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消防車両進入路及び消防活動用空地の設置に係る指導基準 令和元年8月16日制定 第1 主旨 この基準は、中高層建築物(地階を除く階数が3以上の建築物をいう。)また は、地階を除く階数が3未満であっても消防活動上必要と認められる建築物に対 するはしご車等の進入路及び消防活動に必要な空地の設置の指導に関して、必要 な事項を定める。 第2 消防車両進入路 消防車両進入路(以下「進入路」という。)は、はしご車の運行が容易にでき るものとし、幅員、隅切り、路盤等の基準は、次によること。 1 進入路の周辺部分には、はしご車の運行の障害となる門、塀、電柱、架線、 植栽、看板等の障害要因が存在しないこと。 2 進入路の有効幅員は、6m以上確保すること。 3 進入路の、勾配については15%未満であること。また、段差については、 10cm未満であること。 なお、勾配のある進入路上の段差は、その状況に応じ決定するものであるこ と。 4 進入路の屈曲又は交差部分には、幅員に応じた隅切りを設けるものとし、図 -1によること。 ただし、この場合において、はしご車のバックミラー、ステップ、バスケッ ト、タイヤ等の張出しによる1m以上の余裕幅を進入路両側に設定すること。 5 進入路は、最大総重量21tのはしご車の走行に耐えられる構造とし、かつ、 路面はセメントコンクリート舗装または、アスファルトコンクリート舗装等と すること。また、進入路にある側溝蓋等の耐圧にも配慮すること。 6 進入路の地下には、原則として、マンホール等工作物を埋設しないこと。 7 進入路には、くぐりを設けないこと。ただし、くぐりの高さが4.5m以上 となる場合は、この限りでない。 8 進入路は、駐車禁止とすること。 - 1 -

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Page 1: 01【令和元年】消防車両進入路及び消防活動用空地の設置に係る … · 1 進入路の周辺部分には、はしご車の運行の障害となる門、塀、電柱、架線、

◎消防車両進入路及び消防活動用空地の設置に係る指導基準

令和元年8月16日制定

第1 主旨

この基準は、中高層建築物(地階を除く階数が3以上の建築物をいう。)また

は、地階を除く階数が3未満であっても消防活動上必要と認められる建築物に対

するはしご車等の進入路及び消防活動に必要な空地の設置の指導に関して、必要

な事項を定める。

第2 消防車両進入路

消防車両進入路(以下「進入路」という。)は、はしご車の運行が容易にでき

るものとし、幅員、隅切り、路盤等の基準は、次によること。

1 進入路の周辺部分には、はしご車の運行の障害となる門、塀、電柱、架線、

植栽、看板等の障害要因が存在しないこと。

2 進入路の有効幅員は、6m以上確保すること。

3 進入路の、勾配については15%未満であること。また、段差については、

10cm未満であること。

なお、勾配のある進入路上の段差は、その状況に応じ決定するものであるこ

と。

4 進入路の屈曲又は交差部分には、幅員に応じた隅切りを設けるものとし、図

-1によること。

ただし、この場合において、はしご車のバックミラー、ステップ、バスケッ

ト、タイヤ等の張出しによる1m以上の余裕幅を進入路両側に設定すること。

5 進入路は、最大総重量21tのはしご車の走行に耐えられる構造とし、かつ、

路面はセメントコンクリート舗装または、アスファルトコンクリート舗装等と

すること。また、進入路にある側溝蓋等の耐圧にも配慮すること。

6 進入路の地下には、原則として、マンホール等工作物を埋設しないこと。

7 進入路には、くぐりを設けないこと。ただし、くぐりの高さが4.5m以上

となる場合は、この限りでない。

8 進入路は、駐車禁止とすること。

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Page 2: 01【令和元年】消防車両進入路及び消防活動用空地の設置に係る … · 1 進入路の周辺部分には、はしご車の運行の障害となる門、塀、電柱、架線、

第3 消防活動用空地

消防活動用空地(以下「空地」という。)は、はしご車等の操作等が容易にで

きるものとし、次によること。

1 空地は、原則として、バルコニー側、有効な開口部(建築基準法施行令に基

づき設けられた非常用進入口)側に設置することとし、40m以内ごとに、か

つ有効に活動できる位置に確保すること。

2 空地は当該建築物に平行して幅6m以上、長さ12m以上とし、図-2に示

す「消防活動用空地配置図」に基づいて確保すること。ただし、建築物の構造

が二方向避難(特定共同住宅等における防火安全性能を有する消防の用に供す

る設備等に関する省令の適用を受ける共同住宅)に該当するなど、消防活動上

支障がないと認められる場合は、この限りではない。

3 空地の勾配は、10%以下とし、段差がないものとすること。

4 空地の構造は、進入路の構造に準じ、最大総重量21tに耐えうる構造とす

ること。ただし、セメントコンクリート舗装または、アスファルトコンクリー

ト舗装以外のもので施工しようとするときは、これらと同等以上の強度を立証

できる設計計算書等により、消防本部と協議のうえ設置すること。

5 空地は、据え付けたはしご車のターンテーブルの中心から、建物壁面までの

水平距離が10m以下となるように設けること。

6 水平使用範囲及び旋回使用範囲は図-3及び図-4によるものとする。

7 空地及び保有空地の上空には、はしご車のはしご伸てい及び旋回に支障とな

る架線や看板等の障害物を設けないこと。

8 空地を自己管理地内に確保する場合には駐停車禁止とし、原則として、黄色

等の溶着ペイントによる路面表示と併せ、中央空間部分に「消防活動用空地」

と記入すること。(※中央空間部分に文字を記入しない場合は、ゼブラ塗装と

標識を設置すること。)また、公設道路を空地として活用する場合は、自己管

理地内へ標識等を、それぞれ40m以内に1箇所以上設置し、駐車車両等によ

り消防活動に支障がないよう周知する。(図-5)

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隅切り表

道路幅(m) 隅切り(m)

進入路 W in 退出路 W out 進入路 C in 退出路 C out

5.0 5.0 1.3 2.6 6.0 0.6 1.6 7.0 0.2 0.6

6.0 5.0 0.3 0.4

W in

W out

C in

C out

図-1

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消防活動用空地配置図 ・原則として、必要な数の消防活動用空地を設置する。

建 築 物 40m以内 40m以内

40m以内 ターンテーブルの中心か

ら壁面まで10m以内

消防活動用空地

6m以上

12m以上

図-2

※ 建築物の構造が二方向避難(特定共同住宅等における防火安全性能を有する

消防の用に供する設備等に関する省令の適用を受ける共同住宅)に該当するな

ど、消防活動上支障がないと認められる場合は、この限りではない。

40m以内 40m以内

40m以内

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図-3

水平使用範囲

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図-4

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消防活動用空地

図-5

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参 考(木更津はしご1)

高さ 3.6m

長さ10.7m

車両総重量 20.72t

はしご車上部

幅 2.49m

車両後部からターンテーブル中心まで 2.15m

アウトリガー全張出し(後部) 5.00m

はしご車後部

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