熱伝達計算(簡易計算) 熱の伝わり方は温度差に比...

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熱伝達計算(簡易計算) 熱の伝わり方は温度差に比例するので、熱を放熱して徐々に温度が変化する場合の温度変化を調べ たい時には、以下のような方法を簡易的に用いると温度変化の過程が分かります。 (例題) 下図のように、水を地中の中に循環させて、水の熱を地中に放熱する場合を考えます。 初期の入口温度 t132℃の時、最終的に出口温度が何度になるか考えます。 ここで、水から地中への熱伝導率λ:0.4W/mK)、水の比熱c:4,200KJ/kg・℃)、水の比重 γ:1,000kg/m 3 )とします。 式②のように計算するのですが、 t2 を計算で求めても t1 も変化しますので(t1t2)、式①より伝熱 量が変わって徐々に放熱量も少なくなり、繰り返して計算しなければならなくなります。 この様な場合、簡単なプログラムを作成して、パソコンで繰り返し計算を行なうと、簡単に出口温度 15℃になる時間を計算できます。 (計算要領) 計算が終了したら、time という関数を出力すれば、出口温度が 15℃になる時間が分かります。 t1 32t2:? T15L60m 入口 出口 循環流量 15l/min (1)伝熱量 Q QλTt1L 式① 0.432-15)×120 822W)=0.822KJ/s(2)冷却水出口温度 t2 冷却水量 ω15l/min)=0.25×10 -3 m 3 /s質量流量 Wω ・γ=0.25×10 -3 ×10000.25 kg/st2 ൌ t1 െ Q W・c 31.7 െ .ଶଶ .ଶହൈସଶ 式② 1 初期条件 t1 を基に式①を解く 2 式①の結果 Q を式②に代入し、式②を解く time という関数を+1する t215 終了

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Page 1: 熱伝達計算(簡易計算) 熱の伝わり方は温度差に比 …softengineering-n.com/file/netudentatukeisan.pdf1 初期条件t1 を基に式①を解く 2 式①の結果Q

熱伝達計算(簡易計算)

熱の伝わり方は温度差に比例するので、熱を放熱して徐々に温度が変化する場合の温度変化を調べ

たい時には、以下のような方法を簡易的に用いると温度変化の過程が分かります。

(例題)

下図のように、水を地中の中に循環させて、水の熱を地中に放熱する場合を考えます。

初期の入口温度 t1:32℃の時、最終的に出口温度が何度になるか考えます。

ここで、水から地中への熱伝導率λ:0.4(W/m・K)、水の比熱c:4,200(KJ/kg・℃)、水の比重

γ:1,000(kg/m3)とします。

式②のように計算するのですが、t2 を計算で求めても t1 も変化しますので(t1=t2)、式①より伝熱

量が変わって徐々に放熱量も少なくなり、繰り返して計算しなければならなくなります。

この様な場合、簡単なプログラムを作成して、パソコンで繰り返し計算を行なうと、簡単に出口温度

が 15℃になる時間を計算できます。

(計算要領)

計算が終了したら、time という関数を出力すれば、出口温度が 15℃になる時間が分かります。

t1:32℃ t2:?�

T:15℃

L:60m

入口 出口

循環流量

15l/min

(1)伝熱量 Q

Q=λ(T-t1)L 式①

=0.4(32-15)×120

=822(W)=0.822(KJ/s)

(2)冷却水出口温度 t2

冷却水量 ω=15(l/min)=0.25×10-3(m3/s)

質量流量 W=ω・γ=0.25×10-3×1000=0.25(kg/s)

t2 t1Q

W・c=31.7

.

. 式②

1 初期条件 t1 を基に式①を解く

2 式①の結果 Q を式②に代入し、式②を解く

3 time という関数を+1する

t2<15

終了