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19
スチレン系特殊透明樹脂

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スチレン系特殊透明樹脂

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< 目次 >

ページ

1 はじめに 2

2 アサフレックス®の物性一覧表 3

4

アサフレックス®の成形方法と用途事例

(1)成形方法と温度 (2)射出成形 (3)シート成形

(4)フィルム成形 (5)異形押出し成形 (6)ブロー成形

4-7

5

アサフレックス®の基礎物性

(1)低温耐衝撃特性 (2)耐熱変形性 (3)耐候性

(4)ガス透過性 (5)耐薬品性 (6)ヒンジ特性 (7)耐γ線性

(8)他の透明樹脂との特性比較 (9)食品衛生規格への適合性

8-13

6

アサフレックス®の樹脂ブレンド特性

(1)ブレンドシートの透明性 (2)ブレンドシートの耐衝撃性

(3)ブレンドシートのガス透過性 (4)ブレンドシートの低温特性

14-17

7 ご注意 18

内容

1

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(1) アサフレックス®とは?

アサフレックス®は、ポリスチレンとポリブタジエンからできています。ポリスチレン

部分があるため、スチレン系樹脂との相容性に優れ、さらにポリブタジエン部分

(ゴム部分)を有するため高い耐衝撃強度を有しています。

(2) HIPS(High Impact Polystyrene)との違い?

ミクロのレベルで見ると、アサフレックス®のポリブタジエン部分は、網の目状に

細かく分散しており、ポリブタジエン部分が大きなサラミ状に分散しているHIPS

とはその形状が異なります(写真①参照)。アサフレックス®は、ポリブタジエン

部分の分散が光の波長より小さいために、HIPSでは出せなかった高い透明性と

光沢を有しています。

(3) 基本特長は?

はじめに

ポリスチレンの優れた透明性とポリブタジエンの耐衝撃性

を兼ね備えたアサフレックス®

① スチレンブロック共重合樹脂 ② 耐衝撃性ポリスチレン樹脂

HIPS(不透明)

(黒く染色された部分 がポリブタジエン)

2

① 高い透明性

② 優れた耐衝撃性

③ ポリスチレンとの良好な相容性

④ 良好な着色印刷性

⑤ 優美な表面光沢性

⑥ ヒンジ特性

⑦ 食品衛生性

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アサフレックス® の物性一覧表

(注)測定条件

*1 引張特性 : 試験速度=50mm/min

*2 シャルピー衝撃強さ : 数値表示: 試験片が二つ以上の破片に破壊するもの。 P: 試験機容量15Jで、打撃により亀裂が入るも試験片の大部分が残るような部分的な破壊を表す。

NB: 試験機容量15Jで、破壊しない場合を表す。

*3 荷重たわみ温度 : アニールなし、 荷重=1.8MPa、120K/h

*4 ビカット軟化温度 : 荷重=10N、 50K/h

*5透明性 : 2mm板

項目 測定規格 単位

グレード名

800S 805

825 830 840

815 (ワックス入)

835 (ワックス入)

845 (ワックス入)

密度 ISO1183 g/cm3 1.02 1.02 1.01 1.02 1.01 1.02

吸水率 ISO62 % <0.1 <0.1 <0.1 <0.1 <0.1 <0.1

メルトフローレート

[200℃、5kgf] ISO1133 g/10min 6 10 5 6 6 7

成形収縮率 - % 0.2~0.8 0.2~0.8 0.2~0.8 0.2~0.8 0.2~0.8 0.2~0.8

引張強さ*1) ISO527-1

MPa 41 33 20 27 18 27

引張破断伸び*1) % 12 30 250 200 250 40

曲げ強さ ISO178

MPa 54 50 24 37 21 34

曲げ弾性率 MPa 2250 1550 1400 1200 1100 1500

ロックウェル硬さ ISO2039-2 Rスケール 78 68 20 55 10 20

デュロメーター硬さ ISO868 Dスケール 75 75 62 71 55 68

シャルピー衝撃強さ *2)

ノッチなし ISO179

kJ/m2 23 16 NB 100 NB NB

シャルピー衝撃強さ *2)

Vノッチ付 kJ/m2 1.1 1.3 P 2 P 2

荷重たわみ温度 *3) ISO75-1 ℃ 69 63 65 57 60 62

ビカット軟化温度 *4) ISO306 ℃ 96 91 83 82 72 81

全光線透過率 *5) ISO13468 % 90 90 89 90 89 88

曇価 *5)(HAZE) ISO14782 % 3.0 0.5 1.2 0.5 2.0 1.2

主な特長

透明性

表面外観

高剛性

表面硬さ

透明性

表面外観

高剛性

表面硬さ

耐衝撃性

ヒンジ性

スチレン系

樹脂改質

(衝撃)

低異方性

耐衝撃性

透明性

熱安定性

良好

高透明

高衝撃

物性バランス

良好

GPPSとの

相容性

物性バランス

良好

加工法

(◎:単体 ○:主にブレンド)

射出成形 ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○

押出成形 ○ ○ ○ ○ ○

ブロー成形 ○ ◎

主な用途例

・容器

・文具

・雑貨

・玩具

・化粧品

キャップ

・食品容器

・化粧品

キャップ

・食品容器

・ヒンジ容器

・ブリスター

用シート

・ シュリンク

フィルム

・食品包装

・ブリスター

シート

・シュリンク

フィルム

・コップ

・フィルム

・シュリンク

フィルム

・飲料カップ・蓋

・食品容器

・園芸用

アンプル

810

3

これらの数値は、定められた試験法に基づいて得られた代表値であり、保証値あるいは製品スペックではありません。個々の用途に最適なグレードを選ぶ目安としてご

参照下さい。

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アサフレックス® の成形方法と用途事例

アサフレックス®は一般的な熱可塑性樹脂と同様に、各種の成形方法によって成形することが可能です。 ア

サフレックス®の成形で最も重要なのは、成形温度です。下記に各種成形方法における適切な成形温度範

囲の目安を示しています。アサフレックス®は、250℃以上の温度で成形を行うと、ゴム相(ポリブタジエン相)

の架橋が急速に進行し、透明性が損なわれ、物性も低下します。また、230℃周辺の温度でも、長時間の滞

留が懸念される運転条件下では物性低下が認められるなど、様々な不良現象の要因となりますので、注意

が必要です。アサフレックス®は吸湿性が少ないため乾燥を必要としません。

(1)成形方法と温度

成形方法 成形温度(℃)

100 120 140 160 180 200 220 240 260

射出成形

射出ブロー成形

Tダイ押出成形

インフレーション成形

ブロー成形

圧縮成形

真空成形

圧空成形

<アサフレックス®の成形温度範囲の目安>

最適成形温度範囲 成形可能温度範囲

ワックス添加グレード(アサフレックス®815、835、845)ご使用上のご注意

ワックス添加グレードにつきましては、お客様のご使用条件(配合処方、成形条件、成形シート及び成形品の

保管温度・時間等)によりましては、ワックスのブルーミングによる表面の白濁が発生する場合があります。

ご使用に際しましてはご使用条件下でのワックスのブルーミングの有無をご確認の上、ご使用下さい。

4

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アサフレックス®の射出成形品は、透明でしかも優れた耐衝撃性を兼ね備えています。さらに、着色も可能

で、食品容器をはじめキャップ類・玩具・ケースなど、私たちの生活に密着した分野で幅広く使われています。

(2)射出成形

割れても角

が鋭利に

なりにくい

優れた

ヒンジ特性

優れた

低温時の

衝撃強度

用途事例 デザート容器・ハンガー・プラモデルの部品・各種ケース・化粧品オーバーキャップ など

項目 条件

成形品 長さ130mm、幅110mm

厚さ3mm(平板)

ゲートの種類 タブゲート、3x3mm

成形機 型締784KN

シリンダー温度 180~200℃

ノズル温度 200℃

射出圧力 67MPa

金型温度 50℃

背圧 6MPa

クッション量 3~5mm

射出時間 10秒

冷却時間 20秒

<アサフレックス®の射出成形条件の一例>

プラモデルの部品 カメラ用フィルターケース

シェーバーのT字カバーケース ゴーグルケース 透明メガホン

5

(1)高い透明性と高い耐衝撃性

(2)低温時の高い耐衝撃性

(3)優れた嵌合特性

(4)優れたヒンジ特性

(5)割れても角が鋭利になりにくい

(6)着色・印刷が可能

(7)ポリスチレンの耐衝撃性を改良

(8)食品衛生規格に適合しているグレードを

用意しています。

特長

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ワックス添加グレード(アサフレックス®815、835、845)ご使用のご注意

ワックス添加グレードにつきましては、お客様のご使用条件(配合処方、成形条件、成形シート及び成形品の保管温度・時間等)によっては

ワックスのブルーミングによる表面の白濁が発生する場合があります。ご使用に際しましてはご使用条件下でのワックスのブルーミングの 有

無をご確認の上、ご使用下さい。

アサフレックス®にGPPSや、SCポリマー*1)等スチレン系樹脂をブレンドすると、特長のあるスチレン系シート

ができます。 これらのブレンド比率を変えることにより、それぞれの

ニーズに合わせた、透明性と耐衝撃性のあるシートが得られます。

また、さらにタフプレン®*2)を加えると、強靭性に優れ、特に低温耐衝

撃性の高いシートが得られます。

*1)SCポリマーとは、PSジャパン株式会社で販売しているスチレン系コポリマーです。アサフレックス®に屈折率を近づけたことで、

GPPSとのブレンドでは出せなかった高透明シートが得られます。

*2)タフプレン®とは。旭化成㈱のスチレン系熱可塑性エラストマーです。アサフレックス®を使用したスチレン系シートにブレンド

することによりさらに耐衝撃性の改質効果を高めます。

用途事例 ブリスターパック・透明飲料カップ・食品容器・冷菓カッ

プ/蓋・ICキャリアテープ・鶏卵パック など

項目 条件

成形品 厚さ0.8mm、幅700mmシート

押出機 90mmΦ

スクリュー フルフライトスクリュー

(L/D=28)

ダイ コートハンガータイプ

シリンダー

温度

C1 170℃

C2 180℃

C3 185℃

C4 190℃

C5 200℃

ダイ温度 D1~D5 200℃

60~80℃ キャストロール温度

<アサフレックス®のTダイ押出成形条件の一例>

(3)シート成形

ブリスターパック

優れた

低温時の

衝撃強度

深絞り

成形が

可能

良好な

スタック性

食品容器 透明飲料カップ

6

(1)高い透明性と高い耐衝撃性

(2)低温時の高い耐衝撃性

(3)深絞り成形が可能

(4)優美な光沢

(5)着色・印刷が可能

(6)燃焼時、塩素系ガスは発生しません。

(7)PVC・A-PETに比べ低比重です。

(8)食品衛生規格に適合しているグレードを用意

しています。

特長

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アサフレックス®は、GPPS等とブレンドし、透明フィルムを得ることができます。

(1)高い透明性

(2)優美な表面光沢性

(3)スチレン系シートとのサーマルラミネートが可能です。

(4)印刷性に優れ、写真印刷も可能です。

(5)酸素・水蒸気の透過性が高く、透過性フィルムとして良好

食品包装用ラミネートフィルム

シュリンクフィルムなど

アサフレックス®は、異形押出成形が可能です。 用途事例

ICマガジンレールなど

特長 (1)高い透明性

(2)高い耐折強度

(3)成形性に優れます。

(4)成形体としての剛性に優れます。

(5)軟質PVC、PETに比べて低比重です。

アサフレックス®は、ダイレクトブロー及びインジェクションブローが可能です。

(1)高い透明性

(2)低温時の高い耐衝撃性

(3)成形性に優れます。

(4)印刷性・着色性に優れます。

用途事例 園芸用アンプル・糊の容器 など

(4)フィルム成形

(5)異形押出し成形

(6)ブロー成形

用途事例

7

特長

特長

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(1)低温耐衝撃特性

アサフレックス®は単体でも、低温の耐衝撃性がGPPSより良好です。またSCポリマー*1)とのブレンドに

おいて、アサフレックス®の配合量を増やすことにより、低温下でも耐衝撃性の優れたシートが得られます。

試料

ダート衝撃値

(J)

アイゾット衝撃値

ノッチなし(kJ/m2 )

23℃ -30℃ 23℃ -30℃

成形板肉厚3mm

アサフレックス® 810 >15 >15 破断せず 破断せず

GPPS 0.3 <0.3 9 8

アサフレックス® 810/GPPS

(60/40) 0.75mm厚シート >15 10 - -

<試験条件>

シート厚み:0.6mm

ダート衝撃強さ:落錘1/2インチ

*1)SCポリマーとは。PSジャパン株式会社で販売しているスチレン系コポリマーです。アサフレックス®に屈折率を近づけた

ことで、GPPSとのブレンドでは出せなかった高透明シートが得られます。

これらの数値は、定められた試験方法に基づいて得られた代表値であり、保証値あるいは製品スペックではありません。

【アサフレックス®単体・GPPSブレンド系】

【アサフレックス® /SCブレンド】

アサフレックス®830/SCブレンドシート

衝撃強さの温度依存性

0

2

4

6

8

10

12

14

-40 -20 0 20 40

測定温度(℃)

ダー

ト衝

撃強

さ(

J)

配合比

アサフレックス®830/SC

アサフレックス® の基礎物性

8

60/40

50/50

40/60

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(2)耐熱変形性

アサフレックス®の使用可能温度領域は、下表の荷重たわみ温度の数値を目安に使用して下さい。

(3)耐候性

アサフレックス®は、ポリブタジエン部分を含む樹脂であり、主鎖中にC=Cの2重結合が存在する

ため耐候性は優れません。常時屋外における使用等には不向きであり、注意が必要です。

グレード名 805 810

825 830 840

815 (ワックス

入)

835 (ワックス

入)

845 (ワックス

入)

荷重たわみ温度 ISO75-1 ℃ 63 65 57 60 62

800S

69

(4)ガス透過性

項目 測定規格 単位 アサフレックス

®810

耐衝撃

ポリスチレン

(HIPS)

二軸延伸

ポリスチレン

(GPPS)

シート厚み - mm 0.35 0.34 0.30

透湿度 JIS Z0280 (B条件)

g/(m2・24h) 14 14 12

酸素透過率

MODERN -CONTROL社製

OX-TRAIN100型

cc/(m2・24h) 1500 560 370

アサフレックス®は、高い酸素・水蒸気透過性を有します。その特性を利用した野菜包装等への

展開が可能です。

9

これらの数値は、定められた試験法に基づいて得られた代表値であり、保証値あるいは製品スペックではありません。

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(5)耐薬品性

アサフレックス®の耐薬品性、耐油性は、ポリスチレンに類似した特性を示します。

薬品・油 浸漬後の変化 薬品・油 浸漬後の変化

<無機酸類> <エステル類>

弱酸 ◎ 酢酸エチル ×

強酸 ◎ 酢酸ブチル ×

酸化性強酸 △~× MMA ×

<無機塩基類>

可塑剤

DBP ×

弱塩基 ◎ DOP ×

強塩基 ◎~○ DOA ×

<無機塩類> <ハロゲン系炭化水素>

中性塩 ◎ クロロホルム ×

<脂肪族炭化水素類> 四塩化炭素 ×

n-ヘキサン △ トリクロロエタン ×

n-ヘプタン △ トリクロロエチレン ×

シクロヘキサン × テトラクロロエチレン ×

<芳香族炭化水素類> クロロベンゼン ×

トルエン × <有機酸類>

キシレン × 酢酸 △

<アルコール類> プロビオン酸 △

エチルアルコール ◎~○ <鉱油類>

n-プロピルアルコール ◎ パラフィン系油 △

i-プロピルアルコール ◎ ナフテン系油 △

エチレングリコール ◎ アロマ系油 ×

グリセリン ◎ <植物油類>

<ケトン類> 大豆油 ◎~○

アセトン × なたね油 ◎~○

メチルエチルケトン × 綿実油 ◎~○

<エーテル類> <その他>

ジエチルエーテル × しょう油 ◎

エチルセロソルブ × バター △

ポリエチレングリコール ◎ ○ 合成洗剤

アサフレックス® の耐薬品性・耐油性

[試験条件:20℃、7日間浸漬]

◎:変化なし △:曇り、ミクロクラック発生

○:わずかな曇り ×:膨潤、溶解、クラックなどで使用不可

10

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(6)ヒンジ特性

アサフレックス®のヒンジ特性(破断までの折り曲げ回数)

ヒンジ形状 805 810 825

1,200 42,000 10,000

(試験条件)

屈曲角度:180°(左図参照)

屈曲周期:100回/分

荷重 :500g

(注)上記のデータは成形直後の折り曲げ処理なしで得られた数値です。

アサフレックス®は、透明でヒンジ特性に優れます。ヒンジ部が白化しにくいグレード

もあります。また、嵌合かんごう

(かみ合わせ)特性に優れます。

(7)耐γ線性 アサフレックス®は、医療器具等のγ線照射をしても、物性、透明性は殆んど

変わりません※。

γ線

照射量

(Mrad)

アサフレックス®805 アサフレックス®815

引張強さ 伸び 引張強さ 伸び

0 100 100 100 100

2.5 100 100 100 100

5 100 100 100 100

透明性

100

100

100

透明性

100

100

100

(表中のそれぞれの数値は、照射前の物性を100とした時の相対比較値)

これらの数値は、定められた試験法に基づいて得られた代表値であり、保証値あるいは

製品スペックではありません。

11

※医療用途への使用をご検討の際には、必ず事前に弊社担当までご連絡願います。

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アサフレックス®の食品衛生規格への適合性は下記に示す通りです。

(1)昭和57年厚生省告示第20号の規格試験(PS):食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省

告示第370号)の第3のDの2合成樹脂製の器具又は容器包装基準に準じて、試験を行った結果、

抽出量は基準値以下であることを確認しています。

(2)ポリオレフィン等衛生協議会による自主規制基準:下記番号で合成樹脂原料[A]で登録しております。

(800Sのみポリマー添加材[B]で登録しております。)

アサフレックス®

グレード名 登録番号

805 [A]SZa-0331-L

810 [A]SZa-14255-L

815 [A]SZa-14197-L

825 [A]SZa-0343-L

830 [A]SZa-0500-L

835 [A]SZa-14198-L

840 [A]SZa-0544-L

845 [A]SZa-0502-L

800S [B]SL-4944

(8)他の透明樹脂との特性比較

アサフレックス®は、他の透明樹脂と比較して、物性のバランスに優れています。

アサフレックス

® 汎用PS AS樹脂

透明ABS

樹脂 PMMA

ポリカー

ボネート 透明PP

透明性 ○ ○ ○ △ ◎ ○ △~×

耐衝撃性(室温) ○~◎ × △ ◎ △ ◎ ○

耐衝撃性(低温) ○~◎ × × ◎ × ◎ △

剛性 △~○ ◎ ◎ ○ ◎ ○ △

耐候性 △ ○ ○ △ ◎ ○ ○

ヒンジ特性 ○~◎ × × △ × × ◎

◎:特に良い ○:良い △:少し劣る ×:劣る

注)比較に用いた樹脂は、一般グレードです。これらの特性比較は定められた試験法に基づいて得られた特性を

相対比較したものです。

(9)食品衛生規格への適合性

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アサフレックス®は、単体でも優れた特性を有し、様々な用途に使用されております。

また、PSおよびMS樹脂との相容性に優れており、これらの樹脂をブレンドすることによって

各種の特性を付与することが出来ます。

アサフレックス® の樹脂ブレンド特性

アサフレックス®

GPPSを配合 SCポリマー 1)、MS 2)を配合

タフプレン® 3)を配合

更に(低温)耐衝撃性を高めたい

・高透明を維持したまま剛性を上げたい。 ・剛性を上げたい

・コストを下げたい

(1)ブレンドシートの透明性

GPPSブレンド系シートの透明性

0

1

2

3

4

5

20 40 60 80

アサフレックス®配合量(wt%)

Ha

ze

(%

835

810

815

845

SCブレンド系シートの透明性

0

1

2

3

4

5

20 40 60 80

アサフレックス®配合量(wt%)

Ha

ze

(%

835

810

815

GPPSとのブレンドに比べ、SCとのブレンドではより透明性に優れたシートが得られます。

+ +

*1)SCポリマーとは。PSジャパン株式会社で販売しているスチレン系コポリマーです。アサフレックス®に屈折率

を近づけたことで、GPPSとのブレンドでは出せなかった高透明シートが得られます。

*2)MS樹脂:スチレン-メチルメタアクリレート共重合樹脂。

*3)タフプレン®とは、旭化成㈱のスチレン系熱可塑性エラストマーです。アサフレックス®を使用した

スチレン系シートにブレンドすることによりさらに耐衝撃性の改質効果を高めます。

13

これらの数値は、定められた試験法に基づいて得られた代表値であり、保証値あるいは製品スペックではありません。

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(2)ブレンドシートの耐衝撃性

アサフレックス®の配合量を増やすことにより、耐衝撃性に優れるシートが得られます。

GPPSブレンド系シートの耐衝撃性

0

5

10

15

20

20 40 60 80

アサフレックス®配合量(wt%)

ダー

ト衝

撃強

さ(

J)

835

810

815

845

SCブレンド系シートの耐衝撃性

0

5

10

15

20

20 40 60 80

アサフレックス®配合量(wt%)ダ

ート

衝撃

強さ

(J

835

810

815

SC/タフプレン®ブレンド系

シートの耐衝撃性(アサフレックス(R)配合量=50wt%)

0

5

10

15

20

0 4 8 12

タフプレン ®配合量(wt%)

ダー

ト衝

撃強

さ(

J)

835810

815

アサフレックス®/ポリスチレンブレンド物において、アサフレックス®の一部をタフプレン®で置換

すると、透明性は若干低下しますが、耐衝撃性は大幅に改良されます。従って、アサフレックス®/

ポリスチレン/タフプレン®3元系ブレンド物を用いて、2元系ブレンドと同等の耐衝撃性を得る

場合、アサフレックス®とタフプレン®の合計量を少なくするコストダウン配合も組むことが出来ます。

GPPS/タフプレン®ブレンド系シートの

耐衝撃性

(アサフレックス®配合量=50wt%)

0

5

10

15

20

0 4 8 12

タフプレン ®配合量(wt%)

ダー

ト衝

撃強

さ(

J) 835

810815

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これらの数値は、定められた試験法に基づいて得られた代表値であり、保証値あるいは製品スペックではありません。

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(3)ブレンドシートのガス透過性

825/SCポリマー (*1)配合比

試験項目(*2) 単位 100/0 70/30 50/50 30/70 0/100

O2透過率 (*3) 10000 8500 7600 6600 5100 7500

CO2透過率 (*4) 13000 10000 8000 6000 2600 14000

全光線透過率 % 99 99 99 99 99 98

Haze % 0.2 0.3 0.6 0.3 0.2 6.5

引張弾性率 MPa 1000 1510 1890 2320 2630 160

引張強さ MPa 18 23 28 38 36 9

破断伸び(TD) % 300以上 300以上 300以上 250 1.5 300以上

水蒸気透過性 (*5) 11 10 10 10 10 3

LDPE

*1)SCポリマー:PSジャパン株式会社のスチレン系樹脂

*2)0.3mmTダイシートの測定値。引張弾性率、引張強さ:MDとTDの平均値

*3)CC・25μm/m2・day・atm at 23 ℃, 65RH(等圧法測定値)

*4)CC・25μm/m2・day・atm at 23 ℃, 65RH(等圧法測定値)

*5)CC・25μm/m2・day・atm at 40 ℃, 90RH

ア サ フ レ ッ ク ス ® は ス チ レ ン 系 樹 脂 と の ブ レ ン ド に よ り、透 明 性、伸 び を 維 持 し た ま ま、

剛性と気体透過性のコントロールが可能です。

これらの数値は、定められた試験法に基づいて得られた代表値であり、保証値あるいは製品スペックではありません。

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(4)ブレンドシートの低温特性

アサフレックス®835は、アサフレックス®シリーズの中では耐寒性能に優れていますが、冷菓容器に求め

られる低温特性(-20~30℃でのダート衝撃値で10J)を発現するにはスチレン系樹脂との2元系では限

界があります。

タフプレン®との3元配合系であれば、より優れた低温特性を出すことが可能です。

アサフレックス®/SC/タフプレン®配合

アサフレックス®/SCポリマー/タフプレン®の配合により、低温特性と透明性に優れた材料設計が

可能です。

樹脂種 835/SC/タフプレン® 参考:PSブレンド

配合

アサフレックス ®835 50 50 50 50

SCポリマー 45 40 35 -

GPPS - - - 45

タフプレン® 5 10 15 5

物性

項目 条件 単位

23℃

J

>20 19 19 18

ダート衝撃強さ -20℃ >20 >20 >20 >20

(落錘半径1/2インチ) -30℃ 12 20 >20 9

-40℃ 10 11 17 3

全光線透過率 % 98.6 98.1 97.3 90.7

曇価 % 1.3 1.6 2.2 4.7

引張強さ MD

MPa 23 18 15 24

TD 13 11 9 15

引張破断伸び MD

% 125 205 270 160

TD >300 >300 >300 >300

引張弾性率 MD 1660 1370 1240 1760

TD 950 740 540 970

平均 MPa 1300 1060 890 1370

MPa

これらの数値は、定められた試験法に基づいて得られた代表値であり、保証値あるいは製品スペックではありません。

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高透明を重視されない場合には、アサフレックス®/GP/タフプレン®配合による設計も可能です。

樹脂種 835/GPPS/タフプレン® 835/GPPS

配合

アサフレックス®835 50 50 50 50 70

GPPS 45 40 35 50 30

タフプレン® 5 10 15 0 0

物性

項目 条件 単位

-23℃

J

18 >20 >20 6 17

-20℃ >20 >20 >20 - -

-30℃ 9 20 >20 - -

-40℃ 3 6 8 - -

全光線透過率 % 90.7 86.4 83.2 94 95

曇価 % 4.7 6.6 8.5 2.1 1.7

引張強さ MD

MPa 24 20 15 32 24

TD 15 13 10 18 12

引張破断伸び MD

% 160 215 260 60 200

TD >300 >300 >300 160 >300

引張弾性率 MD

MPa 1760 1640 1230 1560 1330

TD 970 740 550 1110 740

ダート衝撃強さ (落

錘半径1/2インチ)

これらの数値は、定められた試験法に基づいて得られた代表値であり、保証値あるいは製品スペックではありません。

アサフレックス®/GP/タフプレン®配合

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2018年8月改定

この資料の記載されている数値・内容は、定められた試験方法に基づいて得られた数値、および、現時点で入手

できる資料、データに基づいて作成しており、個々の用途に適当なグレードを選ぶ目安としてご参照下さい。

尚、物性改良、新しい知見により数値・内容は変更されることがあります。

(1)取り扱いの注意

特殊透明スチレン系樹脂「アサフレックス®」(以下アサフレックスという。)の取り扱い上の注意については、製品安全データ

シートを別途作成しておりますので、ご使用前に必ず、お読み下さい。次の事項は、アサフレックスの取り扱いの要点です。

アサフレックスの安全な取り扱いにご活用ください。(アサフレックス以外で貴社がご使用になる添加剤等の安全性に

ついては、貴社にて調査下さるようお願いいたします。)

①安全上の注意点

アサフレックスの溶融時に発生するガスの目、皮膚への接触や吸入を避けて下さい。また、高温のアサフレックスには

直接触れないで下さい。溶融作業においては局所排気装置の設置や保護具(保護眼鏡、保護手袋、等)の着用が必要です。

②燃焼に関する注意点

アサフレックスは可燃物ですので、取り扱い、保管は熱および発火源から離れた場所で行って下さい。万一燃焼した場合

には、燃焼ガス(一酸化炭素など)を発生する恐れがあります。消火には、水、泡消化剤、粉末消化剤が使用できます。

③廃棄上の注意点

アサフレックスは、埋め立てまたは焼却により処理できます。埋め立てる時は、「廃棄物の処理および清掃に関する法律」

に従って、公認の産業廃棄物処理業者もしくは地方公共団体に委託して処理して下さい。焼却する時は、焼却設備を用いて

大気汚染法等の諸法令に適合した処理を施して下さい。焼却時には有毒ガス(一酸化炭素など)を発生する恐れが

あります。

④保管上の注意点

アサフレックスは、直射日光、湿気を避けた冷暗所に保管して下さい。

⑤成形上の注意点

アサフレックスのグレードにより、適切な成形条件(温度等)がありますので、ご使用の際には、事前に弊社担当とご相談

下さい。

⑥ワックス添加グレード(アサフレックス815、835、845)ご使用上の注意 ワックス添加グレードにつきましては、お客様のご使用条件(配合処方、成形条件、成形シート及び成形品の保管

温度・時間等)によっては、ワックスのブルーミングによる表面の白濁が発生する場合があります。ご使用に際しましては

ご使用条件下でのワックスのブルーミングの有無をご確認の上、ご使用下さい。

(2)適合規格に関して

アサフレックスには、各々規格に適合するグレードがあります。詳細は弊社担当までお問い合わせ下さい。人体に

接触する用途、医療用途、食品部材用途等への使用をご検討の際には、必ず事前に弊社担当までご連絡願います。

(3)その他

アサフレックスのご使用に関しては、工業所有権等にもご注意下さい。

ご注意

旭化成株式会社◇ 高機能ポリマー事業本部 エラストマー事業部 エラストマー営業第一部

〒100-0006 東京都千代田区有楽町一丁目1番2号

日 比 谷 三 井 タ ワ ー TEL 03-6699-3252 FAX 03-6699-3454

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