合 板 の 表 面 仕 上 げ 試 験 on the machining of …...fig. 1...

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合 板 の 表 面 仕 上 げ 試 験 タ ク 健 一 郎 On the Machining of Plywood Surface with Coa The performance of Drum Sander and Contact D Belt Sander Kenichiro SETO Kenji NOZAKI 1 .ま き‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2 2 .試験に用いた研削機械‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2 3 .供試材料および測定方法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4 3.1 供試材料‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5 3.2 研削量‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5 3.3 加工面の品質‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥6 4 .機械の研削性能‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥7 4.1 研削マークの解析‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥7 4.2 研削圧力および研削方式が研削量,加工面に及ぼす影響‥‥7 4.2.1 試験方法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥8 4.2.2 試験結果と考察‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥9 (1) 圧縮量と研削性能‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥9 (2) 研削回数と研削量‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 11 (3) 研削方式の組合せと加工面‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 13 5 .研摩紙の走行速度の影響‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14 5.1 試験方法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14 5.2 試験結果と考察‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14 6 .送り速度の影響‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14 6.1 試験方法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 15 6.2 試験結果と考察‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 15 7 .研摩紙の摩耗の影響‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 15 7.1 試験方法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16 7.2 試験結果と考察‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16 8 .樹種別研削特性‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 17 8.1 試験方法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 18 8.2 試験結果と考察‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 18 9 .要 約‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 18 献‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 20 Resume ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 21 Photo . 1 ~14 研削欠点の説明‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 23

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Page 1: 合 板 の 表 面 仕 上 げ 試 験 On the Machining of …...Fig. 1 試験に用いた研削機械 Sanding machine for test Table 1.試験機械の諸元 (注)(1)

    合 板 の 表 面 仕 上 げ 試 験ド ラ ム サ ン ダ ー お よ び コ ン タ ク ト ド  ラ ム  型

ワ イ ド ベ  ル ト サ ン ダ ー に よ る  仕 上 げ

           瀬  戸  健 一 郎           野  崎  兼  司

On the Machining of Plywood Surface with Coated AbrasivesThe performance of Drum Sander and Contact Drum type WideBelt Sander

             Kenichiro SETO

             Kenji NOZAKI

            目       次 1.ま え が き‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2 2.試験に用いた研削機械‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2 3.供試材料および測定方法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4  3.1 供試材料‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5  3.2  研削量‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5  3.3  加工面の品質‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥6 4.機械の研削性能‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥7  4.1 研削マークの解析‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥7  4.2  研削圧力および研削方式が研削量,加工面に及ぼす影響‥‥7  4.2.1 試験方法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥8  4.2.2 試験結果と考察‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥9  (1) 圧縮量と研削性能‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥9  (2) 研削回数と研削量‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 11  (3) 研削方式の組合せと加工面‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 13 5.研摩紙の走行速度の影響‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14  5.1  試験方法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14  5.2  試験結果と考察‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14 6.送り速度の影響‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14  6.1 試験方法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 15  6.2  試験結果と考察‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 15 7.研摩紙の摩耗の影響‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 15  7.1 試験方法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16  7.2  試験結果と考察‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16 8.樹種別研削特性‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 17  8.1  試験方法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 18  8.2  試験結果と考察‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 18 9.要  約‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 18  文  献‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 20  Resume ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 21  Photo. 1~14 研削欠点の説明‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 23

Page 2: 合 板 の 表 面 仕 上 げ 試 験 On the Machining of …...Fig. 1 試験に用いた研削機械 Sanding machine for test Table 1.試験機械の諸元 (注)(1)

 1.まえがき

 合板の二次加工技術の発達にともない仕上面の加工精度の高いものが要求されるようにな

り,表面仕上げ法として研削加工が重要な役割をもつようになった。

 一般に合板の研削加工の目的は,厚さ規正,表面の凹凸やきずなどを除いて平坦にするこ

と,面アラサを小さくかつ平均化して美観と塗装の容易さをねらうことにある。合板の歩止

り向上のためには,最少削り代でこれ等の目的を満たす研削技術が必要とされるのは勿論で

ある。

 木材の研削加工に関し研削条件と研削面の性状については,既に1)~10)の研究結果が発表さ

れているが,これ等は,木材研削の基礎的実験例であって,合板の表面仕上げについて実用

機械を用いた具体的実験例は少ない。

 最近,研削効果を高めるため,汎用的機能を備えた各種の研削機械が製作されるようにな

った。 合板の表面仕上げ用機械は,ベルトサンダー (ストロークサンダー,オートサンダ

ー),ドラムサンダー(カタピラ送り型,ロール送り型,シート送り型),ワイドベルトサ

ンダー(プラテン型,コンタクトドラム型,両者の併用型)に大別される。

 この試験では,合板の表面仕上げ機械として広く用いられているドラムサンダー,ワイド

ベルトサンダーを用いて研削実験を行い,実用研削機械の研削性能を把握し,研削目的に応

じた合理的仕上げ法に関する技術資料を得ようとした。従って,なるべく実際の作業に合わ

せた研削条件を選定し,主として,現場作業的観点から研削技術上の問題点を検討した。

 この試験の実施に当り,試料の調製および諸測定については,合板試験料,吉田弥明,田

口崇,材料科,高橋政治,東京大学学生,上岡帝司の各位の協力を得た。

 また,研削実態調査では,道内合板工場の協力を得た。深く感謝の意を表する。

 2.試験に用いた研削機械

 合板の表面仕上げ用として当場に設置されているドラムサンダー,ワイドベルトサンダーを用いた。 研削機械の主な機構は,加圧機構,研摩紙走行機構,被材削の送り機構であって,機種によって異なっており,機械の研削性能を左右する。 試験機械の型式と機構について, Fig.1 および Table 1.に示す。いずれも合板の最大加工巾 1400 mm,加工厚 2.5 ~ 50 mm のものである。

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 Fig. 1 試験に用いた研削機械  Sanding machine for test

     Table 1.試験機械の諸元 Mechanism of sanding machine for test

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(注)(1) ドラムサンダー

     1)ダブル巻きの研摩紙の巻き代は約 1.5 mm である。

     2)加圧は,ドラム下方定盤を上昇させることによる。

     3)送りは,ドラム前後 2 対の送りロール(上部ロール駆動)による。送り込みべルトの走行速

      度>送りロールの周速である。

     4)各ドラムの間には,板押えバーがついており,合板の反り,くるいを押える。

   (2)ワイドベルトサンダー

     1)加圧は,リンク装置によるコンタクトドラムの上下移動およびドラム昇降用エアシリンダー

      の圧力による。ドラムは,いわゆるセレイテッド・ラバ・ホイールである。

     2)送りは,コンタクトドラム軸と垂直な軸心をもつ送りロールおよび送りロールとチェソによ

      って連動しているピンチロールによる。上部ピンチロールとブラシを保持するフレームは,ハ

      ンドルにより上下し,送り圧力を調節する。下部ピンチロールと送りロールを保持するフレー

      ムは上下に移動しない。

     3)リンク装置による上下移動により,コンタクトドラムと送りロールの軸心のずれを補正する

      ため,上,下ピンチロール,送りロ-ルを保持するフレームは,ハンドルにより前後水平に移

      動する。

     4)研摩紙の張りは,上部アイドルロールにより与えられる。このロールはセンターアームに直

      角に取付けられたロッカーアームのエアシリンダーにより作動する。このテンションロールは

      ロッカーアームを中心に上下に傾斜し,研摩紙の走行位置を自動調節する(テルテング方式)。

     5)各エアシリンダーおよびダスト除去用エアジェットのため,コンプレッサ 1241.6 l/min,

     (11kw),496.1 l/min(3.7kw),各1,ブラシロール 2 ケ(1.5kw,V ベルトがけ)

      が付属する。

     6)巾70 × 長1360mm のプラテンが下部テンションロールとコンタクトドラムの中間に位

      置し,コンタクトドラムと併用出来る。

  3.試供材料および測定方法

 供試材料およびこの試験で用いた測定方法についての共通事項は次のとおりであり ,前記機械を駆動し,研削圧力,研削方式,研摩紙の走行速度,被削材の送り速度, 研摩紙の摩耗,被削材の樹種などが研削量および加工面に及ぼす影響を検討した。 測定には,必要に応じて,水準器,ダイヤルゲージ,マイクロメーター,タコメーター,ダイヤルゲージ付厚み測定器,触針式アラサメーターを用いた。また,研削量,研削抵抗,

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研摩紙の寿命などの研削性能に関する考察資料とするため,ワットメーター (横河電機製,

直流記録型,6 VA,KRB-P 3 W)と変流器を用い,記録紙の送り 240 mm/min として

自記させ,研削に要した電動機の入力をしらべた。

 研摩紙は,合板の表面仕上げ用に通常用いられるものを選び,研摩紙の粒度,品質等につ

いての詳細な実験は行なわなかった。研摩紙に関しては18)~ 24)の文献を参考とした。

 3.1 供試材料

 研摩紙は JIS- R 6251,6252 に規定さてれいる AA ♯100,♯150,♯180(理研コラン

ダム K.K 製)を用いた。

合板は,当場合板試験科に於て普通の製造条件で製造された 厚 4 mm, 6 mm の 91 ×

182 cm,3 ply,Ⅱ類合板で,含水率は,気乾状態 8 ~ 12 %,仕上げを考慮しない JAS規格による品等は,2 ~ 3 等品で,研削前の製造工程上の欠点はなるべく少なくするように

注意して製造したものである。

 樹種は,一般の試験では,主にシナ,カバ合板を用い,樹種別研削特性の試験では,シナ,

カバ,セン,タモ,ナラ,ブナ,ラワンの 7 種類を用いて比較した。

 これ等の合板の構成と表板単板の比重について Table 2 に示す。

 Table  2. 供試合板 Plywoods for sanding test

3.2 研削量

 研削量は,一定面積に

ついて単位時間当り研削

前後の重量差,または厚

みの減量で表わすのが一

般的である。この試験で

は,厚み減量すなわち削

り代を研削前後の合板の厚さをマイクロメーターによって測定して求めた。 一試験条件の合板の枚数は 5 枚とし,4 mm 合板の場合は,板内 8 点の 厚さのレンヂ

    Fig.2  研削量および面アラサ測定位置Measuring points of abrasion amount andsurface roughness(注)(1)1,2,… … 8は,厚さ測定位置   (2)a,b,a′,b′の点から 5 mm間隔で厚変化を     しらべ,a,a′は端おち量,b,b′は耳おち量     とする   (3) L1,L2,R1,R2 は面アラサ測定用試片

R<0.2mm,5枚の合板の板

間 R<0.05 mm,6 mm 合板

の場合は,板内 R<0.3 mm

板間 R<0.05mmのものを同

じ品質の荷口の中から選定して

供試した。

 5 枚の合板の厚みの平均値を

とって試験値とした。端おち,

耳おち量は,ダイヤルゲージ付

き厚み測定器で測定した。測定

位置について Fig.2 に示す。

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 摩耗の影響試験を除いて,研摩紙は,新しいものに取替えてから,91 × 182 cm の合板

を通常の研削条件で約 500 枚(廷研削時間約30分)研削してのち供試した。

 3.3 加工面の品質

 (1) 研削による欠点

 研削は,砥粒の各切刃が個々に行なう微小量切削の集積と考えられ,研削現象は,被削材

側と研摩紙側に分けられる。研削によって加工面にあらわれる欠点は,樹種により欠点の種

類と発生の程度に大きな差がある。

 加工面の評価方法として,試料合板の面積 91× 182 cm を 3 等分した 91 × 60 cm の

裁面上の欠点を肉眼および shadow test(Fig. 3)により観察し,その程度により ,な

いもの 0,かすかに認められるもの 1,わずか

に認められるもの 2,認められるもの 3,とし

て採点し,欠点ごとに合計し,次式により得ら

れた数値を欠点率とした。

  欠点率= 合計点数 × 100%

裁面数×3

 欠点の種類は,毛羽立ち(導管壁の針状のさ

さくれと普通の繊維の隆起したものに分ける)

Fig.3 Shadow test の方法   Method of Shadow test

春秋材の混交による表面の凹凸,研削マーク ( streaks,rotation mark,chattering

mark),研削量不足による逆目,目ぼれあとの 5 つをとり上げた。

 研削欠点についての接写撮影結果を photo.1 ~ Pboto.14に示す。

 (2) 面アラサ

  Fig.2 に示す試片 L1 ,L2 ,R1 ,R2 について,導管等の組織的アラサが少なく加工上

の欠点を含まない秋材部を選び繊維と直角方向の 6 mm 区間について, 研削条件と面アラ

サの関係をしらべた。

 面アラサは, 触針式断面測定法による小坂研究所製 SD-5 型仕上面検査機を用い,タテ

倍率 500 ×,ヨコ倍率 30 ×,触針圧 0.2 g,触針はサファイヤ先端径約 10μ のものとし,

拡大された触針の軌跡をトレースすることによりアラサ曲線を求めた。

 アラサの数値は,JIS 0601に準じ,基準線の長さは 3 mm とした。すなわち,拡大され

たヨコ 180 mm の区間を2等分した 90 mm 区間の断面曲線に於て山の 3 点以上で接する直

線を基準線とし,基準線より最大距離の谷から数えて3番目の谷までの距離をアラサとした。

 明らかに導管と認められる谷,基準線よりとび出た突起およびうねりは除いた。

 研削放置後の加工面の品質低下と塗装の前工程としての加工面の品質に関する資料とする

ため,吸水による加工面のアラサの変化をしらべた。すなわち,吸水前のアラサ測定後,約

1 g / 10×10 cm の水を,はけで塗布し,1 ~ 2時間乾燥させてのちの面アラサを吸水前

と同じ位置で測定した。

 4試片の各々について,2 ~ 3ヵ所,計 8~12ヵ所の平均値をとり,平均アラサとした。

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 4.機械の研削性能

 機械の研削性能上重要な機構は加圧機構である。加圧方式には,プラテン(コンタクトパ

ッド)による平面加圧方式と,円筒ドラムによる曲面加圧方式とがある。曲面加圧方式は,

平面加圧方式に比べ,プレーナーのように端面を切削する働きがあること,接触面積が少な

いので,研摩紙の目づまりを防いで研削能力を高め得る利点があると考えられるが,研削マ

ークが出やすいのが欠点である。

初めに,駆動試験を行ないながら,部分的研削圧の不均一に基づくものと思われる研削マ

ークの発生とその防止方法について考察した。

 なお,研削圧力は,機械の加圧機構により機械独特のものであり,研削方式( up cut と

down cut )もドラムサンダーの場合は機構上固定しているので, とりまとめの関係から機

械の研削性能として記述することにする。

 4.1 研削マークの解析

 研削マークには,研摩紙の砥粒の大きさ, 目づまり, 目潰れによる削り跡である 条 痕

( scratch tracks,streaks ),オッシレーションによるスネークマーク( snake tracks,

wavey streaks ), 合板の繊維方向と直角に現われる研 削 マー ク( rotation mark,

revolution mark )およびダグ,ビビリと呼ばれる研削マーク( chattering mark )が

ある。

 rotation mark は,研摩紙の接合部不良によることが多く,chattering mark は,機

械および研摩紙の振動と送り速度の不整によることが多い。

 rotation mark のピッチはドラムサンダーの場合は, PD= f ,ワイドベルトサンダ

N ーの場合は,Pw= f.l で求めることが出来る。( f:送り速度,N:ドラム回転数,

π・d・n

l:ベルトの周長,d:コンタクトドラムの直径, n : コンタクトドラムの回転数 )その

傾斜は,研摩紙の周速を u とすれば, Fig.4 に於て,θ を接合部角とすると, up cut

のときは,b′c=B′C・ f , down cut のときは,           ubc=BC・ f となる。  u 従って,研摩紙走行速度が一定のとき,送り速度 fが大となると,研削マークのピッチは荒くなると共にその傾斜は急となる。これ等の詳細は11)に於て検討した。 4.2 研削圧力および研削方式が研削量,加工面に    及ぼす影響 作業現場に於ける研削圧力は,機械付属のアンメーターの振れによって目安をつけるか,均一な厚さの加

θ: 接合部角度( angle of joint line )

   Fig. 4 研削マークの解析 Analysis of rotation marks

Page 8: 合 板 の 表 面 仕 上 げ 試 験 On the Machining of …...Fig. 1 試験に用いた研削機械 Sanding machine for test Table 1.試験機械の諸元 (注)(1)

工基準板を被削材の通過する間隙に挿入し,圧力を加えてドラムを回転させ,基準板上の研

摩紙の接触面積(実際には研削跡の巾)を観察することによっている。

 試験機械のドラムサンダーでは,ドラム下方の圧締定盤の上昇,ワイドベルトサンダーで

は,コンタクトドラムの下降によって加圧する。

 研削方式は,このドラムサンダーでは,第 1,第 3ドラムは up cut 方式,第 2ドラムは

down cut 方式となっている。 またこのワイドベルトサンダーでは, モーターの結線,トラ

ッキング作動用エアパイプを変え, 研摩紙の走行方向を逆に取り付けることにより,up 又

は down に変換出来る。

 4.2.1 試験方法

 実用機械では, 研削圧力の測定が困難であり,測定しても,研摩紙の種類および粒度など

により異なってくるので,合板の通過する間隙(opening)を変えることにより, 加圧力を

変化させて実験した。

 加圧力の影響に関する試験では,被削材のくるいによる影響を少なくするため, 4 mm

シナ合板を用い,他の試験では,6 mm シナ,カバ合板を用いた。

 合板の平均厚を t,定盤又は送りロールと研摩紙との間隙を d とすると,h = t-dとし

て加圧するから,h を圧縮量と呼ぶことにする。h の変化による接触面積 S および t,d の

関係を Fig.5 に示す。

d と h は,可動定盤又はコンタクトドラムの

移動距離を機械フレームにダイヤルゲージを取

り付けることによりしらべた。ワイドベルトサ

ンダーの場合は,垂直移動距離を測るため,ダ

イヤルゲージのロッドの下部面積の大きなもの

を使用した。d の調節は 0.1mm 厚,巾 30 cm

のクラフト紙 2 枚を間隙の両端に挿入し,抵抗

を感じながら抜ける程度を 0 とし,1試験条件

の合板平均厚にセットし,h をダイヤルゲージ

で読み,d=t-h とした。

  Fig.5 研削圧力に関する因子  Factors on sanding plessure

 dのセットは再現性に乏しいから,その都度接触面積およびワットメーターによって確めた。 Fig.5 に於ける h と S との関係は,ドラムの半径を r とすると,r2= S 2+( r-h )2 である。この式を変形すると, S2 + (h-r)2= 1 とな 2 (2r)

2 r2

るから,h と S との関係は,近似的に楕円曲線の一部として表わし得る。 しかし実際の h と S との関係は,ドラムの弾性変形および研摩紙の性質の影響を受け,理論値とかなり異なる。4 mm 厚シナ加工基準板で研摩紙が AA # 150 の場合について実測すると Table 3 のようになる。

Page 9: 合 板 の 表 面 仕 上 げ 試 験 On the Machining of …...Fig. 1 試験に用いた研削機械 Sanding machine for test Table 1.試験機械の諸元 (注)(1)

 Table 3.常用範囲の h と s との関係(実測値,単位 mm ) Relation between h and s( actual value in sanding Operation )

(注)1. ( )内は,近似式による計算値を示す。   2. ドラムサンダーの場合は,実用上,研摩紙の巻き付け圧力     ≧研削圧力としなけれはならない。h = 1.8は,研摩紙巻     き付け時の最高圧力に相当するから,常用範囲での最高圧縮     量と考えられる。

 4.2.2 試験結果と考察

(1)圧縮量と研削性能

 ドラムサンダーは各々のドラムにつ

いて,ワイドベルトサンダーでは,プ

ラテンを使用せず,コンタクトドラム

のみで up と down について実験した。

 研削条件は次のとおりである。

1)ドラムサンダー

 第 1ドラム(D1):AA♯100,up

 cut,840 r.p.m.(u=686m/min)

 第2ドラム(D2): AA ♯ 150,down cut,720 r.p.m.( u = 588 m/ min)

 第3ドラム(D3): AA ♯ 180,up cut, 600 r.p.m.( u = 490 m/ min)

 送り速度:30 m/ min

2)ワイドベルトサンダー

 コンタクトドラム:AA ♯ 150,up cut,down cut,1030 r.p.m.( u = 1470m/min)

 送り速度:30 m/min,ドラムのエアシリンダー圧力:8.4kg/cm2,

 ベルト張力:6.3kg/cm2

  研削面の肉眼による観察結果について Table 4 に示す。

(注)  ○… …認められない     △… …わずか認められる     ×… …認められる

 この結果,研削マークは,ドラムサ

ンダーでは, D1 > D2 > D3 の順

に出やすく,圧縮量を高めると少なく

なる。

 けずり残しも圧縮量を高めると少な

くなる。研削屑の付着は,ドラムサン

ダー,ワイドベルトサンダー共に明ら

かに down の方が大きく,作業性を

著るしく害し,研削能力を低下させる

ものと考えられる。これは, up cut

は,端面切削による削り屑が直ちに空

中に排出されるに反し,down cut で

は,加圧面に巻き込まれるような形と

なるためであろう。

 圧縮量と研削量および所要動力につ

 いて,Fig.6 に示す。  ドラムサンダーの場合,研摩紙の粒度が粗で,回転数の大きなD1 が研削量,所要動力共

Table 4. 研削表面の観察(シナ 4 mm 合板) Visual observation of sanded surface

Page 10: 合 板 の 表 面 仕 上 げ 試 験 On the Machining of …...Fig. 1 試験に用いた研削機械 Sanding machine for test Table 1.試験機械の諸元 (注)(1)

    Fig.6 圧縮量hと研削量 ⊿t および所要動力 K との関係  Relation between h and  ⊿t, K on tested machine (注) 空転動力: D1, D2 ,D3 は 1.3 kw,     ワイドベルトサンダーコンタクトドラムは,2.6 kw

に大であるのは勿論であるが,D2,D3 は研削量の差が少ない。 研削量は加圧によりほぼ直線的に増加する。ワイドベルトサンダーでは,up cut の場合,加圧により,研削量,所

Table 5.圧 縮 量 と 厚 規 正 能 力(単位 10- 2 mm) Relation between h and leveling efficiency Rb-Ra

(注)

Rb … … 研削前板内 8点のレンジの    5枚の平均値

Ra … … 研削後のレンヂの平均値Rb-Ra … … 厚み規正能力

Page 11: 合 板 の 表 面 仕 上 げ 試 験 On the Machining of …...Fig. 1 試験に用いた研削機械 Sanding machine for test Table 1.試験機械の諸元 (注)(1)

要動力共に直線的に増加するが,down cut の場合は曲線となり,研削量は, 中間圧以上

では増加しなくなる。機械の振動は down cut の方が大きく,不安定な研削となる。

 圧縮量と厚み規正能力について Table 5 に示す。厚み規正能力は, ドラムサンダー,ワ

イドベルトサンダーの JIS 原案に準じ, 研削前後の合板内厚みのレンヂの差で表わした。

圧縮量と厚み規正能力との関係は,明確な傾向をつかむことは出来ないが,全般的にみると

ワイドベルトサンダーの方が厚み規正能力は大きいといえる。

 圧縮量と端おち耳おち量について Table 6 に示す。一般に,端おち>耳おちで,圧縮量

を増すとその量は増加する。ワイドベルトサンダーの端おち量は,送り方向 a,a′により

差があり,up と down ではその傾向が逆となる。 ワイドはドラムに比し研摩紙の走行速

度が大きいので,端面へ衝撃的に切り込みが行なわれるためと思われる。

  Table 6. 圧縮量と端おち耳おち量(単位 10- 2 mm)  Relation between h and removal of end or side part

圧縮量と面アラサについて Table 7 に示す。これによると,アラサは圧縮量が大となると

小さくなる傾向があるが,アラサ増加率は明らかな差が認められない。

 また,down cut が up cut より面アラサは小さい。

 Table 7. 圧縮量と面アラサ (単位 10- 3 mm) Relation between h and roughness of surface

(2)研削回数と研削量

 同一研削条件で,研削を繰り返えすと,削り代の分だけ加圧力が減少し,研削量も少なく

なる筈である。この実験は d のセット誤差が少ないので前項(1)の実験よりも加圧力の影響

に関する実験としては,精度がよいと考えられる。

 実用的には,一機種に数個のドラムがあるときの各々のドラムと定盤との距離をセットす

る場合の資料となる。また現場では,しばしばこのような作業が行なわれる。

Page 12: 合 板 の 表 面 仕 上 げ 試 験 On the Machining of …...Fig. 1 試験に用いた研削機械 Sanding machine for test Table 1.試験機械の諸元 (注)(1)

研削条件は次のとおりである。

1)ドラムサンダー

第 1ドラム(D1)のみ : AA♯150,up cut,840 r.P.m.(u=686 m/min)

圧縮量:h = 1.6 mm 一定

2)ワイドベルトサンダー

コンタクトドラム : AA♯150,up cut,1030 r.p.m.(u = 1470 m/min)

圧縮量:h =1.0 mm 一定

送り速度:1),2)ともに,f = 30 m/min,供試材:シナ,カバ 6 mm 合板

試験結果について Fig.7 に示す。累積研削量は,ドラムでは 5 回までは増加率の変化

は少ないが,ワイドでは毎回増加率が変化する。このドラムサンダーの場合,常用加圧力

                           による研削量は 10-2

Fig-7 圧縮量一定の場合の研削可数と累積研削量および研削量⊿t,    所要動力 K との関係Relation between sanding cycle and accumulate abrasion amount, ⊿t,

mm 単位であり,研削

量に影響する圧縮量は

10-1 mm 単位と考えら

れるから,各ドラムの高

低位置を同一として研削

しても実用上支障はない

ものと思われる。所要動

力はカバがシナより大き

い。

 ワイドサンダーの実験

では,カバ,シナ共に研削

量の増加に伴ない,研削

面を凹とした反りが漸増

し,研摩紙を破損する危

険があるので,研 削 量

0.2 ~ 0.3mmで実験を

やめた。カバでは 5 回以

降になると,研削圧不足

による rotation mark

が出るようになる。 この

時の圧縮量は,ほぼ h=0.8 mm(アンメーターの振れでは,70 amp)程度である。

 Fig.7 のデーターに基き圧縮量 h と研削量 △t を h =1.6 mm および h = 1.0 mm

を基準として計算し h と △t との関係を Fig.8 に示す。

Page 13: 合 板 の 表 面 仕 上 げ 試 験 On the Machining of …...Fig. 1 試験に用いた研削機械 Sanding machine for test Table 1.試験機械の諸元 (注)(1)

     Fig.8 圧縮量 h と 研削量 ⊿t との関係 Relation between h and ⊿t which were led from Fig.7

これによると,圧縮量と

研削量との関係は,ほぼ

直線で示され,ドラムサ

ンダーの場合は,圧縮量

に対する研削量の変化率

は,カバ>シナであるが

ワイドベルトサンダーの

場合の変化率は殆んど変

らない。

(3) 研削方式の組合せ

   と加工面

 これまでの実験では,

夫々の実験の中で研削方

式の比較を行なってきた

が一般に,down は up に比べて作業性が悪く, 加工面のアラサが up より小となること

を除けば,その効果は期待出来なかった。

 文献8) によると,up と down の組合せが,ラワン合板の毛羽取りに有効であるとしてい

る。そこで,シナ,セン,ラワンを用いて確かめた。

 機械は,機構上組合せが固定しているドラムサンダーを使用し,3個のドラムのうち, 2

個のドラムの組合せを変えて実験した。各ドラムの加圧力は,圧縮量 h = 1.6 mm ,送り

速度は 30 m/min とした。研削方式の組合せによる研削量は,Table 8 のとおりであった。

       Table 8.研削方式の組合せと研削量  Combined cutting method and obtained abrasion amount

 実験区分ごとに, 91 × 182 cm をそのまま肉眼観察を行なってのち, shadow test に

よって毛羽立ちを比較した。 肉眼では, down+up は up+upに比し, 加工面に研削

屑の付着が多く,いずれの樹種も表面がやや白くみえる程度明確な差は認められなかった。

shadow test の結果によっても, ラワン,センの導管壁のささくれで状の毛羽について,組

合わせによる差を明瞭に認めることは出来なかった。これは,このドラムサンダーの研削能

力からみて,各ドラムの研削量が小さいためと考えられる。

 総括的に,このドラムサンダーの場合は, 常用範囲で,加工面に及ぼす dowm cut の効

果は少ないので,研削性,作業性を考慮して判断すると,D2 の down cut は,up cut に

Page 14: 合 板 の 表 面 仕 上 げ 試 験 On the Machining of …...Fig. 1 試験に用いた研削機械 Sanding machine for test Table 1.試験機械の諸元 (注)(1)

変更した方が有利であらうと考えられる。

 5.研摩紙の走行速度の影響

 研削圧力が一定の場合は,研削量と研摩紙の走行速度は比例することが考えられる。文献5)

は研削量と研削速度の関係は,研削速度 6.1 ~ 11.7 m/secでは,直線で表わすより,研

削量の対数と研削速度を直線で表わす方が実験値と適合するとしている。また7),10)は研削速

度が増加すれば,面アラサおよびアラサの偏差は小となる傾向があるとしている。

 5.1試験方法

 ドラムサンダーの第 1 ドラム D1のみを用い,その回転数を,無段変速機により,600,

720,840,960,1080 r.p.m.,すなわち,走行速度を 490,588,686,784,882 m/min

(8.2 ~ 14.7m/sec)の 5 段階に変化させて実験した。

供試材:シナ,カバ 6 mm 合板,研摩紙 : AA♯150,圧縮量:h = 1.6 mm,

送り速度:f= 30 m/min

 5.2 試験結果と考察

  試験結果について,Fig.9 に示す。

  これによると,走行速度 u と研削量 △t は,

 ほぼ直線関係にあるが,シナ,カバ共に走行速度

 を増加した割には研削量の増加は少ない。比重の

 大きなカバにこの傾向が強い。これは,走行速度

 を増しても,砥粒の切り込みが十分に行なわれな

 いためと思われる。

  所要動力は,ほぼ直線的に増加する。研削圧の

 影響試験と同様な方法で,面アラサに及ぼす影響

 を検討したが,走行速度の影響を明瞭に認めるこ

 とは出来なかった。

 6.被削材の送り速度の影響

 木工用サンダーでは,被削材は固定されるか,送り速度を手加減によって変化させることが多いが,ドラムまたはワイドベルトサンダーによる研削では,被削材は一定の速度で送られる。

 現場では研削量の調節のため,加圧力又は送り速度を変えることがしばしば行なわれる。

すなわち,研削量を多くするためには,送り速度を遅くする。このことは,研摩紙の柔軟性

とドラムに弾性体を用いている研削機械の特徴と思われ,合板の研削作業では,送り速度が

Fig.9 研摩紙の走行速度 u と研削量 ⊿t,所要動      力 K との関係     Relation between u and ⊿t,K 空転動力:490,588,686 m/min の場合: 2.4 kw, 784 m/min の場合 : 2.6 kw,882 m/min の場合 : 2.9 kw ( 無段変速機モーター付属 )

Page 15: 合 板 の 表 面 仕 上 げ 試 験 On the Machining of …...Fig. 1 試験に用いた研削機械 Sanding machine for test Table 1.試験機械の諸元 (注)(1)

重要な意味をもっている。

 6.1試験方法

送り速度は,機械付属の変速機を操作し,20,25,30,40,50 m/minの 5 段階に変化さ

せた。ドラムサンダーは,第1ドラム D1( AA ♯ 150,840 r.p.m.,h = 1.6 mm),

ワイドベルトサンダーは,コンタクトドラム(AA ♯ 150,1,030 r.p.m.,h = 1.0 mm)

を用いた。

  6.2 試験結果と考察

  試験結果を Fig.10 に示す。

  ドラムサンダー,ワイド

ベルトサンダーともに,実

験範囲では,研削量は送り

速度にほぼ反比例し,双曲

線に近似し,30 m/min

付近に曲線の変化点がある

ことがわかる。

 一般に,弾性体ドラムは

研削時に被削材に接触し

て,変形を起こし (被削材

の変形を無視する), 研削

によって被削材の厚さが減

少すれば,変形量は時間の

経過とともに小となり,接

触のある限り研削は続く。

研削量が研削時間に比例す

ると仮定すると,送り速度

Fig.10  送り速度fと研削量 ⊿t,所要動力 K との関係

      Relation between f and ⊿t,K

   空転動力:ドラムサンダーの場合 : 1.3 kw,

         ワイドベルトサンダーの場合 : 2.6 kw

と研削時間は反比例するから,研削量は送り速度に反比例するものと考えられる。

 研削所要動力は,カバ>シナで,いずれも,送り速度を増しても増加しない。研削量のみ

から考えると,所要動力は減少するはずであるが,送りが早いと切り込み抵抗が大きくなる

ためであろう。送り速度が面アラサに及ぼす影響は,明瞭に認めることは出来なかった。

 7.研摩紙の摩耗の影響

 研摩紙は,研削時間の経過につれて次第に摩耗し,切れ味が低下し終りには使用不可能と

なる。砥石のように新生切刃の自生が出来ず,また再研摩も不可能だから,研摩紙の摩耗は

最終寿命を意味する。

Page 16: 合 板 の 表 面 仕 上 げ 試 験 On the Machining of …...Fig. 1 試験に用いた研削機械 Sanding machine for test Table 1.試験機械の諸元 (注)(1)

 研摩祇の摩耗の影響を知ることは,研削技術,研摩紙の性能判定および研削に要するコス

トなどの経済的観点からも重要な問題であるが,この実験例はあまり見られない。

 7.1試験方法

 ワイドベルトサンダーにより,研摩紙は,理研コランダム K.K.製 JIS AA ♯ 180 の

広巾ベルトを用いた。

 研削条件は,送り速度 : f = 30 m/min,加圧力は試験を通じて一定に保つことは困難

であるから,ワットメーターにより,試験時の研削所要動力を,シナ合板は,25 kw, カバ

合板は 30 kw と一定とした 。この実験条件は,研摩紙が摩耗するに従って加圧力を増加さ

せる現場作業条件とは類似している。

 摩耗の状態は,工場生産のシナ合板 4 mm,6 mm,91 × 182 cm を,ほぼ 25 kw

の動力で研削した枚数(研削時間に換算し得る)で表わした。

 供試材は,同一原木で得られた単板を表板とした合板を使用し, 木理の影響を少なくする

ように努めた。

 面アラサの測定は,恒温恒湿室(20℃,65 %)内で行なった。Fig.2 に示す一試片につ

き 3 カ所,計12カ所,基準線24の平均値をとり面アラサとした。

 7.2 試験結果と考察

 研削年間と研削量の関係は,Fig.11 に示すように,研削時間 60 分までの摩耗初期と,

約 300 分までの中期と,300 分

以降の後期に分けられる。磨耗

初期には,研削量は急激に低下

し再び上昇し,中期には漸減す

る。これは,研摩紙基材の上に

配列された砥粒の形状が不揃い

のため,初めは比較的太くて突

出した砥粒の先端が鈍化し,そ

の後脱落または破砕し,次の比

較的細かく揃った砥粒による切

削がはじまり,以後は全面的に

鈍化摩耗してゆくのではないか

と考えられる。研削量が後期に

変化しないのは,所要動力を一

   Fig.11 研削時間 と 研削量 ⊿t との関係 Relation between sanding time and abrasion amount ⊿t

定とするために圧縮量を増したので,研削量は減少しなかったものと思われる。

 研削時間と面アラサとの関係について Fig.12 に示す。

 これによると,摩耗初期は急に面アラサは小となり,中期以降はほぼ安定する。吸水によ

る面アラサは,後期にやや大となる。カバよりシナの方が面アラサ大で,かつ摩耗による変

Page 17: 合 板 の 表 面 仕 上 げ 試 験 On the Machining of …...Fig. 1 試験に用いた研削機械 Sanding machine for test Table 1.試験機械の諸元 (注)(1)

         Fig.12 研削時間と面アラサとの関係  Relation between sanding time and roughness of surface

    Fig.13 研削時間と吸水によるアラサ増加率との関係 Relation between sanding time and swelling rate of sanded surface by water absorption

化が大きい。

  Fig.12 から, 吸水前の

アラサと吸水後のアラサの差

をとり,吸水によるアラサ増

加率を求め,Fig.13 に示す。

これによると,摩耗初期にピ

ークがあり,以後は漸減し,

摩耗後期に再び増加する。カ

バは摩耗初期にシナは摩耗後

期にアラサ増加率は最大とな

る。

 摩耗初期におけるピークは,

Fig.11 において研削量が急

激に低下した点に相当してい

る。研摩紙の種類によっても

異なるであろうが,この時期

では,摩耗した砥粒が完全な

切削作用を行なわず,繊維を

圧し潰し,加工面に悪影響を

及ぼすものと考えられる。

 面アラサに関する他の実験

例 4),9),10)では,研削圧力,

研摩紙走行速度と面アラサお

よび面安定性が検討されているが,実用合板研削機械を用いたこの実験では,砥粒の摩耗,

目潰れによる,切削不完全砥粒個々のいわゆるユニットプレッシャーが最も危険のように考

えられる。

詳細な追求は出来なかったが,砥粒の時間的摩耗形態が明らかにされれば,研摩紙とその

使用方法に関する新らしい示唆が得られるであろう。

 8.樹種別研削特性

 研削作業においては,樹種の比重,硬さ,組織などが研削量,加工面に及ぼす影響が大き

い。これは,刃物による切削が鋭利な刃先で繊維を切断するのと異なり,鈍角な刃先(刃角

110 ~ 150°,掬い角負といわれる)で,圧力によって木材の繊維をひっかくような切削型

をとるため,繊維細胞の剛性,形状,結合力など解剖的性質の影響を受けやすいためであろ

う。特に毛羽立ち( fuzzy grain )は,研削欠点の特徴であり, 切削による逆目ぼれは毛

Page 18: 合 板 の 表 面 仕 上 げ 試 験 On the Machining of …...Fig. 1 試験に用いた研削機械 Sanding machine for test Table 1.試験機械の諸元 (注)(1)

羽立ちとして観察される。

  8.1試験方法

  供試材:シナ,カバ,セン,タモ,ブナ,ナラ,ラワンの 7 樹種,91 × 182 cm,

6 mm 合板,各樹種 18 枚。

 研削条件:ワイドベルトサンダーを用い,圧縮量は,h = 1.0 mm,送り速度は,

f = 30m/min とした。

 研削後肉眼および shadow test によって加工面をしらべ, 3.で述べた方法によって,

表面品質を評価した。 試験試料のうちから厚みむらの少ないもの各樹種 5 枚を選び,研削量

および研削所要動力をしらべた。

8.2 試験結果と考察

1樹種あて 54裁面こついて,加工面の品質を評価した結果を欠点率で表わせば Table 9

のようになる。

 研削欠点は,樹種に

より表われ方に差があ

り,導管璧の毛羽立ち

は,セン,タモ,ナラ

の環孔材に多く発生

し,繊維の隆起した毛

羽立ちは,ラワン,ブ

ナ.カバ.シナの散孔

           Table 9. 樹種別研削特性( 欠点率 % ) Individual characteristics of wood species affecting sanding defects

材に多発し,研削マークは,ナラ,カバ,ブナに出やすい。これは,樹種によって,外力に

よる組織細胞の変形に差があるためと思われる。 逆目,目ぼれあとは、Table.10 の研削

量と対比して考えると,大略の樹種別単板の品質を類推出来る。

 一定研削圧力の場合

の研削量,所要動力お

よび単位研削量あたり

の所要動力 kw/mm

は, Table 10 のとお

りで研削量,所要動力

は,樹種により一定の

    Table 10, 樹種別研削量, 所要動力および単位研削量あたりの所要動力  Depth of cut and net power requirement for various wood on wide-belt  Sander.

傾向を示さないが , kw/mm の値は,カバ>ナラ>ブナ>タモ>セン>シナ>ラワンとな

り,ほぼ比重に比例する傾向がある。

 9.要約

 この試験は ,合板工場において表面仕上げ用として一般に用いられている実用研削機械 2

Page 19: 合 板 の 表 面 仕 上 げ 試 験 On the Machining of …...Fig. 1 試験に用いた研削機械 Sanding machine for test Table 1.試験機械の諸元 (注)(1)

機種を用いて,工場規模の研削実験を行ない,研削作業に関する具体的な技術資料を得るこ

とを目的とした。従って,実用機械の制約もあって,研削現象の普遍性については十分な追

求が出来なかった。これら不十分な点は,さらに新らしい実験によって明らかにされねばな

らない。

 試験結果を総括して述べると次のようになる。

(1)通常の研削方式(up cut)の場合, 常用範囲の研削圧力では,加圧力と研削量およ

び所要動力との関係は,加圧力が大となるにつれ直線的に増加する。直線の傾斜は, 研摩紙

および研削機械の研削能力によって異なる。圧力を増せば,面アラサは小となるが,吸水前

後のアラサの変化の差は認められない。

 ワイドベルトサンダーの場合の down cut 方式では,中間圧力以上に加圧しても研削量

は増加しなくなる。

(2)down cut は up cut に比し,合板の表面に研削屑の付着が甚しく,所要動力大,

研測量が不安定となる場合があって作業性は悪い。面アラサは down cut< up cut であ

る。ドラムサンダーにより,研削方式の組合せ( up+up,down+up )が毛羽取り効

果に及ぼす影響について検討したが,その差は認められなかった。これは研削量が比較的小

さかったためと思われる。以上を総合すると,実用的には,研削量の小さいサンダーでは

down cut は up cut にした方がよいと考えられる。

(3)一般に,端おち量>耳おち量であって,加圧力が大となるにつれ大となる。端おち,

耳おちは,研削量が大きいときは縁部から 20 mm 以内,普通は 15 mm 以内に起る。被

削合板の反りがあるものに起りやすい。

(4)このワイドベルトサンダーは,ドラムサンダーに比し研削量,厚み規正能力ともに大

であるが,加圧力小の場合は,研削マークが出やすいので,軽研削には適さない。

(5)研摩紙走行速度と研削量,所要動力は,490 ~ 882m/min の範囲では, ほぼ直線的

関係にあるが,走行速度を増した割には研削量は増加しない。

(6)送り速度は,20 ~ 50m/min の範囲で研削量とほぼ反比例する。両者の関係は双曲

線に類似し,30 m/min 付近に曲線の変化点がある。所要動力は,送りを早めてもほとん

ど変化しない。

 研摩紙走行速度,送り速度ともに,面アラサおよび吸水アラサ増加率に及ぼす影響は,明

瞭に認めることが出来なかった。

(7)研摩紙の摩耗は,研削量,面アラサ,吸水アラサ増加率に及ぼす影響が大きい。研削

量は,初期摩耗期間に急激に低下したのち再び増大し,その後は漸減した。面アラサは,樹

種により異なり,シナ>カバで,一般に摩耗により小となるが,吸水アラサは,摩耗後期に

大となる。吸水アラサ増加率は,摩耗初期にピークがあり,磨耗後期に再び増大する。シナ

にこの傾向が甚しい。

(8)加工面の研削欠点は,樹種による差が大きく,導管壁の毛羽立ちは,環孔材に,繊維

Page 20: 合 板 の 表 面 仕 上 げ 試 験 On the Machining of …...Fig. 1 試験に用いた研削機械 Sanding machine for test Table 1.試験機械の諸元 (注)(1)

の隆起 した毛羽立ちは散孔材に多 く発生 し,春秋材の凹凸は,環孔材に多発 し,研削マーク

は,ナラ,ブナ,カバに出やすい。研削量 ,所要動力についてほ ,樹種により一定の傾向を

示さないが ,単位研削量あた りの所要動力 k w /m m の値は,はば比重に比例する傾向があ

る。

1

2

(くノ

4

/D

7

8 )

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2 )

1 う)

1 4 )

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7

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l l12

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-2 0 -

Page 21: 合 板 の 表 面 仕 上 げ 試 験 On the Machining of …...Fig. 1 試験に用いた研削機械 Sanding machine for test Table 1.試験機械の諸元 (注)(1)

                 Photo.1 ~ 14 :研削欠点の説明                 Explanaton of sanding defects

 Photo.1 吸水前の表面アラサ(毛羽立ち);カバ      Roughness of surface before water absorpton(Fuzzy grain);Birch Photo.2 吸水後の表面アラサ(毛羽立ち);カバ      Roughness of surface after water absorption(Fuzzy grain);Birch Photo.3 ローテイションマーク;カバ      Rotation mark,which frequently occures in the case of bad joint of abrasive;Birch Photo.4 チャッタリングマーク;カバ      chattering mark,which occasionally occures in the case of unequal feeding speed or      vibration of abrasive belt;Birch Photo.5 繊維の隆起した毛羽立ち;シナ      Fuzzy grain due to raised fiber which generally occures on diffuse porous species;Shina Photo.6 同上毛羽立ち;カバ      Fuzzy grain ;Birch Photo.7 同上毛羽立ち;ブナ      Fuzzy grain;Beech Photo.8 同上毛羽立ち;ラワン      Fuzzy grain;Lauan Photo.9 導管壁の毛羽立ち; セン,(注)目潰れによる条痕      Fuzzy grain like nib near the vessels which frequently occures on ring porous species      ;Sen, note:Scratch tracks Photo.10 同上毛羽立ち; ナラ,(注)ジョイントライン      Fuzzy grain like nib;Oak, note:Joint line Photo.11 春秋材の凹凸(深さ 0.06 ~ 0.11 mm);タモ      Corrugated surface with the concave of early wood which genrally occures on ring      porous species;Tamo Photo.12 同  上;セ  ン      Corrugated surface;Sen Photo.13 同  上;ナ  ラ      Corrugated surface;Oak Photo.14 同  上;ブ  ナ,(注)目潰れによる条痕      Corrugated surface;Beech, note:Scratch tracks

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