アジア欧州会合 - ministry of foreign affairs4 asem asem 5 政治分野...

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外務省 編集:経済局アジア欧州協力室  発行:国内広報課 〒100-8919 東京都千代田区霞が関2-2-1 電話(03)3580-3311(代表) ASEMに関する最新の情報については、以下のウェブサイトをご覧下さい。 外務省ホームページ(ASEM)http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/asem/index.html ASEM情報ボード(英文) http://www.aseminfoboard.org 写真提供●アイルランド政府観光庁、アジア欧州財団(ASEF)、イタリア政府観光局(E.N.I.T)、エストニア大使館、韓国観光公社、ギリシャ政府観光局、 国際観光振興機構、スカンジナビア政府観光局(http://www.visitscandinavia.or.jp)、スペイン政府観光局、中国国家観光局、日本アセアンセンター、フラン ス大使館、マレーシア大使館、○European Community, 2005、○Government of lreland 2004(http://www.eu2004.ie) このASEMロゴはASEM第5回外相会合(2003 年7月、バリ島)において決定されました。ア ジアの筆使いと簡略化されたローマ字E、そし て赤と青の組み合わせにより、異なる文化を 持つアジアと欧州が歩み寄り、協力を行う ASEMがシンボル化されています。 ASEM C C 平成17年3月:5,000

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  • 外務省編集:経済局アジア欧州協力室 発行:国内広報課〒100-8919 東京都千代田区霞が関2-2-1電話(03)3580-3311(代表)

    ASEMに関する最新の情報については、以下のウェブサイトをご覧下さい。外務省ホームページ(ASEM)http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/asem/index.htmlASEM情報ボード(英文) http://www.aseminfoboard.org

    写真提供●アイルランド政府観光庁、アジア欧州財団(ASEF)、イタリア政府観光局(E.N.I.T)、エストニア大使館、韓国観光公社、ギリシャ政府観光局、国際観光振興機構、スカンジナビア政府観光局(http://www.visitscandinavia.or.jp)、スペイン政府観光局、中国国家観光局、日本アセアンセンター、フランス大使館、マレーシア大使館、○European Community, 2005、○Government of lreland 2004(http://www.eu2004.ie)

    このASEMロゴはASEM第5回外相会合(2003年7月、バリ島)において決定されました。アジアの筆使いと簡略化されたローマ字E、そして赤と青の組み合わせにより、異なる文化を持つアジアと欧州が歩み寄り、協力を行うASEMがシンボル化されています。

    ア ジ ア 欧 州 会 合

    ASEM

    C C

    平成17年3月:5,000

  • 笋 筌

    筥 筴

    筺 笊

    笆 笘

    笄 筍

    笶 筐

    2● ASEM

    アジア欧州会合(Asia-Europe

    Meeting , ASEM)は、冷戦後の国際社

    会の中でダイナミックな変容と発展を

    とげるアジアと欧州の関係を強化する

    ことを目的として、1996年に開始され

    ました。

    アジアの10か国(現在のASEAN加

    盟10か国のうちカンボジア、ラオス、

    ミャンマーを除いた7か国及び日中

    韓)、当時のEU加盟15か国及び欧州委

    員会が参加して開催された第1回首脳

    会合以来、ASEMは政治、経済、社

    会・文化などの3つの柱を中心として

    活動してきました。

    第5回首脳会合(2004年10月)では、

    ASEAN加盟国のうちASEMに未参加

    であった3か国(カンボジア、ラオス、

    ミャンマー)と2004年にEUに新たに加

    盟した10か国のASEMへの新規参加が

    承認され、ASEMはASEANプラス3と

    EUが参加するフォーラムとして新た

    なスタートを切りました。

    日本は、既存のグローバルな枠組み

    や地域協力の枠組みを補完し、欧州諸

    国のアジアへの関心と関与を高める機

    会として、また、アジアと欧州との橋

    渡し役として貢献を行う場として

    ASEMを重視しており、2005年5月には

    第7回外相会合を京都で開催する予定

    です。

    首 脳 会 合ASEM参加国の首脳は、2年毎に開催される首脳

    会合において政治、経済、社会・文化、その他の

    幅広い課題について、率直に意見を交換し、また、

    新規参加など、ASEMの枠組み全体に関わる事項

    についてASEMとしての意思決定を行っています。

    これまでに開催された首脳会合の主な成果は以

    下のとおりです。

    1996年3月 第1回首脳会合(於:バンコク)アジア経済が急成長する中、アジアと欧州の対等な対話・協力の場を設定

    1998年4月 第2回首脳会合(於:ロンドン)直前に生じたアジア経済危機に対するアジアと欧州の協力・対応等につき討議(「アジア金融・経済情勢に関する声明」を発出)

    2000年10月 第3回首脳会合(於:ソウル)アジア欧州協力枠組み(AECF2000)を採択し、ASEMの将来の方向性を打ち出すとともに、朝鮮半島情勢等につき討議(「朝鮮半島の平和のためのソウル宣言」を発出)

    2002年9月 第4回首脳会合(於:コペンハーゲン)テロとの闘いのための協力強化や小泉総理訪朝等につき討議(「朝鮮半島のASEMコペンハーゲン政治宣言」「国際テロリズムに関する協力のためのASEMコペンハーゲン宣言」を発出)

    2004年10月 第5回首脳会合(於:ハノイ)ASEM参加国の拡大を承認、アジアと欧州のパートナーシップの更なる活性化と実質化にいかに取り組むべきかにつき討議(「より緊密なASEM経済パートナーシップに関するハノイ宣言」「文化と文明間の対話に関するASEM宣言」を発出)

    第6回首脳会合は、2006年9月にフィンランドで開催されます。

    [欧州側 ]笊オーストリア笆ベルギー笳キプロス笘チェコ笙デンマーク笞エストニア

    笵フィンランド笨フランス笶ドイツ筐ギリシャ筺ハンガリー笄アイルランド筍イタリア

    笋ラトビア筌リトアニア筅ルクセンブルク筵マルタ筥オランダ筴ポーランド筧ポルトガル

    筰スロバキア筱スロベニア筬スペイン筮スウェーデン箝英国箘欧州委員会

    [アジア側 ]笊日本笆中国笳韓国笘ブルネイ笙カンボジア笞インドネシア

    笵ラオス笨マレーシア笶ミャンマー筐フィリピン筺シンガポール笄タイ筍ベトナム

    ASEM参加国(38カ国と1機関・2005年現在)

    ASEMとその他のフォーラム等との関係

    ※注:ARF閣僚会合およびASEAN・PMCにおいては、欧州からはEUとして参加(加盟国が個々には参加せず)。会合にはEUトロイカ(通常はEU議長国外相、EU共通外交安全保障政策(CFSP)上級代表及び欧州委員会対外関係担当委員)が出席。

    ASEMの枠組み

    ASEMの枠組みでは、首脳会

    合を頂点として、外相会合、経

    済閣僚会合、財務大臣会合等が

    開催されています。

    外相会合では、政治、経済、

    社会・文化その他の3つの柱につ

    いての議論に加え、首脳会合の

    付託を受け、ASEMの枠組み全

    体に関わる包括的な課題につい

    て議論を行っています。

    SOM・・・高級実務者会合(Senior Officials,Meeting)

    SOMTI・・・貿易と投資に関する高級実務者会合(Senior Officials,Meeting on Trade and Investment)

    ASEMには常設の事務局が存在せず、アジア側からはASEAN及び日中韓からそれぞれ1か国(基本的に2年間)、欧州側からEU議長国と欧州委員会が調整国を務め、事務局機能を果たしています。

    ●モンゴル ●北朝鮮 ●パキスタン

    ●インド

    ●米国 ●豪州 ●カナダ ●NZ ●ロシア

    EU加盟国 ●キプロス   ●オーストリア ●チェコ    ●ベルギー ●エストニア  ●デンマーク ●ハンガリー  ●フィンランド ●ラトビア   ●フランス ●リトアニア  ●ドイツ ●マルタ    ●ギリシャ ●ポーランド  ●アイルランド ●スロバキア  ●イタリア ●スロベニア  ●ルクセンブルク         ●オランダ         ●ポルトガル         ●スペイン         ●スウェーデン         ●英国

    ●パプアニューギニア

     + 欧州委員会

    ●メキシコ  ●チリ ●ペルー  ●中国香港 ●チャイニーズ・タイペイ

    ●カンボジア  ●ブルネイ ●ラオス    ●インドネシア ●ミャンマー  ●マレーシア         ●フィリピン         ●シンガポール         ●タイ         ●ベトナム

    ●日本 ●中国 ●韓国  +

    ASEAN

    ASEAN+3

    ASEM

    ARF

    ASEAN・PMC

    APEC

    ※注

    ※注

    ASEMの枠組み

    ※注:数値はアジア側13か国、欧州側25か国の2003年のデータ合計ASEMA S I A - E U R O P E M E E T I N G

    ASEM ●3

    首脳会合

    外相会合

    財務大臣会合

    移民管理 大臣会合

    局長級会合 全体SOM

    環境大臣会合

    調整国会合

    SOMTI

    経済調整国 会合

    文化と文明に 関する会合

    科学技術 大臣会合

    経済閣僚会合

    人 口

    世界の中のASEM

    その他 61%

    欧州 7%

    アジア 32%

    ASEM39%ASEM39%

    ASEM49%

    ASEM59%

    GDP

    欧州 30%

    アジア 19%

    その他 51%

    ASEM39%

    ASEM49%ASEM49%

    ASEM59%

    貿易

    欧州 40%

    アジア 19%

    その他 41%

    ASEM39%

    ASEM49%

    ASEM59%ASEM59%

    ASEM参加国A S E M と は

  • ASEM ●54● ASEM

    政 治 分 野ASEMは、アジアと欧州との間で政治問

    題について協議することのできる唯一の枠

    組みであり、ASEMにおける政治問題に関

    する議論は着実な進展を見せています。

    ASEMの首脳会合や外相会合においては、

    その時々の国際情勢に応じ、両地域共通の

    関心事項について意見交換が行われていま

    す。朝鮮半島やイラク、中東和平といった

    主要な地域情勢に加え、最近では、国際テ

    ロリズムや大量破壊兵器の拡散をはじめと

    する安全保障上の脅威、気候変動、感染症

    等も含む地球規模の脅威にASEM参加国が

    いかに対処すべきか、また、これらの問題

    に効果的に対処するために、国連を含む国

    際秩序はどうあるべきか等のテーマが取り

    上げられています。それぞれの会合におい

    ては、議論を総括した議長声明及び特に重

    要と考えられる個別の問題に関する独立し

    た宣言等の文書が発出されています。国際

    社会の主要問題について、アジア・欧州間

    の共通の見解を形成し、対外的に発信する

    上で、これらの会合は重要な意義を有して

    います。

    外相会合における政治分野の主な宣言

    テロ対策分野での協力

    アジア欧州議員会議

    PoliticalDeclarations

    Cooperation AgainstInternational Terrorism ASEP

    2002年9月の第4回首脳会合(写真:下)に

    おいて、テロは国際の平和と安全に対する

    重大な脅威であり、全ての国と人類全てに

    対する挑戦であると位置付け、テロとの闘

    いのためにアジアと欧州の間の協力を強化

    することを内容とする「国際テロリズムに

    関する協力のためのASEMコペンハーゲン

    宣言」が採択されました。右を受け、日本、

    中国などの共同提案により、第1回ASEMテ

    ロ対策セミナーが2003年9月に北京で、ま

    た、第2回のセミナーが2004年10月にベル

    リンで開催されました。

    これまでの外相会合では、議長声明以外に、

    中東和平に関する政治宣言、インド・パキス

    タン情勢に関する宣言(第4回外相会合)、大

    量破壊兵器及びその運搬手段の拡散防止に関

    する政治宣言(第5回外相会合)、多国間主義

    に関するASEM宣言(第6回外相会合)などが

    採択されました。特に、大量破壊兵器及びそ

    の運搬手段の拡散防止に関する政治宣言は日

    本が主提案国となってとりまとめたものであ

    り、日本のイニシアティブは各国から高い評

    価を得ました(写真:1997年2月の第1回外相

    会合)。

    第1回首脳会合開催準備が進められていた

    1996年初め、欧州議会代表団が議会の立場

    からアジアと欧州の交流を行うための議員

    会議の開催を提案し、同年4月に第1回アジ

    ア欧州議員会議(Asia-Europe Parliamentary

    Partnership)がストラスブールにおいて開

    催されました。その後2002年8月にマニラに

    て第2回会議、2004年3月にフエ(ベトナム)

    で第3回会議が開催され、ASEM参加国の国

    会議員とともに日本からも国会代表団が参

    加しています(写真:下)。第3回会議では、

    国際情勢、世界貿易、文化多様性等につい

    て幅広い議論を行い、同年10月に開催され

    た第5回首脳会合に向けての議会としての提

    言をまとめました。

    PoliticsA S I A - E U R O P E M E E T I N G

  • ASEM ●76● ASEM

    経 済 分 野

    ASEMでは、経済・金融分野での協力関

    係の更なる発展を目指し、首脳及び閣僚の

    各レベルで活発な議論が行われています。

    例えば、第2回首脳会合(1998年4月、於:

    ロンドン)では、当時のアジア通貨危機を

    反映し、「アジア金融・経済情勢に関する声

    明」が採択されました。また、第4回首脳会

    合(2002年9月、於:コペンハーゲン)の際

    に首脳間で発足に合意した「アジア欧州間

    のより緊密な経済パートナーシップに関す

    るタスクフォース」は、第5回首脳会合に対

    して、両地域間の経済関係強化に関する提

    言を提出しました。第5回首脳会合(2004年

    10月、於:ハノイ)では、「より緊密な

    ASEM経済パートナーシップに関するハノ

    イ宣言」を採択しています。

    経済分野での交流と協力の拡大を目指し、

    ASEM参加国は様々なセミナーやワークシ

    ョップも行っています。日本も、2002年3月

    に「激変する世界経済とASEMに関するセ

    ミナー」を、また、2003年3月には「多角的

    及び地域的経済関係に関するASEMシンポ

    ジウム」を開催しました。

    EconomyA S I A - E U R O P E M E E T I N G経済閣僚会合

    EconomicMinisters,Meeting

    経済閣僚会合は、1997年9月に第1回会合が日本

    (幕張)で開催されて以来、これまでに5回の会合

    が開かれています。経済閣僚会合では、WTO交

    渉、アジア及び欧州の経済情勢、両地域間の貿易

    及び投資の促進、ASEMへの経済界の参加の促進等

    の課題について意見が交わされています。(写真:

    2003年7月の第5回経済閣僚会合)

    TFAP,Trade Facilitation Action PlanAS

    EM貿易円滑化行動計画

    第1回経済閣僚会合で合意されたTFAPは、アジ

    ア欧州間における貿易機会の増大と、非関税障壁

    及び取引費用の低減を目指しています。税関手続、

    基準認証、知的財産権、電子商取引、検疫などの

    分野が優先分野として特定され、各優先分野ごと

    に専門家の会合やセミナーなどが開催されていま

    す。日本は税関手続分野のアジア側調整役を務め

    ているほか、2005年2月には東京で基準認証専門家

    会合(写真:右)を主催しました。

    IPAP, Investment PromotionAction Plan

    アジア欧州間の投資促進を目指すIPAPは、第1回

    首脳会合(1996年3月、於:バンコク)で策定が合

    意され、第1回経済閣僚会合で承認されました。日

    本はIPAPの発足以来、北東アジアからの調整役を

    務めています。2004年5月には、外資系企業による

    公共サービスへの参入を容易にする手段として注

    目を集めている「官民パートナーシップ」(PPP)

    に関するセミナーを東京で開催しました。

    ASEM投資促進行動計画

    財務大臣会合

    神戸リサーチ・プロジェクト

    The KOBEResearch Project

    第3回財務大臣会合の際に日本から提案した神戸リ

    サーチ・プロジェクトは、地域金融協力や為替相場

    制度等、アジア欧州両地域に共通の関心事項に関す

    る研究活動の促進を目指すものです。この提案に基

    づき、為替相場制度や金融システムの強化等を含む、

    東アジアにおける将来の経済・金融協力のあり方に

    関する提言がまとめられ、第4回財務大臣会合(2002

    年7月、於:コペンハーゲン)に提出されました。

    Finance Ministers'Meeting

    財務大臣会合は、1997年9月に第1回会合がバンコ

    クで開催されて以来、これまでに5回の会合が開かれ

    ています。日本は、2001年1月に第3回財務大臣会合

    (写真:下)を神戸で主催しました。財務大臣会合で

    は、アジア及び欧州におけるマクロ経済情勢、域内金

    融協力、アジア・欧州間の成長と開発に関するパート

    ナーシップ等について活発な議論を行っています。

  • ASEM ●98● ASEM

    社 会 ・ 文 化そ の 他 の 分 野ASEMでは、文化、教育、環境、移民

    管理など幅広い分野において閣僚級会合を

    はじめとする活動が展開されています。

    特に文化に関する対話の重要性について

    は、第1回首脳会合において確認され、第4

    回首脳会合において文化多様性について独

    立したセッションが設けられました。また、

    第5回首脳会合では、「文化と文明間の対話

    に関するASEM宣言」が採択され、文化多

    様性を尊重することの重要性や、今後も文

    化・教育交流を促進し文化に関する対話を

    継続することなどが確認されました。

    教育分野では、生涯教育を促進するため

    のセミナー、アジア・欧州間の交換留学生

    に奨学金を授与する事業などが行われてい

    ます。

    Society&CultureA S I A - E U R O P E M E E T I N G文化と文明に関する会合

    Conference on Culture and Civilizations

    多様な文化的・歴史的背景をもつASEM参加

    国間の文化・文明に関する対話、協力は高い意義

    があります。2003年に第1回会合(於:北京)が開

    催された「文化と文明に関する会合」では、AS

    EM参加国の文化担当大臣が一堂に会し、グロー

    バル化と文化多様性などについて意見交換を行い

    ました(写真:右)。第2回会合は、2005年6月にパ

    リで開催されます。

    Environment Ministers,Meeting

    環境大臣会合

    Cooperation in Social Fields

    社会分野では、移民管理、人身取引、人権、労働

    に関する会合や各種セミナーが開催されています。

    このうち、移民管理については、2002年に「移

    民管理大臣会合」が開催され、その後は局長級会

    合が毎年開催されています。2004年11月に開催さ

    れた「第3回移民管理局長級会合」(写真:右)では、

    各国の偽変造旅券対策や人身取引対策等について

    の情報交換が行われました。

    社会分野における協力

    アジア欧州財団

    ASEF,Asia-Europe Foundation

    この分野での重要な活動としてアジア欧州財団

    (Asia-Europe Foundation, ASEF)の行う事業がありま

    す。ASEFは、アジアと欧州のシンクタンク、市民及

    び文化団体同士の交流を促進することを目的として、

    第1回首脳会合で設立が合意されました。以来、

    ASEM各国からの拠出金を得て、シンガポールを本拠

    地として幅広い活動を行っています。

    ASEFは日本でも事業を開催しており、女性問題に

    ついてのセミナー、ASEM参加国の学生が短期間の合

    宿を通じてアジア・欧州地域についての理解を深める

    ための「ASEF大学」(写真:下)、アジアと欧州のジャ

    ーナリストが日本に集まる「日・EU・アジア・ジャ

    ーナリスト会議」などがこれまでに開催されています。

    各国拠出額累計(割合)(注:2004年8月現在、ASEM参加国拡大前の25か国・1機関による拠出額データ)

    その他の 参加国 45%

    中国 5%

    ドイツ 6%

    大韓民国 7%

    シンガポール 11%

    日本 13%

    欧州委員会 13%

    環境大臣会合は、2002年1月に第1回会合が北京

    で開催され、国際社会において重要性が増大してい

    る環境問題について、非公式な形で、具体的な行動

    に向けて意見交換を行いました。第2回会合(2003

    年10月、於:イタリア・レッチェ(写真:右))では、

    日本は「持続可能な開発のための教育の10年」や気

    候変動問題への日本の取り組みを紹介するととも

    に、アジア・欧州間の協力の重要性を訴えました。

  • ASEM&Japan

    ASEM ●1110● ASEM

    A S I A - E U R O P E M E E T I N G

    ASEMでは、参加各国が特にとりあげたい課題について、会合、セミナー、新たな枠組みづくりなどを提案する、「イニシアティブ」と呼ばれる事業があります。日本もこれまでいくつものイニシアティブを提案し、実施してきました。例えば、次世代を担う若手各界リーダーの間の交流を目的とする「ヤング・リーダーズ・シンポジウム」は、1997年3月に宮崎で開催された後、その意義が各国に認められ、その後ほぼ毎年各国で開催されてきています。2003年10月につくば市において開催した「ASEM教育交流シンポジウム」(写真:右)では、各国の高等教育事情の比較とともにアジア欧州間の教育交流を促進するための方策を検討しました。

    ASEMの歩み1994年 1995年 1996年 1997年 1998年 1999年 2000年 2006年2001年 2002年 2003年 2004年 2005年

    日本は、ASEM第7回外相会合(FMM7)を2005年5月6~7日に京都で開催します。これは、日本が開催する初めてのASEM外相会合であり、また、第5回首脳会合において参加国の拡大が承認され、ASEMが新たなスタートを切ってから初めて行われる閣僚級会合です。FMM7においては、国際社会が直面する政治、経済、文化その他の各分野における主要課題について議論するほか、今後のASEMの活動の深化や運営方針のあり方といった将来像についても取り上げられる予定です。FMM7に参加する各国と日本との二国間関係を強化する機会となることも期待されています。

    イニシアティブ

    9月

    第6回首脳会合〔フィンランド〕

    5月 第7回外相会合〔京都〕

    調整国の一つとしてASEM新規参加問題の解決に貢献

    メンバーを38か国1機関に拡大

    10月

    第5回首脳会合〔ハノイ(ベトナム)〕

    5月

    ASEMPPP(官民パートナーシップ)セミナー〔東京〕

    「作業方法の改善」等の文書発出に貢献

    4月

    第6回外相会合〔キルデア(アイルランド)〕

    12月

    第1回文化と文明に関する会合〔北京(中国)〕

    ASEM教育交流シンポジウム〔つくば〕

    11月

    農業協力ハイレベル会合〔北京(中国)〕

    10月

    第2回環境大臣会合〔レッチェ(イタリア)〕

    第5回経済閣僚会合〔大連(中国)〕

    「大量破壊兵器及びその運搬手段の拡散防止に関する政治宣言」の発出に貢献

    第5回外相会合〔バリ(インドネシア)〕

    7月

    第5回財務大臣会合〔バリ(インドネシア)〕

    多角的及び地域的経済関係に関するシンポジウム〔東京〕

    (以降、2004年までに3回開催)

    3月

    第1回移民管理局長級会合〔コペンハーゲン(デンマーク)〕

    第4回首脳会合〔コペンハーゲン(デンマーク)〕

    9月 第4回経済閣僚会合〔コペンハーゲン(デンマーク)〕

    7月 第4回財務大臣会合〔コペンハーゲン(デンマーク)〕

    6月 第4回外相会合〔マドリード(スペイン)〕

    4月 移民管理大臣会合〔ランサローテ島(スペイン)〕

    3月 激変する世界経済とASEMに関するセミナー〔東京〕

    1月 第1回環境大臣会合〔北京(中国)〕

    9月 第3回経済閣僚会合〔ハノイ(ベトナム)〕

    5月 第3回外相会合〔北京(中国)〕

    3月 デジタル・オポチュニティーに関するASEMセミナー〔東京〕

    1月 第3回財務大臣会合〔神戸〕

    10月 第3回首脳会合〔ソウル(韓国)〕

    科学技術大臣会合〔北京(中国)〕

    10月

    第2回経済閣僚会合〔ベルリン(ドイツ)〕

    3月

    第2回外相会合〔ベルリン(ドイツ)〕

    1月

    第2回財務大臣会合〔フランクフルト(ドイツ)〕

    4月 第2回首脳会合〔ロンドン(イギリス)〕

    第1回経済閣僚会合〔幕張〕

    9月

    第1回財務大臣会合〔バンコク(タイ)〕

    (以降、2004年までに各国にて8回開催)

    3月

    第1回アジア欧州ヤング・リーダーズ・シンポジウム〔宮崎・東京〕

    アジア欧州財団設立〔所在地 シンガポール〕(写真:

    右下)

    「在ペルー日本大使公邸におけるテロ行為に関する議長声明」を発出

    2月

    第1回外相会合〔シンガポール〕

    (以降、2004年までに9回開催)

    10月

    第1回アジア・欧州ビジネス・フォーラム〔パリ(フランス)〕

    (以降、年に1〜2回開催)

    7月

    第1回貿易と投資に関する高級実務者会合(SOMTI1)〔ブリュッセル(ベルギー)〕

    (以降2003年までに5回開催)

    6月

    第1回関税局長・長官会議〔深 (中国)〕

    3月

    第1回首脳会合〔バンコク(タイ)〕

    (以降、年に2〜3回開催)

    12月

    全体SOM

    〔マドリッド(スペイン)〕

    10月

    シンガポールのゴー首相がアジア欧州首脳間の直接対話構想をフランスのバラデュール首相に提案

    A S E M と 日 本日本はASEMのさまざまな会合において

    積極的に議論に参加し、ASEM内での対話

    の深化に貢献しています。また、アジア側

    からの参加国として、中国、韓国、そして

    ASEAN各国と協議しながらアジア側の共通

    の立場の形成に努め、アジア側参加各国の

    間の協力関係の強化を進めています。

    さらに、アジアと欧州の間の調整につい

    ても、日本は積極的な役割を果たし、

    ASEMがアジアと欧州の相互の関心と理解

    を深める場となるように努力しています。

    例えば、第5回首脳会合までの約2年間、日

    本はアジア側の調整国を務め、ミャンマー

    を含む13か国のASEM新規参加に関する欧

    州との意見調整や、アジア・欧州間の経済

    関係の強化を訴える経済宣言のとりまとめ

    に尽力し、さらにASEMの将来について検

    討を行うことを提案するなど、第5回首脳会

    合の成功に大きく貢献しました。

    *SOM:

    高級実務者会合

    太字は日本の貢献

    ASEM第7回外相会合(FMM7)の開催

    会場となる国立京都国際会館(上)と京都迎賓館(左)