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eシ フト 原子力規制委員会および原子力規制庁の設置をめ ぐる 与党法案〈原子力組織制度改革法案)と 野党法案 (原 子力規制委員会設置法案) に関する NGO声 2012年 5月29日 eシ フト (脱 原発・新 しいエ ネルギー 政策を実現する会) 2011年 3月 11日の 福 島第 原発の 深刻 な事故 を受 けてなお、日本 原子力発電をめぐる状 況は混迷 を深 めています。脱原発依存 を明確 に したはず の政府方針 は、 ルギー 政策に つい て議論 を してい る基本問題委員会や原子力大綱策定会議 な どで、事務局や一 部委員 の強引な議 事運営により、脱原発依存 とい う基本方針が吹 き飛 ば され よ うとしています。 一方で、事故か ら 1年 以上が経過 しなが ら、 いまだに原子力安全・ 保安院が存続 これ も消えているはず 原子力安全委員会 とともに、さまざまな案件に判断を行 つています。新 し 原子力規制組織は誕生せず、その基本的なあ りようをめぐ って与野党が激 しく対立 を してい るとい う状況です。 私たちは、 これか らつ くられる原子力規制組織は、原発を廃炉にするプロセスの 管理、廃炉 後の 放射性廃棄物の 管理、核物質管理 な どが重要な役割 となる と考えます。また、今後は運転 しない とい うことであれ ば、原子力防災や避難 の手順、危機 管理な どの 対策は不要 とな り、政 の予算支出も減 らす ことができると考えます。 私たちは原子力規制組織の独立性の観点では 野党案」を支持 します が、まだ ヒ記 観点が 与党案 にも野党案 にも欠落 しています。 民主党 自民党 公明党だけではな く、全会派 審議に参加す る委員会での 議論 を深 め、今 の 日本 に とつて必要 な原子力規制組織が設 立 され ることを求 めています。 以下、そのための 私たちの提案です。 1 復興特別委員会で審議を 法案 審議は、少数会派 のいない 環境委員会ではなく、復興特別委員会に付託 し 審議す だ と思 います。民主、自民、公明の 3党 は、 原子力規制庁」設置関連法案を、多 く の少数会 派が委員を持たない 環境委員会 に付託 しよ うとしています。しか し、今後 原子力規制 のあ り 方 を大 き く決定 づ ける重要法案を一 会派のみで 審議す ることは、民意 切 り捨て に等 しく、 公正 さに欠けています。したがって法案審議は、全会派が審議 に参加できる震災復興特別委員 会で 審議す るよ う求 めます。 2 原子力基本法の目的削除 脱原子力依存 とい う基本方針 を打ち出 した政府 として、原子力基本法 の 目的か ら、 原子力 研究、開発及び '1用 推進」は削除す きである と考 えます。政府が提 出 した 原子力組織

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eシフト

原子力規制委員会および原子力規制庁の設置をめぐる与党法案 〈原子力組織制度改革法案)と野党法案 (原子力規制委員会設置法案)

に関するNGO声明

2012年 5月 29日eシフト (脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)

2011年 3月 11日 の福島第一原発の深刻な事故を受けてなお、日本の原子力発電をめぐる状況は混迷を深めています。脱原発依存を明確にしたはずの政府方針は、エネルギー政策について議論をしている基本問題委員会や原子力大綱策定会議などで、事務局や一部委員の強引な議事運営により、脱原発依存という基本方針が吹き飛ばされようとしています。一方で、事故から 1年以上が経過しながら、いまだに原子力安全・保安院が存続し、これ

も消えているはずの原子力安全委員会とともに、さまざまな案件に判断を行つています。新しい原子力規制組織は誕生せず、その基本的なありようをめぐって与野党が激しく対立をしてい

るという状況です。

私たちは、これからつくられる原子力規制組織は、原発を廃炉にするプロセスの管理、廃炉

後の放射性廃棄物の管理、核物質管理などが重要な役割となると考えます。また、今後は運転

しないということであれば、原子力防災や避難の手順、危機管理などの対策は不要となり、政

府の予算支出も減らすことができると考えます。

私たちは原子力規制組織の独立性の観点では「野党案」を支持しますが、まだ ヒ記の観点が

与党案にも野党案にも欠落しています。

民主党・自民党・公明党だけではなく、全会派が審議に参加する委員会での議論を深め、今

の日本にとつて必要な原子力規制組織が設立されることを求めています。

以下、そのための私たちの提案です。

1 復興特別委員会で審議を

法案の審議は、少数会派のいない環境委員会ではなく、復興特別委員会に付託し審議すべき

だと思います。民主、自民、公明の3党は、「原子力規制庁」設置関連法案を、多くの少数会

派が委員を持たない環境委員会に付託しようとしています。しかし、今後の原子力規制のあり

方を大きく決定づける重要法案を一部の会派のみで審議することは、民意の切り捨てに等しく、

公正さに欠けています。したがって法案審議は、全会派が審議に参加できる震災復興特別委員

会で審議するよう求めます。

2 原子力基本法の目的削除

脱原子力依存という基本方針を打ち出した政府として、原子力基本法の目的から、「原子力

の研究、開発及び

'1用

の推進」は削除すべきであると考えます。政府が提出した「原子力組織

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eシ フト

制度改革法案Jの原子力基本法の改正案には、第一条 (目 的)に 「原子力の研究、開発及び利用の推進する」ことが明示されたままです。野党案では目的が「原子力の利用の推進Jと 言換えられただけです。どちらも、原子力利用を依然として国の方針として掲げています。政府が

真剣に脱原発依存に向けての政策を進めるのであれば、原子力基本法 から「原子力の研究、開発及び利用の推進」という項目を削除する必要があります。

3 原子力規制委員会 (野党案)は「原子カムラ」からの独立を

5人の原子力規制委員会委員をはじめ、規制委員会のもとに設置される専門審査会等の委員には、原子力利害関係者および利益相反に当たる者はなれないという禁止規定を設ける必要が

あります。

原子力規制機関の委員などの要員には、原子力を推進してきた立場の利害関係者 (関連企業や推進する立場での専門委員など)および利益相反の専門家 (金銭授受が明らかなもの)はなる事ができないというルールが確立されなければ、原子力施設の安全は確保されず、国民からの信頼も得られません。

4 重要なパックフィット制度を取り入れること

政府案では、最新の知見を既存施設にも反映し最新基準への適合を義務付ける制度であるバ

ックフィット制度の導入が安全確保のための規制改革の重要点とされています。私たちも、その視点が重要であることに同意します。しかし政府案法文にそれがきちんと位置づけられてい

るのか、バックフィットの文字はなく、その精神も読み取ることができませんでした。新しい

原子力規制組織は、バックフィットの定義、ルール、評価方法などを明確に示すべきであると

思います。法案審議の中で、最も重要なポイントはここにあると考えます。

5 新しい技術基準策定のプロセスをしめすこと

福島原発事故が引き起こされた背景には、これまで前提とされてきた技術基準が甘すぎたこ

と、安全性を担保できるものでなかったことがあります。多くの原発立地自治体の首長や議会

でも、そのことが指摘をされ、今回の地震や津波の経験を踏まえた技術基準の再検討、耐震設

計審査指針など、安全審査の指針類の見直しが不可欠として求められています。新原子力規制

組織は、その再検F・lや見直しのプロセスを明確にすべきです。

6 再稼働禁止命令・運転停止命令を含む強い権限を

与党案では、要綱や準備室説明では「運転停止命令も規制強化の重要点」と書かれていまし

たが、条文中では読み取れません。新原子力規制組織は、みずから調査し、判断する能力と同

時に、経営や国家政策とは別の、安全性の立場から再稼働禁止命令・運転停止命令権限がなけ

ればなりません。

フ 廃炉のルールと明確な基準を

原子炉稼働後 40年の廃炉が政府案には書かれています。ただし、20年延長の特例措置があ

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eン フト

リ、その判断基準も不明確で政府案は廃炉ルールを有名無実化する恐れがあります。原子炉は

耐用年数 30年として設計されてきており、原子炉内の試験片は 40年廃炉にすら対応してい

ません。私たちとしては、なし崩し的な40年廃炉ルールも認めることはできません。40年廃

炉とするならば、その根拠を明確に示すべきだと思います。根拠が示されないのであれば、設

計通り30年で廃炉とすべきです。

8 事業者をチエックする能力ある人材確保とチェックできる仕組みを

事業者責任を明確にするには、電力会社や、実際に作業をしている東芝や日立、三菱等の製

造メーカー、その下請事業者等に対し、より直接的、専門的にチェックし、検査指導し、その

上で安全を担保する仕組みをつくらなければなりません。現在のように検査を原子力安全基盤

機構 (」NES)等の外部機関に委託するのではなく、原子力規制IIl織内に技術者を養成し、手

抜きや不正を見抜く力量を持つことが不可欠だと思います。そのためには、原子力発電に対し

批判的な立場で活動している技術者を積極任用することが、非常に有効な手立てです。

9 原子力規制組織職員の不正・隠ぺいに対する法的罰則規定を

「事業者責任の強化Jと いう言葉で、事業者に責任が転嫁され、原子力規制組織の責任が軽

減されることがあつてはなりません。今回の福島原発事故でも第一義的責任は事業者とされ、

原子力安全・保安院や原子力安全委員会等の政府機関の責任はきわめて曖味にされています。

規制rfl織職員の不正・隠蔽さらに不作為や、重大なミスなどについてきちんと責任を取らせる

仕組みをつくることが必要です。

10 情報公開の徹底と、住民参加プロセスを

今回の福島原発事故は、過酷事故が引き起こす深刻な放射能汚染の被害は原発から60キロ

圏の人々にもおよび、それを超える広範囲な人々にも放射能汚染の影響を及ぼしました。とこ

ろが、政府案には「公聴会Jと いう言葉も「市民の意見を聞く」という言葉もありません。住

民への情報公開の徹底や、住民参加プロセスが完全に抜け落ちており、それは野党案も同じで

す。施設周辺住民の意見のみでなく、今回の飯舘村や福島市の一部のように60キ ロ圏を超えて

も深刻な汚染を受ける可能性がある自治体や住民、さらに食品汚染などの放射能汚染の影響を

受ける、広範な地域の自治体や住民意見も反映することが必要であり、私たちは以下のシステ

ムを提案します。

a)原子力施設に関する重要な決定が行なわれる場合や、重大なトラブル等の発生時には、関

係自治体や関係住民を対象に、説明会、公聴会、公開討論会などの開催を制度化する。

b)上記の説明会等で質問されたことには、一方的に聞き置くのでなく、必ず回答するという

ルールが必要である。C)常に原子力施設の状況に関心を持ち、緊急時の備えを十分に整えるためにも、関係自治体

や関係住民による「常設協議会Jを設立する。

d)関係自治体やl13係住民の範囲は、その原子力施設の影響を受ける可能性があるより広範な

範囲としなければならない。

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e″ト

11 日会福島原発事故爾壺委員会の提言と報告書を待つこと

福島原発事故によつて、原発の安全規制が、従来の原子力安全・保安院や安全委員会によつ

ては、全くできていなかつたことが明らかになりました。このためあらたな規制機関の必要が

提起されました。それには福島原発事故やそれに対する対応などの検証がもつとも必要なはず

です。国会福島事故調査委員会は20回近い委員会を開き、事故処理にあたつた当事者はもち

ろん海外の原子力規制についてなど各方面の参考人を招致して意見を開いています。そして6

月以降に報告書を出すことになっていま九 新たな規制庁法案はこうした委員会の貴重な調査

の結果をふまえた提案を待つてこそ、充実したものになると考えます。事故調査委員会の黒川

委員長も委員会の目的のひとつに『未来に向けた提言』をあげています。

以上、与野党の審議の中で十分に議論つくしていただき、あるべき新しい原子力規制組織の

形を明確にしていただくようお願いいたします。

oシ フ ト (脱■■・晰しいエネルギー摯■をA●する会)

本件の問い合わせ先 :

eンフト事務局 http:77Q・ shlt org

国際環境 NGO FoE」 apan内〒1711X114 東京都豊島区池袋 3‐ 30・ 22‐203

Tel:03・ 6907‐ 7217 Fax:036907・ 7219

eシフ ト (脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)には、以下の団体が参加しています

国際環境 NGO FoE Japal1/環 境エネルギー政策研究所 (lSEP)/原子力資料情報室(CNIC)/福島老

朽原発を考える会 (フ クロウ)/大地を守 る会/NPO法 人日本針路研究所/日 本環境法律家連盟

(」ELF)/「環境・持続社会」研究センター (JACSES)/イ ンドネシア民主化支援ネットワーク/環境市民/特定非常利活動法人 AP鳳/原発廃炉で未来をひらこう会/気候ネットワーク/高木仁三

郎市民科学基金/原水爆禁止日本国民会議 (原水禁)/水源開発問題全国連絡会 (水源連)/グ リー

ン・ アクション/み どりの未来/自 然エネルギー推進市民フォーラム/市民科学研究室/国際環境

NGOグ リーンピース・ジャパン/ノ ーニュークス・アジアフォーラム・ジャバン/フ リーター全般労

働組合/ピープルズプラン研究所/ふぇみん婦人民主クラブ/No Nukos Arore Hearぉ /A SEEDJAPAN/ナマケモノ倶楽部/ピースポー ト/WWFジ ャバン (公益財団法人 世界自然保護基金ジャ

パン)/GAIAみみをすます書店/東京・生活者ネットワーク/エコロ・ジャパン・インターナショ

ナル/メ コン・ウォッチ/R水素ネットワーク/東京平和映画祭/環境文明 21/地球環境と大気汚染

を考える全国市民会議 (こSA1/ワ ーカーズコープ エコテック/日 本ソーラーエネルギー教育協会

/THEパTOMC αぜ1/持続可能な地域交通を考える会 lSLTc1/環境まちづくりNPOエ コメッセ

/福島原発事故緊急会議/川崎フューチャー・ネットワーク/地球の子ども新聞/東アジア環境情報

発伝所/Shut拍 /足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ/足元から地球温暖化を考える

市民ネットたてばやし

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新たな原子力規制のあり方

(聾ウ性なし ,身分像障なし〉

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3条委員会としての原子力規制委員会と原子力規制庁について(案 )

7

原子力規制委員会は、lAEA安全基準に則り、規則制定権、許認可権、検査権、報告徴収権、罰lll賦課権、働告権、予算権、人

事権を独立して有し、原子力規制庁を常時指揮命令し、規制業務を行なうも

原子力規制庁は委員会の命により規制に関する実務を担い、委員会に対して逐次報告及び情報共有を行なう。 |

(3条委員会 )

(環境省に置く。

ただし人事等は

環境省から独立 )

人事・予算の管理

●長官は環境大臣が

任命●予算は環境省にて

要求●原子力災害対策

特別措置法において

総理の指示権あり

【任務】●規制の実効性チエック

●事故の原因究明

調査●規制の独立性確保の観点等から環境

大臣、原子力規制庁に勧告

●緊急時に科学的

見地から原子力規制庁に助言・勧告

[独立性の確保]

●人事 :長官以下全人事を原子

力規制委員会が行なう。

●予算 :予算総則等で枠取り。将

来的に電源開発促進税以外の

独自財源を検討 (設置法附則)

●緊急時においても、原子炉の

安全確保に関し独立性を堅持。

I―元イヒの徹底]

●保障措置、放射性同位元素、

平時の放射線モニタリング等も一元的に行なう。

1見直し規定]

●内閣府への移管も含め、所管

府省の是非等、組織の在り方を3年以内に見直す。

【委員会の任務】

●原子力規制の方針・規則等の制定●原子力施設の許認可

●政府等に対する勧告●規制庁の人事・予算●規制庁を常時指揮命令

【規制庁の任務】●許認可に関する実務●検査に関する実務

●委員会に対する逐次報告・

情報共有※」NESを規制庁に統合する

≪政府案≫

(8条委員会 )

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原子力発電所について独立性の高 い規制組織の設置 と

新たな安全基準を既存原発に適用することを求める会長声明

2012年 (平成24年)6月 1日

日本弁護士連合会

会長 山岸 憲司

原子力規制庁の発足などを内容とするいわゆる原子力規制改革 2法案の国会審議が本年

5月 29日 から開始された。これに先立つ 5月 17日 に、経済産業省原子力安全・保安院

(以下「保安院」という。)が 2006年 4月 、原子力安全委員会 (以下「安全委Jと いう。)

に対し、旧耐震設計審査指針 (以下「旧指針」という。)に基づき建設された原子力発電所

について、安全性にFp5題がないと表明するよう要求していたことが判明している。

最新の地震学の知見などを盛り込んだ新指針が定められたのは2006年 9月 のことで

ある。金沢地方裁判所 (井戸謙一裁判長)は、2006年 3月 24日 に、志賀原子力発電

所 2号炉の運転差し止めを認める判決を下した。判決は、旧指針の下で、北陸電力が基準

地震動を定めるに当たつて考慮した地震の選定や原発耐震設計上の方法は予測を大幅に超

える地震動を生じさせた地震が現に発生したのであるから、現時点においてはその妥当性

を首肯し難いとし、旧指針による安全審査に合格しているからといって、耐震設計に妥当

性に欠けるところがないとは即断できないとして、原告の勝訴としている。

保安院名義の文書は「『発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針』改訂に向けて注意

すべき点」と題するもので、上記判決による影響が全国の原発に広がることが問題とされ

ていた時期に当たる2006年 4月 に安全委に提出されたものである。文書は旧指針がい

わゆる原子炉等規制法の.f可の審査基準として不合理になつたことを意味するものではな

いことを明示する必要があると安全委に要求するものである。このような表明がないと「現

在の知見に照らせば、4号要件 (設置許可の要件のこと)を満たしていないものであると

の批判が立地自治体やマスコミ等においても厳しくなり、これへの確たる反論ができない

既設原子炉は、事実上運転停止を余儀なくされる」、原発訴訟では「特段の立証活動なしに

は到底敗訴を免れない」としている。また、安全委の有識者は「たびたび証人として出廷

を強いられる事態」も発生し得るなどと、安全委の委員を威迫するような内容となってい

る。

安全委は同年 9月 19日 に「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針J(以下「新指

針」という。)を決定し、併せて「『耐震設計審査指針』の改訂を機に実施を要望する既設

の発電用原子炉施設等に関する耐震安全性の確認について」と題する委員会決定を行つた。

この決定は、「今般改訂等がなされた (中略)安全審査指針類については、今後の安全審査

等に用いることを第一義的な目的としており、指針類の改訂等がなされたからといつて、

既設の原子力施設の耐震設計方針に関する安全審査のやり直しを必要とするものでもなけ

れば、個別の原子炉施設の設置許可又は各種の事業許可等を無効とするものでもない。Jと

の見解を示した。安全委は、結果として上記の保安院からの意見に従つたものと評価でき

る。

この一連の経過は、新たに設立されようとしている原子力規制機関の在 り方と福島原発

事故を受け停止中の原発の再稼働について考える上で重要な示唆を与えている。

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今回会には、政府から環境省に原子力規制庁を置く法案が提案され、自民党からはいわゆる3条委員会による規制委員会を設置し、委員の身分を保障し、職権の独立性を強化することを骨子とする対案が提出され、与野党の協議が継続されている。

当連合会は、政府案が運転開始から40年で原則廃炉とすることを示したことは一定の

評価をし、また、福島原発事故のような過酷事故対策はこれまで事業者の自主的取組に委ねられ、法的な規制がされていなかつたところ、これを法的に義務付け、最新の安全技術や知識を反映させるよう事業者に義務付ける (バ ックフィット制度)こ ととし、これを満たせない場合には運転停止命令が出せるようにしたことも、当然の措置と評価している(本

年 1月 13日 付け会長声明)。 また、原子力発電の運転期間は設計時の想定された30年を

限度とし、例外を認めるべきではないこと、原子力規制庁は権限、予算、人事においてその独立性を法的に担保するなど、真に実効性ある安全規制機関として創設すべきであるこ

とを求めた (本午 3月 15日 付け原子力組織制度改革法案に関する意見書)。

今回明らかになった事態は、第 1に、保安院と安全委の対応は、新指金卜の意義の自己否定であり、到底独立した規制行政としてはあり得ないものであつて、新たに設置される原子力規制のための組織は経済産業省から完全に独立し、これと明確に分離されたものとす

る必要があり、その実現なくして原発の再稼働の適否の判断など到底不可能であることを

明らかにしたものといえる。

第 2に、前述したバックフィット制度の重要性を明らかにしたものといえる。我が国も

批准している原子力安全条約でも、第 14条 1項において原子力施設については、供用期

間中、安全に関する包括的かつ体系的な評価が実施され、重要かつ新たな安全に関する情

報に照らして更新され、規制機関の権限の下で検討を受けると定めている。バックフィッ

ト制度はこのような条約の要求にも合致し、保安院の不当な圧力によつて法的な位置付け

を不明確にされていた新指金十類が既存原発の運転許可墓準の一部をなすものであることを

明確化するものである。新指illこ基づくバックチェック制度が、旧指針による設置許可を

無効としないという非徹底さを残していたことが、新指金‖こよる原発の耐震安全性の再審

査を緊張感の欠けた不十分なものとし、福島原発事故の一つの要因を作ったといえる。こ

のことを深刻に反省し、不十分なバックチェックの轍を三度と踏まないためにも、与野党

の協議の過程で、政府案に盛り込まれていた「バックフィット制度」と「過酷事故対策の

法規制化J及び「原発寿命制限Jの規定を確実に残すことを強く求める。

第 3に、与野党間で、原発事故の際の指揮の最終的な責任が、規制機関と内閣総理大臣

等の政治責任を負う者のどちらに帰属すべきかが鋭く争われている。平常時は規制機関の

独立性を尊重すべきであるが、今回の事故対策において、東京電力社長から官邸に現地か

らの撤退が打診された際、規制機関の トップがこれを止めるために適切な措置を講じた形

跡は見られず、内閣総理大臣・経済産業大臣・官房長官の判断によつてlal退 させない方針

が確保されたものと見受けられる。我が国において、国民の生命・安全を託せる公正な原

子力技術者を得ることができるのかという観点も併せ考えれば、緊急時には内閣総理大臣

の指示監督の権限を残し、規制機関との連携の手続を法律であらかじめ定めておく仕組み

が最も現実的なものと考える。

以上のとおり、当連合会は、国会における与野党の協議により、経済産業行政から真に

独立した規制機関を速やかに設立し、新たな審査基準を既設原子炉にも適用することを確

保するバックフィット制度や緊急時の内閣総理大臣による指示監督権などを法案に規定す

ることを求めるものである。

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Mtt16腑 内学者会

籐子力摯憫改ユ′ヽ クフィット颯の0入の摯●

浜岡原発訴訟弁護団

潟巌雄―

目次

ol」 L壼曖 輌 也

るべ■

o2F発 訴いの法llな根拠と判断基準

o3伊力鮨発最高裁判決におけ翻 断墓4と饉書勝嬌判決

o4浜岡原発訴総 「

告が提起した安全性ヘ

の議間

o5旧指針を香たしなかった保安院―安全委の

招いたI輌地裁■決の諄リ

o6『発籠訟の歴史から見えてくるあるべき,子力規1111度

長|く選雄生活が絶望を生んているo2012年 5月 28日 ●Ⅲで薔蔵区嬌に

"だされて

いる■江町の倉暉で 男性の遺体を,|●団員が

彙見した.2'日 に

'われた■工町民の一時帰宅

で,方不明になつていた自営業の,性 (″ )と凛

置された

o選燿発での生活はもとの生活とは全く違う 地雄

住砂 有機的ネットワークから

"立つ生活の全

体力嗜 裏されたのである

o居住と労働の場がなくなり 建饉えて多くの災書

義者がなくなつている 職にlt域での■書関連死の多発こそが その災書の過酷さを示している

民す菫止請求訴松

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o口人の生命 身体という重大な保崚注益縫法に量書あ 又は■書されるおそれのある者は その■害を耕飩 又は晨害を予あ■るため人権41に基づく垂上綺*相を有する

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1995年ナトリウム火災事故2003年勝訴判決

審査の大落を認めたもんじゆ高れ判決(名古屋高議会沢支椰031 27,

o「 炉0崩

R43松におけるあるべき綱断墓

o発生籠率ポー万年からlo万年に1日理度のI● E浄菫、火山爆発なども考

~て ,

全菫計の範囲を超える0■が発生する可帥 あリ

o方ポーにも周辺に漱"能

を放出するような■大な菫発事崚を起こす可斃性ポ香定でントい時:t[よ、

o「,炉の設置 凛●●差叫 あを鰍めるべ

きである.

3伊方原発最高裁判決にお嘔 判断基準と臓告勝訴判決

籠子力r●訟の奮権をなす伊方薇,最高晟 t4決 (921029)

o最も初期に握起された原子力断松.

o"議は原告跛

o行政の=■

を認め 安全書■の範囲を基本設計に限定した点に間層がある

oしかし ,発の潜在的危険性を正しく理解し

原子力行政

『松の書理のあり方についての枠

組みを示したものとFl価できる

安全審査の日||

o『属子炉お設の

'全性がヽ保されないと

きは 当腋「

子炉饉籠の従業員やその周辺住民等の生命 身体に重大な危害漱まし 周辺の

境を放射能によつて汚葉するなど 深刻な文書を,き筵こすおそれがあることに●INんがみ

饉‐ ■

し士ろ工Ц4の■のであヒ

厳IEな違・AL黎断基準

「ヨ露

Σ」置趙國國趾ョ睦L右“=書織において用いらl.た

墓任

があり あるιヽま当藪

"子

炉施設が右の具体的書奎秦準に適含するとした原子力姜員会れ 〈よ原子炉安全●口審二会の■二嘔饉■■Ш堕ら倒咀=暑

掃[

薇侵極蛾 動担Liには撼してされたと認められる壻合には J… 畳大きである

事実上被告に転織されている立肛責任

餞各行取岸がした「調朧 ●不合理t点力%ることの主

蜃 立饉贅餞は ネ来 原告力■ うκをものと摩あ る

行劇守力佑 主張 立睦 尽(と 1ヽ場合には 数告,政庁力|した右判断に不合理な点協 ことが事実上ll認されるものと うヽべきであるJ

安全審査の欠落

o勁然がイギリスの市蒸

態 において「出退ラツチヤJといぅ現彙が発生した藤気

"生器

伝餞管破■事故についてのII颯を卿 つぶし 原子力安全■員会へもll告していなかつた

o「炉むll壌事故Jこ山し 勁燃は 発生するエネルギーの数値が高い解析僣果は配●せずその数値が低く、原子Fの

'奎性力筵持き

れることが明らかな解fr鮨界のみを田載した申疇■をll城していた

Page 11: IWJCreated Date: 6/6/2012 2:33:29 PM

=●の●集露建 at華じ手を犯した

もんじゅ最高●

"沐(05● Oo)

r薔岳どを=蠍

ついζ菫嵐籠"“

oF菫嵐幸會からも織しい撻詞ltあった

oもんじゅは今も 静内中颯姜量の層下●数のために運転を再晰できていない.

志賀原発訴松―薔●餃計審査糧針をめぐつて一

tヨ ●'1‖ 'イ

富理性`」

0■ ,■ 2■炉3R電=ヽ

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晰■●で―■の晰●が ,'● =`"● ′,6ほ度の地■お

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いと¢,もの■■に全面■ t2"腋 3の晰層の曖口 ,

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"澳(200043月 18日 ,

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o口腱嗜…

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4浜関原発訴訟原告が提起した安全性への鷹間

顧,II口摯●判決〈071026)

学議争が建こり

ていた

羽饉全●壼0

新檜針14●く国の判断がれ のヽに安全性を,定した

非常用電源は捏慟せ るか

浜口凛奎

"田地摯翡決の間観点

o■■●●定とアスペリテイの日■o,薔の摯さo■おの稟海地置を超えるM9クラスのlli海層菫年の可籠性

oな口時の共通原因餞ll鮨生の可籠●o■2■ttの 薔否

撃―散障指針と地震

o●甕薔彗が同的に二つ以上作勁曖 いという0中は通常は,えにくtヽ

oしかし 大綱■■趙altには想定洒 えるII● ||が層発を●う●l能性がある

o地晨を未通籟腱 する同時多発的な欧饉のた崚仁は滉彙的なものである.

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4

■越沖地震の教訓を活かせなかつた

東京電力

o今回の■業は中落"l●

震の朦の柏彎原カの被災を■く受け止めて 対策を

'す

ること力ヽ せていれば 未然にヽ 上できた可能性がある

o冷温饉上に時間がか力ヽつた この現象は■島策1●発で起きた悲劇の序章であつた

51日指針を否定しなかつた保安院=安全委の招いた静同地裁判決の誤リ

A判 決の娯り1

oほ発菫下に強い地震Ⅲを発するアスペリティの想定を求めなかつた

な'■

ヽ.ヽ

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■鷺饉1賠・ .|●

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` 、|ヽ ヽ

"“■ヽ● 本ヽ●ヽ t',',■ |●

非常用ディーゼル発電機〈4号炉)

非常用ディーゼル発電機の同時故障と津波による冠水の危険性

響 ■ まιlや齢懸 fl寧 1■ ■ :詳常撃「 ↑震傲 ``●バ●,ア ,ワ

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Page 13: IWJCreated Date: 6/6/2012 2:33:29 PM

アスペリティはF覺菫下に置いたtT′嗜

本モデルとすべきである

アスベリティの世■は 地震が発生し群錮な観測配螢が何られた場合に それを傷rrしてょぅゃくll定されるものである

想た東海地震では ,渕配録が乏しくアスペリィを特定することま●・Iない であれば アスベリティを前 発直下に意いたケースについてェ凛かきの■■ではなく基本モデルに入れるべきである

5

B判決0課り2

o墨源の深きについて 14キロとする説jut現

在の通&となつているのに,20キ ロとした

C“来の誤り3

o超東海地震など燿定櫻 える地雲発生の

可■にをII'的な可能陸 してしりでけた

原発でのEE課借は14kmを基本に

l贔澪謳 婚隆騨『禦は、睦河トラフにつながらず不自然.

朦告 ま石薔 世より 源告は浅いモデルを

採用すべきであると=畷

.

中椰■力は

■集検81モデルに採用

g省雛蜜臨馳逢れ を掟示するに至つた

応力饉下量を下げるのは誤リ

中郷菫力 1■知見検¨ =おいて 浜目原翻 i近の農

る一方で アスペリア の寃力峰

下量

`下

げて 浜贄環薇 ●お ,る獅 董口たている

これは 安取東海地日の掲れが 浜綱原発付近で発生する■大,の

“…

という決め付け(歯配凰壼堕晨出a麟〕4づくtのだが 螢政中を増魔は F■lが贅る欽鋼の巨史t晨の中で最大と うヽだけであり 何百回と崚くこの地嫁のう― ト

境界地aの中・

決め付

'る

逆 |"“ tヽ

底力障T量は 鬱

20~00MP,と 0いたOt口用するのが適当である

原力での■

民計 14kmを基本モデルに

o 選顧新層面が滉岡原発付近では 中央防雙会餞モデルよりも浚いことを示す知見ポ次 と々明・・ かになつている 曇瀬rr層面までの揆きを14kい とし これを不薇かさの

考慮ではなく=基

ニエルとして は力饉下量を下げない前提て地晨勁を壽定すえ

きである

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■部電力の想定は事実によつて否定された

控諄人中

'■力は これまでの地籠学の研究で

は 澪岡原発童下で発生するとされる東海地震として想定しなければならない想定東海地晨として 的 100年に―度

'生する大地震 安取

東海地盤を上限とする地籠であるとしてきに 〈この中断そのものを鷺指針樹定後に明確に確認したF子力安全保安院の見解 |まない)

oこ のような見解が誤 りであつたことま 前記の中央膀災会議の「中間とりまとめ,(2011′6)

と検討会の中間とりまとめ (2011/12)と 第一次報告(201273)で鴨確となつた

南海トラフ0目大地震モデル検討会第一次報告

ll告書の結綺

o輸 綺市での率波高 ま2,m浜田市面の海岸で澤波高 ま2o"超

o地口動も御詢崎市で腱庄 7

故捜群 人の想定を超スでしまつている

検討会第一次報告の意味

迪靡人らは 凛書において 過去のは史地置でま起こりうる最大地震は分からy..、 安政東海地aを最大だとすることま鑽つている(安 政東海絶対世批I)と主張した

2これit対して 鷹半!袂 は「凛かに 我々が知りllる[虫上の事,は限られており 贅政東海tR又は

=永東海地晨の医羹上の裔海トラフ沿いのプレート■界型地要の中で■六の地震でない可に性を全く香定することまではできない しかし このような織a的な可能性の厳を出ない巨大地震を螢の鷹策上むやみに考慮することは避けなければあ ない」として 控訴人らの主張を絆斥した

〕東1し地方大平洋

"増農(澤波)が発生し 歴史上

あるいは津波華積枷で分かる最大準腋薇 える事■が発生した 東北地方太平洋沖ではあるが 原判決の言うi拍a的危険Jが実腋に具体的に発生した4南海トラフのE大地震モデル検討会は これを受

けて 過去の地震や澪政にとらわれない 最大クラス

のlt菫 濠波を想定しようとし これが検討会第一大

載鯰 して 公表されたこれは 理訴人らが原書において主張した安政束

え地震1ことらわれた想定では不足するという主張ポ

認められたことを意味する

5この報告では

前嬌市での津波石は21mときれ 浜岡ユ躙ρttAr注重高は20・

・を超えているまたヽ 最勁も御前崎市で晨壼7●達している その結果 枚控嬌人の佐来の想定は 根底から崚された6この議各自身 幸誡|わいては0%地農勁についてま10%の ||■で きらに摯定結果を超えるものが発生するとされている また 躍発については 別途 0,1の

菱 餃けて想定すべきとされていて より厳しい想定をするよう嗅討会は求めている.

静憫県防災 原子力学籠会腱田子力分科会でも

同月23日 大竹政和 彙lt大学名誉教授は「21“を

金科玉条としないてほしい]と強昴した

ベクトルで3000洵レ

スベリシ を浜目凛発壼■●■(展諏囁層面までの選さを11k■ にする 核分かれ麟■と,■■を考慮する これらを甚本モデ″●欄み込んだ上で不薇かを建寺燿t y ll合 昌尋t晨動は 応絆 クトルリうち 厳発の口有目期が

"沖

する01~03稼 0おいて おおよモ3000カレ糧魔に:き上げられる

o l● .~ 10・という年麹■■率0椰`nら

しても 01~ 08なにI てヽ おおよそ0000ガ,曙貶 ●ζ

継獄懃籠轟甦爛 霜島滉螢

弓,別泄染2場書電場があるそれはコ

→浜岡暉棄の安全性は 到底燎保でき

8よ つて 本件原発 ま 直ちに廃炉にされな ,れ1傘らなtヽ

D刹 沐の譲り4地震時に共通原因故障メ建きることを香定

服 餓 摯 樹…

恥・

Iしていltほ畳 teな鍮■が同申 ●l■敗故障すること

'およそ考えら

"れヽ

安全籠 の過秘 ,おιて まで聰晨踊生t共燿願国とした数

暉o仮定をする必要 Iい られない

o内部

`拿としての奥奮

`態日 てヽ単一故障の傾焼 すれ

に十分てある

o 原告らが主張するようなシュラウドの分離′崚敗の

領燎配

督餞断の同時彙主 債歎のユ鶴気薔の目時は晰

…着用―

ル●●●の2雀鵬慶盤口去鷺等の崚敷口綺欲llを ,tする鑑 1誌

`ヽ

Page 15: IWJCreated Date: 6/6/2012 2:33:29 PM

に判決の娯り5旧指針による安全審査を追認

。2001年 前耐晨緻‖書蓋拍針の策定開始o2006年 3月 志賃二i炉豚各膀絆判決o旧僣tlを書奎書準として不合理であるとしたものo2006年 4月 保安院原子力安全姜員会に対し

口槍IIに基づく安全姜■を受チた原発の酢可の有効性を■認するようJ着示

o2006年9月 原子力安全委員会 指針策た桐時に保安院指示に書づく0指針に基づく許可の構

"性を認める見解公表

保安院指示文書の贅くべき内容o旧曽針オ

ー串として不合理になoた ことを意

象するものではないことを明示する必晏があると原子力安全姜員会

`要求

0こ のような表明がないと '現在のm見に熙らせば 4号晏件を爛たしていないものであるとの批判が立地自浩棒やマス●ミ博においても餞しくな, これへの腱たる反腱ができない既段原子炉は■売上■転ヽ工を余織なくされるJ

o輌発訴性では'll段

の立配舌動なしには11な敗,を免れないJと している

o鳳子力安全姜員会のな議書■'た

びたびE人 として出踵を強いられるB●」も発生しうるなどと目子力安全奎員会の漁員すら餃ゑしている

保安院指示に属した原子力安全委員会

'新指針のな菫を自己香定したもの

原子力安全晏員会はこのような指示に日した

|,決の「現在0■学技術水■Jをキ1囁基早とす

きとの考えからすれば このような指示は讀つてお

o「躍設の原子力艤腱の耐曇設II方針に関する安全書査のやり直しを必晏とするものでもなければ 個,1の

子炉崚 の設置辟可又は各檜の事業辞可等を無

効とするものでもない J

o′ カヽ テ|・ックは 「あくまでも法令に基づ

"制,お

の外側で 原子炉設置者■の原子力事業者が自主

的に実施すべき活趾●して位置づ|サ られるべきである

原子力安全委員会の見解を,き写した静同地裁判決

l曇鵬 籍蔦:3讐ξ菫灘馘ヒする之 がでξな,つた

原子炉施設の安全上不壷切い0わ チではなιヽからた安

ところが 2007年 10月 23日に

保安院―原子力安全委員会―静国地裁のドミ′倒しが招いた福島の悲劇

o判決ま 原子力安全委員会見■の31き写しである。まさに、′ゆクチェックによる安全判断という「特餞の立

活動なしには到底敗訴を発れないJとされたにもかかわらず 菫判所はこのような僻段の立証活動なしに中椰電力を膀たせた.

o贖同地方機判所は,安院の籠訟対策のための指示に従つて出された 原子力安全笙員会決定を無批判に輸番みにしたのである.

過ちを線り返してはならない

o新指針になづくバックチ ンクllまとこれに関する前途した0子力安全螢員会見解が 旧指針による級量睛可を無効としないという井薇慮傘 残してt`たことが 新ll針による既設

発のII露安全性に対する再響査を策II感のない不十分なものとした

o最新のIII学知見を原発の安全饉判断に反映させるという当た,前のことができなかつた

oこの誤りを繰り返してはなられ ヽ

F判スの課嘘 自然が証明するだろう

判決の日にや岡粒菫前で石櫂克彦氏は『この判決がr.l違ってぃることよ自然が証明するだろうがその‐ 私たちは大羮な目出菫つてtlる,れが強t」 と述べた。■島願発事故はこの予言の現実

`ヒであつた

o浜田銹訟で膀利できていれば 全目的に曖発の地=対

策||・強イヒされ 今回の相島におけるな剌を未然に晰上でき輌 驚性がある

o司法はこの経験を燦苅に反省しなけれはならな

6原発訴訟の歴史から見えてくるあるべき原子力親鋼制度

与野党の規制庁法案

o今日会には 政府から環境省に原子力短N庁を■く漱案ド撻栞され 自民免 公明党からはいわゆる0条,員会による規

"I姜員会をユ量し ■■の身分を保障し 職桂の独立性を強化することを,子とする対求が提出され 与野党の協議が饉構されてきた

o5月 29日 から 法来の書議が開始されている

Page 16: IWJCreated Date: 6/6/2012 2:33:29 PM

規制庁法準の

'点ott仁 棒麻産彙

`からの独立 姜員の■

,保障

o「発0'今の34晨

。′ヽツクフィット

o過麟●崚対贅の規

"ito民念崎o●●の指椰■

o現綺点での日,適の,"を菫明する

芽命制限と過酪事餞漱競翻|し、パッ

クフィットま翻両する

0日'■

は 政府=メ

■●口籍から40年でⅢ剣饉炉とすることを示したことは一たのI「●をしまた IIら

"発

0なのような過昴■な対策はこれまで■彙奪の自

=的取組に晏ねられ 蒸的な

規|いされていなかつたところ これを患的に■事付け ■

"の

安全技術や毎nt反嗅させるよう0■をに●●●ける

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|・7"イツト

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ととし こItを着たせなt弩合には■嘔停■命令が出せるようにしたことも 当晨の薇■と

"いし

ているい 年1月 13日 付け奎兵戸り

寿衛は捜計時想定の30年糧餞、予算、人事の独立性確保を

o原子力発ヨ″邁颯

"耐は摯]llの鬱な

れた30年を贖壼とし 例外を,める~

ではないこと

°1み適奎催:臨1子るヽ:1lt:E効にある安全理II● 田としてII設すべきて

あることをホめた(本年3月 15日 付:ナ原子

力腱●憫壼■●ヽ案に日するこ■■)

``|`==■||,

原子力冤t所についr■●性0出ぃ2●●●のEEあ た0彙全二■を壼存颯■に●用することを求める会i■●I

あるべき原子力規●ll制度

o■

"産■●崚から■に独立しi曇●●●●應

やかに口,する 燿ltin舎を腱tし ,員の身分彙蟷轟 せる.

o経済慮彙●か櫛 itl関には片菫切符で ノーリターンuを全体に■吊雌

o政府事に残リユまれttヽた『′,クフィットロlrJ

とr●●●耐 ●●=籠

IItJ及びf「■■0

"崚,の線たを輸案に嬌すこ崚 強く摯める_

o贅漱

"の内□鯰連大臣による撻示監督IIなど

を漱秦に規定すること

'求めるものである

完全

十の機関餃Eほ薔機慟の判断の最低瞑の前撻だ

o今回明らかになつた事●は 第1に、保■賤と安全姜の対応は 新綸

の意●の自己香たであり、コ屁独立した譴II行政としてはあlj,アヽ もヽのであつて

たに投■される籐子力親‖のための亀●は経籠壼彙省から完全に独立し これと明■に分はきれたものとする必晏があり その奥颯なくして中発明 薔らの■香0判断など到喀不可籠でみに とを明らかにしたものaヽえる

パックフィツト●1底の重要性

願,力安全彙●第14榮 1項において「

子力

“"に

ついては 俊用nll中 安全に関する●績

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P椰が奏歯され ,蜃かつ新たo,全に薇する■IIに鳳らして■缶され 燿鋼●口のIE口0下で●IIを受●るとためている

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菫はこのような彙

"の■ネにも

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Page 17: IWJCreated Date: 6/6/2012 2:33:29 PM

2012/05/18

保安院秘密指示文書が明らかにした保安院、原子力安全委員会の正体

海渡 雄― (弁護士)

1 2006年 4月 保安院による秘密指示発覚

経済産業省原子力安全・保安院が2006年 4月 、原子力安全委員会に対し、旧耐震設

計審査指針 (以下「旧指針」という)に基づき建設された原発について、安全性に問題が

ないと表明するよう要求していたことが5月 17日 に発覚した.

新指針の制定は、2001年 に遡る。 1995年 阪神淡路地震の時には、指針見直しの

動きは表面化したものの、現実の動きにはならなかった。 2000年 に発生した鳥取県西

部地震が地表に現れていた断層から想定される地震動を上回るものだったため、原子力安

全委員会は2001年 から1日指含「見直しの作業を始めた。しかし、この作業は難航を極め、

最新の地震学の知見などを盛り込んだ新指針が定められたのは2006年 9月 となった。

この新指針の策定に先立つ2006年 3月 24日 、金沢地裁の井戸謙―裁判長は、志賀二

号炉の運転差し上めを認める判決を下した (判例時報 1930号 25頁 )。 この判決は新

指針の制定直前に言い渡されたが、むしろ私は、指針の不備を判決で指摘された国が、急

いで指針の改定論議を打ち切つて指針の改定を行つたと感じていた。

2 2006年 3月 24日 志賀 2号炉原告勝訴判決の内容

井戸判決は耐震設計が妥当であるといえるためには、直下地震の想定が妥当なものであ

ること、活断層をもれなく把握していることと、耐震審査指針の採用する基準地震動の想

定手法 (いわゆる大崎の方法)が妥当性をなすることが前提となるとしていた。

とりわけ、同判決は平成 17年 3月 に発表された政府の地震調査委員会が、原発近傍の邑

知潟断層帯で一連の断層が一体として活動して M76程度の地震が発生する可能性を指摘

しているが、被告はこれを考慮していないとの原告の主張を全面的に認め、被告の断層の

把握は不備であるとした。そして、「被告が基準地震動S2を定めるに当たって考慮した

地震の選定は相当でなく,基準地震動 S2の最大速度振幅は,過小に過ぎるのではないか

との強い疑いを払拭できない。」とした。 (判例時報 70頁 )

また、これまでの原発耐震設計上の方法である「松田式,金井式及び大崎スペクトル並

びにこれらを総合した大崎の方法は,経験的手法として相当の通用性を有し,原子力発電

所の耐震設計において大きな役害1を果たしてきたということができるが,地震学による地

震のメカニズムの角子明は, これらの手法が開発された当時から大きく進展していて, これ

らの手法の持つ限界も明らかになつてきており,他方,これらの手法による予測を大幅に

超える地震動を生じさせた地震が現に発生したのであるから,現時点においてはその妥当

性を首肯し難い。そうすると,こ れらの手法に従って原子力発電所の耐震設計をしたから

といって,その原子力発電所の耐震安全性が確保されているとはいい難いことになる。J

(判例時報 74頁)と して、旧指多十にもとづく安全審査を強く批判した.

そして、「本件原子炉施設わ耐震設計については,その手法である大崎の方法の妥当性

自体に疑間がある上,その前提となる基準地震動S2の設計用模擬地震波を作成するにつ

いて考慮すべき地震の選定にも疑間が残るから,本件原子炉敷地に,被告が想定した基準

_1_

Page 18: IWJCreated Date: 6/6/2012 2:33:29 PM

地震動Sl, S2を超える地震動を生じさせる地震が発生する具体的可能性があるというべきであり,これに6で検討した結果を併せ考えると,原告らは,本件原子炉が運転され

ることによつて,本件原子炉周辺住民が許容限度を超える放射線を被ぼくする具体的可能

性があることを相当程度立証したというべきである。」としたのである。

そして、結論として、「本件原子炉の耐震設計は,平成 11年 3月 に原子力安全委員会

の安全審査に合格した。しかしながら,前記第2の 2で述べたとおり,上記安全審査を経

たからといつて直ちに本件原子炉の安全設計に欠けるところがないとは即断できないとこ

ろ,証拠 (乙 31)によれば,本件原子炉の安全審査は,耐震設計審査指針にしたがって

なされたものであり,平成 12年 10月 6日 の鳥取県西部地震,その後公表された地震調

査委員会による邑知潟断層帯に対する評価や駒戎17年宮城県沖地震によつて女川原子力

発電所敷地で測定された最大加速度振幅等の情報が前提とされていないことが認められる

から,本件原子炉の耐震設計が上記安全審査に合格しているからといって,本件原子炉の

耐震設計に妥当性に欠けるところがないとは即断できない。」「以上の被告の主張,立証

を総合すると,原告らの立証に対する被告の反証は成功していないといわざるを得ない。

よつて,本件原子炉が運転されることによつて,周辺住民が許容限度を超える放射線を被

ぼくする具体的危険が存在することを推諮すべきことになる。1(判例時報76-77頁 )

として原告勝訴を導いたのである。

3 保安院文書の驚くべき内容

原子力安全・保安院名義の文書は「『発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針』改

訂に向けて注意すべき点」と題するもので、このような北陸電力の敗訴による影響が全国

の原発に広がることが問題とされていた時期にあたる2006年 4月 に原子力安全委員会

に提出されたものである。文書は以下のURLで確認できる。

hltp/A_mmboto oフ

"五

■/2012/05′

"s●

5 hml

東京新間の 18日 付報道によれば、当時の訴訟担当課長が作り、上司には報告していな

かったという。

文書は旧指針が原子炉等規制法の許可要件である「災害の防止上支障がない」という審

査基準として不合理になったことを意味するものではないことを明示する必要があると原

子力安全委員会に要求するものである。このような表明がないと、立地自治体やマスコミ

の批判が激しくなり、国会でも原発建設を認めた国の責任を追及されるなどとし、原発訴

訟では「特段の立証活動なしには到底敗訴を免れないJと している。この文書が訴訟対策

のために出されたものであることは明らかである。「原子力安全委員会の有識者は「たび

たび証人として出廷を強いられる事態」も発生しうるなどと、原子力安全委員会の委員を

威迫するような内容となっている。

4 2006年 9月 保安院の脅しに屈した原子力安全委員会

原子力安全委員会は同年 9月 19日 に「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」

(以下「新指金句 という)を決定した。原子力安全委員会は同日付でその後に実施される

こととなるバックチェックの法的な位置づけについて、「『耐震設計審査指針』の改訂を

機に実施を要望する既設の発電用原子炉施設等に関する耐震安全性の確認について」と題

する委員会決定を行った。

原子力安全委員会は、この中で、「行政庁においては、原子炉設置者等の原子力事業者

・ 2-

Page 19: IWJCreated Date: 6/6/2012 2:33:29 PM

に対し、改訂された「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」等の内容に照らして、

既設の原子力施設の耐震安全性の評価の実施に関する要請 (具体的な確認方法の内容、確

認を完了する時期等を事業所毎に明示した実施計画書の作成を含む。)を行うとともに、

実施計画書についてはとりまとめ次第速やかに、耐震安全性の具体的かつ詳細な評価結果

については (その評価手法も含めて)その妥当性に関する確認を行ったうえで、当委員会

に報告すること。」として、新指針に基づく各原発の安全性の確認を求めた。ところが、

同じ文書の中で、「今般改訂等がなされた「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」

をはじめとする原子力施設の耐震安全性に関する記述を含む安全審査指針類については、

今後の安全審査等に用いることを第一義的な目的としており、指針類の改訂等がなされた

からといって、既設の原子力施設の耐震設計方針に関する安全審査のや り直しを必要とす

るものでもなければ、個男りの原子炉施設の設置許可又は各種の事業許可等を無効とするも

のでもない。すなわら、上述の既設の原子力施設に関する耐震安全性の確認は、あくまで

も法令に基づく規制行為の外側で、原子炉設置者等の原子力事業者が自主的に実施すべき

活動として位置づけられる杢さてあるものの、当委員会としては、既設の原子力施設の耐

震安全性の一層の向上に資する観点から、行政庁による対応について、その着実な実施を

特に求めるものである。Jと の見解を示した。原子力安全委員会は、結果として上記のよ

うな保安院からの脅しに屈し、自らの制定した新指針が既設の原子炉を拘束する規範であ

ることを自ら否定してしまったのである。私たちは、当時このような保安院と原子力安全

委員会の不徹底な立場を強く批判し、新指針に基づいて安全審査をやり直すべきことを求

めてきた。

5 2007年 10月 浜岡原発訴訟原告敗訴判決を導いた原子力安全委員会見解

浜岡原発については、中部電力は耐震バックチェック報告書を保安院に提出しながら、

安全判断がなされないまま、判決に至つた。新指針に基づく安全性を国が明らかにするこ

とができなかったのであるから、原告らは勝訴を確信していた。ところが、2007年 1

o月 26日 に言い渡された静岡地裁判決 (宮岡章裁判長宮岡章裁判長)は、判決で次のよ

うに述べた。「改訂指針は,地震学上の新たな知見を踏まえ, さらなる耐震安全性の向上

の見地から改訂指針の基準地震動Ssでの耐震安全性の確認を求めたものであつて,旧指針

を原子炉施設の安全上不適切,不合理なものとして排斥しているわけではないから,1日指

針に基づいて従前行われてきた安全評価を杏定するものではないことはもちろん,策定さ

れた基準地震動 Ssを用いた耐震安全性の確認がされていないことをもつて直ちに耐震安

全性が確保されていないと結論づけるものでもないと認められる.」

まさに、保安院の訴訟対策のための指示に従って出された、原子力安全委員会決定を無

批判に鵜呑みにした判決だったのである。

6 2009年 3月 国のパックチェックの判断に追随した志賀 2号炉高裁判決

ところが、これに対して2009年 3月 18日 に名古屋高裁金沢支部は、運転中止を命

じた一審判決を取り消すとの判決を下した。この一審判決と高裁判決の間には前記の通り、

新耐震設計審査が制定され、新指針に基づく耐震設計のパックチェックが実施され、国が

同炉の耐震設計は安全であるという判断を示していた。

高裁判決は北陸電力の主張に/.Nつ て、新耐震設計審査指針の内容は合理的なものであり、

震源を特定しない地震としてM6 8を 想定することや近隣の活断層が同時に運動して活

‐ 3‐

Page 20: IWJCreated Date: 6/6/2012 2:33:29 PM

動することはないとした判断などはいずれも合理的であるとしている。原告らが指摘して

いた指針の問題点や断層の運動についての主張については、真摯な検討はなされていない.

原告らは上告したが、最高裁は2009年 3月 31日 内容に踏み込まず、原告らの上告を

棄却した。この訴訟の後半では新耐震設計審査指針に基づく安全審査のやり直しの適否が

大きな課題となったが、司法は最終的には国の安全判断に追随する判断をしたのである。

7 保安院によるス トレステス ト評価と関係大臣による再稼働の根拠は崩壊した

このような一連の経過は、福島原発事故を受けて停■Lしている原子力発電所の再稼働に

ついて重大な警鐘を鳴らしている。

まず第 1に、保安院と原子力安全委員会の対応は、新指針の意義の自己否定であり、独

立した規制行政としてはあり得ない、非科学的なものであつたといえる。このような不公

正な規制行政を行つてきた保安院によるス トレステス ト評価にもとづく関係大臣の安全判

断など信用することはできない。

保安院によるス トレステス ト評価と関係大臣による再稼働の根拠は根底から崩壊した。

8 バックフィット制度の後退を許すな

新しい規制庁・規制委員会は保安院とは全く別個独立した、経済産業行政とは明確に分

離されたものとする必要がある。そして、政府が進めていた原子力安全規制の下で導入さ

れようとしていた既存の原発にt,最新基準への適合を義務付けるバックフイットという考

え方は、バックチェックの不徹底さの反省の上に考えられたものである。

日本は平成 8年に原子力安全条約を批准している。この条約第 14条 1項は「原子力施設

の建設前、試運転前及び供用期間中、安全に関する包括的かつ体系的な評価が実施される

こと。その評価は、十分に記録され、その後運転経験及び重要かつ新たな安全に関する情

報に照らして更新され、並びに規制機間の権限の下で検討を受ける。」としている。バッ

クフィット制度はこのような条約の要求にも合致し、保安院の不当な圧力によつて法的に

位置づけを不明確にされていたバックチェック制度に法的な裏付けを与えようとするもの

で、絶対に必要な制度である。

規制行政の独立性を確保するという観点からは、自民党案の提案する3条委員会による

規制委員会を設置し、委員の身分を保障し、職権の独立性を強化する方向は正しい。 しか

し、与野党の協議の過程で、政府案には盛り込まれていた「バックフイット制度」と「原

発寿命40年制Jの規定が残されるかどうかがはつきりとしなくなっていることは問題で

ある。

新指針に基づくバックチェック制度とこれに関する前述した原子力安全委員会見解が、

旧指針による設置許可を無効としないという非徹底さを残していたことが、新指針による

原発の耐震安全性の再審査を緊張感を欠いた不十分なものとし、浜岡原発訴訟における原

告敗訴判決を導き、福島原発事故の一つの要因を作つたことを深刻に反省しなければなら

ない.

このような轍を二度と踏まないためにも、新たな規制行政のあり方を決める法制におい

て、バックフイット制度を確実な形で盛り込むべきである。

‐4‐

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平成 19年 (ネ )第 5721,浜岡原子力発電所運転差止請求|.・訴事件控訴人 長野栄― 外被控訴人 中部電力株式会社

意見の趣旨1 被控訴人は、追加調査未アの現時点においても、本件原発が安全であると主張するのか。安全であると主張するのであれl■

‐、その根拠を明ら力ヽ こし、現時点

における専門家による意見書 陳述書を提出し、安全性を立証されたい。2 前項の立証ができないのであれば、本件原発の安全性が確認できていないのであるから、被控 ltF.人 |ま 、本件原発を直ちに停上 したうえで 今後の調査を行い、必要な立証を行 うべきである。3 木件原発の追力,調査については、独立した第二者の手によって行われるべきであり、それが不●T治ヒとしても、その過程の透明性が確保されるよう、全面的に可視イヒされなければならない。

意見の理由

第 1 はじめに

控訴人らは、本年 3月 25日 付 「進行に関する■申書Jにおいて、今後の進行について意見を述べた。

さらに、控 lrF人 は、同年 5月 10日 付準備書面 (8)に おいて、被控訴人が主張 ‐立証責任を尽くしていないこと、これに対 して、裁判所は 十分な審理を尽くさせる必要があること、を述べた.

しかるに、以下に述べるとお り、被控訴人は、未だに本件に必要な主張 立証責任を尽くしてぃない。

本書面においては、その後の経緯をふまえて、控訴人は 被控訴人に対 して、

本件原発の安全性が確認できていないのであるから直ちに停止することを求める

等、改めて今後の進行に関する控訴人らの意見を述べる。

第 2 本件控訴審における著理の経過1 浜同原発 1、 2号機の廃炉

本件控訴審では、その対象のうち浜岡原発 1、 2号機について、和解の打診が

なされた後、被控訴人は、 2008年 12月 に、耐震補強が事実上不可能である

ことを理由として浜岡原発 1、 2号機について廃炉にすることを発表 した。

2 控訴人らの立証

その上で、 2009年 9月 ~ 2010年 2月 に、控訴人ら請求にかかる石橋証

人及び立石証人の各尋間が行われ、後記各事実が明ら力■こなった。

(1)石橋証人

イi橋証人によつて、新耐震設計審査指金卜(「新指針」)に基づき設定される浜岡

原子力発電所の基準地震動 Ssについて、中央防災会議モデルによる想定東海地

震をSs策定のための検討用地震とするだけでは、不十分であること、Ssの策

定において、アスペ リティの位置を原発直下に想定 し、震源特性パラメータとすべきであること (不確かさの考慮とすることでは足りないこと)、 想定東海地震の

震源断層面の深 さを浅く想定し、震源特性パラメータとすべきであること (不確

かさの考慮とすることでは足りないこと)、 現時点においては、震源断層面の深さ

については証人石橋の見解が、むしろ学界の通説 となっていること、御前崎海脚

束部の断層帯の活動とプレー ト境界地震との同時活動など、より大きな地殻変動

を起こす地震の可能性 を想定し、これを検討用地震 とすべきこと (不確かさの考

慮とすることでは足 りないこと)等が明ら力ヽ こなつた。

(2 '石証人立石証人によって 中越 llllll震 によって判明した、原子力発電所のlll震安全l■

にかかわる地下構造によつて地震動が増幅される機序、同地震によつて判明 した

事項、鉛直地震動の問題、御前崎半島の先新世地殻変動と東海地震、特に、通常の東海 東南海地震を超える地殻変動を引き起こす地震が発生したこと、敷地内

を横切つているH系断層系の成因が十分に明らかにされていると言えないこと等が明らかになった。

3 被控訴人 らの立証

(1)控訴人らの主張 立証に対して、被控訴人は、反証として 4通の鑑定意見書の提出を予定しているとし、これまでに、① 立石証人指摘の事実に対する反論として徳山意見書 (乙 C271)② 海底音波探査の方法及び結果の正当性に関する金田意見書 (乙 C270)を提出 した。

被控訴人は、さらに

本件訴訟進行に関する意見書(本件原発は安全性が確認できていないのであるから

直ちに停止すべきである)

2010年 (平成 22年)9月 16日(次回進行協議期日9月 17日 )

東京高等方裁判所 第 11民事部 御中

一樹

理代

 

訟訴ら

―11月

人訴

士護

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響兄警

越沖地震及び駿 I・I湾地震 と浜岡原発に想定すべき地震動の関係についての

④ まとめの鑑定意見書を提餞|す るとしてお り、その提出時期は 2010年 4月 末か 5月 初めの予定としていた.

T人紛毅キl筆繕全斜鮎謙登辱暑ξ3輩鰍爵だ逸f霧露麟つた.被控訴人が提出を予定しているが、提出できない事情があったのであれば、

雀営il薯儒皇貫早こ署皐尖撼:貸島乗董屁ξれ冤覆|:壕ち等F香介曹≧[馨貰書を提出し始めたのである。かかる訴訟対応は、誠にアンフェアであると考える.

(3猿

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績を重撃事』董蟹[韮範il:堆番ξttξ忌:言:ぉ絡を再全9であれば、まず、被控訴人は、これらの鑑定意見書に基づく主張をすべきである.

そして、その上で、争点の整理を行つた後、当然、これら鑑定意見書の作成者等に対する証人尋間を実施すべきでぁる。

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た嘲:薫を等tt募嘗ζttξ )逸裏夫修ξ∬合好る書ξ彗喬[早暑庭薪ζ磐事:糧こ3意]罪訟鐘避]で[L李獲霧肇幌ζ∵[:票 F可

欠の手続きであり、何

(5)と ころが、被控訴人が一向に人証中講をし・.いので、控訴人は、反 II尋問権を行使するために、 201o年 4月 2日 付で、既出の各鑑定意見書の作成者である徳山明氏と金田義行氏について、証人申講をした.

0 ところが、控 .FF人 らの証人中請の直前に提出された被控訴人提出の乙 0第 2

皇臭ii駄葉課奎ξξ″t写1省■算;ll[絶省f鶴香借L機等吾全機篠美ζ

:[よ:曇;i壇鯨う言ittξ[[うilil:::]:[1:I;:[言 :ている

控訴人は、被控訴人が「砂岩償勢互層J説を放棄したと思われる以上、徳山証人の鑑定意見書 (乙 C第 271号 証)は、もはやその存在意義を失つたと考え

:ち えあT「 手そ惜]マ全毅 と暦[な盤 巽ィ:ち贅等源誰炎景動 機11憲僧Fく

(7)と ころで、被控訴人は、当初、 2010年 4月 末から5月 はじめまでに提出するとしていた残 りの 2通の意見普 (中 越沖地震及び駿河湾地震 と浜閻lF‐発に想

定すべき地震動の関係についての意見書、まとめの鑑定意見書)について、未だに提出していない。

それ どころか、被控訴人は、国の合同WCの委員 らの指摘に対 して返答ができないため、さらに追加の調査を実施するとしている (乙C294平 成 22年 7

月28日 「駿河湾の地震を踏まえた検討のうち地下構造調査結果の整理及び更なる迪力,調査の計画概要についてJなお この計画自体不十分なものであることについては、後述する).

第 3 本件原発は安全性が確認できていないのであるから直ちに停止すべきである

1 はじめに

控訴人 ら2010年 5月 lo日 付準備書面 (8)に おいて、本件訴訟の主張立証責任のあり方を論し、本件をめぐる次のような客観的な状況、すなわち、① 本件原子炉の設置許可時の耐藻設計審査指針が全面的に見直され、新 しい指針に基づく安全性の存否についての行政のパックチェック手続がtt行 中であること

② 東海地震の発生が迫っていること

③ 中越沖地震、駿河湾地震 という■つの既存の耐震設計審査指針 〈口指針及び

新指針)の範囲内では説明できない地震動が発生 したことを踏まえて、被控訴人が果たすべき主張立証責任の範囲を明らかにした上で、裁判所に求められている訴訟指揮について、意見をまとめた。

2 新潟県中越沖地震に基づく新知兄この新指1■Cは とらえ切れない地震が平成 19年 (2007年 )7月 新潟県中

越沖で発生し、それまで考えられていた理論によって想定される地震動に比べ

その 6倍 も増幅 された地震動がIIn崎 メ1羽原発を襲った。その原因 よ、展源で 1

5倍、深部地盤の不整形で 2倍、裁部地盤の地層の変化で2倍 と.f価 されたが、これらiよいずオしも改訂指夕■Cは考慮されていない事項である.

新潟県中越沖地震を踏まえて、原子力安全委員会及び原子力安全 保安院は、原子力施設の耐震安全性の評価において考慮すべき基準を増や した。これらは、「指,卜」と明示はされていないが 新改訂指夕十とい うべきものである.

原子力安全委員会は、平成 20年 (2008年 )6月 16日 、「柏崎刈羽原子カ発電所で取得 された地震翻 1データの分析及び基準地震動に係る報告を踏まえてバックチェッタ結果の確認において検討すべき事項のlll加にっいてJを決定 して保安院に震源特性 と地下構造4● 性について追力1的検討を要請 した.

3 駿河湾地震に基づく新知見その後、 2009年 (平成 21年)8月 11日 、本絆原発の敷地の東北束の駿

河湾で、マグニチュー ド6 5の地震が発生 した,この地震により 浜岡原発 5号熊は、観調1値で439″ ルの揺れを観測した。想定される東海地撻からすれば、

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マグニチ●●― ドはそれほど大きなものではないのに、ほぼ基準地震動 Slの揺れと同じ程度の揺れであった。さらには、 5号機は、わずか 550メ ー トル しか離れていない 3号機と比べ、開放基盤面でのはぎとり波で見ると、 2 6倍 もの大きな揺れに襲われたのである

現在、本件における地盤地質に間するもつとも大きな争点は、なぜ浜岡原子カ発電所 5号機が、駿河湾地震で、 3、 4号機に比べて大きく揺れたか、さらには53機が大きく揺れた原因が、来るべき東海地震等で、 3、 4号機を大きく揺ら

す原因とならないかどうかである。この駿河湾地震により、浜岡原発 5号機が、想定外に大きく揺れた事象は、新

潟県中越沖地展で説明されたメカニズム cは説明できない可能性がある。すくな

くとも、被控訴人は現在追加の調査を広範に実施 し、そのメカニズムについて合理的な説明をしようとしている段階にあり、国も検討を進めているところであるが、米だその理由は不明な状態である.

原子力安全 17安院は、平成 22年 4月 27日 に合同ワーキンググループ 47口|に提出した「議Ill湾 の地震を踏まえた地震動増幅特性に係 る論点整理メモJにおいて、「2 駿河湾の地震において得られた力兄の明確化Jと して、

「(1)駿河湾の地震において得られた知見と|ま ?

② 知見を反映する対象と程度は ?

① 知見を反映する対象は ?

② 観測記録が得られていない方 l・|の増幅特性に係 る傾向は P

観測記録が得られていない敷地下方と東西方向、市北方向のうち、敷地下方と北方向には、想定東海地震または仮想的東海地震のアスペ リティが存在することに留意する必要がある。

③ 増幅特性の程度は ?

観測 .・L録や要因分析に係る解析検 .・l等の結果を踏まえて定量イヒする L/

要がある。J

「3 駿河湾の地震において得られた知見を反映 した基準地震勁 S3の策定」として 今後の検課 題を整理 している.

すくなくとも、このメカニズムが解明され、これに活づいて仮想的東海地震 (原

発直下にアスペ ツティを配置したケース)についても、駿河湾の地震において得られた知見を反映させた基準地震動を策定することを求めているのである。

このように、現時,に は,こ の増幅特性について解明ができておらず、そのメカニ

ズムが角′明されていないのであるから、この新たな事象については的確な安全審査指

'卜

が欠落し、審査基準の合理性が欠けた状態であるといわなければならない。

4 耐飛バックチェックは安全性確認のために実施 されている

技控訴人は、滞在的なものも含めて、この新指針、中越沖地震をふまえたlN‐摘

事項、駿河湾沖地震をふまえた指摘事項の 3つの「改定指翻Jに基づいて、原子炉の安全性が確保されていることの主張と立証を尽くさなければならない状況下

にある、

これに対して、被控訴人は、新指針は、旧指針の基本的考え方を踏襲したうえ

で、基本方針の要求事項の明確化や最新の知見を踏まえた基準地震動の策定方法

の高度化等が行われたものであり、その目的は耐震安全性及びそれに対する信頼

性、説明性のよリー層の向上に資することにあり、既設の原子力施設の耐震設計

に関する安全審査のやり直しを必要とするものでもなければ、個別の原子炉施設

の設置青可Xは各種の事業許可等を無効とするものではない旨主張している。 し

かし、このような主張は全く失当である。

上記3つの「改訂指●卜Jに よる検討の結果耐震安全性が確保されていることが

確認されなければ、新たな原子炉の設置は許可されないのであるから、既存の原

子炉についても 上記 3種の指針による検討の結果耐震安全性が確保されている

ことが確認できないことになれば、それ以上の運転継続は認められない。

だからこそ、中越沖地震後の精崎 刈羽原発は耐震パ ックチエックの完了まで

運転再開が認められなかつたし、浜岡原発 1, 2,機はパックチエックの合格の

ためには10年以上をかけ、3000億 円にも達する耐震補強工事が必要である

として廃炉を決断せざるをえなかったのである。パックチェック手続きが進行中であり、新たな安全審査基準に適合するかどう

かり1ら かでない原子炉の一部が運転の継続を認められているのは、パックチエツ

クで合格することが事実上見込まれるという見通しのもとで 使法として認めら

れているに過ぎない。本件原発の現状はこのような便法が通用 しない状況にある

ことは明らかであり、少なくともバックチェックにおいて3つの「改訂指針Jなどに照らして安全という行政判断がなされるまでは原子炉等規制法上も原子炉の

運転は認められない.

新耐震設計審査指針等 3つの「改訂指針Jに適合 しないことが確認された場合

に原発の運転が許されるわけではないことは保安院も前提としている。3つの「改

訂指針1により安全性が確保されないことが441明 すれば、運転が認められないこ

とは自明の事業である。

第4 被控訴人らが発表 している退力1調査について

1 追加調査は、3,機及び4,機を停止して行 うべきである

被7_・ 訴人は、委員らの指摘に対して返答ができないため、さらに追力1の調査を

実施するとしている (乙C294平 成 22年 7月 28曰 瞼 河湾の地震を略まえ

た検きい うち地下構造調査結果の整理及び更なる迪カロ調査の計画概要について1)。

被控訴人のこねまでの調査では不十分であり、被 17・

t訴人が進カロ調査を実施する

必要性自体は控訴人も争 う )ヽの ではないが、この追加調査 (オ フセットVSP調査、ボーリング調査、海域弾性波探査)には、「平成 22年度下期Jまでを要する

とされている (乙 C297の 21貢 ).

追力1調査の必要性があるということは、裏返せば、本件原発の安全性は確認で

きていないということを意味するものである。そして、その調査期間は、かなり

の長期に及ぶことが示されている。こねだけ長期 F・|を要する追加調査を行うので

あれば 当然、その間、浜岡原発 3、 4'機の運転を停止したうえて、追力1調査

を行うべきである。

Page 24: IWJCreated Date: 6/6/2012 2:33:29 PM

2 追力爛 査は/41立 した第 3者が行 うべきである.仮に中電が行 う場合でも、後

に検証可能にするべきである。

まず、 2009年 8月 の駿河湾地震からすでに 1年が経過 しても、なお、その

原因が明らかになつていない。これ 自体、極めて異常な事態であるとともに、被

控訴人の調査 ,ヒカの限界を示 しているというべきである。

本件調査|ま 、被控訴人の原発の安全性だけではなく、他の原発の安全性にも関

わる極めて重要な調査であるから、このような調査は、そもそも当事者である被

控訴人ではなく、独立した第 3者に行わせるべきである。

また、被控訴人のこれまでの調査F.果は、調査結果を検討 した上で整理された

状態のものしか公表されていない。地下調査の結果は、容易に改ざんできるし、

現に改ざんが行われている例がある.

tFtに 、これまでのように、調査自体は被控訴人が行 うとしても、その調査過程

(た とえばボー リングのコアの同一性)については、ビデオによつて撮影 してお

くなど、後の検証が可能である状態を保ち、・T視化されるべきである。

3 乙C294(合 同W50-2-2)の 具体的な調査内容について

中部電力は、平成 22年 7月 28日 に提出した「駿河湾の地震を踏まえた検討

の うち地下構造調査結果の整理及び更なる造力1調査の計画概要についてJ(乙 C294、 合同W50-2-2)に おいて、「オフセットVSP調 査J「ボーリング調

房鍵鴇霰ぽ脱螂饒話=士

セR鞣慇:]]卜ば`と添

容が不 卜分な点について指摘する.

(1)ボー リングの深さが不十分である

「ボーリング調査計画1については、乙297の 17頁に記載がある.これに

よれば、「大深度ボーリング調査Jと して、ボー リング坑砒 4 5、 6、 7、 8、

9の 6本が記載されている,

しかしながら、その深さは、ボー リング坑M4、 5 6が 5001n、 同 7、 9

が 700m、 同8が 600.・lにすぎない.

既存のボー リング坑ヽ 0、 1、 2、 3は、いずれも1500mの 深 さで行って

お り (そ れでもデータは限定的ではあるが)、 少なくとも、これ と同程度の深きの

ボーリングを行 うべきであり、また、それは可能である。

また、乙297の 17点には、貰色の範囲で深さ35011■で 10本程度のボー

リング調査を行 うことも記載があるが、これも、同様の理由で深さが不十分であ

る。

(21 iオ フセットVSP調 査Jは より多数の測線で行 うべきである .

『オフセ ットVSP調 査Jの測線は同 14頁 に記載がある.これによれ lt、 ボ

ー リング坑砿 0、 1、 2、 3、 6、 7、 9(こ のうち6 7、 9は新設)をそれ

ぞれ結んだ測線が示されている。

しかし、ポーリング自体は、ヽ 4、 5、 8を新設するのであるから これ らの

の重要部分が欠けることになる。

(3)ボー リング坑m2について 700m以 遠を埋設 した理由は何か

乙297の 15頁右側の凡例に、「海 lll中央のN02孔は既往調査では 1500mま〔9景響石I発無≧

'3ン

[亀筆子::Iな量魯彎鷲ヒ五城ス:通璽3に理由を明らかにして、調査の透明性を確保すべきである.

,上を像警えて、本lliFf訟の進行については、意見の趣旨記裁のように進行さ

れるよう求める。

星:[J[]量 警[I!it]を 言〕]i:::そ 〔[ifilき :il革 :Iをまずもつて釈明することを求める。

1 現時点でも、被控訴人は、本件原発は安全だと主張するのか。

ことを求める。4 裁判所は、被控aF人に対して現時,点 での状況に踏よえた主張を明ら力

'こ

し、

詈時尿夏ζ斎語妻暮彙:事′顧rff;タテま鰹 幌皆の場所は、3、 4号機

付近の地下調査 t,目 的としているように思われるが、現在行なお うとしている調

査は、 3、 4号機の安全性の確認をも目的としているのではないか。

6 被控訴人は、乙C294の 追加調査のさらに具体的な計画2見通 しについて

明ら力ヽ こすべきである。

1〔]:』憶‡liを言曇[]:[l‡ [拿li::書 [:「]:[!』 [懲[

111:蓋 ξ繁巌菅:ち :場 を「

`その旨、裁判所においても被控訴

告さ