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45
25チガヤ(いね科) 時期5~6月に花穂を出す多年草。 場所道路ばた,草地,堤防などいたるところに ある代表的な植物。県内各地に分布する。 解説長い地下茎から束生する繁殖力の強い植 物。春の終わり頃,若い花穂をツバナ(芽花)とい い,甘味があり食べられる。地下茎は薬用(芽根) 台フ'3,ぃ綿毛(箔も) にっっ鋼ITいる= とする。 昔はチガヤを刈り,雨具の“みの”を作る材料に していた。 リーノの中て$'す |〃(以上1くも 生耆悩. 4/ イネ科とカヤツリグサ科の植物は花穂がないと区 別が難しいので,花穂の時期に形態をよく観察する ことが大切である。 似た植物ない 26テッボウユリ(ゆレノ科) 時期5~6月に香気のある白い花が咲く 多年草の植物。 場所海岸近くの岩場から山すその原野に かけて見られる。黒島以南に分布する。 解説地下には球状または扇球形の鱗茎が ある。葉は茎につまってつく。 りんけい 鱗茎→地下茎の一つ。短縮した茎のまわ りに養分を貯えて多肉となった鱗片状の葉 が密生しているもの。 27ナンゴクネジバナ(らん科) 時期春~夏に桃色の花が咲く多年草。 場所草地や芝生の中によく出てくる。 解説らん科の植物は,一般に山林内に 生育しているが,この種は人里近くに生 育している。花が図のようにねじれてつ くのが特徴。1つ1つの花をよく見ると ほぼ横向きについている。 似た植物ネジバナ(別名モジズリ) 花序の中軸と子房に毛がある。 ナンゴクネジバナには毛がない。 〆一一一 横向き! 、匡装く 啄多 ~30cm 。可、し 花序の拡大図 -19-

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25チガヤ(いね科)

時期5~6月に花穂を出す多年草。

場所道路ばた,草地,堤防などいたるところに

ある代表的な植物。県内各地に分布する。

解説長い地下茎から束生する繁殖力の強い植

物。春の終わり頃,若い花穂をツバナ(芽花)とい

い,甘味があり食べられる。地下茎は薬用(芽根)

台フ'3,ぃ綿毛(箔も)にっっ鋼ITいる=

とする。

昔はチガヤを刈り,雨具の“みの”を作る材料に

していた。

リーノの中て$'す

|〃(以上1くも生耆悩.

4/

イネ科とカヤツリグサ科の植物は花穂がないと区

別が難しいので,花穂の時期に形態をよく観察する

ことが大切である。

似た植物ない

26テッボウユリ(ゆレノ科)

時期5~6月に香気のある白い花が咲く

多年草の植物。

場所海岸近くの岩場から山すその原野に

かけて見られる。黒島以南に分布する。

解説地下には球状または扇球形の鱗茎が

ある。葉は茎につまってつく。

蕊りんけい

鱗茎→地下茎の一つ。短縮した茎のまわ

りに養分を貯えて多肉となった鱗片状の葉

が密生しているもの。

野 蝋

27ナンゴクネジバナ(らん科)

時期春~夏に桃色の花が咲く多年草。

場所草地や芝生の中によく出てくる。

解説らん科の植物は,一般に山林内に

生育しているが,この種は人里近くに生

育している。花が図のようにねじれてつ

くのが特徴。1つ1つの花をよく見ると

ほぼ横向きについている。

似た植物ネジバナ(別名モジズリ)

花序の中軸と子房に毛がある。

ナンゴクネジバナには毛がない。

〆一一一

横向き!、匡装く

啄多さ

~30cm

。可、し

花序の拡大図

-19-

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ハイキビ(いね科)8時場る解‐・く

すりいら

期夏~秋に花穂をつける多年草。

所原野や小川の水ぎわに生え,県内各地に分布

i掴- -

O

かん

説桿は長くはった地下茎から立ち上が

高き40~100cm,普通分岐せず,やや太

葉はやや硬く,縁は内に巻き,上面にあ

Z_③毛が生えている

「グエ」,「ニョーダキ」などの方名がある。

〃似た植物ない。

4//ハチジョウ

期9~10月に

9時

鰯サ花穂をつける。

所海岸近くの

える多年草。

説大形の植物そうせい

場生解

鯵太く叢生し高き1~

W剛

庭葉は

らつ

色を

幅が広く偏平,

きが少なく,裏

している。

本土南部以南に

戸一寺一

30ハマスゲ(かやつレノぐさ科)

時期6~9月頃に花穂をつける。

場所畑地や海岸の砂地,道路ばた,市街地のグリーン

ベルト内,街路樹の根元など。県内各地に分布。

解説長い根茎を地中でのばして繁殖する。ところどこ

ろに小呑なコブ状のかたまり(塊茎)ができそこから発芽

する。そのため除草に手間がかかる。コボシとかコブシの

名で呼ばれているがこれは単なる方名ではない。この根を

薬用にしそれを“香付子”と呼んだ。この根には香気があ

、 茶色一

(、 夛/1"

蕊繁:!とも確かめてみよう。(そんなに強い香りではない。)

た植物ない。

こ似

’領猟

-20-

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髪ご唖三画31ハマヒエガエリ(いね科)

時期5~8月に花穂をつける二年

生の植物。

場所海岸近くの日当たりのよいや

や湿り気のあるところ。

解説茎は細く,叢生して高さ20~

40cm位。葉は軟らかで,表面はいくぶ

んざらつき,先はとがる。

似た植物ヒエガエリ

ハマヒエガエリの花序はすき間がなく

密生する。ヒエガエリの花序は枝の間に

ややすき間があり,時に紫色を帯びる。

32ヒメコバンソウ(いね科)

時期5~6月淡緑色の花穂をつける

場所道ばたや野原,畑に生える。

解説全体が緑色の一年生の植物で,

て生える。茎の上に特異な形をした小穂

つける。

ヒメコバンソウの名は小さなコバン型

ちなんだもの。これをふると,実がふれ

高さ20~40cm

1×

甚か小長ぃ

諺県内各地に分布する

駒函

嗣鋏0

隙→

リノ⑧

詳がっ

を多数rWm

4にて

実っ

のあ

音が出るので,昔の子供達はこれでよく遊んだ 似た植物コバンソゥ(栽培種)ものである。

33ヒメヒオオギズイセン(あやめ科)

時期7~8月頃に朱色の花をつける。

場所日当たりの悪いやや湿った所,人家周辺

の山かげや土手,道路ぱたなどに生える。

解説ヨーロッパで園芸用に作り出きれた交雑

種。明治の中頃に渡来したときれる。

花はやや朱色を帯びた赤色で;本県では「イッ

センバナ」「コメバナ」「タウエバナ」「トビオバ

ナ(屋久島の安房など)」などの方名で呼ばれて

いる。

名前の由来

ヒオオギ→ヒオオギズイセン(葉がヒオオギ

に,花はスイセンに似るという意味)ヒメ→小きい

翌〃

-21-

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ゆ‐

魅鍵愚■■

葉の,1,5'す)度分L通§感し当ノ シマツユクサ

(県本土ではまれ,

屋久島以南に分布)謬詞

葉'す“い=

似た植物ツユクサ(県内各地に分布)マルバツユクサ

35メヒシバ(いね科)

道物

′/聖

〔66

弓~培なk出0

聯、’ し

零亟単子葉類の子葉と葉脈

,1,吋で.R当虎'ノの

悪“帥二、、ウーー

I 〃平行

ヘンリーメヒシバ

花序の枝はメヒシバのように掌状に開かない

《lll似た植4

葉脈 コメヒシバ子葉

-22-

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36アオビユ(’

時期7~8月に

の小ざな花が穂状に

場所農地や市街

荒れ地,土手などに

える。県内各地に

布。

解説茎は枝分か

れして高き30~80cm

位,葉は長い柄が

あって互生,葉の先

端は鈍形で凹端,基

(ひゆ科) (ホナガイヌビユ)

陽今

§形~切形。云い

、鯛花は1cm位

アキノキリンソウ(きく科)

期秋に黄色の花が咲く。

所日当たりのよい山野,畑の土手などに多い。

ア時場解くな

つ出

鵜羅“C、

農夢説秋,道路わきの土手などに黄色い小呑な花が目に

。他にまぎらわしいものはない。茎を折っても乳液は

い。茎は細く直立し強い。県内各地に分布する。

=ヲ

延一

|鯛同じキク科でも,白い乳液のあるなしで次のよう

に分ける。あか

タンポポ亜科………白い乳液が出る。

〈『夕蕪ポアキ"ゲシなど‘キク科

、キク亜科………白い乳液が出ない。

I

(アキノキリンソウ,ヨモギ,ヨメナなど) 魅色うす、、

II

38アキノノゲシ(きく科)

時期秋にうす黄色の花をつける。

場所人里付近から山地まで道ばたや草地に

普通に見られる。県内各地に分布する。

解説植物をきずつけると白い乳液が出る。

茎は太く中空で直立し,葉は互生しあらく深く

切れこむ。

唖ア名前の由来

ノゲシ(ハルノノゲシ)に

似ており,秋に花が咲くこと茎や葉をきず

からアキノノゲシという。ると白い乳液

雛詮〆〆

"拝)巡三1贋

劃閲

>』Lニーヘ|レア 高さ1~1.5m

非つけ

が出る

-23-

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39 アレ

時期夏

花をつける

場所荒

道ばたに多

解説花

~夜にかけ

ことにより

と名がつい

方には花I

む。

ぬⅣ

ぐさ

ブ一勺O

+ノ、

オオマツヨイグサ

似た植物

⑬5~6月頃が花

2種より時期が

高さ50~70cm位

葉は細い。人家

付近で見かけ

るが少ない

嘘 た見今ら

膣三乞論、

腸剛

雪雲、この仲間を

月見草と呼ん

でいるが,月見草は別の植物

マツヨイグサ

花はしぼむと赤みを帯び

そのため,遠くからは赤や黄色の花が混じっているように見える。

40イタドリ(たで科) 72ツルソバ(たで科)

時期夏~秋に花 時期

とま

聯"、≦玉画-24-

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41イヌガラシ(あぶらな科)

時期春に黄色

場所道路ばた

普通に見られる。

る。

解 説全体無毛

葉は羽状に裂ける

所では,ほとんど

花をつけている。

ミチバタガラ

。上

- 円 芹

30cmll

のよb

缶のと

漢侭

42イヌタデ(たで科)

冨黄2()~5(】 腸駕

オオイヌタデ

ボントクタデ

全体をこ

唖 湿

オオイヌタデ

I

○○は人にとって役に

いという意味

【)~3(]

冶可の圧

ノ)

7)$irE

10月頃まで花が見られる。

,道ばた,あき地の雑草である。

虫も好き好き」のことわざで知られている。しかし

この場合の意味は「辛い」葉を食う虫のことをざし

ているだろうから,この「たで」は葉に辛みのある

「ヤナギタデ」をざしていると思われる。イヌタデ

は葉に辛みがなく食用(きしみのつま等)にならな

いという意味である。

辛みのあるタデはヤナギタデだけ。

零唖『万、”

唾診

唾茨な

-25-

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(ごまのはぐさ科)43ウリクサ(ごま’

時期1年草8~10月

花が咲<。

場所畑や道ばた

に多い。県内各地に分布

解説茎は四角形

で多く枝分かれして

地面をはい,四方に

広がる。

彦、

44エノキグサ(とうだいぐさ科)

時期夏~秋にかけて小きな目立たない

場所畑でよく目につく,道路ばたや荒

にも多い。県内各地に分布する。

解説葉がエノキに似ることからエノキほうよう

と呼ばれ,苞葉が2つ折りになっている姿

「あみがざ」に似ることからアミガサソウ

とも呼ばれる。

似た植物クワクサ(No55)

(苞葉がない)

46オオシマノジギク(きく科)

時期10~11月頃に白い花が咲く。

場所海岸近くの崖によく生える。

解説多年草で地下茎を出してふえる。

ノジギクの変種になっている。

管状花 奄美大島

以南に分

する

舌状花

-26-

ウリクサ

(トレニア)

サツマノギク(毛が多い)

奄美大島以北では,ノジギク,

サツマノギクが生えている。

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45オオアレチノギク(きく科) 88ヒメムカシヨモギ(きく科)

nm

腰蝿(LM

聖仙

隆云-通

、潮 『、6G日

。■96℃

時期両者とも夏の後半から秋にかけて花をつけるO県内各地に分布する。

場所荒れ地や道ばたに生え,両者は普通混生している。森や林の中にはない○いずれも帰ちんだいぐさ

化植物で,鎮台草とか鉄道草とも呼ばれてきた。後者は鉄道線に沿って,広がったことによる○

高ざは1mを越す。よく似ており両者の区別は慣れないと難しいが’一度しっかりと花を見て

おくと区別しやすい。ヒメムカシヨモギの葉脈は浮き出るような特徴もあるO

似た植物アレチノギク→花が4~6月頃なので区別できる。頭花は大きい。側枝がよく発達する。

ホウキギク→全体無毛で光沢がある。湿地に多い。冠毛が赤紫色で目立つ。“注,,両者は混生してい

るので注意が必要である

#。

まこ科)4フオオバコ(おお{

時期春から秋に花穂

が出る。

場所道路のへりや

運動場など。

解説人や車によって

踏まれるような所は植物

にとって好ましい環境で

はない。しかし,オオ

バコは他の植物との競

争に打ち勝つためこのよ

うな厳しい環境に生育で

るしくみを持っている。

猿γ渦・しべ.めしべ、

lカブ°セルから出た

砿鍵識かれる。

I

めしべが

出て,おは後から

自家受粉ける自然夫だろう

黒い種子は「車前子」の名で薬用とされる

-27-

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48オトギリソウ(おとぎレノそう科)

時期多年草で6~8月頃,黄色の花が咲く。

場所山地の明るい草原に生えている。

解説茎は丸く下の方は木質化する。葉は

対生し,葉柄がなく基部は円形で,半ば茎を

抱き,葉をすかしてみると黒い点(油点)が

見える。葉と茎をかわかし薬用にする。

似た植物コケオトギリ→小形

の植物で茎は細く4稜形,県内各高さ30~60c

地に分布する。

ヒメオトギリ→湿気のある水田

のわきや池のふちに生える上方または下方か

ら枝を分け,高き15~40cm,県内各地に分布

する。

49オニタビラコ(きく科)

時期5~6月頃に黄色

が咲く。日当たりのよい場

は一年中花が咲いている。

各地に分布する。

場所人家周辺の石垣,

ばたなど,いたるところで

みられる。

解説全体に細かい軟

毛がある。

タンポポと混同している

の化 洲刺〃

ヨさ20~8C

乾いた場所に生えるが多い。

50オランダミミナグサ(なでしこ科)

時期4~5月頃に白い花をつける。

場所道ばた,野原,畑地などに多くみられ

る。県内各地に分布する。

解説ヨーロッパ原産の帰化植物。最近は昔

から日本にあった在来種のミミナグサよりも多

くなっている。

このような現象は他の植物でも起こってい

る。身のまわりの帰化植物のようすを継続的に

観察することも大切なことである。

-28-

c、

霞a

田んぼに多く,3~4月頃に花が咲く県本土,甑島,毒久島.種-f・島.宴 界島に

~20cm

ラコ

湿地に生える(春の七草のホトケノザはこのコオニタビラコのことである)

灘 蕊

坪聯

、 』

薮物

ミミナグサ

建塞乙

迩参

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52カラムシ(いらくさ科)ようえき

時期夏~秋に葉腋に花をつける。

場所道路ぱた,荒れ地,市街地などI

みられる。県内各地に分布する。

解説茎は高き1.2~2m位に成長し,

熟すると茶褐色となり,葉の表面は緑色

で裏面は白色の綿毛が密生し,互生し

てつく。マオ,ラミーとも呼ばれて

いる。

茎を蒸して皮をとり,布やロー

プ,魚網を作るのに利用される。

似た植物イワガネ→互生,葉のうらI

ハドノキ→互生,葉のうらは緑色

53キダチハマグルマ(きく科)

時期夏~秋に黄色の花が咲く。

場所海岸の砂地または岩場に生える。佐

多以南に分布する。

の多f王琶

瀞、

蓮廃

時期夏~秋に黄伍

参鐸函

の花をつける

場所海岸

の砂丘地に生

える。県内各

地に分布す

る。

解 説葉は

分厚く,ザラ

つくのでネコ

の舌にたとえ

た。

紳一ハマグルマ(ネコノシタ)

(きく科)

イラクサ(いらくさ科)

-29-

〔).79

I

~2m位

った

みぞ

鱈I肉心

土南部に分布

クマノギク(きく科)

これがいらくさ科のイラクサ。いらくさ

「刺草」の文字が示すとおり,この植

物全体にあるトゲ(刺毛)がささると,

ひどい痛みを感ずる。トゲの中に蟻酸

(ぎさん)という物質を含むためであ

る。

トゲも左図のように鋭くとがり,しか

も折れやすくなっている。

いらくさ科を示すUrtica(ウルティカ)

は“ちくちくする”という意味のラテ

ン語からきた言葉。山かげに多い植物。

屋久島種子島以北に分布する。

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54ギシギシ(たで科)

時期6~8月に花をつける。

場所野原,道ばた,田畑の

ふちなどに生える多年草。

県内各地に分布する。

解説茎は太く直立し,高き

40~100cm,表面はなめら

か,わずかに毛状突起がある。

若葉は食べられ,根は皮ふ病の

薬として利用きれる。

【)~8()

似た植物スイバ→沖永良部以

55クワクサ(くわ科)

時期9~10月に花をつける。

場所畑や荒れ地などの明るいところに生

える一年草。県内各地に分布する。

解説全体に細かい毛があり,ざらざ

らしている。葉は長き5~8cmで,鈍鋸

歯があり,表面にはあらい伏毛があり,

下面にも短い毛がある。

桑の葉に似ているところか

らクワクサの名が生じた。

似た植物エノキグサ(No44)

雌雄同株

56コミカンソウ(とうだいぐさ科)

スィバ

似た植物ヒメミカンソウ(とうだいぐさ科)

時期夏~秋

実をつける。

場所畑や

庭に多い。

解説 実の

形がミカン

に似ている

ことにより,

コミカンソ

ウの名がついた

県内各地に分布

鱗一

醗窪壺三一睡夢一二同&

唖亟

-30-

篭~→向I,

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51カタバミ(かたばみ科) 93ムラサキカタバミ(かたばみ科)

時期

場所

ある。

各地に

する。

冬でも日当たりのよい所では花をつける。

蕊池'す赤紫色一 一

実はできない

鶉侭童

似た

蛎は根元

から直接出る噸

詞」

篁羅諏襟K

まめ科の植物は,夜になると葉をとじて“眠る”ということはよく知られている。しか

し,ここにあげたカタバミやムラサキカタバミも“眠る”ということはあまり知られてい

ない。58番のシロツメクサ(まめ科)も眠る。夏の夜は植物たちも意外な面をみせる。カ

ラスウリの仲間の花が開くのは夜,キャンプや夕涼みの折,星といっしょに夜の植物たちも観察してみよう。

58シロツメクサ

時期春~夏に白い花

場所荒れ地,道路ぱ

校庭などに多い。

解説クローバーの名

前で知られているが,

クローバーというのはこ

仲間を指す英語の呼び方

(英名)である。

江戸時代末期に,オラン

ダから贈られたガラス器

を入れた箱に,割れない

ようこの草が詰めてあっ

たからツメクサ,花が白

色だから,シロツメクサ

と呼ばれている。

根粒バクテリア(根粒菌)

高等植物の根についてこぶを作らせ,その中に生息しな,

がら共生関係を結ぶ細菌をいう。マメ科植物の数種は窒素

肥料(緑肥)として利用きれる。

-31-

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57サイヨウシヤジン(ききょう科)

時期8月~10月に花が咲く。

場所山の明るい草原に生える。

解説地下に太くて白い根があり,

朝鮮ニンジンに似るので,この名がある。

茎につく葉は3~4枚ずつ輪生するの

がふつうだが,対生または互生に変わる

こともある。葉の幅も変化が多い。

““〆

--cもの勾○未vノIF田も垂E''し〃今夕v,○サイョウシャジン

県内各地に分布する

名前の由来

ツリガネニンジンの細葉のものという意味。

似た植物キキョウ県本土各地,奄美大島(諸

島?)栽培種もある。

鎧式

59シロバナセンダン

時期9~10月に花が咲く

冬にも花が見られる。

場所荒れ地,道路ばたな

生える。県内各地に分布する

解説舌状花が白色であ

るので区別しやすい。

この仲間は種類が多いので

できるよう観察する必要があ

似た植物アメリカセンダ

コセンダングサ

コバノセンダン

●=斑 う〃、

自冒。畦

ハイアワユキセンダングサ

60シマアザミ(きく科)

7~9月頃に花が咲く。

所海岸近くに多く見られる。トカラ列島,奄美大島以南に分布。

説大型の多年草で,茎は分岐して高き30-100cm位になる。

クモの糸のように毛を密布し,根生葉は長楕円形。やや厚く羽

状に分かれ,表面は光沢がある。

時期九'才淡紅色隅'て白色

似た植物アマミシマアザミ

葉の下面中肋に毛がある。表面だ~光沢か、洗台.一

藻胴下面"申肋'でもが、@、$}、

妙 W鴨オイランアザミ

葉の先端(トゲのあるところ)が白くなる。雛-32-

-4ノ

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61シマキツネノボタン(きんぽうげ科)

時期3~4月に花 時期4~5月に黄色の花 時期4~9月に黄色の花,

7)岸

砒逗

解説キツネノポタ

に似るが,

茎や葉に

軟毛を密

生し,茎は

横にはい,ところどころ

発根する

生質があ

る。

吸葵

等感霧勤霊包

ケキツネノ

やや幅

62シマニシキソウ(とうだいぐさ科)

鱗0

0食い

早一

午加

一基

○苛司ヱマ

司さzO~6C

帰化植物畑の雑草笂

任の苦

堂拒丑有

驚鐵{

劃腱若缶冒澗言ヨ日』

,〃

“)~ピ

の筐

湯年草c

ゐα

の字

似た植物オオジシバリ(ツルニガナ)

-33-

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64スズメノエンドウ(まめ科)この3種はよく混じって生えているのでよく観察してみよう。

時期4~5月に花が咲く。

露迩 耐〃野畑よ県布

"i"60~90

壽言

職蚕物

スズメノエンドウ

65スベリヒユ(すべりひゆ科)

カスマグサ

時期夏に枝先きの葉の中心

色の花をつける。

場所庭や畑,道ばたな

ど。地面をはうような感じ。

解説全体に毛がなく

つるつるしている。葉や茎は多

質で水分を多く含み,夏の強い

ざしの中での生活に適応したも

であろう。

ゆがいて食べられるが,そのと

“亡蝿 厚い植物をおし

す前に熱湯につ

からおきえると

本になる。

きひ)'皆0

"狸悠療

各地に分布する

雛鴬 辰

似た植物ない畑の雑草として知られている

ゆがいて食べられるが,そのとき粘滑にな

るので,スベリヒユの名がついたといわれる。

66タカサブロウ(きく科)面ゆ

があな名前りん植

花のりの名あとい

唖夕 寒壼画の〃

唾多のoc

-34-

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67タネツケバナ(あぶらな科)

時期3~6月に白い花が咲く。

場所水田や川岸,湿地,庭などに生

える。県内各地に分布する。

解説葉は羽状に全裂し,白色の4

弁で径3~4cm内外の花をつける。

イネのもみ(種子)をまく頃に花が咲

くのでこの名前がついた。

似た植物オランダガラシ(若葉を食用に

小川や池の中などの湿地に生える。茎は

30~50cm位になる。白色の花をつける。

68チチコグサ(きく科)

時期5~10

月に褐色の花を

つける。

場所日当た

りのよい草地に

多い。

解説葉の表

面はにごった緑

色,裏面は茎と

ともに綿毛が密

生して銀白色を

、鯵

魏鐙、

縦礎。)

69チチコグサモドキ(きく科)

時期4戸

3月に褐色’

吃をつける。

蕊燃侭

農の答・F

している。 力 産 で 各 地 に 分布する。

卿 細84ハハコグサ(きく科)

で各地に分布する。 似た植物

蝿チチコグサモドキ(きく科)タチチチコグサ(きく科)

時期4~6月に黄色の花をつける。

場所人里付一一

近,水田,道ば

た,畑地などに生

える。

解 説葉の表面

に白色の綿毛が密

生している。

春の七草のひとつ

「ゴギョウ」はハハ

コグサのこと。県内

各地に分布する。

淵'~m~3[

訓尋診

春の七草

「せり,なずな,ごぎよう,はこべら,ほとけ

のざ,すずな’すずしろこれぞ七草」寒い冬,他の植物に先がけて出てくる。正月の七日の

朝七草がゆをつくり,7歳児の成長を祝うと

ころもある。

はこべら=ハコベ,ほとけのざ=コオニタビラ

コ,すずな=カブ,すずしろ=ダイコン,ご

ぎよう=ハハコグサ

-35-

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70ツボクサ(せレノ科)

堕せり科の大部分がニンジ

ンのように頭に傘をざした

ような花をつけるのに対し

て,つる性のチドメグサ

や,ツボクサの花は感じの

違った花をつける。雫

似た植物n℃7111口

トリソウ(カキドウシ)

,甑島,屋久島,種子島

る)

た植物

ハマツメクサ

海岸近くにあり,よく

似ているが,葉は分厚

い。県内各地に分布。

オオツメクサ

帰化植物で高さ30~40

cm位になる。今後の分

布記録が楽しみである。

カントリ

(県本土,

諺発〆ヨ

川口グ

00

|削垂

フ3ツルマオ(いらくさ科)

時期秋に葉のわきに黄緑色の小花が密集して

つく。

場所道ばた,畑地の土手などに生える。

解説茎は細く,つる状にlmくらいまで伸びる。

葉は長楕円形状で先はとがり,3~5脈が平行し,脈

の問に細かい横脈があり,両面に毛が散生する。県本

土(坊津,山川),屋久島,種子島以南に分布するo

似た植物ない

唖壷フー

綴う

-36-

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フ4ツ

時期

花をつけ

場所

に多く生

分布する

解説

く,光沢

あって根

管状花と

にする。

唾砲に黄色

の山野

内各地

し臓形

長い葉

花は舌

・葉柄

無職

75トウバナ(しそ科)

時期5~8月に淡紅色の花

場所山野や道ばたに多い多

県内各地に分布する。

解説葉は対生で,柄があり

をしている。

亀廼恋X画

韮 辱蟇つ〃ぴヨ

洲柳

熱似た植物クルマバナ

花が輪生(一か所

たくざん出る)し

クルマバナ(しそ科)シ0

76ナズナ

時期2~5

場 所畑,道

解説冬は(

いる。春の七草

暖地では冬に開

県内各地に分布

しかし,トカラ

は未記録。

(あぶらな科)

ヨ色α

左とぐE 吋両ロ

グ賎一今eご吃

た植物

グンバイナズナ

が軍配(<”んぱ

に似ている。

・葉に毛はなく変

たにおいがある。

。夏は稲れゐ。

いるものもある。

-37-

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7フナワシロイチゴ(ばら科)

時期花は春に咲き,果実は6月頃に

赤熟する。

場所道路ばた,田畑の士手などで

普通に見られる。県内各地に分布す

る。とげ

解説茎は高言30cm位になり,刺がある。

葉は鋸歯のある3小葉からなり,下面は密綿

毛があって白色となる。花は淡紅色で,果実

は食べられる。

似た植物アオナワシロイチゴー→県内各

地に点在する。ナワシロイチゴの変種で葉の下

が緑色。

78ナンバンギセル(はまうつぼ科)

時期秋に花をつける。

場所ススキの根元でよく見つかる。県内各地に分布する。

解説ススキの根から養分をとる寄生植物。形が

きせるに似ている。

寄生植物には,ハマウツボ,ギンリョウソウ,ヤドリ

ギ,ヒノキバヤドリギなどがある。

一部の栄養を他から取るものを半寄生(ヤドリギ)

葉緑素をもたず寄生生活をする全寄生(ハマウツボ)

枯れ葉などの分解途中に寄生する死物(腐生)寄生(キ

ンリョウソウ)

79ニオウヤブマオ(いらくさ科)

時期8~9月に花をつける。

場所海岸の近くに生える。

徳之島以北に分布する。

解説茎は直立して1m位,木質化

して,短毛を密生する。葉は20~26cm

位で,下面にビロード状の絹毛があ

る。

似た植物オニヤブマオ→屋久島以

北に分布する。重鋸歯がある。

カラムシ(No52)

Z刀

{輝考

-38-

ざま

花冠のへりに

細鋸歯がある

(奄美大島に分布する)

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80ヌスビトハギ(まめ科)

時期夏に花をつける。

場所林道や道路ぱたのやぶ

に多く生える。県内各地に分布

する。

解説秋の山道を歩くと,必

ずといってよい程,実がズボン

についてくる。

名前の由来

この実の形が,ヌスビトが音を

忍ばせて歩くときの足跡に似るか

らという説と音もなく人にとりつ

くからという説の2つがある。

F洲刎リノ

燕炉↓

韓盆

ハ イーシキソ ウ(とうだいぐさ科)81

地面

植物

け,

馳泌参

葦 鋤ヨI撹亡0

鑿麹黙

甥似た植物

コニシキソウ(県内各地に分布) 鴇

霊邇

ハイニシキソウ

8 2 ハ

時期

場所

鑿捗熱9月に白伐り

函 》、

≦'2進『、

瀧鐺ゞ 。。 盆、

澗うに

る、回①

解説

ことで,

くる。県

宗0 ノ)

典●厩果実I

-39-

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ハチジョウイノコ

期秋に実をつける。

所海岸近くの林内に多

れる多年草。

説茎は分岐して直立し

50~100cm<らいになり

はいくぶん肥厚し,葉脈

8対あり表の表面に目

表面は光沢があり,先は

時場ら解き部一

へぺ)0

見高節6つ

封豚

熱、だいにとがり対生する。

分布

土南部以南に

辱藏る。

ハマウド(せ

期4~7月に白

所海岸の岩場や

。県内各地に分布

説高き1~1.5

沢があり,裏面は

5時場物解光

植は脈上に毛があ る。

似 た植物

ボタンボウフウ(

ハルノノゲう86

時期4~8月に黄色の花が咲くが

暖地では冬でも花を見ることがある。

解説5~10月に黄色

の花

荒れ地,道ばたに生

える。ハルノノゲシほ

と皐多くない帰化植物。

県内各地に分布する。

艮封の迄

?_袖↓宇多 灘、糊

ぱい各 (||劇

物オニノノケシ(きく科)

-40-

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87ハン

時期6

咲く。

場所道

などの湿地

地下茎でふ

分布。

.'はW

叱堯

名前の由はんげしよう

半夏生(半夏生(夏至から11日目)説と半化粧説

と2つの説がある。葉の半分が白くなる。

になる。

似た植物ドクダミ

唖つ月に黄色の花がI

丑畑のあぜなどI

コロ』

f_八

i聴

■~■■

ある。 批 毒 で 西

《群訪

'十万

ヨ『津〃

識劃■■

-41-

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91ホソバワダン(きく科)

時期夏~秋に黄色の花をつける。

場所海岸や海岸付近の岩場に生える。

県内各地に分布する。

解説根生葉はロゼット状に出る。茎は木

化する。高き10cm位になり,多数の枝を四方に

のばして広がる。

ロゼット状

認潅朧

92ボタンボウフウ(せり科

時期7~9月に小呑な白色の

まって咲く。

場所海岸近くの崖や岩場に

生える多年草。県内各地に分布

する。

解説葉は1~2回3出羽状

複葉で,枝を分けて大きな株に

なる。

昔,許可を得てチョウセンニ

ンジンの代用にしたので,ゴ

シャメン(御赦免)ニンジンの

名もある。

94メドハギ(まめ科)

時期8~10月に花が咲く

場所日当たりのよい草原

る多年草。県内各地に分布す

解説花は黄白色で,旗弁

の斑がある。茎は硬く直立し

分枝し,葉は7~25mmの小葉

らなる葉を密につける。

似た植物ヤハズソウ(No

シ(_]

-42-

9

匿乞

忽勿

睡函

蜂似た植物

ハイメドハギ(トカラ列島以北に

分布する)

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95ヤハズソウ(まめ科)

時期夏~秋に花が咲く。 場所荒れ地や道ばた,川の堤防など市街地

から山地まで多い。地面に低くもりあがるよう

にして茂る。県内各地に分布する。

解説 .‐似た植物

鑛繼4.a奇7.二

忽 紗葉は図のようによく

ちぎれ,子供のジャン

ケンに使われたりする。

高さ

10~20cm <一貢忽矢はずに似るから

ヤハズソゥ

四蝋珊

溌窪

上倫与、

下l向乏↑イ、一一

鍵 恥ヤハズソウ

マルバヤハズソウ96ヤマヒヨドリ(きく科)、、ミ珊

時期秋に白色の花をつける。

場所山地や草原に生える多年草。

解説茎の下部は無毛で,葉の両面に毛が

なく,腺点もない。県内各地に分布する。

遅函、

せんてん

腺点

ふつう,葉の裏面にある。分泌物を

ためた小ざなふくろか,細胞間のすき

ま。ルーペで観察してみよう。

(鵜弄華鴎)マ(奄美大島に分布)

似るが,葉に腺点がある)I

9フヨメナ(きく科)

紫色の花をつけ

ばたや畑の土手

芽はいわゆる山

利用されてきた

多い。

獄似た

イ ’( …

鹿謬寿写奇司

-43-

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98ヨモギ(きく科)

時期8~10月頃に茶色の目立たない花をつける。

場所田畑のあぜ道,日当たりのよい山地や

草地,道路ぱた,荒れ地に生える。

解説春先から初夏にかけての若葉のヨモギは

一般によく知られているが,花をつける頃1m近

くも生長したヨモギを見ると別の植物とまちがう人も

多い。四季を通して観察することが大切であることを

知る身近な好例である。ノジギクと混生している

と若葉のころは区別しにくい。しかし,花の時期に見

るとノジギクがいわゆるキクの花をつけるのに対しヨ

モギは地味な風媒花をたくざんつける。花や実の時期

に観察するとその植物の特徴がよく現われる例であ

る。※ノギクという種名はなく,ノジギク

やヨメナなどを総称していう。99ルリハコベ(さくらそう科)

時期3~5月頃,青紫色の花

場所海岸近くの畑や道ばたか

地まで見られる。県本土中部以南

解説茎は4角形で細長く,地

葉は卵形で先はとがり,対生する

細長い花柄を出し,鮮やかなルリ

した花が咲く。

似た植物ない

(森林階層構造)

イスノキ

”‐U

の州

イタジイ

コバンモチ

ーシ、

モ ッコク

請呵タイミンタチ

ークロバイ

『’

鶏、

(『之一一一一

≦昇電

ウラジロヵシ)高木ロ

亜高

班 シラタマカズ

鞭二三f願リュウキュウテイカカズラー=bー -

カキ

サクラッッジ

手朧二茸』

-44-

…#蝋”靴,‘‘沙奄美大島森林模式図

低木

木層

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100アカメガシワ(とうだいぐさ科)

時期夏~秋に花,実をつける。

場所山野,特に林縁部,人家周辺,

樹木を切った後に多い。

解説特に春先の若葉は赤色を帯びて

いる。落葉樹で葉は広くて(幅15cm位)とげ

葉柄も長い。夏に花をつけ秋に刺のある

実をつける。枝を折ると木の皮がよくはげる。

瓢g勾岨

炎含

鞠このアカメガシワやイヌビワ,ヌルデ

あるいはハゼノキ,カラスザンショウな

どは林縁部に多く見られる木である。山

道を歩くと道へかぶさるようにして,必

ず現れる植物 似た植物ない

101アコウ(くわ科)

時期花は5月に開花し,実は8~9月に成熟する。

場所海岸近くに生える。常緑の高木である。

解説葉は互生し,質厚<なめらかで葉や茎を

傷つけると白い乳液がでる。気根を出す。

気根→地上の茎や幹から空気中に出る根のこ

とで,種類によっていろいろな働きがある。

付着根(キズタ*ど)他のものに固着する。

支柱根(タコノキなど)呼吸根(ラクウショウ)

保護根(ヘゴホど)浮根(ミズキンバイ)

吸水根(セ、ソコクなど)

臭があることから。

似た植物

クサギ

,ショウロウ

(葉は三角状

クサギ

H形で大きい)

-45 -

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103イタジイ(ぶな科)

時期5~6月頃に花が咲く。

場所照葉樹林を形成する

常緑の高木。

解説大きい木は高さ45

m,径4mにもなる。葉の上

半に粗鋸歯があり,下面には

淡褐色の鱗毛がある。

実は食用になる。

似た植物コジイ

〆劉翰藤

104イヌビワ(<わ科)

時期夏~秋に実が

つく。

場所林縁部,

川岸,山道に

多い。

解説枝を折

ると白い乳液が

出る。葉の広い

型と葉の細い型

がある。実は黒

紫色に熟し食べ

られる。

105ウラジ

(にれ科)105ウラジロエノキ(にれ末

時期6~7月頃に花が咲き10~

実は黒色に熟す。

場所林縁部,川岸,道路わきに

生えている。

解説樹皮は灰褐色で,小枝

には短圧毛が密生する。

葉は鈍い細鋸歯があり,上面はざ

つき圧毛があり,下面は絹状伏毛が

生して白色をしている。

低木

異株

-46-

。。イタジイ

(スダジイ)

コジイ

(ツブラジイ)

に蹴る樹皮が割れない。

内陸部に多い。(種子島,

山,川辺以北に分布する

似た植物

ホソバイヌビワ(イヌビワ

の葉の細い型)

きり

ハエノキ

,甑島,

以南

端は尾状

らない。

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106エゴノキ(えごのき科)

時期春に下向きに白い花が咲く。

場所山地や川岸に多く生えている。

解説落葉高木で高き10m位,径

30cm位になることもある。

樹皮は暗褐色で平滑,葉には柄があり,

互生している。

材はかたく,傘のろくろやくり物に使わ

れる。

「コヤス」「サーマーキ」「シャーマギ」

の方名がある。

似た植物ない。

107オオシマウツギ

時期春~夏に白い花を多

場所畑地の土手や道路ぱ

多く生えている。奄美群島に

解説葉は対生で,両面共うつぎ

ウッギとは空木,茎が中空で

る。葉の下面は白色でなく,

毛は多く枝分かれする。花序

配)。&一こ-W-J、

葉の下面の犀

篭似た植物マルバウツギ(トカラ列島以北に分布する)

ゆきのした科にはコガクウ

ツギのように花のつくりが

退化して,がくが花弁状を

しているかざり花(中性

花)をもつものもある。ガ

クウツギ,アジサイなどで,

実際に観察してみよう。

108オオハマボウ(あおい科)

時期年中開花している,大きなきれい

な花。

場所海岸に生えている常緑の小高

木。種子島以南に分布する。

解説葉は卵形,表面は緑色でつやが

あり,裏面は短い星毛があり,灰白色を

している。

海岸の防潮,防風木として利用きれている

似た植物ハマボウ(県内各地に点在)

(葉の裏面は白色,葉の

鈴嘩-苦き堀

司臓彰

〃リ

-47-

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109オオムラサキシキブ(<まつづら科)

時期夏に花が咲き,果実は秋に

談紫色に熟す。

場所海岸近くの山や道ば

たに生える。県本土中部以南

に分布する。

解説高き1.5~3m位に

なり,小枝は灰白色をしてい

る。葉の縁には鋸歯があり,

対生している。花は淡紅紫色

で密につく。

似た植物ヤブムラサキ

蕊鯵

屋久島以北に分布する。

110ガジュマル(くわ科)

時期5月頃,花が咲き,果実は9月

場所屋久島,種子島以南の海岸近く

生える常緑の高木。

解説高き20m,径1m以上となり,

生じ,枝葉は密に繁り,葉には柄があり

は緑色で光沢があり,下面は淡緑色で主

面に隆起する。枝には輪状の節がある。

庭木,生垣,盆栽に使う。材から盆な

る。

111クサトベラ(くさとくら科)

時期夏に白色の花が葉腋に咲く。

場所種子島以南の海岸近くに生える。

解説半低木で枝が太く,少し枝分れして高

=1m以上になる。全株に白色の短軟毛がある

か無毛。葉の先は円頭かま

れに凹頭,短い葉柄があ

る。

防風,防砂用に利用する。

似た植物ない。

-48-

ヤブムラサキ

鯵貧

唖砺

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112コンロンカ(あかね科)

時期夏,枝の先に黄色の花が

咲<。

場所山地の林縁部,道路ぱた

に多く見られる。種子島以南に分

布する。

解説半つる性の低木で5m位にな

る。小枝は帯赤褐色で灰白色の皮目があ

る。葉は薄い革質で,裏面には6~7対

の側脈が隆起して目立つ。

似た植物ない。

113ゴンズイ(みつばうつぎ科)

時期5~6月頃に若枝の先に花をつける。

場所山野,道路ばたに多く生えている。

解説落葉小高木,葉は対生し,奇数羽状

複葉。県内各地に分布する。

ひも<

皮目

樹木の小枝の表面に現れる隆起

した小点。枝が肥大生長するにし

たがって,横またはたてに広が

る。呼吸のはたらきをする。

ヨ色 α

〈↓ご尭

まつてり

登婦のイF

114サン

時期初夏

場所海岸

解説枝が

ともにほとん

上面は光沢が

防火,防風

似た植物

ヨロ

。 輿

”で〈1

-49-

囿 勝 l 〃

、轡

1~10入Iに息

似た植物ない

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''5シマイズセンリョウ(やぶこう

時期春に白色~少し紫色をおびる花が咲

場所海岸に近い林縁部に生える。

解説高さ’~1.5m位の低木で,葉は

だ円形または長だ円形で,葉のへりに波形

の荒い鋸歯がある。

似た植物イズセンリョウ(やぶこうじ科

鋸歯は側脈と同数で,花びらは

5浅裂することで,シマイズセ

リョウと区別する。

116シヤリンバイ(ばら科)

時期初夏に花,夏~秋に実が熟す。

場所海岸付近の岩場に多い。県内各地に分布す

解説花は白,葉には光沢があり裏面は白っ

ぽい葉脈がはっきり見える。葉のへりはやや

裏側へ巻くようにして曲がる。花が梅に似ており,

直線的に出る枝が輪生するため,車輪梅の名が付い

た。黒く熟した実の皮は甘い。

シャリンバイは大島紬の泥染めの原料として有

名である。この木(葉を除く)を細く切り,10時

間以上煮てその液を泥と混ぜて使う。この木に含

まれるタンニン酸が染色に一役かうわけである。

11フトベラ(とくら科)

時期5~6月頃,白い花,秋遅く,赤い実が裂

出る。

場所海岸近くの山に多い。人家周辺の山地,

庭木としても植えられている。常緑の低木。

場所樹皮は黒っぽい。葉は光沢があり濃い緑色

葉のへりは裏側へ巻きこんだようになっている。

木の枝や幹には特有のにおいがある。花は白から

黄色に変わり芳香がある。とびら

節分にこの木を扉にはきみ鬼をおいはらうのに使

らトビラの木→トベラになったとぎれるが,それほ

木の臭気は強い。

-50-

当I鯵誇

チ参、

フ四

倍#

録全

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118ナンバンキブシ(きぶし科)

時期3~4月頃に

淡黄色の花をつけ,

6~7月だ円形の

実がなる。

場所海岸近く

の林縁に生える。

解説キブシに

比べると枝は太く,

葉は厚く大きい。

葉の裏面は少し白っ

ぽい。落葉低木。

蓼〈見

をし

刀1三

蕾伍〃)尾

期にトー

の廷0

り てい

る。雌雄異株

119ネズミモチ(もくせい科)

時期5~6月頃に白い花をつけ,10月頃に黒く

実が熟す。

場所山地や海岸近く,林縁部,川岸など人家周

辺でもよく見かける。県内各地に分布する。

解説本県では「サタギ」「イポタノキ」の方名

でよく知られている。イボタノキ(もくせい科)は

別にある。樹皮は灰色でなめらか,葉は対生,分厚

く,にぶい光沢がある。

実の形がネズミの糞に似ることからネズミモチの

名がついた。

120ノボタン(のぼたん科)

富三三画

時期初夏に枝先 解説解説全体に褐色

ある。

葉は対生で,鋸歯

なく,3~5行脈

ある。

に紅紫色の径8cm

ほどのきれいな花

をつける。

場所山地の

林縁部に生える。

奄美群島に分布す

似た植物

ハシカンボク

-51-=

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121ハマゴウ(<まつづら科)

時期夏に紫色の花をつける。

場所海岸の砂丘地に生えている。

解説海岸で普通に見られる植物で,

砂浜をうめつくすようにしてよく茂る。

長い茎を伸ばし,節からは根を出す。

落葉する低木。一種の香気がある。

似た植物ミツバハマゴウ(宝島,奄

美群島に分布する)

葉が3分裂する。

'22ハマヒサカキ(つばき科)

時期春に花をつけ,実は熟すと黒くなる。

場所おもに海岸付近,畑の土手や人家の垣根など。県内各地に分布する。

解説花の時期には,特有な臭気(腐臭)が

ただよう。海岸近くの畑や田んぼの土手によく

見られる。また最近では道路わきや中央分離帯

の植えこみにもよく用いられている。

低木のイメージが強いが,大きなものでは7

~8mのものもある。

123ヒイラギズイナ(ゆきのした科)

時期初夏に枝先や葉のわきから美しい白

花が密に咲く。

場所山地や道路ぱたに生える常緑の

高木。奄美大島,徳之島に分布する。

解説葉は革質で無毛,若木の葉は鋭い

鋸歯を有するが,老木になると葉は全縁か

ら全縁状になる。

若木から老木までの観察が大切である。

似た植物ない。

■■6

-52-

舜二彦力

<剣

が.目

フ田

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(ほるとのき科)124ホルトノキ(ほる,

時期7~8月頃,前年の

小ざな白い花をつける。

場所山地,道路ばたに

生える常緑の高木,大きい

ものは高さ30m位になる。

解説樹皮は灰褐色で不整

はげる。葉は有柄で互生し,

毛で縁に低い鈍鋸歯があり,

脈は裏面に隆起し,紅紫色を

ている。

”頑咽

125モクタチバナ(やぶこうじ科)

時期5月頃,白い花が咲く。

場所山地に生える常緑の低木。

解説葉は枝先に集まって互生し,葉は鋸歯が

なく質は厚い。表面の主脈がへこみ,下面には接

近して平行する多数の側脈がある。

花は白~淡紅色の径8mm位のものがつく。

県本土点在,甑島以南に分布する。

似た植物ない。

126ヤマモモ(やまもも科)

時期春~初夏に花をつける。雄花は黄褐色,

雌花は緑色。

場所山地に生える常緑の高木。

解説葉は互生し,成葉は全縁で無毛,葉の

下面に小腺点がある。

果実は食用とし,庭園樹や街路樹として植えられ

ている。

似た植物ホルトノキ(No124)

-53-

瞬蝋

塚雌雄異株

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12フリュウキュウバライチゴ

時期春~夏にかけて白色の美しい花

つける。

場所日当たりのよい山すそ,山地,

道路ばたに生える低木。とげ

解説幹には刺があり,葉は奇数羽状

複葉,葉柄,花序及びがくに長くかたい

腺毛がある。果実は甘味があって美味。

調べてみよう巻きひげのつき方を

おもしろいことに気付く。エビズルの

葉と対生(向かい合って)しているが

は右,左,無し,左,右,無し,右,

則性がある。ノブドウは各節につく。

ガラシなどについても調べてみよう。

エビズル(ぶどう

秋に実をつける。

山地や草原のや

地付近,道路ぱた

植物。

ノブドウとまち

が多く,また,

ドウと言う人も多い

128

時期

場所

ぶ,畑

に多い

解説

がう人

ヤマブ

が,本

ない。

本県にはヤマブドウは一---.--一へ

県臭は里‘廉邑、て‘食べ‘うイlb二

のノト

鯆巧

,/信一記

蘂岬、

-54-

《〆

可捗盈々

ソJ稲

爵雰

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130カナムグラ(くわ科)

時期夏~秋に花をつける。

場所道路ぱたや荒れ地のやぶにおおいか

ぶざるようにして茂る。県内各地に分布。ト

カラ列島に記録なし。

解説駕蕪>別々ご展墓篁寡。

径』句碁‐/簿脆$列

k蕊鑿《

、トゲの役割

自分の体を支えきれないつる植物にとげ

は刺や巻きひげを持つものが多い。他

の植物などに自分の体をひっかけた

り,からまったりするのにつごうがよ

いo

ij

131グンバイヒルガオ

時期夏~秋に紅紫色のきれ

場所海岸の砂丘地に見られ

多年草。県内各地に分布する。

解説グンバイヒルガオは

葉の形がおすもうの行司ざん

の持っている軍配に似ている

からグンバイヒルガオと名が

付いた。

雛〕U門じ

一一・一

314C

扇 皇1-ざ

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133サツマサンキライ

瀞〆

鱈 、

聖。

サツマサンキライ

時期秋~冬にかけて花が咲く。

県本土中部以南に分布する。

場所海岸近くの山野に生える

つる性の低木。

解説幼木にはトゲがあるが成

長するとトゲはなくなる。冬に

開花し,果実は青紫色に熟す。

(ゆレノ科)

似た

I

ルトリイバラ

初夏に花が咲 <・山野に生え

る,

に分

二垂

,弓,

ひつ

る状

ある

つる性の低木。中之島以北

布する。猿とりイバラの

トゲがあって「サル」が

かかるという意味。茎はつ

になって,まばらにトゲが

0

I

似た植物

ハマサルトリイバラ

サルトリイバラに似るが,トゲ

がなく,果実は黒色。県本土南

部に点在,大根占以南に分布す

る。

調べてみよう本県には3,000種以上の高等植物(菌類,コケ類を含まない)が自生し

ている。植物は四季おりおりにさまざまな花を咲かせ,そのなかにはきれいな花もあれ

ば,めだたない花もあるが,全ての植物に名前がついている。身近な植物からだんだん多

くの植物を知ろう。へへへへへへへへへへへへへへへへへハヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘハヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘハヘヘヘ

(あかね科)134シラタマカズラ(あかねボミ

時期4~7月,白色で筒形の小ざ

場所海岸近くの常緑樹林や土手に

解説常緑のつる性植物で,茎は緑

長<のび,気根をだして樹木や岩に付

はいのぼり,長き2~4m位になる。

葉は多肉質でつやがあり,長さ

2~4.5cm,幅1~2cm位になる。

似た植物ない。

I

-56-

睡函1つ魁

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135センニンソウ(きんぽうげ科)

場所夏~秋に白い花が咲く。

場所草地や道路ぱたのやぶ,林のへり,

河原のやぶなどにおい茂る。県内各地に分布する。

解説白い花びらのように見えるのは「がく」。

実には3cm余りの白い羽毛が残り風で飛ばきれやす

いつくりになっている。秋,この実がいっぱいから

みついている様子が見られる。有毒植物で,これを

便所のウジ殺しに使ったりした。

似た植物ヤンバルセンニンソウ

葉は3小葉で種子島以南に分布する。 夛廠/談136ツルグミ(ぐみ科)

‐ 催

ヂ弓

ツルグミ

時期晩秋~初冬に花

が咲き翌春に実は熟

す。

場所海岸林や林中に

生える。県内各地に分

布。

解説つる性の常緑低

木,葉の裏は赤褐色。

小枝は濃赤褐色で細く

不明瞭な稜角があって

丸い。

似た植物

g瀞

識アキグミ

時期花は4~5月

頃,実は赤く熟す。

場所海岸から山野ま

で最も多く見られる。

解説秋に実が熟すこ

とからアキグミ。葉は

白っぽい。徳之島以北

に分布する。

似た植物

獺ナワシログミ

時期秋遅く花をつ

け,翌春に実は赤く熟

す。

場所海岸近くの山野

に多く見られるが,山

地部にも多い。

解説苗代の時期に実

が熟すことからナワシ

ログミ。葉はかたく光

沢がある。表は緑色,

裏は褐色の点がある。

屋久島以北に分布。

-57-

似た植物

マルバグミ

時期秋遅く花をつけ

翌春に実が赤く熟す。

場所海岸林の植物

で,主として県本土南

部以南。

解説つる性の低木。

葉の表面は弱い光沢が

あり,裏は銀白色。

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13フテリハイノバラ(ばら科) 似た植物

毎夢、 乳『蛤

!リ執

ヴ、、、

多い。畑0 戦終斜測!

認当山

ぶ辻匡』

0

瀞'旨乏惠、

、造茎ノ 鵜彰礁

138ノアサガオ(ひるがお科)

時期6月頃から紅紫色のきれいな花をつける。

場所海岸近くから山手まで見られるつる性の草

解説茎は長き10m以上にもなり,木をはいのぽ

時として林縁部をおおいかくすことがある。

野朝顔一ノアサガオ

野生のアサガオの意味

県本土中部以南各地に分布する。

似た植物シロバナノアサガオ→花が白色のもの。

(個体数は少ない。

険亘一

139ハスノハカズラ(つづらふじ科)

時期夏から秋にかけて淡緑

の花をつける。

場所海岸付近,道路ぱた

などいたるところに普通に見ら

れる。県北部を除く各地に分布

解説多年草のつる性の草本

葉は長い柄があって,互生し,

ない。

「ゥバヵズラ」「ビルカズラ」

似た植物ない。

c7)fja)I<、・も

L

ノ乗柄が‐

__ノ天アミ

墨傘花は 実は6mm位

淡緑色で淡紅色に熟す。

さり)岡向

の万二そT刀。汐

-58-

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140ハマヒルガオ(ひるがお科)

時期5~6月頃に花をつける。

場所海岸の砂丘地,川くりや砂地の

ところ,土手など,県内各地に分布する。

解説つる性の常緑の多年草,もともと

海浜の植物であるが,人里付近でもよく見

かける。

花はうすい桃色,葉は光沢があり直径2~

い柄があって互生し腎臓形をしている。

名前の由来

ヒルガオに似た花が咲き,浜に生える

似た植物グンバイヒルガオ(No131)

Q色ィ'一一口承

浜に生える。

(No131)

141ビナンカズラ(まつぶさ科)

(サネカズラ)

時期7~8月頃淡黄白色の花を下向きにつl

場所山地,道路ばたなどに生える。

解説常緑のつる性の木で,太いものは

径2cm位になり,皮に粘液をふくんでい

る。葉の質は厚く,軟らかく縁に鋸歯があ

り,上面は光沢があり,下面は紫色をおび

ることもある。

茎の粘液は昔,頭髪を洗うのに使った。

似た植物ない。

(こしょう科)142フウトウカズラ(こし

時期初夏,枝先に花穂がたれ

帯びる。

場所海岸に近い山林,山地な

解説常緑のつる植物で,茎は

節より気根をだして,岩や木には

葉は対生し,若木のものは裏面に

似た植物ない。

-59-

II

、リ

県内各地に分布する

一一一一~寺~、〆●

遜修卿~ _

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143ヘクソカズラ(あ

時期8~9月頃に花をつ

黄色に熟す。

場所人里付近の林のやぶ

そば,道路わきのやぶなど。

解説葉をもんでにおいを

独特の悪臭がある。これから

カズラの名がついた。

花は名前に似合わずきれいで

鼻の頭につけて遊んだ。

地方によってはハナテングの

別名ヤイトバナ

(あかね科)

鵠 I C

はる持ののヤで

Hの

1各曲

亀ク)イ山間

<沖

墨αノ〕勺。

、ZiでI

144ホウロクイチゴ

時期3~4月頃,白色の

実は冬に赤く熟す。

場所山林や道路ばたに多

生える。県北部を除く各地。

解説常緑で茎は太く,伸

長短の毛と細いトゲがある。

葉は硬く下面は淡黄褐色の毛

われ,両面に短いトゲがある

似た植物クマイチゴ→荒

閲嬬われ,両面に短いトゲがある。

似た植物クマイチゴ→荒れ地に多く,葉は長い。種子島以北に分布する。アマミノフユイチゴ

I競鄭フユイチゴ→山林中,小形の葉。悪石島以北に分布する。

145リュウキュウテイカカズラ(きょうちくとう科)

時期初夏に白色で香気のある花が咲き,

後に黄色に変化する。

奄美群島に分布する。

1フユイチゴに比べ小

形の植物

場所山地,山野の林縁部に多く生えている

解説常緑のつる性の植物で,茎の太いもの

4cm位,長き5mに達する。佐多岬以南に分布

葉には柄があり,葉面は毛がある。

似た植物ケテイカカズラ→葉の裏面に毛が

ある。県本土点在。沖永良部島に

分布する。

テイカカズラ→リュウキュウテイ

カカズラの基本種,県本土各地に

分布する。

縁ア

-60-

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索 引

選ばれた145種以外に,この解説書で取りあげた植物

キキョウ

キズタ

キツネノボタン

キフ.シ

キンエノコロ

ギンリョウソウ

クグガヤツリ

クサギ

クマイチゴ

クマノギク

クリハラン

クルマバナ

ク ワ ク サ

クワノハエノキ

グンバイナズナ

ヶティヵヵズラ

ケホシダ

コオニタビラコ

コガクウツギ

コケオトギリ

コジイ

コセンダングサ

コツブキンエノコロ

コニシキソウ

コバノセンダングサ

コバンソウ

コマツヨイグサ

コメヒシバ

コモチシダ

サツマノギク

サトイモ

サルトリイバラ

サワヒヨドリ

ショウロウクサギ

シコンノボタン

シマスズメノヒエ

シマツユクサ

シマフジバカマ

アオカモジグサ

アオナワシロイチゴ

アキグミ

アキノエノコログサ

アキメヒシバ

アジサイ

アマミシマアザミ

アマミノフユイチゴ

アメリカセンダングサ

アレチノギク

イズセンリョウ

イヌビュ

イノモトソウ

イポタノキ

イラクサ

イワガネ

インドヨメナ

ゥシハコベ

ウマノ ア シ ガ タ

ウラジロ

エラブユリ

オイランアザミ

オオアマクサシダ

オオイヌタデ

オオジシバリ

オオナンバンギセル

オオバノイノモトソウ

オオマツヨイグサ

オニノノゲシ

オニヤブマオ

オラ ン ダ ガ ラ シ

カスマグサ

カントリソウ

カヤ ツリグサ

カラスウリ

カラスザンショウ

カラスノエンドウ

ガクウツギ

ガン

ササクジウサ

アグギリントラクミ

ノツーイニグク

ブコロズ

ナスセクヤタキノチボチヤッサネゲテカトミナカロヌネナノラ

ギククウハ

ババキコガノシチドガクガノカダバシデババシンギギド

ロイスツトコチチンヤユリルイク

ガワルジイゲコジジブ

シススセセダダダダチッシシテドナナヌネノノノノノノ

58

'6

38

57

16

22

47

32

60

32

27

32

45

33

51

16

38

30

20

45

18

'7

45

60

29

13

37

26

46

37

45

12

35

41

50

23

14

51

29

29

43

17

22

32

34

60

13 60

39

33

11

28

47

28

46

32

16

39

32

21

24

22

12

41

11

5719

32

10

25

33

38

14

24

40

38

35

45

19

58

23

43

26

44

54

26

16

56

43 ハイアワユキセンダングサ

ハイメドハギ

ハコネシダ

ハシカンボク

ハゼノキ

ハドノキ

ハナウリクサ

34

36

17

55

45

34

47

2231596

44154‐22

45

51

18

22

43

-61-

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39

59

52

28

ミソナオシ

ミチバタガラシ

ミツバハマゴウ

ミミナグサ

ムラサキツメクサ

ヤエムグラ

ヤドリギ

ヤナギタデ

ヤブガラシ

ヤブヘビイチゴ

ヤブムラサキ

ヤンバルセンニンソゥ

ラクウショウ

フユイチゴ

ヘゴ

ホウキギク

ホソバイヌビワ

ホ ラ シ ノ ブ

ボントクタデ

マツヨイグサ

マメヅタ

マルバウツギ

マルバグミ

マルバャハズソゥ

ミー

ミズキンバイ

60ハマ ウ ツ ボ

ハマグ ル マ

ハマサルトリイバラ

ハマツメクサ

ハマボウ

ヒエガエリ

ヒヵヶノヵズラ

ヒナタイノコヅチ

ヒノキバヤドリギ

ヒメイタビ

ヒメオトギリ

ヒメミカンソウ

ヒルガオ

フキ

38

29

56

36

47

45

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参 考文献

鹿児島植物同好会

平凡社

保育社

北隆館

保育社

井上書店

新星図書出版

沖縄生物教育研究会

講談社

講談社

平凡社

保育社

鹿児島県立博物館

編郎他編

彦季正太郎一樹彦彦彦彦正

住春武富四順直住住住邦武

島山田野村本原島島島中田

初奥長牧北杉池初初初下長

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鹿児島県植物目録

寺崎日本植物図鑑

原色日本帰化植物図鑑

新牧野日本植物図鑑

原色日本植物図鑑(上中下シダ編)

新日本草本植物総検索誌(I~Ⅳ)

沖縄植物野外活用図鑑(1~6)

琉球植物誌

日本の樹木

琉球の植物

カラー植物百科

人里の植物(I~Ⅱ)

鹿児島県植物方言集 1980

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