17:35~18:00 apriadi salim adamtheo.phys.sci.hiroshima-u.ac.jp/~soken/ssi/ssi2018/ssi...11:35~12:00...

8
9 月 6 日(木) 17:10~17:35 國安 正志(山口大学 スタッフ) An integrable higher dimensional cosmology with separable variables in an Einstein-dilaton-antisymmetric eld theory 超弦理論に基づく高次元重力理論には、ディラトン場や高階反対称テンソル場が含まれ ている。このような理論における一様・等方宇宙モデルの振舞いは、超弦理論の成否を決 めるうえで検討すべき課題の一つである。すでに先行研究により、負曲率の内部空間を用 いたモデルでは解析的な加速膨張解が得られており、現実の宇宙モデルと成り得ることが 示されている。 そこで我々は2 つの高階反対称テンソル場が、異なるディラトン結合を持つ理論につい て考察した。一様なディラトン場及び余剰次元への一定フラックスを仮定した場合、運動 方程式が3 つの1 次元リウヴィル方程式に変数分離でき、このため厳密な古典解や量子宇 宙論における厳密解を得ることができた。本発表では得られた解の振舞いなどとともに、 我々のモデルの特徴などを紹介する。 17:35~18:00 Apriadi salim adam(広島大学 D3) Generation of particle number asymmetry from interacting scalars. TBA 9月7日(金) 11:10~11:35 松尾 大和(広島大学 M2) 対数型の F(R) 修正重力理論によるスカラロン模型の記述 概要: 修正重力理論にとるインフレーション、ダークエネルギー、ダークマター問題の解 決を試みる。我々は修正重力理論の一つである、F(R) 修正重力理論において対数型の F(R)を考えることで、インフレーション時代とダークエネルギー時代の記述が可能である ことを示す。また、Jordan模型からEinstein模型へ変換する際に現れるスカラロンをダー クマターの候補として、安定性の議論からスカラロンがダークマターの候補になりうるこ とを示す。

Upload: others

Post on 09-Feb-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 17:35~18:00 Apriadi salim adamtheo.phys.sci.hiroshima-u.ac.jp/~soken/SSI/SSI2018/SSI...11:35~12:00 両角 卓也(広島大学 スタッフ) Lepton Number Violation with 2PI formulation

9 月 6 日(木)

17:10~17:35 國安 正志(山口大学 スタッフ)

An integrable higher dimensional cosmology

with separable variables in an

Einstein-dilaton-antisymmetric eld theory

超弦理論に基づく高次元重力理論には、ディラトン場や高階反対称テンソル場が含まれ

ている。このような理論における一様・等方宇宙モデルの振舞いは、超弦理論の成否を決

めるうえで検討すべき課題の一つである。すでに先行研究により、負曲率の内部空間を用

いたモデルでは解析的な加速膨張解が得られており、現実の宇宙モデルと成り得ることが

示されている。

そこで我々は2 つの高階反対称テンソル場が、異なるディラトン結合を持つ理論につい

て考察した。一様なディラトン場及び余剰次元への一定フラックスを仮定した場合、運動

方程式が3 つの1 次元リウヴィル方程式に変数分離でき、このため厳密な古典解や量子宇

宙論における厳密解を得ることができた。本発表では得られた解の振舞いなどとともに、

我々のモデルの特徴などを紹介する。

17:35~18:00 Apriadi salim adam(広島大学 D3)

Generation of particle number asymmetry from interacting scalars.

TBA

9月7日(金)

11:10~11:35 松尾 大和(広島大学 M2)

対数型の F(R) 修正重力理論によるスカラロン模型の記述

概要: 修正重力理論にとるインフレーション、ダークエネルギー、ダークマター問題の解

決を試みる。我々は修正重力理論の一つである、F(R) 修正重力理論において対数型の

F(R)を考えることで、インフレーション時代とダークエネルギー時代の記述が可能である

ことを示す。また、Jordan模型からEinstein模型へ変換する際に現れるスカラロンをダー

クマターの候補として、安定性の議論からスカラロンがダークマターの候補になりうるこ

とを示す。

Page 2: 17:35~18:00 Apriadi salim adamtheo.phys.sci.hiroshima-u.ac.jp/~soken/SSI/SSI2018/SSI...11:35~12:00 両角 卓也(広島大学 スタッフ) Lepton Number Violation with 2PI formulation

11:35~12:00 両角 卓也(広島大学 スタッフ)

Lepton Number Violation with 2PI formulation and density matrix

有効マヨラナ質量行列やレプトジェネシスにおけるレプトン数の破れを2 PI 形

式と密度行列を使って議論する

We study the lepton number violation due to the effective Majorana matrix and

leptogenesis with 2 PI formulation and the density matrix.

13:00~13:25 高木 堅太(広島大学 D2)

A flavor symmetric model in SUSY SU(5) GUT

The matter particles have three flavors. However, the background mechanism of three

flavors is still unknown. We study a model with flavor symmetry of A_4 in SUSY SU(5)

grand unified theory. The flavors of quarks and leptons can be explained by this model. I will

make my presentation in Japanese and show the progress of this study.

13:25~13:50 高橋 隼也(広島大学 D2)

SMEFT を用いた vector-like クォーク模型の解析

LHC実験で行われている新粒子の直接探索では,電弱スケールより高いスケール

においても新物理で期待される粒子は発見されていない.したがって,標準模型を

超える物理は電弱スケールよりも十分高いスケールにあると考えられる.このよう

な標準模型と標準模型を超える物理の間のスケール差を考慮した解析を行う際に有

用な方法として,標準模型有効理論(SMEFT)が挙げられる.本講演では、新物理

の候補であるvector-likeクォークを含む模型について,SMEFTを用いた解析を行

い,模型のパラメータに対するB中間子稀崩壊の実験的制限を示す.

Page 3: 17:35~18:00 Apriadi salim adamtheo.phys.sci.hiroshima-u.ac.jp/~soken/SSI/SSI2018/SSI...11:35~12:00 両角 卓也(広島大学 スタッフ) Lepton Number Violation with 2PI formulation

13:50~14:15 古賀 一成(九州大学M1)

量子重力の有効場理論(review)

量子重力の研究は長年なされてきており、超ひも理論はその答えの一つの候補と

なっている。また、AdS/CFT対応により量子重力への理解は進んだが、large N

極限以外ではどうなっているのかまだよくわかっていはいない。今回の発表では超

ひも理論、AdS/CFT対応、ループ重力理論などとは異なったアプローチとして知

られる、有効場の理論を用いた重力の量子的な計算を話していく。有効場の理論を

用いることで、標準的な方法で計算を行うときに生じる発散を扱わなくてよくなる

ため計算を実行することができる。発表はDonoghueの論文のレビューで、一般相

対論の重力ポテンシャルに量子補正を与えることを示したものである。

Quantum gravity has been studied and super string theory is one of the candidate

of the solutions. AdS/CFT correspondence improved our understanding of quantum

gravity, but we know little about other than large N limit. I will explain an Effective

Field Theory (EFT) approach to the quantum gravity rather than well-known

approach as string theory, AdS/CFT correspondence and loop quantum gravity.

EFT method can avoid the divergences that arise when we calculate in the usual

method. The talk is based on Dnoughue’s paper that calculates the quantum

correction to the Gravitation potential in general gravity.

14:15~14:40 高田 浩行(トムスク大学 スタッフ)

インフラトン崩壊からの粒子数非対称性の発生機構について or 連続/無限スピ

ンをもつ粒子の理論の構成について

① 標準的ビッグバン―インフレーション宇宙論ではインフレーションが終わっ

た後、それを担っていた粒子(インフラトン)の残った位置エネルギーによ

って物質が作られ始める。この移り変わりの時期(プレヒーティング期)に

おいては、インフラトン(中性スカラー場1種)とそれが崩壊してできた粒

子(複素スカラー場1種=最初の物質場)の2種類のみが存在し、互いに相互

作用しながら次第にインフラトンが減り物質が増えていく、と考えると最も

自然でかつこれを単純な模型で扱うことも可能になる。 さて、現在のわれ

われの世界には物質粒子の数の方が対応する反物質粒子の数より多い。ここ

で、粒子と反粒子はU(1)の電荷のみが違い、質量など他の量は同じだ。した

がってモデルを作るとどうしても粒子―反粒子が対称なものになりがちだ。

Page 4: 17:35~18:00 Apriadi salim adamtheo.phys.sci.hiroshima-u.ac.jp/~soken/SSI/SSI2018/SSI...11:35~12:00 両角 卓也(広島大学 スタッフ) Lepton Number Violation with 2PI formulation

現実にある非対称性を表すには非対称性の種をまかなければならないがいつ

まくのかが問題だ。 われわれはそれがプレヒーティング期であり種は上に書

いたインフラトンの崩壊にあると考えた。崩壊により対生成された粒子と反

粒子の粒子数には非対称性があり、それがその後の物質と反物質の数の非対

称性の存在につながって行くと考えるとインフレーション模型と粒子数生成

を合わせて考えることができるため経済的だ。 この考えのもとにインフラト

ンと複素スカラー場の相互作用ラグランジアンをインフレーション後の膨張

宇宙において考え、粒子数の非対称性が時間的にどのように発展していくか

を計算した。結果は、残った位置エネルギーによるインフラトンの振動が粒

子数の非対称性に伝わり、粒子数から反粒子数を引いた量も0をはさんで時間

的に振動することがわかった。 解析的な結果と数値計算結果の両方の結果を

提示したい。

② 我々の宇宙は空間3次元と時間1次元の広がりを持ち、星の存在などの特異的

な場所を除き、近似的には4つの方向の並進と、4つの軸の周りの回転に対し

て対称性があると考えて理論を作るのが普通だ。これは並進対称性4つと4次

元ローレンツ対称性があると言い表せるが、これらを合わせてポアンカレ対

称性という。 この対称性を持つ宇宙に存在する(素)粒子はすべてポアン

カレ群の(規約)表現に属しているとの予想できる。であれば、どんな素粒

子が存在するかを知るためにはこの規約表現をすべて見つければよい。

1940年代にウィグナーらによってポアンカレ群の規約表現にどのようなも

のがあるかが調べられた。ポアンカレ代数の規約表現は質量次元を持つパラ

メーター2種によって分類される。一つは質量mで、もう一つは「連続スピン

パラメータ」μと呼ばれる。 μが0でない表現は最近まで注目されてこなか

ったが、3年前にシュースター&トロらによって初めてラグランジアンが提示

された。 われわれは最近の論文でこのラグランジアンをより系統だったやり

方で求めた。これは高階スピン理論のラグランジアンを求める方法を使って

求められる。その結果から、連続スピン粒子はスピン0からスピン無限までの

すべて種類のスピンを特別な形で足し合わせたものになっていることも明示

的に理解できる。以上について解説したい。

15:10~15:35 田川 容輝(広島大学 M2)

Chiral Perturbation theory に関連して

TBA

Page 5: 17:35~18:00 Apriadi salim adamtheo.phys.sci.hiroshima-u.ac.jp/~soken/SSI/SSI2018/SSI...11:35~12:00 両角 卓也(広島大学 スタッフ) Lepton Number Violation with 2PI formulation

15:35~16:00 長尾 桂子(岡山理科大 スタッフ)

Anisotropy of dark matter velocity distribution

Existence of anisotropic component in dark matter velocity

distribution has been pointed out by N-body simulations and observations.

We study the possibility to discriminate isotropic and anisotropic distributions

with directional direct detection of dark matter.

16:00~16:25 横田 圭祐(広島大学 M2)

Pure-Bosonic One-Loop Diagrams on a Lattice

When we compute the lattice Feynman diagrams, we face a linear combination of

many integrals. Burgio, Caracciolo and Pelissetto presented an algorithm which

allows us to express every one-loop integral with gluon or Wilson-fermion

propagator in terms of a small number of basic constants which can be computed

with arbitrary high precision. I introduce the algorithm for the pure bosonic case.

16:25~16:50 上野 崚一郎(広島大学 D3)

テンソルネットワーク法を用いた物理量の計算とその改良

近年,テンソルネットワークアルゴリズムと呼ばれる数値計算手法が物性物理

学の分野において注目を集めており,素粒子論への応用も盛んに議論されてい

る.本発表では2次元Ising模型を題材にアルゴリズムの概要を説明する.また,

素粒子論に応用する際の問題点と,それを乗り越えるためのアルゴリズムの改良

に関する研究成果も発表する予定である.

20:00~20:25 白石 清(山口大学 スタッフ)

An ostentatious scalar-tensor model for cosmology

We consider a novel model of gravity with a scalar field described by the

Lagrangian with higher order derivative terms in a cosmological context. The

model has the same solution for the FLRW universe as in the model with the

Einstein gravity. A possible modified scenario in this model is discussed.

20:25~20:50 小島 健太郎(九州大学 スタッフ)

The spontaneous Breaking of Grand Unified Symmetries

in Grand Gauge-Higgs Unification Models

Page 6: 17:35~18:00 Apriadi salim adamtheo.phys.sci.hiroshima-u.ac.jp/~soken/SSI/SSI2018/SSI...11:35~12:00 両角 卓也(広島大学 スタッフ) Lepton Number Violation with 2PI formulation

We propose models of grand unified theory (GUT) in the five-dimensional space-

time where the extra dimension is compactified on S1/Z2. In our models, the

spontaneous breaking of unified symmetries is achieved via vacuum expectation

values of the GUT Higgs fields that are identified with the zero-mode of extra-

dimensional components of gauge fields. We will show SU(7), SU(8), and SO(10)

models as simple examples. Then spontaneous symmetry breaking in an E6

model, which has phenomenologically interesting features, will be discussed in

detail.

S1/Z2 オービフォルドを持つ5次元時空上の大統一理論(GUT)を議論する。

このモデルでは、GUT の対称性の自発的な破れは、余剰次元のゲージ場のゼロ

モードの真空期待値によって実現する。簡単な例として、SU(7)、SU(8)、

SO(10) 対称性に基づくモデルを議論したのち、より現象論的に興味深いシナリ

オであるE6 に基づくモデルにおいて、対称性の破れを詳しく議論する。

20:50~21:15 大兼 英朗(広島大学 D3)

TBA

21:15~21:40 亀井 武成(愛媛大学 D3)

Numerical analysis of supersymmetric quantum mechanics on lattice with

cyclic Leibniz rule

巡回ライプニッツ則(Cyclic Leibniz rule, CLR)を満たした格子上の超対称量子

力学模型の数値解析を行なった。この模型は、格子上の変数の積が巡回ライプニッ

ツ則をみたした特殊な形をしている。その特殊性から、従来の模型に比較して連続

極限への近づき方の速さや超対称性の表現の自然さが期待される。その状況を数値

的に調べ、摂動論と非摂動論の双方から、CLR の特性を詳しく調査する。

9 月 8 日(土)

09:00~09:25 下地 寛武(広島大学 M2)

空間 1 次元をコンパクト化した Nambu-Jona−Lasinio模型における境界条件の効果

D次元の Nambu-Jona-Lasinio 模型において空間 1 次元をコンパクト化し、任意の位相を

ずらすような境界条件を課した時、真空期待値と相構造がどのような影響を受けるか有効

ポテンシャルの評価に基づいて述べる。

Page 7: 17:35~18:00 Apriadi salim adamtheo.phys.sci.hiroshima-u.ac.jp/~soken/SSI/SSI2018/SSI...11:35~12:00 両角 卓也(広島大学 スタッフ) Lepton Number Violation with 2PI formulation

09:25~09:50 大熊 一正(岡山理科大学 スタッフ)

Constraints on tqZ couplings based on effective

Lagrangian and its observability

Based on the effective Lagrangian approach, constraints on non-standard tuZ

and tcZ couplings which induce flavor changing neutral top decays (e.g., t-> uZ

and t->cZ) are derived from recent experimental data. Furthermore, future

perspectives of those couplings at the High Luminosity Large Hadron Collider

are discussed.

有効ラグランジアンを利用し,LHCにおける t->cZ 崩壊, t->uZ崩壊に関する実験

結果から導出した tcZ 結合及び tuZ 結合の制限を踏まえ,HL-LHCにおけるトッ

プの Flaver Changing Neutral Current の観測可能性を吟味する.

09:50~10:15 尾田 欣也(大阪大学 スタッフ)

Gaussian wave packet formalism

北大の石川さんの提唱するガウス波束形式を誰でも理解できる形で説明し、主張されてい

る境界効果のどこに問題がありうるのかを指摘する。標準的な場の理論の結果を、波束形

式の極限として世界で初めて厳密に導出する。(今までの平面波を用いた「導出」は、た

とえばワインバーグの場の理論の教科書の言葉を借りれば ``actually more a mnemonic

than a derivation'' であった。)

10:15~10:40 森 真輝人(大阪大学 M2)

Callan-Harvey mechanism ~anomaly cancellation~

ゲージアノマリーをキャンセルする機構である Callan-Harvey 機構について紹介

する。アノマリーとは古典的には成り立っていた対称性が量子補正により破れてし

まうことを指す。ゲージ対称性が破れてしまうことはゲージ理論にとって致命的な

ことである。よってどんな理論においてもゲージアノマリーは出て来てほしくな

い。今回の発表では 2次元のカイラルゲージ理論に現れるゲージアノマリーが 4

次元のアノマリーとキャンセルすることを確認する。

11:10~11:35 河村 優太(広島大学 M2)

TBA

Page 8: 17:35~18:00 Apriadi salim adamtheo.phys.sci.hiroshima-u.ac.jp/~soken/SSI/SSI2018/SSI...11:35~12:00 両角 卓也(広島大学 スタッフ) Lepton Number Violation with 2PI formulation

11:35~12:00 高石 竜勢(大阪大学 M2)

超新星爆発での44Ti生成に関わる40Ca(α,γ) 44Ti反応断面積の測定

超新星爆発における元素合成過程を解明する上で定量的な計算の支障となっている

40Ca(α,γ)44Ti反応の断面積の精密測定を行った。40Ca(α,γ)44Ti反応は、超新星元素合成

で44Tiが生成される際の主な反応と考えられているが、その断面積データには大きな不定

性があり問題となっている。

超新星残骸カシオペア座Aのγ線観測によって、爆発で生成された44Tiの量が推定されてい

る[1]。従来、44Tiの観測量を説明できるモデルはジェットのような強い非等方性を持つも

のだけであったが[2]、40Ca(α,γ)44Ti断面積データの不定性の範囲内で、球対称な爆発モ

デルでも44Tiの観測量を説明できる可能性があることが指摘された[3]。つまり

40Ca(α,γ)44Ti断面積の精度の良いデータは、超新星爆発のメカニズムをより正確に理解

する上で必須である。

本研究では、天然 Caを含んだ酸化カルシウムを標的として用い、大阪大学核物理研究セ

ンター・AVF サイクロトロンからのαビームを照射し、40Ca(α,γ)44Ti 反応で生成された

44Ti のβ+崩壊で生じる 44Sc がさらにβ+崩壊する際に放出される 1157keVのγ線を計測す

ることで 44Ti の生成量を求めた。また標的中にフッ化カルシウムを混合し、断面積の良く

分かっている 19F(α,n)22Na 反応によって生成される 22Na の放射能を同時に測定すること

で、ビーム強度、有効標的厚、γ線検出器の検出効率に付随する系統誤差を相殺し、高精

度測定を実現した。本講演では、実験の詳細と、重心系 8.2MeV以下の領域での

40Ca(α,γ)44Ti 反応の平均断面積断面積の測定結果を報告する。