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25
信号処理 13回講義 2 今日学習する事項 離散時間システム(第5章) 伝達関数の周波数特性の補足(5.4節) 離散時間システムの安定性(5.5節) フィルタの種類と特性(5.6) 課題7「ブロック線図と伝達関数」の出題

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信号処理

第13回講義

2

今日学習する事項

離散時間システム(第5章)

伝達関数の周波数特性の補足(5.4節)

離散時間システムの安定性(5.5節)

フィルタの種類と特性(5.6節)

課題7「ブロック線図と伝達関数」の出題

5.4節周波数特性の補足(P73)

4

振幅特性と、零点・極の関係のまとめ(表5.2, p71)

Im

10Re

1

Im

10Re

1

Im

10Re

1

Im

10Re

1

(零点)

je1

1

(極)

が複素数(虚部正)

が複素数(虚部負)

が実数(実部正)

が実数(実部負)

0 0 0 0

0 0 0 0

je1

5

振幅特性のデシベル表示 (p72 コラム9)

dB0

dB2010/1

dB2010

log20log20

)dB(log10

1

2

1

2

1

2

21

同一電圧

の電圧比

倍の電圧比例

するので、その2乗が電力に相当ただし、電流、電圧は

「デシベル」

の比を表現する単位に対する電力基準電力

I

I

V

V

P

P

PP

振幅特性|H(z)|の表示方法として、(dB)が良く用いられる

6

振幅特性 |H()| のデシベル表現 (p68)

和として表現される。表示された振幅特性の各項の

式伝達関数のゲイン・零点・極形表示は、式の振幅特性の

            

表示するとを振幅特性

dB

)43.5(d

1log201log20

log20

111

111log20log20

dB

110

110

010

21

2101010

BzH

ee

b

eee

eeebzH

zH

ji

N

i

ji

M

i

jN

jj

jM

jj

ez

ez

j

j

(5.38)

表5.3, 5.4 のdB表示振幅特性を参照のこと

極ゼロ点

7-1 -0.5 0 0.50

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

振幅

振幅応答

例題 零点・極と振幅特性の概形表示

の振幅特性を図示せよ14/14/3 11 zezezH jj

に関して左右対称形で最小値をもち、 )より、 (表

、極なし。  零点

04

P733.5

,,1 4/*12

4/10

jj eeb

振幅特性

-1 -0.5 0 0.5-40

-30

-20

-10

0

10

20

振幅

(dB

)

振幅応答 (dB)

振幅特性(dB)

8-1 -0.5 0 0.50

1

2

3

4

x 1015

振幅

振幅応答

-1 -0.5 0 0.5

0

50

100

150

200

250

300

振幅

(dB

)

振幅応答 (dB)

例題 零点・極と振幅特性の概形表示

の振幅特性を図示せよ14/314/34

11

1

zeze

zHjj

に関して左右対称形で最大値をもち、 より、 表

。  零点なし。 極

04

34.5

,,1 4/3*12

4/310

jj eeb

振幅特性

振幅特性(dB)

9

振幅特性と、零点・極の関係のまとめ(表5.2, p71)

Im

10Re

1

Im

10Re

1

Im

10Re

1

Im

10Re

1

(零点)

je1

1

(極)

が複素数(虚部正)

が複素数(虚部負)

が実数(実部正)

が実数(実部負)

0 0 0 0

0 0 0 0

je1

10

「p68 演習16: 伝達関数の振幅スペクトル」

表5.3, 5.4を参考にして、下記の零点と極をもつ伝達関数の振幅特性の概形を図示せよ。

ただし、最小値・最大値の具体値は図示しなくて良い。

-1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5

-1

-0.5

0

0.5

1

実部

虚部

Pole/Zero Plot

極・零点プロット

○ 零点

× 極

11

解答

-1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5

-1

-0.5

0

0.5

1

実部

虚部

Pole/Zero Plot

零点のみに対応した振幅特性と、極のみに対応した振幅特性に分けて考え、それらの積(dB表現では和)として考える。

-1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

実部

虚部 2

Pole/Zero Plot

-1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

実部

虚部 2

Pole/Zero Plot

零点のみ

極のみ

極平面1

2

1

2

12-1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8

0

50

100

150

200

250

300

正規化周波数 ( ラジアン/サンプル)

振幅

(dB

)

振幅応答 (dB)

演習問題12 解答つづき

-1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

実部

虚部 2

Pole/Zero Plot

-1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

実部

虚部 2

Pole/Zero Plot

零点のみ

極のみ

-1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8-40

-30

-20

-10

0

10

20

正規化周波数 ( ラジアン/サンプル)

振幅

(dB

)

振幅応答 (dB)

振幅特性 (dB表示)

表5.3

-

表5.4

-

-

arg1

arg2 arg1

1

2

arg1arg1

1

arg1

2

arg2 arg1

arg1 arg1

13-1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8

0

50

100

150

200

250

300

正規化周波数 ( ラジアン/サンプル)

振幅

(dB

)

振幅応答 (dB)

-1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8-40

-30

-20

-10

0

10

20

正規化周波数 ( ラジアン/サンプル)

振幅

(dB

)

振幅応答 (dB)

演習問題12 解答つづき

零点のみ

極のみ

振幅特性 (dB表示)

-

-

振幅特性 (dB表示)

-1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8

-50

0

50

100

150

200

250

300

正規化周波数 ( ラジアン/サンプル)振

幅 (

dB)

振幅応答 (dB)

-

arg1 arg1

arg1arg1

5.5節離散時間システムの安定性(P77)

15

nx ny

システムの安定性

入力信号 線形時不変システム

h[n]

出力信号

システムは、実際にソフトウエアやハードウエアで実現できなければならない。

実現可能な条件

(1) 実際に入力信号が入ってから、出力が出てくること→ システムが「因果的 (causal)」であること

(2) 有限な入力に対して、出力が発散しない(無限大にならない)こと

→ システムが「安定 (stable)」であること。

インパルス応答

16

nx ny

システムの安定性

入力信号 線形時不変システム

h[n]

出力信号

任意の有界な入力(bonded input)をシステムに加えたとき、有界な出力(bounded output)が得られる。⇔ システムは「BIBO安定」、「入出力安定」、「安定」

入力信号が有界

出力信号が有界

システムが安定であるためには、システムのインパルス応答h[n] がどのような条件を満たす必要があるか?

インパルス応答

が存在 となる最大値 に対し全ての xx BBnxn

が存在となる最大値 に対し全ての yy BBnyn

有界有界 有界有界

教科書の式の一部訂正

P77,式(5.53), (5.54)

「すなわち信号x[n] が有界であることは,

|x[n]| ≦ Bx ( Bx: 上界) (5.53)

で表されるので,この式を満足する信号x[n]をシステムに入力して得られる出力信号y[n]が,

|y[n]| ≦ By ( By: 上界) (5.54)

を満足するとき,そのシステムは安定であるという.」

17

18

システムの安定性条件(1)

2121

00

0

3

57.5

55.5

zzzz

knxkhknxkhny

ny

knxkhny

kk

k

角不等式 

は、ムって、出力信号のノルで与えられる。  従

とのたたみ込みより

ス応答とシステムのインパル出力信号は、入力信号

19

システムの安定性条件(2)

 が「絶対加算可能」)(

式を満たせばよい。が、インパルス応答

式より、が成立すれば良いため

に対しとなるには、全てのシステムの出力が安定

)へ代入すると、よって、これを

条件から入力信号が有界である

60.5

)60.5(][

)59.5(

59.5

57.5(

58.5

0

00

khkh

nh

Bny

n

khBknxkhny

Bnx

k

y

kx

k

x

20

システムの安定性条件(3)

0lim

][

0

nh

khkh

nh

n

k

 

なおすこともできる。もしくは、次式に書き

る)対値総和が有限値であ(インパルス応答の絶

が「絶対加算可能」)(

満たすことである。

が次式をインパルス応答必要十分条件は、その

めのステムが安定であるた離散時間線形時不変シ

21

例題1 (システムの安定性条件)

定ではない。従って、システムは安

。 は絶対加算可能でない

すると、式の安定性条件を計算

kh

kukhkk

111

)60.5(

00

問題: インパルス応答が、 h[n] = u[n] ( u[n] : 単位

ステップ信号) であるシステムの安定性を調べよ。

22

例題2 (システムの安定性条件)

ある。このシステムは安定で

なので、絶対加算可能は有限値 )(0

k

kh

問題: 下図に示したインパルス応答 h[n] をもつ、離

散時間線形時不変システムの安定性を調べよ。

n0 1 2 3 4 5 6-1-2

h[n]

7 8 9

………………

23

伝達関数の極を用いたシステムの安定性判別(1)

)60.5(0

k

kh

インパルス応答 h[n]を用いた、システムの安定性判別

→ インパルス応答h[k]の無限和計算が必要なため、複雑

より簡単な安定性判別

z変換領域での、伝達関数 H(z)の「極」を用いることで、無限和の計算なしに,安定性判別が可能

24

伝達関数の極を用いたシステムの安定性判別(2)

64.5

63.5111

47

62.5111

61.5

22110

112

21

1

10

112

11

22

110

22

110

22

110

nNN

nn

N

N

i

N

MM

NN

MM

qqqnqnh

nh

zH

z

q

z

q

z

qqzH

zH

zzz

zbzbzbb

zazazaa

zbzbzbbzH

は、

応答に対応するインパルスとにより、各項を逆z変換するこ

を極とするとすることにより、の方法で部分分数展開を

以下のように置く。伝達関数を

P

25

伝達関数の極を用いたシステムの安定性判別(3)

ない」に存在しなければなら

まない)円内(ただし境界を含 複素平面の上の単位

が、全ての極の分母の全ての根伝達関数「

定であるにはなわち、システムが安である必要がある。す

が成立するには、に対して任意のは複素数であるため、

等比数列の和の定義)良いため(内の各項が0になれば右辺

、合十分時間が経過した場に対して上式が成立するには、

る安定性条件より、インパルス応答に対す

NizH

Ni

q

Niq

n

qqqnqnh

i

i

ii

nii

n

n

nNN

nn

n

,,2,1)(

67.5,,2,11

)66.5(

66.5,,2,10lim

)(

65.50

221100

重要!

26

伝達関数の極を用いたシステムの安定性判別(4)

-1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

実部

虚部

Pole/Zero Plot

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

Samples

Impulse Response

Am

plit

ude

-1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

実部

虚部

Pole/Zero Plot

0 10 20 30 40 50 60 70 80 900.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

1.1

1.2

1.3

1.4

1.5

Samples

Am

plit

ude

Impulse Response

-1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5

-1

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

実部

虚部

Pole/Zero Plot

0 10 20 30 40 50 60 70

0

1

2

3

4

5

6

7

x 105

Samples

Impulse Response

Am

plit

ude

の極配置11

1

z

zH nhインパルス応答

1

1

1

安定

不安定

不安定

極1-1

1-1

1-1

27

システム特性の表現と安定性判定条件

離散時間フーリエ変換・逆変換

時間領域

knxkhnyk

Z変換領域

zXzHzY

周波数領域

jjj eXeHeY

伝達関数

インパルス応答

周波数特性z = e jZ変換

0k

kh

安定性条件

単位円内に存在

複素平面上の

の全ての極が

安定性条件

zH

インパルス応答が絶対加算可能

5.6フィルタの種類と特性

29

nx ny

デジタルフィルタ

入力信号デジタルフィルタ

出力信号

フィルタ(filter): 様々な信号の中から、所望の信号のみを取り出すシステム

用途: 雑音除去、 信号の帯域制限

構成: デジタル加算器、乗算器、遅延器を用いて実現可能

30

デジタルフィルタの分類

フィルタのインパルス応答の違いに基づく分類(P77 コラム09)

IIR(無限インパルス応答)フィルタ

FIR (有限インパルス応答)フィルタ

フィルタの周波数特性(振幅特性)に基づく分類 (P81 表5.6-7)

低域通過(Low Pass)フィルタ (LPF)

帯域通過(Band Pass)フィルタ(BPF)

高域通過(High Pass)フィルタ(HPF)

帯域阻止フィルタ(Band Elimination)フィルタ(BEF)

31

FIRフィルタとIIRフィルタ (P77)

IIR(無限インパルス応答)フィルタ

フィルタが無限個のインパルス応答をもつ(応答が無限継続)

例:伝達関数が (p76 演習16 (3)) 12

4.01

1

z

zH

フィルタをもつフィルタは、伝達関数

答無限個のインパルス応よって、

は、ンパルス応答のz変換対表から、イ

なのでス応答の逆z変換がインパル

IIR

4.0][

4.0

][ P52

][4.01

1

2

2

12

zH

nh

zH

nh

nhz

zH

n

n

1-Z

32

FIRフィルタとIIRフィルタ (P77)

FIR(有限インパルス応答)フィルタ

フィルタが有限個のインパルス応答をもつ(応答が有限)

例:伝達関数が (p76 演習16 (3)) 11 4.01 zzH

フィルタをもつフィルタは、伝達関数

応答をもつ。は有限個のインパルス従って、このフィルタ

との係数比較より、変換式と

なのでス応答の逆z変換がインパル

FIR

4.0]1[,1]0[

][4.01

1

1

11

zH

hhzHz

nhzzH

フィルタ演算のたたみ込み表現

33

nx ny入力信号デジタルフィルタ

出力信号

nh インパルス応答

とも表せる

はの定理を用いると,式のたたみ込みのZ変換

(たたみ込み)より関係は,式フィルタ演算の入出力

0

0

)19.5(44

)19.5(

)19.5(

k

k

khknxny

p

knhkxny

現在の出力y[n]は,インパルス応答h[n]と,現在までの入力x[n]との積和で表せる.

FIRフィルタとIIRフィルタの違い

FIRフィルタフィルタのインパルス応答h[n]: 有限時間で終わる

入出力関係(入力とh[n] とのたたみ込み 式(5.19))

IIRフィルタフィルタのインパルス応答h[n]: 無限時間つづく

入出力関係

34

N

k

khknxny0

0k

nhknxny

FIRフィルタの例

3点移動平均法(ローパスフィルタの一種)

35

3322110

033

12

3

11

3

1

213

1

hnxhnxhnxhnx

nxnxnxnx

nxnxnxny

043,3

12,

3

11,

3

10 hhhhh

法のインパルス応答はよって 3点移動平均

確かにFIRフィルタ

3点移動平均法の処理結果

36

nx ny入力信号

3点移動平均

フィルタ(FIR)

出力信号

3

12,

3

11,

3

10 hhh有限インパルス応答

nh

高周波成分が抑制

3

1

n0 1 2 3 4 5 6

37

j

j

jNjNj

jjj

j

jjj

eH

e

eee

eee

e

eeeH

zzzH

ZzH

arg,2sin3

23sin

2sin

23sin

3

1

3

1

1

1

3

11

3

1)(

13

1)(

,)(

2/2/2/

2/32/32/3

32

21

位相特性振幅特性

よって,

は,フィルタの周波数特性

変換よりはフィルタの伝達関数

がωの一次式=「線形位相フィルタ」

3点平均フィルタの周波数特性

3点平均フィルタの周波数特性

38

213

13 nxnxnxny点移動平均フィルタ 

位相特性

0 0.5 1 1.5

-0.2

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

正規化周波数 ( ラジアン/サンプル)

振幅

ゼロ位相応答振幅特性

0 0.5 1 1.5

-2

-1

0

1

2

正規化周波数 ( ラジアン/サンプル)

位相

(ラシ

゙アン)

Phase Response

通過域

Low Pass Filter 線形位相特性

特性評価範囲

ω=0 ω=π

IIRフィルタの例

積分器(フィードバックをもつフィルタ)

39

1 nynxny

確かにIIRフィルタ

ny nx

1z

++

1210

11

11

1

1

211

1

1

1

hhh

zzz

zXz

zY

zXzYz

zYzzXzY

インパルス応答は 

伝達関数は,

40

FIRフィルタとIIRフィルタの比較

FIRフィルタ IIRフィルタ

安定性 常に安定安定とはなら

ない場合がある.

伝達関数の次数

高い 低い

実現方法有限個の遅延器、乗算器、加算器で実現可能

フィードバックをもつ有限個の要素で実現可能

線形位相特性

完全に実現可能

実現が困難

線形位相特性: 遅延時間は周波数によらず一定=遅延しても波形形状は保存

41

フィルタの周波数特性(振幅特性)に基づく分類

特性 フィルタ名称

通過周波数帯域を基準とした場合

除去周波数帯域を基準とした場合

低域通過フィルタ

(Low Pass Filter, LPF)

高域除去フィルタ

(High Cut Filter,

HCF)

帯域通過フィルタ

(Band Pass Filter, BPF)

帯域除去フィルタ

(Band Elimination Filter,

BEF)

高域通過フィルタ

(High Pass Filter, HPF)

低域除去フィルタ

(Low Cut Filter,

LCF)

周波数

振幅

振幅

周波数

振幅

周波数

42

フィルタ特性を表す各部名称

周波数

振幅

低域通過フィルタ

阻止域

通過域

遷移域

通過域カットオフ周波数

阻止域カットオフ周波数

周波数

振幅

高域通過フィルタ

阻止域

通過域

遷移域

通過域カットオフ周波数

阻止域カットオフ周波数

減衰量

実際は、このような完全に直線的な周波数特性をもつフィルタは実現できない。

理想フィルタと実際のフィルタの周波数特性

理想フィルタの周波数特性1. 通過域の振幅値は一定

2. 阻止域の振幅値はゼロ

3. 通過域から阻止域に特性が不連続に変化

4. 直線位相特性をもつ

43周波数

振幅

阻止域

通過域

通過域カットオフ周波数=阻止域カットオフ周波数

0周波数

位相

0

直線位相特性

FIRフィルタで実現可能

実現不可能

理想低域通過フィルタ位相が遅れてもフィルタ出力の

波形が歪まない条件

実際のフィルタの周波数特性1. 通過域の振幅値は一定でなく,通過域誤差 dp をもつ.

2. 阻止域の振幅値はゼロでなく,阻止域誤差 dd をもつ.

3. 通過域と阻止域の間に遷移域をもつ.

周波数

振幅

阻止域通過域

遷移域

通過域カットオフ

周波数c阻止域カットオフ

周波数r

1

0

dp

dd

45

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000

-70

-60

-50

-40

-30

-20

-10

0

Frequency (Hz)

Magnitude (

dB

)

Order 22 FIR Filter designed with FIRLS

実際のフィルタの周波数特性例(1)(22次 線形位相 有限インパルス応答 (FIRLS)フィルタ)

通過域カットオフ周波数 = 500Hz

阻止域カットオフ周波数 = 600Hz

通過域カットオフ周波数 = 500Hz

阻止域カットオフ周波数 = 600Hz通過域: 特性が比較的平坦

阻止域: 特性が減衰、かつ大きなリップル(振動波形)が存在

阻止域ゲインは,通過域に比べ,ー50dB

≒ 1 / 316

46

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000

-70

-60

-50

-40

-30

-20

-10

0

Frequency (Hz)

Mag

nitude

(dB

)

Order 10 Butterworth IIR Filter

実際のフィルタの周波数特性例(2)(10次 バターワースフィルタ)

通過域カットオフ周波数 = 500Hz

阻止域カットオフ周波数 = 600Hz

通過域カットオフ周波数 = 500Hz

阻止域カットオフ周波数 = 600Hz

通過域: 特性が可能な限り平坦

阻止域: 特性が減衰

リップル(振動波形)は存在せず。

で等間隔に分布間隔

の間でから、

に、位相角は、左半面の単位円上

の伝達関数次バターワース

n

nn

z

nkjz

zz

czH

zHn

k

k

n

kk

n

n

/

2/2/32/2/

2

/121exp

)(

LPF

1

0

47

低域通過フィルタの例(P79 演習19 (2))

問題: 次のIIRフィルタ H2(z)が、低域通過フィルタであることを確認せよ。

12

5.01

5.0

z

zH

cos25.1

5.0

sin5.0cos5.01

5.0

sin5.0cos5.01

5.0

5.01

5.0

5.01

5.0

222

2

112

H

jeH

ezz

zH

j

j

従って振幅特性は、

を代入すると、にの

め周波数特性を求めるた

48

低域通過フィルタの例(P84 演習15 (2))

12

5.01

5.0

z

zH

cos25.1

5.02

H

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9

-10

-9

-8

-7

-6

-5

-4

-3

-2

-1

0

正規化周波数 ( ラジアン/サンプル)

振幅

(dB

)

振幅応答 (dB)左の振幅特性より

周波数が高くなると減衰する特性をもつため、低域通過フィルタである。

振幅特性

2H

正規化角周波数 0

z = e j より得られる周波数特性で使われる「周波数」は,正確には「正規化角周波数」

特性で評価すべき正規化角

周波数の範囲は 0 ~ のみ.(理由は補足で説明)

49

課題7「ブロック線図と伝達関数」P57 演習14(b)に示すブロック線図をもつ離散時間システムの伝達関数を求めなさい.

)(zX

1z

)(zY

1

1 0.5

)(1 zX

終了

50