼が完全に所定の位置に入らない場合は、エア・ブレーキ操作レバーが僅かに引かれ

た状態になっていないか点検する。もしこの状態になっていると、エア・ブレーキ・ロッキン

グ・システムのオーバーセンター・フォースが両翼を数 mm引き離すことになる。

最後に、メイン・ピンを完全に差し込み、メイン・ピンのハンドルを胴体側面固定位置に合わ

せ、安全ピンを通す。

○ウイング・レットの装備

ロッキング・ピンを押し込んで、翼端のリブの丸い穴へウイング・レットの管状桁を差し込

む。

ロッキング・ピンがロック状態であることを確認する。このロッキング・ピンが翼上面と同一

面にない場合、3mmφ のピンを使って翼の下面から突き上げること。

○水平尾翼

定位置として操縦席のポケットに保管されているグリップ付きの水平尾翼取付工具のネジ部を

垂直安定板の前縁にあるピンへねじ込んで結合させる。

水平尾翼の後部を 2つのエレベーター・アクチェーティング・ピンへ差し込む。

水平尾翼取付工具を引いた状態で、水平尾翼の前部をピンに合わせて置く。水平尾翼固定金具

の中へピンを完全に押し込んだ後、取付工具を取り外す。

参考: ピンは、垂直安定板の前縁から突き出ていてはならない。

(7− 1) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

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エレベーターを作動させて、エレベーター・アクチェーティング・ピンが正しい位置にあるか

を点検する。

○組立後

作業者の助けを借りて、操縦系統が完全に支障なく作動することを点検する。

主翼と胴体との結合部、主翼とウイング・レットとの結合部、水平尾翼前面の固定金具の開口

部、および水平尾翼と垂直安定板との結合部をテープを用いてシールする。

テープによるシールは、性能上、非常に有益であり、また騒音レベルを下げてくれる。

B.分解

機体を分解する前に、テープによるシールを除去する。

○ウイング・レット

水平尾翼取付工具を用いてロッキング・ピンを押し下げて、ウイング・レットを引き離す。

○水平尾翼

水平尾翼取付工具をねじ込み、引いた状態で、水平尾翼の前縁をわずかに上げて、前方へ引き

出す。

○主翼

エア・ブレーキを解除し、水バラストのバルブを「閉」にする。

メイン・ピン・ハンドルから安全ピンを取外す。

両翼端に作業者を付けて、メイン・ピンを引き抜き、右主翼を取外す。

その次に、左主翼を取外す。

2.保存、格納および輸送

機体は、常に格納庫で収納するか、または換気のよい状態を保たなければならない。

密閉されたトレーラーに収納する場合は、充分に換気しなければならない。

機体を使用していない間、特に温度が高い環境では荷重を懸けた状態のままにしてはならな

い。

主翼は、薄い層流翼であるので、適切に支持することが重要である。

前縁を下にして、桁の基部を支持し、また翼端から約 3.3m の所で翼型に合った受台で支え

る。

胴体は、C.G. 曳航フックの直ぐ前で受台に乗せ、尾輪を接地させて支持する。

水平尾翼は、前縁を下にして、約 1 mの間隔で翼型に合った 2 基の受台で支える。

コンテナーの中で水平尾翼の取付金具を利用して支持するような

ことは、絶対に行ってはならない。

(7− 2) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

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機体を長期間、組立てた状態にしておく場合、胴体、主翼および水平尾翼の取付金具に対す

る防錆についての整備プログラムを設定することが重要である。

高性能機にとって、ダスト・カバーは、必須であるとの認識を持たなければならない。

機体を押す場合、翼端で押すことは、絶対に行ってはならない。

できる限り主翼の付け根付近を押さなければならない。

3.機体表面の保守

清掃と保守には、次のことを推奨する。

○洗剤を含んだ水、またはぬるま湯を使用する。添加材、光沢材、研磨剤等の洗浄材を含んだ

ものを使用してはならない。

○ガソリンやアルコールは、短時間の間のみ、暫定的に使用することができる。

いかなる種類のシンナーも使用してはならない。

○クロライド・ハイドロジェン(例えば、Tri − 、Tetra − 、Per − 等が付いた有機溶剤)を

使用してはならない。

○風防は、プラスチック・ガラス用クリーナー(例えば、“Plexiklar” や“Mirror Glaze”

等)を使用する。必要に応じてぬるま湯を用い、きれいな柔らかいセーム皮、または、非常に

柔らかな素材で清掃する。

風防が乾いた状態で擦ってはならない。

○機体は、湿気を避けなければならない。

○機体内に水分が発見された場合は、機体を乾燥した環境内で保存し、繰り返し機体を回して、

水分を除去する。

○機体は、不必要な強烈な太陽光や熱に曝すべきでない。また。機械的に継続的に負荷を懸け

たままの状態は避けるべきである。

○太陽光に曝される機体の全ての外表面は、登録記号やオプションとしての衝突防止塗装を除

いて、白色に塗装しなければならない。

白色以外の色では、GRFP/CRFP の過熱を招くことになり、構造部分に劣化を引き起こす。

(7− 3) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

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<別添− 2>

主要装備品リスト

種別 名 称 製造者型式、

部品番号装備数 備 考

速度計 Winter6FMS511

P/N 6511H-11-4011

高度計 Winter 1TBO:2 年

昇降計 Winter5StVM5

P/N 52511

電気式昇降計 ILEC SC-7 1

磁気コンパス Airpath C2300 1

外気温度計 Stork TF-00-059K 1

トータル・エナージー・コ

ンペンセーション・プルー

Brochkaus − − − − 1

加速度計 − − − − − − − − 0

VHF 無線機 Becker AR4201 1

(計器板下部) 12V/7.2Ah 1バッテリ

(主輪側) 12V/7.2Ah 1

シート・ベルトGADRINGER BAGU5202 1 TBO:12 年

ショルダー・ハーネスGADRINGER SCHUGU2700 1 TBO:12 年

計計ベルト

フロア・ハーネス GADRINGER BOGU1402

Nose Tow Release TOST 1 TBO: 2,000 発航

C/G Tow Release TOST 1 TBO: 2,000 発航

(Appendix− 2) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

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<別添− 4>

自重と重心範囲

最大座席重量 110 kg と最大許容水バラスト搭載重量での許容前方重心位置

260

250

240

230

(kg)

220

590 600 610 620 630 640 650 660 670

重心位置(基準点後方の距離 mm)

上のグラフは、次のデータを基に作成したものである。

自重 重心位置(mm)* 自重 重心位置(mm)* 自重 重心位置(mm)* 自重 重心位置(mm)*

220 663.3 230 644.9 240 627.3 250 610.2

221 661.4 231 643.1 241 625.6 251 608.5

222 659.5 232 641.3 242 623.8 252 606.9

223 657.6 233 639.6 243 622.1 253 605.2

224 655.7 234 637.8 244 620.4 254 603.6

225 653.9 235 636.0 245 618.7 255 602.0

226 652.0 236 634.3 246 617.0 256 600.4

227 650.2 237 632.5 247 615.3 257 598.8

228 648.4 238 630.8 248 613.6 258 597.2

229 646.6 239 629.1 249 611.9 259 595.6

260 594.1

注) *:基準点後方の距離

許容最大絶対終局重量(Max. Permitted Absolute ultimate Weight)

A.U.W. = 525 kg

(Appendix− 4) 発行 : 2002 年 12 月 22 日

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