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はいたっく 2013 年 11 月号 本印刷物は、 Adobe Acrobat により作成した PDFです。 All Rights Reserved,Copyright ©2013,Hitachi,Ltd.

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http://www.hitachi.co.jp/hitac-magazine/

写真家 富井 義夫 ■ ホームページにて「フォトギャラリー世界遺産」を掲載中 http://www.tomiiyoshio.com/

はいたっく誌情報提供サイト

夕陽のあたるロッカ・グアイタ(サンマリノ共和国・サンマリノ)

イタリア半島の中部にあるサンマリノは人口約3

万人、面積は八丈島とほぼ同じで世界で5番目に

小さい。そんな小国家だが、建国以来1700年も続

いており、現存する共和国では世界最古を誇る。

と聞くと驚きだが、この国の特異な地形を知ると存

続できた理由は明白だ。なにしろ、アドリア海を望

む標高739mのティターノ山の頂上に位置してい

るのである。侵略は至難といっていい。現在も、中

世の外壁や砦、修道院群、劇場や市庁舎などが

残り、なかでもロッカ・グアイタは国を守った城砦と

してシンボル的存在となっている。斜面に広がる

街は起伏に富み、天気がよければアドリア海まで

見渡せる風光明媚な土地である。

富井義夫の世界遺産の旅

1 はいたっく2013-11

ソリューション&サービス・ケーススタディ指静脈認証システムによって電子カルテへの迅速なログインを実現―医療法人大分記念病院―

3オープンミドルウェア・ケーススタディ蓄積された業務ロジックとノウハウをオープン環境にそのままマイグレーション―讀賣テレビ放送株式会社―

5プラットフォーム&ソリューション・ケーススタディ-1将来的な環境変化も見据えたデスクトップ仮想化への挑戦―株式会社J-オイルミルズ―

79 トラベルウォーキング 第129回

武田信玄のゆかりの地を訪ねて魅力あふれる甲府を歩く(山梨県甲府市)

プラットフォーム&ソリューション・ケーススタディ-2日立のOCRシステムで入学志願票のデータエントリーを大幅に高速化―学校法人日本大学―

1113 OPEN MIDDLEWARE

「やさしい運用管理」をさらに強化したJP1 V10.1をリリース

17 SOLUTION & SERVICE物流管理、倉庫業務、配送業務をトータルにサポートする日立WMSパッケージ「HITLUSTER」

18 プラットフォーム&ソリューションOCRソフトウェア「Friendly-OCR」を大幅に強化

15 IT's eye ラボラトリー・レポートカメラ1台で室内の空間検知を行える画像処理技術~日立の最新エアコンに「間取りサーチ」として搭載~(中央研究所)

本誌は環境に配慮し、植物油インキを使用しています。

発 行 日 2013年11月1日 通巻558号発  行 株式会社日立製作所     情報・通信システムグループ 情報・通信システム社お問い合わせ 経営戦略室 ブランド・コミュニケーション本部  TEL(03)5471-8900(ダイヤルイン) 〒140-8572 東京都品川区南大井六丁目27番18号 日立大森第二別館印  刷 株式会社日立ドキュメントソリューションズ

ロッカ・グアイタ

イタリア

サンマリノ

フランス

スイス

Topics日立のヘルスケア事業に関する取り組み2

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お問い合わせ先

(株)日立製作所 スマート情報システム統括本部 ヘルスケア事業推進センタ  TEL(03)5471-2620

予防・治療・介護を連携した新しいヘルスケアモデル

英国でヘルスケアサービス向上のための実証プロジェクトを開始

医療分野における日立の実績とノウハウ

日立のヘルスケア事業に関する取り組み

 先進各国においては、高齢化や生活習慣病の増加などにともない、医療費の増加が問題となっています。このため、より多くの人々が健康な生活を営むことができる健全な社会の実現に向けて、医療関連技術の進展と、人々の生活習慣そのものを改善していくための施策が求められています。 日立は、ヘルスケア事業を、21世紀の社会を支える必要不可欠なインフラ整備事業として位置づけ、グループ各社の総合力を結集し、社会イノベーション事業の一環として革新的な技術開発や仕組みづくりを行っています。これらを各種製品やシステム、ソリューション、サービスの形で皆さまにご提供し、一人ひとりが健康で安心して暮らせる社会の実現に貢献していきたいと考えています。今後取り組むべきヘルスケア事業のあり方としては、従来の「メディカル(診断、治療)ステージ」に加え、「プレメディカル(予防、早期発見)ステージ」や「ポストメディカル(在宅介護や福祉)ステージ」を連携させたサービスサイクルを築き、コスト配分の最適化と、それぞれの国や地域のニーズにあったヘルスケアモデルづくりをグローバルにサポートしていくことが重要だと認識しています。

 日立は、これまで、医療の高度化に貢献する臨床検査システム

や画像診断システム、陽子線治療システムなどのほか、介護・福祉業務管理ソリューション、薬の生産管理を行う医薬業界向けソリューション、電子カルテなどの医療機関向けソリューションなどを国内外で提供してきました。また、日立総合病院をはじめとする社内病院や健康管理センタなどの経営や、約27万人という大規模な組合員(被保険者)で構成された日立健康保険組合を運営し、はらすまダイエットに代表される幅広い健康支援プログラムの成果から得られるビッグデータの利活用で、疾病予防や医療費の適正化に向けたノウハウを多数蓄積していることも、ヘルスケア事業で、新たな価値を創造するための大きな強みだと考えています。

 こうした技術力や実績が英国 国営の国民保険サービス(NHS※1)事業者の中で最大規模であるマンチェスター地域組織(NHS GM※2)に評価され、2013年10月にNHS GMと日立は、ITを活用したヘルスケアサービス向上のための実証プロジェクトを開始しました。 具体的には今後2年間で、まずはサルフォード地区(約25万人)にて、散在していた患者さんのヘルスケアデータをセキュリティとプライバシーに配慮しながら共有できるプラットフォームを構築し、幅広いデータ利活用サービスの実現をめざし、これをグレーターマンチェスター地域(約287万人)全域へと順次拡大を図ります。同時に、はらすまダイエットのノウハウを生かした生活習慣病対策プ

ログラムの強化により、糖尿病の重症化予防によるQoL※3向上と医療費抑制の効果を検証していきます。 この取り組みを通して日立は、同地域のヘルスケアサービス向上に寄与する革新的な技術と運用モデルを確立し、そのモデルを他の地域や国にも早期に展開していくことをめざします。また、その成果を日本をはじめとする各国にも導入し、グローバルにサービスを提供するパーソナルライフソリューションパートナーとして事業展開をしていきたいと考えています。※1 National Health Service※2 National Health Service Greater Manchester※3 Quality of life

■ 情報提供サイト http://www.hitachi.co.jp/products/innovation/technology/healthcare/

2はいたっく2013-11

ヘルスケアサービスの将来像

● 生活者の視点で、予防・治療・介護サービスを密に連携● 生活者との双方向コミュニケーションや容易なデータアクセスをワンストップ支援

自宅/フィットネス

他の地域・都市 他の地域・都市

病院/診療所 介護施設/ケア付住宅

予防 診断/治療 リハビリ/介護

ヘルスケアポータルシステムプライバシー保護

モバイル 遠隔支援 可用性・拡張性

セキュリティ

健診・生活データ 医療データ 介護データ

業務支援遠隔支援

業務支援遠隔支援

業務支援遠隔支援

健診・生活データ

医療データ 介護データ

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3 はいたっく2013-11

ソリューション & サービス・ケーススタディ

 大分記念病院は、1980年12月に「患者さん中心のチーム医療」という理想を掲げた4人の医師が、新しい船出を“記念”して名付け、設立された病院です。医師、看護師、薬剤師、セラピストなどがお互いに専門分野で協力し合い、患者さんにとって最善の医療サービスを提供しようという理念、そして常に“患者さんの目線で考える”というスタンスは、当時まだ日本では珍しい先進的な取り組みでした。 「開院当初は血液疾患を主体とした急性期の病院としてス

タートしましたが、血液疾患の患者さんは重症化すると、さまざまな合併症が出てきます。そこで現在は血液、消化器、呼吸器、循環器、神経、透析、リハビリなど、各専門分野の医師を擁して、急性期から介護まで最善のサービスを一体的に行える内科の専門病院をめざしています」と語るのは、総務部長・臨床技術部長の麻山 美喜雄氏です。 大分記念病院では2006年11月に電子カルテを導入し、電子保存のための3原則(真正性、見読性、保存性)に準拠したシステム構築を行いました。なかでも真正性を担保するため、カルテの虚偽入力や書き換え、消去などを防ぐ認証基盤には、「生体認証が必須であると考え、周波数解析法を用いた指紋認証を採用しました。これは指紋データが画像として残らないため、外部へ流出する危険性の少ないものです」と麻山氏は説明します。 導入当初は問題なく運用されていた指紋認証でしたが、ユーザー数が増え、さまざまな状況下での本格的な活用が進むにつれ、「いくつかの課題が出てきました」と振り返るのは、院内情報システムを管轄する経営企画課 課長の上土井 雅章氏です。 「この指紋認証システムは、指紋の紋様パターンを波形とみなし、認証していましたが、医療用手袋を外した直後では、認証できないケースが少なからず発生することがわかりました。これは手袋内部に付着している円滑用パウダーが指紋の溝に入り、紋様パターンの波形を変化させてしまうのが原因でした。このため手袋を外した後は丹念に手を洗った後でないと電子カ

医療法人大分記念病院経営企画課 課長上土井 雅章 氏

電子カルテの運用に欠かせない「真正性の担保」を重視

医療法人大分記念病院 ▶ http://oitamh.jp/

指静脈認証システムによって電子カルテへの迅速なログインを実現

電子カルテの導入が進む中、重要な課題となっているのが、患者さんの個人情報を守る確かなセキュリティとカルテの真正性確保です。そこで医療法人大分記念病院(以下、大分記念病院)は、電子カルテの認証システム更新にあたり、日立の指静脈認証システムを採用。従来の「ID+指紋」に代わる「ID+指静脈」での認証により、さまざまな状況下での確実・迅速なログインを実現し、利便性と真正性をさらに高めました。

医療法人大分記念病院総務部長・臨床技術部長麻山 美喜雄 氏

指静脈認証システムの利用風景

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4はいたっく2013-11

ルテシステムにログインできません。また冬などの乾燥する時期も、認証精度が落ちるケースが発生し、ドクターや職員から“なんとか改善できないか”という要望が寄せられていたのです」と上土井氏は続けます。

 そこで2013年3月、新たな認証基盤として採用されたのが日立の指静脈認証システムでした。「指紋認証システムのベンダーさんは、新技術を採用したバージョンを提案してくださいました。以前に比べて確かに認証精度は上がりましたが、やはり生体外部の情報を活用するという面では不安が残りました。一方、日立さんが提案された指静脈認証は、生体内部の情報を利用するため、乾燥や手洗いなどによる手荒れといった外部的な影響を受けない点が非常に優れていると判断しました。医療業界だけでなく、銀行ATMや重要施設の入退室管理などにも適用されており、将来的な横展開が期待できること、また生体認証でトップクラスのシェアを持っておられることも高く評価しました」と麻山氏は語ります。 日立は電子カルテシステムのメーカーと協調して接続インタフェースの開発を支援する一方、電子カルテにアクセスできる約160端末に、小型で使いやすい指静脈認証装置を設置。電子カルテを扱うドクターや職員、約200名の指静脈情報を一人あたり左右2本ずつ、計4本の静脈パターンを登録する作業を行った後、予定どおり運用をスタートさせました。

 IDと指静脈で本人認証する新システムにより、「手がどのような状況でも、認証できるので、ログイン時のストレスがなくなりました。診療部からも非常に高い評価をいただいています」と上土井氏は笑顔を見せます。 日立の指静脈認証システムは、生体内の静脈パターンで認証を行うため、偽造が極めて困難なうえ、照合時間も非常に短く、ユーザーを待たせないスピーディな本人認証が行えるのも重要なポイントです。これにより、患者さんの個人情報を厳重に管理することが可能になったほか、迅速性が求められる医療活

動にも支障をきたさない高レスポンスな業務環境を実現。さらに麻山氏は、「IDと生体の組み合わせによる認証のおかげで真正性が担保でき、外部監査においても問題とならない点も大きなメリットです」と強調します。 今後は指静脈認証を「勤怠管理や入退室管理などにも横展開していきたい」と語る麻山氏は、より喫緊のテーマとして、電子カルテをタブレット端末やスマートフォンで活用する際の対応にも期待を寄せます。 「これからは、より患者さんの近くで、さまざまな医療情報を活用する機会が増えてきます。電子カルテへの安全なアクセスについても、可能ならば常に携帯できるスマートフォンで実現したいと考えています。すでに指静脈認証はタブレット端末に対応していますが、今度はぜひスマートフォン対応も実現していただきたいですね」と麻山氏は今後の展望を語ります。 高度な医療システムの導入とグループ医療の実践により、地域の患者さんに信頼され喜ばれる病院を追求し続ける大分記念病院。その積極的な活動を、これからも日立は指静脈認証システムの継続的な機能強化によって力強く支え続けていきます。 なお、本件は株式会社日立製作所の指静脈認証システムを株式会社九州日立システムズが大分記念病院に提供したものです。

お問い合わせ先

■ 情報提供サイト http://www.hitachi.co.jp/veinid/

外部要因に左右されない指静脈認証を採用

認証精度と汎用性の高さを評価

(株)日立製作所 サービスプロデュース統括本部 http://www.hitachi.co.jp/veinid-inq/

日立の指静脈認証技術の概要

時期ら“なす」と

のがのベンさいまやはりした。情報外部た。医理などた生 動にも支障をきたさない高レスポンスな業務環境を実現。さらに

日立の指静脈認証技術の概要

近赤外線を指に透過させて得られる指の静脈パターンの画像によって個人認

証を行う世界最高レベル・最先端クラスの認証技術です。指画像から静脈の

存在する部分を人工知能手法で鮮明な構造パターンとして検出し、あらかじ

め登録した静脈の構造パターンとマッチングさせて個人認識を行います。

日立の指静脈認証技術

はんよう

所 在 地設 立職 員 数診 療 科

大分県大分市羽屋9-51980年12月219名(2013年4月1日現在)血液内科、消化器内科、循環器内科、糖尿病内科、呼吸器内科、神経内科、腎臓内科、人工透析内科、リウマチ科など

医療法人大分記念病院

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蓄積された業務ロジックとノウハウをオープン環境にそのままマイグレーション

プログラム資産は、企業競争力の維持に必要不可欠な要素です。しかしプラットフォームが時代の進化にキャッチアップできなければコスト増を招く可能性があります。42年もの長期にわたり日立のメインフレームを使い続けてきた讀賣テレビ放送株式会社(以下、讀賣テレビ放送)は、既存資産を継承しつつ、より低コストな運用環境への移行をめざし、オープンミドルウェアを活用したマイグレーションを実行。処理スピードの大幅アップと周辺システムとの柔軟な連携により、戦略的な機能拡張への道を切り開きました。

 1958年、近畿広域圏に開局した讀賣テレビ放送は、今年55周年を迎えます。日本テレビ系列の準キー局として情報番組やバラエティ、アニメ、ドラマなど数多くの人気番組を制作し、関西のみならず全国の視聴者にも親しまれています。同社では1971年に、番組送出システムとテレビCMスポット販売システムを日立のメインフレームで稼働させて以来、1986年には編成、テレビCM販売、放送、財務会計、制作費管理、事業費管理と、ほぼ業務全域を網羅する基幹業務を1台のメインフレームで担ってきました。 「転換期となったのは1994年でした。この頃から時代はクライアント・サーバ・システムへと移行し始め、当社でも費用対効果の高いシステムについてはオープン系システムヘ切り離す流れが加速したのです。そのため2010年時点でメインフレーム上で稼働していたのは、『計数システム』と呼ばれる会計システムのみになりました」と振り返るのは、総務局 情報システム部 部長の赤澤 俊徳氏です。 2010年8月、運用コストの低減と周辺システムとの連携強化を図るため、計数システムについてもオープン化する方針を決定。当初はパッケージソフトの導入も視野に入れ、現行機能とのFit & Gap判定を行ったものの、「50%程度のFit率で、不足する部分のカスタマイズ費用を考えると、やはりマイグレーションによる移行がベストだと判断しました。放送局独特の管理会計の仕組みや分析ツールなどは、当社の競争力の源でもあるため、今後も継続・発展させていきたい思いが強かったからです」と赤澤氏は語ります。

 プロジェクトでは、業務ロジックや操作性といったユーザビリティの継承と処理時間の向上、事業継続を担保するシステムの安定稼働、既存資産を柔軟に改良・機能追加できる保守性などを重点目標に設定。今回のマイグレーションでは、長年にわたる運用実績と讀賣テレビ放送の業務を熟知したSEの存在、オープンミドルウェアによる移行パスの確立などにより、日立が選定されました。 情報システム部と日立のプロジェクトチームによって進められた移行作業では、データベースをXDM/RDからHiRDBへ、言語はCOBOL85からCOBOL2002へ、ジョブ定義と実行基盤はJCLからBJEX※1およびJPl/AJS3※2、オンラインコントロールはXDM/DCCM3からOpenTPlへと、それぞれ適切なミドルウェアが移行ツールおよび新環境に選定されました。 「移行作業は、すべてツールによる変換とし、手修正は行わないことを原則としました。移行作業のツール化により、後のテストフェーズにおける変換部分の修正や、資産の差分発生時の作業効率が向上できると考えたからです」と語るのは、情報システム部 副部長の南方 裕之氏です。 また開発環境はSEWB+へと移行しました。「メインフレーム時代は、プログラムの保守と新規開発の生産性を高めるため、業務ロジックが記述されたUOC(ユーザー・オウン・コーディング)のみを編集すればいいように画面や帳票など22種類のパターンをEAGLE2に登録していました。SEWB+によってオープン環境でも現状の環境を維持することができたため、新しい担

競争力の源を今後も継続・発展させていく 生産性を高める保守・開発環境も維持

5 はいたっく2013-11

讀賣テレビ放送株式会社 ▶ http://www.ytv.co.jp/

オープンミドルウェア・ケーススタディ

讀賣テレビ放送株式会社総務局情報システム部 副主査広瀬 孝昭 氏

讀賣テレビ放送株式会社総務局情報システム部 副部長南方 裕之 氏

讀賣テレビ放送株式会社総務局情報システム部 部長赤澤 俊徳 氏

ハイアールディービー

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当者への引き継ぎが容易になった点も助かりました」と赤澤氏は語ります。

 プロジェクトが進展する中、新たに情報システム部に加わった広瀬 孝昭氏は、長年の保守・開発ノウハウを受け継ぐ後継者として、新旧システムでジョブ実行と画面操作の結果が同一になるかどうかのテストなどを通じ、計数システムの内容把握と保守作業に習熟する作業を重ねました。 「着任した当初は計数システムの仕組みさえ知らない状態でしたが、マイグレーション作業と各種テストを通じて、システム内容を着実に理解していくことができました。その立場で双方を比べると、移行後は直感的なユーザーインターフェースやHiRDBと周辺システムとの連携性の高さ、コマンドではなくGUIで使えるJP1の柔軟な運用監視も含めて、非常に使いやすくなったと実感しています」と広瀬氏は語ります。 2012年11月に本番稼働を迎えた新計数システムでは、信頼性とオープン性を両立させたUNIXサーバ「EP8000」が新たなプラットフォームとなりました。これによりデータベースバックアップが従来の2時間から30分に、検索等の処理スピードが一桁以上改善されるなど処理性能の向上を実現。「システム全体のレスポンスも体感できるほど速くなり、経理部などのユーザーからは非常に喜ばれました。夜間バッチの高速化で、サービス向上に寄与しています」と南方氏は評価します。 バックアップに必要なテープ装置も、従来比500倍の高密度となるLTO※3に変更されたことで、大型装置から高さ10cmほどのラック組み込み型に代わり、サーバルームの省スペース化に役立っています。運用コストも年間2割ほどの削減効果が出ており、「移行費用は数年で回収できるでしょう」と南方氏は期待を寄せます。

 EP8000のシステムリソースには十分な余力があることから、今後は連結決算対応も視野に入れ、計数システムをグループ会社にも展開していく構想が本格化しています。 「オープン化によって、ようやく長年積み上げてきた計数システムの業務ノウハウをグループ会社にも提供できる準備が整いました。日立さんの協力をいただきながら早期に実現したいと考えています」と赤澤氏は語ります。 この間、マイグレーションを支援した日立に対し南方氏は、「何度も困難な局面に遭遇しましたが、日立さんのご協力により、最後までやり遂げることができました。心から感謝しています」とコメント。続いて広瀬氏も、「運用・保守では引き続き日立さんのお世話になることが多いと思います。新機能の提案についても、ぜひご支援いただきたいですね」と語ります。 その期待に応えるため、これからも日立は讀賣テレビ放送のシステム安定稼働を支援しながら、オープンミドルウェアをベースとした付加価値の高い機能拡張やソリューションの提案を行っていきます。

バッチの処理時間を大幅短縮

グループ会社へのシステム展開も可能に

6はいたっく2013-11

お問い合わせ先

■ 情報提供サイト http://www.hitachi.co.jp/soft/

HMCC(日立オープンミドルウェア問い合わせセンター)  0120-55-0504(利用時間 9:00~12:00、13:00~17:00 土・日・祝日・弊社休日を除く)携帯電話、PHS、一部のIP電話などフリーダイヤルがご利用いただけない場合は、ダイヤルイン:044-850-9293(通話料金はお客さまのご負担となります)

※1 uCosminexus Batch Job Execution Server※2 JP1/Automatic Job Management System 3

※3 Linear Tape-Open

本 社設 立資 本 金従業員数事業内容

大阪府大阪市中央区城見2-2-331958年2月13日6億5千万円518名(2013年3月31日現在)放送法による基幹放送事業、放送番組の企画・制作および販売、文化事業および放送に関連ある一切の事業、各種ソフトウェアによる放送・通信サービスの提供

讀賣テレビ放送株式会社

讀賣テレビ放送に導入されたシステムの概要

オープン環境向けプリント基本機能PDE for Open

画面・帳票機能XMAP3

プリント管理サーバ計数サーバ

監視サーバ

XMAP3クライアント

オープンプリンター

運用管理機能JP1/AJS3

オンライン機能OpenTP1

バッチジョブ実行基盤BJEX

オンラインプログラムCOBOL2002

バッチプログラムCOBOL2002

HiRDB

SAM

統合管理マネージャーJP1/IM*

* JP1/Integrated Management

All Rights Reserved,Copyright ©2013,Hitachi,Ltd.

7 はいたっく2013-11

プラットフォーム & ソリューション・ケーススタディ

  J-オイルミルズは、長い歴史を持つホーネンコーポレーション、味の素製油、吉原製油が2004年に合併し、誕生した製油メーカーです。「AJINOMOTO さらさら®キャノーラ油」をはじめとした家庭用油脂や、レストランなどの厨房を支える業務用油脂をはじめ、加工油脂、油糧、スターチ、健康食品など多岐にわたる事業を展開しています。 同社は2011年、間近に迫っていたWindows® XPのサポート終了を契機に、グループ企業 約1,400ユーザーのクライアント環境の更改プロジェクトに着手。その検討段階で重要なキーワードとして浮上してきたのが「デスクトップ仮想化」だったと、シニア・エグゼクティブ・マネージャーで情報システム部長の鳴釜 良夫氏は振り返ります。 「クライアントの更改は4~5年に一度のタイミングでやってきます。言い替えれば、このチャンスを逃すと、仮想化やクラウドといった新しいIT環境へのチャレンジはできにくくなる。そこで、かねてから災害対応やセキュリティ強化、モビリティの高いデバイス活用につながる施策として注目していたデスクトップ仮想化に挑戦してみようと考えました。とはいえ、最初から全ユーザーにシンクライアントを導入するのは現実的ではありません。まずは一定数のユーザー向けに実システムを構築し、業務や運用面での課題、新たなニーズの吸い上げを行いながら、本格導入していく流れを作ることにしました」と鳴釜氏は語ります。

 複数ベンダーの提案の中から、同社がSIパートナーに選んだのは日立でした。 「導入前の検証フェーズで日立さんのシステムを試してみましたが、レスポンス、操作性、業務アプリケーションの動作、すべてにおいて既存PCと遜色のない性能を示していました。専用のシンクライアントやサーバ、VDI※2アプリケーション、さらには基盤を運用する高信頼のデータセンターから保守サービスまで、ワンストップで提供していただける安心感、これまでの大規模システムの構築実績も大きなポイントとなりました」と、鳴釜氏は選定理由を語ります。 日立が提案したのは、VDIでは業界標準ともいえるCitrix® XenDesktop®とProvisioning Services(PVS)を採用したプロビジョニング方式の仮想PCシステムでした。シンクライアントには日立の「FLORA Seシリーズ」、サーバには拡張性の高い統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」と、仮想化機能Hyper-V®を適用。同システムでは一つのOSイメージをvDiskと呼ばれるファイルに格納し、ユーザー環境をマスター化できるため、ストレージ容量の削減につながります。ユーザーのデスクトップ環境と実データをすべてサーバ側に集約した運用管理の一元化により、運用工数とストレージ容量を大幅に低減しながら、場所を選ばないセキュアなアクセスを実現することができます。

デスクトップ仮想化のさまざまな可能性に注目 プロビジョニング方式を採用した仮想PC環境を採用

株式会社J-オイルミルズ▶http://www.j-oil.com/

将来的な環境変化も見据えたデスクトップ仮想化への挑戦

BCP※1強化や運用管理コスト削減などを目的にデスクトップ仮想化への動きが本格化しています。製油業界の代表的メーカーである株式会社J-オイルミルズ(以下、J-オイルミルズ)は、グループ企業 約1,400ユーザーのクライアント環境更改にあたり、日立の「デスクトップ仮想化ソリューション」を導入。モビリティの向上や将来のクラウド化も見据えた柔軟なIT環境の構築を実現しました。

1

株式会社J-オイルミルズ 情報システム部 課長代理渡辺 恵一 氏

株式会社J-オイルミルズ シニア・エグゼクティブ・マネージャー 情報システム部長鳴釜 良夫 氏

株式会社J-オイルミルズ 情報システム部 次長宮前 重幸 氏

※1 Business Continuity Plan

※2 Virtual Desktop Infrastructure

ブレードシンフォニー

All Rights Reserved,Copyright ©2013,Hitachi,Ltd.

8はいたっく2013-11

 「本番導入では、まず万一の災害時に初動対策の指揮をとり、重要な意思決定を行う、当社のBCP対策本部のメンバーを対象にシンクライアントを配備しました。メンバーとしては、社長をはじめ、部門長、拠点長など、上層部の役職が多いのですが、いざというとき場所や時間を問わずネットワーク経由で通常業務を遂行できるかどうかを試すには、最も適切だと判断したからです」と語るのは、情報システム部 次長の宮前 重幸氏です。 オフィス内でのVDI活用は、これまでのPCとまったく違和感のない使い心地とレスポンスのため、「デスクトップが仮想化されていることに気づかず、“今までと何が変わったの?”と質問されたほどです」と笑うのは、情報システム部 課長代理の渡辺 恵一氏です。「さらに出張で地方の支店に行った際、そこにあるシンクライアントを借りて自分のデスクトップが現れた時は、“なるほど、これは便利だ”と感嘆されました」と渡辺氏は続けます。場所や端末に依存せず、どこからでもセキュアに自分のデスクトップ環境が利用できること、移動中でもWiMAXやLTE※3などを経由して社内環境をフル活用できることが証明され、「BCPとセキュリティ強化の目的は達成されました」と鳴釜氏は高く評価します。 「これまで外出先でのPC活用は、特定のアプリケーションやデータ閲覧などに制限を設けていました。しかしVDIならデータそのものが端末側に存在しないため、そのような心配がありません。運用過程では、いくつかトラブルも発生しましたが、日立さん

の迅速なサポートのおかげで、現在は高いレベルで安定稼働しています」と宮前氏は喜びます。

 「これからシンクライアントを段階的に増やし、VDIの活用が定着していくと、しだいにシンクライアントだけでなくタブレットやスマートフォンといったマルチデバイスで使いたいという要求が出てきます。実際に最近も役員から“タブレットで使いたい”という要望を受けて対応したばかりです。XenDesktop®はそういった要求に柔軟に応えられる特徴を持っていますので、これからは社員が個人で所有する多様なデバイスでも業務が行えるBYOD※4にも対応できるよう、さらなる利便性や機動性の向上を日立さんと一緒に実現していきたいですね」と鳴釜氏は語ります。 「さらにその先には、業務アプリケーションのWeb化とあわせたDaaS※5の活用や、本格的なクラウド化もJ-オイルミルズのロードマップでは構想しています。BCPやセキュリティの強化、TCO※6の削減といった経営的観点からのメリットだけでなく、多様な働き方を実現するワークライフバランスやオフィス改革も追求することで、社員の生産性や満足度はさらに向上していくでしょう」と鳴釜氏は強調します。 付加価値の高いビジネス環境の構築に向けたJ-オイルミルズの挑戦を、これからも日立は高信頼なデスクトップ仮想化ソリューションによって力強く支援していきます。

これまでと違和感のない使い心地と利便性の向上

マルチデバイス活用に向け、さらなる進化を追求

お問い合わせ先

■ 情報提供サイト http://www.hitachi.co.jp/vdi/

HCAセンタ   0120-2580-12 利用時間 9:00~12:00、13:00~17:00(土・日・祝日を除く)

本  店設  立資 本 金事業内容

東京都中央区明石町8-1 聖路加タワー2003年4月100億円(2012年3月31日現在)

株式会社J-オイルミルズ

油脂・油粕・澱粉の製造、加工、販売、各種食品の製造、加工、販売、食品製造機器の販売など

※4 Bring your own device:個人保有のデバイスを業務に使用する仕組み※5 Desktop as a Service ※6 Total Cost of Ownership

J-オイルミルズに導入したシステムの概要

※3 Long Term Evolution:携帯電話の高速通信規格

センターシステム仮想PC環境

デスクトップ配信機能

端 末

高速画面転送 マスタ配信

シンクライアント

Windows® PC

タブレット/スマートフォン

Hyper-V®

BladeSymphony

ProvisioningServices

CPUHypervisor

OS OS OSAP AP AP

XenDesktop®

AD認証(Active Directory®)

All Rights Reserved,Copyright ©2013,Hitachi,Ltd.

 今年2013年、明るい話題に事欠かなかった山梨県。山梨・静岡の両県にまたがる富士山が世界文化遺産に登録されたのもその一つ。リニア中央新幹線の山梨県駅(仮称)が甲府

市に設置されることも決まりました。 その甲府市は、いにしえよりの歴史・文化を深く刻み、風光明媚な自然にも恵まれた見どころの多い街。今回のトラベルウォーキングは、その両方を満喫します。 スタートは、日本一の渓谷美を誇る「昇仙峡」から。およそ4kmにわたる渓谷は、国の特別名勝に指定されており、花崗岩が浸食されてできた奇岩の数々が見られます。なかには亀石・猿石・駱駝石といった名前がつけられているものも。ちょうど台風一過だっただけに、川の流れは迫力満点。遊歩道から空を見上げれば、高さ180mの

山梨県・甲府市 (取材日:2013年9月)

トラベルウォーキング

覚円峰がそびえています。その昔、僧・覚円が畳が数畳敷ける広さの頂上で修行したと言い伝えられる巨峰で、「昇仙峡」のシンボルとなっています。皆さまが絶景に見とれていると、涼やかな風の音、渓谷を流れる水の音に交じって聞こえるのはセミの声。大自然が皆さまをリラックスした気分にさせてくれます。 先を進むと、渓谷のハイライトである仙娥滝に到着。仙娥滝の「娥」は仙女の意味で、滑らかな花崗岩を流れる美しさから名付けられたとか。日本システムウエアの吉野 由希さんは、「今日の滝は轟 と々流れ落ち、水しぶきがすごくて男性的ですね。マイナスイオンが辺りに満ちていてとても癒やされます」と楽しげな様子。 さらに皆さまはロープウェイで山頂のパノラマ台へ。一転して、天空の世界にきたような感がします。雄大な姿を見せる富士山を堪能した後、さらなる絶景を求めてプチトレッキング。山道のところどころには白い花こう岩の絶壁が点在しています。岩の

上に立つと思わず叫んでしまいそうなほどスリル満点。「金峰山などが連なる山並みが遠くまで見渡せ、本当に開放感が味わえる場所ですね。ここがパワースポットだといわれるのも納得です」と日本システムウエアの中里 友紀さんは感動を隠せません。

 甲府といえば、風林火山の軍旗を掲げ、「甲斐の虎」と恐れられた武田信玄のお膝元。皆さまは、信玄を御祭神に1919(大正8)年に創建された「武田神社」へ向かいます。武田神社は、信玄の父である信虎、信玄、息子の勝頼の3代がおよそ60年にわたって居住した躑躅ヶ崎館跡(国指定史跡)に鎮座しています。

渓谷美と贅沢なパノラマが楽しめる「昇仙峡」

信玄の遺徳がしのばれる「武田神社」

129

武田信玄のゆかりの地を訪ねて魅力あふれる甲府を歩く山梨県甲府市は、県のほぼ中央に位置し、四方を山に囲まれた都市。昇仙峡に代表されるように豊かな自然に恵まれているだけでなく、戦国大名の甲斐武田氏が活躍した、いにしえの歴史が今も息づいています。今回のトラベルウォーキングは、“Humanware By Systemware”を企業理念に社会の信頼に応える「価値あるシステムウエア」を創造する企業、日本システムウエア株式会社(以下、日本システムウエア)の皆さまと、武田信玄ゆかりの史跡から、スリル満点の絶景や甲州名産のぶどう狩りまで甲府の魅力を存分に味わい尽くします。

めい び

らく だ

か こう がん

がく えん ぼう

きん ぷ

ご ざいじん

つつじ

せん が

たき

ごう ごう

甲府城の見事な石垣に見とれて。「舞鶴城公園」にて

9

大迫力の「昇仙峡」仙娥滝

背景にして

2

甲府の街並みが一望できる「舞鶴城公園」の天守台

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ロープウェイ山頂にある「約束の丘」の福を呼ぶ鐘を鳴らして

4

「愛宕園」ではぶどう狩りを楽しみました

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絶壁の頂上はスリル満点の絶景ポイント。パノラマ台にて

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巨大な奇岩を眺めながら「昇仙峡」の渓谷を散策

甲斐武田氏3代の居館跡に鎮座する「武田神社」

1

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 堀に架かる朱塗りの神橋を渡って、参道を踏みしめていくと荘厳な雰囲気の拝殿が見えてきます。拝殿前で手を合わせた皆さまはその後「お屋形様の散歩道」を散策。石垣や土塁、空堀が当時の面影を伝えます。信玄が活躍した往時、この場所は政治・経済の中心で、周囲には家臣団の屋敷が配され、城下町が広がっていたといいます。館跡の大きさは、東西280m、南北190mと、戦国武将の雄としては意外に大きくありません。「『人は城、人は石垣…』と歌った信玄だからこそ、領民のことを第一に考えて質素な館に住んでいたんでしょう。『お屋形様』と呼ばれていたことを初めて知りましたが、ぴったりな呼び方ですね」と、日本システムウエアの大島 幸司さんは信玄の遺徳に思いをはせます。

 次に皆さまが向かったのは「遊覧ぶどう愛宕園」。甲州ぶどうは、伝説では平安時代に僧・行基が植えたのが始まりだとか。愛宕園は、戦後間もない頃に開園、甲州ぶどうをはじめ、甲斐路、巨峰、デラウェアなど20種類以上のぶどうが栽培されています。皆さまはたわわに実ったぶどうに目がくぎづけ。それもそのはず、ご主人によれば、ぶどうが高価だった時代は観賞用としてめでられたこともあったそうです。皆さまは、園内で好みの品種を探し回ってのぶどう狩りに熱中。ここでしか味わえない甲斐乙女に最初のねらいを定めた吉野さん。「ぶどうの

粒の色が実においしそう。ぶどう狩りは初めての体験ですが、いろんな品種の味が楽しめていいですね」と顔をほころばせます。

 旅のラストは、「舞鶴城公園」(県指定史跡)。明治時代、廃城となった甲府城跡を復元・整備した公園で、市民の憩いの場となっています。鶴が舞うような白壁の美しさから舞鶴城と呼ばれた甲府城は、武田氏滅亡後に豊臣秀吉の命によって建てられた名城。歴史史料をもとに、1664(寛文4)年の建築当初の姿に復元された稲荷櫓や鉄門、鍛冶曲輪門などからは、往時の様子がしのばれます。圧巻は、自然石を使った「野面積み」という伝統的技法で積まれた石垣。「じつに見事ですね。ボランティアガイドさんから教えられましたが、時代が下ると積み方が精緻になっていくことに驚きました」と大島さん。

 石和にデータセンターがあるため、しばしば山梨や甲府を訪れているという日本システムウエアの皆さま。舞鶴城公園の天守台からは甲府の街並みを眺めながら、あらためて甲府の街の豊かさを発見したようです。

甲府の風土が育んだぶどうを味わう

復元された甲府城跡「舞鶴城公園」

1911(明治44)年の創業以来、甲府に店を構える甲斐の菓子処・澤田屋。自慢の逸品は、1929(昭和4)年の発売時より爆発的な売れ行きを見せ、現在なお最も人気を集めている「くろ玉」です。その名の通りに外は真っ黒ですが、中を割ると黄緑色。上質の青えんどう豆を丹念にあんこ玉にし、外側は黒砂糖をようかんに仕立てて、あんを包んでいます。口に入れると、コクのある黒砂糖の甘さと、うぐいすあんの優しい甘さが絶妙なハーモニーを醸し出し、素朴で懐かしい味わいが広がります。

山梨県・甲府市 129

「くろ玉」

観光お問い合わせ先

●甲府市観光協会 TEL(055)226-6550 http://e-kofu.com●昇仙峡観光協会 TEL(055)287-2158 http://www.shosenkyo-kankoukyokai.com/

お問い合わせ先

ご参加いただいた日本システムウエアの皆さま

株式会社澤田屋 TEL(055)235-5545(本社) http://www.kurodama.co.jp/

いなりやぐら

かじくる わ もんくろがねもん

の づら

大島 幸司さん(ITソリューション事業本部 クラウドサービス部)(写真中)

山頂の絶景では登山部だった学生時代を思い出し、リフレッシュすることができました。会社の仲間ともより親密になったような気がします。最近ゴルフを始めたばかりですが、やっぱりウォーキングも楽しいですね。

中里 友紀さん(ITソリューション事業本部 ネットワークサービス部)(写真右)

テニス部に所属しているとはいえ、このところ参加できずじまい。今回は、運動不足解消はもちろん、自然を満喫できて大満足。東京には山がないこともあって、特に山頂では気持ちよい開放感を味わい、とても癒やされました。

吉野 由希さん(ITソリューション事業本部 クラウドサービス部)(写真左)

社内ではできるだけエレベーターには乗らずに階段を歩くようにしていますが、今日は体力を使いました。それでも甲府巡りは初めて尽くしで、非常に楽しめました。こういう機会があれば、ぜひまた参加したいですね。

■導入製品

■担当営業

設  立従業員数事業内容

1966年8月3日1,560名(2013年3月現在)ITソリューション、 プロダクトソリューション など

日立製作所 ゼネラルマーケットビジネス統括本部 パートナービジネス第一営業本部 ニュービジネス推進プロジェクト 担当:北原

Hitachi Unified Storage など

日本システムウエア株式会社本社:東京都渋谷区桜丘町31-11TEL(03)3770 -1111(代)http://www.nsw.co.jp/

80年以上にわたって地元に愛されてきた「くろ玉」

11

6

/

「武田神社」の散策中、居館の門があった場所を発見

「愛宕園」のぶどうに囲まれ心もリラックス

8

武田通り

中央本線

至 昇仙峡

至 東京

山の手通り

武田神社

遊覧ぶどう愛宕園澤田屋

駅前店

5 6

7 8

11

甲府駅

舞鶴城公園9 10

パノラマ台 仙娥滝

昇仙峡

ロープウェイ

遊歩道

昇仙峡

1

3 4

2

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11 はいたっく2013-11

プラットフォーム & ソリューション・ケーススタディ

 2019(平成31)年に創立130周年を迎える日本大学は、「自主創造」の気風に満ちた人材育成をめざすため、さまざまな学問分野に対応する14学部87学科を擁し、各学部それぞれが個性的な学びを提供しています。在校生は学部生のみで約6万8,000人、卒業生は107万人を超え、企業や自治体のみならず、政・財界、文化、スポーツ、芸能など多種多様な分野で活躍しています。 「本学への入学志願者は毎年併願も含めると延べ9万人前後の志願者数があります。長年にわたり、こうした志願票や受験料の受付処理は各学部ごとに行っていましたが、複数学部・学科を受験する志願者の利便性を考慮して、平成20年度入試から新たに入試センターという組織を立ち上げ、志願票を一括して受け付ける入試改革を行いました。その際に初めて導入したのがデータエントリーと顔写真の切り出しを行うOCRシステムでした」と語るのは、本部 学務部 入学課 課長の中村 好延氏です。 入試センターの志願票処理業務では、OCRによって抽出されたデータをオペレーターがPC画面でチェックしながらバックエンドのエントリーシステムに展開し、受験票を印刷・発送する流れとなっています。 しかし、運用を重ねる中で、いくつかの課題が出てきました。日本大学のIT基盤運用を担う総合学術情報センター 情報事務局 情報推進課の渡辺 和樹氏は「入試センターでは志願票

約9万件の願書を入試センターでトータルに処理

読み取りデータ化のスピードが従来の約7倍に

Platform & Solutioncase study

学校法人日本大学 ▶ http://www.nihon-u.ac.jp/

日立のOCRシステムで入学志願票のデータエントリーを大幅に高速化

いま日本の大学では、少子化にともなう競争激化を背景に、学校運営のスピード化や事務コストの削減が大きな課題となっています。そこで日本最大の学生数を誇る学校法人日本大学(以下、日本大学)は、入学志願票処理業務に日立の卓上型OCR※スキャナ「HT-4139モデル」を導入。願書のデータエントリー処理時間を従来の約7倍にスピードアップし、事務効率と作業品質の向上によるトータルコストの最適化を実現しました。

2

学校法人日本大学本部総合学術情報センター 情報事務局情報推進課渡辺 和樹 氏

学校法人日本大学本部総合学術情報センター 情報事務局情報推進課 課長吉田 清 氏

学校法人日本大学本部学務部入学課 課長中村 好延 氏

学校法人日本大学本部学務部入学課 課長補佐池野 公章 氏

※ Optical Character Reader:光学式文字読取装置

を50枚単位で一括スキャンし、後工程に回す運用を行っています。最初に導入したOCRシステムは、手書き文字の認識テキストと写真の切り出し画像を抽出するのに20分ほどかかっていましたが、限られた時間内で大量の受付処理を行うにはスピードが足りず、毎日夜10時から11時過ぎまでの残業が常態化していました。読み取りエラーが多発するのも悩みの種でしたので、システム更改のタイミングで、より能力と精度の高いOCRシステムを導入しようと考えたのです」と説明します。

 各社のOCRスキャナと、ソリューションベンダーの読み取りソフトウェアを組み合わせた4提案の中から、日本大学はOCRスキャナ「HT-4139モデル」とOCRソフトウェア「Friendly-OCR」を組み合わせたオール日立のシステムを選定しました。 「実機検証では、両面印刷の志願票を50枚読み取るスピードと、認識したテキストデータと写真を切り出し、後工程のエントリーシステムへ渡すまでの実運用テストを行いました。その結果、どちらも他のシステムより速かったのが日立さんのシステムでした」と語るのは、総合学術情報センター 情報事務局 情報推進課 課長の吉田 清氏です。「マシン単体で見れば同程度のスピードを出す機種もありましたが、本校の運用に合わせたソフトウェア処理を行うと、とたんにスピードが遅くなり、従来と同じ15~20分程度の時間がかかりました。一方、日立さんのシステム

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記事に関して、(株)日立情報通信エンジニアリング TEL(050)3163-1798製品に関しては、HCAセンタ  0120-2580-12 利用時間 9:00~12:00、13:00~17:00(土・日・祝日を除く)

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は7倍近いスピードの3分で処理が終了します。その違いは明らかでした」と吉田氏は続けます。この結果をふまえ、日本大学は従来6台で運用していたOCRスキャナの数を、「HT-4139モデル」4台に減らしても余裕をもって運用できると判断し、ハードウェア導入コストを低減することに成功しました。 日立は、事務処理のワークフローを最大限に効率化するため、既存のエントリーシステムとの連携性を重視したソフトウェアのチューニングを実施。オペレーター画面に送られる顔写真の画像サイズも軽くすることで、レスポンスのいい作業環境を構築し、平成25年度入試から、新しい入学志願票スキャンシステムの稼働をスタートさせました。

 入試センターでは現在、手書きの紙志願票と、Web上で記入・印刷されたWeb願書それぞれ50枚一束のロットを1日あたり最大約80ロット4,000枚を処理しています。従来は、送られてきた封筒を開封して出願書類をチェックする前作業と、OCRでのデータ化作業、そのデータをオペレーターがチェックしてエントリーシステムへ格納する作業の中で、データ化作業の遅さがボトルネックとなり、「どうしても日々 何回かは前後の作業を中断せざるを得ませんでした」と、本部 学務部 入学課 課長補佐の池野 公章氏は振り返ります。 「いくら前処理が進んでも、OCRで処理できなければ机の上に未処理の志願票がたまっていく一方です。こうなるとスタッフは一時的に手を止めるしかありません。オペレーターもOCRからの処理データがこなければ作業ができず、むだな空き時間が発生していたのです。しかし新システムでは、そうしたペース配分で悩むことがなくなりました。OCRの処理スピードが飛躍的に速くなったことで、すべての作業がスムーズに流れるサイクルが確立したからです。繁忙期には深夜までかかっていた作業も今では19時頃には終わり、残業も少なくなりました」と池野氏は笑顔を見せます。 「認識エラーも大幅に低減しました。特にWeb願書ではこれまで、各家庭で印刷する際の紙質や印字精度の違いで読み

取りエラーが多発していましたが、日立さんのOCRでは、ほぼノントラブルで読み取れます」と語る渡辺氏。吉田氏も「作業するスタッフやオペレーターの人数は変わりませんが、トータルでの作業時間が減ったので、人件費の抑制にもつながっています」と語っています。

 日本大学は2014(平成26)年2月1日の一般入試から、日本最大級となる統一入試「N方式」を新設します。これは9学部と短期大学部の計48学科が全国主要都市の試験場において、同一試験日、同一問題で統一入試を実施するもので、複数の学部・学科の併願や、同一学部内の複数学科の併願が可能となるほか、併願した場合は2学科目から入学検定料が1学科につき一律2万円割引となるなど、受験生の体力的・経済的な負担を減らす試みとして大きな注目を集めています。 「今後はWebでの出願が主流になってくるほか、N方式のような新しい制度が立ち上がったりと、入学志願票処理業務でも大きな変化が起きてくるでしょう。日立さんには、そういった環境変化にも柔軟かつスピーディに対応していただけるよう、継続的な支援をお願いしたいと思います」と語る中村氏。その期待に応えるため、これからも日立は、日本大学のOCRシステムのさらなる精度向上と機能強化を進める一方、同様の課題を持つ他大学に対しても高付加価値なソリューションを提案していきます。

むだな空き時間がなくなり作業効率が向上

日本最大級となる統一入試「N方式」を新設

Platform & Solution case study

お問い合わせ先

■ 情報提供サイト http://www.hitachi.co.jp/ocr/

日本大学に導入されたOCRシステム

所 在 地設 立学 生 数教職員数

東京都千代田区九段南4-8-241889年10月75,592名(学部・短大のみ/2013年5月1日現在)4,403名(学部/短大のみ/2013年5月1日現在)

学校法人日本大学USER PROFILE

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「やさしい運用管理」をさらに強化したJP1 V10.1をリリース

 2012年にリリースされたJP1 Version 10は、IT運用の自動化や問題の予兆検知後の原因究明、PCとスマートデバイスの一元管理など、高度で複雑な運用を容易に行える「やさしい運用管理」をコンセプトとしています。このたび発表したJP1 V10.1では、ハイブリッド環境の効率運用に向けた「クラウド」、海外展開に伴う新たな課題に対応する「グローバル」、運用の最適化を支援する「サービス」をキーワードに、さらなる機能強化を図り、これからの時代のシステム運用全体を最適化します(図1)。今号ではその中から、「クラウド」に焦点をあてて機能をご紹介します。

 今、企業や組織のITシステムは、オンプレミスからプライベートクラウド、またはパブリッククラウドの活用へと移行が進み、複数のIT環境が混在する傾向が強まっています。

 そこでJP1 V10.1では、クラウド/データセンター環境において複雑化したITシステムを効率よく運用するため、次の3つのポイントで機能強化を図りました。

ハイブリッドクラウド環境での効率的な運用  企業活動のグローバル化を背景に、業務環境にAmazon EC2、Windows Azure™などのパブリッククラウドを利用する企業が増えています。JP1 V10.1は、これらのパブリッククラウドに対応しているだけでなく、今後、企業のプライベートクラウド(データセンター)での利用拡大が予想されるVMware®クラウド基盤やオープンソースソフトウェアのクラウド基盤にも対応しています。 これにより、オンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウドを含めたハイブリッドクラウド環境の効率的な運用と、業務視点での運用自動化・監視などを容易に実現できます(図2)。

運用自動化と運用プロセス間連携の強化

 クラウド/データセンター環境では複数環境の混在により、監視業務や発見した障害への対処、構成変更などの運用業務の効率化が課題となっています。そこでJP1 V10.1は、お客さまのシステム運用に合わせたきめ細かな運用自動化や、運用プロセス間の連携強化を実現。IT運用を効率化します(図3)。

●お客さまのシステム運用に合わせた、 きめ細かな運用自動化

 JP1ならではの運用ノウハウを盛り込んだ運用自動化のコンテンツセット(テンプレート)を拡充。仮想環境の自動運用コンテンツとして従来のVMware®に加え、Hyper-V®を追加しました。さらに、お客さまのシステム

クラウド/仮想化の浸透や、企業内でのスマートデバイスの利用拡大などに伴い、IT運用が一段と複雑化・多様化しています。そこで統合システム運用管理 JP1は、複雑化するIT運用においても迷わない、やさしい運用管理を実現するため機能強化を図りました。「クラウド」「グローバル」「サービス」時代のシステム運用全体を最適化する最新版 JP1 V10.1の登場です。

オープンミドルウェア

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JP1 V10.1の「クラウド」強化ポイント

クラウド/データセンター環境での効率的な運用

OPEN MIDDLEWARE

クラウド、またはパブリッククラウドの活用へと移行が進み、複数のIT環境が混在する傾向が強まっています。

運用自動化と運用プロ

 クラの混在の対処が課題お客さ運用実

客め

 JP1運用自を拡充て従来追加し

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図1 今日のIT市場を代表する3つのキーワード

JP1/Automatic Operation

クラウド グローバル サービス

な運化を

●お客きめ

JP

JP1

資産を保有 メインフレーム

オープン クラウド自社で運用

必要な時だけ利用

運用アウトソース

オンプレミスからプライベートクラウド、

パブリッククラウドの活用へ

ハイブリッドクラウド環境でいかに効率的な運用を

実現するか

海外でも同じ運用ができることが大前提。海外展開に伴う新たな課題に対応が必要

SaaS利用、フィー型利用、運用アウトソースなど多様な管理形態に対応

資産を持ちたくない、使用量に応じた支払い、自社で運用したくないなど

お客さまビジネス

クラウド自社で運用

らウド、の活用へ

海外でも同じ運用が海外 用が

資産使用量自社で運

製造拠点の海外移転、海外市場での事業展開、取引のボーダレス化など

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環境や運用に合わせ、コンテンツを容易にカスタマイズできるGUIベースのエディタも提供し、きめ細かな処理のIT運用自動化を容易に実現できます。

●運用プロセス間の連携強化による効率化

 IT運用の現場では、運用ノウハウの不足、運用作業の複雑化、運用作業の負担増加といった課題が山積しています。これらの問題を解決し、運用オペレーションの自動化につなげていくには、一連の運用プロセスを効率化していく必要があります。そこでJP1 V10.1は、運用プロセス間の連携強化により、インシデントの自動登録から障害対処に必要な作業手順の確認、実行パラメータの自動設定などを実現。見える化、共有化、標準化のスムーズな連携により、オペレーションミスを防止したIT運用の効率化を図ります。

システムのサービス品質を確保するための監視強化

 クラウド活用で複数環境の混在やシステムの大規模集約化が進んでいます。そこでJP1 V10.1では、次のような機能強化により、業務システムの安定稼働を支援します。

●監視マネージャーの二重化による可用性の強化

 従来のイベント監視の二重化に加え、性能監視も二重化することで、システム監視の可用性を向上。物理的に離れてクラスタ環境が組めないデータセンター間でも、災害時にダウンタイムのない継続した監視を実現できます。

●イベントの大量発生時の対応機能強化

 一度に大量のイベントが発行される状況下でも、部分一致や正規表現で集約できる機能が追加されたため、大量のイベントが発生した場合でも重要なイベントの確認がさらに容易になり

ました。イベントの集約と同様に不必要な自動アクションも抑止可能となり、管理者の負担を軽減します。

●快適な業務システムを提供するための強化

 業務システムの利用者が体感しているサービスレベルの監視により、いつもと違う予兆を検知。原因調査支援強化により、サービスレベル低下の原因に関係するWebアクセス状況をすぐに表示できるため、問題原因の対処までを効率化し、ユーザーに与える影響を最小限に抑えることができます。

 JP1は今後もお客さまのビジネス環境に新しい価値を提供していきます。

お問い合わせ先

HMCC(日立オープンミドルウェア問い合わせセンター)  0120-55-0504利用時間 9:00~12:00、13:00~17:00(土・日・祝日・弊社休日を除く)携帯電話、PHS、一部のIP電話など上記フリーダイヤルがご利用いただけない場合TEL (03)5439-2733

■ 情報提供サイト  http://www.hitachi.co.jp/jp1/

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OPEN MIDDLEWARE

にカス供し、に実現

足、運といっ

ロセス登録か実行パ、共レーす

テムでJ務シス

性の強化 ました イベントの集約と同様に不必要な自動アクシ ンも抑止

といっを解決ていくいく必

図2 パブリッククラウド環境を含めた一元管理

図3 JP1によるIT運用効率化の全体像

JP1/Performance Management

JP1/IT Service Level Management

JP1/Integrated Management

オンプレミス /プライベートクラウド パブリッククラウド

マネージャー

VPNサービス

稼働データ- Amazon Virtual Private Cloud- Windows Azure™ Virtual Network

パブリッククラウウド

™ Virtual NetworkVirtual Network

amazon web serviceWindows Azure™

JP1

JP1 JP1

共有ーショす。

めの

ムのJP1

運用プロセスの改善により解決

図2 パブリッククラウド環境を含めパブリッククラウド環境を含めブリッククラウド環境を含めたたた一元管理一元管理元管理

運用ノウハウの不足

● 統合監視● 構成可視化

● 対処履歴共有● ノウハウ蓄積

● マニュアル化● 一元管理

● 運用オペレーションの自動処理

運用作業の複雑化 運用作業の負担増加

見える化 共有化 標準化 自動化

JP1/IM - SS*2 JP1/IM - NP*3

運用プロセス間の連携強化による効率化

お客さまのシステム運用に合わせた、きめ細かな運用自動化

お客さまのシ テム運

強化ポイント①

強化ポイント②

JP1/Integrated Management*1JP1/Integrated Management Service Support*2

JP1/Integrated Management Navigation Platform*3JP1/Automatic Operation*4

JP1/IM*1 JP1/AO*4

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カメラ1台で室内の空間検知を行える画像処理技術~日立の最新エアコンに「間取りサーチ」として搭載~

生活必需品となったエアコンの世界では、省エネ性能だけでなく、汚れに強いクリーン性、人の位置に合わせた気流制御などが大きな差別化要素となっています。そこで中央研究所は、カメラ1台で空間検知を行える画像処理技術により、部屋の間取りの自動検知を実現。これが日立アプライアンス株式会社の新エアコンに「間取りサーチ」機能として搭載され、快適な空調を可能としました。

日立エアコン「白くまくん」シリーズが順調にシェアを拡大していますね。

神野 昨年(2012年)発表の上位モデルに搭載した、人の動きをキャッチする「くらしカメラ」や、エアコン内部の菌や汚れを抑制する「ステンレス・クリーンシステム」などが好評で、非常に高い評価をいただいています。そこで次期モデルでも、他社にはまねのできない機能を追加しようと市場調査を行った結果、部屋の広さや奥行きといった「間取り」に合わせた空調ニーズが高いことがわかりました。従来も「くらしカメラ」で間取りをある程度は推定できていましたが、普通は一部屋、扉を開けると二部屋といっ

た変化に対応するには、より精度の高い技術が必要だと考え、中央研究所の力を借りることにしたのです。

小松 従来は、カメラで人を検出した際の顔の大きさで空間距離を推定していたた

め、誤差が生じやすく、開いた扉の位置や部屋のコーナーを検出できませんでした。このため、二間続きの部屋の扉が開いていても部屋の奥まで気流が届かなかったり、部屋の隅に熱だまりが生じたりするケースがあったのです。そこで考えたのが、カメラで撮影した画像データを解析し、扉の開閉や部屋の奥行きを検出しようというアプローチでした。これが実現すれば扉を開けた際の部屋の広がりや間取りに合わせたムダのない気流制御が行えるからです。

つまり画像処理技術を活用して、エアコンをきめ細かく制御する仕組みを作ったということですね。

小松 はい。中央研究所にはもともと、カメラから得られた映像をもとにした画像解析

間取りに合わせた快適空調を実現したい

中央研究所

図1 「間仕切り検出」と「間取り検出」の例

取りをある程度は推定できていましたが、普通は一部屋、扉を開けると二部屋といっ

小松 従来は、カメラで人を検出した際の顔の大きさで空間距離を推定していたた

小松 はい。中央研究所にはもともと、カメラから得られた映像をもとにした画像解析

図1 「間仕切り検出」と「間取り検出」の例

日立アプライアンス株式会社空調事業部

空調グローバル戦略本部商品企画部 部長代理

神野 憲之

扉開閉判別による、間仕切り検出1

部屋の変化に合わせて、気流をコントロール

部屋のコーナー検出による、間取り検出2

部屋の奥行き、幅の広がりに合わせてむだなく気流を制御

風量小

風量

大間仕切りを開くと

間仕切りを閉じていると

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や人の検出といった技術が豊富に蓄積されています。今回はこれらのノウハウをフルに活用して、扉の開閉を判別できる「間仕切り検出」と、部屋の奥行きや幅の広がりを検出できる「間取り検出」という2つの画像処理技術を開発しました(図1)。

それぞれの技術内容を教えてください。

小松 「間仕切り検出」は、続き部屋を仕切る扉が開いているかどうかを判断する技術です。カメラでとらえた画像が扉かどうかは“四角形らしさ”で検出します。また、それが開いているかどうかは、背景の複雑さから判別します。扉の後にソファーや机があれば、それが通常時の閉まった状態より複雑な絵柄として認識されるので“開いている”と理解できるわけです。

扉以外のものを誤認識することはないですか。

小松 開発当初は“四角形らしさ”という条件を考慮していなかったため、天井から吊されたライトやひも、テレビ、壁に貼られたポスターなどを誤認識するケースがありました。そこでそれぞれの特徴を判別できる工

夫を加え、現在は扉のみを検出できるようにしています。

もう1つの「間取り検出」は部屋のコーナー部分が対象ということですね。

小松 はい。従来は部屋の奥行きが検出できなかったため、左右にスイングして風を送る際も、壁にあたるなどしてむだな気流が発生していました。そこでカメラ画像から部屋の梁を検出し、その連続性と交点から奥行きを算出するアルゴリズムを実装しました。これによりムダのないスイングで部屋の間取りに合わせた気流制御が行えるようになります。

神野 最初に試作品を見せていただいた時は「ここまで判別できるのか」と驚きました。本当に予想以上の出来栄えで、われわれとしても次期モデルの差別化に大きな自

信を持ちました。今回開発された機能は2013年10月から発売を開始した「ステンレス・クリーン 白くまくん」Zシリーズに「間取りサーチ」という名称で搭載されています。また本製品では従来の画像カメラに加えて温度カメラも装備しており、「くらしカメラ ツイン」という名称で、よりきめ細かな自動運転を実現できるようにしました(図2)。

小松 従来の「人検出」機能に「間取りサーチ」機能が加わり、さらに温度カメラによる温度変化の状態もリアルタイムに感知しながら、さまざまな状況下で快適な空調が実現できるようになったということです。

これでまた、日立エアコンのさらなるシェア拡大が期待できますね。今回の画像処理技術は、別の用途にも使えそうな気がしますが…。

小松 複雑な画像処理を低スペックなCPUでも高速実行できるアルゴリズムについて、評価をいただいています。例えば建物の構造を検出したり、テレビ会議で部屋の構造に合わせたカメラコントロールを行ったりする用途など、さまざまな可能性があると考えています。

さらなる展開を期待しています。本日はどうもありがとうございました。

部屋の構造や広さの変化をカメラで検出

(株)日立製作所 中央研究所  https://www8.hitachi.co.jp/inquiry/hqrd/rd/jp/form.jsp

お問い合わせ先

や人の検出といった技術が豊富に蓄積されています 今回はこれらのノウハウをフル

夫を加え、現在は扉のみを検出できるようにしています

信を持ちました。今回開発された機能は2013年10月から発売を開始した「ステンレ

日立製作所 中央研究所 知能システム研究部 研究員

小松 佑人

左右にスイングして、すばやくキャッチ

温度カメラ 画像カメラ

温度カメラ 画像カメラ

はり

カメラ内部

図2 人や部屋の状況を2つのカメラで制御する「くらしカメラ ツイン」

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 物流センター間だけでなく、取引先や出荷先での積み込み、荷卸しのステータスを取得・管理する「配送荷物管理」機能を提供(2014年2月以降にリリース予定)。配送実績や荷物トレース情報をタイムリーに取得できるため、物流の可視化によるサービス品質の向上を支援します。

 これ以外にもHITLUSTERでは、さまざまな業種や運用形態に対応可能な充実した機能を多数取りそろえています。倉庫・配送業務の効率化と物流情報の可視化により、現場実務を軽減し、経営判断のスピードアップに貢献するHITLUSTERを、お客さまの物流改革にぜひご活用ください。

 「HITLUSTER」は、流通業向けの業界標準「流通BMS」の業務プロセスに対応した倉庫管理パッケージとして、在庫型物流センター(DC : Distribution Center)、通過型物流センター(TC : Transfer Center)に加え、外部倉庫にも対応。温度帯も常温と低温、双方の商品を扱うことが可能です。 物流センター増設(新規稼働)時にも、センターごとにユニークなコード番号を付与することで、1システムで複数センターを管理でき、ハードウェア/ミドルウェア費用と構築期間を大幅に低減。稼働環境はクラウドや仮想化にも対応できます。 このたび提供を開始した新バージョンでは、充実した倉庫管理機能に加え、新たに統合物流管理と輸配送管理の機能も追加。全拠点統合型のデータ管理により、経営層から実務層の視点で「モノ」や「ヒト」の動きをタイムリーに可視化し、お客さまの継続的な物流改革をトータルにサポートします。

 在庫情報を全国/地区/拠点別に管理できる「統合在庫管理」や、物流センターから出荷する商品(伝票)および荷物の情報を管理する「統合商品管理」などにより、複数拠点間のデータを一元管理。HITLUSTERだけでロジスティクス活動全般を統合管理することが可能となります。

物流管理、倉庫業務、配送業務をトータルにサポートする日立WMSパッケージ「HITLUSTER」

(株)日立製作所 エンタープライズソリューション営業統括本部 流通営業本部  TEL (03)5471-2145  http://www.hitachi.co.jp/retail/ht558/

お問い合わせ先・情報提供サイト

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物流情報の一元管理と可視化で継続的な改革を支援

「HITLUSTER」は、小売業を中心に100サイト以上の稼働実績を誇り、小規模から大規模まで柔軟にシステム構築が可能な倉庫管理(WMS※1)パッケージです。新バージョンでは統合物流管理と輸配送管理の機能もあわせ持つ「ハイブリッド型WMSパッケージ」へと進化。お客さまのビジネスの成長を支える物流基盤として、業務の効率化・標準化・可視化に寄与します。

ヒットラスター

■統合物流管理

■輸配送管理

HITLUSTER適用時の業務イメージ

メーカー/商社・卸 物流センター 出荷先

倉庫間移動

倉庫管理

輸配送管理

統合物流管理

入荷

在庫

出荷

全体在庫の計画・調整

物流情報の確認・分析

商品/資材のトレース IT統制対応

返品/貸出 返品/回収

集荷/持込 納品

※1:Warehouse Management System

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OCRソフトウェア「Friendly-OCR」を大幅に強化

注文書や請求書、入学願書や通販ハガキなどに記載された文字を読み取りデータ化する帳票OCRは、

幅広い業種の企業や官公庁などで採用されており、業務効率向上に欠かせない機能となっています。

このたび日立は、帳票OCRのシステム運用を担うOCRソフトウェア「Friendly-OCR」において、

操作性を向上させるGUI画面を刷新し、さらに新機能となる簡易フォーマット作成ツールを追加。

帳票レイアウト変更などで必要となる読み取り定義の変更もお客さま自身で容易に行えます。

プラットフォーム & ソリューション

 日立のOCRソフトウェア「Friendly-OCR」は、標準的なOCR業務処理をサポートするOCR業務パッケージと、文字認識ソフトウェアで構成されています。 今回のバージョンアップでは、OCR業務パッケージである従来の「OCRパッケージ3」のGUI画面を刷新し、Windows® 8への対応とともに、さらなる操作性の向上と業務アプリケーションとの連携強化を実現。「OCRパッケージ4」へと進化させました。 具体的には、帳票の読み取りとバッチ修正などを行う業務プログラムの画面を一新し、読み取りパッケージの画面をHTMLファイルにすることで画面の表現力を大幅に向

上。また、落ち着いたブルー系を基調色としたデザインと、タブウィンドウを採用し、一般的なWindows®アプリケーションと同等の画面(コンボボックス、チェックマーク、ラジオボタン、マスクエディットコントロールなど)で操作できるようにしました。 さらにOCRプログラム群をランチャーにまとめることで、OCRソフトウェアの使い勝手を向上しました(図1)。

 読み取り帳票の登録/更新を容易に行うことができるテンプレートベースの簡易フォーマット作成ツール「OCRパッケージ4/Easy-VFG」を新たに提供します。この機能

を使用すると、既存帳票のレイアウト変更時に発生する読み取り位置の変更や、読み取り文字の追加、桁数増減などの調整/登録/更新がお客さま自身で容易に行えます。新業務を迅速かつ柔軟にスタートできるだけでなく、コスト低減にも寄与します(図2)。

 そのほか、OCRシステムの構築を支援するさまざまなソリューションサービスもご用意しています。

より使いやすくなった操作画面

お客さま自身で帳票を更新できる簡易フォーマット作成ツール

図1 Friendly-OCRランチャーアプリケーション画面例 図2 帳票登録/更新画面例

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で操作

ーにま勝手

易に行簡易

を迅速かつ柔軟にスタートできるだけでなく、コスト低減にも寄与します(図2)。

 そのほか、OCRシステムの構築を支援

OCRソフトウェア「Friendly-OCR」

お問い合わせ先■ 情報提供サイト  http://www.hitachi.co.jp/ocr/

記事に関して、(株)日立情報通信エンジニアリング TEL(050)3163-1798製品に関しては、HCAセンタ  0120-2580-12 利用時間 9:00~12:00、13:00~17:00(土・日・祝日を除く)

OCRパッケージ4の対応モデル

HT-4155モデル

HT-4139Uモデル

HT-4161/4161Wモデル

HT-4134モデル

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※ 流通BMSは、財団法人流通システム開発センターの登録商標です。

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