名前の重複を考慮した java ソフトウェア部品間の利用関係解析手法の提案

Department of Computer Science, Graduate School of Information Science & Technology,Osaka University

2008/3/4 SS2007-75 1

名前の重複を考慮したJava ソフトウェア部品間の利用関係解析手法の提案

○ 市井　誠†，横森励士‡ ，井上克郎†

† 大阪大学大学院情報科学研究科‡南山大学数理情報学部情報通信学科

Department of Computer Science, Graduate School of Information Science & Technology, Osaka University

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ソフトウェア部品検索システム

ソフトウェア部品の再利用・理解を支援ソフトウェア部品 : ソフトウェアの構成単位（クラスなど）

検索

ライブラリ部品の再利用

実装例による理解支援

オープンソースソフトウェア

開発現場のソフトウェア

データベース化


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ソフトウェア部品の利用関係ソフトウェア部品は互いに利用関係（依存関係）をもつ

宣言，メソッド呼び出し，継承，…

部品を再利用するためには，利用関係の把握が必要利用関係解析による支援

メソッド呼び出し

フィールド参照

変数宣言

インスタンス生成

継承

依存する部品群実装例となる部品群

メソッド呼び出し


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利用関係解析における問題 [1/2]

部品は名前により参照されるソフトウェアのビルド単位にて一意な識別子

データベース中では，部品の名前は一意では無い同じ部品の異なるバージョン同じインターフェースの異なる実装複製・改変された部品偶然同じ名前

class A { ... foong() { ... B b = new B(); ... } ...}

class B { ...}

?

?

?

class B { ...}

class B { ...}


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...void bar() {}...

利用関係解析における問題 [2/2]

既存の解析手法では，ユーザの要求を満たせない候補が 1 つに絞られてしまっている，もしくは複数の候補を適切に絞り込む手段が無い

利用関係の区別が無い条件付きの利用関係を取得できない

メソッドのカスケード呼び出しなど部品 B1 は使えない．他に無いのか ?

どれを使えば良いのか分からない！

A

B...B b = new B();...

B

B

B1

B2

B3

...B foo() {}void bar() {}...

...C foo() {}...

C

...B foo() {}void bar() {}... ( 部品 A, B2 を見なが

ら )部品 Cは使われていない様に見えるが… ?A

C

...b.foo().bar();...


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目的名前の重複を考慮した，部品間の利用関係解析

対象 : Java

方針候補全てへ利用関係を引く利用関係に属性として優先度と条件を与え，候補の絞り込みを補助す

る

B1

B2

B3

A

B

B

B優先度 2 番目 , …優先度 3 番目 , …

C

優先度 1 番目 , B3 利用時のみ , ...

部品 B1 は優先度が高いが，使えない．部品 B2 を使おう．

必要なのは，部品 Aと B2 だけだなA優先度 1 番目 ,

…

C


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準備 : 基本となるモデルソフトウェア部品検索システム SPARS-J でのモデル

に，説明のための変更を加えたもの参照に対してインディケーションを求めていくことで，エンティテ

ィ間の利用関係を構築する

class A { void foo() { B b = null; }}

class B { void bar() { }}

A

foo

B

bar

“B”

利用関係の単位

エンティティを利用する識別子

参照が指し示すエンティティ


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提案するモデル利用関係に属性 ( 確信度，優先度，条件 ) を追加する

条件 : ( 名前，部品，確信度，優先度）の集合．利用関係が求められたときに用いた，名前の重複しない部品集合インディケーションから求める確信度 : {DEF, ALT}

名前と部品の対応が確かであるという根拠が存在するかどうか存在するとき DEF

優先度 : 0 以上の整数同じ名前をもつ部品の中での優先度 0 が優先度最大

確信度利用関係が確かであるという根拠が存在するかどうか．条件に ALT が含まれなければ DEF ，さもなくば ALT

優先度同じ名前を持つエンティティに対する利用関係の集合の中での優先度条件に含まれる，もっとも低い確信度


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利用関係の属性

インディケーションの属性に，条件を追加参照が指し示すエンティティを特定するときの，名前と部品の対応

利用関係の属性のうちの条件は，対応するインディケーションの条件の要素の積集合

A (A)

foo

B (B)

bar

“B”

{(“B”, B, DEF, 0)}

(DEF, 0, {(“B”, B, DEF, 0)})

(DEF, 0, {(“B”, B, DEF, 0)})


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確信度と優先度

確信度が DEF となる条件出自は同一であり，版管理されていない．出自が同一のリポジトリ・同一のブランチであり，

かつ，それぞれの存在期間が重複する．

優先度の決定方法確信度 DEF の部品は，確信度 ALT の部品より高いファイルパスが近いほど高い

A

B1

B2Software1: /src/A.java

Software1: /src/B.java

Software2: /src/B.java

DEF / 0

ALT / 1


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提案するモデル ( 図 )


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例

A (A)

main

“B”

class A { void main() { B b = …; b.foo().bar(); }}

class B { B foo() { } void bar() { }}

class B { C foo() { }}

class C { void bar() { }}

B (B1)

foo

bar

“foo”

“bar”

“B”

B (B2)

foo

“C”

C (C)

bar

{(“B”, B2, ALT, 1)}

{(“B”, B1, DEF, 0)}

{(“B”, B2, ALT, 1)}

{(“B”, B2, ALT, 1),(“C”, C, ALT, 0)}

{(“B”, B1, DEF, 0)}

{(“B”, B1, DEF, 0)}

依存


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例

A (A)

main

“B”

class A { void main() { B b = …; b.foo().bar(); }}

B (B1)

foo

bar

“foo”

“bar”

“B”

B (B2)

foo

“C”

依存

(DEF, 0, {(“B”, B1, DEF, 0)})

(ALT, 1, {(“B”, B2, ALT, 1),(“C”, C, ALT, 0)})

(ALT, 1, {(“B”, B2, ALT, 1)})

class B { B foo() { } void bar() { }}

class B { C foo() { }}

class C { void bar() { }}

C (C)

bar


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実装

システム構成

部品データベー

ス

パーサ

利用関係解析部

UI

•Java ソースコードを解析し，部品・エンティティ・参照を抽出

•MASU* のパーサを利用

•提案手法を用いて，部品に含まれる参照のインディケーションを求める

•ユーザのクエリを受け付け，利用関係を出力する

•クラス単位•Web アプリケーションとして

実装

Java ソースコード集合

ユーザ* 谷口，”多言語対応メトリクス計測ツール MASU の開発， ''ウィンターワークショップ 2007 ・イン・那覇論文集， pp.29-30 ， 2007.


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適用実験対象

JDK1.2.2, JDK 1.4.2, 91 個の OSS Tomcat, Commons, Eclipse, NetBeans, JBoss, …

紹介する例 java.net.URL (JDK 1.2.2) org.apache.commons.collections.FastArrayList (Commons collecti

ons 3.1) org.jboss.test.util.web.HttpUtils (JBoss 3.2.5)

部品エンティティ参照インディケーション

すべて優先度 : 0

127,903 1,396,487 11,539,473 10,543,794 5,534,129


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URL (JDK 1.2.2)


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FastArrayList (Commons collections 3.1)


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HttpUtils (JBoss 3.2.5)


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考察

不正確な利用関係が存在一部の部品だけに存在するメンバへの参照必ずしも不要とは言い切れない

再利用する機能に無関係なら，対応する参照を削除すれば良い利用関係の優先度を下げる UI にて，メンバ単位で利用関係を閲覧出来るようにする


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まとめ

名前の重複を考慮した利用関係の構築手法を提案解析システムを試作

今後の課題不正確な利用関係への対処

優先度への反映 UI での対応

ソフトウェア部品検索システムとしての実装


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Backward relation


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準備 : 基本となるモデル用語

エンティティ (Entity) 部品から参照される要素クラス（インターフェース等を含む），

メンバ（メソッド，フィールド）参照 (Reference)

エンティティに含まれる，エンティティを利用する記述

変数宣言の型，メソッド呼び出し等インディケーション (Indication)

参照とエンティティのペア参照が指し示すエンティティを表現

利用関係 (use relation) エンティティとエンティティのペア

参照に対応するインディケーションを求めることで，部品間の利用関係を求める

簡単の為に参照の名前は，完全限定名メソッドは引数を持たない

class A { void foo() { B b = null; }}

class B { void bar() { }}

A

foo

B

bar

“B”

A B


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基本となるモデル : クラス図風表記

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