格子QCDから見た j-parc

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格格 格格格格 QCD J-PARC 石石石石 石石石石 () Exotic hadrons in Lattice QCD J-PARC 石石石石石石石石石石 exotic hadron 石 石石 石石石石石石 QCD 石石石石 石石石石石石 、: Θ 石石石石石石石5Q picture of Λ(1405) Nuclear forces from Lattice QCD 石石石石石石石石石石石石 石石石石石石石石石石石石石 Summary

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格子QCDから見た J-PARC. 石井理修(筑波大). Exotic hadrons in Lattice QCD J-PARC で関心が持たれている exotic hadron と 格子QCDにやれること 例: 存在確認、量子数決定: Θ + 内部構造の探索: 5Q picture of Λ(1405) Nuclear forces from Lattice QCD 核力の現状と近未来の方針 ストレンジネス物理への応用 Summary. Exotic hadrons in Lattice QCD. - PowerPoint PPT Presentation

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Page 1: 格子QCDから見た J-PARC

格子QCDから見た J-PARC

石井理修(筑波大)

Exotic hadrons in Lattice QCD J-PARC で関心が持たれている exotic hadron と

格子QCDにやれること

例:

存在確認、量子数決定: Θ +

内部構造の探索: 5Q picture of Λ(1405)

Nuclear forces from Lattice QCD 核力の現状と近未来の方針

ストレンジネス物理への応用

Summary

Page 2: 格子QCDから見た J-PARC

Exotic hadrons in Lattice QCD

Page 3: 格子QCDから見た J-PARC

J-PARC で関心が持たれている exotic hadron と格子QCDにやれること

J-PARC で関心が持たれている exotic hadron:

penta-quark Θ+(1540) 世界初の manifest exotic hadron 候補。現在苦境にある。 J-PARC で新展開を期待される。

Λ(1405) as a candidate of NKbar molecule (5Q) “ 重い” strange quark を含むにもかかわらず、 negative parity sector で一番軽いバリオン。 Strange multi-baryon の starting point 。 古くから N と Kbar の molecule であるとする考え方がある。

scalar mesons below 1GeV: f0(980), a0(980), κ(800), f0(600) scalar の qqbar 状態の自然な質量は、 1.3 ~ 1.4 GeV 前後と言われる。 実験的スペクトルは、 qqbar よりも 4Q の方に近い。

H-dibaryon 代表的な exotic hadron 。一番 simple なストレンジレット。根強い人気がある。

J-PARC で新しく見つかるかもしれない exotic hadron

Page 4: 格子QCDから見た J-PARC

格子QCDにやれること 存在確認、量子数決定等。(第一原理計算の使命) 内部構造の探索。 Systematic な方法はない。 多くの場合、特殊な idealized limit とか何らかの近似、有効理論との連携が必要。 何らかの状況証拠を集めて、こういう議論に突っ込む。

これらは、 exotic hadron がほぼ共通に持つ次の困難を乗り越えて行われなければならない。

これらの粒子は ground state ではない。 虚時間方向への時間発展を主力とする格子QCD Monte Carlo 計算は、 ground state の抽出は得意だが、 excited state の抽出は苦手。

これらの粒子は強い相互作用で崩壊し、 non-zero の崩壊幅を持つ不安定粒子である。 格子QCDは不安定粒子は苦手である。(不安定粒子をまじめに取り扱う必要がこれまで少なかった)   --- quenched QCD では、通常のハドロンは decay しない。   --- full QCD でも、重たいクォーク質量を採用している場合(これまでそうであった)、   多くの不安定粒子は decay しなくなる。 (ρ, Δ, …)

これらの不安定粒子は、” 連続スペクトル” 中に埋まって出てくる。 得られた状態がそのまま目的の粒子に対応するわけではない。 ( ほとんどすべては単なる散乱状態 )

格子QCDから access しにくい hadron が存在する。 何が原因でうまくいかないのかよく分からない場合が多い。 --- 有限体積 , chiral 外挿 , hadron operator, action, クェンチ近似の弊害 , 特殊な内部構造を反映 ( ? ) 、 etc.

qqbar annihilation diagram を伴う場合がある。 ( 計算量が膨大になる。ノイズが増大する。 )

計算量が膨大な場合がある。

Gn E

n

E eGOenO

OOG

22

00

0)0()(0)(

Page 5: 格子QCDから見た J-PARC

(例)存在確認、量子数決定: penta-quark Θ+ (5Q)

量子数決定 存在確認(次第にシフト)

 当時の最大の疑問点 「なぜあの位置にあんなに狭い崩壊幅の粒子が存在できるのか?」 これに答えるべく、様々な mechanism が考案された。

 格子QCDにより量子数 ( 特にスピンとパリティー ) を決定すると これらの mechanism を絞り込むことが可能になるため、 同時に内部構造に関する情報もえられる。

Θ+(1540) は、それまでの通常のハドロンと違った難しさを持っていた。

Θ+(1540) は、 ground state ではない。

Θ+(1540) は、 ( 細いけれども ) 有限の崩壊幅を持つ不安定粒子である。 quenched QCD の段階ですでに崩壊する。

Θ+(1540) は、NKの連続散乱スペクトル中に埋まって出てくる。 (NKの散乱状態と Θ+(1540) を区別する必要がある)

Θ+(1540) は、 correlator の計算に大量の計算量を必要とする。

これらを克服するため、様々な方法が適用された。

excited state を抜き出すための cross correlator 対角化方法。

NKの単なる散乱状態から Θ+(1540) を選別するための様々な有限体積の方法。

Page 6: 格子QCDから見た J-PARC

軽い quark mass領域で直接格子QCD Monte Carlo 計算を行うのは難しい。

カイラル外挿をつかう。( 格子 QCD で計算可能な領域のデータを軽い quark mass領域まで外挿する)

NK threshold

Typical spectrum of Θ+ for JP=1/2(±)

Region accessible by lattice QCD

Θ+ spectrum on the lattice

★ カイラル外挿の結果

1. JP=1/2(+): m5Q = 2.25(12) GeVThis is too heavy for Θ+(1540) !

2. JP=1/2(-): m5Q = 1.75(4) GeVThis state appearsabove NK threshold by about 100 MeV.

★ For JP=1/2(-),状態が魅力的な位置に出てくる !(NK threshold 100 MeV位上 )初期の段階では、Θ+(1540) の有力な候補であった .

この状態は NK の単なる散乱状態ではないことをチェックしなければならない。

このため、有限体積を利用した様々な方法が用いられた。

(1) Volume dependence of mass

(2) Volume dependence of spectral weight(overlap)

(3) Method of Hybrid boundary condition

Page 7: 格子QCDから見た J-PARC

PBC vs HBC [5Q spectrum for JP=1/2(-)]

PBC

threshold

HBC

threshold

★ Large shift indicates thatthe state is a scattering state.

Chiral extrap for H

BC

m 5Q=2.25(12)GeV

Chiral extrap for PBC m5Q=1.75(4)GeV

Method of Hybrid BC(HBC)HBC は flavor 依存型の twisted BC (空間方向 ).

• anti-periodic BC: u, d quark• peroidic BC: s quark

Composite hadron fields are subject to

• N(udd), K(u sbar) : anti-peroidic BC• Θ+(uudd sbar) : periodic BC

有限サイズ Lの箱の中では、反周期境界条件のため、 N と K は止まれない。L~ 2 fm の場合 ,最小運動量: pmin ~ 500MeV をもつ。

HBC によって、NKの散乱状態はこの領域から押し出される。

(Periodic BC)

Page 8: 格子QCDから見た J-PARC

Group action operator analysis penta quarkF.Scikor et al.J HEP11('03)070

Wilson fused NK(2x2 diagonalize)

volume dep.(mass?)

negative parity

S.SasakiPRL93('04)15200

Wilson diquark standard analysis negative parity

T.- W.Chiu et al.PRD72('05)034505.

domain wall 3x3 diagonalize(diquark,NK,fused NK)

standard analysis positive parity

N.Mathur et al.PRD70('04)0745008

overlap NK volume dep.(mass,spec. weight)

not observed

N.Ishii et al.PRD71('05)034001

improved Wilson diquark HBC analysis not observed

T.T.Takahashi et al.PRD71('05)114509.

Wilson 2x2 diagonalize(NK, fused NK)

volume dep.(mass,spec. weight)

negative parity(1st excited state)

B.G.Lasscock et al.PRD72('05)014502.

FLIC NK, fused NK, diquark("3x3" diagonalize)

mass spliting analysis not observed

C.Alexandrou et al.PRD73('06)014507.

Wilson 2x2 diagonalize(diquark, NK)

volume dep.(mass, spec weight)

negative parity

F.Scikor et al.,PRD73('06)034506.

Wilson "14x14"diagonalize(spatially non- trivial op.)

volume dep.(mass)

not observed

K.Holland et al.PRD73('06)074505.

fixed pt action 2x2 diagonalize(fused NK, NK)

quark mass dependence not observed

B.G.Lasscock et al.PRD72('05)074507

FLIC NK *̂ (spin 3/ 2) mass spliting analysis (low- lying)J P=3/ 2 +̂

N.Ishii et al.PRD72('05)074503

improved Wilson diquark, N*K, twisted N*K(spin 3/ 2)

HBC analysis not observed

格子QCDによる Θ+ の研究の進展:★ only published articles. Only quenched calculations are available.

SP

IN

1/2

SP

IN

3/2

★ これらの結果には次のような consensus がある。

• low-lying Θ+ is not found in any channels. (except for exceptions)

• There may be a candidate of a compact 5Q resonance in JP=1/2(-) above NK threshold by about 300MeV. (as an “excited state”)

★ low-lying Θ+ に対して格子QCDは negative 。 しかしながら、すべての可能性が尽くされたわけではない。---- Large spatial volume, quenched artifact, chiral 外挿の不定性 , πKN picture, I=2, ...

Reson

an

ce n

atu

re b

eg

ins to

be ta

ken

serio

usly

.

Use o

f cro

ss c

orre

lato

r becom

es

sta

nd

ard

.

テクニックが次第に進化している

Page 9: 格子QCDから見た J-PARC

Exotic hadron を扱うテクニック Θ+ の恩恵として、格子QCDで exotic hadron( ~ resonance) を扱う技術が普及した。

excited state を扱うための cross correlator の方法。

単なる散乱状態と resonance を区別するための様々な有限体積や境界条件を使った方法。

Θ+ は現在苦境にあるが、数年前より今の方が不定性の少ない研究が可能な状況にある。

非常に軽いクォーク質量を採用した full QCDゲージ配位が入手可能になる。 クェンチ近似やカイラル外挿に起因する不定性が軽減。

resonance を正面から考える新しい方法の出現:

phase shift method Luscher の方法で位相差を計算して、そこから resonance parameter を読み取る。 ρππ decay width に応用されている。 S.Aoki et al., CP-PACS Collab. PRD76,094506(2007). (軽いクォーク質量の full QCD の普及に伴い、この方法は必ず発展する)

histogram method resonance を含む energy spectrum の体積依存性で見られる特徴的な現象” avoided level crossing” を直接利用した非常に新しい方法。 V.Bernard et al., arXiv:0806.4495[hep-lat].

Page 10: 格子QCDから見た J-PARC

(例)内部構造探索: 5Q picture of Λ(1405)1. 重たい strange quark を含むのに、何故か negative parity sector で一番軽いバリオ

ン。

2. strange multi-baryon の starting point 。( 原子核に Kbar を打ち込むことによってできる高密度物質 )

3. Λ(1405) に関する二つの描像 :

3Q(SU(3)f singlet) ⇔ 5Q(“molecule” of N & Kbar)

どちらが優勢か ? (↑ 量子論的にはこれらは混じり合うが、それでも興味深い問題 )

4. Λ(1405) は格子QCDでは再現しにくいことが知られている。(quenched QCD では、 300-400 MeV も overestimate される )One of the interesting opinions:この問題は Λ(1405) の 5Q picture に原因があるのかもしれない。

1. Y.Nemoto et al., PRD68, 094505 (2003).

2. W.Melnitchouk et al., PRD67, 114506 (2003).quenched QCD で通常の 3Q operator を使って Λ(1405) を研究すると、中間状態は 3Q 状態が支配的になり、 5Q 状態は中途半端にしか含まれない。

Λ(1405) で 5Q picture が本質的であるならば、mass spectrum が再現できないのが当然である。

3Q dominates intermediate

Page 11: 格子QCDから見た J-PARC

3Q vs 5Q : Λ(1405)

0KnpK (5Q operator)

5Q component is dominantin quenched QCD

uds (3Q operator)

3Q component is domantin quenched QCD

For 3Q calculation,we use 3Q operator

For 5Q calculation,we use 5Q operator

3Q の計算と 5Q の計算を比較してみる。

5Q の計算の方に、 3Q の状態が入らないようにするため、

(i) quenched QCD を採用

(ii) annihilation diagram を省く。( 同時に計算量も削減できる )

5Qの計算により、状況が改善するとΛ(1405) の 5Q picture を支持する有力な状況証拠となる。

Page 12: 格子QCDから見た J-PARC

5Q picture of Λ(1405)

thresholds raised by “HBC”:

Σπ 、 NKbar

5Q

data(“HBC”

)

3Q data5Q

data(PBC)

a variant of HBC: With this “HBC”,N, Kbar, Σ, π have to have minumum momentum of about 500MeV.

3Q vs 5Q

PBC thresholds: Σπ 、 NKbar

★ 3Q mass のカイラル外挿結果 : m3Q = 1.765(8) GeV

★ 5Q(“HBC”) mass のカイラル外挿結果 :

m5Q = 1.887(9) GeV

持ち上がった HBC threshold の下には現れているが、Λ(1405) と identify するには重たすぎる。 m5Q > m3Q > mΛ(1405)   (重くて問題になった 3体の場合よりもさらに重い)

⇒ Naïve 5Q picture of Λ(1405) is unlikely (at least in the heavy quark mass region).

Page 13: 格子QCDから見た J-PARC

結果に対するコメント

当たって砕けた。いろいろな敗因が考えられる。

3Q と 5Q の mixture が重要な役割を果たすのかもしれない。 ( 解を探す空間が広がることによって、エネルギーは下がりえる )

カイラル外挿の不定性を深刻に考えた方がよいかもしれない。 ( もっと軽いクォーク質量領域で直接計算すべきかもしれない )

L=2fm の格子では、小さすぎて入りきらなかった可能性がある。

この計算に導入した様々な近似に行き過ぎがあったのかもしれない。 たとえば、 quenched 近似で、 annihilation diagram を省き、 5Q operator を使って計算した場合、 中間状態から 3Q 状態が消えるだけではなく、 N と Kbar の間で πを交換するような長距離の相互作用も消える。 ( まずいのでは? )

Λ(1405) の真相を探るため、将来別の切り口から迫りたい。

Page 14: 格子QCDから見た J-PARC

Nuclear Forces from Lattice QCD

Page 15: 格子QCDから見た J-PARC

The nuclear force

Reid93 is fromV.G.J.Stoks et al., PRC49, 2950 (1994).

AV16 is fromR.B.Wiringa et al., PRC51, 38 (1995).

核力は原子核物理においてもっとも基本的な概念である。 長距離領域 (r > 2fm) OPEP ( one pion exchange ) [H.Yukawa (1935)]

中間距離領域 (1fm < r < 2fm) multi pion and heavier meson exchanges(“σ”, ρ, ω,..) The attractive pocket is responsible for bound nuclei.

近距離領域 (r < 1fm) Strong repulsive core [R.Jastrow (1951)] The repulsive core plays an important role for (a) stability of nuclei (b) super nova explosion of type II (c) maximum mass of neutron stars

斥力芯の起源の問題は現在も未解決である。 (1) vector meson exchange model (2) constituent quark model Pauli forbidden states and color magnetic interaction (3) etc. この領域においては核子が重なり合うため、斥力芯は 核子の quark/gluon の言葉による内部構造 を反映したものになるはず。⇒ QCD 第一原理計算による核力の研究が長い間切望されてきた。

Nuclear Force

~ 2π

かに星雲

Page 16: 格子QCDから見た J-PARC

格子QCDからのNNポテンシャルへの挑戦

1. static quarks を駆使する方法cf) T.T.Takahashi et al., AIP Conf. Proc. 842, 249 (2006).

2. 波動関数から逆算する方法 ( 我々はこちらを使う )

① 格子QCDでNN波動関数 (BS 波動関数 ) を作る。

② Schrodinger-type の方程式を使って、波動関数からNNポテンシャルを逆算する。

)(

)()()( 0

x

xHErV

Sch

rod

ing

er

eq

.

N.Ishii, S.Aoki, T.Hatsuda, Phys.Rev.Lett.99,022001(’07).

特徴:波動関数から作られるため、NNの散乱データに忠実なNNポテンシャルを構成できる可能性がある。

拡張

S.Aoki et al.(CP-PACS Collab.),Phys. Rev. D71,094504(2005).

Page 17: 格子QCDから見た J-PARC

BS 波動関数

QCD において量子力学の NN 波動関数は 本当は近似的な概念である。 この概念にもっとも近いものが、 同時刻 Bethe-Salpeter(BS) 波動関数

この式は、 x に proton-like な3つのクォーク、 y に neutron-like な 3つのクォークを見つける amplitude

|x-y|→ 大で次の漸近形を持つ。

Schrodinger-like な方程式を満たすことが示せる。

 

 同時刻BS波動関数は、核子の 4点 correlator の large t領域から計算される。

NNyntxpyxt

)0,(),(T0lim)(0

kr

kkrer ki )(sin

)( 0)(0 (s-wave)

)'()',(')( 322 rrrUrdmrk ENE

0

0)(

0)0()0()()(0

0)0()0(),()0,(T0),,(

0Et

E

tE

m

NN

eyxA

npmemynxp

nptyntxptyxF

m

(Contributions from excited states are suppressed exponentially.)

)()(

)()(

5

5

yddCuyn

xudCuxp

cbT

aabc

cbT

aabc

For derivation, see C.-J.D.Lin et al., NPB619,467 (2001).S.Aoki et al., CP-PACS Collab., PRD71,094504(2005).S.Aoki, T.Hatsuda, N.Ishii, arXiv:0805.2462[hep-ph].

Page 18: 格子QCDから見た J-PARC

JP=0+: VT(r) と VLS(r) の寄与は消滅。 VC(r) の寄与のみ生き残る。

Schrodinger eq. を次のように変形する。

Potentials from BS wave function

).'()()()()(),( 212 rrOSLrVSrVrVrrU LSTC

212

2112 /3 rrrS

様々な対称性からくる要請を課した後、 potential term U(r,r’) を微分展開する。

);(

);()();(

01

01

00

1

Sx

SxHESrVC

)()()()(),( 212

OSLrVSrVrVrrV LSTC

JP=1+: VT(r) と VLS(r) の寄与も生き残る。

VT(r) は s-wave と d-wave の結合を生む。

 最初の試み: これらを無視し 0+ の公式をそのまま用いる。

 「単独で exact な 3S1 波動関数を生成する中心力」 =「有効中心力」 が求まることになる。

);(

);()();(

13

13

01

3

Sx

SxHESrV eff

C

)()()()(),( 212

OSLrVSrVrVrrV LSTC

Page 19: 格子QCDから見た J-PARC

Lattice QCD set up

Quenched QCD

standard plaquette gauge action

β = 5.7

1/a = 1.44(2) GeV (a ~ 0.14 fm)

324 lattice (4.44 fm4)

2000 gauge configs are used.

standard Wilson quark action

κ = 0.1665

mpi ~ 0.53 GeV, mN ~ 1.34 GeV (Monte Carlo calculation becomes the harder in the lighter quark mass region.)

Dirichlet(periodic) BC along temporal(spatial) direction on time-slice t=0

wall source on time-slice t=5 to avoid possible boundary artifacts.

Numerical calculation is performed with Blue Gene/L at KEK

0.7fm0.7fm

Nuclear forces from quenched lattice QCD

Page 20: 格子QCDから見た J-PARC

( 有効 ) 中心力 JP = 0+ case (1S0 ) The central force:

JP = 1+ case (3S1 ー 3D1) The effective central force:

近距離の斥力芯と中間距離の引力を 同時に保持するポテンシャルがえられた。

斥力芯も引力も現象論から予想されるものと比べると弱い。 原因の一つはクォーク質量依存性であると考えられる。

);(

);()();(

01

01

00

1

Sx

SxHESrVC

);(

);()();(

13

13

01

3eff

Sx

SxHESrVC

引力

斥力芯

Page 21: 格子QCDから見た J-PARC

中心力のクォーク質量依存性 :

(1) mπ=380MeV: Nconf=2034 [28 exceptional configurations have been removed](2) mπ=529MeV: Nconf=2000(3) mπ=731MeV: Nconf=1000

1S0

現在は直接計算できない physical quark mass での NNポテンシャルを予想するのに必要。

斥力芯の起源を探る手がかりを与える。

★ 軽いクォーク質量領域で、

近距離の斥力芯が急激に成長。

中間距離の引力はなだらかに成長。

★ 軽いクォーク質量を使った格子QCD Monte Carlo 計算が非常に重要である。

Page 22: 格子QCDから見た J-PARC

テンソル力 BS wave function

NN potentials

PRELIMINARY

VT(r)

Comments:

テンソル力は斥力芯と相俟って原子核の安定性に重要。

テンソル力は原子核構造に非常に重要な役割を果たす。

テンソル力の現象論的決定には不定性が伴う。 (特に近距離。 Centrifugal barrier のせい) .

この形は、 πと ρの cancellation から期待されるもの:

この方法はそのまま LS 力に拡張可能 .

fromR.Machleidt,Adv.Nucl.Phys.19

JP=1+ の場合で 3S-D1 の結合を生かした取り扱いも可能である。(LS 力を無視することで、 s-wave と d-wave の連立方程式から中心力 (3S1) とテンソル力が求まる )

Page 23: 格子QCDから見た J-PARC

テンソル力のクォーク質量依存性

軽いクォーク質量領域で、テンソル力は成長する。

(1) mπ=380MeV: Nconf=2020 [28 exceptional configurations have been removed](2) mπ=529MeV: Nconf=1947(3) mπ=731MeV: Nconf=1000

PRELIMINARY

Page 24: 格子QCDから見た J-PARC

よりNN散乱実験データに忠実なポテンシャル

E0

E3

E2

E1

BS 波動関数の長距離における漸近形 :

我々のポテンシャルはこれらの波動関数を 同時に再現するように構成されている。⇒

用いたすべてのエネルギーで散乱位相差がexact に再現される。 ( 波動関数を突っ込めば突っ込むほど位相差の情報が正しくなる )

kr

kkrer ki )(sin

)( 0)(0 (s-wave)

様々なエネルギーのBS波動関数を同時に用いて、

energy independent potential を逆算する。NN 散乱実験にもっと忠実なポテンシャルが得られる。

( 散乱位相差の情報がどんどん正確になる)

この問題は逆散乱理論を介して 近距離において核子の歪みをどうとらえるかという問題 ( QCDの言葉では、 nucleon field の選び方に基づく 不定性の問題 )

BS 波動関数の直交性の問題

ポテンシャルの Non-locality の問題

ポテンシャルのエネルギー依存性の問題 .

等、我々の方法の根幹部分と密接に関連している。

これらの問題を解決し、方法論として整備していくことは、今後の重要な課題である。

Page 25: 格子QCDから見た J-PARC

E0

E3

E2

E1

ポテンシャルのエネルギー依存性

これまでの我々のポテンシャルは、 E=E0 ~ 0での 波動関数のみを用いて構成されたものである。 従って、厳密には散乱長以外は保証されていない。

他のエネルギーでの妥当性を議論するため、 E=E1≠0での波動関数のみを使って、ポテンシャ ルを構成してみる。

得られたポテンシャルの形に変化がなければ、 E0 で構成したポテンシャルが、 E0 から E1 での領域 で有効ということになる。(この区間で正しい位 相差を再現することが保証される)

E=E1 の状態からポテンシャルを作る

quark field の空間方向に反周期境界条件を課す。

nucleon は、 quark奇数個からできている

 ので、やはり反周期境界条件を満たす。

nucleon の空間運動量は次のように量子化される。

この境界条件の下では、最小運動量 

程度で動いている状態が基底状態となる。 ( 相互作用により多少変化。 L ~ 4.4fm では、 約 240 MeV )

E1 ~ 50 MeV( 重心系 )

L

n

L

n

L

np zyx )12(

,)12(

,)12(

)()(

)()(

,5

,5

xddCuxn

xudCuxp

cbTaabc

cbTaabc

Lp

3|| min

Page 26: 格子QCDから見た J-PARC

NNポテンシャルのエネルギー依存性

E ~ 0 MeV でのポテンシャル

E ~ 50 MeV でのポテンシャル

Page 27: 格子QCDから見た J-PARC

NNポテンシャルのエネルギー依存性 ( 拡大版 )

E ~ 0 MeV でのポテンシャル

E ~ 50 MeV でのポテンシャル

おおむね、一致する傾向にある。 でも、まだエラーバーが大きい。

「 ECM = 0 ~ 50 MeV の領域で、我々のポテンシャルが妥当である」

と主張するためには、もっと統計が必要。

Page 28: 格子QCDから見た J-PARC

Nuclear force from 2+1 flavor full QCD

PACS-CS collab. は、 2+1 flavor の full QCDゲージ配位を生成中である。 このゲージ配位は大きな空間体積上で、非常に軽いクォーク質量を採用している。 2+1 flavor full QCD S.Aoki et al., PACSCS Collab., arXiv:0807.1661[hep-lat]

Iwasaki gauge action at β=1.90 on 323×64 lattice

O(a) improved Wilson quark (clover) action with a non-perturbatively improved coefficient cSW=1.715

1/a=2.17 GeV (a ~ 0.091 fm). L=32a ~ 2.91 fm

我々はこれらのゲージ配位を使って、 full QCD による核力を計算する。 .

κud=0.13700, κs=0.13640(mpi ~ 730 MeV)

Nconf=122 (gauge config’s are picked up every 50 traj.)

Each config is used four times by changing the position of the wall source on t=0,16,32,48 planes.

number of data is doubled by using charge conjugation and time reversal symmetry.

κud=0.13770, κs=0.13640(mpi ~ 300 MeV)

Nconf=422 (gauge config’s are picked up every 20 traj.)

Each config is used once. (single position of the wall source on t=0 plane)

Number of data is doubled by using charge conjugation and time reversal symmetry.

Page 29: 格子QCDから見た J-PARC

(Effective) central NN potentials (mpi ~ 730 MeV) from NF=2+1 full QCD

);(

);()();(

01

01

00

1

Sx

SxHESrVC

);(

);()();(

13

13

01

3

Sx

SxHESrV eff

C

01S

13S

Comments: mpi ~ 730 MeV

time-slice t=8 for 1S0 and t=9 for 3S1, where ground state saturation is expected.

非常に巨大な斥力芯 :

原因は現在探索中 .

1 S0

cen

tral

po

ten

tial

fro

m q

uen

ched

QC

D

BS wave functions

from time-slice t=8

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Page 30: 格子QCDから見た J-PARC

Central NN potentials (mpi ~ 300 MeV) from NF=2+1 full QCD

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Comments: Results obtained by NF=2+1 full QCD generated by PACS-CS Collab.

mpi ~ 300 MeV

t 6 ≧ で ground state saturation が達成されている。

もっと統計を貯める必要がある。 ( 中間距離の引力を見るためにも ).

非常に巨大な斥力芯。

原因を現在探索中。

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Page 31: 格子QCDから見た J-PARC

Full QCD at physical quark mass point もっと現実的な結果を提供するためには、 物理的クォーク質量を直接採用した full QCD Monte Carlo 計算を行う必要がある。

数年前までは、これが可能になるのはかなり先のように思われていたが、

 格子 QCD Mente Carlo 計算技術の進歩 と 超高性能なスーパーコンピュータの出現

 によって、これはもはや我々の手の届くところにある。

   ★ この方向に進んでいる研究の一つ:

    from Y.Kuramashi’s talk(PACS-CS) at LATTICE 2008

Page 32: 格子QCDから見た J-PARC

ストレンジネス物理への応用

Page 33: 格子QCDから見た J-PARC

ハイペロン ポテンシャル ハイパー核物理のインプット。

高密度星内部でのハイペロン物質出現の議論に必須。

直接のハイペロンビームが存在しないため、実験的情報は 非常に限られた物しかない。

J-PARC における核物理の主要テーマと直結。

NΞ potential (I=1)

Basic data:mπ=509.8(5) MeV, mK=603.7(5) MeV, mρ=859(2) MeVmN=1297(4) MeV, mΞ=1415(4) MeVa ~ 0.142 fm(1/a ~ 1.39 GeV)

★ NΞ potential (I=1) J-PARC DAY-1 experiment での main target 。

実験的情報は非常に限られた物しかない。

Page 34: 格子QCDから見た J-PARC

N Λ potentials from NF=2+1 full QCD

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拡大版

Comments: Results obtained by NF=2+1 full QCD generated by PACS-CS Collab.

mpi ~ 300 MeV

time-slice t=6 で ground state saturation. が達成されていることが 予想されている。

もっと統計を貯める必要がある ( 中間距離の引力をはっきり見るためにも ).

非常に巨大な斥力芯。 ( 現在原因探索中 )

Page 35: 格子QCDから見た J-PARC

今後の予定 ΛΛ 、NΣポテンシャル等に順次適用していく。

もっと様々なストレンジネス物理に適用してみると興味深いかもしれない。

NKbar系     難しい。 (i) NKbar と πΣ の coupled channel 。 (ii) annihilation diagram 。          (成功したら Λ(1405) に関する新しい知見が得られるかもしれない)

NK系 (Θ+ channel) 簡単。

H-dibaryon 。   斥力芯のないポテンシャルを作れるかもしれない。

次の物に興味がある:

coupled channel の相互作用への拡張

非中心力(テンソル力、 anti-symmetric LS 力)

Page 36: 格子QCDから見た J-PARC

Summary

1. J-PARC によってストレンジネスの物理は新しい局面に突入する。---exotic hadron 、 kaonic nuclei 、 hyperon 相互作用、 etc.

2. 格子QCDもこの期間中に新しい局面を迎える。

a. 超高性能なスーパーコンピュータの出現

b. 物理的クォーク質量を採用したゲージ配位の普及

c. J-PARC の物理を探究するために必要とされる様々なテクニックの発達

格子上の散乱理論

Resonance の扱い

ハドロンポテンシャル

3. これまで蓄積された知識と、新しく利用できるようになった方法を駆使することで、格子QCDは J-PARC の物理に必ず貢献する。