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Signa 甲子園 10th Anniversary Book これまでの歴史をこの一冊に

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Page 1: 10th Anniversary Bookgecommunity.on.arena.ne.jp/signa-l/koushien/10th...10th Anniversary Book 歴代の実行委員会の皆さまのご紹介 Signa 甲子園はGE MRユーザーの皆さまに実行委員会へ参加頂き、

記載内容は、お断りなく変更する場合がありますのでご了承ください。

©2014 General Electric Company - All rights reservedPrinted in JapanRev.1.0 2014/11 00・00-00(KM・KM) JB26014JA

販売名称:ディスカバリー MR750

販売名称:ディスカバリー MR750w販売名称:オプティマ MR450w販売名称:磁気共鳴断層撮影装置 Optima MR360/Brivo MR355販売名称:シグナ核磁気共鳴コンピュータ断層撮影装置

販売名称:シグナ EXCITE 3.0T販売名称:シグナエコースピードの類型 SignaIGNITE販売名称:SIGNA Advantege1.0T販売名称:シグナ核磁気共鳴コンピューター断層撮影装置

販売名称:Signa Profile 磁気共鳴断層撮影装置

販売名称:レゾナ II 磁気共鳴断層撮影装置

販売名称:エムアールベクトラ(MRVectra) 磁気共鳴断層撮影装置

製造販売元:GEヘルスケア・ジャパン株式会社

認証番号:221ACBZX00095000認証番号: 223ACBZX00061000認証番号: 223ACBZX00032000認証番号: 222ACBZX00009000 認証番号:16100BZY00207000承認番号:21700BZY00014000承認番号:20900BZY00067000承認番号:5B 第 94承認番号:61B 第 207 

承認番号:20700BZZ00958000承認番号:16200BZZ01409000承認番号:20200BZZ01409000

Signa甲子園10th Anniversary Book

これまでの歴史をこの一冊に

Signa甲子園10th Anniversary Book

Signa甲子園(MR Signaユーザーズミーティング)

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C O N T E N T S

 Signa甲子園は2005年の第1回大会から毎年開催され、2014年大会で10周年を迎えることができました。

これも偏に、GEのMRユーザーの皆様のご愛顧とご支援によるものであり、心より感謝を申し上げます。

 Signa甲子園を支えて頂いている全国のユーザーズミーティングは2014年現在、35の地域において開催されています。

毎年、各ユーザーズミーティングからSigna甲子園へエントリーされるアイデアはどれもが素晴らしく、Signa甲子園の開催を重

ね、ユーザーの皆様がお互いに刺激を与え合うことで、それは生まれ続けているのだと感じております。

また、そのアイデアは大会後、ご施設の臨床検査においてすぐに活用され、患者さんのMR検査に役立っているとの話をよくお聞

きすることがあります。

その声を聞けることが我々としてもとても嬉しく思う瞬間でございます。

 それだけではなく、Signa甲子園を通じて、全国のMRユーザーの皆様の『つながり』が広がっていくことが、何よりの我々の使

命であり、それを実感できることが何より我々の喜びにつながっております。

 本冊子には、Signa甲子園10年の歴史を感じていただける内容としております。

ぜひとも、手に取って本冊子をご一読いただければ幸いでございます。

GEヘルスケア・ジャパン(株) Signa甲子園 運営事務局 一同

『Signaユーザーと日本の技術開発の強いつながり』GEヘルスケア・ジャパン(株) MR技術部長 池田 仁

歴代の実行委員会の皆さまのご紹介

歴代大会の開催場所、大会受賞者および金賞演題のご紹介

Signa甲子園2005 第1回大会静岡UM 浜松医科大学医学部附属病院 竹田 浩康 様「造影 3D MR Angiography による肺動静脈分離描出のための工夫点について」

Signa甲子園2006 第2回大会茨城UM 北茨城市立総合病院 (現;茨城県立こころの医療センター) 臼庭 等 様「Smart Stepを用いた肝臓 Dynamic Scan」

Signa甲子園2007 第3回大会 長野UM 長野市民病院 小林 昌樹 様「Gate Free 3D-Fat Sat FIESTAを使用した濃縮胆汁症例における胆道系の描出」

Signa甲子園2008 第4回大会 北海道UM 札幌医科大学附属病院 白勢 竜二 様「膝関節」

Signa甲子園2009 第5回大会 青森UM 青森県立中央病院 佐藤 兼也 様「Volume Diffusionの時間短縮 ( – eco scan やんけ – )」

Signa甲子園2010 第6回大会 大阪UM 大阪大学医学部附属病院 上口 貴志 様「心電図同期T1強調スピンエコー法のコントラスト改善法」

Signa甲子園2011 第7回大会 岡山UM 津山中央病院 木原 翔 様「Volume Calibration」

Signa甲子園2012 第8回大会 神奈川UM 横浜栄共済病院 高橋 光幸 様「Gate SSFSE & Ccomp SPGRを組み合わせた胸部MRI – 超短時間検査法 –」

Signa甲子園2013 第9回大会 神奈川UM けいゆう病院 五十嵐 太郎 様「VR DWIBSのすすめ」

日本におけるGE MRI 30周年の歴史

Signa・る リニューアルのご案内

『Signa甲子園誕生秘話 – そして次の10年へ!–』GEヘルスケア・ジャパン(株)  Tipアプリケーション部 部長 大野 俊秀  

Signa甲子園10周年を迎えて

Signa甲子園 第1回大会

開演前の会場の様子

 

10年の歴史はこの時から始まりました

   

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C O N T E N T S

 Signa甲子園は2005年の第1回大会から毎年開催され、2014年大会で10周年を迎えることができました。

これも偏に、GEのMRユーザーの皆様のご愛顧とご支援によるものであり、心より感謝を申し上げます。

 Signa甲子園を支えて頂いている全国のユーザーズミーティングは2014年現在、35の地域において開催されています。

毎年、各ユーザーズミーティングからSigna甲子園へエントリーされるアイデアはどれもが素晴らしく、Signa甲子園の開催を重

ね、ユーザーの皆様がお互いに刺激を与え合うことで、それは生まれ続けているのだと感じております。

また、そのアイデアは大会後、ご施設の臨床検査においてすぐに活用され、患者さんのMR検査に役立っているとの話をよくお聞

きすることがあります。

その声を聞けることが我々としてもとても嬉しく思う瞬間でございます。

 それだけではなく、Signa甲子園を通じて、全国のMRユーザーの皆様の『つながり』が広がっていくことが、何よりの我々の使

命であり、それを実感できることが何より我々の喜びにつながっております。

 本冊子には、Signa甲子園10年の歴史を感じていただける内容としております。

ぜひとも、手に取って本冊子をご一読いただければ幸いでございます。

GEヘルスケア・ジャパン(株) Signa甲子園 運営事務局 一同

『Signaユーザーと日本の技術開発の強いつながり』GEヘルスケア・ジャパン(株) MR技術部長 池田 仁

歴代の実行委員会の皆さまのご紹介

歴代大会の開催場所、大会受賞者および金賞演題のご紹介

Signa甲子園2005 第1回大会静岡UM 浜松医科大学医学部附属病院 竹田 浩康 様「造影 3D MR Angiography による肺動静脈分離描出のための工夫点について」

Signa甲子園2006 第2回大会茨城UM 北茨城市立総合病院 (現;茨城県立こころの医療センター) 臼庭 等 様「Smart Stepを用いた肝臓 Dynamic Scan」

Signa甲子園2007 第3回大会 長野UM 長野市民病院 小林 昌樹 様「Gate Free 3D-Fat Sat FIESTAを使用した濃縮胆汁症例における胆道系の描出」

Signa甲子園2008 第4回大会 北海道UM 札幌医科大学附属病院 白勢 竜二 様「膝関節」

Signa甲子園2009 第5回大会 青森UM 青森県立中央病院 佐藤 兼也 様「Volume Diffusionの時間短縮 ( – eco scan やんけ – )」

Signa甲子園2010 第6回大会 大阪UM 大阪大学医学部附属病院 上口 貴志 様「心電図同期T1強調スピンエコー法のコントラスト改善法」

Signa甲子園2011 第7回大会 岡山UM 津山中央病院 木原 翔 様「Volume Calibration」

Signa甲子園2012 第8回大会 神奈川UM 横浜栄共済病院 高橋 光幸 様「Gate SSFSE & Ccomp SPGRを組み合わせた胸部MRI – 超短時間検査法 –」

Signa甲子園2013 第9回大会 神奈川UM けいゆう病院 五十嵐 太郎 様「VR DWIBSのすすめ」

日本におけるGE MRI 30周年の歴史

Signa・る リニューアルのご案内

『Signa甲子園誕生秘話 – そして次の10年へ!–』GEヘルスケア・ジャパン(株)  Tipアプリケーション部 部長 大野 俊秀  

Signa甲子園10周年を迎えて

Signa甲子園 第1回大会

開演前の会場の様子

 

10年の歴史はこの時から始まりました

   

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Signaユーザーと

日本の技術開発の強いつながり

GEヘルスケア・ジャパン(株)

MR技術部長

池田 仁Signa甲子園10周年おめでとうございます。

日本の技術開発部は1980年前半に国産MRIの開発を開始しました。

それから15年ほど国産MRIの開発を行った後、1995年ごろからSigna 製品の開発を世界のMR開発チームとともに続けております。

Signa甲子園が初めて開催された10年前までは、日本では低磁場製品を中心に開発を行っていたため、Signaユーザーの皆さまと直接お話

しをする機会が少なかったですが、2005年に販売を開始したSigna HDe 1.5Tの製品開発以降から、徐々に日本のSignaユーザーの皆さまの

声を直接聞く機会が増えてきました。

最近ではSigna甲子園に、私含め技術開発部メンバーも参加させて頂き、演題のタイトルから、どんな発表内容か事前に予想をするのが毎

年の楽しみになっております。毎回、自分たちの想像を超える発表がたくさんあり、皆さまの発想力と熱意に感心しています。また、新しい視

線で自分たちの製品を見直すきっかけにもなっております。

Signa甲子園だけでなく、Signaユーザーズミーティングにも何度か参加させていただくことで、ユーザーの皆さまの関心がどこにある

のか、どのようなことに困っているのかを理解する貴重な機会を得ています。最近では新製品開発の方向性を決めるために、ユーザーズミー

ティングの参加者の方に、インタビューをさせていただくなど、より皆さまの声を製品づくりに反映できるようにしています。皆さまから直

接話を聞くことで、自信をもって日々の開発にあたれています。日本に技術開発部門があり続けられるのも、近くに素晴らしい日本のSigna

ユーザーの皆さまがいるからだと強く思っております。

今後も日本の未来のため、いや世界の未来のため、皆さまとともに日本から世界に誇れる製品を作っていきたいと思います。

日本の技術部メンバー

これからも日本のユーザーの皆さまの“声”を製品開発へ反映させていきます

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Signa甲子園10th Anniversary Book

歴代の実行委員会の皆さまのご紹介Signa甲子園はGE MRユーザーの皆さまに実行委員会へ参加頂き、

企画から運営まで協力を頂いております。過去10年間の実行委員会の皆さまをご紹介します。

※実行委員会のご所属につきましては参加された当時の所属先を記載しております。現在のご所属と異なることをご了承ください。

※実行委員、顧問につきましては順不同で記載しております。

2005年 第1回大会(東日本大会) 開催地:東京≪実行委員長≫

高橋 光幸 様(横浜栄共済病院)≪実行委員≫

土橋 俊男 様(日本医科大学付属病院)尾崎 正則 様(北里大学)津田 英二 様(東京医科大学八王子医療センター)

2006年 第2回大会 開催地:東京≪実行委員長≫

高橋 光幸 様(横浜栄共済病院)≪実行委員≫

土橋 俊男 様(日本医科大学付属病院)尾崎 正則 様(北里大学)津田 英二 様(東京医科大学八王子医療センター)

2007年 第3回大会 開催地:東京≪実行委員長≫

高橋 光幸 様(横浜栄共済病院)≪実行委員≫

石黒 秋弘 様(大阪府立母子保健総合医療センター)高尾  渉 様(岡山旭東病院)内田 幸司 様(島根大学医学部)≪実行委員長補佐≫

土橋 俊男 様(日本医科大学付属病院)

2008年 第4回大会 開催地:北海道≪実行委員長≫

原田 邦明 様(札幌医科大学附属病院)≪実行委員≫

佐藤 兼也 様(青森県立中央病院)小島 正徳 様(総合南東北病院)弦巻 正樹 様(中条中央病院)≪実行委員長補佐≫

高橋 光幸 様(横浜栄共済病院)≪顧問≫

土橋 俊男 様(日本医科大学付属病院)

2009年 第5回大会 開催地:大阪≪実行委員長≫

石黒 秋弘 様(大阪府立母子保健総合医療センター)≪実行委員≫

佐々木智恵 様(草津総合病院)山村憲一郎 様(大阪医科大学附属病院)前田 文夫 様(新須磨病院)中間 康夫 様(神鋼加古川病院)≪実行委員長補佐≫

原田 邦明 様(札幌医科大学附属病院)≪顧問≫

高橋 光幸 様(横浜栄共済病院)土橋 俊男 様(日本医科大学付属病院)

2010年 第6回大会 開催地:東京≪実行委員長≫

津田 英二 様(東京医科大学八王子医療センター)≪実行委員≫

永山龍之介 様(南越谷健身会クリニック)

≪実行委員≫

平間 靖彦 様(松戸市立病院)渡辺 靖志 様(東京大学医学部附属病院)中  孝文 様(川崎幸病院)≪実行委員長補佐≫

石黒 秋弘 様(大阪府立母子保健総合医療センター)≪顧問≫

高橋 光幸 様(横浜栄共済病院)

2011年 第7回大会 開催地:大阪≪実行委員長≫

内田 幸司 様(島根大学医学部)≪実行委員≫

佐々木智恵 様(草津総合病院)山村憲一郎 様(大阪医科大学附属病院)高尾  渉 様(岡山旭東病院)穐山 雄次 様(広島大学病院)≪顧問≫

高橋 光幸 様(横浜栄共済病院)圡井  司 様(大阪大学医学部附属病院)

2012年 第8回大会 開催地:東京≪実行委員長≫

秦  博文 様(北里大学病院)≪実行委員≫

黒岩 靖淳 様(古賀総合病院)村中 良之 様(福井県立病院)嶋   剛 様(市立砺波総合病院)中  孝文 様(川崎幸病院)≪顧問≫

高橋 光幸 様(横浜栄共済病院)

2013年 第9回大会 開催地:横浜≪実行委員長≫

黒岩 靖淳 様(古賀総合病院)≪実行委員≫

五十嵐太郎 様(けいゆう病院)石川 応樹 様(上尾中央総合病院)布川 嘉信 様(慶応義塾大学病院)藤原 康博 様(福井大学医学部附属病院)≪実行委員長補佐≫

秦  博文 様(北里大学病院)≪顧問≫

高橋 光幸 様(横浜栄共済病院)

2014年 第10回大会 開催地:京都≪実行委員長≫

山村憲一郎 様(大阪医科大学附属病院)≪実行委員≫

上山  毅 様(彩都友紘会病院)今井 修一 様(宇治徳洲会病院)穐山 雄次 様(広島大学病院)山室  修 様(東名古屋画像診断クリニック)≪実行委員長補佐≫

黒岩 靖淳 様(古賀総合病院)≪顧問≫

高橋 光幸 様(横浜栄共済病院)

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Signa甲子園2005 第1回大会

2005年11月26日 

東京コンファレンスセンター・品川

【目的】

本法は造影剤検査において肺動静脈の分離を目的とした撮像法

及び画像処理のアイデアである。

【撮像条件】

装置:SIGNA EXCITE Xl TwinSpeed 1.5T

Coil:8ch Body array coil (upper)

Seq.:3D FSPGR Scan plane:Sagittal

Imaging Option:VBw,ZIP2,ZIP512,ASSET

TR / TE / FA:2.6 ms /0.8 ms /15°

RBW:90.9 kHz FOV:35 × 25 cm

Slice thickness:4-5 mm ( 4.4mm )

Loc./Slab:36 ( 72 ) Matrix:256 × 192

pFOV:0.75 NEX:1 # of phases:4

Acq. Time:28 sec ( 7sec/phase )

【撮像断面】

片側の肺がすべて含まれるようにSagittalで断面設定する。

【K-Spaceの充填】K-SpaceのOrderingが重要となる。シーケンシャルオーダーで

はK-Spaceの60%が充填されていれば画像化が可能なことから、

造影剤注入タイミングと撮像開始の調整で、第1時相目は設定され

た撮像時間の60%に短縮することが可能である。

【造影剤のタイミング】

2mlのテストインジェクションでタイミングを計測する。

【撮像タイミング】 図1参照撮像開始および造影剤注入の開始タイミングは図1のようにした。

静岡UM 浜松医科大学医学部附属病院 竹田 浩康 様

「造影 3D MR Angiography による肺動静脈分離描出のための工夫点について」

長野UM 長野市民病院 小林 正人 様

「Signa撮像テクニックの創意・工夫(CTL Spine coil使用の胸腰椎(髄)DWI)」

神奈川UM 北里大学病院 佐藤 英介 様

「非造影下肢MRVにおける撮像体位の工夫」

金賞

開催日

開催場所

銀賞

銅賞

金賞演題のご紹介

「造影 3D MR Angiography による

肺動静脈分離描出のための工夫点について」

図1. 撮像開始と造影剤注入開始タイミングの決定方法 図2. 肺動脈を完全分離するための処理

(左から佐藤様、竹田様、小林様)

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Signa甲子園10th Anniversary Book

あらかじめテストインジェクション法で計測した肺動脈主幹部へ

の造影剤到達時間が開始から3秒後になるようにタイミングを合わせ

る。3秒後というのは、1相あたりの撮像が7秒のため、その40%前の開

始タイミングで計算している。

【画像処理】 図2参照肺静脈の分離描出には肺動静脈が描出している画像から肺動脈

の描出画像を差分する。また、肺動脈の分離描出には肺動静脈が描

出している画像から先に差分して作成した肺静脈の描出画像を差

分して作成する方法が望ましい。

【結果】 図3,4参照結果から良好な血管が描出されていることが分かる。

【撮像法のポイント】

・ 空間分解能と時間分解能を両立させるため矢状断とする。 

・ 左右2分割での撮像 ⇒ BGの影響を避けるため左側から。

・ 第1相目で肺動脈だけが描出されるようにする。    

  Test injection法にて撮像開始タイミングを正確に測定する。 

  到達時間を1相あたりの撮像時間の40%後に調整する。

  造影剤の注入は短時間で切れよく 。

・ Subtraction画像のmisregistration artifactを最小限に抑える。

  呼吸停止の方法と停止時間の十分な説明。 

  十分な酸素吸入と呼気停止。

【本法のメリット】

・ 特別なオプションを必要としない。

・ Test injection法を用いるため、タイミングを逸することがない。

・ Sequential view order であるため、循環時間に多少のバラツキ

があっても造影不良になる可能性が少ない。

・ 後処理も単純な差分処理とその閾値処理程度であり、ルーチン業

務を圧迫することなく診断用画像を作成することが可能。

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今を去ること9年前、この大会は“綺麗な画像コンテスト”ではなく、“創意工夫の有用性を競う”という開催趣

旨に大いに賛同し参加を決めました。お陰様で栄えある金賞を受賞し、その受賞挨拶の時に私なりの仕事への

“こだわり”について話した事が、つい昨日の様に思い出されます。

この大会がGEユーザーの皆さんのプロフェッショナル魂をくすぐり、そこから新たな創意工夫が生まれると

いった好循環をもたらす様な大会として末永く続くことを祈念いたします。

浜松医科大学医学部附属病院 竹田 浩康 様

Signa甲子園2005を振り返る

【本法のデメリット】

・ 両側が撮像対象となる場合は、左右別々に撮像する必要がある。

・ 造影剤使用量も通常量の2倍になる。

・ 息止時間が多少長いため、差分画像に misregistration artifact

が出る可能性がある。

図3. 肺動静脈の完全分離画像(正面画像)

図4. 肺動静脈の完全分離画像(Oblique画像)

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(左から鈴木様、臼庭様、佐藤様)

Signa甲子園2006 第2回大会

2006年12月2日 

都市センターホテル(東京)

【はじめに】 肝臓のDynamic ScanはMDCTの登場によって、3Phase から 4Phase あるいは 5Phase の Scan が行なわれるようになった。しかし、通常MRIでは 3Phase Scan は行なわれているものの、4Phase Scan を行なうためには各Phase間の時間分解能に問題があり、行なわれていないのが現状と思われる。そこで、各Phase間の時間分解能を高くする方法を模索し4Phase、5Phase Scanを試みた。

【従来の撮像法の問題点】 3Phase Scanにおいてもう1phase追加しようとすると後期動脈相がScan Timeに依存してしまいタイミングを逃す。また、Multi Phase Optionを使った撮像ではK-Space Orderingが1種類に限定されてしまう。

【本演題のポイント】 K-space Orderingの選択(コントラストを決定づけるタイミング)とSmart Step Optionを組み合わせると、各Locationごとにプロト

コルの変更が可能になり、かつk-Space の Ordering を変化させることも可能になる。つまり、動脈二相では時間分解能優先のプロトコ

ルを設定し、門脈相、平衡相、遅延相では空間分解能を優先したプロ

トコルを設定することもできる。そして、各Locationの移動距離をゼロに設定すれば、同じPositionをMulti-Phaseで撮像できる。

【撮像条件】装置:SIGNA EXCITE Xl 1.5T Ver.11Coil:8ch Body array coil (upper)★ Early Arterial PhaseSeq.:3D Fast TOF-SPGR Scan plane:AxialImaging Option:ASSET, ZIP2, ZIP512, SPECIALTR / TE / FA:Default(3.5 ms) /Min(0.9 ms) /25°RBW:41.67 kHz FOV:38 cm Slice thickness:7 mmLoc./Slab:35 Matrix:256 × 160 pFOV:0.75 NEX:1 k-space Ordering ; Reverse CentricAcq. Time:12 sec

★ Late Arterial PhaseSeq.:3D Fast TOF-SPGR k-space Ordering ; Centric or Sequential

茨城UM 北茨城市立総合病院(現;茨城県立こころの医療センター) 臼庭 等 様

「Smart Stepを用いた肝臓 Dynamic Scan」

青森UM 青森県立中央病院 佐藤 兼也 様

「MOTSA 3D-TOFにおける血管欠損の改善方法」

札幌UM 札幌医科大学附属病院 鈴木 淳平 様「1mmの脳metaも見逃すな!!  ~転移性脳腫瘍の検出における 3D SPGRの有用性~」

金賞

開催日

開催場所

銀賞

銅賞

金賞演題のご紹介

「Smart Stepを用いた肝臓 Dynamic Scan」

図1 提出画像 図2 K-Space 充填率

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Signa甲子園10th Anniversary Book

★ Portal PhaseSeq.:3D Fast TOF-SPGR Scan plane:AxialImaging Option:ASSET, ZIP2, ZIP512, SPECIALTR / TE / FA:Default(3.8 ms) /Min(1.0 ms) /25°RBW:41.67 kHz FOV:38 cm Slice thickness:5 mmLoc./Slab:50 Matrix:288 × 192 pFOV:0.75  NEX:1 k-space Ordering ; Centric or SequentialAcq. Time:16 sec

★ Balanced Phase & Delayed PhaseSeq.:3D Fast TOF-SPGR k-space Ordering ; Sequential

【メリット】・1Phaseの撮像時間、体内循環時間(年齢など)に応じてReverse

Centric, Centric, Sequentialなどを組み合わせて、時間分解能を調節して適切な早期動脈相、後期動脈相が撮像できる。

・1Phase の Scan時間の長さによらず、Contrast Timingを調整できる。

・各Phaseのデータが別々のシリーズに保存されるので、検索およびフィルミングの際に楽である。

・各Phaseごとにプロトコルの変更も可能なので、動脈相は時間分解能を優先、Portal Phase,Delayed Phaseは空間分解能を優先した設定が可能である。

【デメリット】・息止め時間が長い。また息止め休止時間が短くなる。

 ⇒きちんと説明すれば出来る。

・1Phase目を Reverse Centricで撮るため、Smart Prep あるいはFluoro Triggerが使えない。 ⇒時間固定法でも、あまり問題はない。

・Smart Stepは4stationまでしか設定できないので、5Phase Scanをするときには別に、1series設定しなければならない。 ⇒Delayed Phaseを撮像するには時間に余裕があるので、新しい

Series を Downloadするにも充分の時間がある。・操作方法が多少繁雑になる。

 ⇒事前に操作練習をしましょう。

金賞を受賞して興奮したことを今でもはっきり覚えています。あれから8年が経つのかと思うと早いものです。本来、この発表は『肝臓のMulti-phase Scan』を目的としたものではなく、Signaの性能として、あまり使用されていない機能に目をつけ、それをどのような検査に応用できるかを考えました。一つの小さな風穴を開けたにす

ぎません。その後、応用の範囲は広がり、循環の速い肺動静脈の造影に使用したり、下肢動脈の造影のクオリティ

を上げたりと使用されました。そして、翌年のSigna甲子園2007で発表させていただいた『全腹部造影Scanの試み』に繋がります。今となっては8年前の話ですが、ぜひ2題を合わせてご評価いただきたいと思います。最後に、今後益々 Signa甲子園の発展をご祈念申し上げます。

北茨城市立総合病院 (現 ; 茨城県立こころの医療センター) 臼庭 等 様Signa甲子園2006を振り返る

【まとめ】・Smart Step と 3D TOF Fast SPGR を組み合わせて、k-Space

Ordering を変化させる事で、肝臓の 5Phase Scan が可能になった。

・特別な Softwareを必要としないで行なえる検査方法である。

図3 改善のアイデア

図4 臨床症例のご紹介

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(左から小林様、飯塚様、平野様)

Signa甲子園2007 第3回大会

2007年12月8日

東京ミッドタウンホール&カンファレンス

【はじめに】

 呼吸同期兼用Single Shot FRFSE 3D-MRCP(SS FRFSE 3D-MRCP)は胆道系の描出に有用である。しかし、濃縮胆汁症例においてはT2短縮効果により胆嚢管が描出されず、胆摘術前検査としては不十分でありDIC-CTの追加検査が余儀なくされる。そこで、我々は腹部領域において脂肪抑制を付加した3D-FIESTAを使用し、息止めによる広範囲かつ、高分解能画像を描出したので紹介する。  

ネーミング:Gate Free 3D-Fat Sat FIESTA

【撮像プロトコール】

装置:SIGNA TwinSpeed HD Ver.12 1.5TTE:Min Full, TR:3.9 ms, FA:45°Matrix(F×P):256×224, Slice Thickness:2.4 mmScan Locs:40, FOV:350 mm, BW:±125 kHzNEX:1, ASSET Factor:2.0, 撮像時間:約20secOption:ASSET・Cardiac Gating/Triggering・ZIP512・ZIP4

【ポジショニング】

胆嚢、胆管、総胆管が入るようにCoronalで設定する。

【撮像の工夫】

PGは被検者に装着せず装置の脇(いつもの所)に掛けておきます。

Gating Control画面において図2の◯部分をアクティブ状態にします。

PG Display上、同期を示す白いチックマークが多数出ている事とBPMが200~ 600の間を上下している事を確認する。Cardiac Gatingの設定画面にて、図3のように設定を行う。撮像時間(表示撮像時間)は、あくまで目安の時間となりCardiac GatingのViewカウントに依存して実際の撮像時間は変化します。

撮像前にGating ControlからGating Resetを行うことで、一次的にチックマークとBPMの数値が高くなり、ほぼ表示撮像時間で撮像が可能となります。

長野UM 長野市民病院 小林 昌樹 様

「Gate Free 3D-Fat Sat FIESTAを使用した濃縮胆汁症例における胆道系の描出」

南近畿UM りんくう総合医療センター 飯塚 明寿 様

「MR Angioでのひと工夫」

神奈川UM 横浜栄共済病院 平野 謙一 様

「急性期脳梗塞に使える!! 3-Contrast Long TE SPGR」

金賞

開催日

開催場所

銀賞

銅賞

金賞演題のご紹介

「Gate Free 3D-Fat Sat FIESTAを使用した

濃縮胆汁症例における胆道系の描出」

図1 提出画像 図2 Gating Control画面

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Signa甲子園10th Anniversary Book

【本法のメリット】

・3D-Fat Sat FIESTAシーケンスが使用できるすべての機種において使用可能である。

・SS FRFSE 3D-MRCPでは描出不可能であった濃縮胆汁症例において、本方法を用いる事で胆道系の描出が可能となり、胆嚢管が描出

されない症例においてはDIC-CTの追加検査がない。

【本法のデメリット】

・意思疎通のとれない被検者への適応は不可。

・画像処理の際、ADW 4.2以下のVersionでは画像処理に多少時間を費やす場合がある。

【まとめ】

本方法の施行により、簡単に 3D-Fat Sat FIESTAの広範囲息止め撮像が可能となる。今迄、呼吸同期兼用のSS FRFSE 3D-MRCPでは描出が不可能であった濃縮胆汁症例において、この方法を使用する

事で、胆嚢・胆管の描出が可能となり、胆摘術前精査においては解剖

学的位置の把握が可能になる。

造影剤を使用した検査(DIC-CT)と異なり侵襲性が非常に低い検査方法であり、有用である。

Signa甲子園!!祝10年!!! 誠におめでとうございます。

振り返ってみますと2007年には思いもよらない撮像方法が現在では多数の施設において臨床活用されてお

り、MRI装置の進歩には目を見張るものがあります。

日進月歩の世界である事を痛感しておりますが、今後も日進月歩の荒波に身を投じ励んで行こうかと思います。

第10回記念大会が大成功し、Signa甲子園が更なる躍進を遂げる事を切に願います。

長野市民病院 小林 昌樹 様

Signa甲子園2007を振り返る

図4 再度提出画像1,2

図3 Cardiac Gating画面 図5 再度提出画像3

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(左から水口様、白勢様、小林様)

Signa甲子園2008 第4回大会

2008年12月6日

ウェルシティ札幌(北海道)

【はじめに】3TのCOSMIC(図2)では膝関節において軟部組織の描出が良好

でこれが高分解能で撮像が可能である。

これに対して1.5TのCOSMICでは、  骨・靭帯の評価に不向き    パラメータがほぼ固定   最大撮像枚数≦60など3Tの画像に比べて残念なところがある。そこで他のシーケンスでの撮像を試みた。

【撮像の工夫】

・軟骨を見るにはPDが最適… :PD-fGRE(図3) 軟骨は良好に描出されているが関節液と区別できない。

・関節液(自由水)といえば… :FIESTA(図4) 関節液は良好に描出されているが軟骨が低信号。

北海道UM 札幌医科大学附属病院 白勢 竜二 様

「膝関節」

長野UM(ディフェンディング・チャンピオン枠) 長野市民病院  小林 昌樹 様

「SPECIALを使用した際の「ひと工夫」」 ~頭部3D撮像~

四国UM もみのき病院 水口 紀代美 様

「歯冠補てい物(クラウン等)による内頚動脈の偽閉塞病変を少なくする工夫」

金賞

開催日

開催場所

銀賞

銅賞

金賞演題のご紹介

「膝関節」

図1 膝関節 軟骨&水のコントラストが良好

図3 PD-fGREの撮像条件

図4 FIESTAの撮像条件

図2 COSMIC@3Tの画像1

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Signa甲子園10th Anniversary Book

図2 COSMIC@3Tの画像

⇒ この2つの画像を加算のウエイトを変えて加算してみた(図5)。

この画像をSuper COSMIC Modokiと命名した。

modokiはCOSMIC(1.5T)と比べ、骨・軟骨下骨・軟骨・関節液の4層構造が明瞭に描出されている。

【撮像時間】内側外側合わせて約6分

Signa甲子園開催10周年、誠におめでとうございます。当時は膝関節にこれといった高分解能シーケンスがなく、COSMICは撮像枚数などの制限も多く、なかなか実臨床では使いにくかったことを覚えています。このネタはそういった必要に迫られてのものでした。地元開催という

土地の利もあったと思いますが、「北海道に金賞を」の一心で職場の仲間とアイディアを出しあい、作り上げた覚

えがあります。Add/Subのアイディアは翌年の演題にも生かされ、自分の中では一時のブームになりました。これからも、より良い日常検査が行えるように、ユーザー皆さんが切磋琢磨しあえる場であり続けて頂きたいと

思います。歴史は始まったばかりです。

Signa甲子園が未来永劫、盛会に続きますよう祈念いたします。

札幌医科大学附属病院 白勢 竜二 様

Signa甲子園2008を振り返る

【撮像時間】内側外側合わせて約6分

【本法のメリット】

・異なるシーケンスの画像を加算することにより、それぞれの長所

を併せ持つ画像ができた。

・それぞれがSNRの高い画像なので,加算するとさらにSNRが良くなる。

・高空間分解能撮像により,良好なMPRを作成することができた。・9.1以上で応用可。

【本法のデメリット】

・fGREとFIESTAの間で動くと致命的。・FIESTAのバンディングアーチファクト。

図8 撮像条件の違い

図5 加算の割合

図6 COSMIICとの比較

図7 COSMICとの画像比較 軟骨損傷症例

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(左から白勢様、佐藤様、濱口様)

Signa甲子園2009 第5回大会

2009年12月5日

ブリーゼプラザ(大阪)

【はじめに】 従来のHead QDコイルやMultiコイルを使用したDWI_Corでは、内耳のひずみやパラレルアーチファクトなどにより、描出が困難であ

りIsotropic DWIを行うと1.5TではSNRを稼ぐための時間を必要とし、現実的な撮像時間とならない。

 今回、撮像に工夫を加えて8分程度必要とした撮像時間を加算回数や空間分解能などを減らさずに6分程度に短縮した(エコスキャン)。

【従来の撮像法の問題点】

 Volume Diffusionの有用性が超高磁場装置で報告されている。これは超高磁場のありあまるSNRを利用したものだが、1.5Tでは長時間を必要とし、臨床上現実的な撮像時間とはなりにくい。

【本演題のポイント】

 例えばThicknessを最小の1.9mmにて全脳をカバーする場合、70Slice程度必要となる。 このとき、必要なTRは10200msで8分10秒かかってしまう。しかし、GRx上でダブルオブリーク(例えば、Coronal上でさらにチルト)をかけると、同じTRで撮像枚数が大幅に増加する。つまり、必要とするスライス数までTRを短縮(EditTR)できることになり、その結果、加算

青森UM 青森県立中央病院 佐藤 兼也 様

「Volume Diffusionの時間短縮 ( - eco scan やんけ - )」

北海道UM 札幌麻生脳神経外科病院 濵口 明巧 様

「Subtraction TOFのすすめ」

北海道UM (ディフェンディング・チャンピオン枠) 札幌医科大学附属病院 白勢 竜二 様

「頭部MRA改善計画」

金賞

開催日

開催場所

銀賞

銅賞

金賞演題のご紹介

 「 Volume Diffusionの時間短縮

 ( - eco scan やんけ - ) 」

図1 提出画像 図3 提案のVolumeDWI撮像の設定画面

図2 これまでのVolumeDWI撮像の設定画面

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Signa甲子園10th Anniversary Book

回数や空間分解能、b値を変更することなく時間が短縮できる(エコな話です)。

【撮像条件】 Volume DO_DWI eTR装置:SIGNA EXCITE Xl 1.5TCoil:8ch NV array coil (8NVHEAD-NECK-A)Seq.:DW-EPI Scan plane:Oblique (Double Obl.)Imaging Option:ASSETUser CV’s:Ramp Sampling ONTR / TE :8,000 ms /Min(81.1 ms) RBW:250.0 kHz FOV:22 cmSlice thickness:1.9 mmSlice:74 Matrix:128 × 128pFOV:1.00 NEX:5 Acq. Time:6min24 sec

なお、ダブルオブリークで撮像しているため、得られた画像をその

まま利用するのは困難である。Refomat機能を用いて再構成し、画像を提供する。

【メリット】

1. 任意の方向のDWIを観察することが可能。

Signa甲子園は各地区で行われているユーザー会の集合体。

さまざまな工夫やアイデアが全国の場で披露され、それぞれの地区では気がつかなかったことなどを発見させ

られる場であるとともに、それを評価してもらえる。ユーザーとしてはとてもモチベーションが高揚させられ

る会だと思います。

今後益々発展してユーザーのユーザーのためのイノベーションの源となることを期待します。

青森県立中央病院 佐藤 兼也 様

Signa甲子園2009を振り返る

2. 側頭葉下面やトルコ鞍の歪が大幅に低減し、歪の少ない冠状断で の観察が可能。

3. ダブルオブリークでPlaneすることにより、撮像時間の短縮が可 能となり、現実的な撮像時間となった。

【デメリット】

1. Reformationでの観察が必須。2. n/2アーチファクトの増大によりADC計測には不向き。

図6 提出画像-2

図5 Reformation例

図4 実際のポジショニング例

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(左から宮﨑様、上口様、土田様)

Signa甲子園2010 第6回大会

2010年12月4日

UDXカンファレンス(東京・秋葉原)

【はじめに】

 心電図同期T1強調スピンエコー法では、TRがR-R間隔で決定されるために十分なT1コントラストを得ることが難しい。たとえば心拍数が60bpmの場合、実効TRは1000msecとなり、これはT1強調画像を得るためのTRとしては長すぎる。そこで本演題では、前縦隔腫瘍を対象に、簡便で確実な効果が期待できるT1コントラスト改善法について発表した。 【本演題のポイント】

 心電図同期T1強調画像の撮像において、スライス計画を工夫することで実効TRを従来の約半分に短縮することができ(Half TR法)、良好なT1強調コントラストを得ることができる。具体的には、通常のスライス計画を行った後、新規にスライスグループを追加し、既

存のスライスグループと同一断面へ配置する。すなわち、同一断面

に対して2回の撮像を実施する。 このとき、全スライス数が1 Acquisitionで撮像可能なスライス数以下であれば、TR内で同一断面が2回励起されることになり、初回の励起パルスが2回目の励起パルスに対する前飽和パルスとして

作用する。その直後からの縦緩和を2回目の励起パルスで画像化することで実効TRの短縮が可能となる。

大阪UM 大阪大学医学部附属病院 上口 貴志 様

「心電図同期T1強調スピンエコー法のコントラスト改善法」

静岡UM 焼津市立総合病院 宮﨑 研一 様

「描出困難な血管への挑戦 ~Adamkiewicz,血管異常~」

北海道UM 禎心会病院 土田 修 様

「脳表 ~畳と静脈血は新しい方がいい~」

金賞

開催日

開催場所

銀賞

銅賞

金賞演題のご紹介

「心電図同期T1強調スピンエコー法のコントラスト改善法」

図1 提出画像 図3 撮像方法-2

図2 撮像方法-1

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Signa甲子園10th Anniversary Book

【撮像条件】

装置:SIGNA EXCITE HD 1.5TCoil:8ch Cardiac coil Seq.:2D SE Scan plane:AxialImaging Options:ECG, FCTR / TE :1R-R / Min RBW:31.25 kHz FOV:20 cmSlice thickness:5.0 mmSpacing:5.0~ 10.0 mm Matrix:256 × 192~ 224pFOV:1.00 NEX:1  # of Slice: 3~ 6ただし、上記は必須条件ではない。

2009年にSigna甲子園へ初挑戦し、体幹部の3T撮像で問題となっていた課題の解決法について発表しました。

しかし、当時は現在ほど3Tが普及しておらず、また1.5T以下の演題に対する加点制度もあって、残念ながら入賞

は果たせませんでした。その反省から、2010年は静磁場強度を問わず誰もが経験するような課題に対する確実

かつ簡便な解決法を発表しました。私はこの年の夏に専門を核医学へと転向し、MR技師としての活動に終止符

を打ったのですが、この金賞受賞によってMR技師としての有終の美を飾ることができました。

大阪大学医学部附属病院 上口 貴志 様

Signa甲子園2010を振り返る

【メリット】

実効TRを確実に、かつ簡便に短縮することができる。呼吸同期にも応用可能である。

【デメリット】

撮像可能なスライス枚数に制限を受けるが、これが問題となったこ

とはない。

【まとめ】

Half TR法により、心電図同期下であっても良好なT1コントラストを得ることができる。

図7 臨床症例-2図5 コントラスト改善の機序

図4 撮像方法-3 図6 臨床症例-1

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(左から寺田様、木原様、高橋様)

Signa甲子園2011 第7回大会

2011年12月3日

TKP大阪梅田ビジネスセンター

【はじめに】

 図2のようなASSET Artifactを発生させないためには物体の形状がImageとCalで同等もしくはCalの方が大きなものと認識できなければいけない。

 たとえ、呼吸停止が出来る人であっても毎回同じ位置で呼吸を止

めるのは困難であり、呼吸同期での撮影においてもCalに呼吸同期がかけれない為、発生させないことは難しい。このため今回は、

  どのSignaの装置でも    時間・手間を取らせず  とても簡単でASSETアーチファクトを改善するアイデアを考えた。

【撮像の工夫】

Volume CalibrationテクニックASSETCalの時にまずスライス数を1枚に、次にスライス厚を8mmから上限最大の100mmに広げ、後は撮影範囲に合わせてスライス数を増やす(図3)。

【使用装置と撮像条件】

SIGNA Infinity EXCITE HiSpeed Plus 1.5Tv(Ver.11.1)Coil:TORSOPA Plane:Axial Mode:2DPulse Seq:Fast GREImaging Options:CalibrationFreq DIR:A/P FOV:48cmSlice Thickness:100mm Scan Time:0:12

岡山UM 津山中央病院 木原 翔 様

「Volume Calibration」

神奈川UM 横浜栄共済病院 高橋 光幸 様

「Inhance 3D velocityを用いたBB-SPGR法の試み」

静岡UM 磐田市立総合病院 寺田 理希 様

「頚動脈Black Blood法による T1コントラスト改善法 ~白と黒のイメージング~」

金賞

開催日

開催場所

銀賞

銅賞

金賞演題のご紹介

「 Volume Calibration 」

図1 ASSET アーチファクトの回避方法について紹介 図3 Volume Calibrationの設定方法

図2 CalとImageのミスマッチによるアーチファクト

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Signa甲子園10th Anniversary Book

【均一性試験】

 Calibrationのプロトン密度(スライス厚)とImageのプロトン密度(スライス厚)の違いが画質に与える影響について検討した。円筒

容器に硫酸銅(CuSO4)を90%(他は空気)を満たしたものをファントムとして使用し、水平の0°を基準に、10°、30°と傾けた。傾きにより左右の水位に差が生じることで、プロトン密度の変化量を表

した。

 試験の結果からCalibrationの違いによるプロトン密度の変化が無いことが分かった。また、角度を変えてもこの結果には違いが無

かった。

【提出画像】

 これまでの8mmとVolume(100mm)のCalibratiionの画像比較(図6)。

【メリット・デメリット】

・どのSignaでも撮影可能。・息止めが難しい方でもCalに息どめをしなくてもいいので大丈夫。・スライス厚を変えるだけなので簡単に撮像可能。 

・デメリットは今のところなし。

・それだけでなく、パルスの回数が減るので撮像音が静かになる。

初めに、Signa甲子園2014(10回記念大会)開催おめでとうございます。すばらしい大会で金賞を頂けたことを大変嬉しく思います。あれから3年が経ちますがあのSigna甲子園独特の盛り上がりと興奮は今も忘れることはありません。

「Volume Calibration」が生まれたのはASEETによるArtifactを軽減する方法を模索している中で、Calibrationの中で唯一可変が可能であるスライス厚にたまたま気づいたことです。

その後、予選に参加するために毎日深夜に病院に集まって実験をしたことが良い思い出です。

今年の8月には甲子園でのネタを元にさらなる検証を重ね、日本放射線技術学会雑誌Vol,70,no8「Array Spatial Sensitivity Encoding Technique撮像時におけるThick Slice 感度マップを用いた展開像に伴うアーチファクトの低減」で論文にすることができました。

それも、誰でも挑戦できるSigna甲子園を提供してくださっている関係者の方々のおかげだと思い、大変感謝しています。今後もSigna甲子園が20回、30回と続くようにMRIに情熱をもって頑張っていきたいと思います。

津山中央病院 木原 翔 様   Signa甲子園2011を振り返る

図4 Calibration画像の比較

図6 画像の比較

図5 均一性試験

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(左から長濱様、高橋様、野口様)

Signa甲子園2012 第8回大会

2012年12月8日

UDXカンファレンス(東京・秋葉原)

【撮像条件】

装置:GEHCJ 1.5T SIGNA HDx ver.16,23  Sequence:SSFSE (Gated)TR:RR, effTE:90.1ms, Coil:Body12ch COILFOV38, matrix Mr*Mf 384*224, 0.5NEXtime 0:16, thickness 6mm, gap-2mm,BW±83.3kHz  Sequence:SPGR (Ccomp)TR 68ms, effTE 4.2ms, Coil:Body12ch COILFOV38, matrix Mr*Mf 320*192, 1NEXtime 0:14, hickness 6mm, gap 0mm (※適宜)BW±125kHz重要なポイント:1回の息止めで6スライス撮影できる。

【背景】 T2強調画像従来法のBS FSE PGでは、1回の息止めで1枚のため、12sec ×5sliceと時間が掛かっていた。また、従来法では、病変を同定できないのでTIR BS FSEの撮影を

付加していた(図2)。→ 撮影時間が長くなる。

【撮像の工夫】T2強調画像今回提案した撮像条件により、理想的な画像が得られた(図3)。

神奈川UM 横浜栄共済病院 高橋 光幸 様

「Gate SSFSE & Ccomp SPGRを組み合わせた胸部MRI -超短時間検査法-」

北海道UM 札幌医科大学附属病院 長濱 宏史 様「the one percent inspiration and 99 percent perspiration SCAN -1%の閃きと99%の努力スキャン-」

宮崎UM 宮崎県立日南病院 野口 高志 様

「バンディングアーチファクト解消術」

金賞

開催日

開催場所

銀賞

銅賞

金賞演題のご紹介

「 Gate SSFSE & Ccomp SPGRを組み合わせた

胸部MRI -超短時間検査法」

図1 縦隔嚢胞症例 病変がしっかり確認できる 図3 提案法 Gated SSFSE

図2 従来法 T2強調画像

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Signa甲子園10th Anniversary Book

【背景】 T1強調画像これまでは、様々な同期デバイスを使用しても得られる画像は?

が多かった(図4)。

【撮像の工夫】 T1強調画像RRに依存せず、息止めができ、心電図同期を得る方法として、

胸部は、拍動を伴う心臓、大動脈が存在します。また呼吸の影響も受けます。

これらのモーションアーチファクトを克服しなければなりません。従来法では、頻脈の場合、RR間隔が短くなり(縦磁化が小さくなる)、嚢胞性病変にて十分なT2コントラストを得ることは難しい場合がありました。またT1コントラストにおいても、RR間隔の変化(縦磁化の相違)によって安定した画像を得ることはできませんでした。SSFSE法は1枚数秒であること、シーケンスの特性からより高いT2コントラストを得ることは可能です。またGE法(SPGR)も同期の有無でコントラストに変化はなく、安定したT1コントラストを得ることができます。両者に拍動の影響を抑制するオプションを追加したものがこの方法です。一度の息止めで6枚程度を一度に撮影可能です。嚢胞性病変にて有用であると思いますが、今ではすべての胸部腫瘤性病変でルーチンに用いています。様々な施設で、ルーチンに取りいれていただいたお話を聞く機会があります。

非常に嬉しく思うし、今後また多くの施設で共有できる方法を模索して行きたいと思います。日々困っていることを克

服するために、熱意をもって取り組めば何か新しい方法が見つかるかもしれません。

この賞をいただいて、より強く思いました。

横浜栄共済病院 高橋 光幸 様  Signa甲子園2012を振り返る

CcompSPGRがあり、これによりアーチファクトも少ないT1強調画像を得ることができた(図5)。

【メリット】

・非常に短時間でT1、 T2強調画像を撮影できる。・一度の息止めで他断面撮影でき,検査時間が短くなる。

・同期もPGなので簡便に施行できる。

【デメリット】

非常に小さな病変では、従来法のほうがよかった経験をしていま

す。従来法は撮影スライス厚が薄いためでパーシャルボリュームの

影響だと考えられます。

【臨床症例】

提案法が有用であった臨床症例を示す。

【まとめ】

胸部MRIは従来、撮像シーケンスの選択、呼吸同期、心電図同期などのデバイス選択など、悩みどころが非常に多かった。また時間を

かけた割には、情報量の少ない画像しか得られない場合があった。

今回紹介したGate SSFSE&Ccomp SPGRを用いることで、非常に気軽に検査を受けることが可能になった。図4 従来法 T1強調画像

図5 提案法 T1強調画像 図6 臨床例 肺癌症例

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(左から上中様、五十嵐様、田上様)

Signa甲子園2013 第9回大会

2013年12月7日

パシフィコ横浜

【DWIBSの定義】Diffusion weighted whole body imaging with background

body signal suppression : DWIBSは体幹部の拡散強調画像をMIPもしくはMPRで再構成することにより、病変部を描出する手法です。通常、DWIBSではIRパルスを併用し、脂肪および腸管内容物信号を抑制することで、病変部の描出を行います。体軸断面にて拡散

強調画像を広範囲に撮像するため、呼吸動機は行わず、自由呼吸下

での撮像となります。

【DWIBS従来法の問題点】DWIBSにおける体軸断面による広範囲の撮像は、検査範囲に応

じて撮像時間が延長してしまいます。またMIP・MPRで再構成されたDWIBSの空間分解能はスライス厚に大きく依存されます。さらに自由呼吸下での撮像であることから、横隔膜下の臓器上にゼブラ

アーチファクトが生じることがあります。これらの要因により肝臓

等、横隔膜下臓器に存在する小さな腫瘤の検出が困難となる場合が

あります。そこで本法はゼブラアーチファクトの解消し、短時間で

病変部の検出が行いやすいDWIBSの撮像について紹介致します。

【本演題の工夫点】

本演題のポイントは、 ゼブラアーチファクトの解消、 短時間

かつ簡便な撮像方法にあります。

通常DWIBSで行われる撮像断面は体軸断面ですが、本法ではを冠状断面に変更しています。また自由呼吸下による撮像を、呼吸同

期を併用して撮像を行います(撮像条件)。拡散強調画像はNPWを併用できないため冠状断面による撮像ではPhase encode方向をR-Lに設定する必要があります。拡散強調画像に使用されるEPIは、Phase encode方向に画像の歪みが生じるため、Phase encode方向をR-Lに設定すると信号に左右差が生じ、脊椎等正中にあるべき組織・構造物が弯曲して描出されてしまいます。そこで画像歪みの

左右差をなくすためPhase encode方向はR-LではなくS-Iに設定することで、画像歪みの左右差を解消します。

一方、この方法で画像歪みの左右差を解消する場合、Aliasingの影響を考慮しなければいけません。そこで感度分布の狭い受信コ

イル(当院では8ch cardiac coil)を使用、さらに広い撮像(Wide FOV)で撮像することにより、本来Aliasingが生じる部位からの信号が得られない状況を作ります。この工夫によりAliasingの抑制と同時に、SNRの増大によるNEXの減少を可能とし、撮像時間を短縮させることができます。

また新たに生じるもう一つの問題点は、Wide FOVにより、画像の隅に歪みが生じてしまいます。これの解消にはParallel imagingの特性を利用します。通常EPIの画像歪みを軽減させるためにParallel imagingの併用は必須であります。Parallel imagingでは

神奈川UM けいゆう病院 五十嵐 太郎 様

「VR DWIBSのすすめ」

宮崎UM 古賀総合病院 田上 直文 様「Navigated-echo-T1WI-Volume-Image of the Liver:NATUREEOB・プリモビスト検査におけるNATUREは肝細胞相の評価に貢献出来るか?」

広島UM JA尾道総合病院 上中 治 様

「Brain meta checkにはSubtraction Inhance 3D Velocity」

金賞

開催日

開催場所

銀賞

銅賞

金賞演題のご紹介

「 VR DWIBSのすすめ」

図1 提出画像 図2 DWIBSの撮像時の問題点

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Signa甲子園10th Anniversary Book

信号感度分布を計算するためのCalibration scanが必須となります。その際、Calibrationが行われていない部分は画像構成されません。そこで検査に必要最小限度の範囲のみCalibration scanを行うことによりAuto masking効果が生じ、本来歪みが生じるはずの画像の隅が画像構成されません。それにより歪みのないDWIBSを提供することが可能となりました。

【撮像条件】

装置:SIGNA HDxt 1.5TCoil:8ch Cardiac array coil Seq.:DWI-EPI Scan plane:Coronal(Oblique)Imaging Option:RTr(Resp.-Trigger)TR / TE / TI:R-R(RTr) /Min(72.1 ms) /160(適宜)RBW:125 kHz FOV:48 cmSlice thickness:4 mm Matrix:64 × 224pFOV:0.75 NEX:2 b-value : 1,000 s/mm2Acq. Time:1min30sec

【DWIBSのVolume Rendering化】前述の方法によりゼブラアーチファクトが解消され、歪みのない

DWIBSを得ることが出来ました。アーチファクトのない画像を得ることで、DWIBSをVR化させることが可能となりました。DWIBSをVR化する際、背景組織の信号が低下しすぎると腫瘍の位置関係を把握することが困難となるため、IRパルスは使用しないで撮像を行います。それにより正常組織と腫瘍の位置関係の把握が容易にな

ります。

【メリット】

・高分解能撮像

DWIBSの観察方向はA-P方向がメインとなるため、冠状断 面で撮像された本法では、空間分解能がスライス厚ではな く撮像時の

設定したmatrixが直接反映される。・短時間+高SNR+アーチファクト軽減  Wide FOVによる高いSNRによるNEXを減少、  冠状断面撮像によるスライス数の低下。上記2点により撮像時間短縮され、呼吸同期併用しても撮像が可能となりアーチファクトの軽減につ

ながる。

・簡単お手軽撮像

特別な技術を必要としないため、操作者の熟練度に画像が左右さ

れない。

【デメリット】

感度領域が狭い受信コイルを使用するため、通常のDWIBSによる利点(whole body imaging)がスポイルされてしまう。しかし通常検査+αとしては問題がない範囲の撮像は可能である。

図3 まとめ

1 2

昨年は素晴らしい賞をいただき非常に光栄に思っております。

会場に来られて参加されたユーザーの皆様、神奈川UMの皆様、当院の放射線科スタッフ、私がMR業務を行うに当たりお世話になったすべての皆様おかげで頂いた賞でありますので、すべての皆様に対して感謝の気持ちで

一杯です。

今年1年、前年度金賞受賞者としていろいろな恩恵を受けることができましたが、今回予選落ちのため出場ができなかったことで、来年はその恩恵を受けることができません。

金賞をいただき思い上がっていたのでしょう。これからもSigna甲子園の出場をモチベーションに、気持ちを改め、挑戦者として挑んでいきたいと思います。

待ってろSigna甲子園!!

けいゆう病院 五十嵐 太郎 様

Signa甲子園2013を振り返る

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日本におけるGE MRI 30年の歴史GEヘルスケアではMRIの製品を販売して30年が経過しました。

ここでは、日本におけるGE MRIで扱ってきた製品販売の歴史を紹介します。

当時の RSNA の様子

アクティブシールドの登場

SIGNA Advantage RP

SIGNA Horizon HiSpeed

Signa Horizon LX

Signa MR/i

北米放射線学会 (RSNA)にてMRIを初紹介

このころからSIGNA 1.5Tの製造も開始しました。当時から着脱テーブルを採用していることが、写真からも分かります。

1983年

日本で初めてGE MRIとなる 『SIGNA』を販売開始

SIGNAの日本における1号機は京都大学医学部附属病院様において稼働しました。1986年

0.5T/0.35Tの製品として 『RESONA』(海外販売名 : MR MAX)を販売開始1987年

1.5Tの製品として SIGNA パフォーマンスプラス』を販売開始

初めてアクティブシールドを採用したマグネットが登場。

これにより、エディーカレント(渦電流)の影響が大幅に改善されました。

1988年

1.5T/1.0Tの製品としてSIGNA Advantage』を販売開始

当時の最新技術である「Chem SAT」、「SPGR法」、「POMP」、「Valuable Bandwidth」などを搭載した製品。

1990年

0.5Tの製品として 『VECTRA』を販売開始1991年

SIGNA Advantageを進化させた『SIGNA Advantage RP』を販売開始

当時の革新的な技術である「Fast Spin Echo法」および「Fast SPGR法」、「Phased Arrayコイル」などを搭載した製品。

1994年

・ 0.5Tの製品として 『Signa Contour』を販売開始

・ 1.5T/1.0Tの製品として 『SIGNA Horizon HiSpeed』を販売開始

この当時、“未来の超高速撮像技術”と言われた 「Echo Planar Imaging(EPI)」を搭載した製品。1995年

0.2Tの製品として 『Signa Profile』を販売開始1996年

1.5T/1.0Tの製品として 『Signa Horizon LX』を販売開始

様々な“EPI” の技術の応用から生まれた「Diffusion Weighted Imaging(DWI)」拡散強調画像を初めて搭載した製品。

1997年

1.5T/1.0Tの製品として 『Signa MR/i』を販売開始

「Fast Recovery FSE」、「iDrive」、「Elliptical centric view ordering」など当時の特徴的なアプリケーションを搭載した製品。

1999年

・ 1.5T/1.0T/0.5Tの製品として 『Signa Infinity』を販売開始

・ 1.5Tの製品として 『Signa EXCITE』を販売開始

さらなる多チャンネル化に対してハードウェアを強化した製品。

2002年

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Signa 3.0T

Signa HDe

Discovery MR750

Optima MR360/Brivo MR355

Discovery MR750w 3.0TOptima MR450w 1.5T

Optima MR360 AdvanceBrivo MR355 Inspire

2014年でSigna甲子園は10周年を迎えました。

皆さまに支えられ、これからもSignaの歴史は続いていきます。

・ 1.5Tの製品として 『Signa EXCITE Xl』を販売開始

 「PROPELLER」、「TRICKS」など特徴的なアプリケーションを搭載開始した製品。・ 日本初! 臨床用3.0TMRI 『Signa 3.0T』を販売開始

 発売当時は頭部専用機として販売を開始しました。

2003年

第1回 Signa甲子園 開催

・ 1.5Tの製品として 『Signa EXCITE HD』を販売開始

 「LAVA」、「FatsatFIESTA」などのアプリケーションを搭載開始した製品。・ 日本 (日野)の技術を集約させた新しい1.5T 『Signa HDe』を販売開始

・ 3.0Tの製品として 『Signa EXCITE 3.0T』を販売開始

 全身用に対応する3.0Tを製品化して販売を開始しました。

2005年

3.0T/1.5Tの製品として 『Signa HDx』を販売開始2006年

3.0T/1.5Tの製品として 『Signa HDxt』を販売開始

「IDEAL」、「Cube」、「Inhance」などのアプリケーションを搭載開始した製品。2008年

・ 3.0Tの製品として 『Discovery MR750』を販売開始

 光デジタル伝送技術「OpTix」や3.0Tにおける新しいRF送信「4pointDrive」など ハードウエアを中心に一新した3.0Tを販売開始しました。・ 1.5Tの製品として 『Optima MR360』『Brivo MR355』を販売開始

 日本(日野)の技術陣が中心となって開発した光デジタル技術を搭載した製品。

2010年

ワイドボアの3.0T/1.5Tの製品として

 『Discovery MR750w 3.0T』 『Optima MR450w 1.5T』をそれぞれ販売開始

 頭部非造影Perfusion「3DASL」や肝臓のエラストグラフィー「MR-Touch」など 様々な非侵襲的アプリケーションを搭載したワイドボア製品。

2012年

・ 1.5Tの製品として 『Optima MR360 Advance』、『Brivo MR355 Inspire』を販売開始

 「3DASL」や「MR-Touch」などのアプリケーションを対応可能とした光デジタルMR。

・ 世界初※1、音のしない※2 MRI検査を可能とした 『サイレントスキャン』の登場

『Discovery MR750w 3.0T』、『Optima MR450w 1.5T』にサイレントスキャンが搭載されました。    (※1:2013年9月調査 ※2:検査環境音+3db以下)

2013年

『サイレントスキャン』の機能を拡張させたDV25プラットフォームの登場

拡散強調画像や頭部以外の対応などサイレントスキャンの機能が拡張しました。2014年

(MR Signaユーザーズミーティング)

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GE MRユーザーの方のための会員制サイト*です。各地で開催されているユーザーミーティング情報、お客様から頂いた

撮像アイデア/テクニック、撮像手順資料(クイックガイド)、お問い合わせ集(FAQ)、MR安全性情報などMRに関連した情報を集約したサイトです。

是非、アクセスして頂き、日々のMR検査にお役立てください。

*会員登録にはGE MRのシステム番号が必要です

Signa・る(しぐな・る)とは?

URL:https://gecommunity.on.arena.ne.jp/signa-l_entrance/

Signa甲子園

第1回大会から、Signa甲子園で発表された各演題のスライドが掲載されています。

お問い合わせ集“FAQ”

各MR機種毎に“よくあるお問い合わせ(FAQ)”を検索可能です。

<Signa甲子園2013 ご発表スライド掲載例>

今年リニューアルされました

今年リニューアルされました

FAQ TOP5

FAQ最新情報

MR操作に関して不明な点などがあった際には、こちらの検索機能をご活用ください。

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Signa甲子園10th Anniversary Book

Signa甲子園誕生秘話  

- そして次の10年へ! -

GEヘルスケア・ジャパン(株)

TiPアプリケーション部 部長

大野 俊秀 

Signa甲子園、10年 おめでとうございます!

2005年開催の第1回目の企画・運営からサポートさせて頂き、10回継続できましたことは、全国のユーザー、実行委員等関係者の皆様

(そして社内関係者)のご理解とご協力のおかげと深く感謝申し上げます。

Signa甲子園は、GE MRユーザーの方の発案で開始されたものです。

2003年頃から神奈川ユーザーズ・ミーティング(以下UM)を中心に、全国でUMが続々と誕生しました。隣のUMはどんな風に運営してい

るんだろう?という興味から、UM同士の交流や合同UMが始まりました。そこでいっそのこと全国のUMが一堂に会して画質やテクニックを

競うコンテストを行ってみては? Signa甲子園というネーミングはどうでしょう?というご提案を頂き、私がそのプログラムを担当するこ

とになりました。

そこで、当時開催されていたUMにできる限り参加し世話人の方に打診を進め、東日本大会を開催することが決まりました。いきなり全国

でというのも若干の不安もあり、まずは東日本で開催し、成功したら全国展開しようというストーリーでした。(勿論、失敗することは念頭に

ありませんでしたが。)初めての開催で全てが試行錯誤、お叱りも頂きながらなんとか無事終了し、ふたを開けてみれば170名ものご参加を頂

き、大盛況、好評のうちに開催することができました。翌年より全国展開し、今日に至っています。(なお、全国展開するまでに、私の方で全国

28か所のUMを訪問させて頂きました。これは多分、社内で一番かと密かに自負をしております。。。)

このイベントの成功要因は何と言っても「ユーザーの、ユーザーによる、ユーザーのためのミーティング」であり、企画・運営をユーザー代

表の実行委員会に委ねているところにあると考えています。予算も開示しその範囲内で運営をお願いしている点でも異色と思います。一切の

謝礼なしで運営して頂いている実行委員の皆様は、あたかも学園祭のようなノリで楽しそうに企画をされ、その回ごとに特色を出そうと工夫

をされてきました。

Signa甲子園を通じて、情報やテクニックを共有するだけでなく、人のつながりが大きく拡大したことも大きな成果と思います。また、こ

の会が学会発表のきっかけや企画の進め方、司会などの経験につながり、ユーザーの皆様、そして弊社社員の気づきや成長の少しでもお役に

立ったとするならば望外の喜びです。

 さて、2025年の医療体制に向けてユーザーの皆さまそして弊社も

大きな環境の変化に直面しています。10回目のSigna甲子園は1つの

節目であるとも思います。従来の延長線上に未来はあるのか? 

UMやSigna甲子園のあり方について、ユーザーの皆様、そして弊社関

係者も1度立ち止まって原点から考え直すチャンスではないかとも考

えております。              次の10年に向けて!

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お客様の記載内容につきましては、お客様の使用経験に基づく記載です。仕様値として保証するものではありません。

記載内容は、お断りなく変更する場合がありますのでご了承ください。

©2014 General Electric Company - All rights reservedPrinted in JapanRev.1.0 2014/12 4AB・C-B1(KM・KM) JB26014JA

販売名称:ディスカバリー MR750

販売名称:ディスカバリー MR750w販売名称:オプティマ MR450w販売名称:磁気共鳴断層撮影装置 Optima MR360/Brivo MR355販売名称:シグナ核磁気共鳴コンピュータ断層撮影装置

販売名称:シグナ EXCITE 3.0T販売名称:シグナエコースピードの類型 SignaIGNITE販売名称:SIGNA Advantege1.0T販売名称:シグナ核磁気共鳴コンピューター断層撮影装置

販売名称:Signa Profile 磁気共鳴断層撮影装置

販売名称:レゾナ II 磁気共鳴断層撮影装置

販売名称:エムアールベクトラ(MRVectra) 磁気共鳴断層撮影装置

製造販売元:GEヘルスケア・ジャパン株式会社

認証番号:221ACBZX00095000認証番号: 223ACBZX00061000認証番号: 223ACBZX00032000認証番号: 222ACBZX00009000 認証番号:16100BZY00207000承認番号:21700BZY00014000承認番号:20900BZY00067000承認番号:5B 第 94承認番号:61B 第 207 

承認番号:20700BZZ00958000承認番号:16200BZZ01409000承認番号:20200BZZ01409000

Signa甲子園10th Anniversary Book

これまでの歴史をこの一冊に

Signa甲子園10th Anniversary Book

Signa甲子園(MR Signaユーザーズミーティング)