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浜 松 医 科 大 学 vol.147 Hamamatsu University School of Medicine C O N T E N T S 25年度解剖体慰霊祭 ・ 故堀内健太郎名誉教授が瑞宝中綬章を受章 ・ 平成25年度看護学科卒業研究発表会 2014.1.1 1

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Page 1: 147¤§学トップページ...10 月24日(木)午後2時から本学体育館において、解剖体慰霊祭が執り行われました。 この慰霊祭は、医学の発展のため本学における解剖(正常・病理)に献体された故人の御霊に対

浜 松 医 科 大 学 vol.147Hamamatsu University School of Medicine

諸 報

永 年 勤 続 者 表 彰

C O N T E N T S

大 学 ニ ュ ー ス

・ 平 成 25 年 度 解 剖 体 慰 霊 祭

・ 人 事 交 流 職 員 と の 懇 談 会

・ 故堀内健太郎名誉教授が瑞宝中綬章を受章

・ 平成 25年度看護学科卒業研究発表会

学 会 ・ 研 究 活 動 等

2014.1.1 1

Page 2: 147¤§学トップページ...10 月24日(木)午後2時から本学体育館において、解剖体慰霊祭が執り行われました。 この慰霊祭は、医学の発展のため本学における解剖(正常・病理)に献体された故人の御霊に対

○ 大学ニュース

・平成25年度解剖体慰霊祭

・人事交流職員との懇談会

・故堀内健太郎名誉教授が瑞宝中綬章を受章

・平成25年度看護学科卒業研究発表会

○ 学会・研究活動等

・第3回日本成人脊柱変形学会を開催して

・The 11th Japan-Korea Joint Symposium on Brain Science,

and Cardiac and Smooth Muscles

・第18回日本生殖内分泌学会学術集会を開催

○ 諸報

・研究助成金等の採択(平成25年9月~12月)

・平成25年度厚生労働科学研究費補助金一覧

・会議

○ 永年勤続者表彰

※各項目をクリックすると該当ページにジャンプします。

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目 次

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平成25年度解剖体慰霊祭

大学ニュース

10月24日(木)午後2時から本学体育館において、解剖体慰霊祭が執り行われました。

この慰霊祭は、医学の発展のため本学における解剖(正常・病理)に献体された故人の御霊に対

しご冥福をお祈りするため、ご遺族、白菊会会員及び新天会会員を招いて行われるもので、式は、

黙とう、管弦楽演奏、献体者氏名奉読、追悼の辞、学長あいさつと続き、出席者全員による献花が

行われ閉会となりました。

解剖体慰霊祭に当たり、浜松医科大学を代

表して一言ご挨拶申し上げます。本日はお忙し

い中、皆様方には、本学の解剖体慰霊祭にご参

列いただきまして誠にありがとうございます。

ご臨席いただきましたご遺族の皆様並びにご来

賓の各位とともに、私達浜松医科大学教職員、

学生一同、ここに謹んで御霊前に追悼の意を表

し、御霊の安らからんことを、お祈り申し上げ

たいと思います。

本年度、慰霊のお祀りをしました合祀数は

正常解剖135体、病理解剖17体、受託病理解剖

3体の計155体の御霊であります。本学の医学

教育のためにご献体を賜りました「白菊会会

員」、「新天会会員」の皆様に心から敬意を表

し、また、病理解剖にご同意いただきました、

ご家族の皆様に、心から感謝申し上げる次第で

ございます。特に、正常解剖においては、当大

学の医学生及び看護学生約180名に加え、近隣

の施設の看護学生並びに理学療法士、臨床工学

技師及び鍼灸マッサージ師等を目指す学生たち

約160名が見学実習に来て、人体の解剖を学ぶ

ため真剣に取り組んでおります。これらの学生

達に代わり厚く御礼申し上げます。

さて、「解剖」には、「正常解剖」と「病

理解剖」2つの種類があります。「正常解剖」

は医学生、看護学生が人体の構造を調べるため

の解剖で、医学を学ぶ学生の教育に欠かすこと

ができません。優れた医師になるために医学生

にとって最も大切なことは、人体の構造を詳し

く知ることであります。そこで、医学生は「解

剖学実習」を行って人体の構造を学びます。

「解剖学実習」は医学教育の最初に履修する、

最も基礎的な、最も重要な教科であります。学

生にとって「解剖学実習」は、教科書の文字や

図から得る知識とは異なり、複雑な人体の構造

を実際に目にし、手で触れることによって人体

の構造を正確に学ぶとともに、「生命の尊

厳」、「医師の使命感」、そして「人間とは」

などを考えさせられる貴重な教育の機会でもあ

ります。医学の世界は留まるところを知らず進

歩していますが、それでも「解剖学実習」には

他の動物やiPS細胞をもってしてもご献体いた

だきました人体の代替となるものはありえない

ことはご存知のとおりです。医学生は、生まれ

て初めてご遺体と直面した時、さらにまた、生

まれて初めてご遺体にメスを入れた時のこと

は、生涯忘れません。生命の尊厳に打たれ、震

える思いがいたします。やがて、それが「医の

倫理」、「正しい医療」にも通じて、医師とし

て、人間としての成長につながるものと思いま

す。私たちの大学では、「解剖学実習」が終了

し、ご遺体を火葬する際には、解剖をさせてい

ただいた学生は、ご家族からご遺体の在りし日

のことをうかがいながら、火葬が終わるのを待

ちます。そして、ご家族とともに収骨させてい

ただいています。この時、学生はショックとも

呼べるような感動を覚え、「解剖学実習」の前

後では、これらの体験から明らかに学生は成長

します。この感動こそが医療人に向けての成長

過程で大事な教育になっていることと思いま

す。

一方、「病理解剖」も極めて大切でありま

す。「病理解剖」は、死後に病気の原因を解明

するために病変を詳しく調べ、診断及び治療が

適切であったか、一体からだの中に何が起こっ

ていたのかを明らかにするための解剖で、医学

の進歩にとって欠かすことができません。「病

理解剖」の結果は、受け持ち医や看護師たちば

かりでなく、指導医たちにとっても大変勉強に

なることが多く、思わぬことが見つかることも

◇学長あいさつ

学長 中 村 達

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大学ニュース

多いため、実際同様な病気の患者さんにフィー

ドバックして生かしていきます。病気の治療に

は正確な診断が必要であります。最近では、超

音波診断、レントゲンCT、核医学、MRI、

そして最新鋭のPET-CTのような診断機器

が急速に進歩したことにより、かなり正確な診

断が可能になりました。しかし、このように診

断技術が進歩した今日でも、生前の診断がとて

も困難な場合や、治療効果が十分上がらないこ

とがあります。診断が極めて難しかった患者さ

ん、非常に治りにくかった患者さんが亡くなら

れた際には、死後できるだけ早く解剖し、病巣

部位を確認し、病変の種類、病気の原因を確定

するため、病理学者によって詳しく検討され、

正確な病理診断がなされることが、医学の進歩

のために不可欠であります。このような「病理

解剖」が人類の疾病に対する戦いにどれだけ貢

献してきたか計り知れません。医学の進歩のた

めに「病理解剖」の重要なことを、ご理解いた

だき、「病理解剖」にご同意いただきましたご

家族の方々に心より感謝申し上げます。

わが浜松医科大学も昭和49年の開学以来、

今年で開学39年目を迎えました。現在までに、

本学医学部医学科を3,360名が卒業し、また、

看護学科を1,033名が卒業して、静岡県を始

め、全国の医療の現場で活躍しています。本学

に在籍したこれらの医療関係者ばかりでなく、

見学実習に来てそれぞれの道に進まれた医療人

が、貴重なご献体から学ばせていただいたこと

は、計り知れないものがあります。

今、この慰霊の時にあたり、私どもは、ご

家族ともども、故人ご在世中のいろいろな思い

出を偲びつつ、大学をあげて、御霊の安らから

んことをひたすらお祈りするものであります。

大学は心して目指す目的を誤ることなく、

一層の精進を続けますことをここにお誓いしま

す。ご遺族皆様の今後の御多幸をお祈りし、ご

挨拶とさせていただきます。

本日、ここに浜松医科大学の慰霊祭が行われ

るにあたりまして在天の諸霊に一言追慕のこと

ばを捧げます。

そもそも医学教育の目的は私ども人間の健康

を保つこと、さらにより健康であることに役立

つ医師の育成にあると私は思います。

その医学教育の第一歩は解剖学実習から始ま

るのであります。当大学では解剖学教室をはじ

め大学当局の一方ならないご努力により、実習

をすべて献体されたご遺体で行えるに至ってお

ります。

このように実習を行うことができるように

なったのは、昭和30年以来医学教育のお役に立

とうではないかと呼びかけている白菊会に共鳴

し入会されて「無条件・無報酬」という極めて

不合理ともいえる「献体」を、この大学のため

に志された「あなた方」のお心と、さらに「献

体」を実現してくださったご遺族の勇気ある決

断とご協力がこの大学の教育に貢献されたとこ

ろは誠に計り知れない多大なものがあると存じ

ます。

学生が勉強する「正常解剖」は病理解剖とは

異なり通常3か月ないし6か月がその授業に充

てられ、献体後ご遺骨が返還されるまでには2

年ないし3年後になることもあります。

ひと口に献体といわれますが、そのかげには

このような長期間を黙々としてご遺骨の返還を

待たれるご遺族のあることを私どもは忘れては

ならないと思います。

それ故にこそ、当大学におかれては厳粛にし

て且つ心のこもったこの慰霊祭が行われること

は言を俟たないところと信じます。

さらにまた、大学当局は「あなた方」の気高

いご遺志に報いるためにまたご遺族の心情をも

推しはかり無限の感謝をこめて教育に当たって

おられる筈であります。ここにおいて学生諸君

はこのような「献体の実態」を認識されて「医

道に目覚めた」心温かい医師・医学者となるた

◇追慕の辞

浜松医科大学白菊会会長 布 施 隆 三

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めの勉学をつづけられることを私どもは祈念し

て止まないものであります。

終りにのぞみ、私はご遺族に感謝申し上げる

とともに「献体」を全うされた皆さま方のご生

前をしのびつつ、本日参列の浜松医科大学白菊

会会員を代表してここに恭しく謹んで追慕のこ

とばを捧げ在天の御霊のご冥福をお祈りするも

のであります。

◇慰霊の言葉

新天会会長 金 谷 節 子

新天会を代表し、慰霊の言葉を述べさせてい

ただきます。

生きた証の最期における締めくくりとして、

学生実習と医学の進歩の為に自らの肉体を、解

剖献体に捧げた先輩たちに、心からの感謝と敬

意を申し上げます。

また献体を支持してくださいましたご遺族の

皆様に、言い尽くせぬ感謝と哀悼の意を捧げま

す。

生きとし生けるものすべて「生まれ」そして

「死んでいきます」。

かって、CPC臨床病理検討会に、私は栄養

士として、参加しました。終了後、経験豊かな

医師は、主治医であった若き医師に「たとえ、

なんの治療ができなくとも、医師には、患者の

苦痛を取り除く事はできる」と切々と、さとし

ました。

100歳で天に召されたこのご婦人を記念し、

私は、彼女が晩年描いた美しい可憐な紫の花の

水彩画を、病院入院受付入り口に、飾りまし

た。

医療に身を置く者は、クリアにしておく事が

あります。それは「たとえ死の谷の淵をあゆも

うとも希望がある。死は終わりではない。」と

いうことです。

これは、人生最後に自らの肉体を献体した者

たちからのエールです。

学生の皆さん。この実習を通し、医師になる

決意はできたでしょうか。医療への確信を持つ

事ができたでしょうか。こののち、皆さんの行

く手には、大きな山や川があるでしょう。くじ

けそうになった時、この実習を思い出し、強く

たくましく、理想を追い求め、走り続けてくだ

さい。

ご遺族の皆様、愛する者との別れが、こんな

にも深く、悲しく、つらいものであったかと、

改めて思う日々と思います。

その悲しみがいやされますように。

一つ一つの死が、たくさんの学生に受けつな

がれたのですから。その事を喜びとし、希望を

持って生きていきましょう。

大学ニュース

◇慰霊の詞

本日、ここに浜松医科大学解剖体慰霊祭が執

り行われるにあたり、医学の教育・研究のため

に献体されました故人のご霊前に浜松医科大学

の職員を代表し、謹んで慰霊の詞を捧げます。

近年、医学は急速に進歩しており、臨床医学

に応用可能な基礎医学研究のめざましい成果と

ともに、これらを礎とした最新の診断・治療法

が次々と開発されています。しかしながら、未

だに多くの方々が治療の難しい病で苦しんでお

られることも事実です。浜松医科大学に奉職し

ている私たちは、未だ治療の難しい病の原因を

解明し、新しい診断・治療法を開発するととも

に、これらに貢献できる医学研究者の育成に全

力を尽くす責務を強く感じております。

浜松医科大学職員代表 小 出 幸 夫

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◇慰霊の詞

学生代表 木 村 聡 一 郎

本日、ここに浜松医科大学解剖体慰霊祭が執

り行われるにあたり、私たちの解剖学実習のた

めにご献体くださった皆様のご霊前に、謹んで

慰霊の詞を申し上げます。

浜松医科大学では、二年生で最初の専門科目

として解剖学を学びます。私たち医学生にとっ

て、解剖学は数ある専門科目のなかでもとても

特別な存在です。

私たちはこれまで、教科書に書いてある知識

をただ詰め込むことで満足していました。もち

ろん私たち医学生にとって知識を身につけるこ

とは大切なことです。しかし、これからは医療

従事者としての責任感や倫理観といったものも

求められます。私たちにとって解剖学実習は人

体の構造についての知識はもちろん、医療に携

わる者としての自覚や責任を学ぶことができる

非常に貴重な機会でした。

人の体はとても複雑です。しかし、解剖学を

学べば学ぶほど、今生きているということがい

かに多くの工夫に支えられていて、神秘的なこ

とか、と実感します。教科書や図譜を読んで知

識を得るだけでなく、実際に解剖をすることで

学び、感じることすべてがこれから医学を学ん

でいく上で大きな意味を持っています。それは

単に解剖学が医学の基礎になっている、という

ことだけではありません。人の性格にそれぞれ

の個性があるように、人の体の構造も、外観か

ら、臓器の大きさや血管の走行までそれぞれ違

い、個性があります。私たちは解剖学実習を通

して、教科書や図譜だけの勉強では得られな

い、一人一人の個性や生命の尊さを実感するこ

とができました。私たちはこのような貴重な経

験を通して、医療従事者となることの覚悟がよ

り一層はっきりと、強いものとなりました。

最後になりましたが、ご自身の体を医学の発

展のために捧げてくださった皆様、また、その

ご遺志を深く理解し、献体にご理解くださった

ご遺族の方々に、この場をお借りして厚くお礼

申し上げます。そして、私たちに医学を志す者

として、成長していくための貴重な機会を与え

てくださったことに深い感謝の意を表するとと

もに、故人の皆様のご冥福を心よりお祈り申し

上げます。

大学ニュース

人体の構造を学ぶ系統解剖では、学生が実際

にご遺体にメスを入れ、長期間にわたり勉強し

ます。学生にとっては、解剖の知識を身につけ

るのみならず、医学部に入学して、最初に出会

う生命の尊厳を考える契機ともなります。ま

た、死後に病変を確かめるために行う「病理解

剖」は医学の発展に大きく寄与してきました。

「解剖学実習」そして「病理解剖」は両者とも

「献体」という尊い行為があってこそ可能とな

るものです。

「献体」について考えてみますれば、「学生

の教育のためとはいえ、自分の遺体を解剖に提

供する勇気があるか」、また、「肉親の遺体を

病気と死因の解明のためとはいえ、解剖に提供

する気持ちがあるか」と自問するとき、それら

が「如何に勇気のいる決断」であるかを改めて

痛感します。ここに、感銘を受けるとともに敬

意を表するものであります。

「自分の死後も『医学・医療』の発展に役立

ちたい」という尊い故人の御心、また、それに

同意していただいたご遺族の御心にお応えする

途は唯一つ「解剖の真の目的を十二分に達成す

ること」にほかならないと私たちは考えていま

す。

私たちは、今日のこの思いを日々新たにしな

がら、学生共々「我々に課された重大な任務」

を果たしていくことを、参列された皆々様にお

誓い申し上げる次第であります。

限りない感謝の念を御霊に捧げますととも

に、心からのご冥福をお祈り申し上げ、慰霊の

詞とさせていただきます。

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人事交流職員との懇談会

11月22日(金)、本学管理棟4階第二会議室に

おいて、現在、国立遺伝学研究所、国立中央青

少年交流の家、大学評価・学位授与機構及び文

部科学省に出向している4名の事務職員を迎

え、懇談会を開催しました。

会に先立ち伊藤人事課専門員等による個別面

大学ニュース

平成25年度看護学科卒業研究発表会

本年度看護学科卒業研究発表会が、12月

27日(金)、看護学科棟3階大講義室3、大講

義室4の2室に分かれて行われ、学生と指導

教員による活発な質疑応答がありました。

談の時間を設け、現在の職務状況や職員自身の健康状態等について個々の職員の話を聞きました。

懇談会には、人事交流職員と事務局関係職員が出席し、関係職員の紹介の後、人事交流職員から

出向機関の現況や職務に関連した最新情報等について報告するなど、活発な意見交換が行われまし

た。

故堀内健太郎名誉教授が瑞宝中綬章を受章

8月にご逝去された堀内健太郎名誉教授が瑞宝

中綬章を受章され、正五位が授与されました。

12月20日(金)、管理棟3階役員会議室で行われ

た伝達式にはご遺族が出席

され、中村学長から勲記、

勲章および位記が手渡され

ました。

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◇第3回日本成人脊柱変形学会を開催して 整形外科 講師 長谷川 智彦(日本成人脊柱変形学会事務局長)

平成25年3月3日(日)、東京ステーションコ

ンファレンスにて、第3回日本成人脊柱変形

学会が整形外科松山幸弘教授を学会長として

開催されました。本学会は歴史の浅い学会で

ありますが、現在、脊椎外科治療の最も熱い

トピックである成人脊柱変形の病態と治療に

せまる学会であり、参加者数は第1回118名、

第2回は197名、今回225名と増加しており、脊

椎外科医にとって非常に興味深い学会となっ

てきております。

本学会は前述の如く成人の脊柱変形の病態

と治療に主眼をおいた学会であります。成人

の脊柱変形は古くて新しい疾患であり、過去

には病気そのものは存在していても、社会的

な必要性と、矯正技術、インプラントの問題

により治療が非常に困難でした。近年、手術

治療効果も知られるようになり、手術件数、

論文報告数ともに増大しておりますが、疾患

の概念は未だ定まっていません。第1回、第

2回の本会においては、脊柱変形による症状

を有し、変形治療を要する症例と、画

像上軽度の脊柱変形を合併している

が、症状は脊柱管狭窄症が主体で除圧

や局所固定で対応できる症例を区別し

て考えるべきであることがはっきりし

ました。また、学会主導の調査によ

り、成人脊柱変形患者では冠状面の変

形よりも矢状面の変形と矢状面のアラ

イメント不良がQOL低下に関与して

いることが明らかになりました。

上記を踏まえ、第3回の本会では、

以下の3つの主題にしぼり検討が行わ

学会・研究活動等

学会・研究活動等

れました。主題1:変形による症状とは?、

またその客観的評価法と手術適応を決める重

要なポイントは?主題2:至適矢状面バラン

スとは?術前プランニングにおける信頼のお

けるフォーミュラは?主題3:手術治療。骨

切り採用の決め手、flexibilityの評価、骨切り

(ポンテ、PSO、VCR)の適応は?矯正方

法、固定方法の検討、S1かL5か、または腸骨

スクリューの必要性は?

今回、これらの主題に基づき25題の演題が

発表され、白熱の議論が持たれました。さら

に、成人脊柱変形の一症例を提示し、6名の

スーパーバイザーによる治療戦略ディスカッ

ションも開催され、1日という短い時間であ

りながら、中身の濃い、充実した会になった

と思っております。

本会を含め、今後も成人脊柱変形疾患の病

態解明、予防、治療に向かい医局員一同力を

合わせて取り組んでまいります。

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◇The 11th Japan-Korea Joint Symposium on Brain Science,

and Cardiac and Smooth Muscles

神経生理学講座 教授 福田 敦夫

The 11th Japan-Korea Joint Symposium

on Brain Science, and Cardiac and Smooth

Muscles (第11回神経科学・心筋と平滑筋に

関する日韓合同シンポジウム)を平成25年9

月4日(水)~7日(土)の4日間、アクトシティ

浜松コングレスセンターなどで開催いたしま

した。

本シンポジウムは、日本と韓国の脳神経系

および心・血管系の研究分野をさらに発展さ

せるため、両国の研究協力体制の確立を目的

に企画され、第1回(1999年)は両国交流の

歴史上重要な福岡市において開催されまし

た。以後綿々と日韓交互に開催され、第10回

(2012年)は本学と関連の深い慶北大学(大邱市)

で開催されました。このように長きにわたっ

て活発な活動を行っていますが、これはいわ

ば草の根的交流で、日本生理学会でも重要か

つ非公式の交流と位置づけられています。

これまでの開催はJSPS-NRFの二国間セミ

ナーの補助金を得て行われてきたのですが、

今回は韓国側のNRFへの申請ミスから援助を受

けられない中での開催となりました。この非

常事態にもかかわらず、今回も両国の研究

リーダークラスと若手研究者約60名が参加し

ました。韓国側一行は静岡空港にバス送迎し

ました。

セッションは「イオンチャネルと受容体」

「細胞情報伝達」「神経回路」「痛み」「脳

機能と行動」で構成され、32題の口演発表が

行われました。また、若手研究奨励賞を設

け、若手研究者の参加・交流を重視しまし

た。日韓、ひいてはアジアの研究交流の主役

となる両国の若手研究者の討論・交流が活発

に行われたと感じております。さらに学術に

とどまらず、久能山東照宮、浜名湖のたきや

漁、舘山寺温泉などを堪能してもらい、文化

交流でも大きな成果を上げました。ただ唯一

残念だったのは、期間中一度も富士山が見え

なかったことです。

最後になりましたが、本シンポジウムの開

催にあたり、数社からご支援をいただいたこ

とと、講座スタッフ全員が協力して運営にあ

たったことに、この場を借りて御礼申し上げ

ます。

学会・研究活動等

学会・研究活動等

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◇第18回日本生殖内分泌学会学術集会を開催

小児科学講座 教授 緒方 勤

第18回日本生殖内分泌学会学術集会を平

成25年12月7日(土)に東京砂防会館(シェー

ンバッハ・サボー)(東京都千代田区平河町

2-7-5)で開催しました。

本学術集会は、生殖内分泌にかかわる臨床

医学(産婦人科、泌尿器科、内科、小児科)

と基礎医学の研究者が一堂に会し、情報交換

する学際的なものとなっております。特に、

臨床医と基礎研究者が縦断的かつ横断的に交

流し、近年の臨床生殖医学と基礎生物学の革

新的進歩の融合を図る場となっていることは

特筆に値すると思われます。

本学術集会の特別講演ではエピジェネティ

クス研究の第一人者である九州大学生体防御

医学研究所の佐々木裕之教授をお招きし、

「ゲノムインプリンティングの基礎と生殖医

療」というタイトルで最新のインプリンティ

ング研究のお話を伺いました。そして、シン

ポジウムでは、小児科医が担当する初めての

日本生殖内分泌学会学術集会であることをか

んがみ、「ライフサイクルと生殖内分泌」と

いうタイトルで、胎児期・新生児期・乳児

期、思春期、成人期、閉経後の各年代におけ

るホットトピックを、その領域の第一人者に

ご講演いただきました。また、ランチョンセ

ミナーにおいても「SGA性低身長とDoHAD」と

いう小児科と生殖医学の両者に関わるホット

トピックをご講演いただきました。さらに、

一般演題においても59題におよぶ素晴らしい

研究内容の演題をいただきました。特に、本

学術集会では、基礎分野からの発表が飛躍的

に増加しており、まさに本学術集会が臨床と

基礎の懸け橋となっております。

学会・研究活動等

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 研究助成金等の採択(平成25年9月~12月)

所  属 職  名 研究者 研 究 助 成 機 関 助成金額単位(千円)

神 経 生 理 学 助 教 渡部美穂公益財団法人 金原一郎記念医学医療振興財団

300

小 児 科 学 特任研究員 加藤芙弥子 公益財団法人 成長科学協会 600

検 査 部副検査部長

助 教飯野和美 公益財団法人 黒住医学研究振興財団 800

神 経 生 理 学 助 教 渡部美穂 公益財団法人 浜松科学技術研究振興会 400

腫 瘍 病 理 学 助 教 倉部誠也 公益財団法人 浜松科学技術研究振興会 400

臨 床 薬 理 学 助 教 小田切圭一 公益財団法人 臨床薬理研究振興財団 2,000

薬 剤 部 薬剤師 八木達也 公益財団法人 臨床薬理研究振興財団 2,000

医 生 理 学 准教授 鈴木優子 公益財団法人 先進医薬研究振興財団 1,000

内 科 学 第 一ティーチング・アシスタント

佐原 秀 公益社団法人 日本透析医会 1,500

 平成25年度厚生労働科学研究費補助金一覧

所  属 職 名 研 究 者代表者

分担者研究事業名 研 究 課 題 名

交付決定額

単位(千円)

輸血・細胞治療部

部 長病院教授

竹下明裕 分担者

医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業

200ml献血由来の赤血球濃厚液の安全性と有効性の評価及び初回献血を含む学校献血の推進等に関する研究

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Page 12: 147¤§学トップページ...10 月24日(木)午後2時から本学体育館において、解剖体慰霊祭が執り行われました。 この慰霊祭は、医学の発展のため本学における解剖(正常・病理)に献体された故人の御霊に対

  会   議

9月 2 日 第97回総合企画会議 9月 26 日 第5回医療安全管理委員会

第160回知財活用推進会議 第5回情報・広報企画室会議

物流管理委員会 27 日 第7回動物実験委員会*

3 日 第5回教務委員会 10月 1 日 第6回教務委員会

4 日 第173回病院運営企画室会議 2 日 第7回大学院博士課程部会

5 日 第109回教育研究評議会 3 日 第110回教育研究評議会

第5回学生委員会 第6回学生委員会

6 日 第5回組換えDNA実験安全委員会* 第3回助産学専攻科委員会

10 日 第3回輸血療法委員会 第7回教務委員会*

11 日 第104回総務企画室会議 4 日 第12回児童虐待対応委員会

第86回化学療法部連絡協議会 7 日 第98回総合企画会議

第6回大学院博士課程部会 資金管理委員会*

13 日 情報公開・個人情報保護委員会 第51回外来診療部会議

第20回診療情報管理委員会 第7回学生委員会*

薬剤管理委員会 8 日 第87回化学療法部連絡協議会

17 日 第115回研究推進企画室会議 第7回国際交流委員会

第123回研究推進委員会 第6回入学試験委員会

資金管理委員会* 10 日 第735回教授会

第5回感染対策委員会 第498回大学院博士課程教授会

第6回国際交流委員会 15 日 第116回研究推進企画室会議

第6回大学院修士課程部会 第124回研究推進委員会

第5回入学試験委員会 第6回感染対策委員会

18 日 第3回調査労務企画室会議 第7回大学院修士課程部会

第174回病院運営企画室会議 16 日 第175回病院運営企画室会議

第2回図書館運営委員会 18 日 第13回児童虐待対応委員会

19 日 第734回教授会 21 日 第12回医療機器管理運営委員会

第497回大学院博士課程教授会 第8回教務委員会

第128回大学院修士課程教授会 22 日 第105回総務企画室会議

20 日 ヒトゲノム・遺伝子解析研究倫理審査委員会 第6回経営企画室会議

第3回保険診療委員会 第129回大学院修士課程教授会

24 日 第1回防災委員会 23 日 第97回教育企画室会議

第109回役員会 第6回情報・広報企画室会議

第5回経営企画室会議 24 日 第8回動物実験委員会*

第96回教育企画室会議 第105回診療科長・中央診療施設等部長会議

25 日 医の倫理委員会 第6回医療安全管理委員会

第75回臨床研修管理委員会 25 日 第6回組換えDNA実験安全委員会*

第11回病床管理委員会 28 日 第110回役員会

26 日 第104回診療科長・中央診療施設等部長会議 第161回知財活用推進会議

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Page 13: 147¤§学トップページ...10 月24日(木)午後2時から本学体育館において、解剖体慰霊祭が執り行われました。 この慰霊祭は、医学の発展のため本学における解剖(正常・病理)に献体された故人の御霊に対

10月 29 日 第4回調査労務企画室会議 11月 27 日 第7回情報・広報企画室会議

30 日 第4回保険診療委員会 28 日 第106回総務企画室会議

11月 6 日 資金管理委員会* ヒトゲノム・遺伝子解析研究倫理審査委員会

第176回病院運営企画室会議 第106回診療科長・中央診療施設等部長会議

第8回大学院博士課程部会 第7回医療安全管理委員会

7 日 第99回総合企画会議 12月 2 日 第100回総合企画会議

第8回学生委員会 3 日 第12回教務委員会

11 日 第162回知財活用推進会議 4 日 医の倫理委員会

物流管理委員会 第9回大学院博士課程部会

第9回教務委員会* 5 日 第112回教育研究評議会

12 日 第4回輸血療法委員会 10 日 第9回国際交流委員会

第10回教務委員会 第8回大学院修士課程部会

13 日 第88回化学療法部連絡協議会 第8回入学試験委員会

14 日 第111回教育研究評議会 11 日 第76回臨床研修管理委員会

資金管理委員会* 12 日 第737回教授会

第21回診療情報管理委員会 第89回化学療法部連絡協議会

第11回教務委員会* 第500回大学院博士課程教授会

15 日 薬剤管理委員会 第130回大学院修士課程教授会

18 日 第3回図書館運営委員会 13 日 保健管理センター運営委員会

19 日 第117回研究推進企画室会議 16 日 第112回役員会

第125回研究推進委員会 第164回知財活用推進会議

資金管理委員会* 17 日 第118回研究推進企画室会議

第7回感染対策委員会 第126回研究推進委員会

第8回国際交流委員会 第5回施設マネジメント専門委員会

第7回入学試験委員会 第8回感染対策委員会

20 日 第177回病院運営企画室会議 18 日 第178回病院運営企画室会議

第12回病床管理委員会 第99回教育企画室会議

第4回助産学専攻科委員会* 第2回浜松医科大学開学40周年記念誌

第98回教育企画室会議           編集専門委員会

21 日 第736回教授会 24 日 第8回経営企画室会議

第9回動物実験委員会* 第8回情報・広報企画室会議

第499回大学院博士課程教授会 25 日 第107回総務企画室会議

25 日 第163回知財活用推進会議 26 日 第2回看護委員会

26 日 第111回役員会 第107回診療科長・中央診療施設等部長会議

第38回経営協議会 第8回医療安全管理委員会

27 日 第5回調査労務企画室会議 27 日 第10回動物実験委員会*

第7回経営企画室会議

*・・・持ち回りにて開催したもの

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Page 14: 147¤§学トップページ...10 月24日(木)午後2時から本学体育館において、解剖体慰霊祭が執り行われました。 この慰霊祭は、医学の発展のため本学における解剖(正常・病理)に献体された故人の御霊に対

永年勤続者表彰

去る11月22日(金)、本学管理棟4階第二会議室において永年勤続者表彰式が執り行われ、学長か

ら次の方々に表彰状が授与されました。

永年勤続者表彰

【永年勤続表彰者】

小杉 伊三夫(再生・感染病理学講座准教授)

小林 良正 (内科学第二講座助教)

杉山 憲嗣 (脳神経外科学講座准教授)

野村 孝之 (放射線部主任診療放射線技師)

牧田 美佳 (看護部副看護師長)

木村 京子 (看護部副看護師長)

高須 章恵 (看護部副看護師長)

髙岡 雅代 (看護部副看護師長)

山本 美佐季(看護部看護師)

大石 晴美 (看護部看護師)

細貝 恵美代(看護部助産師)

【列席者】

中村 達(学長)

小出 幸夫(理事・副学長)

鈴木 修(理事・副学長)

瀧川 雅浩(理事・副学長)

山崎 勝康(監事)

津田 紘(監事)

髙橋 清夫(副学長/事務局長)

桑原 弓枝(看護部長)

岩下 寿秀(再生・感染病理学講座教授)

神村 茂(事務局次長(総務担当))

【式次第】

開 式

表彰状授与(記念品贈呈)

学長式辞

被表彰者謝辞

閉 式

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Page 15: 147¤§学トップページ...10 月24日(木)午後2時から本学体育館において、解剖体慰霊祭が執り行われました。 この慰霊祭は、医学の発展のため本学における解剖(正常・病理)に献体された故人の御霊に対

発行

浜松医科大学広報室

浜松市東区半田山1-20-1

電話 053-435-2114

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