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1 第115号 〈目 次〉 P.1 全国集会東京青梅で開催 富澤克禮 P.2 尾瀬の植生の危機 椎名宏子 P.4 「入域料」、「ナショナルトラ スト」の法制化について 富澤克禮 P.7 トレイルランニング大会等の 実施に関する環境省説明会報告 渡邉嘉也 P.8 リニア中央新幹線について 考える 佐藤明穂 P.12 活動記録 自然保護全国集会・東京青梅で開催 全国集会実行委員長 富澤 克禮 2015年の自然保護全国集会は、自然保護 委員会が設立されて五十年を経過したことを記 念して、東京多摩支部との共催で、東京の多摩 地区の青梅市で開催されます。実行委員会も結 成され、準備活動も本格化してきました。 日本山岳会の自然保護委員会は、1964年 の設立です。当時の設立メンバーは、初代委員 長は、松方三郎会長、委員には、渡辺公平、武 田久吉、日高信六郎、深田久弥、足立源一郎、 村井米子、藤島敏男等、錚々たる顔ぶれであり、 更に、各支部長も委員に名を連ねており、並々 ならぬ決意が感じられます。 設立の動機は、西穂高ロープウェー計画(上 高地側)、上高地スカイライン計画、富士山ロー プウェー計画等に対し、「一度失われた自然環境 を取り戻すことは不可能である」とのことです。 日本山岳会には、いくつかの委員会がありま すが、全国各支部の委員との連携で全国的な規 模で活動しているのは、自然保護委員会 だけです。現在、百五十人近い会員が、全国各 支部の自然保護委員として登録されて活躍して います。 毎年開催される「自然保護全国集会」は、各 支部の活動状況の報告、各支部で起こっている 問題の提起、意見の交換による相互啓発に加え て、全国の自然保護委員との懇親の実も大いに 上がっている有意義な集会です。 なぜ、自然保護委員会だけが、全国組織にな っているのか不思議な気がしていましたが、設 立時に、「各支部長も委員になっていた」という ことを知り、「これだ」と思い当たりました。 設立以来五十年間、この形を守り通してこら れ、また、毎年、「自然保護全国集会」を開催し てきたことはまさに「継続は力なり」です。 そんなことで、今年の自然保護全国集会は、 テーマを「日本山岳会自然保護活動のこれから を考える」として、過去五十年の先人の活動の 跡を辿り、今後の問題として、「これからどうし たら良いのか」を皆さんと一緒に考える集会に したいと思っています。 フィールドスタディは、日本二百名山で東京 湾に入る船の目印になったという「大岳山登山 コース」、日本山岳会の森 くり活動の先 とな った高 の森 くりの会の活動の である「高 の森見 コース」、 復元 により東京 初に 山保全地 指定 された「 横澤 入りコース」 の三コースを設 しました。 東京 青梅(おう )でお会いしまし う。 の皆さんの 加をお 待ち しております。 2015年3月31日 公益社団法人 日本山岳会 自然保護委員会 TEL: 03-3261-4433 年間購読料 1,000 申込: 047-463-8721 [email protected] 郵便振替 00180-4-710688 加入者名:川口章子

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1

第115号

〈目 次〉

P1 全国集会東京青梅で開催

富澤克禮

P2 尾瀬の植生の危機

椎名宏子

P4 「入域料」「ナショナルトラ

スト」の法制化について

富澤克禮

P7トレイルランニング大会等の

実施に関する環境省説明会報告

渡邉嘉也

P8 リニア中央新幹線について

考える

佐藤明穂

P12 活動記録

自然保護全国集会東京青梅で開催

全国集会実行委員長 富澤 克禮

2015年の自然保護全国集会は自然保護

委員会が設立されて五十年を経過したことを記

念して東京多摩支部との共催で東京の多摩

地区の青梅市で開催されます実行委員会も結

成され準備活動も本格化してきました

日本山岳会の自然保護委員会は1964年

の設立です当時の設立メンバーは初代委員

長は松方三郎会長委員には渡辺公平武

田久吉日高信六郎深田久弥足立源一郎

村井米子藤

島敏男等錚

々たる顔ぶれであり

更に各支部長も委員に名を連ねており並々

ならぬ決意が感じられます

設立の動機は西穂高ロープウェー計画(上

高地側)

上高地スカイライン計画富士山ロー

プウェー計画等に対し「一度失われた自然環境

を取り戻すことは不可能である」と

のことです

日本山岳会にはいくつかの委員会がありま

すが全国各支部の委員との連携で全国的な規

模で活動しているのは自然保護委員会

だけです現在百五十人近い会員が全国各

支部の自然保護委員として登録されて活躍して

います

毎年開催される「自然保護全国集会」は各

支部の活動状況の報告各支部で起こっている

問題の提起意見の交換による相互啓発に加え

て全国の自然保護委員との懇親の実も大いに

上がっている有意義な集会です

なぜ自然保護委員会だけが全国組織にな

っているのか不思議な気がしていましたが設

立時に「

各支部長も委員になっていた」という

ことを知り「

これだ」と思い当たりました

設立以来五十年間この形を守り通してこら

れまた毎年「

自然保護全国集会」を開催し

てきたことはまさに「継続は力なり」です

そんなことで今年の自然保護全国集会は

テーマを「日本山岳会自然保護活動のこれから

を考える」として過去五十年の先人の活動の

跡を辿り今後の問題として「

これからどうし

たら良いのか」を皆さんと一緒に考える集会に

したいと思っています

フィールドスタディは日本二百名山で東京

湾に入る船の目印になったという「大岳山登山

コース」日

本山岳会の森づくり活動の先達とな

った高尾の森づくりの会の活動の場である「高

尾の森見学コース」復

元により東京都で最初に

里山保全地域に指定された「横澤入りコース」

の三コースを設定しました

東京青梅(おうめ)でお会いしましょう

大勢の皆さんの参加をお待ちしております

2015年3月31日

公益社団法人

日本山岳会

自然保護委員会

TEL03-3261-4433

年間購読料1000円

申込047-463-8721

syuakiponyocnnejp

郵便振替00180-4-710688

加入者名川口章子

2

尾瀬の植生の危機

―シカ食害―

尾瀬を守る会 椎名 宏子

「尾

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会長大

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年7

19日

大山

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4

「入域料」「

ナショナルトラスト活動」

の法定化について

富澤 克禮

国立公園や名勝地などの自然環境を保全す

るため地方自治体が登山者や観光客から入

域料を徴収出来るようにする法律が可決成

立したこれは利用者負担を求めることに

法的根拠を与えることで不足しがちな遊歩

道整備トイレ設置などの維持管理費を確保

することが狙いであるま

たこ

の法律では

自治体が広く寄付を募り保全する土地を買

取り維持管理する「トラスト活動」を促進す

るための基金をもうけることができること等

も定められている

わが国における入域料の現状

わが国では入山料協力金手数料等の

名目で自然地域に立ち入る際に支払う料金

(以下「入域料」という)

を徴収している地

域は利用調整地区制度の西大台地区知床五

湖の手数料の徴収の例を含めても十例にも

ならず極めて少ないまた入域料は百円

~千円という金額が相場になっており海外

の事例に比べると廉価な設定になっている

海外ではオーバーユース状態にある利用者

を適正水準にまで抑制するために入域料を高

めに設定していることが背景にあると考えら

れる

海外では入域料の徴収が一般的というこ

ととを聞くにつけわが国の山の環境対策

安全対策が財政的な理由からまだまだ充分

でない現状を知るにつけ問題意識を感じざ

るを得ない

「富士入山料 徴

収険し」と

の見出しで昨年八

月二十七日の朝日新聞の夕刊が報じている

これによると入山料は環境保全と登山者

の安全対策を目的に静岡山梨両県が提唱

平成二十五年夏に試行登山者の七割が協力

してくれ好感触が得られたことから平成

二十六年の夏から「

富士山保全協力金」とし

て富士山を登る人に任意で一人千円の支払い

を求めているがこの夏の協力者は前年の

実験の

68を下回り

56に減少目標額に

届かないようだ原因としては①ツアー客

が一人ずつ払うのは時間がかかるし外国人

は入山料をほとんど知らない②使い道が示

せていない等の指摘がなされているなお

富士山でのオーバーユース状態を適正水準に

まで抑制するためには七千円の入山料が必

要との試算がある

また屋久島では二〇〇八年に導入した

「屋久島山岳部保全募金」(

一口五〇〇円)の

集まりが低調で山岳トイレのし尿処理費不

足が慢性化しているという現実もある

入域料支払いに対する登山者の意識

われわれ日本山岳会 自

然保護委員会が二

〇〇八年三月日本山岳会会員全員(五五三

二人)を対象に行ったアンケート「山の環境

問題に関する意識調査」回答者数一千九一二

人(回答率

35)の中で登山の大衆化に伴

うオーバーユース問題の解決策として「有名

山域での入山料徴収についてどう思うか」を

聞いているそれによると

有力な手段として積極的に検討すべきhellip

39

他に有効な手段がなければやむを得ないhellip

37

あわせて

76となり入山料徴収は好ましく

ないhellip

23を大きく上回っており日本山岳

会の会員の意識については一定の方向性は

出ているものと思われる

入域料等の法定化について

冒頭に述べた入域料を徴収できるようにする

法律「地域自然資産区域における自然環境の

保全及び持続可能な利用の推進に関する法律」

が議員立法として提出され平成二十六年六

5

月十八日に参議院本会議で賛成多数により可

決成立し同月二十五日に公布されたこ

の法律は十四条と三条の附則からなる短い

ものである

法案提出の背景について

環境委員会調査室 中野かおり氏のこの法

律の紹介文「入域料ナショナルトラスト

活動の法制化」から一部抜粋し紹介する

①自然環境をめぐる現状

近年の利用者数の増加に伴うオーバーユー

ス等により植生の踏み荒らしや不適切なし

尿の処理等が問題となり各地域で自然環境

への悪影響が懸念されているこうした問題

への対応については各地域で状況が異なる

ことや国

の財政面でも限界があることから

これまで地域の主導により自然環境の保全

に向けた取組が行われてきたその代表的な

取組として次の「入域料の導入」と「ナシ

ョナルトラスト活動」がある

②入域料の導入

自然環境の保全及び持続可能な利用の推進

のためにはごみやし尿の処理施設植生の

踏み荒らしを防ぐ柵歩道等の整備が必要に

なるがこうした環境対策や安全対策を実施

する費用について「汚染者負担の原則」又は

「受益者負担の原則」の考えの下利用者に

対して負担を求める取組を行っている地域が

ある一般的にはこうした利用者負担につ

いては入

山料入

園料等と言われているが

本法では「

入域料」と定義している国内で

の入域料の導入事例は数例でありその名

称対象金額使途徴収根拠等は様々で

ある

③ナショナルトラスト活動

ナショナルトラスト活動は良好な自然

環境を国民又は地域の財産として保全してい

くことを目的として寄附金等を募って土地

の取得を行いその土地を維持管理する仕組

みをいう

十九世紀末のイギリスが発祥の地であるが

日本においては一九六四年に鎌倉で古都の

景観を宅地造成から守ろうと地元住民が財

団法人を結成して土地を買い上げた事案が最

初の例だと言われている一九七七年には「

床で夢を買いませんか」というキャッチフレ

ーズの下知床の土地を買い上げるために全

国から寄附を募った「しれとこ百平方メート

ル運動」が起こりナショナルトラスト活

動の意義が全国に普及する契機となった

その後和歌山県の天神崎北海道の釧路

湿原埼玉県の狭山丘陵のトトロの森など各

地でナショナルトラスト活動が展開されるよ

うになり現在五十以上の団体が活動してい

この法律の目的概要

この法律は「

入域料」や「ナショナルト

ラスト活動」などの取組の推進を図るために

起草されたものであるその目的は国立公

園国定公園等の自然環境を保全し及び持

続可能な利用を推進するためには公的資金

を用いた取組に加えて利

用者による負担(

域料)民間団体等が寄附金を募って行う土地

の取得管理(自然環境トラスト活動)など

民間資金を用いた地域の自発的な取組を推進

することである

この法律は議員立法のため省庁間の細か

い調整等がおこなわれておらず「基本方針」

の策定の具体的な内容の肉付けはこれからで

ある

基本方針の策定

基本的なスキームとしてこれから環境大

臣及び文部科学大臣は農林水産大臣国土

交通大臣等と協議して自然環境の保全及び持

続可能な利用の推進に関する「基本方針」を

定める作業が必要であるこの「基本方針」

6

に何が盛り込まれるかが重要な問題である

地域計画の作成

都道府県及び市町村は単独で又は共同し

て「基本方針」に基づき「地域計画」を作成

することができるまた都道府県等は地

域計画の作成に関する協議及び地域計画の実

施に係る連絡調整を行うための「協議会」を

組織することができると定めている

地域計画の実施にあたっては環境大臣等

の協議同意を経た地域計画に従って行うも

のについては自然公園法等の許可等を不要

とする特例を設けている

施行期日

公布の日(平成二十六年六月二十五日)か

ら起算して1年を超えない範囲の政令で定め

る日である

まとめ

今迄個人自治体がバラバラに動いてい

たために環境対策や安全対策を実施する費

用の調達等の財政的な問題の解決及びオーバ

ーユース状態にある利用者を適正水準にまで

抑制するための問題の解決に有効な方向性が

見いだせないでいたそんな時入域料につ

いて国がこのような法律で一定の方向性を

示したことは大いに評価できる

ただ内容手続き等が複雑で難しい為

にこの法律を利用しての入域料の設定や

ナショナルトラスト活動の進展が少ないの

ではないかということが憂慮されるさ

らに

最も重要なことは入域料の使途及び収支を

明確にして登山者等に周知徹底させることで

あるこれなくしては登山者の協力は得ら

れないであろう

またこの文章をまとめるにあたって法

律を読んでいると第十二条(土地の取得)

に目が止まった

「国及び都道府県は地域自然資産区域内

の土地が国立公園の区域内に含まれるもの

である等の理由により自然環境の保全及び

持続可能な利用の推進を図る上で特に重要で

あると認めるときは当該土地を取得するよ

う努めるものとする」

とある

山岳7団体の自然保護担当者の集まりであ

る「山岳団体自然環境連絡会」が東京電力

の福島原子力発電所の事故による経営破綻を

うけて平成二十四年四月二日に「尾瀬国立

公園の自然環境生態系保全を継続的安定

的に行うための意見書」を環境大臣宛てに提

出その中で意見として「尾瀬の土地の国

有化」「

国の主導的管理について」を要請し

ている環境省との懇談会の席では「尾瀬の

土地の国有化」については必ずしも前向

きな考え方を聞かせてもらえていない

この法律の成立によって「尾瀬の土地の国

有化」の道が開けたという理解でよろしいの

でしょうか (自然保護委員)

2014年8月

27日

朝日新聞夕刊

7

「トレイルランニング大会等の実施」

に関する環境省説明会報告

環境省国立公園課により「

国立公園内にお

けるトレイルランニング大会等の取扱い(

概要)」

について策定の背景事実関係基本的な考

え方取扱い方針などを平成

27年2月

15日及

17日の2回(各々100人定員)行われたの

で報告します 出席者は山岳団体野鳥の

会山小屋地方自治体自然環境関係者など

(以下環境省国立公園課配布資料の抜粋と要

約)

策定の背景目的

多人数で競争するトレイルランニング(以下

「トレラン」)大

会を開催することによる登山道

とその周辺の自然環境への影響や利用者の安全

を妨げる懸念があるので大会の取扱いをとり

まとめ自然環境の保全及び快適な公園利用環

境の確保を図る

事実関係など

国立公園内の歩道(登山道)は地域特性に

応じた徒歩利用目的で維持管理されておりト

レラン大会等の集中的な走行利用を想定してい

ない公園利用者との接触事故静穏の妨げ

混雑などが懸念されているが統一的な指針が

無いため関係者同士の軋轢が生じることがあ

取り扱いの基本的な考え方

国立公園内で行われる大会を対象とし地方

事務所で許認可をするさらに都道府県も国定

公園や都道府県立公園の中で開催される大会取

り扱いの参考とする

大会等のルートや期間などの指導

コース設定に関しては国立公園の中で特別

保護地区及び第1種特別地域は原則回避湿原

や泥濘が多く存在する湿潤な環境高山植物群

落などのある自然環境の場所歩道(登山道な

ど)の複線化や拡幅が懸念される場所ではコー

ス設定しない

開催への配慮事項

他の利用者(登山者等)が多い路線や混雑期

を回避する

他の利用者への留意事項をウエブ等で十分に

周知する

退会主催者参加者及び応援者が遵守すべき

ルールを設定し利用者の安全性及び快適性を

確保する

モニタリングと現状の回復の実施

開催による自然環境等への影響のモニタリ

ングを大会主催者により実施する(事前事後の

写真等により影響を評価するなど)環

境の改変

が確認された場合は大会主催者は原状回復を

行う

(自然保護委員 渡邉嘉也)

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274‐0063

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川口章子

8

リニア中央新幹線について考える

― 現地長野県大鹿村から ―

長野県下伊那郡大鹿村 佐 藤 明 穂

昨年

10月の

国土

交通

省に

よる

東海

旅客

鉄道

株式

会社

(以

JR

東海

と略

す)

リニ

ア中

央新

幹線

建設

への

許認

可以

社は

着々

と建

設作

業開

始に

向け

ての

準備

進め

てい

2月

には

釜沢

地区

(大

鹿村

奥の

集落

南ア

ルプ

スを

貫通

する

トン

ルの

長野

県側

の掘

削口

にほ

ど近

い)

で住

に連

絡直

後か

ら水

平ボ

ーリ

ング

調査

が始

った

地区

では

20

08

年に

も同

様の

調

査が

24時間

操業

で行

われ

てお

りそ

の騒

や「

光」

害に

耐え

かね

て他

地区

に移

り住

だ一

家も

ある

JR

東海

は建

設用

の取

住民

への

工事

説明

会な

どを

経て

今秋

にも

本格

的に

着工

する

予定

であ

かな

この

地も

「静

かだ

った

とい

われ

るよ

うに

なり

10年超

にわ

たっ

て大

河原

区の

大半

が工

事プ

ラン

トの

現場

とな

1リニアは本当に必要か

の私

たち

にと

って

重要

なこ

とは

にわ

たっ

てい

かに

自然

環境

に対

する

負荷

減ら

し共

存し

てい

くか

に尽

きる

今の

常気

地球

温暖

化と

いわ

れる

現象

も元

ただ

せば

人間

社会

の生

産活

動拡

大が

その

因と

もい

われ

翻っ

日本

政府

や所

官庁

は原

子力

発電

を重

要な

ベー

スロ

ード

源と

位置

づけ

生可

能エ

ネル

ギー

を優

する

とし

た政

策を

早く

も転

換し

てい

島に

おけ

る大

災害

の後

始末

も核

廃棄

物の

終的

な処

理方

法も

確立

しな

いま

まに

であ

今さ

えよ

けれ

ばよ

いの

では

ない

今だ

け」

とい

うの

は今

を生

きる者

のエゴ

ある

現代

のツケ

は将

来に回

して

はな

らな

いと切実

に思

ここ

では

リニ

アの抱

える問題

を取

り上げ

ルートの選定

201

0年

10月

20日

国土

交通

省の

る審議

会(

交通

政策審議

会 陸上

交通分科

鉄道部

会 中

央新

幹線小委員

会審議

会家田

仁〈

東京

大学教授〉小委員

会委員

長)

南ア

ルプ

スを

貫通

する

トン

ネル構想

に関

て「

環境面

(重視

だけ

)か

らル

ート

の選

はで

きな

い(

しな

い)」と

の結論

が出さ

れる

さら

12月

15日「

南ア

ルプ

スに

トン

ネル

を掘

って

も構

わな

い」

とす

る内容

の中

間取

りま

とめ案

を公表

する

007

年の

JR

東海

によ

るリ

ニア

中央

新幹

線計画

発表

を受

けて

のも

のだ

この

会議

では

国立公園指

定区域

の拡張

やそ

れと

の整合性

につ

いて

何ら

の審議

もなさ

れて

いな

リニアの選択

ちなみ

この小委員

会で

は環

境保全

見地

より

一般

から

の意見

(パブ

リックコメ

ント

)募

集を3回実施

して

いる

答申

直前

の最

終公募

の集計結果

は総数

88

うち

反対

もし

くは

再検討

が64

8推

進賛成

16であ

った

にも

かか

わらず

家田委員

長は

「批判

は答申

を覆

すほ

どの

もの

では

ない

と大多数

の意見

を無視

して答申

を急

いだ

9

さら

に2

01

2年5

12日同委員

長か

国土

交通

大臣

に提出さ

れた答申

(一部

)で

「在

来新

幹線

は安全性

信頼性

エネ性

速達性

ネッ

トワ

ーク性

時性

設費

用等

の点

では

優れ

てい

るが

ニア

の方

高速性

の点

で優

れて

いる

ので

ニア

が適

当で

ある

」と結論

づけ

てい

る審議

会で

在来

新幹

線と

リニ

ア新

幹線

との比較検討

一切

行わ

れな

かっ

たに

もか

かわ

らず

初か

ら結論

あり

き真

に重

要な

こと

が時

をか

けて議論さ

れた

のか

大い

に疑問

があ

全国新幹線鉄道整備法(全幹法)との

整合性

この

法律

に基

づく

許認

可を受

けて

はい

もの

同法

では

大都市

(東京

など

)と全

国の

中核都市

を結ぶ

のが

本来

の趣旨

だが

ニア

は全

く異

なる

大都市

間を結ぶ

だけ

その機

能で

ある

当初

は中

間駅

設置

の予

すら

なか

った

幹法適

用は

JR

東海

が地

方自治体

によ

る土

地の強制収

用目当

てに意

図し

たと

も考

えら

れる

方で

社は

認可当初

から

「J

R東

海単独

での

建設

」を

言い続

けて

いる

れは全

幹法

の適

用と

相容

れな

いつ

まり

土地収

用な

どに関

して

は公権

力の

力が

ほし

いさ

れど

経営

に関

るこ

とに

は口出

しし

ない

でほ

しい

とい

う極

めて虫

のよ

い話

なの

リニア建設費用とJR東海の経営

一昨

年9

月当

時の山田

社長

が「

リニ

単独

ではペイ

しな

い」

と述べ

たよ

うに

ニア

中央

新幹

線の

建設費

はき

わめ

て高額

ある

東京―名古屋

間の

建設費

が5兆43

00億円

れに

はあ

とで追加

した

中間駅

の設

置費

用な

ど付帯

設備

の費

用は入

って

ない

アル

プス

を貫

通さ

せる

トン

ネル

事は破砕帯

の通過

も含

め難

工事

が予測さ

れて

いる

設費

用の増加

など

は当

然J

R東

海の

経営

を圧迫

する

音を言

えば

JR

東海

自身

もど

の段階

で公金

が投入さ

るか

(し

ても

らえ

るか

)が当面

の関心

事で

ある

とも

いえ

よう

公金

はす

なわ

ち国

民の

税金

であ

る誰

も望み

もし

ない

もの

に税金

が勝手

に使

われ

るな

許さ

れて

もよ

いも

のだろ

うか

リニアの動力源―原発との関係

リニ

アの技術

(超

電導

)は

定的

かつ

多量

に供給さ

れる

(原

発に

よる

)電

力と裏

腹の関係

にあ

これ

なく

して

は成立

しな

い先ごろ

東京

電力

と中部

電力

のJV

によ

る火

力発

電所

建設

の計画

が公表さ

れた

これ

はリ

ニア

対策

との見

方も

ある

もの

の一

時的

なも

のに過ぎ

ない

でに

新潟

県柏崎

(柏崎刈羽

原発

)か

ら山梨

県大

月(

リニ

実験

線)

まで

の高圧

鉄塔=送

電線

など

があ

るよ

うに

くま

でも

原発

によ

る電

力を使

用す

るこ

とが

「前提

」な

ので

ある

リニアの必要性に対する矛盾

JR

東海

リニ

ア中

央新

幹線

建設

の必

要性

を現在

の新

幹線

の輸送

力が限界

であ

こと

や災

害時

の代替路

線と

して

の役割

を強

調す

しか

し輸送

力に関

して

は特

定の

時期

を除

いて

50~

60の座席占有率

であ

るた

めに

とて

も「飽和状態

」と

はい

えな

これ

から

人口

が減少

すれ

新幹

線を

おも

に利

用す

る生

産年齢

人口

も大幅

に減少

する

また

存の

新幹

線と限

られ

たパイ(乗

客)

の奪

い合

いが

ある

にも

かか

わらず

建設

の必

要性

があ

るの

か加

えて

現在

の技術

では

営業

に支障

をき

たさ

ない

よう

に新

幹線

を補

修修繕

する

こと

は充分

可能

であ

るさ

に東

日本

大震

災の

経験

でも

明ら

かな

よう

10

災害

時に有効

なの

は物資

の輸送路

をい

かに

確保

する

かで

あり

れに

はリ

ニア

はま

たく役

に立

たな

他路

線と

の互

換性

がな

いこ

とな

ども含

今建

設す

る必

要性

はま

った

くな

電磁波の問題

(ここでは高圧線と車輌自体に限定)

電磁波

につ

いて

は当該

の環

境影響評価

対象

とは

なっ

てい

ない

評価書

では

リニ

中央

新幹

線の

発す

るも

のは

国際非

電離放射

線防護委員

会(ICNIRP)

が示

したガイ

ドラ

イン

20

00ミ

リガウ

ス以

下で

あり

磁界

によ

る健康

への影響

はな

いと

しか

説明さ

てい

ない

来は

WHO

の勧告

に従

って

経済

産業

省が1

00

0ミ

リガウ

スを規制値

にす

る予

定で

あっ

だが

のICNIRP

の改訂

に沿

って

2011

年3

月に

原子

安全保安院

が2

00

0ミ

リガウ

スを規制値

とし

て同

10月に施

行し

た一

方国

土交

通省

がリ

ニア

中央

新幹

線計画

に許

可を出

たの

がこ

の年

の5

月で

ある

れは

リニ

新幹

線の周囲

(線路脇6

線路

下8

範囲

)につ

いて

のみ

だけ

客室内

の水

がど

うな

のか

の説

明は

一切

ない

力供給

源で

ある高圧

鉄塔

が発

する巨

大な

磁波

のこ

とも何ひ

とつ触

れら

れて

いな

(こ

の件

に関

して

R東

海は

電力

会社

協議

する

とし

か述べ

てい

ない

)実際

山梨

県の実験

線付

近で

は柿

の実

の生

った木

に鳥

が寄

り付

かな

くな

った

など

の話

もあ

自身

も高圧

鉄塔

から

発す

る唸

りの

よう

「音

」を聞

いて

いる

スピードだけ

それ以外は危険性の高いリニア

リニ

ア唯

一の

優位性

最高

で時速5

00

とも

いわ

れる

スピ

ード

だが

たし

今こ

のよ

うな

もの

が必

要な

のだろ

うか

こだ

けが速

くと

も前

後の

アクセ

スに

時間

かか

るの

であ

れば

輸送

力と

して必ず

しも

優位性

は持

たな

であ

れば既

存の

新幹

を拡充さ

せた

方が

経済

的合

理性

は高

い技

術力

の追求

もそ

れは

一部

の人

たち

のエゴ

はな

いの

そう

いっ

たも

のよ

りも

今何

りも求

めら

れる

のはバ

ラン

ス感覚

具体

には

自然

環境

との

調和

であ

リニ

アは

まり

にも

「対価

」が高

すぎ

リモ

ートコ

ント

ロー

ルに

よる運

転や約

86も

のト

ネル(

東京―名古屋

間)近

い将

来起

こる

いわ

れる

東南

海ト

ラフ

を震

源と

する巨

大地

震の

対策

地域

(震度6程度

以上

)に路

線の

一部

がか

かっ

てい

ここ

には糸魚川

静岡

構造

線(フォッサマ

グナ

)や

中央構造

線も

通っ

てい

る高速走

行中

ンネ

ルの横切

る断層

がた

とえ

50で

もズレ

たら

果は

明白

だろ

う山

中深

いト

ンネ

ルで

もし

もの

こと

が起

きた

あと

は地上

まで

自分

自身

の足

で出

てく

るし

かな

い外

の景色

どは望むべ

くも

ない

がこ

のよ

うな危険

な乗

り物

を望む

のだろ

うか

2大鹿村とリニア

大鹿村

の住む

長野

県下伊那郡

大鹿

村は

人口約

11

00

人高齢者率

が半数

を超

える

村で

ある

河原

集落

を流

れる小渋川

の奥

には

赤石岳

がそび

えて

おり

の東

側は

静岡

の大井川

源流域

であ

大鹿

村は

地芝居

大鹿歌舞伎

でも有名

原田芳雄

の遺

作と

なっ

た映画

「大

鹿村

騒動記

」の

ロケ

地と

ても知

られ

る1

89

2年

8月

下旬

にはウ

ェス

トン

がこ

こか

ら赤石岳

に登

って

いる

(2

01

2年

「ウェ

スト

ン顕彰碑

」が

村民

有志

によ

り建立

)南

アル

プス

をはじ

めと

11

る山

々に抱

かれ

た静

かな

村で

ある

JR東海からの計画発表報告

2013

年の

JR

東海

のル

ート公表

同年

10月に

行わ

れた

同社

によ

る村

での

備書

説明

会(

2回

)に

は住

民を

中心

に26

0人

あま

りが参加

した

こで

は準

備書

内容

に関

する

説明

と質疑応答

が行

われ

準備書

では

「工

事に

よる影響

は生じ

ない

「影響

はあ

って

も小さ

い」

など

の記述

が目

立ち

事に

よる

環境

へのダメ

ージ

(す

わち

トン

ネル

掘削

によ

る地質

や河川湧

工事

区域周辺

での在

来動植

物景観

など

の影響

)お

よび

私た

ちの

生活

環境

の変

化な

どの記載

はほ

とん

どか

った

れが意味

るの

JR

東海

が環

境に

は配慮

しな

いで

工事

を進

める

とい

うこ

とだ

事の概

要と

して

鹿村

は南

アル

プス

を貫

くト

ンネ

(距離約

23主稜

線小

河内岳

28

02

mの

南側

を通過

)の

長野

県側

の坑

口と

して

小渋川部分

は地上

(橋梁

)で

通過

央構

造線

や伊那山

地は

再び

トン

ネル

で通過

竜川

に至

る計画

であ

る工期

10年以上

渡り

村内

での坑

口は計4

本変

電施

設の

建設

も予

定さ

れて

いる

削で

発生

する

砂は

最盛期

には1

日当

たり

工事車輌

(お

に大型ダ

ンプ

)17

00台

超と見積

もら

てい

る(1

日8

時間

の通

行と

して約

17秒に

1台

の走

行)

住民の反応JR東海の問題点

まさ

に住

民に

とっ

て衝撃

的な内容

であ

JR

東海

とし

ては

住民

から

の反

対が

想さ

れる

こと

もあ

って

か当

日の

会場

では

質問者

が多数

いた

にも

かか

わらず途

中で質

疑を打

ち切

るな

その

対応

には多

くの問

題が

あっ

た私

も参加

した

が担当者

の「

民の

理解

を得

なが

ら」と

の発言

とは裏腹

とに

かく

「2

027

年開

業あ

りき

」の姿勢

ばか

りが目立

ち結果

とし

て住

民の

理解

得る

対応

とは程遠

いも

ので

あっ

環境影響評価書による説明会

翌2

014

11月

10日

JR

東海

によ

る環

境影響評価書

に基

づく

説明

会(

環境影

響評価

法に

よる

最終報告書

土交

通省

よる

許認

可以

降当

地で

開か

れた

最初

の説

明会

)が

行わ

れた

開催形

式は前

年に

行わ

れた

環境影響評価

準備書

によ

るも

のの

時と

同様

ライ

ドに

よる

説明報告

のあ

と住

民と

の質疑応答

が行

われ

る形

式で

ある

だ異

なっ

たの

は前回

は質問者多数

であ

たに

もか

かわ

らず

予定

時間

で強引

に終

わら

せた

のに

対し

今回

は時

間を

大幅

に超過

る3

時間

30分(

うち質疑応答

が2

時間

30

分ほ

ど)

の開催

とな

った

こと

これ

はJ

R東

海側

の配慮

とい

うよ

りは

民に

とっ

てき

わめ

て関心

の高

い問題

であ

った

から

ほか

なら

ない

の席

JR

東海

の沢田

担当部

長は

「住

民の

理解

同意

が得

られ

けれ

ば建

設に

着手

しな

い」と

明言

して

いる

この

村全体

での

説明

会の

のち

12月初旬

かけ

て各

地区

住民

への

説明

会も

同様

に開

れた

この

時は出席

がそ

の地

区の関係者

に限

定さ

れ報

道機関

の参加

もシャッ

トア

ウトさ

れた

だ全体

と関

連す

る地

区の

説明

会計3ヶ

所に出席

した

私の印

象か

らす

ると

R東

海の姿勢

には前

年と何

ら変

が感じ

られ

なか

った

くま

でも

20

27

年開

業に

向け

て住

民に

理解

を求

める姿勢

かり

が目立

った

この問題

に対

する

村当局

の動

き(

住民

に対

する情報伝達

)も

鈍い

もの

であ

った

この

11月

10日の

説明

会は内外

で大

きな

反響

を呼び

元紙

でも

社説

で大

きく

取り

上げ

てい

るの

で次

に引

用す

12

『大鹿村とリニア』

平行線だった

JR東海が今月下伊那郡大鹿村で開いたリニア中央新幹線の事業説明会人口

1100 人の村で300 人近くが出席していた工事への理解を求めるJRに対し住民

からは「風景は一度失ったら取り戻せない」「JRの利益の裏返しが村の犠牲だ」と

いう根本的な反論が相次いだ

大鹿村は今のままでいい-そう訴える若い世代が多かったことが印象に残った

リニアの路線は村の南部を東西に通る残土を運び出すための作業用トンネル坑口

を4カ所設け変電施設を作り小渋川の上流に橋を架ける最大で1日 1700 台余

の大きな工事用車両が生活道路を走る暮らしや観光業への影響は避けられない

JRが工事概要を説明した後の質疑応答は2時間半に及んだ「所得は少ないが

村民は豊かな自然の中で生きている」「手を付けなければ山は壊れない水が枯れる

ことも生命が失われることもない」質問というより訴えに近い発言が続いた

JR側は「切実な心配を受け止め少しでも解消したい」と返すのがやっと「地

元の理解と同意がなければ着工できない」と何度も繰り返した村は以前から小渋

川の橋を地中化するよう求めているがJRは説明会でも「工事の難度が増す」と

して受け入れなかった環境保全協定の締結については「考えていない」と回答変

電施設の送電線を地中化する要望に関しては何の説明もなかった最低限と言って

いい条件すら聞き入れられないことがJRに対する住民の不信を高めているのだろ

う出席者からは「一方的だ」と憤る声が上がった (中略)

「リニアの夢」が始まったのは半世紀も前だ国を挙げて成長を追い求めた 50 年

は村にとり若者が都会に流れ離農が進み集落が疲弊した歳月だった

大鹿村の人口の3割を I ターン者が占める311 後に U ターンしてきた若者もい

るという昔に戻るのではなくそれぞれができる仕事を探し自然や文化を共有し

ながら緩やかに結び付く新しい価値観の芽がこの村で育ちつつあるように感じら

れた

「理解と同意」を得るとしたJR東海は大鹿村とどう向き合うのか若い世代が

見つめる未来をないがしろにはできない

〈信濃毎日新聞 2014年 11 月 23 日付『社説』より抜粋〉

13

3リニアと自然環境住民との共存は

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(日本山岳会員)

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14

自然保護委員会の活動記録

〈一月度〉

①山岳団体自然環境連絡会1月

22日(木) 出

席者富澤武藤

bull 各団体の報告

bull 「山の野生鳥獣目撃レポート」のパンフレ

ットの改訂版を作成予定

②埼玉支部主催第4回「埼玉の自然を知ろ

う」シンポジウム(2015年1月

15日

(木)

於浦和コミュニティセンター)に

一部の委員が参加

③自然保護委員会 1

26日(月)

bull 2015年度自然保護全国集会について

次回自然保護全国集会は東京多摩支部

との共催となった

bull 『木の目草の芽』115号について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

『木の目草の芽』113号114号発行

〈二月度〉

①全国集会実行委員会(

第1回)2月

13日(金)

出席者富澤河野川口西谷近藤武

藤土井

bull 会場下見の報告

bull プログラムフィールドスタディのコース

会費等の原案を作成

②自然保護委員会 2月

23日(月)

bull 理事会報告

bull 2015年度「事業計画」ならびに「委員

会予算」について

bull 環境省自然環境局国立公園課主催「

国立公

園内におけるトレイルランニング大会等

の取扱いに関する説明会」(

於新宿御苑

インフォメーションセンター2月

15日)

の報告

bull 山のECHO主催「

自然地域トイレ屎尿処

理技術セミナーおよび技術説明会」(

日本環境整備教育センター2月

19日)

の報告

bull 「入山者ルール策定セミナー」の案内

bull 次期委員長について

川口委員が次期委員長に選任された

bull 2015年度自然保護全国集会(東京多摩)

について

第1回実行委員会(2月

13日)決定事

項の報告

プログラムフィールドスタディのコー

ス会費等を協議した

bull 『木の目草の芽』について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

bull 2015年度自然観察会について

訂正とお詫び

『木の目草の芽』114号

12ページ「自然保護

委員会の活動記録」の1段目

20行目にldquo

静岡

支部宮崎支部などの報告rdquoと記載されていま

すが正しくはldquo静岡支部宮城支部などの報

告rdquoです訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉尾瀬を守る会の椎名宏子さんと

大鹿村の会員佐藤明穂さんがご寄稿ください

ました溢れる数々の情報に紛れて見えにくく

なりがちな事実をつぶさに語ってくださるこう

した声を多くの方へ正確に大切にお伝えする

ことがこの紙面の重要な役目と思います

卒業シーズンにふと一曲の歌を思い出しました

『肩に食い込むザックに耐えて君の足あと辿っ

て行ったあの日のあの山忘れるもんか登山シ

ューズがそっとよけたあの日のあの花忘れはし

ない』

うろ覚えだったので調べてみたら「ゴールめざ

して」という唱歌でした草花をよけることばか

り考えていたら足元がおぼつかなくなって身の危

険にさらされるということもあるでしょうで

もやはり私はこの歌のようにできるかぎり自分自

身よりも足元の花に意識を向けてそれをそっと

よける登山者であり続けたいと思います花を認

識できる程度のペースで走るのではなく元川

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2

尾瀬の植生の危機

―シカ食害―

尾瀬を守る会 椎名 宏子

「尾

瀬を

守る

会」(

会長大

石正

光)の

構成

団体

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福島

県連

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14

年7

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大山

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氏撮影

4

「入域料」「

ナショナルトラスト活動」

の法定化について

富澤 克禮

国立公園や名勝地などの自然環境を保全す

るため地方自治体が登山者や観光客から入

域料を徴収出来るようにする法律が可決成

立したこれは利用者負担を求めることに

法的根拠を与えることで不足しがちな遊歩

道整備トイレ設置などの維持管理費を確保

することが狙いであるま

たこ

の法律では

自治体が広く寄付を募り保全する土地を買

取り維持管理する「トラスト活動」を促進す

るための基金をもうけることができること等

も定められている

わが国における入域料の現状

わが国では入山料協力金手数料等の

名目で自然地域に立ち入る際に支払う料金

(以下「入域料」という)

を徴収している地

域は利用調整地区制度の西大台地区知床五

湖の手数料の徴収の例を含めても十例にも

ならず極めて少ないまた入域料は百円

~千円という金額が相場になっており海外

の事例に比べると廉価な設定になっている

海外ではオーバーユース状態にある利用者

を適正水準にまで抑制するために入域料を高

めに設定していることが背景にあると考えら

れる

海外では入域料の徴収が一般的というこ

ととを聞くにつけわが国の山の環境対策

安全対策が財政的な理由からまだまだ充分

でない現状を知るにつけ問題意識を感じざ

るを得ない

「富士入山料 徴

収険し」と

の見出しで昨年八

月二十七日の朝日新聞の夕刊が報じている

これによると入山料は環境保全と登山者

の安全対策を目的に静岡山梨両県が提唱

平成二十五年夏に試行登山者の七割が協力

してくれ好感触が得られたことから平成

二十六年の夏から「

富士山保全協力金」とし

て富士山を登る人に任意で一人千円の支払い

を求めているがこの夏の協力者は前年の

実験の

68を下回り

56に減少目標額に

届かないようだ原因としては①ツアー客

が一人ずつ払うのは時間がかかるし外国人

は入山料をほとんど知らない②使い道が示

せていない等の指摘がなされているなお

富士山でのオーバーユース状態を適正水準に

まで抑制するためには七千円の入山料が必

要との試算がある

また屋久島では二〇〇八年に導入した

「屋久島山岳部保全募金」(

一口五〇〇円)の

集まりが低調で山岳トイレのし尿処理費不

足が慢性化しているという現実もある

入域料支払いに対する登山者の意識

われわれ日本山岳会 自

然保護委員会が二

〇〇八年三月日本山岳会会員全員(五五三

二人)を対象に行ったアンケート「山の環境

問題に関する意識調査」回答者数一千九一二

人(回答率

35)の中で登山の大衆化に伴

うオーバーユース問題の解決策として「有名

山域での入山料徴収についてどう思うか」を

聞いているそれによると

有力な手段として積極的に検討すべきhellip

39

他に有効な手段がなければやむを得ないhellip

37

あわせて

76となり入山料徴収は好ましく

ないhellip

23を大きく上回っており日本山岳

会の会員の意識については一定の方向性は

出ているものと思われる

入域料等の法定化について

冒頭に述べた入域料を徴収できるようにする

法律「地域自然資産区域における自然環境の

保全及び持続可能な利用の推進に関する法律」

が議員立法として提出され平成二十六年六

5

月十八日に参議院本会議で賛成多数により可

決成立し同月二十五日に公布されたこ

の法律は十四条と三条の附則からなる短い

ものである

法案提出の背景について

環境委員会調査室 中野かおり氏のこの法

律の紹介文「入域料ナショナルトラスト

活動の法制化」から一部抜粋し紹介する

①自然環境をめぐる現状

近年の利用者数の増加に伴うオーバーユー

ス等により植生の踏み荒らしや不適切なし

尿の処理等が問題となり各地域で自然環境

への悪影響が懸念されているこうした問題

への対応については各地域で状況が異なる

ことや国

の財政面でも限界があることから

これまで地域の主導により自然環境の保全

に向けた取組が行われてきたその代表的な

取組として次の「入域料の導入」と「ナシ

ョナルトラスト活動」がある

②入域料の導入

自然環境の保全及び持続可能な利用の推進

のためにはごみやし尿の処理施設植生の

踏み荒らしを防ぐ柵歩道等の整備が必要に

なるがこうした環境対策や安全対策を実施

する費用について「汚染者負担の原則」又は

「受益者負担の原則」の考えの下利用者に

対して負担を求める取組を行っている地域が

ある一般的にはこうした利用者負担につ

いては入

山料入

園料等と言われているが

本法では「

入域料」と定義している国内で

の入域料の導入事例は数例でありその名

称対象金額使途徴収根拠等は様々で

ある

③ナショナルトラスト活動

ナショナルトラスト活動は良好な自然

環境を国民又は地域の財産として保全してい

くことを目的として寄附金等を募って土地

の取得を行いその土地を維持管理する仕組

みをいう

十九世紀末のイギリスが発祥の地であるが

日本においては一九六四年に鎌倉で古都の

景観を宅地造成から守ろうと地元住民が財

団法人を結成して土地を買い上げた事案が最

初の例だと言われている一九七七年には「

床で夢を買いませんか」というキャッチフレ

ーズの下知床の土地を買い上げるために全

国から寄附を募った「しれとこ百平方メート

ル運動」が起こりナショナルトラスト活

動の意義が全国に普及する契機となった

その後和歌山県の天神崎北海道の釧路

湿原埼玉県の狭山丘陵のトトロの森など各

地でナショナルトラスト活動が展開されるよ

うになり現在五十以上の団体が活動してい

この法律の目的概要

この法律は「

入域料」や「ナショナルト

ラスト活動」などの取組の推進を図るために

起草されたものであるその目的は国立公

園国定公園等の自然環境を保全し及び持

続可能な利用を推進するためには公的資金

を用いた取組に加えて利

用者による負担(

域料)民間団体等が寄附金を募って行う土地

の取得管理(自然環境トラスト活動)など

民間資金を用いた地域の自発的な取組を推進

することである

この法律は議員立法のため省庁間の細か

い調整等がおこなわれておらず「基本方針」

の策定の具体的な内容の肉付けはこれからで

ある

基本方針の策定

基本的なスキームとしてこれから環境大

臣及び文部科学大臣は農林水産大臣国土

交通大臣等と協議して自然環境の保全及び持

続可能な利用の推進に関する「基本方針」を

定める作業が必要であるこの「基本方針」

6

に何が盛り込まれるかが重要な問題である

地域計画の作成

都道府県及び市町村は単独で又は共同し

て「基本方針」に基づき「地域計画」を作成

することができるまた都道府県等は地

域計画の作成に関する協議及び地域計画の実

施に係る連絡調整を行うための「協議会」を

組織することができると定めている

地域計画の実施にあたっては環境大臣等

の協議同意を経た地域計画に従って行うも

のについては自然公園法等の許可等を不要

とする特例を設けている

施行期日

公布の日(平成二十六年六月二十五日)か

ら起算して1年を超えない範囲の政令で定め

る日である

まとめ

今迄個人自治体がバラバラに動いてい

たために環境対策や安全対策を実施する費

用の調達等の財政的な問題の解決及びオーバ

ーユース状態にある利用者を適正水準にまで

抑制するための問題の解決に有効な方向性が

見いだせないでいたそんな時入域料につ

いて国がこのような法律で一定の方向性を

示したことは大いに評価できる

ただ内容手続き等が複雑で難しい為

にこの法律を利用しての入域料の設定や

ナショナルトラスト活動の進展が少ないの

ではないかということが憂慮されるさ

らに

最も重要なことは入域料の使途及び収支を

明確にして登山者等に周知徹底させることで

あるこれなくしては登山者の協力は得ら

れないであろう

またこの文章をまとめるにあたって法

律を読んでいると第十二条(土地の取得)

に目が止まった

「国及び都道府県は地域自然資産区域内

の土地が国立公園の区域内に含まれるもの

である等の理由により自然環境の保全及び

持続可能な利用の推進を図る上で特に重要で

あると認めるときは当該土地を取得するよ

う努めるものとする」

とある

山岳7団体の自然保護担当者の集まりであ

る「山岳団体自然環境連絡会」が東京電力

の福島原子力発電所の事故による経営破綻を

うけて平成二十四年四月二日に「尾瀬国立

公園の自然環境生態系保全を継続的安定

的に行うための意見書」を環境大臣宛てに提

出その中で意見として「尾瀬の土地の国

有化」「

国の主導的管理について」を要請し

ている環境省との懇談会の席では「尾瀬の

土地の国有化」については必ずしも前向

きな考え方を聞かせてもらえていない

この法律の成立によって「尾瀬の土地の国

有化」の道が開けたという理解でよろしいの

でしょうか (自然保護委員)

2014年8月

27日

朝日新聞夕刊

7

「トレイルランニング大会等の実施」

に関する環境省説明会報告

環境省国立公園課により「

国立公園内にお

けるトレイルランニング大会等の取扱い(

概要)」

について策定の背景事実関係基本的な考

え方取扱い方針などを平成

27年2月

15日及

17日の2回(各々100人定員)行われたの

で報告します 出席者は山岳団体野鳥の

会山小屋地方自治体自然環境関係者など

(以下環境省国立公園課配布資料の抜粋と要

約)

策定の背景目的

多人数で競争するトレイルランニング(以下

「トレラン」)大

会を開催することによる登山道

とその周辺の自然環境への影響や利用者の安全

を妨げる懸念があるので大会の取扱いをとり

まとめ自然環境の保全及び快適な公園利用環

境の確保を図る

事実関係など

国立公園内の歩道(登山道)は地域特性に

応じた徒歩利用目的で維持管理されておりト

レラン大会等の集中的な走行利用を想定してい

ない公園利用者との接触事故静穏の妨げ

混雑などが懸念されているが統一的な指針が

無いため関係者同士の軋轢が生じることがあ

取り扱いの基本的な考え方

国立公園内で行われる大会を対象とし地方

事務所で許認可をするさらに都道府県も国定

公園や都道府県立公園の中で開催される大会取

り扱いの参考とする

大会等のルートや期間などの指導

コース設定に関しては国立公園の中で特別

保護地区及び第1種特別地域は原則回避湿原

や泥濘が多く存在する湿潤な環境高山植物群

落などのある自然環境の場所歩道(登山道な

ど)の複線化や拡幅が懸念される場所ではコー

ス設定しない

開催への配慮事項

他の利用者(登山者等)が多い路線や混雑期

を回避する

他の利用者への留意事項をウエブ等で十分に

周知する

退会主催者参加者及び応援者が遵守すべき

ルールを設定し利用者の安全性及び快適性を

確保する

モニタリングと現状の回復の実施

開催による自然環境等への影響のモニタリ

ングを大会主催者により実施する(事前事後の

写真等により影響を評価するなど)環

境の改変

が確認された場合は大会主催者は原状回復を

行う

(自然保護委員 渡邉嘉也)

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月)の年間購読料として1千円を「郵便振替用

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274‐0063

船橋市習志野台4‐43‐1‐102

川口章子

8

リニア中央新幹線について考える

― 現地長野県大鹿村から ―

長野県下伊那郡大鹿村 佐 藤 明 穂

昨年

10月の

国土

交通

省に

よる

東海

旅客

鉄道

株式

会社

(以

JR

東海

と略

す)

リニ

ア中

央新

幹線

建設

への

許認

可以

社は

着々

と建

設作

業開

始に

向け

ての

準備

進め

てい

2月

には

釜沢

地区

(大

鹿村

奥の

集落

南ア

ルプ

スを

貫通

する

トン

ルの

長野

県側

の掘

削口

にほ

ど近

い)

で住

に連

絡直

後か

ら水

平ボ

ーリ

ング

調査

が始

った

地区

では

20

08

年に

も同

様の

調

査が

24時間

操業

で行

われ

てお

りそ

の騒

や「

光」

害に

耐え

かね

て他

地区

に移

り住

だ一

家も

ある

JR

東海

は建

設用

の取

住民

への

工事

説明

会な

どを

経て

今秋

にも

本格

的に

着工

する

予定

であ

かな

この

地も

「静

かだ

った

とい

われ

るよ

うに

なり

10年超

にわ

たっ

て大

河原

区の

大半

が工

事プ

ラン

トの

現場

とな

1リニアは本当に必要か

の私

たち

にと

って

重要

なこ

とは

にわ

たっ

てい

かに

自然

環境

に対

する

負荷

減ら

し共

存し

てい

くか

に尽

きる

今の

常気

地球

温暖

化と

いわ

れる

現象

も元

ただ

せば

人間

社会

の生

産活

動拡

大が

その

因と

もい

われ

翻っ

日本

政府

や所

官庁

は原

子力

発電

を重

要な

ベー

スロ

ード

源と

位置

づけ

生可

能エ

ネル

ギー

を優

する

とし

た政

策を

早く

も転

換し

てい

島に

おけ

る大

災害

の後

始末

も核

廃棄

物の

終的

な処

理方

法も

確立

しな

いま

まに

であ

今さ

えよ

けれ

ばよ

いの

では

ない

今だ

け」

とい

うの

は今

を生

きる者

のエゴ

ある

現代

のツケ

は将

来に回

して

はな

らな

いと切実

に思

ここ

では

リニ

アの抱

える問題

を取

り上げ

ルートの選定

201

0年

10月

20日

国土

交通

省の

る審議

会(

交通

政策審議

会 陸上

交通分科

鉄道部

会 中

央新

幹線小委員

会審議

会家田

仁〈

東京

大学教授〉小委員

会委員

長)

南ア

ルプ

スを

貫通

する

トン

ネル構想

に関

て「

環境面

(重視

だけ

)か

らル

ート

の選

はで

きな

い(

しな

い)」と

の結論

が出さ

れる

さら

12月

15日「

南ア

ルプ

スに

トン

ネル

を掘

って

も構

わな

い」

とす

る内容

の中

間取

りま

とめ案

を公表

する

007

年の

JR

東海

によ

るリ

ニア

中央

新幹

線計画

発表

を受

けて

のも

のだ

この

会議

では

国立公園指

定区域

の拡張

やそ

れと

の整合性

につ

いて

何ら

の審議

もなさ

れて

いな

リニアの選択

ちなみ

この小委員

会で

は環

境保全

見地

より

一般

から

の意見

(パブ

リックコメ

ント

)募

集を3回実施

して

いる

答申

直前

の最

終公募

の集計結果

は総数

88

うち

反対

もし

くは

再検討

が64

8推

進賛成

16であ

った

にも

かか

わらず

家田委員

長は

「批判

は答申

を覆

すほ

どの

もの

では

ない

と大多数

の意見

を無視

して答申

を急

いだ

9

さら

に2

01

2年5

12日同委員

長か

国土

交通

大臣

に提出さ

れた答申

(一部

)で

「在

来新

幹線

は安全性

信頼性

エネ性

速達性

ネッ

トワ

ーク性

時性

設費

用等

の点

では

優れ

てい

るが

ニア

の方

高速性

の点

で優

れて

いる

ので

ニア

が適

当で

ある

」と結論

づけ

てい

る審議

会で

在来

新幹

線と

リニ

ア新

幹線

との比較検討

一切

行わ

れな

かっ

たに

もか

かわ

らず

初か

ら結論

あり

き真

に重

要な

こと

が時

をか

けて議論さ

れた

のか

大い

に疑問

があ

全国新幹線鉄道整備法(全幹法)との

整合性

この

法律

に基

づく

許認

可を受

けて

はい

もの

同法

では

大都市

(東京

など

)と全

国の

中核都市

を結ぶ

のが

本来

の趣旨

だが

ニア

は全

く異

なる

大都市

間を結ぶ

だけ

その機

能で

ある

当初

は中

間駅

設置

の予

すら

なか

った

幹法適

用は

JR

東海

が地

方自治体

によ

る土

地の強制収

用目当

てに意

図し

たと

も考

えら

れる

方で

社は

認可当初

から

「J

R東

海単独

での

建設

」を

言い続

けて

いる

れは全

幹法

の適

用と

相容

れな

いつ

まり

土地収

用な

どに関

して

は公権

力の

力が

ほし

いさ

れど

経営

に関

るこ

とに

は口出

しし

ない

でほ

しい

とい

う極

めて虫

のよ

い話

なの

リニア建設費用とJR東海の経営

一昨

年9

月当

時の山田

社長

が「

リニ

単独

ではペイ

しな

い」

と述べ

たよ

うに

ニア

中央

新幹

線の

建設費

はき

わめ

て高額

ある

東京―名古屋

間の

建設費

が5兆43

00億円

れに

はあ

とで追加

した

中間駅

の設

置費

用な

ど付帯

設備

の費

用は入

って

ない

アル

プス

を貫

通さ

せる

トン

ネル

事は破砕帯

の通過

も含

め難

工事

が予測さ

れて

いる

設費

用の増加

など

は当

然J

R東

海の

経営

を圧迫

する

音を言

えば

JR

東海

自身

もど

の段階

で公金

が投入さ

るか

(し

ても

らえ

るか

)が当面

の関心

事で

ある

とも

いえ

よう

公金

はす

なわ

ち国

民の

税金

であ

る誰

も望み

もし

ない

もの

に税金

が勝手

に使

われ

るな

許さ

れて

もよ

いも

のだろ

うか

リニアの動力源―原発との関係

リニ

アの技術

(超

電導

)は

定的

かつ

多量

に供給さ

れる

(原

発に

よる

)電

力と裏

腹の関係

にあ

これ

なく

して

は成立

しな

い先ごろ

東京

電力

と中部

電力

のJV

によ

る火

力発

電所

建設

の計画

が公表さ

れた

これ

はリ

ニア

対策

との見

方も

ある

もの

の一

時的

なも

のに過ぎ

ない

でに

新潟

県柏崎

(柏崎刈羽

原発

)か

ら山梨

県大

月(

リニ

実験

線)

まで

の高圧

鉄塔=送

電線

など

があ

るよ

うに

くま

でも

原発

によ

る電

力を使

用す

るこ

とが

「前提

」な

ので

ある

リニアの必要性に対する矛盾

JR

東海

リニ

ア中

央新

幹線

建設

の必

要性

を現在

の新

幹線

の輸送

力が限界

であ

こと

や災

害時

の代替路

線と

して

の役割

を強

調す

しか

し輸送

力に関

して

は特

定の

時期

を除

いて

50~

60の座席占有率

であ

るた

めに

とて

も「飽和状態

」と

はい

えな

これ

から

人口

が減少

すれ

新幹

線を

おも

に利

用す

る生

産年齢

人口

も大幅

に減少

する

また

存の

新幹

線と限

られ

たパイ(乗

客)

の奪

い合

いが

ある

にも

かか

わらず

建設

の必

要性

があ

るの

か加

えて

現在

の技術

では

営業

に支障

をき

たさ

ない

よう

に新

幹線

を補

修修繕

する

こと

は充分

可能

であ

るさ

に東

日本

大震

災の

経験

でも

明ら

かな

よう

10

災害

時に有効

なの

は物資

の輸送路

をい

かに

確保

する

かで

あり

れに

はリ

ニア

はま

たく役

に立

たな

他路

線と

の互

換性

がな

いこ

とな

ども含

今建

設す

る必

要性

はま

った

くな

電磁波の問題

(ここでは高圧線と車輌自体に限定)

電磁波

につ

いて

は当該

の環

境影響評価

対象

とは

なっ

てい

ない

評価書

では

リニ

中央

新幹

線の

発す

るも

のは

国際非

電離放射

線防護委員

会(ICNIRP)

が示

したガイ

ドラ

イン

20

00ミ

リガウ

ス以

下で

あり

磁界

によ

る健康

への影響

はな

いと

しか

説明さ

てい

ない

来は

WHO

の勧告

に従

って

経済

産業

省が1

00

0ミ

リガウ

スを規制値

にす

る予

定で

あっ

だが

のICNIRP

の改訂

に沿

って

2011

年3

月に

原子

安全保安院

が2

00

0ミ

リガウ

スを規制値

とし

て同

10月に施

行し

た一

方国

土交

通省

がリ

ニア

中央

新幹

線計画

に許

可を出

たの

がこ

の年

の5

月で

ある

れは

リニ

新幹

線の周囲

(線路脇6

線路

下8

範囲

)につ

いて

のみ

だけ

客室内

の水

がど

うな

のか

の説

明は

一切

ない

力供給

源で

ある高圧

鉄塔

が発

する巨

大な

磁波

のこ

とも何ひ

とつ触

れら

れて

いな

(こ

の件

に関

して

R東

海は

電力

会社

協議

する

とし

か述べ

てい

ない

)実際

山梨

県の実験

線付

近で

は柿

の実

の生

った木

に鳥

が寄

り付

かな

くな

った

など

の話

もあ

自身

も高圧

鉄塔

から

発す

る唸

りの

よう

「音

」を聞

いて

いる

スピードだけ

それ以外は危険性の高いリニア

リニ

ア唯

一の

優位性

最高

で時速5

00

とも

いわ

れる

スピ

ード

だが

たし

今こ

のよ

うな

もの

が必

要な

のだろ

うか

こだ

けが速

くと

も前

後の

アクセ

スに

時間

かか

るの

であ

れば

輸送

力と

して必ず

しも

優位性

は持

たな

であ

れば既

存の

新幹

を拡充さ

せた

方が

経済

的合

理性

は高

い技

術力

の追求

もそ

れは

一部

の人

たち

のエゴ

はな

いの

そう

いっ

たも

のよ

りも

今何

りも求

めら

れる

のはバ

ラン

ス感覚

具体

には

自然

環境

との

調和

であ

リニ

アは

まり

にも

「対価

」が高

すぎ

リモ

ートコ

ント

ロー

ルに

よる運

転や約

86も

のト

ネル(

東京―名古屋

間)近

い将

来起

こる

いわ

れる

東南

海ト

ラフ

を震

源と

する巨

大地

震の

対策

地域

(震度6程度

以上

)に路

線の

一部

がか

かっ

てい

ここ

には糸魚川

静岡

構造

線(フォッサマ

グナ

)や

中央構造

線も

通っ

てい

る高速走

行中

ンネ

ルの横切

る断層

がた

とえ

50で

もズレ

たら

果は

明白

だろ

う山

中深

いト

ンネ

ルで

もし

もの

こと

が起

きた

あと

は地上

まで

自分

自身

の足

で出

てく

るし

かな

い外

の景色

どは望むべ

くも

ない

がこ

のよ

うな危険

な乗

り物

を望む

のだろ

うか

2大鹿村とリニア

大鹿村

の住む

長野

県下伊那郡

大鹿

村は

人口約

11

00

人高齢者率

が半数

を超

える

村で

ある

河原

集落

を流

れる小渋川

の奥

には

赤石岳

がそび

えて

おり

の東

側は

静岡

の大井川

源流域

であ

大鹿

村は

地芝居

大鹿歌舞伎

でも有名

原田芳雄

の遺

作と

なっ

た映画

「大

鹿村

騒動記

」の

ロケ

地と

ても知

られ

る1

89

2年

8月

下旬

にはウ

ェス

トン

がこ

こか

ら赤石岳

に登

って

いる

(2

01

2年

「ウェ

スト

ン顕彰碑

」が

村民

有志

によ

り建立

)南

アル

プス

をはじ

めと

11

る山

々に抱

かれ

た静

かな

村で

ある

JR東海からの計画発表報告

2013

年の

JR

東海

のル

ート公表

同年

10月に

行わ

れた

同社

によ

る村

での

備書

説明

会(

2回

)に

は住

民を

中心

に26

0人

あま

りが参加

した

こで

は準

備書

内容

に関

する

説明

と質疑応答

が行

われ

準備書

では

「工

事に

よる影響

は生じ

ない

「影響

はあ

って

も小さ

い」

など

の記述

が目

立ち

事に

よる

環境

へのダメ

ージ

(す

わち

トン

ネル

掘削

によ

る地質

や河川湧

工事

区域周辺

での在

来動植

物景観

など

の影響

)お

よび

私た

ちの

生活

環境

の変

化な

どの記載

はほ

とん

どか

った

れが意味

るの

JR

東海

が環

境に

は配慮

しな

いで

工事

を進

める

とい

うこ

とだ

事の概

要と

して

鹿村

は南

アル

プス

を貫

くト

ンネ

(距離約

23主稜

線小

河内岳

28

02

mの

南側

を通過

)の

長野

県側

の坑

口と

して

小渋川部分

は地上

(橋梁

)で

通過

央構

造線

や伊那山

地は

再び

トン

ネル

で通過

竜川

に至

る計画

であ

る工期

10年以上

渡り

村内

での坑

口は計4

本変

電施

設の

建設

も予

定さ

れて

いる

削で

発生

する

砂は

最盛期

には1

日当

たり

工事車輌

(お

に大型ダ

ンプ

)17

00台

超と見積

もら

てい

る(1

日8

時間

の通

行と

して約

17秒に

1台

の走

行)

住民の反応JR東海の問題点

まさ

に住

民に

とっ

て衝撃

的な内容

であ

JR

東海

とし

ては

住民

から

の反

対が

想さ

れる

こと

もあ

って

か当

日の

会場

では

質問者

が多数

いた

にも

かか

わらず途

中で質

疑を打

ち切

るな

その

対応

には多

くの問

題が

あっ

た私

も参加

した

が担当者

の「

民の

理解

を得

なが

ら」と

の発言

とは裏腹

とに

かく

「2

027

年開

業あ

りき

」の姿勢

ばか

りが目立

ち結果

とし

て住

民の

理解

得る

対応

とは程遠

いも

ので

あっ

環境影響評価書による説明会

翌2

014

11月

10日

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12

『大鹿村とリニア』

平行線だった

JR東海が今月下伊那郡大鹿村で開いたリニア中央新幹線の事業説明会人口

1100 人の村で300 人近くが出席していた工事への理解を求めるJRに対し住民

からは「風景は一度失ったら取り戻せない」「JRの利益の裏返しが村の犠牲だ」と

いう根本的な反論が相次いだ

大鹿村は今のままでいい-そう訴える若い世代が多かったことが印象に残った

リニアの路線は村の南部を東西に通る残土を運び出すための作業用トンネル坑口

を4カ所設け変電施設を作り小渋川の上流に橋を架ける最大で1日 1700 台余

の大きな工事用車両が生活道路を走る暮らしや観光業への影響は避けられない

JRが工事概要を説明した後の質疑応答は2時間半に及んだ「所得は少ないが

村民は豊かな自然の中で生きている」「手を付けなければ山は壊れない水が枯れる

ことも生命が失われることもない」質問というより訴えに近い発言が続いた

JR側は「切実な心配を受け止め少しでも解消したい」と返すのがやっと「地

元の理解と同意がなければ着工できない」と何度も繰り返した村は以前から小渋

川の橋を地中化するよう求めているがJRは説明会でも「工事の難度が増す」と

して受け入れなかった環境保全協定の締結については「考えていない」と回答変

電施設の送電線を地中化する要望に関しては何の説明もなかった最低限と言って

いい条件すら聞き入れられないことがJRに対する住民の不信を高めているのだろ

う出席者からは「一方的だ」と憤る声が上がった (中略)

「リニアの夢」が始まったのは半世紀も前だ国を挙げて成長を追い求めた 50 年

は村にとり若者が都会に流れ離農が進み集落が疲弊した歳月だった

大鹿村の人口の3割を I ターン者が占める311 後に U ターンしてきた若者もい

るという昔に戻るのではなくそれぞれができる仕事を探し自然や文化を共有し

ながら緩やかに結び付く新しい価値観の芽がこの村で育ちつつあるように感じら

れた

「理解と同意」を得るとしたJR東海は大鹿村とどう向き合うのか若い世代が

見つめる未来をないがしろにはできない

〈信濃毎日新聞 2014年 11 月 23 日付『社説』より抜粋〉

13

3リニアと自然環境住民との共存は

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14

自然保護委員会の活動記録

〈一月度〉

①山岳団体自然環境連絡会1月

22日(木) 出

席者富澤武藤

bull 各団体の報告

bull 「山の野生鳥獣目撃レポート」のパンフレ

ットの改訂版を作成予定

②埼玉支部主催第4回「埼玉の自然を知ろ

う」シンポジウム(2015年1月

15日

(木)

於浦和コミュニティセンター)に

一部の委員が参加

③自然保護委員会 1

26日(月)

bull 2015年度自然保護全国集会について

次回自然保護全国集会は東京多摩支部

との共催となった

bull 『木の目草の芽』115号について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

『木の目草の芽』113号114号発行

〈二月度〉

①全国集会実行委員会(

第1回)2月

13日(金)

出席者富澤河野川口西谷近藤武

藤土井

bull 会場下見の報告

bull プログラムフィールドスタディのコース

会費等の原案を作成

②自然保護委員会 2月

23日(月)

bull 理事会報告

bull 2015年度「事業計画」ならびに「委員

会予算」について

bull 環境省自然環境局国立公園課主催「

国立公

園内におけるトレイルランニング大会等

の取扱いに関する説明会」(

於新宿御苑

インフォメーションセンター2月

15日)

の報告

bull 山のECHO主催「

自然地域トイレ屎尿処

理技術セミナーおよび技術説明会」(

日本環境整備教育センター2月

19日)

の報告

bull 「入山者ルール策定セミナー」の案内

bull 次期委員長について

川口委員が次期委員長に選任された

bull 2015年度自然保護全国集会(東京多摩)

について

第1回実行委員会(2月

13日)決定事

項の報告

プログラムフィールドスタディのコー

ス会費等を協議した

bull 『木の目草の芽』について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

bull 2015年度自然観察会について

訂正とお詫び

『木の目草の芽』114号

12ページ「自然保護

委員会の活動記録」の1段目

20行目にldquo

静岡

支部宮崎支部などの報告rdquoと記載されていま

すが正しくはldquo静岡支部宮城支部などの報

告rdquoです訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉尾瀬を守る会の椎名宏子さんと

大鹿村の会員佐藤明穂さんがご寄稿ください

ました溢れる数々の情報に紛れて見えにくく

なりがちな事実をつぶさに語ってくださるこう

した声を多くの方へ正確に大切にお伝えする

ことがこの紙面の重要な役目と思います

卒業シーズンにふと一曲の歌を思い出しました

『肩に食い込むザックに耐えて君の足あと辿っ

て行ったあの日のあの山忘れるもんか登山シ

ューズがそっとよけたあの日のあの花忘れはし

ない』

うろ覚えだったので調べてみたら「ゴールめざ

して」という唱歌でした草花をよけることばか

り考えていたら足元がおぼつかなくなって身の危

険にさらされるということもあるでしょうで

もやはり私はこの歌のようにできるかぎり自分自

身よりも足元の花に意識を向けてそれをそっと

よける登山者であり続けたいと思います花を認

識できる程度のペースで走るのではなく元川

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14

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大山

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氏撮影

4

「入域料」「

ナショナルトラスト活動」

の法定化について

富澤 克禮

国立公園や名勝地などの自然環境を保全す

るため地方自治体が登山者や観光客から入

域料を徴収出来るようにする法律が可決成

立したこれは利用者負担を求めることに

法的根拠を与えることで不足しがちな遊歩

道整備トイレ設置などの維持管理費を確保

することが狙いであるま

たこ

の法律では

自治体が広く寄付を募り保全する土地を買

取り維持管理する「トラスト活動」を促進す

るための基金をもうけることができること等

も定められている

わが国における入域料の現状

わが国では入山料協力金手数料等の

名目で自然地域に立ち入る際に支払う料金

(以下「入域料」という)

を徴収している地

域は利用調整地区制度の西大台地区知床五

湖の手数料の徴収の例を含めても十例にも

ならず極めて少ないまた入域料は百円

~千円という金額が相場になっており海外

の事例に比べると廉価な設定になっている

海外ではオーバーユース状態にある利用者

を適正水準にまで抑制するために入域料を高

めに設定していることが背景にあると考えら

れる

海外では入域料の徴収が一般的というこ

ととを聞くにつけわが国の山の環境対策

安全対策が財政的な理由からまだまだ充分

でない現状を知るにつけ問題意識を感じざ

るを得ない

「富士入山料 徴

収険し」と

の見出しで昨年八

月二十七日の朝日新聞の夕刊が報じている

これによると入山料は環境保全と登山者

の安全対策を目的に静岡山梨両県が提唱

平成二十五年夏に試行登山者の七割が協力

してくれ好感触が得られたことから平成

二十六年の夏から「

富士山保全協力金」とし

て富士山を登る人に任意で一人千円の支払い

を求めているがこの夏の協力者は前年の

実験の

68を下回り

56に減少目標額に

届かないようだ原因としては①ツアー客

が一人ずつ払うのは時間がかかるし外国人

は入山料をほとんど知らない②使い道が示

せていない等の指摘がなされているなお

富士山でのオーバーユース状態を適正水準に

まで抑制するためには七千円の入山料が必

要との試算がある

また屋久島では二〇〇八年に導入した

「屋久島山岳部保全募金」(

一口五〇〇円)の

集まりが低調で山岳トイレのし尿処理費不

足が慢性化しているという現実もある

入域料支払いに対する登山者の意識

われわれ日本山岳会 自

然保護委員会が二

〇〇八年三月日本山岳会会員全員(五五三

二人)を対象に行ったアンケート「山の環境

問題に関する意識調査」回答者数一千九一二

人(回答率

35)の中で登山の大衆化に伴

うオーバーユース問題の解決策として「有名

山域での入山料徴収についてどう思うか」を

聞いているそれによると

有力な手段として積極的に検討すべきhellip

39

他に有効な手段がなければやむを得ないhellip

37

あわせて

76となり入山料徴収は好ましく

ないhellip

23を大きく上回っており日本山岳

会の会員の意識については一定の方向性は

出ているものと思われる

入域料等の法定化について

冒頭に述べた入域料を徴収できるようにする

法律「地域自然資産区域における自然環境の

保全及び持続可能な利用の推進に関する法律」

が議員立法として提出され平成二十六年六

5

月十八日に参議院本会議で賛成多数により可

決成立し同月二十五日に公布されたこ

の法律は十四条と三条の附則からなる短い

ものである

法案提出の背景について

環境委員会調査室 中野かおり氏のこの法

律の紹介文「入域料ナショナルトラスト

活動の法制化」から一部抜粋し紹介する

①自然環境をめぐる現状

近年の利用者数の増加に伴うオーバーユー

ス等により植生の踏み荒らしや不適切なし

尿の処理等が問題となり各地域で自然環境

への悪影響が懸念されているこうした問題

への対応については各地域で状況が異なる

ことや国

の財政面でも限界があることから

これまで地域の主導により自然環境の保全

に向けた取組が行われてきたその代表的な

取組として次の「入域料の導入」と「ナシ

ョナルトラスト活動」がある

②入域料の導入

自然環境の保全及び持続可能な利用の推進

のためにはごみやし尿の処理施設植生の

踏み荒らしを防ぐ柵歩道等の整備が必要に

なるがこうした環境対策や安全対策を実施

する費用について「汚染者負担の原則」又は

「受益者負担の原則」の考えの下利用者に

対して負担を求める取組を行っている地域が

ある一般的にはこうした利用者負担につ

いては入

山料入

園料等と言われているが

本法では「

入域料」と定義している国内で

の入域料の導入事例は数例でありその名

称対象金額使途徴収根拠等は様々で

ある

③ナショナルトラスト活動

ナショナルトラスト活動は良好な自然

環境を国民又は地域の財産として保全してい

くことを目的として寄附金等を募って土地

の取得を行いその土地を維持管理する仕組

みをいう

十九世紀末のイギリスが発祥の地であるが

日本においては一九六四年に鎌倉で古都の

景観を宅地造成から守ろうと地元住民が財

団法人を結成して土地を買い上げた事案が最

初の例だと言われている一九七七年には「

床で夢を買いませんか」というキャッチフレ

ーズの下知床の土地を買い上げるために全

国から寄附を募った「しれとこ百平方メート

ル運動」が起こりナショナルトラスト活

動の意義が全国に普及する契機となった

その後和歌山県の天神崎北海道の釧路

湿原埼玉県の狭山丘陵のトトロの森など各

地でナショナルトラスト活動が展開されるよ

うになり現在五十以上の団体が活動してい

この法律の目的概要

この法律は「

入域料」や「ナショナルト

ラスト活動」などの取組の推進を図るために

起草されたものであるその目的は国立公

園国定公園等の自然環境を保全し及び持

続可能な利用を推進するためには公的資金

を用いた取組に加えて利

用者による負担(

域料)民間団体等が寄附金を募って行う土地

の取得管理(自然環境トラスト活動)など

民間資金を用いた地域の自発的な取組を推進

することである

この法律は議員立法のため省庁間の細か

い調整等がおこなわれておらず「基本方針」

の策定の具体的な内容の肉付けはこれからで

ある

基本方針の策定

基本的なスキームとしてこれから環境大

臣及び文部科学大臣は農林水産大臣国土

交通大臣等と協議して自然環境の保全及び持

続可能な利用の推進に関する「基本方針」を

定める作業が必要であるこの「基本方針」

6

に何が盛り込まれるかが重要な問題である

地域計画の作成

都道府県及び市町村は単独で又は共同し

て「基本方針」に基づき「地域計画」を作成

することができるまた都道府県等は地

域計画の作成に関する協議及び地域計画の実

施に係る連絡調整を行うための「協議会」を

組織することができると定めている

地域計画の実施にあたっては環境大臣等

の協議同意を経た地域計画に従って行うも

のについては自然公園法等の許可等を不要

とする特例を設けている

施行期日

公布の日(平成二十六年六月二十五日)か

ら起算して1年を超えない範囲の政令で定め

る日である

まとめ

今迄個人自治体がバラバラに動いてい

たために環境対策や安全対策を実施する費

用の調達等の財政的な問題の解決及びオーバ

ーユース状態にある利用者を適正水準にまで

抑制するための問題の解決に有効な方向性が

見いだせないでいたそんな時入域料につ

いて国がこのような法律で一定の方向性を

示したことは大いに評価できる

ただ内容手続き等が複雑で難しい為

にこの法律を利用しての入域料の設定や

ナショナルトラスト活動の進展が少ないの

ではないかということが憂慮されるさ

らに

最も重要なことは入域料の使途及び収支を

明確にして登山者等に周知徹底させることで

あるこれなくしては登山者の協力は得ら

れないであろう

またこの文章をまとめるにあたって法

律を読んでいると第十二条(土地の取得)

に目が止まった

「国及び都道府県は地域自然資産区域内

の土地が国立公園の区域内に含まれるもの

である等の理由により自然環境の保全及び

持続可能な利用の推進を図る上で特に重要で

あると認めるときは当該土地を取得するよ

う努めるものとする」

とある

山岳7団体の自然保護担当者の集まりであ

る「山岳団体自然環境連絡会」が東京電力

の福島原子力発電所の事故による経営破綻を

うけて平成二十四年四月二日に「尾瀬国立

公園の自然環境生態系保全を継続的安定

的に行うための意見書」を環境大臣宛てに提

出その中で意見として「尾瀬の土地の国

有化」「

国の主導的管理について」を要請し

ている環境省との懇談会の席では「尾瀬の

土地の国有化」については必ずしも前向

きな考え方を聞かせてもらえていない

この法律の成立によって「尾瀬の土地の国

有化」の道が開けたという理解でよろしいの

でしょうか (自然保護委員)

2014年8月

27日

朝日新聞夕刊

7

「トレイルランニング大会等の実施」

に関する環境省説明会報告

環境省国立公園課により「

国立公園内にお

けるトレイルランニング大会等の取扱い(

概要)」

について策定の背景事実関係基本的な考

え方取扱い方針などを平成

27年2月

15日及

17日の2回(各々100人定員)行われたの

で報告します 出席者は山岳団体野鳥の

会山小屋地方自治体自然環境関係者など

(以下環境省国立公園課配布資料の抜粋と要

約)

策定の背景目的

多人数で競争するトレイルランニング(以下

「トレラン」)大

会を開催することによる登山道

とその周辺の自然環境への影響や利用者の安全

を妨げる懸念があるので大会の取扱いをとり

まとめ自然環境の保全及び快適な公園利用環

境の確保を図る

事実関係など

国立公園内の歩道(登山道)は地域特性に

応じた徒歩利用目的で維持管理されておりト

レラン大会等の集中的な走行利用を想定してい

ない公園利用者との接触事故静穏の妨げ

混雑などが懸念されているが統一的な指針が

無いため関係者同士の軋轢が生じることがあ

取り扱いの基本的な考え方

国立公園内で行われる大会を対象とし地方

事務所で許認可をするさらに都道府県も国定

公園や都道府県立公園の中で開催される大会取

り扱いの参考とする

大会等のルートや期間などの指導

コース設定に関しては国立公園の中で特別

保護地区及び第1種特別地域は原則回避湿原

や泥濘が多く存在する湿潤な環境高山植物群

落などのある自然環境の場所歩道(登山道な

ど)の複線化や拡幅が懸念される場所ではコー

ス設定しない

開催への配慮事項

他の利用者(登山者等)が多い路線や混雑期

を回避する

他の利用者への留意事項をウエブ等で十分に

周知する

退会主催者参加者及び応援者が遵守すべき

ルールを設定し利用者の安全性及び快適性を

確保する

モニタリングと現状の回復の実施

開催による自然環境等への影響のモニタリ

ングを大会主催者により実施する(事前事後の

写真等により影響を評価するなど)環

境の改変

が確認された場合は大会主催者は原状回復を

行う

(自然保護委員 渡邉嘉也)

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月)の年間購読料として1千円を「郵便振替用

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住所

274‐0063

船橋市習志野台4‐43‐1‐102

川口章子

8

リニア中央新幹線について考える

― 現地長野県大鹿村から ―

長野県下伊那郡大鹿村 佐 藤 明 穂

昨年

10月の

国土

交通

省に

よる

東海

旅客

鉄道

株式

会社

(以

JR

東海

と略

す)

リニ

ア中

央新

幹線

建設

への

許認

可以

社は

着々

と建

設作

業開

始に

向け

ての

準備

進め

てい

2月

には

釜沢

地区

(大

鹿村

奥の

集落

南ア

ルプ

スを

貫通

する

トン

ルの

長野

県側

の掘

削口

にほ

ど近

い)

で住

に連

絡直

後か

ら水

平ボ

ーリ

ング

調査

が始

った

地区

では

20

08

年に

も同

様の

調

査が

24時間

操業

で行

われ

てお

りそ

の騒

や「

光」

害に

耐え

かね

て他

地区

に移

り住

だ一

家も

ある

JR

東海

は建

設用

の取

住民

への

工事

説明

会な

どを

経て

今秋

にも

本格

的に

着工

する

予定

であ

かな

この

地も

「静

かだ

った

とい

われ

るよ

うに

なり

10年超

にわ

たっ

て大

河原

区の

大半

が工

事プ

ラン

トの

現場

とな

1リニアは本当に必要か

の私

たち

にと

って

重要

なこ

とは

にわ

たっ

てい

かに

自然

環境

に対

する

負荷

減ら

し共

存し

てい

くか

に尽

きる

今の

常気

地球

温暖

化と

いわ

れる

現象

も元

ただ

せば

人間

社会

の生

産活

動拡

大が

その

因と

もい

われ

翻っ

日本

政府

や所

官庁

は原

子力

発電

を重

要な

ベー

スロ

ード

源と

位置

づけ

生可

能エ

ネル

ギー

を優

する

とし

た政

策を

早く

も転

換し

てい

島に

おけ

る大

災害

の後

始末

も核

廃棄

物の

終的

な処

理方

法も

確立

しな

いま

まに

であ

今さ

えよ

けれ

ばよ

いの

では

ない

今だ

け」

とい

うの

は今

を生

きる者

のエゴ

ある

現代

のツケ

は将

来に回

して

はな

らな

いと切実

に思

ここ

では

リニ

アの抱

える問題

を取

り上げ

ルートの選定

201

0年

10月

20日

国土

交通

省の

る審議

会(

交通

政策審議

会 陸上

交通分科

鉄道部

会 中

央新

幹線小委員

会審議

会家田

仁〈

東京

大学教授〉小委員

会委員

長)

南ア

ルプ

スを

貫通

する

トン

ネル構想

に関

て「

環境面

(重視

だけ

)か

らル

ート

の選

はで

きな

い(

しな

い)」と

の結論

が出さ

れる

さら

12月

15日「

南ア

ルプ

スに

トン

ネル

を掘

って

も構

わな

い」

とす

る内容

の中

間取

りま

とめ案

を公表

する

007

年の

JR

東海

によ

るリ

ニア

中央

新幹

線計画

発表

を受

けて

のも

のだ

この

会議

では

国立公園指

定区域

の拡張

やそ

れと

の整合性

につ

いて

何ら

の審議

もなさ

れて

いな

リニアの選択

ちなみ

この小委員

会で

は環

境保全

見地

より

一般

から

の意見

(パブ

リックコメ

ント

)募

集を3回実施

して

いる

答申

直前

の最

終公募

の集計結果

は総数

88

うち

反対

もし

くは

再検討

が64

8推

進賛成

16であ

った

にも

かか

わらず

家田委員

長は

「批判

は答申

を覆

すほ

どの

もの

では

ない

と大多数

の意見

を無視

して答申

を急

いだ

9

さら

に2

01

2年5

12日同委員

長か

国土

交通

大臣

に提出さ

れた答申

(一部

)で

「在

来新

幹線

は安全性

信頼性

エネ性

速達性

ネッ

トワ

ーク性

時性

設費

用等

の点

では

優れ

てい

るが

ニア

の方

高速性

の点

で優

れて

いる

ので

ニア

が適

当で

ある

」と結論

づけ

てい

る審議

会で

在来

新幹

線と

リニ

ア新

幹線

との比較検討

一切

行わ

れな

かっ

たに

もか

かわ

らず

初か

ら結論

あり

き真

に重

要な

こと

が時

をか

けて議論さ

れた

のか

大い

に疑問

があ

全国新幹線鉄道整備法(全幹法)との

整合性

この

法律

に基

づく

許認

可を受

けて

はい

もの

同法

では

大都市

(東京

など

)と全

国の

中核都市

を結ぶ

のが

本来

の趣旨

だが

ニア

は全

く異

なる

大都市

間を結ぶ

だけ

その機

能で

ある

当初

は中

間駅

設置

の予

すら

なか

った

幹法適

用は

JR

東海

が地

方自治体

によ

る土

地の強制収

用目当

てに意

図し

たと

も考

えら

れる

方で

社は

認可当初

から

「J

R東

海単独

での

建設

」を

言い続

けて

いる

れは全

幹法

の適

用と

相容

れな

いつ

まり

土地収

用な

どに関

して

は公権

力の

力が

ほし

いさ

れど

経営

に関

るこ

とに

は口出

しし

ない

でほ

しい

とい

う極

めて虫

のよ

い話

なの

リニア建設費用とJR東海の経営

一昨

年9

月当

時の山田

社長

が「

リニ

単独

ではペイ

しな

い」

と述べ

たよ

うに

ニア

中央

新幹

線の

建設費

はき

わめ

て高額

ある

東京―名古屋

間の

建設費

が5兆43

00億円

れに

はあ

とで追加

した

中間駅

の設

置費

用な

ど付帯

設備

の費

用は入

って

ない

アル

プス

を貫

通さ

せる

トン

ネル

事は破砕帯

の通過

も含

め難

工事

が予測さ

れて

いる

設費

用の増加

など

は当

然J

R東

海の

経営

を圧迫

する

音を言

えば

JR

東海

自身

もど

の段階

で公金

が投入さ

るか

(し

ても

らえ

るか

)が当面

の関心

事で

ある

とも

いえ

よう

公金

はす

なわ

ち国

民の

税金

であ

る誰

も望み

もし

ない

もの

に税金

が勝手

に使

われ

るな

許さ

れて

もよ

いも

のだろ

うか

リニアの動力源―原発との関係

リニ

アの技術

(超

電導

)は

定的

かつ

多量

に供給さ

れる

(原

発に

よる

)電

力と裏

腹の関係

にあ

これ

なく

して

は成立

しな

い先ごろ

東京

電力

と中部

電力

のJV

によ

る火

力発

電所

建設

の計画

が公表さ

れた

これ

はリ

ニア

対策

との見

方も

ある

もの

の一

時的

なも

のに過ぎ

ない

でに

新潟

県柏崎

(柏崎刈羽

原発

)か

ら山梨

県大

月(

リニ

実験

線)

まで

の高圧

鉄塔=送

電線

など

があ

るよ

うに

くま

でも

原発

によ

る電

力を使

用す

るこ

とが

「前提

」な

ので

ある

リニアの必要性に対する矛盾

JR

東海

リニ

ア中

央新

幹線

建設

の必

要性

を現在

の新

幹線

の輸送

力が限界

であ

こと

や災

害時

の代替路

線と

して

の役割

を強

調す

しか

し輸送

力に関

して

は特

定の

時期

を除

いて

50~

60の座席占有率

であ

るた

めに

とて

も「飽和状態

」と

はい

えな

これ

から

人口

が減少

すれ

新幹

線を

おも

に利

用す

る生

産年齢

人口

も大幅

に減少

する

また

存の

新幹

線と限

られ

たパイ(乗

客)

の奪

い合

いが

ある

にも

かか

わらず

建設

の必

要性

があ

るの

か加

えて

現在

の技術

では

営業

に支障

をき

たさ

ない

よう

に新

幹線

を補

修修繕

する

こと

は充分

可能

であ

るさ

に東

日本

大震

災の

経験

でも

明ら

かな

よう

10

災害

時に有効

なの

は物資

の輸送路

をい

かに

確保

する

かで

あり

れに

はリ

ニア

はま

たく役

に立

たな

他路

線と

の互

換性

がな

いこ

とな

ども含

今建

設す

る必

要性

はま

った

くな

電磁波の問題

(ここでは高圧線と車輌自体に限定)

電磁波

につ

いて

は当該

の環

境影響評価

対象

とは

なっ

てい

ない

評価書

では

リニ

中央

新幹

線の

発す

るも

のは

国際非

電離放射

線防護委員

会(ICNIRP)

が示

したガイ

ドラ

イン

20

00ミ

リガウ

ス以

下で

あり

磁界

によ

る健康

への影響

はな

いと

しか

説明さ

てい

ない

来は

WHO

の勧告

に従

って

経済

産業

省が1

00

0ミ

リガウ

スを規制値

にす

る予

定で

あっ

だが

のICNIRP

の改訂

に沿

って

2011

年3

月に

原子

安全保安院

が2

00

0ミ

リガウ

スを規制値

とし

て同

10月に施

行し

た一

方国

土交

通省

がリ

ニア

中央

新幹

線計画

に許

可を出

たの

がこ

の年

の5

月で

ある

れは

リニ

新幹

線の周囲

(線路脇6

線路

下8

範囲

)につ

いて

のみ

だけ

客室内

の水

がど

うな

のか

の説

明は

一切

ない

力供給

源で

ある高圧

鉄塔

が発

する巨

大な

磁波

のこ

とも何ひ

とつ触

れら

れて

いな

(こ

の件

に関

して

R東

海は

電力

会社

協議

する

とし

か述べ

てい

ない

)実際

山梨

県の実験

線付

近で

は柿

の実

の生

った木

に鳥

が寄

り付

かな

くな

った

など

の話

もあ

自身

も高圧

鉄塔

から

発す

る唸

りの

よう

「音

」を聞

いて

いる

スピードだけ

それ以外は危険性の高いリニア

リニ

ア唯

一の

優位性

最高

で時速5

00

とも

いわ

れる

スピ

ード

だが

たし

今こ

のよ

うな

もの

が必

要な

のだろ

うか

こだ

けが速

くと

も前

後の

アクセ

スに

時間

かか

るの

であ

れば

輸送

力と

して必ず

しも

優位性

は持

たな

であ

れば既

存の

新幹

を拡充さ

せた

方が

経済

的合

理性

は高

い技

術力

の追求

もそ

れは

一部

の人

たち

のエゴ

はな

いの

そう

いっ

たも

のよ

りも

今何

りも求

めら

れる

のはバ

ラン

ス感覚

具体

には

自然

環境

との

調和

であ

リニ

アは

まり

にも

「対価

」が高

すぎ

リモ

ートコ

ント

ロー

ルに

よる運

転や約

86も

のト

ネル(

東京―名古屋

間)近

い将

来起

こる

いわ

れる

東南

海ト

ラフ

を震

源と

する巨

大地

震の

対策

地域

(震度6程度

以上

)に路

線の

一部

がか

かっ

てい

ここ

には糸魚川

静岡

構造

線(フォッサマ

グナ

)や

中央構造

線も

通っ

てい

る高速走

行中

ンネ

ルの横切

る断層

がた

とえ

50で

もズレ

たら

果は

明白

だろ

う山

中深

いト

ンネ

ルで

もし

もの

こと

が起

きた

あと

は地上

まで

自分

自身

の足

で出

てく

るし

かな

い外

の景色

どは望むべ

くも

ない

がこ

のよ

うな危険

な乗

り物

を望む

のだろ

うか

2大鹿村とリニア

大鹿村

の住む

長野

県下伊那郡

大鹿

村は

人口約

11

00

人高齢者率

が半数

を超

える

村で

ある

河原

集落

を流

れる小渋川

の奥

には

赤石岳

がそび

えて

おり

の東

側は

静岡

の大井川

源流域

であ

大鹿

村は

地芝居

大鹿歌舞伎

でも有名

原田芳雄

の遺

作と

なっ

た映画

「大

鹿村

騒動記

」の

ロケ

地と

ても知

られ

る1

89

2年

8月

下旬

にはウ

ェス

トン

がこ

こか

ら赤石岳

に登

って

いる

(2

01

2年

「ウェ

スト

ン顕彰碑

」が

村民

有志

によ

り建立

)南

アル

プス

をはじ

めと

11

る山

々に抱

かれ

た静

かな

村で

ある

JR東海からの計画発表報告

2013

年の

JR

東海

のル

ート公表

同年

10月に

行わ

れた

同社

によ

る村

での

備書

説明

会(

2回

)に

は住

民を

中心

に26

0人

あま

りが参加

した

こで

は準

備書

内容

に関

する

説明

と質疑応答

が行

われ

準備書

では

「工

事に

よる影響

は生じ

ない

「影響

はあ

って

も小さ

い」

など

の記述

が目

立ち

事に

よる

環境

へのダメ

ージ

(す

わち

トン

ネル

掘削

によ

る地質

や河川湧

工事

区域周辺

での在

来動植

物景観

など

の影響

)お

よび

私た

ちの

生活

環境

の変

化な

どの記載

はほ

とん

どか

った

れが意味

るの

JR

東海

が環

境に

は配慮

しな

いで

工事

を進

める

とい

うこ

とだ

事の概

要と

して

鹿村

は南

アル

プス

を貫

くト

ンネ

(距離約

23主稜

線小

河内岳

28

02

mの

南側

を通過

)の

長野

県側

の坑

口と

して

小渋川部分

は地上

(橋梁

)で

通過

央構

造線

や伊那山

地は

再び

トン

ネル

で通過

竜川

に至

る計画

であ

る工期

10年以上

渡り

村内

での坑

口は計4

本変

電施

設の

建設

も予

定さ

れて

いる

削で

発生

する

砂は

最盛期

には1

日当

たり

工事車輌

(お

に大型ダ

ンプ

)17

00台

超と見積

もら

てい

る(1

日8

時間

の通

行と

して約

17秒に

1台

の走

行)

住民の反応JR東海の問題点

まさ

に住

民に

とっ

て衝撃

的な内容

であ

JR

東海

とし

ては

住民

から

の反

対が

想さ

れる

こと

もあ

って

か当

日の

会場

では

質問者

が多数

いた

にも

かか

わらず途

中で質

疑を打

ち切

るな

その

対応

には多

くの問

題が

あっ

た私

も参加

した

が担当者

の「

民の

理解

を得

なが

ら」と

の発言

とは裏腹

とに

かく

「2

027

年開

業あ

りき

」の姿勢

ばか

りが目立

ち結果

とし

て住

民の

理解

得る

対応

とは程遠

いも

ので

あっ

環境影響評価書による説明会

翌2

014

11月

10日

JR

東海

によ

る環

境影響評価書

に基

づく

説明

会(

環境影

響評価

法に

よる

最終報告書

土交

通省

よる

許認

可以

降当

地で

開か

れた

最初

の説

明会

)が

行わ

れた

開催形

式は前

年に

行わ

れた

環境影響評価

準備書

によ

るも

のの

時と

同様

ライ

ドに

よる

説明報告

のあ

と住

民と

の質疑応答

が行

われ

る形

式で

ある

だ異

なっ

たの

は前回

は質問者多数

であ

たに

もか

かわ

らず

予定

時間

で強引

に終

わら

せた

のに

対し

今回

は時

間を

大幅

に超過

る3

時間

30分(

うち質疑応答

が2

時間

30

分ほ

ど)

の開催

とな

った

こと

これ

はJ

R東

海側

の配慮

とい

うよ

りは

民に

とっ

てき

わめ

て関心

の高

い問題

であ

った

から

ほか

なら

ない

の席

JR

東海

の沢田

担当部

長は

「住

民の

理解

同意

が得

られ

けれ

ば建

設に

着手

しな

い」と

明言

して

いる

この

村全体

での

説明

会の

のち

12月初旬

かけ

て各

地区

住民

への

説明

会も

同様

に開

れた

この

時は出席

がそ

の地

区の関係者

に限

定さ

れ報

道機関

の参加

もシャッ

トア

ウトさ

れた

だ全体

と関

連す

る地

区の

説明

会計3ヶ

所に出席

した

私の印

象か

らす

ると

R東

海の姿勢

には前

年と何

ら変

が感じ

られ

なか

った

くま

でも

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12

『大鹿村とリニア』

平行線だった

JR東海が今月下伊那郡大鹿村で開いたリニア中央新幹線の事業説明会人口

1100 人の村で300 人近くが出席していた工事への理解を求めるJRに対し住民

からは「風景は一度失ったら取り戻せない」「JRの利益の裏返しが村の犠牲だ」と

いう根本的な反論が相次いだ

大鹿村は今のままでいい-そう訴える若い世代が多かったことが印象に残った

リニアの路線は村の南部を東西に通る残土を運び出すための作業用トンネル坑口

を4カ所設け変電施設を作り小渋川の上流に橋を架ける最大で1日 1700 台余

の大きな工事用車両が生活道路を走る暮らしや観光業への影響は避けられない

JRが工事概要を説明した後の質疑応答は2時間半に及んだ「所得は少ないが

村民は豊かな自然の中で生きている」「手を付けなければ山は壊れない水が枯れる

ことも生命が失われることもない」質問というより訴えに近い発言が続いた

JR側は「切実な心配を受け止め少しでも解消したい」と返すのがやっと「地

元の理解と同意がなければ着工できない」と何度も繰り返した村は以前から小渋

川の橋を地中化するよう求めているがJRは説明会でも「工事の難度が増す」と

して受け入れなかった環境保全協定の締結については「考えていない」と回答変

電施設の送電線を地中化する要望に関しては何の説明もなかった最低限と言って

いい条件すら聞き入れられないことがJRに対する住民の不信を高めているのだろ

う出席者からは「一方的だ」と憤る声が上がった (中略)

「リニアの夢」が始まったのは半世紀も前だ国を挙げて成長を追い求めた 50 年

は村にとり若者が都会に流れ離農が進み集落が疲弊した歳月だった

大鹿村の人口の3割を I ターン者が占める311 後に U ターンしてきた若者もい

るという昔に戻るのではなくそれぞれができる仕事を探し自然や文化を共有し

ながら緩やかに結び付く新しい価値観の芽がこの村で育ちつつあるように感じら

れた

「理解と同意」を得るとしたJR東海は大鹿村とどう向き合うのか若い世代が

見つめる未来をないがしろにはできない

〈信濃毎日新聞 2014年 11 月 23 日付『社説』より抜粋〉

13

3リニアと自然環境住民との共存は

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14

自然保護委員会の活動記録

〈一月度〉

①山岳団体自然環境連絡会1月

22日(木) 出

席者富澤武藤

bull 各団体の報告

bull 「山の野生鳥獣目撃レポート」のパンフレ

ットの改訂版を作成予定

②埼玉支部主催第4回「埼玉の自然を知ろ

う」シンポジウム(2015年1月

15日

(木)

於浦和コミュニティセンター)に

一部の委員が参加

③自然保護委員会 1

26日(月)

bull 2015年度自然保護全国集会について

次回自然保護全国集会は東京多摩支部

との共催となった

bull 『木の目草の芽』115号について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

『木の目草の芽』113号114号発行

〈二月度〉

①全国集会実行委員会(

第1回)2月

13日(金)

出席者富澤河野川口西谷近藤武

藤土井

bull 会場下見の報告

bull プログラムフィールドスタディのコース

会費等の原案を作成

②自然保護委員会 2月

23日(月)

bull 理事会報告

bull 2015年度「事業計画」ならびに「委員

会予算」について

bull 環境省自然環境局国立公園課主催「

国立公

園内におけるトレイルランニング大会等

の取扱いに関する説明会」(

於新宿御苑

インフォメーションセンター2月

15日)

の報告

bull 山のECHO主催「

自然地域トイレ屎尿処

理技術セミナーおよび技術説明会」(

日本環境整備教育センター2月

19日)

の報告

bull 「入山者ルール策定セミナー」の案内

bull 次期委員長について

川口委員が次期委員長に選任された

bull 2015年度自然保護全国集会(東京多摩)

について

第1回実行委員会(2月

13日)決定事

項の報告

プログラムフィールドスタディのコー

ス会費等を協議した

bull 『木の目草の芽』について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

bull 2015年度自然観察会について

訂正とお詫び

『木の目草の芽』114号

12ページ「自然保護

委員会の活動記録」の1段目

20行目にldquo

静岡

支部宮崎支部などの報告rdquoと記載されていま

すが正しくはldquo静岡支部宮城支部などの報

告rdquoです訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉尾瀬を守る会の椎名宏子さんと

大鹿村の会員佐藤明穂さんがご寄稿ください

ました溢れる数々の情報に紛れて見えにくく

なりがちな事実をつぶさに語ってくださるこう

した声を多くの方へ正確に大切にお伝えする

ことがこの紙面の重要な役目と思います

卒業シーズンにふと一曲の歌を思い出しました

『肩に食い込むザックに耐えて君の足あと辿っ

て行ったあの日のあの山忘れるもんか登山シ

ューズがそっとよけたあの日のあの花忘れはし

ない』

うろ覚えだったので調べてみたら「ゴールめざ

して」という唱歌でした草花をよけることばか

り考えていたら足元がおぼつかなくなって身の危

険にさらされるということもあるでしょうで

もやはり私はこの歌のようにできるかぎり自分自

身よりも足元の花に意識を向けてそれをそっと

よける登山者であり続けたいと思います花を認

識できる程度のペースで走るのではなく元川

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4

「入域料」「

ナショナルトラスト活動」

の法定化について

富澤 克禮

国立公園や名勝地などの自然環境を保全す

るため地方自治体が登山者や観光客から入

域料を徴収出来るようにする法律が可決成

立したこれは利用者負担を求めることに

法的根拠を与えることで不足しがちな遊歩

道整備トイレ設置などの維持管理費を確保

することが狙いであるま

たこ

の法律では

自治体が広く寄付を募り保全する土地を買

取り維持管理する「トラスト活動」を促進す

るための基金をもうけることができること等

も定められている

わが国における入域料の現状

わが国では入山料協力金手数料等の

名目で自然地域に立ち入る際に支払う料金

(以下「入域料」という)

を徴収している地

域は利用調整地区制度の西大台地区知床五

湖の手数料の徴収の例を含めても十例にも

ならず極めて少ないまた入域料は百円

~千円という金額が相場になっており海外

の事例に比べると廉価な設定になっている

海外ではオーバーユース状態にある利用者

を適正水準にまで抑制するために入域料を高

めに設定していることが背景にあると考えら

れる

海外では入域料の徴収が一般的というこ

ととを聞くにつけわが国の山の環境対策

安全対策が財政的な理由からまだまだ充分

でない現状を知るにつけ問題意識を感じざ

るを得ない

「富士入山料 徴

収険し」と

の見出しで昨年八

月二十七日の朝日新聞の夕刊が報じている

これによると入山料は環境保全と登山者

の安全対策を目的に静岡山梨両県が提唱

平成二十五年夏に試行登山者の七割が協力

してくれ好感触が得られたことから平成

二十六年の夏から「

富士山保全協力金」とし

て富士山を登る人に任意で一人千円の支払い

を求めているがこの夏の協力者は前年の

実験の

68を下回り

56に減少目標額に

届かないようだ原因としては①ツアー客

が一人ずつ払うのは時間がかかるし外国人

は入山料をほとんど知らない②使い道が示

せていない等の指摘がなされているなお

富士山でのオーバーユース状態を適正水準に

まで抑制するためには七千円の入山料が必

要との試算がある

また屋久島では二〇〇八年に導入した

「屋久島山岳部保全募金」(

一口五〇〇円)の

集まりが低調で山岳トイレのし尿処理費不

足が慢性化しているという現実もある

入域料支払いに対する登山者の意識

われわれ日本山岳会 自

然保護委員会が二

〇〇八年三月日本山岳会会員全員(五五三

二人)を対象に行ったアンケート「山の環境

問題に関する意識調査」回答者数一千九一二

人(回答率

35)の中で登山の大衆化に伴

うオーバーユース問題の解決策として「有名

山域での入山料徴収についてどう思うか」を

聞いているそれによると

有力な手段として積極的に検討すべきhellip

39

他に有効な手段がなければやむを得ないhellip

37

あわせて

76となり入山料徴収は好ましく

ないhellip

23を大きく上回っており日本山岳

会の会員の意識については一定の方向性は

出ているものと思われる

入域料等の法定化について

冒頭に述べた入域料を徴収できるようにする

法律「地域自然資産区域における自然環境の

保全及び持続可能な利用の推進に関する法律」

が議員立法として提出され平成二十六年六

5

月十八日に参議院本会議で賛成多数により可

決成立し同月二十五日に公布されたこ

の法律は十四条と三条の附則からなる短い

ものである

法案提出の背景について

環境委員会調査室 中野かおり氏のこの法

律の紹介文「入域料ナショナルトラスト

活動の法制化」から一部抜粋し紹介する

①自然環境をめぐる現状

近年の利用者数の増加に伴うオーバーユー

ス等により植生の踏み荒らしや不適切なし

尿の処理等が問題となり各地域で自然環境

への悪影響が懸念されているこうした問題

への対応については各地域で状況が異なる

ことや国

の財政面でも限界があることから

これまで地域の主導により自然環境の保全

に向けた取組が行われてきたその代表的な

取組として次の「入域料の導入」と「ナシ

ョナルトラスト活動」がある

②入域料の導入

自然環境の保全及び持続可能な利用の推進

のためにはごみやし尿の処理施設植生の

踏み荒らしを防ぐ柵歩道等の整備が必要に

なるがこうした環境対策や安全対策を実施

する費用について「汚染者負担の原則」又は

「受益者負担の原則」の考えの下利用者に

対して負担を求める取組を行っている地域が

ある一般的にはこうした利用者負担につ

いては入

山料入

園料等と言われているが

本法では「

入域料」と定義している国内で

の入域料の導入事例は数例でありその名

称対象金額使途徴収根拠等は様々で

ある

③ナショナルトラスト活動

ナショナルトラスト活動は良好な自然

環境を国民又は地域の財産として保全してい

くことを目的として寄附金等を募って土地

の取得を行いその土地を維持管理する仕組

みをいう

十九世紀末のイギリスが発祥の地であるが

日本においては一九六四年に鎌倉で古都の

景観を宅地造成から守ろうと地元住民が財

団法人を結成して土地を買い上げた事案が最

初の例だと言われている一九七七年には「

床で夢を買いませんか」というキャッチフレ

ーズの下知床の土地を買い上げるために全

国から寄附を募った「しれとこ百平方メート

ル運動」が起こりナショナルトラスト活

動の意義が全国に普及する契機となった

その後和歌山県の天神崎北海道の釧路

湿原埼玉県の狭山丘陵のトトロの森など各

地でナショナルトラスト活動が展開されるよ

うになり現在五十以上の団体が活動してい

この法律の目的概要

この法律は「

入域料」や「ナショナルト

ラスト活動」などの取組の推進を図るために

起草されたものであるその目的は国立公

園国定公園等の自然環境を保全し及び持

続可能な利用を推進するためには公的資金

を用いた取組に加えて利

用者による負担(

域料)民間団体等が寄附金を募って行う土地

の取得管理(自然環境トラスト活動)など

民間資金を用いた地域の自発的な取組を推進

することである

この法律は議員立法のため省庁間の細か

い調整等がおこなわれておらず「基本方針」

の策定の具体的な内容の肉付けはこれからで

ある

基本方針の策定

基本的なスキームとしてこれから環境大

臣及び文部科学大臣は農林水産大臣国土

交通大臣等と協議して自然環境の保全及び持

続可能な利用の推進に関する「基本方針」を

定める作業が必要であるこの「基本方針」

6

に何が盛り込まれるかが重要な問題である

地域計画の作成

都道府県及び市町村は単独で又は共同し

て「基本方針」に基づき「地域計画」を作成

することができるまた都道府県等は地

域計画の作成に関する協議及び地域計画の実

施に係る連絡調整を行うための「協議会」を

組織することができると定めている

地域計画の実施にあたっては環境大臣等

の協議同意を経た地域計画に従って行うも

のについては自然公園法等の許可等を不要

とする特例を設けている

施行期日

公布の日(平成二十六年六月二十五日)か

ら起算して1年を超えない範囲の政令で定め

る日である

まとめ

今迄個人自治体がバラバラに動いてい

たために環境対策や安全対策を実施する費

用の調達等の財政的な問題の解決及びオーバ

ーユース状態にある利用者を適正水準にまで

抑制するための問題の解決に有効な方向性が

見いだせないでいたそんな時入域料につ

いて国がこのような法律で一定の方向性を

示したことは大いに評価できる

ただ内容手続き等が複雑で難しい為

にこの法律を利用しての入域料の設定や

ナショナルトラスト活動の進展が少ないの

ではないかということが憂慮されるさ

らに

最も重要なことは入域料の使途及び収支を

明確にして登山者等に周知徹底させることで

あるこれなくしては登山者の協力は得ら

れないであろう

またこの文章をまとめるにあたって法

律を読んでいると第十二条(土地の取得)

に目が止まった

「国及び都道府県は地域自然資産区域内

の土地が国立公園の区域内に含まれるもの

である等の理由により自然環境の保全及び

持続可能な利用の推進を図る上で特に重要で

あると認めるときは当該土地を取得するよ

う努めるものとする」

とある

山岳7団体の自然保護担当者の集まりであ

る「山岳団体自然環境連絡会」が東京電力

の福島原子力発電所の事故による経営破綻を

うけて平成二十四年四月二日に「尾瀬国立

公園の自然環境生態系保全を継続的安定

的に行うための意見書」を環境大臣宛てに提

出その中で意見として「尾瀬の土地の国

有化」「

国の主導的管理について」を要請し

ている環境省との懇談会の席では「尾瀬の

土地の国有化」については必ずしも前向

きな考え方を聞かせてもらえていない

この法律の成立によって「尾瀬の土地の国

有化」の道が開けたという理解でよろしいの

でしょうか (自然保護委員)

2014年8月

27日

朝日新聞夕刊

7

「トレイルランニング大会等の実施」

に関する環境省説明会報告

環境省国立公園課により「

国立公園内にお

けるトレイルランニング大会等の取扱い(

概要)」

について策定の背景事実関係基本的な考

え方取扱い方針などを平成

27年2月

15日及

17日の2回(各々100人定員)行われたの

で報告します 出席者は山岳団体野鳥の

会山小屋地方自治体自然環境関係者など

(以下環境省国立公園課配布資料の抜粋と要

約)

策定の背景目的

多人数で競争するトレイルランニング(以下

「トレラン」)大

会を開催することによる登山道

とその周辺の自然環境への影響や利用者の安全

を妨げる懸念があるので大会の取扱いをとり

まとめ自然環境の保全及び快適な公園利用環

境の確保を図る

事実関係など

国立公園内の歩道(登山道)は地域特性に

応じた徒歩利用目的で維持管理されておりト

レラン大会等の集中的な走行利用を想定してい

ない公園利用者との接触事故静穏の妨げ

混雑などが懸念されているが統一的な指針が

無いため関係者同士の軋轢が生じることがあ

取り扱いの基本的な考え方

国立公園内で行われる大会を対象とし地方

事務所で許認可をするさらに都道府県も国定

公園や都道府県立公園の中で開催される大会取

り扱いの参考とする

大会等のルートや期間などの指導

コース設定に関しては国立公園の中で特別

保護地区及び第1種特別地域は原則回避湿原

や泥濘が多く存在する湿潤な環境高山植物群

落などのある自然環境の場所歩道(登山道な

ど)の複線化や拡幅が懸念される場所ではコー

ス設定しない

開催への配慮事項

他の利用者(登山者等)が多い路線や混雑期

を回避する

他の利用者への留意事項をウエブ等で十分に

周知する

退会主催者参加者及び応援者が遵守すべき

ルールを設定し利用者の安全性及び快適性を

確保する

モニタリングと現状の回復の実施

開催による自然環境等への影響のモニタリ

ングを大会主催者により実施する(事前事後の

写真等により影響を評価するなど)環

境の改変

が確認された場合は大会主催者は原状回復を

行う

(自然保護委員 渡邉嘉也)

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加入者名 川口章子

住所

274‐0063

船橋市習志野台4‐43‐1‐102

川口章子

8

リニア中央新幹線について考える

― 現地長野県大鹿村から ―

長野県下伊那郡大鹿村 佐 藤 明 穂

昨年

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ート

の選

はで

きな

い(

しな

い)」と

の結論

が出さ

れる

さら

12月

15日「

南ア

ルプ

スに

トン

ネル

を掘

って

も構

わな

い」

とす

る内容

の中

間取

りま

とめ案

を公表

する

007

年の

JR

東海

によ

るリ

ニア

中央

新幹

線計画

発表

を受

けて

のも

のだ

この

会議

では

国立公園指

定区域

の拡張

やそ

れと

の整合性

につ

いて

何ら

の審議

もなさ

れて

いな

リニアの選択

ちなみ

この小委員

会で

は環

境保全

見地

より

一般

から

の意見

(パブ

リックコメ

ント

)募

集を3回実施

して

いる

答申

直前

の最

終公募

の集計結果

は総数

88

うち

反対

もし

くは

再検討

が64

8推

進賛成

16であ

った

にも

かか

わらず

家田委員

長は

「批判

は答申

を覆

すほ

どの

もの

では

ない

と大多数

の意見

を無視

して答申

を急

いだ

9

さら

に2

01

2年5

12日同委員

長か

国土

交通

大臣

に提出さ

れた答申

(一部

)で

「在

来新

幹線

は安全性

信頼性

エネ性

速達性

ネッ

トワ

ーク性

時性

設費

用等

の点

では

優れ

てい

るが

ニア

の方

高速性

の点

で優

れて

いる

ので

ニア

が適

当で

ある

」と結論

づけ

てい

る審議

会で

在来

新幹

線と

リニ

ア新

幹線

との比較検討

一切

行わ

れな

かっ

たに

もか

かわ

らず

初か

ら結論

あり

き真

に重

要な

こと

が時

をか

けて議論さ

れた

のか

大い

に疑問

があ

全国新幹線鉄道整備法(全幹法)との

整合性

この

法律

に基

づく

許認

可を受

けて

はい

もの

同法

では

大都市

(東京

など

)と全

国の

中核都市

を結ぶ

のが

本来

の趣旨

だが

ニア

は全

く異

なる

大都市

間を結ぶ

だけ

その機

能で

ある

当初

は中

間駅

設置

の予

すら

なか

った

幹法適

用は

JR

東海

が地

方自治体

によ

る土

地の強制収

用目当

てに意

図し

たと

も考

えら

れる

方で

社は

認可当初

から

「J

R東

海単独

での

建設

」を

言い続

けて

いる

れは全

幹法

の適

用と

相容

れな

いつ

まり

土地収

用な

どに関

して

は公権

力の

力が

ほし

いさ

れど

経営

に関

るこ

とに

は口出

しし

ない

でほ

しい

とい

う極

めて虫

のよ

い話

なの

リニア建設費用とJR東海の経営

一昨

年9

月当

時の山田

社長

が「

リニ

単独

ではペイ

しな

い」

と述べ

たよ

うに

ニア

中央

新幹

線の

建設費

はき

わめ

て高額

ある

東京―名古屋

間の

建設費

が5兆43

00億円

れに

はあ

とで追加

した

中間駅

の設

置費

用な

ど付帯

設備

の費

用は入

って

ない

アル

プス

を貫

通さ

せる

トン

ネル

事は破砕帯

の通過

も含

め難

工事

が予測さ

れて

いる

設費

用の増加

など

は当

然J

R東

海の

経営

を圧迫

する

音を言

えば

JR

東海

自身

もど

の段階

で公金

が投入さ

るか

(し

ても

らえ

るか

)が当面

の関心

事で

ある

とも

いえ

よう

公金

はす

なわ

ち国

民の

税金

であ

る誰

も望み

もし

ない

もの

に税金

が勝手

に使

われ

るな

許さ

れて

もよ

いも

のだろ

うか

リニアの動力源―原発との関係

リニ

アの技術

(超

電導

)は

定的

かつ

多量

に供給さ

れる

(原

発に

よる

)電

力と裏

腹の関係

にあ

これ

なく

して

は成立

しな

い先ごろ

東京

電力

と中部

電力

のJV

によ

る火

力発

電所

建設

の計画

が公表さ

れた

これ

はリ

ニア

対策

との見

方も

ある

もの

の一

時的

なも

のに過ぎ

ない

でに

新潟

県柏崎

(柏崎刈羽

原発

)か

ら山梨

県大

月(

リニ

実験

線)

まで

の高圧

鉄塔=送

電線

など

があ

るよ

うに

くま

でも

原発

によ

る電

力を使

用す

るこ

とが

「前提

」な

ので

ある

リニアの必要性に対する矛盾

JR

東海

リニ

ア中

央新

幹線

建設

の必

要性

を現在

の新

幹線

の輸送

力が限界

であ

こと

や災

害時

の代替路

線と

して

の役割

を強

調す

しか

し輸送

力に関

して

は特

定の

時期

を除

いて

50~

60の座席占有率

であ

るた

めに

とて

も「飽和状態

」と

はい

えな

これ

から

人口

が減少

すれ

新幹

線を

おも

に利

用す

る生

産年齢

人口

も大幅

に減少

する

また

存の

新幹

線と限

られ

たパイ(乗

客)

の奪

い合

いが

ある

にも

かか

わらず

建設

の必

要性

があ

るの

か加

えて

現在

の技術

では

営業

に支障

をき

たさ

ない

よう

に新

幹線

を補

修修繕

する

こと

は充分

可能

であ

るさ

に東

日本

大震

災の

経験

でも

明ら

かな

よう

10

災害

時に有効

なの

は物資

の輸送路

をい

かに

確保

する

かで

あり

れに

はリ

ニア

はま

たく役

に立

たな

他路

線と

の互

換性

がな

いこ

とな

ども含

今建

設す

る必

要性

はま

った

くな

電磁波の問題

(ここでは高圧線と車輌自体に限定)

電磁波

につ

いて

は当該

の環

境影響評価

対象

とは

なっ

てい

ない

評価書

では

リニ

中央

新幹

線の

発す

るも

のは

国際非

電離放射

線防護委員

会(ICNIRP)

が示

したガイ

ドラ

イン

20

00ミ

リガウ

ス以

下で

あり

磁界

によ

る健康

への影響

はな

いと

しか

説明さ

てい

ない

来は

WHO

の勧告

に従

って

経済

産業

省が1

00

0ミ

リガウ

スを規制値

にす

る予

定で

あっ

だが

のICNIRP

の改訂

に沿

って

2011

年3

月に

原子

安全保安院

が2

00

0ミ

リガウ

スを規制値

とし

て同

10月に施

行し

た一

方国

土交

通省

がリ

ニア

中央

新幹

線計画

に許

可を出

たの

がこ

の年

の5

月で

ある

れは

リニ

新幹

線の周囲

(線路脇6

線路

下8

範囲

)につ

いて

のみ

だけ

客室内

の水

がど

うな

のか

の説

明は

一切

ない

力供給

源で

ある高圧

鉄塔

が発

する巨

大な

磁波

のこ

とも何ひ

とつ触

れら

れて

いな

(こ

の件

に関

して

R東

海は

電力

会社

協議

する

とし

か述べ

てい

ない

)実際

山梨

県の実験

線付

近で

は柿

の実

の生

った木

に鳥

が寄

り付

かな

くな

った

など

の話

もあ

自身

も高圧

鉄塔

から

発す

る唸

りの

よう

「音

」を聞

いて

いる

スピードだけ

それ以外は危険性の高いリニア

リニ

ア唯

一の

優位性

最高

で時速5

00

とも

いわ

れる

スピ

ード

だが

たし

今こ

のよ

うな

もの

が必

要な

のだろ

うか

こだ

けが速

くと

も前

後の

アクセ

スに

時間

かか

るの

であ

れば

輸送

力と

して必ず

しも

優位性

は持

たな

であ

れば既

存の

新幹

を拡充さ

せた

方が

経済

的合

理性

は高

い技

術力

の追求

もそ

れは

一部

の人

たち

のエゴ

はな

いの

そう

いっ

たも

のよ

りも

今何

りも求

めら

れる

のはバ

ラン

ス感覚

具体

には

自然

環境

との

調和

であ

リニ

アは

まり

にも

「対価

」が高

すぎ

リモ

ートコ

ント

ロー

ルに

よる運

転や約

86も

のト

ネル(

東京―名古屋

間)近

い将

来起

こる

いわ

れる

東南

海ト

ラフ

を震

源と

する巨

大地

震の

対策

地域

(震度6程度

以上

)に路

線の

一部

がか

かっ

てい

ここ

には糸魚川

静岡

構造

線(フォッサマ

グナ

)や

中央構造

線も

通っ

てい

る高速走

行中

ンネ

ルの横切

る断層

がた

とえ

50で

もズレ

たら

果は

明白

だろ

う山

中深

いト

ンネ

ルで

もし

もの

こと

が起

きた

あと

は地上

まで

自分

自身

の足

で出

てく

るし

かな

い外

の景色

どは望むべ

くも

ない

がこ

のよ

うな危険

な乗

り物

を望む

のだろ

うか

2大鹿村とリニア

大鹿村

の住む

長野

県下伊那郡

大鹿

村は

人口約

11

00

人高齢者率

が半数

を超

える

村で

ある

河原

集落

を流

れる小渋川

の奥

には

赤石岳

がそび

えて

おり

の東

側は

静岡

の大井川

源流域

であ

大鹿

村は

地芝居

大鹿歌舞伎

でも有名

原田芳雄

の遺

作と

なっ

た映画

「大

鹿村

騒動記

」の

ロケ

地と

ても知

られ

る1

89

2年

8月

下旬

にはウ

ェス

トン

がこ

こか

ら赤石岳

に登

って

いる

(2

01

2年

「ウェ

スト

ン顕彰碑

」が

村民

有志

によ

り建立

)南

アル

プス

をはじ

めと

11

る山

々に抱

かれ

た静

かな

村で

ある

JR東海からの計画発表報告

2013

年の

JR

東海

のル

ート公表

同年

10月に

行わ

れた

同社

によ

る村

での

備書

説明

会(

2回

)に

は住

民を

中心

に26

0人

あま

りが参加

した

こで

は準

備書

内容

に関

する

説明

と質疑応答

が行

われ

準備書

では

「工

事に

よる影響

は生じ

ない

「影響

はあ

って

も小さ

い」

など

の記述

が目

立ち

事に

よる

環境

へのダメ

ージ

(す

わち

トン

ネル

掘削

によ

る地質

や河川湧

工事

区域周辺

での在

来動植

物景観

など

の影響

)お

よび

私た

ちの

生活

環境

の変

化な

どの記載

はほ

とん

どか

った

れが意味

るの

JR

東海

が環

境に

は配慮

しな

いで

工事

を進

める

とい

うこ

とだ

事の概

要と

して

鹿村

は南

アル

プス

を貫

くト

ンネ

(距離約

23主稜

線小

河内岳

28

02

mの

南側

を通過

)の

長野

県側

の坑

口と

して

小渋川部分

は地上

(橋梁

)で

通過

央構

造線

や伊那山

地は

再び

トン

ネル

で通過

竜川

に至

る計画

であ

る工期

10年以上

渡り

村内

での坑

口は計4

本変

電施

設の

建設

も予

定さ

れて

いる

削で

発生

する

砂は

最盛期

には1

日当

たり

工事車輌

(お

に大型ダ

ンプ

)17

00台

超と見積

もら

てい

る(1

日8

時間

の通

行と

して約

17秒に

1台

の走

行)

住民の反応JR東海の問題点

まさ

に住

民に

とっ

て衝撃

的な内容

であ

JR

東海

とし

ては

住民

から

の反

対が

想さ

れる

こと

もあ

って

か当

日の

会場

では

質問者

が多数

いた

にも

かか

わらず途

中で質

疑を打

ち切

るな

その

対応

には多

くの問

題が

あっ

た私

も参加

した

が担当者

の「

民の

理解

を得

なが

ら」と

の発言

とは裏腹

とに

かく

「2

027

年開

業あ

りき

」の姿勢

ばか

りが目立

ち結果

とし

て住

民の

理解

得る

対応

とは程遠

いも

ので

あっ

環境影響評価書による説明会

翌2

014

11月

10日

JR

東海

によ

る環

境影響評価書

に基

づく

説明

会(

環境影

響評価

法に

よる

最終報告書

土交

通省

よる

許認

可以

降当

地で

開か

れた

最初

の説

明会

)が

行わ

れた

開催形

式は前

年に

行わ

れた

環境影響評価

準備書

によ

るも

のの

時と

同様

ライ

ドに

よる

説明報告

のあ

と住

民と

の質疑応答

が行

われ

る形

式で

ある

だ異

なっ

たの

は前回

は質問者多数

であ

たに

もか

かわ

らず

予定

時間

で強引

に終

わら

せた

のに

対し

今回

は時

間を

大幅

に超過

る3

時間

30分(

うち質疑応答

が2

時間

30

分ほ

ど)

の開催

とな

った

こと

これ

はJ

R東

海側

の配慮

とい

うよ

りは

民に

とっ

てき

わめ

て関心

の高

い問題

であ

った

から

ほか

なら

ない

の席

JR

東海

の沢田

担当部

長は

「住

民の

理解

同意

が得

られ

けれ

ば建

設に

着手

しな

い」と

明言

して

いる

この

村全体

での

説明

会の

のち

12月初旬

かけ

て各

地区

住民

への

説明

会も

同様

に開

れた

この

時は出席

がそ

の地

区の関係者

に限

定さ

れ報

道機関

の参加

もシャッ

トア

ウトさ

れた

だ全体

と関

連す

る地

区の

説明

会計3ヶ

所に出席

した

私の印

象か

らす

ると

R東

海の姿勢

には前

年と何

ら変

が感じ

られ

なか

った

くま

でも

20

27

年開

業に

向け

て住

民に

理解

を求

める姿勢

かり

が目立

った

この問題

に対

する

村当局

の動

き(

住民

に対

する情報伝達

)も

鈍い

もの

であ

った

この

11月

10日の

説明

会は内外

で大

きな

反響

を呼び

元紙

でも

社説

で大

きく

取り

上げ

てい

るの

で次

に引

用す

12

『大鹿村とリニア』

平行線だった

JR東海が今月下伊那郡大鹿村で開いたリニア中央新幹線の事業説明会人口

1100 人の村で300 人近くが出席していた工事への理解を求めるJRに対し住民

からは「風景は一度失ったら取り戻せない」「JRの利益の裏返しが村の犠牲だ」と

いう根本的な反論が相次いだ

大鹿村は今のままでいい-そう訴える若い世代が多かったことが印象に残った

リニアの路線は村の南部を東西に通る残土を運び出すための作業用トンネル坑口

を4カ所設け変電施設を作り小渋川の上流に橋を架ける最大で1日 1700 台余

の大きな工事用車両が生活道路を走る暮らしや観光業への影響は避けられない

JRが工事概要を説明した後の質疑応答は2時間半に及んだ「所得は少ないが

村民は豊かな自然の中で生きている」「手を付けなければ山は壊れない水が枯れる

ことも生命が失われることもない」質問というより訴えに近い発言が続いた

JR側は「切実な心配を受け止め少しでも解消したい」と返すのがやっと「地

元の理解と同意がなければ着工できない」と何度も繰り返した村は以前から小渋

川の橋を地中化するよう求めているがJRは説明会でも「工事の難度が増す」と

して受け入れなかった環境保全協定の締結については「考えていない」と回答変

電施設の送電線を地中化する要望に関しては何の説明もなかった最低限と言って

いい条件すら聞き入れられないことがJRに対する住民の不信を高めているのだろ

う出席者からは「一方的だ」と憤る声が上がった (中略)

「リニアの夢」が始まったのは半世紀も前だ国を挙げて成長を追い求めた 50 年

は村にとり若者が都会に流れ離農が進み集落が疲弊した歳月だった

大鹿村の人口の3割を I ターン者が占める311 後に U ターンしてきた若者もい

るという昔に戻るのではなくそれぞれができる仕事を探し自然や文化を共有し

ながら緩やかに結び付く新しい価値観の芽がこの村で育ちつつあるように感じら

れた

「理解と同意」を得るとしたJR東海は大鹿村とどう向き合うのか若い世代が

見つめる未来をないがしろにはできない

〈信濃毎日新聞 2014年 11 月 23 日付『社説』より抜粋〉

13

3リニアと自然環境住民との共存は

不可能

昨年6

月に

南ア

ルプ

スがユ

ネスコ

のエコ

パーク

に認

定さ

れた

リニ

ア建

設は

トン

ネル

工事

をはじ

めと

して

自然

環境

や住

民の

生活

環境

にも多

大な影響

を与

える

前回

拙稿

でも指摘

した

よう

この

こと

がは

して

「持続

可能

な自

然の利

用」

なの

か大

に疑問

であ

すな

わち

境教育

やエコ

ツー

リズム

然環

境と

の調和

とい

った

のと

は相反

する

R東

海は

「工

事は

移行

地域

で行

われ

るの

で問題

はな

い」

と重

ねて

主張

して

いる

が根拠

は全

く明

らか

にし

てい

ない

核心部分

はト

ンネ

ルで

通過

する

から

よい

のか

下ト

ンネ

ルは

手つ

かず

の自

然が守

られ

てい

ると

いう

自然遺

産の完全性

を失

う恐

れが

ある

との指摘

(日

本自

然保護

協会代表

理事吉田

人氏

)も

ある

ら法律

(環

境影響評価

法)

に基

づい

た許

可を受

けて

いる

とは

いえ

れは

あく

まで

も建

設の

ため

の便宜上

のも

ので

ある

アセ

スメ

ント

に係

る調

査対

象や

地点

間な

もき

わめ

て限

られ

たも

ので

あり

結論

あり

きと

の誹

りは免

れな

自然

環境

に優

れた

南ア

ルプ

スを

トン

ネル

で通過さ

せよ

うと

う無謀

な計画

こか

ら発

生す

る膨

大な量

の掘

削土

をど

のよ

うに安全

に置

くか

すら

現在公表さ

れて

いる計画

から

はま

った

く不

明だ

の地質

の中

には小

日陰銅山(戦争

より閉山)が

あっ

たこ

とに

より

境汚染

質が

存在

する危険性

も指摘さ

れて

いる

大鹿

村釜

沢で

行わ

れよ

うと

して

いる

砂の(仮)置

き場

から

も推測さ

れる

よう

JR

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(日本山岳会員)

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大鹿

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めに

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れて

いる

14

自然保護委員会の活動記録

〈一月度〉

①山岳団体自然環境連絡会1月

22日(木) 出

席者富澤武藤

bull 各団体の報告

bull 「山の野生鳥獣目撃レポート」のパンフレ

ットの改訂版を作成予定

②埼玉支部主催第4回「埼玉の自然を知ろ

う」シンポジウム(2015年1月

15日

(木)

於浦和コミュニティセンター)に

一部の委員が参加

③自然保護委員会 1

26日(月)

bull 2015年度自然保護全国集会について

次回自然保護全国集会は東京多摩支部

との共催となった

bull 『木の目草の芽』115号について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

『木の目草の芽』113号114号発行

〈二月度〉

①全国集会実行委員会(

第1回)2月

13日(金)

出席者富澤河野川口西谷近藤武

藤土井

bull 会場下見の報告

bull プログラムフィールドスタディのコース

会費等の原案を作成

②自然保護委員会 2月

23日(月)

bull 理事会報告

bull 2015年度「事業計画」ならびに「委員

会予算」について

bull 環境省自然環境局国立公園課主催「

国立公

園内におけるトレイルランニング大会等

の取扱いに関する説明会」(

於新宿御苑

インフォメーションセンター2月

15日)

の報告

bull 山のECHO主催「

自然地域トイレ屎尿処

理技術セミナーおよび技術説明会」(

日本環境整備教育センター2月

19日)

の報告

bull 「入山者ルール策定セミナー」の案内

bull 次期委員長について

川口委員が次期委員長に選任された

bull 2015年度自然保護全国集会(東京多摩)

について

第1回実行委員会(2月

13日)決定事

項の報告

プログラムフィールドスタディのコー

ス会費等を協議した

bull 『木の目草の芽』について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

bull 2015年度自然観察会について

訂正とお詫び

『木の目草の芽』114号

12ページ「自然保護

委員会の活動記録」の1段目

20行目にldquo

静岡

支部宮崎支部などの報告rdquoと記載されていま

すが正しくはldquo静岡支部宮城支部などの報

告rdquoです訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉尾瀬を守る会の椎名宏子さんと

大鹿村の会員佐藤明穂さんがご寄稿ください

ました溢れる数々の情報に紛れて見えにくく

なりがちな事実をつぶさに語ってくださるこう

した声を多くの方へ正確に大切にお伝えする

ことがこの紙面の重要な役目と思います

卒業シーズンにふと一曲の歌を思い出しました

『肩に食い込むザックに耐えて君の足あと辿っ

て行ったあの日のあの山忘れるもんか登山シ

ューズがそっとよけたあの日のあの花忘れはし

ない』

うろ覚えだったので調べてみたら「ゴールめざ

して」という唱歌でした草花をよけることばか

り考えていたら足元がおぼつかなくなって身の危

険にさらされるということもあるでしょうで

もやはり私はこの歌のようにできるかぎり自分自

身よりも足元の花に意識を向けてそれをそっと

よける登山者であり続けたいと思います花を認

識できる程度のペースで走るのではなく元川

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5

月十八日に参議院本会議で賛成多数により可

決成立し同月二十五日に公布されたこ

の法律は十四条と三条の附則からなる短い

ものである

法案提出の背景について

環境委員会調査室 中野かおり氏のこの法

律の紹介文「入域料ナショナルトラスト

活動の法制化」から一部抜粋し紹介する

①自然環境をめぐる現状

近年の利用者数の増加に伴うオーバーユー

ス等により植生の踏み荒らしや不適切なし

尿の処理等が問題となり各地域で自然環境

への悪影響が懸念されているこうした問題

への対応については各地域で状況が異なる

ことや国

の財政面でも限界があることから

これまで地域の主導により自然環境の保全

に向けた取組が行われてきたその代表的な

取組として次の「入域料の導入」と「ナシ

ョナルトラスト活動」がある

②入域料の導入

自然環境の保全及び持続可能な利用の推進

のためにはごみやし尿の処理施設植生の

踏み荒らしを防ぐ柵歩道等の整備が必要に

なるがこうした環境対策や安全対策を実施

する費用について「汚染者負担の原則」又は

「受益者負担の原則」の考えの下利用者に

対して負担を求める取組を行っている地域が

ある一般的にはこうした利用者負担につ

いては入

山料入

園料等と言われているが

本法では「

入域料」と定義している国内で

の入域料の導入事例は数例でありその名

称対象金額使途徴収根拠等は様々で

ある

③ナショナルトラスト活動

ナショナルトラスト活動は良好な自然

環境を国民又は地域の財産として保全してい

くことを目的として寄附金等を募って土地

の取得を行いその土地を維持管理する仕組

みをいう

十九世紀末のイギリスが発祥の地であるが

日本においては一九六四年に鎌倉で古都の

景観を宅地造成から守ろうと地元住民が財

団法人を結成して土地を買い上げた事案が最

初の例だと言われている一九七七年には「

床で夢を買いませんか」というキャッチフレ

ーズの下知床の土地を買い上げるために全

国から寄附を募った「しれとこ百平方メート

ル運動」が起こりナショナルトラスト活

動の意義が全国に普及する契機となった

その後和歌山県の天神崎北海道の釧路

湿原埼玉県の狭山丘陵のトトロの森など各

地でナショナルトラスト活動が展開されるよ

うになり現在五十以上の団体が活動してい

この法律の目的概要

この法律は「

入域料」や「ナショナルト

ラスト活動」などの取組の推進を図るために

起草されたものであるその目的は国立公

園国定公園等の自然環境を保全し及び持

続可能な利用を推進するためには公的資金

を用いた取組に加えて利

用者による負担(

域料)民間団体等が寄附金を募って行う土地

の取得管理(自然環境トラスト活動)など

民間資金を用いた地域の自発的な取組を推進

することである

この法律は議員立法のため省庁間の細か

い調整等がおこなわれておらず「基本方針」

の策定の具体的な内容の肉付けはこれからで

ある

基本方針の策定

基本的なスキームとしてこれから環境大

臣及び文部科学大臣は農林水産大臣国土

交通大臣等と協議して自然環境の保全及び持

続可能な利用の推進に関する「基本方針」を

定める作業が必要であるこの「基本方針」

6

に何が盛り込まれるかが重要な問題である

地域計画の作成

都道府県及び市町村は単独で又は共同し

て「基本方針」に基づき「地域計画」を作成

することができるまた都道府県等は地

域計画の作成に関する協議及び地域計画の実

施に係る連絡調整を行うための「協議会」を

組織することができると定めている

地域計画の実施にあたっては環境大臣等

の協議同意を経た地域計画に従って行うも

のについては自然公園法等の許可等を不要

とする特例を設けている

施行期日

公布の日(平成二十六年六月二十五日)か

ら起算して1年を超えない範囲の政令で定め

る日である

まとめ

今迄個人自治体がバラバラに動いてい

たために環境対策や安全対策を実施する費

用の調達等の財政的な問題の解決及びオーバ

ーユース状態にある利用者を適正水準にまで

抑制するための問題の解決に有効な方向性が

見いだせないでいたそんな時入域料につ

いて国がこのような法律で一定の方向性を

示したことは大いに評価できる

ただ内容手続き等が複雑で難しい為

にこの法律を利用しての入域料の設定や

ナショナルトラスト活動の進展が少ないの

ではないかということが憂慮されるさ

らに

最も重要なことは入域料の使途及び収支を

明確にして登山者等に周知徹底させることで

あるこれなくしては登山者の協力は得ら

れないであろう

またこの文章をまとめるにあたって法

律を読んでいると第十二条(土地の取得)

に目が止まった

「国及び都道府県は地域自然資産区域内

の土地が国立公園の区域内に含まれるもの

である等の理由により自然環境の保全及び

持続可能な利用の推進を図る上で特に重要で

あると認めるときは当該土地を取得するよ

う努めるものとする」

とある

山岳7団体の自然保護担当者の集まりであ

る「山岳団体自然環境連絡会」が東京電力

の福島原子力発電所の事故による経営破綻を

うけて平成二十四年四月二日に「尾瀬国立

公園の自然環境生態系保全を継続的安定

的に行うための意見書」を環境大臣宛てに提

出その中で意見として「尾瀬の土地の国

有化」「

国の主導的管理について」を要請し

ている環境省との懇談会の席では「尾瀬の

土地の国有化」については必ずしも前向

きな考え方を聞かせてもらえていない

この法律の成立によって「尾瀬の土地の国

有化」の道が開けたという理解でよろしいの

でしょうか (自然保護委員)

2014年8月

27日

朝日新聞夕刊

7

「トレイルランニング大会等の実施」

に関する環境省説明会報告

環境省国立公園課により「

国立公園内にお

けるトレイルランニング大会等の取扱い(

概要)」

について策定の背景事実関係基本的な考

え方取扱い方針などを平成

27年2月

15日及

17日の2回(各々100人定員)行われたの

で報告します 出席者は山岳団体野鳥の

会山小屋地方自治体自然環境関係者など

(以下環境省国立公園課配布資料の抜粋と要

約)

策定の背景目的

多人数で競争するトレイルランニング(以下

「トレラン」)大

会を開催することによる登山道

とその周辺の自然環境への影響や利用者の安全

を妨げる懸念があるので大会の取扱いをとり

まとめ自然環境の保全及び快適な公園利用環

境の確保を図る

事実関係など

国立公園内の歩道(登山道)は地域特性に

応じた徒歩利用目的で維持管理されておりト

レラン大会等の集中的な走行利用を想定してい

ない公園利用者との接触事故静穏の妨げ

混雑などが懸念されているが統一的な指針が

無いため関係者同士の軋轢が生じることがあ

取り扱いの基本的な考え方

国立公園内で行われる大会を対象とし地方

事務所で許認可をするさらに都道府県も国定

公園や都道府県立公園の中で開催される大会取

り扱いの参考とする

大会等のルートや期間などの指導

コース設定に関しては国立公園の中で特別

保護地区及び第1種特別地域は原則回避湿原

や泥濘が多く存在する湿潤な環境高山植物群

落などのある自然環境の場所歩道(登山道な

ど)の複線化や拡幅が懸念される場所ではコー

ス設定しない

開催への配慮事項

他の利用者(登山者等)が多い路線や混雑期

を回避する

他の利用者への留意事項をウエブ等で十分に

周知する

退会主催者参加者及び応援者が遵守すべき

ルールを設定し利用者の安全性及び快適性を

確保する

モニタリングと現状の回復の実施

開催による自然環境等への影響のモニタリ

ングを大会主催者により実施する(事前事後の

写真等により影響を評価するなど)環

境の改変

が確認された場合は大会主催者は原状回復を

行う

(自然保護委員 渡邉嘉也)

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月)の年間購読料として1千円を「郵便振替用

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長自然保護協力委員支部自然保護委員

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274‐0063

船橋市習志野台4‐43‐1‐102

川口章子

8

リニア中央新幹線について考える

― 現地長野県大鹿村から ―

長野県下伊那郡大鹿村 佐 藤 明 穂

昨年

10月の

国土

交通

省に

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東海

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鉄道

株式

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JR

東海

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査が

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東海

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1リニアは本当に必要か

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0年

10月

20日

国土

交通

省の

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交通

政策審議

会 陸上

交通分科

鉄道部

会 中

央新

幹線小委員

会審議

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東京

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会委員

長)

南ア

ルプ

スを

貫通

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に関

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12月

15日「

南ア

ルプ

スに

トン

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って

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りま

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を公表

する

007

年の

JR

東海

によ

るリ

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を受

けて

のも

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この

会議

では

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定区域

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01

2年5

12日同委員

長か

国土

交通

大臣

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づけ

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線と

リニ

ア新

幹線

との比較検討

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れな

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れた

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大い

に疑問

があ

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整合性

この

法律

に基

づく

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では

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)と全

国の

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大都市

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だけ

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幹法適

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JR

東海

が地

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によ

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から

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建設

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なの

リニア建設費用とJR東海の経営

一昨

年9

月当

時の山田

社長

が「

リニ

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しな

い」

と述べ

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うに

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中央

新幹

線の

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はき

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ある

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間の

建設費

が5兆43

00億円

れに

はあ

とで追加

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の設

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用な

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設備

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事は破砕帯

の通過

も含

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工事

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いる

設費

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など

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R東

海の

経営

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えば

JR

東海

自身

もど

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るか

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事で

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もし

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われ

るな

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いも

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うか

リニアの動力源―原発との関係

リニ

アの技術

(超

電導

)は

定的

かつ

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れる

(原

発に

よる

)電

力と裏

腹の関係

にあ

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なく

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は成立

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東京

電力

と中部

電力

のJV

によ

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電所

建設

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れた

これ

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ニア

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方も

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県柏崎

(柏崎刈羽

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)か

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県大

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リニ

実験

線)

まで

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電線

など

があ

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でも

原発

によ

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力を使

用す

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ある

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JR

東海

リニ

ア中

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幹線

建設

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幹線

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線と

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の役割

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調す

しか

し輸送

力に関

して

は特

定の

時期

を除

いて

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60の座席占有率

であ

るた

めに

とて

も「飽和状態

」と

はい

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これ

から

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すれ

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線を

おも

に利

用す

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も大幅

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また

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られ

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客)

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にも

かか

わらず

建設

の必

要性

があ

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か加

えて

現在

の技術

では

営業

に支障

をき

たさ

ない

よう

に新

幹線

を補

修修繕

する

こと

は充分

可能

であ

るさ

に東

日本

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災の

経験

でも

明ら

かな

よう

10

災害

時に有効

なの

は物資

の輸送路

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かに

確保

する

かで

あり

れに

はリ

ニア

はま

たく役

に立

たな

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線と

の互

換性

がな

いこ

とな

ども含

今建

設す

る必

要性

はま

った

くな

電磁波の問題

(ここでは高圧線と車輌自体に限定)

電磁波

につ

いて

は当該

の環

境影響評価

対象

とは

なっ

てい

ない

評価書

では

リニ

中央

新幹

線の

発す

るも

のは

国際非

電離放射

線防護委員

会(ICNIRP)

が示

したガイ

ドラ

イン

20

00ミ

リガウ

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下で

あり

磁界

によ

る健康

への影響

はな

いと

しか

説明さ

てい

ない

来は

WHO

の勧告

に従

って

経済

産業

省が1

00

0ミ

リガウ

スを規制値

にす

る予

定で

あっ

だが

のICNIRP

の改訂

に沿

って

2011

年3

月に

原子

安全保安院

が2

00

0ミ

リガウ

スを規制値

とし

て同

10月に施

行し

た一

方国

土交

通省

がリ

ニア

中央

新幹

線計画

に許

可を出

たの

がこ

の年

の5

月で

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リニ

新幹

線の周囲

(線路脇6

線路

下8

範囲

)につ

いて

のみ

だけ

客室内

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明は

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源で

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して

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海は

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県の実験

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近で

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った木

に鳥

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った

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もあ

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も高圧

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る唸

りの

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」を聞

いて

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それ以外は危険性の高いリニア

リニ

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一の

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最高

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ード

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スに

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れば

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を拡充さ

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めら

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ス感覚

具体

には

自然

環境

との

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であ

リニ

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にも

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」が高

すぎ

リモ

ートコ

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ルに

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転や約

86も

のト

ネル(

東京―名古屋

間)近

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こる

いわ

れる

東南

海ト

ラフ

を震

源と

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大地

震の

対策

地域

(震度6程度

以上

)に路

線の

一部

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かっ

てい

ここ

には糸魚川

静岡

構造

線(フォッサマ

グナ

)や

中央構造

線も

通っ

てい

る高速走

行中

ンネ

ルの横切

る断層

がた

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明白

だろ

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ンネ

ルで

もし

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きた

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まで

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自身

の足

で出

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るし

かな

い外

の景色

どは望むべ

くも

ない

がこ

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り物

を望む

のだろ

うか

2大鹿村とリニア

大鹿村

の住む

長野

県下伊那郡

大鹿

村は

人口約

11

00

人高齢者率

が半数

を超

える

村で

ある

河原

集落

を流

れる小渋川

の奥

には

赤石岳

がそび

えて

おり

の東

側は

静岡

の大井川

源流域

であ

大鹿

村は

地芝居

大鹿歌舞伎

でも有名

原田芳雄

の遺

作と

なっ

た映画

「大

鹿村

騒動記

」の

ロケ

地と

ても知

られ

る1

89

2年

8月

下旬

にはウ

ェス

トン

がこ

こか

ら赤石岳

に登

って

いる

(2

01

2年

「ウェ

スト

ン顕彰碑

」が

村民

有志

によ

り建立

)南

アル

プス

をはじ

めと

11

る山

々に抱

かれ

た静

かな

村で

ある

JR東海からの計画発表報告

2013

年の

JR

東海

のル

ート公表

同年

10月に

行わ

れた

同社

によ

る村

での

備書

説明

会(

2回

)に

は住

民を

中心

に26

0人

あま

りが参加

した

こで

は準

備書

内容

に関

する

説明

と質疑応答

が行

われ

準備書

では

「工

事に

よる影響

は生じ

ない

「影響

はあ

って

も小さ

い」

など

の記述

が目

立ち

事に

よる

環境

へのダメ

ージ

(す

わち

トン

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掘削

によ

る地質

や河川湧

工事

区域周辺

での在

来動植

物景観

など

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生活

環境

の変

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どの記載

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どか

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るの

JR

東海

が環

境に

は配慮

しな

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を進

める

とい

うこ

とだ

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要と

して

鹿村

は南

アル

プス

を貫

くト

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(距離約

23主稜

線小

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28

02

mの

南側

を通過

)の

長野

県側

の坑

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して

小渋川部分

は地上

(橋梁

)で

通過

央構

造線

や伊那山

地は

再び

トン

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で通過

竜川

に至

る計画

であ

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10年以上

渡り

村内

での坑

口は計4

本変

電施

設の

建設

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(お

に大型ダ

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)17

00台

超と見積

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る(1

日8

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の通

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して約

17秒に

1台

の走

行)

住民の反応JR東海の問題点

まさ

に住

民に

とっ

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であ

JR

東海

とし

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住民

から

の反

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想さ

れる

こと

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って

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日の

会場

では

質問者

が多数

いた

にも

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わらず途

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疑を打

ち切

るな

その

対応

には多

くの問

題が

あっ

た私

も参加

した

が担当者

の「

民の

理解

を得

なが

ら」と

の発言

とは裏腹

とに

かく

「2

027

年開

業あ

りき

」の姿勢

ばか

りが目立

ち結果

とし

て住

民の

理解

得る

対応

とは程遠

いも

ので

あっ

環境影響評価書による説明会

翌2

014

11月

10日

JR

東海

によ

る環

境影響評価書

に基

づく

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会(

環境影

響評価

法に

よる

最終報告書

土交

通省

よる

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地で

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れた

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行わ

れた

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年に

行わ

れた

環境影響評価

準備書

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の質疑応答

が行

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であ

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らず

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今回

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間を

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に超過

る3

時間

30分(

うち質疑応答

が2

時間

30

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の開催

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R東

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とい

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とっ

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の高

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であ

った

から

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なら

ない

の席

JR

東海

の沢田

担当部

長は

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民の

理解

同意

が得

られ

けれ

ば建

設に

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しな

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して

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この

村全体

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説明

会の

のち

12月初旬

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て各

地区

住民

への

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会も

同様

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れた

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区の関係者

に限

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道機関

の参加

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れた

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と関

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説明

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ると

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には前

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ら変

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20

27

年開

業に

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て住

民に

理解

を求

める姿勢

かり

が目立

った

この問題

に対

する

村当局

の動

き(

住民

に対

する情報伝達

)も

鈍い

もの

であ

った

この

11月

10日の

説明

会は内外

で大

きな

反響

を呼び

元紙

でも

社説

で大

きく

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上げ

てい

るの

で次

に引

用す

12

『大鹿村とリニア』

平行線だった

JR東海が今月下伊那郡大鹿村で開いたリニア中央新幹線の事業説明会人口

1100 人の村で300 人近くが出席していた工事への理解を求めるJRに対し住民

からは「風景は一度失ったら取り戻せない」「JRの利益の裏返しが村の犠牲だ」と

いう根本的な反論が相次いだ

大鹿村は今のままでいい-そう訴える若い世代が多かったことが印象に残った

リニアの路線は村の南部を東西に通る残土を運び出すための作業用トンネル坑口

を4カ所設け変電施設を作り小渋川の上流に橋を架ける最大で1日 1700 台余

の大きな工事用車両が生活道路を走る暮らしや観光業への影響は避けられない

JRが工事概要を説明した後の質疑応答は2時間半に及んだ「所得は少ないが

村民は豊かな自然の中で生きている」「手を付けなければ山は壊れない水が枯れる

ことも生命が失われることもない」質問というより訴えに近い発言が続いた

JR側は「切実な心配を受け止め少しでも解消したい」と返すのがやっと「地

元の理解と同意がなければ着工できない」と何度も繰り返した村は以前から小渋

川の橋を地中化するよう求めているがJRは説明会でも「工事の難度が増す」と

して受け入れなかった環境保全協定の締結については「考えていない」と回答変

電施設の送電線を地中化する要望に関しては何の説明もなかった最低限と言って

いい条件すら聞き入れられないことがJRに対する住民の不信を高めているのだろ

う出席者からは「一方的だ」と憤る声が上がった (中略)

「リニアの夢」が始まったのは半世紀も前だ国を挙げて成長を追い求めた 50 年

は村にとり若者が都会に流れ離農が進み集落が疲弊した歳月だった

大鹿村の人口の3割を I ターン者が占める311 後に U ターンしてきた若者もい

るという昔に戻るのではなくそれぞれができる仕事を探し自然や文化を共有し

ながら緩やかに結び付く新しい価値観の芽がこの村で育ちつつあるように感じら

れた

「理解と同意」を得るとしたJR東海は大鹿村とどう向き合うのか若い世代が

見つめる未来をないがしろにはできない

〈信濃毎日新聞 2014年 11 月 23 日付『社説』より抜粋〉

13

3リニアと自然環境住民との共存は

不可能

昨年6

月に

南ア

ルプ

スがユ

ネスコ

のエコ

パーク

に認

定さ

れた

リニ

ア建

設は

トン

ネル

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をはじ

めと

して

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環境

や住

民の

生活

環境

にも多

大な影響

を与

える

前回

拙稿

でも指摘

した

よう

この

こと

がは

して

「持続

可能

な自

然の利

用」

なの

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に疑問

であ

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境教育

やエコ

ツー

リズム

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境と

の調和

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する

R東

海は

「工

事は

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われ

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で問題

はな

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して

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が根拠

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ンネ

ルで

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から

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ンネ

ルは

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かず

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られ

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ると

いう

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産の完全性

を失

う恐

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ある

との指摘

(日

本自

然保護

協会代表

理事吉田

人氏

)も

ある

ら法律

(環

境影響評価

法)

に基

づい

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けて

いる

とは

いえ

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あく

まで

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ため

の便宜上

のも

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ある

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スメ

ント

に係

る調

査対

象や

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間な

もき

わめ

て限

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たも

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あり

結論

あり

きと

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りは免

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自然

環境

に優

れた

南ア

ルプ

スを

トン

ネル

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うと

う無謀

な計画

こか

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る膨

大な量

の掘

削土

をど

のよ

うに安全

に置

くか

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れて

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から

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った

く不

明だ

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の中

には小

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より閉山)が

あっ

たこ

とに

より

境汚染

質が

存在

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も指摘さ

れて

いる

大鹿

村釜

沢で

行わ

れよ

うと

して

いる

砂の(仮)置

き場

から

も推測さ

れる

よう

JR

東海

はと

にか

くど

こか

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のか

から

いと

ころ

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ばよ

い安全性

など

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の次

との姿勢

が見

て取

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とえ

住民

いる

下流域

で土石流

の心配

があ

って

もだ

結果

とし

て甚

大な

環境破壊

を引

き起

こし

ねな

い形

式上

はと

もか

JR

東海

のや

り方

は自

然環

境や

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も甚

だし

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企業

にあ

るまじ

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を露見さ

せて

いる

本来

なら

ば2

027

年開

業に

あく

まで

も固

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るの

では

なく

十二分

な住

民を含む

境調

査を実施

し少

なく

とも両者

が納

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上で

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るべ

き問題

であ

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リニ

ア中

央新

幹線

の建

設に

は同意

しな

い)

(日本山岳会員)

写真

大鹿

村ウェ

スト

ン顕彰碑

「赤石岳

の美

しさ

と素朴

で親切

な村

民を世界

に紹介

して

くれ

ウエ

スト

ン師

のた

めに

」と刻

れて

いる

14

自然保護委員会の活動記録

〈一月度〉

①山岳団体自然環境連絡会1月

22日(木) 出

席者富澤武藤

bull 各団体の報告

bull 「山の野生鳥獣目撃レポート」のパンフレ

ットの改訂版を作成予定

②埼玉支部主催第4回「埼玉の自然を知ろ

う」シンポジウム(2015年1月

15日

(木)

於浦和コミュニティセンター)に

一部の委員が参加

③自然保護委員会 1

26日(月)

bull 2015年度自然保護全国集会について

次回自然保護全国集会は東京多摩支部

との共催となった

bull 『木の目草の芽』115号について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

『木の目草の芽』113号114号発行

〈二月度〉

①全国集会実行委員会(

第1回)2月

13日(金)

出席者富澤河野川口西谷近藤武

藤土井

bull 会場下見の報告

bull プログラムフィールドスタディのコース

会費等の原案を作成

②自然保護委員会 2月

23日(月)

bull 理事会報告

bull 2015年度「事業計画」ならびに「委員

会予算」について

bull 環境省自然環境局国立公園課主催「

国立公

園内におけるトレイルランニング大会等

の取扱いに関する説明会」(

於新宿御苑

インフォメーションセンター2月

15日)

の報告

bull 山のECHO主催「

自然地域トイレ屎尿処

理技術セミナーおよび技術説明会」(

日本環境整備教育センター2月

19日)

の報告

bull 「入山者ルール策定セミナー」の案内

bull 次期委員長について

川口委員が次期委員長に選任された

bull 2015年度自然保護全国集会(東京多摩)

について

第1回実行委員会(2月

13日)決定事

項の報告

プログラムフィールドスタディのコー

ス会費等を協議した

bull 『木の目草の芽』について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

bull 2015年度自然観察会について

訂正とお詫び

『木の目草の芽』114号

12ページ「自然保護

委員会の活動記録」の1段目

20行目にldquo

静岡

支部宮崎支部などの報告rdquoと記載されていま

すが正しくはldquo静岡支部宮城支部などの報

告rdquoです訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉尾瀬を守る会の椎名宏子さんと

大鹿村の会員佐藤明穂さんがご寄稿ください

ました溢れる数々の情報に紛れて見えにくく

なりがちな事実をつぶさに語ってくださるこう

した声を多くの方へ正確に大切にお伝えする

ことがこの紙面の重要な役目と思います

卒業シーズンにふと一曲の歌を思い出しました

『肩に食い込むザックに耐えて君の足あと辿っ

て行ったあの日のあの山忘れるもんか登山シ

ューズがそっとよけたあの日のあの花忘れはし

ない』

うろ覚えだったので調べてみたら「ゴールめざ

して」という唱歌でした草花をよけることばか

り考えていたら足元がおぼつかなくなって身の危

険にさらされるということもあるでしょうで

もやはり私はこの歌のようにできるかぎり自分自

身よりも足元の花に意識を向けてそれをそっと

よける登山者であり続けたいと思います花を認

識できる程度のペースで走るのではなく元川

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6

に何が盛り込まれるかが重要な問題である

地域計画の作成

都道府県及び市町村は単独で又は共同し

て「基本方針」に基づき「地域計画」を作成

することができるまた都道府県等は地

域計画の作成に関する協議及び地域計画の実

施に係る連絡調整を行うための「協議会」を

組織することができると定めている

地域計画の実施にあたっては環境大臣等

の協議同意を経た地域計画に従って行うも

のについては自然公園法等の許可等を不要

とする特例を設けている

施行期日

公布の日(平成二十六年六月二十五日)か

ら起算して1年を超えない範囲の政令で定め

る日である

まとめ

今迄個人自治体がバラバラに動いてい

たために環境対策や安全対策を実施する費

用の調達等の財政的な問題の解決及びオーバ

ーユース状態にある利用者を適正水準にまで

抑制するための問題の解決に有効な方向性が

見いだせないでいたそんな時入域料につ

いて国がこのような法律で一定の方向性を

示したことは大いに評価できる

ただ内容手続き等が複雑で難しい為

にこの法律を利用しての入域料の設定や

ナショナルトラスト活動の進展が少ないの

ではないかということが憂慮されるさ

らに

最も重要なことは入域料の使途及び収支を

明確にして登山者等に周知徹底させることで

あるこれなくしては登山者の協力は得ら

れないであろう

またこの文章をまとめるにあたって法

律を読んでいると第十二条(土地の取得)

に目が止まった

「国及び都道府県は地域自然資産区域内

の土地が国立公園の区域内に含まれるもの

である等の理由により自然環境の保全及び

持続可能な利用の推進を図る上で特に重要で

あると認めるときは当該土地を取得するよ

う努めるものとする」

とある

山岳7団体の自然保護担当者の集まりであ

る「山岳団体自然環境連絡会」が東京電力

の福島原子力発電所の事故による経営破綻を

うけて平成二十四年四月二日に「尾瀬国立

公園の自然環境生態系保全を継続的安定

的に行うための意見書」を環境大臣宛てに提

出その中で意見として「尾瀬の土地の国

有化」「

国の主導的管理について」を要請し

ている環境省との懇談会の席では「尾瀬の

土地の国有化」については必ずしも前向

きな考え方を聞かせてもらえていない

この法律の成立によって「尾瀬の土地の国

有化」の道が開けたという理解でよろしいの

でしょうか (自然保護委員)

2014年8月

27日

朝日新聞夕刊

7

「トレイルランニング大会等の実施」

に関する環境省説明会報告

環境省国立公園課により「

国立公園内にお

けるトレイルランニング大会等の取扱い(

概要)」

について策定の背景事実関係基本的な考

え方取扱い方針などを平成

27年2月

15日及

17日の2回(各々100人定員)行われたの

で報告します 出席者は山岳団体野鳥の

会山小屋地方自治体自然環境関係者など

(以下環境省国立公園課配布資料の抜粋と要

約)

策定の背景目的

多人数で競争するトレイルランニング(以下

「トレラン」)大

会を開催することによる登山道

とその周辺の自然環境への影響や利用者の安全

を妨げる懸念があるので大会の取扱いをとり

まとめ自然環境の保全及び快適な公園利用環

境の確保を図る

事実関係など

国立公園内の歩道(登山道)は地域特性に

応じた徒歩利用目的で維持管理されておりト

レラン大会等の集中的な走行利用を想定してい

ない公園利用者との接触事故静穏の妨げ

混雑などが懸念されているが統一的な指針が

無いため関係者同士の軋轢が生じることがあ

取り扱いの基本的な考え方

国立公園内で行われる大会を対象とし地方

事務所で許認可をするさらに都道府県も国定

公園や都道府県立公園の中で開催される大会取

り扱いの参考とする

大会等のルートや期間などの指導

コース設定に関しては国立公園の中で特別

保護地区及び第1種特別地域は原則回避湿原

や泥濘が多く存在する湿潤な環境高山植物群

落などのある自然環境の場所歩道(登山道な

ど)の複線化や拡幅が懸念される場所ではコー

ス設定しない

開催への配慮事項

他の利用者(登山者等)が多い路線や混雑期

を回避する

他の利用者への留意事項をウエブ等で十分に

周知する

退会主催者参加者及び応援者が遵守すべき

ルールを設定し利用者の安全性及び快適性を

確保する

モニタリングと現状の回復の実施

開催による自然環境等への影響のモニタリ

ングを大会主催者により実施する(事前事後の

写真等により影響を評価するなど)環

境の改変

が確認された場合は大会主催者は原状回復を

行う

(自然保護委員 渡邉嘉也)

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住所

274‐0063

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川口章子

8

リニア中央新幹線について考える

― 現地長野県大鹿村から ―

長野県下伊那郡大鹿村 佐 藤 明 穂

昨年

10月の

国土

交通

省に

よる

東海

旅客

鉄道

株式

会社

(以

JR

東海

と略

す)

リニ

ア中

央新

幹線

建設

への

許認

可以

社は

着々

と建

設作

業開

始に

向け

ての

準備

進め

てい

2月

には

釜沢

地区

(大

鹿村

奥の

集落

南ア

ルプ

スを

貫通

する

トン

ルの

長野

県側

の掘

削口

にほ

ど近

い)

で住

に連

絡直

後か

ら水

平ボ

ーリ

ング

調査

が始

った

地区

では

20

08

年に

も同

様の

調

査が

24時間

操業

で行

われ

てお

りそ

の騒

や「

光」

害に

耐え

かね

て他

地区

に移

り住

だ一

家も

ある

JR

東海

は建

設用

の取

住民

への

工事

説明

会な

どを

経て

今秋

にも

本格

的に

着工

する

予定

であ

かな

この

地も

「静

かだ

った

とい

われ

るよ

うに

なり

10年超

にわ

たっ

て大

河原

区の

大半

が工

事プ

ラン

トの

現場

とな

1リニアは本当に必要か

の私

たち

にと

って

重要

なこ

とは

にわ

たっ

てい

かに

自然

環境

に対

する

負荷

減ら

し共

存し

てい

くか

に尽

きる

今の

常気

地球

温暖

化と

いわ

れる

現象

も元

ただ

せば

人間

社会

の生

産活

動拡

大が

その

因と

もい

われ

翻っ

日本

政府

や所

官庁

は原

子力

発電

を重

要な

ベー

スロ

ード

源と

位置

づけ

生可

能エ

ネル

ギー

を優

する

とし

た政

策を

早く

も転

換し

てい

島に

おけ

る大

災害

の後

始末

も核

廃棄

物の

終的

な処

理方

法も

確立

しな

いま

まに

であ

今さ

えよ

けれ

ばよ

いの

では

ない

今だ

け」

とい

うの

は今

を生

きる者

のエゴ

ある

現代

のツケ

は将

来に回

して

はな

らな

いと切実

に思

ここ

では

リニ

アの抱

える問題

を取

り上げ

ルートの選定

201

0年

10月

20日

国土

交通

省の

る審議

会(

交通

政策審議

会 陸上

交通分科

鉄道部

会 中

央新

幹線小委員

会審議

会家田

仁〈

東京

大学教授〉小委員

会委員

長)

南ア

ルプ

スを

貫通

する

トン

ネル構想

に関

て「

環境面

(重視

だけ

)か

らル

ート

の選

はで

きな

い(

しな

い)」と

の結論

が出さ

れる

さら

12月

15日「

南ア

ルプ

スに

トン

ネル

を掘

って

も構

わな

い」

とす

る内容

の中

間取

りま

とめ案

を公表

する

007

年の

JR

東海

によ

るリ

ニア

中央

新幹

線計画

発表

を受

けて

のも

のだ

この

会議

では

国立公園指

定区域

の拡張

やそ

れと

の整合性

につ

いて

何ら

の審議

もなさ

れて

いな

リニアの選択

ちなみ

この小委員

会で

は環

境保全

見地

より

一般

から

の意見

(パブ

リックコメ

ント

)募

集を3回実施

して

いる

答申

直前

の最

終公募

の集計結果

は総数

88

うち

反対

もし

くは

再検討

が64

8推

進賛成

16であ

った

にも

かか

わらず

家田委員

長は

「批判

は答申

を覆

すほ

どの

もの

では

ない

と大多数

の意見

を無視

して答申

を急

いだ

9

さら

に2

01

2年5

12日同委員

長か

国土

交通

大臣

に提出さ

れた答申

(一部

)で

「在

来新

幹線

は安全性

信頼性

エネ性

速達性

ネッ

トワ

ーク性

時性

設費

用等

の点

では

優れ

てい

るが

ニア

の方

高速性

の点

で優

れて

いる

ので

ニア

が適

当で

ある

」と結論

づけ

てい

る審議

会で

在来

新幹

線と

リニ

ア新

幹線

との比較検討

一切

行わ

れな

かっ

たに

もか

かわ

らず

初か

ら結論

あり

き真

に重

要な

こと

が時

をか

けて議論さ

れた

のか

大い

に疑問

があ

全国新幹線鉄道整備法(全幹法)との

整合性

この

法律

に基

づく

許認

可を受

けて

はい

もの

同法

では

大都市

(東京

など

)と全

国の

中核都市

を結ぶ

のが

本来

の趣旨

だが

ニア

は全

く異

なる

大都市

間を結ぶ

だけ

その機

能で

ある

当初

は中

間駅

設置

の予

すら

なか

った

幹法適

用は

JR

東海

が地

方自治体

によ

る土

地の強制収

用目当

てに意

図し

たと

も考

えら

れる

方で

社は

認可当初

から

「J

R東

海単独

での

建設

」を

言い続

けて

いる

れは全

幹法

の適

用と

相容

れな

いつ

まり

土地収

用な

どに関

して

は公権

力の

力が

ほし

いさ

れど

経営

に関

るこ

とに

は口出

しし

ない

でほ

しい

とい

う極

めて虫

のよ

い話

なの

リニア建設費用とJR東海の経営

一昨

年9

月当

時の山田

社長

が「

リニ

単独

ではペイ

しな

い」

と述べ

たよ

うに

ニア

中央

新幹

線の

建設費

はき

わめ

て高額

ある

東京―名古屋

間の

建設費

が5兆43

00億円

れに

はあ

とで追加

した

中間駅

の設

置費

用な

ど付帯

設備

の費

用は入

って

ない

アル

プス

を貫

通さ

せる

トン

ネル

事は破砕帯

の通過

も含

め難

工事

が予測さ

れて

いる

設費

用の増加

など

は当

然J

R東

海の

経営

を圧迫

する

音を言

えば

JR

東海

自身

もど

の段階

で公金

が投入さ

るか

(し

ても

らえ

るか

)が当面

の関心

事で

ある

とも

いえ

よう

公金

はす

なわ

ち国

民の

税金

であ

る誰

も望み

もし

ない

もの

に税金

が勝手

に使

われ

るな

許さ

れて

もよ

いも

のだろ

うか

リニアの動力源―原発との関係

リニ

アの技術

(超

電導

)は

定的

かつ

多量

に供給さ

れる

(原

発に

よる

)電

力と裏

腹の関係

にあ

これ

なく

して

は成立

しな

い先ごろ

東京

電力

と中部

電力

のJV

によ

る火

力発

電所

建設

の計画

が公表さ

れた

これ

はリ

ニア

対策

との見

方も

ある

もの

の一

時的

なも

のに過ぎ

ない

でに

新潟

県柏崎

(柏崎刈羽

原発

)か

ら山梨

県大

月(

リニ

実験

線)

まで

の高圧

鉄塔=送

電線

など

があ

るよ

うに

くま

でも

原発

によ

る電

力を使

用す

るこ

とが

「前提

」な

ので

ある

リニアの必要性に対する矛盾

JR

東海

リニ

ア中

央新

幹線

建設

の必

要性

を現在

の新

幹線

の輸送

力が限界

であ

こと

や災

害時

の代替路

線と

して

の役割

を強

調す

しか

し輸送

力に関

して

は特

定の

時期

を除

いて

50~

60の座席占有率

であ

るた

めに

とて

も「飽和状態

」と

はい

えな

これ

から

人口

が減少

すれ

新幹

線を

おも

に利

用す

る生

産年齢

人口

も大幅

に減少

する

また

存の

新幹

線と限

られ

たパイ(乗

客)

の奪

い合

いが

ある

にも

かか

わらず

建設

の必

要性

があ

るの

か加

えて

現在

の技術

では

営業

に支障

をき

たさ

ない

よう

に新

幹線

を補

修修繕

する

こと

は充分

可能

であ

るさ

に東

日本

大震

災の

経験

でも

明ら

かな

よう

10

災害

時に有効

なの

は物資

の輸送路

をい

かに

確保

する

かで

あり

れに

はリ

ニア

はま

たく役

に立

たな

他路

線と

の互

換性

がな

いこ

とな

ども含

今建

設す

る必

要性

はま

った

くな

電磁波の問題

(ここでは高圧線と車輌自体に限定)

電磁波

につ

いて

は当該

の環

境影響評価

対象

とは

なっ

てい

ない

評価書

では

リニ

中央

新幹

線の

発す

るも

のは

国際非

電離放射

線防護委員

会(ICNIRP)

が示

したガイ

ドラ

イン

20

00ミ

リガウ

ス以

下で

あり

磁界

によ

る健康

への影響

はな

いと

しか

説明さ

てい

ない

来は

WHO

の勧告

に従

って

経済

産業

省が1

00

0ミ

リガウ

スを規制値

にす

る予

定で

あっ

だが

のICNIRP

の改訂

に沿

って

2011

年3

月に

原子

安全保安院

が2

00

0ミ

リガウ

スを規制値

とし

て同

10月に施

行し

た一

方国

土交

通省

がリ

ニア

中央

新幹

線計画

に許

可を出

たの

がこ

の年

の5

月で

ある

れは

リニ

新幹

線の周囲

(線路脇6

線路

下8

範囲

)につ

いて

のみ

だけ

客室内

の水

がど

うな

のか

の説

明は

一切

ない

力供給

源で

ある高圧

鉄塔

が発

する巨

大な

磁波

のこ

とも何ひ

とつ触

れら

れて

いな

(こ

の件

に関

して

R東

海は

電力

会社

協議

する

とし

か述べ

てい

ない

)実際

山梨

県の実験

線付

近で

は柿

の実

の生

った木

に鳥

が寄

り付

かな

くな

った

など

の話

もあ

自身

も高圧

鉄塔

から

発す

る唸

りの

よう

「音

」を聞

いて

いる

スピードだけ

それ以外は危険性の高いリニア

リニ

ア唯

一の

優位性

最高

で時速5

00

とも

いわ

れる

スピ

ード

だが

たし

今こ

のよ

うな

もの

が必

要な

のだろ

うか

こだ

けが速

くと

も前

後の

アクセ

スに

時間

かか

るの

であ

れば

輸送

力と

して必ず

しも

優位性

は持

たな

であ

れば既

存の

新幹

を拡充さ

せた

方が

経済

的合

理性

は高

い技

術力

の追求

もそ

れは

一部

の人

たち

のエゴ

はな

いの

そう

いっ

たも

のよ

りも

今何

りも求

めら

れる

のはバ

ラン

ス感覚

具体

には

自然

環境

との

調和

であ

リニ

アは

まり

にも

「対価

」が高

すぎ

リモ

ートコ

ント

ロー

ルに

よる運

転や約

86も

のト

ネル(

東京―名古屋

間)近

い将

来起

こる

いわ

れる

東南

海ト

ラフ

を震

源と

する巨

大地

震の

対策

地域

(震度6程度

以上

)に路

線の

一部

がか

かっ

てい

ここ

には糸魚川

静岡

構造

線(フォッサマ

グナ

)や

中央構造

線も

通っ

てい

る高速走

行中

ンネ

ルの横切

る断層

がた

とえ

50で

もズレ

たら

果は

明白

だろ

う山

中深

いト

ンネ

ルで

もし

もの

こと

が起

きた

あと

は地上

まで

自分

自身

の足

で出

てく

るし

かな

い外

の景色

どは望むべ

くも

ない

がこ

のよ

うな危険

な乗

り物

を望む

のだろ

うか

2大鹿村とリニア

大鹿村

の住む

長野

県下伊那郡

大鹿

村は

人口約

11

00

人高齢者率

が半数

を超

える

村で

ある

河原

集落

を流

れる小渋川

の奥

には

赤石岳

がそび

えて

おり

の東

側は

静岡

の大井川

源流域

であ

大鹿

村は

地芝居

大鹿歌舞伎

でも有名

原田芳雄

の遺

作と

なっ

た映画

「大

鹿村

騒動記

」の

ロケ

地と

ても知

られ

る1

89

2年

8月

下旬

にはウ

ェス

トン

がこ

こか

ら赤石岳

に登

って

いる

(2

01

2年

「ウェ

スト

ン顕彰碑

」が

村民

有志

によ

り建立

)南

アル

プス

をはじ

めと

11

る山

々に抱

かれ

た静

かな

村で

ある

JR東海からの計画発表報告

2013

年の

JR

東海

のル

ート公表

同年

10月に

行わ

れた

同社

によ

る村

での

備書

説明

会(

2回

)に

は住

民を

中心

に26

0人

あま

りが参加

した

こで

は準

備書

内容

に関

する

説明

と質疑応答

が行

われ

準備書

では

「工

事に

よる影響

は生じ

ない

「影響

はあ

って

も小さ

い」

など

の記述

が目

立ち

事に

よる

環境

へのダメ

ージ

(す

わち

トン

ネル

掘削

によ

る地質

や河川湧

工事

区域周辺

での在

来動植

物景観

など

の影響

)お

よび

私た

ちの

生活

環境

の変

化な

どの記載

はほ

とん

どか

った

れが意味

るの

JR

東海

が環

境に

は配慮

しな

いで

工事

を進

める

とい

うこ

とだ

事の概

要と

して

鹿村

は南

アル

プス

を貫

くト

ンネ

(距離約

23主稜

線小

河内岳

28

02

mの

南側

を通過

)の

長野

県側

の坑

口と

して

小渋川部分

は地上

(橋梁

)で

通過

央構

造線

や伊那山

地は

再び

トン

ネル

で通過

竜川

に至

る計画

であ

る工期

10年以上

渡り

村内

での坑

口は計4

本変

電施

設の

建設

も予

定さ

れて

いる

削で

発生

する

砂は

最盛期

には1

日当

たり

工事車輌

(お

に大型ダ

ンプ

)17

00台

超と見積

もら

てい

る(1

日8

時間

の通

行と

して約

17秒に

1台

の走

行)

住民の反応JR東海の問題点

まさ

に住

民に

とっ

て衝撃

的な内容

であ

JR

東海

とし

ては

住民

から

の反

対が

想さ

れる

こと

もあ

って

か当

日の

会場

では

質問者

が多数

いた

にも

かか

わらず途

中で質

疑を打

ち切

るな

その

対応

には多

くの問

題が

あっ

た私

も参加

した

が担当者

の「

民の

理解

を得

なが

ら」と

の発言

とは裏腹

とに

かく

「2

027

年開

業あ

りき

」の姿勢

ばか

りが目立

ち結果

とし

て住

民の

理解

得る

対応

とは程遠

いも

ので

あっ

環境影響評価書による説明会

翌2

014

11月

10日

JR

東海

によ

る環

境影響評価書

に基

づく

説明

会(

環境影

響評価

法に

よる

最終報告書

土交

通省

よる

許認

可以

降当

地で

開か

れた

最初

の説

明会

)が

行わ

れた

開催形

式は前

年に

行わ

れた

環境影響評価

準備書

によ

るも

のの

時と

同様

ライ

ドに

よる

説明報告

のあ

と住

民と

の質疑応答

が行

われ

る形

式で

ある

だ異

なっ

たの

は前回

は質問者多数

であ

たに

もか

かわ

らず

予定

時間

で強引

に終

わら

せた

のに

対し

今回

は時

間を

大幅

に超過

る3

時間

30分(

うち質疑応答

が2

時間

30

分ほ

ど)

の開催

とな

った

こと

これ

はJ

R東

海側

の配慮

とい

うよ

りは

民に

とっ

てき

わめ

て関心

の高

い問題

であ

った

から

ほか

なら

ない

の席

JR

東海

の沢田

担当部

長は

「住

民の

理解

同意

が得

られ

けれ

ば建

設に

着手

しな

い」と

明言

して

いる

この

村全体

での

説明

会の

のち

12月初旬

かけ

て各

地区

住民

への

説明

会も

同様

に開

れた

この

時は出席

がそ

の地

区の関係者

に限

定さ

れ報

道機関

の参加

もシャッ

トア

ウトさ

れた

だ全体

と関

連す

る地

区の

説明

会計3ヶ

所に出席

した

私の印

象か

らす

ると

R東

海の姿勢

には前

年と何

ら変

が感じ

られ

なか

った

くま

でも

20

27

年開

業に

向け

て住

民に

理解

を求

める姿勢

かり

が目立

った

この問題

に対

する

村当局

の動

き(

住民

に対

する情報伝達

)も

鈍い

もの

であ

った

この

11月

10日の

説明

会は内外

で大

きな

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を呼び

元紙

でも

社説

で大

きく

取り

上げ

てい

るの

で次

に引

用す

12

『大鹿村とリニア』

平行線だった

JR東海が今月下伊那郡大鹿村で開いたリニア中央新幹線の事業説明会人口

1100 人の村で300 人近くが出席していた工事への理解を求めるJRに対し住民

からは「風景は一度失ったら取り戻せない」「JRの利益の裏返しが村の犠牲だ」と

いう根本的な反論が相次いだ

大鹿村は今のままでいい-そう訴える若い世代が多かったことが印象に残った

リニアの路線は村の南部を東西に通る残土を運び出すための作業用トンネル坑口

を4カ所設け変電施設を作り小渋川の上流に橋を架ける最大で1日 1700 台余

の大きな工事用車両が生活道路を走る暮らしや観光業への影響は避けられない

JRが工事概要を説明した後の質疑応答は2時間半に及んだ「所得は少ないが

村民は豊かな自然の中で生きている」「手を付けなければ山は壊れない水が枯れる

ことも生命が失われることもない」質問というより訴えに近い発言が続いた

JR側は「切実な心配を受け止め少しでも解消したい」と返すのがやっと「地

元の理解と同意がなければ着工できない」と何度も繰り返した村は以前から小渋

川の橋を地中化するよう求めているがJRは説明会でも「工事の難度が増す」と

して受け入れなかった環境保全協定の締結については「考えていない」と回答変

電施設の送電線を地中化する要望に関しては何の説明もなかった最低限と言って

いい条件すら聞き入れられないことがJRに対する住民の不信を高めているのだろ

う出席者からは「一方的だ」と憤る声が上がった (中略)

「リニアの夢」が始まったのは半世紀も前だ国を挙げて成長を追い求めた 50 年

は村にとり若者が都会に流れ離農が進み集落が疲弊した歳月だった

大鹿村の人口の3割を I ターン者が占める311 後に U ターンしてきた若者もい

るという昔に戻るのではなくそれぞれができる仕事を探し自然や文化を共有し

ながら緩やかに結び付く新しい価値観の芽がこの村で育ちつつあるように感じら

れた

「理解と同意」を得るとしたJR東海は大鹿村とどう向き合うのか若い世代が

見つめる未来をないがしろにはできない

〈信濃毎日新聞 2014年 11 月 23 日付『社説』より抜粋〉

13

3リニアと自然環境住民との共存は

不可能

昨年6

月に

南ア

ルプ

スがユ

ネスコ

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に認

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れた

リニ

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ネル

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して

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や住

民の

生活

環境

にも多

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を与

える

前回

拙稿

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可能

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に疑問

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やエコ

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ンネ

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ンネ

ルは

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られ

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ると

いう

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ある

との指摘

(日

本自

然保護

協会代表

理事吉田

人氏

)も

ある

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(環

境影響評価

法)

に基

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けて

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環境

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南ア

ルプ

スを

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ネル

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より閉山)が

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れて

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大鹿

村釜

沢で

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よう

JR

東海

はと

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のか

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東海

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住民軽視

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027

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境調

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なく

とも両者

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リニ

ア中

央新

幹線

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(日本山岳会員)

写真

大鹿

村ウェ

スト

ン顕彰碑

「赤石岳

の美

しさ

と素朴

で親切

な村

民を世界

に紹介

して

くれ

ウエ

スト

ン師

のた

めに

」と刻

れて

いる

14

自然保護委員会の活動記録

〈一月度〉

①山岳団体自然環境連絡会1月

22日(木) 出

席者富澤武藤

bull 各団体の報告

bull 「山の野生鳥獣目撃レポート」のパンフレ

ットの改訂版を作成予定

②埼玉支部主催第4回「埼玉の自然を知ろ

う」シンポジウム(2015年1月

15日

(木)

於浦和コミュニティセンター)に

一部の委員が参加

③自然保護委員会 1

26日(月)

bull 2015年度自然保護全国集会について

次回自然保護全国集会は東京多摩支部

との共催となった

bull 『木の目草の芽』115号について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

『木の目草の芽』113号114号発行

〈二月度〉

①全国集会実行委員会(

第1回)2月

13日(金)

出席者富澤河野川口西谷近藤武

藤土井

bull 会場下見の報告

bull プログラムフィールドスタディのコース

会費等の原案を作成

②自然保護委員会 2月

23日(月)

bull 理事会報告

bull 2015年度「事業計画」ならびに「委員

会予算」について

bull 環境省自然環境局国立公園課主催「

国立公

園内におけるトレイルランニング大会等

の取扱いに関する説明会」(

於新宿御苑

インフォメーションセンター2月

15日)

の報告

bull 山のECHO主催「

自然地域トイレ屎尿処

理技術セミナーおよび技術説明会」(

日本環境整備教育センター2月

19日)

の報告

bull 「入山者ルール策定セミナー」の案内

bull 次期委員長について

川口委員が次期委員長に選任された

bull 2015年度自然保護全国集会(東京多摩)

について

第1回実行委員会(2月

13日)決定事

項の報告

プログラムフィールドスタディのコー

ス会費等を協議した

bull 『木の目草の芽』について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

bull 2015年度自然観察会について

訂正とお詫び

『木の目草の芽』114号

12ページ「自然保護

委員会の活動記録」の1段目

20行目にldquo

静岡

支部宮崎支部などの報告rdquoと記載されていま

すが正しくはldquo静岡支部宮城支部などの報

告rdquoです訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉尾瀬を守る会の椎名宏子さんと

大鹿村の会員佐藤明穂さんがご寄稿ください

ました溢れる数々の情報に紛れて見えにくく

なりがちな事実をつぶさに語ってくださるこう

した声を多くの方へ正確に大切にお伝えする

ことがこの紙面の重要な役目と思います

卒業シーズンにふと一曲の歌を思い出しました

『肩に食い込むザックに耐えて君の足あと辿っ

て行ったあの日のあの山忘れるもんか登山シ

ューズがそっとよけたあの日のあの花忘れはし

ない』

うろ覚えだったので調べてみたら「ゴールめざ

して」という唱歌でした草花をよけることばか

り考えていたら足元がおぼつかなくなって身の危

険にさらされるということもあるでしょうで

もやはり私はこの歌のようにできるかぎり自分自

身よりも足元の花に意識を向けてそれをそっと

よける登山者であり続けたいと思います花を認

識できる程度のペースで走るのではなく元川

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7

「トレイルランニング大会等の実施」

に関する環境省説明会報告

環境省国立公園課により「

国立公園内にお

けるトレイルランニング大会等の取扱い(

概要)」

について策定の背景事実関係基本的な考

え方取扱い方針などを平成

27年2月

15日及

17日の2回(各々100人定員)行われたの

で報告します 出席者は山岳団体野鳥の

会山小屋地方自治体自然環境関係者など

(以下環境省国立公園課配布資料の抜粋と要

約)

策定の背景目的

多人数で競争するトレイルランニング(以下

「トレラン」)大

会を開催することによる登山道

とその周辺の自然環境への影響や利用者の安全

を妨げる懸念があるので大会の取扱いをとり

まとめ自然環境の保全及び快適な公園利用環

境の確保を図る

事実関係など

国立公園内の歩道(登山道)は地域特性に

応じた徒歩利用目的で維持管理されておりト

レラン大会等の集中的な走行利用を想定してい

ない公園利用者との接触事故静穏の妨げ

混雑などが懸念されているが統一的な指針が

無いため関係者同士の軋轢が生じることがあ

取り扱いの基本的な考え方

国立公園内で行われる大会を対象とし地方

事務所で許認可をするさらに都道府県も国定

公園や都道府県立公園の中で開催される大会取

り扱いの参考とする

大会等のルートや期間などの指導

コース設定に関しては国立公園の中で特別

保護地区及び第1種特別地域は原則回避湿原

や泥濘が多く存在する湿潤な環境高山植物群

落などのある自然環境の場所歩道(登山道な

ど)の複線化や拡幅が懸念される場所ではコー

ス設定しない

開催への配慮事項

他の利用者(登山者等)が多い路線や混雑期

を回避する

他の利用者への留意事項をウエブ等で十分に

周知する

退会主催者参加者及び応援者が遵守すべき

ルールを設定し利用者の安全性及び快適性を

確保する

モニタリングと現状の回復の実施

開催による自然環境等への影響のモニタリ

ングを大会主催者により実施する(事前事後の

写真等により影響を評価するなど)環

境の改変

が確認された場合は大会主催者は原状回復を

行う

(自然保護委員 渡邉嘉也)

【購読料のお願い】

本紙を購読されている方は来年度(四月~三

月)の年間購読料として1千円を「郵便振替用

紙」または「郵券」でお送り頂きたくお願いい

たします

(郵便振替用紙は次号に同封します)

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購読者以外の方(理事支部長支部事務局

長自然保護協力委員支部自然保護委員

贈呈者等)で送料等のカンパにご協力頂ける

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きたくお願いいたします

送り先

郵便振替

00180‐4‐710688

加入者名 川口章子

住所

274‐0063

船橋市習志野台4‐43‐1‐102

川口章子

8

リニア中央新幹線について考える

― 現地長野県大鹿村から ―

長野県下伊那郡大鹿村 佐 藤 明 穂

昨年

10月の

国土

交通

省に

よる

東海

旅客

鉄道

株式

会社

(以

JR

東海

と略

す)

リニ

ア中

央新

幹線

建設

への

許認

可以

社は

着々

と建

設作

業開

始に

向け

ての

準備

進め

てい

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には

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地区

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鹿村

奥の

集落

南ア

ルプ

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する

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ルの

長野

県側

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削口

にほ

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い)

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に連

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後か

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平ボ

ーリ

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調査

が始

った

地区

では

20

08

年に

も同

様の

調

査が

24時間

操業

で行

われ

てお

りそ

の騒

や「

光」

害に

耐え

かね

て他

地区

に移

り住

だ一

家も

ある

JR

東海

は建

設用

の取

住民

への

工事

説明

会な

どを

経て

今秋

にも

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的に

着工

する

予定

であ

かな

この

地も

「静

かだ

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とい

われ

るよ

うに

なり

10年超

にわ

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て大

河原

区の

大半

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事プ

ラン

トの

現場

とな

1リニアは本当に必要か

の私

たち

にと

って

重要

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とは

にわ

たっ

てい

かに

自然

環境

に対

する

負荷

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てい

くか

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常気

地球

温暖

化と

いわ

れる

現象

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ただ

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人間

社会

の生

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その

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われ

翻っ

日本

政府

や所

官庁

は原

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を重

要な

ベー

スロ

ード

源と

位置

づけ

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ネル

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を優

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とし

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早く

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換し

てい

島に

おけ

る大

災害

の後

始末

も核

廃棄

物の

終的

な処

理方

法も

確立

しな

いま

まに

であ

今さ

えよ

けれ

ばよ

いの

では

ない

今だ

け」

とい

うの

は今

を生

きる者

のエゴ

ある

現代

のツケ

は将

来に回

して

はな

らな

いと切実

に思

ここ

では

リニ

アの抱

える問題

を取

り上げ

ルートの選定

201

0年

10月

20日

国土

交通

省の

る審議

会(

交通

政策審議

会 陸上

交通分科

鉄道部

会 中

央新

幹線小委員

会審議

会家田

仁〈

東京

大学教授〉小委員

会委員

長)

南ア

ルプ

スを

貫通

する

トン

ネル構想

に関

て「

環境面

(重視

だけ

)か

らル

ート

の選

はで

きな

い(

しな

い)」と

の結論

が出さ

れる

さら

12月

15日「

南ア

ルプ

スに

トン

ネル

を掘

って

も構

わな

い」

とす

る内容

の中

間取

りま

とめ案

を公表

する

007

年の

JR

東海

によ

るリ

ニア

中央

新幹

線計画

発表

を受

けて

のも

のだ

この

会議

では

国立公園指

定区域

の拡張

やそ

れと

の整合性

につ

いて

何ら

の審議

もなさ

れて

いな

リニアの選択

ちなみ

この小委員

会で

は環

境保全

見地

より

一般

から

の意見

(パブ

リックコメ

ント

)募

集を3回実施

して

いる

答申

直前

の最

終公募

の集計結果

は総数

88

うち

反対

もし

くは

再検討

が64

8推

進賛成

16であ

った

にも

かか

わらず

家田委員

長は

「批判

は答申

を覆

すほ

どの

もの

では

ない

と大多数

の意見

を無視

して答申

を急

いだ

9

さら

に2

01

2年5

12日同委員

長か

国土

交通

大臣

に提出さ

れた答申

(一部

)で

「在

来新

幹線

は安全性

信頼性

エネ性

速達性

ネッ

トワ

ーク性

時性

設費

用等

の点

では

優れ

てい

るが

ニア

の方

高速性

の点

で優

れて

いる

ので

ニア

が適

当で

ある

」と結論

づけ

てい

る審議

会で

在来

新幹

線と

リニ

ア新

幹線

との比較検討

一切

行わ

れな

かっ

たに

もか

かわ

らず

初か

ら結論

あり

き真

に重

要な

こと

が時

をか

けて議論さ

れた

のか

大い

に疑問

があ

全国新幹線鉄道整備法(全幹法)との

整合性

この

法律

に基

づく

許認

可を受

けて

はい

もの

同法

では

大都市

(東京

など

)と全

国の

中核都市

を結ぶ

のが

本来

の趣旨

だが

ニア

は全

く異

なる

大都市

間を結ぶ

だけ

その機

能で

ある

当初

は中

間駅

設置

の予

すら

なか

った

幹法適

用は

JR

東海

が地

方自治体

によ

る土

地の強制収

用目当

てに意

図し

たと

も考

えら

れる

方で

社は

認可当初

から

「J

R東

海単独

での

建設

」を

言い続

けて

いる

れは全

幹法

の適

用と

相容

れな

いつ

まり

土地収

用な

どに関

して

は公権

力の

力が

ほし

いさ

れど

経営

に関

るこ

とに

は口出

しし

ない

でほ

しい

とい

う極

めて虫

のよ

い話

なの

リニア建設費用とJR東海の経営

一昨

年9

月当

時の山田

社長

が「

リニ

単独

ではペイ

しな

い」

と述べ

たよ

うに

ニア

中央

新幹

線の

建設費

はき

わめ

て高額

ある

東京―名古屋

間の

建設費

が5兆43

00億円

れに

はあ

とで追加

した

中間駅

の設

置費

用な

ど付帯

設備

の費

用は入

って

ない

アル

プス

を貫

通さ

せる

トン

ネル

事は破砕帯

の通過

も含

め難

工事

が予測さ

れて

いる

設費

用の増加

など

は当

然J

R東

海の

経営

を圧迫

する

音を言

えば

JR

東海

自身

もど

の段階

で公金

が投入さ

るか

(し

ても

らえ

るか

)が当面

の関心

事で

ある

とも

いえ

よう

公金

はす

なわ

ち国

民の

税金

であ

る誰

も望み

もし

ない

もの

に税金

が勝手

に使

われ

るな

許さ

れて

もよ

いも

のだろ

うか

リニアの動力源―原発との関係

リニ

アの技術

(超

電導

)は

定的

かつ

多量

に供給さ

れる

(原

発に

よる

)電

力と裏

腹の関係

にあ

これ

なく

して

は成立

しな

い先ごろ

東京

電力

と中部

電力

のJV

によ

る火

力発

電所

建設

の計画

が公表さ

れた

これ

はリ

ニア

対策

との見

方も

ある

もの

の一

時的

なも

のに過ぎ

ない

でに

新潟

県柏崎

(柏崎刈羽

原発

)か

ら山梨

県大

月(

リニ

実験

線)

まで

の高圧

鉄塔=送

電線

など

があ

るよ

うに

くま

でも

原発

によ

る電

力を使

用す

るこ

とが

「前提

」な

ので

ある

リニアの必要性に対する矛盾

JR

東海

リニ

ア中

央新

幹線

建設

の必

要性

を現在

の新

幹線

の輸送

力が限界

であ

こと

や災

害時

の代替路

線と

して

の役割

を強

調す

しか

し輸送

力に関

して

は特

定の

時期

を除

いて

50~

60の座席占有率

であ

るた

めに

とて

も「飽和状態

」と

はい

えな

これ

から

人口

が減少

すれ

新幹

線を

おも

に利

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る生

産年齢

人口

も大幅

に減少

する

また

存の

新幹

線と限

られ

たパイ(乗

客)

の奪

い合

いが

ある

にも

かか

わらず

建設

の必

要性

があ

るの

か加

えて

現在

の技術

では

営業

に支障

をき

たさ

ない

よう

に新

幹線

を補

修修繕

する

こと

は充分

可能

であ

るさ

に東

日本

大震

災の

経験

でも

明ら

かな

よう

10

災害

時に有効

なの

は物資

の輸送路

をい

かに

確保

する

かで

あり

れに

はリ

ニア

はま

たく役

に立

たな

他路

線と

の互

換性

がな

いこ

とな

ども含

今建

設す

る必

要性

はま

った

くな

電磁波の問題

(ここでは高圧線と車輌自体に限定)

電磁波

につ

いて

は当該

の環

境影響評価

対象

とは

なっ

てい

ない

評価書

では

リニ

中央

新幹

線の

発す

るも

のは

国際非

電離放射

線防護委員

会(ICNIRP)

が示

したガイ

ドラ

イン

20

00ミ

リガウ

ス以

下で

あり

磁界

によ

る健康

への影響

はな

いと

しか

説明さ

てい

ない

来は

WHO

の勧告

に従

って

経済

産業

省が1

00

0ミ

リガウ

スを規制値

にす

る予

定で

あっ

だが

のICNIRP

の改訂

に沿

って

2011

年3

月に

原子

安全保安院

が2

00

0ミ

リガウ

スを規制値

とし

て同

10月に施

行し

た一

方国

土交

通省

がリ

ニア

中央

新幹

線計画

に許

可を出

たの

がこ

の年

の5

月で

ある

れは

リニ

新幹

線の周囲

(線路脇6

線路

下8

範囲

)につ

いて

のみ

だけ

客室内

の水

がど

うな

のか

の説

明は

一切

ない

力供給

源で

ある高圧

鉄塔

が発

する巨

大な

磁波

のこ

とも何ひ

とつ触

れら

れて

いな

(こ

の件

に関

して

R東

海は

電力

会社

協議

する

とし

か述べ

てい

ない

)実際

山梨

県の実験

線付

近で

は柿

の実

の生

った木

に鳥

が寄

り付

かな

くな

った

など

の話

もあ

自身

も高圧

鉄塔

から

発す

る唸

りの

よう

「音

」を聞

いて

いる

スピードだけ

それ以外は危険性の高いリニア

リニ

ア唯

一の

優位性

最高

で時速5

00

とも

いわ

れる

スピ

ード

だが

たし

今こ

のよ

うな

もの

が必

要な

のだろ

うか

こだ

けが速

くと

も前

後の

アクセ

スに

時間

かか

るの

であ

れば

輸送

力と

して必ず

しも

優位性

は持

たな

であ

れば既

存の

新幹

を拡充さ

せた

方が

経済

的合

理性

は高

い技

術力

の追求

もそ

れは

一部

の人

たち

のエゴ

はな

いの

そう

いっ

たも

のよ

りも

今何

りも求

めら

れる

のはバ

ラン

ス感覚

具体

には

自然

環境

との

調和

であ

リニ

アは

まり

にも

「対価

」が高

すぎ

リモ

ートコ

ント

ロー

ルに

よる運

転や約

86も

のト

ネル(

東京―名古屋

間)近

い将

来起

こる

いわ

れる

東南

海ト

ラフ

を震

源と

する巨

大地

震の

対策

地域

(震度6程度

以上

)に路

線の

一部

がか

かっ

てい

ここ

には糸魚川

静岡

構造

線(フォッサマ

グナ

)や

中央構造

線も

通っ

てい

る高速走

行中

ンネ

ルの横切

る断層

がた

とえ

50で

もズレ

たら

果は

明白

だろ

う山

中深

いト

ンネ

ルで

もし

もの

こと

が起

きた

あと

は地上

まで

自分

自身

の足

で出

てく

るし

かな

い外

の景色

どは望むべ

くも

ない

がこ

のよ

うな危険

な乗

り物

を望む

のだろ

うか

2大鹿村とリニア

大鹿村

の住む

長野

県下伊那郡

大鹿

村は

人口約

11

00

人高齢者率

が半数

を超

える

村で

ある

河原

集落

を流

れる小渋川

の奥

には

赤石岳

がそび

えて

おり

の東

側は

静岡

の大井川

源流域

であ

大鹿

村は

地芝居

大鹿歌舞伎

でも有名

原田芳雄

の遺

作と

なっ

た映画

「大

鹿村

騒動記

」の

ロケ

地と

ても知

られ

る1

89

2年

8月

下旬

にはウ

ェス

トン

がこ

こか

ら赤石岳

に登

って

いる

(2

01

2年

「ウェ

スト

ン顕彰碑

」が

村民

有志

によ

り建立

)南

アル

プス

をはじ

めと

11

る山

々に抱

かれ

た静

かな

村で

ある

JR東海からの計画発表報告

2013

年の

JR

東海

のル

ート公表

同年

10月に

行わ

れた

同社

によ

る村

での

備書

説明

会(

2回

)に

は住

民を

中心

に26

0人

あま

りが参加

した

こで

は準

備書

内容

に関

する

説明

と質疑応答

が行

われ

準備書

では

「工

事に

よる影響

は生じ

ない

「影響

はあ

って

も小さ

い」

など

の記述

が目

立ち

事に

よる

環境

へのダメ

ージ

(す

わち

トン

ネル

掘削

によ

る地質

や河川湧

工事

区域周辺

での在

来動植

物景観

など

の影響

)お

よび

私た

ちの

生活

環境

の変

化な

どの記載

はほ

とん

どか

った

れが意味

るの

JR

東海

が環

境に

は配慮

しな

いで

工事

を進

める

とい

うこ

とだ

事の概

要と

して

鹿村

は南

アル

プス

を貫

くト

ンネ

(距離約

23主稜

線小

河内岳

28

02

mの

南側

を通過

)の

長野

県側

の坑

口と

して

小渋川部分

は地上

(橋梁

)で

通過

央構

造線

や伊那山

地は

再び

トン

ネル

で通過

竜川

に至

る計画

であ

る工期

10年以上

渡り

村内

での坑

口は計4

本変

電施

設の

建設

も予

定さ

れて

いる

削で

発生

する

砂は

最盛期

には1

日当

たり

工事車輌

(お

に大型ダ

ンプ

)17

00台

超と見積

もら

てい

る(1

日8

時間

の通

行と

して約

17秒に

1台

の走

行)

住民の反応JR東海の問題点

まさ

に住

民に

とっ

て衝撃

的な内容

であ

JR

東海

とし

ては

住民

から

の反

対が

想さ

れる

こと

もあ

って

か当

日の

会場

では

質問者

が多数

いた

にも

かか

わらず途

中で質

疑を打

ち切

るな

その

対応

には多

くの問

題が

あっ

た私

も参加

した

が担当者

の「

民の

理解

を得

なが

ら」と

の発言

とは裏腹

とに

かく

「2

027

年開

業あ

りき

」の姿勢

ばか

りが目立

ち結果

とし

て住

民の

理解

得る

対応

とは程遠

いも

ので

あっ

環境影響評価書による説明会

翌2

014

11月

10日

JR

東海

によ

る環

境影響評価書

に基

づく

説明

会(

環境影

響評価

法に

よる

最終報告書

土交

通省

よる

許認

可以

降当

地で

開か

れた

最初

の説

明会

)が

行わ

れた

開催形

式は前

年に

行わ

れた

環境影響評価

準備書

によ

るも

のの

時と

同様

ライ

ドに

よる

説明報告

のあ

と住

民と

の質疑応答

が行

われ

る形

式で

ある

だ異

なっ

たの

は前回

は質問者多数

であ

たに

もか

かわ

らず

予定

時間

で強引

に終

わら

せた

のに

対し

今回

は時

間を

大幅

に超過

る3

時間

30分(

うち質疑応答

が2

時間

30

分ほ

ど)

の開催

とな

った

こと

これ

はJ

R東

海側

の配慮

とい

うよ

りは

民に

とっ

てき

わめ

て関心

の高

い問題

であ

った

から

ほか

なら

ない

の席

JR

東海

の沢田

担当部

長は

「住

民の

理解

同意

が得

られ

けれ

ば建

設に

着手

しな

い」と

明言

して

いる

この

村全体

での

説明

会の

のち

12月初旬

かけ

て各

地区

住民

への

説明

会も

同様

に開

れた

この

時は出席

がそ

の地

区の関係者

に限

定さ

れ報

道機関

の参加

もシャッ

トア

ウトさ

れた

だ全体

と関

連す

る地

区の

説明

会計3ヶ

所に出席

した

私の印

象か

らす

ると

R東

海の姿勢

には前

年と何

ら変

が感じ

られ

なか

った

くま

でも

20

27

年開

業に

向け

て住

民に

理解

を求

める姿勢

かり

が目立

った

この問題

に対

する

村当局

の動

き(

住民

に対

する情報伝達

)も

鈍い

もの

であ

った

この

11月

10日の

説明

会は内外

で大

きな

反響

を呼び

元紙

でも

社説

で大

きく

取り

上げ

てい

るの

で次

に引

用す

12

『大鹿村とリニア』

平行線だった

JR東海が今月下伊那郡大鹿村で開いたリニア中央新幹線の事業説明会人口

1100 人の村で300 人近くが出席していた工事への理解を求めるJRに対し住民

からは「風景は一度失ったら取り戻せない」「JRの利益の裏返しが村の犠牲だ」と

いう根本的な反論が相次いだ

大鹿村は今のままでいい-そう訴える若い世代が多かったことが印象に残った

リニアの路線は村の南部を東西に通る残土を運び出すための作業用トンネル坑口

を4カ所設け変電施設を作り小渋川の上流に橋を架ける最大で1日 1700 台余

の大きな工事用車両が生活道路を走る暮らしや観光業への影響は避けられない

JRが工事概要を説明した後の質疑応答は2時間半に及んだ「所得は少ないが

村民は豊かな自然の中で生きている」「手を付けなければ山は壊れない水が枯れる

ことも生命が失われることもない」質問というより訴えに近い発言が続いた

JR側は「切実な心配を受け止め少しでも解消したい」と返すのがやっと「地

元の理解と同意がなければ着工できない」と何度も繰り返した村は以前から小渋

川の橋を地中化するよう求めているがJRは説明会でも「工事の難度が増す」と

して受け入れなかった環境保全協定の締結については「考えていない」と回答変

電施設の送電線を地中化する要望に関しては何の説明もなかった最低限と言って

いい条件すら聞き入れられないことがJRに対する住民の不信を高めているのだろ

う出席者からは「一方的だ」と憤る声が上がった (中略)

「リニアの夢」が始まったのは半世紀も前だ国を挙げて成長を追い求めた 50 年

は村にとり若者が都会に流れ離農が進み集落が疲弊した歳月だった

大鹿村の人口の3割を I ターン者が占める311 後に U ターンしてきた若者もい

るという昔に戻るのではなくそれぞれができる仕事を探し自然や文化を共有し

ながら緩やかに結び付く新しい価値観の芽がこの村で育ちつつあるように感じら

れた

「理解と同意」を得るとしたJR東海は大鹿村とどう向き合うのか若い世代が

見つめる未来をないがしろにはできない

〈信濃毎日新聞 2014年 11 月 23 日付『社説』より抜粋〉

13

3リニアと自然環境住民との共存は

不可能

昨年6

月に

南ア

ルプ

スがユ

ネスコ

のエコ

パーク

に認

定さ

れた

リニ

ア建

設は

トン

ネル

工事

をはじ

めと

して

自然

環境

や住

民の

生活

環境

にも多

大な影響

を与

える

前回

拙稿

でも指摘

した

よう

この

こと

がは

して

「持続

可能

な自

然の利

用」

なの

か大

に疑問

であ

すな

わち

境教育

やエコ

ツー

リズム

然環

境と

の調和

とい

った

のと

は相反

する

R東

海は

「工

事は

移行

地域

で行

われ

るの

で問題

はな

い」

と重

ねて

主張

して

いる

が根拠

は全

く明

らか

にし

てい

ない

核心部分

はト

ンネ

ルで

通過

する

から

よい

のか

下ト

ンネ

ルは

手つ

かず

の自

然が守

られ

てい

ると

いう

自然遺

産の完全性

を失

う恐

れが

ある

との指摘

(日

本自

然保護

協会代表

理事吉田

人氏

)も

ある

ら法律

(環

境影響評価

法)

に基

づい

た許

可を受

けて

いる

とは

いえ

れは

あく

まで

も建

設の

ため

の便宜上

のも

ので

ある

アセ

スメ

ント

に係

る調

査対

象や

地点

間な

もき

わめ

て限

られ

たも

ので

あり

結論

あり

きと

の誹

りは免

れな

自然

環境

に優

れた

南ア

ルプ

スを

トン

ネル

で通過さ

せよ

うと

う無謀

な計画

こか

ら発

生す

る膨

大な量

の掘

削土

をど

のよ

うに安全

に置

くか

すら

現在公表さ

れて

いる計画

から

はま

った

く不

明だ

の地質

の中

には小

日陰銅山(戦争

より閉山)が

あっ

たこ

とに

より

境汚染

質が

存在

する危険性

も指摘さ

れて

いる

大鹿

村釜

沢で

行わ

れよ

うと

して

いる

砂の(仮)置

き場

から

も推測さ

れる

よう

JR

東海

はと

にか

くど

こか

経費

のか

から

いと

ころ

にお

けれ

ばよ

い安全性

など

は二

の次

との姿勢

が見

て取

れる

とえ

住民

いる

下流域

で土石流

の心配

があ

って

もだ

結果

とし

て甚

大な

環境破壊

を引

き起

こし

ねな

い形

式上

はと

もか

JR

東海

のや

り方

は自

然環

境や

住民軽視

も甚

だし

い公

企業

にあ

るまじ

き体質

を露見さ

せて

いる

本来

なら

ば2

027

年開

業に

あく

まで

も固

執す

るの

では

なく

十二分

な住

民を含む

境調

査を実施

し少

なく

とも両者

が納

得の

上で

進め

るべ

き問題

であ

る(そ

れで

も私

リニ

ア中

央新

幹線

の建

設に

は同意

しな

い)

(日本山岳会員)

写真

大鹿

村ウェ

スト

ン顕彰碑

「赤石岳

の美

しさ

と素朴

で親切

な村

民を世界

に紹介

して

くれ

ウエ

スト

ン師

のた

めに

」と刻

れて

いる

14

自然保護委員会の活動記録

〈一月度〉

①山岳団体自然環境連絡会1月

22日(木) 出

席者富澤武藤

bull 各団体の報告

bull 「山の野生鳥獣目撃レポート」のパンフレ

ットの改訂版を作成予定

②埼玉支部主催第4回「埼玉の自然を知ろ

う」シンポジウム(2015年1月

15日

(木)

於浦和コミュニティセンター)に

一部の委員が参加

③自然保護委員会 1

26日(月)

bull 2015年度自然保護全国集会について

次回自然保護全国集会は東京多摩支部

との共催となった

bull 『木の目草の芽』115号について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

『木の目草の芽』113号114号発行

〈二月度〉

①全国集会実行委員会(

第1回)2月

13日(金)

出席者富澤河野川口西谷近藤武

藤土井

bull 会場下見の報告

bull プログラムフィールドスタディのコース

会費等の原案を作成

②自然保護委員会 2月

23日(月)

bull 理事会報告

bull 2015年度「事業計画」ならびに「委員

会予算」について

bull 環境省自然環境局国立公園課主催「

国立公

園内におけるトレイルランニング大会等

の取扱いに関する説明会」(

於新宿御苑

インフォメーションセンター2月

15日)

の報告

bull 山のECHO主催「

自然地域トイレ屎尿処

理技術セミナーおよび技術説明会」(

日本環境整備教育センター2月

19日)

の報告

bull 「入山者ルール策定セミナー」の案内

bull 次期委員長について

川口委員が次期委員長に選任された

bull 2015年度自然保護全国集会(東京多摩)

について

第1回実行委員会(2月

13日)決定事

項の報告

プログラムフィールドスタディのコー

ス会費等を協議した

bull 『木の目草の芽』について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

bull 2015年度自然観察会について

訂正とお詫び

『木の目草の芽』114号

12ページ「自然保護

委員会の活動記録」の1段目

20行目にldquo

静岡

支部宮崎支部などの報告rdquoと記載されていま

すが正しくはldquo静岡支部宮城支部などの報

告rdquoです訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉尾瀬を守る会の椎名宏子さんと

大鹿村の会員佐藤明穂さんがご寄稿ください

ました溢れる数々の情報に紛れて見えにくく

なりがちな事実をつぶさに語ってくださるこう

した声を多くの方へ正確に大切にお伝えする

ことがこの紙面の重要な役目と思います

卒業シーズンにふと一曲の歌を思い出しました

『肩に食い込むザックに耐えて君の足あと辿っ

て行ったあの日のあの山忘れるもんか登山シ

ューズがそっとよけたあの日のあの花忘れはし

ない』

うろ覚えだったので調べてみたら「ゴールめざ

して」という唱歌でした草花をよけることばか

り考えていたら足元がおぼつかなくなって身の危

険にさらされるということもあるでしょうで

もやはり私はこの歌のようにできるかぎり自分自

身よりも足元の花に意識を向けてそれをそっと

よける登山者であり続けたいと思います花を認

識できる程度のペースで走るのではなく元川

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8

リニア中央新幹線について考える

― 現地長野県大鹿村から ―

長野県下伊那郡大鹿村 佐 藤 明 穂

昨年

10月の

国土

交通

省に

よる

東海

旅客

鉄道

株式

会社

(以

JR

東海

と略

す)

リニ

ア中

央新

幹線

建設

への

許認

可以

社は

着々

と建

設作

業開

始に

向け

ての

準備

進め

てい

2月

には

釜沢

地区

(大

鹿村

奥の

集落

南ア

ルプ

スを

貫通

する

トン

ルの

長野

県側

の掘

削口

にほ

ど近

い)

で住

に連

絡直

後か

ら水

平ボ

ーリ

ング

調査

が始

った

地区

では

20

08

年に

も同

様の

調

査が

24時間

操業

で行

われ

てお

りそ

の騒

や「

光」

害に

耐え

かね

て他

地区

に移

り住

だ一

家も

ある

JR

東海

は建

設用

の取

住民

への

工事

説明

会な

どを

経て

今秋

にも

本格

的に

着工

する

予定

であ

かな

この

地も

「静

かだ

った

とい

われ

るよ

うに

なり

10年超

にわ

たっ

て大

河原

区の

大半

が工

事プ

ラン

トの

現場

とな

1リニアは本当に必要か

の私

たち

にと

って

重要

なこ

とは

にわ

たっ

てい

かに

自然

環境

に対

する

負荷

減ら

し共

存し

てい

くか

に尽

きる

今の

常気

地球

温暖

化と

いわ

れる

現象

も元

ただ

せば

人間

社会

の生

産活

動拡

大が

その

因と

もい

われ

翻っ

日本

政府

や所

官庁

は原

子力

発電

を重

要な

ベー

スロ

ード

源と

位置

づけ

生可

能エ

ネル

ギー

を優

する

とし

た政

策を

早く

も転

換し

てい

島に

おけ

る大

災害

の後

始末

も核

廃棄

物の

終的

な処

理方

法も

確立

しな

いま

まに

であ

今さ

えよ

けれ

ばよ

いの

では

ない

今だ

け」

とい

うの

は今

を生

きる者

のエゴ

ある

現代

のツケ

は将

来に回

して

はな

らな

いと切実

に思

ここ

では

リニ

アの抱

える問題

を取

り上げ

ルートの選定

201

0年

10月

20日

国土

交通

省の

る審議

会(

交通

政策審議

会 陸上

交通分科

鉄道部

会 中

央新

幹線小委員

会審議

会家田

仁〈

東京

大学教授〉小委員

会委員

長)

南ア

ルプ

スを

貫通

する

トン

ネル構想

に関

て「

環境面

(重視

だけ

)か

らル

ート

の選

はで

きな

い(

しな

い)」と

の結論

が出さ

れる

さら

12月

15日「

南ア

ルプ

スに

トン

ネル

を掘

って

も構

わな

い」

とす

る内容

の中

間取

りま

とめ案

を公表

する

007

年の

JR

東海

によ

るリ

ニア

中央

新幹

線計画

発表

を受

けて

のも

のだ

この

会議

では

国立公園指

定区域

の拡張

やそ

れと

の整合性

につ

いて

何ら

の審議

もなさ

れて

いな

リニアの選択

ちなみ

この小委員

会で

は環

境保全

見地

より

一般

から

の意見

(パブ

リックコメ

ント

)募

集を3回実施

して

いる

答申

直前

の最

終公募

の集計結果

は総数

88

うち

反対

もし

くは

再検討

が64

8推

進賛成

16であ

った

にも

かか

わらず

家田委員

長は

「批判

は答申

を覆

すほ

どの

もの

では

ない

と大多数

の意見

を無視

して答申

を急

いだ

9

さら

に2

01

2年5

12日同委員

長か

国土

交通

大臣

に提出さ

れた答申

(一部

)で

「在

来新

幹線

は安全性

信頼性

エネ性

速達性

ネッ

トワ

ーク性

時性

設費

用等

の点

では

優れ

てい

るが

ニア

の方

高速性

の点

で優

れて

いる

ので

ニア

が適

当で

ある

」と結論

づけ

てい

る審議

会で

在来

新幹

線と

リニ

ア新

幹線

との比較検討

一切

行わ

れな

かっ

たに

もか

かわ

らず

初か

ら結論

あり

き真

に重

要な

こと

が時

をか

けて議論さ

れた

のか

大い

に疑問

があ

全国新幹線鉄道整備法(全幹法)との

整合性

この

法律

に基

づく

許認

可を受

けて

はい

もの

同法

では

大都市

(東京

など

)と全

国の

中核都市

を結ぶ

のが

本来

の趣旨

だが

ニア

は全

く異

なる

大都市

間を結ぶ

だけ

その機

能で

ある

当初

は中

間駅

設置

の予

すら

なか

った

幹法適

用は

JR

東海

が地

方自治体

によ

る土

地の強制収

用目当

てに意

図し

たと

も考

えら

れる

方で

社は

認可当初

から

「J

R東

海単独

での

建設

」を

言い続

けて

いる

れは全

幹法

の適

用と

相容

れな

いつ

まり

土地収

用な

どに関

して

は公権

力の

力が

ほし

いさ

れど

経営

に関

るこ

とに

は口出

しし

ない

でほ

しい

とい

う極

めて虫

のよ

い話

なの

リニア建設費用とJR東海の経営

一昨

年9

月当

時の山田

社長

が「

リニ

単独

ではペイ

しな

い」

と述べ

たよ

うに

ニア

中央

新幹

線の

建設費

はき

わめ

て高額

ある

東京―名古屋

間の

建設費

が5兆43

00億円

れに

はあ

とで追加

した

中間駅

の設

置費

用な

ど付帯

設備

の費

用は入

って

ない

アル

プス

を貫

通さ

せる

トン

ネル

事は破砕帯

の通過

も含

め難

工事

が予測さ

れて

いる

設費

用の増加

など

は当

然J

R東

海の

経営

を圧迫

する

音を言

えば

JR

東海

自身

もど

の段階

で公金

が投入さ

るか

(し

ても

らえ

るか

)が当面

の関心

事で

ある

とも

いえ

よう

公金

はす

なわ

ち国

民の

税金

であ

る誰

も望み

もし

ない

もの

に税金

が勝手

に使

われ

るな

許さ

れて

もよ

いも

のだろ

うか

リニアの動力源―原発との関係

リニ

アの技術

(超

電導

)は

定的

かつ

多量

に供給さ

れる

(原

発に

よる

)電

力と裏

腹の関係

にあ

これ

なく

して

は成立

しな

い先ごろ

東京

電力

と中部

電力

のJV

によ

る火

力発

電所

建設

の計画

が公表さ

れた

これ

はリ

ニア

対策

との見

方も

ある

もの

の一

時的

なも

のに過ぎ

ない

でに

新潟

県柏崎

(柏崎刈羽

原発

)か

ら山梨

県大

月(

リニ

実験

線)

まで

の高圧

鉄塔=送

電線

など

があ

るよ

うに

くま

でも

原発

によ

る電

力を使

用す

るこ

とが

「前提

」な

ので

ある

リニアの必要性に対する矛盾

JR

東海

リニ

ア中

央新

幹線

建設

の必

要性

を現在

の新

幹線

の輸送

力が限界

であ

こと

や災

害時

の代替路

線と

して

の役割

を強

調す

しか

し輸送

力に関

して

は特

定の

時期

を除

いて

50~

60の座席占有率

であ

るた

めに

とて

も「飽和状態

」と

はい

えな

これ

から

人口

が減少

すれ

新幹

線を

おも

に利

用す

る生

産年齢

人口

も大幅

に減少

する

また

存の

新幹

線と限

られ

たパイ(乗

客)

の奪

い合

いが

ある

にも

かか

わらず

建設

の必

要性

があ

るの

か加

えて

現在

の技術

では

営業

に支障

をき

たさ

ない

よう

に新

幹線

を補

修修繕

する

こと

は充分

可能

であ

るさ

に東

日本

大震

災の

経験

でも

明ら

かな

よう

10

災害

時に有効

なの

は物資

の輸送路

をい

かに

確保

する

かで

あり

れに

はリ

ニア

はま

たく役

に立

たな

他路

線と

の互

換性

がな

いこ

とな

ども含

今建

設す

る必

要性

はま

った

くな

電磁波の問題

(ここでは高圧線と車輌自体に限定)

電磁波

につ

いて

は当該

の環

境影響評価

対象

とは

なっ

てい

ない

評価書

では

リニ

中央

新幹

線の

発す

るも

のは

国際非

電離放射

線防護委員

会(ICNIRP)

が示

したガイ

ドラ

イン

20

00ミ

リガウ

ス以

下で

あり

磁界

によ

る健康

への影響

はな

いと

しか

説明さ

てい

ない

来は

WHO

の勧告

に従

って

経済

産業

省が1

00

0ミ

リガウ

スを規制値

にす

る予

定で

あっ

だが

のICNIRP

の改訂

に沿

って

2011

年3

月に

原子

安全保安院

が2

00

0ミ

リガウ

スを規制値

とし

て同

10月に施

行し

た一

方国

土交

通省

がリ

ニア

中央

新幹

線計画

に許

可を出

たの

がこ

の年

の5

月で

ある

れは

リニ

新幹

線の周囲

(線路脇6

線路

下8

範囲

)につ

いて

のみ

だけ

客室内

の水

がど

うな

のか

の説

明は

一切

ない

力供給

源で

ある高圧

鉄塔

が発

する巨

大な

磁波

のこ

とも何ひ

とつ触

れら

れて

いな

(こ

の件

に関

して

R東

海は

電力

会社

協議

する

とし

か述べ

てい

ない

)実際

山梨

県の実験

線付

近で

は柿

の実

の生

った木

に鳥

が寄

り付

かな

くな

った

など

の話

もあ

自身

も高圧

鉄塔

から

発す

る唸

りの

よう

「音

」を聞

いて

いる

スピードだけ

それ以外は危険性の高いリニア

リニ

ア唯

一の

優位性

最高

で時速5

00

とも

いわ

れる

スピ

ード

だが

たし

今こ

のよ

うな

もの

が必

要な

のだろ

うか

こだ

けが速

くと

も前

後の

アクセ

スに

時間

かか

るの

であ

れば

輸送

力と

して必ず

しも

優位性

は持

たな

であ

れば既

存の

新幹

を拡充さ

せた

方が

経済

的合

理性

は高

い技

術力

の追求

もそ

れは

一部

の人

たち

のエゴ

はな

いの

そう

いっ

たも

のよ

りも

今何

りも求

めら

れる

のはバ

ラン

ス感覚

具体

には

自然

環境

との

調和

であ

リニ

アは

まり

にも

「対価

」が高

すぎ

リモ

ートコ

ント

ロー

ルに

よる運

転や約

86も

のト

ネル(

東京―名古屋

間)近

い将

来起

こる

いわ

れる

東南

海ト

ラフ

を震

源と

する巨

大地

震の

対策

地域

(震度6程度

以上

)に路

線の

一部

がか

かっ

てい

ここ

には糸魚川

静岡

構造

線(フォッサマ

グナ

)や

中央構造

線も

通っ

てい

る高速走

行中

ンネ

ルの横切

る断層

がた

とえ

50で

もズレ

たら

果は

明白

だろ

う山

中深

いト

ンネ

ルで

もし

もの

こと

が起

きた

あと

は地上

まで

自分

自身

の足

で出

てく

るし

かな

い外

の景色

どは望むべ

くも

ない

がこ

のよ

うな危険

な乗

り物

を望む

のだろ

うか

2大鹿村とリニア

大鹿村

の住む

長野

県下伊那郡

大鹿

村は

人口約

11

00

人高齢者率

が半数

を超

える

村で

ある

河原

集落

を流

れる小渋川

の奥

には

赤石岳

がそび

えて

おり

の東

側は

静岡

の大井川

源流域

であ

大鹿

村は

地芝居

大鹿歌舞伎

でも有名

原田芳雄

の遺

作と

なっ

た映画

「大

鹿村

騒動記

」の

ロケ

地と

ても知

られ

る1

89

2年

8月

下旬

にはウ

ェス

トン

がこ

こか

ら赤石岳

に登

って

いる

(2

01

2年

「ウェ

スト

ン顕彰碑

」が

村民

有志

によ

り建立

)南

アル

プス

をはじ

めと

11

る山

々に抱

かれ

た静

かな

村で

ある

JR東海からの計画発表報告

2013

年の

JR

東海

のル

ート公表

同年

10月に

行わ

れた

同社

によ

る村

での

備書

説明

会(

2回

)に

は住

民を

中心

に26

0人

あま

りが参加

した

こで

は準

備書

内容

に関

する

説明

と質疑応答

が行

われ

準備書

では

「工

事に

よる影響

は生じ

ない

「影響

はあ

って

も小さ

い」

など

の記述

が目

立ち

事に

よる

環境

へのダメ

ージ

(す

わち

トン

ネル

掘削

によ

る地質

や河川湧

工事

区域周辺

での在

来動植

物景観

など

の影響

)お

よび

私た

ちの

生活

環境

の変

化な

どの記載

はほ

とん

どか

った

れが意味

るの

JR

東海

が環

境に

は配慮

しな

いで

工事

を進

める

とい

うこ

とだ

事の概

要と

して

鹿村

は南

アル

プス

を貫

くト

ンネ

(距離約

23主稜

線小

河内岳

28

02

mの

南側

を通過

)の

長野

県側

の坑

口と

して

小渋川部分

は地上

(橋梁

)で

通過

央構

造線

や伊那山

地は

再び

トン

ネル

で通過

竜川

に至

る計画

であ

る工期

10年以上

渡り

村内

での坑

口は計4

本変

電施

設の

建設

も予

定さ

れて

いる

削で

発生

する

砂は

最盛期

には1

日当

たり

工事車輌

(お

に大型ダ

ンプ

)17

00台

超と見積

もら

てい

る(1

日8

時間

の通

行と

して約

17秒に

1台

の走

行)

住民の反応JR東海の問題点

まさ

に住

民に

とっ

て衝撃

的な内容

であ

JR

東海

とし

ては

住民

から

の反

対が

想さ

れる

こと

もあ

って

か当

日の

会場

では

質問者

が多数

いた

にも

かか

わらず途

中で質

疑を打

ち切

るな

その

対応

には多

くの問

題が

あっ

た私

も参加

した

が担当者

の「

民の

理解

を得

なが

ら」と

の発言

とは裏腹

とに

かく

「2

027

年開

業あ

りき

」の姿勢

ばか

りが目立

ち結果

とし

て住

民の

理解

得る

対応

とは程遠

いも

ので

あっ

環境影響評価書による説明会

翌2

014

11月

10日

JR

東海

によ

る環

境影響評価書

に基

づく

説明

会(

環境影

響評価

法に

よる

最終報告書

土交

通省

よる

許認

可以

降当

地で

開か

れた

最初

の説

明会

)が

行わ

れた

開催形

式は前

年に

行わ

れた

環境影響評価

準備書

によ

るも

のの

時と

同様

ライ

ドに

よる

説明報告

のあ

と住

民と

の質疑応答

が行

われ

る形

式で

ある

だ異

なっ

たの

は前回

は質問者多数

であ

たに

もか

かわ

らず

予定

時間

で強引

に終

わら

せた

のに

対し

今回

は時

間を

大幅

に超過

る3

時間

30分(

うち質疑応答

が2

時間

30

分ほ

ど)

の開催

とな

った

こと

これ

はJ

R東

海側

の配慮

とい

うよ

りは

民に

とっ

てき

わめ

て関心

の高

い問題

であ

った

から

ほか

なら

ない

の席

JR

東海

の沢田

担当部

長は

「住

民の

理解

同意

が得

られ

けれ

ば建

設に

着手

しな

い」と

明言

して

いる

この

村全体

での

説明

会の

のち

12月初旬

かけ

て各

地区

住民

への

説明

会も

同様

に開

れた

この

時は出席

がそ

の地

区の関係者

に限

定さ

れ報

道機関

の参加

もシャッ

トア

ウトさ

れた

だ全体

と関

連す

る地

区の

説明

会計3ヶ

所に出席

した

私の印

象か

らす

ると

R東

海の姿勢

には前

年と何

ら変

が感じ

られ

なか

った

くま

でも

20

27

年開

業に

向け

て住

民に

理解

を求

める姿勢

かり

が目立

った

この問題

に対

する

村当局

の動

き(

住民

に対

する情報伝達

)も

鈍い

もの

であ

った

この

11月

10日の

説明

会は内外

で大

きな

反響

を呼び

元紙

でも

社説

で大

きく

取り

上げ

てい

るの

で次

に引

用す

12

『大鹿村とリニア』

平行線だった

JR東海が今月下伊那郡大鹿村で開いたリニア中央新幹線の事業説明会人口

1100 人の村で300 人近くが出席していた工事への理解を求めるJRに対し住民

からは「風景は一度失ったら取り戻せない」「JRの利益の裏返しが村の犠牲だ」と

いう根本的な反論が相次いだ

大鹿村は今のままでいい-そう訴える若い世代が多かったことが印象に残った

リニアの路線は村の南部を東西に通る残土を運び出すための作業用トンネル坑口

を4カ所設け変電施設を作り小渋川の上流に橋を架ける最大で1日 1700 台余

の大きな工事用車両が生活道路を走る暮らしや観光業への影響は避けられない

JRが工事概要を説明した後の質疑応答は2時間半に及んだ「所得は少ないが

村民は豊かな自然の中で生きている」「手を付けなければ山は壊れない水が枯れる

ことも生命が失われることもない」質問というより訴えに近い発言が続いた

JR側は「切実な心配を受け止め少しでも解消したい」と返すのがやっと「地

元の理解と同意がなければ着工できない」と何度も繰り返した村は以前から小渋

川の橋を地中化するよう求めているがJRは説明会でも「工事の難度が増す」と

して受け入れなかった環境保全協定の締結については「考えていない」と回答変

電施設の送電線を地中化する要望に関しては何の説明もなかった最低限と言って

いい条件すら聞き入れられないことがJRに対する住民の不信を高めているのだろ

う出席者からは「一方的だ」と憤る声が上がった (中略)

「リニアの夢」が始まったのは半世紀も前だ国を挙げて成長を追い求めた 50 年

は村にとり若者が都会に流れ離農が進み集落が疲弊した歳月だった

大鹿村の人口の3割を I ターン者が占める311 後に U ターンしてきた若者もい

るという昔に戻るのではなくそれぞれができる仕事を探し自然や文化を共有し

ながら緩やかに結び付く新しい価値観の芽がこの村で育ちつつあるように感じら

れた

「理解と同意」を得るとしたJR東海は大鹿村とどう向き合うのか若い世代が

見つめる未来をないがしろにはできない

〈信濃毎日新聞 2014年 11 月 23 日付『社説』より抜粋〉

13

3リニアと自然環境住民との共存は

不可能

昨年6

月に

南ア

ルプ

スがユ

ネスコ

のエコ

パーク

に認

定さ

れた

リニ

ア建

設は

トン

ネル

工事

をはじ

めと

して

自然

環境

や住

民の

生活

環境

にも多

大な影響

を与

える

前回

拙稿

でも指摘

した

よう

この

こと

がは

して

「持続

可能

な自

然の利

用」

なの

か大

に疑問

であ

すな

わち

境教育

やエコ

ツー

リズム

然環

境と

の調和

とい

った

のと

は相反

する

R東

海は

「工

事は

移行

地域

で行

われ

るの

で問題

はな

い」

と重

ねて

主張

して

いる

が根拠

は全

く明

らか

にし

てい

ない

核心部分

はト

ンネ

ルで

通過

する

から

よい

のか

下ト

ンネ

ルは

手つ

かず

の自

然が守

られ

てい

ると

いう

自然遺

産の完全性

を失

う恐

れが

ある

との指摘

(日

本自

然保護

協会代表

理事吉田

人氏

)も

ある

ら法律

(環

境影響評価

法)

に基

づい

た許

可を受

けて

いる

とは

いえ

れは

あく

まで

も建

設の

ため

の便宜上

のも

ので

ある

アセ

スメ

ント

に係

る調

査対

象や

地点

間な

もき

わめ

て限

られ

たも

ので

あり

結論

あり

きと

の誹

りは免

れな

自然

環境

に優

れた

南ア

ルプ

スを

トン

ネル

で通過さ

せよ

うと

う無謀

な計画

こか

ら発

生す

る膨

大な量

の掘

削土

をど

のよ

うに安全

に置

くか

すら

現在公表さ

れて

いる計画

から

はま

った

く不

明だ

の地質

の中

には小

日陰銅山(戦争

より閉山)が

あっ

たこ

とに

より

境汚染

質が

存在

する危険性

も指摘さ

れて

いる

大鹿

村釜

沢で

行わ

れよ

うと

して

いる

砂の(仮)置

き場

から

も推測さ

れる

よう

JR

東海

はと

にか

くど

こか

経費

のか

から

いと

ころ

にお

けれ

ばよ

い安全性

など

は二

の次

との姿勢

が見

て取

れる

とえ

住民

いる

下流域

で土石流

の心配

があ

って

もだ

結果

とし

て甚

大な

環境破壊

を引

き起

こし

ねな

い形

式上

はと

もか

JR

東海

のや

り方

は自

然環

境や

住民軽視

も甚

だし

い公

企業

にあ

るまじ

き体質

を露見さ

せて

いる

本来

なら

ば2

027

年開

業に

あく

まで

も固

執す

るの

では

なく

十二分

な住

民を含む

境調

査を実施

し少

なく

とも両者

が納

得の

上で

進め

るべ

き問題

であ

る(そ

れで

も私

リニ

ア中

央新

幹線

の建

設に

は同意

しな

い)

(日本山岳会員)

写真

大鹿

村ウェ

スト

ン顕彰碑

「赤石岳

の美

しさ

と素朴

で親切

な村

民を世界

に紹介

して

くれ

ウエ

スト

ン師

のた

めに

」と刻

れて

いる

14

自然保護委員会の活動記録

〈一月度〉

①山岳団体自然環境連絡会1月

22日(木) 出

席者富澤武藤

bull 各団体の報告

bull 「山の野生鳥獣目撃レポート」のパンフレ

ットの改訂版を作成予定

②埼玉支部主催第4回「埼玉の自然を知ろ

う」シンポジウム(2015年1月

15日

(木)

於浦和コミュニティセンター)に

一部の委員が参加

③自然保護委員会 1

26日(月)

bull 2015年度自然保護全国集会について

次回自然保護全国集会は東京多摩支部

との共催となった

bull 『木の目草の芽』115号について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

『木の目草の芽』113号114号発行

〈二月度〉

①全国集会実行委員会(

第1回)2月

13日(金)

出席者富澤河野川口西谷近藤武

藤土井

bull 会場下見の報告

bull プログラムフィールドスタディのコース

会費等の原案を作成

②自然保護委員会 2月

23日(月)

bull 理事会報告

bull 2015年度「事業計画」ならびに「委員

会予算」について

bull 環境省自然環境局国立公園課主催「

国立公

園内におけるトレイルランニング大会等

の取扱いに関する説明会」(

於新宿御苑

インフォメーションセンター2月

15日)

の報告

bull 山のECHO主催「

自然地域トイレ屎尿処

理技術セミナーおよび技術説明会」(

日本環境整備教育センター2月

19日)

の報告

bull 「入山者ルール策定セミナー」の案内

bull 次期委員長について

川口委員が次期委員長に選任された

bull 2015年度自然保護全国集会(東京多摩)

について

第1回実行委員会(2月

13日)決定事

項の報告

プログラムフィールドスタディのコー

ス会費等を協議した

bull 『木の目草の芽』について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

bull 2015年度自然観察会について

訂正とお詫び

『木の目草の芽』114号

12ページ「自然保護

委員会の活動記録」の1段目

20行目にldquo

静岡

支部宮崎支部などの報告rdquoと記載されていま

すが正しくはldquo静岡支部宮城支部などの報

告rdquoです訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉尾瀬を守る会の椎名宏子さんと

大鹿村の会員佐藤明穂さんがご寄稿ください

ました溢れる数々の情報に紛れて見えにくく

なりがちな事実をつぶさに語ってくださるこう

した声を多くの方へ正確に大切にお伝えする

ことがこの紙面の重要な役目と思います

卒業シーズンにふと一曲の歌を思い出しました

『肩に食い込むザックに耐えて君の足あと辿っ

て行ったあの日のあの山忘れるもんか登山シ

ューズがそっとよけたあの日のあの花忘れはし

ない』

うろ覚えだったので調べてみたら「ゴールめざ

して」という唱歌でした草花をよけることばか

り考えていたら足元がおぼつかなくなって身の危

険にさらされるということもあるでしょうで

もやはり私はこの歌のようにできるかぎり自分自

身よりも足元の花に意識を向けてそれをそっと

よける登山者であり続けたいと思います花を認

識できる程度のペースで走るのではなく元川

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9

さら

に2

01

2年5

12日同委員

長か

国土

交通

大臣

に提出さ

れた答申

(一部

)で

「在

来新

幹線

は安全性

信頼性

エネ性

速達性

ネッ

トワ

ーク性

時性

設費

用等

の点

では

優れ

てい

るが

ニア

の方

高速性

の点

で優

れて

いる

ので

ニア

が適

当で

ある

」と結論

づけ

てい

る審議

会で

在来

新幹

線と

リニ

ア新

幹線

との比較検討

一切

行わ

れな

かっ

たに

もか

かわ

らず

初か

ら結論

あり

き真

に重

要な

こと

が時

をか

けて議論さ

れた

のか

大い

に疑問

があ

全国新幹線鉄道整備法(全幹法)との

整合性

この

法律

に基

づく

許認

可を受

けて

はい

もの

同法

では

大都市

(東京

など

)と全

国の

中核都市

を結ぶ

のが

本来

の趣旨

だが

ニア

は全

く異

なる

大都市

間を結ぶ

だけ

その機

能で

ある

当初

は中

間駅

設置

の予

すら

なか

った

幹法適

用は

JR

東海

が地

方自治体

によ

る土

地の強制収

用目当

てに意

図し

たと

も考

えら

れる

方で

社は

認可当初

から

「J

R東

海単独

での

建設

」を

言い続

けて

いる

れは全

幹法

の適

用と

相容

れな

いつ

まり

土地収

用な

どに関

して

は公権

力の

力が

ほし

いさ

れど

経営

に関

るこ

とに

は口出

しし

ない

でほ

しい

とい

う極

めて虫

のよ

い話

なの

リニア建設費用とJR東海の経営

一昨

年9

月当

時の山田

社長

が「

リニ

単独

ではペイ

しな

い」

と述べ

たよ

うに

ニア

中央

新幹

線の

建設費

はき

わめ

て高額

ある

東京―名古屋

間の

建設費

が5兆43

00億円

れに

はあ

とで追加

した

中間駅

の設

置費

用な

ど付帯

設備

の費

用は入

って

ない

アル

プス

を貫

通さ

せる

トン

ネル

事は破砕帯

の通過

も含

め難

工事

が予測さ

れて

いる

設費

用の増加

など

は当

然J

R東

海の

経営

を圧迫

する

音を言

えば

JR

東海

自身

もど

の段階

で公金

が投入さ

るか

(し

ても

らえ

るか

)が当面

の関心

事で

ある

とも

いえ

よう

公金

はす

なわ

ち国

民の

税金

であ

る誰

も望み

もし

ない

もの

に税金

が勝手

に使

われ

るな

許さ

れて

もよ

いも

のだろ

うか

リニアの動力源―原発との関係

リニ

アの技術

(超

電導

)は

定的

かつ

多量

に供給さ

れる

(原

発に

よる

)電

力と裏

腹の関係

にあ

これ

なく

して

は成立

しな

い先ごろ

東京

電力

と中部

電力

のJV

によ

る火

力発

電所

建設

の計画

が公表さ

れた

これ

はリ

ニア

対策

との見

方も

ある

もの

の一

時的

なも

のに過ぎ

ない

でに

新潟

県柏崎

(柏崎刈羽

原発

)か

ら山梨

県大

月(

リニ

実験

線)

まで

の高圧

鉄塔=送

電線

など

があ

るよ

うに

くま

でも

原発

によ

る電

力を使

用す

るこ

とが

「前提

」な

ので

ある

リニアの必要性に対する矛盾

JR

東海

リニ

ア中

央新

幹線

建設

の必

要性

を現在

の新

幹線

の輸送

力が限界

であ

こと

や災

害時

の代替路

線と

して

の役割

を強

調す

しか

し輸送

力に関

して

は特

定の

時期

を除

いて

50~

60の座席占有率

であ

るた

めに

とて

も「飽和状態

」と

はい

えな

これ

から

人口

が減少

すれ

新幹

線を

おも

に利

用す

る生

産年齢

人口

も大幅

に減少

する

また

存の

新幹

線と限

られ

たパイ(乗

客)

の奪

い合

いが

ある

にも

かか

わらず

建設

の必

要性

があ

るの

か加

えて

現在

の技術

では

営業

に支障

をき

たさ

ない

よう

に新

幹線

を補

修修繕

する

こと

は充分

可能

であ

るさ

に東

日本

大震

災の

経験

でも

明ら

かな

よう

10

災害

時に有効

なの

は物資

の輸送路

をい

かに

確保

する

かで

あり

れに

はリ

ニア

はま

たく役

に立

たな

他路

線と

の互

換性

がな

いこ

とな

ども含

今建

設す

る必

要性

はま

った

くな

電磁波の問題

(ここでは高圧線と車輌自体に限定)

電磁波

につ

いて

は当該

の環

境影響評価

対象

とは

なっ

てい

ない

評価書

では

リニ

中央

新幹

線の

発す

るも

のは

国際非

電離放射

線防護委員

会(ICNIRP)

が示

したガイ

ドラ

イン

20

00ミ

リガウ

ス以

下で

あり

磁界

によ

る健康

への影響

はな

いと

しか

説明さ

てい

ない

来は

WHO

の勧告

に従

って

経済

産業

省が1

00

0ミ

リガウ

スを規制値

にす

る予

定で

あっ

だが

のICNIRP

の改訂

に沿

って

2011

年3

月に

原子

安全保安院

が2

00

0ミ

リガウ

スを規制値

とし

て同

10月に施

行し

た一

方国

土交

通省

がリ

ニア

中央

新幹

線計画

に許

可を出

たの

がこ

の年

の5

月で

ある

れは

リニ

新幹

線の周囲

(線路脇6

線路

下8

範囲

)につ

いて

のみ

だけ

客室内

の水

がど

うな

のか

の説

明は

一切

ない

力供給

源で

ある高圧

鉄塔

が発

する巨

大な

磁波

のこ

とも何ひ

とつ触

れら

れて

いな

(こ

の件

に関

して

R東

海は

電力

会社

協議

する

とし

か述べ

てい

ない

)実際

山梨

県の実験

線付

近で

は柿

の実

の生

った木

に鳥

が寄

り付

かな

くな

った

など

の話

もあ

自身

も高圧

鉄塔

から

発す

る唸

りの

よう

「音

」を聞

いて

いる

スピードだけ

それ以外は危険性の高いリニア

リニ

ア唯

一の

優位性

最高

で時速5

00

とも

いわ

れる

スピ

ード

だが

たし

今こ

のよ

うな

もの

が必

要な

のだろ

うか

こだ

けが速

くと

も前

後の

アクセ

スに

時間

かか

るの

であ

れば

輸送

力と

して必ず

しも

優位性

は持

たな

であ

れば既

存の

新幹

を拡充さ

せた

方が

経済

的合

理性

は高

い技

術力

の追求

もそ

れは

一部

の人

たち

のエゴ

はな

いの

そう

いっ

たも

のよ

りも

今何

りも求

めら

れる

のはバ

ラン

ス感覚

具体

には

自然

環境

との

調和

であ

リニ

アは

まり

にも

「対価

」が高

すぎ

リモ

ートコ

ント

ロー

ルに

よる運

転や約

86も

のト

ネル(

東京―名古屋

間)近

い将

来起

こる

いわ

れる

東南

海ト

ラフ

を震

源と

する巨

大地

震の

対策

地域

(震度6程度

以上

)に路

線の

一部

がか

かっ

てい

ここ

には糸魚川

静岡

構造

線(フォッサマ

グナ

)や

中央構造

線も

通っ

てい

る高速走

行中

ンネ

ルの横切

る断層

がた

とえ

50で

もズレ

たら

果は

明白

だろ

う山

中深

いト

ンネ

ルで

もし

もの

こと

が起

きた

あと

は地上

まで

自分

自身

の足

で出

てく

るし

かな

い外

の景色

どは望むべ

くも

ない

がこ

のよ

うな危険

な乗

り物

を望む

のだろ

うか

2大鹿村とリニア

大鹿村

の住む

長野

県下伊那郡

大鹿

村は

人口約

11

00

人高齢者率

が半数

を超

える

村で

ある

河原

集落

を流

れる小渋川

の奥

には

赤石岳

がそび

えて

おり

の東

側は

静岡

の大井川

源流域

であ

大鹿

村は

地芝居

大鹿歌舞伎

でも有名

原田芳雄

の遺

作と

なっ

た映画

「大

鹿村

騒動記

」の

ロケ

地と

ても知

られ

る1

89

2年

8月

下旬

にはウ

ェス

トン

がこ

こか

ら赤石岳

に登

って

いる

(2

01

2年

「ウェ

スト

ン顕彰碑

」が

村民

有志

によ

り建立

)南

アル

プス

をはじ

めと

11

る山

々に抱

かれ

た静

かな

村で

ある

JR東海からの計画発表報告

2013

年の

JR

東海

のル

ート公表

同年

10月に

行わ

れた

同社

によ

る村

での

備書

説明

会(

2回

)に

は住

民を

中心

に26

0人

あま

りが参加

した

こで

は準

備書

内容

に関

する

説明

と質疑応答

が行

われ

準備書

では

「工

事に

よる影響

は生じ

ない

「影響

はあ

って

も小さ

い」

など

の記述

が目

立ち

事に

よる

環境

へのダメ

ージ

(す

わち

トン

ネル

掘削

によ

る地質

や河川湧

工事

区域周辺

での在

来動植

物景観

など

の影響

)お

よび

私た

ちの

生活

環境

の変

化な

どの記載

はほ

とん

どか

った

れが意味

るの

JR

東海

が環

境に

は配慮

しな

いで

工事

を進

める

とい

うこ

とだ

事の概

要と

して

鹿村

は南

アル

プス

を貫

くト

ンネ

(距離約

23主稜

線小

河内岳

28

02

mの

南側

を通過

)の

長野

県側

の坑

口と

して

小渋川部分

は地上

(橋梁

)で

通過

央構

造線

や伊那山

地は

再び

トン

ネル

で通過

竜川

に至

る計画

であ

る工期

10年以上

渡り

村内

での坑

口は計4

本変

電施

設の

建設

も予

定さ

れて

いる

削で

発生

する

砂は

最盛期

には1

日当

たり

工事車輌

(お

に大型ダ

ンプ

)17

00台

超と見積

もら

てい

る(1

日8

時間

の通

行と

して約

17秒に

1台

の走

行)

住民の反応JR東海の問題点

まさ

に住

民に

とっ

て衝撃

的な内容

であ

JR

東海

とし

ては

住民

から

の反

対が

想さ

れる

こと

もあ

って

か当

日の

会場

では

質問者

が多数

いた

にも

かか

わらず途

中で質

疑を打

ち切

るな

その

対応

には多

くの問

題が

あっ

た私

も参加

した

が担当者

の「

民の

理解

を得

なが

ら」と

の発言

とは裏腹

とに

かく

「2

027

年開

業あ

りき

」の姿勢

ばか

りが目立

ち結果

とし

て住

民の

理解

得る

対応

とは程遠

いも

ので

あっ

環境影響評価書による説明会

翌2

014

11月

10日

JR

東海

によ

る環

境影響評価書

に基

づく

説明

会(

環境影

響評価

法に

よる

最終報告書

土交

通省

よる

許認

可以

降当

地で

開か

れた

最初

の説

明会

)が

行わ

れた

開催形

式は前

年に

行わ

れた

環境影響評価

準備書

によ

るも

のの

時と

同様

ライ

ドに

よる

説明報告

のあ

と住

民と

の質疑応答

が行

われ

る形

式で

ある

だ異

なっ

たの

は前回

は質問者多数

であ

たに

もか

かわ

らず

予定

時間

で強引

に終

わら

せた

のに

対し

今回

は時

間を

大幅

に超過

る3

時間

30分(

うち質疑応答

が2

時間

30

分ほ

ど)

の開催

とな

った

こと

これ

はJ

R東

海側

の配慮

とい

うよ

りは

民に

とっ

てき

わめ

て関心

の高

い問題

であ

った

から

ほか

なら

ない

の席

JR

東海

の沢田

担当部

長は

「住

民の

理解

同意

が得

られ

けれ

ば建

設に

着手

しな

い」と

明言

して

いる

この

村全体

での

説明

会の

のち

12月初旬

かけ

て各

地区

住民

への

説明

会も

同様

に開

れた

この

時は出席

がそ

の地

区の関係者

に限

定さ

れ報

道機関

の参加

もシャッ

トア

ウトさ

れた

だ全体

と関

連す

る地

区の

説明

会計3ヶ

所に出席

した

私の印

象か

らす

ると

R東

海の姿勢

には前

年と何

ら変

が感じ

られ

なか

った

くま

でも

20

27

年開

業に

向け

て住

民に

理解

を求

める姿勢

かり

が目立

った

この問題

に対

する

村当局

の動

き(

住民

に対

する情報伝達

)も

鈍い

もの

であ

った

この

11月

10日の

説明

会は内外

で大

きな

反響

を呼び

元紙

でも

社説

で大

きく

取り

上げ

てい

るの

で次

に引

用す

12

『大鹿村とリニア』

平行線だった

JR東海が今月下伊那郡大鹿村で開いたリニア中央新幹線の事業説明会人口

1100 人の村で300 人近くが出席していた工事への理解を求めるJRに対し住民

からは「風景は一度失ったら取り戻せない」「JRの利益の裏返しが村の犠牲だ」と

いう根本的な反論が相次いだ

大鹿村は今のままでいい-そう訴える若い世代が多かったことが印象に残った

リニアの路線は村の南部を東西に通る残土を運び出すための作業用トンネル坑口

を4カ所設け変電施設を作り小渋川の上流に橋を架ける最大で1日 1700 台余

の大きな工事用車両が生活道路を走る暮らしや観光業への影響は避けられない

JRが工事概要を説明した後の質疑応答は2時間半に及んだ「所得は少ないが

村民は豊かな自然の中で生きている」「手を付けなければ山は壊れない水が枯れる

ことも生命が失われることもない」質問というより訴えに近い発言が続いた

JR側は「切実な心配を受け止め少しでも解消したい」と返すのがやっと「地

元の理解と同意がなければ着工できない」と何度も繰り返した村は以前から小渋

川の橋を地中化するよう求めているがJRは説明会でも「工事の難度が増す」と

して受け入れなかった環境保全協定の締結については「考えていない」と回答変

電施設の送電線を地中化する要望に関しては何の説明もなかった最低限と言って

いい条件すら聞き入れられないことがJRに対する住民の不信を高めているのだろ

う出席者からは「一方的だ」と憤る声が上がった (中略)

「リニアの夢」が始まったのは半世紀も前だ国を挙げて成長を追い求めた 50 年

は村にとり若者が都会に流れ離農が進み集落が疲弊した歳月だった

大鹿村の人口の3割を I ターン者が占める311 後に U ターンしてきた若者もい

るという昔に戻るのではなくそれぞれができる仕事を探し自然や文化を共有し

ながら緩やかに結び付く新しい価値観の芽がこの村で育ちつつあるように感じら

れた

「理解と同意」を得るとしたJR東海は大鹿村とどう向き合うのか若い世代が

見つめる未来をないがしろにはできない

〈信濃毎日新聞 2014年 11 月 23 日付『社説』より抜粋〉

13

3リニアと自然環境住民との共存は

不可能

昨年6

月に

南ア

ルプ

スがユ

ネスコ

のエコ

パーク

に認

定さ

れた

リニ

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設は

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ネル

工事

をはじ

めと

して

自然

環境

や住

民の

生活

環境

にも多

大な影響

を与

える

前回

拙稿

でも指摘

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よう

この

こと

がは

して

「持続

可能

な自

然の利

用」

なの

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に疑問

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境教育

やエコ

ツー

リズム

然環

境と

の調和

とい

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は相反

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理事吉田

人氏

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(日本山岳会員)

写真

大鹿

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と素朴

で親切

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に紹介

して

くれ

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スト

ン師

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めに

」と刻

れて

いる

14

自然保護委員会の活動記録

〈一月度〉

①山岳団体自然環境連絡会1月

22日(木) 出

席者富澤武藤

bull 各団体の報告

bull 「山の野生鳥獣目撃レポート」のパンフレ

ットの改訂版を作成予定

②埼玉支部主催第4回「埼玉の自然を知ろ

う」シンポジウム(2015年1月

15日

(木)

於浦和コミュニティセンター)に

一部の委員が参加

③自然保護委員会 1

26日(月)

bull 2015年度自然保護全国集会について

次回自然保護全国集会は東京多摩支部

との共催となった

bull 『木の目草の芽』115号について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

『木の目草の芽』113号114号発行

〈二月度〉

①全国集会実行委員会(

第1回)2月

13日(金)

出席者富澤河野川口西谷近藤武

藤土井

bull 会場下見の報告

bull プログラムフィールドスタディのコース

会費等の原案を作成

②自然保護委員会 2月

23日(月)

bull 理事会報告

bull 2015年度「事業計画」ならびに「委員

会予算」について

bull 環境省自然環境局国立公園課主催「

国立公

園内におけるトレイルランニング大会等

の取扱いに関する説明会」(

於新宿御苑

インフォメーションセンター2月

15日)

の報告

bull 山のECHO主催「

自然地域トイレ屎尿処

理技術セミナーおよび技術説明会」(

日本環境整備教育センター2月

19日)

の報告

bull 「入山者ルール策定セミナー」の案内

bull 次期委員長について

川口委員が次期委員長に選任された

bull 2015年度自然保護全国集会(東京多摩)

について

第1回実行委員会(2月

13日)決定事

項の報告

プログラムフィールドスタディのコー

ス会費等を協議した

bull 『木の目草の芽』について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

bull 2015年度自然観察会について

訂正とお詫び

『木の目草の芽』114号

12ページ「自然保護

委員会の活動記録」の1段目

20行目にldquo

静岡

支部宮崎支部などの報告rdquoと記載されていま

すが正しくはldquo静岡支部宮城支部などの報

告rdquoです訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉尾瀬を守る会の椎名宏子さんと

大鹿村の会員佐藤明穂さんがご寄稿ください

ました溢れる数々の情報に紛れて見えにくく

なりがちな事実をつぶさに語ってくださるこう

した声を多くの方へ正確に大切にお伝えする

ことがこの紙面の重要な役目と思います

卒業シーズンにふと一曲の歌を思い出しました

『肩に食い込むザックに耐えて君の足あと辿っ

て行ったあの日のあの山忘れるもんか登山シ

ューズがそっとよけたあの日のあの花忘れはし

ない』

うろ覚えだったので調べてみたら「ゴールめざ

して」という唱歌でした草花をよけることばか

り考えていたら足元がおぼつかなくなって身の危

険にさらされるということもあるでしょうで

もやはり私はこの歌のようにできるかぎり自分自

身よりも足元の花に意識を向けてそれをそっと

よける登山者であり続けたいと思います花を認

識できる程度のペースで走るのではなく元川

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10

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(ここでは高圧線と車輌自体に限定)

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を望む

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2大鹿村とリニア

大鹿村

の住む

長野

県下伊那郡

大鹿

村は

人口約

11

00

人高齢者率

が半数

を超

える

村で

ある

河原

集落

を流

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の奥

には

赤石岳

がそび

えて

おり

の東

側は

静岡

の大井川

源流域

であ

大鹿

村は

地芝居

大鹿歌舞伎

でも有名

原田芳雄

の遺

作と

なっ

た映画

「大

鹿村

騒動記

」の

ロケ

地と

ても知

られ

る1

89

2年

8月

下旬

にはウ

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に登

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01

2年

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村民

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村で

ある

JR東海からの計画発表報告

2013

年の

JR

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同年

10月に

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れた

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説明

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2回

)に

は住

民を

中心

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0人

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りが参加

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備書

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に関

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と質疑応答

が行

われ

準備書

では

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事に

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って

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が目

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事に

よる

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わち

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など

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は南

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を通過

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長野

県側

の坑

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して

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(橋梁

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や伊那山

地は

再び

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る計画

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10年以上

渡り

村内

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(お

に大型ダ

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超と見積

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17秒に

1台

の走

行)

住民の反応JR東海の問題点

まさ

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であ

JR

東海

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住民

から

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会場

では

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が多数

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ち切

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その

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の「

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理解

を得

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とに

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027

年開

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りき

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民の

理解

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対応

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環境影響評価書による説明会

翌2

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11月

10日

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東海

によ

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づく

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法に

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の質疑応答

が行

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る形

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ある

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たの

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であ

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らず

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で強引

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うち質疑応答

が2

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理解

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村全体

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説明

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住民

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同様

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この

時は出席

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区の関係者

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20

27

年開

業に

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民に

理解

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める姿勢

かり

が目立

った

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村当局

の動

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住民

に対

する情報伝達

)も

鈍い

もの

であ

った

この

11月

10日の

説明

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で大

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反響

を呼び

元紙

でも

社説

で大

きく

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てい

るの

で次

に引

用す

12

『大鹿村とリニア』

平行線だった

JR東海が今月下伊那郡大鹿村で開いたリニア中央新幹線の事業説明会人口

1100 人の村で300 人近くが出席していた工事への理解を求めるJRに対し住民

からは「風景は一度失ったら取り戻せない」「JRの利益の裏返しが村の犠牲だ」と

いう根本的な反論が相次いだ

大鹿村は今のままでいい-そう訴える若い世代が多かったことが印象に残った

リニアの路線は村の南部を東西に通る残土を運び出すための作業用トンネル坑口

を4カ所設け変電施設を作り小渋川の上流に橋を架ける最大で1日 1700 台余

の大きな工事用車両が生活道路を走る暮らしや観光業への影響は避けられない

JRが工事概要を説明した後の質疑応答は2時間半に及んだ「所得は少ないが

村民は豊かな自然の中で生きている」「手を付けなければ山は壊れない水が枯れる

ことも生命が失われることもない」質問というより訴えに近い発言が続いた

JR側は「切実な心配を受け止め少しでも解消したい」と返すのがやっと「地

元の理解と同意がなければ着工できない」と何度も繰り返した村は以前から小渋

川の橋を地中化するよう求めているがJRは説明会でも「工事の難度が増す」と

して受け入れなかった環境保全協定の締結については「考えていない」と回答変

電施設の送電線を地中化する要望に関しては何の説明もなかった最低限と言って

いい条件すら聞き入れられないことがJRに対する住民の不信を高めているのだろ

う出席者からは「一方的だ」と憤る声が上がった (中略)

「リニアの夢」が始まったのは半世紀も前だ国を挙げて成長を追い求めた 50 年

は村にとり若者が都会に流れ離農が進み集落が疲弊した歳月だった

大鹿村の人口の3割を I ターン者が占める311 後に U ターンしてきた若者もい

るという昔に戻るのではなくそれぞれができる仕事を探し自然や文化を共有し

ながら緩やかに結び付く新しい価値観の芽がこの村で育ちつつあるように感じら

れた

「理解と同意」を得るとしたJR東海は大鹿村とどう向き合うのか若い世代が

見つめる未来をないがしろにはできない

〈信濃毎日新聞 2014年 11 月 23 日付『社説』より抜粋〉

13

3リニアと自然環境住民との共存は

不可能

昨年6

月に

南ア

ルプ

スがユ

ネスコ

のエコ

パーク

に認

定さ

れた

リニ

ア建

設は

トン

ネル

工事

をはじ

めと

して

自然

環境

や住

民の

生活

環境

にも多

大な影響

を与

える

前回

拙稿

でも指摘

した

よう

この

こと

がは

して

「持続

可能

な自

然の利

用」

なの

か大

に疑問

であ

すな

わち

境教育

やエコ

ツー

リズム

然環

境と

の調和

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った

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事は

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はな

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と重

ねて

主張

して

いる

が根拠

は全

く明

らか

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核心部分

はト

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ルで

通過

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のか

下ト

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ルは

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然が守

られ

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いう

自然遺

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理事吉田

人氏

)も

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(環

境影響評価

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づい

た許

可を受

けて

いる

とは

いえ

れは

あく

まで

も建

設の

ため

の便宜上

のも

ので

ある

アセ

スメ

ント

に係

る調

査対

象や

地点

間な

もき

わめ

て限

られ

たも

ので

あり

結論

あり

きと

の誹

りは免

れな

自然

環境

に優

れた

南ア

ルプ

スを

トン

ネル

で通過さ

せよ

うと

う無謀

な計画

こか

ら発

生す

る膨

大な量

の掘

削土

をど

のよ

うに安全

に置

くか

すら

現在公表さ

れて

いる計画

から

はま

った

く不

明だ

の地質

の中

には小

日陰銅山(戦争

より閉山)が

あっ

たこ

とに

より

境汚染

質が

存在

する危険性

も指摘さ

れて

いる

大鹿

村釜

沢で

行わ

れよ

うと

して

いる

砂の(仮)置

き場

から

も推測さ

れる

よう

JR

東海

はと

にか

くど

こか

経費

のか

から

いと

ころ

にお

けれ

ばよ

い安全性

など

は二

の次

との姿勢

が見

て取

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とえ

住民

いる

下流域

で土石流

の心配

があ

って

もだ

結果

とし

て甚

大な

環境破壊

を引

き起

こし

ねな

い形

式上

はと

もか

JR

東海

のや

り方

は自

然環

境や

住民軽視

も甚

だし

い公

企業

にあ

るまじ

き体質

を露見さ

せて

いる

本来

なら

ば2

027

年開

業に

あく

まで

も固

執す

るの

では

なく

十二分

な住

民を含む

境調

査を実施

し少

なく

とも両者

が納

得の

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るべ

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であ

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も私

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幹線

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設に

は同意

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い)

(日本山岳会員)

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大鹿

村ウェ

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ン顕彰碑

「赤石岳

の美

しさ

と素朴

で親切

な村

民を世界

に紹介

して

くれ

ウエ

スト

ン師

のた

めに

」と刻

れて

いる

14

自然保護委員会の活動記録

〈一月度〉

①山岳団体自然環境連絡会1月

22日(木) 出

席者富澤武藤

bull 各団体の報告

bull 「山の野生鳥獣目撃レポート」のパンフレ

ットの改訂版を作成予定

②埼玉支部主催第4回「埼玉の自然を知ろ

う」シンポジウム(2015年1月

15日

(木)

於浦和コミュニティセンター)に

一部の委員が参加

③自然保護委員会 1

26日(月)

bull 2015年度自然保護全国集会について

次回自然保護全国集会は東京多摩支部

との共催となった

bull 『木の目草の芽』115号について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

『木の目草の芽』113号114号発行

〈二月度〉

①全国集会実行委員会(

第1回)2月

13日(金)

出席者富澤河野川口西谷近藤武

藤土井

bull 会場下見の報告

bull プログラムフィールドスタディのコース

会費等の原案を作成

②自然保護委員会 2月

23日(月)

bull 理事会報告

bull 2015年度「事業計画」ならびに「委員

会予算」について

bull 環境省自然環境局国立公園課主催「

国立公

園内におけるトレイルランニング大会等

の取扱いに関する説明会」(

於新宿御苑

インフォメーションセンター2月

15日)

の報告

bull 山のECHO主催「

自然地域トイレ屎尿処

理技術セミナーおよび技術説明会」(

日本環境整備教育センター2月

19日)

の報告

bull 「入山者ルール策定セミナー」の案内

bull 次期委員長について

川口委員が次期委員長に選任された

bull 2015年度自然保護全国集会(東京多摩)

について

第1回実行委員会(2月

13日)決定事

項の報告

プログラムフィールドスタディのコー

ス会費等を協議した

bull 『木の目草の芽』について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

bull 2015年度自然観察会について

訂正とお詫び

『木の目草の芽』114号

12ページ「自然保護

委員会の活動記録」の1段目

20行目にldquo

静岡

支部宮崎支部などの報告rdquoと記載されていま

すが正しくはldquo静岡支部宮城支部などの報

告rdquoです訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉尾瀬を守る会の椎名宏子さんと

大鹿村の会員佐藤明穂さんがご寄稿ください

ました溢れる数々の情報に紛れて見えにくく

なりがちな事実をつぶさに語ってくださるこう

した声を多くの方へ正確に大切にお伝えする

ことがこの紙面の重要な役目と思います

卒業シーズンにふと一曲の歌を思い出しました

『肩に食い込むザックに耐えて君の足あと辿っ

て行ったあの日のあの山忘れるもんか登山シ

ューズがそっとよけたあの日のあの花忘れはし

ない』

うろ覚えだったので調べてみたら「ゴールめざ

して」という唱歌でした草花をよけることばか

り考えていたら足元がおぼつかなくなって身の危

険にさらされるということもあるでしょうで

もやはり私はこの歌のようにできるかぎり自分自

身よりも足元の花に意識を向けてそれをそっと

よける登山者であり続けたいと思います花を認

識できる程度のペースで走るのではなく元川

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11

る山

々に抱

かれ

た静

かな

村で

ある

JR東海からの計画発表報告

2013

年の

JR

東海

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同年

10月に

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りが参加

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に関

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は生じ

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など

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東海

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境に

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23主稜

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の坑

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や伊那山

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10年以上

渡り

村内

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設の

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が担当者

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理解

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とは裏腹

とに

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」の姿勢

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りが目立

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民の

理解

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とは程遠

いも

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あっ

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翌2

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11月

10日

JR

東海

によ

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境影響評価書

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の質疑応答

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われ

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もか

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予定

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で強引

に終

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のに

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今回

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間を

大幅

に超過

る3

時間

30分(

うち質疑応答

が2

時間

30

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ど)

の開催

とな

った

こと

これ

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の配慮

とい

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りは

民に

とっ

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った

から

ほか

なら

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JR

東海

の沢田

担当部

長は

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民の

理解

同意

が得

られ

けれ

ば建

設に

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しな

い」と

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この

村全体

での

説明

会の

のち

12月初旬

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地区

住民

への

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会も

同様

に開

れた

この

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区の関係者

に限

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道機関

の参加

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れた

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区の

説明

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R東

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業に

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民に

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村当局

の動

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住民

に対

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)も

鈍い

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であ

った

この

11月

10日の

説明

会は内外

で大

きな

反響

を呼び

元紙

でも

社説

で大

きく

取り

上げ

てい

るの

で次

に引

用す

12

『大鹿村とリニア』

平行線だった

JR東海が今月下伊那郡大鹿村で開いたリニア中央新幹線の事業説明会人口

1100 人の村で300 人近くが出席していた工事への理解を求めるJRに対し住民

からは「風景は一度失ったら取り戻せない」「JRの利益の裏返しが村の犠牲だ」と

いう根本的な反論が相次いだ

大鹿村は今のままでいい-そう訴える若い世代が多かったことが印象に残った

リニアの路線は村の南部を東西に通る残土を運び出すための作業用トンネル坑口

を4カ所設け変電施設を作り小渋川の上流に橋を架ける最大で1日 1700 台余

の大きな工事用車両が生活道路を走る暮らしや観光業への影響は避けられない

JRが工事概要を説明した後の質疑応答は2時間半に及んだ「所得は少ないが

村民は豊かな自然の中で生きている」「手を付けなければ山は壊れない水が枯れる

ことも生命が失われることもない」質問というより訴えに近い発言が続いた

JR側は「切実な心配を受け止め少しでも解消したい」と返すのがやっと「地

元の理解と同意がなければ着工できない」と何度も繰り返した村は以前から小渋

川の橋を地中化するよう求めているがJRは説明会でも「工事の難度が増す」と

して受け入れなかった環境保全協定の締結については「考えていない」と回答変

電施設の送電線を地中化する要望に関しては何の説明もなかった最低限と言って

いい条件すら聞き入れられないことがJRに対する住民の不信を高めているのだろ

う出席者からは「一方的だ」と憤る声が上がった (中略)

「リニアの夢」が始まったのは半世紀も前だ国を挙げて成長を追い求めた 50 年

は村にとり若者が都会に流れ離農が進み集落が疲弊した歳月だった

大鹿村の人口の3割を I ターン者が占める311 後に U ターンしてきた若者もい

るという昔に戻るのではなくそれぞれができる仕事を探し自然や文化を共有し

ながら緩やかに結び付く新しい価値観の芽がこの村で育ちつつあるように感じら

れた

「理解と同意」を得るとしたJR東海は大鹿村とどう向き合うのか若い世代が

見つめる未来をないがしろにはできない

〈信濃毎日新聞 2014年 11 月 23 日付『社説』より抜粋〉

13

3リニアと自然環境住民との共存は

不可能

昨年6

月に

南ア

ルプ

スがユ

ネスコ

のエコ

パーク

に認

定さ

れた

リニ

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設は

トン

ネル

工事

をはじ

めと

して

自然

環境

や住

民の

生活

環境

にも多

大な影響

を与

える

前回

拙稿

でも指摘

した

よう

この

こと

がは

して

「持続

可能

な自

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用」

なの

か大

に疑問

であ

すな

わち

境教育

やエコ

ツー

リズム

然環

境と

の調和

とい

った

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R東

海は

「工

事は

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われ

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は全

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ない

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ンネ

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られ

てい

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いう

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との指摘

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然保護

協会代表

理事吉田

人氏

)も

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境影響評価

法)

に基

づい

た許

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けて

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とは

いえ

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まで

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ため

の便宜上

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間な

もき

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て限

られ

たも

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りは免

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南ア

ルプ

スを

トン

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で通過さ

せよ

うと

う無謀

な計画

こか

ら発

生す

る膨

大な量

の掘

削土

をど

のよ

うに安全

に置

くか

すら

現在公表さ

れて

いる計画

から

はま

った

く不

明だ

の地質

の中

には小

日陰銅山(戦争

より閉山)が

あっ

たこ

とに

より

境汚染

質が

存在

する危険性

も指摘さ

れて

いる

大鹿

村釜

沢で

行わ

れよ

うと

して

いる

砂の(仮)置

き場

から

も推測さ

れる

よう

JR

東海

はと

にか

くど

こか

経費

のか

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いと

ころ

にお

けれ

ばよ

い安全性

など

は二

の次

との姿勢

が見

て取

れる

とえ

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いる

下流域

で土石流

の心配

があ

って

もだ

結果

とし

て甚

大な

環境破壊

を引

き起

こし

ねな

い形

式上

はと

もか

JR

東海

のや

り方

は自

然環

境や

住民軽視

も甚

だし

い公

企業

にあ

るまじ

き体質

を露見さ

せて

いる

本来

なら

ば2

027

年開

業に

あく

まで

も固

執す

るの

では

なく

十二分

な住

民を含む

境調

査を実施

し少

なく

とも両者

が納

得の

上で

進め

るべ

き問題

であ

る(そ

れで

も私

リニ

ア中

央新

幹線

の建

設に

は同意

しな

い)

(日本山岳会員)

写真

大鹿

村ウェ

スト

ン顕彰碑

「赤石岳

の美

しさ

と素朴

で親切

な村

民を世界

に紹介

して

くれ

ウエ

スト

ン師

のた

めに

」と刻

れて

いる

14

自然保護委員会の活動記録

〈一月度〉

①山岳団体自然環境連絡会1月

22日(木) 出

席者富澤武藤

bull 各団体の報告

bull 「山の野生鳥獣目撃レポート」のパンフレ

ットの改訂版を作成予定

②埼玉支部主催第4回「埼玉の自然を知ろ

う」シンポジウム(2015年1月

15日

(木)

於浦和コミュニティセンター)に

一部の委員が参加

③自然保護委員会 1

26日(月)

bull 2015年度自然保護全国集会について

次回自然保護全国集会は東京多摩支部

との共催となった

bull 『木の目草の芽』115号について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

『木の目草の芽』113号114号発行

〈二月度〉

①全国集会実行委員会(

第1回)2月

13日(金)

出席者富澤河野川口西谷近藤武

藤土井

bull 会場下見の報告

bull プログラムフィールドスタディのコース

会費等の原案を作成

②自然保護委員会 2月

23日(月)

bull 理事会報告

bull 2015年度「事業計画」ならびに「委員

会予算」について

bull 環境省自然環境局国立公園課主催「

国立公

園内におけるトレイルランニング大会等

の取扱いに関する説明会」(

於新宿御苑

インフォメーションセンター2月

15日)

の報告

bull 山のECHO主催「

自然地域トイレ屎尿処

理技術セミナーおよび技術説明会」(

日本環境整備教育センター2月

19日)

の報告

bull 「入山者ルール策定セミナー」の案内

bull 次期委員長について

川口委員が次期委員長に選任された

bull 2015年度自然保護全国集会(東京多摩)

について

第1回実行委員会(2月

13日)決定事

項の報告

プログラムフィールドスタディのコー

ス会費等を協議した

bull 『木の目草の芽』について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

bull 2015年度自然観察会について

訂正とお詫び

『木の目草の芽』114号

12ページ「自然保護

委員会の活動記録」の1段目

20行目にldquo

静岡

支部宮崎支部などの報告rdquoと記載されていま

すが正しくはldquo静岡支部宮城支部などの報

告rdquoです訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉尾瀬を守る会の椎名宏子さんと

大鹿村の会員佐藤明穂さんがご寄稿ください

ました溢れる数々の情報に紛れて見えにくく

なりがちな事実をつぶさに語ってくださるこう

した声を多くの方へ正確に大切にお伝えする

ことがこの紙面の重要な役目と思います

卒業シーズンにふと一曲の歌を思い出しました

『肩に食い込むザックに耐えて君の足あと辿っ

て行ったあの日のあの山忘れるもんか登山シ

ューズがそっとよけたあの日のあの花忘れはし

ない』

うろ覚えだったので調べてみたら「ゴールめざ

して」という唱歌でした草花をよけることばか

り考えていたら足元がおぼつかなくなって身の危

険にさらされるということもあるでしょうで

もやはり私はこの歌のようにできるかぎり自分自

身よりも足元の花に意識を向けてそれをそっと

よける登山者であり続けたいと思います花を認

識できる程度のペースで走るのではなく元川

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12

『大鹿村とリニア』

平行線だった

JR東海が今月下伊那郡大鹿村で開いたリニア中央新幹線の事業説明会人口

1100 人の村で300 人近くが出席していた工事への理解を求めるJRに対し住民

からは「風景は一度失ったら取り戻せない」「JRの利益の裏返しが村の犠牲だ」と

いう根本的な反論が相次いだ

大鹿村は今のままでいい-そう訴える若い世代が多かったことが印象に残った

リニアの路線は村の南部を東西に通る残土を運び出すための作業用トンネル坑口

を4カ所設け変電施設を作り小渋川の上流に橋を架ける最大で1日 1700 台余

の大きな工事用車両が生活道路を走る暮らしや観光業への影響は避けられない

JRが工事概要を説明した後の質疑応答は2時間半に及んだ「所得は少ないが

村民は豊かな自然の中で生きている」「手を付けなければ山は壊れない水が枯れる

ことも生命が失われることもない」質問というより訴えに近い発言が続いた

JR側は「切実な心配を受け止め少しでも解消したい」と返すのがやっと「地

元の理解と同意がなければ着工できない」と何度も繰り返した村は以前から小渋

川の橋を地中化するよう求めているがJRは説明会でも「工事の難度が増す」と

して受け入れなかった環境保全協定の締結については「考えていない」と回答変

電施設の送電線を地中化する要望に関しては何の説明もなかった最低限と言って

いい条件すら聞き入れられないことがJRに対する住民の不信を高めているのだろ

う出席者からは「一方的だ」と憤る声が上がった (中略)

「リニアの夢」が始まったのは半世紀も前だ国を挙げて成長を追い求めた 50 年

は村にとり若者が都会に流れ離農が進み集落が疲弊した歳月だった

大鹿村の人口の3割を I ターン者が占める311 後に U ターンしてきた若者もい

るという昔に戻るのではなくそれぞれができる仕事を探し自然や文化を共有し

ながら緩やかに結び付く新しい価値観の芽がこの村で育ちつつあるように感じら

れた

「理解と同意」を得るとしたJR東海は大鹿村とどう向き合うのか若い世代が

見つめる未来をないがしろにはできない

〈信濃毎日新聞 2014年 11 月 23 日付『社説』より抜粋〉

13

3リニアと自然環境住民との共存は

不可能

昨年6

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とい

った

のと

は相反

する

R東

海は

「工

事は

移行

地域

で行

われ

るの

で問題

はな

い」

と重

ねて

主張

して

いる

が根拠

は全

く明

らか

にし

てい

ない

核心部分

はト

ンネ

ルで

通過

する

から

よい

のか

下ト

ンネ

ルは

手つ

かず

の自

然が守

られ

てい

ると

いう

自然遺

産の完全性

を失

う恐

れが

ある

との指摘

(日

本自

然保護

協会代表

理事吉田

人氏

)も

ある

ら法律

(環

境影響評価

法)

に基

づい

た許

可を受

けて

いる

とは

いえ

れは

あく

まで

も建

設の

ため

の便宜上

のも

ので

ある

アセ

スメ

ント

に係

る調

査対

象や

地点

間な

もき

わめ

て限

られ

たも

ので

あり

結論

あり

きと

の誹

りは免

れな

自然

環境

に優

れた

南ア

ルプ

スを

トン

ネル

で通過さ

せよ

うと

う無謀

な計画

こか

ら発

生す

る膨

大な量

の掘

削土

をど

のよ

うに安全

に置

くか

すら

現在公表さ

れて

いる計画

から

はま

った

く不

明だ

の地質

の中

には小

日陰銅山(戦争

より閉山)が

あっ

たこ

とに

より

境汚染

質が

存在

する危険性

も指摘さ

れて

いる

大鹿

村釜

沢で

行わ

れよ

うと

して

いる

砂の(仮)置

き場

から

も推測さ

れる

よう

JR

東海

はと

にか

くど

こか

経費

のか

から

いと

ころ

にお

けれ

ばよ

い安全性

など

は二

の次

との姿勢

が見

て取

れる

とえ

住民

いる

下流域

で土石流

の心配

があ

って

もだ

結果

とし

て甚

大な

環境破壊

を引

き起

こし

ねな

い形

式上

はと

もか

JR

東海

のや

り方

は自

然環

境や

住民軽視

も甚

だし

い公

企業

にあ

るまじ

き体質

を露見さ

せて

いる

本来

なら

ば2

027

年開

業に

あく

まで

も固

執す

るの

では

なく

十二分

な住

民を含む

境調

査を実施

し少

なく

とも両者

が納

得の

上で

進め

るべ

き問題

であ

る(そ

れで

も私

リニ

ア中

央新

幹線

の建

設に

は同意

しな

い)

(日本山岳会員)

写真

大鹿

村ウェ

スト

ン顕彰碑

「赤石岳

の美

しさ

と素朴

で親切

な村

民を世界

に紹介

して

くれ

ウエ

スト

ン師

のた

めに

」と刻

れて

いる

14

自然保護委員会の活動記録

〈一月度〉

①山岳団体自然環境連絡会1月

22日(木) 出

席者富澤武藤

bull 各団体の報告

bull 「山の野生鳥獣目撃レポート」のパンフレ

ットの改訂版を作成予定

②埼玉支部主催第4回「埼玉の自然を知ろ

う」シンポジウム(2015年1月

15日

(木)

於浦和コミュニティセンター)に

一部の委員が参加

③自然保護委員会 1

26日(月)

bull 2015年度自然保護全国集会について

次回自然保護全国集会は東京多摩支部

との共催となった

bull 『木の目草の芽』115号について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

『木の目草の芽』113号114号発行

〈二月度〉

①全国集会実行委員会(

第1回)2月

13日(金)

出席者富澤河野川口西谷近藤武

藤土井

bull 会場下見の報告

bull プログラムフィールドスタディのコース

会費等の原案を作成

②自然保護委員会 2月

23日(月)

bull 理事会報告

bull 2015年度「事業計画」ならびに「委員

会予算」について

bull 環境省自然環境局国立公園課主催「

国立公

園内におけるトレイルランニング大会等

の取扱いに関する説明会」(

於新宿御苑

インフォメーションセンター2月

15日)

の報告

bull 山のECHO主催「

自然地域トイレ屎尿処

理技術セミナーおよび技術説明会」(

日本環境整備教育センター2月

19日)

の報告

bull 「入山者ルール策定セミナー」の案内

bull 次期委員長について

川口委員が次期委員長に選任された

bull 2015年度自然保護全国集会(東京多摩)

について

第1回実行委員会(2月

13日)決定事

項の報告

プログラムフィールドスタディのコー

ス会費等を協議した

bull 『木の目草の芽』について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

bull 2015年度自然観察会について

訂正とお詫び

『木の目草の芽』114号

12ページ「自然保護

委員会の活動記録」の1段目

20行目にldquo

静岡

支部宮崎支部などの報告rdquoと記載されていま

すが正しくはldquo静岡支部宮城支部などの報

告rdquoです訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉尾瀬を守る会の椎名宏子さんと

大鹿村の会員佐藤明穂さんがご寄稿ください

ました溢れる数々の情報に紛れて見えにくく

なりがちな事実をつぶさに語ってくださるこう

した声を多くの方へ正確に大切にお伝えする

ことがこの紙面の重要な役目と思います

卒業シーズンにふと一曲の歌を思い出しました

『肩に食い込むザックに耐えて君の足あと辿っ

て行ったあの日のあの山忘れるもんか登山シ

ューズがそっとよけたあの日のあの花忘れはし

ない』

うろ覚えだったので調べてみたら「ゴールめざ

して」という唱歌でした草花をよけることばか

り考えていたら足元がおぼつかなくなって身の危

険にさらされるということもあるでしょうで

もやはり私はこの歌のようにできるかぎり自分自

身よりも足元の花に意識を向けてそれをそっと

よける登山者であり続けたいと思います花を認

識できる程度のペースで走るのではなく元川

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13

3リニアと自然環境住民との共存は

不可能

昨年6

月に

南ア

ルプ

スがユ

ネスコ

のエコ

パーク

に認

定さ

れた

リニ

ア建

設は

トン

ネル

工事

をはじ

めと

して

自然

環境

や住

民の

生活

環境

にも多

大な影響

を与

える

前回

拙稿

でも指摘

した

よう

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こと

がは

して

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可能

な自

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用」

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に疑問

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は相反

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産の完全性

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をど

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の中

には小

日陰銅山(戦争

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とに

より

境汚染

質が

存在

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も指摘さ

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大鹿

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き場

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も推測さ

れる

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JR

東海

はと

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のか

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いと

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下流域

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境や

住民軽視

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十二分

な住

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境調

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し少

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上で

進め

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リニ

ア中

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は同意

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(日本山岳会員)

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大鹿

村ウェ

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ン顕彰碑

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と素朴

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な村

民を世界

に紹介

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くれ

ウエ

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ン師

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めに

」と刻

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いる

14

自然保護委員会の活動記録

〈一月度〉

①山岳団体自然環境連絡会1月

22日(木) 出

席者富澤武藤

bull 各団体の報告

bull 「山の野生鳥獣目撃レポート」のパンフレ

ットの改訂版を作成予定

②埼玉支部主催第4回「埼玉の自然を知ろ

う」シンポジウム(2015年1月

15日

(木)

於浦和コミュニティセンター)に

一部の委員が参加

③自然保護委員会 1

26日(月)

bull 2015年度自然保護全国集会について

次回自然保護全国集会は東京多摩支部

との共催となった

bull 『木の目草の芽』115号について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

『木の目草の芽』113号114号発行

〈二月度〉

①全国集会実行委員会(

第1回)2月

13日(金)

出席者富澤河野川口西谷近藤武

藤土井

bull 会場下見の報告

bull プログラムフィールドスタディのコース

会費等の原案を作成

②自然保護委員会 2月

23日(月)

bull 理事会報告

bull 2015年度「事業計画」ならびに「委員

会予算」について

bull 環境省自然環境局国立公園課主催「

国立公

園内におけるトレイルランニング大会等

の取扱いに関する説明会」(

於新宿御苑

インフォメーションセンター2月

15日)

の報告

bull 山のECHO主催「

自然地域トイレ屎尿処

理技術セミナーおよび技術説明会」(

日本環境整備教育センター2月

19日)

の報告

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bull 次期委員長について

川口委員が次期委員長に選任された

bull 2015年度自然保護全国集会(東京多摩)

について

第1回実行委員会(2月

13日)決定事

項の報告

プログラムフィールドスタディのコー

ス会費等を協議した

bull 『木の目草の芽』について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

bull 2015年度自然観察会について

訂正とお詫び

『木の目草の芽』114号

12ページ「自然保護

委員会の活動記録」の1段目

20行目にldquo

静岡

支部宮崎支部などの報告rdquoと記載されていま

すが正しくはldquo静岡支部宮城支部などの報

告rdquoです訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉尾瀬を守る会の椎名宏子さんと

大鹿村の会員佐藤明穂さんがご寄稿ください

ました溢れる数々の情報に紛れて見えにくく

なりがちな事実をつぶさに語ってくださるこう

した声を多くの方へ正確に大切にお伝えする

ことがこの紙面の重要な役目と思います

卒業シーズンにふと一曲の歌を思い出しました

『肩に食い込むザックに耐えて君の足あと辿っ

て行ったあの日のあの山忘れるもんか登山シ

ューズがそっとよけたあの日のあの花忘れはし

ない』

うろ覚えだったので調べてみたら「ゴールめざ

して」という唱歌でした草花をよけることばか

り考えていたら足元がおぼつかなくなって身の危

険にさらされるということもあるでしょうで

もやはり私はこの歌のようにできるかぎり自分自

身よりも足元の花に意識を向けてそれをそっと

よける登山者であり続けたいと思います花を認

識できる程度のペースで走るのではなく元川

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14

自然保護委員会の活動記録

〈一月度〉

①山岳団体自然環境連絡会1月

22日(木) 出

席者富澤武藤

bull 各団体の報告

bull 「山の野生鳥獣目撃レポート」のパンフレ

ットの改訂版を作成予定

②埼玉支部主催第4回「埼玉の自然を知ろ

う」シンポジウム(2015年1月

15日

(木)

於浦和コミュニティセンター)に

一部の委員が参加

③自然保護委員会 1

26日(月)

bull 2015年度自然保護全国集会について

次回自然保護全国集会は東京多摩支部

との共催となった

bull 『木の目草の芽』115号について

bull 自然保護委員会講演会(「

平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

『木の目草の芽』113号114号発行

〈二月度〉

①全国集会実行委員会(

第1回)2月

13日(金)

出席者富澤河野川口西谷近藤武

藤土井

bull 会場下見の報告

bull プログラムフィールドスタディのコース

会費等の原案を作成

②自然保護委員会 2月

23日(月)

bull 理事会報告

bull 2015年度「事業計画」ならびに「委員

会予算」について

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国立公

園内におけるトレイルランニング大会等

の取扱いに関する説明会」(

於新宿御苑

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15日)

の報告

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自然地域トイレ屎尿処

理技術セミナーおよび技術説明会」(

日本環境整備教育センター2月

19日)

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川口委員が次期委員長に選任された

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について

第1回実行委員会(2月

13日)決定事

項の報告

プログラムフィールドスタディのコー

ス会費等を協議した

bull 『木の目草の芽』について

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平成

26年度に起

きた我が国の火山噴火に学ぶ」)

について

bull 2015年度自然観察会について

訂正とお詫び

『木の目草の芽』114号

12ページ「自然保護

委員会の活動記録」の1段目

20行目にldquo

静岡

支部宮崎支部などの報告rdquoと記載されていま

すが正しくはldquo静岡支部宮城支部などの報

告rdquoです訂正してお詫び申し上げます

〈編集後記〉尾瀬を守る会の椎名宏子さんと

大鹿村の会員佐藤明穂さんがご寄稿ください

ました溢れる数々の情報に紛れて見えにくく

なりがちな事実をつぶさに語ってくださるこう

した声を多くの方へ正確に大切にお伝えする

ことがこの紙面の重要な役目と思います

卒業シーズンにふと一曲の歌を思い出しました

『肩に食い込むザックに耐えて君の足あと辿っ

て行ったあの日のあの山忘れるもんか登山シ

ューズがそっとよけたあの日のあの花忘れはし

ない』

うろ覚えだったので調べてみたら「ゴールめざ

して」という唱歌でした草花をよけることばか

り考えていたら足元がおぼつかなくなって身の危

険にさらされるということもあるでしょうで

もやはり私はこの歌のようにできるかぎり自分自

身よりも足元の花に意識を向けてそれをそっと

よける登山者であり続けたいと思います花を認

識できる程度のペースで走るのではなく元川