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  • 1

    はじめに

    はじめに︱資産形成は心の中から始まる 

    われわれ(スティーブとサム)はあなたの資産形成のお手伝いをしたい。ただし、財産

    を築く目的は、お金をたくさんもって尊大にふるまったり物欲を満たしたりすることでは

    ない。

    究極の目的は、自由を手に入れることである。ここでいう自由とは、行きたいところに

    行き、したいことをして快適な暮らしをすることだ。財産を築けば、他の方法では得がた

    い自由を謳おう歌かすることができる。

    あなたに期待するのは、人生の目的を追求し、繁栄を享受し、愛する人を助け、崇高な

    理念を掲げる団体を経済的に支援することである。

    多くの人はアフリカの惨状を知って衝撃を受けるが、たいていの場合、同情する以外に

    何もできない。そして、難民を助けるために多額の寄付をする経済力をもっている人たち

    をうらやみ、その人たちが富を独占していることに腹を立てる。

    しかし、金持ちに嫉しつ妬とや反感を抱く必要はない。自分も財産を築いて不遇な人びとに救

    いの手を差し伸べるだけの経済力をもてばいいのだ。

  • 2

    本書はそのための案内書である。

    とはいえ、「一発逆転の利殖術」といったマネーゲームの手法を紹介するつもりはない。

    ましてや、「他人を利用して金かね

    もう儲けをしろ」とか「ギャンブルで一獲千金を狙ねらえ」とは絶

    対にいわない。

    なぜなら、あなた自身が最大のチャンスだからだ。人びとの役に立って社会に貢献し、

    その報酬として正しくお金を稼ぐ方法をこれから伝授しよう。

    われわれは日ごろクライアントの相談にのって資産形成のアドバイスをしている。彼ら

    の多くはそれを実行して驚異的な成功を収めたが、いつもその要因は考え方を変えて突破

    口を開いたことだった。そのなかでとくに効果的な方法を集めたのが本書である。

    さまざまな業種や立場の人たちに効果があったのだから、あなたにもかならず効果があ

    ると確信している。

    本書は、われわれの長年にわたるコーチとしての成果の記録である。それはまた、人生

    につまずいて莫ばく

    だい大な借金を負った二人の男が、どん底からはい上がって財産を築いた秘ひ訣けつ

    の集大成でもある。

    資産形成は心の中から始まる。

    次に、大好きな仕事を見つけて、それに打ち込むことが重要だ。

    ぜひ、本書の提案を実行してほしい。恐れることは何もない。勇気を出して行動すれば、

  • 3

    はじめに

    より早く財産を築くことができる。

    どのくらい財産を築くかは、どのくらい自分を信じるかによって決まる。本書はその信

    念を強化するために書かれている。

                               

    スティーブ・チャンドラー

                              

    サム・ベックフォード

  • 4

    金持ち男になる93の方法 目次

    はじめに︱資産形成は心の中から始まる

    ………

    1

    序 章

    財産を築く決意をしよう

    00 

    金持ち男は「痛切な経験を人生の転機にする」

    ………

    14

    第1章

    お金に対する偏見を排除しよう

    01 

    金持ち男は「お金に対して清らかなイメージをもつ」

    ………

    18

    02 

    金持ち男は「お金はよいものだと気づく」 ………

    20

    03 

    金持ち男は「お金の重要性を認識する」

    ……… 22

    04 

    金持ち男は「お金で幸せを買う」

    ………

    24

  • 5

    05 

    金持ち男は「たまに贅沢をして豊かな気分に浸る」

    ………

    26

    06 

    金持ち男は「税金に感謝する」

    ………

    28

    第2章

    お金の流れをよくする口ぐせを習慣づけよう

    07 

    金持ち男は「自己暗示の原理を活用する」

    ………

    32

    08 

    金持ち男は「ポジティブな口ぐせを心がける」

    ………

    34

    09 

    金持ち男は「嫉妬心と恐怖心を捨てる」

    ………

    36

    10 

    金持ち男は「自分と前向きな対話をする」

    ………

    38

    11 

    金持ち男は「繁栄をもたらす言葉を使う」

    ………

    40

    第3章

    お金を引き寄せる考え方を身につけよう

    12 

    金持ち男は「お金を与えることに意識を向ける」

    ……… 44

  • 6

    13 

    金持ち男は「相手の利益を考慮してお金を払う」

    ………

    46

    14 

    金持ち男は「大金を稼ぐことを考える」

    ………

    48

    15 

    金持ち男は「お金をもっている人をターゲットにする」

    ………

    50

    16 

    金持ち男は「金額の桁を上げる」

    ………

    52

    17 

    金持ち男は「いつも感謝の気持ちを伝える」

    ………

    54

    18 

    金持ち男は「公私のけじめをつける」

    ………

    56

    19 

    金持ち男は「汗水たらさずにお金を稼ぐ」

    ………

    58

    20 

    金持ち男は「想像力を駆使する」

    ………

    60

    21 

    金持ち男は「思索にふける」

    ………

    62

    第4章

    前向きな信念をもって生きよう

    22 

    金持ち男は「自分は稼げると信じる」 ………

    66

    23 

    金持ち男は「大いに失敗する」

    ………

    68

    24 

    金持ち男は「数字のゲームを楽しむ」

    ……… 70

    25 

    金持ち男は「無限の豊かさに気づく」

    ………

    72

  • 7

    26 

    金持ち男は「経済評論家の悲観論を無視する」

    ………

    74

    27 

    金持ち男は「仕事を存分に楽しむ」

    ………

    76

    28 

    金持ち男は「現在に生きる」

    ………

    78

    第5章

    自分の価値を積極的に認めよう

    29 

    金持ち男は「自分が当たりくじだと気づく」

    ………

    82

    30 

    金持ち男は「ファンメールを読む」

    ………

    84

    31 

    金持ち男は「高い自尊心をもつ」

    ………

    86

    32 

    金持ち男は「自分の価値を確信する」

    ………

    88

    33 

    金持ち男は「仕事の料金を高く設定する」

    ………

    90

    34 

    金持ち男は「思いきって要求する」 ………

    92

    35 

    金持ち男は「簡潔な言葉で自己を表現する」 ………

    94

    36 

    金持ち男は「本当の自分を見極める」

    ……… 96

  • 8

    第6章

    チャンスをつかんで成果をあげよう

    37 

    金持ち男は「目の前に転がっているチャンスをつかむ」

    ………

    100

    38 

    金持ち男は「すぐに気持ちを切り替える」

    ………

    102

    39 

    金持ち男は「原因と結果の法則を作動させる」

    ………

    104

    40 

    金持ち男は「条件がそろうまで待たない」

    ………

    106

    41 

    金持ち男は「第一歩を踏み出す」

    ………

    108

    42 

    金持ち男は「自分を勝者としてイメージする」

    ………

    110

    43 

    金持ち男は「職業別電話帳で宝の山を見つける」

    ………

    112

    44 

    金持ち男は「人びとに価値を提供する機会を探す」

    ………

    114

    45 

    金持ち男は「問題を抱えている人を見つける」

    ………

    116

    46 

    金持ち男は「相手の話に耳を傾ける」

    ………

    118

    47 

    金持ち男は「経営者や責任者に質問する」

    ………

    120

    48 

    金持ち男は「心のエネルギーを正しく投資する」

    ………

    122

    49 

    金持ち男は「今この瞬間に潜在能力を発揮する」

    ………

    124

    50 

    金持ち男は「ブームに乗ろうとしない」

    ………

    126

    51 

    金持ち男は「専門分野に特化する」

    ………

    128

  • 9

    第7章

    周囲の人と力を合わせよう

    52 

    金持ち男は「イルカの調教師を見習う」

    ………

    132

    53 

    金持ち男は「幸せなチームをつくる」

    ………

    134

    54 

    金持ち男は「短くて楽しい会議をひんぱんに開く」

    ………

    136

    55 

    金持ち男は「周囲の人に好影響を及ぼす」

    ………

    138

    56 

    金持ち男は「普通の方法で求人しない」

    ………

    140

    第8章

    人びとの役に立って社会に貢献しよう

    57 

    金持ち男は「お金そのものを追い求めない」

    ………

    144

    58 

    金持ち男は「正しくお金を稼ぐ方法を学ぶ」 ………

    146

    59 

    金持ち男は「相手の立場で物事を考える」 ………

    148

    60 

    金持ち男は「不満を利益に転換する」

    ………

    150

    61 

    金持ち男は「発明ではなく再発明する」

    ………

    152

  • 10

    62 

    金持ち男は「自分を安売りしない」

    ………

    154

    63 

    金持ち男は「今日、何かを売る」

    ………

    156

    第9章

    顧客を感動させる工夫をしよう

    64 

    金持ち男は「顧客の期待を上回る」

    ………

    160

    65 

    金持ち男は「クレームを歓迎する」

    ………

    162

    66 

    金持ち男は「顧客の『ノー』を朗報と考える」

    ………

    164

    67 

    金持ち男は「数量を限定する」

    ………

    166

    68 

    金持ち男は「顧客の手間を省く」

    ………

    168

    69 

    金持ち男は「顧客に体験してもらう」

    ………

    170

    70 

    金持ち男は「つねにスピードアップを心がける」

    ………

    172

    71 

    金持ち男は「隠れた強みを見つける」 ………

    174

  • 11

    第10章

    つねに自分を磨くことを心がけよう

    72 

    金持ち男は「ライバルを愛する」

    ………

    178

    73 

    金持ち男は「たえず自分を刷新する」

    ………

    180

    74 

    金持ち男は「好きなことに打ち込む」

    ………

    182

    75 

    金持ち男は「仕事を芸術の域にまで高める」

    ………

    184

    76 

    金持ち男は「偉大な起業家を研究してまねる」

    ………

    186

    77 

    金持ち男は「どんな状況でも平常心を保つ」

    ………

    188

    78 

    金持ち男は「聖書の最大の金持ちに学ぶ」

    ………

    190

    79 

    金持ち男は「一日に一時間をスキルアップに投資する」

    ………

    192

    80 

    金持ち男は「心身のバランスをとる」

    ………

    194

    81 

    金持ち男は「体力づくりに励む」 ………

    196

    82 

    金持ち男は「苦労した成功者に教わる」 ………

    198

    83 

    金持ち男は「コーチに助けを求める」 ………

    200

    84 

    金持ち男は「自己啓発書を読んで実行する」 ………

    202

    85 

    金持ち男は「ハイテクをどんどん取り入れる」 ………

    204

    86 

    金持ち男は「ワンストローク差で勝つ」

    ………

    206

  • 12

    87 

    金持ち男は「自分の力に目覚める」

    ………

    208

    まとめ

    自分を変えて「金持ち男」になろう

    88 

    金持ち男は「ポジティブな信念を身につける」

    ………

    212

    89 

    金持ち男は「逆境をバネにして飛躍する」

    ………

    214

    90 

    金持ち男は「おおらかな気持ちで資産形成に励む」

    ………

    216

    91 

    金持ち男は「いつも業績改善を考える」

    ………

    218

    92 

    金持ち男は「顧客を感動させて大きな価値を提供する」

    ………

    220

    93 

    金持ち男は「事業を発展させる考え方ができる」

    ………

    222

    おわりに︱億万長者になる秘訣

    ………

    224

    謝辞

    ………

    226

    訳者あとがき

    ………

    228

    装  丁/重原 隆編集協力/逍 遙 舎本文組版/山中 央

  • 13

    人間の第一の義務は、貧困と決別することである。

    バーナード・ショー(イギリスの劇作家、ノーベル文学賞受賞)

    財産を築く

    決意をしよう

    序 

  • 14

    金持ち男は

    「痛切な経験を人生の転機にする」

    私(サム)は、事業で成功するきっかけとなった出来事についてクライアントに話をす

    るのが好きだ。

    その出来事は何年も前に近所の食料品店で起こった。妻といっしょにレジに並んでデビ

    ットカードで精算しようとしたが、決済できなかったのだ。ふたたびやってみたが、やっ

    ぱりだめだった。レジ係は首をひねって「もう一度お願いします。どうもカードの具合が

    悪いようですね」と言った。

    その瞬間、私は衝撃的な事実に気づいた。

    「カードの具合が悪いのではありません。口座にお金がないのです」

    私はそう言うと、商品をその場に残して妻と二人で店を出た。ついに家族を養えなくな

    ったことに愕がく

    ぜん然とした。

    00

  • 15

    序 章 財産を築く決意をしよう

    それは人生でもっとも屈辱的な経験だった。そのとき、二度とこんなことが起こらない

    ように誓った。極貧生活はもうこりごりだ。お金が銀行口座にまだ少し残っているだろう

    という淡い期待を抱いていたが、あの日、何も買えずに店を出たことが人生の転機になっ

    た。そして、気をとりなおして財産を築く決意をした。

    かつて私(スティーブ)はアルコール依存症のために人生のどん底を経験した。これ以

    上この状態が続くと死んでしまうと思ったくらいだ。そのとき、「こんなひどい生活はも

    うこれっきりにしよう。何としてでも依存症を克服し、貧困と決別して成功を勝ちとろ

    う」と誓った。

    もしあなたが貧しくて困っているなら、その気持ちはよくわかる。われわれはそれぞれ

    の事業で何度も失敗して、借金で首が回らずに地獄を見た。おそらく、あなたよりひどい

    状況を経験しただろう。

    しかし、その経験から目をそらしてはいけない。今後、ふたたびそういう苦しみを味わ

    うことのないように、貧困と決別すると誓うことが重要だ。

    貧困による痛切な体験をきっかけにして、「こんなつらい思いは二度とするまい」と自

    分に言い聞かせよう。

    勇気を出して人生を変える決意をするのだ。それがあなたの人生の転機になる。

  • 16

  • 17

    お金は臭いものにふたをするように扱われがちだが、

    その働きと秩序は香り立つように美しい。

    ラルフ・ワルド・エマーソン(アメリカの思想家)

    お金に対する

    偏見を排除しよう

    第1章

  • 18

    金持ち男は

    「お金に対して清らかなイメージをもつ」

    一部の人は本書を読むことに後ろめたさを感じるかもしれない。「財産を築く方法を学

    びたいなんて、ひどく利己的で欲が深い」と思ってしまうからだ。

    しかし、財産を築くことの恩恵を知ると、後ろめたさを感じずに資産形成に邁まい

    しん進するこ

    とができる。

    それはもしかすると、平日の昼間にいつもどおり仕事をしながら、平日の夜と週末にサ

    イドビジネスをすることかもしれない。趣味で始めたサイドビジネスに情熱を注いで先見

    性を発揮すれば、勢いづいて昼間の仕事より多くの収入をもたらすことがある。

    幻想だろうか? 

    いや、けっしてそんなことはない。われわれは多くの人がそうやって夢を実現するお手

    伝いをしてきた。

    01

  • 19

    第1章 お金に対する偏見を排除しよう

    しかし、どんな場合でも、資産形成の第一歩はつねに偏見を排除することである。

    多くの人は貧乏人に対して「清廉潔白な聖者」のイメージを抱くが、金持ちに対しては

    「浅ましい拝金主義者」のイメージを抱く。

    しかし、そういう否定的な考え方は成功を減速させるだけだ。もし財産を築きたいなら、

    偏見を排除する必要がある。金持ちは浅ましい拝金主義者だという固定観念を打破して、

    清廉潔白なイメージを抱くことが重要だ。

    お金に対する否定的な考え方の大半は、金持ちをねたんでいる人たちによって子どもの

    ころに植えつけられたものだ。ねたみは心の病であり、高じると自滅につながる。

    お金が自分に流れるようにするためには、お金が自分の心の中でクリーンなエネルギー

    をもつようにしなければならない。それはものを動かす力をもっている。実際、お金は家

    族を貧困地区から富裕地区に移動させることができる。

    お金がクリーンなエネルギーをもっていることを理解すれば、お金を稼いで活用するこ

    とが楽しくなる。金持ちは浅ましい拝金主義者だという固定観念は、資産形成に罪悪感を

    抱かせるだけだ。お金に対する汚らしいイメージを捨てて、清らかなイメージをもつよう

    に発想を転換しよう。

  • 20

    金持ち男は

    「お金はよいものだと気づく」

    チャールズ・ディケンズといえば、『クリスマス・キャロル』や『オリバー・ツイス

    ト』などの人気小説で知られる十九世紀イギリスの国民的作家である。どの作品にも貧し

    い人びとを食い物にして金かね

    もう儲けをする冷酷無慈悲な人物が登場する。

    ディケンズの小説は金持ちに対する偏見を世間に定着させた。しかも、その傾向は強ま

    る一方である。多くのハリウッド映画が金持ちを悪役に仕立て上げ、庶民をあざむいて暴

    利をむさぼる姿を描くからだ。この風潮をつくったのがディケンズである。

    しかし、財産を築いて心にゆとりをもちたいなら、ディケンズの本を閉じて真実に目を

    開く必要がある。

    まずお金はよいものだということに気づこう。お金があれば、困っている人を助けるこ

    とができる。実際、お金でしか解決できない問題はたくさんある。恵まれない人びとに教

    02

  • 21

    第1章 お金に対する偏見を排除しよう

    育の機会を与え、社会福祉を推進し、医学の発展に尽力する財団は、多くの金持ちが寄付

    した莫ばく

    だい大

    なお金で運営されている。

    金持ちは善良な人びとを搾取して甘い汁を吸う卑ひ 怯きような連中だという偏見の根底には、強

    烈なひがみ根性がある。つまり、「お金はたくさんほしいけれど、金持ちはどうせ悪人だ

    から、あんなふうになりたくない」という負け惜しみだ。そのために金持ちはいつも誤解

    されてダーティーなイメージがついて回る。

    皮肉なことに、こうした偏見を助長しているハリウッドの俳優と監督は、一本の映画で

    数百万ドルという破格の報酬を得ている。彼らは金持ちを悪人として描くことによって金

    持ちになっているのだ。

    なるほど、人びとがお金について混乱するのも無理はない。ディケンズが広めた「金持

    ち悪人説」を信奉することは、資産形成に支障をきたす。金持ちに対して「あんなふうに

    なりたくない」と思い込んでいるかぎり、金持ちになることはできないからだ。

    これは子どもをしつけるときにとくに大きな意味をもつ。多くの親は「金持ちはみんな

    悪人だ」という嫉しつ妬とと反感に満ちた侮ぶ蔑べつ的なメッセージを伝えるから、子どもはそれをも

    とに人生観と世界観を構築し、一生その思い込みに呪じゆ

    ばく縛されて貧しい境遇にとどまる。こ

    れが世代間で貧困が連鎖する要因である。

  • 22

    金持ち男は

    「お金の重要性を認識する」

    人はみな生計を立てるためにお金を必要としているのに、多くの人は「お金がすべてで

    はない」と言う。しかし、そんなことを言うのは、お金をたくさんもっている人ではない。

    ある意味で、この世の中はお金がすべてである。なぜなら、日常生活のすべての選択は、

    どれだけお金をもっているかで決まるからだ。たとえば、どんな地域に住むか、家族とど

    んな暮らしをするかといったことだけでなく、どれだけ健康でいられるかということも、

    お金でほぼ決まる。実際、複数の調査で、高収入を得ている人ほど、先進医療の恩恵に浴

    して健康の保持増進をはかっていることが判明した。

    端的にいえば、どれだけ長生きするかは、もっているお金の多さと密接な関係があると

    いうことだ。だから、「お金がすべてではない」などという、お金の重要性を否定するよ

    うな発言は厳に慎むべきである。

    03

  • 23

    第1章 お金に対する偏見を排除しよう

    しかし、ここにパラドックスがある。自分にとってお金があまり重要でないときのほう

    が、より早くお金を稼げるからだ。

    このパラドックスを解決するコツは、お金の重要性をしっかり認識すると同時に、お金

    を手に入れるためにあくせくしないことだ。

    「お金がすべてではない」という発言の問題は、多くの人がそれを現実逃避の口実にして

    いることである。つまり、本当はお金がほしくてしかたないのだが、なかなか手に入らな

    いので「お金なんて重要ではない」と言って自分をごまかし、食べ物や酒、ギャンブル、

    テレビ、不適切な人間関係によって憂さ晴らしをしているのだ。

    その根底にある考え方は、「お金がすべてではないから、自分はお金を稼ぐために努力

    をしないが、だからといって怠慢というわけではない」というものだ。

    しかし、資産形成はワクワクするゲームだから、それを存分に楽しむべきである。

    お金の重要性を積極的に認めよう。実際、お金は衣食住のすべてを決定する。

    ところが残念なことに、多くの人は仕事で成功して財産を築く喜びを得ようとしない。

    金持ちに対する嫉妬と反感のために自分の成功を阻止してしまっているのだ。

    成功しないより成功するほうがはるかに人びとの役に立つことができる。実際、多くの

    成功者を動かしているのはエゴや強欲ではなく、人生に対する純粋な愛である。あなたも

    仕事で成功して社会に貢献することをめざそう。

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    金持ち男は

    「お金で幸せを買う」

    ほとんどの人は「お金で幸せは買えない」と教えられて育った。しかし、それは本当だ

    ろうか?

    おそらく、お金で幸せは買える。少なくとも自分のためではなく他の人のためなら、そ

    れはできる。

    実際、崇高な目的のためにお金を寄付すれば、他の人の幸福度を高めることができる。

    たとえば、アフリカの砂漠に井戸を掘れば、現地の村人を幸せにすることができるし、家

    族の治療費が払えずに困っている人のために募金をすれば、お金で幸せを買えることを実

    感できる。

    「お金で幸せは買えない」と主張する人は、お金に反感を抱いていることが多い。だから、

    そういう人の主張を意に介する必要はない。「お金は多くの人に幸せをもたらすことがで

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    第1章 お金に対する偏見を排除しよう

    きるから、自分はそのために一生懸命に働いてお金を稼ぐ」と考えればいいのだ。

    一例を紹介しよう。元プロバスケットボール選手のケビン・ジョンソンは、自分が生ま

    れ育った貧民街の子どもたちに教育を受けさせるために莫大な寄付をした。現在、子ども

    たちはすさんだ生き方をやめて恵まれた環境で学校教育を受け、教師から愛情を注いでも

    らって勉学に励んでいる。ケビン・ジョンソンのお金は多くの貧しい子どもたちに幸せを

    もたらしているのだ。

    こんなふうに、自分のためではなく他の人のためなら、お金で幸せは買えるのである。

    もちろん、それに対する見返りは得られないが、そんなものを期待して利他的な行為をす

    る人はいないだろう。心の中に愛があふれていればいいのだ。

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    金持ち男は

    「たまに贅沢をして豊かな気分に浸る」

    富裕層のライフスタイルを積極的に体験しよう。何かを買うなら、ときにはそのなかで

    もっとも高いものを選ぶといい。高級品をもつというのはどんな気分なのかを実感する絶

    好の機会だ。

    「こんな高いものを買うわけにはいかない」といつも敬遠するのではなく、たまには思い

    きって贅ぜい

    たく沢をしよう。そうすることで、それまで体験したことのない豊かな気分に浸るこ

    とができる。

    また、高級品がどのようにつくられ、市場に展開され、販売されているかをじかに体験

    することも有益である。その体験から成功の秘ひ訣けつを学べば、自分も付加価値の高いものや

    サービスを創造できるようになる。

    たまに贅沢をすることに罪悪感を抱く必要はない。大胆な評論で人気を博した十八世紀

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    第1章 お金に対する偏見を排除しよう

    イギリスの文学者サミュエル・ジョンソンが、こんなことを言っている。

    「贅沢をすると、貧しい人びとに善行を施すことができる。貧しい人びとにお金を与える

    より、贅沢にお金を使うほうが好ましい。なぜなら、贅沢にお金を使えば、貧しい人びと

    に仕事を与えて勤勉にさせることができるからだ。ところが、むやみにお金を与えてしま

    うと、彼らは怠け者になってますます貧しくなる」

    外食するなら、たまには高級レストランに行こう。最初は抵抗を感じるかもしれないが、

    思いきって行ってみるといい。普通の飲食店に行き慣れている人は、高級レストランに行

    くことを恐れる。もしそうなら、普通の飲食店にひんぱんに行くのを控えて、そのお金で

    たまに高級レストランに行くようにすればいい。

    いつも贅沢にお金を使って浪費ぐせをつけることをすすめているのではない。しかし、

    経済的に余裕があるなら、たまには贅沢をして豊かな気分に浸ることはひじょうに有意義

    である。

    多くの人は周囲の人に影響されて、「貧しいほうが精神的に豊かだ」と思い込んでいる。

    しかし、それは真実ではない。貧しいためにお金の不安にたえずおびえていると、精神的

    に豊かになることができないからだ。一方、財産を築いてお金の不安から解放されると、

    心にゆとりができて精神的に豊かになる。

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    金持ち男は

    「税金に感謝する」

    税金というと、多くの人はすぐに「悪いもの」と考える。しかし、税金が発生するのは、

    収入を得ているからだ。収入を得ていないなら、税金は発生しない。税金を払うことはお

    金を稼いでいることの証しだから、税金は「よいもの」と考えるべきだ。

    われわれはほとんど税金を払わない時期が何年かあった。ろくに稼いでいなかったので、

    課税の対象になる収入がわずかしかなかったからだ。少しでも税金を払えるようになりた

    いと思ったものだが、税務署は「税金を払え」とは言わなかった。

    ところがその後、多少の収入を得て税金を払うよう求められると、「税金を搾り取られ

    る」という被害者意識にかられて文句ばかり言っていた。税金を逃れる方法について情報

    を集めたこともあったし、税金のない国に移住することすら考えたものだ。

    しかし、そういう後ろ向きの考え方が自分の成功を阻止していることに気づいた。成功

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    第1章 お金に対する偏見を排除しよう

    したら税金をたくさん払うはめになると考えて、なるべく成功しないように無意識のうち

    にブレーキをかけていたのだ。

    やがて、われわれは考え方を前向きにすることを学んで財産を築いた。今では喜んで税

    金を払っている。

    税金に関してもっとも重要なのは、それに対する考え方である。政府はあなたを金持ち

    にしてくれないが、貧乏にするようなこともしない。あなたの経済力をコントロールして

    いるのは政府でなく、あなた自身である。現行の税制は完かん

    ぺき璧

    とはいえないかもしれないが、

    あなたはその制度の中で財産を築くチャンスに恵まれている。

    政治的に増税と減税のどちらに賛成するかは関係ない。税金と資産形成は別々のことと

    して考える必要がある。なぜなら、税金が高いから資産形成ができないと思い込んで税金

    に反感を抱くと、考え方が後ろ向きになって自滅してしまうからだ。

    税金は成功の証しである。なぜなら、税金は所得の産物だからだ。したがって、納税額

    が大きければ大きいほど経済的に成功していることになる。

    税金を払いたくないために自滅するという落とし穴にはまってはいけない。創造性を発

    揮して社会に価値を提供し、税金に感謝しながら資産形成に励むことが重要だ。

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