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第25回消化器疾患談話会(2013.7.25) 留萌市立病院大腸癌研究 -KRAS, BRAF変異解析を中心に- 留萌市立病院 病理診断科 池田英之、木村憲一、伊藤雅代、大西啓之

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第25回消化器疾患談話会(2013.7.25)

留萌市立病院大腸癌研究 -KRAS, BRAF変異解析を中心に-

留萌市立病院 病理診断科 池田英之、木村憲一、伊藤雅代、大西啓之

Page 2: -KRAS, BRAF変異解析を中心にrumoi-hp.jp/download/department/pub_byourishindan05.pdfKRAS遺伝子変異検索は、外注により2010年 から29例に実施。2008-2013年病理で検討し

背景

近年、様々な疾患に対する、分子標的治療薬が次々に開発され、血液腫瘍、GIST、乳癌等で大きな成果を挙げている。大腸癌においても、EGFRを標的とした抗体療法(セツキシマブ、パニツムマブ)が実用化されている。

2008年日本臨床腫瘍学会「抗EGFR抗体治療を行うためのガイドライン」を策定 2010年より院内でも外注によりKRAS遺伝子変異検索が行われてきた。

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今回の大腸癌研究 目的と方法

目的: KRAS, 次いでBRAF遺伝子変異に焦点を当てて、当院大腸癌症例を検討する。

方法: 1. 外注によりKRAS遺伝子変異を検討した大腸癌29症例を対象として、結果、特徴を明らかにする。 2. KRAS変異とBRAF変異は「相互排他的」といわれる。新たにBRAF変異特異的免疫染色を院内で樹立し、これを確認する。 3. BRAF変異陽性症例の特徴を明らかにする。 4. 代表的な症例を供覧する。

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http://www.gi-cancer.net/gi/gi-pedia/vol03/img/z06s.jpg

http://static.abdserotec.com/PDFS/antigen-antibody-structure_500_168.jpg

EGFRとその下流のシグナル伝達経路

EGFR 膜受容体型リン酸化タンパク

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http://static.abdserotec.com/PDFS/antigen-antibody-structure_500_168.jpg

EGFRとその下流のシグナル伝達経路

抗EGFR抗体治療薬 "セツキシマブ, パニツムマブ"

"機能獲得性 遺伝子変異"

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http://static.abdserotec.com/PDFS/antigen-antibody-structure_500_168.jpg

EGFRとその下流のシグナル伝達経路

抗EGFR抗体治療薬 "セツキシマブ, パニツムマブ"

"相互排他的"

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今回検討した症例のまとめ

臨床から25名 病理3名, 計28名 男性20名(69歳) 女性8名(68.4歳) 部位別 盲腸:1, 上行: 3, 横行: 2, 下行: 3, S状: 9, 直腸:11 Stage別 Stage I:1 Stage II: 5 Stage III: 10 Stage IV: 12 症例Gは下行、直腸同時性多発癌(症例供覧)

患者 年齢 性別 部位 stage KRAS OS 転帰

KR

AS

変異あり

A 74 F 盲腸 cIV(HM) G12D 728 生存

B 62 M S/C pIIIa G12V 1599 生存

C 63 M S/C pIIIa G12S 1520 死亡

D 71 M S/C sIV(H) G12D 656 生存

E 71 F S/C pII G12D 73 生存

F 58 M 直腸(肝転移) sIV(H) G12A 1032 死亡

G 61 M 直腸 pIIIa G13D 66 生存

H 69 M 直腸 pIIIa G13D 633 不明

I 71 M 直腸 pII G12D 1737 死亡

J 73 M 直腸 pIV(H) G12D 1179 死亡

患者 年齢 性別 部位 stage KRAS OS 転帰

KR

AS

変異なし

a 53 F A/C pII (-) 272 生存

b 72 M T/C(肝転移) pIV(HM) (-) 672 死亡

c 78 M T/C pIIIa (-) 318 生存

G 61 M D/C pII (-)

d 77 M D/C(D~S) sIV(H) (-) 1152 死亡

e 76 F D/C sIV(H) (-) 159 死亡

f 73 M S/C sIV(H) (-) 598 死亡

g 76 M S/C sIV(HP) (-) 727 生存

h 67 F S/C pIIIa (-) 132 生存

i 74 F S/C sIV(H) (-) 829 生存

j 57 M 直腸 cIV(HM) (-) 71 死亡

k 69 M 直腸 sIIIa (-) 1209 生存

l 73 M 直腸 cIIIb (-) 67 生存

m 76 M 直腸 pIIIb (-) 508 生存

n 78 M 直腸 cIV(H) (-) 841 死亡

o 61 F 直腸 sIIIa (-) 996 死亡

p 62 M A/C pII (-) 129 死亡

q 71 F A/C pII (-) 200 生存

r 61 M S/C pI (-) 1161 死亡

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結果(1/2)KRAS変異について

KRAS遺伝子変異検索は、外注により2010年から29例に実施。2008-2013年病理で検討した全大腸癌症例252例の約11.5%に相当する。

1. 陽性:10/29例、34.5% 2. 男性8名(平均66歳), 女性2名(同72.5歳) 3. 部位: 盲腸1, S状結腸4, 直腸5 4. 変異の内訳: G12D(n=5), G12A, G12S, G12V(各n=1), G13D(n=2) 5. Stageは、II(n=2), IIIa(n=4), IV(n=4) 6. OS[平均生存日数]は922日。KRAS陰性症例のOSは558日。

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KRAS遺伝子変異 部位別結果

変異

あり

100

%

盲腸(1/1件)

変異

あり

44%

S状結腸(4/9件)

変異

あり

45%

直腸(5/11件)

全体: 10/29 34.5% S+直: 9/20 45%

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OS解析(KRAS変異+/-)

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結果(2/2)BRAF変異について

外注(直接シークエンス法)によるBRAF遺伝子変異検索は2012年末から3例に実施。変異陽性は1/3例に認められた。

先に報告したV600E変異特異的免疫染色により、新たに2例がKRAS陰性群より見出された。 1. 合計3/29例、10.3% 2. 男性2名(72.5歳), 女性1名(53歳) 3. 部位別:上行結腸1, S状結腸1, 直腸1。 4. Stageは、II(n=1), IIIa(n=1), IV(n=1) 5. 2名は手術後、1名は非手術CR後。 6. BRAF変異陽性のOS[平均生存日数]は736日。KRAS・BRAFいずれも陰性は522日。

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OS解析(KRAS変異+/-)

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OS解析(KRAS変異+/-, BRAF変異+/-)

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考察(1/2)KRAS遺伝子変異

日本癌治療学会の5000人以上の大規模研究報告(2010): 変異率は37.6%。女性(40.9%), 年齢(70台), 左側+直腸原発(69.4%)に有意差あり。変異は12Dに79.5%が認められた。

当院においては(n=29): 変異率は34.5%。男性(40%), 年齢(70台)が多い。S状+直腸原発(45%)は有意差あり( P<0.05)。変異は12Dに80%認められた。

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考察(2/2)BRAF遺伝子変異

日本癌治療学会による、進行再発切除不能大腸癌226人におけるBRAF変異に関する報告(2012): 変異率は全体の9%, KRAS野生型の15%, 予後不良因子と考えられている。

当院においては(n=29): 変異率は10.3%, KRAS野生型の15.8%。陽性3例のみの検討であるが、予後不良因子とはいえない。 臨床的に、KRAS変異陰性でも抗EGFR治療無効例となりうることに注意。

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D/CにI型、Rsに2型腫瘍を認め、一期的に切除。D/CはpStage II, RsはpStage IIIa。 KRAS遺伝子変異: D/C(-), Rs(+)(G13D). BRAF遺伝子変異(免染): D/C(-), Rs(-). 「古典的経路」の代表的症例

症例1(G): 61M, 同時性多発癌 tub1, tub2, pStage II(D/C), pStage IIIa(Rs)

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大腸癌-多段階発癌(古典的経路) "adenoma-carcinoma sequence, de novo cancer"

"Genetycな変化"

http://www.pnas.org/content/99/14/9433/F1.large.jpg改変

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症例2(a): 53F, Adenocarcinoma, A/C, rt-hemicolectomy CK7+, CK20-, CDX2-

HE, 40x, 200x 40xCK7

上行結腸ほぼ全体にわたる巨大腫瘍。十二指腸へ直接浸潤(SI)を示す低分化癌。 CK7+, CK20-, CDX2-という、大腸癌としては非典型症例として、本年3月佐藤先生が内科地方会で発表。

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Microsatelite instability (MSI)

http://www.falco-genetics.com/gene_analysis/clin_gene/msi.html

マイクロサテライト不安定性(MSI)とは、DNA複製時にミスマッチ修復機構の機能低下により、腫瘍部位と非腫瘍部位でマイクロサテライトの反復回数に違いが生じることをいう。遺伝性大腸癌のリンチ症候群(HNPCC)で90%陽性。 散発性(通常の)大腸癌の10%前後がMSI陽性と考えられている。

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CpG island methylator phenotype (CIMP)

http://missinglink.ucsf.edu/lm/genes_and_genomes/images/methylation1.png

http://www.pnas.org/content/96/15/8681/F4.large.jpg改変

CIMP+, MSI+

MLH1

MLH1(mut Lhomolog 1)はリンチ症候群の原因遺伝子の一つで、DNAミスマッチ修復に関わる。CIMP+, MSI+の大腸癌では、プロモーター領域のメチル化によりMLH1遺伝子発現が抑制されている。

"DNA" ACGT TGCA

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40xBRAF, 100xMLH1

MSI-H(7/8shift陽性)

症例2(a): 53F, Adenocarcinoma, A/C, rt-hemicolectomy CK7+, CK20-, CDX2-, BRAF変異+, MLH1-, MSI-H+

引き続き検討した結果、BRAF変異+, MLH1発現減弱, MSI-Hが判明。女性、右側結腸原発、CIMP・MSI陽性の進行大腸癌と考えられた。

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大,小2片のEMR検体(1cm, Isp)。組織学的に、種々の鋸歯状腺管(SA, SSA/P, HP)と, 管状腺腫が、区域性を持って出現する、mixed polypsを背景に、tub1を認める。tub1はBRAF(V600E)陽性(免染、SEQ)。 女性、右半結腸、Serrated pathway由来、BRAF陽性の早期癌。当院初症例。

症例3: 70F, Adenocarcinoma in adenoma (mixed polyps), A/C, EMR

セミマクロ、12.5xBRAF

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大腸癌-多段階発癌(Serrated pathway)

http://coloproctol.org/ArticleImage/0009JKSC/jksc-24-497-g004-l.jpg改変

"Geneticかつepigeneticな変化"

BRAF変異+ ➔ CIMP+ ➔ MSI+

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http://www.hindawi.com/journals/pri/2012/509348.fig.002a.jpg改変

大腸癌-多段階発癌

KRAS

MSI+

古典的経路

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症例提示を含めたまとめ

1. KRAS変異を出発点に、留萌市立病院大腸癌症例を検討した。BRAF変異陽性例、従来の多段階発癌とは異なる"Serrated pathway"陽性症例を提示した。 2. 日常診療においては、KRAS変異が陰性の場合は、BRAF免疫染色を検討する。 3. KRAS・BRAFのような「ジェネティック」な診断に加え、MLH1のような「エピジェネティック」な診断も取り入れていきたい。 4. BRAF変異は、大腸癌以外でも様々な悪性腫瘍の、診断・治療の重要なバイオマーカーとなりうる。免疫染色を活用していきたい。

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謝辞 今回の発表にあたり、多数の検討症例をご提供頂きました、内科、外科の皆様に感謝申し上げます。

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参考文献

1. 大腸癌患者におけるKRAS遺伝子変異の測定に関するガイダンス 医学のあゆみ、2009 228(13):1242-47.

2. Toyota M, Ahuja N, Ohe-Toyota M, Herman JG, Baylin SB, Issa JP. CpG island

methylator phenotype in colorectal cancer. Proceedings of the National Academy of Sciences

of the United States of America [Internet]. 1999 Jul 20;96(15):8681–6.

3. Nakanishi R, Harada J, Tuul M, Zhao Y, Ando K, Saeki H, et al. Prognostic

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2012 Nov 29 [cited 2013 Jun 24];

4. Yamauchi M, Morikawa T, Kuchiba A, Imamura Y, Qian ZR, Nishihara R, et al.

Assessment of colorectal cancer molecular features along bowel subsites challenges the

conception of distinct dichotomy of proximal versus distal colorectum. Gut [Internet]. 2012

Jun [cited 2013 Feb 8];61(6):847–54.

5. Gurzu S, Jung I. Aberrant pattern of the cytokeratin 7/cytokeratin 20

immunophenotype in colorectal adenocarcinomas with BRAF mutations. Pathology,

research and practice [Internet]. 2012 Mar 15 [cited 2013 Jul 1];208(3):163–6.

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Improved survival with vemurafenib in melanoma with BRAF V600E mutation. The New

England journal of medicine [Internet]. 2011 Jun 30 [cited 2013 May 22];364(26):2507–16.

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