1 31 年3月 25 午後3時 30 -...

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1 公立学校共済組合運営審議会議事録(要旨) 1 日 時 平成 31 年3月 25 日(月) 午後3時 30 分から5時 30 分まで 2 場 所 公立学校共済組合本部事務所 3 出 席 者 中井敬三(代理 浅野直樹)、米田進(代理 太田政和)、田中新太郎 (代理 荒木浩一)、吉田育弘(代理 松山広幸)、鍵本芳明(代理 石井美由紀)、美馬持仁(代理 吉田崇)、白水敏光(代理 藤﨑孝史)、 大橋由紀子、小川敦聖、塩崎考江、岩埜理恵子、井坂功一、堀場健二、 原井和彦 の各委員 4 議 題 (1)平成 31 年度事業計画及び予算について (2)公立学校共済組合定款及び運営規則の一部変更について 5 報告事項 (1)平成 29 年度決算資料の訂正について (2)平成 30 年度第3四半期における年金積立金の運用状況について (3)毎月勤労統計調査に係る育児休業手当金及び介護休業手当金の追加 給付への対応状況について (4)宿泊事業運営要綱について (5)近畿中央病院再開発事業の進捗状況について(伊丹市との協議の進 め方) (6)中核病院のあり方協議会について(四国中央病院関係) 6 議 (1)会長代理あいさつ 委員の皆様には、年度末のお忙しいところお集まりいただき、誠にありがとうござ います。また、日頃から共済組合の運営に御尽力いただいていることに感謝申し上げ ます。 本日の主な議題は、「平成 31 年度事業計画及び予算」です。この他に報告事項が6 点です。 さて、我が国では、少子高齢化や人口減少が急速に進展しており、持続可能な社会 保障制度の構築が喫緊の課題となっております。当共済組合も、長期的には組合員数 が減少し、年金受給者が増加するという厳しい環境に置かれており、従来にも増して、 各事業を効果的かつ効率的に運営する必要があります。 私ども運営審議会においても、委員の皆様のお知恵をいただきながら、当共済組合 の事業運営が組合員や年金受給者の皆様の期待に十分応えられるよう、尽力してまい りたいと思います。委員の皆様には忌憚のない御意見をいただきますよう、よろしく お願い申し上げます。 それでは、理事長から御挨拶をお願いします。

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Page 1: 1 31 年3月 25 午後3時 30 - kouritu.or.jp...今年度から法定義務である特定健康診査・特定保健指導に係る医療保険者の責任を明 確化するため、全ての医療保険者の実施率が公表されることになります。30年度から

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公立学校共済組合運営審議会議事録(要旨)

1 日 時 平成 31年3月 25日(月) 午後3時 30分から5時 30分まで

2 場 所 公立学校共済組合本部事務所

3 出 席 者 中井敬三(代理 浅野直樹)、米田進(代理 太田政和)、田中新太郎

(代理 荒木浩一)、吉田育弘(代理 松山広幸)、鍵本芳明(代理

石井美由紀)、美馬持仁(代理 吉田崇)、白水敏光(代理 藤﨑孝史)、

大橋由紀子、小川敦聖、塩崎考江、岩埜理恵子、井坂功一、堀場健二、

原井和彦 の各委員

4 議 題 (1)平成 31年度事業計画及び予算について

(2)公立学校共済組合定款及び運営規則の一部変更について

5 報告事項 (1)平成 29年度決算資料の訂正について

(2)平成 30年度第3四半期における年金積立金の運用状況について

(3)毎月勤労統計調査に係る育児休業手当金及び介護休業手当金の追加

給付への対応状況について

(4)宿泊事業運営要綱について

(5)近畿中央病院再開発事業の進捗状況について(伊丹市との協議の進

め方)

(6)中核病院のあり方協議会について(四国中央病院関係)

6 議 事

(1)会長代理あいさつ

委員の皆様には、年度末のお忙しいところお集まりいただき、誠にありがとうござ

います。また、日頃から共済組合の運営に御尽力いただいていることに感謝申し上げ

ます。

本日の主な議題は、「平成 31年度事業計画及び予算」です。この他に報告事項が6

点です。

さて、我が国では、少子高齢化や人口減少が急速に進展しており、持続可能な社会

保障制度の構築が喫緊の課題となっております。当共済組合も、長期的には組合員数

が減少し、年金受給者が増加するという厳しい環境に置かれており、従来にも増して、

各事業を効果的かつ効率的に運営する必要があります。

私ども運営審議会においても、委員の皆様のお知恵をいただきながら、当共済組合

の事業運営が組合員や年金受給者の皆様の期待に十分応えられるよう、尽力してまい

りたいと思います。委員の皆様には忌憚のない御意見をいただきますよう、よろしく

お願い申し上げます。

それでは、理事長から御挨拶をお願いします。

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(2)理事長あいさつ

本日は、年度末のお忙しい中、運営審議会に御出席いただき、誠にありがとうござ

います。また、日頃から当共済組合の事業運営に御理解、御協力をいただいており、

厚く御礼申し上げます。

さて、本日御審議いただきます「平成 31年度事業計画及び予算」については、各事

業について精査して積み上げた数値を基に資料を御用意しました。詳細は後ほど各担

当から御説明しますが、私からは、31年度に向けた各事業の概要について簡単にお話

しします。

短期給付事業についてです。31 年度の短期給付に係る財源率は、本年1月 22 日に

開催した運営審議会で御承認をいただき、本年4月から2‰の引下げとなりました。

今後、32年4月施行予定の会計年度任用職員制度の導入に伴う組合員数の増加が見込

まれますが、新たに組合員となる人数やその年齢構成など収支に影響する内容を精査

していく必要があります。また、今後、団塊の世代が順次、後期高齢者となることか

ら、中長期的には拠出金額の増加が見込まれます。引き続き、中期的な視点に立った

財政状況の分析・検証を行い、安定的な事業運営に努めてまいります。

なお、毎月勤労統計調査に係る育児休業手当金及び介護休業手当金の追加給付によ

る影響や当共済組合の対応状況については、後ほど、資料に基づき担当から御説明し

ます。

長期給付事業についてです。31年度の年金額は、名目手取り賃金変動率が 0.6%の

増加、マクロ経済スライドによるスライド調整率が 0.5%の減少であったことから、

31年4月からの年金額が 0.1%増額となる改定が行われます。年金受給者や組合員の

皆様には、引き続き、ホームページや共済フォーラム、年金フォーラムを通じて情報

をしっかりお伝えしてまいります。

また、30年度の年金積立金の運用については、昨年 10月から 12月までの第3四半

期の運用実績は内外株式の大幅な下落により、時価ベースの収益率は大変厳しい結果

となりました。本年に入り株価は回復基調となっていますが、当面、不安定な動きが

続く可能性があります。年金積立金の運用については、株式等のリスク資産の割合は

低めを維持し、慎重なスタンスを継続しています。引き続き、投資環境の変化に留意

しつつ、安全かつ効率的な運用に努めてまいります。詳細は、後ほど担当から御説明

します。

保健事業については、本年1月 25日の中央教育審議会において、「新しい時代の教

育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に

関する総合的な方策について(答申)」が取りまとめられました。今後、学校における

働き方改革の実現に向けた取組が進められることになりますが、当共済組合としては、

現在実施している健康相談事業やストレスチェック事業の更なる充実など、引き続き、

メンタルヘルス対策事業の強化を図ってまいります。

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29年度の特定健康診査・特定保健指導の実施状況については、特定健康診査・特定

保健指導ともに前年度を上回る実施率となりました。これらの実施状況については、

今年度から法定義務である特定健康診査・特定保健指導に係る医療保険者の責任を明

確化するため、全ての医療保険者の実施率が公表されることになります。30年度から

は、後期高齢者支援金の加算・減算制度が見直された中で、特に減算の指標に特定健

康診査・特定保健指導の実施率などの実績が重要視されていることを踏まえて、特定

健康診査・特定保健指導に取り組む必要があります。このため、30年度から開始され

た第3期特定健康診査等実施計画において、新たに定めた実施率の年度別目標値と組

合員の健康増進を念頭に置いた効果的な取組を継続することにより、最終的な目標値

の達成を目指してまいります。

医療事業については、31年度においても、引き続き、第5期中期計画に基づき、経

営改善及び財務体質の強化を進めるとともに、特に経営が芳しくない病院については、

外部専門家の助言を受け、経営改善に取り組むこととしております。また、職域貢献

事業につきましては、引き続き保健事業と連携し、メンタルヘルス対策事業の拡充を

図ってまいります。

近畿中央病院の再開発事業については、本年2月5日に「市立伊丹病院のあり方検

討委員会」の報告書が伊丹市長に提出され、「市立伊丹病院は近畿中央病院と統合し、

阪神北医療圏域における基幹的な病院を目指すべき」との方向性が示されました。こ

の報告書を受ける形で、先日、伊丹市から統合の可否を検討するための協議の申入れ

がありました。今後、伊丹市と十分な時間をかけて、統合の在り方について慎重に協

議を行いたいと考えております。四国中央病院については、現在の三島医療センター

の土地を第一候補地として中核病院の建設計画を進めることとしております。この計

画を検討するに当たり、新たな病院が担う役割や課題を整理するため、まずは、地域

の御意見や御要望を聴取することとし、本年3月7日に有識者や地元の関係者を委員

とする第1回の協議会を開催いたしました。これらの詳細につきましては、後ほど担

当から御説明します。

宿泊事業については、昨年、宿泊事業検討委員会を開催し、12 月 21 日に報告書が

提出されました。その中で提言された内容を踏まえ、宿泊事業運営要綱を新たに制定

しました。この要綱では、宿泊事業の基本理念、そして今後の宿泊事業運営の基本的

な事項について定め、31年度から実施することとしております。詳細については後ほ

ど担当から御説明します。宿泊事業を取り巻く環境は、依然として厳しい状況にあり

ますが、引き続き支部、施設及び本部がそれぞれの役割をしっかりと果たしつつ、連

携して改善への取組を着実に進めてまいります。

貸付事業については、昨年1月から貸付金利率を大幅に引き下げたことにより、昨

年1月から 12月までの新規貸付けは、利率引下げ前と比べ、金額・件数ともに約2倍

となりました。貸付金利率引下げから1年が経過しましたが、今後の新規貸付けは、

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対前年度比では横ばい基調で推移するものと見込んでおります。引き続き、貸付状況

の分析を行い、貸付事業の利用促進に向けた取組を継続してまいります。

最後に、長期給付におけるマイナンバーの情報連携については、先般、今後のスケ

ジュールが明らかになり、「共済組合から地方公共団体等への情報照会」は本年4月以

降に、また、「地方公共団体等から共済組合への情報照会」は本年6月以降に、それぞ

れ一定期間の試行運用を実施した後、順次、本格運用へ移行することとなりました。

現在、準備等を進めているところですが、具体的な開始日や事務処理の変更などにつ

いては適宜支部に情報提供してまいります。

この後、議題に沿って、順次御説明しますが、平成 31年度事業目標に記載した主要

課題のとおり、当共済組合には対応すべき多くの課題がございます。これらの課題に

的確に対応し、各事業が適切に実施されるよう取り組んでまいりたいと存じますので、

引き続き皆様の御理解と御協力をお願い申し上げますとともに、本日は忌憚のない御

意見を賜りますよう、よろしくお願いします。

(3)平成 31年度事業計画及び予算について

① 資料1「平成 31年度事業計画(案)」及び参考資料に基づき、主計課長から次のと

おり説明があった。また、冒頭に、本年2月 22日付けで制定した「平成 31年度事業

目標」について説明があった。

ア 一般的事項

(ア)組合員数等

組合員数は、30年度と比べ 5,661人の増加を見込む。これは、32年度の会計年度

任用職員制度導入に先駆け、臨時的任用職員の空白期間の解消等による任用形式の

変更による組合員資格取得による増加と、定年退職等、自然減による減少を考慮し

た推計の結果、増加を見込むものである。

任意継続組合員は、30年度と比べ 947人減少するものと見込む。

被扶養者数は 30年度と比べ 11,063人の減少を見込む。これは、臨時的任用職員

の組合員資格取得による増加要因はあるものの、組合員の年齢構成が 50 歳代に集

中しているため、その被扶養者が就職などで扶養から外れる人数の方が多いと考え

られることによるものである。

(イ)標準報酬額等

掛金の標準となる標準報酬月額等は、短期適用の一般組合員等については、30年

度末と比べ、減少している。これは、臨時的任用職員の組合員資格取得により組合

員数は増加するものの、これらの組合員の給与額は比較的低いものと見込まれるた

め、給与額の高い定年退職者と給与額が低い新規採用者との世代交代の影響の方が

大きく、全体としては減少すると見込むものである。この傾向は長期適用について

も同様である。

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なお、任意継続組合員の掛金の標準となる標準報酬月額等は、30年度末と比べ増

加している。これは、退職時の標準報酬月額を3割軽減する割引制度が 30年度末で

終了することによるものである。

(ウ)第3号厚生年金被保険者

一元化後、70歳未満の組合員は厚生年金保険の被保険者でもある。第3号厚生年

金被保険者である組合員数は、70歳以上の組合員を含まない数である。

(エ)介護保険第2号被保険者

介護保険第2号被保険者である組合員数は、8,966 人の減少を見込む。これは、

組合員の退職等による第2号被保険者の減少が組合員の 40 歳到達による増加を上

回るため、減少するものである。今後しばらくはこの傾向が続くものと見込まれる。

(オ)31年度に予定している単位所属所の異動

31年度に予定している単位所属所の異動はない。

イ 短期経理

(ア)財源率等

一般組合員に係る 31年度の掛金・負担金の割合は、本年1月の運営審議会で2‰

の引下げを御承認いただいたとおり、掛金・負担金ともに1‰を引き下げ、42.10‰

とする。

介護納付金に係る 30 年度の掛金・負担金の割合は、30 年度と比較して上がって

いる。これは、介護納付金の算定に、32年度に向けて段階的に総報酬割が導入され

る影響によるもので、当共済組合の場合、比較的給与水準が高いため、介護納付金

の支出額が増加することに伴うものである。31年度は総報酬割が通年で4分の3の

割合となるが、介護積立金を活用することにより、掛金等の上昇幅を抑制している。

(イ)給付実績及び推計

保健給付は約 18億円増加しており、これは、消費税率引上げに伴う臨時の診療報

酬改定や医療の高度化などの影響によるものである。休業給付は約 14 億円の増加

を見込む。これは、女性組合員数が多いことから育児休業手当金の増加を見込むも

のである。31年度推計は、約 2,853億円で、約 28億円の増加を見込む。

(ウ)資金計画

高額医療貸付け・出産貸付けに係る貸付経理への貸付けは、無利息で行う。

短期負担金・短期掛金は、財源率の引下げ、標準報酬月額総額等の減少のため、

減少している。

前期高齢者納付金は約 93億円の減少を見込み、後期高齢者支援金は、後期高齢者

に係る医療費の増加により、約 69億円の増加を見込む。

高齢者医療への財政負担(退職者給付拠出金、前期高齢者納付金、後期高齢者支

援金、病床転換支援金)の合計額は、約 2,282 億円で支出の 44.3%を占めている。

短期分は、当期利益金を約 169億円と見込み、介護分は、当期損失金を約 28億円

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と見込む。

これらの結果、年度末の短期積立金は約 1,943億円、介護積立金は約 100億円と

なる見込みである。

ウ 厚生年金保険経理

(ア)財源率等

30年9月の引上げにより、民間の厚生年金保険の被保険者に適用される率と一致

した率となっている。

(イ)年金受給者数等推計

31年度末の年金受給者数は、106万 7,321人となる見込みである。支給開始年齢

が 63 歳に引き上げられ、31 年度に支給開始年齢に到達する者がいないため、新規

決定者数は抑制される。

(ウ)給付実績及び推計

31年度の給付は、約1兆 4,097億円を見込む。32年度の支給開始年齢引上げ前で

あり、年金全体としては給付額の減少を見込んでいる。

(エ)資金計画

負担金は約 79億円の減少を見込む。これは、いわゆる事業主負担に相当する率を

30年9月から引き上げたものの、追加費用負担金の率の引下げによる影響が大きい

ことによるものである。組合員保険料は 30年9月からの率の引上げが 31年度は通

年に及ぶことから、約 27億円の増加を見込む。

厚生年金拠出金負担金は約 301億円の増加、基礎年金拠出金負担金は約 291億円

の増加を見込む。

これらの結果、約 778億円が支出超過となり、年度末の厚生年金保険給付組合積

立金は、約2兆 289億円となる見込みである。

(オ)資産の構成割合

資産区分ごとの年度末における資産の構成割合を、簿価で示している。31年度は、

支出超過となるため、国内債券の売却を進めることで、年金の支払資金を確保する

こととしている。その結果、国内株式等の構成割合が相対的に引き上がることとな

る。

(カ)運用利回り

31年度は 1.86%を見込む。受取利息、配当のみを見込んでいる。

エ 経過的長期経理

(ア)負担金率等

負担金率等は資料のとおりである。

(イ)年金受給者数等推計

31年度末の受給者数は、106万 3,061人となる見込みである。支給開始年齢の引

上げにより、31年度の新規決定者数は抑制される。

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(ウ)給付実績及び推計

31年度の給付は、約 1,981億円を見込む。受給者数は減少を見込むが、給付は増

加を見込む。これは、一元化後に受給権が発生する共済年金が増加し、一元化前に

受給権が発生した旧年金・新共済年金が減少することを見込むが、旧年金・新共済

年金と比べ、共済年金は経過的長期経理における負担割合が高いため、全体として

は増加を見込むものである。

(エ)資金計画

負担金の減少は、追加費用負担金の減少によるものである。給付金は、約5億円

の増加を見込んでいる。

これらの結果、約 1,464億円が支出超過となり、年度末の経過的長期給付組合積

立金は、約1兆 9,244億円となる見込みである。

(オ)資産の構成割合

厚生年金保険経理同様、年金の支払いに充てるため、国内債券が減少している。

(カ)運用利回り

31年度は、1.66%を見込む。受取利息、配当のみを見込んでいる。

オ 退職等年金経理

(ア)財源率

財源率については、変更ない。

(イ)年金受給者数等推計

31年度末の受給者数は、47,298人を見込んでいる。

(ウ)給付実績及び推計

31年度の給付は、約8億円を見込む。

(エ)資金計画

貸付経理に年利1%で貸し付ける。負担金及び掛金の減少は標準報酬月額等の減

少によるものであり、給付金は受給者数の増加により約7億円の増加を見込む。

これらの結果、約 882億円が収入超過となり、年度末の退職等年金給付組合積立

金は、約 3,996億円となる見込みである。

(オ)資産の構成割合

国内債券を中心に運用する。

(カ)運用利回り

31年度は、0.40%を見込む。

カ 基礎年金支払経理

支払額等は、資料のとおり見込む。

キ 業務経理

(ア)負担金等

31年度は、地方交付税の事務費単価が 530円増加する。

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短期経理、厚生年金保険経理、経過的長期経理、退職等年金経理より繰り入れる

資金の額は、組合員1人当たり、資料のとおりとする。

連合会分担金として支出する額は、組合員1人当たり 80円の減額となる。

(イ)資金計画

負担金は、事務費単価の増額により、約6億 8,000万円の増加を見込む。主にセ

キュリティ対策及びシステム関係費用の増加のため、事務費は約3億 2,000万円、

委託費は約6億 2,000万円の増加を見込む。

これらの結果、当期利益金を約3億 3,000万円と見込み、年度末の積立金は約 62

億 1,000万円となる見込みである。

ク 保健経理

(ア)事業の種類

健康管理事業を中心に、特に特定健診等事業、心の健康チェック事業を重点的に

実施していくこととしている。

(イ)財源率

財原率については、変更ない。

(ウ)福祉財源額

標準報酬総額の減少などのため、福祉財源額も減少を見込む。なお、保健事業の

充実を図るため、福祉財源の全額を保健経理の資金とする。

(エ)支部事業費配分額

31年度においても、引き続き、東日本大震災により大きな被害に遭った岩手、宮

城、福島の3支部について、被災組合員等対策事業特別配分を計画している。

(オ)資金計画

福祉事業の充実を図るため、住宅経理から 12億 5,000万円を繰り入れ、医療経理

に職域貢献事業及び追加費用負担金などに充てるため 12 億 7,000 万円を、宿泊経

理に追加費用負担金などに充てるため4億 6,000万円を繰り入れる。

当面支出を予定していない資金について、引き続き貸付経理への貸付けを行い、

年利は 0.5%とする。

負担金及び掛金は減少を見込み、利息及び配当金は経理単位間の貸付金に係る利

率の引下げ、貸付額の減少により、減少を見込む。特定健康診査等費は特定健康診

査・特定保健指導の実施率向上を目指し、増加を見込む。

これらの結果、当期損失金を約 13 億 5,000 万円と見込み、年度末の積立金は約

458億円となる見込みである。

ケ 医療経理

(ア)施設の利用状況

入院及び外来の患者数と診療単価は、資料のとおり見込む。

組合員等を対象とした健康管理事業等についても、資料のとおり見込む。

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(イ)施設設備の整備

整備計画額は、資料のとおり見込む。

前年度からの継続事業は、北陸中央病院及び四国中央病院の災害発生時の事業継

続対応工事などである。

新規事業は、東海中央病院のMRI棟の増築工事などである。

(ウ)資金計画

事業の安定を図るため、保健経理から 12億 7,000万円を繰り入れ、直営病院のメ

ンタルヘルス充実のための費用及び追加費用負担金などに充てることとする。

資金の効率化を図るため、引き続き貸付経理へ年利 0.5%で貸し付ける。

診療収入が約 11億 1,000万円増加しているが、これは、関東中央病院の入退院支

援センターの本格稼動、近畿中央病院の地域医療連携強化などによるものである。

人件費は、診療体制の充実を図るため、増加している。材料費は、患者数の増加、

がん治療薬等の高額薬剤使用の増加等を見込み、約3億 7,000万円増加している。

これらの結果、当期損失金を約 19 億 3,000 万円と見込み、年度末の積立金は約

160億 3,000万円となる見込みである。

コ 宿泊経理

(ア)施設の利用状況

利用者数は、改修工事による休業施設数が減少するため、増加を見込む。

31年度の宿泊利用率は、0.21%の増加を見込む。

(イ)施設の整備

新規事業は、佐賀宿泊所及び仙台宿泊所の空調設備改修工事等である。

(ウ)資金計画

事業の安定を図るため、保健経理から4億 6,000万円を繰り入れ、追加費用負担

金などに充てることとする。

資金の効率化を図るため、引き続き貸付経理へ年利 0.5%で貸し付ける。

施設収入が約1億 5,000万円増加しているが、これは、改修工事を行う施設数が

減少し、営業日数が増加することによる利用増を見込むことによるものである。

人件費及び材料費は増加を見込むが、修繕費は改修工事を行う施設数の減少に伴

い減少を見込む。

これらの結果、当期損失金を約4億 6,000万円と見込み、年度末の積立金は約 703

億円となる見込みである。

サ 住宅経理

(ア)施設の現況及び設置

教職員住宅の建設事業は 27年度をもって終了している。住宅経理については、地

方公共団体からの償還が完了した支部から順次廃止している。31年度は、青森及び

福島の2支部が廃止予定で、廃止支部の累計は 29支部となる。

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(イ)資金計画

福祉事業の充実を図るため、繰越剰余金の一部、12億 5,000万円を保健経理へ繰

り入れる。

当期損失金を約 13 億円と見込み、年度末の積立金は約 202 億円となる見込みで

ある。

シ 貸付経理

(ア)貸付金の種類等

貸付金の種類等は、資料のとおりで 30年度から変更はない。

(イ)貸付金の現況

31年度の新規の貸付は、件数・金額ともに 30年度と同程度を見込む。

31年度末の貸付金は、件数で約8万 3,000件、金額で約 1,711億円を見込む。新

規貸付は横ばいを見込むが、退職者の一括償還の件数が多く、件数・金額ともに減

少を見込む。

(ウ)資金計画

償還金をもって、新規貸付及び他経理からの借入金の返済に充てることとする。

組合員貸付金利息が約5億円減少しているが、これは、既存の貸付金の償還が進

み、貸付金残高が減少することによるものである。

支払利息が約 11億円減少しているが、これは、他経理からの借入利率のうち、保

健経理等からの利率について、31年度から 0.5%に引き下げることによるものであ

る。

これらの結果、当期利益金を約2億円と見込み、年度末の積立金は約 391億円と

なる見込みである。

② 質疑等

ア 委員から「組合員数の推計において、会計年度任用職員をどのように見込んだの

か。また、32年度以降については、どのように推移すると考えているのか。いくつ

かの都道府県では非常勤職員の任用の在り方を見直すとのことであるが、どのよう

な内容か、併せて伺いたい。」との質問があり、事務局から「組合員数については、

少子化の影響や定年等の退職者数の増加に伴い、減少傾向が続いているが、32年度

の会計年度任用職員制度の導入に伴い、今後、相当数の増加が見込まれる。会計年

度任用職員制度の導入による組合員数については、30 年 12 月に実施した『会計年

度任用職員制度導入等に関する調査』の結果を基に、推計を行った。31年度につい

ては、32年度の会計年度任用職員制度導入に先駆け、空白期間の解消等による非常

勤職員の任用形式の変更により、7支部から組合員数の増加を見込んでいるとの回

答があったことを加味し、5,661 人の増加を見込んでいる。また、会計年度任用職

員制度が導入される 32 年度については、7万人程度が新たに組合員資格を与えら

Page 11: 1 31 年3月 25 午後3時 30 - kouritu.or.jp...今年度から法定義務である特定健康診査・特定保健指導に係る医療保険者の責任を明 確化するため、全ての医療保険者の実施率が公表されることになります。30年度から

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れると見込んでいる。33年度以降についても、若干増加することが想定されるため、

今後も各支部へ調査を行い、組合員数の推移について注視していきたい。」との回答

があった。

イ 委員から「中央教育審議会において本年1月 25 日に働き方改革に関する総合的

な方策についての答申が取りまとめられたが、働き方が直ちに改善されるとは考え

にくい。そのような中で、共済組合におけるメンタルヘルス対策について、今後ど

のように対応していくのか、直営病院での対応も含めて伺いたい。」との質問があり、

事務局から「答申においては、『労働安全衛生管理の必要性として、適切な専門医と

の連携が取れる環境を整えるべきである。』とされ、当共済組合の事業に関しては、

『電話等により相談する機会を設けることも重要であり、文部科学省は、公立学校

共済組合が実施している電話相談窓口等の更なる活用を啓発していくべきである。』

と触れられている。これを受けて当共済組合では、広報誌やホームページによる健

康相談事業の周知を継続するとともに、文部科学省と連携して、当該事業の利用促

進に向けたリーフレットを作成し、教育委員会等に対する広報を進めていくことと

している。また、直営病院においては、従前から、職域貢献事業としてメンタルヘ

ルス相談事業、職場復帰支援事業、メンタルヘルスに関する講師派遣事業等を実施

してきた。これらの事業に加え、28年度から組合員のメンタルヘルス対策における

一次予防(発症の未然防止)のために、心の健康チェック事業を立ち上げ、労働安

全衛生法により事業者に義務付けられたストレスチェックに対応した面接指導対象

者の判定を行った上で、契約している各教育委員会等に集団分析結果を提供してい

るところである。答申の中で、ストレスチェックについては、『文部科学省では通知

により、学校等の規模にかかわらず、全ての学校等において適切に実施するよう求

めている。』ことが記載されていることもあり、心の健康チェック事業に対するニー

ズは、今後、更に高まっていくものと思われる。引き続き、運用改善及び機能向上

を図っていくこととする。なお、今後は、これまで本部、支部及び直営病院が実施

してきたメンタルヘルス対策事業で得られた知見をどのように分析し、いかにフィ

ードバックしていくのか、検討していく必要があると考えている。知見の分析やフ

ィードバックで得られた情報等を活用することにより、更なるメンタルヘルス事業

の充実に寄与していくこととする。」との回答があった。

ウ 委員から「30年1月の貸付金利率引下げによる貸付実績の推移及び更なる事業の

充実についてどのように考えているか、伺いたい。また、組合員への広報等の周知

をどのように考えているのか、併せて伺いたい。」との質問があり、事務局から「貸

付金利率を引き下げた 30 年1月以降の新規貸付金は、貸付金利率引下げ前の前年

度の同期間に比べて件数・金額とも約2倍となった。増加の内訳としては、貸付要

件が限定されず、用途の範囲が広い一般貸付けが約2倍、住宅貸付け及び教育貸付

けが約 1.7倍となっている。利率の引下げに続いて、更なる事業の充実に向けて、

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本年1月に支部に調査の上、課題の洗い出しを行った。この結果を踏まえ、主務官

庁や他の共済組合との協議が必要な課題については、引き続き慎重に検討していく。

その他、貸付要件の拡大等、当共済組合が独自に実施可能なものについては、支部

とも協議の上、対応を検討していく。また、組合員への広報等、周知に関しては、

貸付事業のキャラクターを用いた共済フォーラムにおける紹介記事がおおむね好評

であることから継続するとともに、当共済組合ホームページの組合員専用ページを

活用して、貸付けの需要が見込まれる若年層への働きかけを強めていくこととする。

また、リーフレットを利用した広報の強化についても検討していく。」との回答があ

った。

議題(1)については、上記のとおり審議され承認された。

(4)公立学校共済組合定款及び運営規則の一部変更について

① 資料3「公立学校共済組合定款及び運営規則の一部変更案」に基づき、総務課長か

ら次のとおり説明があった。

定款の変更案の1点目は、掛金・負担金率の変更である。先程の議題(1)に関連

して、組合員の短期給付、介護納付金等に係る掛金率及び負担金率を変更するもので

ある。また、任意継続組合員の介護納付金に係る掛金率を変更するものである。2点

目は、業務経理への繰入れについて、各経理から繰り入れる組合員1人当たりの単価

を変更するものである。3点目は、水上保養所を廃止するものである。4点目は、そ

の他所要の整備を図るものである。これらの変更は、31年 4月から実施し、4点目に

ついては、附則に定める日から適用する。

運営規則の変更案の1点目は、本部事務費として支部から本部へ回送される組合員

1 人当たりの単価を変更するものである。2点目は、組合員等が届出、申請等をする

場合、運営規則では、現在、「所属所長」を経ることとされているが、この「所属所長」

を「所属機関の長」と読み替えることにより、都道府県の電子情報処理組織を利用し

た届出、申請等を可能とするものである。併せて、別紙様式の所属所長の証明欄や届

出者の押印等を要しないものとし、電子情報処理組織を利用する届出等を可能にする

ものである。このことは、組合員が届出、申請等を行う場合、事務処理の簡素化の観

点から、所属所を経由せず、都道府県のシステムである電子情報処理組織を利用して

所属機関に直接提出するケースが想定されるため、これに対応するものである。3点

目は、その他所要の規程の整備を図るものである。これらの変更は、31年 4月から実

施し、3点目については、附則に定める日から適用する。

② 質疑等

資料3について、委員から「ペーパーレス化や押印の省略などについては、事務処

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理の効率化の観点から改善してほしいという意見が複数の支部から挙がっていたとこ

ろであり、今回の運営規則の改正は、都道府県における電子申請の仕組みを導入する

ために、所属所長や組合員の押印欄を削除する改正について、本部が早速対応したも

のと受け止めている。各支部での事務の効率化に弾みがつくとともに、各支部の声も

酌み取られたことに二重の意味で感謝している。」との発言があった。

議題(2)については、承認された。

(5)報告事項

① 資料4「平成 29年度決算資料の訂正」に基づき、主計課長から報告があった。

② 資料5「平成 30年度第3四半期における年金積立金の運用状況」に基づき、資産運

用課長から報告があった。

委員から「10月以降の株価下落を受けて、年金資産の運用では通期でもかなりのマ

イナスリターンとなっていると聞いている。今後の予想と併せて、当共済組合の運用

についてお聞きしたい。」との質問があり、事務局から「当共済組合の運用実績は、先

ほど御説明したとおり、厚生年金保険給付組合積立金では、第3四半期の総合収益額

は、マイナス 2,038億円で、通期ではマイナス 973億円となっている。当面、株式市

場は不安定な動きが継続する可能性はあるが、米国では良好な雇用所得環境などが続

き、景気は堅調である。市場が落ち着けば、株式市場は穏やかな上昇を辿るものと考

えている。当共済組合の運用については、地共済全体と比較して内外株式の割合を低

めとする慎重なスタンスとしており、引き続き、投資環境の変化を見据えつつ、安全

かつ効率的な運用に努めていく。」との回答があった。

③ 資料6「毎月勤労統計調査に係る育児休業手当金及び介護休業手当金の追加給付へ

の対応状況」に基づき、短期給付課長から報告があった。

委員から「地方公務員共済組合における追加給付の対応方針が今後示されるとのこ

とだが、公立学校共済組合は具体的にはどのように対応していくのか。対応方針の発

出時期やその内容も含めて、現在、分かっている範囲で、教えていただきたい。」との

質問があり、事務局から「地方公務員共済組合における対応方針については、現在受

給中の組合員に係る方針が4月に入ってから早々に示され、また、過去に給付を受け

ている組合員等に係る方針については、後日、別途示されると聞いている。厚生労働

省においても、現在受給中の方と過去に受給していた方とを分けて、現在受給中の方

について、4月から順次、追加給付を行うこととされている。当共済組合としては、

今後示される予定の対応方針を基に、まずは現に給付を受けている組合員を対象に追

加給付等を行う準備をしている。具体的には、厚生労働省の告示が行われた3月 18日

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以降の休業分の給付額について、告示による変更後の賃金日額を基礎に計算した給付

上限相当額により計算した金額を、4月から給付する予定としている。また、現に給

付を受けている組合員の3月 17 日以前の期間に係る給付については、厚生労働省の

告示においてその適用日が別途定めることとされていることから、同日以降できるだ

け速やかに支給できるよう準備を進めているところである。」との回答があり、委員か

ら「このことは、組合員も非常に関心を持っており、追加給付の対象となる方々にと

っては重要なことである。一人ひとりに丁寧な対応をしていただきたい。」との要望が

あり、事務局から「追加給付の対象者の方のお手を煩わすことのないよう留意しなが

ら、適切に行うこととする。」との回答があった。

④ 資料7「宿泊事業運営要綱」に基づき、宿泊施設課長から報告があった。

委員から「新たに制定した宿泊事業運営要綱の従前からの変更点は何か。また、宿

泊事業運営要綱制定後のスケジュールについて教えていただきたい。」との質問があ

り、事務局から「宿泊事業運営要綱の変更点の主なポイントは、次の4点である。1

点目は、老朽化している施設が多いため、これまで貸付けができなかった施設に対し

ても、組合員のニーズが高く収益確保が見込める場合等に、新たに改修工事費用を貸

し付けることを可能とした。2点目は、保養所は、組合員の保健・保養に寄与するこ

とに鑑み、一定の要件を満たせば、本部が財政的な面を含む支援を行うことができる

こととした。3点目は、宿泊施設が今後も健全な経営を維持できるよう、中長期的な

観点を盛り込み、施設の存続要件に4項目を追加するとともに、経営継続が困難な基

準に3項目を追加した。4点目は、宿泊施設の建物の健全度等の調査を行い、中長期

の改修工事計画を作成した上で、計画的に整備を行うこととした。また、今後のスケ

ジュールについては、宿泊施設の経営改善に関する方針など細則を早急に制定し、支

部、施設に対し内容の周知を図っていくこととし、31年度からの経営改善計画は、支

部と施設で連携して6月までに提出し、計画に基づいて取組を進めることとする。ま

た、新たな貸付金に係る規程及び保養所への財政的な支援の内容については、31年7

月を目途に制定することとする。なお、施設の整備に関しては、数施設について 31年

度に試行的に建物調査を実施して、調査方法を確定し、その後、各施設の状況を踏ま

えて残る施設の建物調査を進めることとする。」との回答があり、委員から「今後も組

合員の福祉の充実に、一層質が上がるように取り組んでいただきたい。」との要望があ

った。

⑤ 資料8「近畿中央病院再開発事業の進捗状況(伊丹市との協議の進め方)」及び資料

9「中核病院のあり方協議会の概要(四国中央病院関係)」に基づき、病院課長から報

告があった。

委員から「近畿中央病院については、伊丹市と統合の可否に係る協議を進めるとの

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ことだが、どのような進め方になるのか、もう少し詳しく伺いたい。また、四国中央

病院については、三島病院を統合し中核病院を建設するということであるが、どのよ

うなスケジュールで進める予定なのか、併せて教えていただきたい。」との質問があり、

事務局から「1点目の近畿中央病院に関する協議については、31年度末までに結論が

得られるよう進めていくこととしている。まずは、伊丹市と当共済組合の間で、協議

を行うことに関する協定を締結した後に、コンサルタントの支援を受けるための三者

契約を締結し、対等の立場で協議を進めていく。当共済組合としては、組合員が必要

とする職域機能の維持・拡大、及び、職員の雇用の確保に最大限配慮して協議してい

くこととする。四国中央病院については、新たに建設する中核病院は、37年(2025年)

の開院を目指している。新病院の建設は、まず、基本構想を策定し、基本設計、実施

設計、建設工事という手順になるが、一般的には、基本構想の策定から開院まで4、

5年が必要なため、再来年度の初めには具体的な基本構想の策定に着手する必要があ

るものと考えている。37年に開院するためには、今後、多くの作業が必要となるため、

協議会の報告を 31年度には取りまとめ、基本構想に反映したいと考えている。ついて

は、液状化対策が必要か否かの地盤調査及び建物の強度・劣化度の調査のために三島

医療センターの休止が必要となるが、これらの調査を早急に進め、その結果を踏まえ、

具体的な建設スケジュールを作成し、取り進めていく。」との回答があり、委員から「病

院職員は、病院自体がどうなるのか、また、職員の雇用はどうなるのか大変心配して

いるようなので、協議の進捗状況が全ての病院職員に伝わるよう適宜、情報提供して

いただきたい。」との要望があり、事務局から「病院職員への情報提供は非常に重要な

ことと考えており、御指摘の点に留意して進めることとする。また、関係支部に対し

ても、病院で開催している病院運営協議会等において、適宜、進捗状況を御報告させ

ていただく。」との回答があった。

以上