データ活用を指向する新サービスへの...

7
FUJITSU. 64, 1, p. 15-21 01, 201315 あらまし ビッグデータの活用や分析は,いまだ一部の企業にとどまっており,多くの企業では データ活用に興味はあるものの,具体的な取組みは進んでいない。データの価値は,実 世界のより多くのモノやコトの状態を捉え,集約し,融合することで更に高まっていく ため,データの収集,蓄積,活用に取り組む企業が増えれば増えるほど,価値が増大す ると考えられる。すなわち,データ活用を推進する企業が増えること自体がビッグデー タのビジネスを大きくすると言える。富士通では,企業のデータ活用の呼び水とすべく, データに新しい解釈を加えることで新しい価値を見出し,そこに新たなサービスを生み 出す「データ二次活用サービス」と,異なる業種のサービスから生まれるデータを,相互 のサービスの強化や新サービスの創生に活用する「異業種マッシュアップサービス」の二 つのデータ活用モデルを実装したサービスを商用化した。 本稿では,この二つのサービスについて事例を交えて紹介するとともに,サービスで 収集したデータの二次活用を促進するデータ交換の場である「データマーケットプレイ ス」について紹介する。 Abstract Only a limited number of enterprises actually utilize and analyze big data and most enterprises have not embarked on specic approaches to doing so, although they are interested in data utilization. The value of data is increased further as the states of more and more things in the real world are captured, aggregated and integrated, and the value of data is estimated to increase as more enterprises work on doing this. That is, the increase in the number of enterprises that start utilizing data can be said to directly lead to an expansion of the big data business. To encourage enterprises to utilize data, Fujitsu has commercialized services that implement two data utilization models: data reutilization serviceand cross-segment mashup service.The former adds new interpretations to data to nd new values so that the data can be used as the basis for new services, and the latter makes use of data obtained from services of different industries to mutually enhance services and create new ones. This paper presents these two services together with their examples and gives a description about data marketplace,a place for data exchange that promotes reutilization of data collected in services. 伊藤 映   田崎裕二   徳永奈緒美 データ活用を指向する新サービスへの 取組み Development of New Data-oriented Services

Upload: dodiep

Post on 14-Jul-2018

231 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: データ活用を指向する新サービスへの 取組みimg.jp.fujitsu.com/downloads/jp/jmag/vol64-1/paper05.pdfFUJITSU. 64, 1( 01, 2013) 17 データ活用を指向する新サービスへの取組み

FUJITSU. 64, 1, p. 15-21 (01, 2013) 15

あ ら ま し

ビッグデータの活用や分析は,いまだ一部の企業にとどまっており,多くの企業では

データ活用に興味はあるものの,具体的な取組みは進んでいない。データの価値は,実

世界のより多くのモノやコトの状態を捉え,集約し,融合することで更に高まっていく

ため,データの収集,蓄積,活用に取り組む企業が増えれば増えるほど,価値が増大す

ると考えられる。すなわち,データ活用を推進する企業が増えること自体がビッグデー

タのビジネスを大きくすると言える。富士通では,企業のデータ活用の呼び水とすべく,

データに新しい解釈を加えることで新しい価値を見出し,そこに新たなサービスを生み

出す「データ二次活用サービス」と,異なる業種のサービスから生まれるデータを,相互

のサービスの強化や新サービスの創生に活用する「異業種マッシュアップサービス」の二

つのデータ活用モデルを実装したサービスを商用化した。

本稿では,この二つのサービスについて事例を交えて紹介するとともに,サービスで

収集したデータの二次活用を促進するデータ交換の場である「データマーケットプレイ

ス」について紹介する。

Abstract

Only a limited number of enterprises actually utilize and analyze big data and most enterprises have not embarked on specific approaches to doing so, although they are interested in data utilization. The value of data is increased further as the states of more and more things in the real world are captured, aggregated and integrated, and the value of data is estimated to increase as more enterprises work on doing this. That is, the increase in the number of enterprises that start utilizing data can be said to directly lead to an expansion of the big data business. To encourage enterprises to utilize data, Fujitsu has commercialized services that implement two data utilization models: “data reutilization service” and “cross-segment mashup service.” The former adds new interpretations to data to find new values so that the data can be used as the basis for new services, and the latter makes use of data obtained from services of different industries to mutually enhance services and create new ones. This paper presents these two services together with their examples and gives a description about “data marketplace,” a place for data exchange that promotes reutilization of data collected in services.

● 伊藤 映   ● 田崎裕二   ● 徳永奈緒美

データ活用を指向する新サービスへの取組み

Development of New Data-oriented Services

Page 2: データ活用を指向する新サービスへの 取組みimg.jp.fujitsu.com/downloads/jp/jmag/vol64-1/paper05.pdfFUJITSU. 64, 1( 01, 2013) 17 データ活用を指向する新サービスへの取組み

FUJITSU. 64, 1 (01, 2013)16

データ活用を指向する新サービスへの取組み

業におけるデータ活用の呼び水となることを目指している。

ビッグデータ周辺で生まれるサービス

富士通は,様々なドメインから多種多様なデータを集めることによって生まれるビッグデータを基点にしたサービスの活用方法を,ビジネスの展開の仕方に着目し,大きく以下の三つのモデルに分類した(図-1)。(1) データ二次活用サービスデータ二次活用サービスは,あるサービスのために特定の目的を持って扱われるデータや,あるサービスで副次的に発生したデータを大量に収集し,それらのデータに新しい解釈を加えることで新しく二次的な価値を見出し,そこに新たなサービスを生み出すサービスのモデルである。(2) 異業種マッシュアップサービス異業種マッシュアップサービスは,全く異なる業種で既に実施されているそれぞれのサービスから生まれるデータを利用して,相互のサービスの強化や,第三の新サービスの創生に活用する,異業種サービスをマッシュアップするようなサービ

ビッグデータ周辺で生まれるサービス

ま え が き

本誌掲載の「ビッグデータ活用による価値創出を支援するデータキュレーションサービス」「データ活用基盤サービス」で,データ分析技術やプラットフォームサービスといった,データ活用の基盤技術について紹介した。しかし,利用者側に目を向けると,ビッグデータの活用や分析はいまだ一部の企業にとどまっているというのが実態であり,多くの企業では,データ活用に興味はあるものの具体的な活用イメージやビジネスモデルを描けないという悩みがある。データの価値は実世界のより多くのモノやコトの状態を捉え,集約し,融合することで更に高まっていくため,データの収集,蓄積,活用に取り組む企業が増えれば増えるほど価値が増大すると考えられる。富士通では,データ活用モデルを想定し,これを実装したアプリケーションサービスの提供を始めている。これにより,データ活用の技術面,ビジネス面の検証を行うとともに,サービスで収集したデータを活用できる環境を整えることで,企

ま え が き

図-1 データを活用するサービスモデル

A

A B ・・・

・・・

・・・

M

L N

L

M

L N M

QP R

QP R

S

「データ二次活用サービス」モデル

「異業種マッシュアップサービス」モデル

「データマーケットプレイス」モデル

ユーザ

アプリケーション

データ

A

ユーザ

アプリケーション

データ

アプリAで蓄積したデータをアプリBに活用

アプリL・Mで蓄積したデータをマッシュアップしてアプリNを創生

アプリNがアプリL・Mを強化アプリが蓄積したデータを活用して新たにアプリを創生

Page 3: データ活用を指向する新サービスへの 取組みimg.jp.fujitsu.com/downloads/jp/jmag/vol64-1/paper05.pdfFUJITSU. 64, 1( 01, 2013) 17 データ活用を指向する新サービスへの取組み

FUJITSU. 64, 1 (01, 2013) 17

データ活用を指向する新サービスへの取組み

販売などで使われている専用機器ではなく,消費者自身がスマートフォンを用いて手軽に肌の状態を定量的に測定できるPaaS型サービスである。既存の専用機器は,照射する光源を制御して肌を撮影し,肌の状態を測定する。一方,スマートフォンで撮影する場合,各家庭の照明の影響によって実際の肌の色とは異なる色になるため,その測定精度に問題があった。そこで,富士通は新規に考案したカラーフレーム(図-3)を用いた自動領域抽出技術と肌色補正技術を組み込み,測定精度の問題を解決した。(1)

これまで,消費者は肌の状態について,自分で

スのモデルである。(3) データマーケットプレイスデータマーケットプレイスは,上記の二つのタイプのサービスの構想を引き出したり,構想したサービスの検討や実際にビジネス化する際に必要なデータの調達を支援したりして,ビッグデータ活用のビジネス全体を活性化するようなデータ交換の場を担うサービスのモデルである。富士通は,これら三つのサービスモデルのうち,

「データ二次活用サービス」と「異業種マッシュアップサービス」については,その事例となるようなサービスを企画開発し,実際に商用化することにより,社内外のプレイヤがこれらのモデルのサービスを生むことを促している。また「データマーケットプレイス」については,富士通自体がデータ交換の場を商用サービスとして展開している。次章以降,これらの詳細について紹介する。

データの二次活用事例:肌メモリ

これまで生活情報のデータは主に,歩数などの運動量を測定したデータや,体重などのバイタル情報を測定したデータであった。「肌メモリ」は美容分野を捉え,これらのデータと結び付く新たな生活情報のデータを測定するサービスである。肌の状態を測定したデータは,日頃の睡眠,ストレス,食事などといった生活の影響を何らかの形で反映している可能性があるものと考えている。肌メモリは,図-2のように既存の化粧品の対面

データの二次活用事例:肌メモリ

図-2 肌メモリ システム概要

図-3 カラーフレーム(左)と測定イメージ(右)

肌画像解析エンジン

肌画像解析結果

富士通クラウド環境

消費者

肌画像

評点

解析結果

スマートフォンアプリ

カラーフレーム

肌メモリ

美容アドバイス

商品リコメンド

そのほか

サービス画面

サービスプロバイダごとに開発

Page 4: データ活用を指向する新サービスへの 取組みimg.jp.fujitsu.com/downloads/jp/jmag/vol64-1/paper05.pdfFUJITSU. 64, 1( 01, 2013) 17 データ活用を指向する新サービスへの取組み

FUJITSU. 64, 1 (01, 2013)18

データ活用を指向する新サービスへの取組み

主観的な評価をするしかなく,定量的な評価を得ようとすると対面販売の場に頼らざるを得なかった。しかし,本サービスを利用すれば,図-3のように消費者は気になる肌の部分にカラーフレームを当て,スマートフォンで撮影することで,シミ・くすみ・毛穴について定量的な測定値と評点結果を得ることができるようになった。これらの肌の状態データを蓄積することにより,個人の肌状態の時系列変化,統計処理によるランキングや,同じ肌の状態や悩みを持つユーザセグメントの切出しなどの情報活用が可能になる。本サービスは,サービスプロバイダに商品プロモーションや消費者とのコミュニケーションツールとして活用していただくことを想定している。肌メモリは,まず肌の状態の測定自体を価値として提供している。したがって,本サービスの利用を想定しているサービスプロバイダは,肌に直接関わる化粧品を開発・製造するメーカや,化粧品を販売する百貨店・小売業やECサイトである。また今後,肌の状態データが蓄積され,その特性が見えてくると新たなデータの提供形態,すなわち,データの二次活用が見えてくる。例えば,図-4のように,肌に悩みを抱えていてスキンケアをしているにも関わらず,肌の状態が変化なく停滞しているようなユーザセグメントに対して,肌に効果的と考えるスポーツジムや健康機器メーカがそこで収集できるバイタル情報と肌の状態データを関連付けたサービスを展開するというような

ことも期待できる。肌メモリは各業種の企業のコアとなるサービスに付加価値を提供する位置付けであるため,異なる業種の企業間の協調も可能になると考えている。生活情報に関わるサービスを提供する企業が肌メモリと連携して,消費者により良いサービスを提供するという,データ二次活用によるビジネスの拡大を期待している。

異業種マッシュアップサービス事例:からだライフぐるなび

宴会・グルメ情報検索サイトを運営する株式会社ぐるなび(以下,ぐるなび)と富士通が提供する「からだライフ」のデータをマッシュアップするソリューションである。ぐるなびは,飲食店をはじめとする食関連事業者に対して,データベースをフルに機能させた有益なサービスを提供し,外食機会を増やし外食産業の活性化を目指している。一方,富士通のからだライフは,一人ひとりの豊かで健やかな生活を支援する健康サービスで携帯電話やスマートフォン,パソコンを使って理想のからだづくりをはじめ,生活習慣の改善見直しをサポートしており,日々多くのユーザに使ってもらうことを期待している。通常,この二つのサービスは独立しているが,両者を関連付けた「からだライフぐるなび」は,健康を気遣うユーザの日々のバイタル情報と健康に関係する食のデータに着目し,相互利用するこ

異業種マッシュアップサービス事例:からだライフぐるなび

図-4 肌の状態データの二次活用イメージ

生活情報

富士通クラウド環境

消費者サービスプロバイダ

肌の状態情報

体組成情報

ストレス情報

運動量情報

睡眠情報

天候・UV天候・UV

花粉花粉

Page 5: データ活用を指向する新サービスへの 取組みimg.jp.fujitsu.com/downloads/jp/jmag/vol64-1/paper05.pdfFUJITSU. 64, 1( 01, 2013) 17 データ活用を指向する新サービスへの取組み

FUJITSU. 64, 1 (01, 2013) 19

データ活用を指向する新サービスへの取組み

ス化について検討している。このように,異なるビジネスの企業が蓄積しているデータをクラウド上で分析し,適用パターンを抽出することによって,新たなビジネスモデルを創造できることが見えてきている。今後,オンプレミスシステムでは容易に実現できないクラウド上でのデータマッシュアップを可能とする仕組みの登場に期待したい。

富士通の提供するデータマーケットプレイス:データプラーザ

「データプラーザ」は富士通が商用サービスとして運営しているデータ交換の場,いわゆるデータ

富士通の提供するデータマーケットプレイス:データプラーザ

とで相互のサービス強化を実現する異業種マッシュアップサービスである(図-5)。からだライフは,ユーザの属性情報と活動量のデータを持っている。これらのデータを人の行動特性データとして統計モデルを作成する。人の行動特性を用いることで,例えば,ユーザの活動量が少ない場合,ぐるなびが普段より少し距離の離れた店舗情報を提供してそれをきっかけにユーザが行動を起こしてくれれば,ユーザの外食機会を増やすとともに活動量を増加させることが可能になる。このアイデアをもとに,2社共同による実証実験を富士通の従業員に対して実施し,利用意向,生活習慣見直し支援効果や店舗への送客効果について検証を行った。図-6のように,従業員が事業所内で携帯電話,スマートフォンで実証実験のサービスサイトにアクセスすると,「からだライフ」で収集していた情報に応じて生活習慣見直しに寄与する「ぐるなびクーポン」が画面に複数表示される。従業員は好みの「ぐるなびクーポン」を選択して店舗で利用する仕組みである。具体的には,事業所から店舗までの歩く距離に応じてお得になるカロリー消費型クーポンや,野菜たっぷりや塩分・油分控え目などのメニューを勧めるカロリー摂取型クーポンを出すようにした。実証実験の結果,からだライフの日々のバイタル情報(歩数や体重など)の分析によって見えた生活パターンを用いてクーポンの出し分けができることが分かったり,からだライフとぐるなびの組合せが飲食店にも好意的に捉えてもらえることも分かったりした。この結果,からだライフ利用とぐるなびクーポンの利用促進の効果の有意性が認められた。現在,このソリューションのビジネ

図-5 からだライフぐるなびのスキーム

図-6 からだライフぐるなびの利用イメージ

からだライフぐるなび

ユーザを増やしたい!継続利用してほしい!

加盟店を増やすための新たな切口がほしい!

Page 6: データ活用を指向する新サービスへの 取組みimg.jp.fujitsu.com/downloads/jp/jmag/vol64-1/paper05.pdfFUJITSU. 64, 1( 01, 2013) 17 データ活用を指向する新サービスへの取組み

FUJITSU. 64, 1 (01, 2013)20

データ活用を指向する新サービスへの取組み

お客様もデータ提供者として参画していただける。提供するデータは,お客様が運営するサービスによって蓄積したデータや,お客様社内の業務の過程において蓄積されたデータである。後者のように,お客様がお持ちのデータも活用できることから,特にデータを活用するようなサービスを実施しなくても,ビッグデータ周辺で利益を上げることができる。このデータプラーザの運営に際して,富士通は主に以下のような三つの役割を果たす。まず,取り扱われるデータについての安心安全を確保することである。提供されたデータが個人情報を含んでいたり,提供者の業務上の秘密が分かるような情報を含んでいたりするようなケースについては,秘匿化を施し,個人情報や業務情報が分からないようにする。また,データ利用者が安心して利用できるように,ウイルス対策を施す。次は,データプラーザで扱われるデータへの付加価値の付与である。富士通のキュレーター(専門家集団)がデータプラーザで取り扱われるデータを融合・加工・抽出し,そこに何らかの知見やノウハウを見出せた場合,その知見やノウハウを「付加価値データ」として提供する(図-8)。最後は,売買されるデータへの価格付けである。提供されるデータに,そのデータに類似するデータの市場価格や,ここで取引きされる量を考慮して適正な価格をつける。データプラーザはそこの参加者が多種多様な

マーケットプレイスである。運営に当たっては,図-7に示すように以下の3種類の仕組みを取り入れている(一部は計画中)。(1) 再販データプロバイダから供給するデータを富士通が仕入れて,それを利用者に再販する。(2) 仲介データ提供者にデータ利用者を仲介する。

(3) 場の提供データの提供者と利用者が自由にデータ売買する場を提供する。狭義のデータマーケットプレイスはこれを指すと考えている。データプラーザで取り扱われるデータは,図-8のように以下の3者によって提供される。(1) データプロバイダデータの販売をビジネスのコアとする事業者である。提供するデータは,地図関連情報や気象関連情報など,データプロバイダ自身が作成したデータや,SNSやブログなど,データプロバイダがインターネットをクロールして収集したデータである。(2) 富士通富士通自身もプレイヤの一つとしてデータの提供を行う。提供するデータは,富士通が自ら運営するサービスによって蓄積したデータである。(3) お客様データを販売することにより,収益を上げたい

図-7 データプラーザが提供する仕組み 図-8 データプラーザで提供するデータ

提供者

データ提供

データ売上 再販データ利用

データ価格

利用者データプラーザ

データ提供

データ売上 仲介

データ利用

データ価格

仲介手数料 仲介手数料

データ提供

データ売上

場の提供

データ利用

データ価格

場の利用料 場の利用料

場の参加料 場の参加料

データプロバイダ

・交通情報(タクシープローブ)

・ソーシャルメディア

・地図

・気象

富士通

・富士通が提供するサービスのデータ

例)・肌の状態情報(肌メモリ)

お客様

付加価値データ

データの融合・加工・抽出により付加価値をつけたデータ

・お客様が提供するサービスのデータ

・お客様社内の業務のデータ

Page 7: データ活用を指向する新サービスへの 取組みimg.jp.fujitsu.com/downloads/jp/jmag/vol64-1/paper05.pdfFUJITSU. 64, 1( 01, 2013) 17 データ活用を指向する新サービスへの取組み

FUJITSU. 64, 1 (01, 2013) 21

データ活用を指向する新サービスへの取組み

よるサービスを三つのモデルで開発・提供を進めており,今後,これらサービスとのデータ連携やサービス連携によって,更なる新ビジネスが生まれることを期待している。しかし,それを富士通だけで推進するには限界があるので,様々な企業や団体との連携によって,データ利活用サービスの市場を活性化し,拡大化していきたいと考えている。

参 考 文 献

(1) 手塚耕一ほか:スマートフォンを用いた肌状態測定技術.FUJITSU,Vol.64,No.1,p.59-65(2013).

田崎裕二(たざき ゆうじ)

コンバージェンスサービス本部戦略企画統括部 所属現在,ビッグデータを活用するコンバージェンスサービス企画に従事。

徳永奈緒美(とくなが なおみ)

コンバージェンスサービス本部戦略企画統括部 所属現在,ビッグデータを活用するコンバージェンスサービスの事業戦略企画に従事。

著 者 紹 介

伊藤 映(いとう はゆる)

コンバージェンスサービス本部戦略企画統括部 所属現在,ビッグデータを活用するコンバージェンスサービス,およびサービス実現技術の企画に従事。

データに触れたり,購入利用できたりする機会を与えることによって,新しいサービスのアイデアを引き出したり,そこで構想されたサービスを商用化しやすくしたりすることに寄与する。加えて,商用化いただいたサービスによって蓄積されたデータを再びデータプラーザに提供していただくことを期待しており,データプラーザ自体の価値を高めつつ,ビッグデータ周辺のビジネスを拡大していくことに貢献しようとしている。

む  す  び

本稿で述べたように,富士通ではデータ活用に

む  す  び