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フランス、EU における 財政投融資類似制度の概要 平成 29 年 6 月 15 日 財務省理財局 資料1

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フランス、EUにおける財政投融資類似制度の概要

平成 29 年 6 月 15 日

財 務 省 理 財 局

資料1

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目 次

1.フランス

フランスの財投類似制度の概要

公的投資銀行(Bpifrance)

インフラ海外展開支援策について

国家出資庁(APE)

フランスにおける我が国海外需要展開支援について

フランスにおける女性起業支援

2.EU

欧州投資銀行(EIB)

欧州投資基金(EIF)

投資促進に向けた 近の取組

参考資料

フランスの財投類似制度における諸機関

預金供託公庫(CDC)

政府融資の対象国の広がり

EUにおける起業支援

欧州投資銀行の融資対象

EIBとEIF

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1.フランス

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フランスの財投類似制度の概要

Bpifrance SA

BpifranceFinancement(融資子会社)

BpifranceParticipations(出資子会社)

BpifranceAssurance Export(輸出保証子会社)

融資・保証

中小企業等出資※※

貿易保険

・電力(EDF)・航空(Air France)

・自動車(Renault)等

融資

預託

債券

国債・租税等

非課税預金

(資本関係)

(資本関係)※

CDC

(株式保有)

※ BpifranceはCDCの主要子会社。※※ 中堅・大企業、中小企業、ベンチャー企業に対する出資、複数ファンドに対する間接投資(注)本スキーム図は、今回の説明に関連し必要な機関等を抽出した概念図。

・低所得者向け住宅の建設・改築

・インフラへの資金供給(高速鉄道、病院等)

民間部門

(国民・市場)

APE(国家出資庁)

貯蓄基金郵貯銀行・

民間銀行等

地方公共団体等

大企業

(資本関係)

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公的投資銀行(Bpifrance)①

○フランスには従来より中小企業支援のための機関が複数存在していたが、欧州債務問題が本格化する中、公的金融の重要性が再認識され、中小企業に対する融資、保証、出資、ファンド管理を一元化すべく、2013年Bpifranceが設立された。

(注1)リーマンショック後に設立された、中小企業金融公庫(OSEO)、FSI(戦略的投資ファンド)等を統合。

○Bpifrance Financement(融資・保証業務)、Bpifrance Investissement(ファンド等業務)、Bpifrance Assurance Export(輸出保証業務)の3部門、8つの分野(注2)から構成。

(注2)①融資保証、②零細・中小・中堅企業向け融資、③イノベーション支援、④複数ファンドへの間接投資、⑤イノベーティブな技術を持つ零細企業向け出資、⑥中堅・大企業向け出資、⑦起業家へのコンサルティング等ビジネスサポート、⑧輸出企業支援のための輸出保険

(注3)総資産は685億ユーロ。2016年の取引金額(フローベース)は融資136億ユーロ、保証84億ユーロ、出資24億ユーロ。

○組織統合で窓口が一元化したことで、企業のBpifranceの各サービスへのアクセスが容易になり、金融サービスの 適化に寄与。同行の地方支店には、各分野の担当者が在籍し、企業との話し合いを通して、都度 適な資金提供メニューを選定(その9割は地方支店で決裁されている)。

これによって、顧客に対するサービスが向上したとされている。

1.概要

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公的投資銀行(Bpifrance)②

(1)融資・保証業務(Bpifrance Financement)○主として中小企業に対し、融資、保証を行う。

①融資:中長期の融資。成長企業に対する無担保融資等も伸長。②保証:企業の成長の各段階(起業・承継、イノベーション、事業拡張・国際化等)に

併せて、民間金融機関が行う融資に対する保証を行う。 終的に発生した損失の40%~70%を保証。

○民間金融機関との協調体制• Bpifranceの融資に際しては、民間金融機関との協調融資が原則とされており、

両者はパートナー関係にある。• 民間金融機関は、Bpifranceに資本参加(5~7%)しており、両者間で問題が

生じたときは、ファイナンス、保証等に係る課題を取り上げる委員会において話し合いが行われ解決が図られている。

(2)出資業務○Bpifrance Participations(出資子会社)とBpifrance Investissement(孫会社、

ファンド等業務)を通じて行っている。ファンドを通じた中小企業等への出資のほか、中堅・大企業にも直接出資。直接出資の場合、単独出資はしない。

○長期的な出資が原則であり、平均出資期間は、8~10年程度。

2.業務の概要

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公的投資銀行(Bpifrance)③

(3)輸出保証業務

○国の競争力強化の観点から、2015年7月、Coface(注1)とBpifranceは、国の輸出保証分野に係る業務の移管に合意。2017年1月、約240名の従業員と情報システムとともにCofaceから新たな専門子会社であるBpifrance Assurance Exportに業務が移管された。

(注1)Coface(Compagnie Française d'Assurance pour le Commerce Extérieur)1946年にフランスの国営の貿易保険会社として創設。1994年に民営化した後も、民間で引き受けにくいものについて、国の代理人として政府保証 (輸出先の支払遅延、不能に対する保険)を運営管理。

○移管後は、Bpifranceが French Export Credit Agency(ECA)として国に代わり、公的輸出保証(注2)の業務を実施。国が直接保証のリスクを負うことで、フランスの貿易支援制度の簡素化と競争力の強化を図っている。

(注2)信用保険、海外投資保険、市場調査保険、為替リスク保険等。

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インフラ海外展開支援策について①

フランス企業の対外進出に係る施策を国庫総局が所管しており、輸出保険や国による融資等を通じ、インフラ海外展開支援が行われているところ。

○支援決定に際しては、国庫総局が、企業が持ち込んだ案件の支援の可否を決定し、Bpifranceが保証を行う。なお、一定金額以下の案件については、Bpifranceに保証の決定権限が委譲されている。(注)政治的・政策的に重要な案件については、大統領や首相が決定する案件も存在。

○プロジェクトに係る主な評価基準として、①リスク評価(プロジェクトのリスクが過度に大きい場合は拒否)、②フレンチコンテンツ(プロジェクトに占めるフランス製品等の使用が一定割合以上)がある。なお、国庫総局がファイナンスのスキーム等を修正した上で支援決定するケースや、必要な資金調達の一部のみ国が保証するケースも存在。

○支援対象は、全セクターであるが、世界レベルのプレゼンスがあるフランス企業の大型案件を支援するために、一部の分野(軍事、船舶、航空産業、宇宙産業、鉄道インフラ、エネルギー等)が突出している。

1.概要

2.輸出保険の活用

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国際競争力強化の観点から、 2015年3月17日政府主催の「ベルシー輸出金融会合」(輸出金融の関係者を対象とした会合)において、国による輸出支援策が打ち出されている。(主な施策)

①SFILによる輸出金融のリファイナンス制度の新設大型輸出案件(7,000万ユーロまたはドル以上)について、民間金融機関が輸出先に対して有する貸付債権をSFILが買い取ることにより、リファイナンスを行う。リファイナンス対象債権は、民間金融機関によるものであり、Bpifranceによる保証等が前提。(注)SFIL(Société de Financement Local):2013年設立の機関。資本構成は、国(75%)、CDC(20%)、

郵貯銀行(5%)。

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インフラ海外展開支援策について②

民間金融機関

輸出先

SFIL

Bpifrance民間金融機関は保険範囲外の5%を維持

SFILは保険対象の95%を民間金融機関から取得

95%の融資保証

輸出融資

リファイナンスのスキーム

3.融資の活用

(出所)SFIL資料を参考に作成

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インフラ海外展開支援策について③

②国(国庫総局)による融資の拡充

譲許的融資 非譲許的融資

対象国 OECD規則に基づく援助の対象となる可能性の高い新興国。

約100カ国で利用可能。

対象案件 OECD規則に従い、商業ベースでは経済的に実行可能ではないとされるプロジェクト。持続可能な開発に重点を置いた分野等(輸送(トラム、メトロ、電車、空港等)、環境(飲料水、衛生、水資源管理、固形廃棄物、エネルギー(特に再生可能エネルギー)、健康、農業等)フランス企業(工業、機器メーカー、エンジニア等)が締結した契約で、フランスのシェア、またはフランス国内における付加価値が、融資額の70%を超えるもの。

・フランスにおける産業・雇用にメリットの大きい案件・他国が同種の公的支援措置を提示している海外競合案件に優先的に適用。

その他 国庫総局と受益国の財務省との間でケースバイケースで交渉された融資条件に従い、35%(OECD基準)のフランスのグラントエレメントを示す譲許的政府間融資。

・詳細な評価と事後評価を実施。・総額10百万~70百万ユーロを想定。・関係省庁間の審査が必要。

(出所)国庫総局資料を参考に作成

○2015年、従来の譲許的融資に加え、非譲許的融資(注)を追加。(注)民間ベースの信用供与のように、金利、返済期間、据置期間等の借入条件が譲許的ではない(緩和され

ていない)借入。対照的に、円借款等のODAはその条件が民間の信用供与に比して著しく譲許的である(緩和されている)。

○譲許的融資は、国が、タイド援助供与対象国に対し、インフラ案件等への融資を行うもの。一方、非譲許的融資は、供与対象国を大幅に拡大されており、国がフランスの付加価値が大きい案件への融資を行う。

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国家出資庁(APE)

○2004年に創設。政府保有株式に関して一元的に資産管理を行う国の機関。

○81社の株式を保有。うち上場企業は13社。○国が保有する株式の現在額は約900億ユーロ(2016年4月末時点)。うち上場

株式は628億ユーロ。○公的機関の株式会社化、株式の一部売却、IPOを実施している。2015年には

39億ユーロの配当を受け取ったほか、5回の株式処分(計23億ユーロ)を実施。

○株式を保有する企業の取締役会等に積極的に参加し、ガバナンスに関与。具体的には、2015年に、取締役等の立場で取締役会等に340回程度、その他各種委員会に380回程度出席。

○株式を2年以上持つ株主に2倍の議決権を与える「フロランジュ法」が2014年3月に制定された。現在、国はルノーやエールフランス等について2倍の議決権を行使可能となっている。

1.APEの概要

2.出資の現状

3.コーポレートガバナンスに対する取組み

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フランスにおける我が国海外需要展開支援について①

海外需要開拓については、様々な手段があるが、今般の出張に関連するものとしては、これまで以下のような取組みが活用されていたところ。

• クールジャパン機構による出資(産業投資、経産省) 【例1】我が国の生活文化の特色を生かした魅力ある商品やサービスの海外における需要の開拓等の事業に対し財投等を活用したリスクマネー供給等の支援を実施。

• 伝統的工芸品産業支援事業(補助金、経産省)【例1】「伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)」の規定に基づき、国内外の大消費地等での需要開拓事業などに対して支援。

• JAPANブランド等プロデュース支援事業 ふるさと名物応援事業(補助金、経産省)【例2】

海外現地のニーズ等に詳しい外部人材を活用し、日本の特色を活かした商材の開発、ブランディング、PR・流通の支援。

• JETRO等による展示会出展支援(補助金、経産省)【例2】

国内外で開催される見本市・展示会を通じて日本企業のビジネスチャンスの拡大を支援。

概要

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フランスにおける我が国海外需要展開支援について②

【調査先の概要】

• 企業名 SAS ENIS(店舗名 Discover Japan Paris、Maison Wa)

• 所在地 フランス パリ• 設立 2011年10月• CJ機構出資額 1億円

【事業概要】• 地域の伝統工芸品等のクールジャパン商材を欧州展開す

るためのビジネス拠点を整備。• パリにて継続的に商材のプロモーションを実施するほか、

プロモーション後も継続的に、欧州展開に必要な一連の業務(現地ニーズの検証、小売事業者との交渉、通関や物流の対応等)を支援・代行。

【意見等】• 日本文化の浸透には、伝統文化に興味を持つ知識人層に

も受け入れられることが必要。• 事業者や自治体等は、現地の日本文化の受入状況に関す

る知見が不足しており、多種多様な工芸品に係るマーケティングが出来ていない。

• 日本の工芸品の展示会等も行われているが、重要なのはその後の販路拡大に向けた継続的な顧客フォローであり、常設店舗の設置といった環境作りが不可欠。

【例1】

【調査先の概要】

• 調査先 おもてなしキュイジーヌ 市川代表• 所在地 フランス リヨン• 設立 2013年

【事業概要】• 2013年、食に関連する日本のものづくりを世界へ発

信・拡販するため「おもてなしキュイジーヌ」を設立。• 2014年以降、有田焼窯元のモダンブランド「アリタポー

セリンラボ」のプロデューサーとして、インテリア・デザイン国際見本市「メゾン・エ・オブジェ」の出展を営業支援。欧州展開商品の選定や資料・カタログ等の英仏訳、展示会中の商談サポート等、営業支援を行っている。

【意見等】• 海外展開に当たっては、現地において顧客に即時に

対応しサポートできる人間がいること、定期的に商材を輸送できる経路を持つことが重要。

• 展示会出展前から事業に関わっていかないと売上げにはつながらない。本気で欧州を目指す事業者を出展前から出展後のフォローまで一貫して支援する必要がある。

【例2】

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フランスにおける女性起業支援①

1.背景

○フランスの女性起業家は、起業家全体の約3割となっている。

○フランスにおいては、これまでも行動計画「女性起業家2013-2017」(2020年まで延長)等に基づき、女性起業支援への取組みがなされており、女性の資金調達へのアクセスの促進は、同計画において大きな柱の一つとなっている。

個人事業主 個人事業主

男性 1,978 1,128 69.8% 66.0%

女性 855 581 30.2% 34.0%

男性 22,842 15,866 69.0% 66.9%

女性 10,257 7,859 31.0% 33.1%

(出所)

フランス

欧州

・EC「Statistical Data on Women Entrepreneurs in Europe」(2014年、計数は2012年時点)を参考に作成

             【男女別起業者数】               (千人)実数 割合

起業者総数 起業者総数

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○女性起業支援のため、国は、FGIF(女性起業振興保証基金)を創設。国からFGIFの管理を受託したFrance Active Garantie(注)が、銀行から女性起業家への融資に対する保証を実施する。

○保証内容• 女性が対象• 対象企業:設立5年以下• 融資期間:2年~7年• 保証融資額: 低5,000ユーロ• 保証額: 大45,000ユーロ

フランスにおける女性起業支援②

(注)France Active GarantieCDCが出資(35%)する保証会社。1995年設立。失業者や経済的に不安定な者による起業のための銀行借入れ等に対し、保証を提供。

2.女性起業振興保証基金(FGIF)

女性起業家 銀行

FGIF

融資

保証(France Active Garantieが国から業務委託を受けて実施)

FGIF保証スキーム

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フランスにおける女性起業支援③

○実績等

• FGIFの2016年の保証件数は2,281件であり、増加が続いている。

• FGIFの支援対象者のうち約8割は失業者であり、起業分野はサービス業が41%と も高い。

• 支援対象の多くが自営業であることについて、職業安定所が、失業した女性に対し、自営業で自らの雇用を創るよう後押しする傾向にあることも要因としてある、との指摘も見られる。

• FGIFが保証する銀行融資額は、2016年7,000万ユーロ(2015年5,600万ユーロ)。主要金融機関により本スキームが活用されている。

• なお、FGIFは、女性起業家へのアドバイザリーは行っていないことから、CPME(中小企業連盟)が、融資を受けるための手法等のパンフレットを配布する「女性クラブ」を県単位で組織する等の取組みが見られる。

106 78 195

370

553

734

743

1,070 1,357

1,506

1,551

1,723

1,863 2,074

2,281

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

(件数)

FGIF 保証実績

(出所)FGIF「DOSSIER DE PRESSE 2017 Entreprendre au feminin」

41%

27%

16%

5% 4% 3% 2% 1% 1%0%5%

10%15%20%25%30%35%40%45%

起業の業種別内訳

(出所)FGIF「DOSSIER DE PRESSE 2017 Entreprendre au feminin」2016年実績

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2.EU

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欧州投資銀行(EIB)

• 加盟国の統合、均衡のとれた発展、経済的及び社会的な結束に貢献することを任務とする、欧州連合(EU)の政策金融機関(1958年設立)。加盟国・公企業・私企業に対して、他の方法により資金が調達できない場合に限り中長期融資を行っている。

• EU加盟国28カ国からの出資により構成(独仏英伊の4カ国が約16%ずつ保有)。総資産は約5,700億ユーロ。

• 総務会(各国財務大臣ら)、理事会(理事29名及び代理19名)及び経営委員会(総裁1名及び副総裁8名)によって運営。

• 交通インフラ、エネルギー確保、研究開発、省エネ・再生エネルギー、中小企業支援等の欧州における主要な政策推進分野に融資を行う。

• 2016年貸付額は約838億ユーロ。融資総額に占める不良債権比率は、0.3%。資金調達の約8割が債券発行(EIB債)。

EIBの概要

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欧州投資基金(EIF)①

○1994年にルクセンブルクで設立されたEIBの子会社。中小・中堅企業に特化してエクイティ投資、保証を行うアセットマネジャー(注)。

(注)エクイティ投資事業(46.4%)、保証事業(52.5%)。エクイティ投資は、複数ファンドへの間接投資

により行う。

○出資構成は、EIB(59.8%)、欧州委員会(28.1%)、金融機関(12.1%)。EU関連組織の中で、唯一民間株主が存在する組織であり、官民パートナーシップを原則としている。

1.EIFの概要

【EIFのスキーム】

・EIB・EIF自己資金・欧州委員会・加盟国・地域・民間資金等

原資

欧州投資基金(EIF)

・ファンドマネジャー・商業銀行・保証機関・ベンチャー投資家・マイクロファイナンス機関

仲介者・カウンターパート

中堅・中小企業零細企業

(出所)EIF公表資料

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19

■ EIF残高規模の推移

(出所)EIF Annual Report 2016○保証事業• 証券会社が中小企業向け債権

のプールを証券化する際、EIFが証券化された社債の支払いを保証する。

6,952 7,904 8,801 9,927 12,151

4,696 5,574 5,576

9,293

13,734

117 146 170

218

297

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

2012 2013 2014 2015 2016

エクイティ投資 保証 マイクロファイナンス

欧州投資基金(EIF)②

2.主な事業

○エクイティ投資事業• 中小企業に対して直接的には

ファイナンスをせず、民間投資会社との共同によるファンドを組成して投資を行う。

• 第三者(EIB、欧州委員会等)からの委託資金を運用する場合、EIFはリスクは取らず自身のバランスシートには計上しない。

(百万ユーロ)

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投資促進に向けた 近の取組①

1.欧州投資プランとイニシアチブ(EFSI)の創設

○EU域内では金融危機を経て投資低迷が続き、投資金額は2013年には2007年対比で15%減を記録。

○2014年11月、欧州委員会(EC)のユンカー委員長は、EUにおける経済成長と競争力を阻害している投資不足に対応するため、「欧州投資プラン(Investment Plan for Europe)」(通称:ユンカープラン)を発表。

■ 欧州戦略投資基金の仕組み

EU保証160億ユーロ

EIB50億ユーロ

EFSI 210億ユーロ

インフラストラクチャ・イノベーション枠160億ユーロ

中小企業枠50億ユーロ

長期的投資2,400億ユーロ

中小企業向け750億ユーロ

民間資金を動員することにより15倍のレバレッジ効果

により実施により実施

EIB EIF○2015年、投資促進を実現するためのイニシアチブとして、ECとEIBは、欧州戦略投資基金(EFSI:European Fund for Strategic Investments)を創設。

(出所)EIB公表資料(2016年4月)を参考に作成○2018年までに官民の資金を呼び込み、欧州全域で3,150億ユーロの投資を促進することが見込まれている。

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投資促進に向けた 近の取組②

2.EFSI

(1)概要○EFSIはEIB及びECによって任命される

メンバーから構成される運営理事会により運営される。EFSIの事業については、EIBのバランスシートに記載され、EIBの経営陣による承認が必要。

○EFSIは、EUの信用保証(160億ユーロ)とEIBが拠出する50億ユーロの総額210億ユーロから構成。インフラストラクチャ・イノベーション枠と、中小企業枠を通じて支援がなされ、それぞれEIB、EIFにより展開されている。

○EUにおける投資不足に対応するため、EUが信用保証を提供することにより、EIBが通常支援するプロジェクトよりも、リスク性の高いプロジェクトへの支援が可能となるよう、EFSIが設けられた。

案件名 NOBELWIND OFFSHORE WIND

国 ベルギー

案件概要 ・大規模洋上風力発電ファーム設置第2段階に対する支援。・ 再生可能エネルギー分野は新しくリスクが高いと考えられており、EIB及び同

国政策金融機関からの追加資金調達が必要な資金ギャップが存在。

セクター 再生可能エネルギー

ファイナンスの種類 EIB融資

EFSIの下で行ったEIB のファイナンス

1億ユーロ

プロジェクト総額 5.42億ユーロ

■ EFSIの支援事例

(出所)EC公表資料

(注)2016年9月、ECは、EFSIの期間延長・増額を発表(EFSI2.0)。

期間は2020年まで延長、投資資金は2020年までに総額5,000億ユーロ。

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投資促進に向けた最近の取組③

(2)対象分野・地域○主な支援分野は、戦略的インフラ、教育・研修・研究開発、再生可能なエネル

ギー・省エネルギー、中小企業・中堅企業。投資3,150億ユーロのうち、750億ユーロは中小企業及び中堅企業に振り分けられる。(注)2016年末までに総投資額1,639億ユーロ(目標の52%)

を動員。

○EFSIは特定の地域にプロジェクトを予め配分することはない。

22

(3)対象となる事業体○EFSIは、中小企業のみならずファンドも投資

対象としているが、特に中小企業については、約40万社以上が利用。EFSIの延長にあたっては、中小企業支援枠を更に拡大する方向とのこと。

比較的小規模な

企業31%

エネルギー22%

研究、開発、革新

21%

デジタル10%

運輸8%

環境、資源効率4%

社会インフラ4%

■ EFSI投資先(セクター別)

(出所)EIB公表資料

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投資促進に向けた 近の取組④

(4)対象プロジェクト○EFSIによる支援は、EIBやEIFその他既存のEUの金融支援によるEU保証で

は実施できないことが必要とされている。

○これにより、EFSIが支援するプロジェクトは、EIBが通常支援するプロジェクトよりもリスクが高いことが想定されていたが、EFSIの開始当初は、高速道路建設投資等民間金融でも十分対応可能と思われる分野への投資が見られていた。

○しかし、こうした状況について、リスクをとった投資となっていないとの批判の声が上がったことへの反省から、足下では方向転換の動きが見られており、EFSI2.0においては、リスクが高い分野に資金供給することが検討されている。

3.EU加盟国の政策金融機関について

○EFSIについては、公的資金を有効に活用するため各国の政策金融機関がEC、EIBと協力していくことが必要であることから、未だ政策金融機関を有しない国に対し、ECはその設置を慫慂しており、現在、マルタ、リトアニアが政策金融機関設立を検討しているとのこと。

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参考資料

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フランスの財投類似制度における諸機関

フランスの財政投融資類似制度には、Bpifrance(公的投資銀行)、CDC(預金供託公庫)、APE(国家出資庁)等が存在。

○Bpifrance(公的投資銀行)• 2013年、既存の諸機関を統合して設立された公的金融機関。中小企業等支援

を一体的に実施。• 民間金融機関と協調融資を行い、投融資条件も同一となっている。• 出資は民間資金の呼び水となることに重点がおかれ、中長期の少数出資者とし

て出資している。

○CDC(預金供託公庫)• 設立200年を迎えた公的機関。非課税預金を原資として、社会的住宅建設事業

等に対し、伝統的に融資を行っている。

○APE(国家出資庁)• フランスでは国が様々な大企業に出資を行っており、APEは一元的な資産管理

を担っている。

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預金供託公庫(CDC)①

郵便局民間銀行等

非課税預金

約4,000億€

CDCグループ総資産:約4,200億€

○貯蓄基金

・総資産:2,548億€

・融資額:1,824億€

・資産運用額:701億€

預金

保証

預託

納付金

納付金(非課税

預金保証料)

社会的住宅建設

地方公共団体交通インフラ等

融資

融資

CDCの優先分野・企業の発展・住宅・インフラ・環境・エネルギー

※CDC子会社・企業ファイナンス・交通インフラ・保険・運輸・工学・コンサル・環境・レジャー・ツーリズム・特許 等

連結総資産(本体事業及び子会社)1,665億€

子会社※

(資本関係)

CDC

○本体事業:1,384億€・供託業務

・長期投資

・地域の発展

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預金供託公庫(CDC)②

○ナポレオン体制後の1816年に設立。国会議員を議長とする監督審議会を通じて、立法機関の監督及び保証下に置かれている公的機関。

○CDCは、伝統的に、国からの付託により、民間金融機関により集められた貯蓄商品(Livret A)(注)を集中管理しており、これを原資として、低所得者向け住宅の取得や、社会資本整備等の分野(交通インフラ、大学、病院、高速インターネット接続プロジェクト、上水供給ネットワーク等)に対し貸付を実施している。

(注)1818年に創設された非課税預金。預金限度額22,950ユーロ。政府保証が付与されている。

○上記の貯蓄基金の管理運用のほか、年金基金の管理運用も行っているが、これらは他の業務からは厳格に分離されており、グループ連結の対象外となっている。

○CDC本体においては、法務関連預金の供託業務や長期投資、地域開発支援等も行っている。なお、保険や銀行、不動産、運輸、観光等民間と競合する事業を展開する子会社等を有している。

1.概要

2.主な事業

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政府融資の対象国の広がり

非譲許的政府融資を受けられる国

非譲許的政府融資を場合により受けられる国

閉鎖国

非譲許的政府融資を受けられない国

譲許的政府融資を受けられる国C

(出所)国庫総局資料

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EUにおける起業支援

EaSI(雇用と社会革新プログラム;Employment and Social Innovation)は、持続的な雇用促進と、社会的包摂の確保を目的としたEUのプログラムであり、女性起業家支援も行われている。

○EaSIは、欧州投資基金(EIF)によって管理・実行されており、以下を行う仲介金融機関に対し、EIFが金融アクセスを容易にすることを目的として、保証(注1)を行うもの。

①社会的企業(注2)に対する融資②金融商品へのアクセスが制限されている少額の借手(注3)及び零細企業に

対するマイクロファイナンス(注1)対象となる社会的企業向け融資は上限500,000ユーロ、マイクロファイナンスは上限25,000

ユーロ。信用保証率は 大80%。(注2)年間売上高または総資産が3,000万ユーロ以下。(注3)女性起業家、若年者、元失業者、移民等。

1.概要

2.雇用と社会革新プログラム(EaSI)

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欧州投資銀行の融資対象

30

スペイン18.1%

イタリア 12.8%

ドイツ 9.0%

フランス 8.9%EU以外 8.5%

英国 8.2%

ポーランド7.2%

EUその他5.7%

ポルトガル4.2%

EUベネルクス4.1%

ギリシャ 3.3%

EUスカンジナ

ビア 3.2%

オーストリア2.9% チェコ共和国

1.9%ハンガリー

1.9%

■ 融資先地域分布

(単位:百万ユーロ)

1年以内 1年-5年 5年超 2015年合計 割合運輸 7,508 29,169 93,628 130,305 28.5%エネルギー 4,625 22,484 37,646 64,755 14.2%工業 7,112 20,800 6,281 34,193 7.5%医療・教育 2,450 8,669 22,388 33,507 7.3%上下水道施設 2,098 8,548 20,684 31,330 6.8%その他インフラ 1,234 5,174 19,723 26,131 5.7%サービス 1,816 6,012 8,399 16,227 3.5%通信 1,997 7,091 3,220 12,308 2.7%農業・漁業・林業 73 545 1,875 2,493 0.5%仲介ローン 14,349 57,988 33,916 106,253 23.2%

2015年合計 43,262 166,480 247,760 457,502 100.0%

割合 9.5% 36.4% 54.2% 100.0%

(出所)EU指令に基づく財務書類(2015年末)

■ 貸付残高の期間別・分野別残高

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EIBとEIF

長期貸付

劣後債

資本及び準資本

ベンチャーキャピタル

保証

証券化

プロジェクト投資

中小・中堅企業へのファイナンス

EIB EIF

(出所)EIB資料を参考に作成

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平成 28 年度

地方公共団体の財務状況把握等の結果について

平成 29 年 6 月 15 日

財 務 省 理 財 局

資料2

平成 27 年度

地方公共団体の財務状況把握等の結果について

平成 28 年 6 月 10 日

財 務 省 理 財 局

資料2

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―1―

1 財務状況把握

― 1 ―

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―2―

財務状況把握では、平成24年度から5年程度で全ての団体を一巡する取組を開始。

平成28年度は全市区町村1,741団体のうち333団体に対してヒアリングを実施。

財務状況把握においては、対象となる団体の財務状況(債務償還能力・資金繰り状況)について、

①「債務高水準」、②「積立低水準」及び③「収支低水準」の3つの観点でそれぞれ診断基準を設

け、検証を行っている。

上記3つの観点ごとに、診断基準に照らして財務上の問題に該当しているとされた団体及び財務

上の問題を解消した団体について、その要因を把握したところ、以下のような事例が認められた。

平成28年度財務状況ヒアリング結果の概要(市区町村)

平成28年度

ヒアリング団体数

財務上の問題に該当 財務上の問題に

該当していない団体債務高水準 積立低水準 収支低水準

333 43 10 32 26 290

(参考)ヒアリング実施団体における財務上の問題への該当状況 (単位:団体)

※ 複数の財務上の問題に該当する団体があることから、計において一致しない。

(※)

財務上の問題に該当 財務上の問題を解消

①債務高水準 都市再生整備事業や緊急防災・減災事業

の実施による建設債の増加 健全な財政運営に関する条例制定等を通

じた地方債の発行抑制による債務の減少

②積立低水準 庁舎建設事業等に伴う基金取崩しによる

積立金の減少 積立方針の策定による計画的な積立金の

増加

③収支低水準 高齢化の進行による介護保険特別会計へ

の繰出金等の増加(行政経常支出の増加) 地方消費税率の引上げに伴う地方消費税

交付金の増加(行政経常収入の増加)

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―3―

全市区町村合計の行政キャッシュフロー計算書から算出した「4つの財務指標」について、5年一巡の取組を開始した平成23年度決算以降の推移をみると、実質債務残高の減少により債務償還可能年数が短期化するなど、概ね改善傾向。

年度(決算年度) 23 24 25 26 27

①債務償還可能年数(年) 8.1 8.7 7.7 7.7 7.0

②実質債務月収倍率(月) 12.8 12.4 11.7 11.4 10.8

③積立金等月収倍率(月) 3.6 4.2 4.3 4.3 4.4

④行政経常収支率(%) 13.3 11.8 12.5 12.2 12.8

(参考)財務指標の推移(全市区町村)

財務指標の推移(全市区町村・全都道府県)

年度(決算年度) 24 25 26 27

①債務償還可能年数(年) 50.1 26.5 22.8 19.4

②実質債務月収倍率(月) 30.7 29.7 28.7 26.8

③積立金等月収倍率(月) 3.3 3.3 3.2 3.0

④行政経常収支率(%) 5.1 9.3 10.4 11.5

(参考)財務指標の推移(全都道府県)

指標名 視点 意義

①債務償還可能年数 債務償還能力 1年間で生み出される償還原資の何倍の債務を抱えているかを確認

②実質債務月収倍率 債務の大きさ 1月当たりの収入の何ヶ月分の債務があるかを確認

③積立金等月収倍率 資金繰り余力 1月当たりの収入の何ヶ月分の積立金があるかを確認

④行政経常収支率償還原資

経常的な収支1年間の収入からどの程度の償還原資を生み出しているかを確認

(参考)財務状況把握の4つの財務指標

全都道府県合計の行政キャッシュフロー計算書から算出した「4つの財務指標」について、モニタリングを開始した平成24年度決算以降の推移をみると、行政経常収入(地方税)の増加により行政経常収支率が上昇するなど、概ね改善傾向。

団体は、安定的・継続的な住民サービスを提供するために、今後も健全な財政運営に努めることが重要。

財務状況把握では、財政融資の償還確実性を確認するほか、団体に対し財務健全化に関するアドバイス等を実施。(取組結果は次ページ)

全市区町村 全都道府県

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―4―

財務状況把握の充実・活用

②ヒアリング等を通じたアドバイス機能の発揮

③財務状況把握の活用促進

○ 収集した他団体の取組事例を紹介することにより、新たな改善策検討のきっかけに繋がった事例。

①財務健全化に向けた取組事例の紹介

○ 財務局では、団体と接する様々な機会を捉え、財務状況把握制度を説明しており、その活用を慫慂。その結果、財務状況把握の結果概要(診断表)をホームページに掲載し、財政状況の参考資料として活用する団体が増加。

○ ヒアリング等を通じたアドバイスが団体との連携強化に繋がった事例。

④財投施策の周知等による団体の側面的支援

○財務状況把握時等に、地域活性化に資する財投施策を周知することで、団体の地方創生の取組を側面的に支援した事例。

【事例】• 近畿財務局では、ヒアリング時に団体から地域住民に対する外

出支援タクシー等に関する他団体の取組状況について問い合わせがあったことから、同じ取組を実施している他団体を紹介。団体間で情報交換を実施し、今後の事業開始を検討。

• 九州財務局では、ヒアリング時に団体が抱える課題について積極的に把握。地方税徴収率向上のためのコールセンター設置事例や子育て支援センターの開設事例などについて7団体から紹介要望。他の財務局と連携して参考となる他団体を紹介。

【事例】• 関東財務局では、これまでノウハウ不足から収支計画を策定でき

なかった団体からの要望を受け、詳細な収支計画を策定していた同規模団体を紹介。紹介団体のアドバイスを基に平成29年度中に収支計画を策定することとなり、担当者から感謝のコメント。

• 東海財務局では、ヒアリングを実施した2団体からの要望で、行政キャッシュフロー計算書を用いた財務状況分析について講演を実施。団体幹部からは、職員の財政や地方創生に対する意識の向上に繋がったと感謝のコメント。

【事例】• 関東財務局では、各団体の地方版総合戦略を把握するほか、各

地域の会議に参加することで、課題やニーズを把握。財務状況把握時等の機会を捉え、課題等に活用可能な財投施策の説明や財投機関と連携したセミナーを開催。意見交換の場を設けることで団体を側面的に支援。

• 北陸財務局では、財務状況把握で重複する公共施設の統廃合に係る課題について、認識を共有。団体から統廃合について住民に説明したいとの相談を受け、コーディネーターとしてDBJ((株)日本政策投資銀行)を紹介。約180名の市民が参加したシンポジウム開催を側面的に支援。

財務状況把握では、「①財務健全化に向けた取組事例の紹介」のほか、「②ヒアリング等を通じたアドバイス機能の発揮」、「③財務状況把握の活用促進」、「④財投施策の周知等による団体の側面的支援」に取り組むことで、団体との連携を強化。

(参考)結果概要(診断表)をホームページに掲載している団体数 (単位:団体)

※ 毎年7月から翌年6月までの実績(平成28年は7月から29年4月末までの実績)。

23 24 25 26 27 28

初めてホームページに掲載した団体数(※)

5 10 18 49 81 104

【参考】ヒアリング実施

団体数(年度ベース)198 299 334 325 322 333

― 4 ―

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―5―

収入増加及び支出削減に関する主な取組事例

地方税等徴収率の向上 収入範囲の拡大 域内経済の活性化

督促、財産差押の強化

滞納処分の強化(インターネット公売)

他団体との協力(都道府県や近隣市町村との連携事例)

収納環境の整備(コンビニ納付、口座振替、夜間・休日窓口、コールセンター)

広報活動(期限内納付の啓蒙)

使用料の適正化(消費税増税分の転嫁、合併を契機とした使用料の統一化)

広告収入(広報誌、ホームページ)

保有資産の活用(ネーミングライツ、太陽光発電(売電料・賃貸料)、自動販売機(有料化・入札による収入増加))

保有資産の売却(公共施設の統廃合により不要となった土地等の売却)

空き家・空き店舗の有効活用等

保育制度の充実、子ども医療費への助成、待機児童対策

コミュニティバス、地域ハイヤーの運行

既存産業の育成、観光客の呼び込み、新規就農支援、6次産業化支援

PR活動(広告、イベント、移住体験事業)

○収入増加

○支出削減

人件費 物件費 その他経費

人員削減(新規採用抑制、退職者不補充、早期退職勧奨制度)

外部委託等の活用(専門能力を有する期限付職員、非常勤・臨時・派遣職員)

集約化(施設の廃止、管理の一本化、システム統合)

指定管理者制度(図書館、体育施設、保育園)

民間委託(給食、学校用務、窓口業務、保育園)

設備の長寿命化(LED照明の導入等)

PFI手法活用(道の駅整備、スポーツ公園)

扶助費削減(就労自立支援、生活困窮者に対する相談事業)

補助費削減(団体補助金の見直し、敬老祝い金の廃止)

財務状況把握では、以下のような財務健全化に資する取組事例を収集し、他団体に紹介。

下線は、他団体から財務局に問い合わせがあった財務健全化の取組。

― 5 ―

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―6―

財務状況把握に係る今後の取組について

今後の取組(平成29年7月~)

○財政投融資を巡る課題と今後の在り方について (抜粋)(注1)

(平成26年6月17日 財政投融資分科会)

【財務状況把握の充実】これまでの取組みにより、地方公共団体(市町村向け)の財務状況把握は、

制度的に定着してきているが、財政融資資金の償還確実性を確保する観点から、以下のとおり、さらなる財務状況把握の充実を図る必要がある。

全市区町村を5年で一巡するようにヒアリングを実施(24~28年度)。全都道府県に対して意見交換を実施(26~

28年度)。今後は、地方財政の「見える化」の取組に

ついて、財務状況把握への活用方法を検討しつつ、以下の取組を実施。

【市区町村】 引き続き、財務健全化の取組事例の収集

や他団体への紹介を実施

財務状況が良好な団体へのヒアリングは、将来見通しの確認に重点化

(団体の財務状況に応じてヒアリング頻度は変更)

診断表に類似団体比較等を追加し、内容を改善

【都道府県】 意見交換を継続し、都道府県に対する実

効的な財務状況把握の在り方を検討

(注1) 「財政投融資を巡る課題と今後の在り方について」(平成26年6月17日 財政投融資分科会)は、P.15参照。(注2) 地方財政の「見える化」の主なスケジュールについては、P.16参照。

○経済・財政再生アクション・プログラム (抜粋)(注2)

(平成27年12月24日 経済財政諮問会議)

財政と政策効果という見えにくいものについて、…(中略)…他と比較することによって、自分の属する自治体、組織の運営が全国的に見てどのような位置にあるのか国民各位が把握できるようになる…(中略)…各主体の努力を検証しつつ改革を促す

【主な取組内容】 統一的な基準による地方公会計の整備

(平成29年度末まで)

有形固定資産減価償却率の導入(平成30年度末まで)

住民一人当たり行政コストの公表(平成28年度末まで)

公共施設等総合管理計画の整備

(平成28年度末まで)

地方財政の「見える化」の取組

② ヒアリングの有効活用・アドバイス機能の発揮

④ 都道府県向けヒアリング

① モニタリングの充実

③ 診断表の内容の改善

財投分科会の指摘

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―7―

2 補償金免除繰上償還に係る財政健全化計画等のフォローアップ結果

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―8―

【平成19~24年度 補償金免除繰上償還実施額等】○ 団体数 : 1,591団体○ 繰上償還額 :3兆8,283億円○ 補償金免除相当額 : 8,923億円

【平成22~24年度の臨時特例措置】○ 団体数 : 643団体○ 繰上償還額 :5,963億円○ 補償金免除相当額:1,351億円

【平成19~21年度の臨時特例措置】○ 団体数 : 1,500団体○ 繰上償還額 :3兆2,320億円○ 補償金免除相当額: 7,571億円

(注)平成22年度に金利6.3%以上、平成23年度に金利6%以上、平成24年度に金利5%以上の補償金免除繰上償還を実施。

(注)団体数は重複除く

(注)平成19年度に金利7%以上、平成20年度に金利6%以上、平成21年度に金利5%以上の補償金免除繰上償還を実施。

【財政健全化計画等(5年間)のフォローアップの概要】

19年度 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 26年度 27年度 28年度

度〔 今回のフォローアップ〕

27年度実績に基づき

28年度にフォローアップ

地方向け財政融資資金の補償金免除繰上償還の実施結果

※毎年度、前年度実績に基づきフォローアップを実施

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○ 補償金免除繰上償還と財政健全化計画等地方公共団体に係る旧資金運用部資金の補償金免除繰上償還については、地方公共団体が策定した5年間

の財政健全化計画等の承認を条件として平成19~24年度に実施した。財政健全化計画等については、毎年度、前年度実績に基づきフォローアップを実施しており、計画最終年度において計画目標未達成となった地方公共団体については、原則、3年間の貸付制限を行う。

○ 財政健全化計画等のフォローアップ財政健全化計画等において目標値を定めている「地方債現在高(公営企業債現在高)」、「実質公債費比率又

は累積欠損金比率」、「改善効果額」について、その進捗状況を確認している。(実質公債費比率は普通会計、累積欠損金比率は公営企業会計のみの確認項目。)

○ 平成28年度フォローアップ結果

※ 財政健全化計画等は会計毎に策定。

平成28年度補償金免除繰上償還に係る財政健全化計画等のフォローアップ結果

    311 計画 (236団体)

a (46.9%)

b (3.9%)

c (49.2%)

de

f

g

  やむを得ない事情(計画外の臨時財政対策債の発行、耐震化事業等緊急性の高い事業の  実施等)による影響を除けば、計画目標値達成、又は達成見込み

  計画目標値達成、又は達成見込み

  平成27年度は計画目標値未達成であるが、 終年度までに達成見込み

 146計画

12計画

153計画

  健全化施策は誠実に実施したが、予定していた効果が見込まれない等により計画前年度等  より悪化、又は悪化見込み

  健全化施策を誠実に実施していない

  計画目標値未達成、又は未達成見込みであるが、計画前年度等より改善、又は改善見込み

  やむを得ない事情による影響を除けば、計画前年度等より改善、又は改善見込み

該 当 な し該 当 な し

該 当 な し

該 当 な し

目標未達

だが改善

目標達成

計画前

より悪化

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3 参考資料

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財務状況把握は、財政融資の償還確実性を確認する観点から、地方公共団体の財務状況(債務償還能力と資金繰り状況)を把握するものであり、また、結果概要(診断表)の交付により、地方公共団体に対する財務健全化に関するアドバイス(情報提供等)や財務状況悪化に対する事前警鐘の役割も担っている。

○財務局・財務事務所等における財務状況把握の流れ

(注) 4指標とは、行政キャッシュフロー計算書に基づきストック面を重視して算出した「債務償還可能年数」、「実質債務月収倍率」、「積立金等月収倍率」及び「行政経常収支率」の4つの財務指標のことをいう。

その他の関連指標も加え、財務状況を

モニタリング

行政キャッシュフロー計算書の

作成

地方公共団体に対する

ヒアリング

総務省から決算統計

データ等を入手

結果概要(診断表)の交付

オフサイト オンサイト

全地方公共団体について財務省で作成

4指標(注)に加え、地方財政健全化法の

指標他、各種データを活用

財務の健全化に向けた貸し手としてのアドバイス

選定

財務状況把握の流れ等

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償還確実性と財務上の問題の関係及び財務状況把握の4つの財務指標

地方公共団体の決算統計を利用して作成する行政キャッシュフロー計算書に基づき、ストック面を重視した以下の財務指標を算出し、財務状況把握を実施。

指標名 計算式 視点 意義 備考(家計に例えると)

①債務償還可能年数 実質債務/行政経常収支 債務償還能力1年間で生み出される償還原資の何倍の債務を抱えているかを確認

ローンの返済に何年かかるか

②実質債務月収倍率 実質債務/(行政経常収入/12) 債務の大きさ1月当たりの収入の何ヶ月分の債務があるかを確認

ローンの返済が給与の何ヶ月分あるか

③積立金等月収倍率 積立金等/(行政経常収入/12) 資金繰り余力1月当たりの収入の何ヶ月分の積立金があるかを確認

預貯金が給与の何ヶ月分あるか

④行政経常収支率 行政経常収支/行政経常収入償還原資

経常的な収支1年間の収入からどの程度の償還原資を生み出しているかを確認

ローンの返済に回せるお金は給与のうちどのくらいか

最終目的

視点

財務上の問題

診断基準(市区町村)

財務指標

      (債務系統) (収支系統) (積立系統)

債務償還可能年数

償還確実性

債務償還能力 資金繰り状況

実質債務月収倍率 行政経常収支率 積立金等月収倍率

債務高水準

①実質債務月収倍率が24ヶ月以上

②実質債務月収倍率が18ヶ月以上、

かつ、債務償還可能年数が15年以上

収支低水準

①行政経常収支率が0%以下

②行政経常収支率が10%未満、

かつ、債務償還可能年数が15年以上

積立低水準

①積立金等月収倍率が1ヶ月未満

②積立金等月収倍率が3ヶ月未満、

かつ、行政経常収支率が10%未満

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全市区町村の行政キャッシュフロー計算書の概要

行政キャッシュフロー計算書では、現金預金の流れを「行政活動の部」、「投資活動の部」及び「財務活動の部」の3つに区分。

平成27年度の全市区町村合計の行政キャッシュフロー計算書の特徴は以下のとおり。

• 行政経常収入は、地方消費税交付金の増加等により15,284億円増加。• 行政経常支出は、子ども子育て支援新制度による扶助費の増加等により10,700億円増加。• 収入の増加額が支出の増加額を上回ったことから、行政経常収支は4,585億円増加。

• 地方債現在高は870億円増加したものの、有利子負債相当額が794億円減少したほか、積立金等が6,728億円増加したことにより、実質債務は6,652億円減少。

■行政活動の部■

H26 H27 増減

行政経常収入 437,282 452,566 15,284

地方税 189,915 189,560 ▲355

地方交付税 95,342 95,413 70

国(県)支出金等 101,737 106,224 4,487

地方譲与税・交付金 25,087 35,386 10,299

(地方消費税交付金) 15,200 25,152 9,953

その他 25,201 25,984 783

行政経常支出 383,686 394,385 10,700

人件費 82,932 83,018 87

扶助費 118,669 122,693 4,024

補助費等 48,255 50,841 2,586

繰出金(建設費以外) 49,577 52,337 2,761

その他 84,254 85,496 1,242

行政経常収支 53,596 58,181 4,585

行政特別収入 6,010 6,152 142

行政特別支出 2,978 2,735 ▲243

行政収支 56,628 61,598 4,970

行政経常収支

実質債務

■投資活動の部■

H26 H27 増減

投資収入 52,643 48,391 ▲4,253

国(県)支出金 23,162 20,159 ▲3,002

貸付金回収 14,194 13,184 ▲1,010

基金取崩 12,532 11,110 ▲1,421

その他 2,757 3,937 1,180

投資支出 110,108 105,568 ▲4,540

普通建設事業費 79,383 77,032 ▲2,350

貸付金 14,021 13,041 ▲980

基金積立 13,245 12,050 ▲1,195

その他 3,460 3,445 ▲15

投資収支 ▲57,464 ▲57,177 287

■財務活動の部■ 単位:億円

H26 H27 増減

財務収入 52,436 50,512 ▲1,924地方債 52,436 50,512 ▲1,924(建設債等) 31,704 32,048 344(臨財債等) 20,732 18,464 ▲2,267

財務支出 50,497 49,563 ▲934元金償還額 50,495 49,561 ▲934(建設債等) 37,741 37,199 ▲541(臨財債等) 12,754 12,362 ▲392前年度繰上充用金 2 2 ▲0

財務収支 1,939 949 ▲990収支合計 1,102 5,370 4,267

■残高■

H26 H27 増減

実質債務 417,102 410,450 ▲6,652地方債現在高 554,667 555,537 870(臨財債等) 204,280 210,375 6,095有利子負債相当額 21,955 21,161 ▲794積立金等 159,520 166,248 6,728

※実質債務=地方債現在高+有利子負債相当額-積立金等

※計数は決算統計を基礎としている。

※各欄は単位未満四捨五入のため、合計において合致しない場合がある。

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全都道府県の行政キャッシュフロー計算書の概要

平成27年度の全都道府県合計の行政キャッシュフロー計算書の特徴は以下のとおり。

• 行政経常収入は、地方消費税、法人事業税など地方税の増加により20,729億円増加。• 行政経常支出は、地方消費税交付金など補助費等の増加により14,658億円増加。• 収入の増加額が支出の増加額を上回ったことから、行政経常収支は6,071億円増加。

• 積立金等は155億円減少したものの、地方債現在高が5,642億円減少したほか、有利子負債相当額が1,789億円減少したことにより、実質債務は7,276億円減少。

■行政活動の部■

H26 H27 増減

行政経常収入 341,591 362,320 20,729

地方税 177,940 201,426 23,486

地方交付税 88,788 88,457 ▲331

国庫支出金等 35,030 34,727 ▲303

その他 39,833 37,710 ▲2,123

行政経常支出 305,818 320,476 14,658

人件費 136,462 136,880 418

扶助費 10,381 10,552 170

補助費等 124,366 139,541 15,175

繰出金(建設費以外) 1,626 1,260 ▲366

その他 32,984 32,244 ▲740

行政経常収支 35,772 41,843 6,071

行政特別収入 7,505 7,336 ▲169

行政特別支出 5,098 4,871 ▲228

行政収支 38,179 44,309 6,130

行政経常収支

実質債務

■財務活動の部■ 単位:億円

H26 H27 増減

財務収入 61,436 55,281 ▲6,155

地方債 61,436 55,281 ▲6,155

(建設債等) 27,497 28,551 1,054

(臨財債等) 33,939 26,730 ▲7,210

財務支出 62,884 61,101 ▲1,783

元金償還額 62,884 61,101 ▲1,783

(建設債等) 49,712 46,569 ▲3,144

(臨財債等) 13,171 14,532 1,361

財務収支 ▲1,448 ▲5,820 ▲4,373

収支合計 3,064 ▲613 ▲3,677

■残高■

H26 H27 増減

実質債務 819,156 811,880 ▲7,276

地方債現在高 895,849 890,207 ▲5,642

(臨財債等) 329,365 341,758 12,392

有利子負債相当額 15,363 13,574 ▲1,789

積立金等 92,055 91,901 ▲155

※実質債務=地方債現在高+有利子負債相当額-積立金等

※計数は決算統計を基礎としている。

※各欄は単位未満四捨五入のため、合計において合致しない場合がある。

■投資活動の部■

H26 H27 増減

投資収入 88,915 79,010 ▲9,905

国庫支出金 25,638 24,587 ▲1,052

貸付金回収 41,546 36,863 ▲4,683

基金取崩 18,655 15,039 ▲3,617

その他 3,075 2,522 ▲554

投資支出 122,582 118,112 ▲4,470

普通建設事業費 71,838 67,794 ▲4,043

貸付金 35,307 33,413 ▲1,894

基金積立 13,826 15,473 1,647

その他 1,612 1,432 ▲179

投資収支 ▲33,667 ▲39,102 ▲5,435

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―15―

ⅰ.財務状況把握の充実

これまでの取組みにより、地方公共団体(市町村向け)の財務状況把握は、制度的に定着してきているが、財政融資資金の償還確実性を確保する観点から、以下のとおり、さらなる財務状況把握の充実を図る必要がある。① モニタリングの充実

団体の財務状況の的確な把握のため、引き続き、経年比較による財務指標や計数の分析・検証の充実を図る。

② ヒアリングの有効活用

団体の財務健全化の取組事例を収集し、収集事例を他の団体へ紹介するなどにより、アドバイス機能の発揮を図る。

③ 診断表の内容の改善

アドバイス機能の向上を図り、また、団体による有効活用(診断結果のHP・広報誌掲載や議会説明など)を促すため、引き続き、内容の改善や説明の充実(類似団体との比較など)を図る。

④ 都道府県向けヒアリング平成26 年度以降、ヒアリング実績を積み重ね、財務状況把握の枠組みの構築を図る。

ⅱ.財務状況把握の活用

財務局等においては、診断表の交付などの地方公共団体と接するあらゆる機会を活用し、各団体における財務状況把握の活用の促進に努める。

地方公共団体の財政に関心を有する者に対して、様々な機会を捉えて分析手法の説明等を行い、その周知を図る。

また、財務状況把握の結果を財政融資資金の融資審査に効果的に活用するなど、財務局等における地方公共団体向け融資実務のPDCAサイクルに、より的確に位置づける必要がある。

財政投融資を巡る課題と今後の在り方について (抄)(平成26年6月17日 財政制度等審議会財政投融資分科会)

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地方財政の「見える化」の主なスケジュール(経済・財政再生計画 改革工程表)

平成27年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2015」において、地方公共団体の歳出改革・効率化を進める観点から、地方財政の「見える化」が掲げられている。

「経済・財政再生アクション・プログラム」では、団体に対し統一的な財務書類の作成のほか、公共施設等総合管理計画の整備(平成28年度末まで)、有形固定資産減価償却率の導入(平成30年度末まで)等を求めている。

(注)内閣府「経済・財政再生計画改革工程表」(平成27年12月24日経済財政諮問会議)を基に作成。

平成28年度 平成29年度 平成30年度 平成31年度

○住民一人当たり行政コストの公表

○有形固定資産減価償却率の導入

○予算・決算の対比に関する情報開示の充実

○統一的な基準による地方公会計の整備 (含:固定資産台帳整備)

○公共施設等総合管理計画の整備

○公営企業会計の適用推進 ・下水道事業 ・簡易水道事業

・固定資産台帳を整備した団体数

【平成29年度末までに100%】

・統一的な基準による地方公会計を整備した団体数

【平成29年度末までに100%】

・平成30年度末までの導入目標

・下水道事業、簡易水道事業における公営企業会計の適用団体数(人口3万人以上対象)

【平成31年度末までに対象団体の100%】

・計画を策定した団体数

【平成28年度末までに100%】

平成28年度末までに公表

・維持補修費、普通建設事業費(新規整備・既存更新)等

の性質別

・民生費、衛生費、教育費等の目的別

・平成28年度末までに見える化

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財務状況把握と地方財政の「見える化」との関係

○財務状況把握の流れ

その他の関連指標も加え、財務状況をモニタリング

行政キャッシュフロー計算書の作成

地方公共団体に対するヒアリング

選定総務省から決算統計

データ等を入手

結果概要(診断表)

の交付

※全地方公共団体について財務省で作成

※地方財政健全化法の指標や行政キャッシュフロー計算書に基づいた指標を活用

※財務の健全化に向けた貸し手としてのアドバイス

○ 統一的な基準による地方公会計

○地方財政の「見える化」

○ 住民一人当たり行政コスト

○ 公共施設等総合管理計画

○ 有形固定資産減価償却率

※財務状況把握に近い分析ができる可能性。今後の状況を注視。

※今後、財務状況把握のモニタリング・ヒアリングの指標として活用検討。

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公的資金の補償金免除繰上償還の実績

資金 金利

19~21年度 22~24年度 25年度

普通会計 公営企業 普通会計 公営企業 普通会計 公営企業

対象要件

4%以上 (対象外)

東日本大震災特別財政援助法が定める、特定被災地方公共団体に指定されていること

(対象金利4%以上)

5%以上実質公債費比率

18%以上 等資本費1.2倍以上 等

実質公債費比率18%以上 等

資本費1.2倍以上 等

6%以上実質公債費比率

15%以上 等資本費1.0倍以上 等

実質公債費比率15%以上 等

資本費1.0倍以上 等

7%以上経常収支比率

85%以上 等

実質公債費比率15%以上かつ

経常収支比率85%以上 等

経常収支比率85%以上 等

実質公債費比率15%以上かつ

経常収支比率85%以上 等

政府資金

旧資金運用部資金(注)

(平成4年5月31日以前の貸付)

繰上償還額 3兆2,320億円 5,963億円

(対象外)

補償金免除相当額

7,571億円 1,351億円

旧簡易生命保険資金(注)

(平成4年5月31日以前の貸付)

繰上償還額 4,994億円 2,000億円

補償金免除相当額

1,100億円 442億円

旧公営企業金融公庫資金

(平成5年8月31日以前の貸付)

繰上償還額 1兆2,750億円 2,932億円 1,627億円

補償金免除相当額

2,124億円 570億円 266億円

(注)財政力指数1未満の団体のみが対象

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地方公営企業の経営のあり方等

「公営企業の経営のあり方に関する研究会」報告書(平成29年3月22日公表)(抄)1.「抜本的な改革」の必要性と検討プロセス

・ 人口減少等に伴う料金収入の減少、施設等の老朽化に伴う更新需要の増大、大量退職等に伴う職員数の減少、制度改革に伴う影響など、公営企業を取り巻く経営環境は厳しさを増しつつある。特に中小の公営企業では、現在の経営形態を前提とした取組だけでは、将来的な住民サービスの確保が困難となる懸念。

・ 各公営企業は、公営企業会計の適用、経営比較分析表の活用、中長期的な投資必要額と財源の具体的な推計等により、事業の現在の課題、将来の見通し・リスクを「見える化」して把握、分析、公表した上で、当該事業の必要性と担い手のあり方について、「抜本的な改革」の検討を行うことが必要。

・ 「抜本的な改革」の検討において、各公営企業は、①事業そのものの必要性・公営で行う必要性、②事業としての持続可能性、③経営形態(事業規模・範囲・担い手)の3つの観点から整理を行い、事業廃止、民営化・民間譲渡、広域化等及び民間活用という4つの方向性を基本として、改革の検討が必要。

2.水道・下水道事業・ 人口減少等に伴う料金収入の減少や更新需要の増大等を踏まえ、広域化等及び更なる民間活用を検討。

【水道・下水道事業における民間活用の留意点】

・ 民間活用は、コストダウンだけでなく、民間の有する技術やノウハウを積極的に活用する点にも意義があることに留意すべき。

・ 指定管理者制度や、包括的民間委託、コンセッションを含むPPP/PFI方式等の活用を積極的に検討すべき。・ 広域化等とあわせた民間活用について検討すべき。・ 都道府県は、民間活用の推進に当たって積極的に関与する役割が期待。

○ 地方公営企業の「抜本的な改革」の4つの方向性

1.事業廃止

2.民営化・民間譲渡

3.広域化等(事業統合をはじめ、施設の共同化、管理の共同化等を含む。)

4.民間活用(指定管理者制度、包括的民間委託、コンセッションを含むPPP/PFI等)

○ コンセッションのメリット(他の民間活用手法との比較)

・ 長期にわたる契約期間

・ 民間事業者の業務範囲に設備投資を含む前提

・ 民間事業者が、契約期間を通じた投資回収リスクを負う

○ コンセッション(公共施設等運営権方式)

・ 利用料金の徴収を行う公共施設について、

・ 所有権は自治体が有したまま、

・ 民間事業者に当該施設の運営を委ねる方式のPFI

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上下水道分野における公共施設等運営権方式(コンセッション)推進の議論①

「未来投資戦略2017」 (平成29年6月9日 閣議決定)(抄)

第1 ポイント

Ⅱ(B)4.公的サービス・資産の民間開放人口減少等需要が減少する「成熟対応分野」の公共施設等運営権方式導入の拡大

(残された課題)・ 公共施設等運営権方式を活用する地方公共団体にとって、従来型発注方式から切り替えることにつ

いて、メリットが必ずしも実感できず、横展開が進んでいない。

(主な取組)・ 上下水道分野における地方公共団体による案件形成支援のため、公共施設等運営権方式を導入す

る事業に係る地方債を運営権対価で繰上償還する際の特例的な支援について、次期通常国会において必要な法制上の措置を講ずる。

・ 水道事業において、先行案件を形成するために、公共施設等運営権方式の国内における成果が確認される前に取り組む案件など一定のものに限り、交付金や補助金による措置等によって、地方公共団体の新たな負担感をなくす仕組みの導入について、平成28年度補正予算の執行状況等も勘案しつつ検討する。

第2 具体的施策

・ 地方公共団体による公共施設等運営権方式の上下水道事業への導入を促進する観点から、一定の期間を設け、今後の横展開の呼び水となる先駆的取組を通じ当該事業に有する債務を運営権対価で繰上償還する際に、補償金の免除・軽減により特例的に支援するため、PFI法について、来年度から適用されるよう必要な措置を講ずる。

Ⅱ(B)4.公的サービス・資産の民間開放(PPP/PFIの活用拡大等)(2) 新たに講ずべき具体的施策 ⅱ) 成熟対応分野で講ずべき施策

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上下水道分野における公共施設等運営権方式(コンセッション)推進の議論②

「PPP/PFI推進アクションプラン(平成29年改定版)」(平成29年6月9日 民間資金等活用事業推進会議決定)(抄)

4.集中取組方針 (2)重点分野と目標 ②水道

平成26年度から平成28年度までの集中強化期間中の数値目標は達成していない。平成29年3月に国会に提出された水道法の一部を改正する法律案や、平成30年度にPFI法の改正による立法措置を講じることを前提として政府部内で検討を進めることとされている上下水道事業に係る債務を地方公共団体が運営権対価で繰上償還する際の補償金の減免措置を通じて、制度の改善やインセンティブ設計の検討を行っている 中である。そのため、集中強化期間を平成30年度末まで伸ばし、次に掲げる措置等により、6件のコンセッション事業の具体化を目標とする。合わせて、既に検討に着手している案件について、事業開始まで切れ目ない支援を行うことにより、コンセッション事業の着実な導入促進を図る。

「経済財政運営と改革の基本方針2017」 (平成29年6月9日 閣議決定)(抄)

第3章 経済・財政一体改革の進捗・推進 3.(2) 社会資本整備等

上下水道等の経営の持続可能性を確保するため、2022年度(平成34年度)までの広域化を推進するための目標

を掲げるとともに、「未来投資戦略2017」及び「PPP/PFI推進アクションプラン(平成29年改定版)」に基づき、コン

セッション事業等をはじめ、多様なPPP/PFIの活用を重点的に推進する。

① 基本的な考え方

⑤ PPP/PFIの推進

公共施設等の整備・運営に係る公的負担の抑制を図りつつ、民間投資やビジネス機会の拡大を図るため、 「未来

投資戦略2017」及び「PPP/PFI推進アクションプラン(平成29年改定版)」に沿って、PPP/PFIの普及を着実に推進

する。

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上下水道分野における公共施設等運営権方式(コンセッション)推進の議論③

水道法の一部を改正する法律案の概要(平成29年3月7日 国会提出)(抄)

(改正の趣旨)

・ 人口減少に伴う水の需要の減少、水道施設の老朽化、深刻化する人材不足等の水道の直面する課題に対応し、水道の基盤の

強化を図るため、所要の措置を講ずる。

(改正の概要)

4.官民連携の推進

地方公共団体が、水道事業者等としての位置付けを維持しつつ、厚生労働大臣等の許可を受けて、水道施設に関する公共施設

等運営権を民間事業者に設定できる仕組みを導入する。

「経済・財政再生計画」の着実な実施に向けた建議(平成29年5月25日 財政制度等審議会)(抄)Ⅱ 主要分野において取り組むべき事項

3.社会資本整備 (2)生産性向上に向けた中長期的な課題と今後の方向性

②受益者負担の原則の徹底と民間活用の推進

下水道事業において、国費による支援は、水道事業に比べて、補助率が高く、補助対象が広くなっており、新設・更新は、ほぼ

国費や地方債で賄われるなど、受益者負担の原則と整合的なものとはなっていない。こうした状況も踏まえ、昨年春の建議におい

て、下水道事業の受益者負担の環境整備を提言した。(中略)受益者負担の原則を徹底し、集中豪雨による浸水被害の防止等の

雨水対策・水質保全等の役割を勘案しつつ、原則として使用料で必要な経費を賄うことを目指すべきである。その際、国費での支

援については、こうした方向性に沿った取組を促進する観点から、水道事業体系・役割も参考にしつつ、徹底した重点化を検討す

べきである。

もちろん、受益者負担の原則を追求する以上、コスト縮減の徹底は欠かせない。その際、民間活用が有効であり、本年3月に事

業者が決定された浜松市のコンセッション事業では、25 億円の運営権対価と14%のコスト削減効果が見込まれている。(中略)こう

した先行事例を踏まえ、下水道分野におけるPPP/PFIの横展開が着実に進むよう、支援の在り方を含め、更なる環境整備を進め

るべきである。

なお、インフラの更新需要が増大する中で必要なインフラを維持していくためにも、空港や下水道以外の分野においてもコンセッ

ション等の民間活用とその高度化を推進し、維持管理・更新のコストを可能な限り縮減すべきである。(後略)

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財政融資資金等の実地監査について

平成 29 年 6 月 15 日

財 務 省 理 財 局

資料3

財政融資資金等の実地監査について

平成 28 年 6 月 10 日

財 務 省 理 財 局

資料3

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1 法人等実地監査

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○ 財政投融資の対象事業を行う独立行政法人等に対し、公的資金の貸し手としての

視点から、①財政投融資の対象事業にふさわしい政策的意義、②財務の健全性・償

還確実性、③資金の適正な執行などの実態について実地に確認し、必要に応じて改

善を求めている。

○ 平成26事務年度からは、「財政投融資を巡る課題と今後の在り方について」(平成

26年6月財政投融資分科会)を踏まえ、内部統制やリスクコントロールにも焦点を当て

るとともに、 官民ファンド等の産業投資対象機関に対しては、 ガバナンス機能の実態

確認に重点を置いた監査等を実施している。

【 実施状況 】

平成28事務年度(平成28年7月~平成29年6月)は、以下の3機関に対して実施。

法人等実地監査の概要及び実施状況

-2-

平成28事務年度 (参考)平成27事務年度

・(独)地域医療機能推進機構

・(株)民間資金等活用事業推進機構

・(独)水資源機構

・(株)海外需要開拓支援機構

・(独)奄美群島振興開発基金

・国立研究開発法人 国立循環器病研究センター

・国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター

※平成28事務年度においては、新たな取組みとして、地方公営企業が行う病院事業について、本省実地監査官が財務局と連携して監査を実施した。そのため、人員等を勘案し、実施機関数を3機関とした。

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① 独立行政法人 地域医療機能推進機構 (初回監査)

各機関の監査結果の概要①

-3-

検証項目 改善・検討等を求めた事項

診療報酬算定業務 ・ 機構本部は、運営する57病院のうち10病院を対象に行った診療報酬算定業務の外部調査結果を踏まえ、全病院から当該業務に係る取り組みを報告させたうえで、事例紹介等の研修を実施しているが、その後各病院の改善状況等についてフォローアップを行っていない。

これに関し、各病院から報告された取り組みや研修の効果を検証し、その検証結果を各病院と情報共有するほか、必要に応じて機構本部が指導を行うなど、各病院の事務能力向上に取り組み、診療報酬請求漏れの防止に努めることを求めた。

医業未収金の管理・督促

・ 機構本部は、各病院から医業未収金額(患者負担分)を報告させ、これを基に「医業未収金比率一覧」を作成し、各病院と共有はしているが、報告を活用した取り組みが十分に行われていない。これに関し、各病院からの報告を分析し、その結果を効果的な取組事例と合わせて各病

院と情報共有するほか、必要に応じて機構本部が指導を行うなど、医業未収金の抑制に一層努めることを求めた。

② 株式会社 民間資金等活用事業推進機構 (初回監査)

検証項目 改善・検討等を求めた事項

規程類の整備状況 ・ マニュアルなど会社運営に関する詳細事項等を定めた「要領等」については、機構が定めた「規程類管理規程」の規定により、「規程類管理要領」を定めて指定することとしているが、「規程類管理要領」が定められていない。これに関し、「規程類管理要領」を定めて指定を行うことを求めた。

業務の適正な執行状況

・ 秘密保持契約の締結に関し、契約締結に係る稟議書の決裁日前に契約を締結している案件を確認した。これに関し、契約締結日については、契約締結に係る稟議書の決裁日以降とすべきであ

り、また、秘密保持契約などにおいて効力発生日を遡及させる特段の事情がある場合には、契約書に遡及条項を置くなど、適正な事務運営の確保に努めることを求めた。

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③ 独立行政法人 水資源機構 (平成18事務年度、平成23事務年度に続き3回目の監査)

各機関の監査結果の概要②

-4-

検証項目 改善・検討等を求めた事項

長期収支の見通し ・ 長期収支見通しを単一の前提条件の下で作成しており、金利変動をはじめ収支に影響を与える要因を考慮していない。これに関し、長期収支見通しの作成にあたっては、収支に影響する変動要因を考慮した複

数の前提条件の下でその妥当性について検証を行うことを求めた。

業務の適正な執行状況

・ 土地等売買契約の締結に関し、契約締結に係る決裁文書の決裁日前に契約書を手交している案件を確認した。

これに関し、契約事務については、内部規程に基づいた適正な事務手続きを機構内で周知徹底するほか、必要に応じて規程を見直すなどにより、再発防止に努めることを求めた。

(参考)法人等実地監査における監査フロー図

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2 地方公共団体に対する実地監査

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○ 全国の財務局・財務事務所等の資金実地監査官等が、財政融資資金の貸付先である地方公共団体を定期的に監査し、資金の使用状況及び事業の成果、公営企業の経営状況等の実態を実地で確認し、必要に応じて改善を求めている。

○ 平成26年度から監査手法を見直し、損益実績だけでなく、キャッシュフローと債務残高(債務償還能力)を分析・評価し、中長期的視点からの財務分析やアドバイス機能を充実させている。

○ 平成28年度から法人等実地監査(本省)と地方監査(財務局)が連携をすることで、地方監査の充実を図っている。

平成28年度 地方公共団体に対する実地監査の結果について①実施状況(平成28年4月~平成29年3月)

地方公共団体に対する実地監査の概要及び結果①

【注1】本表は、全公営企業8,614先の内、実地監査の対象事業かつ平成27年度末に財政融資貸付残高を有する公営企業について掲載。(総務省「地方公営企業年鑑」平成27年度決算値)

【注2】上水道事業は「末端給水事業」、下水道事業は「公共下水道」「特定環境保全公共下水」「農業集落排水施設」及び「漁業集落排水施設」について監査を実施。

【注3】実地監査は、公営企業の経営悪化等の状況を踏まえ、平成20年度から公営企業の経営状況把握に重点をシフト。平成26年度から監査手法の充実を図り、事前のモニタリングで債務償還能力等に

問題があると認められた優先対象先に対して監査を実施。

団体数 財政融資資金

(A) 残高(億円) (B) 割合(B/A) (C) 割合(C/B)

都道府県・政 令市 67 208,364 8 11.9% 0 0.0%

市 ・ 特 別 区 793 222,898 123 15.5% 6 4.9%

町 村 928 51,380 113 12.2% 4 3.5%

一 部 事 務 組 合 679 13,587 10 1.5% 0 0.0%

合 計 2,467 496,229 254 10.3% 10 3.9%

区 分監査実施団体数 改善報告を求めた先

貸付資金の使用状況等

監査内容

-6-

企業数 財政融資資金

(A) 残高(億円) (B) 割合(B/A) (C) 割合(C/B)

上 水 道 事 業 1,250 34,058 66 5.3% 0 0.0%

下 水 道 事 業 2,824 88,051 274 9.7% 3 1.1%

病 院 事 業 807 23,661 74 9.2% 0 0.0%

合計 (3事業) 4,881 145,770 414 8.5% 3 0.7%

監査実施企業数 改善報告を求めた先

公営企業の経営状況

監査内容 区 分

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【経費回収率等】図1

【公共下水道事業の「規模別」経費回収率】図3【病院事業の病床利用率と医業収支比率】

【下水道事業の「汚水処理原価」と「使用料単価」】図2-①

図2-②

地方公共団体に対する実地監査の概要及び結果②

-7-

②監査実施企業の経営状況等

■ 60%未満 ■ 60%以上80%未満 ■ 80%以上100%未満 ■100%以上

■ 60%未満 ■ 60%以上80%未満 ■ 80%以上100%未満 ■100%以上

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地方公共団体に対する実地監査の概要及び結果③

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③ 監査実施企業における経営上の課題等(問題意識の共有化)

・ 財政投融資分科会の提言を受け、平成26年度より、中長期的な債務償還能力の状況、経営上の課題等について「留意すべき事項」として、監査先全てに通知。

・ 平成28年度実地監査において、監査先と共有した「経営上の主な課題等」と「公営企業の対応策」は以下のとおり。

(注)「○」は経営上の主な課題等、「⇒」は公営企業の対応策(例)

収入に関する課題

費用に関する課題

企業債残高

設 備 投 資 に関 す る 課 題

 ○今後の大規模な建設事業(施設更新事業含む)の実施により企業債残高が増加【3事業共通】 ○管路、施設の老朽化対策や長寿命化・耐震化に係る建設改良費の増加【上・下水道】

収支計画の策定  ⇒人口減少、高齢化の進展を踏まえた中長期の需要見通し  ⇒経営計画や事業・施設統廃合計画の策定にあたり、収益と費用を収支計画へ的確に反映  ⇒長期的な視点での投資採算性を踏まえた事業・収支計画の策定

上水道事業・下水道事業 病 院 事 業

償還キャッ

シュ

確保

 ○人口減少に伴う需要の減少【共通】 ○料金設定が低い【共通】  ⇒コストに見合った料金の見直し ○人口密集度の低い地域の整備【下水道】 ○水洗化率の低迷【下水道】  ⇒水洗化に向けた広報、個別訪問

 ○医師・看護師等の人員不足  ⇒大学、地域医療機関との連携強化 ○人口減少等に伴う患者の減少  ⇒医療需要に応じた病床機能の転換  ⇒医療圏における病院の役割の明確化

 ○山間部等地勢的要因等によるコスト高【共通】  ⇒民間委託(包括的民間委託等)による事業の効率化  ⇒施設等の統廃合

 ○医師・看護師の人件費が増加  ⇒人員配置の適正化、給与の見直し ○材料費や委託費が増加  ⇒経費の削減  ⇒経営形態の見直し(有床診療所への転換等)

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地方監査(病院事業)の充実に向けた取組み

・上記の背景を踏まえ、平成28年度から2年間、医療系の独立行政法人に対する監査のノウハウ

を持つ法人等実地監査官が財務局と連携し、地方公営企業の病院事業の監査を実施

概要

・病院事業の連携監査では、これまで地方監査が行ってきた償還確実性の確認に加え、業務運営

上の態勢整備や医業未収金の管理・督促状況等、「経営上の問題点及び将来リスク」について確認

ポイント

法人等実地監査(本省)と地方監査(財務局)の連携

主な着眼点

・人口減少、高齢化や他病院との関係も視野に入れた収支計画となっているか

・収支計画における施設整備効果や医師確保に伴う増収見込みは的確な数値となっているか

・医業未収金の管理・督促や発生防止への取組みは十分になされているか

○地域医療構想(平成27年3月:厚労省⇒都道府県)

平成37年に団塊の世代が75歳となり、医療・介護需要が最大化し、高齢者人口の増加には大きな地域差があることから、医療の機能に見合った資源の効果的かつ効率的な配置を促し、患者の状態に見合った病床で、より良質な医療サービスを受けられる体制を作ることが目的。

<主な内容>

①平成37年の医療需要

②平成37年に目指すべき医療体制

③目指すべき医療体制を実現するための施策

公立病院を取り巻く背景

○公立病院改革プラン(平成19年12月:総務省⇒地方公共団体)

公・民の適切な役割分担の下、地域において必要な医療提供体制を確保し、公立病院が安定した経営の下でへき地医療・不採算医療や高度・先進医療等を提供する重要な役割を継続的に担っていくことができるようにする。

<3つの視点>

①経営効率化 ②再編・ネットワーク化 ③経営形態の見直し

○新公立病院改革プラン(平成27年3月:総務省⇒地方公共団体)

公立病院改革プランの視点に、「地域医療構想を踏まえた役割の明確化」を追加。

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(事例3)事業費の過大計上による貸付超過

○ 公共下水道事業について、借入申込書に記載のあった事業費

よりも実際の事業費が減少していたため、貸付限度額を超過して

いた事例。

(事例1)控除財源の過小計上による貸付超過

○ 公共下水道事業について、借入申込書に記載のあった控除財源

が移転補償収入の計上漏れにより過小に計上されており、貸付

限度額を超過していた事例。

【措置別】

【事由別】

(事例2)対象外事業費である備品類の混入による貸付超過

○ 緊急防災・減災事業について、貸付対象外事業費である備品類が

混入していたため、貸付限度額を超過していた事例。

※ 貸付の対象となる備品は、原則として一品当たりの取得価格が

20万円以上であって、かつ耐用年数が5年以上のもの。

(地方債同意等基準運用要綱)

事業費の過大計上

対象外事業費の混入

控除財源の過小計上

4団体

関係部署間の連携不備

2団体

2団体

1団体

1団体

使用管理が不適切

5団体

繰上償還文書注意

4団体

1団体

事後承認

≪上記3事例について、貸付限度額の超過分は、繰上償還とした。≫

貸付資金の使用状況等(不適切な借入)

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3 参考資料

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平成27事務年度の法人等実地監査結果のフォローアップ①

-12-

指摘事項 対応状況

【投資決定プロセス】

・投資案件に係る投資先との基本合意等の締結に際しては、「投

資規程」で海外需要開拓委員会の事前承認が必要とされていた

が、同委員会の承認を得ずに締結した案件が認められた。

適正な投資決定プロセスを確保する観点から、所要の措置を講

じた上で、「投資規程」と運用の一致を図ること。

・投資案件に係る投資先との合意の締結については、海外需要開

拓委員会各委員の了承を得た上で、「投資規程」を改訂し、同委

員会の事前承認を必要とする範囲を明確にするとともに、当該

規程に則した運用を徹底した。

【委員会の事務局運営】

・機構法等により海外需要開拓委員会等の議事録の作成等が義

務付けられているが、作成等が一部行われていなかったため、

投資決定過程等の透明性を確保する観点から、同委員会等の

事務局運営を適切に行うこと。

・海外需要開拓委員会等の議事録については、会議開催後一ヶ

月以内を目途に作成し、委員等の署名を得るよう内部規程を定

めた。

【業務の適正な執行】

・「規程管理規程」で全ての規程等を網羅した「規程集」を作成し、

社内公開するとされていたが、規程等の一部が編綴されておら

ず、役職員が容易に閲覧できない実態が認められたため、規程

等の制定、管理及び周知態勢について改善を図り、適正な業務

運営を確保すること。

・規程等は、全社員が閲覧できるよう社員共有フォルダに一覧性

を持って保管し、また、重要な資料等についても、規程等と同様

に保管することとした。

【利益相反チェック】

・投資案件担当者の利益相反チェックの実施時期については、外

部からの批判を受けるリスクを排除するため、可能な限り早期化

を図ること。

・利益相反チェックの実施時期については、投資案件の本格的検

討に先立ち実施する簡易デューデリジェンス開始段階に早期化

した。

【資金調達】

・投資のための原資として政府保証借入を予定していることから、

具体的な調達方法等について早期に検討を行うこと。

・経営会議に「政府保証借入方法の具体的検討」について付議し、

資金調達事務マニュアル等を作成した。また、借入プロセスに関

して財務省理財局へ事前説明を行った。

株式会社 海外需要開拓支援機構

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平成27事務年度の法人等実地監査結果のフォローアップ②

-13-

指摘事項 対応状況

【保証・融資の審査】

・保証・融資の審査において、大半の案件で償還確実性の判断根

拠を明確にした資料が存在せず、また、審査委員会等の議事録

の大半は、単なる許諾等の結果の記載に留まっている状況で

あった。

審査の厳格化及び債権管理の徹底強化を図る観点から、委員

会での意思決定に至る過程等を合理的に跡付け、又は検証す

ることができるよう改善すること。

・審査委員会において、キャッシュフローや長期収支等により将来

の償還確実性を検証するとともに、協議内容が後日検証できる

よう、議事録において、現状の問題点、償還確実性及び融資決

定の判断理由等を記録することとした。

【経営・再生支援】

・再生支援先等に対して、経営改善計画の妥当性に係る検証及び

フォローアップが適切に実施されていない実態が認められたた

め、内部規程に基づき再生支援を適切に実施すること。

・事業者再生支援委員会を毎月開催し、全支援先に対するフォ

ローアップの内容及び進捗状況について検証を行い、再生支援

の適切な実施を図ることとした。

【債権管理】

・債務者への財務諸表の徴求が、全債務者の24%程度に留まっ

ているため、早急に徴求基準の見直しを行うとともに、債務者の

経営状況把握に努め、債権管理の徹底強化を図ること。

・債務者への財務諸表の徴求については、法人に関してはすべて

の取引先から徴求することで徴求率の向上に努め、債権管理の

徹底強化を図ることとした。

【保証業務に係る有担保割引】

・保証業務において、担保余力が無い案件に対しても、「有担保割

引」を適用した不適切な実態が認められたため、「有担保割引」

の適用方法について早急に改善すること。

・「保証及び融資取扱要綱」を改正し、担保余力がない場合につい

ては「有担保割引」を適用しないよう適用基準を明確化した。

独立行政法人 奄美群島振興開発基金

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平成27事務年度の法人等実地監査結果のフォローアップ③

-14-

指摘事項 対応状況

【医業未収金の管理・督促】

(共通)

・医業未収金(患者負担分)に係る債権の償却処理について、内

部規程に定められた回収手続きを行うことなく償却処理を行って

いる事例が認められたため、内部規程に基づき適正に実施する

こと。

(循環器センター)

・医業未収金管理マニュアルに、回収不能の場合の貸倒処理に

関する具体的な実施処理要件等を追加し、適正に償却処理を実

施した。

(精神・神経センター)

・医業未収金に係る債権の償却処理にあたっては、内部規程に定

めた文書督促や電話督促を実施した上で、適正に実施した。

【財務管理】

(循環器センター)

・センター移転後における現センター跡地の売却収入は、財政融

資資金の償還財源に充てられるため、売却に向けた具体的な計

画を策定するとともに、売却できなかった場合等のリスクを想定

した将来収支見込み等を検討すること。

・中長期計画で作成している収支計画では、センター移転による

影響が織り込まれていないため、これを反映させても、中長期計

画が確実に達成できるよう、適切な収支計画を作成すること。

(精神・神経センター)

・多額の繰越欠損金を抱えており、その解消には長期間を要する

ことを認識しているものの、将来収支見通しを作成していないた

め、将来収支見通しを作成するとともに、収支改善計画の策定

など所要の改善を行うこと。

(循環器センター)

・現有地に関する資産評価の実施及び現有地売却に関する手法

等を執行役員会等にて審議の上、売却に向けたスケジュールの

策定及び想定されるリスクの洗い出しを行った。

・移転時の診療機能の一部制限に伴う減収の影響や新病院開院

後の職員増員に伴う費用増等を見込んだ上で、収支計画を見直

した。

(精神・神経センター)

・経営改善方策を検討し、長期間の将来収支の見通し等を含めた

繰越欠損金解消計画を策定した上で、公表した。

国立研究開発法人 国立循環器病研究センター ・ 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター

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・ A県X市

・ 人口 約8万人

・ 団体概要 人口減少、高齢化が進む過疎団体

・ 病院概要 市の基幹病院と、地域密着型の2病院の計3病院

・ 経営指標等 基幹病院は病床利用率が低い一方、地域密着型の2病院は地域の診療所

等から入院患者を受け入れる等により、病床利用率が高い状況

収支計画の達成に向けては、医業収益を確保することが必要。具体的には、

・ 計画されている診療科の見直しにより、医師の増員・確保が見込まれているため、市外に流出している患者の診療を市内で完結させること等により、手術件数を増加させ、十分な収益を確保すること。

・ 地域医療構想を踏まえ、①二次医療圏における各病院の位置付け、機能を明確化すること、②市立病院間での連携、機能分化を行うこと。

なお、地域密着型の病院では、基幹病院との役割分担を明確にし、回復期・慢性期を中心とした医療提供体制を継続することで、一定の収益が確保できると見込まれる。

1.企業の概要及び経営状況

2.課題及び問題点

3.監査結果

監査前年度

医業収益 5,874百万円

医業費用 7,025百万円

医業損益 ▲1,151百万円

医業外損益 644百万円

繰入後経常損益 ▲507百万円・ 基幹病院は、慢性的な医師不足等により、病床利用率が伸び悩み、費用に見合った収益が確保できていない。

・ 隣接市に高度急性期医療を担う大規模病院が開院し、市内病院で診察可能な患者が流出している。

・ 県の地域医療構想では、当該二次医療圏では人口が漸減することに伴い、2025年の必要病床数は大きく減少する見込み。

病院事業連携監査(事例1)

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財務指標

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・ B県Y市

・ 人口 約50万人

・ 団体概要 大都市近郊のベッドタウン

・ 病院概要 2病院の病床機能を急性期と回復期に分化し、患者の症状に応じた

医療を提供できるよう、医療連携システムを構築

・ 経営指標等 急性期病院は病床利用率が低く、回復期病院は職員給与費対医業

収益比率が100%弱と高い状況

・ これまでの法人等実地監査で確認した新病院の開院による効果と比較したところ、過大な見込みとはなっていない。

・ 新病院開院により、企業債残高が大幅に増加する見込みであることから、開院による効果を最大限に発揮し、患者の確保等を

図り、収支の改善に取り組むことが必要。

・ 回復期病院に併設された介護老人保健施設を加えた病院事業内の連携は図られているが、地域医療機関との連携の推進等を

目標とした経営健全化計画を着実に実行すること。

1.企業の概要及び経営状況

2.課題及び問題点

3.監査結果

監査前年度

医業収益 16,182百万円

医業費用 18,196百万円

医業損益 ▲2,014百万円

医業外損益 1,269百万円

繰入後経常損益 ▲745百万円

・ 急性期病院は、病院の老朽化による新築移転を予定しており、開院後は患者が増加し、医業収益も増加する計画となっているが、過大な見込みとなっていないか。

・ 回復期病院は、手術を急性期病院へ集約し、相対的に診療単価の低い回復期・慢性期医療を担っていることから、十分な収益を確保できていない。

・ 地域医療連携に向けた取組みが、必ずしも患者数の増加に繋がっていない。

病院事業連携監査(事例2)

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財務指標

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・ C県Z市

・ 人口 約50万人

・ 団体概要 隣接する医療圏から患者が流入する地方中核都市

・ 病院概要 内科を重点に置く地域連携型病院(1病院)

・経営指標等 継続的に経常黒字を計上している

未収金の発生防止、未収状態の長期化及び未収金額の高額化を抑制する観点から、

・速やかな電話督促、再来院時の面談など、機会を捉えて早期に対応する管理体制を整備すること。

・債権管理簿を整備し、督促状の送付、催告等の事務処理を適切に行うこと。

1.企業の概要及び経営状況

2.課題及び問題点

3.監査結果

・ 大学医学部との連携が緊密で、立地的にも大学(医局)に近いことから地理的優位に

あり、医師が充足。休診科もなく、経営状況は比較的良好。

・ 未収金発生から不納欠損処理までの事務手続きを網羅的に整理した規程類がなく、

事務職員不足と相まって、「未収金対策がほぼ手付かず」となっている。

監査前年度

医業収益 5,008百万円

医業費用 5,265百万円

医業損益 ▲257百万円

医業外損益 338百万円

繰入後経常損益 82百万円

病院事業連携監査(事例3)

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財務指標

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