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THE BONE Vol.33 No.3
海外文献紹介
84(340)
日本骨代謝学会との提携コーナー
海外文献紹介
破骨細胞の発生学的起源,機能的維持,遺伝的レスキュー
Jacome-Galarza CE,Percin GI,Muller JT,et al.Developmental origin,functional maintenance and genetic rescue of osteoclasts.Nature. 2019;568:541-5.
破骨細胞
破骨細胞 骨細胞におけるカテプシンK欠損は授乳誘導性の骨量減少とPTHの低下を抑制する
Lotinun S,Ishihara Y,Nagano K,et al.Cathepsin K-deficient osteocytes prevent lactation-in-duced bone loss and parathyroid hormonesuppression.J Clin Invest. 2019;129:3058-71.
破骨細胞
骨細胞性骨溶解
赤血球骨髄系前駆細胞
カテプシンK
造血幹細胞
授乳
成体の血球系細胞は造血幹細胞(HSC)に由来するが,組織常在型マクロファージは,HSCとは異なる胎生期の赤血球骨髄系前駆細胞(EMP)に由来する.しかしながら,破骨細胞の発生起源やその維持機構などについては不明であった.著者らはEMP系列とHSC系列の両方で発現するCsf1r-iCreマウスと,EMP系列では発現しないFlt3-CreおよびVav1-iCreマウスを用い,RANKやCSF1Rを欠損させたりYFPで標識させたりすることで,胎仔〜若齢期にかけてはHSC系列とは独立した,EMP由来の破骨細胞が機能することを明らかにした.また,並体結合モデルなどによって破骨細胞の維持や寿命などに対するHSC由来細胞の寄与を解析した結果,生後の破骨細胞は破骨前駆細胞同士の融合または増殖による破骨細胞の新生よりも,寿命の長い既存の多核破骨細胞とHSC由来の循環血球系細胞とが繰り返し細胞融合することによって維持される可能性が示された.
推薦者コメント本報告の結果から,HSCでなく単球の移植によって大理石骨病を治療できる可能性が示唆された.また,
EMP由来とHSC由来の破骨細胞の機能的差異や病態における寄与など,さらなる解析が必要と考えられる.
(東京医科歯科大学大学院医歯薬学総合研究科分子情報伝達学 助教・林 幹人)
授乳期のマウスでは,乳汁中に十分なカルシウムを供給するため,破骨細胞による骨吸収と骨小腔周囲の骨細胞性骨溶解によって誘導される骨量減少が起こることが知られているが,そのメカニズムは不明な点が残されていた.授乳はカテプシンK(Ctsk)などの破骨細胞性骨吸収の際に必要な遺伝子を骨細胞で発現上昇させるが,骨細胞におけるCtskの欠失が授乳中の骨およびカルシウム代謝に与える影響を調べるため,著者らはDmp1-Cre発現細胞特異的Ctsk欠損マウス(Ctskocy)を作製した.その結果,授乳期に観察される骨小腔面積の上昇だけでなく,破骨細胞数の上昇や海綿骨量および皮質厚の減少,骨の脆弱化が抑制された.さらに,骨細胞におけるCtsk欠損は骨でのPTHrP発現を増加させ,授乳期に誘導される血中PTHの減少を抑制したが,血中1,25(OH)2Dの増加をさらに上昇させた.これらの変化の結果,Ctskocyマウスでも血清中と乳汁中のカルシウム量が正常範囲に維持され,新生仔での正常な骨格発生が維持された.
推薦者コメント本研究は,授乳における骨細胞性骨溶解の役割を明らかにし,骨細胞由来のCtskが授乳に関連した高いカル
シウム需要に応答したPTHやPTHrP,1,25(OH)2D,破骨細胞分化の制御にも寄与することを示した.一方,
ヒトでは授乳時に1,25(OH)2D量が変化しないことが報告されており,ヒトとマウスでのカルシウム調節機構
の違いが示唆された.
(東京医科歯科大学大学院医歯薬学総合研究科分子情報伝達学 助教・林 幹人)
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