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平成25年度 事業報告書 公益財団法人 国際交通安全学会

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Page 1: 事業報告書 - IATSS · ②海外未着手地域との連携として、インド工科大学(デリー)と共同研究を継続展開した。 ③海外先進事例調査として、欧米主要国・都市の調査とデータベース化を図った。

平成25年度

事業報告書

公益財団法人国際交通安全学会

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平成25年度第3期(平成25年4月1日から平成26年3月31日まで)の事業活動に

ついて、次の通り報告いたします。

平成26年3月31日

公益財団法人 国際交通安全学会

会  長 小 口 泰 平

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目   次

平成25年度事業活動の概況 ………………………………………………………………………1

1.事業目的

2.事業内容

3.重点項目

4.特筆すべき事項

5.主たる会議…………………………………………………………………………………3

1)評議員会………………………………………………………………………………3

2)理事会…………………………………………………………………………………3

3)諮問委員会……………………………………………………………………………4

4)企画調整委員会………………………………………………………………………6

(1) 研究調査事業 ………………………………………………………………………………8

1. 概要 ………………………………………………………………………………………8

2. 平成24年度研究調査報告会 ……………………………………………………………8

3. 平成25年度研究調査内部報告会 ………………………………………………………9

4. 研究調査部会企画委員会 ………………………………………………………………9

研究調査活動

1)<H2530プロジェクト>(継続)

危険運転致死傷罪の学際的研究…………………………………………………………11

2)<H2531プロジェクト>(継続)

持続可能な開発のための教育(ESD)を通した安全教育の実現に関する研究 ………13

3)<H2532プロジェクト>(継続)

災害時における車両を活用した情報取得と情報伝達網の冗長性の構築……………14

4)<H2533プロジェクト>(継続)

「天下の公道」と生活道路に関する研究

~ライジングボラードの実用化に向けた運用上の課題とその解決方法~…………15

5)<H2534プロジェクト>(継続)

ラウンドアバウトの社会実装と普及促進に関する研究………………………………17

6)<H2535プロジェクト>(継続)

睡眠障害スクリーニングの普及推進を目指した学際的研究…………………………19

7)<H2536プロジェクト>(新規)

香川研究-事故発生要因の分析と対策への提言………………………………………21

8)<H2537プロジェクト>(新規)

交通安全政策のパーセプションに関する分析…………………………………………24

9)<H2538:企画事業>

交通安全と交通取締りに関する研究……………………………………………………26

10)<H2539:企画事業>

知的障害者のモビリティ確保のための都市公共交通の課題…………………………27

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11)<H2540:企画事業>

インドにおける交通安全のためのコミュニティデザインに関する研究調査………28

12)<H2541:企画事業>

主要諸外国における交通関連諸施策の計画及び実施状況の調査……………………29

13)<H2542:企画事業>

海外発表:交通安全と交通取締りに関する研究………………………………………31

(2)シンポジウム事業 ……………………………………………………………………………32

(1) IATSS デビュートーク………………………………………………………………32

(2) 創立40周年記念事業の一環としての会員合宿 ……………………………………32

シンポジウム部会企画委員会 ………………………………………………………33

(3) 広報出版事業 ………………………………………………………………………………34

1. 広報出版部会学会誌編集委員会 ………………………………………………………34

2. 広報出版部会英文論文集編集委員会 …………………………………………………36

(4) 褒賞及び助成事業 …………………………………………………………………………38

1. 第34回(平成24年度)国際交通安全学会賞贈呈式 …………………………………38

2. 褒賞助成部会企画委員会 ………………………………………………………………38

3. 会員信任投票 ……………………………………………………………………………38

4. 理事会 ……………………………………………………………………………………38

第35回(平成25年度)国際交通安全学会賞 …………………………………………40

(5) IATSS フォーラム事業 ……………………………………………………………………42

(6) 国際交流事業 ………………………………………………………………………………48

1. 国際交流部会企画委員会 ………………………………………………………………48

2. ATRANS(Asian Transportation Research Society)活動の支援 ………………48

(7) 創立40周年記念事業 ………………………………………………………………………50

刊行物一覧……………………………………………………………………………………………52

その他…………………………………………………………………………………………………53

慶弔………………………………………………………………………………………………53

株式の保有等……………………………………………………………………………………54

許・認可及び登記事項…………………………………………………………………………55

理事及び監事……………………………………………………………………………………56

評議員……………………………………………………………………………………………57

財務諸表………………………………………………………………………………………………58

1. 貸借対照表 ………………………………………………………………………………58

2. 正味財産増減計算書〔要約版〕…………………………………………………………59

正味財産増減計算書 ……………………………………………………………………60

3. 正味財産増減計算書内訳表 ……………………………………………………………63

4. 財務諸表に対する注記 …………………………………………………………………65

5. 財産目録 …………………………………………………………………………………66

監査報告書……………………………………………………………………………………………67

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―1―

平成25年度事業活動の概況

1.事業目的「理想的な交通社会の実現に寄与する」

2.事業内容(1) 交通及びその安全に関する調査研究

(2) 交通及びその安全に関する研究会の開催

(3) 交通及びその安全に関する情報、資料及び文献の収集及び発行

(4) 交通及びその安全に関する調査研究、教育その他の活動に対する褒賞及び助成

(5) 諸外国における理想的な交通社会の実現に向けた研修

(6) その他本会の目的を達成するために必要な事業

3.重点項目

1 学際性並びに国際性を特徴としての、先見性及び実際性を目指す活力ある事業運営。

2 調査研究事業を重点事業として、シンポジウム事業、広報出版事業、褒賞助成事

業、及びその他の本会の目的を達成するために必要な事業との連携。

3 諸外国における理想的な交通社会実現に向けた研修としてのIATSSフォーラム事

業については、アセアン諸国の将来を担う人材の育成を目的としたプログラムの

充実。

4 調査・研究テーマの知見を活かした社会への普及・貢献。

5 社会及び経済環境を直視した事業規模とし、予定された収入を基とした効率的か

つ均衡のとれた事業運営。

6 2012年9月小口会長発信のIATSS VISIONにある「学際的、国際的活動を、より

一層強力に推進することを世界に宣言する」を受けて、この具現化の検討を行う

ために、会長直下の諮問委員会を設置。

4.特記すべき事項

(1)調査研究事業

今年度は、自主研究については、8テーマの研究調査活動を行った。この内、4テーマ

については、研究調査報告会において公表する予定である。

また、研究調査部会企画事業として、以下4事業を展開した。

①社会貢献への取り組みとして、「交通安全と交通取締りに関する研究」と「知的障害

者のモビリティ確保のための都市公共交通の課題」を展開した。

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②海外未着手地域との連携として、インド工科大学(デリー)と共同研究を継続展開した。

③海外先進事例調査として、欧米主要国・都市の調査とデータベース化を図った。

④積極的な海外発表として、World Conference on Transport Research(WCTR)

に参加した。

(2)シンポジウム事業

今年度は、IATSS デビュートーク(新会員デビューイベント)を開催した。また40周

年記念事前事業として「IATSSモビリティ社会デザイン2024」~10年後の理想的な交

通社会をデザインしよう~をテーマとし、会員合宿を企画・運営した。

(3)広報出版事業

学会誌「IATSS Review」を3号、英文論文集「IATSS RESEARCH」を2号、それぞれ

発行した。

(4)褒賞事業

今年度の国際交通安全学会賞は、業績部門2件を決定した。

(5)IATSSフォーラム事業

今年度は、計画通り第50回IATSSフォーラムを開講し、東南アジアの9か国から、18名

の研修生が参加した。また、第7回国際同窓会開催をベトナムにて開催し、10か国より

107名が参加した。

(6)国際交流事業

「交通安全教育」をテーマに、IATSSの海外名誉顧問・招待会員、海外編集委員から

の紹介を基本に、委員会にて選考された9か国の若手研究者によるレポート集(日英版)

を作成した。

(7)創立40周年記念事業

「IATSSモビリティ社会デザイン2024 ~10年後の理想的な交通社会をデザインしよう

~」をメインテーマに会員合宿を企画・開催した。学会誌および英文論文集で40周年記

念特集号をまた、記念出版として「交通・安全学」を企画推進した。

―2―

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5.主たる会議

1)評議員会

◎第6回評議員会(定時評議員会)(H25. 6. 14)

経団連会館5階502会議室に於いて開催し、次の1)項については承認され、2)、3)項

については選任され、4)項については決議された。

1)平成24年度事業報告及び決算承認の件

2)評議員選任の件

3)役員選任の件

4)評議員会規程 第6号改定の決議

◎第7回評議員会(臨時評議員会)(H26. 3. 13)

経団連会館5階501会議室に於いて開催し、次の1)項については承認され、2)項につ

いては決議された。

1)平成26年度事業計画及び収支予算承認の件

2)評議員会規程 第1号、第2号、第3号、第5号および第6号改定の決議

2)理事会

◎第10回理事会(通常理事会)(H25. 5. 17)

経団連会館5階502会議室に於いて開催し、次の1)については承認され、2)項に

ついては決議され、3)項については報告がされた。

1)平成24年度事業報告及び決算書類等の承認

2)第6回評議員会(定時評議員会)開催決議

3)代表理事及び業務執行理事の自己の職務執行状況報告

◎第11回理事会(臨時理事会)(H25. 6. 14)

経団連会館5階502会議室に於いて開催し、次の1)項については確認され、2)項に

ついては選定され、3)、4)、5)および6)項については決議された。

1)平成24年度事業報告及び決算評議員会承認内容確認の件

2)代表理事及び業務執行理事選定の件

3) 顧問委嘱の件

4) 新会員選任及び会員再任の件

5) IATSSフォーラム部会特別委員再任の件

6) 海外名誉顧問委嘱及び海外招待会員再任の件

◎第12回理事会(臨時理事会)(H26. 3. 3)

理事の全員から文書による同意する旨の意思表示を得、また監事からは異議有る旨の

意思表示を得なかったので、以下提案を承認可決する旨の理事会の決議があったもの

―3―

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とみなされた。

1)第7回評議員会開催の件

2)平成25年度第35回国際交通安全学会賞承認の件

◎第13回理事会(通常理事会)(H26. 3. 13)

経団連会館5階501会議室に於いて開催し、1)項については承認され、2)項について

は報告がされ、3)および4)項については決議された。

1)平成26年度事業計画書及び収支予算書承認の件

2)代表理事及び業務執行理事の自己の職務執行状況報告

3)理事会規程 第3号および第4号改定の決議

4)顧問委嘱の件

3)諮問委員会

平成24年9月に小口泰平会長より発信された「IATSS VISION」において「学際的、

国際的活動を、より一層強力に推進することを世界に宣言」した。これを受けて本年

度は、「創50 IATSSビジョンに関する諮問委員会」を設置して、「IATSS VISION」

で示された内容の実現策を会長に答申することとなった。

なお、この答申内容をもとに、会長は、今後10年間に当学会が展開する基本指針を、

平成26年9月に開催予定の40周年記念シンポジウムにおいて発信する予定である。

◎第1回委員会(H25. 6. 14)

年間活動について討議が行われた。答申作成に際し、アンケート調査およびヒヤリン

グ調査を実施することが審議された。

◎海外アンケート調査(H25. 6. 26-7. 17)

当学会の海外招待会員、海外顧問、海外編集委員を対象にアンケート調査を実施し、

事業活動の望ましいあり方について意見を収集した。

◎国内アンケート調査(H25. 7. 5-7. 31)

当学会の国内の会員、顧問、理事、評議員を対象にアンケート調査を実施し、事業活

動の望ましいあり方について意見を収集した。

◎海外ヒヤリング調査(H25. 8. 23-26)

イギリスのユニバーシティカレッジロンドン、欧州同盟等に所属する当学会の海外顧

問、海外編集委員及び国際機関職員等を対象にヒヤリング調査を行い、各国・地域の

交通に関する課題と必要な将来施策について意見を収集した。

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◎海外ヒヤリング調査(H25. 9. 17)

アメリカのマサチューセッツ工科大学に所属する専門家にヒヤリング調査を行い、

各国・地域の交通に関する課題と必要な将来施策について意見を収集した。

◎海外ヒヤリング調査(H25. 11. 21-23)

オランダのデルフト工科大学等に所属する当学会海外編集委員等にヒヤリング調査を

行い、各国・地域の交通に関する課題と必要な将来施策について意見を収集した。

◎第2回委員会(H25. 7. 22)

(一社)日本自動車連盟副会長・矢代隆義氏を招き、「道路交通政策に残された研究

課題」について講演をお願いして知見を聴取した。

引き続き、アンケート調査の結果について報告を行った。

◎第3回委員会(H25. 8. 1)

(一財)日本自動車研究所所長の小林敏雄氏並びに本田技研工業⑭経営企画部参事の

杉本富史氏を招き、「近未来の自動車の安全」について講演をお願いして知見を聴取

した。

引き続き、海外招待会員・顧問等を対象にインタビュー調査を実施する案について審

議された。

◎第4回委員会(H25. 9. 26)

日本学術会議会長の大西隆氏を招き、「将来(2050年)の交通状況を考えていま何を

すべきか」について講演をお願いして知見を聴取した。

引き続き、海外で実施されたインタビュー調査の結果が報告された。

◎第5回委員会(H25. 10. 28)

海外で実施されたインタビュー調査の結果の報告がされた。海外ヒヤリング調査を追

加的に実施する件について審議された。

◎第6回委員会(H25. 12. 6)

海外にて実施されたインタビュー調査の結果について報告された。

◎第7回委員会(H26. 1. 27)

答申の骨子案について討議が行われた。

◎第8回委員会(H26. 2. 18)

岸井隆幸委員長作成の中間答申案について討議が行われ、審議された。

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委員長 岸井 隆幸

太田 勝敏

鈴木 春男

武内 和彦

石附  弘

久保田徹雄

4)企画調整委員会

◎第105回企画調整委員会(H25. 5. 28)

八重洲ビル3階会議室に於いて開催し、次の事項が審議され、承認された。

1)本年度、各部会からの活動計画

◎第106回企画調整委員会(H25. 9. 27)

八重洲ビル3階会議室に於いて、次の事項が同日付で審議された。

1)「新会員募集要項」について

推薦は情報提供のみとし、選考に漏れた候補者は3年間程度の蓄積、新会員増員

可否、募集案内文を議決した。

2)新会員の育成方法・会員活性化方法について意見交換された。

◎第107回企画調整委員会(H25. 11. 20)

八重洲ビル3階会議室に於いて開催し、 次の事項が審議され、議決された。

1)「新会員候補者の選考」について

候補者3名について、久保田委員長が当該専門分野の第三者からも参考意見を伺

い、それら情報を加味し、改めて書面にて審議することが決議された。

2)各部会の次年度計画案の情報交換がされた。

◎第108回企画調整委員会(H26. 2. 25)

次の事項が同日付で書面表決された。

1)新会員候補者の会長への上申は本年度,見送る事とした。

2)IATSS会員の活動のさらなる活性化をめざし、

① 新会員候補者の発掘方法の改革

② 新会員の育成方法の改革

③ 会員活動のさらなる活性化を進める。

3)新会員候補者の発掘については、選考するシステムを来年度構築し、本年度推薦

された候補者も含めた、選考を行う。

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企画調整委員会

委員長  久保田 尚

長谷川孝明

竹内 健蔵

森本 章倫

土井 健司

福田  敦

中村 英樹

赤羽 弘和

谷川  武

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(1)研究調査事業

1.概要

平成25年度は、次の10プロジェクトについて研究調査活動を行った。

<自主研究調査>

1)<H2530プロジェクト>(継続)

危険運転致死傷罪の学際的研究

2)<H2531プロジェクト>(継続)

持続可能な開発のための教育(ESD)を通した安全教育の実現に関する研究

3)<H2532プロジェクト>(継続)

災害時における車両を活用した情報取得と情報伝達網の冗長性の構築

4)<H2533プロジェクト>(継続)

「天下の公道」と生活道路に関する研究

~ソフトライジングボラードの実用化に向けた運用上の課題とその解決方法~

5)<H2534プロジェクト>(継続)

ラウンドアバウトの社会実装と普及促進に関する研究

6)<H2535プロジェクト>(継続)

睡眠障害スクリーニングの普及推進を目指した学際的研究

7)<H2536プロジェクト>(新規)

香川研究 -事故発生要因の分析と対策への提言

8)<H2537プロジェクト>(新規)

交通安全政策のパーセプションに関する分析

9)<H2538プロジェクト>(社会貢献テーマ)

交通安全と交通取締りに関する研究

10)<H2539プロジェクト>(社会貢献テーマ)

知的障害者のモビリティ確保のための都市公共交通の課題

・これらの研究は、今年度末に於いて全て完了した。(来年度継続テーマについては、今年

度計画分が完了)

昨年度に引き続き、プロジェクト情報の開示、委員会による予算配分を行い、社会貢献プ

ロジェクトのシンポジウム、警察関連へのセミナーを実施した。「交通関連諸施策の基礎

調査」「国際展開プロジェクト」「研究調査プロジェクトの国際発表」の研究調査部会継続

事業を行い研究調査活動の活性化を図った。

上記のうち、2)、4)、5)、6)は、研究調査報告会に於いて公表される。

2.平成24年度研究調査報告会(H25. 4. 12)

参加者:役員、評議員、顧問、会員、特別研究員、諸官庁、報道関係及び一般参加者

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計251名

会 場:経団連会館ホール

報告テーマ:

・H2416プロジェクト 交通安全と交通取締りに関する研究

・H2418プロジェクト 危険運転致死傷罪の学際的研究

・H2419プロジェクト 知的障害者のモビリティ確保のための都市公共交通の課題

・H2421プロジェクト 「天下の公道」と生活道路に関する研究~ライジングボラード

の実用化に向けた工学・法学・心理学からの検討~

・H2422プロジェクト 睡眠障害スクリーニングの普及推進を目指した学際的研究

3.平成25年度研究調査内部報告会(H26. 3. 1)

参加者:役員、評議員、顧問、会員および特別研究員 計107 名 

会 場:経団連会館 4階 ダイヤモンドルーム

報告テーマ:今年度実施の全プロジェクトテーマ

4.研究調査部会企画委員会

◎第138回企画委員会(H25. 4. 1)

1)平成25年度自主研究プロジェクト予算額の決定  

◎第139回企画委員会(H25. 5. 15)

1)平成25年度研究調査の問題点の把握と基本戦略策定

◎第140回企画委員会(H25. 7. 4)

1)平成25年度研究調査委員会の具体的活動計画の提案

◎第141回企画委員会(H25. 11. 1)

1)平成25年度研究調査委員会 具体的活動の実施と試行

2)IATSSサロン(仮称)サロン的なフリートーク主体の会

3)自主研究テーマ募集時の学際性のガイドライン作成

◎第142回企画委員会(H26. 1. 15)

1)平成26年度研究調査事業の自主研究の募集方法と継続事業の決定

◎第143回企画委員会(H26. 3. 1)

1)平成25年度研究調査報告会と平成26年度国際発表テーマの決定

◎第144回企画委員会(H26. 3. 3)

1)平成26年度自主研究プロジェクトの実施テーマと行政・団体連携テーマの決定

◎第145回企画委員会(H26. 3. 26)

1)平成26年度自主研究プロジェクト予算額の決定

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研究調査部会企画委員会

委員長 長谷川孝明

加藤 一誠

篠原 一光

中村 文彦

福山  敬

森本 章倫

横山 利夫

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1)危険運転致死傷罪の学際的研究<H2530プロジェクト>

1.研究目的と概要

危険運転致死傷罪は、従来、その外延に位置づけられてきた「準」危険運転致死傷罪をも

取り込む形で、包括的な犯罪として再整備された。今後は、病気の影響などで運転に支障を

およぼすおそれがありながら運転を中止しなかった場合にも、「準」危険運転致死傷罪が成

立し処罰されることになる。被害者保護の観点からは必要な措置であるが、一般市民が、

どこまで正当な法整備として受け取るのか、検証が必要である。

市民の正義観念に立脚した法の心理学的ないし社会学的分析(効果的な犯罪予防について

の経済分析を含む)と、その基礎にある「病気」の医学的分析が、新法の施行により、従来

以上に要請されているのである。

そこで、本研究では、これらの最新の課題を学際的に以下のように検討する。

1)新法の施行により、犯罪概念が厳密に再評価される必要があり、運転に支障をおよぼ

すおそれのある「病気」の意義を個別具体的に検討する。また犯罪現場から飲酒運転

の証拠を隠滅しようとする実態の把握を、法学的、法社会学的、医学的に検討する。

さらに、関連する外国の状況の比較検討を行う。

2)自動車の運行を行う業者は、社会的責務はが格段に引き上げられたことが、如何なる

影響を及ぼすのかを、産業社会学、心理学、経済学の観点から検討する。また新法が

及ぼす心理的効果については、心理学的ケアを重視して再犯予防を図っているドイツ

及びアメリカ合衆国の状況を詳細にフォローし、日本の状況への示唆を得ることを試

みる。

2.研究経過

◎第1回研究会 (H25. 6. 6)

◎第2回研究会 (H25. 9. 19)

◎第3回研究会 (H25. 11. 5)

◎オーストラリア:飲酒運転対策の調査 (H25. 11. 20-23)

◎第4回研究会 (H26. 1. 23)

◎アメリカ合衆国(ボストン):DWIコート裁判官会議 (H26. 2. 5-7)

◎アメリカ合衆国(LA):DWIコート実態調査 (H26. 2. 11-15)

◎フランス共和国:危険運転致死傷罪などの調査(H26. 3. 10-14)

3.プロジェクトメンバー

PL.今井 猛嘉

木林 和彦

加藤 一誠

谷川  武

〈研究調査事業〉

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(特別研究員)

尾形 隆彰(千葉大学文学部 教授)

松村 良之(北海道大学 名誉教授)

岡村 和子(警察庁科学警察研究所)

八幡 有信 (八幡マネジメント研究所)

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〈研究調査事業〉

2)持続可能な開発のための教育(ESD)を通した安全教育の実現に関する研究

<H2531プロジェクト>

1.研究目的と概要

「安心」・「安全」な社会(=しなやかで、持続可能(sustainable)な社会)を実現する

ために、「持続可能な開発のための教育」(Education for Sustainable Development: ESD)

を通した安全教育がいかにして実現し得るのかについて検証することが、本研究の目的であ

る。なお、安全教育とは、危険を予測し回避する能力に加え、他者や社会の安全に貢献でき

る資質・能力を身に付けさせるための教育である。

安全教育とは、交通安全をはじめ、防災ならびに生活(防犯)を含めた、幅広い領域にお

ける「安全」のあり方について伝える教育である。ただし、従来の安全教育では、これら

3領域を個別に教えることが一般的であり、相互の連関を考えるような取り組みはあまり見

られない。

そこで、本研究では、学際的かつ実証的な研究を積み重ねるなかで、学校現場ならびに

地域社会と連携しながら、交通・生活・災害を総合的に捉える安全教育のあり方を検証する。

また、小学校・中学校と協力して、総合的な安全教育のカリキュラムを開発する。

2.研究経過

◎第1回実証・研究会(江東区立八名川小)(H25. 5. 1-5. 2)

◎第2回研究会(H25. 6. 28)

◎第3回実証・研究会(鈴鹿市立神戸中)(H25. 9. 22-9. 23)

◎第4回研究会(H25. 9. 26)

◎第5回実証・研究会(鈴鹿市立一ノ宮小)(H25. 11. 21-11. 22)

3.プロジェクトメンバー

PL.北村 友人

中村 文彦 

二村 真理子

松橋 啓介

吉田 長裕

蓮花 一己

(特別研究員)

中西  盟 (本田技研工業(株)安全運転普及本部 主幹)

佐々木雅夫 (警察庁交通局交通企画課)

藤木 恒治 (警視庁交通部管理官 交通総務課)

三嶋 純治 (警視庁交通部交通総務課 交通安全教育企画)

佐藤 浩樹 (文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課)

中村 輝将 (文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課)

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―14―

〈研究調査事業〉

3)災害時における車両を活用した情報取得と情報伝達網の冗長性の構築

<H2532プロジェクト>

1.研究目的と概要

東日本大震災では、初動において被災地の状況把握手段と情報伝達ネットワークの寸断に

より、避難・救援体制に多くの問題を残した。昨年度は、H23年度の震災プロジェクトで明

らかになったインフラシステムの問題点を検討するため、「車両を活用した情報取得手法」

と「伝達網の冗長性構築」の基盤技術の開発を行った。

本年度は、その基盤技術を融合し、まず、ラピッドプロト車両の製作を行った。車両計測

に関しては、普及促進を想定したスマホプローブシステムを開発し、搭載実証実験から情報

転送情報や転送間隔を検討した。情報通信に関しては、「命綱(LIFELINE)」システムのスケ

ーラビリティチェックと捜索隊への情報提供マップのチューニングを行った。これらをもと

に、システム全体の構築・検証を推進し、併せて、システム活用場面の問題点を整理した。

2.研究経過

◎第1回研究会(H25. 6. 13)

◎第2回研究会(H25. 7. 25)

◎第3回研究会(H25. 8. 30)

◎社会インフラ系分科会(H25. 9. 10、H25. 12. 17、H26. 1. 23)

◎ハードウェア系分科会(H25. 10. 23、H25. 12. 9)

◎第4回研究会(H26. 2. 7)

3.プロジェクトメンバー

PL.関根 太郎

上條 俊介

中村 文彦

西本 幸正

長谷川 孝明

(特別研究員)

大石 康夫(本田技研工業(株)グローバルテレマティクス部 室長)

長田 哲平(宇都宮大学大学院工学研究科 助教)

田代 邦幸((株)インターリスク総研 主任研究員)

西内 裕晶(長岡技術科学大学工学部 助教)

間邊 哲也(埼玉大学大学院理工学研究科 助教)

向井 希宏(中京大学心理学部 教授)

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4)「天下の公道」と生活道路に関する研究~ソフトライジングボラードの実用化に向けた運用上の課題とその解決方法~

<H2533プロジェクト>

1.研究目的と概要

生活道路の交通安全性向上に向けて、現在様々な対策が実施されているが、通過交通の

「量」をコントロールする対策については未だ切り札が存在していない。この課題について、

本プロジェクトの前身である、平成24年度H2421プロジェクトでは、「ライジングボラード

(自動昇降式車止め)」に着目した研究を行った。ライジングボラードは、歩行者や自転車に

ついては常に通行を可能にし、四輪車については規制時間や除外車両の存在を明確にした上

で制限する、生活道路の安全を考える上での新たな「天下の公道」の考え方を実現する手法

である、と考えられるものである。

通過交通対策として、欧州では広く用いられているライジングボラードであるが、衝突事

故や緊急車両の通行など課題も多く、日本の公道には導入されていなかった。昨年度は、こ

れらの問題を克服する「ソフトライジングボラード」を考案し、欧州調査、法制度の整理、

敷地内実験から、公道への適用性について確認した。これらの成果を受けて、本年度は、ラ

イジングボラードに関する法的位置付けを再整理し、日本初となる公道社会実験を実施する

ことで、本研究で提案するソフトライジングボラードの実用化に向けた検討を行うことを目

的とした。

ライジングボラードの法的位置付けの再整理では、交通規制(道路交通法)連動させるパ

ターン、及び、歩行者専用道路(道路法)に設置するパターンの検討を行い、そのプロセス

と留意事項について整理した。

ソフトライジングボラードの実用化に向けて、昨年度に検証したリモコンで昇降するソフ

トライジングボラード本体に、車両等の存在を検知するエリアセンサー、及び、ボラードの

状況を周囲に知らせるための電光掲示を備えたシステムを開発した。

上記システムを用い、埼玉大学の敷地内にて、公道設置を前提とした運用実験を実施し、

公道への適応性を検証した。その上で、新潟市の中心市街地にあるアーケード商店街(ふる

まちモール6)において、日本で初めて(ソフトタイプとしては世界で初めて)となる公道

上でのライジングボラードの運用を行い、新潟市との共同による社会実験を実施した。

その結果、監視カメラによる観測調査、及び、アンケート調査(歩行者・自転車・タクシ

ードライバー・緊急車両運転者)から、現地においてライジングボラードが安全に機能し、

違法通行車両の抑止効果を持つことが確認され、また、適切な周知の上では、緊急車両の通

行の妨げにならないことが確認された。

今後の課題として、通学路のような他の交通条件への適用性や、ボラード本体や周辺の設

えについて、更なる検討が必要であると考えられる。

〈研究調査事業〉

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2.研究経過

◎第1回研究会 (H25. 4. 9)

◎第2回研究会 (H25. 6. 14)

◎敷地内実験 (H25. 7. 11)

◎第3回研究会 (H25. 8. 8)

◎第4回研究会 (H25. 10. 22)

◎新潟市社会実験(H25. 10. 22-H26. 2. 28)

◎第5回研究会 (H25. 12. 18)

◎第6回研究会 (H26. 2. 10)

3.プロジェクトメンバー

PL.久保田 尚

今井 猛嘉

太田 和博

森本 章倫

蓮花 一己

(特別研究員)

久野 譜也(筑波大学大学院人間総合科学研究科 教授)

小嶋  文(埼玉大学大学院理工学研究科 助教)

山本 清文(警察庁交通局交通規制課企画第一係)

玉垣 潔士(警察庁交通局交通規制課規制第一係)

渡邉  望(警察庁交通局交通規制課規制第二係)

尾嵜 亮太(国交省道路局路政課道路利用調整室 課長補佐)

石井 宏明(国交省道路局環境安全課 課長補佐)

菊池 雅彦(国交省都市局都市計画課 施設計画調整官)

東  智徳(国交省都市局街路交通施設課 企画専門官)

大橋 幸子(国総研道路空間高度化研究室 主任研究官)

本田  肇(国総研道路空間高度化研究室 主任研究官、平成25年4月~6月)

萩田 賢司(科学警察研究所交通科学部 主任研究官)

佐々木政雄((株)アトリエ74建築都市計画研究所 代表取締役)

松原 悟朗((株)国際開発コンサルタンツ 代表取締役社長)

萩原  岳((公社)日本交通計画協会 交通計画研究所 所長)

林  隆史((一財)国土技術研究センター 首席研究員)

伊藤 将司((株)福山コンサルタント運営企画室 室長)

(研究協力者)

谷本  智(埼玉大学大学院理工学研究科)

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〈研究調査事業〉

5)ラウンドアバウトの社会実装と普及促進に関する研究<H2534プロジェクト>

1.研究目的と概要

平成21~24年度の研究調査プロジェクトにおいて、各種社会実験によるラウンドアバウト

(RAB)の効果の実証や技術的提案について、関係行政機関や地元住民とともに協働で取り

組んできた。その一つの結実として、平成25年3月に飯田市東和町交差点において既設信号

機を撤去してRAB化するという貴重な事例が実現した。また、軽井沢町における社会実験

や、須坂市におけるRAB化計画など、各地での取り組みも進んだ。

このようにRABの導入機運が大きく高まるなか、RABの適切な導入を図るためには、こ

れまでの技術的知見と併せて上記交差点における実績データや経験についての情報提供を行

いつつ、活発な普及促進活動を行い、各地で事例を積み上げる必要がある。そこで、平成25

年度は下記のような研究調査を実施した。

1)RAB化された飯田市東和町交差点における利用者挙動に関する事後データを収集し、

事前データ(昨年度収集)と比較分析することにより、信号交差点のRAB化による

効果の定量評価を行った。

2)軽井沢町・須坂市・安曇野市・小山町・焼津市・守山市などにおいて、RAB化の具

体的計画・設計、および社会実験実施の企画提案・技術的支援を行った。

3)全国各地でRABに関する勉強会等を開催し、積極的に情報発信を行うことで、適切

な認知と普及促進のための活動を行った。

以上により、住民説明会等開催による住民ニーズの把握、行政担当者・実務技術者らとの

意見交換による実務ニーズの把握を行いながら、日本におけるRAB計画設計のための技術

的知見および経験の蓄積を図った。

これらの成果は、各地におけるRAB導入計画の具体化とともに、環状交差点を位置付け

るための道路交通法の改正、国土交通省の社会実験や検討委員会の設置など、国レベルの政

策にも少なからず繋がってきている。

2.研究経過

◎軽井沢町六本辻交差点社会実験のGWピーク時調査(H25. 5. 3~6)

◎飯田市東和町交差点にて事後調査(H25. 5. 7-8)

◎第1回研究会(H25. 5. 10)

◎軽井沢町六本辻交差点社会実験に関する分科会(H25. 6. 11)

◎伊豆市にて勉強会(H25. 6. 12)

◎飯田市東和町交差点にて事後調査(H25. 6. 18)

◎須坂市野辺A交差点RAB化に関する住民説明会に出席(H25. 6. 28)

◎軽井沢町六本辻交差点社会実験に関する分科会(H25. 7. 1)

◎軽井沢町六本辻交差点社会実験の夏季ピーク時調査(H25. 8. 12-15)

◎安曇野市におけるRAB計画に関する住民説明会に出席(H25. 9. 19)

◎飯田市東和町交差点にて事後調査(H25. 9. 19-20)

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◎国土技術政策総合研究所によるRAB走行実験の視察(H25. 9. 30)

◎軽井沢町六本辻交差点社会実験の秋季ピーク時調査(H25. 10. 11~13)

◎第2回研究会(H25. 10. 15)

◎須坂市野辺A交差点にて事前調査(H25. 11. 6)

◎焼津市関方交差点社会実験の事前調査(H25. 11. 14)

◎社会実験に関する分科会(H25. 11. 22)

◎焼津市関方交差点社会実験に関する住民説明会に出席(H25. 12. 19)

◎守山市立田町交差点社会実験の事後調査(H26. 1. 23)

◎ラウンドアバウトサミットin飯田(共催)に出席(H26. 1. 27-28)

◎焼津市関方交差点社会実験に関する住民説明会に出席(H26. 2. 4)

◎社会実験に関する分科会(H26. 2. 6)

◎第3回研究会(H26. 2. 19)

◎守山市立田町交差点社会実験の事後調査(H26. 3. 3)

◎上記以外にも、飯田市東和町交差点改良・軽井沢町六本辻交差点社会実験・須坂市野辺

A交差点改良・安曇野市RAB計画・小山町RAB計画・焼津市関方交差点社会実験・守

山市立田町交差点社会実験について、各自治体(県・市町)・県警察本部・国道事務所

など関係諸機関との協議・打合せおよび現地視察を随時行った。また、北九州市ほか各

地において、RABに関する勉強会や候補交差点の現地視察および打合せ等を行った。

3.プロジェクトメンバー

PL.中村 英樹

大口  敬

土井 健司

森本 章倫

(特別研究員)

小川 圭一(立命館大学理工学部 准教授)

尾崎 晴男(東洋大学総合情報学部 教授)

小澤 盛生(国土交通省道路局環境安全課 課長補佐)

塩見 康博(立命館大学理工学部 講師)

下川 澄雄(日本大学理工学部 教授)

鋤柄  寛(飯田市建設部地域計画課 課長補佐)

鈴木 弘司(名古屋工業大学大学院工学研究科 准教授)

高瀬 達夫(信州大学工学部 准教授)

野坂 周子(国土交通省道路局企画課 企画専門官)

浜岡 秀勝(秋田大学工学資源学部 准教授)

森田 綽之(日本大学理工学部 客員教授)

〈研究調査事業〉

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〈研究調査事業〉

6)睡眠障害スクリーニングの普及推進を目指した学際的研究<H2535プロジェクト>

1.研究目的と概要

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まり、その都度に覚醒が起こることを繰り返す

(睡眠呼吸障害)ために、日中の眠気や集中力低下等の症状を呈する病態である。最近の研

究により、睡眠呼吸障害の有病率が中高年男性では約10%に上ること、睡眠呼吸障害があり

ながら眠気の自覚がないため、気がついたら交通事故を起こす例が数多くあることが明らか

になってきた。

本研究では、昨年度実施した奈良県内のトラック運転者約200 名の睡眠障害スクリーニン

グ結果から、睡眠呼吸障害の重症度が事故発生率と関連する可能性を示すとともに、啓発活

動として、奈良と東京で市民シンポジウムを開催した結果、聴講者の意識が大きく変わるこ

とをアンケート調査により示した。

また、交通事故総合分析センターとの共同研究により、居眠り運転を多く含むとされる漫

然運転による事故の再発率が高いことを示すとともに、停止処分者講習該当者調査の分析か

ら睡眠時間、睡眠呼吸障害と違反の再発が関連する可能性を示した。さらに、欧州での睡眠

呼吸障害・交通事故・免許の状況について世界睡眠医学会でのシンポジウムの内容を報告し

た。

以上に加えて、本年度はマクロ研究として所轄官庁との協議を実施した。

2.研究経過

◎市民シンポジウム「睡眠呼吸障害と交通安全 2013」(H25. 5. 20 経団連会館)

◎第1回研究会(H25. 6. 11)

◎第2回研究会(H25. 7. 30)

◎奈良県トラック協会主催特別講演会「睡眠障害と交通安全対策」(H25. 9. 24 奈良県

トラック会館)

◎世界睡眠医学会(スペイン バレンシア)にて睡眠障害に関する情報収集(H25. 9.

30-10. 4)

◎第3回研究会(H25. 10. 8)

◎第1回マクロ領域分科会(H25. 11. 6)

◎第4回研究会(H25. 12. 4)

◎第2回マクロ領域分科会(H26. 1. 29)

◎市民シンポジウム「睡眠呼吸障害と交通安全対策」(H26. 2. 4 奈良県文化会館)

◎第5回研究会(H26. 2. 18)

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〈研究調査事業〉

3.プロジェクトメンバー

PL.谷川  武

今井 猛嘉

岩貞るみこ

高橋 正也

中村 文彦

蓮花 一己

(特別研究員)

木村  弘 (奈良県立医科大学医学部 教授)

櫻井  進 (天理医療大学医療学部 教授)

丸山 広達 (愛媛大学大学院医学系研究科 助教)

江口 依里 (愛媛大学大学院医学系研究科 助教)

(共同研究者)

西田 泰  (公益財団法人交通事故総合分析センター 研究第一課長)

(オブザーバー)

小倉 隆久 (警察庁交通局交通企画課 課長補佐)

塚本 高弘 (警察庁交通局運転免許課 課長補佐)

宮脇 健一 (警察庁交通局交通企画課 係長)

奈良 裕信 (国土交通省自動車局安全政策課 安全監理室長)

星  明彦 (国土交通省自動車局安全政策課 安全監理室課長補佐(総括))

笠嶋 七生 (国土交通省自動車局安全政策課 安全監理室課長補佐)

(研究協力者)

三好 規子 (愛媛大学大学院医学系研究科 公衆衛生・健康医学分野 大学院生)

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〈研究調査事業〉

7)香川研究-事故発生要因の分析と対策への提言<H2536プロジェクト>

1.研究目的と概要

本研究の目的は、人口当たりの事故率が全国でもっとも高い(2011-2012年)香川県を対

象にして、地元の行政関係者との共同研究により、香川県で多発する事故の発生要因を明ら

かにして、安全対策への提言を行うものである。そのために、国際交通安全学会の学際的な

人的資源を活用して徹底的な現地調査を繰り返し、実証データに基づいて、事故発生のメカ

ニズムを解明する。

香川県は、2012年の人口10万人当たりの交通事故死者数が8.17人(全国平均3.63人)とな

り、前年から2年連続でワースト1になるなど、「事故の多い県」であると認識されている。

しかしその一方で、主体間連携を土台とした多世代にわたる交通安全活動が評価され、香川

県交通安全教育推進会議が平成19年度の国際交通安全学会賞を受賞するなど、香川県は、継

続的に先進的な交通安全対策にも、非常に熱心に取り組んでいる。

全国的に見ると、今後さらに事故を減らすためには、地方での事故の削減が必須であるが、

経費の削減や専門家不足が理由となり、事故原因を解明して対策を実施することは、ますま

す困難になると考えられる。そのため、全国レベルで事故調査チームを作って地方の抱える

問題解決をフルサポートする体制が必要となり、本プロジェクトでは、このサポート体制づ

くりを試み、「香川モデル」として実施する。

香川モデルの方針:

1. 包括的学際・地域連携

2. 行動分析(ミクロ)と事故分析(マクロ)の融合

3. 事故リスクに関する柔軟なデータ収集と分析

包括的学際・地域連携として、本プロジェクトでは、工学・心理学を中心とした学際的学

識経験者と、道路管理者や交通管理者を含む行政担当者が協働できる体制をつくった。

また、事故リスクに関する柔軟なデータ収集と分析として、香川県警が開示している「交通

事故情報提供システム」や、衛星写真を含む地図情報、該当地点の路上景観情報など、イン

ターネット上の情報を積極的に活用し、さらに県警から提供された具体的な事故データを用

いることで、研究者が基礎的な事故調査に関与できる手法をとった。

さらに様々なデータから他の地域と比較した香川県の事故の特徴を推定するマクロ分析

と、事故多発地点でのビデオ観測から事故要因を推定するミクロ分析を実施し、これらの融

合を試みた。

マクロ分析からは、高齢者の死亡リスクが高いこと、歩行中と自転車乗車中の死亡リスク

が全国平均の2~3倍と極めて高いことなどが確認され、ミクロ分析からは、当該地点の道路

構造上の課題などが確認された。

今後の課題として、道路構造や交通参加者の行動の更なる分析、安全対策の社会実験を通

した効果測定、他地域との比較による香川県の特性の明確化が必要と考えられる。

また、対策に必要な地域の合意形成を得るため、社会・法律面の分析と検討が必要である。

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2.研究経過

◎第1回研究会(H25. 5. 31)

◎第2回研究会(H25. 6. 24)

◎丸亀市調査(H25. 8. 2-3、H25. 8. 8-9)

◎高松市調査(H25. 8. 26-27)

◎第1回高松チーム分科会(H25. 8. 27)

◎第1回中讃チーム分科会(H25. 9. 6)

◎高松市調査(H25. 9. 26)

◎丸亀市調査(H25. 10. 7-8)

◎第2回高松チーム分科会(H25. 10. 30)

◎第3回研究会(H25. 12. 2)

◎第2回中讃チーム分科会(H26. 2. 10)

◎第3回高松チーム分科会(H26. 2. 12)

◎第4回研究会(H26. 2. 18)

◎香川県現地報告会(H26. 4. 7予定)

3.プロジェクトメンバー

PL.蓮花 一己

赤羽 弘和

中村 英樹

大口  敬

喜多 秀行

(特別研究員)

正岡 利朗(高松大学経営学部 教授)

小川 圭一(立命館大学大学院理工学研究科 准教授)

塩見 康博(立命館大学大学院理工学研究科 講師)

治部 哲也(関西福祉科学大学健康福祉学部 准教授)

中井  宏(大阪大学大学院人間科学研究科 助教)

森津  誠(大阪国際大学 名誉教授)

山口 直範(大阪国際大学人間科学部 准教授)

渡部 数樹(名古屋大学大学院工学研究科 研究員)

藤澤 一仁(香川県危機管理総局 次長)

小川  剛(香川県危機管理総局くらし安全安心課 課長)

大山  智(香川県政策部政策課 課長)

片山 秀樹(香川県土木部道路課 課長)

木村 義徳(香川県警察本部交通部交通企画課 課長)

松本 晃一(西日本高速道路ファシリティーズ⑭ 常務取締役)

矢野 健一(四国交通共済協同組合安全対策部 参与)

―22―

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(研究協力者)

松原 正則(香川県危機管理総局くらし安全安心課 主幹)

串田 正人(香川県危機管理総局くらし安全安心課 主任)

尾崎 英司(香川県政策部政策課 総括政策主幹)

北村  至(香川県政策部政策課 副主幹)

川本 浩之(香川県土木部道路課 課長補佐)

松木 隆史(香川県土木部道路課 主任)

福家 高明(香川県警察本部交通部交通企画課 課長補佐)

大林 憲広(香川県警察本部交通部交通規制課 課長補佐)

小川 泰司(香川県警察本部交通部交通規制課 主任主事)

青木  洋(交通安全コンサルタント)

―23―

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―24―

〈研究調査事業〉

8)交通安全政策のパーセプションに関する分析<H2537プロジェクト>

1.研究目的と概要

交通安全施設に関してはアウトカム指標にもとづく評価が実施されつつあり,交通取締り

の効果も多様な観点から定量的に分析が進められている(例えば,森本章倫氏をPLとする

IATSSプロジェクト)。これらは,いわば交通安全政策のハード・ソフト両面にわたる政策

評価である。

本プロジェクトでは,交通事故,教習,交通違反といった過去のイベントや施策の効果を

受容者サイドから計測しようとすることを目的とする。例えば,交通安全運動の効果,検挙

件数の地域的な偏りは運転者にも認識されているのか,事故はその後の運転にどのような影

響をもたらすのか,運転者は違反の軽重をどのようにとらえているのか,という問題を政策

の受容者サイドの視点から分析し,交通安全政策の評価とする。

2.研究経過

◎第1回研究会(H25. 5. 9)

◎第2回研究会(H25. 6. 12)

◎第3回研究会(H25. 6. 20)

◎第4回研究会(H25. 8. 21)

◎第5回研究会(H25. 10. 9)

◎第6回研究会(H25. 12. 11)

◎第7回研究会(H26. 2. 17)

◎第1回WG研究会(H25. 7. 18)

◎第2回WG研究会(H25. 10. 17)

◎第3回WG研究会(H26. 2. 1)

3.プロジェクトメンバー

PL.加藤 一誠 

今井 猛嘉 

太田 和博 

森本 章倫 

(特別研究員)

中村 彰宏 (横浜市立大学国際総合科学部 教授)

斉藤 都美 (明治学院大学経済学部 准教)

後藤 孝夫 (近畿大学経営学部 准教)

松浦 常夫 (実践女子大学人間社会学部 教授)

小島 克巳 (文教大学 国際学部 准教)

八幡 有信 (八幡マネジメント研究所)

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(共同研究者)

西田  泰 (公益財団法人交通事故総合分析センター)

(オブザーバー)

諸隈 繁浩 (内閣府 交通安全対策担当)

伊藤 淳揮 (内閣府 交通安全担当)

阿部  悟 (国土交通省道路局環境安全課 道路交通安全対策室)

吉田 敏晴 (国土交通省道路局環境安全課 道路交通安全対策室)

小倉 隆久 (警察庁 交通企画課)

田中 豊弥 (警察庁 交通企画課)

森本 行儀 (警察庁 交通規制課)

―25―

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〈研究調査事業〉〈研究調査事業〉

9)交通安全と交通取締りに関する研究<H2538:企画事業>

1.研究目的と概要

平成22~24年度の研究成果から、交通取締りの地域性や持続性、あるいは違反で検挙され

た者の特性、交通事故との関連性などが明らかになった。今年度は「社会貢献に資する内容」

として、研究成果を交通取締りハンドブックとして取りまとめ、交通取締りに携わる県警担

当者への配布を行う。

交通取締りの実態把握から各県警の特徴や違反者の傾向などを解説することで、「交通事

故を抑制する効率的な交通取締り」の実施に向けて参考資料となることを期待する。また、

セミナー開催を通して、交通取締りハンドブックの解説や普及を促進させる。

2.研究経過

◎第1回研究会(H25. 5. 27)

◎第2回研究会(H25. 8. 23)

◎第3回研究会(H25. 9. 20)

◎第4回研究会(H25. 10. 23)

◎セミナー開催(H25. 12. 12 警察大学校)

◎第5回研究会(H26. 1. 8)

◎セミナー実施(H26. 1. 31 長野県警)

3.プロジェクトメンバー

PL.森本 章倫

今井 猛嘉

岩貞るみこ

加藤 一誠

(特別研究員)

松村 良之(IATSS顧問/北海道大学 名誉教授)

長田 哲平(宇都宮大学大学院工学研究科 助教)

神谷 大介(琉球大学工学部 助教)

浜岡 秀勝(秋田大学工学資源学部 准教授)

森  健二(科学警察研究所交通科学部交通科学第一研究室 室長)

(共同研究者)

西田  泰(交通事故総合分析センター研究部特別研究員兼研究第一課長)

林  祐輔(交通事故総合分析センター研究部研究第一課研究員)

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〈研究調査事業〉

10)知的障害者のモビリティ確保のための都市公共交通の課題<H 2539:企画事業>

1.研究目的と概要

2年間の研究成果をもとに、わが国の交通事業者及び特別支援学校向けに、知的障害生徒

の公共交通による通学を支援するための教育訓練プログラムの考え方や実践方法をまとめた

パンフレットを作成し、配布した。「社会貢献に資する内容」として、特別支援学校におい

て、実際の路線バスや電車車両を用いて、事業者の協力のもとに体験、訓練の機会を設ける

ことがいかに有意義かを明らかにしている。

知的障害者が特別支援学校卒業後さまざまなかたちで社会参加をしていくにあたって、在

学中のこのような訓練プログラムの実施はきわめて重要である。このパンフレットの配布及

び、研究成果に基づく教育実践の普及啓発を目標にしたセミナーを開催した。このセミナー

の特別講演は、同プロジェクトで現地調査したドイツ連邦ノルドホルン市の特別支援学校校

長をお招きした。

2.研究経過

◎第1回研究会(H25. 6. 10)

◎第2回研究会(H25. 8. 10)

◎第3回研究会(H25. 10. 1)

◎セミナー開催(H25. 12. 7)

3.プロジェクトメンバー

PL.中村 文彦

北村 友人

吉田 長裕

(特別研究員)

松村みち子(IATSS顧問/タウンクリエイター 代表)

大原 一興(横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院 教授)

西館 有沙(富山大学人間発達科学部 准教授)

鳩山紀一郎(東京大学大学院工学系研究科 講師)

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〈研究調査事業〉

11)インドにおける交通安全のためのコミュニティデザインに関する研究調査

<H2540:企画事業>

1.研究目的と概要

近年、急激な都市開発とモータリゼーションにより、新興国においては交通事故の増加に

歯止めがかからない状態にあり、きわめて憂慮すべき状態である。そこで当プロジェクトで

は、世界的に見て最も交通事故死者数が多く、且つその増加が著しいインドに着目し、現地

における有数の研究機関であるインド工科大学デリー校と共同体制を築き、インドにおける

交通安全のための研究調査事業を展開した。

2年目となる本年度は、以下を目的として活動を行なった。

インドの交通死亡事故の実態を、事故データの収集に基づき調査分析し、その原因を探る。

人口100~200万人の中規模都市群から、交通事故死亡率の異なる6つの都市を抽出して比較

分析する。また、その中でも特徴的な2都市(アグラとルディアーナ)に注目する。

夜間に交通死亡事故が集中する原因を、走行速度や道路・都市環境の観点から把握する。

都市内の道路交通事故の制御を「道路デザイン」「都市環境デザイン」「コミュニティデザ

イン」の3つの観点から検討する。

2.研究経過

◎現地調査内容インド側からの提案(前年度からの継続)(H25. 4. 10)

◎現地調査内容検討会1(@ブラジル)(H25. 7. 17)

◎現地調査内容検討会2(@台湾)(H25. 9. 10)

◎現地4都市交通状況調査・分析(H25. 9-H26. 2)

◎合同研究会(@デリー)(H25. 11. 27)

◎現地(@アグラ)視察(H25. 11. 28)

3.プロジェクトメンバー

PL.土井 健司

大口 敬

北村 友人

横山 利夫

(特別研究員)

武内 和彦(IATSS副会長)

Dinesh Mohan(インド工科大学デリー校教授)

Geetam Tiwari(インド工科大学デリー校教授)

Sudipto Mukherjee(インド工科大学デリー校教授)

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〈研究調査事業〉

12)主要諸外国における交通関連諸施策の計画及び実施状況の調査

<H 2541:企画事業>

1.背景、目的と概要

目的

IATSS研究調査活動への最新基礎情報の提供

提案背景と本年度の焦点

従来とは異なる方法によるテーマ・メンバー設定

・IATSS会員による特別研究員の推薦・テーマの推薦

・三名の調査メンバーそれぞれに異なる研究分野の特別研究員を推薦し複数の視点による調

査を実施し学際性を求めた。

決定したテーマ

①欧州における交差点部を中心とする道路構造・交通運用に関する調査

鈴木孝司:名古屋工業大学・交通工学

藤山拓:University College London・障がい者交通

八幡有信:八幡マネジメント研究所・法制度

②ヨーロッパにおける低炭素交通社会に向けた交通・都市施策に関する調査

石坂哲宏:日本大学・交通工学

有賀敏典:国立環境研究所・都市工学

③シームレスな都市交通実現に向けた諸施策に関する調査

有賀敏典:国立環境研究所・都市工学

塙武郎:八洲学園大学准教授・財政学

2.研究経過

◎第1回研究会(H25. 6. 4)

◎第2回研究会(H25. 7. 11)

◎第3回研究会(H25. 10. 2)

◎第4回研究会(H25. 12. 5)

◎第5回研究会(H26. 1. 8)

◎第6回研究会(H26. 2. 26)

①第1回 独・英・仏視察(H25. 11. 6-11. 16)

②第2回 独・オーストリア視察(H26. 1. 26-2. 1)

③第3回 独・仏・米視察(H26. 2. 1-2. 13)

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〈研究調査事業〉

3.プロジェクトメンバー

PL.久保田 尚

今井 猛嘉

上條 俊介

関根 太郎 

蓮花 一己 

吉田 長裕(PL代行)

(特別研究員)

有賀 敏典 (国立環境研究所社会環境システム)

石坂 哲宏 (日本大学理工学部 助教)

鈴木 弘司 (名古屋工業大学大学院工学研究科 准教)

塙  武郎 (八洲学園大学 准教)

八幡 有信 (八幡マネジメント研究所)

藤山  拓 (ロンドン大学交通研究所 講師)

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〈研究調査事業〉

13)国際発表:交通安全と交通取締りに関する研究<H2542:企画事業>

1.研究目的と概要

「国際発表」プロジェクトは、研究調査部会企画委員会が、過去の研究調査テーマの中か

ら優秀な研究候補テーマを1つ推薦し、国際学会等への発表を促進するものである。

発表者派遣にあたっての条件は以下のとおりである。

① 該当プロジェクトのメンバーの中の、若手を派遣する

② 今後のIATSS運営において非常に有益な為、事務局が同行する。

2.研究経過

◎国際会議の概要

会議名:13th World Conference on Transportation Research (WCTR)

開催地:ブラジル リオデジャネイロ

期 間:2013年7月15日~18日

WCTRは、3年ごとに世界各地で開催される大規模な国際会議で、交通に関する様々な分野

を対象に研究成果が報告される。今回の会議では、7つの研究トピックスに814の口頭発表、

及び101のポスター発表、37のスペシャルセッションが行われた。世界各国からの参加者は

もちろんのこと、遠方での開催にもかかわらず多くの日本人研究者の参加も見られた。

◎発表テーマと内容

“A Study on the effects of traffic enforcement to the traffic accidents occurrence in

Japan”

平成24年度に実施した H2416プロジェクト「交通安全と交通取締りに関する研究」の成果

の中で、交通事故の発生状況と交通取締り実施状況の関連分析、および模擬取締りによる速

度減少効果について発表した。

3.プロジェクトメンバー

PL.森本 章倫

発表者(特別研究員):浜岡 秀勝(秋田大学工学資源学部 准教授)

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(2)シンポジウム事業

1.シンポジウム部会企画委員会活動内容

(1)IATSS新会員デビュートークの開催

これまで新会員歓迎のイベントとしては「IATSSトーク新会員講演」を実施してき

たが、本年度はIATSSらしいサロン的な雰囲気の中でより活発でざっくばらんな意見

交換ができるような場とすべく、「講演会」から「話題提供に基づく質疑と議論」へと

形式を変え、名称も新たに「IATSS新会員デビュートーク」として実施した。

○ 開催日 : 平成25年8月7日(水) 14:00~18:00

○ 会 場 : 経団連会館 5F パールルーム(502号室)

○ 出席者 : 28名

○ 内 容 : 新会員3名による話題提供(下記3テーマ)に基づく質疑・議論

1)これまでやってきたこと

2)これからIATSSでやってみたいこと

3)国内及び国際的な視野から見た「交通とその安全」に関する

自由テーマ

○ 新会員 : 上條俊介 会員(東京大学情報学環及び生産技術研究所准教授)

羽藤英二 会員(東京大学大学院工学系研究科教授)

西本幸正 会員((株)本田技術研究所二輪R&Dセンター企画室主任

研究員)

(2)IATSS創立40周年記念事業の一環としての会員合宿の企画・推進

創立40周年のメインテーマ「IATSSモビリティ社会デザイン 2024~10年後の理想的な

交通社会をデザインしよう~」に基づき、会員それぞれが「次の10年にIATSSを通じ

てどんな貢献ができるのか、何をすべきか」を改めて考え、共有する機会としての会員

合宿を企画し、下記の通り実施した。

○開催日: 平成26年3月16日(日)13:00~17日(月)12:30

○会 場: セルリアンタワー東急ホテル(東京・渋谷)

○出席者: 会員32名

○内 容: 下記テーマに基づくグループ討議と全体討議、等

ステップ1:IATSSの設立趣旨「理想的な交通社会の実現に寄与する」

を具体的に自分たちの言葉で改めて定義する。

ステップ2:「10年後の理想的な交通社会」を描く。

ステップ3:「10年後の理想的な交通社会」を実現するためのアプローチ

(=自らの宣言)を考える。

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●企画委員会開催実績

◎第1回企画委員会(H25.4.26)

・シンポジウム部会事業概要と前年度の活動報告

・今年度活動計画

◎第2回企画委員会(H25.6.20)

・新会員デビュートーク企画検討

・創立40周年記念事業について

◎第3回企画委員会(H25.7.31)

・新会員デビュートーク詳細確認

・創立40周年記念事業「会員合宿」企画

◎第4回企画委員会(H25.10.16)

・「会員合宿」詳細検討

◎第5回企画委員会(H26.1.7)

・「会員合宿」詳細検討(継続)

・来年度の活動計画について

◎第6回企画委員会(H26.3.17)

・「会員合宿」の振り返りと記念シンポジウムの企画検討

シンポジウム部会企画委員会

委員長:竹内 健蔵

岩貞るみこ

北村 友人

城山 英明

高橋 正也

田久保宣晃

中村 英樹

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(3)広報出版事業

定期刊行物としては、IATSS Review(国際交通安全学会誌)Vol.38, No.1~3およびIATSS

RESEARCH(英文論文集)Vol.37, Issue 1~2を発行した。

1. 学会誌(IATSS Review)編集委員会

1)IATSS Reviewの刊行

Vol.38, No.1「特集/長時間運転と疲労」(H25.5.31)

Vol.38, No.2「特集/今後のエネルギーと交通」(H25.9.30)

Vol.38, No.3「特集/自動車関連税制-最近の動向と今後の展望」(H25.2.28)

2)依頼原稿の査読方針改定とそれに伴う規定等の改訂

依頼原稿の査読方針について、昨年度末に前期委員会でとりまとめた改訂方針(案)

に基づき、具体的な改定内容の検討を行い、諸規定および関連文書類の改訂を行った

(いずれも平成25年6月25日改訂)。

① 改定内容

・ 区分は従来の4区分(論文・論説・報告・紹介)とし、論文のみ査読(投稿原稿と同

じ方法)を行う。その他3区分については査読は行わないが、従来の査読方法に準じ

て確認し、必要に応じ編集上のお願いをする。

・ 依頼時に編集委員会として依頼したい原稿区分を明らかにし、そして、執筆者も提

出時に原稿区分を申告する(依頼した原稿区分に関わらず、執筆者が選択できる)。

ただし、最終決定は編集委員会が行う。

・ 論文で提出されたものが、査読の結果不採択になった場合は、報告等で掲載するこ

ととし、これについて依頼時に明らかにしておく。

② 諸規定等の改訂

・ 執筆依頼関連:執筆規定、執筆要領、執筆依頼状

・ 査読関連:査読規定、査読報告書、チェックシート(論説/報告/紹介用)

3)40周年記念出版物の制作

創立40周年記念事業の一環として、広報出版部会が記念出版物(『交通・安全学』日本

語・英語版)の制作を担当することとなり、当編集委員会委員は「40周年記念出版タス

クフォース」メンバーとして、英文論文集編集委員会と協同で作業にあたった。

4)編集委員会の開催

◎第287回(H25.5.10)

1)Vol.38, No.3以降の特集企画の検討

2)依頼原稿の査読方針について検討

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◎第288回(H25.6.25)

1)Vol.38, No.2依頼原稿の査読報告および審議

2)Vol.38, No.3特集企画の検討

3)Vol.39, No.1以降の特集企画の検討

4)依頼原稿の査読方針改定に伴う規定・文書等改定案の最終確認

5)40周年記念事業について検討

◎第289回(H25.8.26)

1)Vol.39, No.1特集企画の検討

2)Vol.39, No.2(40周年記念号)企画検討

3)40周年記念出版物について

◎第290回(H25.11.3)

1)Vol.38, No.3依頼原稿の確認報告および審議

2)Vol.39, No.2(40周年記念号)企画検討

◎第291回(H26.1.30)

1)Vol.39, No.1依頼原稿の確認報告・査読報告および審議

2)Vol.39, No.2(40周年記念号)企画検討

3)Vol.39, No.3特集企画の検討

◎第292回(H26.3.3)

1)Vol.39, No.3特集企画検討

2)投稿原稿の査読報告および審議

3)Vol.40, No.1以降の特集企画の検討

学会誌編集委員会

委員長 森本 章倫

一ノ瀬友博

大口  敬

太田 和博

木林 和彦

斎藤  誠

篠原 一光

関根 太郎

長谷川孝明

横山 利夫

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2. 英文論文集(IATSS Research)編集委員会

1)IATSS Research定期発行

今年度委員会では下記ジャーナルの発行、及び企画編集を行った。

・Vol.37, Issue1 (2013) の発行(平成25年7月発行)

Transportation and Medicine特集

・Vol.37, Issue2 (2013) の発行推進(平成26年3月発行)

Energy Security and Mobility Society特集

・Vol.38, Issue1 (2014) の企画編集(平成26年7月発行予定)

"40周年記念特集号" Designing Mobility for the Coming Age特集

・Vol.38, Issue2 (2014) の企画(平成27年1月発行予定)

Children and Transportation特集

2)40周年記念出版物の制作

IATSS創立40周年記念事業の一環として、広報出版部会が記念出版物(『交通・安全学』日

本語・英語版)を制作する。当編集委員会委員から「40周年記念出版タスクフォース」メン

バーを選出し、学会誌編集委員会と協同で作業にあたった。

3)編集委員会の開催

◎第150回編集委員会(平成25年4月22日)

1)IATSS Research 概要説明

2)電子審査概要説明

3)37-1号 進捗状況確認、論文審査

4)37-2号 進捗状況確認、論文審査

5)38-1号、38-2号 特集企画

◎第151回編集委員会(平成25年6月17日)

1)37-1号 進捗状況確認、論文審査

2)37-2号 進捗状況確認、論文審査

3)38-1号 特集企画検討

4)38-2号 特集企画検討

◎第152回編集委員会(平成25年8月22日)

1)37-2号 進捗状況確認、論文審査

2)38-1号 特集企画、執筆候補者の検討

3)38-2号 特集企画検討

4)過去出版データの公開に関する検討

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◎第153回編集委員会(平成25年10月30日)

1)37-2号 進捗状況確認、論文審査

2)38-1号 特集依頼状況報告

3)38-2号 特集企画

4)平成26年度事業計画案

◎第154回編集委員会(平成26年3月31日)

1)38-1号 進捗状況確認、論文審査

2)38-2号 進捗状況確認、論文審査

英文論文集編集委員会

委員長 土井 健司

加藤 一誠

加藤  晋

北村 友人

高橋 正也

西本 幸正

二村真理子

松橋 啓介

海外編集委員

Burkhard E. Horn(ドイツ、ダルムシュタット工科大学教授)

G.M. Mackay(イギリス、 バーミンガム大学名誉教授)

Peter Jones(イギリス、ロンドン大学教授)

Esko Keskinen(フィンランド、 トゥルク大学名誉教授)

Martin E.H. Lee-Gosselin(カナダ、ラバル大学名誉教授)

Ram M. Pendyala(アメリカ、アリゾナ州立大学教授)

Wing-tat Hung(香港、香港理工大學准教授)

Nicola Christie(イギリス、ロンドン大学理事)

Xin Ye(アメリカ、カリフォルニア州立ポリテクニック大学准教授)

Fred Wegman(オランダ、デルフト工科大学教授)

Richard Allsop(イギリス、ロンドン大学名誉教授)

Peter Sweatman(アメリカ、ミシガン大学交通研究所(UMTRI)理事)

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(4)褒賞及び助成事業

今年度は、第34回国際交通安全学会賞の贈呈式を行うとともに、第35回国際交通安全学会

賞として、業績部門2件の受賞を決定した。

1. 第34回(平成24年度)の国際交通安全学会賞贈呈式

平成25年4月12日(金)に経団連会館において、平成24年度研究調査報告会と合同で開催

した。

2. 平成25年度褒賞助成部会企画委員会

◎第1回委員会(H25.5.27)

1)褒賞委員会の活動の概要

2)年間活動スケジュールについて

3)「業績部門」の募集と、各部門の選考方法について

4)「業績部門」候補の検討

5)「著作部門」査読の割り振り

6)「論文部門」審査および査読の割り振り

◎第2回委員会(H25.9.17)

1)「業績部門」候補の検討

2)「著作部門」審査および査読の割り振り

3)「論文部門」審査および査読の割り振り

◎第3回委員会(H25.10.11)

1)「業績部門」視察計画説明と視察候補の決定(視察計画)

2)「著作部門」審査

3)「論文部門」審査

◎視察(H25.11.8)

◎第4回委員会(H25.11.15)

1)「業績部門」視察報告、審議

2)「論文部門」審査

◎視察(H25.12.16)

◎第5回委員会(H26.1.10)

1)「業績部門」視察報告、審議

2)会員信任投票、理事会、贈呈式の準備

3. 会員信任投票(H26.2.14締切): 全候補信任

4. 理事会(H26.3.3): 全候補承認

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褒賞助成部会企画委員

委員長  福田  敦

今井 猛嘉

太田 和博

春日 伸予

藤岡 健彦

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第35回(平成25年度)国際交通安全学会賞

《業績部門》当部門は、理想的な交通社会の実現に関して、研究、施策の推進、普及、啓発、あるいは

機器の開発、設備・施設の建設などに多大な業績をあげたものを対象に、過去3年以内に成果

が顕著となった業績の中から選考される。

業績題目:現状に即した合理的な地域公共交通の再生

-京丹後市における行政と事業者との協働による上限200円バス等の

取り組み-

受 賞 者:京丹後市、丹後海陸交通株式会社

受賞理由:京丹後市は、京都府北部の丹後半島に位置する長寿の市ですが、少子高齢化が

進み人口減少しており、他の地方都市と同様に、市内を走る路線バスの乗客数

も半減し、必要補助額も増加し平成24年度には1億800万円と予想され市民の理

解も得られなくなる懸念がありました。

京丹後市の上限200円バスは、導入した平成18年から6年連続で利用者が増加し

2.3倍になり運賃収入も増加し、補助金額も20%削減されました。

上限200円バスは都市部のコミュニティバスの模倣という安易なものではなく、

活きた補助にするとの確固たる理念で、施策設計を行い、バス事業者との共同

作業で市民へ積極的な広報活動を行い、乗合バスを再生させました。学生定期

も大幅減額され父母の自動車送迎がバスに転換する好効果も現れています。

また進学高校を変更した中学生もいました。

京丹後市および地元乗合バス事業者の取り組みは、公共交通対策という枠を超

えて、教育施策・福祉施策などへの好効果も発現しています。既存の路線バス

を活性化させた施策や、周辺市町村へと波及した点などが高く評価されます。

業績題目:飯田市の並木を軸とする都市・交通空間の再構築の取り組み

受 賞 者:飯田市

受賞理由:飯田市は、昭和22年に発生した飯田大火によって、街並みの70%以上を消失し

ました。その後平成19年に環境文化都市宣言、平成21年環境モデル都市に選定

され、安全・安心な低炭素まちづくりを目指しています。その原点は、飯田大

火からの復興にあったといえます。

飯田市のまちづくりの象徴的となった、りんご並木と連続した桜並木を軸とし

た、都市空間・道路空間を再構築し、魅力のあるまちづくりが飯田市によって

進められています。

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住民、道路管理者、交通管理者と協議を行い、桜並木を保護しながら、現状の

交通機能を維持し、新たな都市・交通空間を創出しました。

飯田市は、大火の復興から始まった地元住民を主体とするまちづくりの取り組

みを継承し、緑豊かな並木を軸として、快適な移動を保証する移動空間を形成

し、歩車共存道路やランドアバウトの導入を行い、都市・交通空間を再構築し

たことは、高く評価しうるもので、他の都市における取り組みに大きな影響を

与えるものです。

《著作部門》 当部門は、理想的な交通社会の実現に関して、過去2年間に初版として刊行された優れた

著作・出版物の中から選考される。

本年度は該当作なし。

《論文部門》当部門は、国際交通安全学会誌(IATSS Review)及び英文論文集(IATSS Research)

に掲載された論文の中から選考される。

本年度は該当作なし。

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〈褒賞事業〉

(5)IATSSフォーラム事業

アセアン諸国の若い有為な人材を、日本に55日間招請し、アセアン諸国と日本が直面して

いる現在の課題の学習観察を通じて、各参加国の理想的な交通・社会実現に向けて、人材の

育成に貢献しようという、国際交流も踏まえた研修事業である。

今年度は、第50回のIATSSフォーラムを開催した。 事業概要は、以下のとおりである。

1)第50回IATSSフォーラム開催

・期 間 平成25年9月21日~11月9日

・研修生 18名(男6名、女12名)

・国 名  カンボジア 2名

インドネシア 2名

ラオス 2名

マレーシア 2名

ミャンマー 2名

フィリピン 2名

シンガポール 2名

タイ 2名

ベトナム 2名

計 18名

・職 業  行政機関 7名

学校関係 4名

民間企業 6名

その他(NGO等)1名

2)研修プログラム

"Thinking and Learning Together"をモットーに、アセアンと日本の現在の課題を題材とし

ている。 今回、プログラム全般に一貫性を持たせ、『持続可能なまちづくり』を研究テー

マとし、「世界や日本でのまちづくりのセミナー」、「三重県鳥羽市でのまちづくりの事例研

究」、「まちづくり学校による主体形成プロセス修得」、「自国の課題を題材としたグループ研

究/プロジェクト提案(発表)」を行った。

1 各分野の専門家を講師とし、ディスカッション主体のセミナー

2 研究課題に対する多角的・論理的な考え方、解決策立案手法を習得するグループ研究

3 日本とアセアン、及びアセアン諸国間の相互理解を目指した体験学習と交流イベント

3)IATSSフォーラム部会

IATSSフォーラム実行委員会/IATSSフォーラムプログラム専門委員会

第85回実行委員会(H25. 5. 15)

1.2013年度事業計画

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〈褒賞事業〉

2.第50回プログラムの準備状況

3.選考期間の短縮

4.現地事務局の立て直し

5.2015年国際同窓会の開催地

第86回実行委員会(H25. 6. 7)

1.IATSS40周年記念事業(情報共有)

2.フォーラムホームページリニューアル(情報共有)

3.第51回、第52回フォーラム最終審査日程の調整結果

4.第50回フォーラム開講式と修了式要領

5.第50回フォーラム祝賀イベント

6.フォーラム30周年事業

7.審査方法の最適化

8.実行委員会とプログラム専門委員会との役割分担

9.9月の実行委員会、プログラム専門委員会合同開催(9月21日)の課題整理

第47回プログラム専門委員会(H25. 8. 1)

1.第50回フォーラムプログラムの準備状況

2.第50回フォーラムでのプログラム専門委員参観

3.第50回フォーラムでの現地委員長、現地事務局参観、意見交換

4.第51回、第52回フォーラムプログラムの進め方

5.第7回国際同窓会 @ベトナム(6月開催)結果報告

6.実行委員会、プログラム専門委員会との役割分担

7.第51回、第52回フォーラム研修生の最終審査日程

第87回実行委員会(H25. 9. 5)

1.第51回、第52回フォーラム二次審査

2.フォーラム理念のドラフト検討

3.第88回実行委員会/第48回プログラム専門委員会合同開催(9月21日)課題検討

4.現地事務局体制報告(シンガポール事務局)

第88回実行委員会/第48回プログラム専門委員会合同開催(H25. 9. 21)

1.フォーラムの理念

2.フォーラム30周年事業

3.第51回/第52回フォーラム最終審査の参加者

第89回実行委員会/第49回プログラム専門委員会合同開催(H25. 11. 8)

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1.第50回フォーラムグループ研究発表会、修了式時程確認

2.第51回/第52回フォーラム最終審査について

3.フォーラムの理念確認

4.フォーラム30周年事業

第50回プログラム専門委員会(H25. 12. 23)

1.第50回フォーラムの検証

2.第51回/第52回フォーラムに向けての検討

3.第51回/第52回フォーラムのテーマスタディ推進方法の検討

第90回実行委員会/第51回プログラム専門委員会合同開催(H26. 3. 5)

1.フォーラム30周年事業

2.現地事務局体制の課題共有(ベトナム、マレーシア)

3.最終審査方法の共有

4.第51回/第52回フォーラムプログラム準備状況

5.フォーラムの理念

6.IATSS会員へのフォーラム活動PR方法

IATSSフォーラム部会IATSSフォーラム実行委員会

委員長 中村 英樹

喜多 秀行

中村 文彦

永田 潤子

IATSSフォーラムプログラム専門委員会

委員長 永田 潤子

北村 友人

篠原 一光

吉田 長裕

(IATSSフォーラム部会特別委員)

委 員 足立 文彦(金城学院大学 現代文化学部 教授)

溝田  勉(長崎大学 特任教授)

4)現地委員会

・現地委員会活動及びフォーラム研修生の選考審査・決定

2014年度より、「2012年国際諮問委員会」の決議結果により、フォーラムが年二回開催と

なり、各国で4名(合計36名)の研修生を選抜した。

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◎IATSSフォーラム フィリピン委員会

第24回委員会(H25. 11. 27)

委員長 Fortunato T. de la Pena(科学技術省 科学技術局 次官)

委 員 Amelia C. Ancog(フィリピン大学教授)

Flordeliza R. Mayari(マリキナスクール)

Ricardo G Sugua(フィリピン大学、准教授)

Fortune C.Ilaya(Ri Chemical Corp 副社長)

Enrica Esmero(IATSSフォーラムフィリピン同窓会 会長)

オブザーバー 古舘 誠幾(在フィリピン日本国大使館 一等書記官)

事務局 Corlita G. Canilao(IATSSフォーラム フィリピン事務局)

◎IATSSフォーラム インドネシア委員会

第30回委員会(H25. 11. 29)

委員長 Ridwan Gunawan(前インドネシアモーターサイクル協会会長)

委 員 Suprapti Sumarmo Markam(インドネシア大学 教授)

Fashbir HM Noor Sidin(IATSSフォーラムインドネシア同窓会 会長)

オブザーバー 奥村 正和(在インドネシア日本大使館 二等書記官)

事務局 Lala(IATSSフォーラム インドネシア事務局)

Anne(IATSSフォーラム インドネシア事務局)

◎IATSSフォーラム ミャンマー委員会

第12回委員会(H25. 12. 2)

委員長 Zaw Min Win(ミャンマー商工会議所連合会 副会頭)

委 員 Dr. Maung Maung Lay(ミャンマー商工会議所連合会 副会頭)

Dr. Aung Thein(ミャンマー商工会議所連合会上級委員会メンバー)

Kyaw Min Htin(IATSSフォーラムミャンマー同窓会 会長)

オブザーバー 中矢 剛(在ミャンマー日本国大使館 二等書記官)

◎IATSSフォーラム シンガポール委員会

第28回委員会(H25. 12. 4)

委員長 George Abraham(GAグループLtd. 会長兼代表取締役)

委 員 Lam Jun Hoon(SMFシンガポール製造業者連盟 秘書室長)

オブザーバー 牧志 俊(在シンガポール日本国大使館 二等書記官)

アドバイザー 鵜木 ゆみこ(ブキバトドライビングセンター 所長)

事務局 Jonathan Tan(IATSSフォーラム シンガポール事務局 SMF)

Huang Shiyi(IATSSフォーラム シンガポール事務局 SMF)

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◎IATSSフォーラム マレーシア委員会

第31回委員会(H25. 12. 9)

委員長 Dato’Zuraidah Atan (ズライダーアタン弁護士事務所)

委 員 Dato’ Robert Wong Lum Kong(オリエンタルホールディングスCOE)

Dato’Dr.Ismail (マレーシア公共省 )

S. Jeyapalan(IATSSフォーラムマレーシア同窓会 会長)

アドバイザー Roslan Abudullah(ホンダマレーシアCOO)

オブザーバー 笠井 賢(在マレーシア日本国大使館 一等書記官)

事務局 Violet Fernando (IATSSフォーラム マレーシア事務局)

◎IATSSフォーラム タイ委員会

第30回委員会(H25. 12. 13)

委員長 Sakol Thinagul(委員長代理、天然資源環境省 副局長)

委 員 Savitree Srisuk(天然資源環境省 公共教育部 部長)

Poopirom Apiradee(IATSSフォーラムタイ同窓会 会長)

アドバイザー Rachnida Sangethongtong (エイシャンホンダ 社会活動推進部)

オブザーバー 林 良太郎(在タイ日本国大使館 二等書記官)

事務局 Supawan Wongprayoon(IATSSフォーラム タイ事務局

◎IATSSフォーラム ラオス委員会

第16回委員会(H25. 12. 16)

委員長 Khampoune KEOVIPHAKOE(委員長代理、ラオス青年同盟書記官)

委 員 Sompathana LAKHAISY (IATSSフォーラムラオス同窓会 会長代理)

オブザーバー 二元 裕子(在ラオス日本大使館 二等書記官)

事務局 Vanhpheng Khounbolay(IATSSフォーラム ラオス事務局)

Sisomphone Tipanya, (IATSSフォーラム ラオス事務局)

◎IATSSフォーラム カンボジア委員会

第15回委員会(H25. 12. 17)

委員長 Var Kim Hong(国境問題シニアアドバイザー)

委 員 Koem Oeurn (現地事務局長 CJCC所長)

Monivann Hun(IATSSフォーラムカンボジア同窓会 会長)

オブザーバー 和田 孝行(在カンボジア日本大使館 書記官)

◎IATSSフォーラム ベトナム委員会

第19回委員会(H25. 12. 20)

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委員長 Nguyen Thanh Ha(委員長代理 ベトナム社会科学アカデミー 副部長)

委 員 Do Minh Hoai(IATSSフォーラムベトナム同窓会 会長)

Ha (IATSSフォーラムベトナム同窓会 代表)

オブザーバー 佐藤 哲也(在ベトナム日本国大使館 二等書記官)

アドバイザー 加屋野 究 (ホンダベトナム)

5)第7回国際同窓会 (H25. 6. 22@ベトナム ハノイ)

参加者:120名(アセアン9ヶ国同窓生と日本関係者)

※今回は、「日本・ベトナム国交樹立40周年事業(在ベトナム日本大使館)」、

「日本・ASEAN交流40周年事業(日本の外務省)」として登録され、日本大使館の参事官より

祝辞を戴いた。

テーマ: Renovation for the New Height

位置づけ:

「Suzuka宣言2012」を受け、同窓会としてIATSSフォーラムと連携しながら、

各国の社会及びASEANと日本の関係に、どのように影響を与えられるか、考える場とした。

内容

・「Suzuka宣言2012」の同窓生への共有を行った。

・「過去28年間のIATSSフォーラムの歴史」について同窓生への共有を行った。

(”Go beyond the 50th IATSS Forum”~設立当初から現在までのフォーラムを振り返り、

Suzuka宣言2012を機に、新たなステージへ~)

・同窓生対象の初めてのアンケートを取り分析し、フォーラム経験の同窓生への影響を共有

した。(<内容>※別紙参照・852名中137名からの回答)

・当日の同窓生による決定事項は、Hanoi宣言としてまとめられた。

(9ヶ国同窓会代表及び日本側出席者(endorsed by)がサイン。<内容>※別紙参照)

・今年は日本・ベトナム国交樹立及び、日本・ASEAN交流の40周年であり、当イベントは

在ベトナム大使館主導の日越友好年及び外務省主導の日・ASEAN40周年事業へ登録戴い

た。

(大使館イベントカレンダーへの掲載、ロゴマーク使用、参事官より記念スピーチを戴いた)

・次回国際同窓会開催地 :ミャンマー

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(6)国際交流事業

1.国際交流部会企画委員会活動内容

平成23-24年度に実施した海外の若手研究者との交流活動を継続、充実させる方針のもと、

交通およびその安全に関わる海外の研究者との人的ネットワークの維持・拡大を図るため、

前2年間と同様の活動(1年目:海外の若手研究者の発掘、2年目:若手研究者とIATSSと

の持続的関係の構築)を展開することとした。1年目である今年度は、「各国における交通安

全教育・啓発活動」をテーマに、日本を含む9か国の若手研究者による英文レポート集(及

びダイジェスト版としての交通安全教育・活動一覧表)を作成した。若手研究者は、海外招

待会員などIATSS関係者からの紹介を基本として、当委員会にて選定した。なお、今年度

のレポート集は来年度の情報・意見交換活動のための内部資料とし、外部への公開は行わな

いものである。

●企画委員会開催実績

◎第1回企画委員会(H25. 5. 14)

・ 国際交流部会事業の概略と前年度活動報告

・ 今年度事業計画の検討

◎第2回企画委員会(H25. 6. 19)

・ 今年度大日程

・ 執筆候補推薦者の選定

・ 執筆内容の検討

◎第3回企画委員会(H25. 7. 22)

・ 推薦状況と執筆者の選定

・レポート記述フォーマットの検討

◎第4回企画委員会(H25. 11. 15)

・ 各国中間レポートの検討

・ 来年度の活動計画

◎第5回企画委員会(H26. 2. 24)

・ 国際交流部会事業の概略と前年度活動報告

・ 今年度事業計画の検討

◎第1回企画委員会(H25. 5. 14)

・ 各国最終レポートの検討

・ 来年度の活動計画(詳細)

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2.ATRANS (Asian Transportation Research Society) への寄付

タイ(バンコク)に本拠地を置くATRANSの研究調査、シンポジウム、ジャーナル出版、

等の諸活動を支援するために寄付を行った。

国際交流部会企画委員会

委員長:赤羽 弘和

一ノ瀬友博

加藤 一誠

上條 俊介

久保田 尚

関根 太郎

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(7)創立40周年記念事業実行委員会

1.活動内容

当実行委員会は、IATSS創立40周年に向けて企画調整委員会内に組織された2年間(25-26

年度)限定の特別委員会であり、各専門部会より選出された代表委員と、アドバイザーとし

ての各専門部会委員長で構成されている。40周年記念事業のあり方や具体的なイベント等の

実施計画全般について検討するものである。

各部会の持つ機能を最大限活用し、会員の総力を結集して40周年事業を実施するという方針

に基づき、具体的な個々の事業の企画推進については各部会が担当し、当実行委員会では事

業全体の進捗・方向性の確認と調整を行った。具体的な実施事業と担当部会は以下の通りで

ある。

(1)研究調査部会企画委員会

・40周年メインテーマを検討し、「IATSSモビリティ社会デザイン2024 ~10年後の理

想的な通社会をデザインしよう~」と決定した。

・IATSS活動10年を振り返り、まとめを会員合宿(3月16-17日)で発表した。

(2)シンポジウム部会企画委員会

・会員合宿の開催(平成26年 3月16-17日実施)

・記念シンポジウムの開催を企画(平成26年 9月17日実施予定)

(3)広報出版部会

○学会誌編集委員会                                 

・記念特集号の発行を企画(平成26年8月発行予定)

○英文論文集編集委員会

・記念特集号の発行を企画(平成26年7月発行予定)

○記念出版タスクフォース

・学会誌と英文論文集の両編集委員会合同で編成し、40周年記念出版物として、日英版の

学際的な教科書「交通・安全学」(英文名:Traffic and Safety Sciences -

interdisciplinary wisdom of IATSS)を発行予定(平成27年3月)。本誌は、タスクフォ

ースメンバーを中心とした執筆陣による「理論編」と、近年のIATSSプロジェクトを

紹介した「実践編」で構成。

(4)褒賞助成部会企画委員会

・記念式典の開催を企画(平成26年9月17日実施予定)

・記念表彰の検討

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●実行委員会開催実績

◎第1回企画委員会(H25.4.2)

・創立40周年記念事業実行委員会のミッションの意思統一

・大日程情報共有と今後の進め方

◎第2回企画委員会(H25.5.21)

・実施記念事業及び推進体制の検討と決定

◎第3回企画委員会(H25.7.3)

・各実施事業担当部会の企画内容・進捗報告と検討

◎第4回企画委員会(H25.9.20)

・各実施事業担当部会の企画内容・進捗報告と検討

◎第5回企画委員会(H25.11.26)

・各実施事業担当部会の企画内容・進捗報告と検討

◎第6回企画委員会(H26.1.30)

・各実施事業担当部会の企画内容・進捗報告と検討

IATSS創立40周年記念事業実行委員会

委員長:谷川  武

横山 利夫(研究調査部会企画委員会)

高橋 正也(シンポジウム部会企画委員会)

関根 太郎(広報出版部会学会誌編集委員会)

二村真理子(広報出版部会英文論文集編集委員会)

今井 猛嘉(褒賞助成部会企画委員会)

中村 文彦(IATSSフォーラム部会 IATSSフォーラムプログラム委員会)

北村 友人(IATSSフォーラム部会 IATSSフォーラム実行委員会)

加藤 一誠(国際交流部会企画委員会)

(アドバイザー)

久保田 尚(企画調整委員会委員長)

長谷川孝明(研究調査部会企画委員会委員長)

竹内 健蔵(シンポジウム部会企画委員会委員長)

森本 章倫(広報出版部会学会誌編集委員会委員長)

土井 健司(広報出版部会英文論文集編集委員会委員長)

福田  敦(褒賞助成部会企画委員会委員長)

中村 英樹(IATSSフォーラム部会 IATSSフォーラム実行委員会委員長)

赤羽 弘和(国際交流部会企画委員会委員長)

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刊行物一覧

◎学会誌「IATSS Review」

Vol.38, No.1「特集/長時間運転と疲労」(H25. 5. 31)

Vol.38, No.2「特集/今後のエネルギーと交通」(H25. 9. 30)

Vol.38, No.3「特集/自動車関連税制-最近の動向と今後の展望」(H25. 2. 28)

◎英文論文集「IATSS RESEARCH」

Volume 37, Issue 1, 2013(H25. 7. 31)

特集 「Transportation and Medicine」

Volume 37, Issue 2, 2013(H26. 3. 31)

特集 「Energy Security and Mobility Society」

◎IATSSブックレット

IATSSブックレット No.5(H25. 9. 24)

「睡眠呼吸障害と交通安全」

(奈良県 市民シンポジウム講演録)

IATSSブックレット No.6(H25. 9. 24)

「睡眠呼吸障害と交通安全」

(東京都 市民シンポジウム講演録)

その他

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その他(慶弔)

1.慶事

◎叙勲

・評議員  國枝 英郎 氏  平成25年4月29日 瑞宝中綬章 受勲

・顧 問  井口 雅一 氏  平成25年4月29日 瑞宝重光章 受勲

・顧 問  飽戸  弘 氏  平成25年11月3日 瑞宝中綬章 受勲

2.弔事

◎逝去

・顧 問  山田 卓生 氏  平成25年10月25日   享年76歳

・特別顧問 岡村 總吾 氏  平成25年10月26日   享年95歳

・顧 問  藤井弥太郎 氏  平成25年10月30日   享年79歳

・顧 問  半田眞理子 氏  平成26年2月17日   享年67歳

ここに、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

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株 式 の 保 有 等(平成26年 3 月31日現在)

1.ホンダ開発株式会社

① 名  称 ホンダ開発株式会社

② 事務所の所在地 埼玉県和光市本町5番39号

③ 資本金等 資本金   785 百万円

④ 事業内容 1)不動産の売買、 賃貸業、 斡旋及び管理業

2)損害保険契約代理業

3)旅行業

4)土木、 建設、 設計、 監理業

5)タバコ、 切手などの販売業

6)食堂、 喫茶の経営

7)スーパーマーケットの経営

8)揮発油、 石油製品、 液化石油ガス販売業

9)樹木、 草花、 種苗の栽培、 仕入、 販売及び管理業

10)宿泊、 研修場の経営

⑤ 役員の数及び代表者の氏名

役 員 数 8人

代表者氏名 暮林 正善

⑥ 従業員の数   378 人

⑦ 保有する株式等の数及び全株式等に占める割合

780 万株(持株比率 49.7 %)

⑧ 保有する理由  当学会創設者から寄附されたもの

⑨ 株式の入手日  昭和60年2月25日

⑩ 当該企業との関係 

人事関係 なし

資金関係 なし

取 引 等 なし

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許・認可及び登記事項

1. 林良嗣氏6月14日評議員就任に伴う登記    平成25年6月24日

2. 大山龍寛氏6月14日理事退任に伴う抹消登記  平成25年6月24日

3. 武内和彦氏6月14日代表理事就任に伴う登記  平成25年6月24日

4. 峯川尚氏6月14日代表理事就任に伴う登記   平成25年6月24日

5. 岸井隆幸氏6月14日理事就任に伴う登記    平成25年6月24日

6. 岡田秀樹氏6月14日監事辞任に伴う抹消登記  平成25年6月24日

7. 遠藤邦夫氏6月14日監事就任に伴う登記    平成25年6月24日