10mktg01 オリエンテーション 2010 04 02

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マーケティング(学部) 1 2010 年度 一橋大学商学部 標準科目 マーケティング 2010 年4月2日版 担当教員:松井 たけし 基本情報 開講日時:夏学期/火曜日&金曜日/2限 教室:406 教室 メールアドレス:[email protected] ウェブサイト:http://marketing.cm.hit-u.ac.jp/~matsui/ 研究室:東本館 203 号室 オフィスアワー:月曜日2限 この授業の狙い マーケティングの標準的なフレームワークを学習します。ただテキストを読むのではなく、 企業によるマーケティング行動を自ら分析することで、学んだ理論や概念について地に足が 着いた理解を得ることを目的とします。 対象となる学生と前提知識 学部2年生以上をターゲットとします。前提知識は特に問いませんが、概論科目で学ぶ内 容はこの授業を理解する上で役に立つでしょう。 テキスト 以下のテキストを用います。早速、次回から用いるので生協などで購入してください。 フィリップ・コトラー, ケビン・レーン・ケラー(2008)『コトラー&ケラーのマーケティン グ・マネジメント 基本編 第3版』, ピアソンエデュケーション.

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マーケティング(学部)

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2010 年度 一橋大学商学部 標準科目

マーケティング

2010 年4月2日版

担当教員:松井 剛たけし

基本情報

開講日時:夏学期/火曜日&金曜日/2限 教室:406 教室 メールアドレス:[email protected] ウェブサイト:http://marketing.cm.hit-u.ac.jp/~matsui/ 研究室:東本館 203 号室 オフィスアワー:月曜日2限

この授業の狙い

マーケティングの標準的なフレームワークを学習します。ただテキストを読むのではなく、

企業によるマーケティング行動を自ら分析することで、学んだ理論や概念について地に足が

着いた理解を得ることを目的とします。

対象となる学生と前提知識

学部2年生以上をターゲットとします。前提知識は特に問いませんが、概論科目で学ぶ内

容はこの授業を理解する上で役に立つでしょう。

テキスト

以下のテキストを用います。早速、次回から用いるので生協などで購入してください。

フィリップ・コトラー, ケビン・レーン・ケラー(2008)『コトラー&ケラーのマーケティン

グ・マネジメント 基本編 第3版』, ピアソンエデュケーション.

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講義スケジュール

このスケジュールは講義全体の見取り図です。受講している中で、いま学んでいる

ことがどのような位置づけにあるのか分からなくなったときには、この表を眺めると

よいでしょう。詳しい内容については 6 ページ以降にある「各講義の内容」を参照。 部 回 月/日 講義内容 章 Part I Intro. 1 04/09 【オリエンテーション】 -

2 04/13 マーケティングとは何か 1 3 04/16 マーケティング戦略の策定と実行(1) 2

Part II R 4 04/20 マーケティング戦略の策定と実行(2) 2 5 04/23 市場調査(2次データ) 3 6 04/27 市場調査(1次データ) 3 7 04/30 顧客価値、満足、ロイヤリティーの創造 4 8 05/07 消費者行動(1) 5 9 05/11 消費者行動(2) 5

10 05/14 ビジネス市場 6 Part III STP 11 05/18 市場セグメンテーションとターゲティング 7

12 05/21 ブランド・エクイティ(1) 8 13 05/25 ブランド・エクイティ(2) 8 14 05/28 ポジショニング:競争への対処(1) 9 15 06/01 ポジショニング:競争への対処(2) 9 16 06/04 【まとめと Q&A】 1-9 17 06/08 【中間試験】 1-9

Part IV MM 18 06/11 製品戦略 10 19 06/15 消費者採用プロセスと製品ライフサイクル 10 20 06/18 サービスの設計とマネジメント 11 21 06/22 価格戦略 12 22 06/25 流通戦略 13 23 06/29 小売、卸売、ロジスティクス(1)、映画『スーパーの女』 14 24 07/02 小売、卸売、ロジスティクス(2)、映画『スーパーの女』 14 25 07/06 統合コミュニケーション(レポート〆切日) 15 26 07/09 マス・コミュニケーション 16 27 07/13 販売時点でのコミュニケーション 17

Part V App. 28 07/16 国際マーケティング 18 29 07/20 【優秀レポート発表会】 - 30 07/27 【まとめと Q&A】 10-18

31 07/30 【最終試験】 10-18※ これは予定であり、若干の変更の可能性があります

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授業の進め方:受講者に求められていること

受講者は以下の作業を毎回繰り返すことが求められています。能動的に学ぶ機会を設ける

ことで、知識を血肉にすることを狙っています。見方を変えるならば受講者がどれだけ授業に

貢献してくれるかどうかがこの授業の質を決めることになります。

予習

• 【テキストの理解】まず該当章をよく読み、重要な部分に線を引く、メモをとる

など内容の理解に励んでください(ただ読むだけでは、理解が深まりません。手

を動かしましょう)。 • 【ミニ分析課題】 その上で、以下のミニ分析課題を WebClass に提出して

ください。締切は講義の 24 時間前です。受講者全員が最低1回提出をす

ることを義務づけます。良い授業を創りあげる上で貢献した学生には評価

ポイントを加算します 各回の授業で設定した課題について、パワーポイン

ト1枚にまとめて、WebClass に提出してください。課題は、6 ページ以降にある

「各講義の内容」を参照してください。パワーポイントの内容は、写真や図表など

visual aid を多用して、大教室での発表に耐えられる内容にしてください。文字

の大きさは 20 ポイント以上とします。また説明する内容をパワーポイントの

「ノート」部分に 400字以内にまとめてください。いくつかを授業中に採り上げて、

本人から説明してもらいます

授業

• 遅刻をしないこと。他の受講者の学習の妨げになるので、正当な理由なく

10 分以上遅刻した者の受講は認めません。

• テキストの該当章を予習していることを前提とするので、90 分間通してテキストの

内容をそのまま説明し続けるという講義スタイルはとりません • まずぼくが該当章の内容をざっと振り返り、補足説明をします。パワーポイントは

2 週間前までに WebClass にアップロードします。 • その途中で、ミニ分析課題について2~3名の学生より発表してもらい簡単に議

論します • これに加えて、深い理解を得るために、こちらから簡単なクイズ(考えてみよう)を

出すことがあります。発言を求めることがあります • 毎回の授業の最後に「フィードバックシート」を提出してもらいます。(a)授業中の

発言内容、(b)クイズ(考えてみよう)への解答、(c)授業中での気づき(感想)や

疑問点などを簡潔に記入の上、提出してください。内容に応じてポイントを加算

します。また皆さんと共有した方がよいコメントや疑問点については、次回の授

業で紹介や解説をすることがあります。フィードバックシートを提出させる

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マーケティング(学部)

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ことの目的は、出席をとることではないことを理解してください。何も記

入していない白紙のシートは評価の対象になりません。つまり(そんなも

のはこの授業にはないのに)「出席点」を狙うことだけを目的にして授業

に出ることは全く無意味です • 以上の授業の進め方については受講者数や皆さんのニーズなどに応じて

適宜変更する可能性があります

復習

• この授業では、予習をしっかりすることと授業に集中して望むことを重視しますの

で、復習に多くの時間を費やす必要ありません。しかし学んだ内容をざっと振り

返ることは、レポート作成や最終試験に向けて大いに役に立つでしょう

自由提出レポート

より積極的に学びたい学生のためにマーケティング事例を分析するレポートを提出

する機会を設けます。提出の1週間後までに WebClass を通じてフィードバックを行い、2週

間後の優秀レポート発表会にて、優れたレポートを発表してもらって教室で議論します。

また優秀レポートは次年度以降の授業で「見本」として用いる可能性があります このレポートは強制ではありません。ただ全体の評価の 10%を占めていることには

注意してください。つまり提出をしない場合は、10%が成績スコアから自動的に減ることに

なります。授業への関与、時間的余裕など考慮して提出するかどうか決めて下さい

• 課題:マーケティング事例をひとつ採り上げて、それがなぜ優れているの

か(あるいは優れていないのか)を、授業で学んだ理論や概念を駆使して

分析しなさい。 • フォーマット: A4サイズで4ページ以内にまとめること。字数は 3,000 字まで(図

表は1つにつき 400 字換算)。文字は 10 ポイント以上。手書きは不可。字数の大

幅超過など、以上のフォーマットを守らない場合は、減点となるので注意

して下さい o レポートのタイトル、氏名、学部学年、学籍番号を冒頭に明記すること。詳

細については、最後のページにある「【付録】レポートの評価基準

(チェックリスト)」を参照 • 〆切:2010 年7月6日 10:35(優秀レポート発表会の2週間前) • 提出先:WebClass(〆切を過ぎると自動的に窓口が閉まるので注意!〆切に間

に合わないレポートは一切受け取りません)

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評価の方法

1) ミニ分析課題 10% 2) 「フィードバックシート」の内容 10% 3) 中間試験・学期末試験(各 50 点満点) 70% 4) 自由提出レポート(10 点満点) 10%

【重要!】中間試験を受験していない学生、またはミニ分析課題を1回も提

出していない学生は、最終試験を受験する資格がありません。 「フィードバックシート」の内容の評価が著しく少ない学生も、D や F になる可能性が

あります。ただし(繰り返しになりますが)シートを提出させることの目的は、

出席をとることではないことを理解してください。何も記入していないシー

トは評価の対象になりません。白紙のシートを提出してもらってもあなたの

評価を向上させる上で全く意味がありません。つまり(そんなものはこの授

業にはないのに)「出席点」を狙うことだけを目的にして授業に出ることは

全く無意味です

成績スコアの計算方法は次の通りです。1)と 2)については最高得点を 10 点

満点に換算し、その換算率ですべての点数を変換する。3)については合計 100

点満点なので 0.7 倍する。自由提出レポートの 4)については 10 点満点なの

で1倍する。提出しない場合は当然0点となる。これら 1)~4)の換算点数を

合計したものが、成績スコアとなる。これに基づいて成績を付ける

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各講義の内容

この講義は5部構成です。まず第1部では、マーケティングについての基本的な理解を得ま

す。第2部から第4部では R→STP→MM というマーケティング・マネジメントのプロセスに沿って

講義を進めます。 マーケティング・マネジメントでは、まず環境や顧客などに対する調査から始まります

(Research)。第2部では情報の収集と分析について検討します。当時に顧客価値とは何か、

消費者行動の基本プロセスを検討します。 調査結果に基づきマーケターは、顧客の集合である市場を何らかの次元で分割

(Segmentation)して標的となる顧客を選択して(Targeting)、また同時に競合他社が提供す

る製品やサービスからどのように差別化するのかということも決めます(Positioning)。第3部で

はこの STP について検討します。 こうした STP に基づいてマーケティング・ミックス(Marketing Mix)を選定します。マーケティ

ング・ミックスとは、製品(Product)、価格(Price)、流通チャネル(Place)、コミュニケーション

(Promotion)からなる4つのPを指します。これらを一貫性のある形で提供することがマーケテ

ィングの実行フェイズの基本です。これを第4部で検討します。 第5部では応用編として、国際マーケティングの事例を検討すると同時に、講義内容を振り

返ります。

第1部 イントロダクション(Introduction)

1. オリエンテーション

このシラバスに書かれている内容を説明します。あらかじめシラバスを読ん

でオリエンテーションに臨んでください。講義内容に関する質問も受け付けま

す。

2. マーケティングとは何か Ch. 1

マーケティングとは企業活動のどの部分を指すのかを理解した上で、基本的

な概念と概念間の関係を理解します。その上で、この授業で学ぶ内容について

の全体像を把握します。 【ミニ事例分析】マーケティングの対象として扱われるもの 10 種類(テキ

スト pp. 7-8)の具体例をひとつ挙げて、その例の「4つの P」がどのようなも

のであり、「4つの P」間の関係はどのようなものかを説明しなさい。

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3. マーケティング戦略の策定と実行(1) Ch. 2

顧客価値(定義は p. 80 参照)の創造においてマーケティングが果たす役割

を 2 回に分けて考えます。1回目は、企業の戦略計画および事業部の戦略計画

について検討します。 【ミニ事例分析】事業を成長させるための3つの方法(集中的成長、統合的成長、

多角的成長)のいずれかの具体例をひとつ挙げて分析しなさい。

4. マーケティング戦略の策定と実行(2) Ch. 2

2回目は、事業単位の戦略計画とマーケティング計画の立案方法とその成果

測定について理解を深めます。 【ミニ事例分析】 「ピーター・ドラッカーは、『物事を適切に進める(効率性)』より

も『正しいことを行う(有効性)』のほうが重要であると指摘している」(p. 40)という文章

に基づいて、効率性と有効性という観点から見て、優れた(もしくは劣った)マーケテ

ィングの事例をひとつ採り上げて分析しなさい。

第2部 調査(Research)

5. 市場調査(2次データ) Ch. 3

第2部では情報の収集と分析について検討します。まずマーケティング意思決

定の際に用いる情報をどのように入手し、分析するのかを2回に渡って検討し

ます。今回は、すでに存在しているデータ、すなわち2次データについて検討

します。 【ミニ事例分析】総務省統計局ウェブサイト(http://www.stat.go.jp/)を訪ね

て「家計調査」などの官庁データを用いて、あるビジネスが成功を収めていた

り、ある業界が成長を遂げていたりする理由を「マクロ環境のトレンド」(p. 63)から説明しなさい。

6. 市場調査(1次データ) Ch. 3

前回に引き続いて情報の入手と分析について考えます。今回は自ら収集した

データ、すなわち1次データについて検討します。 【ミニ事例分析】新聞や雑誌の記事などを検索して、ある企業のマーケティ

ング・リサーチ(p. 51)の具体例を挙げて、これがマーケティング上の意思決

定や行動にどのように活用されているのかを説明しなさい。

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7. 顧客価値、満足、ロイヤリティーの創造 Ch. 4

どのように顧客を満足させて長期的な関係を構築するのか考えます。顧客生

涯価値という考え方についても理解を深めます。 【ミニ事例分析】「図 4-1:顧客の受取価値の決定要素」を用いて、あなた

自身が購入した製品なりサービスを採り上げて、どのような顧客価値を受け取

ったのかを説明しなさい。

8. 消費者行動(1) Ch. 5

消費者がどのように購買意思決定を行うのかを2回に分けて考えます。この

2回の内容は選択科目「消費者行動」の導入となるでしょう。第1回は、消費

者行動に与える様々な影響要因について検討します。 【ミニ事例分析】具体的な製品やサービスを購買する消費者行動を分析しな

さい。その際には、文化的要因、社会的要因、個人的要因の複数を説明の際に

用いること。

9. 消費者行動(2) Ch. 5

第2回は、購買決定プロセスについて理解を深めます。 【ミニ事例分析】「図 5-3:消費者購買プロセスの5段階モデル」を用いて、

あなた自身が購入した製品なりサービスをひとつ採り上げて、どのようなプロ

セスを経たのかを説明しなさい。

10. ビジネス市場 Ch. 6

消費者のみならず企業のような組織もまた購買する主体です。こうした組織

がどのような意思決定を経てその活動に必要な製品なりサービスを購入する

のかという問題を、先週学んだ消費者の意思決定と比較をしながら考えます。 また食品スーパーが来店者を増やし購買単価を高めるためにどのような工

夫をしているのかどうかを学ぶために映画『スーパーの女』を観賞します。 【ミニ事例分析】新聞や雑誌の記事などを検索して、企業という「お客様」

を満足させるための営業活動をひとつ採り上げて説明しなさい。

第3部 セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング(STP)

11. 市場セグメンテーションとターゲティング Ch. 7

第3部では、STP というマーケティング戦略策定の基本フレームを学びます。

まず市場をどのように分割してどこを狙うのかというセグメンテーション(S)とターゲティング(T)について学びます。 またそのスーパーがどのような市場セグメントをターゲットとしているの

かを「表 7-1:消費者市場の主要な細分化変数」を用いて説明しなさい。

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12. ブランド・エクイティ(1) Ch. 8

ポジショニング(P)について学ぶ前に、ブランドとは何か2回に分けて検

討します。第1回は、ブランド・エクイティが何かを明らかにした上で、その

確立のための方法と測定手法について理解を深めます。 【ミニ事例分析】ブランド・エクイティを確立する第3の方法である二次的

連想(p. 174)の具体例を挙げて、成功もしくは失敗した理由を明らかにしな

さい。

13. ブランド・エクイティ(2) Ch. 8

第2回では、ブランド・エクイティの管理とブランディング戦略の立案につ

いて検討します。 【ミニ事例分析】「ブランディング戦略の立案」(pp. 179-185)で紹介され

ているさまざまなブランディング戦略のひとつを採り上げてその具体例(成功

例または失敗例)を説明しなさい。

14. ポジショニング:競争への対処(1) Ch. 9

セグメンテーション(S)とターゲティング(T)とは自社と顧客の関係を定

めることです。一方、ポジショニング(P)とは競合する他社との関係につい

て定めることです。効果的なポジションを定めて自社ブランドを差別化するた

めにはどうしたらよいのかを2回に分けて考えます。第 1 回は、ポジショニン

グ戦略の立案と伝達、差別化戦略、競争要因と競合他社について理解を深めま

す。 【ミニ事例分析】類似点連想と相違点戦争を上手に活用したマーケティング

事例をひとつあげてその成功理由を分析しなさい。

15. ポジショニング:競争への対処(2) Ch. 9

第2回は、競合他社の分析と競争地位別の競争戦略について理解を深めます。 【ミニ事例分析】「競争戦略」(pp. 205-213)で紹介されているリーダー、

チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーのうちひとつを採り上げてその具体

例(成功例または失敗例)を説明しなさい。

16. 【まとめと Q&A】 Ch. 1-9

これまでの講義を振り返り、分からない点を確認します。また講義の遅れな

どを調整します。

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17. 【中間試験】 Ch. 1-9

出題範囲は第1~9章です。

第4部 マーケティング・ミックス(MM)

18. 製品戦略 Ch. 10

第4部では、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、コミュニケ

ーション(Promotion)の4つからなるマーケティング・ミックス、すなわち

4Ps について検討していきます。まず 4Ps という考え方について確認した上で、

製品(Product)について3回に分けて検討します。この回ではとくに製品ミッ

クスと新製品開発プロセスについて検討します。 【ミニ事例分析】ある企業の「製品ミックス」(p. 222)を採り上げて、そ

の組み合わせがなぜ優れているのか、およびどのような問題があるのかについ

て説明しなさい。

19. 消費者採用プロセスと製品ライフサイクル Ch. 10

製品(Product)の第2回目講義として、製品ライフサイクルに応じて企業は

ポジショニングと変えて行かなくてはならないことを学びます。一方で製品の

ライフサイクルに応じてその買い手である消費者もまた変化すること普及プ

ロセスに着目して検討します。 【ミニ事例分析】「表 10-1:製品ライフサイクルの特性、目的、戦略の概略」

(p. 241)を用いて、ある段階にある製品なりサービスをひとつ採り上げてど

のような特性、マーケティング目的、戦略であるかを説明しなさい。

20. サービスの設計とマネジメント Ch. 11

製品(Product)の第3回目講義として、サービスについて考えます。有形財

にはないサービスの特性を把握した上で、サービス・マーケティング固有の問

題について考えます。 【ミニ事例分析】具体的なサービス・マーケティングをひとつ採り上げて、

「図 11-3:サービス品質モデル」(p. 256)にある5つのギャップがどのよう

に解消されているのか、あるいは解消されていないのかを分析しなさい。

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21. 価格戦略 Ch. 12

価格(Price)について考えます。他のマーケティング・ミックスと異なり数

字で表現されるため、価格は客観的であると考えがちですが、同じ 100 円でも

文脈に応じて高く見えたり安く見えたりすることがあります。こうした消費者

心理を理解した上で、価格設定の意思決定について考えます。 【ミニ事例分析】「価格変更の実施と反応」(p. 285-288)を参考にして競

合他社が価格を変更したことに応じて値下げや値上げを行った企業の具体例

をひとつ挙げてその成否について分析しなさい。

22. 流通戦略 Ch. 13

流通(Place)について2回に分けて考えます。今回は、流通業の存在意義に

ついて理解した上で、メーカーの視点からチャネルの設計と管理について考え

ます。この2回の授業は、標準科目「流通システム」と深く関わります。 【ミニ事例分析】「図 13-3:消費財と生産財のマーケティング・チャネル」

(p. 298)の(a)を参考にして、消費者向け製品のマーケティング・チャネル

の具体例をひとつ図示してどのような流れになっているのかを説明しなさい。

23. 小売、卸売、ロジスティクス(1)、映画『スーパーの女』 Ch. 14

流通(Place)の第2回目講義として、小売業者、卸売業者、物流業者の視点

から見たマーケティング・チャネルの問題について考えます。とくに多様な小

売業態についての理解を深めます。また小売業者の具体例として、食品スーパ

ーのマーケティングについて理解を深めるために映画『スーパーの女』を2回

に分けて鑑賞します。 【ミニ事例分析】「表 14-1:小売業態の主なタイプ」(p. 319)に挙げられ

ている業態のひとつをとりあげて具体例を説明しなさい。他の業態にはない特

徴が何かを明らかにしなさい。

24. 小売、卸売、ロジスティクス(2)、映画『スーパーの女』 Ch. 14

映画『スーパーの女』を鑑賞します。 【ミニ事例分析】映画『スーパーの女』の内容を踏まえて、食品スーパーを訪

れて、来店者を増やし購買単価を高めるためにどのような工夫をしているのか

どうか観察、分析しなさい。

25. 統合コミュニケーション Ch. 15

コミュニケーション(Promotion)について3回に分けて検討します。今回は、

マーケティング・コミュニケーションの全体像を把握した上で、広告やパブリ

ック・リレーションズ、人的販売など主要なコミュニケーション方法の使い分

けについて学びます。これらは非人的なコミュニケーションと人的なコミュニ

ケーションに大別されます。それぞれ2回目、3回目の講義でより深く検討し

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ます。この3回の授業は、選択科目「マーケティング・コミュニケーション」

の導入となるでしょう。 【ミニ事例分析】「マーケティング・コミュニケーション・ミックスの特徴」

(pp. 354-355)の6分類を参考にして、複数のコミュニケーション・ツールを

組み合わせたマーケティング・コミュニケーションの具体例をひとつ挙げて説

明しなさい。なぜこの組み合わせが高い成果を挙げているのか、もしくは成果

を挙げられずにいるのかを分析しなさい。

26. マス・コミュニケーション Ch. 16

コミュニケーション(Promotion)の第2回目講義として、広告、販売促進、

イベントと経験、パブリック・リレーションズの4つからなる非人的コミュニ

ケーションについて学びます。 【ミニ事例分析】「表 16-2:主な消費者向けプロモーション・ツール」(p. 374)に挙げられたツールを用いているマーケティング・コミュニケーション

の具体例をひとつ挙げなさい。それが当該製品やサービスのマーケティング・

コミュニケーションにどのように貢献したのか、あるいはしなかったのかを分

析しなさい。

27. 販売時点でのコミュニケーション Ch. 17

コミュニケーション(Promotion)の第3回目講義として、人的販売とセール

ス・フォースの2つからなる人的コミュニケーションについて学びます。 【ミニ事例分析】「表 17-2:効果的な販売における主要な段階」(p. 403)を参考にして、あなたが経験した優れた人的販売について説明してください。

なぜ説得されてしまい製品なりサービスを買ってしまったのか分析しなさい。

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第5部 応用(Application)

28. 国際マーケティング Ch. 18

海外の市場で製品やサービスを提供するときの課題を検討します。僕自身が

研究してきたアメリカにおける日本産マンガのマーケティングについて紹介

します。

29. 【優秀レポート発表会】 Ch. 10-18

優秀レポートの内容を発表してもらい、その内容について議論します。

30. 【まとめと Q&A】 Ch. 10-18

これまでの講義を振り返り、分からない点を確認します。また講義の遅れな

どを調整します。

31. 【最終試験】

出題範囲は第 10~18 章です。

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【付録】レポートの評価基準(チェックリスト) • 体裁:読み手に理解されるための最低限のマナーは守られているか

□ 書き手の明示:氏名、学部学年、学籍番号は冒頭に明記していますか?(書き

手の名前がない文書は「怪文書」です) □ ページ:ページは打ってありますか?(何かの理由でバラバラになった場合、ペ

ージがあるとまとめ直すことができます) □ タイトル:内容の要約として相応しいタイトルですか? □ 節タイトル:レポートの各節の内容を示すサブタイトルですか?(例えばA4で2

枚の文章であれば、3つか4つのサブタイトルが標準的でしょう) □ 段落:ひとつの段落が長すぎませんか?あるいは短すぎませんか? □ 文章:不必要に長い文章になっていませんか?(こういった場合、書き手自身が

内容を理解していないことがほとんど) □ 接続詞:文章間、段落間、項と項の間の関係を示すために適切な接続詞は使

われていますか? • 内容:読み手を唸らせる説得力があるか

□ このケースのメッセージ:何を主張したいのか明確に説明されていますか? □ データ:主張の裏付けとなるデータを適切に示していますか? □ 論理:主張の裏付けとなる論理の展開には、矛盾や綻びがありませんか? □ 概念と理論:マーケティングの概念と理論が分析において適切に用いられてい

ますか? • スケジューリング

□ 事例の選択:遅くとも締め切りの1ヶ月前から考え始めましたか? □ データ収集:図書館や現場でのデータ収集は、締め切り1ヶ月前から始めまし

たか? □ 初稿の完成:締め切りの1週間前には完成させましたか? □ 推敲:少なくとも 10 回は書き直しましたか? □ 提出:時間的な余裕を持って提出しましたか?