血漿交換療法 pe/dfpp/pa - jseptic | 特定非営利活 くじ 第1章 総論 1-1...

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血漿交換療法 PE/DFPP/PAJSEPTIC CE教材シリーズ 対象:レベル1 ICUで働く新人CE13年目程度)

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血漿交換療法 (PE/DFPP/PA)

JSEPTIC CE教材シリーズ 対象:レベル1

ICUで働く新人CE(1~3年目程度)

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もくじ

第1章 総論

1-1 血漿交換療法の目的

1-2 血漿交換療法の原理

1-3 血漿交換療法の対象

第2章 単純血漿交換療法(PE)

2-1 単純血漿交換療法の原理

2-2 PEの使用物品

2-3 PEの施行方法

2-4 置換液の使用目的

2-5 FFP補充の注意点

2-6 PE施行時の低Ca血症の対処法

2-7 血液製剤の適正使用

2-8 FFPを使用したPEが第一選択の疾患

第3章 二重膜濾過血漿交換法(DFPP)

3-1 二重膜濾過血漿交換法

3-2 DFPPの原理・治療図

3-3 DFPPの使用物品

3-4 DFPPの方法

3-5 カスケードフローECの使い分け

3-6 カスケードフローEC20Wを使用する場合

3-7 カスケードフローEC50Wを使用する場合

3-8 ふるい係数

3-9 置換液・ドレイン

3-10 DFPPの注意点

3-11 DFPP置換液早見表

第4章 血漿吸着療法(PA)

4-1 血漿吸着療法の原理・治療図

4-2 イムソーバ吸着原理

4-3 イムソーバTRの吸着性能

4-4 イムソーバPHの吸着性能

4-5 プラソーバBRS吸着原理

4-6 プラソーバBRSの血漿成分残存率

4-7 PAの必要物品

4-8 PAの方法

4-9 PAの利点

4-10 PAの注意点

4-11 PAが対象となる自己免疫疾患

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第1章 総論

第1章の到達目標

• 血漿交換療法の目的が説明できる

• 血漿交換療法の原理が説明できる

• 血漿交換療法の対象が説明できる

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1-1 血漿交換療法の目的

• 血漿交換療法とは、全血から血漿成分を分離し、その分離血漿を直接あるいは二次的に処理して病因物質を除去することを目的とした治療法である。

• 単純血漿交換(PE)、二重膜濾過血漿交換(DFPP)、血漿吸着(PA)の3種類がある。

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1-2 血漿交換療法の原理

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血漿交換療法の対象 1-3

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第1章 チェックテスト

• 血漿交換療法とは、(①)から(②)を分離し、その(③)を直接あるいは二次的に処理して(④)を除去することを目的とした治療法である。

• (⑤)、(⑥)、(⑦)の3種類がある。

正解はこちらへ

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1-1 血漿交換療法の目的

• 血漿交換療法とは、全血から血漿成分を分離し、その分離血漿を直接あるいは二次的に処理して病因物質を除去することを目的とした治療法である。

• 単純血漿交換(PE)、二重膜濾過血漿交換(DFPP)、血漿吸着(PA)の3種類がある。

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第2章 単純血漿交換療法

第2章の到達目標

• 単純血漿交換療法の原理が説明できる

• 単純血漿交換療法の使用物品が説明できる

• 単純血漿交換療法の施行方法が説明できる

• 単純血漿交換療法の置換液の使用目的が説明できる

• FFP補充の注意点が説明できる

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2-1 単純血漿交換療法(PE:Plasma Exchange)の原理

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2-2 PEの使用物品

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2-3 PEの施行方法 (1)

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2-3 PEの施行方法 (2)

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2-4 置換液の使用目的

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2-5 FFP補充の注意点

• FFPによる感染症、アレルギーの危険性。

• FFPに含まれるクエン酸Naによる低Ca血症。

• 小児の場合はMgにも注意が必要。

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2-6 PE施行時の低Ca血症の対処法

1. カルチコールの持続注入

PE40Uであれば40~50mlを目安として持続注入し、

適宜イオン化Ca値をモニターする。

2. PE+HD

ANCA関連血管炎などにより急性腎不全を合併した

場合には、電解質補正・腎補助の目的も兼ねて

PE後のV側回路に直列でHDを組み合わせる。

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ある施設のPE+HD(直列)の1例

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PE HD

PE:QB120ml/min FP/BP12%

HD:APS-13MD キンダリーAF3号液

ある施設のPE+HD(直列)の1例

PE40U+HD4hr

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2-7 血液製剤の適正使用

[要約]アルブミン製剤の適正使用

6)凝固因子の補充を必要としない治療的血漿交換法

* ギランバレー症候群,急性重症筋無力症など凝固

因子の補充を必要としない症例では,等張アルブミン製剤を使用する。

「血液製剤の使用指針」(改訂版) 厚生労働省医療食品局平成24年

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2-8 FFPを使用したPEが第一選択の疾患

• 劇症肝不全/急性肝不全

→凝固因子の補充、ビリルビンの除去

• 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)

→ADAMTS-13インヒビター除去

→超高分子量 vWF重合体の除去

→ADAMS-13、正常 vWFの補充

• ANCA関連血管炎などで肺胞出血など臓器内出血や、敗血症などの感染症を合併している場合

→凝固因子・正常免疫グロブリンの低下が重篤な

病態をきたす可能性がある

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第2章 チェックテスト

( ① )

( ② )

( ③ )

( ④ )

( ⑤ )

Q1.以下のPEに必要な物品は何ですか?

正解はこちら 21

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2-2 PEの使用物品

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第2章 チェックテスト

Q2.PEの置換液の種類と使用目的は?

正解はこちら

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2-4 置換液の使用目的

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第2章 チェックテスト

Q3.FFP補充の注意点を3つ以上挙げてください

正解はこちら

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2-5 FFP補充の注意点

• FFPによる感染症、アレルギーの危険性。

• FFPに含まれるクエン酸Naによる低Ca血症。

• 小児の場合はMgにも注意が必要。

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第2章 チェックテスト

Q4.PE施行時の低Ca血症の対処法を2つ挙げて下さい

正解はこちら

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2-6 PE施行時の低Ca血症の対処法

1. カルチコールの持続注入

PE40Uであれば40~50mlを目安として持続注入し、

適宜イオン化Ca値をモニターする。

2. PE+HD

ANCA関連血管炎などにより急性腎不全を合併した

場合には、電解質補正・腎補助の目的も兼ねて

PE後のV側回路に直列でHDを組み合わせる。

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第3章 二重膜濾過血漿交換法(DFPP)

第3章の到達目標

• DFPPの原理が説明できる

• DFPPの使用物品が説明できる

• DFPPの施行方法が説明できる

• DFPP置換液早見表の見方が説明できる

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3-1 二重濾過血漿交換法(DFPP)

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3-2 DFPPの原理・治療図

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DFPPの実際の回路

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3-3 DFPPの使用物品

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3-4 DFPPの方法 (1)

溶質のふるい係数が低下するので注意してください。

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3-4 DFPPの方法 (2)

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3-5 カスケードフローECの使い分け

36

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3-6 カスケードフローEC20Wを使用する場合

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3-7 カスケードフローEC50Wを使用する場合

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3-8 ふるい係数

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3-9 置換液・ドレイン

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3-10 DFPPの注意点

• 標的物質の除去性能がPEより若干低い。

• 有用物質(アルブミン)は一部除去され、比較的 小分子量のIgGなどは一部再静注されてしまう。

• 廃液に膠質浸透圧物質が多く含まれるので、 蛋白濃度の低いFFPは使用できない。

• 高濃度のアルブミン液が使用されるため、 PEで可能な凝固因子や正常免疫グロブリンの補充はできない。

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3-11 DFPP置換液量設定早見表

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第3章 チェックテスト Q1.以下のDFPPに必要な物品は何ですか? 正解はこちら

( ① )

( ② )

(③)

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3-2 DFPPの原理・治療図

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第3章 チェックテスト

Q2.適切なカスケードフローECを選択する必要があるのはなぜですか?

正解はこちら

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3-5 カスケードフローECの使い分け

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第3章 チェックテスト

Q3.DFPPの注意点を4つ挙げて下さい。

正解はこちら

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3-10 DFPPの注意点

• 標的物質の除去性能がPEより若干低い。

• 有用物質(アルブミン)は一部除去され、比較的 小分子量のIgGなどは一部再静注されてしまう。

• 廃液に膠質浸透圧物質が多く含まれるので、 蛋白濃度の低いFFPは使用できない。

• 高濃度のアルブミン液が使用されるため、 PEで可能な凝固因子や正常免疫グロブリンの補充はできない。

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第3章 チェックテスト

Q4.下記の条件を満たすとき、体重50kg、治療前アルブミン濃度3.5g/dlの患者で目標IgG除去率70%の場合の置換量と置換液アルブミン濃度は?下の早見表を用いて答えて下さい。 正解はこちら

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3-11 DFPP置換液量設定早見表

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第4章 血漿吸着療法

第4章の到達目標

• 血漿吸着療法の原理が説明できる

• 血漿吸着療法の使用物品が説明できる

• 血漿吸着療法の利点を説明できる

• 血漿吸着療法の注意点を説明できる

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4-1 血漿吸着療法の原理・治療図

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PA(免疫吸着)

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PA(ビリルビン吸着)

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4-2 イムソーバPH/TR 吸着原理

疎水結合と静電相互作用

疎水性相互作用とが水溶液中で疎水性(水との親和性が低い性質)の物質同士が水との接触を少なくするように互いに集合して結合することをいいます。

静電相互作用とは、カチオン(陽イオン)とアニオン(陰イオン)が互いに引き合い結合することをいいます。

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4-3 イムソーバTRの吸着性能

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4-4 イムソーバPHの吸着性能

57

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陰イオン交換樹脂であるスチレン・ジビニルベンゼンを吸着剤としている

プラソーバBRSは、陰性に荷電しているビリルビンおよび胆汁酸を選択的に

吸着除去します。

4-5 プラソーバBRS 吸着原理

静電相互作用

58

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4-6 プラソーバBRSの血漿成分残存率

59

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4-7 PAの必要物品

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4-8 PAの方法 (1)

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4-8 PAの方法 (2)

62

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4-9 PAの利点

• 疾患に合わせた吸着器を使用することで、特異的に病因物質を除去できる。

• 置換液を使用しないため、感染のリスクが少ない。

• アルブミンを吸着しないため、膠質浸透圧の変化が少ない。

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4-10 PAの注意点

① 病因物質の物性によるところが大きい。 トリプトファンカラム(TR-350)を用いたPAでのIgG3の被吸着特性は高いが、IgG4では低い。

② 血漿処理量に上限がある。

リポソーバLA-15以外では2~3Lで飽和してしまう

ので、体格の大きな患者など大量に血漿処理を行

いたい場合に十分な除去が行えない可能性がある。

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4-10 PAの注意点

③ 陰性荷電した吸着カラム(TR-350、LA-15など)に

より血管拡張作用のあるブラジキニンが誘導される。

④ ACE阻害剤はブラジキニンの代謝を抑制する作用

をもちアナフィラキシー様の血圧低下を引き起こすため、ACE阻害薬は併用禁忌である。(ARBも避けることが望ましい)

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4-11 PAが対象となる自己免疫性神経筋疾患

• ギランバレー症候群(GBS)

• 多発性硬化症(MS)

→ TR-350を推奨

• 慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)

→ PH-350を推奨

• 重症筋無力症(MG)

→ TR-350 or DFPP

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• 抗Ach抗体陽性 → PA(TR-350)を推奨

• 抗MuSK抗体陽性 → DFPPを推奨

• TR-350の親和性はIgGのサブクラスによって異なる。

• IgG3を主体とする抗Ach抗体の親和性は高いが、IgG4を主体とする抗MuSK抗体には親和性が低い。

4-11 PAが対象となる自己免疫性神経筋疾患

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第4章 チェックテスト Q1.下記の空欄を埋めて下さい 正解はこちら

( ① )

( ② )

( ③ )

( ④ )

( ⑤ )

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4-1 血漿吸着療法の原理・治療図

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第4章 チェックテスト Q2.下記のPAの施行方法について、空欄を埋めて下さい。

正解はこちら

( ① )

( ② )

( ③ )

( ④ )

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4-8 PAの方法 (1)

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第4章 チェックテスト

Q3.下記の血漿吸着療法の注意点について、空欄を埋めて下さい。

• 陰性荷電した( ① )により( ② )のある( ③ )が誘導される。

• ( ④ )はブラジキニンの代謝を抑制する作用をもちアナフィラキシー様の( ⑤ )ため、 ( ④ )は併用禁忌である。(ARBも避けることが望ましい)

正解はこちら 72

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4-10 PAの注意点

• 陰性荷電した①吸着カラム(TR-350、LA-15など)に

より②血管拡張作用のある③ブラジキニンが誘導される。

• ④ACE阻害剤はブラジキニンの代謝を抑制する作

用をもちアナフィラキシー様の⑤血圧低下を引き起こすため、④ACE阻害薬は併用禁忌である。(ARBも避けることが望ましい)

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ポストテスト

利点 注意点 血液製剤 使用量

除去の 対象

PE ① ④ ⑦ ⑩

DFPP ② ⑤ ⑧ ⑪

PA ③ ⑥ ⑨ ⑫

Q.下記の表について①~⑫について空欄を埋めて下さい

正解はこちら 74

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血漿交換療法のまとめ

利点 注意点 血液製剤 使用量

除去の 対象

PE

除去性能が高い

正常血漿の 補充が可能

血液製剤の 感染リスク大

多 広範囲

DFPP 有用物質(Alb)の除去少ない

凝固因子・ 免疫グロブリン低下

中~小 Albより 大分子量

PA 血液製剤が 不要

処理量に上限がある

不要 特異的

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