構築主義的学習 ― logo とmindstorms

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構築主義的学習 LOGO MINDSTORMS 1. 構築主義的学習の理論 2. LOGO 3. MINDSTORMS 4. 授業への導入例

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構築主義的学習 ― Logo とmindstorms

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Page 1: 構築主義的学習 ― Logo とmindstorms

構築主義的学習 ― LOGO とMINDSTORMS

1. 構築主義的学習の理論2. LOGO3. MINDSTORMS4. 授業への導入例

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構築主義的学習の理論

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ピアジェの理論に基づいた学習形態› 「教えられなくても覚えてしまう」自発的学習   Ex. 歩く、言葉を発する

小さな子供でも自然と身に付いた学習 一方で、学校などで「教え」が無ければできないこともある Ex. 相対性理論?外国語?

その違いはどこにあるのだろうか?

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『建設者は全ての建設の素材を必要とする』(パパート)› 子供のための「建設の素材」は「文化の中」にある ⇨素材があれば、ピアジェ式学習は促進される

cf.ピアジェ この違いを「観念自体の複雑さや形式」によるものとした› どういう環境の子供でも、ほぼ同時期に同じ観念を直感的に理解する、ということ

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個人向けコンピュータが世に出始める› 「パーソナルコンピュータ」の一般化

⇨今後は日常生活に多くのコンピュータが入り込む

「コンピュータ文化」の始まり⇨ピアジェ式学習のための「建築の素材」が大きく変わる› 子供が自律的に考え、それぞれの目的のために知識を獲得するようになる

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コンピュータは「形式的」なものを「具体化」できる ⇨具体的に扱う中で、形式的思考の足がかりとなる知識を得る

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プログラムのポイントは「間違いがないか」より「バグを修正可能か」

優れたプログラマーとは  間違いを起こさない  バグを発見し、それを取り除くことができる

「プログラミング的」学習›「正解か不正解か」よりも「間違いを修正する」ことに重点を置く(デバッグ) ⇨失敗を恐れずに挑戦できるようになる

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1. 「現実に発達している知的構造」よりも「今後発達しうる(かもしれない)知的構造」を知りたい

1. それに共鳴するような教育環境を作りたい

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1. 「現実に発達している知的構造」よりも「今後発達しうる(かもしれない)知的構造」を知りたい

1. それに共鳴するような教育環境を作りたい

1. 「子供の中(その発達過程)にあって、未だ表明されていない」一組の強力な数学的概念を確認すること

1. 子供の環境にあってこれらの概念と接触を持たせるための過渡的な存在を生み出すこと

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LOGO

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プログラミング言語 児童の思考能力を訓練するためにデザイン ”ギリシャ語の logos ”(言葉)が由来› 他の言語が「数」を処理するように LOGOは「単語」を処理する

出力機器として「タートル」がある› 視覚的にプログラムを確認、デバッグに移行するため

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正方形をかいてみようForward 100Right 90Forward 100Right 90Forward 100Right 90Forward 100

…;同様に

Repeat 4Forward 100Right 90

END

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三角形をかいてみようForward 100Right 120Forward 100Right 120Forward 100

…;同様に

TO TRIANGLE :SIZERepeat 3

Forward :SIZERight 120

END

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1. 数学的な知識› 角度、長さの概念から「微分」まで!!

2. 学習法の知識1. 「プログラミング的」手法(デバッグなど)2. ポリヤの理論 「問題解決の為の一般的な方法を教えよ」

問題にあたったら、いくつかの質問を考える もっと小さな問題に分けられるか? 既に解き方を知っている問題に関連づけられるか?

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ポリヤの理論ポリヤの理論

HOUSEを作る課題⇨SQUAREと TRIANGLEに分けて考える›もっと小さな問題に分ける

円を書く課題›「タートルになってごらん」⇨自分で動いてみると、「どうタートルを動かすか」が見えてくる›既に解き方を知っている問題に関連づける

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LOGOの評価

Clements(ケント州立大 )› CAI学習(コンピュータによる学習)と比較し、認知発達(創造的思考、メタ認知、熟慮性、操作的能力、空間認知能力)について優位な差を認めた

Pea(バンクストリート大学 )› LOGOで培われたプログラミング能力が通常の学習に転移することはなかった› 子供はデバッグを「一からやり直す」「その後に軌道修正の処理を加える」という方法で行う プログラミング的な思考はできていない!

2005 年度 BEAT Seminar 第3回 より

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LOGOの展開

Ex) MicroWorlds EX•イラスト・音楽・文字などを組み合わせて一つの画面でコンテンツを作り上げる

Ex) LEGO Mindstorms•GUIによる簡単なプログラミングにより、ロボットを操作・制御できる

Ex)3D-Logo,StarLogo•LOGOタートルを3次元で扱えるようになったり、複数のタートルを同時に制御できる

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MINDSTORMS

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LEGO MINDSTORMS  NXT

・レゴブロックで作られたロボットを、

パソコンからダウンロードしたプログラ

ムで動かすことができる

・レゴ社と MIT が共同開発

・名前はパパートの著書から

(パパートも開発に携わっている)

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LEGO MINDSTORMS  NXT

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LEGO MINDSTORMS  NXT

構成要素

・コンピューターブロック NXT

・センサー(タッチ , 光 , 超音波 , サウンド)

・モーター

・レゴブロック(シャフト , ギア , アーム , …コネクター etc)

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LEGO MINDSTORMS  NXT

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LEGO MINDSTORMS  NXT

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LEGO MINDSTORMS  NXT

DEMO

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LEGO MINDSTORMS  NXT

PCでプログラミング

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LEGOMINDSTORMS NEXT

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LEGOMINDSTORMS NEXT

実物を見てみましょう

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レゴを授業に取り入れる立命館小学校「ロボティクス科」

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きっかけ

日本の将来に対する憂慮

OECDの PISAテスト

IEAの TIMSSテスト

数学・理科の授業に対する子どもたちの意識 (TIMSS)

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目標

「学ぶことの楽しさ」 「できることの喜び」を存分に子どもたちに味わわせる

1.基礎基本の確実な拾得

2.サイエンスを重視したものづくり体験学習

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ロボティクス科とは

基本的な授業の流れ

2時間連続 90分授業  (40分+ 10分+ 40分 )

説明→製作→ 話合い・交流→製作→言葉でのまとめ

力・構造 電気・回路 プログラミング・制御

デザイン 社会倫理

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使用する教材

クリケット (CSKホールディングスとの共同)

スクイーク (日本ヒューレット・パッカード社との共同 )

レゴ (レゴ・ジャパン株式会社の協力 )

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レゴを使った授業

1 ……年生 レゴ・ミニセット (歯車・車輪 )力・構造

2 ……年生 レゴ・ミニセット (てこ・滑車 )力・構造

3 ……年生 レゴ・ミニセット (歯車・車輪・てこ・滑車 )力・構造

4 ……年生 レゴマインドストーム NXT電気・回路、プログラミング・制御、デザイン、社会倫理

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低学年はミニセット

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4年生はレゴ・マインドストーム NXRでレスキューロボット

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論点 

実践報告は見られるが、科学的な効果測定があまりされていない?

利用される分野は工学教育(ものづくり、ロボット、プログラミング)に限られる。実践主体も高専が多く、普通科での事例はあまりない

LOGO や MINDSTORMS による学習はどの範囲で転移するか