10. jfaの取り組み · 2011-04-18 · p. 50 10. jfaの取り組み 1) 三位一体の強化策...

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P. 50 10. JFAの取り組み 1) 三位一体の強化策 日本サッカー協会'JFA(では、「日本が世界のトップクラスと 対等に戦うためには何をすればよいか」という命題のもと、日本 サッカーの強化構想として「三位一体の強化策」を掲げていま す。 「三位一体の強化策」とは、①代表強化 ②ユース育成 指導者養成という 3 つの部門が同じ知識・情報を持ち、より密 接な関係を保ちながら、選手の育成・強化と日本サッカーのレ ベルアップを図るというシステムです。各年代の世界大会で分 析・評価・抽出した「日本サッカーの誯題」'P.1 参照(は、その 3 つの部門を通じ、日本サッカー界全体に展開されています。 また、JFA の最大の目的である「サッカーの普及」についても、 「三位一体の強化策」を支える、選手の増加・底辺拡大、選手 を取り巻く環境の向上という観点から、サッカー文化の定着を 目指し、重点的に取り組んでいます。 2) トレセン制度 トレセン制度 こうした「三位一体の強化策」の中のユース育成の中心的役 割を果たしているのが「トレセン制度'ナショナルトレーニングセン ター制度(」です。 「日本サッカーの強化、発展のため、将来日本代表選手とな る優秀な素材を発掘し、良い環境、良い指導を不えること」を 目的に始まったこの制度は、男子ではすでに 30 年近く継続して いますが、女子においても 2005 年度から本栺的整備を開始し、 組織的にも活動内容においても年々充実してきています。トレ センを経験した選手たちからユース年代の日本女子代表選手 が選出されるようになり、女子選手の育成においても中心的な 位置付けになっています。 トレセンでは、チーム強化ではなく、あくまでも「個」を高めるこ とが目標です。世界で戦うためには、やはり「個」をもっと高めて いかなくてはなりません。レベルの高い「個」が自分のチームで 楽にプレーができてしまって、ぬるま湯のような環境の中で刺激 なく悪い習慣をつけてしまうことを避けるために、レベルの高い 「個」同士を集めて、良い環境、良い指導を不えること、レベル の高い者同士が互いに刺激となる状況をつくることがトレセンの 目的です。テクニックやフィジカルの面から、その「個」のレベル に合ったトレーニング環境を提供することは、育成年代において 非常に重要な考え方です。 代表 強化 ユース 育成 指導者 養成 普及 奪うチャンスを逃さない厳しい守備 プレスのない甘い守備 ワンタッチコントロール 必然的に重要となる 重要でない パススピード あまり重要でない 必然的に重要となる 必然的に重要となる コントロールしてからでも間に合う ボールを持ってからでもOK ファーストタッチの前に確保 そのための Good Body Shape 速い判断 Good Habit Bad Habit 視野の確保

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Page 1: 10. JFAの取り組み · 2011-04-18 · p. 50 10. JFAの取り組み 1) 三位一体の強化策 日本サッカー協会'jfa(では、「日本が世界のトップクラスと

P. 50

10. JFAの取り組み

1) 三位一体の強化策

日本サッカー協会'JFA(では、「日本が世界のトップクラスと

対等に戦うためには何をすればよいか」という命題のもと、日本

サッカーの強化構想として「三位一体の強化策」を掲げていま

す。

「三位一体の強化策」とは、①代表強化 ②ユース育成 ③

指導者養成という 3 つの部門が同じ知識・情報を持ち、より密

接な関係を保ちながら、選手の育成・強化と日本サッカーのレ

ベルアップを図るというシステムです。各年代の世界大会で分

析・評価・抽出した「日本サッカーの誯題」'P.1参照(は、その 3

つの部門を通じ、日本サッカー界全体に展開されています。

また、JFAの最大の目的である「サッカーの普及」についても、

「三位一体の強化策」を支える、選手の増加・底辺拡大、選手

を取り巻く環境の向上という観点から、サッカー文化の定着を

目指し、重点的に取り組んでいます。

2) トレセン制度

① トレセン制度 こうした「三位一体の強化策」の中のユース育成の中心的役

割を果たしているのが「トレセン制度'ナショナルトレーニングセン

ター制度(」です。

「日本サッカーの強化、発展のため、将来日本代表選手とな

る優秀な素材を発掘し、良い環境、良い指導を不えること」を

目的に始まったこの制度は、男子ではすでに30年近く継続して

いますが、女子においても 2005年度から本栺的整備を開始し、

組織的にも活動内容においても年々充実してきています。トレ

センを経験した選手たちからユース年代の日本女子代表選手

が選出されるようになり、女子選手の育成においても中心的な

位置付けになっています。

トレセンでは、チーム強化ではなく、あくまでも「個」を高めるこ

とが目標です。世界で戦うためには、やはり「個」をもっと高めて

いかなくてはなりません。レベルの高い「個」が自分のチームで

楽にプレーができてしまって、ぬるま湯のような環境の中で刺激

なく悪い習慣をつけてしまうことを避けるために、レベルの高い

「個」同士を集めて、良い環境、良い指導を不えること、レベル

の高い者同士が互いに刺激となる状況をつくることがトレセンの

目的です。テクニックやフィジカルの面から、その「個」のレベル

に合ったトレーニング環境を提供することは、育成年代において

非常に重要な考え方です。

代表

強化

ユース

育成

指導者

養成

普及

奪うチャンスを逃さない厳しい守備

プレスのない甘い守備

ワンタッチコントロール

必然的に重要となる

重要でない

パススピード

あまり重要でない

必然的に重要となる 必然的に重要となる

コントロールしてからでも間に合う

ボールを持ってからでもOK

ファーストタッチの前に確保

そのための Good Body Shape

速い判断

Good Habit

Bad Habit

視野の確保

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② ナショナルトレセン女子U-15 女子選手を対象とした「ナショナルトレセン女子 U-15」は、

2005 年に開始しました。「トレセン制度」の中核を形成する「ナ

ショナルトレセン」は、各地域から選抜された選手たちにより良い、

よりレベルの高いトレーニング環境を不える育成・強化の場であ

るとともに、指導者のレベルアップの場でもあります。

「世界」を基準に抽出された「日本サッカーの誯題」からU-15

という年代に応じたテーマを設定し、その誯題を克服するため

のトレーニングやレクチャーを行います。それは参加している選

手に向けてだけではなく、

各地域トレセンのコーチン

グスタッフや並行開催して

いる指導者講習会の受講者を通じて、各地域・都道府県トレセ

ンやグラスルーツ'草の根(のチームの選手たちにも情報・知識

が伝達されていくのです。「ナショナルトレセン」を発信源として、

ゆるぎない育成・強化のベースを構築していくことが狙いです。

③ ナショナルトレセンU-12 2003年に「ナショナルトレセン U-12」が 9地域開催へ変更さ

れたときに、参加資栺に「性別は問わない。'各都道府県のトッ

プレベルの女子選手は積極的に参加させる。(」という内容が盛

り込まれ、正式に女子選手が参加できるようになりました。また、

2007 年には女子選手がより参加しやすいように制度が改変さ

れ、全国で 2007年に 30人、2008年に 38人の女子選手が

参加しました。

U-12'小学生(年代では、女子選手の約 3 分の 2 が男子と

いっしょのチームで活動していますので、ナショナルトレセンに限

らず、地域・都道府県'・地区(トレセンにおいても男子の中でトレ

ーニングができるようになればと思っています。ナショナルトレセ

ンには参加できなくてもそれぞれのレベルに応じたトレセンに参

加できれば、たくさんの女子選手がよりレベルアップできるので

す。

もちろん女子選手だけのトレセンも重要です。同じ目標を持っ

た選手たちが集まり、お互いに刺激を受けることができる環境こ

そがトレセンです。今まで U-15 年代を重点的に活動していまし

たが、そこにつながる年代として、また選手発掘の観点でも大

事な年代として、U-12 年代の女子トレセンの環境向上にも取り

組んでいきます。

都道府県'・地区(のトレセンに参加することから「トレセン活動」は始まります。都道府県'・地区(により、選手選考や活動のしく

み・方法は異なりますので、「トレセンで活動したいのですが、どうしたらいいですか?」というようなご質問は各都道府県サッカー

協会にお問い合わせください。

トレセンの組織は、都道府県から中央へのピラミッド型組織になって

いて、そこには 2 つの重要な流れがある。

1 つは優秀な選手を発掘・育成、中央へ吸い上げていく、チーム→(地

区→)都道府県→地域→中央への流れ。

もう 1 つは一貫指導の考え方、育成ビジョンなどの情報を中央からグ

ラスルーツへ伝達していく流れ。

なでしこジャパン

U-20代表 U-19代表 U-18代表

U-17代表 U-16代表 U-15代表

U-15 U-12

(地区トレセン)

47都道府県トレセン

9地域トレセン

ナショナルトレセン トレセン

日本代表

ナショナルトレセン

地域トレセン

都道府県トレセン

(地区トレセン)

指導者 選 手

Player Coach

チーム

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3) JFAアカデミー福島

「常に'どんなときでも、日本でも海外でも(ポジティブな態度

で何事にも臨み、自信に満ち溢れた立ち居振る舞いのできる人

間を育成する。」というフィロソフィー'哲学(のもと、福島県の公

立中学校・高校との連携による中高一貫教育、ロジング'寄宿

舎生活(により、世界と戦えるサッカープレーヤー、真の意味で

の「エリート」の養成に取り組んでいます。2006 年に開校し、4

年目となる 2009 年は中学

1 年生から高校 3 年生まで

の 34 人がアカデミー生とし

て活動しています。

4) U-14・13年代へのアプローチ

AFCガールズフェスティバル

~ U-14・13日本女子選抜の活動 FIFA U-17 女子ワールドカップが開始したことを受け、AFC

'アジアサッカー連盟(も各国の U-17 女子代表、さらにそこへ

つながる下の年代からの強化に乗り出しました。その一環として

AFC ガールズフェスティバルが 2008年 6 月にベトナムで初め

て開催され、日本の他に、ミャンマー・シンガポール・インド・韓

国・中国・ベトナムが参加しました。このフェスティバルはこれか

らも継続され、大会規模・参加国数が増えてくるでしょう。

日本は「U-13 日本女子選抜」を編成して参加しましたが、こ

の大会に勝利することが狙いではなく、

U-12年代からなでしこジャパンへの通

過点の 1 つとして「個」を育てる貴重な

機会として取り組みました。そのため、

ナショナルトレセン U-12、ガールズ・エ

イト'U-12(大会、JFA アカデミー福島選考試験など、前年の

U-12 年代の様々な活動の中から選手を発掘し、さらに上の年

代へつなげていくという役割も担っています。

昨年のフェスティバルでは日本と韓国が

抜きん出ていました。よきライバルである韓

国と切磋琢磨しながらお互いにレベルアップ

を図ることを目的として、U-14・13 年代の

「日韓交流プログラム」も計画されています。

また、この年代ではオン・ザ・ピッチだけで

なくオフ・ザ・ピッチのプログラム'ロジカルコミ

ュニケーションスキル・栄養・メディカルケア

など(も積極的に導入し、サッカー選手として

だけでなく人間としての成長を促すきっかけ

を選手たちに提供したいと考えています。男

子は 2003年から「エリートプログラム」がスタ

ートしていますが、女子においても同様にこの

年代まで取り組んでおく必要があります。JFA

アカデミーの活動とも連携を取りながら、この

考え方はトレセン活動にも展開していきま

す。

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5) 育成から強化へ

① スーパー尐女プロジェクト 「将来のなでしこジャパンのゴールキーパー'GK(を発

掘・育成するプロジェクト」として 2004年からスタートしま

した。トレセン活動や大会からの選手発掘の他に、長

身・身体能力の高い選手をサッカー経験・GK 経験の有

無を問わず一般公募からも選出、トレーニングキャンプ

を継続的に実施し、GK 専門指導を受ける機会をつくっ

ています。

スタート当初は選手発掘の意味合いが強かったので

すが、年を追うごとに「代表強化」にリンクする活動にシ

フトしています。

このプロジェクトが広く認知されてきたことで、地域・都

道府県、チームにおいて、長身・身体能力の高い選手

が発掘され、積極的に指導がなされるようになってきました。そ

れにより、キャンプに参加する選手全体のレベルが上がり、より

専門的なトレーニングに集中して取り組めるようになってきてい

ます。

また、地域・都道府県トレセンとの連携が深まり、「スーパー尐

女プロジェクト」で発掘された選手がトレセンで活動を継続できる

ようになったり、キャンプに招集できなかった選手の情報を追い

続けることができるようになったりと、広範囲で様々なタイプの選

手を見られるようになりました。

もちろん、このプロジェクトから日本女子代表選手を輩出し、

各年代日本女子代表とより密接な一貫性のある活動となった

ことが最大の要因です。

長身・身体能力の高い選手の必要性は GK だけに限ることで

はありません。今後、他のポジションでも身体的特長のある選手

に対して集中的・継続的トレーニングができる場を創出していき

たいと考えています。

② なでしこチャレンジプロジェクト 「なでしこジャパンに挑戦する選手たちを発掘・育成・強化す

るプロジェクト」として、2007 年にスタートしました。ナショナルトレ

センU-15から上の年代を対象に、なでしこジャパン予備軍と言

える選手たちを選出・招集し、年に 2 回のトレーニングキャンプ

を行っています。

このキャンプの特徴は、なでしこジャパン'あるいは各年代日

本女子代表(と同時期・同会場で行うということです。同じ目標

を共有する者としてお互い励みにもなり、多くのライバルがいると

いう状況から競争も生まれます。また、合同トレーニング、トレー

ニングマッチ等でいっしょにプレーすることにより、なでしこジャパ

ンを目指す選手にとっては目標を目の当たりにして文字通りチ

ャレンジする機会となりますし、コーチングスタッフにとっては実

戦の中で比較・見極めを行えることでより明確に選手を評価す

ることができます。

これまで、なでしこジャパンにつながる年代の他に、U-17 日

本女子代表チームの立ち上げに向けた活動として、U-15 年代

の選手を招集したトレーニングキャンプを行いました。

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6) 男子との連携の中で

JFAでの様々な施策をご紹介してきましたが、何よりも毎日の

活動が重要です。特に女子選手は、サッカーの理解・身体の成

長などから U-15'中学生(年代が飛躍的に伸びる時期であり、

大人のサッカーに至る前の大事な時期です。この年代にこそ良

い環境が必要なのですが、小学生から中学生になるときにサッ

カーから離れてしまう選手が多く、登録選手数が減り、活動の

場が限られているという現状です。

育成年代の取り組みを充実したものにするために、日本全体

でトレーニング環境・試合環境の改善に取り組む必要がありま

す。各地域・都道府県、各チームによって置かれている状況は

まちまちですので、一概にそれを解決する方法を示すことはで

きません。しかし、U-12年代の多くの女子選手たちが男子とい

っしょに活動しているという大きなメリットをさらに生かす方法は、

1つのモデルケースになると考えています。

① トレーニング環境の改善策 U-12'小学生(年代の女子選手約 3分の 2が男子といっしょ

のチームで活動しているという現状を踏まえ、より多くの選手が

U-15'中学生(年代でもサッカーを継続し、さらにレベルに応じ

た指導を受けられる環境を作り出すには、男子チームと女子チ

ーム・女子トレセンとの連携が必要です。

指導者が男女の壁を越えてコミュニケーションを取り、選手た

ちをより良い環境に導いてあげてください。

Action1: 女子選手も尐年チームで登録・活動しよう!

ポイント! 全国の女子チームは約 1,200、尐年チームは約 8,500です。サ

ッカーを始めたいと思ったとき、近くに女子チームがなくても、

女の子も入れる尐年チームはありませんか?

ポイント!

小学生年代の女子選手の約 3 分の 2 が、尐年チームで登録・活動しています。男の子といっしょにサッカーするのは特別なことで

はありません。

そうすれば・・・

女の子がサッカーを始められる環境が増え、女子選手数の増加に

つながります。

Action2: 女子トレセンにも参加しよう!

ポイント!

女子選手だけでトレーニングをしたり、ゲームをしたりできる環境を整えることも重要です。

そうすれば・・・ 広い範囲で女子選手の仲間ができ、ネットワークができます。

中学生になったらいっしょのチームで活動したいと思うかもしれ

ませんし、中学生になったときに入れる女子チームの情報が得やすくなります。

Action3: 女子選手も中学校サッカー部で活動しよう!

ポイント! 同じチームでプレーしていた男の子たちがいるから、中学校のサ

ッカー部にも入りやすいはずです。

中学生になったら男の子といっしょにはできない!と思わずに、まずは学校のサッカー部で活動を継続すること。そして、また「女

子トレセン」でも並行して活動すればよいのです。

そうすれば・・・

中学生になった途端に活動の場がなくなるということはなくなり

ます。小学生から中学生になるときにサッカーから離れることを避けることができれば・・・。

【小学生年代】

女子トレセン

尐年

チーム

尐年

チーム

尐年

チーム

C

尐年

チーム

尐年

チーム

【小学生年代】

尐年

チーム

尐年

チーム

尐年

チーム

C

尐年

チーム

尐年

チーム

【中学生年代】

女子トレセン

B中学校

A中学校

C中学校

E中学校

D中学校

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Action4: 女子チームとして登録・活動しよう!

ポイント! 「女子トレセン」の活動が充実してきたら、1つの「女子チーム」

として登録して活動することも可能です。

中学生年代では、「女子チーム」に登録したまま、「中学校サッカー部」で公式試合に出場することができますので、在籍している

中学校でもそのまま活動を継続することができます。

そうすれば・・・

新たな女子チームが増えれば、女子だけでサッカーをしたいとい

う女の子も活動の場が増え、全体の女子選手数も増えるでしょう。 女子チーム数が増えることは、大会の活性化、さらには日本女子

サッカー全体の活性化にもつながっていくのです。

② 試合環境の改善策JFAでは、長期に渡るリーグ戦の創出を推進しています。選

手にとっては、1回戦で負けて終わりではなく、長期に渡るモチ

ベーションとなること。指導者にとっては、M-T-Mで、試合で日

頃のトレーニングの成果を確認し、その結果を分析してトレーニ

ングを重ね、また次の試合に臨むというサイクルの中で、誯題に

トライし、1つ1つ積み重ねていくことができること。それを実現で

きるのがリーグ戦です。また、大量得点差の試合から成果や誯

題を見出すことは難しく、拮抗した実力のチーム同士で試合を

重ねる環境をつくることは育成年代において重要です。

しかし、'チーム数の尐ないところでは、(女子チームだけでリ

―グ戦を整備することは簡単ではありません。男子では、能力

別のリーグ戦化に取り組んでいます。そのレベルにあったチーム

であれば、女子チームでも参加が可能ではないでしょうか。すで

に男子のチームに交じって地区レベルのリーグに参加している

女子チームもありますし、県リーグに女子のトレセンチームが参

加しているところもあります。特に小中学生年代のリーグ戦には、

男子チームの一員として参加する女子選手はもちろん、男子チ

ームと試合をする女子チームが増え、チームや個人にあった形

でレベルに応じた試合経験を積む機会が増えていくことを期待

しています。

【中学生年代】

女子チーム

B中学校

A中学校

C中学校

E中学校

D中学校