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1 使姿姿調2 姿2 遊びの環境を 整える 64 保育通信■No. 761 2018. 8. 1.

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ユリア

愛知県碧南市・へきなん保育園園長

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 保育の環境を試行錯誤しながら整えてい

く。玩具が何もない、もしくは申し訳程度

にしかないところから、子ども一人ひとり

が選んで充分に遊べるように種類と量を増

やしていく。木製の立派な玩具も買うけれ

ど、予算のこともあるので、安価に量をふ

やせる“100円ショップ”のものも利用

する。そして手作りできるようなものもで

きる範囲で作ってきました。

1

玩具の種類と部屋の配置

 具体的にどんな物を作ったか、あげてみ

ます。

・1歳児が大好きな布製の小さなトート

バッグ、クラスの人数分

・フェルトをただ切るだけでできる食材

(ハム・チーズ・のり・レタス・パン・

ごはん等)

・牛乳パックで作る小さな入れ物

・チェーンリングの多目的な具材(現在、

材質の問題で買えないので、花はじきで

代用して作成)

・人形のおんぶ紐、

・子ども用のエプロン  など。

 “100円ショップ”では、おままごと

用の食器(乳児には大きめのものが必要)

など、約1万円で100個ほど買えます。

パズルなども380円ぐらいで買える安価

なものも購入し、一方で質のよいヨーロッ

パ製の木の玩具を増やしていきました。

 人形は、とにかく乳児の場合人数分あっ

たほうがいいらしいということで、ぬいぐ

るみも含めて数を揃えました。そして、あ

る棚を総動員して部屋に配置しました。新

たに準備をする必要のある入れ物について

は、なるべく自然物にこだわり、籐などの

かごを準備していきました。

 あっちにやったり、こっちにやったり、

子どもたちには申し訳ないけれど、初めの

頃はしょっちゅうあれこれ試しながら、頻

繁に部屋の模様替えをしていました。どう

したら子どもたちにとって使いやすく片づ

けやすい、そして遊ぼうと思えるか、大人

は考えに考えて準備しているのですが、子

どもはというと、物理的に玩具が増えれば

すぐに豊かに遊び出してくれました。

 そんな姿に励まされながら、答えは子ど

もの姿が教えてくれると考え、それぞれの

クラスで遊びの環境が整っていきました。

 最初は何でもかんでもと増やしていった

のですが、その間も、安全性と衛生面には

配慮して、高い安いに関係なく増やしまし

た。また、色合いなどは意識して、調和し

ているか、美しいかを考えました。木製、

プラスチック、布など、様々な素材に触れ

るといった考えもそこに含まれているとい

うことです。

 とにかく、何もない部屋で所在なしにす

ごしていた子どもたちにとっての待ち時間

が、すべて遊びの時間になる準備ができて

きました。

2

子どもの目線で

 こうして遊びの環境が整ってくると、子

どもたちは夢中になって遊ぶ姿を見せてく

れます。遊ばない場合は、子どもたちにとっ

2

遊びの環境を整える

64保育通信■No. 761 2018. 8. 1.

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ユリア

愛知県碧南市・へきなん保育園園長

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て何か不都合なことがあるということなの

で、どうしてなのかを考えます。玩具の出

し入れがしやすくなっているか、棚の高さ

が合っているか…と。

 机などが準備されていても、高さが合っ

ていないと遊べません。逆に、高さの合っ

ている机に座りやすい椅子が準備されてい

ると、とても落ち着いて遊ぶ姿を見せてく

れます。また、子どもたちにとってすべて

が見えるようになっているか─乳児にとっ

ては、見えないものはないのと同じという

感覚だそうです。

 部屋に入って、様々な玩具がぱっと目に

入る、「わぁっ、楽しそう!」と大人も思

えるように設置されているかどうかと、遊

びの環境を整えていく時、私の園ではコー

ナーを作るといった考えは持っていません。

コーナーを作ると考えるとつい囲ってしま

いがちです。では、どう考えるか。

 まず、遊び道具(玩具)を置いた時、そ

の玩具で遊ぶスペースが子どもにとってわ

かりやすく準備されているか、その時遊び

の動線が他の遊びの動線とクロスしないで

すっきりしているか、と考えていきます。

 今現在、0歳児(3人)の部屋には、だ

いたい40種類ぐらい、1・2歳児(12~14

人)の部屋には90種類ぐらいの玩具があり

ます。ままごと遊び、見立て遊び、構造的

遊び、探索遊び、机上遊び、機能運動遊び、

操作練習遊びなど、子どもたちが様々な興

味関心、また機能を発揮して遊べるように

工夫しています。

 答えは一つではありません。そこにいる

子どもたちが教えてくれます。子どもたち

は、その時、それぞれにとって発達を即す

必要があることを楽しいと感じるようです。

小さい子が狭い場所が好きなのは、その時

期自分の身体を認識する時で、そのために

狭いところに入ることが大好きであったり、

また、たくさんの量のものを抱えることに

よって量の概念を遊びの中で体験して学ん

でいるのです。「遊ぶことは子どもにとっ

て学ぶことである」といわれています。そ

の遊びを守り、保障することは、子どもた

ちの自発的な学びを保障し、支えることと

イコールです。

3

“充分な量”とは?

 日本では、1歳児の頃、噛みつく時期が

あるということが常識のようになっていま

すが、この充分の量の玩具が準備され、そ

れぞれの遊びを守られた環境が整うと、結

果として噛みつきは殆ど起こらなくなりま

す。では、“充分な量”ってどんな量なの?

と疑問が湧いてくるでしょう。

 私は、量や種類など様々なものが充実し

た遊びの環境とは、そこにいる全員の子ど

もが夢中になって遊んでいる姿を見せてく

れる時、その時点で充分な量と種類の遊び

の環境が整っているということだと考えて

います。つまり、子どもの姿に答えがある

ということです。

 整え始める時、一応の基準として、人形、

ボール、車、バッグなど、子どもの人数分

整えたほうがよいということで、とりあえ

ず増やしていきました。同時に、発達に合っ

た玩具といった視点で整えていくのですが、

一体何がよいのかと思案してばかりいては

●1歳児、12人のクラス。1人に1体の人形を準備しています

65 保育通信■No. 761 2018. 8. 1.

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なかなか先に進めません。まず一歩踏み出

して、いろいろ出してみたらよいと思いま

す。そして、何で遊ぶかは子どもたちが選

んでくれます。その様子を見て、さらに工

夫をしていけばいいと思います。

 教科書にある発達の理論に合わせて準備

しても、全員が興味を持って遊べるとは限

らないようです。私の園でも、海外の評価

スケールに示されているとおりに遊びの環

境を整えてみたことがありますが、なぜか

子どもたちは遊んでくれませんでした。ど

うしてだろうと考えて先述のような視点で

整え直してみたら、同じものである状況に

もかかわらず、とたんによく遊ぶ姿を見る

ことができました。物的環境が整っても、

ちょっとしたことで遊んだり遊ばなかった

りします。やはり大事なことは、当たり前

のことですが、子どもにとってどうかとい

う視点です。

4

くつろげることで

 また、子どもにとってどうかと考える時、

その子にとっての居場所があるか、という

ことが大事なことです。

 居場所…。乳児の場合でも人数分の机と

椅子があり、そこに子どもの個別に決まっ

ているシールが貼ってあったりします。「一

人ひとり、ちゃんと決まった椅子と机があ

るでしょ。ここが居場所です」と考えてい

る園もあるかと思います。でも、もし大人

のあなたが「この堅い木の机と椅子があな

たの居場所です」といわれたらどうでしょ

うか。私は「嫌だな」と思います。

 大人の勤務時間より長い時間を、小さい

子どもたちはそこですごすのです。居場所

というのは、安心してくつろいでいられる

ところ、疲れたら休んで、元気になったら

また遊んで…、そうしたことが保障されて

いるところではないでしょうか。

 そう考えると、遊びの環境を整えると同

時に、子どもにとって、ほっとくつろげる

場所が部屋にあるでしょうか。見てみてく

ださい。

 私の園では、各部屋にソファーと、もう

一か所にクッションとかミニソファーを置

いて、いつでも自由に休憩できるところを

作っています。見ていると、子どもたちは

疲れたらそこでゴロゴロし、元気が出たら

また遊び出したりしているようです。

 多くの園では家庭的な保育を大事にして

いると思いますが、子どもたちにとってく

つろげることを、基本的に大事にしなけれ

ばならないことです。

5

部屋の整理整頓と片づけ

 遊びの環境、くつろげる物的環境、部屋

全体の色の調和、香りとか空気感…、そん

なことも大事なことだと考えています。

 しかし皆さん、そうしたことを整える前

に、まずは部屋の整理整頓と片づけをする

必要があります。環境を整える前に、いつ

からあるかわからないもの、なぜここにあ

るのかわからないもの、確かに使うことは

あるけれど、1年に1、2回しか使わない

ものなどを処分する、もしくはあるべきと

ころに片づけてみてください。この機会に、

見えないところの整頓もしてみてください。

●1歳児クラスの玩具。子どもが目で見て選び、取り出しやすいように、日常的に整理しています

66保育通信■No. 761 2018. 8. 1.