120923 ver.2 aclsとamlsの違い

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ACLSとAMLSの違い AMLS教材の効果を最大化するために JSISH-ITC 池上敬一 120923 1 1

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AMLS教材の効果を最大化するための基礎知識

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ACLSとAMLSの違いAMLS教材の効果を最大化するために

JSISH-ITC池上敬一120923

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ACLSコースとAMLSコースの違いを説明できるとはどういうことなのか

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• ACLSコースとAMLSコースの特徴を教授システム学を用いて説明できる

• 前提1:ACLSコースのデザインの理解• 前提2:進化したIDモデル・学習科学の理解

• 両者のインストラクションが質的に異なっていることを理解できる

• AMLSコースで質の高いインストラクションができる• インストラクターとして成長できる

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ACLSコースとは

•例:心停止の認識、アルゴリズム選択、アルゴリズムにある治療ができる

•知的スキル(手続き的な知識)の学習•インストラクターの役割:実技・筆記テストに合格させること

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ACLSコースのインストラクション

•インストラクショナル・デザインの伝統的な手法(1980年代、ライゲルール)でデザインされている

•教材が教授法を決定している•効果的・効率的・魅力的な教授が目標

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まとめ・ACLSコースの特徴* 伝統的なIDでデザインされた教材* 効果的・効率的・魅力的なインストラクション技法  の獲得に適している* 学習目標の達成というゴールを越えないデザイン

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AMLSコースとはNAEMTの位置づけから

• 地域救急医療体制の中で、成人の救急患者のアセスメントを担当する医療者(救急隊員、医師、看護師)の生涯学習のツール

• アセスメント能力、認知能力• 生涯にわたって発達する

• 「究極の鍛錬」(Deliberate practice; DP)のプログラム

• 初心者教育からエキスパート育成までカバーする

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AMLSコースで教授できる認知能力

• 予知・予測、良いパフォーマンスを盗む(モデリング)、獲得した知識・スキルを実際に使ってみる、医療者(同僚)の価値観・規範を理解し、適切な行動を選択できる

• 複雑な状況の原因となっている要因を整理できる・科学的な方法で診断のプロセスを推進できる、ゴールを達成するための計画を立案する、連続する出来事の因果関係を見出すことができる、客観的で妥当な判断を下すことができる

• 効果的なコミュニケーション、チームワーク、「誤り」を認め行動変容のための学習行動をとることができる、新しい行動を獲得するために意識的な行動変容を継続的に行ない習慣化できる、発生した問題について分析的に記述できる

• 臨床推論の結果・プロセスについてディスカッションできる

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AMLSコースインストラクションの要件

• 経験を積んだACLSインストラクターが出発点(NAEMT)

• 効果的・効率的・魅力的(ライゲルース)な教授ができる

• コースの学習目標を達成する教授ができる

• インストラクターコンピテンシーを応用できる

• AMLSコースに必要なレベル(NAEMT)

• 受講者が学習に集中できる(engagement)

• 真正なシナリオ、個別的な教授、認知スキル向上

• 受講者が質の高い学習経験できるよう質の高いインストラクションを行なう(パリッシュ)

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質の高いインストラクションによる質の高い学習経験

(進化したIDモデル:Parrish, 2007)

• 効果的・効率的・学習に集中できる+質の高いインストラクション(以下のアウトカムを達成するのが質の高いインストラクション)

• 学習にネガティブな感情を持たせない• コースの学習目標を達成するだけでなく、学習者が属する部署・組織・地域社会に貢献できる「価値ある学習」を経験する

• 教材を越えたアウトカムが達成される9

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質の高いインストラクションでみられる現象

• 受講者に「ゾンビ」がいない(無表情、無関心、無行動な学習者がいない)

• 受講者全員が学習活動に集中(engage)している

• 全員が満足な表情をしている• 学習経験について自発的に語り合っている

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間違ったAMLSコース(インストラクション)

• AMLSパスウェイを、ACLSのアルゴリズムと勘違いし、パスウェイを手続きとして使えるようになることを学習目標にしてしまう

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AMLSインストラクターの要件(NAEMT)

•経験を積んだACLSインストラクター•総合救急診療に熟達し、5ページの認知能力を日常的に使っている

• ACLSとAMLSの違いが説明できる

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実社会における学習• 「コースの学習目標」のような「作られた学習目標」は存在しない

• 何を学ぶかは学習者が決める• 決められた学習法・教授法はない• Step-by-stepの学習・教授が行なわれるわけではない

• 学習成果が行動の変容を促し、学習者の人生の質、部署・組織のパフォーマンスが向上すれば良い

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まとめ・AMLSコースの特徴* 進化したIDモデル(パリッシュ)を要求する* 学習者のレベルに応じた認知能力の学習が可能* 質の高い学習経験がインストラクションのゴール* 臨床現場での教授法にきわめて近い

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