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- 1 - 明治150年、今、分断社会・日本 ―社会的分断を乗り越える社会帯実現への課題― 2018年7月29日 松江パッチギの会人権講演会 はじめに (1)「明治100年の差別性」を問うた落解放動 ①1968年の「明治100年」にあたって、さまざまな祝賀イベントを行う政府に対 して、落解放動は「明治100年の差別性を問う」闘いで対峙 ②1965年の同対審答申という有利な背景を武器にして、落差別を放置してきた政 府行政の典型的な姿勢として、「壬申戸籍」の差別性を追求 ③1969年に「壬申戸籍」の永久封印という成果を勝ちとったが、その後も「落地 名総鑑」事件(1975年)、戸籍謄本等個人情報不正大量取得事件(2011年)、 「落地名総鑑復刻版」事件(2016年)等々、戸籍に係わる差別事件は続発 (2)「明治150年」で落解放動は何を問うのか ①1970年代からの同和行政・同和教育の全国展開のもとで、落差別実態は大幅に 改善されたが、新たな「逆差別」問題が浮上し、落問題解決への障壁として存在 ②落問題解決をめぐる政策のあり方は、大きな議論を巻き起こし、立法論争が尾を引 き、2002年の特別措置法失効以来15年にわたる法的空白期間が生じ、落差別 実態は悪化したが、2016年に落差別解消推法が成立 ③「明治150年」にあたる今年は、これまでの差別撤廃への取り組み経緯を踏まえ、 日本社会における「差別と社会分断」の有り様を真正面から問い返す必要 Ⅰ.明治維新150年、落差別は、今(1)落差別解消程の概要 ①明治維新以降150年間の落差別解消程は5段階に特徴づけることが可能 ②大まかに言うと、明治維新から同対審答申が出るまでの約100年間は「落差別問 題は放置され続けた期間であり、それ以降の50年間は紆余曲折の落差別解消への 行政的取り組みが行われ、大きな成果もあげた反面、「新たな問題」も惹起 ③落差別の存続根拠に対する取り組みを「落差別解消推法」(2016年成立・ 施行)を積極的に活用しながら本格化していくことが喫緊の課題 (2)落差別解消程5段階の特徴

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明治150年、今、分断社会・日本

―社会的分断を乗り越える社会連帯実現への課題―

2018年7月29日

松江パッチギの会人権講演会

はじめに

(1)「明治100年の差別性」を問うた部落解放運動

①1968年の「明治100年」にあたって、さまざまな祝賀イベントを行う政府に対

して、部落解放運動は「明治100年の差別性を問う」闘いで対峙

②1965年の同対審答申という有利な背景を武器にして、部落差別を放置してきた政

府行政の典型的な姿勢として、「壬申戸籍」の差別性を追求

③1969年に「壬申戸籍」の永久封印という成果を勝ちとったが、その後も「部落地

名総鑑」事件(1975年)、戸籍謄本等個人情報不正大量取得事件(2011年)、

「部落地名総鑑復刻版」事件(2016年)等々、戸籍に係わる差別事件は続発

(2)「明治150年」で部落解放運動は何を問うのか

①1970年代からの同和行政・同和教育の全国展開のもとで、部落差別実態は大幅に

改善されたが、新たな「逆差別」問題が浮上し、部落問題解決への障壁として存在

②部落問題解決をめぐる政策のあり方は、大きな議論を巻き起こし、立法論争が尾を引

き、2002年の特別措置法失効以来15年にわたる法的空白期間が生じ、部落差別

実態は悪化したが、2016年に部落差別解消推進法が成立

③「明治150年」にあたる今年は、これまでの差別撤廃への取り組み経緯を踏まえ、

日本社会における「差別と社会分断」の有り様を真正面から問い返す必要

Ⅰ.明治維新150年、部落差別は、今…

(1)部落差別解消過程の概要

①明治維新以降150年間の部落差別解消過程は5段階に特徴づけることが可能

②大まかに言うと、明治維新から同対審答申が出るまでの約100年間は「部落差別問

題は放置され続けた期間であり、それ以降の50年間は紆余曲折の部落差別解消への

行政的取り組みが行われ、大きな成果もあげた反面、「新たな問題」も惹起

③部落差別の存続根拠に対する取り組みを「部落差別解消推進法」(2016年成立・

施行)を積極的に活用しながら本格化していくことが喫緊の課題

(2)部落差別解消過程5段階の特徴

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①実態変遷の第1段階の概要=部落差別の社会的容認.....

状態(1868年明治維新~19

45年終戦の約77年間)

1.明治維新により封建的身分制の廃止と「自由・平等」を原理とする近代資本主義

社会に移行。

2.「賤称廃止令」(太政官布告/1871年)は出されたが、解放令反対一揆や「5

万日の日延べ」に象徴されるように差別は社会的に容認状況...........

3.大日本帝国憲法(1889年発布)においても、差別禁止条項などはなく、天皇

制度や華族制度など新たな身分制を創出し、同化と排除を特徴とする家父長制的

家思想を社会統治論理の骨格におき、戸籍制度を基礎に家制度が確立。高松差別

裁判(1933年)等にみられるように司法判決でも差別容認判決。

4.水平社(1922年創立)の糾弾による差別告発などを押さえ込み、戦争遂行の

翼賛体制つくるために、1935年度を初年度とする「融和事業10カ年計画」

が治安対策の一環として打ち出されたが、実質的には初年度だけで頓挫。

5.水平社は、1934年7月に「部落委員会活動について」を打ち出し、生活擁護

を中心とした日常闘争の活動スタイルを確立。しかし、1942年に水平社は法

的に消滅。水平社が戦争加担した痛恨の歴史を経過。

②実態変遷の第2段階の概要=部落差別の社会的黙認.....

状態(1945年戦後~1965

年「同対審」答申の約20年間)

1.新憲法で第14条をはじめとする基本的人権の理念が打ち出されるが、具体的な

差別撤廃のための法施策は未制定・未実施で、差別はいけないが仕方がないとの...............

状況..

2.1946年2月 部落解放全国委員会の結成=水平社の精神を受け継ぐ部落解放

運動の再建(初代委員長=松本治一郎)

3.1946年3月 厚生省通達『同和事業に関する件』(「10カ年計画も昭和20

年度を以て終了し、国民同和の進況相当観るべきものありと認められる」として

同和事業の打ち切りを都道府県に通達)=1935年開始の「融和事業10カ年

計画」の終結)

4.1950年代からオール・ロマンス差別事件(1951年)などを契機に行政闘

争の本格的開始と部落差別撤廃への国策樹立運動の展開

5.国策樹立運動における二大障壁

❶「部落問題は解決済み」との政府姿勢

❷「寝た子を起こすな」意識の蔓延

③実態変遷の第3段階の概要=部落差別への社会的指弾.....

状態(1965年「同対審」答

申~2002年「特措法」失効の約37年間)

1.1965年 同対審答申で、「差別の厳存」「国の責任」「国民的課題」との基

本認識が確立し、差別撤廃にかかわる必要な法制度の整備への言及。同和対策事

業特別措置法(1969年)により、同和対策事業に関わる財政優遇措置の形で

差別撤廃への積極的措置が実施され、差別は社会的にも指.........

弾される状況......

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2.同和行政・同和教育の全国的進展に伴う1980年代からの三大弊害

❶「逆差別」的意識の拡大(「なぜ部落だけが優遇されるのか」)

❷当事者の「行政依存」的傾向

❸「え せ

似非同和行為」の横行

3.1986年の地対協意見具申にみる国策の反動的転換=中曽根内閣の「戦後政治

の総決算」という新自由主義路線の一環(⇔1985年に「部落解放基本法」制

定運動の開始)

4.1995年 村山連立政権(自社さ)での「与党・人権と差別問題に関するプロ

ジェクト中間意見」(=「人種差別撤廃条約」の年内批准/「人権教育のための

国連10年」の取り組みの必要性/「人権擁護のあり方、実効ある人権侵害への

対応のあり方」への検討開始の必要性/「同和問題の抜本的早期解決に向けた方

策のあり方」についての十分かつ速やかな検討の必要性�不充分点を持っては

いるが、日本の人権政策が国際人権潮流とリンクした歴史的転機)

5.1996年の地対協意見具申(5年後の法打ち切りと一般対策への移行)

6.「人権教育・啓発推進法」制定(2000年)

7.「特措法」失効(2002年3月)

④実態変遷の第4段階の概要=部落差別解消と「逆流」という社会的混沌.....

状態(200

2年「特措法」失効~現在の約15年間)

1.差別撤廃・人権確立への政策をめぐる熾烈な攻防と混乱。「顔が見えない陰湿で.........

巧妙な差別」の横行と「差別を当然視する露骨な差別」の台頭という状況.................................

2.小泉政権による「人権擁護法案」の国会提出(2002年3月)と廃案(200

3年9月)

3.「人権擁護法案」の再提出をめぐる自民党内の反対意見による混乱と断念(20

05年~2009年)

4.民主党政権のもとでの「人権侵害救済法案」をめぐる混乱と「人権委員会設置法

案」の国会提出と廃案(2009年~12年)

5.2002年の特別措置法失効後の「法」的空白期間に、インターネット上の差別

書き込みの氾濫やヘイトスピーチを繰り返す差別主義勢力が台頭

6.2013年以降、「障害者差別解消法」の成立(2013年)、婚外子差別にか

かわる民法違憲判決と法改正(2013年)、ヘイトスピーチに対する違法判決

(2013年~2014年)、「ヘイトスピーチ解消法」の成立(2016年)、

「部落差別解消推進法」の成立(2016年)など一連の人権に関する法制度が、

憲法改正を使命とする第2次安倍政権のもとで推進

⑤実態変遷の第5段階=2016年の部落差別解消推進法の制定により、実態変遷は第

5段階の「新たな状態.....

」に入ってきているとの認識も可能

1.部落差別解消推進法の積極面

❶部落差別の厳存という現状認識を示したこと(特措法失効に伴う混乱に終止符)

❷「部落差別」という明確な用語を使用したこと(「同和」の概念からの脱却)

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❸「部落差別が許されないものである」との消極的ながらも禁止規定を入れたこ

❹「相談」、「教育・啓発」に国と自治体が取り組むことを明示したこと

❺「実態調査」の必要性を明示したこと

❻部落問題解決までの恒久法であること

2.部落差別解消推進法の不十分点

❶差別撤廃への施策が、国では義務規定(消極的表現)になっているものの、地

方公共団体では努力規定であり実効性が薄弱なこと

❷明確な差別禁止規定がないこと

❸差別被害者救済規定が欠落していること

❹施策進展状況の把握や実態調査のやり方を検討したり、その結果を踏まえて部

落差別解消に係わる基本政策の検討を行うための審議会設置規定が欠落してい

ること

❺基本方針・基本計画の策定規定が欠落していること

3.部落差別解消推進法の積極的活用への自治体レベルでの課題

❶部落差別解消推進条例の制定(既に人権条例等を制定している場合は改正強化)

❷部落差別解消推進基本計画・実施計画の策定

❸部落差別の被害者に対する相談体制の充実と救済システムの確立

❹部落差別解消にかかわる教育・啓発活動の強化

❺部落差別実態調査の定期的実施と有効な調査項目の検討作成および分析体制の

確立

❻既存制度関連組織のネットワーク形成による効率的な推進体制の構築

〔注〕「たつの市部落差別解消推進条例」兵庫県(2017年12月成立/201

8年4月施行)は、部落差別解消推進法を受けた全国初の条例制定であると

同時に、 その内容においてもきわめて充実した先駆的な条例として注目(資

料参照)

4.特別対策的選別主義ではなく普遍主義的制度を確立していく取り組みへの転換

❶「特措法時代」の同和行政の限界を乗り越える政策展開

❷「行政依存」と「逆差別」を克服する取り組み

❸同和行政の先駆性を差別・困窮・孤立を解消する制度戦略へと継承

Ⅱ.部落問題解決への困難な課題は何であったのか

(1)部落問題解決への困難な課題に対するこれまでの認識

①部落差別の存続根拠に関する社会的背景

1.3つの側面からのアプローチ

❶社会意識〔今日の部落差別意識は、近現代をも含む歴史的な差別思想や意識の

複合的産物/伝統的差別意識=浄穢思想(穢れ観)・貴賤思想(血統的身分観)

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・華か

夷い

思想(民族観)/家思想(家父長制的序列観)/不合理な因習・習俗等

/近代的差別意識=優生思想・衛生思想・能力主義思想等/新たな差別意識=

逆差別的意識・ねたみ差別意識等〕

❷社会構造〔差別を温存する社会的な構造やシステムが存続する限り、新たな差

別意識は日々再生産・醸成されていくことになり、これを改廃していくことが

不可避/就労や結婚における身元調査のシステム/家思想を維持・再生する戸

籍制度/社会的「弱者」を排除する労働制度/学歴主義・能力主義を生み出す

差別的教育制度/人間の貴賤観念を醸成する天皇関連制度/超過利潤を追求す

る不公正な資本の論理等〕

❸人間の存在証明の方法〔人間存在のあり方は、社会意識(価値観・規範)や社

会構造との関係において強く左右され、差別を許さない新たな社会的価値や規

範を創出することによって、すべての人を部落差別のくびきから自由にしてい

く人間解放の文化を創造するとりくみが必要/人間存在証明のための4つの格

闘方法=印象操作(隠蔽や成りすまし)・補償努力(足らざるものを補う努力)

・他者の価値剥奪(悪口や差別)・新たな価値創出(価値付与と価値創造)〕

2.差別の社会的機能(悪の効用/「差別の論理」は「支配の論理」)

❶政治的分断支配の機能→反差別の人権の法制度確立/根源的な民主主義政治の

確立

❷経済的超過利潤追求の機能→同一価値労働同一賃金制度の確立/最低賃金制度

の底上げ/非正規社員制度の是正/公正かつ実効的な富の再配分制度の確立

❸社会的統合(同化と排除)の機能→多文化共生社会の創造/ソーシャル・イン

クルージョン社会の創出/人権のまちづくり運動の持続的推進

〔問題は、「差別の論理」は徹頭徹尾「支配の論理」であるが、この論理を受け入

れて「安心と安全の屈折した心理」により自らの保身をはかる多くの「普通の人」

が存在することであり、この存在が差別を支え温存していく基盤を形成。〕

3.伝統的な日本的統治論理に潜む差別論理の解体作業への着手

❶上記のような部落差別を温存・助長する社会的要因が、政治的反動・経済的不

況・社会的不安の増大にもとづく「差別の社会的機能」の発動によって、差別

を誘発していくという現実を踏まえることが重要である。

❷同時に、差別を生み出す日本社会の論理が伝統的な日本的統治論理と深く結び

ついていることに最大の留意を払いながら、差別の論理を解体していく丁寧な

作業が求められている。とりわけ、次のような日常生活の中に深く根を下ろし

ている統治論理と一体化した処世訓を検証することは喫緊の課題である。

ⓐ『分断して統治せよ』(政治的な差別分断論)

ⓑ『知らしむべからず、依らしむべし』(国家機密保護法等の民衆蔑視論)

ⓒ『上見て暮らすな、下見て暮らせ』(身分序列的差別制度への現状維持論)

ⓓ『長いものには巻かれよ』(大勢追随の横並び論)

ⓔ『寄らば大樹の陰』(権力依存論)

ⓕ『赤信号、みんなで渡れば怖くない』(大衆ファシズム論)

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❸今日、声だかに叫ばれている「伝統的美風の復活」とか「道徳教育の教科化」

というような動向の中に、差別を生み出す伝統的論理や差別を是認する論理が

潜んではいないかということに強い関心と批判的視点をもって対応することが

求められている。

❹それは、ある意味では今日の状況が、「伝統的な日本的統治論理に潜む差別論

理」と「部落解放論理・差別撤廃論理」とが鎬を削る衝突局面にあることの証

左であり、憲法改正問題などを軸として日本社会のあり方をめぐる社会的価値

観の激闘の時代にあるという認識が必要である。

②同和行政の進展にともなう逆差別的意識......

が潜在的に根強いこと(1980年代以降)

③組織内において行政依存体質......

が克服し切れていないこと(1980年代以降)

④格差社会・経済不況のしわ寄せが部落に押し寄せていること(2000年以降)

⑤同和人権行政の不当な縮小・後退(2002年以降)

⑥一連の不祥事による社会的信頼の失墜(2006年以降)

⑦メディア関係の一部に非合理な「同和」バッシングの姿勢が存在(2006年以降)

(2)新たな認識の確立=部落差別の厳存は日本の社会的分断の反映

①日本の社会的分断状況の反映としての部落差別の厳存

1.部落問題の解決を困難にしている要因は、部落差別に固有の伝統的な差別意識(浄

穢思想・貴賤思想・家思想等)を克服しきれていないことであり、同時にそれら

の伝統的な差別意識が近代的差別意識(優生思想・衛生思想・能力主義思想等)

と複合化されて複雑に絡みつき複雑化しているとともに、それらの考え方から醸

成される諸偏見(「寝た子を起こすな」論・部落責任論・部落分散論・異民族起

源論等)が根強く存在していることである。

2.同時に、今日段階で重要なことは、日本社会における分断状況が部落問題の解決

を困難にしている現実を見据えることである。夥しい社会的分断状況は、「差別

の社会的機能」が有効に機能している証左である。

3.そして、マイノリティ問題を解決しようとする施策が実施されると、必ずと言っ

ていいほどに、当事者の行政施策「依存」傾向や「逆差別」現象が現れることに

大きな関心をもつ必要がある。

4.そこで、社会的分断や「行政依存」・「逆差別」の現象を生み出す背景に、実は

日本政府が行ってきた歴史的な社会保障政策それ自体に問題を内在させているの

ではないかという観点から論考をすすめ、問題解決への方途を考察する。その考

察をつうじて、部落差別と社会的分断状況を克服していく社会連帯実現への課題

を模索してみたい。

②日本における社会的分断の諸現象(分断され対立し合う社会)

1.歴史的伝統的な被差別マイノリティとマジョリティとの社会的分断(部落差別、

障害者差別、アイヌ差別、沖縄差別、女性差別、障害者差別、LGBT差別等々

の現状と差別撤廃の積極的措置に対する「逆差別」という反発の事態。)

2.労働市場における分断(正規雇用と非正規雇用の分断において、とりわけ若年層

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や女性層における非正規雇用が増加し、低収入による婚姻率の低下や高齢期にお

ける単身世帯の高率化という事態を招来。)

3.社会保障制度から疎外される人びと(賃金の低下と非正規雇用の拡大は、国民年

金や医療保険などの生活保障の恩恵を享受できる層とできない層の分断を生んで

おり、労働市場の分断がますます弱者を困窮に追いやるという悪循環。)

4.放置された「女性の貧困」問題(雇用の分断は性別間の分断とも深く関係し、男

女の賃金格差として端的に現象。女性差別に乗っかって、同一価値労働同一賃金

という価値観は蔑ろにされ、社会的な必要労働を非正規雇用で充当するという性

別間分断で女性の貧困を放置。)

5.国と地方の「政府間」対立(高齢化と女性の社会進出がすすむにつれ、福祉国家

が成熟していけば、公共サービス提供のため公務員の雇用は増加せざるをえない。

にもかかわらず、そもそも世界的に見ても小さな政府であった日本は、2000

年代をつうじてますます小さな政府になっていき、「財政再建」のかけ声のもと

に公務員数削減と賃金カットを中心に「ムダ削減」が強調され、地域経済は弱体

化してきた。この過程で、国と地方が「どちらがよりムダ遣い」をしているかの

批判合戦で対立。)

6.都市と農村がいがみ合う社会(東京一極集中、農山漁村の過疎・寒村化という事

態を前にして、2000年代以降小泉内閣の「三位一体改革」、安倍第2次内閣

の「地域創生」政策によって、公共事業に対する「ハコモノ批判」が執拗に繰り

返され、農山漁村はますます衰退。地方自治体が打てる数少ない対策は、他の地

域を蹴落とし、競争に打ち勝つことで、企業誘致と移住者獲得することであり、

一方都市住民の農山漁村に対する「共感の希薄化」が進行し、都市と農山漁村が

対立。)

7.分断を利用した負担増―世代間公平論(賦課方式か積立方式かめぐる年金制度の

財政議論をはじめとして、教育や就学前保育、労働政策への財政支出のあり方に

かかわっての世代間対立。)

Ⅲ.日本社会の分断を生み出したものは何か

(1)歴史的な社会政策に潜む社会的分断の要因

①前近代の江戸時代の身分制社会は、朱子学を国学としたイデオロギーを社会的規範と

して分断支配を維持。その規範とは、「勤勉・倹約・自己規律」。

②明治維新により、封建的身分制は崩壊したが、江戸時代の社会的規範は家父長的家思

想を軸とする修身道徳として再編成(薪を背負い本を読む二宮金次郎(尊徳)の銅像

がすべての小中学校に建立されたことはその象徴)。天皇制を中心とする新たな身分

制社会のもとで、近代的国民国家の創出・富国強兵・殖産興業の旗印のもとで、「万

人に対する万人の闘い」という過酷な競争を強いる弱肉強食の分断社会が現出(「勝

てば官軍、負ければ賊軍」という風潮)。

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③修身道徳の核心は、「勤勉・倹約・自己規律」。資本主義的市場経済化のもとで、「家」

の没落を回避するために形成された規範であり、誰からも助けられることなく家が存

続できるように、個々人が能力を尽くして働くこと、すなわち至上の価値としての「勤

勉」。その「勤勉」を補うものが、危機に直面しても他者からの助けを仰がずにすむ

だけの貯蓄をもつための「倹約」。経済的弱者に対しては、明治政府は1874年(明

治6年)に「じゆつきゆう

恤 救規則」(現在の生活保護法にあたる法律で1932年に「救護法」

に改正)を制定し、少しでも労働能力のあるものは救済の対象にしないという「制限

救助主義」であり、自己規律(自助)を強要。すなわち、近代日本において、経済的

弱者を救うことが「らんきゆう

濫救」であり、「だ み ん

惰民」を増加させるものだとの論理が定着。

④さらに、挙国一致の総力戦争の体制をつくりだすために、一人ひとりの通俗道徳の実

践という従来の価値観を、家の存続と個人の立身出世を目的にするものから、国家を

目的にするものへと転換する「皇国勤労観」を提唱(1940年11月「勤労新体制

確立要項」)。

⑤戦後においても、敗戦という大きな衝撃を受けてもなお、近世以来の日本人の伝統的

な倫理観は、依然として、政治的イデオロギーの中心。日本国憲法第27条でも「す

べて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う」と規定。

⑥政府自民党政権の戦後政策

1.自民党結党時綱領=「民生の安定と福祉国家の完成」

2.岸信介政権=「国民皆保険・皆年金制度」の立法化

3.池田勇人政権=日本の福祉国家の中核に、「勤労者に対する」減税(源泉徴収の

5割以上が東京・大阪・愛知の都市部で徴収されていたので、所得減税は都市部

中間層に偏った利益分配)と「人間の勤労の能率をよくし、生産性を高める」公

共事業を据えた二本柱の政策(1952年/所得倍増政策=「貧乏人は麦飯を食

え」=経済成長を目的とした地方利益誘導型の政治が明治期同様に再び開化)

4.これ以降、奇跡的な高度経済成長を背景に、政府は、勤労者に税を戻し、低所得

層には公共事業をつうじて就労の機会を提供。反面、社会保障は、勤労の責任を

全うした高齢者への「報償」と、道徳的な敗北者(経済的失敗者)に対する「救

済」で構成され、範囲と規模が厳しく限定。このことは、自分たちの生活の必要、

すなわち、住宅、教育、老後の生活等に必要な費用を、自分たち自身の手で稼得

しなければならないことを意味する。人びとは「倹約の美徳」を称賛し、将来に

備えるため「貯蓄」に励むというかたちで、勤労を前提とし、社会保障を限定す

る自己責任型の福祉国家=「勤労国家」が形成され、先進国を代表する平等主義

的国家が実現。(鄧小平「中国がめざす社会主義は、日本」)

5.1990年代の東西冷戦体制の終焉とグローバル経済の到来、バブル経済の崩壊

後、状況は一変(平等主義的国家の消滅と格差拡大社会の到来)。

❶国際的な賃金下落圧力による景気回復の遅延

❷巨額の政府債務の累積(1000兆円超=国民一人あたり800万円の借金)

❸少子高齢化の急速な進展

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❹専業主婦世帯と共働き世帯の地位逆転

❺国内資金循環構造の転換

❻民間貯蓄の大部分が企業貯蓄へ置換

❼非正規雇用が増大し所得水準が低下(企業の内部留保の増大)

❽生活困窮により、出産断念、子育て離職、高齢者の生活保護率の増大

❾子どもの貧困率の拡大

❿相対的貧困率の拡大

6.格差拡大社会が進行するもとで、日本社会は夥しい分断層を抱え込んでおり、こ

れが部落差別などの社会的差別を温存・助長する要因にもなっている。これへの

対処療法として、政府は明治以降の伝統的な社会的規範を維持したままで、社会

保障諸政策を展開。この帰結は、再び「社会的分断」を深化させることは必然。

社会的分断を引き起こす論理を容認してきた原因を分析し、新たな社会保障政策

の論理を構築し、社会分断を乗り越える社会連帯の方策を真剣に模索する必要。

(2)分断を生み出す日本社会の倫理観的論理

①「自己責任」の論理(社会と個人間の分断・対立)

1.社会的リスクを個人的リスクにすり替える論理。

2.教育や医療、育児・保育などは持続可能な社会にしていくため必要不可欠な社会

的ニーズであるにもかかわらず、個人的なニーズとして認識させ、それらの課題

・リスクに対して「勤勉・倹約・謙譲・孝行」という日本的美徳にもとづく自己

責任によって解決することを強要する論理であり、伝統的な保守の論理。

②「低位均衡」の論理(所得階層間の分断・対立)

1.「公平性」という名のもとに展開される引き下げ....

の論理

2.「優遇されている層」と「優遇されていない層」とを対立させ、前者の負担を正

当化する論理であり、「幸福の平等」ではなく「不幸の平等」を生じさせる論理

であり、伝統的な左翼の論理。

3.「貧しきを憂えず、均しからざるを憂う」は正論か?

③「個人第1主義」の論理(世代間の分断・対立)

1.他者への想像力を欠如させたの論理。

2.高齢期の所得保障は現役世代利益にもつながり、子育て世代への働くことと子育

ての両立支援が適切に強化されれば社会全体の労働力は増加し、経済成長率を高

め、税収も増え、子どもや若年層が安心して生活できることは、高齢者も含めた

社会全体の利益になる。

3.しかし、そのように他者への想像力が働かず、それぞれの世代・集団への支出が

自分たちの世代・集団への負担になると反発するという個人主義・利己主義の論

理であり、切り離された個々人の利益擁護の論理。

(3)政策意図を隠蔽する「三つの罠」が「分断」を生み出した要因

①「再分配の罠」(所得階層間の対立)

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1.「公平性の観点」という名のもとに「優遇されている層」と「そうでない層」を

対立させ、前者の負担を正当化する議論を展開

2.この議論の結果は、特定の階層に負担を課す、あるいは特定の階層の受益を削る

という「再分配」の論理になり、「低位均衡の財政」論に帰結

3.ここでは、負担増と受益の切り下げ合戦が現出するのは必然で、せまい範囲での

課税による財源調達の失敗と格差是正に必要な財源不足になり、さらなる特定階

層への支出を強要すれば租税抵抗が惹起

4.この現象が、「再分配の罠」であり、所得階層間の対立という分断が現象

②「自己責任の罠」(社会的な保障を個人の力で解決せよという社会と個人の対立)

1.この議論の過程では、資源は無尽蔵ではないために、「本当に」救済を必要とす

る人に財源を投入することが正しいと考えられ、道徳的な色彩も帯びて「救済に

値する人」探し(客観的な基準設定は不可能)の議論に傾斜

2.そのために、「救済される人」は、間違いなく屈辱的な状況に追いこまれると同

時に、少しでも不正な行動があれば袋叩きされ、「自己責任」を理由に救済の削

減が容易に実行

3.自己責任を重視してきた歴史をもつ日本社会では、バブル崩壊後、自らの生活に

安心できなくなった人びとが疑心暗鬼に陥り、より厳格な自己責任の適用を弱者

や既得権をもつ者に要求し、それに応えられなければ猛烈な批判を受け、その結

果、相互不信が社会に蔓延

4.この現象は、誰も幸福にならない不毛な論争であり、膨大なエネルギーの消費

③「必要ギャップの罠」(世代間の対立)

1.高齢者を支えるための支出を社会全体で拠出すれば現役世帯の自己負担が軽減す

るし、働くことと子育ての両立支援が強化されれば社会全体の労働力は増加し、

経済の成長や税収も増えるという社会全体の利益

2.しかし、日々の生活に追われ、誰もが豊かになれる社会を創造する余裕を消失し

ており、社会全体の利益に対する想像力の欠如ために、不必要な世代間対立

3.「この利益にはこの負担」というのであれば、市場でモノを買い、民間企業の保

険に入ればよいが、人間は未来を予測できない以上、病気やけがなどの理由で、

生きていくための「必要」を満たせなくなる場合に備えて、さまざまなリスクを

分散し合い、そのための負担を分かち合う準備をしていく必要

4.政府の行財政に対する不信は、社会的分断によるリスクの個人化の結果という悪

循環をもたらし、低所得層の利益、農村の利益、障害者の利益、母子家庭の利益、

そういった個別利害のかたまりを生み出し、世代間対立、各層間対立を発生

(4)「分断」を支える「普通の人びと」(政策の罠に陥る悲劇)

①分断を生み出すのは為政者の社会政策

1.明治維新以降150年の社会保障に関わる国策の結果が、今日の日本における社

会的分断を生み出し続けた元凶

2.「勤勉・倹約・自己規制」という倫理観をバックボーンとした社会政策のもとで、

困難を抱える状態に陥った人びとは、屈辱感に囚われながらも効果的な自立支援

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策がないもとで行政施策に依存せざるをえない状態に追いこまれるという事態

3.同和行政のもとで生じた「行政施策依存」問題に対する部落解放運動の対応

❶自主解放という運動的精神論で自立を促す叱咤激励の対応

❷しかし、問題の本質は、行政依存に追いこんでいく社会政策のあり方こそが主

原因(例えば、就労・教育・住宅支援なき生活保護という社会政策の問題)

②為政者の分断政策を容認し反発する「普通の人びと」

1.考えなければならないのは、社会的分断を生み出してきた為政者の政策論理の

「罠」にはまり、これを容認してきたのは多くの「普通の人びと」であるという

歴史的現実

2.困難を抱えた受益当事者に対する支出が「自分たちの税金でまかなわれている」

と感じる「普通の人びと」(負担層)は、生活に余裕がある場合は黙認している

が、自らの生活に不安を抱える状況になると、それらの受益者への不満・妬み・

逆差別の感情を募らせ、対立状態を招来

3.1980年代から現出した「逆差別」問題への部落解放運動の批判的対応

❶逆差別問題は差別意識の裏返しの意識であり、部落問題の歴史性・社会性への

無知から生じる誤った考え方

❷部落の生活水準と大差ない所得層からのねたみ的反発の意識(「同和対策を受

けたいのであれば、いつでも部落民の立場を変わってやるぞ!」)

❸これらの「逆差別」問題を克服する方向として、「周辺共闘」という方針も出

されたが、有効な成果をあげることができなかった理由は、特別対策(選別主

義)的施策の枠組を打ち破り、一般対策(普遍主義)的施策へと制度戦略を改

革する展望を打ち出し得なかったことであるとの反省

③分断が為政者の意図を通しやすくする仕組み

1.為政者は、この対立状態を利用し、社会保障政策を縮小・削減していく口実に使

うという政治的仕組みが機能

2.非正規雇用、ワーキングプア、子どもの貧困、高齢者破産などという誰もが直面

しうるリスクの増大は、この政治的仕組みが機能してきた結果

3.この機能の繰り返しが社会的分断をますます広げ深めていくという現実を真剣に

変えなければ、「幸福の平等」ではなく「不幸の平等」という蟻地獄に陥落

Ⅳ.分断を乗り越える社会連帯実現への課題

(1)社会保障費の増大と増税問題への基本対応

①「増税反対」の論理の背景にある一般的な意識

1.生活苦に直結するという感覚的拒否感

2.税負担増大の結果が自らの利益に還元されないという不公平感

3.政治的・財政的失敗のツケを国民にしわ寄せするという政治不信感

4.財政投入が市民的要求に応えていないという不満感

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②みんなが「受益者」となれる財政の仕組みの構築

1.少子高齢化の進行のもとでは社会保障費が増大するのは必然

2.この財源を確保するためにはある程度の増税は必要(増税なき財政再建は空論)

3.問題は、この増税が負担者への「反発感」を誘発せず、自らも「受益者」になる

という安心をもたらす財政の仕組みを作り出せるかどうかが肝心

4.今日の「消費税」議論は、その試金石(「増税=悪」の価値観からの脱却)

❶民主党政権時の「社会保障・税一体改革」路線による消費税増税は誤りか?

❷受益と負担の関係を明示した目的税の政策は評価できるし、今後も必要

❸しかし、実際の予算配分の実施は、社会保障拡充が増税分の2割、財政再建(借

金返済)に8割が充当

❹問題は、予算配分の決定が国民があずかり知らないところで行われていること

❺この事態は、民主主義が機能不全に陥っていることの証

〔注〕日本人の租税負担率は先進国の中で最も低いグループ位置するが、日本人

の税負担感は北欧の人びとより重たいと感じている現状

(2)根強い政治・財政不信払拭にむけた政治への市民参加の必要性

①根強い政財政不信を歴史的に形成した「形式平等主義」の論理

1.「中身」よりも「総額」を重視する考え方(総額重視の「シーリング予算」方式)

は、本来的な民主主義を機能するうえで大きな障害

2.成長を前提とするバラマキの基礎には日本人の公平観(形式的平等主義)が存在

し、同時に個別利害集団内における同質性や協調性が重視される日本社会の特徴

が存在

3.広く人間や社会の利益を考えるのではなく、個別の、あるいは地域的利益を追求

し、その間のバランスを取りつつ総額を抑えるために、外部から予算を型にはめ

込んでいくという手法は、日本の歴史や文化にまでさかのぼって検討すべき課題

②不信払拭にむけた新たな政財政の仕組みへの転換

1.税負担の増大は私的負担の軽減につながるという当たり前の事実を堅持

2.中間層を受益者とすることで、「再分配の罠」を乗り越えること

3.自己負担ではなく社会でリスクを共有し合うことで「自己責任の罠」から脱出

4.人間の生活に必要なサービスをライフスタイルに応じてバランスよく配分するこ

とで「必要ギャップの罠」(世代間対立)を解消

5.「誰かの利益」を「みんなの利益」に置き換え、これらを束ねた結果として経済

成長や財政再建を実現

③市民参加の仕組みが決定的な鍵

1.差別・分断や政治不信を克服し、社会連帯を創り出すためには、「合意への協議

ができる場」を設定し、市民参加を可能にする場づくりが重要

2.その意味で、市民(個人)と社会をつなぐ中間組織(社会運動団体・NPO・市

民団体・地域団体等)の存在が必要

3.個々の中間組織のネットワーク形成が、社会連帯実現への基盤であり、社会変革

の原動力

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4.もちろん、行政機関や議会などへの公聴システムやタウンミーティングなど市民

の知る権利や意見表明の場づくりの保証も重要

(3)地域からの民主主義実現と制度戦略(普遍主義と選別主義の二元システムの承認)

①格差是正は、「救済型再分配」ではなく、「共存型再分配」で実現

1.結果の平等を実現することで経済成長を促進する政策の実施

2.この政策の核心は、全社会構成員の「必要原理」を重視し、すべての人が安心し

て生活でき、確かな生存が確保されることを目的とする財政を実現

3.その結果として、格差是正を達成し、経済成長を促し、機会の均等を保障し、結

果の平等を実現するという展望

4.言い換えれば、トリクルダウン(trickle-down)的財政ではなく、エンブレース

(embrace)的財政の実施であり、「救済型再分配」から「共存型再分配」への転換

〔注1〕トリクルダウン理論=「富裕者がさらに富裕になると、経済活動が活発

化することで低所得の貧困者にも富が浸透し、利益が再配分される」と

主張する経済理論(アベノミクスの新自由主義的格差拡大路線)

〔注2〕エンブレース理論=「愛情を持って抱きしめる」という意味で、ソーシ

ャル・インクルージョン(社会的包摂)と同義

②「共存型再分配」が政治財政への信頼を回復する現実的な道

1.多くの人を受益者とするなかで、低所得層にも給付がおこなわれるという再分配

を実現していくというやり方で政財政への信頼を回復

2.このやり方を実施する場合、重要なことは、「全員に共通する問題かどうか」を

重視し、「結果としての再分配」を可能にすることが目標

3.言わば、受益者の範囲を広げて、社会全体で課題を共有することで対立を解消す

る「したたかさ」が再分配の「肝」(教科書無償化闘争はその好事例)

③旧来の皮相な「連帯」「公平」「平等」論からの脱却と実質的な社会連帯の実現化

1.「弱者救済」という側面からのみの主張は、「高所得者の道義的責任」の強調と

それへの「課税負担強化」という短絡的な論理に陥りやすく、負担増を拒否する

議論が対立する傾向を強化

2.「誰もが直面しうるリスク」として、社会構成員全体が共通する事項としてリス

クを共有する認識に立たなければ真の「連帯」は生まれないし、実質的な「公平」

「平等」を実現することは不可能

3.限定性や選別性、自己責任性という論理から脱却し、人間が豊かにつながりあえ

る実質的な社会連帯を実現していくことが閉塞社会からの脱出の鍵

④民主主義を具体化していく当面の取り組み課題

1.中央政治に期待できない現状を打破する生活圏域からのボトムアップの挑戦

❶地域・地方から民主主義の根本である「平等」「参加」「自治」のシステムを

創り出し、「民主主義を習熟」する場づくりで個々人の人間変革

❷生活圏域において、住民に密着した共通の生活課題を取り上げ、みんなが「幸

福の平等」を享受できる取り組みを追求

❸それぞれの地域の特色を生かした「人権のまちづくり」運動の展開により、地

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域共同体を共生の場へと変革

2.家族・教育・就労・福祉・住宅政策を不可分とする総合政策の実施

❶旧態依然とした画一的な「家族」モデルを脱却して、多様な家族形態を前提に

した多様なライフスタイルに対応する社会政策の実施

❷人生の大きな転機の基盤となる幼年期・青壮年期・高齢期のライフステージに

おいて、「子育て・就学前教育の充実」、「教育の無償化・奨学給付金制度・

就労支援制度・同一価値労働同一賃金制の確立」、「年金制度の充実」などを

はかり、世代間対立や所得階層間対立を解消する基盤の整備

❸「持ち家」を基本とする住宅政策ではなく、多様な家族形態に対応できる「居

住移転の自由」を選択できる住宅の提供(民間立住宅と公立住宅とで遜色ない

サービス支援制度の確立)

❹これらの政策を不可分のものとして一貫した総合政策を展開していくために、

「人権のまちづくり」「共生のまちづくり」支援の法制度確立運動を展開

3.地域ネットワーク形成のなかから民主主義の実質化を実現

❶小学校区くらいを最小単位とする「まちづくり」で民主主義実現の場づくり

❷各地の「まちづくり」運動を網の目のようにネットワークし、「平等・参加・

自治」を基軸とする市民運動的な政治勢力を形成

❸この力を全国化し、中央政府・地方政府の民主的変革を実現

以 上

(文責 谷元昭信)

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たつの市部落差別の解消の推進に関する条例

平成29年 12月 25日条例第18号

(目自句)

第 1条 この条例|よ 現在もなお部落差別が存在するとともに、情報化の進展に伴つて部落

差別に関する状況の変化が生じていることを踏まえ、金ての国民に基本的人権の享有を保

障する日本国憲漁 部落差別のない社会の実現を目指す部落差別の解消の推進に関する法

律 (平成28年法律第109署)及び人権尊重のまちづくりを提8昌するたつの市人権尊重

都市宣言 (平成18年 12月 26日議決)の理念にのつとり、部落期 引ま許されないもの

であるこの認識の下にこれを解消することが重要な課題であることにヽ 、音:落差別の解

消に関臥 基本理念を定め、市の黄務を明らかにするとともに、相談体制の充実等につい

て定めることにより、部落差別の解消を推進臥 もってき隧 差電」のないたつの市を実現す

ることを目的とするc

(基本理念)

第2条 音麟 別の解消に関する施策は、金ての市民が等し<基本的人権を享有するかけが

えのない個人として尊重されるものであるとの理念にのつとり、部落差別を解消する必要

性に対する市民一人一人の理解を深めるよう努めることにより、部落差別のないたつの市

を実現することを旨として、行われなけれ1灘らなしヽ。

(市の黄務)

第3条 市|よ 前条の基本理念にのつとり、国及び県との適切な役害」分担を踏まえて、国及

び県との連携を図りつつ、部落差別の解消に関する施策を講する黄務を有する。

(相談体制の充実)

第4条 市は、国及び県との運切な役割分担を踏まえて、都落差Ellに関する相談に的確に応

するための体制の充実を図るものとす&(教育及び啓発)

第5条 市l13、 国及び県との適切な役割分担をE沓まえて、部落差霧」を解消するため、必要な

教育及び啓発を行うものとする。

(計画の策定及び調査の実施)

第6条 市|よ 88落差別の解消|こ関する施策を推進するため、たつの市部落差別解消推進基

本計画を策定するものとする。

2 市は、部落差別の解消に関する施策の実施及び前項の計画の策定のため、必要に応じて、

部落差別の実態等に係る調査を行うものとする。

(推進体制の充実)

第7条 市は、部落差別の解消に関する施策を効果的に推進するため、国、県及び部落懇 」

の解消に関する各種団体との連携を深めることもに、市の組織の整備又は充実に努めなけ

ればならない。

(審議会)

第8条 市は、部落差別の解消に関する施策を審議するため、たつの市部落差別解消推進塞

議会を置く。

2 前項の審議会の組織及び運営に関する事項は、市長力滉釧こ定める。

(委任)

第9条 この条例の施行に関して必要な事項は、市長わ潟」1こ定める。

附 則

この条例よ、平成30年4月 1日から施行する。

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