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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg30 mg60 mg 180 12. DU-176b 後期第II相臨床試験(非弁膜性心房細動)-非弁膜性心房細動 患者 におけるワルファリンカリウムを対照とした無作為化用量比較試験- ··························································· 資料番号 5.3.5.1-2 12.1 治験方法 2.7.6.12-1 に試験方法の概略を示す。 2.7.6.12-1 試験方法の概略: 日本 NVAF P2b1/3治験の目的 NVAF 患者を対象として、ワルファリンカリウム(以下ワルファリン)を対照に、各 エドキサバン投与群の出血性イベント発現率を比較する。また、副次的に有効性評価 として血栓塞栓性イベント発現頻度、薬力学的指標及びバイオマーカーを、安全性評 価として有害事象と副作用の発現頻度を比較する。 治験責任医師名 実施医療機関 、他 64 、他 60 施設 試験実施期間 2007 4 日(最初の被験者の同意取得日)~2008 7 日(最終観察日) 選択基準・除外基 1. 選択基準 1) 20 歳以上 2) 登録日より過去 1 年以内に 1 週間以上の間隔をおいた 2 回以上の心電図にお いて AF が確認できること 3) 下記の塞栓症の危険因子を 1 つ以上有する者 【危険因子】 i) 高血圧 ii) 糖尿病 iii) うっ血性心不全 iv) TIA 又は脳梗塞の既往(同意取得前 30 日以内の発症例は除く) v) 75 歳以上 2. 除外基準 1) 下記の出血リスクを有する患者 i) 頭蓋内、眼内(球結膜下出血を除く)、脊髄髄腔内、後腹膜又は非外傷性 関節内出血の既往 ii) 同意日より過去 1 年以内の消化管出血 iii) 同意日より過去 90 日以内の消化性潰瘍 iv) 同意日より過去 30 日以内の入院を要する手術又は外傷 v) 事前検査において、ヘモグロビンが 10 g/dL 未満あるいは血小板数が 10 × 10 4 /µL 未満 vi) 登録時に出血を来している : 皮下出血は、長径 5 cm 以上の血腫が 1 つ以上認められた場合 尿検査は、肉眼的血尿、尿潜血 2+以上、尿潜血+かつ尿沈渣赤血球が 10 個/HPF 以上が認められた場合(ただし、同意日の 1 年前から継続的に尿 潜血 2+が認められた場合は除く) vii) 同意日から治験薬投与終了までに手術、組織生検、抜歯など出血を来す侵 襲的治療あるいは検査を予定している viii) 遺伝的な出血性疾患 2) 同意取得前 30 日以内に脳梗塞又は TIA を発症した患者 3) 抗凝固薬(ワルファリンを除く)による治療が行われている患者 4) リウマチ性弁膜疾患を合併した患者 5) 心臓弁手術の施行歴のある患者 6) 感染性心内膜炎を合併した患者 7) 心房粘液腫を合併した患者

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

180

12. DU-176b 後期第II相臨床試験(非弁膜性心房細動)-非弁膜性心房細動 患者

におけるワルファリンカリウムを対照とした無作為化用量比較試験- ··························································· 資料番号 5.3.5.1-2

12.1 治験方法 表 2.7.6.12-1 に試験方法の概略を示す。

表 2.7.6.12-1 試験方法の概略: 日本 NVAF P2b(1/3) 治験の目的 NVAF 患者を対象として、ワルファリンカリウム(以下ワルファリン)を対照に、各

エドキサバン投与群の出血性イベント発現率を比較する。また、副次的に有効性評価

として血栓塞栓性イベント発現頻度、薬力学的指標及びバイオマーカーを、安全性評

価として有害事象と副作用の発現頻度を比較する。 治験責任医師名 実施医療機関

、他 64 名 、他 60 施設

試験実施期間 2007 年 4 月 日(最初の被験者の同意取得日)~2008 年 7 月 日(最終観察日) 選択基準・除外基

準 1. 選択基準

1) 20 歳以上 2) 登録日より過去 1 年以内に 1 週間以上の間隔をおいた 2 回以上の心電図にお

いて AF が確認できること 3) 下記の塞栓症の危険因子を 1 つ以上有する者 【危険因子】 i) 高血圧 ii) 糖尿病 iii) うっ血性心不全 iv) TIA 又は脳梗塞の既往(同意取得前 30 日以内の発症例は除く) v) 75 歳以上

2. 除外基準

1) 下記の出血リスクを有する患者 i) 頭蓋内、眼内(球結膜下出血を除く)、脊髄髄腔内、後腹膜又は非外傷性

関節内出血の既往 ii) 同意日より過去 1 年以内の消化管出血 iii) 同意日より過去 90 日以内の消化性潰瘍 iv) 同意日より過去 30 日以内の入院を要する手術又は外傷 v) 事前検査において、ヘモグロビンが 10 g/dL 未満あるいは血小板数が 10 ×

104/µL 未満 vi) 登録時に出血を来している※ ※: 皮下出血は、長径 5 cm 以上の血腫が 1 つ以上認められた場合

尿検査は、肉眼的血尿、尿潜血 2+以上、尿潜血+かつ尿沈渣赤血球が 10個/HPF 以上が認められた場合(ただし、同意日の 1 年前から継続的に尿

潜血 2+が認められた場合は除く) vii) 同意日から治験薬投与終了までに手術、組織生検、抜歯など出血を来す侵

襲的治療あるいは検査を予定している viii) 遺伝的な出血性疾患

2) 同意取得前 30 日以内に脳梗塞又は TIA を発症した患者 3) 抗凝固薬(ワルファリンを除く)による治療が行われている患者 4) リウマチ性弁膜疾患を合併した患者 5) 心臓弁手術の施行歴のある患者 6) 感染性心内膜炎を合併した患者 7) 心房粘液腫を合併した患者

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表 2.7.6.12-1 試験方法の概略: 日本 NVAF P2b(2/3) 選択基準・除外基

準(つづき) 8) 左室又は左房に血栓の存在が確認されている患者 9) 遺伝的な血栓形成傾向が確認されている患者 10) 調整期治験薬投与から治療期治験薬投与期間中に電気的又は薬理学的除細

動を予定している患者 11) コントロール不良の高血圧患者(持続的に収縮期血圧が 160 mmHg を超えて

いる、あるいは拡張期血圧が 100 mmHg を超えている) 12) コントロール不良の糖尿病患者 13) 事前検査において以下に該当する腎機能障害あるいは肝機能障害が確認さ

れた患者 i) 血清クレアチニン > 1.5 mg/dL ii) AST(GOT)又は ALT(GPT)≥ ULN の 2 倍 iii) 総ビリルビン > ULN の 2 倍

14) 合併する他の疾患に対して抗血小板療法が行われており、その中止が当該合

併症の悪化を招くと考えられる患者 15) 重篤な心疾患を合併した患者(下表参照)

不整脈 多源性・三連発以上の心室性期外収縮 六連発以上の心室性頻拍 心室細動 Torsades de pointes 心不全 NYHA III 以上 虚血性心疾患 急性心筋梗塞 不安定狭心症

16) ワルファリンに対して過敏症又は禁忌の患者 17) ビタミン K 製剤の投与を中止できない患者 18) 妊婦、妊娠している可能性又は治験期間中に妊娠を希望する患者、並びに授

乳中の患者 19) 体重が 40 kg 未満の患者 20) エドキサバンの投与歴がある患者 21) 同意日より過去 6 ヵ月以内に他の薬剤の治験に参加した経験がある患者 22) その他、治験責任医師又は治験分担医師が不適格と判断した患者

治験デザイン エドキサバン 30 mg/日、45 mg/日、60 mg/日の 3 用量について二重盲検とし、ワ

ルファリンをオープンラベルの対照群とした 4群による多施設共同無作為化用量比較

試験 ワルファリンによる血栓塞栓症の発症に対する予防的治療の有無によって調整期を

設け、エドキサバン群では INR を 2.0 未満、ワルファリン群では 2.0 以上 3.0 以下(70歳以上は 1.6 以上 2.6 以下)となったことを確認し、治療期に移行した。

被験者数

エドキサバン

ワルファリン 合計 30 mg 45 mg 60 mg

無作為化した被験者 135 135 132 134 536 治療期移行被験者 130 134 130 125 519 治療期完了被験者 121 122 119 120 482 治療期中止被験者 9 12 11 5 37 FAS a 131 134 131 129 525 PPS 127 129 126 126 508 a: 調整期中止被験者を含む FAS: full analysis set

治験薬 エドキサバン錠 15 mg(ロット番号 S06036-1、S06036-2)、プラセボ錠(ロット番号

S06036-3)、ワルファリンカリウム錠 0.5 mg(ロット番号 6ZA39K)、ワルファリンカ

リウム錠 1 mg(ロット番号 6YB16K) 用法・用量 投与期間

エドキサバン 30、45、60 mg を 1 日 1 回、もしくはワルファリンを INR が 2.0 以上 3.0以下(70 歳以上は 1.6 以上 2.6 以下)に維持されるように用量を調整して原則として

1 日 1 回、12 週間経口投与した。

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表 2.7.6.12-1 試験方法の概略: 日本 NVAF P2b(3/3) 評価項目 1. 主要評価項目

出血性イベント(大出血、臨床的に重要な出血、小出血)の発現率 2. 副次評価項目

1) 血栓塞栓性イベントの発現率 2) 有害事象及び副作用の発現率

3) 薬力学的指標(PT、INR、及び APTT)・バイオマーカー(F1+2、トロンビン・

アンチトロンビン III 複合体[thrombin-antithrombin III complex: TAT]、及び

D-dimer)の測定値の推移及び調整期開始前からの差の推移 3. 薬物動態評価項目

血漿中エドキサバン濃度、母集団薬物動態パラメータ、被験者ごとの薬物動態パラ

メータ、各被験者の薬物動態パラメータと出血性イベント発現との相関 評価スケジュール 表 2.7.6.12-2 及び表 2.7.6.12-3 参照 統計解析手法 1. 主要評価項目の解析

主解析として、ワルファリン群と各エドキサバン群の出血性イベント発現率の差及

びその 95%CI、投与群ごとの出血性イベント発現率及びその 95%CI を算出し、エ

ドキサバン群間で χ2検定又は Fisher の直接確率計算法を用いた 2 群比較を行った。 副次解析として、30 mg 群、45 mg 群、60 mg 群の出血性イベント発現率について、

−1、0、1 の対比を Cochran-Armitage 検定を用いて検討した。また、比例ハザード

モデルにより、出血性イベントに関する各エドキサバン群とワルファリン群のハザ

ード比を求め、ハザード比の CI を算出した。さらに、出血性イベントの累積発現

率を Kaplan-Meier 法を用いて推定した。 また、探索的な解析として、被験者背景因子を説明変数としたロジスティック回帰

分析を行い、出血性イベントの予後因子を検討した。 2. 薬力学的指標・バイオマーカー

投与終了時の測定値について、ワルファリン群と各エドキサバン群の差及びその

95%CI を算出した。また、各エドキサバン群の投与終了時の調整期開始前からの

変化量について、線形回帰モデルを用いて用量反応性を検討した。 3. 薬物動態解析

非線形混合効果モデルを用いて、薬物動態パラメータ(クリアランス、分布容積な

ど)の母集団平均値及び個体間変動を求めるとともに、実測値と予測値の残差変動

を算出した。薬物動態パラメータに影響を及ぼす共変量として、被験者背景などに

ついて検討した。

12.1.1 被験者数の設定根拠 NVAF 患者を対象とし、ワルファリンを対照としたキシメラガトランの試験結果 12)を参考に、

ワルファリン群における出血性イベントの発現率を 15%とし、ワルファリン群と同程度の出血

性イベントを発現するエドキサバン群の発現率を 15%と仮定すると、Score 法による群間差の

95%CI において、その信頼区間幅(上限 − 下限)/2 を 10%の精度で推定するためには 104

名(16/104 名)必要となる。そこで、解析除外を約 20%と見積もり、1 群 125 名を目標被験者

数とした。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

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12.1.2 用法・用量の設定根拠 NVAF を対象とした 2 つの前期第 II 相試験(日本 NVAF P2a[5.3.5.2-1]及び日本 NVAF P2a

低用量[5.3.5.2-2])において、1 日用量 5~120 mg のエドキサバンを投与したところ、用量の

増加に伴う出血のリスクの増大が認められた。一方、F1+2、TAT、D-dimer などの血液凝固線

溶系のバイオマーカーは、1 日用量 30 mg 以上で明らかな低下を示し、60 mg 以上の用量では

さらなる低下を示さなかった。以上よりエドキサバン群の低用量を 30 mg、高用量を 60 mg と

設定し、中間用量として 45 mg を設定した。

ワルファリン群の用量は、本邦における心房細動治療(薬物)ガイドライン 13)にて推奨さ

れている用量とした。

12.2 被験者背景 被験者背景を表 2.7.6.12-4 に示す。

各群の被験者背景には、臨床的に意味のある投与群間の不均衡は認められなかった。

表 2.7.6.12-4 被験者背景: 日本 NVAF P2b

項目(単位) エドキサバン

ワルファリン n = 129

30 mg n = 131

45 mg n = 134

60 mg n = 131

年齢(歳) 算術平均値(SD) 69.4(7.5) 69.5(8.8) 68.4(8.2) 68.8(8.2)

性別 男性 110(84.0) 109(81.3) 107(81.7) 107(82.9)

女性 21(16.0) 25(18.7) 24(18.3) 22(17.1)

体重 算術平均値(SD) 65.8(10.4) 63.8(10.6) 66.0(12.0) 64.9(9.8) ≤60 kg 38(29.0) 48(35.8) 39(29.8) 40(31.0) >60 kg 93(71.0) 86(64.2) 92(70.2) 89(69.0)

塞栓症の危険 因子あり

高血圧 98(74.8) 96(71.6) 97(74.0) 92(71.3)

糖尿病 24(18.3) 28(20.9) 28(21.4) 40(31.0)

うっ血性心不全 31(23.7) 37(27.6) 32(24.4) 43(33.3)

TIA 又は脳梗塞の既往 30(22.9) 38(28.4) 39(29.8) 39(30.2)

年齢 75 歳以上 38(29.0) 38(28.4) 39(29.8) 35(27.1)

CHADS2 スコア 1 点 63(48.1) 50(37.3) 51(38.9) 44(34.1)

2 点 32(24.4) 44(32.8) 41(31.3) 37(28.7)

3 点 24(18.3) 27(20.1) 19(14.5) 28(21.7)

4 点 8(6.1) 10(7.5) 16(12.2) 15(11.6)

5 点 4(3.1) 2(1.5) 4(3.1) 4(3.1)

6 点 0 1(0.7) 0 1(0.8)

ワルファリンによ

る予防的治療 有 111(84.7) 112(83.6) 111(84.7) 111(86.0)

無 20(15.3) 22(16.4) 20(15.3) 18(14.0) CLCR <50 mL/min 15(11.5) 21(15.7) 16(12.2) 16(12.4)

≥50 mL/min 116(88.5) 113(84.3) 115(87.8) 113(87.6) 算術平均値(SD)もしくは該当被験者数(%)

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

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12.3 有効性 12.3.1 血栓塞栓性イベント 血栓塞栓性イベントは、45 mg 群に発現した脳梗塞症 1 件のみであった。

12.3.2 薬力学的指標 薬力学的指標の推移を表 2.7.6.12-5 に示す。

エドキサバン群での INR は、治療期 4 週目の服薬後 1~3 時間及び 12 週目に用量増加に伴

って延長する傾向が認められ、開始前検査から 12 週目の変化量には統計学的に有意な用量反

応関係が認められた(回帰分析、P < 0.001)。一方、ワルファリン群での INR は、開始前検査

と比較して 4 週目に延長し、その後は安定して推移した。

なお、エドキサバン群を開始前のワルファリンによる予防的治療の有無でサブグループ化し

た場合、予防的治療を受けていないサブグループの方がエドキサバン投与による INR 延長が

明確であった。

PT 及び APTT の推移についても、INR と同様の傾向が認められた。

表 2.7.6.12-5 薬力学的指標の推移: 日本 NVAF P2b

項目(単位) 投与群 開始前検査 治療期 4 週目 a

治療期 8 週目 治療期 12 週目 トラフ 服薬後 1~3 h

PT(sec)

30 mg 126 120 121 120 119

17.77(4.48) 12.88(3.80) 15.76(2.85) 12.47(3.47) 14.27(2.24)

45 mg 125 122 123 122 118

17.90(4.97) 13.00(6 24) 17.89(3.83) 12.35(1.77) 16.59(6.78)

60 mg 125 121 120 119 116

17.48(4.64) 13.22(6 21) 20.99(8.90) 13.80(8.88) 19.07(7.30)

ワルファリン 125 119 119 114

18.96(6.40) 21.68(6.65) 20.52(3.90) 20.55(6.46)

INR

30 mg 126 120 121 120 119

2.14(0.85) 1.31(0.75) 1.78(0.49) 1.24(0.71) 1.56(0.38)

45 mg 125 121 123 122 117

2.16(0.93) 1.22(0.19) 2.19(0.73) 1.22(0.30) 1.91(0.68)

60 mg 125 120 118 117 115

2.08(0.93) 1.25(0.17) 2.62(0.90) 1.27(0.31) 2.43(0.95)

ワルファリン 125 118 119 113

2.40(1.48) 2.88(0.96) 2.78(0.79) 2.75(0.73)

APTT(sec)

30 mg 126 120 121 120 119

40.45(10.78) 34.58(12.88) 40.79(10.25) 33.20(11 16) 37.52(7.27)

45 mg 125 122 123 122 118

41.76(12.02) 34.68(16.04) 44.46(9.60) 33.15(6.53) 42.58(16.94)

60 mg 125 121 120 119 116

39.73(9.20) 34.93(15.87) 49.74(21.64) 36.49(22.38) 47.09(18.51)

ワルファリン 125 119 119 114

43.05(18.23) 47.81(17.67) 46.19(9.67) 46.71(16.61) 上段: 被験者数 下段: 算術平均値(SD) a: ワルファリン群では服薬と採血のタイミングを規定しなかった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

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12.3.3 バイオマーカー バイオマーカーの推移を表 2.7.6.12-6 に示す。

エドキサバン群での D-dimer は、4 週目以降 12 週目まで、開始前検査と比較して明らかな

変化は認められなかったものの、12 週目の開始前検査からの変化量は、用量増加に伴って統

計学的に有意に低下した(回帰分析、P = 0.001)。エドキサバン群を開始前のワルファリンに

よる予防的治療の有無でサブグループ化した場合、予防的治療を受けていないサブグループの

方がエドキサバン投与による低下が明確であった。

エドキサバン群での F1+2 は、4週目以降 12 週目まで、開始前検査と比較して高値で推移し、

明確な用量反応関係は認められなかった。しかし、エドキサバン群を開始前のワルファリンに

よる予防的治療の有無でサブグループ化した場合、予防的治療を受けていないサブグループで

は、いずれの用量群でも治療期 4 週目のトラフ時と服薬後 1~3 時間に開始前検査よりも低下

し、8 週目のトラフ時及び 12 週目には用量増加に伴って低下する傾向が認められた。

エドキサバン群での TAT は、4 週目以降 12 週目まで、開始前検査と比較して明らかな変化

は認められず、開始前のワルファリンによる予防的治療の有無でサブグループ化した場合にも、

サブグループ間で大きな違いはなかった。

表 2.7.6.12-6 バイオマーカーの推移: 日本 NVAF P2b

項目(単位) 投与群 開始前検査 治療期 4 週目 a

治療期 8 週目 治療期 12 週目 トラフ 服薬後 1~3 h

F1+2 (pmol/L)

30 mg 126 120 121 120 119

100.6(74.3) 151.9(62.2) 144.3(73.0) 150.9(63.0) 137.2(58.3)

45 mg 125 122 123 122 118

120.3(162.2) 138.9(46.5) 125.0(36.2) 145.5(107.7) 123.3(35.6)

60 mg 125 121 120 119 116

107 3(94.0) 132.0(47.1) 121.2(53.2) 143.5(91.9) 125.6(76.6)

ワルファリン 125 119 119 114

95.7(116.3) 63.0(76.4) 58.7(34.3) 58.3(34.8)

TAT (ng/mL)

30 mg 126 120 121 120 119

1 54(2.06) 1.88(1.96) 1.80(3.87) 1.58(0.51) 1.43(0.48)

45 mg 125 122 123 122 118

1.70(1.49) 2.04(3.11) 1.38(0.49) 2.19(5.44) 1.41(0.58)

60 mg 125 121 120 119 116

1.78(1.50) 1.52(0.90) 1.31(0.61) 1.56(1.11) 1.41(0.64)

ワルファリン 125 119 119 114

1.47(0.86) 1.82(5.43) 1.48(1.59) 1.28(0.48)

D-dimer (μg/mL)

30 mg 126 120 121 120 119

0 241(0.162) 0.259(0.152) 0 236(0 137) 0.254(0.165) 0.247(0 157)

45 mg 125 122 123 122 118

0 295(0.256) 0.254(0.204) 0 237(0 188) 0.249(0.200) 0.233(0 210)

60 mg 125 121 120 119 116

0 362(0.575) 0.241(0.209) 0 229(0 198) 0.300(0.469) 0.246(0 259)

ワルファリン 125 119 119 114

0 296(0.275) 0.255(0.241) 0.265(0.242) 0.302(0.608) 上段: 被験者数 下段: 算術平均値(SD) a: ワルファリン群では服薬と採血のタイミングを規定しなかった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

188

12.4 薬物動態 12.4.1 母集団薬物動態解析 最終モデルの母集団パラメータ推定値を表 2.7.6.12-7 に、30 mg 1 日 1 回投与時の定常状態

におけるエドキサバンの薬物動態パラメータに及ぼす共変量の影響を図 2.7.6.12-1 に示す。

血漿中エドキサバン濃度は、吸収ラグタイムを伴う 1 次吸収/1 次消失の 1-コンパートメン

トモデルによって適切に記述された。共変量モデル選択の結果、エドキサバンのクリアランス

の有意な共変量として CLCR が、分布容積の有意な共変量として体重が、吸収速度定数の有意

な共変量として食事の有無が、相対的バイオアベイラビリティの有意な共変量としてベラパミ

ル併用の有無がそれぞれ選択された。アスピリン及びジゴキシン併用による有意な影響はなか

った。各パラメータの最終モデルは以下のとおりであった。

( )iCLiCR

i

CLCL ,

4300, exp

91.695.21 η⋅

⋅=

3310

65tBody Weigh200

⋅= i

iV

( ) ( )iKAii FOODKA ,exp782.0exp77.8 η⋅⋅−⋅=

( )ii VerapamilF ⋅= 302.0exp1

CL: 全身クリアランス V: 分布容積 KA: 吸収速度定数 F1: 相対的バイオアベイラビリティ FOOD: 食事なし = 0、あり = 1 Verapamil: ベラパミル併用なし=0、あり=1

CLCR が 69.91 mL/min(中央値)から 23.58(最小値)~201.15(最大値)mL/min の範囲で変

動したとき、クリアランスは 0.627~1.575 倍の範囲で変動すると推定された。体重が 65 kg(中

央値)から 40(最小値)~108(最大値)kg の範囲で変動したとき、分布容積は 0.852~1.183

倍の範囲で変動すると推定された。吸収速度定数は食後において空腹時の 0.457 倍に低下する

と推定された。また、相対的バイオアベイラビリティはベラパミル併用によって非併用時の

1.353 倍に上昇すると推定された。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

189

表 2.7.6.12-7 最終モデルの母集団パラメータ推定値: 日本 NVAF P2b

母集団パラメータ 最終モデル(#30, mod225_304_FOCE)

推定値 SE %SEM 95%CI

CL(L/hr) 21.5 0.492 2.29 20.6, 22.5

V(L) 200 6.24 3.11 190, 213

KA(/hr) 8.77 1.91 21.8 6.68, 21.3

ALAG1(hr) 0.827 0.00472 0.571 0.817, 0.967

CLCR on CL 0.430 0.0402 9.33 0.362, 0.496 体重 on V 0.331 0.0991 29.9 0.176, 0.493

食事の有無 on KA −0.782 0.237 30.3 −1.38, −0.348

ベラパミル併用 on F1 0.302 0.0534 17.7 0.186, 0.428

ωCL2(相対誤差) 分散 0.0197 0.00266 13.5 0.0141, 0.0247

SD 0.140 ― ― ― ωKA

2(相対誤差) 分散 3.42 0.425 12.4 2.84, 5.29

SD 1.85 ― ― ― σ(相対誤差) SD 0.440 0.0235 5.34 0.389, 0.478

CL: 全身クリアランス V: 分布容積 KA: 吸収速度定数 ALAG1: 吸収ラグタイム F1: 相対的バイオアベイラビリティ ωCL

2: CL の個体間変動誤差の分散 ―: 該当せず ωKA

2: KA の個体間変動誤差の分散 σ: 残差誤差の SD %SEM = SE / |推定値| × 100

図 2.7.6.12-1 30 mg 1 日 1 回投与時の AUC0-24hr,ss、Cmax,ss、Cmin,ssへの共変量の影響

: 日本 NVAF P2b

500 1000 1500 2000 2500 3000

Population mean = 1395 (ng*hr/ mL) [30mg QD]

CLCR (mL/ min) 201.15 23.58

Body weight (kg) 108 40

Verapamil No Yes

Food Fasted Fed

AUC(0- 24hr),ss (ng*hr/ mL)

75 100 125 150 175 200 225 250

Population mean = 154 (ng/ mL) [30mg QD]

CLCR (mL/ min) 201.15 23.58

Body weight (kg) 108 40

Verapamil No Yes

Food Fed Fasted

Cmax,ss (ng/ mL)

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50

Population mean = 12.5 (ng/ mL) [30mg QD]

CLCR (mL/ min) 201.15 23 58

Body weight (kg) 40 108

Verapamil No Yes

Food Fasted Fed

Cmin,ss (ng/ mL)

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

190

12.4.2 薬物動態パラメータ 母集団薬物動態モデルの最終モデルの経験ベイズ推定値に基づいて算出した、定常状態にお

ける薬物動態パラメータ(AUC0-24h,ss、Cmax,ss、Cmin,ss)予測値の要約統計量を表 2.7.6.12-8 に示

す。

各エドキサバン群での AUC0-24h,ss の平均値(30 mg 群、45 mg 群、60 mg 群の順、以下同順)

は 1432.303 ng∙h/mL、2199.957 ng∙h/mL、2896.449 ng∙h/mL、Cmax,ss の平均値は 146.703 ng/mL、

225.435 ng/mL、297.026 ng/mL、Cmin,ss の平均値は 13.945 ng/mL、21.674 ng/mL、28.443 ng/mL

であった。

表 2.7.6.12-8 定常状態における薬物動態パラメータ予測値の要約統計量: 日本 NVAF P2b 薬物動態 パラメータ 投与群 30 mg 45 mg 60 mg 全体

AUC0-24h,ss(ng∙hr/mL)

n 124 129 123 376 算術平均値 (SD)

1432.303 (264.103)

2199.957 (492.321)

2896.449 (573.736)

2174.636 (752.35)

median 1371.62 2099.47 2894.77 2079.36 min, max 944.38, 2246.76 1430.12, 4553.18 1780.47, 4867.87 944.38, 4867.87

Cmax,ss(ng/mL) n 124 129 123 376 算術平均値 (SD)

146.703 (26.52)

225.435 (43.824)

297.026 (59.292)

222.89 (75.857)

median 149.85 224.74 297.51 219.295 min, max 64.32, 219.75 108.41, 359.31 146.87, 488.09 64.32, 488.09

Cmin,ss(ng/mL) n 124 129 123 376 算術平均値 (SD)

13.945 (5.683)

21.674 (10.392)

28.443 (12.853)

21.34 (11.656)

median 12.585 20.12 26.91 19.03 min, max 4.97, 30.5 5.62, 73.18 7.6, 79.11 4.97, 79.11

12.5 安全性 12.5.1 出血性イベント 12.5.1.1 大出血発現率

治療期開始日から治療期終了日又は中止日までに発現した大出血の発現状況を表 2.7.6.12-9

に示す。

大出血発現率は、エドキサバン 45 mg 群 2.2%(3/134)、60 mg 群 1.5%(2/130)であり、エ

ドキサバン 30 mg 群及びワルファリン群に大出血は認められなかった。

大出血の内容は、エドキサバン 45 mg 群では 2 名に胃腸出血が、1 名に痔出血が認められ、

いずれも「ヘモグロビンが 2 g/dL 以上低下する臨床的に明らかな出血」であった。60 mg 群で

は 1 名に便潜血が、1 名に脳出血が認められ、便潜血は「ヘモグロビンが 2 g/dL 以上低下する

臨床的に明らかな出血」、脳出血は「致死的な出血」及び「頭蓋内、脊髄髄腔内、眼内、後腹

膜、関節内、心膜などの懸念される部位の出血」であった。いずれも治験薬との因果関係が否

定されなかった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

191

ワルファリン群と各エドキサバン群の差は 0.0~2.2%であり、その 95%CI にはいずれも 0 が

含まれていた。エドキサバン群間での対比較では統計学的に有意な差は認められず(Fisher の

直接確率計算法、P = 0.247~1.000)、統計学的に有意な用量反応関係は認められなかった

(Cochran-Armitage 検定、P = 0.134[有意水準片側 0.025])。

表 2.7.6.12-9 治療期開始日から治療期終了日又は中止日までに発現した大出血発現率

: 日本 NVAF P2b

エドキサバン

ワルファリン n = 125 30 mg

n = 130 45 mg

n = 134 60 mg

n = 130

発現被験者数(%) 0 3(2.2) 2(1.5) 0 95%CI a(%) (0.0, 2.9) (0.8, 6.4) (0.4, 5.4) (0.0, 3.0) ワルファリン群との割合差 b(%) 0.0 2.2 1.5 ― 差の 95%CI c(%) (0.0, 0.0) (−0.3, 4.7) (−0.6, 3.7) ―

a: Score 法による 95%CI b: ワルファリン群との割合差 = エドキサバン群の発現率 − ワルファリン群の発現率 c: 正規近似による割合差の 95%CI

12.5.1.2 大出血又は臨床的に重要な出血

治療期開始日から治療期終了日又は中止日までに発現した大出血又は臨床的に重要な出血

の発現状況を表 2.7.6.12-10 に示す。

大出血又は臨床的に重要な出血の発現率は、エドキサバン 30 mg 群 1.5%(2/130)、45 mg 群

5.2%(7/134)、60 mg 群 5.4%(7/130)、ワルファリン群 3.2%(4/125)であり、エドキサバン

群では用量増加に伴って上昇する傾向が認められた。ワルファリン群と各エドキサバン群の差

は−1.7~2.2%であり、その 95%CI にはいずれも 0 が含まれていた。エドキサバン群間での対

比較では統計学的に有意な差は認められず(Fisher の直接確率計算法又は χ2 検定、P = 0.172

~0.954)、統計学的に有意な用量反応関係は認められなかった(Cochran-Armitage 検定、P =

0.058[有意水準片側 0.025])。

ワルファリン群に対する各エドキサバン群のハザード比は、30 mg 群 0.493、45 mg 群 1.668、

60 mg 群 1.732 であり、45 mg 群と 60 mg 群では 1 を超えたが、その 95%CI にはいずれも 1 が

含まれていた。各群のハザードは、エドキサバン 30 mg 群 0.07/人年、45 mg 群 0.24/人年、

60 mg 群 0.25/人年、ワルファリン群 0.14/人年であった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

192

表 2.7.6.12-10 治療期開始日から治療期終了日又は中止日までに発現した大出血又は

臨床的に重要な出血発現率: 日本 NVAF P2b

エドキサバン

ワルファリン n = 125 30 mg

n = 130 45 mg

n = 134 60 mg

n = 130

発現被験者数(%) 2(1.5) 7(5.2) 7(5.4) 4(3.2) 95%CI a(%) (0.4, 5.4) (2.6, 10.4) (2.6, 10.7) (1.3, 7.9) ワルファリン群との割合差 b(%) −1.7 2.0 2.2 ― 差の 95%CI c(%) (−5.4, 2.1) (−2.8, 6.9) (−2.8, 7.1) ―

a: Score 法による 95%CI b: ワルファリン群との割合差 = エドキサバン群の発現率 − ワルファリン群の発現率 c: 正規近似による割合差の 95%CI

治療期開始日から治療期終了日又は中止日までに発現した臨床的に重要な出血の内訳を表

2.7.6.12-11 に示す。

臨床的に重要な出血の内容は、30 mg 群では皮下出血、胃腸出血がそれぞれ 1 名であった。

45 mg 群での内訳は皮下出血が 2 名、鼻出血と歯肉出血がそれぞれ 1 名であった。60 mg 群で

の内訳は鼻出血が 2 名、歯肉出血、血尿、皮下血腫がそれぞれ 1 名であった。ワルファリン群

での内訳は、鼻出血が 2 名、皮下血腫と皮下出血がそれぞれ 1 名であった。

表 2.7.6.12-11 治療期開始日から治療期終了日又は中止日までに発現した臨床的に重要な

出血の分類内訳: 日本 NVAF P2b

エドキサバン

ワルファリン n = 125 30 mg

n = 130 45 mg

n = 134 60 mg

n = 130

外的な要因がなく発現し、5 分以上継続する鼻

出血あるいは歯肉の出血 0 2 3 2

直径 5 cm 以上の血腫 1 2 1 2 消化管出血 1 0 0 0 その他、治験責任医師又は治験分担医師が治

験薬の投与を注視する必要があると判断した

出血 0 0 1 0

発現被験者数

12.5.1.3 出血性イベントの発現率

治療期開始日から治療期終了日又は中止日までに発現した出血性イベントの発現率を表

2.7.6.12-12 に示す。

出血性イベント(大出血、臨床的に重要な出血、及び小出血)の各群における発現率は、エ

ドキサバン 30 mg 群 18.5%(24/130)、45 mg 群 22.4%(30/134)、60 mg 群 27.7%(36/130)、ワ

ルファリン群 20.0%(25/125)であった。ワルファリン群と各エドキサバン群の差は−1.5~7.7%

であり、その 95%CI にはいずれも 0 が含まれていた。エドキサバン群間での対比較では統計

学的に有意な差は認められず(χ2 検定、P = 0.077~0.429)、統計学的に有意な用量反応関係は

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

193

認められなかった(Cochran-Armitage 検定、P = 0.038[有意水準片側 0.025])。

ワルファリン群に対する各エドキサバン群の出血性イベントのハザード比は、30 mg群0.939、

45 mg 群 1.124、60 mg 群 1.458 であり、その 95%CI にはいずれも 1 が含まれていた。各群の

ハザードは、エドキサバン 30 mg 群 0.85/人年、45 mg 群 1.03/人年、60 mg 群 1.28/人年、

ワルファリン群 0.89/人年であった。

表 2.7.6.12-12 治療期開始日から治療期終了日又は中止日までに発現した出血性イベントの

発現率: 日本 NVAF P2b

エドキサバン

ワルファリン n = 125 30 mg

n = 130 45 mg

n = 134 60 mg

n = 130

発現被験者数(%) 24(18.5) 30(22.4) 36(27.7) 25(20.0) 95%CI a(%) (12.7, 26.0) (16.2, 30.2) (20.7, 35.9) (13.9, 27.9) ワルファリン群との割

合差 b(%) −1.5 2.4 7.7 ―

差の 95%CI c (%) (−11.2, 8.1) (−7.6, 12.3) (−2.7, 18.1) ― a: Score 法による 95%CI b: ワルファリン群との割合差 = エドキサバン群の発現率 − ワルファリン群の発現率 c: 正規近似による割合差の 95%CI

12.5.1.4 出血性イベントの予後因子の探索

エドキサバン群を対象として、出血性イベントを目的変数、投与量及び被験者背景因子(年

齢、性別、体重、CHADS2スコア、CLCR、アスピリン併用の有無、ベラパミル併用の有無、ベ

ラパミル・アミオダロン・ジルチアゼムのいずれかの併用の有無、ワルファリンによる予防的

治療の有無)を説明変数としたロジスティック回帰モデルを用いて、ステップワイズ法による

変数選択(組み入れ基準、除外基準とも両側 0.15)を行い、出血性イベントの予後因子を探索

的に検討した結果を表 2.7.6.12-13 に示す。

出血性イベントと関連が強い因子として体重(60 kg 以下、60 kg 超)、及びアスピリン併用

の有無が選択された。

表 2.7.6.12-13 治療期中の出血性イベントを目的変数、エドキサバンの用量及び

被験者背景因子を説明変数としたロジスティック回帰分析

(ステップワイズ法による変数選択): 日本 NVAF P2b STEP 選択された説明変数 P 値 オッズ比 95%CI

1 アスピリン併用 P = 0.008 2.006 (1.196, 3.364) 2 体重(60 kg 以下・60 kg 超) P = 0.031 1.745 (1.051, 2.898) 3 年齢(75 歳以下・75 歳以上) P = 0.097 1.591 (0.919, 2.753) 用量 P = 0.113 1.016 (0.996, 1.037)

体重(60 kg 以下、60 kg 超)別の出血性イベントの発現率を図 2.7.6.12-2 に示す。

いずれの用量群も、60 kg を超えるサブグループよりも 60 kg 以下で高い出血性イベント発

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

196

表 2.7.6.12-14 有害事象発現状況: 日本 NVAF P2b(1/5)

エドキサバン

ワルファリン 30 mg 45 mg 60 mg

評価被験者数 130 134 130 125

発現被験者数(%) 85(65.4) 103(76.9) 103(79.2) 88(70.4) 95%CI a(%) (57.2, 73.6) (69.7, 84.0) (72.3, 86.2) (62.4, 78.4)

発現件数 184 235 234 185

器官別大分類 基本語 被験者数(%)件数

感染症および寄

生虫症 急性副鼻腔炎 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

気管支炎 0 0 1(0.7) 1 2(1.5) 3 0 0

膀胱炎 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

胃腸炎 1(0.8) 1 1(0.7) 1 0 0 0 0

ウイルス性胃腸炎 1(0.8) 1 0 0 1(0.8) 1 0 0

帯状疱疹 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

インフルエンザ 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

鼻咽頭炎 19(14.6) 19 25(18.7) 27 15(11.5) 16 18(14.4) 19

爪真菌症 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

中耳炎 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

咽頭炎 2(1.5) 2 0 0 0 0 1(0.8) 1

鼻炎 0 0 0 0 0 0 2(1.6) 2

副鼻腔炎 2(1.5) 2 1(0.7) 1 0 0 1(0.8) 1

皮膚感染 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

足部白癬 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

ウイルス性気管支炎 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

感染性小腸結腸炎 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

良性、悪性およ

び詳細不明の新

生物(嚢胞およ

びポリープを含

む)

口腔乳頭腫 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

結腸癌 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

脊椎転移 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

甲状腺新生物 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

血液およびリ ンパ系障害

貧血 1(0.8) 1 1(0.7) 1 1(0.8) 1 0 0

リンパ節症 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

血小板減少症 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

免疫系障害 季節性アレルギー 1(0.8) 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

代謝および栄養

障害 脱水 1(0.8) 1 1(0.7) 1 0 0 1(0.8) 1

糖尿病 0 0 1(0.7) 1 1(0.8) 1 1(0.8) 1

耐糖能障害 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

痛風 1(0.8) 1 1(0.7) 1 0 0 1(0.8) 1

高コレステロール血症 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

高トリグリセリド血症 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

高尿酸血症 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

2 型糖尿病 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

精神障害 不眠症 0 0 1(0.7) 1 2(1.5) 2 1(0.8) 1

神経系障害 脳出血 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

脳梗塞 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

浮動性めまい 1(0.8) 1 1(0.7) 1 3(2.3) 3 1(0.8) 1

体位性めまい 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

味覚異常 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

頭部不快感 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0 MedDRA/J V.11.0 a: 正規近似による 95%CI

Page 18: 12. DU-176b 後期第II...2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg 180 12. DU-176b 後期第II相臨床試験(非弁膜性心房細動)-非弁膜性心房細動

2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

197

表 2.7.6.12-14 有害事象発現状況: 日本 NVAF P2b(2/5)

エドキサバン

ワルファリン 30 mg 45 mg 60 mg

評価被験者数 130 134 130 125

器官別大分類 基本語 被験者数(%)件数 神経系障害 (つづき)

頭痛 1(0.8) 1 1(0.7) 1 4(3.1) 4 0 0

感覚鈍麻 1(0.8) 1 1(0.7) 1 1(0.8) 1 0 0

意識消失 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

神経根障害 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

失神 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

血管迷走神経性失神 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

一過性脳虚血発作 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

振戦 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

眼障害 白内障 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

結膜出血 0 0 1(0.7) 1 4(3.1) 5 0 0

結膜炎 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

アレルギー性結膜炎 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

糖尿病性網膜症 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

眼痛 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

眼充血 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

網膜静脈閉塞 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

結膜充血 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

耳および迷路 障害

感音性難聴 0 0 2(1.5) 2 0 0 0 0

耳不快感 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

心臓障害 心房細動 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

心不全 1(0.8) 1 0 0 0 0 2(1.6) 2

うっ血性心不全 0 0 1(0.7) 1 1(0.8) 1 1(0.8) 1

動悸 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

血管障害 高血圧 0 0 1(0.7) 1 1(0.8) 1 1(0.8) 1

レイノー現象 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

深部静脈血栓症 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

ほてり 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

呼吸器、胸郭お

よび縦隔障害 喘息 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

慢性閉塞性肺疾患 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

咳嗽 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

鼻出血 7(5.4) 7 14(10.4) 15 16(12.3) 17 6(4.8) 7

喀血 2(1.5) 2 1(0.7) 1 2(1.5) 2 0 0

しゃっくり 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

間質性肺疾患 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

咽喉頭疼痛 1(0.8) 1 1(0.7) 1 0 0 0 0

アレルギー性鼻炎 1(0.8) 1 0 0 0 0 1(0.8) 1

鼻漏 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

声帯ポリープ 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

上気道の炎症 3(2.3) 3 2(1.5) 2 2(1.5) 2 2(1.6) 2

胃腸障害 腹部膨満 3(2.3) 3 2(1.5) 2 1(0.8) 1 0 0

腹痛 0 0 0 0 2(1.5) 2 0 0

裂肛 0 0 1(0.7) 1 1(0.8) 1 0 0

結腸ポリープ 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

便秘 1(0.8) 1 0 0 1(0.8) 1 1(0.8) 1 MedDRA/J V.11.0

Page 19: 12. DU-176b 後期第II...2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg 180 12. DU-176b 後期第II相臨床試験(非弁膜性心房細動)-非弁膜性心房細動

2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

198

表 2.7.6.12-14 有害事象発現状況: 日本 NVAF P2b(3/5)

エドキサバン

ワルファリン 30 mg 45 mg 60 mg

評価被験者数 130 134 130 125

器官別大分類 基本語 被験者数(%)件数 胃腸障害 (つづき)

齲歯 1(0.8) 1 1(0.7) 1 0 0 0 0

下痢 1(0.8) 1 2(1.5) 2 3(2.3) 3 1(0.8) 1

腸憩室 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

消化不良 0 0 2(1.5) 2 0 0 0 0

腸炎 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

鼓腸 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

胃炎 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

胃腸障害 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

胃腸出血 1(0.8) 1 2(1.5) 2 0 0 0 0

歯肉出血 4(3.1) 6 3(2.2) 3 5(3.8) 5 5(4.0) 5

歯肉炎 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

口腔内出血 2(1.5) 2 0 0 0 0 0 0

悪心 0 0 1(0.7) 1 3(2.3) 3 0 0

歯周病 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

歯周炎 1(0.8) 1 1(0.7) 1 1(0.8) 1 0 0

逆流性食道炎 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

胃不快感 1(0.8) 1 1(0.7) 1 1(0.8) 1 0 0

口内炎 1(0.8) 1 0 0 1(0.8) 1 0 0

歯の障害 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

痔出血 1(0.8) 1 4(3.0) 4 1(0.8) 1 1(0.8) 1

口唇血腫 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

肝胆道系障害 胆石症 0 0 0 0 1(0.8) 1 1(0.8) 1

肝機能異常 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

皮膚および皮下

組織障害 皮膚炎 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

湿疹 0 0 1(0.7) 1 3(2.3) 4 0 0

皮脂欠乏性湿疹 1(0.8) 1 0 0 1(0.8) 1 1(0.8) 1

貨幣状湿疹 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

紅斑 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

皮下出血 7(5.4) 8 6(4.5) 7 8(6.2) 12 6(4.8) 16

嵌入爪 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

類乾癬 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

そう痒症 2(1.5) 2 0 0 3(2.3) 3 0 0

紫斑 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

発疹 2(1.5) 2 2(1.5) 2 0 0 2(1.6) 2

痂皮 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

皮膚剥脱 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

蕁麻疹 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

乾皮症 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

筋骨格系およ び結合組織障 害

関節痛 1(0.8) 1 0 0 0 0 2(1.6) 2

背部痛 0 0 1(0.7) 1 0 0 1(0.8) 1

筋膜炎 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

関節腫脹 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

筋骨格痛 3(2.3) 3 1(0.7) 1 0 0 0 0

筋痛 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0 MedDRA/J V.11.0

Page 20: 12. DU-176b 後期第II...2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg 180 12. DU-176b 後期第II相臨床試験(非弁膜性心房細動)-非弁膜性心房細動

2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

199

表 2.7.6.12-14 有害事象発現状況: 日本 NVAF P2b(4/5)

エドキサバン

ワルファリン 30 mg 45 mg 60 mg

評価被験者数 130 134 130 125

器官別大分類 基本語 被験者数(%)件数 筋骨格系およ び結合組織障 害(つづき)

頚部痛 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

骨関節炎 2(1.5) 2 0 0 1(0.8) 1 0 0

関節周囲炎 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

骨膜炎 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

肩回旋筋腱板症候群 0 0 0 0 1(0.8) 1 1(0.8) 1

脊柱管狭窄症 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

変形性脊椎炎 1(0.8) 1 0 0 1(0.8) 1 0 0

椎間板突出 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

筋骨格硬直 1(0.8) 1 0 0 1(0.8) 1 0 0

腎および尿路 障害

尿路結石 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

排尿困難 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

血尿 1(0.8) 1 1(0.7) 1 1(0.8) 1 0 0

腎結石症 0 0 0 0 2(1.5) 2 0 0

ネフローゼ症候群 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

頻尿 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

糖尿病性腎症 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

腎機能障害 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

生殖系および 乳房障害

良性前立腺肥大症 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

女性化乳房 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

全身障害およ び投与局所様 態

倦怠感 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

浮腫 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

末梢性浮腫 1(0.8) 1 1(0.7) 1 0 0 2(1.6) 2

発熱 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

突然死 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

臨床検査 アラニン・アミノトランス

フェラーゼ増加 5(3.8) 5 6(4.5) 6 4(3.1) 4 1(0.8) 1

アスパラギン酸アミノトラ

ンスフェラーゼ増加 6(4.6) 6 9(6.7) 9 4(3.1) 4 2(1.6) 2

出血時間延長 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

血中ビリルビン増加 1(0.8) 1 2(1.5) 2 4(3.1) 4 2(1.6) 2

血中コレステロール増加 0 0 1(0.7) 1 1(0.8) 1 0 0

血中クレアチンホスホキナ

ーゼ増加 0 0 1(0.7) 1 1(0.8) 1 0 0

血中クレアチニン増加 0 0 1(0.7) 1 0 0 1(0.8) 1

血中ブドウ糖減少 1(0.8) 2 0 0 0 0 0 0

血中乳酸脱水素酵素増加 1(0.8) 1 3(2.2) 3 1(0.8) 1 1(0.8) 1

血中カリウム増加 1(0.8) 1 2(1.5) 2 0 0 0 0

血圧低下 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

血圧上昇 1(0.8) 2 3(2.2) 3 1(0.8) 1 0 0

血中トリグリセリド増加 1(0.8) 1 5(3.7) 5 5(3.8) 5 9(7.2) 10

血中尿素増加 2(1.5) 2 3(2.2) 3 2(1.5) 3 1(0.8) 1

血中尿酸増加 2(1.5) 2 1(0.7) 1 1(0.8) 1 0 0

心電図 QT 延長 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

好酸球数減少 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

好酸球数増加 1(0.8) 1 3(2.2) 3 4(3.1) 4 3(2.4) 3 MedDRA/J V.11.0

Page 21: 12. DU-176b 後期第II...2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg 180 12. DU-176b 後期第II相臨床試験(非弁膜性心房細動)-非弁膜性心房細動

2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

200

表 2.7.6.12-14 有害事象発現状況: 日本 NVAF P2b(5/5)

エドキサバン

ワルファリン 30 mg 45 mg 60 mg

評価被験者数 130 134 130 125

器官別大分類 基本語 被験者数(%)件数 臨床検査 (つづき)

γ-グルタミルトランスフェ

ラーゼ増加 7(5.4) 7 9(6.7) 9 7(5.4) 7 4(3.2) 4

尿中ブドウ糖陽性 5(3.8) 6 9(6.7) 10 6(4.6) 6 7(5.6) 8

ヘマトクリット減少 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

尿中血陽性 17(13.1) 19 24(17.9) 26 30(23.1) 33 18(14.4) 20

ヘモグロビン減少 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

リンパ球数減少 0 0 2(1.5) 2 3(2.3) 3 0 0

好中球数増加 1(0.8) 1 2(1.5) 2 3(2.3) 3 2(1.6) 2

血小板数減少 2(1.5) 2 5(3.7) 5 0 0 0 0

総蛋白増加 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

赤血球数減少 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

尿中赤血球陽性 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

白血球数減少 0 0 2(1.5) 2 0 0 0 0

白血球数増加 1(0.8) 1 0 0 1(0.8) 1 2(1.6) 2

尿沈渣陽性 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

尿比重減少 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

尿中蛋白陽性 3(2.3) 3 6(4.5) 6 3(2.3) 3 8(6.4) 8

血中アルカリホスファター

ゼ増加 1(0.8) 1 5(3.7) 5 0 0 2(1.6) 2

便潜血 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

便潜血陽性 0 0 2(1.5) 2 3(2.3) 3 1(0.8) 1

傷害、中毒およ

び処置合併症 動物咬傷 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

節足動物刺傷 0 0 2(1.5) 2 0 0 0 0

背部損傷 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

医療機器破損 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

眼内異物 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 2

引っかき傷 1(0.8) 1 0 0 1(0.8) 1 0 0

皮下血腫 0 0 0 0 1(0.8) 2 1(0.8) 1

口腔内損傷 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

擦過傷 1(0.8) 1 0 0 3(2.3) 3 1(0.8) 1

挫傷 1(0.8) 1 1(0.7) 1 0 0 3(2.4) 3

創傷 0 0 2(1.5) 2 1(0.8) 1 3(2.4) 3

挫滅 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

歯牙破折 1(0.8) 1 0 0 0 0 1(0.8) 1 MedDRA/J V.11.0

12.5.2.1.2 重症度別の有害事象発現率

重度の有害事象発現率は、エドキサバン 60 mg 群 0.8%(1/130)、ワルファリン群 1.6%(2/125)

であり、30 mg 群と 45 mg 群では重度の有害事象は認められなかった。重度の有害事象の内訳

は、60 mg 群の 1 名は脳出血、ワルファリン群の 2 名はうっ血性心不全及び突然死であった。

いずれも重篤な有害事象として報告された(「12.5.3 死亡」及び「12.5.4 重篤な有害事象」参照)。

中等度の有害事象発現率は、エドキサバン 30 mg 群 6.9%(9/130)、45 mg 群 6.0%(8/134)、

60 mg 群 3.8%(5/130)、ワルファリン群 8.0%(10/125)であり、エドキサバンの用量増加に伴

Page 22: 12. DU-176b 後期第II...2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg 180 12. DU-176b 後期第II相臨床試験(非弁膜性心房細動)-非弁膜性心房細動

2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

201

う発現率の上昇は認められなかった。個々の中等度の有害事象の各群での発現被験者数はいず

れも 2 名以下であった。

軽度の有害事象発現率は、30 mg 群 64.6%(84/130)、45 mg 群 76.9%(103/134)、60 mg 群

77.7%(101/130)、ワルファリン群 68.0%(85/125)であった。

12.5.2.2 副作用発現状況

12.5.2.2.1 副作用発現率

副作用の発現状況を表 2.7.6.12-15 に示す。

副作用発現率は、エドキサバン 30 mg 群で 36.2%(47/130)、45 mg 群で 53.7%(72/134)、60 mg

群で 53.1%(69/130)、ワルファリン群で 40.8%(51/125)であった。

いずれかのエドキサバン群で 5%以上発現した副作用とその発現率(エドキサバン 30 mg 群、

45 mg 群、60 mg 群、ワルファリン群の順)は、尿中血陽性(11.5%、17.9%、23.1%、14.4%)、

鼻出血(5.4%、7.5%、10.0%、4.8%)、皮下出血(5.4%、4.5%、5.4%、4.8%)、アスパラギン

酸アミノトランスフェラーゼ増加(2.3%、6.0%、3.1%、0.8%)であった。

表 2.7.6.12-15 副作用発現状況: 日本 NVAF P2b(1/3)

エドキサバン

ワルファリン 30 mg 45 mg 60 mg

評価被験者数 130 134 130 125

発現被験者数(%) 47(36.2) 72(53.7) 69(53.1) 51(40.8) 95%CI a(%) (27.9, 44.4) (45.3, 62.2) (44.5, 61.7) (32.2, 49.4)

発現件数 75 126 122 82

器官別大分類 基本語 被験者数(%)件数

血液およびリンパ

系障害 貧血 0 0 1(0.7) 1 1(0.8) 1 0 0

リンパ節症 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

血小板減少症 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

免疫系障害 季節性アレルギー 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

代謝および栄養障

害 糖尿病 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

神経系障害 脳出血 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

脳梗塞 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

浮動性めまい 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

体位性めまい 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

頭痛 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

感覚鈍麻 1(0.8) 1 1(0.7) 1 0 0 0 0

一過性脳虚血発作 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

振戦 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

眼障害 結膜出血 0 0 1(0.7) 1 4(3.1) 5 0 0

糖尿病性網膜症 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

眼充血 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

網膜静脈閉塞 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

耳および迷路障害 感音性難聴 0 0 2(1.5) 2 0 0 0 0 MedDRA/J V.11.0 a: 正規近似による 95%CI

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

202

表 2.7.6.12-15 副作用発現状況: 日本 NVAF P2b(2/3)

エドキサバン

ワルファリン 30 mg 45 mg 60 mg

評価被験者数 130 134 130 125

器官別大分類 基本語 被験者数(%)件数 心臓障害 心不全 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

うっ血性心不全 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

動悸 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

血管障害 高血圧 0 0 1(0.7) 1 0 0 1(0.8) 1

レイノー現象 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

呼吸器、胸郭およ

び縦隔障害 鼻出血 7(5.4) 7 10(7.5) 10 13(10.0) 14 6(4.8) 6

喀血 2(1.5) 2 1(0.7) 1 1(0.8) 1 0 0

胃腸障害 腹部膨満 1(0.8) 1 0 0 1(0.8) 1 0 0

便秘 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

下痢 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

胃炎 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

胃腸障害 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

胃腸出血 1(0.8) 1 2(1.5) 2 0 0 0 0

歯肉出血 3(2.3) 5 3(2.2) 3 5(3.8) 5 4(3.2) 4

口腔内出血 2(1.5) 2 0 0 0 0 0 0

悪心 0 0 1(0.7) 1 2(1.5) 2 0 0

胃不快感 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

痔出血 0 0 4(3.0) 4 0 0 1(0.8) 1

口唇血腫 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

皮膚および皮下組

織障害 皮膚炎 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

湿疹 0 0 1(0.7) 1 1(0.8) 1 0 0

貨幣状湿疹 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

皮下出血 7(5.4) 8 6(4.5) 7 7(5.4) 11 6(4.8) 16

そう痒症 1(0.8) 1 0 0 2(1.5) 2 0 0

紫斑 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

発疹 2(1.5) 2 1(0.7) 1 0 0 0 0

筋骨格系および結

合組織障害 頚部痛 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

腎および尿路障害 血尿 1(0.8) 1 1(0.7) 1 1(0.8) 1 0 0

ネフローゼ症候群 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

腎機能障害 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

全身障害および投

与局所様態 倦怠感 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

末梢性浮腫 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

突然死 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

臨床検査 アラニン・アミノトランス

フェラーゼ増加 2(1.5) 2 5(3.7) 5 4(3.1) 4 0 0

アスパラギン酸アミノト

ランスフェラーゼ増加 3(2.3) 3 8(6.0) 8 4(3.1) 4 1(0.8) 1

出血時間延長 0 0 1(0.7) 1 0 0 0 0

血中ビリルビン増加 1(0.8) 1 1(0.7) 1 1(0.8) 1 2(1.6) 2

血中コレステロール増加 0 0 1(0.7) 1 1(0.8) 1 0 0

血中乳酸脱水素酵素増加 1(0.8) 1 3(2.2) 3 1(0.8) 1 1(0.8) 1

血中カリウム増加 0 0 2(1.5) 2 0 0 0 0

血圧上昇 0 0 1(0.7) 1 1(0.8) 1 0 0

血中トリグリセリド増加 0 0 3(2.2) 3 1(0.8) 1 1(0.8) 1 MedDRA/J V.11.0

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

203

表 2.7.6.12-15 副作用発現状況: 日本 NVAF P2b(3/3) エドキサバン

ワルファリン 30 mg 45 mg 60 mg

評価被験者数 130 134 130 125

器官別大分類 基本語 被験者数(%)件数

臨床検査(つづき) 血中尿素増加 1(0.8) 1 1(0.7) 1 2(1.5) 3 0 0

血中尿酸増加 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

心電図 QT 延長 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

好酸球数減少 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

好酸球数増加 0 0 1(0.7) 1 0 0 2(1.6) 2

γ-グルタミルトランスフ

ェラーゼ増加 3(2.3) 3 6(4.5) 6 5(3.8) 5 2(1.6) 2

尿中ブドウ糖陽性 3(2.3) 3 5(3.7) 5 1(0.8) 1 3(2.4) 3

ヘマトクリット減少 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

尿中血陽性 15(11.5) 17 24(17.9) 26 30(23.1) 33 18(14.4) 20

ヘモグロビン減少 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

リンパ球数減少 0 0 1(0.7) 1 2(1.5) 2 0 0

好中球数増加 0 0 1(0.7) 1 3(2.3) 3 1(0.8) 1

血小板数減少 1(0.8) 1 3(2.2) 3 0 0 0 0

総蛋白増加 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

赤血球数減少 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

尿中赤血球陽性 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

白血球数減少 0 0 2(1.5) 2 0 0 0 0

白血球数増加 0 0 0 0 1(0.8) 1 1(0.8) 1

尿沈渣陽性 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

尿比重減少 1(0.8) 1 0 0 0 0 0 0

尿中蛋白陽性 1(0.8) 1 4(3.0) 4 2(1.5) 2 4(3.2) 4

血中アルカリホスファタ

ーゼ増加 1(0.8) 1 3(2.2) 3 0 0 1(0.8) 1

便潜血 0 0 0 0 1(0.8) 1 0 0

便潜血陽性 0 0 2(1.5) 2 3(2.3) 3 1(0.8) 1

傷害、中毒および

処置合併症 皮下血腫 0 0 0 0 0 0 1(0.8) 1

MedDRA/J V.11.0

12.5.2.2.2 重症度別副作用発現率

重度の副作用発現率は、60 mg 群 0.8%(1/130)、ワルファリン群 0.8%(1/125)であり、30 mg

群と 45 mg 群では重度の副作用は認められなかった。60 mg 群の 1 名に発現した重度の副作用

は脳出血であり、ワルファリン群の 1 名は突然死であった。

中等度の副作用発現率は、30 mg群1.5%(2/130)、45 mg群3.7%(5/134)、60 mg群1.5%(2/130)、

ワルファリン群 2.4%(3/125)であり、エドキサバンの用量増加に伴う発現率の上昇は認めら

れなかった。

軽度の副作用発現率は、30 mg 群 34.6%(45/130)、45 mg 群 53.0%(71/134)、60 mg 群 51.5%

(67/130)、ワルファリン群 39.2%(49/125)であった。エドキサバン群に認められた軽度の副

作用のうち、尿中血陽性と鼻出血については、用量増加に伴って発現率が上昇する傾向が認め

られた。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

204

12.5.3 死亡 治験期間中に死亡した被験者の一覧を表 2.7.6.12-16 に示す。

60 mg 群の 1 名とワルファリン群の 1 名が死亡した。

60 mg 群の 1 名(被験者番号 )は、高血圧と糖尿病を合併していた。投与 64 日目に被

験者が自宅トイレで嘔吐して倒れているところを家族が発見し、救急搬送され、左基底核から

脳室まで拡がる大きな脳内出血が確認された。被験者は危篤状態にあって予後不良が予測され、

家族は延命処置を希望せず、発症翌日に死亡した。担当医師は、治験薬との因果関係は否定で

きないものの、合併症である高血圧や糖尿病などの関与がより重要であると考え、脳出血と治

験薬との因果関係を「関連あるかもしれない」と判定した。

ワルファリン群の 1 名(被験者番号 )は、高血圧を合併しており、脳梗塞の既往があ

った。投与 11 日目の検査で、発熱、C-反応性蛋白上昇、白血球数増加といった炎症所見が認

められた。投与 22 日目に自宅で死亡しているのが発見され、警察による検視の結果、死因は

高血圧に伴う脳卒中の可能性が疑われたが、時間が経過しているものと考えられ、原因及び詳

細は不明であった。死亡前の炎症所見との関連性、及び心臓死や原疾患に伴う脳梗塞再発の可

能性は否定できないものの、担当医師は突然死と治験薬との因果関係を「関連あるかもしれな

い」と判定した。

表 2.7.6.12-16 死亡一覧: 日本 NVAF P2b

薬剤群・用量 被験者番号 性別 年齢

有害事象名 (MedDRA 基本語) 重症度 因果関係

60 mg 男性 69 脳出血 重度 関連あるかもしれない

ワルファリン 男性 68 突然死 重度 関連あるかもしれない

MedDRA/J V.11.0

12.5.4 重篤な有害事象 治療期間中に発現した死亡以外の重篤な有害事象の一覧を表 2.7.6.12-17 に示す。

死亡以外の重篤な有害事象は、エドキサバン 30 mg 群で 4 名 4 件、45 mg 群で 2 名 2 件、60 mg

群で 1 名 1 件、ワルファリン群で 6 名 6 件に認められた。

死亡以外の重篤な有害事象の転帰は、ワルファリン群の脊椎転移 1 件が「未回復」であった

が、他の事象では「回復」又は「軽快」が確認された。

012*

013*

012*

013*

*: 新薬承認情報提供時に置き換え

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

205

表 2.7.6.12-17 死亡以外の重篤な有害事象一覧: 日本 NVAF P2b

薬剤群・用量 被験者番号 性別 年齢

有害事象名 (MedDRA 基本語)

重症度 転帰 因果関係

30 mg 女性 66

歯牙破折 軽度 回復 関連なし

男性 85

間質性肺疾患 中等度 軽快 関連なし

男性 65

心房細動 中等度 回復 関連なし

男性 65

一過性脳虚血発作 中等度 回復 多分関連あり

45 mg 男性 64

結腸癌 中等度 回復 関連なし

女性 74

脳梗塞 中等度 回復 関連あるかもしれない

60 mg 女性 76

血尿 中等度 回復 多分関連あり

ワルファリン 女性 65

うっ血性心不全 重度 回復 関連なし

男性 80

脊椎転移 中等度 未回復 関連なし

男性 71

心不全 中等度 回復 関連なし

男性 68

ネフローゼ症候群 中等度 回復 関連あるかもしれない

男性 65

良性前立腺肥大症 中等度 軽快 関連なし

女性 64

上気道の炎症 中等度 回復 関連なし

MedDRA/J V.11.0

12.5.5 重要な有害事象 治療期の中止の原因となった有害事象の一覧を表 2.7.6.12-18 に示す。

中止の原因となった有害事象は、エドキサバン 30 mg 群で 4 名 5 件、45 mg 群で 8 名 12 件、

60 mg 群で 4 名 4 件、ワルファリン群で 2 名 2 件認められた。

投与中止の原因となった有害事象のうち、胃腸出血、アスパラギン酸アミノトランスフェラ

ーゼ増加、及び γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加がそれぞれ 2 件認められ、その他の事象

はいずれも 1 件であった。うち、30 mg 群の変形性脊椎炎、45 mg 群の骨膜炎、60 mg 群の頭

痛及び眼痛、ワルファリン群の歯の障害及び意識消失は、治験薬との因果関係を否定された。

45 mg 群の軽度の腎機能障害が未回復であったが、その他の有害事象は軽快又は回復が認め

られた。

014*

015*

016*

017*

018*

019*

020*

021*

022*

023*

024*

025*

026*

*: 新薬承認情報提供時に置き換え

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

206

表 2.7.6.12-18 中止の原因となった有害事象一覧: 日本 NVAF P2b

薬剤群・用量 被験者番号 性別 年齢

有害事象名 (MedDRA 基本語)

重症度 転帰

因果関係 30 mg 女性

82 皮膚炎

中等度 軽快

関連あるかもしれない 貨幣状湿疹

中等度 軽快

関連あるかもしれない 男性

85 変形性脊椎炎 中等度 軽快

関連なし 男性

60 糖尿病性網膜症 軽度 回復

関連あるかもしれない 女性

77 胃腸出血 軽度 回復

関連あるかもしれない 45 mg 男性

77 腎機能障害 軽度 未回復

多分関連あり 男性

81 痔出血 軽度 回復

明らかに関連あり 女性

64 鼻出血 中等度 回復

明らかに関連あり 男性

80 振戦 軽度 回復

関連あるかもしれない 男性

78 アスパラギン酸アミノトラン

スフェラーゼ増加 軽度 回復

多分関連あり γ-グルタミルトランスフェラ

ーゼ増加 軽度 回復

多分関連あり 血中乳酸脱水素酵素増加 軽度 回復

多分関連あり 女性

86 胃腸出血 軽度 軽快

関連あるかもしれない 男性

65 γ-グルタミルトランスフェラ

ーゼ増加 中等度 回復

多分関連あり アラニン・アミノトランスフ

ェラーゼ増加 中等度 回復

多分関連あり アスパラギン酸アミノトラン

スフェラーゼ増加 中等度 回復

多分関連あり 男性

77 骨膜炎 中等度 回復

関連なし 60 mg 男性

56 歯肉出血 軽度 回復

多分関連あり 男性

78 胃腸障害 中等度 回復

多分関連あり 女性

67 頭痛 中等度 回復

関連なし 男性

75 眼痛 軽度 回復

関連なし ワルファリン 男性

63 歯の障害 軽度 回復

関連なし 男性

88 意識消失 軽度 回復

関連なし MedDRA/J V.11.0

027*

028*

029*

030*

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*: 新薬承認情報提供時に置き換え

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

207

12.5.6 臨床検査値の評価 血液学的検査、生化学的検査、及び尿比重の平均値には、経時的に大きな変動は認められず、

エドキサバンの用量増加に伴う変化も認められなかった。また、エドキサバン群とワルファリ

ン群で経時推移に差は認められなかった。

尿検査のうち、潜血は 45 mg 群と 60 mg 群で、治療期 2 週目に異常値発現頻度の増加が認め

られ、事前検査と比較して++又は+++を示す被験者数が増加していた。4 週目以降は潜血の異

常値発現頻度に著しい増加は認められなかった。尿沈渣(赤血球)は、各エドキサバン群とワ

ルファリン群のいずれにおいても、治療期 2 週目に異常値発現頻度の増加が認められ、60 mg

群では 4 週目以降も、他の群よりもやや異常値発現頻度が高かった。

12.5.7 肝機能検査値 治療期開始から後観察終了までに、肝機能検査値(AST[GOT]、ALT[GPT]、総ビリルビ

ン)が、投与開始後に基準値上限の 2倍以上又は 3倍以上となった頻度を表 2.7.6.12-19に示す。

AST(GOT)又は ALT(GPT)が基準値上限の 2 倍以上を示した被験者数に、群間の差は認

められなかった。AST(GOT)が基準値上限の 3 倍以上を示した被験者は 60 mg 群に 2 名、

ALT(GPT)が基準値上限の 3 倍以上を示した被験者は 60 mg 群に 2 名及びワルファリン群に

1 名であった。総ビリルビンが基準値上限の 2 倍以上を示した被験者は、30 mg 群と 60 mg 群

に各 1 名、45 mg 群に 2 名であり、ワルファリン群には認められなかった。AST(GOT)又は

ALT(GPT)が基準値上限の 3 倍以上を示し、かつ総ビリルビンが基準値上限の 2 倍以上とな

った被験者は、60 mg 群の 1 名のみであった。AST(GOT)又は ALT(GPT)が基準値上限の

3 倍以上を示した被験者は、特に処置を受けることなく、投与終了後に異常変動発現前の値と

同程度に復した。

表 2.7.6.12-19 肝機能検査値異常の発現頻度: 日本 NVAF P2b

項目 エドキサバン

ワルファリン n = 125 30 mg

n = 130 45 mg

n = 134 60 mg

n = 130

AST(GOT)が施設基準値 2 倍以上 1(0.8) 3(2.2) 2(1.5) 2(1.6)

ALT(GPT)が施設基準値 2 倍以上 2(1.5) 3(2.2) 4(3.1) 3(2.4)

AST(GOT)が施設基準値 3 倍以上 0 0 2(1.5) 0

ALT(GPT)が施設基準値 3 倍以上 0 0 2(1.5) 1(0.8)

総ビリルビンが施設基準値 2 倍以上 1(0.8) 2(1.5) 1(0.8) 0

AST(GOT)又は ALT(GPT)が施設基準

値 3 倍以上かつ総ビリルビンが施設基準

値 2 倍以上

0 0 1(0.8) 0

治療期及び後観察期を対象期間として集計した。 被験者数(%)

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

208

12.6 結論 NVAF 患者において、エドキサバン 30 mg 1 日 1 回投与は、ワルファリンと比較して安全性

上大きな問題はないものと考えられる。それ以上の用量はワルファリンよりも出血性イベント

発現リスクが上昇する可能性があることから、日本以外の地域で実施した試験の成績も含めて

総合的に、用量の調整を考慮すべき因子を検討する必要がある。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

209

13. A phase 2, randomized, parallel group, multi-center, multi-national study for the evaluation of safety of four fixed dose regimens of DU-176b in subjects with non-valvular atrial fibrillation

··························································· 資料番号 5.3.5.1-3

13.1 治験方法 表 2.7.6.13-1 に試験方法の概略を示す。

表 2.7.6.13-1 試験方法の概略: 欧米 NVAF P2b(1/3) 治験の目的 主要目的:

NVAF 患者を対象とし、ワルファリンを陽性対照として、エドキサバンの 4 つの固

定用量(30 mg 1 日 1 回、30 mg 1 日 2 回、60 mg 1 日 1 回、60 mg 1 日 2 回)投与時

の安全性を評価する。安全性評価として、特に出血性イベントと肝酵素/ビリルビ

ンの異常値を評価する。 副次目的:

• 重大な心血管系イベント(MACE)(虚血性又は出血性脳卒中、全身性塞栓症、

心筋梗塞、心血管死、すべての心疾患による入院)の発現の評価 • 血栓形成のバイオマーカー(D-dimer、F1+2)への影響の評価 • 既知代謝物を含むエドキサバンの薬物動態の評価 • 薬力学的指標(抗 FXa 活性、内因性 FXa 活性、PT、INR、プロトロンビナーゼ

誘発凝固時間、トロンビン生成パラメータ)の評価 治験責任医師名 実施医療機関

、他 106 名 、他 106 施設

試験実施期間 2007 年 7 月 日(最初の被験者の最初の割付日)~2008 年 6 月 日(最後の被験者

の最終観察日) 選択基準・除外基

準 1. 選択基準

1) 18 歳以上 85 歳以下の男女 2) 文書による同意を得ることができる者 3) スクリーニング時及びベースライン時に心電図異常(心電図上で不定期の不

規則調律及び P 波の欠損を伴う不整脈として記録された AF)が認められる

持続性の NVAF 4) CHADS2 スコアが 2 点以上(脳卒中のリスクが中等度以上であることを示す) 5) 女性の場合は、閉経後 2 年以上経過しているか、及び/又は以前に両側卵巣

摘出を含む子宮全摘が施行されていること 2. 除外基準

1) 僧帽弁疾患を有する又は心臓弁手術の既往がある者 2) 機械弁又は生体弁を使用している者 3) 抗凝固薬(ワルファリンのような VKA を含む)が禁忌である者 4) 遺伝性又は後天性の出血性疾患又は血液凝固障害を有するか、又はその疑い

がある者 5) 出血リスクの高い病態を有する者、すなわち、頭蓋内出血、眼内出血、脊髄

出血、後腹膜出血、又は関節内出血の既往、過去 1 年以内の明らかな消化管

出血又は活動性潰瘍、最近受傷した外傷、コントロール不良の高血圧(血圧

が 180/100 mmHg を超える)、出血性疾患、著明な血小板減少を有する者 6) クロピドグレル又はチクロピジンによる治療を継続する必要がある者 7) 他の可逆的な疾患(甲状腺中毒症など)に起因した AF

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

210

表 2.7.6.13-1 試験方法の概略: 欧米 NVAF P2b(2/3) 選択基準・除外基

準(つづき) 8) 過去 30 日以内に、急性冠動脈症候群もしくは経皮的冠動脈インターベンショ

ン(ステントの有無は問わない)、心筋梗塞、脳卒中、冠動脈もしくは他の心

臓手術、又はその他の大手術を受けたか、チエノピリジンを用いた長期の抗

血小板療法を要すると予想される者 9) 活動性感染性心内膜炎を有する者 10) 左室瘤又は心房粘液腫を診断された者 11) 臨床的に問題となる合併症のために本試験の規定を完了できないと治験責任

医師が判断した者 12) 疾病のため推定余命が 12 ヵ月未満である者 13) 試験期間中に侵襲的処置又は手術を計画している者 14) HBs 抗原陽性又は HCV 抗体陽性の既往のある者 15) 以下のいずれかに該当する肝機能障害を有する者

i) AST(GOT)が ULN の 1.5 倍以上 ii) ALT(GPT)が ULN の 1.5 倍以上 iii) 総ビリルビンが ULN を超える iv) ALP が ULN の 1.5 倍以上

16) 腎臓機能障害(CLCR が 30 mL/min 未満)を有する者 17) ヘモグロビンが 10 gm%未満、又は血小板数が 100000/μL 未満の者 18) 白血球数が 3000/μL 未満の者 19) 登録前 3 ヵ月以内に何らかの治験薬もしくは治験用医療機器を使用した者、

又は試験期間中にそのような試験治療を受ける予定がある者 20) 過去にエドキサバンの試験に参加した者 21) 治験実施計画書の規定を遵守できない可能性がある者(例えば、非協力的な

態度、事後検査のために来院することが不可能な場合、及び/又は試験を完

了できる可能性が低い場合) 22) 妊娠可能な女性(卵管結紮の既往がある女性を含む) 23) 心臓ペースメーカー又は植込み型除細動器を使用している者 24) アルコール及び/又は薬物依存の既往がある者 25) HIV 感染の既往がある者

治験デザイン エドキサバン 30 mg × 1/日、30 mg × 2/日、60 mg × 1/日、60 mg × 2/日の 4 用量に

ついて二重盲検とし、ワルファリンをオープンラベルの対照群とした 5 群による多施

設国際共同無作為化用量比較試験 被験者数

エドキサバン 1 日用量 ワルファ

リン 30 mg × 1 30 mg × 2 60 mg × 1 60 mg × 2

無作為化した被験者 235 245 235 180 a 251

完了被験者 200 207 204 52 226

中止被験者 35 37 30 128 24

安全性解析対象 235 244 234 180 250 PPS 235 243 234 180 250 薬力学解析対象 230 236 228 170 244

a: 独立データモニタリング委員会の勧告に従い、エドキサバン 60 mg × 2/日群への割付は、180名が無作為化された時点で中止した。また、既にエドキサバン 60 mg × 2/日群に割り付けられ

ていた被験者も治験を中止した。 治験薬 エドキサバン錠 30 mg(ロット番号 S04045-1、S04045-2、S06049-1、S06049-2)

エドキサバンプラセボ錠(ロット番号 S04045-3、S04045-4、S06049-3、S06049-4) ワルファリン錠 1 mg(ロット番号 66807、519014) ワルファリン錠 2.5 mg(ロット番号 76979、10346360、10354288) ワルファリン錠 5 mg(ロット番号 77082、517728)

用法・用量 投与期間

エドキサバン 30 mg × 1/日、30 mg × 2/日、60 mg × 1/日、60 mg × 2/日群 プラセボを含め 1 日 2 回 3 ヵ月間経口投与

ワルファリン群 ワルファリン 5 mg/日以下から開始し、INR が 2.0 以上 3.0 以下の範囲を維持するよ

うに、1 日 1 回 3 ヵ月間経口投与

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

211

表 2.7.6.13-1 試験方法の概略: 欧米 NVAF P2b(3/3) 評価項目 1. 主要評価項目

大出血発現率、臨床的に重要な出血発現率、大出血又は臨床的に重要な出血の発現

率、基準値上限の 3 倍以上の AST(GOT)又は ALT(GPT)異常値の発現率、基

準値上限の 2 倍以上の総ビリルビン異常値の発現率、基準値上限の 3 倍以上の AST(GOT)又は ALT(GPT)かつ基準値上限の 2 倍以上の総ビリルビン異常値の発

現率 2. 副次評価項目

安全性 有害事象、出血性イベント、臨床検査値、バイタルサイン、心電図

有効性 MACE 発現率

その他 バイオマーカー、薬力学的指標、母集団薬物動態解析

評価スケジュール 表 2.7.6.13-2 参照 統計解析手法 1. 出血性イベント

各群での出血性イベント発現率の対比較には Fisher の直接確率計算法を用いた。探

索的解析として、出血性イベント発現率の用量反応関係を、年齢、性別、人種、実

施地域、アルコール摂取の有無、喫煙の有無、アスピリン併用の有無及び 1 日用量、

ワルファリンによる前治療の有無、ベースラインの PT 及び APTT を説明変数とし

たロジスティック回帰分析によって検討した。 2. 肝機能検査値異常

出血性イベントと同様の解析を行った。 3. 母集団薬物動態解析

欧米NVAF P2b試験、NVAF患者を対象としたP2a試験(日本NVAF P2a低用量、日本

NVAF P2a)及び臨床薬理試験 12 試験 1で得られた血漿中エドキサバン濃度を用い

て、母集団薬物動態モデルを構築した。 非線形混合効果モデルを用いて、薬物動態パラメータ(クリアランス、分布容積な

ど)の母集団平均値及び個体間変動を求めるとともに、実測値と予測値の残差変動

を算出した。薬物動態パラメータに影響を及ぼす共変量として、被験者背景などに

ついて検討した。また、経験ベイズ推定値から、エドキサバンの定常状態での曝露

量(AUC0-24h,ss、Cmax,ss、Cmin,ss)を算出した。

13.1.1 被験者数の設定根拠 主要目的は安全性の評価である。特に以下の項目について検討する。

• 肝酵素値及び総ビリルビン値の異常

• 大出血及び/又はその他の臨床的に重要な出血

被験者数は、肝酵素/ビリルビンの異常値発現率、及び大出血又は臨床的に重要な出血の発

現率の推定精度に基づいて決定した。肝酵素/ビリルビンの異常値、又は上記出血性イベント

の実際の発現率が 3%である場合、各群の被験者数を 200 名とすれば 2.36%の精度(95%CI は

0.64%~5.36%)で推定ができる。

13.1.2 用法・用量の設定根拠 過去のエドキサバンの臨床薬理試験成績から、エドキサバンの用法は 1 日 1 回又は 1 日 2

回投与が支持されている。これまで実施した健康成人を対象とした第 I 相試験、及び人工股関

1: 英国 P1、日本 P1 単回、英国高齢者・閉経後女性 PK、オーストリア shed blood、英国食事 PK、ドイツ Ex vivo

トロンビン生成、欧州腎機能障害 PK、米国ケトコナゾール DDI、米国キニジン DDI、米国ベラパミル DDI、米国アミオダロン DDI、及び英国エリスロマイシン DDI。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

212

節全置換術施行患者を対象とした第 II 相試験は、本試験で設定した 30 mg 又は 60 mg の 1 日 1

回もしくは 1 日 2 回投与で実施されているものの、投与期間は最長で 14 日間であった。日本

人の NVAF 患者では、5~120 mg/日の用量で 12 週間まで投与されている。本試験は、西洋

人(非日本人)の NVAF 患者に、エドキサバンを複数用量で 12 週間まで投与した際の安全性

を評価することを目的としてデザインした。なお、エドキサバン 60 mg × 2/日群への割付は、

180 名が無作為化された時点での独立データモニタリング委員会の勧告に従い中止した。また、

既に 60 mg × 2/日群に割り付けられていた被験者も治験を中止した。

ワルファリンの用量は、標準的な使用法に基づいて、INR が 2.0~3.0 の範囲に維持されるよ

うに調整することとした。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

213

表 2.7.6.13-2 評価スケジュール: 欧米 NVAF P2b

スクリー

ニング

ベース ライン

無作為化 治療期間 投与終

了時 a 事後検査

Day 30 日 以内

1 b 7 14 21 c 28 d 42 56 70 84 最終投与

30 日後

同意取得 ●

選択/除外基準 ● ●

被験者背景 ●

飲酒・喫煙の確認 ●

身体所見 ●e ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● バイタルサイン f ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 12 誘導心電図 ● ● ● ● 臨床検査 ●g ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 妊娠検査 h ● ● ●

有害事象 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 前治療薬及び併用薬 i ●j ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 実施医療機関での治験薬

投与 k ●l ●m

治験薬処方 n ● ● ●

治験薬投与状況の確認 o ● ● ● ● ● ● ● ●

D-dimer・F1+2 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

PT・INR p (ワルファリン投与群)

● ● ● ● ● ● ● ● ●

PT・INR(全被験者) ● ●

PK 用試料採取 (エドキサバン群)

●q

PD 用試料採取 r

(エドキサバン群) ●s ●s

食事時刻の記録 ● ●

PGx に関する同意取得 ●

PGx 試料採取 ●

a: 早期中止時にも同様の評価を実施 b: Day 1 は治験薬の初回投与日 c: エドキサバン群の被験者に対して、Day 28 来院前日の夕方の服薬日時、及び当日の朝食摂取日時を記録し、服薬せずに

来院するよう指導した。 d: 前日夕方の服薬時刻を記録 e: 身長と体重は、スクリーニング時のみ記録 f: 座位血圧、心拍数、呼吸数、及び体温を含む g: HBs 抗原及び HCV 抗体の検査も実施 h: 治験責任医師の判断で実施 i: 前治療薬はスクリーニング時のみ記録し、併用薬はそれ以降の各来院時に記録 j: スクリーニングの前 30 日以内に服薬した前治療薬 k: 来院日朝の服薬時刻を正確に記録 l: Day 1 の治験薬投与は、すべての被験者に対して実施医療機関内で実施 m: Day 28 の治験薬投与は、エドキサバン群の被験者のみに対して実施医療機関内で実施 n: 投与期間は 84 日間とした。被験者に、治験薬、薬剤日誌、及び服薬方法と服薬日誌の使用法の説明書を提供した。被験

者には、各来院時にすべての治験薬を持参するように指導した。最終投与時又は早期中止時に、最後の服薬日誌を回収

した。 o: 未使用の錠剤をすべて数えた。治験薬処方を行う来院時には、以前処方したものから未使用の錠剤を回収して数えた。 p: ワルファリン群の被験者に対して、薬力学指標としてではなく、投与量を調整する目的で、PT 及び INR を測定した。 q: Day 28 の朝投与前及び投与後 1~3 時間に、PK 用血液試料を採取 r: エドキサバン群の被験者について、薬力学指標として、PT、INR、抗 FXa 活性、内因性 FXa 活性、プロトロンビナーゼ

誘発凝固時間、及びトロンビン生成パラメータを測定した。 s: Day 1 の投与前並びに Day 28 の朝の投与前及び投与後 1~3 時間の間に、PD 用血液試料を採取

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

214

13.2 被験者背景 被験者背景を表 2.7.6.13-3 に示す。

被験者背景に投与群間の不均衡は認められなかった。被験者の多くは白人であり(97.2~

98.0%)、実施地域は東欧が多かった(90.6~93.3%)。男性が多く(59.6~65.2%)、平均年齢は

64.7~66.0 歳、平均体重は 87.78~88.95 kg であった。ワルファリンによる予防的治療を受けて

いなかった被験者が半数以上(57.4~67.7%)であり、アスピリンによる治療を受けていた被

験者は約半数(49.6~52.8%)であった。36~37%の被験者は CHADS2 スコアが 3 点以上であ

った。危険因子である合併症を有する被験者は、糖尿病が約 20%、高血圧が約 95%、虚血性

心疾患が約 65%、心不全が約 90%であり、脳卒中又は一過性脳虚血発作の既往がある被験者

は約 20%であった。

表 2.7.6.13-3 被験者背景: 欧米 NVAF P2b

項目(単位) エドキサバン

ワルファリン n = 250 30 mg × 1

n = 235 30 mg × 2

n = 244 60 mg × 1

n = 234 60 mg × 2

n = 180

年齢(歳) 算術平均値

(SD) 65.2

(8.34) 64.8

(8.83) 64.9

(8.81) 64.7

(8.96) 66.0

(8.49)

性別 男性 140 150 155 114 151

女性 95 94 79 66 99

体重(kg)

算術平均値

(SD) 88.95

(17.587) 87.75

(17.997) 87.84

(17.876) 88.62

(18.229) 88.06

(18.578) <50 kg 0 2 0 1 1 ≥50 kg, <60 kg 6 4 10 3 7 ≥60 kg 229 238 224 176 242

BMI 算術平均値

(SD) 30.49

(4.990) 30.37

(5.571) 30.10

(6.118) 30.34

(5.367) 30.44

(5.619)

CHADS2スコア

2 148 156 147 113 160 3 49 50 57 44 61 4 30 21 21 19 22 5 8 16 8 4 7 6 0 1 1 0 0

ワルファリン 未治療

はい 159 140 155 120 162

いいえ 76 104 79 60 88

登録時のアスピ

リン投与の有無 有 123 121 122 93 132 a

無 112 123 112 87 117 a

CLCR

<30 mL/min 2 0 1 0 1 ≥30 mL/min, <50 mL/min 16 21 14 11 22

≥50 mL/min, <80 mL/min 83 97 93 65 101

≥80 mL/min 134 126 126 104 126 a: n = 249

13.3 有効性: MACE 治療期間中の MACE の発現率を表 2.7.6.13-4 に示す。

MACE の発現被験者数は少なく、投与群間の明確な相違は認められなかった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

215

表 2.7.6.13-4 治療期間中の MACE 発現率: 欧米 NVAF P2b

投与群 エドキサバン ワルファ

リン 30 mg × 1 30 mg × 2 60 mg × 1 60 mg × 2 項目 評価被験者数 235 244 234 180 250

MACE 発現被験者数(%) 4(1.7) 6(2.5) 10(4.3) 2(1.1) 6(2.4) 95%CI a(%) 0.5, 4.3 0.9, 5.3 2.1, 7.7 0.1, 4.0 0.9, 5.2

虚血性又は 出血性脳卒中

発現被験者数(%) 1(0.4) 2(0.8) 1(0.4) 2(1.1) 4(1.6) 95%CI a(%) 0.0, 2.3 0.1, 2.9 0.0, 2.4 0.1, 4.0 0.4, 4.0

全身性塞栓症 発現被験者数(%) 1(0.4) 1(0.4) 0 0 0 95%CI a(%) 0.0, 2.3 0.0, 2.3 0.0, 1.6 0.0, 2.0 0.0, 1.5

心筋梗塞 発現被験者数(%) 2(0.9) 1(0.4) 2(0.9) 0 0 95%CI a(%) 0.1, 3.0 0.0, 2.3 0.1, 3.1 0.0, 2.0 0.0, 1.5

心血管死 発現被験者数(%) 2(0.9) 4(1.6) 0 0 2(0.8) 95%CI a(%) 0.1, 3.0 0.4, 4.1 0.0, 1.6 0.0, 2.0 0.1, 2.9

全ての心疾患

による入院 発現被験者数(%) 2(0.9) 2(0.8) 7(3.0) 0 1(0.4) 95%CI a(%) 0.1, 3.0 0.1, 2.9 1.2, 6.1 0.0, 2.0 0.0, 2.2

a: Clopper-Pearson 型の CI

13.4 薬力学的指標 PT の推移を表 2.7.6.13-5 に、INR の推移を表 2.7.6.13-6 に示す。

投与 28 日目のエドキサバン群での PT 及び INR のベースラインからの変化量は、トラフ時

及び服薬後 1~3 時間ともバラツキが大きく、明確な用量反応関係は認められなかった。

表 2.7.6.13-5 PT の推移: 欧米 NVAF P2b

投与群 ベースライン 投与 28 日目

服薬前 1~3 時間

30 mg × 1 186 187 199

15.089(5.4158) 13.339(1.8096) 15.538(2.8037)

30 mg × 2 192 193 206

15.773(5.9009) 14.287(4.9113) 15.938(2.3734)

60 mg × 1 184 184 197

15.113(5.1942) 14.223(6.1703) 17.185(4.0362)

60 mg × 2 148 113 116

16.168(9.7197) 15.281(4.5397) 18.434(3.4681)

ワルファリン 67 16 8

16.193(5.0144) 27.331(11.6229) 25.138(3.5400) 単位: sec 上段: 被験者数 下段: 算術平均値(SD)

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

216

表 2.7.6.13-6 INR の推移: 欧米 NVAF P2b

投与群 ベースライン 投与 28 日目

服薬前 1~3 時間

30 mg × 1 186 187 199

1.291(0.5047) 1.131(0.1701) 1.324(0.2629)

30 mg × 2 192 193 206

1.358(0.5456) 1.190(0.1896) 1.366(0.2394)

60 mg × 1 184 184 197

1.298(0.4847) 1.172(0.1974) 1.471(0.3712)

60 mg × 2 148 113 116

1.336(0.5669) 1.270(0.1973) 1.580(0.2979)

ワルファリン 67 16 8

1.394(0.4602) 2.438(1.1093) 2.225(0.3454) 上段: 被験者数 下段: 算術平均値(SD)

13.5 バイオマーカー D-dimer の推移を表 2.7.6.13-7 に、F1+2 の推移を表 2.7.6.13-8 に示す。

エドキサバン群での D-dimer は、いずれの時点でもバラツキが大きく、明確な用量反応関係

は認められなかった。F1+2 も、同様に明確な用量反応関係は認められなかった。

表 2.7.6.13-7 D-dimer の推移: 欧米 NVAF P2b 投与群 ベースライン 投与 7 日目 投与 28 日目 投与 84 日目

30 mg × 1 230 225 213 213

738.080(899.5016) 587 930(675 5001) 545.789(669.3703) 510.133(344.3790)

30 mg × 2 234 229 220 220

681.202(805.3403) 485 327(532 5725) 444.877(572.6939) 493.469(566.8475)

60 mg × 1 228 224 217 215

570.065(425.5401) 494 353(596 3667) 455.889(452.1838) 464.772(375.1339)

60 mg × 2 169 160 128 157

614.089(568.2776) 410 906(357 9780) 396.863(479.9790) 481.517(616.7969)

ワルファリン 244 240 231 230

580.124(511.0916) 541.855(440 3394) 445.718(449.9238) 412.220(529.5436) 単位: ng/mL 上段: 被験者数 下段: 算術平均値(SD)

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

217

表 2.7.6.13-8 F1+2 の推移: 欧米 NVAF P2b 投与群 ベースライン 投与 7 日目 投与 28 日目 投与 84 日目

30 mg × 1 228 219 210 211

426.9(1048.64) 251.8(481.14) 305.7(783.74) 411.6(921 55)

30 mg × 2 235 223 214 217

380.7(1015.69) 210.8(491.55) 319.9(1019.33) 286.3(679.85)

60 mg × 1 226 220 213 211

312.6(667.64) 336.0(886.51) 252.3(562.46) 290.7(615.99)

60 mg × 2 169 155 123 152

532.5(1470.02) 336.6(1172.28) 371.1(1018.73) 427.3(998.34)

ワルファリン 240 234 226 227

333.3(678.22) 267.5(666.32) 330.8(1067.10) 286.2(747.48) 単位: pmol/L 上段: 被験者数 下段: 算術平均値(SD)

13.6 薬物動態 13.6.1 母集団薬物動態解析 最終モデルの母集団パラメータ推定値を表 2.7.6.13-9 に示す。血漿中エドキサバン濃度は、

吸収ラグタイムを伴う 1次吸収/1次消失の 2-コンパートメントモデルによって適切に記述さ

れた。

各パラメータの最終モデルは以下のとおりであった。

CL/F: 見かけの全身クリアランス Vc/F: 中心コンパートメントの見かけの分布容積 Vp/F: 末梢コンパートメントの見かけの分布容積 Q/F: 見かけのコンパートメント間クリアランス Ka: 吸収速度定数 tlag: 吸収ラグタイム F: 相対的バイオアベイラビリティ

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

219

表 2.7.6.13-10 定常状態における薬物動態パラメータ予測値の要約統計量: 欧米 NVAF P2b 薬物動態 パラメータ 投与群 30 mg × 1 30 mg × 2 60 mg × 1 60 mg × 2

AUCss(ng∙hr/mL)

median 825 1730 1730 3300 min, max 600, 1860 1100, 3130 1180, 3100 2490, 5860

Cmax,ss(ng/mL) median 84.9 115.0 173.0 221.0 min, max 48.9, 179 72.9, 240 107, 339 163, 400

Cmin,ss(ng/mL) median 10.3 39.6 21.2 75.7 min, max 3.3, 33.8 15.4, 71.6 5.8, 53.1 40.7, 145

13.7 安全性 13.7.1 出血性イベント 13.7.1.1 大出血発現率

大出血発現状況を表 2.7.6.13-11 に示す。

大出血発現率は、30 mg × 1/日群 0%(0/235)、30 mg × 2/日群 2.0%(5/244)、60 mg × 1/

日群 0.4%(1/234)、60 mg × 2/日群 3.3%(6/180)、ワルファリン群 0.4%(1/250)であり、エ

ドキサバン群での大出血発現被験者 12 名中 11 名は 1 日 2 回投与群であった。

ワルファリン群と各エドキサバン群の差は−0.4~2.9%であり、その 95%CI は 60 mg × 2/日

群を除いて 0 を含んでいた。

大出血の内容は、30 mg × 2/日群では胃腸出血 3 件、頭蓋内出血及び出血性卒中がそれぞ

れ 1 件、60 mg × 1/日群では脳出血が 1 件、60 mg × 2/日群では胃腸出血 2 件、鼻出血、貧

血、くも膜下出血、出血性胃潰瘍及び不正子宮出血がそれぞれ 1 件、ワルファリン群では鼻出

血 1 件であった。大出血の多くは「ヘモグロビンが 2 g/dL 以上低下する明らかな出血」に分

類されるものであり、その他は「2 単位以上の全血輸血又は赤血球の成分輸血を必要とする出

血」、「懸念される部位(頭蓋内)の出血」、及び「致死的な出血」であった(表 2.7.6.13-12)。

表 2.7.6.13-11 大出血発現状況: 欧米 NVAF P2b

エドキサバン

ワルファリン 30 mg × 1 30 mg × 2 60 mg × 1 60 mg × 2

評価被験者数 235 244 234 180 250

発現被験者数(%) 0 5(2.0) 1(0.4) 6(3.3) 1(0.4) 95%CI a(%) (0.0, 1.6) (0.7, 4.7) (0.0, 2.4) (1.2, 7.1) (0.0, 2.2) ワルファリン群と

の割合差(%) −0.4 1.6 0 2.9 ―

差の 95%CI b(%) (−1.2, 0.4) (−0.3, 3.6) (−1.1, 1.2) (0.2, 5.7) ― P 値 c 1.000 0.119 1.000 0.023 ―

a: Clopper-Pearson 型の CI b: ワルファリン群との割合差(エドキサバン群の発現割合 − ワルファリン群の発現割合)の 95%CI c: Fisher の直接確率計算法

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

220

表 2.7.6.13-12 大出血の内訳: 欧米 NVAF P2b

エドキサバン

ワルファリン 30 mg × 1 30 mg × 2 60 mg × 1 60 mg × 2

ヘモグロビンが 2 g/dL 以

上低下する明らかな出血 0 3 0 5 1

2 単位以上の全血輸血又

は赤血球の成分輸血を必

要とする出血 0 2 0 1 0

懸念される部位(頭蓋内)

の出血 0 2 1 1 0

致死的な出血 0 2 0 0 0 重複集計有り 発現被験者数

13.7.1.2 大出血又は臨床的に重要な出血の発現率

主要な出血性イベント(大出血又は臨床的に重要な出血)の発現状況を表 2.7.6.13-13 に示す。

大出血又は臨床的に重要な出血の発現率は、30 mg × 1/日群 3.0%(7/235)、30 mg × 2/日

群 7.8%(19/244)、60 mg × 1/日群 3.8%(9/234)、60 mg × 2/日群 10.6%(19/180)、ワルファ

リン群 3.2%(8/250)であった。

ワルファリン群と各エドキサバン群の差は−0.2~7.4%であり、その 95%CI は、30 mg × 2/

日群及び 60 mg × 2/日群を除いて 0 を含んでいた。エドキサバン群間での対比較では、30 mg

× 1/日群と 30 mg × 2/日群、30 mg × 1/日群と 60 mg × 2/日群、60 mg × 1/日群と 60 mg ×

2/日群の間に、統計学的に有意な差が認められた(Fisher の直接確率計算法、それぞれ Ρ =

0.025、P = 0.002、Ρ = 0.009)。

表 2.7.6.13-13 大出血又は臨床的に重要な出血の発現率: 欧米 NVAF P2b

エドキサバン

ワルファリン 30 mg × 1 30 mg × 2 60 mg × 1 60 mg × 2

評価被験者数 235 244 234 180 250

発現被験者数(%) 7(3.0) 19(7.8) 9(3.8) 19(10.6) 8(3.2) 95%CI a(%) (1.2, 6.0) (4.8, 11.9) (1.8, 7.2) (6.5, 16.0) (1.4, 6.2) ワルファリン群との

割合差(%) −0.2 4.6 0.6 7.4 ―

差の 95%CI b(%) (−3.3, 2.9) (0.6, 8.6) (−2.6, 3.9) (2.4, 12.3) ― P 値 c 1.000 0.029 0.807 0.002 ―

a: Clopper-Pearson 型の CI b: ワルファリン群との割合差(エドキサバン群の発現割合 − ワルファリン群の発現割合)の 95%CI c: Fisher の直接確率計算法

臨床的に重要な出血の内訳を表 2.7.6.13-14 に示す。

エドキサバン群で最も多かった臨床的に重要な出血は、鼻出血(10 件)であった。内訳の

多くは、「治験薬又は抗血小板薬の投与中断を必要とした出血」及び「治験薬又は抗血小板薬

の投与中止に至った出血」であった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

221

表 2.7.6.13-14 臨床的に重要な出血の内訳: 欧米 NVAF P2b

投与群 エドキサバン

ワルファリン 30 mg × 1 30 mg × 2 60 mg × 1 60 mg × 2

治験薬又は抗血小板薬の投

与中断を必要とした出血 3 9 6 7 3

治験薬又は抗血小板薬の投

与中止に至った出血 3 5 2 7 3

経過観察を要する肉眼的血

尿又は尿道出血 0 3 4 3 2

外的な要因がなく発現した

胃腸出血又は直腸出血 1 3 2 2 2

外的な要因がなく発現し、5分以上継続する耳鼻咽喉出

血あるいは歯肉の出血 3 1 1 0 0

その他、治験責任医師又はイ

ベント評価委員会が臨床的

に重要と判断した出血 1 1 0 1 1

外的な要因がなく発現した

25 cm2 以上の皮下血腫 0 1 0 2 0

重篤な有害事象として報告

された大出血以外の出血性

イベント 0 1 0 0 0

重複集計あり

13.7.1.3 出血性イベントの発現率

治療期間中の出血性イベント(大出血、臨床的に重要な出血、及び小出血)の発現状況を表

2.7.6.13-15 に示す。

出血性イベント発現率は、30 mg × 1/日群 5.5%(13/235)、30 mg × 2/日群 12.7%(31/244)、

60 mg × 1/日群 7.3%(17/234)、60 mg × 2/日群 18.3%(33/180)、ワルファリン群 8.0%(20/250)

であった。

ワルファリン群と各エドキサバン群の差は−2.5~10.3%であり、その 95%CI は、60 mg × 2/

日群を除いて、0 を含んでいた。エドキサバン群間での対比較では、30 mg × 1/日群と 30 mg

× 2/日群、30 g × 1/日群と 60 mg × 2/日群、60 mg × 1/日群と 60 mg × 2/日群の間に、統

計学的に有意な差が認められた(Fisher の直接確率計算法、それぞれ P = 0.007、P = 0.000、P =

0.001)。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

222

表 2.7.6.13-15 出血性イベント発現状況: 欧米 NVAF P2b

エドキサバン

ワルファリン 30 mg × 1 30 mg × 2 60 mg × 1 60 mg × 2

評価被験者数 235 244 234 180 250 発現被験者数(%) 13(5.5) 31(12.7) 17(7.3) 33(18.3) 20(8.0) 95%CI a(%) (3.0, 9.3) (8.8, 17.5) (4.3, 11.4) (13.0, 24.8) (5.0, 12.1) ワルファリン群との

割合差(%) −2.5 4.7 −0.7 10.3 ―

差の 95%CI b(%) (−6.9, 2.0) (−0.7, 10.1) (−5.5, 4.0) (3.8, 16.9) ― P 値 c 0.367 0.104 0.864 0.002 ―

a: Clopper-Pearson 型の CI b: ワルファリン群との割合差(エドキサバン群の発現割合 − ワルファリン群の発現割合)の 95%CI c: Fisher の直接確率計算法

13.7.2 有害事象・副作用の分析 13.7.2.1 有害事象発現状況

13.7.2.1.1 有害事象発現率

有害事象の発現状況を表 2.7.6.13-16 に示す。

有害事象発現率は、エドキサバン 30 mg × 1/日群 40.4%(95/235)、30 mg × 2/日群 39.8%

(97/244)、60 mg × 1/日群 42.3%(99/234)、60 mg × 2/日群 45.6%(82/180)、ワルファリン

群 46.0%(115/250)であった。

いずれかのエドキサバン群で 2%以上に認められた主な有害事象とその発現率(30 mg × 1/

日群、30 mg × 2/日群、60 mg × 1/日群、60 mg × 2/日群、ワルファリン群の順)は、歯肉

出血(0.4%、2.0%、0.9%、2.2%、0%)、無力症(0.4%、0.8%、0%、2.2%、0.4%)、末梢性浮

腫(1.3%、2.9%、0.4%、0%、0.8%)、高ビリルビン血症(0%、0.4%、0%、3.3%、0%)、気管

支炎(0%、0%、2.1%、0.6%、0%)、尿路感染(2.6%、2.5%、0.9%、1.1%、0.8%)、挫傷(1.3%、

0.4%、0%、2.2%、1.2%)、血中尿素増加(0.9%、0.4%、2.1%、1.1%、2.0%)、γ-グルタミルト

ランスフェラーゼ増加(2.1%、1.2%、2.1%、2.2%、1.2%)、高血糖(1.3%、2.9%、0.9%、0.6%、

0.8%)、背部痛(0.9%、1.2%、2.1%、0.6%、0.4%)、浮動性めまい(0.4%、2.0%、0.9%、1.1%、

0.4%)、頭痛(1.7%、1.6%、2.6%、2.2%、1.6%)、血尿(1.3%、2.9%、1.3%、6.1%、1.6%)、

鼻出血(2.6%、2.0%、1.7%、3.9%、2.4%)、及び高血圧(1.3%、0.4%、2.1%、0.6%、0.8%)

であった。

歯肉出血と血尿はエドキサバン 30 mg 又は 60 mg を 1 日 1 回投与したときに比べて、1 日 2

回投与したときに発現率が高い傾向が認められた。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

223

表 2.7.6.13-16 有害事象発現状況: 欧米 NVAF P2b(1/9)

エドキサバン

ワルファリン 30 mg × 1 30 mg × 2 60 mg × 1 60 mg × 2

評価被験者数 235 244 234 180 250

発現被験者数(%) 95(40.4) 97(39.8) 99(42.3) 82(45.6) 115(46.0) 器官別大分類 基本語 被験者数(%)

血液およびリ

ンパ系障害

貧血 0 3(1.2) 2(0.9) 2(1.1) 1(0.4) 鉄欠乏性貧血 0 0 1(0.4) 0 0

白血球減少症 1(0.4) 1(0.4) 1(0.4) 0 0

好中球減少症 0 0 1(0.4) 1(0.6) 0

赤血球異常 0 1(0.4) 0 0 0

特発性血腫 0 0 1(0.4) 0 2(0.8) 血小板血症 0 0 0 0 1(0.4)

心臓障害 急性心筋梗塞 2(0.9) 0 1(0.4) 0 0

狭心症 0 2(0.8) 3(1.3) 1(0.6) 1(0.4) 不安定狭心症 1(0.4) 1(0.4) 4(1.7) 1(0.6) 0

不整脈 0 0 1(0.4) 0 0

心房細動 0 1(0.4) 0 1(0.6) 0

心房粗動 0 0 1(0.4) 0 0

徐脈性不整脈 0 0 0 0 1(0.4) 徐脈 0 2(0.8) 0 0 2(0.8) 心不全 3(1.3) 1(0.4) 1(0.4) 1(0.6) 0

急性心不全 1(0.4) 0 0 0 0

慢性心不全 1(0.4) 0 0 0 1(0.4) うっ血性心不全 0 1(0.4) 0 1(0.6) 0

心原性ショック 1(0.4) 0 0 0 0

心筋症 0 1(0.4) 0 0 0

心血管障害 0 0 0 0 1(0.4) 冠動脈不全 0 1(0.4) 0 0 0

左室不全 0 1(0.4) 0 0 0

心筋線維症 1(0.4) 0 0 0 0

心筋梗塞 0 0 3(1.3) 0 0

動悸 0 0 1(0.4) 0 0

洞不全症候群 0 0 0 0 1(0.4) 洞性徐脈 0 1(0.4) 0 0 0

頻脈性不整脈 0 0 2(0.9) 0 0

頻脈 1(0.4) 2(0.8) 0 0 1(0.4) 心室性期外収縮 1(0.4) 1(0.4) 1(0.4) 1(0.6) 0

心室細動 1(0.4) 0 0 0 0

先天性、家族性

および遺伝性

障害

動静脈奇形 0 1(0.4) 0 0 0

MedDRA/J V.10.1

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

224

表 2.7.6.13-16 有害事象発現状況: 欧米 NVAF P2b(2/9)

エドキサバン

ワルファリン 30 mg × 1 30 mg × 2 60 mg × 1 60 mg × 2

評価被験者数 235 244 234 180 250

器官別大分類 基本語 被験者数(%)

耳および迷路

障害

感音性難聴 0 0 0 0 1(0.4) 回転性めまい 1(0.4) 0 0 0 0

内分泌障害 甲状腺機能亢進症 0 0 1(0.4) 0 0

眼障害 白内障 0 0 0 1(0.6) 0

結膜出血 0 3(1.2) 0 0 0

アレルギー性結膜炎 1(0.4) 0 0 0 0

流涙増加 1(0.4) 0 0 1(0.6) 0

網膜症 0 0 0 1(0.6) 0

強膜出血 1(0.4) 0 0 0 0

強膜炎 0 0 0 1(0.6) 0

霧視 0 1(0.4) 0 0 0

胃腸障害 腹痛 1(0.4) 0 2(0.9) 0 0

下腹部痛 0 1(0.4) 0 1(0.6) 0

上腹部痛 1(0.4) 1(0.4) 3(1.3) 0 2(0.8) アルコール性膵炎 0 1(0.4) 0 0 0

結腸ポリープ 0 1(0.4) 0 0 0

便秘 1(0.4) 0 0 0 0

下痢 3(1.3) 1(0.4) 1(0.4) 1(0.6) 1(0.4) 腸憩室 0 1(0.4) 0 0 0

口内乾燥 0 0 1(0.4) 0 0

十二指腸潰瘍 0 0 0 1(0.6) 0

十二指腸炎 1(0.4) 0 0 0 0

消化不良 3(1.3) 1(0.4) 1(0.4) 0 0

心窩部不快感 0 0 1(0.4) 0 0

びらん性食道炎 0 1(0.4) 0 0 0

鼓腸 1(0.4) 0 0 0 0

食中毒 0 1(0.4) 0 0 0

胃出血 0 1(0.4) 0 1(0.6) 0

胃潰瘍 0 0 0 1(0.6) 0

出血性胃潰瘍 0 0 0 1(0.6) 0

胃炎 0 1(0.4) 0 1(0.6) 0

びらん性胃炎 1(0.4) 0 1(0.4) 1(0.6) 0

胃十二指腸潰瘍 0 0 0 1(0.6) 0

胃十二指腸炎 0 0 1(0.4) 0 0

胃腸出血 0 3(1.2) 0 2(1.1) 0

胃腸毛細血管拡張症 0 1(0.4) 0 0 0

歯肉出血 1(0.4) 5(2.0) 2(0.9) 4(2.2) 0

痔出血 1(0.4) 2(0.8) 0 1(0.6) 0

痔核 0 1(0.4) 0 1(0.6) 1(0.4) 裂孔ヘルニア 0 1(0.4) 0 0 0

腸管アンギナ 1(0.4) 0 0 0 0

腸閉塞 0 0 1(0.4) 0 0

メレナ 0 0 1(0.4) 0 0 MedDRA/J V.10.1

Page 46: 12. DU-176b 後期第II...2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg 180 12. DU-176b 後期第II相臨床試験(非弁膜性心房細動)-非弁膜性心房細動

2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

225

表 2.7.6.13-16 有害事象発現状況: 欧米 NVAF P2b(3/9)

エドキサバン

ワルファリン 30 mg × 1 30 mg × 2 60 mg × 1 60 mg × 2

評価被験者数 235 244 234 180 250

器官別大分類 基本語 被験者数(%)

胃腸障害(つづ

き)

口腔内出血 0 1(0.4) 0 1(0.6) 0

悪心 2(0.9) 0 0 3(1.7) 1(0.4) 慢性膵炎 1(0.4) 2(0.8) 0 1(0.6) 0

歯周炎 0 0 0 0 1(0.4) 肛門周囲炎 0 1(0.4) 0 0 0

直腸出血 0 0 1(0.4) 1(0.6) 1(0.4) 歯痛 0 0 0 0 1(0.4) 嘔吐 1(0.4) 1(0.4) 0 2(1.1) 0

全身障害およ

び投与局所様

医薬品副作用 1(0.4) 0 0 0 0

無力症 1(0.4) 2(0.8) 0 4(2.2) 1(0.4) 悪寒 2(0.9) 1(0.4) 1(0.4) 1(0.6) 1(0.4) 溢血 0 0 0 1(0.6) 0

疲労 2(0.9) 2(0.8) 0 1(0.6) 1(0.4) 異常感 1(0.4) 0 0 0 0

インフルエンザ様疾患 0 1(0.4) 0 0 0

非心臓性胸痛 1(0.4) 0 1(0.4) 0 0

浮腫 0 0 0 1(0.6) 1(0.4) 末梢性浮腫 3(1.3) 7(2.9) 1(0.4) 0 2(0.8) 発熱 0 3(1.2) 0 2(1.1) 0

圧痛 0 1(0.4) 0 0 0

血管穿刺部位出血 1(0.4) 0 0 0 0

肝胆道系障害 胆嚢炎 1(0.4) 0 0 1(0.6) 0

慢性胆嚢炎 1(0.4) 2(0.8) 0 2(1.1) 1(0.4) 胆石症 0 1(0.4) 0 0 0

慢性肝炎 0 0 0 1(0.6) 0

肝嚢胞 0 0 1(0.4) 0 0

脂肪肝 0 0 2(0.9) 0 0

アルコール性肝炎 0 1(0.4) 0 0 0

肝腫大 0 1(0.4) 0 0 0

高ビリルビン血症 0 1(0.4) 0 6(3.3) 0

肝障害 1(0.4) 0 0 0 0

感染症および

寄生虫症

細菌性関節炎 0 0 1(0.4) 0 0

無症候性細菌尿 1(0.4) 1(0.4) 0 0 1(0.4) 気管支炎 0 0 5(2.1) 1(0.6) 0

ウイルス性気管支炎 0 0 1(0.4) 0 1(0.4) 蜂巣炎 0 1(0.4) 0 0 0

クラミジア感染 0 0 1(0.4) 0 0

膀胱炎 1(0.4) 2(0.8) 0 1(0.6) 1(0.4) 耳感染 0 0 1(0.4) 0 0

せつ 0 1(0.4) 0 0 0

胃腸炎 0 0 1(0.4) 0 1(0.4) ウイルス性胃腸炎 0 0 0 0 1(0.4) 血腫感染 0 1(0.4) 0 0 0

MedDRA/J V.10.1

Page 47: 12. DU-176b 後期第II...2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg 180 12. DU-176b 後期第II相臨床試験(非弁膜性心房細動)-非弁膜性心房細動

2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

226

表 2.7.6.13-16 有害事象発現状況: 欧米 NVAF P2b(4/9)

エドキサバン

ワルファリン 30 mg × 1 30 mg × 2 60 mg × 1 60 mg × 2

評価被験者数 235 244 234 180 250

器官別大分類 基本語 被験者数(%)

感染症および

寄生虫症

(つづき)

単純ヘルペス 0 0 0 1(0.6) 0

帯状疱疹 0 0 0 0 1(0.4)

インフルエンザ 2(0.9) 0 0 1(0.6) 2(0.8) 限局性感染 0 0 0 1(0.6) 1(0.4) 鼻咽頭炎 2(0.9) 4(1.6) 1(0.4) 2(1.1) 4(1.6) 口腔ヘルペス 0 1(0.4) 0 0 0

肺炎 0 3(1.2) 0 0 0

歯髄炎 0 0 1(0.4) 0 0

腎盂腎炎 1(0.4) 0 0 1(0.6) 0

急性腎盂腎炎 1(0.4) 0 0 0 0

慢性腎盂腎炎 0 1(0.4) 1(0.4) 1(0.6) 0

気道感染 0 0 1(0.4) 1(0.6) 0

ウイルス性気道感染 3(1.3) 3(1.2) 3(1.3) 0 5(2.0) 鼻炎 0 1(0.4) 0 1(0.6) 1(0.4) 歯感染 1(0.4) 0 0 0 0

気管炎 1(0.4) 1(0.4) 0 1(0.6) 0

上気道感染 0 1(0.4) 1(0.4) 0 1(0.4) 尿路感染 6(2.6) 6(2.5) 2(0.9) 2(1.1) 2(0.8) 細菌性尿路感染 0 0 1(0.4) 0 1(0.4) ウイルス感染 1(0.4) 1(0.4) 3(1.3) 1(0.6) 1(0.4) 創傷感染 0 0 0 0 1(0.4)

傷害、中毒およ

び処置合併症

乳房損傷 0 0 0 1(0.6) 0

鎖骨骨折 0 1(0.4) 0 0 0

挫傷 3(1.3) 1(0.4) 0 4(2.2) 3(1.2) 外耳道擦過傷 0 1(0.4) 0 0 0

擦過傷 0 1(0.4) 0 0 0

転倒 0 1(0.4) 0 0 0

関節損傷 0 1(0.4) 0 0 0

関節捻挫 0 0 1(0.4) 0 1(0.4) 靱帯捻挫 0 0 0 1(0.6) 0

口腔内損傷 0 1(0.4) 0 0 0

筋挫傷 0 1(0.4) 0 0 0

開放創 0 1(0.4) 0 0 0

過量投与 1(0.4) 0 0 0 0

処置後出血 0 0 0 0 1(0.4) 橈骨骨折 1(0.4) 2(0.8) 0 0 0

肋骨骨折 0 1(0.4) 0 0 0

骨格損傷 0 0 1(0.4) 0 0

皮膚裂傷 0 0 2(0.9) 1(0.6) 0

外傷性血腫 0 1(0.4) 1(0.4) 0 1(0.4) 尺骨骨折 0 0 0 1(0.6) 0

上肢骨折 0 0 0 0 2(0.8) 創傷 0 2(0.8) 0 0 1(0.4)

MedDRA/J V.10.1

Page 48: 12. DU-176b 後期第II...2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg 180 12. DU-176b 後期第II相臨床試験(非弁膜性心房細動)-非弁膜性心房細動

2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

227

表 2.7.6.13-16 有害事象発現状況: 欧米 NVAF P2b(5/9)

エドキサバン

ワルファリン 30 mg × 1 30 mg × 2 60 mg × 1 60 mg × 2

評価被験者数 235 244 234 180 250

器官別大分類 基本語 被験者数(%) 臨床検査 アラニン・アミノトラン

スフェラーゼ増加 4(1.7) 0 3(1.3) 3(1.7) 2(0.8)

アスパラギン酸アミノト

ランスフェラーゼ増加 4(1.7) 1(0.4) 2(0.9) 3(1.7) 1(0.4)

杆状核好中球数増加 1(0.4) 0 1(0.4) 0 0

杆状核好中球百分率増加 0 0 0 1(0.6) 0

抱合ビリルビン増加 1(0.4) 0 1(0.4) 0 0

出血時間延長 0 0 0 1(0.6) 0

血中アルカリホスファタ

ーゼ増加 0 1(0.4) 1(0.4) 0 0

血中ビリルビン増加 1(0.4) 0 1(0.4) 2(1.1) 0

血中カルシウム増加 0 1(0.4) 1(0.4) 0 0

血中コレステロール減少 0 0 1(0.4) 0 0

血中クレアチンホスホキ

ナーゼ増加 3(1.3) 2(0.8) 1(0.4) 3(1.7) 3(1.2)

血中クレアチニン増加 2(0.9) 1(0.4) 3(1.3) 1(0.6) 6(2.4) 血中ブドウ糖増加 2(0.9) 2(0.8) 3(1.3) 1(0.6) 3(1.2) 血中乳酸脱水素酵素増加 0 1(0.4) 1(0.4) 0 0

血中カリウム増加 1(0.4) 1(0.4) 4(1.7) 0 2(0.8) 血圧低下 1(0.4) 1(0.4) 0 0 0

血圧上昇 2(0.9) 2(0.8) 2(0.9) 3(1.7) 6(2.4) 血中トリグリセリド増加 0 0 0 0 2(0.8) 血中尿素増加 2(0.9) 1(0.4) 5(2.1) 2(1.1) 5(2.0) 血中尿酸増加 2(0.9) 1(0.4) 2(0.9) 1(0.6) 4(1.6) 尿中血陽性 0 2(0.8) 0 2(1.1) 0

呼吸音異常 0 1(0.4) 0 0 0

心雑音 0 1(0.4) 0 0 0

凝固時間延長 0 0 0 0 4(1.6) 心電図再分極異常 0 0 1(0.4) 0 0

好酸球数増加 0 0 1(0.4) 0 0

γ-グルタミルトランスフ

ェラーゼ増加 5(2.1) 3(1.2) 5(2.1) 4(2.2) 3(1.2)

尿中ブドウ糖 0 0 0 0 1(0.4) グリコヘモグロビン増加 0 0 0 0 1(0.4) ヘマトクリット減少 1(0.4) 1(0.4) 0 1(0.6) 0

ヘマトクリット増加 2(0.9) 3(1.2) 1(0.4) 0 1(0.4) ヘモグロビン減少 1(0.4) 1(0.4) 2(0.9) 3(1.7) 0

ヘモグロビン増加 1(0.4) 1(0.4) 1(0.4) 0 0

心拍数増加 0 1(0.4) 0 0 0

肝酵素上昇 1(0.4) 1(0.4) 1(0.4) 1(0.6) 0

INR 増加 0 1(0.4) 2(0.9) 0 18(7.2) リンパ球数増加 0 0 1(0.4) 0 0

血小板数減少 0 0 0 0 2(0.8) 血小板数増加 0 1(0.4) 0 0 0

プロトロンビン量増加 0 0 0 0 1(0.4) MedDRA/J V.10.1

Page 49: 12. DU-176b 後期第II...2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg 180 12. DU-176b 後期第II相臨床試験(非弁膜性心房細動)-非弁膜性心房細動

2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

228

表 2.7.6.13-16 有害事象発現状況: 欧米 NVAF P2b(6/9)

エドキサバン

ワルファリン 30 mg × 1 30 mg × 2 60 mg × 1 60 mg × 2

評価被験者数 235 244 234 180 250

器官別大分類 基本語 被験者数(%)

臨床検査

(つづき)

プロトロンビン時間延長 0 0 0 0 9(3.6)

赤血球数減少 1(0.4) 1(0.4) 0 2(1.1) 0

赤血球数増加 1(0.4) 0 1(0.4) 0 0

尿中赤血球 0 0 1(0.4) 0 0

尿中赤血球陽性 1(0.4) 0 0 0 0

尿円柱 0 0 0 1(0.6) 0

尿中アミノ酸濃度増加 0 0 0 0 1(0.4) 尿検査異常 0 1(0.4) 0 0 0

白血球数増加 1(0.4) 0 0 1(0.6) 0

尿中白血球陽性 0 0 0 0 1(0.4) 代謝および

栄養障害

食欲減退 0 0 0 1(0.6) 0

糖尿病 4(1.7) 3(1.2) 2(0.9) 1(0.6) 5(2.0) コントロール不良の糖尿

病 0 0 1(0.4) 1(0.6) 1(0.4)

異脂肪血症 1(0.4) 0 1(0.4) 1(0.6) 0

体液貯留 0 0 1(0.4) 0 0

耐糖能障害 1(0.4) 1(0.4) 2(0.9) 0 2(0.8) 痛風 2(0.9) 2(0.8) 0 0 2(0.8) 高コレステロール血症 1(0.4) 0 0 0 0

高血糖 3(1.3) 7(2.9) 2(0.9) 1(0.6) 2(0.8) 高カリウム血症 0 0 0 1(0.6) 1(0.4) 高トリグリセリド血症 0 1(0.4) 1(0.4) 1(0.6) 0

高尿酸血症 0 0 1(0.4) 1(0.6) 0

低血糖症 0 1(0.4) 0 0 0

低カリウム血症 1(0.4) 0 1(0.4) 0 0

低ナトリウム血症 1(0.4) 0 0 0 0

代謝障害 0 0 0 0 1(0.4) 異食症 0 1(0.4) 0 0 0

ポダグラ 0 0 0 0 2(0.8) 2 型糖尿病 1(0.4) 1(0.4) 1(0.4) 1(0.6) 1(0.4)

筋骨格系およ

び結合組織障

関節痛 1(0.4) 1(0.4) 3(1.3) 1(0.6) 0

背部痛 2(0.9) 3(1.2) 5(2.1) 1(0.6) 1(0.4) 骨痛 1(0.4) 0 0 0 0

滑液包炎 0 2(0.8) 0 0 0

椎間板突出 1(0.4) 0 0 0 0

運動性低下 0 0 0 1(0.6) 0

筋痙縮 1(0.4) 0 0 0 0

筋緊張 0 0 0 1(0.6) 0

筋骨格系胸痛 1(0.4) 1(0.4) 0 0 0

筋骨格痛 1(0.4) 0 0 0 0

筋痛 0 0 0 1(0.6) 0 MedDRA/J V.10.1

Page 50: 12. DU-176b 後期第II...2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg 180 12. DU-176b 後期第II相臨床試験(非弁膜性心房細動)-非弁膜性心房細動

2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

229

表 2.7.6.13-16 有害事象発現状況: 欧米 NVAF P2b(7/9)

エドキサバン

ワルファリン 30 mg × 1 30 mg × 2 60 mg × 1 60 mg × 2

評価被験者数 235 244 234 180 250

器官別大分類 基本語 被験者数(%)

筋骨格系およ

び結合組織障

害(つづき)

ミオパシー 0 0 1(0.4) 0 1(0.4)

頚部痛 1(0.4) 0 0 0 0

骨関節炎 1(0.4) 0 1(0.4) 0 1(0.4) 骨端症 0 1(0.4) 0 2(1.1) 1(0.4) 骨減少症 0 0 1(0.4) 0 0

四肢痛 0 1(0.4) 0 1(0.6) 1(0.4) 良性、悪性およ

び詳細不明の

新生物(嚢胞お

よびポリープ

を含む)

慢性リンパ性白血病 1(0.4) 0 0 0 0

胃癌 0 0 0 1(0.6) 0

胃新生物 0 1(0.4) 0 0 0

脂肪腫 0 0 0 0 1(0.4) リンパ性白血病 1(0.4) 0 0 0 0

前立腺腺腫 0 0 1(0.4) 0 0

腎新生物 0 0 1(0.4) 0 0

神経系障害 大脳動脈血栓症 0 0 0 0 1(0.4) 脳出血 0 0 1(0.4) 0 2(0.8) 糖尿病性ニューロパシー 0 1(0.4) 0 0 0

浮動性めまい 1(0.4) 5(2.0) 2(0.9) 2(1.1) 1(0.4) 脳症 0 0 0 1(0.6) 0

頭蓋内出血 0 1(0.4) 0 0 0

出血性卒中 0 1(0.4) 0 0 0

頭痛 4(1.7) 4(1.6) 6(2.6) 4(2.2) 4(1.6) 不全片麻痺 0 0 0 1(0.6) 0

肋間神経痛 0 0 2(0.9) 0 0

虚血性脳卒中 1(0.4) 0 0 2(1.1) 3(1.2) ニューロパシー 0 0 1(0.4) 0 0

錯感覚 0 0 0 1(0.6) 0

神経根障害 0 1(0.4) 0 0 0

傾眠 0 1(0.4) 0 0 0

くも膜下出血 0 0 0 1(0.6) 0

失神 0 0 1(0.4) 2(1.1) 0

一過性脳虚血発作 0 1(0.4) 0 0 1(0.4) 血管性脳症 0 0 0 1(0.6) 0

精神障害 感情不安定 0 0 0 1(0.6) 0

不安 0 0 0 0 1(0.4) 不眠症 2(0.9) 0 1(0.4) 1(0.6) 1(0.4) 精神状態変化 0 0 1(0.4) 0 0

神経症 0 0 0 0 1(0.4) 睡眠障害 0 0 0 0 1(0.4)

MedDRA/J V.10.1

Page 51: 12. DU-176b 後期第II...2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg 180 12. DU-176b 後期第II相臨床試験(非弁膜性心房細動)-非弁膜性心房細動

2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

230

表 2.7.6.13-16 有害事象発現状況: 欧米 NVAF P2b(8/9)

エドキサバン

ワルファリン 30 mg × 1 30 mg × 2 60 mg × 1 60 mg × 2

評価被験者数 235 244 234 180 250

器官別大分類 基本語 被験者数(%)

腎および尿路

障害

ビリルビン尿 0 0 1(0.4) 1(0.6) 2(0.8) 尿路結石 0 0 1(0.4) 1(0.6) 0

着色尿 0 0 0 1(0.6) 1(0.4) 非感染性膀胱炎 1(0.4) 1(0.4) 1(0.4) 0 0

糖尿病性腎症 0 0 0 1(0.6) 1(0.4) 排尿困難 0 1(0.4) 0 0 0

糖尿 1(0.4) 0 0 0 0

血尿 3(1.3) 7(2.9) 3(1.3) 11(6.1) 4(1.6) 白血球尿 0 0 0 1(0.6) 0

腎結石症 0 0 0 1(0.6) 0

腎下垂症 0 0 1(0.4) 0 0

頻尿 0 0 0 0 2(0.8) 蛋白尿 1(0.4) 0 1(0.4) 1(0.6) 0

腎仙痛 1(0.4) 0 0 1(0.6) 0

腎嚢胞 0 0 1(0.4) 0 0

腎障害 0 0 0 0 1(0.4) 慢性腎不全 0 0 0 1(0.6) 0

尿失禁 0 1(0.4) 0 0 0

尿閉 0 1(0.4) 0 0 0

ウロビリン尿 1(0.4) 0 0 0 1(0.4) 生殖系および

乳房障害

良性前立腺肥大症 1(0.4) 0 0 0 0

不正子宮出血 0 0 0 1(0.6) 0

前立腺炎 0 0 1(0.4) 0 0

腟出血 0 0 0 1(0.6) 0

呼吸器、胸郭お

よび縦隔障害

急性肺水腫 0 0 1(0.4) 0 0

慢性気管支炎 2(0.9) 1(0.4) 1(0.4) 1(0.6) 0

慢性閉塞性肺疾患 1(0.4) 0 0 0 0

咳嗽 0 1(0.4) 2(0.9) 3(1.7) 1(0.4) 呼吸困難 2(0.9) 3(1.2) 1(0.4) 1(0.6) 0

労作性呼吸困難 0 0 1(0.4) 1(0.6) 1(0.4) 鼻出血 6(2.6) 5(2.0) 4(1.7) 7(3.9) 6(2.4) 喀血 0 0 0 1(0.6) 1(0.4) 過換気 1(0.4) 0 0 0 0

咽喉頭疼痛 0 0 1(0.4) 0 0

胸膜炎 0 1(0.4) 0 0 0

湿性咳嗽 0 1(0.4) 1(0.4) 0 0

肺塞栓症 1(0.4) 1(0.4) 0 0 0

肺水腫 1(0.4) 0 0 0 0 MedDRA/J V.10.1

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

231

表 2.7.6.13-16 有害事象発現状況: 欧米 NVAF P2b(9/9)

エドキサバン

ワルファリン 30 mg × 1 30 mg × 2 60 mg × 1 60 mg × 2

評価被験者数 235 244 234 180 250

器官別大分類 基本語 被験者数(%)

呼吸器、胸郭お

よび縦隔障害

(つづき)

ラ音 0 2(0.8) 0 0 0

呼吸障害 1(0.4) 1(0.4) 1(0.4) 1(0.6) 3(1.2) 呼吸不全 1(0.4) 0 0 0 0

副鼻腔うっ血 0 1(0.4) 0 0 0

咽喉刺激感 0 0 0 1(0.6) 0

喘鳴 1(0.4) 0 0 0 1(0.4) 皮膚および

皮下組織障害

アレルギー性皮膚炎 0 1(0.4) 0 1(0.6) 0

斑状出血 0 0 0 0 1(0.4) 紅斑 0 0 1(0.4) 1(0.6) 0

過角化 0 0 0 1(0.6) 0

挫傷発生の増加傾向 0 2(0.8) 1(0.4) 0 0

点状出血 1(0.4) 0 0 0 0

そう痒症 1(0.4) 3(1.2) 1(0.4) 0 0

乾癬 1(0.4) 0 0 0 0

発疹 1(0.4) 1(0.4) 0 0 0

皮膚病変 0 1(0.4) 0 0 1(0.4) 皮膚潰瘍 0 0 0 1(0.6) 0

顔面腫脹 0 0 1(0.4) 0 0

蕁麻疹 1(0.4) 0 0 1(0.6) 0

血管障害 大動脈瘤 0 0 1(0.4) 0 0

糖尿病性微小血管症 0 0 0 1(0.6) 0

糖尿病性血管障害 0 1(0.4) 0 0 0

血腫 0 1(0.4) 1(0.4) 1(0.6) 0

出血 0 0 1(0.4) 0 1(0.4) 高血圧 3(1.3) 1(0.4) 5(2.1) 1(0.6) 2(0.8) 高血圧性クリーゼ 1(0.4) 1(0.4) 1(0.4) 1(0.6) 1(0.4) 低血圧 0 0 0 1(0.6) 1(0.4) 血栓性静脈炎 0 0 0 0 2(0.8) 静脈うっ血 0 1(0.4) 0 0 0

MedDRA/J V.10.1

13.7.2.1.2 重症度別の有害事象発現率

重度の有害事象発現率は、エドキサバン 30 mg × 1/日群 3.4%(8/235)、30 mg × 2/日群 4.5%

(11/244)、60 mg × 1/日群 2.6%(6/234)、60 mg × 2/日群 3.9%(7/180)、ワルファリン群 4.0%

(10/250)であった。

重度の有害事象の内訳は、30 mg × 1/日群では急性心筋梗塞が 2 件、頚部痛、嘔吐、流涙

増加、便秘、下痢、消化不良、鼓腸、疲労、異常感、そう痒症、急性心不全、肺塞栓症、虚血

性脳卒中、心室細動、肺水腫、心原性ショック、不安定狭心症、高血圧、心筋線維症が各 1

件であった。30 mg × 2/日群では鼻出血が 2 件、蜂巣炎、胃腸出血、疲労、呼吸困難、貧血、

ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、尿中血陽性、尿失禁、うっ血性心不全、心筋症、左

室不全、胃新生物、頭蓋内出血、冠動脈不全、慢性胆嚢炎、一過性脳虚血発作、出血性卒中が

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

232

各 1 件であった。60 mg × 1/日群では脳出血、心不全、腸閉塞、急性心筋梗塞、歯髄炎、大

動脈瘤、急性肺水腫がそれぞれ 1 件であった。60 mg × 2/日群では、血腫及び貧血がそれぞ

れ 2 件、血尿、尿中血陽性、虚血性脳卒中、不正子宮出血、コントロール不良の糖尿病、胃腸

出血、胃癌が各 1 件であった。ワルファリン群では虚血性脳卒中が 3 件、脳出血が 2 件、上肢

骨折、四肢痛、ウイルス性胃腸炎、不眠症、鼻出血、心血管障害、感音性難聴、大脳動脈血栓

症がそれぞれ 1 件であった。

転帰が「死亡」であった重度の有害事象は、30 mg × 1/日群の急性心筋梗塞 2 件、急性心

不全、肺塞栓症、心筋線維症がそれぞれ 1 件、30 mg × 2/日群の左室不全、頭蓋内出血、冠

動脈不全、出血性卒中がそれぞれ 1 件、60 mg × 1/日群の急性心筋梗塞が 1 件、ワルファリ

ン群の脳出血が 2 件、心血管障害、大脳動脈血栓症がそれぞれ 1 件であった。「死亡」に至っ

た重度の有害事象はいずれも治験薬との因果関係は否定された。転帰が「未回復」であった重

度の有害事象は、30 mg × 1/日群の虚血性脳卒中、60 mg × 2/日群の不正子宮出血、ワルフ

ァリン群の不眠症であった。治験薬との因果関係は不正子宮出血が「関連あるかもしれない」

と判定され、虚血性脳卒中及び不眠症は「関連なし」と判定された。また、30 mg × 2/日群

の胃新生物の転帰は「不明」であったが、治験薬との因果関係は否定された。その他の重度の

有害事象の転帰はほとんどが「回復」であった。

中等度の有害事象の発現率は、エドキサバン 30 mg × 1/日群 14.9%(35/235)、30 mg × 2/

日群 14.8%(36/244)、60 mg × 1/日群 15.8%(37/234)、60 mg × 2/日群 19.4%(35/180)、ワ

ルファリン群 14.4%(36/250)であった。いずれかのエドキサバン群で 2 名以上に発現した中

等度の有害事象は、狭心症、不安定狭心症、心不全、心筋梗塞、頻脈性不整脈、上腹部痛、下

痢、胃腸出血、悪心、嘔吐、無力症、末梢性浮腫、慢性胆嚢炎、気管支炎、ウイルス性気道感

染、尿路感染、橈骨骨折、アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加、アスパラギン酸アミノ

トランスフェラーゼ増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、γ-グルタミルトランスフェラ

ーゼ増加、ヘマトクリット増加、INR 増加、痛風、高血糖、頭痛、失神、血尿、咳嗽、呼吸困

難、鼻出血、高血圧であった。

軽度の有害事象の発現率は、エドキサバン 30 mg × 1/日群 22.1%(52/235)、30 mg × 2/日

群 20.5%(50/244)、60 mg × 1/日群 23.9%(56/234)、60 mg × 2/日群 22.2%(40/180)、ワル

ファリン群 27.6%(69/250)であった。

13.7.2.2 副作用発現状況

13.7.2.2.1 副作用発現率

副作用発現状況を表 2.7.6.13-17 に示す。

副作用発現率は、エドキサバン 30 mg × 1/日群 11.1%(26/235)、30 mg × 2/日群 13.5%

(33/244)、60 mg × 1/日群 11.5%(27/234)、60 mg × 2/日群 22.2%(40/180)、ワルファリン

群 18.4%(46/250)であった。

いずれかのエドキサバン群で発現率が 2%以上であった副作用とその発現割合(30 mg × 1/

日群、30 mg × 2/日群、60 mg × 1/日群、60 mg × 2/日群、ワルファリン群の順)は、血尿

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

233

(1.3%、1.6%、1.3%、4.4%、1.2%)、鼻出血(2.6%、1.2%、1.3%、3.9%、2.0%)、歯肉出血(0.4%、

2.0%、0.9%、2.2%、0%)、高ビリルビン血症(0%、0%、0%、2.2%、0%)であった。

歯肉出血はエドキサバン 30 mg 又は 60 mg を 1 日 1 回投与したときに比べて、1 日 2 回投与

したときに発現率が高い傾向が認められた。

表 2.7.6.13-17 副作用発現状況: 欧米 NVAF P2b(1/3)

エドキサバン

ワルファリン 30 mg × 1 30 mg × 2 60 mg × 1 60 mg × 2

評価被験者数 235 244 234 180 250

発現被験者数(%) 26(11.1) 33(13.5) 27(11.5) 40(22.2) 46(18.4) 器官別大分類 基本語 被験者数(%)

血液およびリ

ンパ系障害

貧血 0 1(0.4) 1(0.4) 2(1.1) 0

白血球減少症 0 1(0.4) 1(0.4) 0 0

好中球減少症 0 0 1(0.4) 1(0.6) 0

特発性血腫 0 0 1(0.4) 0 2(0.8) 心臓障害 不整脈 0 0 1(0.4) 0 0

頻脈 1(0.4) 1(0.4) 0 0 0

眼障害 結膜出血 0 3(1.2) 0 0 0

アレルギー性結膜炎 1(0.4) 0 0 0 0

強膜出血 1(0.4) 0 0 0 0

強膜炎 0 0 0 1(0.6) 0

胃腸障害 上腹部痛 1(0.4) 0 1(0.4) 0 0

下痢 0 1(0.4) 1(0.4) 0 1(0.4) 口内乾燥 0 0 1(0.4) 0 0

十二指腸潰瘍 0 0 0 1(0.6) 0

十二指腸炎 1(0.4) 0 0 0 0

消化不良 0 1(0.4) 1(0.4) 0 0

胃出血 0 1(0.4) 0 0 0

出血性胃潰瘍 0 0 0 1(0.6) 0

びらん性胃炎 1(0.4) 0 0 0 0

胃腸出血 0 3(1.2) 0 2(1.1) 0

歯肉出血 1(0.4) 5(2.0) 2(0.9) 4(2.2) 0

痔出血 1(0.4) 1(0.4) 0 1(0.6) 0

メレナ 0 0 1(0.4) 0 0

口腔内出血 0 1(0.4) 0 1(0.6) 0

悪心 1(0.4) 0 0 1(0.6) 1(0.4) 慢性膵炎 0 1(0.4) 0 0 0

直腸出血 0 0 1(0.4) 1(0.6) 0

嘔吐 0 0 0 1(0.6) 0

全身障害およ

び投与局所様

医薬品副作用 1(0.4) 0 0 0 0

無力症 0 0 0 1(0.6) 0

溢血 0 0 0 1(0.6) 0

疲労 1(0.4) 1(0.4) 0 1(0.6) 0

末梢性浮腫 0 1(0.4) 0 0 0 MedDRA/J V.10.1

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

234

表 2.7.6.13-17 副作用発現状況: 欧米 NVAF P2b(2/3)

エドキサバン

ワルファリン 30 mg × 1 30 mg × 2 60 mg × 1 60 mg × 2

評価被験者数 235 244 234 180 250

発現被験者数(%) 26(11.1) 33(13.5) 27(11.5) 40(22.2) 46(18.4) 器官別大分類 基本語 被験者数(%) 肝胆道系障害 高ビリルビン血症 0 0 0 4(2.2) 0

肝障害 1(0.4) 0 0 0 0

感染症および

寄生虫症

膀胱炎 0 0 0 1(0.6) 0

血腫感染 0 1(0.4) 0 0 0

腎盂腎炎 1(0.4) 0 0 0 0

ウイルス性気道感染 0 0 1(0.4) 0 0

傷害、中毒およ

び処置合併症

挫傷 0 0 0 1(0.6) 1(0.4) 口腔内損傷 0 1(0.4) 0 0 0

処置後出血 0 0 0 0 1(0.4) 皮膚裂傷 0 0 0 1(0.6) 0

外傷性血腫 0 1(0.4) 0 0 0

臨床検査 アラニン・アミノトラン

スフェラーゼ増加 1(0.4) 0 1(0.4) 3(1.7) 0

アスパラギン酸アミノト

ランスフェラーゼ増加 1(0.4) 1(0.4) 1(0.4) 3(1.7) 0

杆状核好中球数増加 1(0.4) 0 1(0.4) 0 0

杆状核好中球百分率増加 0 0 0 1(0.6) 0

出血時間延長 0 0 0 1(0.6) 0

血中ビリルビン増加 0 0 0 1(0.6) 0

血中コレステロール減少 0 0 1(0.4) 0 0

血中クレアチンホスホキ

ナーゼ増加 0 0 0 0 1(0.4)

血中クレアチニン増加 0 0 0 0 3(1.2) 血中尿素増加 0 0 0 0 1(0.4) 血中尿酸増加 1(0.4) 0 0 0 0

尿中血陽性 0 2(0.8) 0 1(0.6) 0

凝固時間延長 0 0 0 0 4(1.6) γ-グルタミルトランスフ

ェラーゼ増加 3(1.3) 0 2(0.9) 3(1.7) 0

ヘマトクリット減少 0 1(0.4) 0 0 0

ヘマトクリット増加 1(0.4) 2(0.8) 0 0 1(0.4) ヘモグロビン減少 0 1(0.4) 2(0.9) 0 0

ヘモグロビン増加 0 1(0.4) 0 0 0

肝酵素上昇 1(0.4) 1(0.4) 1(0.4) 1(0.6) 0

INR 増加 0 0 0 0 18(7.2) 血小板数減少 0 0 0 0 1(0.4) プロトロンビン量増加 0 0 0 0 1(0.4) プロトロンビン時間延長 0 0 0 0 9(3.6) 尿検査異常 0 1(0.4) 0 0 0

MedDRA/J V.10.1

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

235

表 2.7.6.13-17 副作用発現状況: 欧米 NVAF P2b(3/3)

エドキサバン

ワルファリン 30 mg × 1 30 mg × 2 60 mg × 1 60 mg × 2

評価被験者数 235 244 234 180 250

発現被験者数(%) 26(11.1) 33(13.5) 27(11 5) 40(22.2) 46(18.4) 器官別大分類 基本語 被験者数(%) 代謝および栄

養障害

食欲減退 0 0 0 1(0.6) 0

痛風 0 0 0 0 1(0.4) 異食症 0 1(0.4) 0 0 0

筋骨格系およ

び結合組織障

骨痛 1(0.4) 0 0 0 0

ミオパシー 0 0 0 0 1(0.4)

神経系障害 脳出血 0 0 1(0.4) 0 0

浮動性めまい 0 1(0.4) 0 1(0.6) 0

頭痛 1(0.4) 1(0.4) 2(0.9) 0 1(0.4) くも膜下出血 0 0 0 1(0.6) 0

失神 0 0 0 1(0.6) 0

精神障害 不眠症 1(0.4) 0 0 0 0

腎および尿路

障害

ビリルビン尿 0 0 0 0 1(0.4) 着色尿 0 0 0 1(0.6) 1(0.4) 血尿 3(1.3) 4(1.6) 3(1.3) 8(4.4) 3(1.2) 白血球尿 0 0 0 1(0.6) 0

蛋白尿 1(0.4) 0 1(0.4) 0 0

ウロビリン尿 1(0.4) 0 0 0 1(0.4) 生殖系および

乳房障害 不正子宮出血 0 0 0 1(0.6) 0

呼吸器、胸郭お

よび縦隔障害

呼吸困難 0 2(0.8) 0 0 0

鼻出血 6(2.6) 3(1.2) 3(1.3) 7(3.9) 5(2.0) 喀血 0 0 0 1(0.6) 1(0.4) 肺塞栓症 0 1(0.4) 0 0 0

皮膚および 皮下組織障害

アレルギー性皮膚炎 0 1(0.4) 0 1(0.6) 0

斑状出血 0 0 0 0 1(0.4) 紅斑 0 0 1(0.4) 0 0

点状出血 1(0.4) 0 0 0 0

そう痒症 0 0 1(0.4) 0 0

発疹 1(0.4) 1(0.4) 0 0 0

顔面腫脹 0 0 1(0.4) 0 0

血管障害 血腫 0 1(0.4) 1(0.4) 1(0.6) 0

出血 0 0 1(0.4) 0 0

高血圧 0 0 1(0.4) 0 0 MedDRA/J V.10.1

13.7.2.2.2 重症度別副作用発現率

重度の副作用は、30 mg × 2/日群に 2 名 7 件、60 mg × 1/日群に 1 名 1 件、60 mg × 2/日

群に 5 名 8 件、ワルファリン群に 1 名 1 件認められた。

重度の副作用の内訳は、30 mg × 2/日群では胃腸出血、疲労、呼吸困難、貧血、ヘマトク

リット減少、ヘモグロビン減少、尿中血陽性が各 1 件、60 mg × 1/日群では脳出血 1 件、60 mg

× 2/日群では血腫及び貧血が各 2 件、血尿、尿中血陽性、不正子宮出血、胃腸出血が各 1 件、

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

236

ワルファリン群では鼻出血 1 件であった。

重度の副作用の転帰は、60 mg × 1/日群の脳出血では「回復したが後遺症あり」、60 mg × 2

/日群の不正子宮出血では「未回復」と判定され、その他は「回復」又は「軽快」が確認され

た。

いずれかのエドキサバン群で 2 名以上に発現した中等度の副作用とその発現被験者数は、

30 mg × 2/日群の胃腸出血及びヘマトクリット増加がそれぞれ 2 名、60 mg × 1/日群の鼻出

血が 2 名、60 mg × 2/日群の血尿が 3 名であった。このうち、血尿 1 件の転帰は「未回復」

であったが、その他はいずれも「回復」が確認された。

13.7.3 死亡 死亡した被験者の一覧を表 2.7.6.13-18 に示す。

死亡は、30 mg × 1/日群で 5 名、30 mg × 2/日群で 4 名、60 mg × 1/日群で 1 名、ワルフ

ァリン群で 3 名に認められた。

死に至った有害事象と治験薬との因果関係は、30 mg × 1/日群の急性心筋梗塞、30 mg × 2

/日群の左室不全が「ほとんど関連なし」と判定され、その他の有害事象はいずれも「関連な

し」と判定された。

表 2.7.6.13-18 死亡一覧: 欧米 NVAF P2b

薬剤群・用量 被験者番号 性別・年齢 有害事象名 (MedDRA 基本語) 重症度 因果関係

30 mg × 1 男性・54 急性心不全 重度 関連なし 女性・72 肺塞栓症 重度 関連なし 男性・72 急性心筋梗塞 重度 関連なし 女性・70 急性心筋梗塞 重度 ほとんど関連なし 男性・45 心筋線維症 重度 関連なし

30 mg × 2 男性・64 左室不全 重度 ほとんど関連なし 男性・64 頭蓋内出血 重度 関連なし 男性・62 冠動脈不全 重度 関連なし 男性・58 出血性卒中 重度 関連なし

60 mg × 1 男性・79 急性心筋梗塞 重度 関連なし ワルファリン 男性・68 心血管障害 重度 関連なし

女性・70 脳出血 大脳動脈血栓症

重度 関連なし

女性・72 脳出血 重度 関連なし MedDRA/J V.10.1

13.7.4 重篤な有害事象 死亡以外の重篤な有害事象の一覧を表 2.7.6.13-19 に示す。

死亡以外の重篤な有害事象の発現率は、30 mg × 1/日群 2.1%(5/235)、30 mg × 2/日群 5.3%

(13/244)、60 mg × 1/日群 6.4%(15/234)、60 mg × 2/日群 7.8%(14/180)、ワルファリン群

045*046*048*049*050*051*052*053*054*055*056*057*

058*

*: 新薬承認情報提供時に置き換え

Page 58: 12. DU-176b 後期第II...2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg 180 12. DU-176b 後期第II相臨床試験(非弁膜性心房細動)-非弁膜性心房細動

2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

237

3.2%(8/250)であった。

重篤な副作用と判断された事象は、エドキサバン 30 mg × 2/日群では胃腸出血が 3 名 3 件、

呼吸困難、肺塞栓症、血腫、血腫感染がそれぞれ 1 名 1 件、60 mg × 1/日群では血尿が 1 名 2

件、脳出血、ヘモグロビン減少がそれぞれ 1 名 1 件、60 mg × 2/日群では胃腸出血 2 名 2 件、

貧血、くも膜下出血、喀血、出血性胃潰瘍、不正子宮出血、血尿がそれぞれ 1 名 1 件、ワルフ

ァリン群では鼻出血が 1 名 1 件であった。30 mg × 1/日群に重篤な副作用は認められなかっ

た。

転帰が「回復したが後遺症あり」であったのは、エドキサバン群では心室細動(30 mg × 1

/日群 1 件)、肺水腫(30 mg × 1/日群 1 件)、不安定狭心症(30 mg × 2/日群 1 件)、脳出血

(60 mg × 1/日群 1 件)、虚血性脳卒中(60 mg × 2/日群 1 件)、胃癌(60 mg × 2/日群 1 件)

であり、ワルファリン群では、虚血性脳卒中 1 件であった。30 mg × 1/日群の虚血性脳卒中 1

件の転帰は未回復、30 mg × 2/日群の胃新生物 1 件の転帰は不明であった。他の重篤な有害

事象では回復が確認された。

表 2.7.6.13-19 重篤な有害事象一覧: 欧米 NVAF P2b(1/3) 薬剤群・

用量 被験者番号 性別 年齢

有害事象名 (MedDRA 基本語) 重症度 転帰 因果関係

30 mg × 1 女性 71

尿路感染 中等度 回復 関連なし 過量投与 中等度 回復 関連なし

女性 72

虚血性脳卒中 重度 未回復 関連なし

男性 72

心原性ショック 重度 回復 関連なし 心室細動 重度 回復したが後

遺症あり 関連なし

肺水腫 重度 回復したが後

遺症あり 関連なし

男性 68

不安定狭心症 重度 回復 関連なし 高血圧 重度 回復 関連なし 腸管アンギナ 中等度 回復 関連なし

男性 76

慢性閉塞性肺疾患 中等度 回復 関連なし

30 mg × 2 男性 79

胃腸出血 重度 回復 多分関連あり

男性 77

うっ血性心不全 重度 回復 関連なし 心筋症 重度 回復 関連なし

女性 70

呼吸困難 中等度 回復 多分関連あり 肺塞栓症 中等度 回復 多分関連あり

男性 60

鎖骨骨折 中等度 回復 関連なし

男性 64

不安定狭心症 中等度 回復したが後

遺症あり ほとんど関連な

し 男性

76 胃新生物 重度 不明 関連なし

女性 64

血腫 中等度 回復 関連あるかもし

れない MedDRA/J V.10.1

059*

046*

048*

062*

063*

064*

065*

066*

067*

051*

069*

070*

*: 新薬承認情報提供時に置き換え

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

238

表 2.7.6.13-19 重篤な有害事象一覧: 欧米 NVAF P2b(2/3) 薬剤群・

用量 被験者番号 性別 年齢

有害事象名 (MedDRA 基本語) 重症度 転帰 因果関係

30 mg × 2 (つづき)

女性 61

糖尿病性ニューロパシー 中等度 回復 ほとんど関連な

し 糖尿病性血管障害 中等度 回復 ほとんど関連な

し 男性

63 血腫感染 中等度 回復 明らかに関連あ

り 女性

75 胃腸出血 中等度 回復 多分関連あり

女性 61

慢性胆嚢炎 重度 回復 関連なし

女性 72

一過性脳虚血発作 重度 回復 関連なし

女性 83

胃腸出血 中等度 回復 多分関連あり

60 mg × 1 男性 57

脳出血 重度 回復したが後

遺症あり 関連あるかもし

れない 男性

80 不安定狭心症 中等度 回復 関連なし

女性 64

浮動性めまい 軽度 回復 ほとんど関連な

し 女性

74 心筋梗塞 中等度 回復 関連なし

男性 59

心不全 重度 回復 関連なし

男性 70

血尿 軽度 回復 多分関連あり 血尿 軽度 回復 多分関連あり

男性 52

ヘモグロビン減少 軽度 回復 多分関連あり

男性 61

不安定狭心症 中等度 回復 ほとんど関連な

し 男性

74 不安定狭心症 中等度 回復 関連なし

男性 69

高血圧 軽度 回復 関連なし

男性 79

腸閉塞 重度 回復 関連なし

男性 69

心筋梗塞 中等度 回復 ほとんど関連な

し 男性

61 心筋梗塞 中等度 回復 関連なし

男性 64

大動脈瘤 重度 回復 関連なし

男性 58

急性肺水腫 重度 回復 関連なし

60 mg × 2 女性 79

心房細動 軽度 回復 関連なし

男性 70

貧血 重度 回復 関連あるかもし

れない 男性

66 くも膜下出血 中等度 回復 明らかに関連あ

り MedDRA/J V.10.1

071*

072*

073*

074*

075*

076*

077*

078*

079*

080*

081*

082*

083*

084*

085*

086*

055*

088*

089*

090*

091*

092*

093*

094*

*: 新薬承認情報提供時に置き換え

Page 60: 12. DU-176b 後期第II...2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg 180 12. DU-176b 後期第II相臨床試験(非弁膜性心房細動)-非弁膜性心房細動

2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

239

表 2.7.6.13-19 重篤な有害事象一覧: 欧米 NVAF P2b(3/3) 薬剤群・

用量 被験者番号 性別 年齢

有害事象名 (MedDRA 基本語) 重症度 転帰 因果関係

60 mg × 2 (つづき)

男性 82

胃腸出血 中等度 回復 関連あるかもし

れない 胃十二指腸潰瘍 中等度 回復 ほとんど関連な

し 女性

71 喀血 中等度 回復 多分関連あり

男性 60

胃潰瘍 中等度 回復 ほとんど関連な

し 出血性胃潰瘍 中等度 回復 多分関連あり

男性 67

うっ血性心不全 軽度 回復 関連なし

男性 79

虚血性脳卒中 重度 回復したが後

遺症あり ほとんど関連な

し 女性

52 不正子宮出血 中等度 回復 関連あるかもし

れない 男性

60 虚血性脳卒中 軽度 回復 ほとんど関連な

し 男性

53 不安定狭心症 中等度 回復 ほとんど関連な

し 男性

65 血尿 中等度 回復 多分関連あり

男性 60

コントロール不良の糖尿病 重度 回復 関連なし

男性 67

胃腸出血 重度 回復 多分関連あり 胃癌 重度 回復したが後

遺症あり 関連なし

ワルファ リン

女性 57

鼻出血 重度 回復 関連あるかもし

れない 男性

72 感音性難聴 重度 回復 関連なし

女性 71

虚血性脳卒中 重度 回復 関連なし

女性 67

一過性脳虚血発作 中等度 回復 関連なし

女性 69

糖尿病 中等度 回復 関連なし

女性 72

虚血性脳卒中 重度 回復したが後

遺症あり 関連なし

女性 60

上肢骨折 中等度 回復 関連なし

女性 73

虚血性脳卒中 重度 回復 関連なし

MedDRA/J V.10.1

13.7.5 重要な有害事象 死亡、重篤な有害事象以外で中止の原因となった有害事象一覧を表 2.7.6.13-20 に示す。

中止の原因となった有害事象は、エドキサバン 30 mg × 1/日群 9 名 9 件、30 mg × 2/日群

1 名 1 件、60 mg × 1/日群 8 名 8 件、60 mg × 2/日群 5 名 5 件、ワルファリン群 4 名 4 件であ

った。

治験中止の原因となった有害事象のうち副作用と判断されたのは、30 mg × 1/日群の医薬

095*

096*

097*

098*

099*

100*

101*

102*

103*

104*

105*

106*

107*

108*

109*

110*

111*

112*

113*

*: 新薬承認情報提供時に置き換え

Page 61: 12. DU-176b 後期第II...2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg 180 12. DU-176b 後期第II相臨床試験(非弁膜性心房細動)-非弁膜性心房細動

2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

240

品副作用、肝酵素上昇、びらん性胃炎、肝障害が各 1 件、30 mg × 2/日群のアレルギー性皮

膚炎 1 件、60 mg × 1/日群の貧血、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、血尿、γ-

グルタミルトランスフェラーゼ増加、上腹部痛が各 1 件、60 mg × 2/日群の血腫、アラニン・

アミノトランスフェラーゼ増加、血尿、アレルギー性皮膚炎、好中球減少症、不正子宮出血が

各 1 件、ワルファリン群の喀血、着色尿、血尿、血中クレアチニン増加が各 1 件であった。

60 mg × 1/日群の腎新生物と 60 mg × 2/日群の血尿、不正子宮出血は転帰が未回復であっ

たが、他の中止の原因となった有害事象は、回復又は軽快が確認された。

表 2.7.6.13-20 中止の原因となった有害事象一覧: 欧米 NVAF P2b(1/2)

薬剤群・用量 被験者番号 性別 年齢

有害事象名 (MedDRA 基本語) 重症度

転帰 因果関係

30 mg × 1 女性 66

異常感 重度 回復 関連なし

男性 59

医薬品副作用 中等度 回復 多分関連あり

男性 50

肝酵素上昇 軽度 回復 多分関連あり

男性 71

慢性膵炎 軽度 軽快 ほとんど関連なし

男性 52

アスパラギン酸アミノトランス

フェラーゼ増加 軽度 回復

関連なし 男性

60 乾癬 中等度 回復

ほとんど関連なし 男性

66 びらん性胃炎 軽度 回復

多分関連あり 男性

77 慢性リンパ性白血病 中等度 軽快

関連なし 男性

67 肝障害 中等度 回復

多分関連あり 30 mg × 2 女性

66 アレルギー性皮膚炎 軽度 回復

多分関連あり 女性

61 慢性胆嚢炎 中等度 軽快

ほとんど関連なし 60 mg × 1 男性

72 貧血 中等度 回復

関連あるかもしれない 女性

54 アスパラギン酸アミノトランス

フェラーゼ増加 中等度 回復

多分関連あり 男性

59 血尿 中等度 回復

多分関連あり MedDRA/J V.10.1

114*

115*

116*

117*

118*

119*

120*

121*

122*

123*

074*

124*

125*

081*

*: 新薬承認情報提供時に置き換え

Page 62: 12. DU-176b 後期第II...2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg 180 12. DU-176b 後期第II相臨床試験(非弁膜性心房細動)-非弁膜性心房細動

2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

241

表 2.7.6.13-20 中止の原因となった有害事象一覧: 欧米 NVAF P2b(2/2)

薬剤群・用量 被験者番号 性別 年齢

有害事象名 (MedDRA 基本語) 重症度

転帰 因果関係

60 mg × 1 (つづき)

男性 70

腎新生物 中等度 未回復 関連なし

男性 69

γ-グルタミルトランスフェラーゼ

増加 軽度 回復

関連あるかもしれない 男性

55 腹痛 軽度 回復

関連なし 女性

66 上腹部痛 中等度 軽快

多分関連あり 男性

52 甲状腺機能亢進症 軽度 軽快

関連なし 60 mg × 2 男性

77 血腫 重度 軽快

多分関連あり 女性

75 気道感染 軽度 回復

ほとんど関連なし 男性

70 アラニン・アミノトランスフェラ

ーゼ増加 軽度 回復

関連あるかもしれない 女性

72 靱帯捻挫 軽度 回復

関連なし 男性

70 血尿 中等度 未回復

多分関連あり 男性

61 アレルギー性皮膚炎 軽度 回復

明らかに関連あり 女性

69 好中球減少症 軽度 回復

関連あるかもしれない 女性

52 不正子宮出血 重度 未回復

関連あるかもしれない ワルファリン 男性

79 喀血 軽度 回復

関連あるかもしれない 女性

61 着色尿 軽度 回復

明らかに関連あり 男性

68 血尿 中等度 回復

関連あるかもしれない 男性

58 血中クレアチニン増加 中等度 回復

関連あるかもしれない MedDRA/J V.10.1

13.7.6 臨床検査値の評価 副作用と判断された臨床検査値異常のうち、エドキサバン群で 5 名以上に認められたのは、

アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、

及び γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加であった。ワルファリン群では、INR 増加及びプロ

トロンビン時間延長が多く認められた。

その他の臨床検査項目で特記すべき事項は認められなかった。

082*

126*

127*

128*

129*

130*

131*

093*

132*

133*

134*

135*

100*

136*

137*

138*

139*

*: 新薬承認情報提供時に置き換え

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

242

13.7.7 肝機能検査値の異常に関する集計 肝酵素値及び総ビリルビンの異常値発現率を表 2.7.6.13-21 に示す。

ALT(GPT)又は AST(GOT)が基準値上限 3 倍以上となった被験者は、各投与群で 2~7

名(0.9~3.1%)であった。総ビリルビンが基準値上限 2 倍以上となった被験者は、各投与群

で 1~5 名(0.4~2.9%)であった。

ALT(GPT)又は AST(GOT)が基準値上限 3 倍以上で、かつ総ビリルビンが基準値上限 2

倍以上となった被験者は 2 名認められた。このうち 1 名(30 mg × 2/日群)は、Day 2 から自

覚症状を伴う急性胆嚢炎を発症し、乳頭切開術及び砕石術の施行により回復した。他の 1 名

(60 mg × 2/日群)は、断続的な低血圧を伴う心不全などの複数の症状を有しており、Day 31

に貧血のため入院した。ALT(GPT)及び AST(GOT)が基準値上限の 2 倍未満ではあったも

のの上昇しており、治験薬投与を中断した。Day 38 から治験薬の投与を再開し、Day 42 に ALT

(GPT)、AST(GOT)、総ビリルビン、及び ALP が顕著に上昇したため、治験薬の投与を中

止した。この被験者では総胆管の拡張が認められた。これら 2 名の被験者は、ALT(GPT)、

AST(GOT)、及び総ビリルビンの上昇と同時にALP も施設基準値の 3倍以上に上昇しており、

胆汁うっ滞が示唆された。

表 2.7.6.13-21 肝酵素値及び総ビリルビンの異常値発現率: 欧米 NVAF P2b

投与群 エドキサバン ワルファ

リン 30 mg × 1 30 mg × 2 60 mg × 1 60 mg × 2 項目 評価被験者数 a 230 235 229 172 245

ALT 基準値上限 3 倍以上

発現被験者数(%) 3(1.3) 2(0.9) 6(2.6) 3(1.7) 3(1.2) 95%CI b(%) 0.3, 3.8 0.1, 3.0 1.0, 5.6 0.4, 5.0 0.3, 3.5

AST(GOT) 基準値上限 3 倍以上

発現被験者数(%) 2(0.9) 2(0.9) 3(1.3) 2(1.2) 2(0.8) 95%CI b(%) 0.1, 3.1 0.1, 3.0 0.3, 3.8 0.1, 4.1 0.1, 2.9

ALT or AST 基準値上限 3 倍以上

発現被験者数(%) 3(1.3) 2(0.9) 7(3.1) 3(1.7) 4(1.6) 95%CI b(%) 0.3, 3.8 0.1, 3.0 1.2, 6.2 0.4, 5.0 0.4, 4.1

総ビリルビン 基準値上限 2 倍以上

発現被験者数(%) 2(0.9) 3(1.3) 1(0.4) 5(2.9) 4(1.6) 95%CI b(%) 0.1, 3.1 0.3, 3.7 0.0, 2.4 1.0, 6.7 0.4, 4.1

AST or ALT 基準値上限 3 倍以上かつ 総ビリルビン基準値上限 2 倍以上

0 1(0.4) 0 1(0.6) 0

a: 安全性解析対象集団のうち、関係する臨床データが利用可能な被験者 b: Clopper-Pearson 型の CI

13.8 結論 エドキサバンの安全性プロファイルは、1日 2回投与よりも1日1回投与の方が優れていた。

60 mg × 2/日群と 30 mg × 2/日群はいずれも、大出血又は臨床的に重要な出血の発現率がワ

ルファリン群よりも高かった。60 mg × 1/日群では、出血性イベント(大出血、臨床的に重

要な出血、及び小出血)発現率、及び大出血、臨床的に重要な出血それぞれでの発現率がワル

ファリン群と同程度であった。30 mg × 1/日群では、出血性イベント発現率がワルファリン

群よりも低く、大出血又は臨床的に重要な出血の発現率はワルファリン群と同程度であった。

肝酵素及びビリルビンの異常値の評価では、臨床的に重要な薬剤誘発性肝細胞障害を示唆す

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

243

る結果は認められなかった。

死亡はいずれも心筋梗塞、冠動脈疾患、心不全、肺塞栓症、又は突然死といった心血管系の

病態に起因するものであった。

以上より、エドキサバン 30 mg 1 日 1 回投与、及び 60 mg 1 日 1 回投与は、ワルファリンと

同様に忍容性が良好であった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

244

14. A phase 2, randomized, parallel group, multi-center, multi-national study for the evaluation of safety and efficacy of two fixed dosages of DU-176b in subjects with non-valvular atrial fibrillation

··························································· 資料番号 5.3.5.1-4

14.1 治験方法 表 2.7.6.14-1 に試験方法の概略を示す。

表 2.7.6.14-1 試験方法の概略: アジア NVAF P2b(1/3) 治験の目的 主要評価項目:

NVAF 患者を対象として、ワルファリンナトリウムを対照薬に、各エドキサバン投

与群(30 mg 1 日 1 回、60 mg 1 日 1 回)の出血性イベント(大出血、臨床的に重要

な出血、小出血)発現率を比較する。 副次評価項目:

• 重大な心血管系イベント(MACE)(虚血性又は出血性脳卒中、全身性塞栓症、

心筋梗塞、心血管死、他の心疾患による入院)の発現率 • 血栓形成のバイオマーカー(D-dimer、F1+2、及び TAT)に対する効果 • 血漿中エドキサバン濃度 • 薬力学的指標(PT、INR、及び APTT)に対する効果 • 有害事象及び臨床検査値

治験責任医師名 実施医療機関

、他 24 名 、他 24 施設

試験実施期間 2007 年 10 月 日(最初の被験者の同意取得日)~2008 年 10 月 日(最終観察日) 選択基準・除外基

準 1. 選択基準

1) 18 歳以上 80 歳未満の男女 2) 治験参加を文書により同意した者 3) 無作為化前 6 ヵ月以内に AF を示す心電図異常が 2 回(1 週間を超える間隔

を開けて)記録された NVAF 患者 4) CHADS2(うっ血性心不全、高血圧症、年齢、糖尿病、脳卒中既往)スコア

が 1 点以上(脳卒中のリスクが中等度以上であることを意味する)

2. 除外基準 1) 僧帽弁疾患を有する者 2) 心臓弁手術の既往を有する者 3) 機械弁又は生体弁を使用している者 4) 抗凝固薬(ワルファリンのような VKA を含む)が禁忌である者 5) 遺伝性又は後天性の出血性疾患又は凝固障害を有するか、又はその疑いがあ

る者 6) 出血リスクの高い病態を有する者、すなわち、頭蓋内出血、眼球内出血、脊

髄出血、後腹膜出血、関節内出血の既往歴、スクリーニング前 1 年以内の明

らかな消化管出血、スクリーニング前 3 ヵ月以内の活動性潰瘍、スクリーニ

ング時の活動性出血、スクリーニング前 30 日以内の外傷又は手術、コント

ロール不良の高血圧(収縮期血圧が 180 mmHg を超える、かつ/又は拡張期

血圧が 100 mmHg を超える)、コントロール不良の糖尿病、出血性疾患、著

明な血小板減少を有する者 7) 抗血小板薬(クロピドグレル、チクロピジンなど)による継続的な治療を要

する者 8) 可逆的な疾患(甲状腺中毒症など)に起因した AF

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

245

表 2.7.6.14-1 試験方法の概略: アジア NVAF P2b(2/3) 選択基準・除外基

準(つづき) 9) 過去 30 日以内に、急性冠動脈症候群もしくは経皮的冠動脈インターベンシ

ョン(ステント使用の有無は問わない)、心筋梗塞、脳卒中、TIA、冠動脈に

対する手術もしくは他の心臓手術、又はその他の大手術を受けたか、チエノ

ピリジンを用いた長期の抗血小板療法を要すると予想される者 10) 活動性感染性心内膜炎を有する者 11) 左室瘤又は心房粘液腫の診断 12) 臨床的に重要な併存疾患のために本試験の要求事項を完了できないと治験

責任医師が判断した者 13) 疾患又は病気のために推定余命が 12 ヵ月未満である者 14) 本試験期間中に侵襲的処置又は手術を計画している者 15) HIV 陽性の既往 16) 以下に該当する肝機能障害

i) AST(GOT)が ULN の 2 倍以上 ii) ALT(GPT)が ULN の 2 倍以上 iii) ALP が ULN の 2 倍を超える。 iv) 総ビリルビンが ULN の 2 倍を超える。

17) 腎臓機能障害(血清クレアチニンが 1.5 mg/dL 以上) 18) ヘモグロビンが 10 g/dL 未満、又は血小板数が 100000/μL 未満 19) スクリーニング前 6 ヵ月以内に何らかの治験薬もしくは治験用医療機器を使

用したか、又は本試験期間中にそのような試験治療を受ける予定がある者 20) 体重が 40 kg 未満 21) 過去にエドキサバンの試験に参加 22) 治験実施計画書を遵守できない可能性がある者 23) 効果的な避妊法を用いていない妊娠可能な女性、又は妊娠中もしくは授乳中

の女性 治験デザイン エドキサバン 30 mg/日及び 60 mg/日の 2 用量について二重盲検とし、ワルファリ

ンをオープンラベルの対照群とした 3 群による多国籍(台湾、韓国、香港、シンガポ

ール)多施設共同無作為化用量比較試験 被験者数

エドキサバン

ワルファリン 合計 30 mg 60 mg

無作為化した被験者 79 80 76 235 治験薬投与被験者 79 80 75 234 完了被験者 70 68 69 207 中止被験者 9 12 7 28 FAS 79 80 75 234 PPS 71 68 65 204 安全性解析対象集団 79 80 75 234

治験薬 エドキサバン錠 15 mg(ロット番号 DU-176b-C-J226-1) プラセボ錠(ロット番号 DU-176b-C-J226-1) ワルファリンナトリウム錠 1 mg(ロット番号 7C35252A)

用法・用量 投与期間

エドキサバン 30 mg 又は 60 mg を 1 日 1 回、もしくはワルファリンを INR が 2.0 以上

3.0 以下に維持されるように用量を調整して 1 日 1 回、3 ヵ月間経口投与した。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

246

表 2.7.6.14-1 試験方法の概略: アジア NVAF P2b(3/3) 評価項目 1. 主要評価項目

出血性イベント(大出血、臨床的に重要な出血、小出血)の発現率 2. 副次評価項目

24) MACE(虚血性又は出血性脳卒中、全身性塞栓症、心筋梗塞、心血管死、心

疾患による入院)の発現率 25) バイオマーカー(D-dimer、F1+2、及び TAT)の推移 26) 血漿中エドキサバン濃度 27) 薬力学的指標(PT、INR、及び APTT)の推移 28) 有害事象及び臨床検査値

評価スケジュール 表 2.7.6.14-2 参照 統計解析手法 1. バイオマーカー及び薬力学的指標の解析

群間比較には 2 標本 t 検定を用いた。 2. 安全性の解析

エドキサバン群を対象として、主要な出血性イベント又は出血性イベントを目的変

数、投与量及び被験者背景因子などを説明変数としたロジスティック回帰モデルを

用いて、ステップワイズ法による変数選択(組み入れ基準、除外基準とも両側 0.15)を行い、出血性イベントの予後因子を探索的に検討した。

14.1.1 被験者数の設定根拠 安全性の主要目的(大出血、臨床的に重要な大出血以外の出血、及び小出血のイベントの評

価)に基づいて、被験者数を決定した。

キシメラガトランなどの抗 FXa 薬の試験結果 12) 14)を参考に、ワルファリン群でのすべての

出血性イベント(大出血、臨床的に重要な大出血以外の出血、及び小出血)の発現率を 10%、

エドキサバンでの発現率をどちらの用量もこれと同等であると仮定した。

主要解析として、発現率の差を、スコア法に基づく 95%CI により推定する。CI の上限値か

ら下限値までの差の 1/2 が 10%を超えないためには、各群 82 名が必要である。脱落率を 20%

と推定し、各群で評価可能な被験者が 82 名以上となるように、各群約 100 名を登録すること

とした。

14.1.2 用法・用量の設定根拠 NVAF 患者を対象とした 2 つの第 II 相試験(日本 NVAF P2a[5.3.5.2-1]及び日本 NVAF P2a

低用量[5.3.5.2-2]参照)では、エドキサバン 5~120 mg/日投与により、用量増加に伴って

出血のリスクが増加した。D-dimer、F1+2、及び TAT を含めバイオマーカーは、30 mg/日で

明らかに減少したが、60 mg/日ではそれ以上の減少は認められなかった。以上の結果より、

これら 2 つの用量に設定した。

ワルファリンの用量は、ACC/AHA/ESC 心房細動患者管理ガイドライン 200615)及び心房細

動治療(薬物)ガイドライン(2006 年改訂版)13)で推奨されている用量に設定した。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

247

表 2.7.6.14-2 評価スケジュール: アジア NVAF P2b

時期 スクリー

ニング 投与前/ 無作為 割付

治療期 投与 a 終了時 事後検査

Day ≤ 30 1 b 14 28 56 84 投与終了

30 日後 投与終了

60 日後

同意取得 ●

選択基準/除外基準 ● ●

被験者背景 ●

診察 ●c ● ● ● ● ● ● ●

バイタルサイン d ● ● ● ● ● ● ● ● 12 誘導心電図 ● ● ● ● ● 臨床検査 ●e ● ● ● ● ● ● ●

妊娠検査 f ● ● ●

有害事象 ● ● ● ● ● ● ●

前治療/併用薬 g ●h ● ● ● ● ● ● ●

施設内での治験薬投与 i ●j ●k ●k

服薬遵守状況 ● ●l ●l ●

バイオマーカー ● ●m ● ● ● ●

薬力学的指標(ワルファリン

群、院内測定)n ● ● ● ● ●

薬力学的指標(中央測定)o ● ●m ● ● ● ●

血漿中薬物濃度(エドキサバ

ン群) ●p ●q

食事時刻 ●k ●k

a: 中止時は投与終了時と同様とした。 b: 投与開始日を Day 1 とした。 c: スクリーニング時に身長、体重を測定した。 d: 座位血圧、脈拍数、呼吸数、体温 e: HBs 抗原、HCV 抗体検査を含む。また、ワルファリンによる予防的治療を受けている被験者では PT、INR、

及び APTT を含む。 f: 妊娠可能な女性に対してスクリーニング時と投与終了時又は中止時に血清検査を、投与前に尿検査を実施

した。 g: 前治療薬はスクリーニング時のみ、併用薬は各来院時に記録した。 h: スクリーニング前 30 日以内の薬剤を調査した。 i: 来院時及びその 2 回前までの実際の服薬時刻を記録した。 j: すべての被験者に対して実施した。 k: エドキサバン群のみで実施した。 l: 治験薬処方のある来院日に未使用薬を回収して残薬を確認した。 m: 投与前に採血した。エドキサバン群については投与後 1~3 時間にも採血した。 n: ワルファリンの用量調整のため、投与前に採血した。 o: 薬力学的指標の評価のため、投与前に採血した。 p: PK 解析のため、投与前と投与後 1~3 時間にも採血した。 q: PK 解析のため、投与前に採血した。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

248

14.2 被験者背景 安全性解析対象集団での被験者背景を表 2.7.6.14-3 に示す。

エドキサバン 30 mg 群の糖尿病とうっ血性心不全の罹患率が、他の群とやや異なったものの、

CHADS2 スコアでは投与群間に差は認められなかった。他の被験者背景には、投与群間で差は

認められなかった。

表 2.7.6.14-3 被験者背景(安全性解析対象集団): アジア NVAF P2b

項目(単位) エドキサバン

ワルファリン n = 75 30 mg

n = 79 60 mg n = 80

年齢(歳) 算術平均値(SD) 64.9(9.12) 65.9(7.71) 64.5(9.51) 性別 男性 51(64.6) 55(68.8) 47(62.7)

女性 28(35.4) 25(31.3) 28(37.3) 体重 算術平均値(SD) 70.5(11.6) 71.5(12.1) 68.1(12.1)

≤ 60 kg 15(19.0) 16(20.0) 20(26.7) > 60 kg 64(81.0) 64(80.0) 55(73.3)

塞栓症の危険 因子あり

高血圧 56(70.9) 59(73.8) 52(69.3) 糖尿病 30(38.0) 22(27.5) 17(22.7) うっ血性心不全 18(22.8) 25(31.3) 24(32.0) TIA 又は脳梗塞の既往 21(26.6) 19(23.8) 17(22.7) 年齢 75 歳以上 12(15.2) 9(11.3) 10(13.3)

CHADS2 スコア 算術平均値(SD) 2.0(1.10) 1.9(1.03) 1.8(1.10) ワルファリンによ

る予防的治療 有 40(50.6) 40(50.0) 41(54.7) 無 39(49.4) 40(50.0) 34(45.3)

CLCR < 50 mL/min 12(15.2) 14(17.5) 16(21.3) ≥ 50 mL/min 67(84.8) 66(82.5) 59(78.9)

算術平均値(SD)もしくは該当被験者数(%)

14.3 有効性: 重大な心血管系イベント 重大な心血管系イベント(MACE)は、30 mg 群に 2 件、60 mg 群に 3 件、ワルファリン群

に 1 件認められた。60 mg 群の 1 件は心血管死であり、他の MACE はいずれも心疾患による

入院であった。

14.4 薬力学的指標の推移 薬力学的指標の推移を表 2.7.6.14-4 に示す。

INR の投与前からの変化量は、4 週目と 8 週目のトラフではエドキサバン 15 mg 群と 30 mg

群に差が認められなかったが、4 週目の服薬後 1~3 時間では 15 mg 群よりも 30 mg 群で大き

かった。ただし、いずれの群もバラツキが大きかった。

PT 及び APTT も同様の傾向であった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

249

表 2.7.6.14-4 薬力学的指標の推移: アジア NVAF P2b

項目(単位) 投与群 投与前 投与 28 日目(治療期 4 週目) 投与 56 日目

(治療期 8週目) トラフ 服薬後 1~3 h

PT(sec)

30 mg 79 61 60 67

17.09(11.853) 13.86(9.766) 17.51(8.751) 14.75(11.752)

60 mg 80 67 67 67

17.69(12.299) 15.81(14.154) 19.35(4.563) 17.31(16.417)

ワルファリン 74 69 ― 70

17.40(11.618) 21.95(10.088) ― 22.54(10.878)

INR

30 mg 77 60 59 65

1.98(1.590) 1.42(1.517) 2.09(0.760) 1.34(0.498)

60 mg 78 64 67 63

2.15(2.342) 1.35(0.452) 2.80(1.182) 1.50(1.067)

ワルファリン 73 69 ― 70

2.38(3.406) 3.80(3.911) ― 4.08(4.168)

APTT(sec)

30 mg 79 61 60 67

46.18(31.639) 40.35(27.998) 48.44(22.082) 41.53(28.945)

60 mg 80 67 67 67

45.81(32.701) 44.72(35.516) 49.83(11.371) 50.73(45.772)

ワルファリン 74 69 ― 70

48.57(35.071) 55.95(28.176) ― 56.84(26.149) 上段: 被験者数 下段: 算術平均値(SD) ―: 該当せず

14.5 バイオマーカーの推移 バイオマーカーの推移を表 2.7.6.14-5 に示す。

エドキサバン群では、投与期間中、用量増加に伴う D-dimer 平均値の低下傾向が認められた

ものの、いずれの群もバラツキが大きかった。F1+2 及び TAT についても、エドキサバン投与

期間中に低下傾向が認められた。

表 2.7.6.14-5 バイオマーカーの推移: アジア NVAF P2b(1/2)

項目(単位) 投与群 投与前 投与 28 日目(治療期 4 週目) 投与 56 日目

(治療期 8 週目) トラフ 服薬後 1~3 h

D-dimer (μg/mL)

30 mg 79 61 60 67

0.493(0.4471) 0.406(0.3125) 0.415(0.3075) 0.411(0.2434)

60 mg 80 67 67 67

0.404(0.3221) 0.337(0.4545) 0.321(0.3150) 0.318(0.2542)

ワルファリン 74 69 ― 70

0.391(0.3593) 0.277(0.1854) ― 0.273(0.2269)

F1+2 (pmol/L)

30 mg 79 61 60 67

179.3(222.566) 178.0(198.42) 181.5(237.88) 161.1(188.44)

60 mg 80 67 67 67

199.4(264.23) 180.4(230.22) 151.3(191.60) 146.2(123.97)

ワルファリン 74 69 ― 70

153.4(173.14) 73.1(64.51) ― 79.5(142.08) 上段: 被験者数 下段: 算術平均値(SD) ―: 該当せず

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

250

表 2.7.6.14-5 バイオマーカーの推移: アジア NVAF P2b(2/2)

項目(単位) 投与群 投与前 投与 28 日目(治療期 4 週目) 投与 56 日目

(治療期 8 週目) トラフ 服薬後 1~3 h

TAT(ng/mL)

30 mg 79 61 60 67

4.22(9.914) 3.58(9.054) 1.70(1.446) 1.78(1.403)

60 mg 80 67 67 67

4.64(10.362) 2.58(3.063) 1.81(1.791) 2.17(2.597)

ワルファリン 74 69 ― 70

3.38(8.481) 2.58(7.633) ― 1.29(0.698) 上段: 被験者数 下段: 算術平均値(SD) ―: 該当せず

14.6 安全性 14.6.1 出血性イベント 14.6.1.1 大出血発現率

投与開始日から投与終了翌日までの大出血の発現率を表 2.7.6.14-6 に示す。

大出血の発現率はワルファリン群で 2.7%(2/75)であり、エドキサバン 30 mg 群及び 60 mg

群では大出血は認められなかった。

ワルファリン群の 2 名で発現した大出血は、上部消化管出血及び網膜出血であり、それぞれ

「致死的な出血」及び「眼内出血」に分類された。

事後検査終了までの大出血の発現率は、投与終了翌日までの発現率と同じであった。

表 2.7.6.14-6 投与開始日から投与終了翌日までの大出血の発現率: アジア NVAF P2b

エドキサバン

ワルファリン n = 75 30 mg

n = 79 60 mg n = 80

発現被験者数(%) 0(0.0) 0(0.0) 2(2.7) 95%CI(%)a (0.0, 4.6) (0.0, 4.6) (0.7, 9.2) ワルファリン群との割合差(%)b −2.7 −2.7 ― 差の 95%CI(%)a (−9.2, 2.4) (−9.2, 2.3) ―

a: Score 法による 95%CI b: ワルファリン群との割合差 = エドキサバン群の発現率 − ワルファリン群の発現率

14.6.1.2 臨床的に重要な出血発現率

投与開始日から投与終了翌日までの臨床的に重要な出血の発現率を表 2.7.6.14-7 に、臨床的

に重要な出血の内訳を表 2.7.6.14-8 に示す。

臨床的に重要な出血の発現率は、エドキサバン 60 mg 群で 7.5%(6/80)、ワルファリン群で

4.0%(3/75)であり、エドキサバン 30 mg 群では臨床的に重要な出血は認められなかった。

60 mg 群で発現した臨床的に重要な出血は、歯肉出血が 4 件、血尿が 2 件、変色便が 1 件で

あった。ワルファリン群で発現した臨床的に重要な出血は、直腸出血、痔出血、結膜出血、血

尿が各 1 件であった。

事後検査終了までの臨床的に重要な出血の発現率は、エドキサバン 30 mg 群で 1.3%(1/79)

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

251

であった他は、投与終了翌日までの発現率と同じであった。

表 2.7.6.14-7 投与開始日から投与終了翌日までの臨床的に重要な出血の発現率: アジア

NVAF P2b

エドキサバン

ワルファリン n = 75 30 mg

n = 79 60 mg n = 80

発現被験者数(%) 0(0.0) 6(7.5) 3(4.0) 95%CI(%)a (0.0, 4.6) (3.5, 15.4) (1.4, 11.1) ワルファリン群との割合差(%)b −4.0 3.5 ― 差の 95%CI(%)a (−11.1, 1.3) (−4.7, 11.8) ―

a: Score 法による 95%CI b: ワルファリン群との割合差 = エドキサバン群の発現率 − ワルファリン群の発現率

表 2.7.6.14-8 投与開始日から投与終了翌日までの臨床的に重要な出血の内訳: アジア NVAF

P2b

エドキサバン

ワルファリン n = 75 30 mg

n = 79 60 mg n = 80

重篤な有害事象として報告された大出血以外の出血性イ

ベント 0 1 0

治験薬投与の中止に至った出血 0 3 2 経過観察を要する肉眼的血尿又は尿道出血 0 2 1 外的な要因がなく発現した胃腸出血又は直腸出血 0 1 1 外的な要因がなく発現し、5 分以上継続する耳鼻咽喉出血

あるいは歯肉の出血 0 2 0

その他、治験責任医師又は治験分担医師、もしくはイベン

ト評価委員会が臨床的に重要な出血と判断した出血 0 1 0

重複集計あり

14.6.1.3 大出血又は臨床的に重要な出血発現率

投与開始日から投与終了翌日までの大出血又は臨床的に重要な出血の発現率を表 2.7.6.14-9

に示す。

大出血又は臨床的に重要な出血の発現率は、エドキサバン 60 mg 群で 7.5%(6/80)、ワルフ

ァリン群で 6.7%(5/75)であり、エドキサバン 30 mg 群では大出血又は臨床的に重要な出血

は認められなかった。

事後検査終了までの大出血又は臨床的に重要な出血の発現率は、エドキサバン 30 mg 群で

1.3%(1/79)であった他は、投与終了翌日までの発現率と同じであった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

252

表 2.7.6.14-9 投与開始日から投与終了翌日までの大出血又は臨床的に重要な出血の内訳: ア

ジア NVAF P2b

エドキサバン

ワルファリン n = 75 30 mg

n = 79 60 mg n = 80

大出血又は 臨床的に重要な

出血発現率

発現被験者数(%) 0(0.0) 6(7.5) 5(6.7) 95%CI(%)a (0.0, 4.6) (3.5, 15.4) (2.9, 14.7) ワルファリン群との割合差(%)b −6.7 0.8 ― 差の 95%CI(%)a (−14.7, −0.7) (−8.1, 9.6) ―

a: Score 法による 95%CI b: ワルファリン群との割合差 = エドキサバン群の発現率 − ワルファリン群の発現率

14.6.1.4 出血性イベントの発現率

投与開始日から投与終了翌日までの出血性イベント発現率を表 2.7.6.14-10 に示す。

出血性イベント(大出血、臨床的に重要な出血、及び小出血)の発現率は、エドキサバン

30 mg 群で 20.3%(16/79)、60 mg 群で 23.8%(19/80)、ワルファリン群で 29.3%(22/75)であ

った。

ワルファリン群に対する各エドキサバン群の出血性イベントのハザード比(95%CI)は、

30 mg 群で 0.660(0.347~1.256)、60 mg 群で 0.846(0.458~1.563)であった。

事後検査終了までの出血性イベントの発現率は、エドキサバン 30 mg 群で 25.3%(20/79)、

60 mg 群で 30.0%(24/80)、ワルファリン群で 34.7%(26/75)であった。

表 2.7.6.14-10 投与開始日から投与終了翌日までの出血性イベントの発現率: アジア NVAF

P2b

エドキサバン

ワルファリン n = 75 30 mg

n = 79 60 mg n = 80

出血性 イベント

発現被験者数(%) 16(20.3) 19(23.8) 22(29.3) 95%CI(%)a (12.9, 30.4) (15.8, 34.1) (20.2, 40.4) ワルファリン群との割合差(%)b −9.1 −5.6 ― 差の 95%CI(%)a (−22.4, 4.5) (−19.3, 8.2) ―

出血性イベント: 大出血、臨床的に重要な出血、及び小出血 a: Score 法による 95%CI b: ワルファリン群との割合差 = エドキサバン群の発現率 − ワルファリン群の発現率

14.6.1.5 出血性イベントの予後因子の探索

エドキサバン群を対象として、主要な出血性イベント又は出血性イベントを目的変数、投与

量及び被験者背景因子などを説明変数としたロジスティック回帰モデルを用いて、ステップワ

イズ法による変数選択(組み入れ基準、除外基準とも両側 0.15)を行い、出血性イベントの予

後因子を探索的に検討したところ、出血性イベントと関連が強い因子として体重(60 kg 以下、

60 kg 超)が選択された。

体重(60 kg 以下、60 kg 超)別の出血性イベントの発現率を図 2.7.6.14-1 に示す。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

254

表 2.7.6.14-11 有害事象発現状況: アジア NVAF P2b(1/6)

投与群 エドキサバン

ワルファリン 30 mg 60 mg

評価被験者数 79 80 75 発現被験者数(%) 62(78.5) 65(81.3) 59(78.7)

95%CI(%)a (68.2, 86.1) (71.3, 88.3) (68.1, 86.4) ワルファリン群との発現率の差(%)b −0.2 2.6 ―

発現率の差の 95%CI(%)a (−13.1, 12.8) (−10.0, 15.3) ―

発現件数 177 205 148

器官別大分類 基本語 被験者数(%) 血液および リンパ系障害

貧血 1(1.3) 0(0.0) 1(1.3)

心臓障害 狭心症 1(1.3) 1(1.3) 0(0.0) 冠動脈硬化症 0 1(1.3) 0

徐脈 0 0 1(1.3) 心不全 0 2(2.5) 2(2.7) うっ血性心不全 1(1.3) 0 1(1.3) 冠動脈疾患 1(1.3) 1(1.3) 0

高血圧性心疾患 1(1.3) 0 0

心筋虚血 1(1.3) 0 0

動悸 1(1.3) 2(2.5) 0

先天性、家族性お

よび遺伝性障害 陰嚢水腫 1(1.3) 0 0

脊椎すべり症 0 1(1.3) 0

耳および 迷路障害

聴覚障害 0 1(1.3) 0

耳鳴 0 0 1(1.3) 回転性めまい 0 0 1(1.3)

内分泌障害 甲状腺機能低下症 1(1.3) 0 0

眼障害 結膜出血 0 0 2(2.7) 緑内障 0 0 1(1.3) 黄斑変性 1(1.3) 0 0

網膜出血 0 0 1(1.3) 霧視 0 1(1.3) 0

硝子体浮遊物 0 1(1.3) 0

胃腸障害 腹部不快感 2(2.5) 2(2.5) 1(1.3) 腹部膨満 1(1.3) 3(3.8) 1(1.3) 腹痛 0 0 2(2.7) 上腹部痛 1(1.3) 2(2.5) 1(1.3) 腹部圧痛 0 0 1(1.3) 結腸ポリープ 0 0 1(1.3) 便秘 3(3.8) 2(2.5) 3(4.0) 下痢 0 1(1.3) 5(6.7) 口内乾燥 2(2.5) 0 1(1.3)

a: Score 法による CI b: ワルファリン群との発現率の差 = エドキサバン群の発現率 − ワルファリン群の発現率 MedDRA/J V.10.1

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

255

表 2.7.6.14-11 有害事象発現状況: アジア NVAF P2b(2/6)

投与群 エドキサバン

30 mg 60 mg ワルファリン 評価被験者数 79 80 75 器官別大分類 基本語 被験者数(%) 胃腸障害(つづき) 消化不良 0 2(2.5) 1(1.3)

心窩部不快感 0 1(1.3) 1(1.3) びらん性十二指腸炎 0 0 1(1.3) 変色便 0 1(1.3) 0

胃潰瘍 1(1.3) 0 1(1.3) 胃炎 1(1.3) 0 0

びらん性胃炎 0 0 1(1.3) 胃腸出血 1(1.3) 0 0

胃食道逆流性疾患 1(1.3) 0 0

歯肉出血 4(5.1) 6(7.5) 0

痔出血 0 0 1(1.3) 鼡径ヘルニア 0 1(1.3) 0

悪心 2(2.5) 3(3.8) 0

消化性潰瘍 0 2(2.5) 2(2.7) 歯周炎 0 2(2.5) 1(1.3) 直腸出血 0 0 1(1.3) 逆流性食道炎 0 0 1(1.3) 吐き戻し 0 0 1(1.3) 舌苔 1(1.3) 0 0

歯痛 0 3(3.8) 0

上部消化管出血 0 0 1(1.3) 嘔吐 0 1(1.3) 0

全身障害および投

与局所様態 無力症 1(1.3) 1(1.3) 1(1.3) 胸部不快感 4(5.1) 2(2.5) 3(4.0) 胸痛 3(3.8) 1(1.3) 1(1.3) 顔面浮腫 0 1(1.3) 0

疲労 1(1.3) 1(1.3) 2(2.7) 熱感 0 1(1.3) 0

浮腫 0 1(1.3) 0

末梢性浮腫 1(1.3) 4(5.0) 2(2.7) 発熱 0 0 1(1.3) 血管穿刺部位血腫 0 0 1(1.3)

感染症および寄生

虫症 気管支炎 0 2(2.5) 0

蜂巣炎 0 0 1(1.3) 皮膚真菌感染 1(1.3) 0 0

胃腸炎 1(1.3) 0 0

単純ヘルペス 0 1(1.3) 0

インフルエンザ 3(3.8) 1(1.3) 0

下気道感染 0 0 1(1.3) 乳様突起炎 1(1.3) 0 0

MedDRA/J V.10.1

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

256

表 2.7.6.14-11 有害事象発現状況: アジア NVAF P2b(3/6)

投与群 エドキサバン

30 mg 60 mg ワルファリン 評価被験者数 79 80 75 器官別大分類 基本語 被験者数(%) 感染症および寄

生虫症(つづき) 鼻咽頭炎 1(1.3) 4(5.0) 1(1.3) 口腔ヘルペス 0 0 1(1.3) 中耳炎 1(1.3) 0 0

肺炎 0 0 1(1.3) 扁桃炎 1(1.3) 1(1.3) 0

上気道感染 1(1.3) 6(7.5) 5(6.7) 尿路感染 0 2(2.5) 1(1.3)

傷害、中毒および

処置合併症 背部損傷 0 1(1.3) 0

脳振盪 0 1(1.3) 0

挫傷 1(1.3) 2(2.5) 2(2.7) 異物による損傷 0 0 1(1.3) 骨折 0 1(1.3) 0

頭部損傷 0 0 1(1.3) 靱帯損傷 0 1(1.3) 0

四肢損傷 1(1.3) 1(1.3) 0

頚部損傷 0 1(1.3) 0

皮膚裂傷 0 1(1.3) 0

外傷性血腫 0 1(1.3) 0

手首関節骨折 1(1.3) 0 0

臨床検査 アラニン・アミノトランス

フェラーゼ増加 6(7.6) 1(1.3) 1(1.3)

尿中アルブミン陽性 3(3.8) 0 1(1.3) アスパラギン酸アミノト

ランスフェラーゼ増加 5(6.3) 1(1.3) 0

血中コレステロール増加 0 1(1.3) 0

血中クレアチンホスホキ

ナーゼ増加 1(1.3) 1(1.3) 0

血中クレアチニン増加 0 2(2.5) 0

血液浸透圧低下 1(1.3) 0 0

血中カリウム減少 1(1.3) 0 0

血中カリウム増加 0 1(1.3) 0

血圧上昇 1(1.3) 0 0

血中トリグリセリド増加 1(1.3) 1(1.3) 1(1.3) 血中尿素増加 2(2.5) 0 0

血中尿酸増加 2(2.5) 0 0

尿中血陽性 9(11.4) 12(15.0) 7(9.3) γ-グルタミルトランスフ

ェラーゼ増加 0 0 1(1.3)

ブドウ糖負荷試験異常 1(1.3) 2(2.5) 1(1.3) ヘモグロビン減少 0 1(1.3) 0

INR 増加 0 0 1(1.3) MedDRA/J V.10.1

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

257

表 2.7.6.14-11 有害事象発現状況: アジア NVAF P2b(4/6)

投与群 エドキサバン

30 mg 60 mg ワルファリン 評価被験者数 79 80 75 器官別大分類 基本語 被験者数(%) 臨床検査 (つづき)

眼圧上昇 0 0 1(1.3) 尿中蛋白陽性 0 1(1.3) 0

体重減少 0 1(1.3) 0

白血球数増加 1(1.3) 0 0

代謝および栄養障

害 糖尿病 5(6.3) 2(2.5) 0

コントロール不良の糖尿

病 0 1(1.3) 0

痛風 1(1.3) 1(1.3) 1(1.3) 高脂血症 6(7.6) 4(5.0) 1(1.3) 高トリグリセリド血症 1(1.3) 0 2(2.7) 高尿酸血症 0 1(1.3) 0

低カリウム血症 0 1(1.3) 0

低ナトリウム血症 1(1.3) 0 0

空腹時血中ブドウ糖不良 0 0 1(1.3) 筋骨格系および結

合組織障害 関節痛 1(1.3) 1(1.3) 0

背部痛 1(1.3) 4(5.0) 1(1.3) 筋膜炎 0 1(1.3) 0

側腹部痛 1(1.3) 0 0

椎間板変性症 0 0 1(1.3) 椎間板腔狭窄 0 0 1(1.3) 関節腫脹 0 1(1.3) 0

単関節炎 1(1.3) 0 0

筋痙縮 0 1(1.3) 1(1.3) 筋攣縮 1(1.3) 0 0

筋力低下 0 1(1.3) 1(1.3) 筋骨格痛 1(1.3) 0 0

筋痛 2(2.5) 0 0

筋炎 2(2.5) 0 0

頚部痛 1(1.3) 0 1(1.3) 骨関節炎 1(1.3) 0 1(1.3) 四肢痛 0 1(1.3) 2(2.7) 変形性脊椎炎 0 0 1(1.3) 滑液嚢腫 0 1(1.3) 0

腱炎 0 2(2.5) 0

良性、悪性および

詳細不明の新生物

(嚢胞およびポリ

ープを含む)

良性新生物 1(1.3) 0 0

結腸腺腫 1(1.3) 0 0

胃癌 0 1(1.3) 0

転移性肝癌 0 1(1.3) 0

肝の悪性新生物 0 1(1.3) 0

神経系障害 糖尿病性ニューロパシー 1(1.3) 0 0

浮動性めまい 7(8.9) 8(10.0) 1(1.3) MedDRA/J V.10.1

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

258

表 2.7.6.14-11 有害事象発現状況: アジア NVAF P2b(5/6)

投与群 エドキサバン

30 mg 60 mg ワルファリン 評価被験者数 79 80 75 器官別大分類 基本語 被験者数(%) 神経系障害 (つづき)

体位性めまい 0 0 1(1.3) 頭痛 5(6.3) 6(7.5) 2(2.7) 感覚鈍麻 0 0 1(1.3) 錯感覚 0 1(1.3) 0

睡眠の質低下 0 1(1.3) 0

傾眠 0 2(2.5) 0

失神 0 1(1.3) 0

緊張性頭痛 1(1.3) 0 0

精神障害 不安を伴う適応障害 0 0 1(1.3) 不安 0 0 1(1.3) うつ病 0 1(1.3) 0

不眠症 1(1.3) 1(1.3) 0

睡眠障害 1(1.3) 0 1(1.3) ストレス 1(1.3) 0 0

自殺企図 0 1(1.3) 0

腎および尿路障害 排尿困難 0 0 1(1.3) 血尿 9(11.4) 10(12.5) 14(18.7) ミクロアルブミン尿 0 0 1(1.3) 腎症 1(1.3) 0 0

夜間頻尿 0 1(1.3) 0

蛋白尿 1(1.3) 0 1(1.3) 腎不全 1(1.3) 0 0

尿路障害 1(1.3) 0 0

尿生殖器出血 1(1.3) 0 0

生殖系および乳房

障害 良性前立腺肥大症 1(1.3) 0 1(1.3) 陰嚢痛 1(1.3) 0 0

呼吸器、胸郭およ

び縦隔障害 咳嗽 5(6.3) 3(3.8) 5(6.7) 発声障害 1(1.3) 0 0

呼吸困難 1(1.3) 2(2.5) 2(2.7) 労作性呼吸困難 4(5.1) 0 0

鼻出血 2(2.5) 1(1.3) 3(4.0) 過換気 0 0 1(1.3) 湿性咳嗽 0 1(1.3) 1(1.3) アレルギー性鼻炎 0 3(3.8) 0

声帯障害 0 0 1(1.3) 皮膚および皮下組

織障害 冷汗 1(1.3) 0 0

皮膚炎 0 2(2.5) 0

皮膚乾燥 1(1.3) 0 0

斑状出血 0 2(2.5) 2(2.7) 湿疹 0 1(1.3) 0

MedDRA/J V.10.1

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

259

表 2.7.6.14-11 有害事象発現状況: アジア NVAF P2b(6/6)

投与群 エドキサバン

30 mg 60 mg ワルファリン 評価被験者数 79 80 75 器官別大分類 基本語 被験者数(%) 皮膚および皮下組

織障害 (つづき)

多汗症 0 1(1.3) 0

神経皮膚炎 0 1(1.3) 0

点状出血 1(1.3) 1(1.3) 0

そう痒症 0 1(1.3) 1(1.3) 発疹 0 0 2(2.7) 蕁麻疹 0 1(1.3) 0

外科および内科処

置 抜歯 0 1(1.3) 0

血管障害 潮紅 0 2(2.5) 1(1.3) 高血圧 0 1(1.3) 0

高血圧性クリーゼ 0 0 1(1.3) 低血圧 0 1(1.3) 1(1.3) 静脈うっ血 0 1(1.3) 0

MedDRA/J V.10.1

14.6.2.1.2 重症度別の有害事象発現率

重度の有害事象は、30 mg 群で 2 名に 2 件、60 mg 群で 6 名に 8 件、ワルファリン群で 2 名

に 2 件認められた。

30 mg 群での内訳は、胸部不快感及び胸痛が各 1 件であり、いずれも治験薬との因果関係は

否定された。胸部不快感が発現した被験者では投与中断により回復し、胸痛が発現した被験者

では投与継続中に回復が確認された。

60 mg 群での内訳は、狭心症、心不全、骨折、胃癌、転移性肝癌、肝の悪性新生物、浮動性

めまい、及び頭痛の各 1 件であった。このうち、浮動性めまい及び頭痛は副作用と判断された。

浮動性めまい及び頭痛が発現した被験者では、いずれも投与中止により回復が確認された。心

不全が発現した被験者並びに胃癌及び転移性肝癌が発現した被験者は死亡した。肝の悪性新生

物が発現した被験者では未回復であった。狭心症又は骨折が発現した被験者では、それぞれ投

与継続又は投与中止により回復が確認された。

ワルファリン群での内訳は、うっ血性心不全及び上部消化管出血の各 1 件であり、このうち

上部消化管出血は副作用と判断された。上部消化管出血が発現した被験者は死亡した。うっ血

性心不全が発現した被験者は、投与継続中に回復が確認された。

その他の有害事象は、多くが軽度であり、中等度の有害事象の発現は少なかった。

14.6.2.2 副作用発現状況

14.6.2.2.1 副作用発現率

投与開始日から投与終了翌日までの因果関係が否定できない有害事象(副作用)の発現状況

を表 2.7.6.14-12 に示す。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

260

各群の副作用発現率は、エドキサバン 30 mg 群 21.5%(17/79)、60 mg 群 28.8%(23/80)、ワ

ルファリン群 33.3%(25/75)であった。

エドキサバン群のいずれかで発現率が 5%以上であった副作用とその発現率(30 mg 群、

60 mg 群、ワルファリン群の順)は、血尿(7.6%、6.3%、10.7%)、尿中血陽性(6.3%、10.0%、

6.7%)、歯肉出血(2.5%、6.3%、0.0%)であった。

表 2.7.6.14-12 投与開始日から投与終了翌日までの副作用発現状況: アジア NVAF P2b(1/2)

投与群 エドキサバン

ワルファリン 30 mg 60 mg

評価被験者数 79 80 75 発現被験者数(%) 17(21.5) 23(28.8) 25(33.3)

95%CI(%)a (13.9, 31.8) (20.0, 39.5) (23.7, 44.6) ワルファリン群との発現率の差(%)b −11.8 −4.6 ―

発現率の差の 95%CI(%)a (−25.4, 2.3) (−18.8, 9.8) ― 発現件数 21 34 32

器官別大分類 基本語 被験者数(%)

心臓障害 動悸 1(1.3) 0 0 眼障害 結膜出血 0 0 2(2.7)

網膜出血 0 0 1(1.3) 胃腸障害 腹部不快感 0 1(1.3) 1(1.3)

腹痛 0 0 2(2.7) 口内乾燥 1(1.3) 0 0 消化不良 0 1(1.3) 0 心窩部不快感 0 1(1.3) 0 変色便 0 1(1.3) 0 歯肉出血 2(2.5) 5(6.3) 0 痔出血 0 0 1(1.3) 悪心 1(1.3) 1(1.3) 0 直腸出血 0 0 1(1.3) 上部消化管出血 0 0 1(1.3)

全身障害および

投与局所様態 胸部不快感 0 1(1.3) 0 顔面浮腫 0 1(1.3) 0 熱感 0 1(1.3) 0 血管穿刺部位血腫 0 0 1(1.3)

傷害、中毒および

処置合併症 挫傷 0 0 1(1.3)

臨床検査 アラニン・アミノトランス

フェラーゼ増加 2(2.5) 0 0

尿中アルブミン陽性 0 0 1(1.3) アスパラギン酸アミノト

ランスフェラーゼ増加 1(1.3) 0 0

a: Score 法による CI b: ワルファリン群との発現率の差 = エドキサバン群の発現率 − ワルファリン群の発現率 MedDRA/J V.10.1

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

261

表 2.7.6.14-12 投与開始日から投与終了翌日までの副作用発現状況: アジア NVAF P2b(2/2)

投与群 エドキサバン

ワルファリン 30 mg 60 mg

評価被験者数 79 80 75 器官別大分類 基本語 被験者数(%) 臨床検査 (つづき)

尿中血陽性 5(6.3) 8(10.0) 5(6.7) INR 増加 0 0 1(1.3)

筋骨格系および

結合組織障害 四肢痛 0 0 1(1.3)

神経系障害 浮動性めまい 0 1(1.3) 0 頭痛 1(1.3) 2(2.5) 0

腎および尿路障

害 血尿 6(7.6) 5(6.3) 8(10.7)

呼吸器、胸郭お

よび縦隔障害 鼻出血 1(1.3) 1(1.3) 3(4.0)

皮膚および皮下

組織障害 斑状出血 0 0 1(1.3)

血管障害 潮紅 0 1(1.3) 0 低血圧 0 0 1(1.3)

MedDRA/J V.10.1

14.6.2.2.2 重症度別副作用発現率

投与開始日から投与終了翌日までに発現した副作用のうち、重度の副作用は、60 mg 群で 1

名に 2 件(浮動性めまい、頭痛の各 1 件)、ワルファリン群で 1 名に 1 件(上部消化管出血)

認められ、30 mg 群では認められなかった。

その他の副作用は多くが軽度であり、中等度の副作用の発現は少なかった。

14.6.3 死亡 治験期間中に死亡した被験者の一覧を表 2.7.6.14-13 に示す。

エドキサバン 60 mg 群で 2 名、ワルファリン群で 1 名が死亡した。

60 mg 群の 1 名(被験者番号 )は、うっ血性心不全を合併していた。この被験者は、

投与 3 日目に軽度の歯肉出血が発現したため、4 日目に投与が中止されていた。中止後 13 日

目に、被験者は屋外で倒れているところを発見され、同日、死亡が確認された。担当医師は、

死亡と治験薬との因果関係を「関連なし」と判定した。

60 mg 群の他の 1 名(被験者番号 )は、投与 52 日目にインフルエンザ様症状のため

に近医を受診した。コンピュータ断層撮影法(computerized tomography: CT)検査が行われ、

暫定的に肝細胞癌と診断され、実施医療機関に搬送された。投与 65 日目に投与中止となり、

投与 66 日目に胃癌と転移性肝癌のため、入院となった。投与 83 日目に被験者は吐血し、腎不

全の悪化と呼吸苦が出現し、同日、死亡した。担当医師は、死亡と治験薬との因果関係を「関

連なし」と判定した。

ワルファリン群の 1 名(被験者番号 )は、投与 18 日目に急な腹痛のため、救急外来

150*

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*: 新薬承認情報提供時に置き換え

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

262

を受診し、上部消化管出血と診断された。翌日、胃に出血性潰瘍と十二指腸に浮腫を伴う潰瘍

が確認され、投薬治療を受けたが回復せず、同日、死亡した。担当医師は、ワルファリンの過

量投与が推測されるとして、死亡と治験薬との因果関係を「関連あるかもしれない」と判定し

た。

表 2.7.6.14-13 死亡一覧: アジア NVAF P2b

薬剤群・用量 被験者番号 性別・年齢 有害事象名 (MedDRA 基本語) 重症度 因果関係

60 mg 男性・76 心不全 重度 関連なし 男性・68 胃癌 重度 関連なし

転移性肝癌 重度 関連なし ワルファリン 女性・78 上部消化管出血 重度 関連あるかもしれない

MedDRA/J V.10.1

14.6.4 重篤な有害事象 死亡以外の重篤な有害事象(有害事象)の一覧を表 2.7.6.14-14 に示す。

各群の重篤な有害事象が発現した被験者数と発現件数は、エドキサバン 30 mg 群で 3 名 3

件、60 mg 群で 8 名 10 件、ワルファリン群で 4 名 4 件であった。

副作用と判断された重篤な有害事象の発現被験者数及び件数は、エドキサバン 60 mg 群の歯

肉出血 1 名 1 件のみであった。この他の重篤な有害事象はいずれも、治験薬との因果関係が否

定された。

重篤な有害事象の転帰は、30 mg 群の冠動脈疾患 1 件、及び 60 mg 群の肝の悪性新生物 1 件

が未回復であり、他の事象では回復又は軽快が確認された。

表 2.7.6.14-14 重篤な有害事象一覧: アジア NVAF P2b(1/2)

薬剤群・用量 被験者 番号

性別 年齢

有害事象名 (MedDRA 基本語) 重症度 転帰 因果関係

エドキサバン30 mg

男性 70

うっ血性心不全 中等度 軽快 関連なし

男性 62

冠動脈疾患 軽度 未回復 関連なし

男性 52

陰嚢水腫 中等度 回復 関連なし

エドキサバン60 mg

男性 75

心不全 中等度 回復 関連なし

男性 56

肝の悪性新生物 重度 未回復 関連なし

男性 57

狭心症 重度 回復 ほとんど関連なし

女性 79

骨折 重度 軽快 関連なし

MedDRA/J V.10.1

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*: 新薬承認情報提供時に置き換え

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

263

表 2.7.6.14-14 重篤な有害事象一覧: アジア NVAF P2b(2/2)

薬剤群・用量 被験者 番号

性別 年齢

有害事象名 (MedDRA 基本語) 重症度 転帰 因果関係

エドキサバン60 mg

(つづき)

男性 63

脳振盪 軽度 回復 関連なし 背部損傷 軽度 回復 関連なし 頚部損傷 軽度 回復 関連なし

男性 72

歯肉出血 中等度 回復 関連あるかもしれ

ない 男性

61 コントロール不良の糖尿病 中等度 回復 関連なし

男性 68

自殺企図 軽度 回復 関連なし

ワルファリン

女性 63

高血圧性クリーゼ 中等度 回復 ほとんど関連なし

男性 68

結腸ポリープ 中等度 回復 関連なし

女性 60

うっ血性心不全 重度 回復 関連なし

男性 68

肺炎 中等度 回復 関連なし

MedDRA/J V.10.1

14.6.5 重要な有害事象 中止の原因となった有害事象一覧を表 2.7.6.14-15 に示す。

中止の原因となった有害事象が発現した被験者数と発現件数は、エドキサバン 30 mg 群で 3

名 5 件、60 mg 群で 7 名 19 件、ワルファリン群で 2 名 2 件であった。

中止の原因となった有害事象のうち、30 mg 群の悪心及び動悸、60 mg 群の歯肉出血(2 件)、

頭痛(2 件)、血尿、変色便、浮動性めまい、顔面浮腫、潮紅、腹部不快感、悪心、胸部不快

感、心窩部不快感、及び消化不良は副作用と判断された。

中止の原因となった有害事象の転帰は、ワルファリン群の貧血が未回復であったが、その他

の有害事象はいずれも回復であった。

表 2.7.6.14-15 中止の原因となった有害事象一覧: アジア NVAF P2b(1/2)

薬剤群・用量 被験者 番号

性別 年齢

有害事象名 (MedDRA 基本語) 重症度 転帰 因果関係

エドキサバン30 mg

女性 79

頭痛 軽度 回復 関連なし

女性 64

筋攣縮 軽度 回復 関連なし 舌苔 軽度 回復 関連なし

女性 71

悪心 軽度 回復 明らかに関連あり 動悸 軽度 回復 明らかに関連あり

エドキサバン60 mg

男性 68

血尿 中等度 回復 多分関連あり 変色便 中等度 回復 多分関連あり

MedDRA/J V.10.1

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162*

163*

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*: 新薬承認情報提供時に置き換え

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

264

表 2.7.6.14-15 中止の原因となった有害事象一覧: アジア NVAF P2b(2/2)

薬剤群・用量 被験者 番号

性別 年齢

有害事象名 (MedDRA 基本語) 重症度 転帰 因果関係

エドキサバン60 mg

(つづき)

男性 76

歯肉出血 軽度 回復 関連あるかもしれ

ない 男性

62 歯肉出血 軽度 回復 多分関連あり

女性 78

頭痛 重度 回復 関連あるかもしれ

ない 浮動性めまい 重度 回復 関連あるかもしれ

ない 男性

60 顔面浮腫 軽度 回復 多分関連あり 潮紅 軽度 回復 多分関連あり 腹部不快感 軽度 回復 多分関連あり

男性 69

悪心 軽度 回復 関連あるかもしれ

ない 胸部不快感 中等度 回復 関連あるかもしれ

ない 心窩部不快感 中等度 回復 関連あるかもしれ

ない 錯感覚 軽度 回復 関連なし 頭痛 中等度 回復 関連あるかもしれ

ない 消化不良 中等度 回復 関連あるかもしれ

ない 男性

74 関節痛 軽度 回復 関連なし 嘔吐 軽度 回復 関連なし 悪心 軽度 回復 関連なし 浮動性めまい 軽度 回復 関連なし

ワルファリン 男性 54

無力症 軽度 回復 関連なし

女性 63

貧血 軽度 未回復 関連なし

MedDRA/J V.10.1

14.6.6 臨床検査値の評価 尿潜血が、エドキサバン 30 mg 群で 16.4%、60 mg 群で 15.9%、ワルファリン群で 20.9%の

被験者で認められた。

その他の臨床検査値の平均値に顕著な変動は見られず、投与群間で臨床的に意味のある差は

認められなかった。

14.7 結論 出血性イベント(大出血、臨床的に重要な出血、及び小出血)の発現率は、エドキサバン 30 mg

群と 60 mg 群で大きな差は認められず、エドキサバン群はいずれもワルファリン群よりも低い

発現率を示した。出血性イベントを目的変数としたロジスティック回帰分析の結果により、出

血性イベント発現には体重(60 kg 以下)が影響したことが示唆され、サブグループ解析の結

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*: 新薬承認情報提供時に置き換え

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

265

果では、60 kg 以下のサブグループでの出血性イベント発現率が 60 kg を超えるサブグループ

を上回った。

副作用の発現率は、エドキサバン 60 mg 群とワルファリン群に明らかな差はなく、30 mg 群

で最も低かった。エドキサバン群に認められた主な副作用は出血関連の事象であった。

以上より、台湾、韓国、香港、及びシンガポールの NVAF 患者患者において、エドキサバ

ン 30 mg 又は 60 mg 1 日 1 回投与に安全性上大きな問題はないものと考えられた。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

266

15. Phase 3 clinical study of DU-176b (non-valvular atrial fibrillation) — A Japanese, multicenter, open-label study of DU-176b in patients with non-valvular atrial fibrillation and severe renal impairment —

............................................ 添付資料番号 5.3.5.1-5

15.1 試験方法 表 2.7.6.15-1 に試験方法の概略を示す。

表 2.7.6.15-1 試験方法の概略: 日本 SRI NVAF P3(1/4) 治験の目的 高度腎機能障害(CLCR 15 mL/min 以上 30 mL/min 未満[血液透析患者を除く])を有す

る NVAF 患者を対象とし、エドキサバン 15 mg を 1 日 1 回 12 週間投与したときの安全

性及び薬物動態を、腎機能正常又は軽度腎機能障害(CLCR 50 mL/min 以上)を有する

NVAF 患者でのエドキサバン 30 mg 又は 60 mg 1 日 1 回 12 週間投与を対照として比較・

検討する。 治験責任医師名 実施医療機関

、他 12 名 、他 12 施設

試験実施期間 2011 年 12 月 日(最初の被験者の同意取得日)~2013 年 1 月 日(最後の被験者

の最終観察日) 選択基準・除外

基準 1. 選択基準

1) 高度腎機能障害(Cockcroft-Gault 式から算出される CLCR が、15 mL/min 以上

30 mL/min 未満)、あるいは腎機能正常又は軽度腎機能障害(CLCR 50 mL/min 以上)

を有する NVAF 患者 2) 年齢 20 歳以上(同意取得時) 3) 過去 12 ヵ月以内に電気的記録により AF が確認され、抗凝固療法の適応があり、

試験期間中に抗凝固療法の実施が予定されている者 4) 下記の血栓塞栓症の危険因子を 1 つ以上有する者(CHADS2 スコア 1 点以上)

i) うっ血性心不全 ii) 高血圧 iii) 年齢 75 歳以上(同意取得時) iv) 糖尿病 v) TIA 又は脳梗塞の既往(同意取得前 30 日以内の発症例は除く)

2. 除外基準 1) 血液透析が導入されている患者、又は後観察検査時までに血液透析が導入される

可能性がある患者 2) 下記の出血リスクを有する患者

i) 頭蓋内(出血性梗塞を除く)、眼内(球結膜下出血を除く)、脊髄髄腔内、後

腹膜又は非外傷性関節内出血の既往※ ※: 同意日から過去 30 日以内に撮影された眼底写真により止血が確認でき、

かつワルファリン又はダビガトランが 1 年間以上投与され、眼底出血が

認められない患者は可とした。 ii) 同意日から過去 1 年以内の消化管出血 iii) 同意日から過去 90 日以内の消化性潰瘍 iv) 同意日から過去 30 日以内の入院を要する手術又は外傷 v) 事前検査のヘモグロビンが 9 g/dL 未満、又は血小板数が 10 × 104/µL 未満 vi) 登録時に活動性の出血を来している※

※: 皮下出血については、長径 5 cm 以上の血腫が 1 つ以上認められた場合

とし、尿所見については、肉眼的血尿が認められた場合とした。 vii) 同意日から治験薬投与終了までに手術、組織生検、抜歯など、出血を来す侵

襲的治療又は検査を予定している viii) 遺伝的な出血性疾患

3) 同意取得前 30 日以内に脳梗塞又は TIA を発症した患者

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

268

表 2.7.6.15-1 試験方法の概略: 日本 SRI NVAF P3(3/4)

被験者数

高度腎機

能障害 腎機能正常又は 軽度腎機能障害

15 mg 群 30 mg 群 60 mg 群 投与被験者 50 22 21 完了被験者 39 21 19 中止被験者 11 1 2 解析対象被験者

安全性解析対象 50 22 21 有効性解析対象 50 22 21 薬物動態解析対象 48 21 21 薬力学解析対象 49 22 21

治験薬 エドキサバン錠 15 mg(ロット番号 DU176F1T08T01B) エドキサバン錠 30 mg(ロット番号 DU176F1T07T02B)

用法・用量 投与期間

• エドキサバン高度腎機能障害(severe renal impairment: SRI)15 mg 群: エドキサ

バン 15 mg を 1 日 1 回、12 週間経口投与 • エドキサバン腎機能正常又は軽度腎機能障害(normal renal function/mild renal

impairment: Normal/MiRI)30 mg 群: エドキサバン 30 mg を 1 日 1 回、用量調整

因子(体重 60 kg 以下、もしくはキニジン又はベラパミルの併用)がある被験

者では用量調整因子の数に係わらずエドキサバン 15 mg を 1 日 1 回、12 週間経

口投与 • エドキサバン腎機能正常又は軽度腎機能障害(Normal/MiRI)60 mg 群: エドキ

サバン 60 mg を 1 日 1 回、用量調整因子(体重 60 kg 以下、もしくはキニジン

又はベラパミルの併用)がある被験者では用量調整因子の数に係わらずエドキ

サバン 30 mg を 1 日 1 回、12 週間経口投与 投与開始後の用量調整:

SRI 15 mg 群では、投与開始後の用量調整を行わなかった。Normal/MiRI 30 mg群で 30 mg 1 日 1 回で投与を開始した被験者及び Normal/MiRI 60 mg 群で 60 mg 1 日 1 回で投与を開始した被験者では、投与開始後に体重が 60 kg 以下に低下

したことが確認された場合、CLCR が 50 mL/min 未満に低下したことが確認され

た場合、もしくはキニジン又はベラパミルの併用を必要とした場合に、用量を

半量に減量した。体重又は CLCR の低下によって減量した被験者では、それぞ

れ 60 kg超又は 50 mL/min以上に回復した場合でも用量を元に戻すことはせず、

半量のままで投与を継続した。キニジン又はベラパミルの併用により減量した

場合には、併用開始の時期に係わらず(投与開始時に併用していた場合であっ

ても)併用が終了した時点で通常用量として投与を継続した。 評価項目 1. 薬物動態

• 血漿中エドキサバン濃度 • 血漿中 D21-2393 濃度

2. 安全性 • 大出血又は臨床的に重要な出血の発現率 • 出血性イベント(大出血、臨床的に重要な出血、及び小出血の合計)発現

率 • 大出血の発現率 • 臨床的に重要な出血の発現率 • 有害事象発現率 • 副作用発現率

3. 有効性 • 血栓塞栓性イベント(脳梗塞症、全身性塞栓症)の発現率

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

269

表 2.7.6.15-1 試験方法の概略: 日本 SRI NVAF P3(4/4)

評価スケジュール 表 2.7.6.15-2、表 2.7.6.15-3 参照 統計解析手法 治験薬投与開始後から治験薬投与終了翌日までに認められた出血性イベント(大出

血、臨床的に重要な出血、又は小出血)、大出血又は臨床的に重要な出血、及び各出

血性イベント(大出血、臨床的に重要な出血、小出血)の発現率及びその 95%CI を投与群別に算出した。

表 2.7.6.15-2 調査、観察、検査、及び試料採取スケジュール: 日本 SRI NVAF P3

調査項目

観察期 調整期 治療期 後観 察期

同意取得

事前

検査

登録・割付

開始前 a

調整期開始

最長 2 週間

治療期開始

2 週目 4 週目 6 週目 8 週目 10 週目 12 週目 (中止時)

切替期間

14 週目 (中止後

2 週目)

被験者背景 ●

体重 ● ● ● ● ● ●

頭部 CT/MRI ●b

妊娠検査 ●

12 誘導心電図 ● ●

血圧・脈拍数 ● ● ● ● ● ● ● ●

血液学・生化学検査 ●c ● ● ● ● ● ● ●

尿検査 ● ● ● ● ● ● ● ●

INR(院内) ●d ●e

PGx バンキング ●f

服薬状況

併用薬・併用療法

有害事象

血栓塞栓性イベント a: 登録後、調整期開始前(INR の調整を必要としない場合は、治療期開始前) b: 頭部 CT/MRI については、血液学・生化学検査以外の事前検査項目の測定日のうち最も古い日付から遡って 4 週間以

内に診療の一環として実施されている場合、被験者の同意を得て、その結果を事前検査とした。 c: 血液学・生化学検査については、頭部 CT/MRI 以外の事前検査項目の測定日のうち最も古い日付から遡って 2 週間以

内に診療の一環として実施されている場合、被験者の同意を得て、その結果を事前検査とした。 d: ワルファリンによる血栓塞栓症の予防的治療を受けている患者のみ測定した。また、調整期開始前の検査については、

観察期に実施する他の検査項目と同日に診療の一環として実施した結果であれば、登録・割付前のデータを使用した。 e: ワルファリンによる血栓塞栓症の予防的治療を受けている患者で、INR の調整が必要な場合にのみ測定した。 f: PGx 研究用検体採取は、実施可能な医療機関のみで実施した。 ※: INR の調整を必要としない場合は、治療期開始とした。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

270

表 2.7.6.15-3 中央測定用の血漿中薬物濃度、薬力学的指標及びバイオマーカーの試料採取、

食事時間記録スケジュール: 日本 SRI NVAF P3

調査項目

観察期 治療期

開始前 a

2 週目 1 日前 2 週目

服薬 前後

服薬 前後

トラフ (服薬前)

服薬後 1~3 h

服薬後 4~8 h

食事時間 ● ●

血漿中薬物濃度 ● ● ●b

薬力学的指標 (中央測定) ● ● ● ●b

バイオマーカー (中央測定) ● ●

調査項目

治療期 後観察期

8 週目 1 日前 8 週目 12 週目

中止時 14 週目

(中止後 2 週目) 服薬

前後 服薬 前後

トラフ (服薬前)

服薬後 1~3 h

服薬後 4~8 h

トラフ (服薬前)

食事時間 ● ● ●c

血漿中薬物濃度 ● ● ●b ●

薬力学的指標 (中央測定) ● ● ●b ● ● ●

バイオマーカー (中央測定) ● ● ● ●

a: 登録後、調整期開始前(INR の調整を必要としない場合は、治療期開始前) b: 実施可能な患者でのみ測定した。 c: 採血直近の治験薬服薬前後の食事開始時刻

15.1.1 被験者数の設定根拠 特殊患者集団での安全性を評価するとともに、当該集団における臨床使用経験を蓄積するた

めの被験者数として、高度腎機能障害を有する患者を 50 名と設定した。50名の集積によって、

大出血又は臨床的に重要な出血の発現率が 6.0%であることが真の場合、少なくとも 1 名で大

出血又は臨床的に重要な出血の発現を検出できる確率は 95%となる。また、対照群とした腎機

能正常又は軽度腎機能障害を有する患者では、血漿中薬物濃度データを適切に評価できる被験

者数として、各用量群 20 名と設定した。

15.1.2 用法・用量の設定根拠 高度腎機能障害を有する NVAF 患者に対する投与量と投与方法は、エドキサバンの曝露量

と出血性イベント発現率の関係に基づいて設定した。

腎機能障害者を対象とした臨床薬理試験では、腎機能障害の程度が重くなるのに伴ってエド

キサバンの AUC0-24h、Cmax、及び C24hは上昇した。特に、C24hの上昇は顕著であり、高度腎機

能障害者での C24hは健康成人の約 3 倍、軽度腎機能障害者の約 2 倍であった。これらの結果か

ら、高度腎機能障害者に 15 mg を 1 日 1 回を投与した場合のエドキサバンの薬物動態パラメー

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

271

タ(AUC、Cmax、Cmin)は、軽度腎機能障害者に 30 mg を 1 日 1 回投与した場合と同程度で、

腎機能正常者に 60 mg を 1 日 1 回投与した場合を下回ると予測した。

出血性イベント発現率は、エドキサバンの曝露量の増加に伴い上昇すると推定された。高度

腎機能障害者での曝露量と出血性イベント発現率の関係が、腎機能正常から中等度腎機能障害

を有する患者と同じであると仮定すると、高度腎機能障害者にエドキサバン 15 mg を 1 日 1

回を投与した場合の出血性イベント発現率は、軽度腎機能障害者に 30 mg を 1 日 1 回投与した

場合と同程度で、腎機能正常者に 60 mg を 1 日 1 回投与した場合を上回ることはないと予測さ

れた。

以上より、高度腎機能障害を有する患者は出血リスクが高い集団であることから出血性イベ

ント発現率がやや高い可能性はあるものの、1 日 1 回 15 mg 投与であれば、臨床的に許容でき

る範囲内に出血リスクを抑えることが可能であると考えた。

また、高度腎機能障害を有する患者で、用量調整因子(体重 60 kg 以下、もしくはキニジン

又はベラパミルの併用)を 1 つ以上有する場合であっても、15 mg 1 日 1 回投与であれば、軽

度腎機能障害を有する患者に 60 mgを 1日 1回投与した場合の曝露を大きく上回ることはない

と考えられた。日本 NVAF P2b 試験の母集団薬物動態解析の結果、CLCR の曝露に及ぼす影響

は、CLCR 69.91 mL/min(当該試験の被験者集団の中央値)の場合と比較して CLCR 23.58 mL/min

の場合に AUC0-24h,ss は 1.596 倍、Cmax,ss 1.174 倍、Cmin,ss は 3.007 倍に上昇すると推定された。体

重が低い場合の影響は Cmax,ss のみで上昇が認められ、体重 65 kg(当該試験の被験者集団の中

央値)と比較して体重 40 kg の場合の Cmax,ss 上昇は 1.132 倍と推定された。また、ベラパミル

を併用したときの曝露量の上昇は、AUC0-24h,ss、Cmax,ss、Cmin,ss のいずれも 1.353 倍と推定され

た。日本 NVAF P2b 試験で CLCR が最も低かった 23.58 mL/min の被験者(高度腎機能障害に該

当)が本治験の用量調整因子 2 つを有すると仮定した場合に、日本 NVAF P2b 試験の中央値に

該当する被験者(CLCR 69.91 mL/min[軽度腎機能障害に該当]、体重 65 kg、ベラパミル併用な

し)に同一用量を投与した場合と比較して、AUC0-24h,ss は最大で約 2.2 倍、Cmax,ss は最大で約

1.8 倍、最も影響の大きい Cmin,ss では約 4 倍に上昇すると予測された。したがって、15 mg 1 日

1 回投与であれば、用量調整因子を有する高度腎機能障害患者であっても、曝露量としては軽

度腎機能障害を有する被験者に 60 mgを 1日 1回投与した場合を大きく上回ることはないと推

定され、出血リスクが著しく高いものではないと考えられた。

対照群である腎機能正常又は軽度腎機能障害を有する被験者に対する投与量は、国際共同

AF P3 試験に準じて設定した。欧米 NVAF P2b 試験の結果、30 mg × 1/日又は 60 mg × 1/日

投与での出血性イベント発現率はワルファリンと大きく異なるものではなかったものの、

30 mg × 2/日又は 60 mg × 2/日投与での発現率はワルファリンを上回っていた。また、日本

NVAF P2b 試験、欧米 NVAF P2b 試験、及び薬物相互作用を検討した臨床薬理試験の結果から、

体重 60 kg 以下の被験者集団では、大きな影響ではないものの Cmaxの上昇が認められ、出血性

イベント発現率が高い傾向が認められた。さらに、強い P-gp 阻害作用を有するキニジンやベ

ラパミルの併用によって曝露量が上昇し、出血リスクが高まる可能性が考えられた。このため、

国際共同 AF P3 試験では低用量群として 30 mg 1 日 1 回、高用量群として 60 mg 1 日 1 回投与

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

272

と設定し、体重 60 kg以下又はキニジンやベラパミルを併用している場合にはそれぞれ 15 mg 1

日 1 回、30 mg 1 日 1 回に減量することとした。本治験でも同様に低用量群と高用量群を設定

し、用量調整因子による減量投与を規定した。治験薬投与開始後の対照群での用量調整につい

ても、国際共同 AF P3 試験と同様に設定した。

投与期間については、本治験の目的が安全性及び薬物動態の評価であることから、NVAF 患

者を対象とした後期第 II 相試験と同様に 12 週間と設定した。

15.2 被験者背景 安全性解析対象集団での被験者背景を表 2.7.6.15-4 に示す。

平均 CLCR は高度腎機能障害を有する患者(SRI 15 mg 群)で 26 mL/min、腎機能正常又は

軽度腎機能障害を有する患者(Normal/MiRI 30 mg 群及び 60 mg 群)のうち、Normal/MiRI 30 mg

群では 74 mL/min、Normal/MiRI 60 mg 群では 68 mL/min であった。SRI 15 mg 群での CLCR の

最小値は 17.24 mL/min であった。

平均年齢は SRI 15 mg 群で約 81 歳、Normal/MiRI 30 mg 群及び 60 mg 群では約 70 歳であり、

高度腎機能障害患者はより高齢な患者が多かった。平均体重は SRI 15 mg 群で約 54 kg、

Normal/MiRI 30 mg 群及び 60 mg 群では約 65 kg であり、高度腎機能障害患者にはより軽量な

患者が多かった。

ベラパミル又はキニジンを使用していた被験者は少なく、SRI 15 mg 群で 8%、Normal/MiRI

60 mg 群で 9.5%であり、Normal/MiRI 30 mg 群にはいなかった。

腎疾患の合併は高度腎機能障害患者でより多く認められ、比較的よくみられた腎合併症は、

慢性腎不全(52%)と腎硬化症(30%)であった。

CHADS2 スコアの平均値は SRI 15 mg 群で 3.5、Normal/MiRI 30 mg 群で 1.7、Normal/MiRI

60 mg 群で 2.0 であり、高度腎機能障害患者では CHADS2 スコアがより高かった。

上記以外の項目に投与群間の不均衡は認められなかった。

有効性及び薬物動態解析対象集団での被験者背景も同様であった。

表 2.7.6.15-4 被験者背景(安全性解析対象集団): 日本 SRI NVAF P3(1/2) 高度腎機能障害 腎機能正常又は軽度腎機能障害

エドキサバン 15 mg

エドキサバン 30 mg

エドキサバン 60 mg

被験者数 50 22

(30 mg: 14 15 mg: 8)

21 (60 mg: 13 30 mg: 8)

性別 男性 28(56.0) 18(81.8) 14(66.7) 女性 22(44.0) 4(18.2) 7(33.3)

年齢(歳) <75 7(14.0) 18(81.8) 13(61.9) ≥75 43(86.0) 4(18.2) 8(38.1) mean(SD) 80.9(6.04) 68.0(8.91) 72.2(4.58)

体重(kg) ≤60 38(76.0) 8(36.4) 8(38.1) >60 12(24.0) 14(63.6) 13(61.9)

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

273

表 2.7.6.15-4 被験者背景(安全性解析対象集団): 日本 SRI NVAF P3(2/2) 高度腎機能障害 腎機能正常又は軽度腎機能障害 エドキサバン

15 mg エドキサバン

30 mg エドキサバン

60 mg

被験者数 50 22

(30 mg: 14 15 mg: 8)

21 (60 mg: 13 30 mg: 8)

体重(kg) (つづき)

<40 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) ≥40 49(98.0) 22(100.0) 21(100.0) mean(SD) 54.4(9.53) 65.0(12.33) 67.0(11.53)

CLCR (mL/min) 15 ≤ ~ < 30 50(100.0) — —

50 ≤ ~ ≤80 — 15(68.2) 15(71.4) >80 — 7(31.8) 6(28.6) mean(SD) 25.5(3.63) 74.0(24.43) 68.3(12.84) 中央値 26.3 64.4 62.5

最小値, 最大値 17.2, 29.9 50.3, 141.1 52.0, 92.3

ベースライン時のキニジ

ン又はベラパミルの併用 あり 4(8.0) 0(0.0) 2(9.5) なし 46(92.0) 22(100.0) 19(90.5)

腎疾患の合併 合計 40(80.0) 3(13.6) 1(4.8) 糸球体腎炎 2(4.0) 1(4.5) 0(0.0) 慢性腎不全 26(52.0) 1(4.5) 0(0.0) 糖尿病性腎症 6(12.0) 0(0.0) 0(0.0) 腎硬化症 15(30.0) 1(4.5) 0(0.0) その他の腎疾患 1(2.0) 1(4.5) 1(4.8)

CHADS2 スコア 0 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 1 2(4.0) 13(59.1) 8(38.1) 2 7(14.0) 2(9.1) 8(38.1) 3 19(38.0) 7(31.8) 3(14.3) 4 11(22.0) 0(0.0) 1(4.8) 5 10(20.0) 0(0.0) 1(4.8) 6 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) ≤3 28(56.0) 22(100.0) 19(90.5) ≥4 22(44.0) 0(0.0) 2(9.5) mean(SD) 3.5(1.15) 1.7(0.94) 2.0(1.10)

ベースライン時のワルフ

ァリンの併用 あり 48(96.0) 20(90.9) 17(81.0) なし 2(4.0) 2(9.1) 4(19.0)

P-gp 阻害薬の併用 a あり 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) なし 50(100.0) 22(100.0) 21(100.0)

アミオダロンの併用 あり 5(10.0) 1(4.5) 1(4.8) なし 45(90.0) 21(95.5) 20(95.2)

アスピリンの併用 あり 15(30.0) 2(9.1) 2(9.5) なし 35(70.0) 20(90.9) 19(90.5)

NSAIDs の併用 b あり 4(8.0) 2(9.1) 2(9.5) なし 46(92.0) 20(90.9) 19(90.5)

n(%) a: 併用禁止薬は、リトナビル、ネルフィナビルメシル酸塩、インジナビル硫酸塩エタノール付加物、サキナビルメシル酸

塩、シクロスポリン、イトラコナゾール、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン水和物 b: 経口投与、静脈内投与、又は筋肉内投与以外の NSAIDs の併用は除く。アスピリンとその他サリチル酸誘導体は除く。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

275

表 2.7.6.15-5 血漿中エドキサバン濃度の要約統計量: 日本 SRI NVAF P3 高度腎機能障害 腎機能正常又は軽度腎機能障害 エドキサバン

15 mg エドキサバン

30 mg a エドキサバン

60 mg b

2 週目

トラフ時

N 44 21 17 mean(SD) 22.2(15.1) 9.30(4.45) 17.3(7.28) 中央値 17.4 9.66 18.2 最小値, 最大値 2.45, 79.8 3.88, 23.2 6.86, 29.5

投与 1~3時間

N 46 21 20 mean(SD) 84.9(54.2) 89.0(52.3) 219(171) 中央値 74.4 75.7 170 最小値, 最大値 13.3, 222 7.18, 243 16.7, 537

投与 4~8時間

N 22 13 16 mean(SD) 96.2(31.8) 98.3(35.8) 195(52.9) 中央値 98.3 96.5 182 最小値, 最大値 54.4, 169 39.2, 159 113, 315

8 週目

トラフ時

N 39 21 16 mean(SD) 18.4(11.2) 8.79(4.30) 17.5(9.29) 中央値 16.7 8.48 16.4 最小値, 最大値 3.06, 69.4 3.22, 19.8 5.65, 37.6

投与 1~3時間

N 40 21 19 mean(SD) 96.8(48.3) 102(74.5) 229(164) 中央値 108 90.8 226 最小値, 最大値 13.1, 187 9.69, 290 14.7, 586

投与 4~8時間

N 18 14 16 mean(SD) 92.0(40.0) 93.6(37.4) 160(67.4) 中央値 82.3 93.8 160 最小値, 最大値 34.9, 195 33.2, 166 75.3, 296

ng/mL a: 用量調整因子がある場合は 15 mg b: 用量調整因子がある場合は 30 mg

15.4.2 血漿中D21-2393 濃度 SRI 15 mg 群と Normal/MiRI 30 mg 群又は Normal/MiRI 60 mg 群の血漿中 D21-2393 濃度分布

はほぼ重なっていた。

投与 2 週目の SRI 15 mg 群の血漿中 D21-2393 濃度は、トラフ時では Normal/MiRI 30 mg 群

より 159%高く、Normal/MiRI 60 mg 群と同程度であった。一方、投与 1~3 時間後と投与 4~8

時間後では Normal/MiRI 30 mg 群と同程度で、Normal/MiRI 60 mg 群より約 50%低かった。す

べての群で、投与 8 週目の濃度も 2 週目と同様の傾向を示した。

15.4.3 血漿中のD21-2393 とエドキサバンの濃度比 血漿中 D21-2393 のエドキサバンに対する濃度比の平均値は、すべての投与群で 0.10~0.17

の間で推移し、投与群間に顕著な差は認められなかった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

277

表 2.7.6.15-6 臨床的に重要な出血の発現率: 日本 SRI NVAF P3 高度腎機能障害 腎機能正常又は軽度腎機能障害

エドキサバン 15 mg

エドキサバン 30 mg a

エドキサバン 60 mg b

評価被験者数 50 22 21

発現被験者数(%) 0(0.0) 0(0.0) 1(4.8) 95% CI c 0.0, 7.1 0.0, 14.9 0.8, 22.7 発現率の割合差 — 0.0 d 4.8 e 95% CI c — −7.1, 14.9 −3.4, 22.7

a: 用量調整因子がある場合は 15 mg b: 用量調整因子がある場合は 30 mg c: score 法による信頼区間 d: 発現率の割合差 = Normal/MiRI 30 mg 群の発現率 – SRI 15 mg 群の発現率 e: 発現率の割合差 = Normal/MiRI 60 mg 群の発現率 – SRI 15 mg 群の発現率

15.6.1.3 出血性イベントの発現率

すべての出血性イベントの発現率を表 2.7.6.15-7 に示す。

出血性イベント発現率はSRI 15 mg群で20.0%(10/50)、Normal/MiRI 30 mg群で22.7%(5/22)、

Normal/MiRI 60 mg 群で 23.8%(5/21)であり、投与群間に顕著な差は認められなかった。

主な出血性イベント(2 名以上の被験者に発現)は、SRI 15 mg 群では血尿(6.0%)、皮下出

血(4.0%)、及び尿中血陽性(4.0%)、Normal/MiRI 30 mg 群及び Normal/MiRI 60 mg 群では、

血尿(60 mg 群 19.0%)、歯肉出血(30 mg 群 9.1%、60 mg 群 4.8%)、及び尿中血陽性(30 mg

群 9.1%)であった。すべての投与群で、発現した出血性イベントのほとんどが小出血であり、

主な出血性イベントに投与群間の質的な差は認められなかった。

表 2.7.6.15-7 出血性イベントの発現率: 日本 SRI NVAF P3 高度腎機能障害 腎機能正常又は軽度腎機能障害

エドキサバン 15 mg

エドキサバン 30 mg a

エドキサバン 60 mg b

評価被験者数 50 22 21

発現被験者数(%) 10(20.0) 5(22.7) 5(23.8) 95% CI c 11.2, 33.0 10.1, 43.4 10.6, 45.1 発現率の割合差 — 2.7 d 3.8 e 95% CI c — −15.4, 25.2 −14.7, 26.8

a: 用量調整因子がある場合は 15 mg b: 用量調整因子がある場合は 30 mg c: score 法による信頼区間 d: 発現率の割合差 = Normal/MiRI 30 mg 群の発現率 – SRI 15 mg 群の発現率 e: 発現率の割合差 = Normal/MiRI 60 mg 群の発現率 – SRI 15 mg 群の発現率

15.6.2 有害事象・副作用の分析 15.6.2.1 有害事象発現状況

15.6.2.1.1 有害事象発現率

有害事象発現状況を表 2.7.6.15-8 に示す。

有害事象発現率は、SRI 15 mg 群で 66.0%(33/50)、Normal/MiRI 30 mg 群で 63.6%(14/22)、

Normal/MiRI 60 mg 群で 47.6%(10/21)であり、投与群間で顕著な差は認められなかった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

278

SRI 15 mg 群での主な有害事象(発現率 5%以上)は、鼻咽頭炎(10.0%)、皮下出血(8.0%)、

血中クレアチニン増加(8.0%)、肺炎(6.0%)、鼻出血(6.0%)、血尿(6.0%)、及び便潜血(6.0%)

であった。Normal/MiRI 群での主な有害事象(発現率 5%以上)は、鼻咽頭炎(30 mg 群 18.2%、

60 mg 群 23.8%、以下同順)、血尿(0%、19.0%)、歯肉出血(9.1%、4.8%)、及び尿中血陽性

(9.1%、0%)であった。いずれの群でも、主な有害事象の多くは出血又は感染症に関連した

事象で、腎機能の違いによる差は認められなかった。

表 2.7.6.15-8 有害事象発現状況: 日本 SRI NVAF P3(1/3) 高度腎機能障害 腎機能正常又は軽度腎機能障害

エドキサバン 15 mg

エドキサバン 30 mg a

エドキサバン 60 mg b

評価被験者数 50 22 21 発現被験者数(%) 33(66.0) 14(63.6) 10(47.6)

95% CI c 52.2, 77.6 43.0, 80.3 28.3, 67.6 発現件数 75 19 18

器官別大分類 基本語 被験者数(%) 感染症および寄生

虫症 胃腸炎 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0) 歯肉炎 0(0.0) 0(0.0) 1(4.8) 鼻咽頭炎 5(10.0) 4(18.2) 5(23.8) 肺炎 3(6.0) 0(0.0) 0(0.0)

血液およびリンパ

系障害 貧血 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0)

代謝および栄養障

害 痛風 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0) 食欲減退 0(0.0) 0(0.0) 1(4.8)

神経系障害 浮動性めまい 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) 頭痛 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0)

耳および迷路障害 突発難聴 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) 心臓障害 心不全 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0)

うっ血性心不全 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) 洞性徐脈 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) 心室性頻脈 2(4.0) 0(0.0) 0(0.0)

血管障害 高血圧 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) 低血圧 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0)

不安定高血圧 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) 出血 0(0.0) 0(0.0) 1(4.8)

呼吸器、胸郭およ

び縦隔障害 咳嗽 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) 鼻出血 3(6.0) 0(0.0) 0(0.0) 喀血 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) 胸水 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) 胸膜炎 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0)

胃腸障害 下痢 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) 消化不良 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) 胃食道逆流性疾患 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0)

MedDRA/J V.15.1 a: 用量調整因子がある場合は 15 mg b: 用量調整因子がある場合は 30 mg c: score 法による信頼区間

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

279

表 2.7.6.15-8 有害事象発現状況: 日本 SRI NVAF P3(2/3) 高度腎機能障害 腎機能正常又は軽度腎機能障害 エドキサバン

15 mg エドキサバン

30 mg a エドキサバン

60 mg b 評価被験者数 50 22 21

器官別大分類 基本語 被験者数(%)

胃腸障害(つづき) 歯肉出血 1(2.0) 2(9.1) 1(4.8) 弛緩歯 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) 皮膚および皮下組

織障害 アレルギー性皮膚

炎 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0)

接触性皮膚炎 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0) 薬疹 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0) 紅斑 0(0.0) 0(0.0) 1(4.8) 皮下出血 4(8.0) 1(4.5) 0(0.0) 類天疱瘡 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) そう痒症 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) 発疹 2(4.0) 0(0.0) 0(0.0) 皮膚潰瘍 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0)

筋骨格系および結

合組織障害 ピロリン酸カルシ

ウム結晶性軟骨石

灰化症 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0)

関節腫脹 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) 筋骨格痛 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0)

腎および尿路障害 排尿困難 0(0.0) 0(0.0) 1(4.8) 血尿 3(6.0) 0(0.0) 4(19.0)

生殖系および乳房

障害 亀頭炎 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0)

一般・全身障害お

よび投与部位の状

胸痛 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0) 浮腫 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) 末梢性浮腫 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0)

臨床検査 血中ビリルビン増

加 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0)

血中クレアチニン

増加 4(8.0) 0(0.0) 0(0.0)

血中鉄減少 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) 血中尿素増加 2(4.0) 0(0.0) 0(0.0) 血中尿酸増加 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) 心電図 QT 延長 1(2.0) 1(4.5) 0(0.0) 好酸球数増加 1(2.0) 0(0.0) ヘマトクリット減

少 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0)

尿中血陽性 2(4.0) 2(9.1) 0(0.0) ヘモグロビン減少 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) 眼圧上昇 0(0.0) 0(0.0) 1(4.8) 好中球数減少 0(0.0) 0(0.0) 1(4.8) プロトロンビン時

間延長 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0)

MedDRA/J V.15.1 a: 用量調整因子がある場合は 15 mg b: 用量調整因子がある場合は 30 mg

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

280

表 2.7.6.15-8 有害事象発現状況: 日本 SRI NVAF P3(3/3) 高度腎機能障害 腎機能正常又は軽度腎機能障害

エドキサバン

15 mg エドキサバン

30 mg a エドキサバン

60 mg b 評価被験者数 50 22 21 器官別大分類 基本語 被験者数(%)

臨床検査 (つづき)

赤血球数減少 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) 白血球数減少 0(0.0) 0(0.0) 1(4.8) 尿中白血球陽性 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) 血中アルカリホス

ファターゼ増加 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0)

便潜血 3(6.0) 0(0.0) 0(0.0) 便潜血陽性 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0)

傷害、中毒および

処置合併症 皮下血腫 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) 処置による出血 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0)

MedDRA/J V.15.1 a: 用量調整因子がある場合は 15 mg b: 用量調整因子がある場合は 30 mg

15.6.2.1.2 重症度別の有害事象発現率

重度の有害事象は、SRI 15 mg 群で 2 名(4.0%)に 3 件認められ、その内訳は、同一被験者

の肺炎と心不全、及び他の 1 名での心室性頻脈であった。いずれの有害事象も回復又は軽快し、

担当医師によって治験薬との因果関係は否定された。Normal/MiRI 30 mg 群及び Normal/MiRI

60 mg 群では認められなかった。

中等度の有害事象は、SRI 15 mg 群で 5 名(10.0%)に 9 件認められ、その内訳は、肺炎、

うっ血性心不全、心室性頻脈、類天疱瘡、ピロリン酸カルシウム結晶性軟骨石灰化症、血中鉄

減少、ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、及び赤血球数減少であった。これらすべての

有害事象は、回復又は軽快した。類天疱瘡以外は、担当医師によって治験薬との因果関係は否

定された。Normal/MiRI 30 mg 群及び Normal/MiRI 60 mg 群では認められなかった。

軽度の有害事象発現率は、SRI 15 mg 群 62.0%(31/50)、Normal/MiRI 30 mg 群 63.6%(14/22)、

Normal/MiRI 60 mg 群 47.6%(10/21)であった。

15.6.2.2 副作用発現状況

15.6.2.2.1 副作用発現率

副作用の発現状況を表 2.7.6.15-9 に示す。

副作用発現率は、SRI 15 mg 群で 24.0%(12/50)、Normal/MiRI 30 mg 群で 18.2%(4/22)、

Normal/MiRI 60 mg 群で 23.8%(5/21)であった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

281

表 2.7.6.15-9 副作用発現状況: 日本 SRI NVAF P3 高度腎機能障害 腎機能正常又は軽度腎機能障害

エドキサバン 15 mg

エドキサバン 30 mg a

エドキサバン 60 mg b

評価被験者数 50 22 21 発現被験者数(%) 12(24.0) 4(18.2) 5(23.8)

95% CI c 14.3, 37.4 7.3, 38.5 10.6, 45.1 発現件数 15 5 6

器官別大分類 基本語 被験者数(%) 血液およびリンパ

系障害 貧血 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0)

血管障害 出血 0(0.0) 0(0.0) 1(4.8) 呼吸器、胸郭およ

び縦隔障害 鼻出血 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0)

胃腸障害 歯肉出血 0(0.0) 1(4.5) 1(4.8) 皮膚および皮下組

織障害 皮下出血 2(4.0) 0(0.0) 0(0.0) 類天疱瘡 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0)

腎および尿路障害 血尿 3(6.0) 0(0.0) 4(19.0) 臨床検査 血中ビリルビン増

加 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0)

血中クレアチニン

増加 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0)

好酸球数増加 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) 尿中血陽性 1(2.0) 2(9.1) 0(0.0) 便潜血 2(4.0) 0(0.0) 0(0.0)

傷害、中毒および

処置合併症 皮下血腫 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0) 処置による出血 1(2.0) 0(0.0) 0(0.0)

MedDRA/J V.15.1 a: 用量調整因子がある場合は 15 mg b: 用量調整因子がある場合は 30 mg c: score 法による信頼区間

15.6.2.2.2 重症度別副作用発現率

重度の副作用は認められなかった。

中等度の副作用は、SRI 15 mg 群で 1 名(2.0%)に類天疱瘡が認められ、Normal/MiRI 30 mg

群及び Normal/MiRI 60 mg 群では認められなかった。

軽度の副作用発現率は、SRI 15 mg 群で 22.0%(11/50)、Normal/MiRI 30 mg 群で 18.2%(4/22)、

Normal/MiRI 60 mg 群で 23.8%(5/21)であった。

15.6.3 死亡 死亡は認められなかった。

15.6.4 重篤な有害事象 重篤な有害事象の一覧を表 2.7.6.15-10 に示す。

重篤な有害事象は、SRI 15 mg 群で 5 名(10.0%)に 7 件認められ、その内訳は、肺炎が 3

件、心不全、うっ血性心不全、心室性頻脈、及び胸膜炎が各 1 件であった。これらの重篤な有

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

282

害事象はすべて回復又は軽快し、治験薬との因果関係は担当医師によって否定された。

Normal/MiRI 30 mg 群及び Normal/MiRI 60 mg 群では認められなかった。

表 2.7.6.15-10 重篤な有害事象の一覧: 日本 SRI NVAF P3

薬剤群・用量 被験者 番号

性別 年齢

有害事象名 (MedDRA 基本語) 重症度 転帰 因果関係

エドキサバン15 mg

男性 75

肺炎 中等度 回復 関連なし

男性 79

うっ血性心不全 中等度 回復 関連なし

男性 71

心室性頻脈 重度 回復 関連なし

女性 84

心不全 重度 軽快 関連なし 肺炎 重度 回復 関連なし

男性 86

肺炎 軽度 軽快 関連なし 胸膜炎 軽度 軽快 関連なし

MedDRA/J V.15.1

15.6.5 重要な有害事象 中止の原因となった有害事象の一覧を表 2.7.6.15-11 に示す。

中止の原因となった有害事象は、SRI 15 mg 群の 5 名(10.0%)と Normal/MiRI 60 mg 群の 2

名(9.5%)に認められ、Normal/MiRI 30 mg 群では認められなかった。SRI 15 mg 群での内訳

は、血中クレアチニン増加が 2 件、貧血、不安定高血圧、及びプロトロンビン時間延長が各 1

件であった。Normal/MiRI 60 mg 群では、紅斑と血尿が各 1 件であった。

表 2.7.6.15-11 中止の原因となった有害事象の一覧: 日本 SRI NVAF P3

薬剤群・用量 被験者 番号

性別 年齢

有害事象名 (MedDRA 基本語) 重症度 転帰 因果関係

エドキサバン15 mg

男性 81

貧血 軽度 未回復 関連あり

男性 88

不安定高血圧 軽度 軽快 関連なし

男性 86

血中クレアチニン増加 軽度 回復 関連なし

女性 88

プロトロンビン時間延長 軽度 回復 関連なし

女性 85

血中クレアチニン増加 軽度 回復 関連あり

エドキサバン60 mg

男性 74

血尿 軽度 回復 関連あり

男性 76

紅斑 軽度 回復 関連なし

MedDRA/J V.15.1

15.6.6 臨床検査値の評価 SRI 15 mg 群と Normal/MiRI 30 mg 群又は Normal/MiRI 60 mg 群間で、赤血球数、ヘモグロ

180*

181*

182*

183*

184*

185*

186*

184*

187*

188*

189*

190*

*: 新薬承認情報提供時に置き換え

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

283

ビン、ヘマトクリット値、アルブミン、BUN、及び血清クレアチニン等のベースライン値に

違いが認められたものの、投薬開始後の臨床検査値の経時変化や悪化変動を示した被験者間の

割合に差は認められなかった。

15.6.7 肝機能検査値の異常値に関する集計 すべての投与群で、AST 又は ALT が基準値上限の 3 倍以上を示した被験者はいなかった。

総ビリルビンが基準値上限の 1.5 倍以上を示した被験者は、Normal/MiRI 30 mg 群の 3 名

(13.6%)と Normal/MiRI 60 mg 群の 4 名(19.0%)であった。このうち、Normal/MiRI 30 mg

群の 1 名(4.5%)と Normal/MiRI 60 mg 群の 1 名(4.8%)は基準値上限の 2 倍以上であった。

15.7 結論 高度腎機能障害(CLCR 15 mL/min 以上 30 mL/min 未満)を有する NVAF 患者にエドキサバ

ン 15 mg を 1 日 1 回 12 週間投与したときの血漿中エドキサバン濃度分布は、腎機能正常又は

軽度腎機能障害(CLCR 50 mL/min 以上)を有する NVAF 患者にエドキサバン 30 mg 又は 60 mg

を 1 日 1 回 12 週間投与したときと概ね重なっていた。また、高度腎機能障害を有する NVAF

患者にエドキサバン 15 mg を 12 週間投与したときの出血性イベントは、正常腎機能又は軽度

腎機能障害を有するNVAF患者にエドキサバン30 mg又は 60 mgを投与したときと比較して、

著しい増加は認められなかった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

284

16. A phase 3, randomized, double-blind, double-dummy, parallel-group, multi-center, multi-national study for the evaluation of efficacy and safety of (LMW) heparin/edoxaban versus (LMW) heparin/warfarin in subjects with symptomatic deep-vein thrombosis and/or pulmonary embolism

··························································· 資料番号 5.3.5.1-6

16.1 治験方法 表 2.7.6.16-1 に試験方法の概略を示す。

表 2.7.6.16-1 試験方法の概略: 国際共同 VTE P3(1/4) 治験の目的 急性症候性深部静脈血栓症(DVT)及び急性肺塞栓症(PE)患者を対象とし、短期間

(5~12 日間)の低分子量ヘパリン又は未分画ヘパリン投与に引き続きエドキサバン

を 3~12 ヵ月間投与した際の、12 ヵ月間の症候性 VTE の再発予防効果について、低

分子量ヘパリン又は未分画ヘパリン開始時からワルファリン投与を開始し、5~12 日

後にワルファリン単独で 3~12 ヵ月間投与した場合に対する非劣性を検証する。 治験責任医師名 実施医療機関

、他 532 名 、他 532 施設

試験実施期間 2010 年 1 月 日(最初の被験者の同意取得日)~2013 年 6 月 日(最終観察日) 選択基準・除外基

準 1. 選択基準

1) 最低法定成人年齢以上の男性患者又は女性患者(国によって最低年齢は異な

る) 2) 実施医療機関において適切な画像診断によって確認された急性症候性近位

DVT 又は症候性 PE を発症した患者 3) 同意文書に自署できる者

2. 除外基準

1) 今回発症した DVT 又は PE を治療するために、血栓除去、大静脈フィルタ

ーの挿入、又は血栓溶解薬投与が行われた者 2) DVT 又は PE 以外にワルファリンの適応がある疾患を合併する者 3) 今回発症した DVT 又は PE を治療するために、無作為割付前に 48 時間を越

える抗凝固薬(低分子量ヘパリン、未分画ヘパリン、又はフォンダパリヌク

ス)の投与が行われた者、又は経口 VKA を 2 回以上投与された者 4) 低分子量ヘパリンを長期投与することが予測される進行性の癌患者 5) 活動性の出血がみられる又は出血リスクが高く、低分子量ヘパリンを含むヘ

パリンやワルファリンが禁忌とされている者 6) コントロール不良の高血圧患者(高血圧治療にもかかわらず収縮期血圧

>170 mmHg、拡張期血圧>100 mmHg など) 7) 低分子量ヘパリン、未分画ヘパリン、又はワルファリンが禁忌とされている

者(実施地域の添付文書による) 8) アスピリン以外の NSAIDs が、試験期間中に週 4 日以上の頻度で継続して投

与されることが予測される者 9) 100 mg/日を超えるアスピリン、又は抗血小板薬 2 剤(アスピリン又は他の

抗血小板薬 2 剤の組み合わせ)が、試験期間中に継続して投与されることが

予測される者 10) 強力な P-gp 阻害薬であるリトナビル、ネルフィナビル、インジナビル、又

はサキナビルが、試験期間中に継続して投与されることが予測される者

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

285

表 2.7.6.16-1 試験方法の概略: 国際共同 VTE P3(2/4) 選択基準・除外基

準(つづき) 11) 無作為割付時に強力な P-gp 阻害薬であるケトコナゾール、イトラコナゾー

ル、エリスロマイシン、アジスロマイシン、又はクラリスロマイシンが全身

投与されている者 a 12) 無作為割付時に抗不整脈薬ドロネダロンの全身投与が行われている者 b 13) CLCR が 30 mL/min 未満 cの者 14) 重大な肝疾患(急性肝炎、慢性活動性肝炎、肝硬変など)を有する者、又は

ALT が ULN の 2 倍以上もしくは総ビリルビンが ULN の 1.5 倍以上を示す者 15) 余命 3 ヵ月未満と推定される者 16) 無作為割付前 30 日以内に何らかの治験薬を投与された者 17) 妊娠中又は授乳中の女性、妊娠可能な女性は以下の適切な避妊を行うこと、

妊娠可能な女性は以下の適切な避妊を行うこと 観察期を含め試験期間中に適切な避妊法(失敗率 1%未満)を行うこと。医

薬品の臨床試験のための非臨床安全性試験の実施時期についてのガイドラ

イン (CPMP/ICH/286/95, 改変)に従い、本避妊法には、ホルモン含有の埋

め込み製剤及び注射剤、経口(合剤)避妊薬、ホルモン含有子宮内避妊器具

の適切な使用、外科的不妊、性的禁欲及び男性パートナーの精管切除術が含

まれる。 18) HBs 抗原陽性又は HCV 抗体陽性の既往歴を有する者 19) 本治験に参加した場合、被験者の安全性上のリスクが増大すると治験責任医

師/分担医師が判断した者 治験デザイン 症候性 VTE の再発(症候性 DVT、非致死性の症候性 PE、及び致死性 PE の複合エン

ドポイント)を主要評価項目とし、症候性 VTE の再発が必要数に到達することが予

測されるまで被験者組み入れを継続した event-driven 試験。国際共同、多施設、無作

為化、二重盲検、並行群間比較デザインにより、無作為割付後 5~12 日間の低分子量

ヘパリン又は未分画ヘパリン投与に続けてエドキサバン(60 mg 1 日 1 回投与、用量

調整因子を有する被験者では 30 mg 1 日 1 回投与)を 3~12 ヵ月間投与した際の有効

性を、低分子量ヘパリン又は未分画ヘパリン開始時からワルファリン投与を開始し、

5~12 日後にワルファリン単独(目標 INR 2.0~3.0 として 1 日 1 回投与)で 3~12 ヵ

月間投与した場合と比較した。 無作為割付には層別割付を用い、割付調整因子を診断名(PE、DVT)、ベースライン

で被験者が有する VTE の危険因子(一時的な危険因子[外傷、手術、固定、エスト

ロゲン療法など]、その他)、及びエドキサバンの用量調整因子(30 mL/min ≤ CLCR ≤ 50 mL/min、体重 ≤ 60 kg、ベラパミル又はキニジンの併用)の有無とした。PE 患者

と DVT 患者で層別化し、それぞれの診断名の被験者を VTE の危険因子が一時的なも

のであるか否か、さらにエドキサバンの用量調整因子の有無で層別した後、割付比 1:1でエドキサバン又はワルファリンに無作為に割り付けた。盲検化にはダブルダミー法

を用いた。 a: 無作為割付後はこれらの P-gp 阻害薬の使用は許容され、試験治療と併用する場合にはエドキサバンの 1 回

用量を半量の 30 mg に減量した。 b: 治験実施計画書第 3.0 版改訂時に追加された除外基準であり、改訂前に無作為割付された被験者では、エ

ドキサバンの 1 回用量を半量の 30 mg に減量した。 c: Cockcroft-Gault 式による計算値

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

286

表 2.7.6.16-1 試験方法の概略: 国際共同 VTE P3(3/4) 被験者数

無作為割付した被験者数 8292

投与群 エドキサバン群 N = 4143

ワルファリン群 N = 4149

治験薬投与被験者数 4118(99.4) 4122(99.3)

試験完了被験者数 a 3937(95.6) 3955(95.9)

試験中止被験者数 b 181(4.4) 167(4.1)

試験中止理由の内訳

死亡 136(3.3) 127(3.1) 同意撤回 32(0.8) 33(0.8) 追跡不能 7(0.2) 4(<0.1) 治験依頼者の判断 0 0

その他 6(0.1) 3(<0.1)

安全性解析対象集団 4118(99.4) 4122(99.3) mITT 4118(99.4) 4122(99.3) PPS 4057(97.9) 4078(98.3)

a: 規定どおりに無作為割付後 12 ヵ月後の有効性・安全性評価又は投与終了 1 ヵ月後の 追跡調査を終了した

b: 無作為割付後 12 ヵ月もしくは試験全体の投与終了日以前に試験中止となった被験者数 用法・用量 投与期間

無作為割付後、可能な限り早期に低分子量ヘパリン又は未分画ヘパリンとワルファリン(又

はワルファリンプラセボ)の投与を開始し、5 日間以上投与して INR が規定の値に達した

ことを確認してから低分子量ヘパリン又は未分画ヘパリンの投与を終了し、エドキサバン

もしくはワルファリンの単独投与に切り替えた。 エドキサバンは 60 mg を 1 日 1 回経口投与した。ただし、用量調整因子(30 mL/min ≤ CLCR ≤ 50 mL/min、体重 ≤ 60 kg、ベラパミル又はキニジンの併用)が 1 つ以上ある被験者には、

エドキサバン 30 mg を 1 日 1 回経口投与した。エドキサバン投与と食事のタイミングは規

定しなかった。 ワルファリンは 1 日 1 回経口投与とし、INR が 2.0~3.0 に維持されるように投与量を調整

した。INR 測定は、原則として point-of-care 装置を用いて測定した。治験責任医師等は

point-of-care 装置に表示されたコード番号を音声/ウェブ自動応答システム(interactive voice/web response system: IXRS)に報告し、IXRS から得られた INR に基づいて個々の被験

者での用量調整を行った(エドキサバン群の被験者には、IXRS から sham INR が通知され

た)。 被験者ごとの投与期間は 3ヵ月以上、最長 12ヵ月とし、米国胸部疾患学会(American College of Chest Physicians: ACCP)ガイドライン第 8 版 16)に基づいて担当医師が決定した。投与期

間中の服薬中断は許容されており、服薬を中断している間はオープンラベルの抗凝固療法

を実施可能とした。 すべての被験者に対して、エドキサバン又はワルファリンの投与終了 1 ヵ月後に追跡調査

を行い、安全性を評価した。また、被験者ごとの投与期間にかかわらず、原則としてすべ

ての被験者に無作為割付後 12 ヵ月時点で来院させ、有効性及び安全性データを収集・評価

した。 ただし、有効性の主要評価項目としたイベントが必要数に達すると予測された段階で被験

者組み入れを終了し、最後に無作為割付された被験者の投与期間が 6 ヵ月以上となる日を

試験全体の投与終了日とした。また、試験全体の投与終了日から 1 ヵ月後を、試験全体の

最終来院日とした。すべての被験者は試験全体の投与終了日までに治験薬の投与を終了し、

試験全体の最終来院日までに追跡調査を完了した。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

287

表 2.7.6.16-1 試験方法の概略: 国際共同 VTE P3(4/4) 評価項目 1. 有効性

1.1 有効性の主要評価項目 無作為割付後 12 ヵ月間での症候性 VTE の再発(症候性 DVT、症候性の非致死性 PE、及び致死性 PE の複合エンドポイント)

1.2. 有効性の副次評価項目 無作為割付後 12 ヵ月間での症候性 DVT の再発、症候性の非致死性 PE の再発、及びす

べての死亡の複合エンドポイント 2. 薬物動態評価項目

血漿中エドキサバン及び代謝物 D21-2393 濃度、母集団薬物動態パラメータ、曝露量-

反応関係 3. 安全性評価項目 3.1 安全性の主要評価項目

大出血又は臨床的に重要な出血の発現率 3.2. 安全性のその他の評価項目

• すべての死亡 • 重大な心血管系イベント(MACE)† • 肝臓専門医による判定を要する基準に該当した肝機能値異常又は肝機能異常に起

因する有害事象の発現率 評価スケジュー

ル 図 2.7.6.16-1 及び表 2.7.6.16-2 参照

統計解析手法

1. 有効性の解析 主要評価項目(症候性 VTE の再発)についてエドキサバン群のワルファリン群に対す

る非劣性を検証した。また、主要評価項目の非劣性が検証された場合に限り、副次評価

項目(症候性 DVT の再発、症候性の非致死性 PE の再発、及びすべての死亡の複合エ

ンドポイント)についてエドキサバン群のワルファリン群に対する優越性を検証するこ

ととした。 主要評価項目の非劣性の解析では、mITT の全期間(無作為割付日から最終観察日まで

の期間)について、投与群、診断名(PE、DVT)、ベースラインで被験者が有する VTEの危険因子(一時的な危険因子、その他)、及び用量調整因子の有無を共変量とした Cox比例ハザードモデルを用いて、症候性 VTE の再発までの期間を解析した。ワルファリ

ン群に対するエドキサバン群のハザード比 dとその両側 95%CI をそれぞれ推定し、信頼

上限が非劣性限界値 1.5 を下回った場合に非劣性が検証されたとみなすこととした。 副次評価項目の優越性の解析でも、mITT の全期間について、主要評価項目の解析と同

じモデルを用いて解析した。 2. 安全性の解析

出血性イベントを含む有害事象などの集計では、on-treatment 期間(被験者が治験薬を

服薬している期間、及び最後の服薬から 3 日後までの期間、服薬を中断した場合には、

継続して服薬した期間ごとに、最後の服薬から 3 日間を加えた)での発現率の点推定値

を表示し、主要な項目では 95%CI も表示した。また、出血性イベントの解析のうち、

主要なものでは Cox 比例ハザードモデルを用いて出血性イベントの発現までの期間を

解析し、ハザード d比及びその 95%CI を算出した。 3. 解析対象集団

mITT は、無作為に割り付けられ、治験薬を少なくとも 1 回服用したすべての被験者を

対象とした。PPS は、無作為に割り付けられ、治験薬を少なくとも 1 回服用し、全試験

期間にわたり誤割付された治療を受けておらず、登録時の DVT 又は PE が確認された

すべての被験者を対象とした。安全性解析対象集団は、無作為に割り付けられ、治験薬

を少なくとも 1 回服用したすべての被験者を対象とした。 d: 1 群の発現件数が 5 件未満の場合、ハザード比は算出しなかった。

† MACE: 非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、非致死性全身性塞栓性イベント、及び心血管死

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

288

図 2.7.6.16-1 試験デザイン: 国際共同 VTE P3

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

289

表 2.7.6.16-2 評価スケジュール: 国際共同 VTE P3(1/2) 時期 SQ/Rand 治療期

Day Day - 3

Day 1

Day 2~12

Day 30 Day 60

Month

n/a 1st Edoxaban Visit

3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 F/Ua

来院時期の範囲(日)b n/a n/a ±1 n/a ±3 ±5 ±5 ±7 ±7 ±5 ±7 ±7 ±7 ±7 ±7 ±7 ±7

同意取得 ● VTE の診断 ● 選択/除外基準 ● 被験者背景 ● 既往歴/手術歴 ● 飲酒・喫煙の習慣 ● 診察 ●c ● バイタルサイン/体重 ● ● ● ● ● ● ● 12 誘導心電図 ●j ● ● IXRS Randomization Visit Worksheet ● 肝機能検査(ALT、AST、T-BIL、ALP) ●d ●d ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 血液生化学的検査(肝機能検査を除く) ●d ●d ● ● ● ● ● ● 血液学的検査 ●d ●d ● ● ● ● 尿検査 ● ● ● ● ● 血清検体の保存 ● 妊娠検査(尿検査) ●

略語: F/U=追跡調査、Rand=無作為化、SQ=適格性確認 a: 治験薬を中断している被験者については、有効性及び安全性の主要評価項目と副次評価項目及び SAE を、3 ヵ月ごとに来院又は電話連絡により Month 12 まで追跡調査する。一時中断/

永続的に中止した被験者については該当する eCRFを作成する。無作為に割付けたすべての被験者がMonth 12来院と永続的 (早期又はそれ以外) 投与中止後1ヵ月のF/U来院を実施する。 b: 医療機関における交付可能な薬剤数量に注意して、来院時期の許容範囲内で来院日の予定を立てる。 c: 治験責任医師又は治験分担医師が診察を実施する。 d: 診察の一環として本治験範囲外で採取した検体は医療機関の検査室で分析することができ、その検査が無作為化前 48 時間以内に実施されている場合は、その結果を患者の適格性確認に

使用することができる。また、適格性確認のための臨床検査は中央測定施設でも解析することができる。 j: 無作為化前 1 週間以内に実施された心電図検査の結果を使用することは可能である。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

291

16.1.1 被験者数の設定根拠 mITT の全期間で有効性の主要評価項目 220 イベントを収集する計画とした。非劣性限界値

を 1.5、有意水準を両側 0.05 としたとき、ワルファリン群とエドキサバン群の比較で、非劣性

の帰無仮説(エドキサバンがワルファリンに劣る)を検出力 85%で棄却するためには、220 イ

ベントを要する。

最近終了した他の経口抗凝固薬の試験結果 17)18)から、治験期間中の VTE 再発率は 3.0%と想

定された。mITT の全期間で発現する有効性の主要評価項目イベントを 220 件収集するために

は、計 7500 名の被験者を無作為割付する必要があると推定された。さらに、本治験は

event–driven 試験であり、実際のイベント発現率に基づいて必要に応じて被験者総数を増やす

ことを規定していた。

16.1.2 用法・用量の設定根拠 低分子量ヘパリン又は未分画ヘパリンの投与方法は最新のガイドラインに基づき使用した 1。

急性症候性近位 DVT 又は症候性 PE が発症して早期に VTE が再発するリスクを減らすために

は、治療開始期に十分な投与量の低分子量ヘパリン又は未分画ヘパリンを投与する必要がある

とされている 19)20)。低分子量ヘパリン又は未分画ヘパリンは以下のいずれかを選択し、投与し

た。

• エノキサパリン 1 mg/kg を 1 日 2 回皮下投与

• エノキサパリン 1.5 mg/kg を 1 日 1 回皮下投与

• 未分画ヘパリン 5000 IU ボーラス投与に引き続き 1300 IU/h で持続静注を開始し、APTT

を指標として治療範囲を維持するように調節

ワルファリンは、INR が 2.0~3.0 に維持されるように投与量を調整した。

エドキサバンの用量と用量調節の方法は下記の試験結果から設定した。

• 第 I 相 PK/PD 試験及び DDI 試験

• 下肢整形外科手術施行患者を対象とした第 II 相試験(治験薬投与期間: 約 10 日間)

• NVAF 患者を対象とした第 II 相試験(治験薬投与期間: 約 12 週間)

• 母集団薬物動態解析や出血性イベントの濃度-反応関係の検討を含む解析結果

エドキサバンの用法・用量は NVAF 患者を対象とした第 II 相試験(主に欧米 NVAF P2b)の

出血性イベントに基づいた安全性評価及びバイオマーカーに基づいた有効性評価から設定し

た。第一に、すべての出血性イベント(大出血、小出血、及び臨床的に重要な出血)の発現率

がワルファリン群(INR を 2.0~3.0 に調整)と比較し、同程度又は低いエドキサバンの用法・

用量を選択した。第二に、血栓凝固系バイオマーカー(D-dimer 及び F1+2)がワルファリン群

(INR を 2.0~3.0 に調整)と同程度に減少したエドキサバンの用法・用量を選択した。

エドキサバンを経口投与後、血漿中薬物濃度は速やかに上昇し、tmaxの中央値は 1.5〜2 h で

あることから、エドキサバンと低分子量ヘパリン又は未分画ヘパリンの併用は必要ない。無作

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

292

為割付後 5 日間以上、低分子ヘパリン又は未分画ヘパリンとワルファリンを併用投与した。投

与開始後は少なくとも 2~3 日ごとに INR を測定し、異なる日に測定した 2 回の INR が少なく

とも 1 回は 2.0 以上に到達するか、3.0 以上に 1 回到達するまで低分子量ヘパリン又は未分画

ヘパリンの投与を継続した。低分子量ヘパリン又は未分画ヘパリンの投与を中止した後に、エ

ドキサバンの投与を開始した。

本治験のエドキサバンの用法・用量は 60 mg × 1/日を選択した。NVAF 患者を対象とした

第 II 相試験(欧米 NVAF P2b 試験)から得られた出血性イベントに関する安全性データに基づ

き本治験のエドキサバンの用法・用量を設定した。欧米 NVAF P2b 試験で実施したエドキサバ

ンの 4 つの投与レジメン(30 mg × 1/日、30 mg × 2/日、60 mg × 1/日、60 mg × 2/日)の

中で、エドキサバン 30 mg × 2/日及び 60 mg × 2/日投与群のすべての出血性イベントの発現

率は対照薬のワルファリン群と比較し高かった。60 mg × 2/日の群は、独立データモニタリ

ング委員会によって、出血性イベントの発現率が高かったために早期に中止された。エドキサ

バン 30 mg × 1/日及び 60 mg × 1/日投与群のすべての出血性イベントの発現率は対照薬のワ

ルファリン群と比較し同程度又は低かった。30 mg × 1/日及び 60 mg × 1/日投与群の D-dimer

の変化量はワルファリン群と同程度であり、これらの用法・用量が有効である可能性が示唆さ

れた。出血性イベントの発現率とエドキサバンの血中濃度との反応関係を検討するために、

PK-PD モデルを構築し、薬物動態と出血性イベントに関連するデータを評価した。これらの

ファーマコメトリクス解析の結果も踏まえ、本治験のエドキサバンの用法・用量は 60 mg × 1

/日を選択した。

本治験ではエドキサバンの曝露が上昇することが特定されている用量調整因子(30 mL/min

≤ CLCR ≤ 50 mL/min、体重 ≤ 60 kg、ベラパミル又はキニジンの併用)が 1 つ以上ある被験者は

エドキサバン 30 mg を 1 日 1 回経口投与した。P-gp 阻害薬の併用及び中等度の腎機能障害を

有する患者へのエドキサバン 30 mg 投与の妥当性は、AF 患者での内因性要因又は外因性因要

因よるエドキサバンの曝露への影響と出血の関係をファーマコメトリクス解析で検討した。シ

ミュレーションの結果から、曝露、特に定常状態における Cminがこれらのリスク因子により

30%~60%上昇することが示された。低体重の患者へのエドキサバン 30 mg 投与の妥当性は日

本人 AF 患者を対象とした日本 NVAF P2b 試験の結果から検討した。エドキサバンを投与され

た体重 60 kg 以下の被験者では体重が 60 kg 超の被験者と比較し、出血の発現率が有意に高か

った。したがって、本治験ではこれらのリスク因子を有する被験者ではエドキサバンの曝露が

上昇するために、エドキサバンの用量を 60 mg の半量の 30 mg とした。

16.2 被験者背景 被験者背景を表 2.7.6.16-3 に示す。

mITT での被験者背景には、有効性評価に影響するような投与群間の不均衡は認められなか

った。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

293

表 2.7.6.16-3 被験者背景: 国際共同 VTE P3(mITT、全体集団)(1/2) エドキサバン群

N = 4118 ワルファリン群

N = 4122

年齢(歳) M 4118 4122 平均値 55.7 55.9

SD 16.28 16.17 中央値 57.0 57.0

最小値 18 18

最大値 106 95

<65 歳 2784(67.6) 2752(66.8)

≥65 歳 1334(32.4) 1370(33.2)

<75 歳 3558(86.4) 3578(86.8)

≥75 歳 560(13.6) 544(13.2)

性別 男 2360(57.3) 2356(57.2)

女 1758(42.7) 1766(42.8)

人種 a 白人 2867(69.6) 2895(70.2)

黒人 156(3.8) 144(3.5)

アジア人 866(21.0) 861(20.9)

アメリカインディア

ン/アラスカ原住民 0(0.0) 0(0.0)

ハワイ原住民/太平

洋諸島住民 0(0.0) 4(< 0.1)

その他 220(5.3) 211(5.1)

地域 西欧 680(16.5) 679(16.5)

中欧 468(11.4) 464(11.3)

南欧 586(14.2) 590(14.3)

東欧 483(11.7) 485(11.8)

北欧 174(4.2) 180(4.4)

中国/日本 349(8.5) 344(8.3)

他のアジア 501(12.2) 503(12.2)

オセアニア 145(3.5) 145(3.5)

南アフリカ/南米 316(7.7) 312(7.6)

北米 416(10.1) 420(10.2)

体重(kg) M 4106 4109 平均値 81.8 82.2

SD 19.48 20.05 中央値 80.0 80.0

最小値 33 31

最大値 177 186

≤60 kg 506(12.3) 503(12.2) >60 kg 3600(87.7) 3606(87.8) ≤40 kg 5(0.1) 13(0.3) >40 kg 4101(99.9) 4096(99.7)

n(%)、M: データがある被験者数 a: エドキサバン群は M = 4109、ワルファリン群は M = 4115。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

294

表 2.7.6.16-3 被験者背景: 国際共同 VTE P3(mITT、全体集団)(2/2) エドキサバン群

N = 4118 ワルファリン群

N = 4122 CLCR(mL/min) M 3906 3898

平均値 105.2 104.9

SD 40.42 40.21 中央値 100.5 100.9

最小値 27 25

最大値 381 310

15~<30 mL/min 10(0.3) 10(0.3)

≥30~≤50 mL/min 219(5.6) 218(5.6) >50 mL/min 3677(94.1) 3670(94.2)

無作為割付時のベラパミル

又はキニジンの併用 無 4092(99.4) 4097(99.4)

有 26(0.6) 25(0.6)

無作為割付時の用量調整 無 3385(82.2) 3403(82.6)

有 733(17.8) 719(17.4)

無作為割付時の診断名 DVT 2447(59.4) 2443(59.3) PE 1671(40.6) 1679(40.7)

DVT を伴う PE 611(14.8) 560(13.6)

DVT を伴わない PE 1060(25.7) 1119(27.1)

VTE の危険因子 一時的な危険因子 1132(27.5) 1140(27.7)

その他 2986(72.5) 2982(72.3)

癌の既往 b 無 3736(90.8) 3726(90.5)

有 378(9.2) 393(9.5)

非活動中 269(6.5) 294(7.1)

活動中 109(2.6) 99(2.4)

無作為割付前 48 時間以内の

抗凝固療法 ワルファリン

投与せず 3794(92.1) 3745(90.9)

1 回 279(6.8) 319(7.7)

2 回以上 45(1.1) 58(1.4)

低分子量 /未分画ヘパリン

投与せず 755(18.3) 756(18.3)

2 日以内 3260(79.2) 3262(79.1)

2 日を超える 103(2.5) 104(2.5)

低分子量ヘパリン又は 未分画ヘパリンの投与期間

(日)

M 4118 4122 平均値 7.5 8.5 SD 2.85 3.99 中央値 7.0 8.0

最小値 0 0

最大値 54 64 n(%)、M: データがある被験者数 b: エドキサバン群は M = 4114、ワルファリン群は M = 4119。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

295

16.3 有効性 16.3.1 主要評価項目: 症候性VTE(症候性DVT、症候性非致死性PE、及び致死性

PE)の再発抑制効果 16.3.1.1 症候性VTEの再発抑制効果についての非劣性の検証

国際共同 VTE P3 試験全体での症候性 VTE 再発率、ワルファリン群に対するエドキサバン

群のハザード比、及び Kaplan-Meier プロットを mITT の全期間について表 2.7.6.16-4 及び図

2.7.6.16-2 に示す。

mITT の全期間での症候性 VTE 再発率は、エドキサバン群 3.2%、ワルファリン群 3.5%(ハ

ザード比 0.89)であった。ワルファリン群に対するエドキサバン群のハザード比の 95%信頼上

限は 1.128 であり、非劣性限界値 1.50 を下回り、エドキサバン群のワルファリン群に対する非

劣性が検証された。

表 2.7.6.16-4 症候性 VTE の再発率及びハザード比: 国際共同 VTE P3(mITT 全期間、

全体集団) エドキサバン群

N = 4118 ワルファリン群

N = 4122

発現被験者数(%) 130(3.2) 146(3.5)

ハザード比(95% CI) 0.89(0.703, 1.128)

P 値(非劣性) <0.0001 非劣性限界値 1.50

感度分析の結果、PPS の投与終了後 30 日間でも、ワルファリン群に対するエドキサバン群

のハザード比の 95%信頼上限(1.137)は 1.50 を下回っており、有効性の主要評価項目の主解

析の頑健性が確認された。

また、PPS の無作為割付後 90 日間での症候性 VTE 再発率は、エドキサバン群 1.3%、ワル

ファリン群 1.7%(ハザード比 0.76)であり、治療開始早期からエドキサバンの症候性 VTE 再

発抑制効果が認められた。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

296

図 2.7.6.16-2 症候性VTEの初回再発までの期間のKaplan-Meierプロット: 国際共同VTE P3

(mITT 全期間、全体集団)

mITT 日本人集団の全期間での症候性 VTE 再発率は、エドキサバン群 4.7%(5/106)、ワル

ファリン群 4.9%(5/103)であった。ワルファリン群に対するエドキサバン群のハザード比は

1.00 であり、全体集団と整合した結果であった。エドキサバン群で認められた症候性 VTE は、

非致死性 PE 及び症候性 DVT であり、致死性 PE は認められなかった。

16.3.1.2 無作為割付時の診断名(急性症候性DVT又は急性症候性PE)ごとの症候性VTE再

発抑制効果

国際共同 VTE P3 試験全体での無作為割付時の診断名ごとの症候性 VTE 再発率とワルファ

リン群に対するエドキサバン群のハザード比を、mITT の全期間について表 2.7.6.16-5 に示す。

症候性 DVT 患者での症候性 VTE 再発率は、エドキサバン群 3.4%、ワルファリン群 3.3%で

あり、ワルファリン群に対するエドキサバン群のハザード比は 1.02 であった。また、症候性

PE 患者での症候性 VTE 再発率は、エドキサバン群 2.8%、ワルファリン群 3.9%であった。ハ

ザード比は 0.73 であり、症候性 DVT 患者でのワルファリン群に対するエドキサバン群のハザ

ード比よりも低かった。

日本人症候性 DVT 患者での症候性 VTE 再発率は、エドキサバン群 4.9%(4/81)、ワルファ

リン群 5.7%(4/70)であった。また、日本人症候性 PE 患者での症候性 VTE 再発率は、エド

キサバン群 4.0(1/25)%、ワルファリン群 3.0%(1/33)であった。日本人集団では症候性 VTE

イベント数が少なかったため、エドキサバンの症候性 VTE 再発抑制効果に無作為割付時の診

断名による一定の傾向を見出すことはできなかった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

297

表 2.7.6.16-5 無作為割付時の診断名ごとの症候性 VTE の再発率及びハザード比: 国際共同

VTE P3(mITT 全期間、全体集団) 無作為割付時の

診断名 エドキサバン群

N = 4118 ワルファリン群

N = 4122

症候性 DVT M 2468 2453 発現被験者数(%) 83(3.4) 81(3.3)

ハザード比(95% CI) 1.02(0.750, 1.384)

症候性 PE M 1650 1669 発現被験者数(%) 47(2.8) 65(3.9)

ハザード比(95% CI) 0.73(0.502, 1.062) M: 各サブグループの被験者数

16.3.2 副次評価項目: 症候性DVTの再発、症候性非致死性PEの再発、及びすべて

の死亡の抑制効果 国際共同 VTE P3 試験全体での症候性 VTE(症候性 DVT 及び症候性非致死性 PE)再発とす

べての死亡の複合エンドポイントの発現率、ワルファリン群に対するエドキサバン群のハザー

ド比、及び Kaplan-Meier プロットを mITT の全期間について表 2.7.6.16-6 及び図 2.7.6.16-3 に

示す。

mITT の全期間での症候性 VTE 再発とすべての死亡の発現率は、エドキサバン群 5.5%、ワ

ルファリン群 5.5%であった。ワルファリン群に対するエドキサバン群のハザード比は 1.00

(95%CI 0.832~1.200)であり、優越性は検証できなかったものの、エドキサバン群での発現

率はワルファリン群と同様であった(Cox 比例ハザードモデル、P = 0.9933)。

日本人集団での mITT の全期間での症候性 VTE 再発とすべての死亡の発現率は、エドキサ

バン群 4.7%(5/106)、ワルファリン群 8.7%(9/103)とエドキサバン群での発現率が低かった。

表 2.7.6.16-6 症候性 VTE 再発及びすべての死亡の発現率及びハザード比

: 国際共同 VTE P3(mITT 全期間、全体集団) エドキサバン群

N = 4118 ワルファリン群

N = 4122

発現被験者数(%) 228(5.5) 228(5.5)

ハザード比(95% CI) 1.00(0.832, 1.200)

P 値 0.9933

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

298

図 2.7.6.16-3 症候性 VTE 再発及びすべての死亡発現までの期間の Kaplan-Meier プロット

: 国際共同 VTE P3(mITT 全期間、全体集団)

16.4 安全性 16.4.1 出血性イベント 16.4.1.1 大出血又は臨床的に重要な出血の発現率と発現時期

国際共同 VTE P3 試験の全体集団での、on-treatment 期間の大出血又は臨床的に重要な出血

の発現率を表 2.7.6.16-7 に、全期間の初回発現までの期間の Kaplan-Meier プロットを図

2.7.6.16-4 に示す。

大出血又は臨床的に重要な出血の発現率は、エドキサバン群 8.5%(349/4118)、ワルファリ

ン群 10.3%(423/4122)であった。エドキサバン群のワルファリン群に対するハザード比は 0.81

(95% CI = 0.705~0.936)であり、エドキサバン群での発現率はワルファリン群よりも統計学

的に有意に低かった(Cox 比例ハザードモデル、P = 0.004)。

日本人集団での大出血又は臨床的に重要な出血の発現率は、エドキサバン群 10.4%(11/106)、

ワルファリン群 15.5%(16/103)であった。エドキサバン群のワルファリン群に対するハザー

ド比は 0.67(95% CI = 0.307~1.471)であり、エドキサバン群での発現率はワルファリン群よ

りも低い傾向にあった。また、いずれの投与群でも、全体集団よりも日本人集団での発現率は

高い傾向にあった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

299

表 2.7.6.16-7 大出血又は臨床的に重要な出血の発現率: 国際共同 VTE P3

(安全性解析対象集団 on-treatment 期間、全体集団) エドキサバン群

N = 4118 ワルファリン群

N = 4122 発現被験者数(%) 349(8.5) 423(10.3)

ハザード比(95% CI) 0.81(0.705, 0.936)

P 値 0.0040

n(%)

図 2.7.6.16-4 大出血又は臨床的に重要な出血の初回発現までの期間の Kaplan-Meier

プロット: 国際共同 VTE P3(安全性解析対象集団 全期間、全体集団)

16.4.1.2 大出血の発現率

国際共同 VTE P3 試験の全体集団での、on-treatment 期間の大出血の発現率を表 2.7.6.16-8 に

示す。

大出血発現率は、エドキサバン群 1.4%(56/4118)、ワルファリン群 1.6%(66/4122)であっ

た。エドキサバン群のワルファリン群に対するハザード比は 0.84(95% CI = 0.592~1.205)で

あり、エドキサバン群での大出血発現率はワルファリン群よりやや低かった。

日本人集団での大出血発現率はエドキサバン群 0.9%(1/106)、ワルファリン群 3.9%(4/103)

であり、エドキサバン群での大出血発現率はワルファリン群よりもやや低かった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

300

表 2.7.6.16-8 大出血発現率: 国際共同 VTE P3(安全性解析対象集団 on-treatment 期

間、全体集団) エドキサバン群

N = 4118 ワルファリン群

N = 4122 発現被験者数(%) 56(1.4) 66(1.6)

ハザード比(95% CI) 0.84(0.592, 1.205)

P 値 0.3521

n(%)

16.4.1.3 すべての出血性イベントの発現率

国際共同 VTE P3 試験の全体集団での、on-treatment 期間のすべての出血性イベントの発現

率を表 2.7.6.16-9 に示す。

すべての出血性イベントの発現率は、エドキサバン群 21.7%(895/4118)、ワルファリン群

25.6%(1056/4122)であった。エドキサバン群のワルファリン群に対するハザード比は 0.82

(95% CI = 0.750~0.896)であり、エドキサバン群での発現率はワルファリン群よりも統計学

的に有意に低かった(Cox 比例ハザードモデル、P < 0.0001)。

日本人集団でのすべての出血性イベントの発現率はエドキサバン群 34.0%(36/106)、ワル

ファリン群 44.7%(46/103)であった。エドキサバン群のワルファリン群に対するハザード比

は 0.71(95% CI = 0.461~1.099)であり、エドキサバン群での発現率はワルファリン群よりも

低い傾向にあった。また、いずれの投与群でも、全体集団よりも日本人集団での発現率は高い

傾向にあった。

表 2.7.6.16-9 すべての出血性イベントの発現率: 国際共同 VTE P3(安全性解析対象

集団 on-treatment 期間、全体集団) エドキサバン群

N = 4118 ワルファリン群

N = 4122 発現被験者数(%) 895(21.7) 1056(25.6)

ハザード比(95% CI) 0.82(0.750, 0.896)

P 値 <0.0001

n(%)

16.4.1.4 肝障害に関する有害事象

16.4.1.4.1 肝機能検査値異常

国際共同 VTE P3 試験の全体集団での、on-treatment 期間の肝機能検査値異常の発現率を表

2.7.6.16-10 に示す。

ALT 又は AST が基準値上限の 3 倍以上を示した被験者の割合は、エドキサバン群 2.7%

(106/3901)、ワルファリン群 2.6%(100/3903)であった。総ビリルビンが基準値上限の 2 倍

以上を示した被験者の割合は、エドキサバン群 1.1%(41/3901)、ワルファリン群 0.6%(24/3905)

であった。ALT 又は AST が基準値上限の 3 倍以上かつ同時期(AST/ALT 最大値の 37 日以内)

に総ビリルビンが基準値上限の 2 倍以上を示した被験者の割合は、エドキサバン群 0.2%

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

301

(6/3899)及びワルファリン群 0.1%未満(3/3903)であった。このうち、ALP が基準値上限の

2 倍未満であった被験者の割合はエドキサバン群 0.1%未満(3/3899)及びワルファリン群 0.1%

未満(1/3903)であった。

表 2.7.6.16-10 肝機能検査値異常の発現率: 国際共同 VTE P3(安全性解析対象集

団 on-treatment 期間、全体集団)

エドキサバン群 N = 4118

ワルファリン群 N = 4122

ALT 又は AST M 3901 3903 ≥ 3 × ULN 被験者数(%) 106(2.7) 100(2.6) ≥ 5 × ULN 被験者数(%) 36(0.9) 34(0.8) ≥ 8 × ULN 被験者数(%) 14(0.4) 15(0.4) ≥ 10 × ULN 被験者数(%) 9(0.2) 5(0.1) ≥ 20 × ULN 被験者数(%) 1(<0.1) 0(0.0)

総ビリルビン M 3901 3905 ≥ 1.5 × ULN 被験者数(%) 101(2.6) 80(2.0) ≥ 2 × ULN 被験者数(%) 41(1.1) 24(0.6) ≥ 3 × ULN 被験者数(%) 9(0.2) 4(0.1) ≥ 5 × ULN 被験者数(%) 3(<0.1) 1(<0.1)

ALT 又は AST の最大値が基準値の 3 倍以上

かつ同時期に(37 日以内に)総ビリルビン

が基準値の 2 倍以上

M 3899 3903 被験者数(%) 6(0.2) 3(<0.1) 発現率の差 (95%CI)

― (―, ―) ―

ALT 又は AST が基準値の 3 倍以上かつ同時

期(AST/ALT 最大値の 37 日以内)に総ビリ

ルビンが基準値の 2 倍以上かつ同時期(AST/ ALT 最大値の 37 日以内に)ALP が基準値の

2 倍未満

M 3899 3903 被験者数(%) 3(<0.1) 1(<0.1)

発現率の差 (95%CI)

― (―, ―) ―

M: データを有する被験者数

16.4.1.4.2 肝関連イベントの発現率

国際共同 VTE P3 試験の全体集団で、on-treatment 期間の肝臓専門医による判定結果の集計

を表 2.7.6.16-11 に示す。

肝臓専門医による判定で肝障害が確認された被験者の割合は、エドキサバン群 1.4%

(59/4118)、ワルファリン群 1.2%(48/4122)であり、投与群間に明らかな差は認められなか

った。肝障害の性質は、いずれの投与群でも肝細胞障害に分類されるものが多かった。Hy’s rule

に該当する事象はエドキサバン群では認められず、ワルファリン群で 2 件認められた。重度の

事象の発現件数は、エドキサバン群 10 件、ワルファリン群 8 件であり、投与群間に明らかな

差は認められなかった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

302

表 2.7.6.16-11 肝臓専門医による判定結果の集計: 国際共同 VTE P3(安全性解析対象集団

on-treatment 期間、全体集団)

エドキサバン群 N = 4118

ワルファリン群 N = 4122

肝臓専門医により肝障害と確認された被験者数 a 59(1.4) 48(1.2) 性質 肝細胞障害 34 30

肝細胞障害と胆汁うっ滞の混合型 9 6 胆汁うっ滞 8 13 その他 11 3

治験薬との因果関係 明らかに関連あり 0 0 多分関連あり/関連あるかもしれない 24 14 ほとんど関連なし/関連なし 38 38 情報不足のため判定できず 0 0

Hy’s rule に該当したもの 0 2 重症度 重度 10 8

中等度 12 11 軽度 40 33

発現件数 a: n(%)

16.4.1.5 重大な心血管系イベントの発現率

国際共同 VTE P3 試験の全体集団での、on-treatment 期間のイベント評価委員会による重大

な心血管系イベント(MACE)の判定結果の要約を表 2.7.6.16-12 に示す。イベント評価委員会

により MACE と判定された事象の発現率は、エドキサバン群 1.2%(49/4118)、ワルファリン

群 1.0%(40/4122)であり、投与群間に明らかな差は認められなかった。エドキサバン群で発

現した MACE の主な内訳は、脳卒中と心筋梗塞であった。また、エドキサバン群では、心筋

梗塞、全身性塞栓性イベント、及び心血管死の発現頻度がワルファリン群を上回っていた。

表 2.7.6.16-12 イベント評価委員会による重大な心血管系イベントの判定結果: 国際共同

VTE P3(安全性解析対象集団 on-treatment 期間、全体集団)

エドキサバン群 N = 4118

ワルファリン群 N = 4122

イベント評価委員会によって評価された MACE 49(1.2) 40(1.0) 心筋梗塞 20(0.5) 13(0.3) 致死性心筋梗塞 1(<0.1) 2(<0.1)

脳卒中 26(0.6) 26(0.6) 致死性虚血性脳卒中 2(<0.1) 0(0.0)

全身性塞栓性イベント 4(<0.1) 0(0.0) 致死性全身性塞栓性イベント 0(0.0) 0(0.0)

心血管死 6(0.1) 3(<0.1) n(%)

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

303

16.4.2 有害事象・副作用の分析 16.4.2.1 有害事象発現状況

16.4.2.1.1 有害事象発現率(出血性イベント及び重大な心血管系イベントを除く)

出血性イベント及び MACE を除く on-treatment 期間の有害事象の発現状況を 2.7.6 別添 表

2.7.6-16-A-1 に示す。出血性イベント及び MACE を除く有害事象発現率は、エドキサバン群

68.5%(2821/4118)、ワルファリン群 71.0%(2928/4122)であり、投与群間に明らかな差は認

められなかった。エドキサバン群又はワルファリン群で比較的よくみられる有害事象(発現率

3%以上)とその発現率は、頭痛(エドキサバン群 5.8%、ワルファリン群 4.9%、以下同順)、

鼻咽頭炎(5.6%、5.6%)、四肢痛(4.9%、4.6%)、尿路感染(4.0%、3.6%)、下痢(3.9%、4.1%)、

末梢性浮腫(3.4%、4.1%)、背部痛(3.3%、3.7%)、咳嗽(3.1%、2.6%)、浮動性めまい(2.7%、

3.0%)、及び INR 増加(0.5%、8.2%)であった。

日本人集団での出血性イベント及び MACE を除く有害事象発現率は、エドキサバン群 93.4%

(99/106)、ワルファリン群 90.3%(93/103)であり、投与群間の明らかな違いは認められなか

った。また、いずれの投与群でも、全体集団よりも日本人集団での発現率は高い傾向にあった。

16.4.2.1.2 重症度別の有害事象発現率(出血性イベント及び重大な心血管系イベントを除

く)

国際共同 VTE P3 試験の全体集団で報告された出血性イベント及び MACE を除く

on-treatment 期間の重度の有害事象の発現率は、エドキサバン群 7.0%(289/4118)、ワルファリ

ン群 7.2%(295/4122)であり、投与群間の明らかな違いは認められなかった。

エドキサバン群又はワルファリン群で比較的よくみられる重度の有害事象(発現率 0.1%以

上)とその発現率は、肺炎(エドキサバン群 0.3%、ワルファリン群 0.1%、以下同順)、胸痛

(0.2%、0.1%未満)、敗血症(0.2%、0.1%未満)、頭痛(0.1%、0.1%)、疼痛(0.1%、0.1%未

満)、肝転移(0.1%、0%)、呼吸困難(0.1%、0.1%未満)、背部痛(0.1%、0.1%未満)、INR 増

加(0.1%未満、0.5%)、貧血(0.1%未満、0.1%)、及び肝酵素上昇(0.1%未満、0.1%)であっ

た。中等度の有害事象発現率は、エドキサバン群 24.5%(1008/4118)、ワルファリン群 26.4%

(1089/4122)であった。軽度の有害事象発現率は、エドキサバン群 37.0%(1524/4118)、ワル

ファリン群 37.5%(1544/4122)であった。

日本人集団での出血性イベント及び MACE を除く重度の有害事象の発現率は、エドキサバ

ン群 2.8%(3/106)、ワルファリン群 6.8%(7/103)であり、エドキサバン群での発現率はワル

ファリン群よりもやや低かった。中等度の有害事象発現率は、エドキサバン群 26.4%(28/106)、

ワルファリン群 24.3%(25/103)であった。軽度の有害事象発現率は、エドキサバン群 64.2%

(68/106)、ワルファリン群 59.2%(61/103)であった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

304

16.4.2.2 副作用発現状況

16.4.2.2.1 副作用発現率(出血性イベント及び重大な心血管系イベントを除く)

出血性イベント及び MACE を除く on-treatment 期間の副作用の発現状況を 2.7.6 別添 表

2.7.6-16-A-2 に示す。出血性イベント及び MACE を除く副作用の発現率は、エドキサバン群

14.2%(583/4118)、ワルファリン群 20.8%(856/4122)であり、エドキサバン群での発現率は

ワルファリン群よりもやや低かった。

エドキサバン群又はワルファリン群で比較的よくみられる副作用(発現率 0.5%以上)とそ

の発現率は、肝酵素上昇(エドキサバン群 2.0%、ワルファリン群 1.7%、以下同順)、鼻出血

(0.9%、0.8%)、肝機能検査異常(0.8%、0.8%)、ALT 増加(0.7%、0.7%)、トランスアミナ

ーゼ上昇(0.6%、0.6%)、挫傷(0.6%、0.7%)、頭痛(0.5%、0.4%)、肝機能異常(0.4%、0.5%)、

脱毛症(0.4%、0.6%)、発疹(0.4%、0.5%)、及び INR 増加(0.4%、7.8%)であった。

日本人集団での出血性イベント及び MACE を除く副作用の発現率は、エドキサバン群 34.9%

(37/106)及びワルファリン群 40.8%(42/103)であり、エドキサバン群での発現率はワルフ

ァリン群よりもやや低かった。また、いずれの投与群でも、全体集団よりも日本人集団での発

現率は高い傾向にあった。

16.4.3 死亡 国際共同 VTE P3 試験の全体集団での、on-treatment 期間のイベント評価委員会による死亡

の分類の集計を表 2.7.6.16-13 に示す。また、死亡に至った有害事象の一覧を 2.7.6 別添 表

2.7.6-16-A-3 に、その叙述を 2.7.6 別添 表 2.7.6-16-A-4 に示す。

イベント評価委員会で判定された死亡被験者の割合は、エドキサバン群 0.8%(35/4118)、ワ

ルファリン群 0.8%(33/4122)であり、投与群間に差は認められなかった。イベント評価委員

会による死因の分類は、両群ともに VTE による可能性を否定できない死亡が最も多く(エド

キサバン群 11 名[0.3%]、ワルファリン群 10 名[0.2%])、次いでエドキサバン群では感染症

(7 名[0.2%])が、ワルファリン群では癌(7 名[0.2%])が多かった。

国際共同 VTE P3 試験の日本人集団では、イベント評価委員会で判定された on-treatment 期

間の死亡はなかった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

305

表 2.7.6.16-13 イベント評価委員会によって判定された死亡の分類: 国際共同 VTE P3

(安全性解析対象集団 on-treatment 期間、全体集団)

エドキサバン群 N = 4118

ワルファリン群 N = 4122

死亡被験者 35(0.8) 33(0.8) 主な死因

VTE による死亡 13(0.3) 10(0.2) 肺塞栓症による死亡 2(<0.1) 0(0.0) VTE による可能性を否定できない死亡 11(0.3) 10(0.2)

心血管系疾患による死亡 6(0.1) 3(<0.1) 心筋梗塞による死亡 1(<0.1) 2(<0.1) 虚血性脳卒中による死亡 2(<0.1) 0(0.0) 全身性塞栓症による死亡 0(0.0) 0(0.0) その他の心血管系疾患による死亡 3(<0.1) 1(<0.1)

その他の死亡 16(0.4) 20(0.5) 癌 4(<0.1) 7(0.2) 出血(出血性脳卒中を含む) 2(<0.1) 5(0.1) 感染症 7(0.2) 4(<0.1) その他 3(<0.1) 4(<0.1)

n(%)

また、国際共同 VTE P3 試験の全体集団での、出血性イベント及び MACE を除く on-treatment

期間の死亡に至った有害事象の発現率を表 2.7.6.16-14 に示す。

担当医師報告による死亡被験者の割合は、エドキサバン群 1.7%(68/4118)、ワルファリン群

1.5%(61/4122)であり、投与群間の明らかな違いは認められなかった。死亡に至った有害事

象のうち、ワルファリン群よりもエドキサバン群での発現が多かった事象は、感染症および寄

生虫症(エドキサバン群 17 名[0.4%]、ワルファリン群 8 名[0.2%]、以下同順)、呼吸器、

胸郭および縦隔障害(7 名[0.2%]、2 名[0.1%未満])、及び心臓障害(6 名[0.1%]、2 名[0.1%

未満])に分類される事象であった。

担当医師報告による日本人死亡被験者は、ワルファリン群に 3 名(2.9%)認められ、エドキ

サバン群には認められなかった。ワルファリン群で死亡に至った有害事象は、急性白血病、膀

胱癌、及び直腸転移が各 1 名であった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

306

表 2.7.6.16-14 出血性イベント及び重大な心血管系疾患を除く死亡に至った有害事象

(担当医師報告)の発現率: 国際共同 VTE P3(安全性解析対象集団

on-treatment 期間、全体集団)(1/3)

エドキサバン群 N = 4118

ワルファリン群 N = 4122

発現被験者数(%) 68(1.7) 61(1.5) 器官別大分類

基本語 被験者数(%)

感染症および寄生虫症 17(0.4) 8(0.2) 敗血症 5(0.1) 3(<0.1) 肺炎 3(<0.1) 0(0.0) 敗血症性ショック 3(<0.1) 2(<0.1) エイズ関連合併症 1(<0.1) 0(0.0) 気管支炎 1(<0.1) 0(0.0) 感染 1(<0.1) 0(0.0) 感染性胸水 1(<0.1) 0(0.0) 下気道感染 1(<0.1) 1(<0.1) シュードモナス菌性肺感染 1(<0.1) 0(0.0) ニューモシスティスジロヴェシ肺炎 1(<0.1) 0(0.0) 細菌性肺炎 1(<0.1) 0(0.0) 大腸菌性敗血症 0(0.0) 1(<0.1) 気道感染 0(0.0) 1(<0.1)

良性、悪性および詳細不明の新生物(嚢

胞およびポリープを含む) 31(0.8) 40(1.0)

肝転移 4(<0.1) 0(0.0) 肺の悪性新生物 2(<0.1) 2(<0.1) 中枢神経系転移 2(<0.1) 0(0.0) 膵癌 2(<0.1) 4(<0.1) 前立腺癌 2(<0.1) 1(<0.1) 子宮癌 2(<0.1) 0(0.0) 腺癌 1(<0.1) 2(<0.1) 膀胱癌 1(<0.1) 2(<0.1) 結腸癌 1(<0.1) 1(<0.1) 結腸直腸癌 1(<0.1) 0(0.0) 転移性結腸直腸癌 1(<0.1) 0(0.0) 肝の悪性新生物 1(<0.1) 0(0.0) 転移性肺腺癌 1(<0.1) 0(0.0) 癌性リンパ管症 1(<0.1) 0(0.0) 転移性新生物 1(<0.1) 0(0.0) 骨髄異形成症候群 1(<0.1) 0(0.0) 悪性新生物 1(<0.1) 1(<0.1) 非ホジキンリンパ腫第 4 期 1(<0.1) 0(0.0) 食道腺癌 1(<0.1) 0(0.0) 卵巣癌 1(<0.1) 0(0.0) 転移性膵癌 1(<0.1) 2(<0.1)

MedDRA/J V14.1

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

307

表 2.7.6.16-14 出血性イベント及び重大な心血管系疾患を除く死亡に至った有害事象

(担当医師報告)の発現率: 国際共同 VTE P3(安全性解析対象集団

on-treatment 期間、全体集団)(2/3)

エドキサバン群 N = 4118

ワルファリン群 N = 4122

発現被験者数(%) 68(1.7) 61(1.5) 器官別大分類

基本語 被験者数(%)

良性、悪性および詳細不明の新生物(嚢胞およびポリープを含む)(つづき) 肉腫 1(<0.1) 0(0.0) 進展型小細胞肺癌 1(<0.1) 0(0.0) 転移性甲状腺癌 1(<0.1) 0(0.0) 気管癌 1(<0.1) 0(0.0) 急性白血病 0(0.0) 1(<0.1) 胆管癌 0(0.0) 1(<0.1) 乳癌 0(0.0) 1(<0.1) 転移性子宮頚部癌 0(0.0) 3(<0.1) 再発結腸癌 0(0.0) 1(<0.1) 胃癌 0(0.0) 1(<0.1) 胃癌第 4 期 0(0.0) 1(<0.1) 泌尿生殖器新生物 0(0.0) 1(<0.1) 多形性神経膠芽細胞腫 0(0.0) 1(<0.1) ホジキン病 0(0.0) 1(<0.1) 呼吸器大細胞癌、病期不明 0(0.0) 1(<0.1) 肺腺癌 0(0.0) 2(<0.1) 転移性肺癌 0(0.0) 1(<0.1) 腹膜の悪性新生物 0(0.0) 1(<0.1) 骨転移 0(0.0) 1(<0.1) 直腸転移 0(0.0) 1(<0.1) 転移性悪性黒色腫 0(0.0) 2(<0.1) 転移性腎細胞癌 0(0.0) 1(<0.1) 転移性卵巣癌 0(0.0) 1(<0.1) 扁平上皮癌 0(0.0) 1(<0.1) 外陰部癌 0(0.0) 1(<0.1)

血液およびリンパ系障害 1(<0.1) 0(0.0) 凝血異常 1(<0.1) 0(0.0)

精神障害 1(<0.1) 1(<0.1) 自殺既遂 1(<0.1) 1(<0.1)

神経系障害 2(<0.1) 0(0.0) 脳血管発作 1(<0.1) 0(0.0) 下位運動ニューロンの病変 1(<0.1) 0(0.0)

心臓障害 6(0.1) 2(<0.1) 心停止 2(<0.1) 0(0.0) 心タンポナーデ 1(<0.1) 0(0.0) 心肺停止 1(<0.1) 0(0.0)

MedDRA/J V14.1

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

308

表 2.7.6.16-14 出血性イベント及び重大な心血管系疾患を除く死亡に至った有害事象

(担当医師報告)の発現率: 国際共同 VTE P3(安全性解析対象集団

on-treatment 期間、全体集団)(3/3)

エドキサバン群 N = 4118

ワルファリン群 N = 4122

発現被験者数(%) 68(1.7) 61(1.5) 器官別大分類

基本語 被験者数(%)

心臓障害(つづき) 心臓内血栓 1(<0.1) 0(0.0) 心嚢液貯留 1(<0.1) 0(0.0) 無脈性電気活動 1(<0.1) 0(0.0) 心不全 0(0.0) 2(<0.1)

血管障害 2(<0.1) 0(0.0) 大動脈瘤破裂 1(<0.1) 0(0.0) ショック 1(<0.1) 0(0.0)

呼吸器、胸郭および縦隔障害 7(0.2) 2(<0.1) 急性呼吸窮迫症候群 2(<0.1) 0(0.0) 急性呼吸不全 2(<0.1) 0(0.0) 呼吸停止 1(<0.1) 0(0.0) 呼吸窮迫 1(<0.1) 0(0.0) 呼吸不全 1(<0.1) 0(0.0) 慢性閉塞性肺疾患 0(0.0) 2(<0.1)

胃腸障害 1(<0.1) 0(0.0) 腸管穿孔 1(<0.1) 0(0.0) 腸絞扼 1(<0.1) 0(0.0)

肝胆道系障害 2(<0.1) 1(<0.0) 胆嚢炎 1(<0.1) 0(0.0) 肝障害 1(<0.1) 0(0.0) 劇症肝炎 0(0.0) 1(<0.1)

腎および尿路障害 2(<0.1) 1(<0.0) 急性腎不全 2(<0.1) 1(<0.0)

生殖系および乳房障害 1(<0.1) 0(0.0) 卵巣嚢胞 1(<0.1) 0(0.0)

一般・全身障害および投与部位の状態 4(<0.1) 6(0.1) 死亡 4(<0.1) 4(<0.1) 偶発的死亡 0(0.0) 1(<0.1) 突然死 0(0.0) 1(<0.1)

傷害、中毒および処置合併症 0(0.0) 1(<0.1) 頭部損傷 0(0.0) 1(<0.1)

社会環境 0(0.0) 1(<0.1) 殺人 0(0.0) 1(<0.1)

MedDRA/J V14.1

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

309

16.4.4 重篤な有害事象 国際共同 VTE P3 試験で報告された重篤な有害事象の一覧を 2.7.6 別添 表 2.7.6-16-A-5 に、

日本人被験者での叙述を 2.7.6 別添 表 2.7.6-16-A-6 に示す。

16.4.4.1 重篤な出血性イベント

国際共同 VTE P3 試験の全体集団での on-treatment 期間の重篤な出血性イベントの集計結果

(担当医師報告)を表 2.7.6.16-15 に示す。

重篤な出血性イベント(担当医師報告)の発現率は、エドキサバン群 2.7%(111/4118)、ワ

ルファリン群 3.2%(132/4122)であり、エドキサバン群での発現率はワルファリン群よりも

やや低かった。重篤度基準ではいずれの投与群も入院又は入院期間の延長、内科的又は外科的

処置を必要とする重要な医学イベントに分類されるものが多かった。また、永続的な機能不全

に至る出血性イベントと生命を脅かす出血性イベントの発現頻度はエドキサバン群で低かっ

た。

日本人集団での重篤な出血性イベント(担当医師報告)の発現率は、エドキサバン群 2.8%

(3/106)、ワルファリン群 1.0%(1/103)であり、エドキサバン群での発現頻度がわずかに高

かった。全体集団と日本人集団のエドキサバン群での重篤な出血性イベントの発現率に差は認

められなかった。

表 2.7.6.16-15 重篤な出血性イベント(担当医師報告)の集計: 国際共同 VTE P3(安全性解

析対象集団 on-treatment 期間、全体集団)

エドキサバン群 N = 4118

ワルファリン群 N = 4122

重篤の基準に該当すると報告された出血性イベント 111(2.7) 132(3.2) 死亡 6(0.1) 6(0.1) 入院又は入院期間の延長 101(2.5) 119(2.9) 永続的な機能不全 0(0.0) 5(0.1) 生命を脅かす 5(0.1) 11(0.3) 先天異常 0(0.0) 0(0.0) 内科的又は外科的処置を必要とする重要な医学イベント 41(1.0) 46(1.1)

16.4.4.2 重篤の基準に該当すると報告された重大な心血管系イベント(心血管死を除く)

国際共同 VTE P3 試験の全体集団で重篤の基準に該当すると報告された on-treatment 期間の

MACE(心血管死を除く)の集計結果(担当医師報告)を表 2.7.6.16-16 に示す。

重篤基準に該当する MACE(担当医師報告)の発現率はエドキサバン群 0.9%(37/4118)、

ワルファリン群 0.5%(21/4122)であり、エドキサバン群での発現率がワルファリン群よりも

やや高かった。重篤度基準では、両群ともに入院又は入院期間の延長が最も多く、次いで内科

的又は外科的処置を必要とする重要な医学イベントに分類されるものが多かった。エドキサバ

ン群では、特に入院又は入院期間の延長の発現率がワルファリン群よりも高かった(0.8% vs.

0.4%)。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

310

日本人集団で重篤基準に該当する MACE(担当医師報告)は、エドキサバン群、ワルファ

リン群それぞれ 1 名に認められた。

表 2.7.6.16-16 重篤の基準に該当すると報告された重大な心血管系イベント(担当医師報

告)の集計: 国際共同 VTE P3(安全性解析対象集団 on-treatment 期間、

全体集団)

エドキサバン群 N = 4118

ワルファリン群 N = 4122

重篤基準に該当する重大な心血管系イベント 37(0.9) 21(0.5) 死亡 5(0.1) 7(0.2) 入院又は入院期間の延長 32(0.8) 18(0.4) 永続的な機能不全 2(<0.1) 0(0.0) 生命を脅かす 7(0.2) 2(<0.1) 先天異常 0(0.0) 0(0.0) 内科的又は外科的処置を必要とする重要な医学イベント 19(0.5) 9(0.2)

16.4.4.3 出血性イベント及び重大な心血管系イベントを除く重篤な有害事象

国際共同 VTE P3 試験の全体集団で報告された出血性イベント及び MACE を除く重篤な有

害事象(死亡を含む)のうち、いずれかの投与群で発現率が 0.2%以上であった有害事象を表

2.7.6.16-17 に示す。

出血性イベント及び MACE を除く重篤な有害事象の発現率は、エドキサバン群 12.2%

(503/4118)、ワルファリン群 13.2%(544/4122)であり、投与群間の明らかな違いは認められ

なかった。

出血性イベント及び MACE を除く重篤な有害事象で、エドキサバンに発現した事象は、肺

炎(0.7%)、呼吸困難(0.3%)、胸痛(0.3%)の順で多かった。また、エドキサバン群での発

現率がワルファリン群よりも高い傾向にあった事象は、肺炎(エドキサバン群 0.7%、ワルフ

ァリン群 0.4%、以下同順)、呼吸困難(0.3%、0.1%)、気管支炎(0.2%、0.1%未満)、敗血症

(0.2%、0.1%未満)、失神(0.2%、0.1%未満)であった。ワルファリン群での発現率がエドキ

サバン群よりも高い傾向にあった事象は、INR 増加(0.1%未満、1.9%)、蜂巣炎(0.1%、0.3%)、

貧血(0.1%未満、0.2%)、結腸癌(0.1%未満、0.2%)、うっ血性心不全(0.1%未満、0.2%)で

あった。

日本人集団では、出血性イベント及び MACE を除く重篤な有害事象の発現率はエドキサバ

ン群 16.0%(17/106)、ワルファリン群 17.5%(18/103)であり、投与群間の明らかな違いは認

められなかった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

311

表 2.7.6.16-17 出血性イベント及び重大な心血管系イベントを除く重篤な有害事象の発現

率(発現率 0.2%以上): 国際共同 VTE P3(安全性解析対象集団 on-treatment

期間、全体集団)

エドキサバン群 N = 4118

ワルファリン群 N = 4122

発現被験者数(%) 503(12.2) 544(13.2) 器官別大分類

基本語 被験者数(%)

感染症および寄生虫症 108(2.6) 84(2.0) 肺炎 30(0.7) 17(0.4) 気管支炎 8(0.2) 1(<0.1) 尿路感染 8(0.2) 6(0.1) 敗血症 7(0.2) 4(<0.1) 蜂巣炎 5(0.1) 11(0.3)

良性、悪性および詳細不明の新生物(嚢

胞およびポリープを含む) 80(1.9) 99(2.4)

結腸癌 2(<0.1) 7(0.2) 血液およびリンパ系障害 12(0.3) 18(0.4)

貧血 3(<0.1) 10(0.2) 神経系障害 39(0.9) 25(0.6)

失神 8(0.2) 3(<0.1) 心臓障害 45(1.1) 38(0.9)

心不全 8(0.2) 6(0.1) うっ血性心不全 4(<0.1) 8(0.2)

呼吸器、胸郭および縦隔障害 58(1.4) 52(1.3) 呼吸困難 14(0.3) 5(0.1) 慢性閉塞性肺疾患 8(0.2) 12(0.3)

一般・全身障害および投与部位の状態 38(0.9) 37(0.9) 胸痛 14(0.3) 9(0.2) 非心臓性胸痛 7(0.2) 5(0.1)

臨床検査 17(0.4) 88(2.1) INR 増加 4(<0.1) 77(1.9)

MedDRA/J V14.1

16.4.5 重要な有害事象 16.4.5.1 投与中断を要した有害事象

国際共同 VTE P3 試験の全体集団での、投与中断を要したすべての出血性イベント(担当医

師報告)の発現率は、エドキサバン群 2.9%(121/4118)、ワルファリン群 5.2%(213/4122)で

あり、エドキサバン群の発現率はワルファリン群よりもやや低かった。

国際共同 VTE P3 試験の日本人集団での、投与中断を要したすべての出血性イベントの発現

率は、エドキサバン群 0.9%(1/106)、ワルファリン群 8.7%(9/103)であり、エドキサバン群

の発現率はワルファリン群よりも低かった。

国際共同VTE P3試験の全体集団での、担当医師から報告された投与中断を要したMACE(心

血管死を除く)の発現率は、エドキサバン群 0.2%(8/4118)、ワルファリン群 0.1%未満(4/4122)

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

312

であり、エドキサバン群での発現率はワルファリン群よりもやや高かった。投与中断を要した

MACE の内訳で、エドキサバン群での発現頻度がワルファリン群よりも高かった事象は、心

筋梗塞(エドキサバン群 5 名[0.1%]、ワルファリン群 0 名[0%])であった。

なお、国際共同 VTE P3 試験の日本人集団では、投与中断を要する MACE は報告されなか

った。

全体集団での出血性イベント及び MACE を除く投与中断を要した有害事象の発現率は、エ

ドキサバン群 7.2%(295/4118)、ワルファリン群 11.3%(467/4122)であり、エドキサバン群

での発現率はワルファリン群よりも低かった。

日本人集団での出血性イベント及び MACE を除く投与中断を要した有害事象の発現率は、

エドキサバン群 0.9%(1/106)、ワルファリン群 13.6%(14/103)であり、エドキサバン群での

発現率はワルファリン群よりも低かった。

16.4.5.2 投与中止に至った有害事象

国際共同 VTE P3 試験の全体集団での、投与中止に至った出血性イベント(担当医師報告)

の発現率は、エドキサバン群 1.4%(58/4118)、ワルファリン群 1.4%(57/4122)であり、投与

群間の差は認められなかった。

国際共同 VTE P3 試験の日本人集団での、投与中止に至った出血性イベント(担当医師報告)

の発現率は、エドキサバン群 3.8%(4/106)、ワルファリン群 5.8%(6/103)であり、投与群間

の明らかな差は認められなかった。

国際共同 VTE P3 試験の全体集団での、投与中止に至った MACE(心血管死を除く)の発現

率は、エドキサバン群 0.5%(19/4118)、ワルファリン群 0.3%(14/4122)であり、エドキサバ

ン群での発現率はワルファリン群よりもやや高かった。投与中止に至った MACE の内訳で、

エドキサバン群での発現頻度がワルファリン群よりもやや高かった事象は、心筋梗塞(エドキ

サバン群 6 名[0.1%]、ワルファリン群 3 名[0.1%未満])であった。

日本人集団で投与中止に至った MACE は、ワルファリン群の 1 名に認められた脳出血(死

亡)のみであり、エドキサバン群には認められなかった。

全体集団での出血性イベント及び MACE を除く投与中止に至った有害事象の発現率は、エ

ドキサバン群 4.7%(195/4118)、ワルファリン群 4.5%(185/4122)であり、投与群間の明らか

な違いは認められなかった。

日本人集団では、出血性イベント及び MACE を除く投与中止に至った有害事象の発現率は、

エドキサバン群 11.3%(12/106)、ワルファリン群 12.6%(13/106)であり、投与群間の明らか

な違いは認められなかった。

16.4.6 臨床検査値の評価 16.4.6.1 血液検査の平均値及び尿検査の分布の変化

ALT と AST の平均値は、エドキサバン群、ワルファリン群ともに低分子量ヘパリン又は未

分画ヘパリンによる初期治療実施中(2~12 日目の検査)に上昇(ALT はベースラインから約

Page 134: 12. DU-176b 後期第II...2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg 180 12. DU-176b 後期第II相臨床試験(非弁膜性心房細動)-非弁膜性心房細動

2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

313

50 IU/L 上昇、AST はベースラインから約 25 IU/L 上昇)したものの、30 日目の検査ではベー

スラインと同程度の値に戻り、以降は安定した推移を示した。この他の血液学的検査及び血液

生化学的検査の平均値には、ベースラインから追跡検査時点まで、エドキサバン群、ワルファ

リン群ともに特記すべき変化は認められなかった。

尿潜血では、エドキサバン群、ワルファリン群ともにベースラインから追跡検査時点まで、

検査結果の分布に特記すべき変化は認められなかった。尿蛋白については、エドキサバン群、

ワルファリン群ともに、ベースラインと比較して 3 ヵ月後の検査で陰性を示した被験者の割合

が増加し、以降は 12 ヵ月後まで特記すべき変化は認められなかった。

16.4.6.2 臨床的に重要な検査値異常(肝機能検査値を除く)

臨床的に重要な臨床検査値異常としてヘモグロビン、ヘマトクリット値、CLCR、白血球数、

好中球数、及び血小板数を検討した。ヘモグロビンがベースラインから 2 g/dL を超える低下

を示した被験者の割合は、エドキサバン群 6.2%(221/3565)、ワルファリン群 4.2%(150/3578)

であり、エドキサバン群でやや多かった。また、ヘマトクリット値がベースラインから 20%

を超える低下を示した被験者の割合は、エドキサバン群 2.9%(91/3190)、ワルファリン群 1.7%

(55/3220)であり、エドキサバン群でやや多かった。

CLCR、白血球数、好中球数、及び血小板数が臨床的に重要な臨床検査値異常を示した被験

者の割合には、投与群間の明らかな違いは認められなかった。

16.5 結論 DVT 及び PE 患者を対象とし、ヘパリンの初期治療に引き続きエドキサバンを 3~12 ヵ月間

投与した際の、12 ヵ月間の症候性 VTE の再発予防効果について、低分子量又は未分画ヘパリ

ン開始時からワルファリン投与を開始し、5~12 日後にワルファリン単独で 3~12 ヵ月間投与

した場合に対するエドキサバン 60 mg × 1/日経口投与の非劣性を検証した。症候性 VTE 再発

のエドキサバン群での発現率はワルファリン群よりも低く、ワルファリン群に対するエドキサ

バン群のハザード比の 95%信頼上限は非劣性限界値 1.50 を下回り、エドキサバン群のワルフ

ァリン群に対する非劣性が検証された。また、安全性の主要評価項目である大出血又は臨床的

に重要な出血のエドキサバン群での発現率はワルファリン群よりも統計学的に有意に低く、優

越性が検証された。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

314

17. DU-176b探索的試験(第II相試験)-非弁膜性心房細動患者を対象とした オープンラベルによる多施設共同用量漸増試験-

··························································· 資料番号 5.3.5.2-1

17.1 試験方法 表 2.7.6.17-1 に試験方法の概略を示す。

表 2.7.6.17-1 試験方法の概略: 日本 NVAF P2a(1/2) 治験の目的 NVAF 患者におけるエドキサバンの有効性及び安全性を探索的に検討する。 治験責任医師名 実施医療機関

、他 8 名 、他 8 施設

試験実施期間 20 年 月 日(最初の被験者の同意取得日)~20 年 月 日(最後の被験者

の最終観察日) 選択基準・除外基

準 1. 選択基準

以下のいずれかに該当する過去 1年以内に 1週間以上の間隔をおいた 2回以上の心

電図において確認された NVAF 患者 1) 20 歳以上 60 歳未満の場合、下記の脳卒中の危険因子を 1 つ持つ者 2) 60 歳以上 75 歳未満の場合、下記の脳卒中の危険因子を 1 つ持つか、持たな

い者 【危険因子】

i) 高血圧(コントロール良好な患者に限る) ii) 糖尿病(コントロール良好な患者に限る) iii) 冠動脈疾患(陳旧性心筋梗塞・安定型狭心症) iv) うっ血性心不全(NYHA 2 以下に限る)

2. 除外基準

1) 下記の出血リスクを有する者 i) 頭蓋内、眼内(球結膜下出血を除く)、脊髄、後腹膜又は非外傷性関節内

出血の既往 ii) 同意日より過去 1 年以内の消化管出血 iii) 同意日より過去 90 日以内の消化性潰瘍 iv) 同意日より過去 30 日以内の入院を要する手術又は外傷 v) 事前検査において、ヘモグロビンが 10 g/dL 未満あるいは血小板数が 10 ×

104/µL 未満 vi) 同意取得時あるいは登録時に出血を来している vii) 同意日から治験薬投与終了までに手術、組織生検、抜歯など出血を来す侵

襲的治療あるいは検査を予定している viii) 遺伝的な出血性疾患

2) 脳卒中※又は TIA の既往のある者 ※: 画像上で偶発的に発見された無症候性脳梗塞は含めない

3) 抗凝固薬による治療が行なわれている者 4) リウマチ性弁膜疾患を合併した者 5) 心臓弁手術の施行歴のある者 6) 感染性心内膜炎を合併した者 7) 心房粘液腫を合併した者 8) 左室又は左房に血栓の存在が確認されている者 9) 遺伝的な血栓形成傾向が確認されている者 10) 治験薬投与期間中に電気的又は薬理学的除細動を予定している者 11) 事前検査において以下に該当する腎機能障害あるいは肝機能障害が確認さ

れた者 i) 血清クレアチニン > 1.5 mg/dL ii) AST(GOT)又は ALT(GPT)≥ ULN の 1.5 倍

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

317

を、最高用量として 1 回 60 mg をそれぞれ設定した。また、安全性を慎重に検討するために中

間用量として 1 回 45 mg を設定した。1 日投与回数は、いずれの用量においても 24 時間にわ

たって抗血栓効果が得られるように 1 日 2 回とした。

17.2 被験者背景 被験者背景を表 2.7.6.17-3 に示す。

30 mg × 2/日投与時の被験者 32 名の年齢は 64.9(6.6)歳(平均値[SD]、以下同様)、性

別は男性が 27 名、女性が 5 名であり、32 名全員が外来患者であった。体重は 65.5(8.6) kg

であった。NVAF での脳卒中の危険因子(年齢を除く)を有する被験者は 23 名であり、その

内訳は高血圧が 16 名、うっ血性心不全が 5 名、糖尿病と冠動脈疾患がそれぞれ 1 名であった。

表 2.7.6.17-3 被験者背景: 日本 NVAF P2a 1 日用量 30 mg × 2 45 mg × 2 60 mg × 2 評価被験者数 32 29 26

性別(男/女) 27/5 24/5 22/4 年齢(歳)a 64.9(6.6) 64.3(6.5) 64.5(6.5) 体重(kg)a 65.5(8.6) 65.4(9.0) 66.1(8.9)

危険因子 b 有 23(71.9) 20(69.0) 18(69.2) 無 9(28.1) 9(31.0) 8(30.8)

高血圧 16(50.0) 14(48.3) 12(46.2) 糖尿病 1(3.1) 1(3.4) 1(3.8) 冠動脈疾患 1(3.1) 0 0 うっ血性心不全 5(15.6) 5(17.2) 5(19.2)

a: 算術平均値(SD) b: 被験者数(%)

17.3 有効性 17.3.1 血栓塞栓性イベント 血栓塞栓性イベントは無症候性のものも含めて、すべての被験者で認められなかった。

17.3.2 薬力学的指標 薬物動態/薬力学解析対象集団における薬力学的指標の推移を表 2.7.6.17-4 に示す。

投与後 1~3 時間の PT 及び INR は、すべての被験者でいずれの投与量でも投与開始前と比

較して延長していた。

投与後 1~3 時間の APTT は、1 名の被験者で 45 mg × 2/日投与時に投与開始前と比較して

延長が認められなかったが、これ以外はすべての被験者でいずれの投与量でも投与開始前より

も延長していた。

PT、INR、APTT はいずれも、服薬前・投与後 1~3 時間ともに用量増加に伴って延長した。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

318

表 2.7.6.17-4 薬力学的指標の推移: 日本 NVAF P2a

項目 (単位)

投与 開始前

30 mg × 2 a 45 mg × 2 b 60 mg × 2 c

服薬前 1~3 時間 服薬前 1~3 時間 服薬前 1~3 時間

PT (sec)

n 31 31 31 25 25 25 24

算術平均値 (SD)

11.91 (1.28)

13.40 (1.34)

16.62 (3.12)

14.01 (1.15)

21.01 (12.85)

14.98 (2.06)

24.32 (12.66)

検定 d − P < 0.001 P < 0.001 P < 0.001 P = 0.002 P < 0.001 P < 0.001

INR n 31 31 31 25 24 25 23

算術平均値 (SD)

1.15 (0.23)

1.39 (0.23)

2.00 (0.63)

1.49 (0.20)

2.39 (0.81)

1.67 (0.40)

3.11 (1.02)

検定 d − P < 0.001 P < 0.001 P < 0.001 P < 0.001 P < 0.001 P < 0.001

APTT (sec)

n 31 31 31 25 25 25 24

算術平均値 (SD)

29.50 (3.06)

33.80 (4.72)

37.91 (5.54)

34.06 (3.76)

40.05 (5.80)

35.71 (4.62)

43.73 (6.45)

検定 d − P < 0.001 P < 0.001 P < 0.001 P < 0.001 P < 0.001 P < 0.001

a: 投与開始から 2 週目 b: 投与開始から 4 週目 c: 投与開始から 8 週目 d: 対応のある t 検定による投与開始前値との比較

17.3.3 バイオマーカー 薬物動態/薬力学解析対象集団におけるバイオマーカーの推移を表 2.7.6.17-5 に示す。

投与後 1~3 時間の D-dimer は、いずれの用量でもすべての被験者で基準値上限(1 μg/mL)

を下回っており、多くの被験者で投与開始前と比較して低下が認められた。

投与後 1~3 時間の TAT は、1 名の被験者で 45 mg × 2/日投与時に基準値上限(3 ng/mL)

を上回ったが、この他はいずれの用量でもすべての被験者で基準値上限を下回っており、多く

の被験者で投与開始前と比較して低下が認められた。

投与後 1~3 時間の F1+2 は、3 名の被験者の一部の用量で基準値上限(229 pmol/L)を上回

り、3 名の被験者の一部の用量で基準値下限(69 pmol/L)を下回ったが、この他は基準値内で

あり、投与開始前と比較して低下が認められた。

投与後 1~3 時間の可溶性フィブリンは、いずれの用量でもすべての被験者で基準値上限

(6.1 μg/mL)を下回っており、投与開始前に基準値上限を上回って高値を示していた被験者 2

名では投与後に低下したが、他の被験者では変化を認めなかった。

投与後 1~3 時間の PIC は、投与開始前値からの低下が多く認められた。

投与後 1~3 時間の抗 FXa 活性は、用量が高いほど高値を示す傾向が認められた。抗 FXa

活性は、血漿中エドキサバン濃度と直線的な関係を示し、血漿中エドキサバン濃度上昇に伴う

上昇が認められた。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

319

表 2.7.6.17-5 バイオマーカーの推移: 日本 NVAF P2a

項目 (単位)

投与 開始前

30 mg × 2 a 45 mg × 2 b 60 mg × 2 c

服薬前 1~3 時間 服薬前 1~3 時間 服薬前 1~3 時間

D-dimer (μg/mL)

n 31 31 31 25 25 25 24

算術平均値 (SD)

0.408 (0.334)

0.238 (0.238)

0.225 (0.212)

0.251 (0.247)

0.224 (0.195)

0.238 (0.274)

0.223 (0.195)

検定 d − P < 0.001 P < 0.001 P = 0.013 P = 0.005 P = 0.002 P < 0.001

TAT (ng/mL)

n 31 31 31 25 25 25 24

算術平均値 (SD)

4.21 (10.54)

1.35 (0.48)

1.16 (0.21)

1.31 (0.26)

1.50 (1.26)

1.26 (0.38)

1.31 (0.52)

検定 d − P = 0.143 P = 0.118 P = 0.017 P = 0.083 P = 0.148 P = 0.141

F1+2 (pmol/L)

n 31 31 31 25 25 25 24

算術平均値 (SD)

264.7 (112.0)

135.0 (42.4)

137.5 (75.9)

122.3 (47.0)

114.7 (48.1)

121.0 (52.7)

125.4 (68.2)

検定 d − P < 0.001 P < 0.001 P < 0.001 P < 0.001 P < 0.001 P < 0.001

可溶性フィ

ブリン e (μg/mL)

n 31 31 31 25 25 25 24

算術平均値 (SD)

7.80 (19.82)

3.00 (0.00)

3.01 (0.05)

3.00 (0.00)

3.00 (0.00)

3.00 (0.00)

3.00 (0.00)

検定 d − P = 0.187 P = 0.187 P = 0.316 P = 0.316 P = 0.188 P = 0.189

PIC (μg/mL)

n 31 31 31 25 25 25 24

算術平均値 (SD)

0.67 (0.33)

0.58 (0.31)

0.57 (0.25)

0.54 (0.31)

0.57 (0.27)

0.54 (0.27)

0.54 (0.23)

検定 d − P = 0.019 P = 0.009 P = 0.079 P = 0.131 P = 0.005 P = 0.033

抗FXa活性 (IU/mL)

n 31 30 31 25 25 25 24

算術平均値 (SD)

0.100 (0.000)

0.763 (0.460)

2.330 (1.712)

1.144 (0.389)

3.037 (1.632)

1.652 (0.702)

4.859 (2.187)

検定 d − P < 0.001 P < 0.001 P < 0.001 P < 0.001 P < 0.001 P < 0.001

a: 投与開始から 2 週目 b: 投与開始から 4 週目 c: 投与開始から 8 週目 d: 対応のある t 検定による投与開始前値との比較 e: 定量下限(3.00 μg/mL)未満のデータは 3.00 μg/mL として集計

17.4 安全性 17.4.1 出血性イベント 17.4.1.1 大出血発現率

大出血は発現しなかった。

17.4.1.2 臨床的に重要な出血発現率

臨床的に重要な出血の発現状況を表 2.7.6.17-6 に示す。

臨床的に重要な出血は 3 名に認められ、その内訳は、30 mg × 2/日で中等度の鼻出血が 1

件、45 mg × 2/日で軽度の鼻出血が 1 件、60 mg × 2/日で中等度の血尿が 1 件であった。臨

床的に重要な出血 3 件はいずれも治療を必要とするものではなく、消失が確認された。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

320

表 2.7.6.17-6 臨床的に重要な出血の発現状況(FAS): 日本 NVAF P2a 投与量 30 mg × 2 45 mg × 2 60 mg × 2

評価被験者数 32 29 26 発現被験者数(%)件数 1(3.1) 1 1(3.4) 1 1(3.8) 1

臨床的に重要な出血の内訳 被験者数(%)件数

長径が 5 cm 以上の血腫 0 0 0 0 0 0 外的な要因がなく発現し、5 分以上継続する鼻出

血あるいは歯茎の出血 0 0 1(3.4) 1 0 0

消化管出血 0 0 0 0 0 0 24 時間以降も消失しない肉眼的血尿 0 0 0 0 0 0 その他、治験責任医師又は治験分担医師が治験薬

の投与を中止する必要があると判断した出血 1(3.1) 1 0 0 1(3.8) 1

17.4.1.3 出血性イベントの発現率

出血性イベントの発現率は全体で 46.9%(15/32、95%CI = 29.1%~65.3%)であった。

用量別の出血性イベント発現率は、30 mg × 2/日で 18.8%(6/32)、45 mg × 2/日で 20.7%

(6/29)、60 mg × 2/日で 26.9%(7/26)であった。

各用量投与時までの累積用量別発現率は、30 mg × 2/日までで 18.8%(6/32)、45 mg × 2/

日までで 34.4%(11/32)、60 mg × 2/日までで 46.9%(15/32)であった。

血漿中エドキサバン濃度、薬力学的指標又はバイオマーカーと出血性イベントの発現率の間

に、明確な関係は認められなかった。

17.4.2 有害事象・副作用の分析 17.4.2.1 有害事象発現状況

17.4.2.1.1 有害事象発現率

有害事象の発現状況を表 2.7.6.17-7 に示す。

有害事象の発現率は全体で 78.1%(25/32、95%CI = 60.0%~90.7%)であった。

用量別の有害事象発現率は、30 mg × 2/日で 40.6%(13/32)、45 mg × 2/日で 48.3%(14/29)、

60 mg × 2/日で 34.6%(9/26)であった。

各用量投与時までの有害事象累積発現率は、30 mg × 2/日までで 40.6%(13/32)、45 mg × 2

/日までで 68.8%(22/32)、60 mg × 2/日までで 78.1%(25/32)であった。

いずれかの用量での発現率が 5%以上であった有害事象とその用量別発現率(30 mg × 2/日、

45 mg × 2/日、60 mg × 2/日の順)は、尿中血陽性(9.4%、10.3%、11.5%)、鼻出血(9.4%、

13.8%、3.8%)、歯肉出血(9.4%、3.4%、0%)、鼻咽頭炎(3.1%、6.9%、0%)、上気道の炎症

(6.3%、3.4%、0%)、白血球数増加(0%、6.9%、0%)であった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

321

表 2.7.6.17-7 有害事象発現状況: 日本 NVAF P2a 1 日用量 30 mg × 2 45 mg × 2 60 mg × 2

評価被験者数 32 29 26 発現被験者数(%) 13(40.6) 14(48.3) 9(34.6)

発現率の 95%CI a (23.7, 59.4) (29.4, 67.5) (17.2, 55.7) 発現件数 24 30 13

累積発現被験者数(%)b 13(40.6) 22(68.8) 25(78.1) 累積発現率の 95%CI a, b (23.7, 59.4) (50.0, 83.9) (60.0, 90.7)

器官別大分類 基本語 被験者数(%)件数 感染症および寄生虫症 鼻咽頭炎 1(3.1) 1 2(6.9) 2 0 0

咽頭炎 1(3.1) 1 0 0 0 0 血液およびリンパ系障害 貧血 0 0 1(3.4) 1 0 0 代謝および栄養障害 痛風 0 0 1(3.4) 1 0 0 神経系障害 頭痛 1(3.1) 1 1(3.4) 1 0 0

知覚過敏 0 0 1(3.4) 1 0 0 傾眠 1(3.1) 1 0 0 0 0 失神 0 0 1(3.4) 1 0 0

呼吸器、胸郭および縦隔障害 咳嗽 0 0 1(3.4) 1 1(3.8) 1 鼻出血 3(9.4) 3 4(13.8) 4 1(3.8) 1 上気道の炎症 2(6.3) 2 1(3.4) 1 0 0

胃腸障害 便秘 1(3.1) 1 0 0 0 0 下痢 1(3.1) 1 1(3.4) 1 0 0 歯肉出血 3(9.4) 3 1(3.4) 1 0 0 口腔内出血 0 0 0 0 1(3.8) 1 痔出血 0 0 0 0 1(3.8) 1

肝胆道系障害 肝機能異常 1(3.1) 1 0 0 0 0 皮膚および皮下組織障害 湿疹 0 0 1(3.4) 1 0 0 筋骨格系および結合組織障害 関節痛 0 0 1(3.4) 1 1(3.8) 1

背部痛 1(3.1) 1 1(3.4) 1 0 0 側腹部痛 0 0 1(3.4) 1 0 0

腎および尿路障害 血尿 0 0 1(3.4) 1 0 0 臨床検査 好塩基球数増加 0 0 0 0 1(3.8) 1

血中ビリルビン増加 0 0 0 0 1(3.8) 1 好酸球数増加 1(3.1) 1 0 0 1(3.8) 1 γ-グルタミルトラン

スフェラーゼ増加 1(3.1) 1 0 0 0 0

ヘマトクリット減少 0 0 1(3.4) 1 0 0 尿中血陽性 3(9.4) 3 3(10.3) 3 3(11.5) 3 ヘモグロビン減少 0 0 1(3.4) 1 0 0 肝機能検査異常 1(3.1) 1 0 0 0 0 血小板数減少 1(3.1) 1 0 0 1(3.8) 1 赤血球数減少 0 0 1(3.4) 1 0 0 尿中赤血球陽性 0 0 1(3.4) 1 1(3.8) 1 白血球数増加 0 0 2(6.9) 2 0 0 尿中蛋白陽性 1(3.1) 1 1(3.4) 1 0 0

MedDRA/J V.9.1 a: 二項分布による CI b: 当該用量までに有害事象が発現した被験者数と発現率(n = 32)

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

322

17.4.2.1.2 重症度別の有害事象発現率

重度の有害事象は認められなかった。

中等度の有害事象発現率は 30 mg × 2/日で 3.1%(1/32)、45 mg × 2/日で 10.3%(3/29)で

あり、60 mg × 2/日には認められなかった。中等度の有害事象の内訳は、30 mg × 2/日投与

時で鼻出血 1 名 1 件、45 mg × 2/日投与時で失神、関節痛、血尿がそれぞれ 1 名 1 件であっ

た。

軽度の有害事象発現率は 75.0%(24/32)であった。

17.4.2.2 副作用発現状況

17.4.2.2.1 副作用発現率

副作用の発現状況を表 2.7.6.17-8 に示す。

副作用発現率は全体で 59.4%(19/32、95%CI = 40.6%~76.3%)であった。

用量別の副作用発現率は、30 mg × 2/日で 25.0%(8/32)、45 mg × 2/日で 27.6%(8/29)、

60 mg × 2/日で 23.1%(6/26)であった。

各用量投与時までの累積用量別発現率は、30 mg × 2/日までで 25.0%(8/32)、45 mg × 2/

日までで 46.9%(15/32)、60 mg × 2/日までで 59.4%(19/32)であった。

いずれかの用量での発現率が 5%以上であった副作用とその用量別発現率(30 mg × 2/日、

45 mg × 2/日、60 mg × 2/日の順)は、尿中血陽性(9.4%、6.9%、11.5%)、鼻出血(9.4%、

13.8%、3.8%)、歯肉出血(9.4%、3.4%、0%)、白血球数増加(0%、6.9%、0%)であった。

表 2.7.6.17-8 副作用発現状況: 日本 NVAF P2a(1/2) 1 日用量 30 mg × 2 45 mg × 2 60 mg × 2

評価被験者数 32 29 26 発現被験者数(%) 8(25.0) 8(27.6) 6(23.1)

発現率の 95%CI a (11.5, 43.4) (12.7, 47.2) (9.0, 43.6) 発現件数 13 16 8

累積発現被験者数(%)b 8(25.0) 15(46.9) 19(59.4) 累積発現率の 95%CI a, b (11.5, 43.4) (29.1, 65.3) (40.6, 76.3)

器官別大分類 基本語 被験者数(%)件数

神経系障害 頭痛 1(3.1) 1 1(3.4) 1 0 0 知覚過敏 0 0 1(3.4) 1 0 0

呼吸器、胸郭および縦隔障害 鼻出血 3(9.4) 3 4(13.8) 4 1(3.8) 1 胃腸障害 便秘 1(3.1) 1 0 0 0 0

歯肉出血 3(9.4) 3 1(3.4) 1 0 0 口腔内出血 0 0 0 0 1(3.8) 1 痔出血 0 0 0 0 1(3.8) 1

腎および尿路障害 血尿 0 0 1(3.4) 1 0 0 臨床検査 好塩基球数増加 0 0 0 0 1(3.8) 1

好酸球数増加 1(3.1) 1 0 0 1(3.8) 1 MedDRA/J V.9.1 a: 二項分布による CI b: 当該用量までに有害事象が発現した被験者数と発現率(n = 32)

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

323

表 2.7.6.17-8 副作用発現状況: 日本 NVAF P2a(2/2) 1 日用量 30 mg × 2 45 mg × 2 60 mg × 2

評価被験者数 32 29 26 器官別大分類 基本語 被験者数(%)件数

臨床検査(つづき) ヘマトクリット減少 0 0 1(3.4) 1 0 0 尿中血陽性 3(9.4) 3 2(6.9) 2 3(11.5) 3 ヘモグロビン減少 0 0 1(3.4) 1 0 0 血小板数減少 1(3.1) 1 0 0 0 0 赤血球数減少 0 0 1(3.4) 1 0 0 白血球数増加 0 0 2(6.9) 2 0 0 尿中蛋白陽性 0 0 1(3.4) 1 0 0

MedDRA/J V.9.1

17.4.2.2.2 重症度別の副作用発現率

中等度の副作用の発現率は 30 mg × 2/日で 3.1%(1/32)、45 mg × 2/日で 3.4%(1/29)で

あった。中等度の副作用の内訳は、30 mg × 2/日投与時で鼻出血 1 名 1 件、45 mg × 2/日投

与時で血尿が 1 名 1 件であった。

軽度の副作用の発現率は 56.3%(18/32)であった。

17.4.3 死亡 死亡は認められなかった。

17.4.4 重篤な有害事象 重篤な有害事象一覧を表 2.7.6.17-9 に示す。

重篤な有害事象は 45 mg × 2/日投与時に 1 名で失神 1 件が認められた。45 mg × 2/日投与

開始から 19 日目の発現であった。治験分担医師は徐脈による失神を疑い、一時ぺーシングを

実施した。この被験者は過去にも同様の症状を発現していることから、治験分担医師は有害事

象が原疾患(NVAF)に起因するものと考え、治験薬投与との因果関係を否定した。

表 2.7.6.17-9 重篤な有害事象一覧: 日本 NVAF P2a

用量 被験者 番号

性別 年齢

有害事象名 (MedDRA 基本語) 重症度 転帰 因果関係

45 mg × 2/日 女性 66 失神 中等度 回復 関連なし

MedDRA/J V.9.1

17.4.5 重要な有害事象 中止の原因となった有害事象の一覧を表 2.7.6.17-10 に示す。

中止の原因となった有害事象は、30 mg × 2/日投与時に 3 名 5 件、45 mg × 2/日投与時に 4

名 5 件認められた。中止の原因となった有害事象のほとんどは回復又は軽快が確認されたが、

30 mg × 2/日で肝機能異常(AST[GOT]、ALT[GPT]上昇)を発現した被験者(被験者番

191*

*: 新薬承認情報提供時に置き換え

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

324

号 )は未回復であった。当該被験者は高血圧と慢性 C 型肝炎を合併しており、治験薬投

与開始以前から投薬治療を行っており、治験薬投与中も継続していた。過去にも同様の肝機能

検査値の変動を示したことがあることから、今回の変動も合併症によるものと考え、治験薬と

の因果関係は「関連なし」と判断した。

表 2.7.6.17-10 中止の原因となった有害事象一覧: 日本 NVAF P2a

薬剤群・用量 被験者番号 性別 年齢

有害事象名 (MedDRA 基本語) 重症度

転帰 因果関係

30 mg × 2 男性 73

歯肉出血 軽度 回復 関連あるかもしれない

鼻出血 軽度 回復 明らかに関連あり

男性 65

肝機能異常 軽度 未回復 関連なし

男性 74

鼻出血 中等度 回復 多分関連あり

肝機能検査異常 軽度 回復 ほとんど関連なし

45 mg × 2 男性 54

頭痛 軽度 軽快 関連あるかもしれない

知覚過敏 軽度 軽快 関連あるかもしれない

男性 69

鼻出血 軽度 回復 関連あるかもしれない

女性 73

血尿 中等度 回復 多分関連あり

女性 66

失神 中等度 回復

関連なし MedDRA/J V.9.1

17.4.6 臨床検査値の評価 投与開始前後で平均値に変動が認められる項目があったが、特に血液検査項目は基準値内で

の軽度の変動であった。尿検査では投与開始前と比較して潜血で異常所見を示す被験者の割合

が多かった。

17.5 結論 NVAF 患者 32 名を対象として、エドキサバン 30 mg × 2/日を 2 週間、45 mg × 2/日を 4 週

間及び 60 mg × 2/日を 4 週間の計 10 週間、漸増デザインにより経口投与した。

重篤な副作用は認められず、治験薬投与中止の原因となった有害事象及び出血関連の有害事

象についても検討したが、安全性に重大な問題は認められなかった。

出血性イベントの発現率は全体で 46.9%(15/32)であった。

血栓塞栓性イベントは認められず、用量増加及び血漿中エドキサバン濃度の上昇に伴う薬力

193*

192*

191*

193*

194*

195*

196*

197*

*: 新薬承認情報提供時に置き換え

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

325

学的指標(PT、INR、APTT)の延長と抗 FXa 活性の上昇が認められた。二次線溶マーカーで

ある D-dimer とトロンビン生成マーカーである TAT 及び F1+2 はエドキサバン投与によって低

下したが、用量との明確な関係は認められなかった。

したがって、1 回 30 mg 1 日 2 回の投与により血栓形成抑制作用を十分に発現し、また、出

血リスクも高まっている可能性があり、以後の治験の用量は、さらに低用量の成績も勘案して

決定する必要がある。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

326

18. DU-176b 探索的試験(第II相試験)-非弁膜性心房細動患者を対象としたオ

ープンラベルによる多施設共同用量漸増試験(低用量)- ··························································· 資料番号 5.3.5.2-2

18.1 治験方法 表 2.7.6.18-1 に試験方法の概略を示す。

表 2.7.6.18-1 試験方法の概略: 日本 NVAF P2a 低用量(1/2) 治験の目的 NVAF 患者におけるエドキサバンの有効性及び安全性を探索的に検討する。 治験責任医師名 実施医療機関

、他 8 名 、他 8 施設

試験実施期間 20 年 月 日(最初の被験者の同意取得日)~20 年 月 日(最後の被験者

の最終観察日) 選択基準・除外基

準 1. 選択基準

以下の基準をすべて満たす NVAF 患者 1) 登録日から過去 1 年以内に 1 週間以上の間隔をおいた 2 回以上の心電図にお

いて AF が確認できること 2) 年齢 20 歳以上 80 歳未満

ただし、被験者が 60 歳未満の場合は、下記の脳卒中の危険因子を 1 つ以上持

つものに限る 【危険因子】

i) 高血圧(コントロール良好な患者に限る) ii) 糖尿病(コントロール良好な患者に限る) iii) 冠動脈疾患(陳旧性心筋梗塞・安定型狭心症) iv) うっ血性心不全(NYHA2 以下に限る)

2. 除外基準 1) 下記の出血リスクを有する者

i) 頭蓋内、眼内(球結膜下出血を除く)、脊髄、後腹膜又は非外傷性関節内

出血の既往 ii) 同意日より過去 1 年以内の消化管出血 iii) 同意日より過去 90 日以内の消化性潰瘍 iv) 同意日より過去 30 日以内の入院を要する手術又は外傷 v) 事前検査において、ヘモグロビンが 10 g/dL 未満あるいは血小板数が 10 ×

104/µL 未満 vi) 同意取得時あるいは登録時に出血を来している vii) 同意日から治験薬投与終了までに手術、組織生検、抜歯など出血を来す侵

襲的治療あるいは検査を予定している viii) 遺伝的な出血性疾患

2) 脳卒中※又は TIA の既往のある者 ※: 画像上で偶発的に発見された無症候性脳梗塞はこれに含めない

3) 抗凝固薬による治療が行なわれている者 4) リウマチ性弁膜疾患を合併した者 5) 心臓弁手術の施行歴のある者 6) 感染性心内膜炎を合併した者 7) 心房粘液腫を合併した者 8) 左室又は左房に血栓の存在が確認されている者 9) 遺伝的な血栓形成傾向が確認されている者 10) 治験薬投与期間中に電気的又は薬理学的除細動を予定している者 11) コントロール不良の高血圧症患者 12) コントロール不良の糖尿病患者

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

329

下同様)であり、性別は男性が 18 名、女性が 6 名で、24 名全員が外来患者であった。体重の

平均値は 61.1(11.2)kg であった。NVAF での脳卒中の危険因子(年齢を除く)を有する被験

者は 15 名であり、その内訳は高血圧が 14 名、糖尿病が 4 名、うっ血性心不全が 3 名、冠動脈

疾患が 2 名であった。

表 2.7.6.18-3 被験者背景: 日本 NVAF P2a 低用量 1 日用量 5 mg × 1 15 mg × 1 30 mg × 1 評価被験者数 24 23 23

性別(男/女) 18/6 17/6 17/6 年齢(歳)a 67.4(7.9) 67.4(8.1) 67.4(8.1) 体重(kg)a 61.1(11.2) 60.9(11.4) 60.9(11.4)

危険因子 b 有 15(62.5) 15(65.2) 15(65.2) 無 9(37.5) 8(34.8) 8(34.8)

高血圧 14(58.3) 14(60.9) 14(60.9) 糖尿病 4(16.7) 4(17.4) 4(17.4) 冠動脈疾患 2(8.3) 2(8.7) 2(8.7) うっ血性心不全 3(12.5) 3(13.0) 3(13.0)

a: 算術平均値(SD) b: 被験者数(%)

18.3 有効性 18.3.1 血栓塞栓性イベント 血栓塞栓性イベントは無症候性のものも含めて、すべての被験者で認められなかった。

18.3.2 薬力学的指標 薬物動態/薬力学解析対象集団における薬力学的指標の推移を表 2.7.6.18-4 に示す。

投与後 1~3 時間の PT、INR、及び APTT はいずれも、用量が高いほど延長していた。

また、PT、INR、及び APTT は血漿中エドキサバン濃度と直線的な関係を示し、血漿中エド

キサバン濃度の上昇に伴う延長が認められた。

表 2.7.6.18-4 薬力学的指標の推移: 日本 NVAF P2a 低用量(1/2)

項目 (単位)

投与 開始前

5 mg × 1 a 15 mg × 1 b 30 mg × 1 c

服薬前 1~3 時間 服薬前 1~3 時間 服薬前 1~3 時間

PT (sec)

n 23 23 23 23 23 23 23

算術平均値 (SD)

12.03 (1.07)

11.82 (0.71)

12.53 (1.21)

12.53 (3.12)

13.82 (2.41)

12.25 (1.08)

15.95 (3.47)

検定 d ― P = 0.093 P < 0.001 P = 0.442 P < 0.001 P = 0.031 P < 0.001 a: 投与開始から 2 週目 b: 投与開始から 4 週目 c: 投与開始から 6 週目 d: 対応のある t 検定による投与開始前値との比較

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

330

表 2.7.6.18-4 薬力学的指標の推移: 日本 NVAF P2a 低用量(2/2)

項目 (単位)

投与 開始前

5 mg × 1 a 15 mg × 1 b 30 mg × 1 c

服薬前 1~3 時間 服薬前 1~3 時間 服薬前 1~3 時間

INR n 23 23 23 23 23 23 23

算術平均値 (SD)

1.15 (0.18)

1.12 (0.11)

1.25 (0.20)

1.27 (0.63)

1.45 (0.47)

1.19 (0.18)

1.87 (0.68)

検定 d ― P = 0.166 P < 0.001 P = 0.398 P < 0.001 P = 0.016 P < 0.001

APTT (sec)

n 23 23 23 23 23 23 23

算術平均値 (SD)

30.00 (2.07)

29.62 (2.42)

30.75 (2.08)

29.95 (3.40)

32.84 (3.07)

31.11 (3.22)

37.00 (5.89)

検定 d ― P = 0.220 P = 0.020 P = 0.906 P < 0.001 P = 0.108 P < 0.001 a: 投与開始から 2 週目 b: 投与開始から 4 週目 c: 投与開始から 6 週目 d: 対応のある t 検定による投与開始前値との比較

18.3.3 バイオマーカー 薬物動態/薬力学解析対象集団におけるバイオマーカーの推移を表 2.7.6.18-5 に示す。

投与後 1~3 時間の D-dimer は、いずれの用量でもすべての被験者で基準値上限(1 μg/mL)

を下回り、用量増加に伴って低下した。

投与後 1~3 時間の TAT と F1+2 は、用量増加に伴って低下し、また、血漿中エドキサバン

濃度の上昇に伴う低下が認められた。

投与後 1~3 時間の可溶性フィブリンと PIC には、用量に依存した明確な変化は認められな

かった。

投与後 1~3 時間の抗 FXa 活性は、用量増加に伴って上昇した。

表 2.7.6.18-5 バイオマーカーの推移: 日本 NVAF P2a 低用量(1/2)

項目 (単位)

投与 開始前

5 mg × 1 a 15 mg × 1 b 30 mg × 1 c

服薬前 1~3 時間 服薬前 1~3 時間 服薬前 1~3 時間

D-dimer (μg/mL)

n 22 21 22 21 22 22 22 算術平均値 (SD)

0.406(0.210)

0.340(0.182)

0.331(0.171) 0.303

(0.142) 0 312

(0 152) 0.277(0.166)

0.295(0.167)

検定 d ― P = 0.015 P = 0.021 P = 0.014 P = 0.020 P = 0.001 P = 0.004

TAT (ng/mL)

n 22 21 22 21 22 22 22 算術平均値 (SD)

2.35 (0.86)

2.09(0.75)

1 90 (0.66) 2.71

(3.79) 1.39

(0.47) 1.40 (0.45)

1.41 (0.75)

検定 d ― P = 0.030 P = 0.001 P = 0.693 P < 0.001 P < 0.001 P < 0.001

F1+2 (pmol/L)

n 22 21 22 21 22 22 22 算術平均値 (SD)

240.5(140.8)

217.8(95.8)

193.9(84.8)

187.5(86.5)

158.1(78 1) 161.1

(50.4) 158.6

(47.1)

検定 d ― P = 0.195 P = 0.018 P = 0.019 P = 0.001 P = 0.003 P = 0.005

可溶性フ

ィブリン (μg/mL)

n 22 21 22 21 22 22 22 算術平均値 (SD)

3.00 (0.00)

3.00(0.00)

3.00 (0.00) 3.58

(1.89) 3.00

(0.00) 3.00 (0.00)

3.00 (0.00)

検定 d ― P = − P = − P = 0.178 P = − P = − P = − a: 投与開始から 2 週目 b: 投与開始から 4 週目 c: 投与開始から 6 週目 d: 対応のある t 検定による投与開始前値との比較

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

331

表 2.7.6.18-5 バイオマーカーの推移: 日本 NVAF P2a 低用量(2/2) 項目

(単位) 投与

開始前 5 mg × 1 a 15 mg × 1 b 30 mg × 1 c

服薬前 1~3 時間 服薬前 1~3 時間 服薬前 1~3 時間

PIC (μg/mL)

n 22 21 22 21 22 22 22 算術平均値 (SD)

0.55 (0.24)

0 54(0.16)

0.57 (0.18) 0.59

(0.30) 0.60

(0.24) 0.55 (0.24)

0.65 (0.37)

検定 d ― P = 0.470 P = 0.628 P = 0.534 P = 0.213 P = 0.888 P = 0.079

抗 FXa 活性

(IU/mL)

n 23 23 23 23 23 23 23 算術平均値 (SD)

0.100(0.000)

0.100(0.000)

0.302(0.183) 0.109

(0.021) 0.877

(0.603) 0.270(0.595)

2.076(1.579)

検定 d ― P = − P < 0.001 P = 0.064 P < 0.001 P = 0 185 P < 0.001 a: 投与開始から 2 週目 b: 投与開始から 4 週目 c: 投与開始から 6 週目 d: 対応のある t 検定による投与開始前値との比較

18.4 安全性 18.4.1 出血性イベント 18.4.1.1 大出血発現率

大出血は発現しなかった。

18.4.1.2 臨床的に重要な出血発現率

臨床的に重要な出血は発現しなかった。

18.4.1.3 出血性イベントの発現率

出血性イベントの発現率は全体で 12.5%(3/24、95%CI = 2.7%~32.4%)であった。

用量別の出血性イベント発現率は、5 mg × 1/日投与時と 15 mg × 1/日投与時が 0%、30 mg

× 1/日投与時が 13.0%(3/23)であった。

18.4.2 有害事象・副作用の分析 18.4.2.1 有害事象発現状況

18.4.2.1.1 有害事象発現率

18.4.2.1.2 重症度別の有害事象発現率

有害事象の発現状況を表 2.7.6.18-6 に示す。

有害事象の発現率は全体で 50.0%(12/24、95%CI = 29.1%~70.9%)であった。

用量別の有害事象発現率は、5 mg × 1/日で 16.7%(4/24)、15 mg × 1/日で 21.7%(5/23)、

30 mg × 1/日で 34.8%(8/23)であった。

各用量投与時までの有害事象累積発現率は、5 mg × 1/日までで 16.7%(4/24)、15 mg × 1/

日までで 33.3%(8/24)、30 mg × 1/日までで 50.0%(12/24)であった。

2 名以上に発現した有害事象は、消化不良及び血中トリグリセリド増加(いずれも 5 mg × 1

/日と 15 mg × 1/日で各 1 名)並びに血中尿素増加(15 mg × 1/日と 30 mg × 1/日で各 1 名)

であった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

332

表 2.7.6.18-6 有害事象発現状況: 日本 NVAF P2a 低用量 1 日用量 5 mg × 1 15 mg × 1 30 mg × 1

評価被験者数 24 23 23 発現被験者数(%) 4(16.7) 5(21.7) 8(34.8)

発現率の 95%CI a (4.7, 37.4) (7.5, 43.7) (16.4, 57.3) 累積発現被験者数(%)b 4(16.7) 8(33.3) 12(50.0) 累積発現率の 95%CI a, b (4.7, 37.4) (15.6, 55.3) (29.1, 70.9)

器官別大分類 基本語 被験者数(%)

感染症および寄生虫症 鼻咽頭炎 0 0 1(4.3) 精神障害 心臓神経症 1(4.2) 0 0 神経系障害 頭痛 0 1(4.3) 0 耳および迷路障害 耳鳴 0 0 1(4.3) 呼吸器、胸郭および縦隔障害 鼻出血 0 0 1(4.3) 胃腸障害 齲歯 1(4.2) 0 0 消化不良 1(4.2) 1(4.3) 0 皮膚および皮下組織障害 皮下出血 0 0 1(4.3) 筋骨格系および結合組織障害 背部痛 0 1(4.3) 0 腎および尿路障害 尿失禁 0 0 1(4.3) 臨床検査 血中コレステロール増加 0 1(4.3) 0

血中トリグリセリド増加 1(4.2) 1(4.3) 0 血中尿素増加 0 1(4.3) 1(4.3) 尿中血陽性 0 0 1(4.3) 単球数増加 0 0 1(4.3) 尿中赤血球陽性 0 0 1(4.3) 血中アルカリホスファタ

ーゼ増加 0 0 1(4.3)

傷害、中毒および処置合併症 節足動物刺傷 1(4.2) 0 0 MedDRA/J V.9.1 a: 二項分布による CI b: 当該用量までに有害事象が発現した被験者数と発現率(n = 24)

18.4.2.2 副作用発現状況

有害事象はすべて軽度であった。

18.4.2.2.1 副作用発現率

副作用の発現状況を表 2.7.6.18-7 に示す。

副作用の発現率は全体で 20.8%(5/24、95%CI = 7.1%~42.2%)であった。

用量別の副作用発現率は、5 mg × 1/日と 15 mg × 1/日で 0%、30 mg × 1/日で 21.7%(5/23)

であった。

2 名以上に発現した副作用は認められなかった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

333

表 2.7.6.18-7 副作用発現状況: 日本 NVAF P2a 低用量 1 日用量 5 mg × 1 15 mg × 1 30 mg × 1

評価被験者数 24 23 23 発現被験者数(%) 0(0.0) 0(0.0) 5(21.7)

発現率の 95%CI a (0.0, 14.2) (0.0, 14.8) (7.5, 43.7) 累積発現被験者数(%)b 0 0 5(20.8) 累積発現率の 95%CI a, b (0.0, 14.2) (0.0, 14.2) (7.1, 42.2)

器官別大分類 基本語 被験者数(%)

耳および迷路障害 耳鳴 0 0 1(4.3) 呼吸器、胸郭および縦隔障害 鼻出血 0 0 1(4.3) 皮膚および皮下組織障害 皮下出血 0 0 1(4.3) 臨床検査 血中尿素増加 0 0 1(4.3)

単球数増加 0 0 1(4.3) 尿中赤血球陽性 0 0 1(4.3) 血中アルカリホスファ

ターゼ増加 0 0 1(4.3)

MedDRA/J V.9.1 a: 二項分布による CI b: 当該用量までに有害事象が発現した被験者数と発現率(n = 24)

18.4.2.2.2 重症度別の副作用発現率

副作用はすべて軽度であった。

18.4.3 死亡 死亡は認められなかった。

18.4.4 重篤な有害事象 重篤な有害事象は認められなかった。

18.4.5 重要な有害事象 中止の原因となった有害事象の一覧を表 2.7.6.18-8 に示す。

中止の原因となった有害事象は、5 mg × 1/日投与時に 1 名で認められた齲歯 1 件であった。

被験者は処置によって回復し、治験分担医師は齲歯の重症度を軽度と判断するとともに、治験

薬との因果関係は「関連なし」と判断した。

表 2.7.6.18-8 中止の原因となった有害事象一覧: 日本 NVAF P2a 低用量

薬剤群・用量 被験者番号 性別 年齢

有害事象名 (MedDRA 基本語) 重症度

転帰 因果関係

5 mg × 1/日 男性 68 齲歯 軽度

回復 関連なし

MedDRA/J V.9.1

198*

*: 新薬承認情報提供時に置き換え

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

334

18.4.6 臨床検査値の評価 臨床検査は、投与開始前後で平均値に変動が認められる項目があったが、いずれも軽度の変

動であった。

18.5 結論 NVAF 患者 24 名を対象として、エドキサバン 5 mg × 1/日を 2 週間、15 mg × 1/日を 2 週

間及び 30 mg × 1/日を 2 週間の計 6 週間、用量漸増デザインにより経口投与した。

重篤な有害事象は認められず、治験薬投与中止の原因となった有害事象及び出血関連の有害

事象についても検討したが、安全性に重大な問題は認められなかった。

出血性イベントの発現率は全体で 12.5%(3/24)であり、臨床的に重要な出血と大出血は認

められなかった。

血栓塞栓性イベントは認められず、用量増加及び血漿中エドキサバン濃度の上昇に伴う薬力

学的指標(PT、INR、APTT)の延長と抗 FXa 活性の上昇が認められ、30 mg × 1/日投与によ

りトラフ時にも明らかな PT と INR の延長が得られた。二次線溶マーカーである D-dimer とト

ロンビン生成マーカーである TAT 及び F1+2 は用量増加に伴う低下を示し、TAT と F1+2 では

血漿中エドキサバン濃度の上昇に伴う低下が認められた。また、30 mg × 1/日投与までの用

量の安全性と忍容性に大きな問題は認められなかった。

以上より、30 mg 1 日 1 回投与以上の用量により持続的に血栓形成抑制作用が得られる可能

性が示唆され、また、30 mg 1 日 1 回投与までの用量の安全性と忍容性に大きな問題は認めら

れなかった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

335

19. Phase 3 clinical study of DU-176b (venous thromboembolism) − A Japanese, multicenter, open-label study of DU-176b in patients with severe renal impairment undergoing orthopedic surgery of the lower limbs –

............................................. 添付資料番号 5.3.5.4-1

19.1 試験方法 表 2.7.6.19-1 に試験方法の概略を示す。

表 2.7.6.19-1 試験方法の概略: 日本 SRI DVT P3(1/4) 治験の目的 高度腎機能障害(CLCR 15 mL/min 以上 30 mL/min 未満[血液透析患者を除く])を有

する人工膝関節全置換術(total knee replacement: TKR)、人工股関節全置換術(total hip replacement: THR)、又は股関節骨折手術(hip fracture surgery: HFS)施行患者を対象

とし、エドキサバン 15 mg を 1 日 1 回 11~14 日間投与したときの安全性及び薬物動

態を、軽度腎機能障害(CLCR 50 mL/min 以上 80 mL/min 以下)を有する TKR、THR、又は HFS 施行患者でのエドキサバン 30 mg 1 日 1 回 11~14 日間投与を対照として比

較・検討する。なお、CLCR 20 mL/min 以上 30 mL/min 未満の高度腎機能障害患者を対

象としてフォンダパリヌクス 1.5 mg を 1 日 1 回 11~14 日間皮下投与する参照群を設

定し、安全性に関して既承認類薬との位置関係を把握する。 治験責任医師名 実施医療機関

、他 14 名 、他 14 施設

試験実施期間 2012 年 4 月 日(最初の被験者の同意取得日)~2012 年 12 月 日(最後の被験者

の最終観察日) 選択基準・除外基

準 1. 選択基準 高度腎機能障害(Cockcroft-Gault 式※から算出される CLCR

※※が、15 mL/min 以上

30 mL/min 未満)、あるいは軽度腎機能障害(50 mL/min 以上 80 mL/min 以下)を有し、

年齢 20 歳以上である以下のいずれかの患者 1) 再置換術を除く片側 TKR が施行される患者 2) 再置換術を除く片側 THR が施行される患者 3) 大腿骨頚部内側骨折、大腿骨頚部外側(大腿骨転子部、転子下)骨折で 10 日以

内に手術をする(HFS)患者 ※: Cockcroft-Gault 式

男性: {(140 − 年齢) × 体重 kg} ÷ {72 × 血清クレアチニン値 mg/dL} 女性: [{(140 − 年齢) × 体重 kg} ÷ {72 × 血清クレアチニン値 mg/dL}] × 0.85

※※: 術前検査時に測定された血清クレアチニン値をもとに算出された CLCR 2. 除外基準

2.1 術前検査時の除外基準 1) 血液透析が導入されている患者 2) 事後検査実施時までに血液透析が導入される可能性がある患者 3) 下記の出血性リスクを有する患者

i) 頭蓋内出血の既往又は眼内出血・頭蓋内悪性腫瘍の合併 ii) 同意日から過去 3 ヵ月以内の消化管出血及び消化性潰瘍の合併 iii) 基準値上限を超える PT あるいは基準値下限を下回るプロトロンビン活性 iv) 基準値上限を超える APTT の延長 v) ヘモグロビン 9 g/dL 未満あるいは血小板数 10 万/μL 未満 vi) 遺伝的な出血性疾患 vii) 現に出血している※(HFS の場合、原疾患による出血を除く)もしくは出血

を来しやすい疾患の合併 ※: 尿検査については、肉眼的血尿が認められた場合

viii) HFS の場合、大腿骨頚部内側及び外側以外の部位の骨折・挫傷等で出血の

合併のおそれがある

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

336

表 2.7.6.19-1 試験方法の概略: 日本 SRI DVT P3(2/4)

選択基準・除外基

準(つづき) ix) コントロール不良の高血圧(持続的に収縮期血圧が 160 mmHg を超えてい

る、あるいは拡張期血圧が 100 mmHg を超えている) x) 同意日より過去 30 日以内の手術入院

4) 下記の血栓塞栓症のリスクを有する患者 i) 症候性の DVT 又は PE の既往 ii) 血栓塞栓症のリスクが高い凝固性疾患 iii) 同意日より過去 6 ヵ月以内の下肢骨折の既往※※

※※: 骨きり手術を含む。 半月板損傷は含まない。

iv) 同意日より過去 6 ヵ月以内の下肢人工関節置換術の施行※※※ ※※※: 人工骨頭置換術を含む。

v) 同意日より過去 3 ヵ月以内に発症した心筋梗塞、脳梗塞、TIA 5) 合併する他の疾患に対して抗血栓療法(抗凝固薬、血栓溶解薬、抗血小板薬)

が行われており、治験期間中にこれら抗血栓療法を中止することが当該合併症

の悪化を招くと考えられる患者 6) 以下に該当する肝機能障害が確認された患者

i) AST 又は ALT が ULN の 2 倍以上 ii) 総ビリルビン値が ULN の 1.5 倍以上

7) 急性細菌性心内膜炎を合併している患者 8) 過去にエドキサバン(又はリクシアナ®)の投与歴がある患者 9) 同意日より過去 6 ヵ月以内に他の治験薬の投与歴がある患者、あるいは治験期

間中に他の治験への参加を予定している患者 10) 妊婦、妊娠している可能性のある患者、又は治験期間中に妊娠を希望する患者、

並びに授乳中の患者 11) その他、治験責任医師又は治験分担医師が不適格と判断した患者

2.2 術後の除外基準 1) CLCR が 15 mL/min 未満の患者 2) 脊椎麻酔時に穿刺部位からの異常な出血を伴った患者 3) 術後から治験薬投与開始までに再手術を要することが判明した患者 4) 治験薬投与 2 時間前かつ二次登録までに硬膜外の留置カテーテルを抜去でき

ない患者 5) 術中あるいは術直後の異常なあるいは過度の出血があった患者 6) 経口投与できない患者 7) その他、治験責任医師又は治験分担医師が不適格と判断した患者

治験デザイン 高度腎機能障害(CLCR 15 mL/min 以上 30 mL/min 未満)を有する TKR、THR、又は

HFS 施行患者(エドキサバン 15 mg 1 日 1 回 11~14 日間投与)と軽度腎機能障害(CLCR 50 mL/min 以上 80 mL/min 以下)を有する TKR、THR、又は HFS 施行患者(エドキサ

バン 30 mg 1 日 1 回 11~14日間投与)の多施設共同オープンラベル並行群間比較試験。

高度腎機能障害(CLCR 20 mL/min 以上 30 mL/min 未満)を有する患者は手術後にエド

キサバン群又はフォンダパリヌクス群(フォンダパリヌクス 1.5 mg 1 日 1 回 11~14日間皮下投与)に無作為割付。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

338

表 2.7.6.19-1 試験方法の概略: 日本 SRI DVT P3(4/4) 評価スケジュール 表 2.7.6.19-2 及び表 2.7.6.19-3 参照 統計解析手法 治験薬投与開始後から治験薬投与終了翌日までに認められた出血性イベント(大出

血、臨床的に重要な出血、又は小出血)、大出血又は臨床的に重要な出血、及び各出

血性イベント(大出血、臨床的に重要な出血、小出血)の発現率及びその 95%CI を投

与群別に算出した。

表 2.7.6.19-2 調査、観察、検査、及び試料採取スケジュール: 日本 SRI DVT P3

調査項目 同 意

術 前 検 査

a

一 次 登

手 術 日

二 次 登 録

投与前 投与 7 日目 b 投与終了日

(11~14 日目)

又は中止時 c

事 後 検 査 d

投与状況

被験者背景

胸部 X 線検査 ●e f

12 誘導心電図 ●e

頭部 CT/MRI ●e

血圧、脈拍数 ● ● ● ● ●

血液学・血液生化学的検査 g ●h ● ● ● ●

尿検査 g ●h ● ● ● ●

妊娠検査 i ●

薬力学的指標(院内)j ●h

併用薬

理学療法

血栓塞栓性イベント

出血性イベント/有害事象

バンキング(PGx)k a: TKR 又は THR 施行患者では手術前 14 日(手術日は含まない)以内に、HFS 施行患者では受傷から手術までに実施した。 b: 投与 7 日目の検査は、7 日目に実施できない場合、投与 6 又は 8 日目に実施した。 c: 治験薬投与中止例の場合、投与終了日に規定されている検査を可能な限り実施した。 d: 治験薬最終投与後 25~35 日の間に実施した。また、治験薬投与中止例の場合、事後検査に規定されている検査を可能な

限り実施した。 e: TKR 又は THR 施行患者では術前 28 日以内に、HFS 施行患者では受傷から手術までに、診療の一環として同検査が実施

されている場合は、被験者の同意のもと、その所見をもって術前検査とした。 f: 症候性の PE が疑われた場合に必要に応じて実施した。 g: 治験薬投与開始後、事後検査実施日までに診療の一環で、投与 7 日目検査、投与終了日検査以外に検査が実施された場

合は、これらの結果も症例報告書に記入した。 h: TKR 又は THR 施行患者では術前 14 日以内に、HFS 施行患者では受傷から手術までに、診療の一環として同検査が実施

されている場合は、被験者の同意のもと、その所見をもって術前検査とした。 i: 閉経前の女性のみ実施した。 j: 術前検査時に院内で測定するプロトロンビンは、PT 及びプロトロンビン活性のうち、施設基準値が定められている項目

を測定した。 k: バンキングの実施が承認された実施医療機関で、かつエドキサバン群のみ行った。バンキングのための採血は、二次登

録後から事後検査実施日までに実施した。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

339

表 2.7.6.19-3 中央測定用の血漿中薬物濃度、薬力学的指標及びバイオマーカーの試料採取、

食事時間記録スケジュール: 日本 SRI DVT P3

調査項目

投与 6 日目 投与 7 日目 a 投与

終了前日 投与終了日 b

投与 前後

投与 前後 投与前 1~3

時間 4~8 時間

投与 前後

投与 前後 投与前 1~3

時間 4~8 時間

食事時間 c, d ● ● ● ●

血漿中薬物濃度 d ● ● ● ● ● ●

薬力学的指標 (中央測定) ● ● ● ● ● ●

調査項目 術前 e 検査日

投与 1 日目 投与 7 日目 a 投与終了日 b (11~14 日目) 事後検査日 f

投与前 投与前 投与前

バイオマーカー ● ● ● ● ● a: 投与 7 日目に実施できない場合、投与 6 又は 8 日目に実施した。 b: 治験薬投与中止例の場合、可能な限り実施した。 c: 投与 7 日目の血漿中薬物濃度測定の採血を 6 又は 8 日目に実施した場合、それぞれ 5 及び 6 日目、又は 7 及び 8 日目の

治験薬投与前後の食事開始日時を記録した。 d: エドキサバン群のみ実施した。 e: TKR 又は THR 施行患者では術前 14 日(手術日は含まない)以内に、HFS 施行患者では受傷から手術までに実施した。 f: 治験薬最終投与後 25~35 日の間に実施した。また、治験薬投与中止例の場合、可能な限り実施した。

19.1.1 被験者数の設定根拠 特殊患者集団でのエドキサバンの安全性を評価するとともに、当該集団における臨床使用経

験を蓄積するための被験者数として、高度腎機能障害を有する患者を 30 名と設定した。また

対照群とした軽度腎機能障害を有する患者についても同数を設定した。

本治験に先立って実施された TKR、THR、又は HFS 施行患者を対象とした第 II 相試験及び

第 III 相試験の併合解析の結果、軽度腎機能障害を有する患者にエドキサバン 30 mg を 1 日 1

回投与したときの大出血又は臨床的に重要な出血は 5.0%(20/399)、出血性イベントの発現率

は 22.8%(91/399)であった。高度腎機能障害を有する患者にエドキサバン 15 mg を 1 日 1 回

投与したときの大出血又は臨床的に重要な出血の発現率が、軽度腎機能障害を有する患者の発

現率の 2 倍以上である場合、少なくとも 1 名の大出血又は臨床的に重要な出血の発現を 95%

以上の確率で検出できる。

また、参照群であるフォンダパリヌクス群は、高度腎機能障害を有する患者にエドキサバン

15 mg を投与したときの安全性について、既承認類薬との位置関係を把握することを目的とし

たため、20 名とした。

19.1.2 用法・用量の設定根拠 高度腎機能障害を有する患者に対するエドキサバンの投与量と投与方法は、曝露量と出血性

イベント発現率の関係に基づいて設定した。高度腎機能障害者に 15 mg を 1 日 1 回投与した場

合のエドキサバンの薬物動態パラメータ(AUC、Cmax、Cmin)は、軽度腎機能障害者に通常用

量である 30 mg を 1 日 1 回投与した場合と同程度又はそれ以下になると予測され、出血性イベ

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

340

ント発現率も同程度であると推定された。

投与開始時期、及び軽度腎機能障害患者の投与量と投与方法は、リクシアナ®の添付文書に

従って設定した。

フォンダパリヌクスの投与量と投与方法は、 の添付文書に従って設定した。

投与期間はこれまでの TKR、THR、又は HFS 施行患者を対象とした臨床試験と同じ期間を

設定した。

19.2 被験者背景 安全性解析対象集団での被験者背景を表 2.7.6.19-4 に示す。

平均 CLCR は高度腎機能障害を有する患者(SRI 15 mg 群)で 25 mL/min、軽度腎機能障害を

有する患者(MiRI 30 mg 群)で 64 mL/min であった。SRI 15 mg 群での CLCR の最小値は

15.3 mL/min であった。CLCR が 20 mL/min 以上 30 mL/min 未満の被験者では、SRI 15 mg 群と

フォンダパリヌクス群(SRI FPX 群)間に CLCR の差はなかった。

平均年齢は SRI 15 mg 群で 88 歳、MiRI 30 mg 群では 78 歳であり、高度腎機能障害患者には

より高齢な患者が多かった。

平均体重は SRI 15 mg 群で 43 kg、MiRI 30 mg 群では 55 kg であった。SRI 15 mg 群のほとん

どの被験者が 60 kg 以下で、SRI 15 mg 群の被験者の 45%は 40 kg 未満であった。

腎疾患の合併は高度腎機能障害患者でより多く認められ、最も多く認められた腎合併症は、

慢性腎不全(約 10%)であった。高度腎機能障害患者では腎疾患以外の合併も多く、高血圧、

骨粗鬆症、認知症、肝疾患、及び心疾患を合併する被験者は SRI 15 mg 群で MiRI 30 mg 群よ

りも多かった。

手術の種類は、SRI 15 mg 群と MiRI 30 mg 群ともに股関節骨折手術が最も多く、SRI 15 mg

群では 79.3%、MiRI 30 mg 群では 43.3%で、高度腎機能障害患者でより多かった。

上記以外の項目に投与群間の不均衡は認められなかった。

薬物動態及び有効性解析対象集団での被験者背景も同様であった。

表 2.7.6.19-4 被験者背景(安全性解析対象集団): 日本 SRI DVT P3(1/2) 軽度腎機能障害 高度腎機能障害

エドキサバン 30 mg

エドキサバン 15 mg

フォンダパリヌ

クス 1.5 mg

被験者数 30 29 20

性別 男性 3(10.0) 4(13.8) 0(0.0) 女性 27(90.0) 25(86.2) 20(100.0)

年齢(歳) <75 8(26.7) 0(0.0) 2(10.0) ≥75 22(73.3) 29(100.0) 18(90.0) mean(SD) 78.1(6.46) 87.8(5.46) 85.7(8.91)

n(%)

フォンダパリヌクス*

*: 新薬承認情報提供時に置き換え

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

341

表 2.7.6.19-4 被験者背景(安全性解析対象集団): 日本 SRI DVT P3(2/2)

軽度腎機能障害 高度腎機能障害

エドキサバン 30 mg

エドキサバン 15 mg

フォンダパリヌ

クス 1.5 mg 被験者数 30 29 20

体重(kg) ≤60 22(73.3) 28(96.6) 18(90.0) >60 8(26.7) 1(3.4) 2(10.0) <40 1(3.3) 13(44.8) 5(25.0) ≥40 29(96.7) 16(55.2) 15(75.0) mean(SD) 54.5(11.09) 43.1(8.22) 46.1(7.96)

CLCR(mL/min) mean(SD) 63.9(8.51) 24.8(4.85) 26.4(2.03) 中央値 62.7 26.2 26.2

最小値, 最大値 50.7, 79.8 15.3, 29.95 22.8, 29.97

腎疾患の合併 糸球体腎炎 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 慢性腎不全 0(0.0) 4(13.8) 2(10.0) 糖尿病性腎症 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 腎硬化症 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) その他の腎疾患 1(3.3) 0(0.0) 6(30.0)

術式 TKR 9(30.0) 5(17.2) 6(30.0) THR 8(26.7) 1(3.4) 4(20.0) HFS 13(43.3) 23(79.3) 10(50.0)

NSAIDs の併用 あり 29(96.7) 26(89.7) 18(90.0) なし 1(3.3) 3(10.3) 2(10.0)

P-gp 阻害薬の併用 あり 1(3.3) 1(3.4) 0(0.0) なし 29(96.7) 28(96.6) 20(100.0)

n(%)

19.3 有効性 19.3.1 血栓塞栓性イベント 血栓塞栓性イベント、又は静脈血栓塞栓症に関連した死亡はいずれの群でも発現しなかった。

19.4 薬物動態 19.4.1 血漿中エドキサバン濃度 投与 7 日目の血漿中エドキサバン濃度分布を図 2.7.6.19-1 に、投与 7 日目と終了日の血漿中

エドキサバン濃度の要約統計量を表 2.7.6.19-5 に示す。

SRI 15 mg 群と MiRI 30 mg 群の血漿中エドキサバン濃度分布はほぼ重なっていた。

投与 7 日目の SRI 15 mg 群の平均血漿中エドキサバン濃度は、MiRI 30 mg 群と比較して、ト

ラフ時では 27%高かった。投与 1~3 時間後では 24%低く、投与 4~8 時間後では 37%低かっ

た。投与終了日の濃度は 7 日目と同程度であった。

SRI 15 mg 群のうち、CLCR 値が 15 mL/min 以上 20 mL/min 未満の被験者での投与 7 日目トラ

フ時の血漿中エドキサバン濃度は、CLCR 値が 20 mL/min 以上 30 mL/min 未満の被験者の 2 倍

であったが、投与 1~3 時間後及び投与 4~8 時間後は同程度であった。投与終了日も投与 7

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

342

日目と同様の傾向が認められた。

図 2.7.6.19-1 投与 7 日目の血漿中エドキサバン濃度分布: 日本 SRI DVT P3

表 2.7.6.19-5 血漿中エドキサバン濃度の要約統計量: 日本 SRI DVT P3(1/2) 軽度

腎機能障害 高度腎機能障害

エドキサバン 30 mg

エドキサバン 15 mg

50 mL/min ≤

CLCR ≤ 80 mL/min

合計 15 mL/min ≤

CLCR < 30 mL/min

15 mL/min ≤

CLCR < 20 mL/min

20 mL/min ≤

CLCR < 30 mL/min

評価被験者数 30 28 7 21

7 日目

トラフ時

N 28 27 7 20 mean(SD) 24.7(14.1) 31.4(18.6) 50.7(18.1) 24.6(13.6)

中央値 22.4 28.8 45.4 21.7

最小値, 最大値 7.31, 78.4 8.73, 86.1 31.5, 86.1 8.73, 51.3

投与 1~3時間後

N 29 27 7 20 mean(SD) 140(120) 106(75.8) 106(72.9) 106(78.7)

中央値 103 83.4 73.9 90.0

最小値, 最大値 17.4, 456 17.3, 326 38.6, 215 17.3, 326

投与 4~8時間後

N 29 27 7 20 mean(SD) 179(132) 113(24.9) 126(18.7) 109(25.8)

中央値 166 111 120 108

最小値, 最大値 67.1, 828 57.4, 165 108, 160 57.4, 165 ng/mL

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

343

表 2.7.6.19-5 血漿中エドキサバン濃度の要約統計量: 日本 SRI DVT P3(2/2)

軽度

腎機能障害 高度腎機能障害

エドキサバン 30 mg

エドキサバン 15 mg

50 mL/min ≤

CLCR ≤ 80 mL/min

合計 15 mL/min ≤

CLCR < 30 mL/min

15 mL/min ≤

CLCR < 20 mL/min

20 mL/min ≤

CLCR < 30 mL/min

評価被験者数 30 28 7 21

投与終

了日 トラフ時

N 29 25 6 19 mean(SD) 24.5(20.0) 31.2(17.4) 48.5(17.3) 25.7(13.7)

中央値 21.3 21.4 49.0 19.1

最小値, 最大値 6.58, 111 10.5, 73.8 21.4, 73.8 10.5, 52.6

投与 1~3時間後

N 29 25 7 18 mean(SD) 169(109) 95.2(61.0) 105(72.3) 91.2(57.9)

中央値 182 78.1 78.1 77.3

最小値, 最大値 14.5, 389 17.2, 256 44.5, 256 17.2, 189

投与 4~8時間後

N 28 26 7 19 mean(SD) 159(52.7) 109(30.7) 119(45.8) 105(23.4)

中央値 149 101 93.9 101

最小値, 最大値 83.1, 298 66.7, 184 69.7, 184 66.7, 141 ng/mL

19.4.2 血漿中D21-2393 濃度 SRI 15 mg 群と MiRI 30 mg 群の血漿中 D21-2393 濃度分布はほぼ重なっていた。

投与 7 日目の SRI 15 mg 群の血漿中 D21-2393 濃度は、MiRI 30 mg 群と比較して、トラフ時

では 21%高かった。一方、投与 1~3 時間後では 29%低く、投与 4~8 時間後では 17%低かっ

た。投与終了日の濃度は 7 日目と同程度であった。

SRI 15 mg 群のうち、CLCR 値が 15 mL/min 以上 20 mL/min 未満の被験者での投与 7 日目トラ

フ時の血漿中 D21-2393 濃度は、20 mL/min 以上 30 mL/min 未満の被験者と同程度であったが、

投与 1~3 時間後及び投与 4~8 時間後では 20 mL/min 以上 30 mL/min 未満の被験者の約 50%

であった。投与終了日の血漿中 D21-2393 濃度は投与 7 日目と同程度であった。

19.4.3 血漿中のD21-2393 とエドキサバンの濃度比 血漿中 D21-2393 のエドキサバンに対する濃度比の平均値は、SRI 15 mg 群と MiRI 30 mg 群

のいずれでも 0.07~0.12 の間で推移し、投与群間に差は認められなかった。

19.5 薬力学的指標の推移 投与 7 日目の血漿中エドキサバン濃度と PT の関係を図 2.7.6.19-2 に示す。

SRI 15 mg 群の投与 7 日目のトラフ時の PT 平均値は 14.04 s で、MiRI 30 mg 群の 13.72 s と

同程度であり、投与 1~3 時間後(SRI 15 mg 群: 16.09 s、MiRI 30 mg 群: 16.83 s)及び 4~8 時

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

345

表 2.7.6.19-6 臨床的に重要な出血の発現率: 日本 SRI DVT P3 軽度腎機能障害 高度腎機能障害 エドキサバン

30 mg エドキサバン

15 mg フォンダパリヌ

クス 1.5 mg

50 mL/min ≤ CLCR

≤ 80 mL/min

合計 15 mL/min ≤

CLCR < 30 mL/min

15 mL/min ≤

CLCR < 20 mL/min

20 mL/min ≤

CLCR < 30 mL/min

20 mL/min ≤

CLCR < 30 mL/min

評価被験者数 30 29 7 22 20

発現被験者数(%) 2(6.7) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 1(5.0) 95% CI a 1.8, 21.3 0.6, 17.2 0.0, 35.4 0.8, 21.8 0.9, 23.6 発現率の割合差 3.2 b ― 0.5 c

95% CI a −11.3, 18.1 ― −17.3, 19.4 a: score 法による信頼区間 b: 発現率の割合差 = MiRI 30 mg 群の発現率 – SRI 15 mg 群の発現率 c: 発現率の割合差 = SRI FPX 群の発現率 – SRI 15 mg 群(20 mL/min ≤ CLCR < 30 mL/min)の発現率

19.6.1.3 出血性イベントの発現率

すべての出血性イベントの発現率を表 2.7.6.19-7 に示す。

出血性イベント発現率は SRI 15 mg 群で 20.7%(6/29)、MiRI 30 mg 群で 33.3%(10/30)で

あり、投与群間に顕著な差は認められなかった。CLCR 値が 20 mL/min 以上 30 mL/min 未満の

被験者での出血性イベント発現率は、SRI 15 mg 群で 22.7%(5/22)、SRI FPX 群で 40.0%(8/20)

であり、SRI 15 mg 群の発現率は SRI FPX 群と比較してやや低かった。

主な出血性イベント(2 名以上の被験者に発現)は、SRI 15 mg 群では尿中血陽性(6.9%)

及び皮下血腫(6.9%)、MiRI 30 mg 群では皮下出血(16.7%)及び尿中血陽性(6.7%)であっ

た。両投与群とも、発現した出血性イベントのほとんどが小出血であり、主な出血性イベント

に投与群間の質的な差は認められなかった。

CLCR 値が 20 mL/min 以上 30 mL/min 未満の被験者でみられた主な出血性イベントは、SRI

15 mg 群では尿中血陽性(9.1%)、SRI FPX 群では皮下出血(15.0%)であった。

表 2.7.6.19-7 出血性イベントの発現率: 日本 SRI DVT P3 軽度腎機能障害 高度腎機能障害 エドキサバン

30 mg エドキサバン

15 mg フォンダパリヌ

クス 1.5 mg

50 mL/min ≤ CLCR

≤ 80 mL/min

合計 15 mL/min ≤

CLCR < 30 mL/min

15 mL/min ≤

CLCR < 20 mL/min

20 mL/min ≤

CLCR < 30 mL/min

20 mL/min ≤

CLCR < 30 mL/min

評価被験者数 30 29 7 22 20

発現被験者数(%) 10(33.3) 6(20.7) 1(14.3) 5(22.7) 8(40.0) 95% CI a 19.2, 51.2 9.8, 38.4 2.6, 51.3 10.1, 43.4 21.9, 61.3 発現率の割合差 12.6 b ― 17.3 c

95% CI a −10.0, 33.6 ― −10.2, 42.1 a: score 法による信頼区間 b: 発現率の割合差 = MiRI 30 mg 群の発現率 – SRI 15 mg 群の発現率 c: 発現率の割合差 = SRI FPX 群の発現率 – SRI 15 mg 群(20 mL/min ≤ CLCR < 30 mL/min)の発現率

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

346

19.6.2 有害事象・副作用の分析 19.6.2.1 有害事象発現状況

19.6.2.1.1 有害事象発現率

有害事象発現状況を表 2.7.6.19-8 に示す。

有害事象発現率は、SRI 15 mg 群で 62.1%(18/29)、MiRI 30 mg 群で 73.3%(22/30)であり、

両群で顕著な差は認められなかった。

SRI 15 mg 群での主な有害事象(2 名以上に発現)は、膀胱炎(17.2%)、鼻咽頭炎(6.9%)、

アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)増加(10.3%)、アスパラギン酸アミノトランスフ

ェラーゼ(AST)増加(17.2%)、血中乳酸脱水素酵素増加(6.9%)、γ-グルタミルトランスフ

ェラーゼ(γ-GTP)増加(20.7%)、尿中血陽性(6.9%)、血中アルカリホスファターゼ増加(20.7%)、

及び皮下血腫(10.3%)であった。MiRI 30 mg 群での主な有害事象は、膀胱炎(6.7%)、尿路

感染(6.7%)、皮下出血(20.0%)、尿中血陽性(13.3%)、尿中赤血球陽性(6.7%)、ALT 増加

(6.7%)、血中ビリルビン増加(6.7%)、及び γ-GTP 増加(16.7%)であった。いずれの群でも、

主な有害事象の多くは尿路感染症、出血性イベント、又は肝機能検査値の異常であり、腎機能

の違いによる差は認められなかった。

CLCR 値が 20 mL/min 以上 30 mL/min 未満の被験者の有害事象発現率は、SRI 15 mg 群 54.5%

(12/22)、SRI FPX 群 60.0%(12/20)で、SRI FPX 群での主な有害事象は尿路感染症と出血性

イベントであった。

表 2.7.6.19-8 有害事象発現状況: 日本 SRI DVT P3(1/4)

軽度腎機能

障害 高度腎機能障害

エドキサバ

ン 30 mg エドキサバン

15 mg

フォンダ

パリヌク

ス 1.5 mg

50 mL/min ≤ CLCR ≤

80 mL/min

合計 15 mL/min ≤ CLCR <

30 mL/min

15 mL/min ≤ CLCR<

20 mL/min

20 mL/min ≤ CLCR<

30 mL/min

20 mL/min ≤ CLCR <

30 mL/min

評価被験者数 30 29 7 22 20

発現被験者数(%) 22(73.3) 18(62.1) 6(85.7) 12(54.5) 12(60.0) 95% CI a 55.6, 85.8 44.0, 77.3 48.7, 97.4 34.7, 73.1 38.7, 78.1 発現件数 50 72 18 54 25

器官別大分類 b 基本語 b 被験者数(%) 感染症および寄

生虫症 膀胱炎 2(6.7) 5(17.2) 2(28.6) 3(13.6) 1(5.0) 帯状疱疹 1(3.3) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 鼻咽頭炎 0(0.0) 2(6.9) 0(0.0) 2(9.1) 1(5.0) 咽頭炎 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0) 腎盂腎炎 0(0.0) 1(3.4) 1(14.3) 0(0.0) 0(0.0)

a: score 法による信頼区間 b: MedDRA/J V.15.1

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

347

表 2.7.6.19-8 有害事象発現状況: 日本 SRI DVT P3(2/4)

軽度腎機能

障害 高度腎機能障害

エドキサバ

ン 30 mg エドキサバン

15 mg

フォンダ

パリヌク

ス 1.5 mg

50 mL/min ≤ CLCR ≤

80 mL/min

合計 15 mL/min ≤ CLCR <

30 mL/min

15 mL/min ≤ CLCR<

20 mL/min

20 mL/min ≤ CLCR<

30 mL/min

20 mL/min ≤ CLCR <

30 mL/min

評価被験者数 30 29 7 22 20

器官別大分類 基本語 被験者数(%)

感染症および寄

生虫症(つづき) 子宮留膿症 1(3.3) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 敗血症 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 1(5.0) 尿路感染 2(6.7) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 2(10.0) ブドウ球菌感染 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0)

代謝および栄養

障害 食欲減退 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0)

神経系障害 脳梗塞 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 1(5.0) 認知症 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0)

眼障害 結膜出血 1(3.3) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 心臓障害 心不全 0(0.0) 1(3.4) 1(14.3) 0(0.0) 0(0.0) 急性心不全 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0) 血管障害 深部静脈血栓症 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 1(5.0) 血性分泌物 1(3.3) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 呼吸器、胸郭お

よび縦隔障害 無気肺 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0) 呼吸困難 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0) 喀血 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0) 誤嚥性肺炎 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0)

胃腸障害 上腹部痛 0(0.0) 1(3.4) 1(14.3) 0(0.0) 0(0.0) 下痢 1(3.3) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 歯肉出血 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0)

血便排泄 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0) 口腔内出血 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0) 悪心 1(3.3) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0) 口内炎 1(3.3) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0) 嘔吐 1(3.3) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 口唇出血 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0) 肛門周囲紅斑 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0)

肝胆道系障害 肝損傷 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0) 皮膚および皮下

組織障害 褥瘡性潰瘍 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 1(5.0) 皮下出血 6(20.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 3(15.0) 老人性そう痒症 1(3.3) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0)

筋骨格系および

結合組織障害 ピロリン酸カル

シウム結晶性軟

骨石灰化症 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 1(5.0)

恥骨痛 0(0.0) 1(3.4) 1(14.3) 0(0.0) 0(0.0) MedDRA/J V.15.1

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

348

表 2.7.6.19-8 有害事象発現状況: 日本 SRI DVT P3(3/4)

軽度腎機能

障害 高度腎機能障害

エドキサバ

ン 30 mg エドキサバン

15 mg

フォンダ

パリヌク

ス 1.5 mg

50 mL/min ≤ CLCR ≤

80 mL/min

合計 15 mL/min ≤ CLCR <

30 mL/min

15 mL/min ≤ CLCR<

20 mL/min

20 mL/min ≤ CLCR<

30 mL/min

20 mL/min ≤ CLCR <

30 mL/min 評価被験者数 30 29 7 22 20

器官別大分類 基本語 被験者数(%)

腎および尿路障

害 血尿 1(3.3) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 1(5.0) 尿閉 0(0.0) 1(3.4) 1(14.3) 0(0.0) 0(0.0)

生殖系および乳

房障害 不正子宮出血 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 1(5.0) 子宮出血 1(3.3) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 外陰部出血 1(3.3) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0)

先天性、家族性

および遺伝性障

害 表皮融解 1(3.3) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0)

一般・全身障害

および投与部位

の状態

治癒不良 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 1(5.0) 末梢性浮腫 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0) 疼痛 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0)

臨床検査 アラニンアミノ

トランスフェラ

ーゼ増加 2(6.7) 3(10.3) 1(14.3) 2(9.1) 0(0.0)

アスパラギン酸

アミノトランス

フェラーゼ増加 1(3.3) 5(17.2) 2(28.6) 3(13.6) 0(0.0)

血中ビリルビン

増加 2(6.7) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0)

血中クレアチニ

ン増加 1(3.3) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0)

血中乳酸脱水素

酵素増加 0(0.0) 2(6.9) 1(14.3) 1(4.5) 0(0.0)

血中カリウム減

少 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0)

血中カリウム増

加 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 1(5.0)

血中尿素増加 1(3.3) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) フィブリン D ダ

イマー増加 1(3.3) 1(3.4) 1(14.3) 0(0.0) 0(0.0)

γ-グルタミルト

ランスフェラー

ゼ増加 5(16.7) 6(20.7) 2(28.6) 4(18.2) 0(0.0)

尿中血陽性 4(13.3) 2(6.9) 0(0.0) 2(9.1) 1(5.0) ヘモグロビン減

少 0(0.0) 1(3.4) 1(14.3) 0(0.0) 3(15.0)

尿中赤血球陽性 2(6.7) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 後骨髄球数 1(3.3) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0)

MedDRA/J V.15.1

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

349

表 2.7.6.19-8 有害事象発現状況: 日本 SRI DVT P3(4/4)

軽度腎機能

障害 高度腎機能障害

エドキサバ

ン 30 mg エドキサバン

15 mg

フォンダ

パリヌク

ス 1.5 mg

50 mL/min ≤ CLCR ≤

80 mL/min

合計 15 mL/min ≤ CLCR <

30 mL/min

15 mL/min ≤ CLCR<

20 mL/min

20 mL/min ≤ CLCR<

30 mL/min

20 mL/min ≤ CLCR <

30 mL/min 評価被験者数 30 29 7 22 20

器官別大分類 基本語 被験者数(%) 臨床検査 (つづき)

血中アルカリホ

スファターゼ増

加 0(0.0) 6(20.7) 1(14.3) 5(22.7) 0(0.0)

傷害、中毒およ

び処置合併症 圧迫骨折 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0) 大腿骨骨折 0(0.0) 1(3.4) 1(14.3) 0(0.0) 0(0.0) 関節脱臼 1(3.3) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0) 肋骨骨折 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0) 皮下血腫 1(3.3) 3(10.3) 1(14.3) 2(9.1) 0(0.0) 挫傷 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 1(5.0) 創傷出血 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 1(5.0) 創合併症 1(3.3) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 人工関節周囲骨

折 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 1(5.0)

創傷血腫 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 1(5.0) MedDRA/J V.15.1

19.6.2.1.2 重症度別の有害事象発現率

重度の有害事象は、SRI 15 mg 群で 2 名(6.9%)に 2 件、SRI FPX 群で 2 名(10.0%)に 2

件認められ、MiRI 30 mg 群では認められなかった。SRI 15 mg 群での内訳は、心不全と急性心

不全が各 1 名 1 件であり、両被験者とも死亡した(2.7.6.19.6.3 参照)。いずれの有害事象も、

担当医師によって治験薬との因果関係は否定された。SRI FPX 群では、脳梗塞と敗血症が各 1

名 1 件であった。いずれの有害事象も回復又は軽快し、担当医師によって治験薬との因果関係

は否定された。

中等度の有害事象の発現率は、SRI 15 mg 群で 20.7%(6/29)、MiRI 30 mg 群で 10.0%(3/30)、

SRI FPX 群で 5.0%(1/20)であった。2 名以上に発現した中等度の有害事象はなかった。

軽度の有害事象の発現率は、SRI 15 mg 群で 48.3%(14/29)、MiRI 30 mg 群で 73.3%(22/30)、

SRI FPX 群で 55.0%(11/20)であった。

19.6.2.2 副作用発現状況

19.6.2.2.1 副作用発現率

副作用の発現状況を表 2.7.6.19-9 に示す。

副作用発現率は、SRI 15 mg 群で 24.1%(7/29)、MiRI 30 mg 群で 43.3%(13/30)であった。

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

350

CLCR 値が 20 mL/min 以上 30 mL/min 未満の被験者の副作用発現率は、SRI 15 mg 群で 27.3%

(6/22)、SRI FPX 群で 30.0%(6/20)であった。

表 2.7.6.19-9 副作用発現状況: 日本 SRI DVT P3(1/2)

軽度腎機能

障害 高度腎機能障害

エドキサバ

ン 30 mg エドキサバン

15 mg

フォンダ

パリヌク

ス 1.5 mg

50 mL/min ≤ CLCR ≤

80 mL/min

合計 15 mL/min ≤ CLCR <

30 mL/min

15 mL/min ≤ CLCR<

20 mL/min

20 mL/min ≤ CLCR<

30 mL/min

20 mL/min ≤ CLCR <

30 mL/min

評価被験者数 30 29 7 22 20

発現被験者数(%) 13(43.3) 7(24.1) 1(14.3) 6(27.3) 6(30.0) 95% CI a 27.4, 60.8 12.2, 42.1 2.6, 51.3 13.2, 48.2 14.5, 51.9 発現件数 24 20 1 19 9

器官別大分類 b 基本語 b 被験者数(%) 感染症および寄

生虫症 膀胱炎 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0)

呼吸器、胸郭お

よび縦隔障害 呼吸困難 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0)

胃腸障害 血便排泄 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0) 肝胆道系障害 肝損傷 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0) 皮膚および皮下

組織障害 皮下出血 5(16.7) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 3(15.0)

腎および尿路障

害 血尿 1(3.3) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0)

生殖系および乳

房障害 外陰部出血 1(3.3) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0)

臨床検査 アラニンアミノ

トランスフェラ

ーゼ増加 1(3.3) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0)

アスパラギン酸

アミノトランス

フェラーゼ増加 1(3.3) 2(6.9) 0(0.0) 2(9.1) 0(0.0)

血中ビリルビン

増加 2(6.7) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0)

血中クレアチニ

ン増加 1(3.3) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0)

血中乳酸脱水素

酵素増加 0(0.0) 1(3.4) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0)

血中カリウム増

加 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 1(5.0)

血中尿素増加 1(3.3) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) γ-グルタミルト

ランスフェラー

ゼ増加 3(10.0) 2(6.9) 0(0.0) 2(9.1) 0(0.0)

a: score 法による信頼区間 b: MedDRA/J V.15.1

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

351

表 2.7.6.19-9 副作用発現状況: 日本 SRI DVT P3(2/2)

軽度腎機能

障害 高度腎機能障害

エドキサバ

ン 30 mg エドキサバン

15 mg

フォンダ

パリヌク

ス 1.5 mg

50 mL/min ≤ CLCR ≤

80 mL/min

合計 15 mL/min ≤ CLCR <

30 mL/min

15 mL/min ≤ CLCR<

20 mL/min

20 mL/min ≤ CLCR<

30 mL/min

20 mL/min ≤ CLCR <

30 mL/min 評価被験者数 30 29 7 22 20

器官別大分類 基本語 被験者数(%)

臨床検査 (つづき)

尿中血陽性 1(3.3) 2(6.9) 0(0.0) 2(9.1) 1(5.0) ヘモグロビン減

少 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 2(10.0)

尿中赤血球陽性 2(6.7) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 後骨髄球数 1(3.3) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 血中アルカリホ

スファターゼ増

加 0(0.0) 3(10.3) 0(0.0) 3(13.6) 0(0.0)

傷害、中毒およ

び処置合併症 皮下血腫 1(3.3) 2(6.9) 1(14.3) 1(4.5) 0(0.0) 創傷血腫 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 1(5.0)

MedDRA/J V.15.1

19.6.2.2.2 重症度別副作用発現率

重度の副作用は認められなかった。

中等度の副作用は、SRI 15 mg 群で 1 名(3.4%)に皮下血腫が、MiRI 30 mg 群では 2 名(6.7%)

に血尿と皮下血腫が各 1 件認められた。SRI FPX 群では中等度の副作用は認められなかった。

軽度の副作用発現率は、SRI 15 mg 群で 20.7%(6/29)、MiRI 30 mg 群で 40.0%(12/30)、SRI

FPX 群で 30.0%(6/20)であった。

19.6.3 死亡 SRI 15 mg 群の 2 名(6.9%)が死亡した。

1 名(被験者番号 )はエドキサバン投与開始翌日に急性心不全を発症し、同日、死亡

した。もう 1 名(被験者番号 )は、エドキサバン投与終了から 27 日後に心不全を発症

し、その 2 日後に死亡した。いずれの死亡も、担当医師によって治験薬との因果関係を否定さ

れた。また、静脈血栓塞栓症に関連した死亡でもないことがイベント評価委員会で確認された。

19.6.4 重篤な有害事象 死亡以外の重篤な有害事象の一覧を表 2.7.6.19-10 に示す。

死亡以外の重篤な有害事象は、SRI 15 mg 群で 3 名に 4 件、MiRI 30 mg 群で 1 名に 1 件、SRI

FPX 群で 3 名に 3 件認められた。SRI 15 mg 群での内訳は、同一被験者で認知症と脳梗塞が各

1 件、腎盂腎炎と大腿骨骨折が各 1 名 1 件であった。MiRI 30 mg 群では関節脱臼が 1 名 1 件、

199*

200*

*: 新薬承認情報提供時に置き換え

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

352

SRI FPX 群では、敗血症、脳梗塞、及び人工関節周囲骨折が各 1 名 1 件であった。

死亡を除く重篤な有害事象の転帰は、SRI 15 mg 群の 1 名に認められた認知症と脳梗塞が未

回復であったが、症状は安定したことが確認され、それ以外の事象はすべて回復又は軽快した。

これらの死亡以外の重篤な有害事象と治験薬との因果関係は、すべて担当医師により否定さ

れ、SRI 15 mg 群の 1 名に認められた脳梗塞は、担当医師により静脈血栓塞栓症との関連はな

いと判断された。

表 2.7.6.19-10 重篤な有害事象の一覧: 日本 SRI DVT P3

薬剤群・用量 被験者 番号

性別 年齢

有害事象名 (MedDRA 基本語) 重症度 転帰 因果関係

エドキサバン15 mg

女性 89

認知症 中等度 未回復 関連なし 脳梗塞 中等度 未回復 関連なし

女性 91

腎盂腎炎 中等度 回復 関連なし

女性 92

大腿骨骨折 中等度 軽快 関連なし

エドキサバン 30 mg

女性 87

関節脱臼 中等度 回復 関連なし

フォンダパリ

ヌクス 1.5 mg

女性 89

敗血症 重度 回復 関連なし

女性 92

脳梗塞 重度 軽快 関連なし

女性 96

人工関節周囲骨折 中等度 軽快 関連なし

MedDRA/J V.15.1

19.6.5 重要な有害事象 中止の原因となった有害事象(死亡、重篤な有害事象を除く)は、SRI 15 mg 群の 1 名に認

められた。この被験者は投与 5 日目に中等度の皮下血腫を発症し、同日に投与を中止した。

MiRI 30 mg 群と SRI FPX 群では認められなかった。

19.6.6 臨床検査値の評価 年齢や腎機能などの被験者背景の違いから、SRI 15 mg 群と MiRI 30 mg 群間で、赤血球数、

ヘモグロビン、総蛋白、BUN、及び血清クレアチニン値等のベースライン値に違いは認めら

れたものの、投与開始後の臨床検査値の経時変化や悪化変動を示した被験者の割合に明確な差

は認められなかった。

19.6.7 肝機能検査値の異常値に関する集計 AST 又は ALT が基準値上限の 3 倍以上を示した被験者は、SRI 15 mg 群で 1 名(3.4%)、SRI

FPX 群で 1 名(5.0%)確認された。SRI 15 mg 群の 1 名は、投与終了 17 日後に腎盂腎炎を発

症したため抗菌薬の投与を受けており、この被験者の ALT 及び AST の上昇と被験薬との因果

関係は担当医者によって否定された。

201*

202*

203*

204*

205*

206*

207*

*: 新薬承認情報提供時に置き換え

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2.7.6 個々の試験のまとめ エドキサバントシル酸塩水和物 リクシアナ錠 15 mg、30 mg、60 mg

353

総ビリルビンが基準値上限の 2 倍以上を示した被験者はいなかった。

19.7 結論 高度腎機能障害(CLCR 15 mL/min 以上 30 mL/min 未満)を有する TKR、THR、又は HFS 施

行患者にエドキサバン 15 mg を 1 日 1 回 11~14 日間投与したときの血漿中エドキサバン濃度

及び出血性イベントの発現率に、軽度腎機能障害(CLCR 50 mL/min 以上 80 mL/min 以下)を有

する患者にエドキサバン 30 mg を 1 日 1 回 11~14 日間投与したときとの明らかな差は認めら

れなかった。また、CLCR が 20 mL/min 以上 30 mL/min 未満の高度腎機能障害患者にエドキサ

バン 15 mg を 1 日 1 回投与したときの出血性イベントの発現率は、フォンダパリヌクス 1.5 mg

を 1 日 1 回投与したときと同様であった。