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はじめに XML の現状と本事業の目的 近年「Web2.0」というキーワードが世の中にすっかり定着してきました。 Web2.0 という 言葉自体にいろいろな意味が含まれていますが、ひとつには「エンドユーザによる情報発信」 というキーワードがあります。 従来の Web コンテンツを中心とするホームページでは、画一的に作られたページをエンド ユーザが検索し、閲覧するだけのものでした。これらは、Web2.0 によって大きな変化を迎え るのです。インターネットの仕掛けを知らない人でもブログのサイトを開設し、日記などの意 見書き込みが簡単にできます。 ところで、書き込んだデータ(日記などの内容)はどうなってしまうのでしょうか。その書 き込んだデータをはじめとし、今日インターネット上で流通しているニュース・天気予報など ほとんどのデータは「XML 形式」で保存されているといわれています。XML の持つ最大のメ リットが活かされているためです。利用者がまったく気が付かないうちにこのようになってし まっていたことは驚きです。 平成 19 1 月には XML 形式で保存したデータをデータベース化して内容の問合せをおこな XQuer yという問合せ言語の仕様がまとまり、W3CWorld Wide Web Consortium)か ら勧告になりました。XML を基本とする技術は大きな広がりを見せています。 このような状況になると「エンジニア不足」が表面化し始めることになります。現在企業を はじめとしてよく利用されているリレーショナルデータベースが扱うデータとは違う属性を持 つデータを、XML ベースで管理する場合のエンジニアはまだまだ足りていません。一般書店を 見てみますと、XML データベースに関連する書籍はあまり多く見かけません。新出の専門書で あることもさながら、実際に XML データを操作して結果をホームページ上に表示するような 、 システム開発の具体的展開方法に関する参考書籍は皆無でした。 そこで、私たち「顧客ニースに的確に応える豊かな選択肢を持つ『気が利くデータベースエン ジニア』を育成するための XML データベース教育教材の開発委員会」では、平成 19 年8月末 から9月上旬にかけて、次の観点から企業、学校を対象とした実態調査を行いました。 ・ 本当にマーケットとして XMLXML データベース は利用が拡大しているのか。 ・ 開発技術者育成はどのようにおこなわれているのか。 これらの調査の結果、私たちは具体的な一連のシステム開発事例をもつテキストが必であ ると結しました。リファレンス的なマニュアルは市販されるとしても高等教育けに必 な教材をそろえなけれならないと認識したわけです。開発に際しましては、「XML及び 「データベース」に関する基を持った学を対象とする事を前提とし、 XQuery の操作 ができる教材を作成することとしました。いれの基も従来からの教育ノウハウにより 教育可能なものであるためです。 同時に、高等教育関で XML をはじめとする IT 教育の実態についても調査いたしました。 専門学校だけでなく、大学という高等教育関でも今開発した教材による技術習得可能と考えました。 開発しました教材に対しましては「説明会」「教員け実証授業」「学生向け実証授業」を し、実用可能なものであるかを検いたしました。

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Page 1: 平成19年度XMLDBプロジェクト調査報告unno.jpn.org/H19XML/0216_Report.doc · Web view教育する側の体制 OJT運用 セキュリティ コンプアイランス モチベーション

はじめに

■ XML の現状と本事業の目的

 近年「Web2.0」というキーワードが世の中にすっかり定着してきました。Web2.0 という

言葉自体にいろいろな意味が含まれていますが、ひとつには「エンドユーザによる情報発信」

というキーワードがあります。

従来の Web コンテンツを中心とするホームページでは、画一的に作られたページをエンド

ユーザが検索し、閲覧するだけのものでした。これらは、Web2.0 によって大きな変化を迎え

るのです。インターネットの仕掛けを知らない人でもブログのサイトを開設し、日記などの意

見書き込みが簡単にできます。

ところで、書き込んだデータ(日記などの内容)はどうなってしまうのでしょうか。その書

き込んだデータをはじめとし、今日インターネット上で流通しているニュース・天気予報など

ほとんどのデータは「XML 形式」で保存されているといわれています。XML の持つ最大のメ

リットが活かされているためです。利用者がまったく気が付かないうちにこのようになってし

まっていたことは驚きです。

平成 19 年 1 月には XML 形式で保存したデータをデータベース化して内容の問合せをおこな

う XQuer yという問合せ言語の仕様がまとまり、W3C(World Wide Web Consortium)か

ら勧告になりました。XML を基本とする技術は大きな広がりを見せています。

このような状況になると「エンジニア不足」が表面化し始めることになります。現在企業を

はじめとしてよく利用されているリレーショナルデータベースが扱うデータとは違う属性を持

つデータを、XML ベースで管理する場合のエンジニアはまだまだ足りていません。一般書店を

見てみますと、XML データベースに関連する書籍はあまり多く見かけません。新出の専門書で

あることもさながら、実際に XML データを操作して結果をホームページ上に表示するような 、

システム開発の具体的展開方法に関する参考書籍は皆無でした。

そこで、私たち「顧客ニースに的確に応える豊かな選択肢を持つ『気が利くデータベースエン

ジニア』を育成するための XML データベース教育教材の開発委員会」では、平成 19 年8月末

から9月上旬にかけて、次の観点から企業、学校を対象とした実態調査を行いました。

・ 本当にマーケットとして XML・XML データベース は利用が拡大しているのか。

・ 開発技術者育成はどのようにおこなわれているのか。

これらの調査の結果、私たちは具体的な一連のシステム開発事例をもつテキストが必要であ

ると結論しました。リファレンス的なマニュアルは市販されるとしても高等教育機関向けに必

要な教材をそろえなければならないと認識したわけです。開発に際しましては、「XML」及び

「データベース」に関する基礎知識を持った学生を対象とする事を前提とし、XQuery の操作

ができる教材を作成することとしました。いずれの基礎知識も従来からの教育ノウハウにより

教育可能なものであるためです。

同時に、高等教育機関で XML をはじめとする IT 教育の実態についても調査いたしました。

専門学校だけでなく、大学という高等教育機関でも今回開発した教材による技術習得が可能か

と考えました。

開発しました教材に対しましては「説明会」「教員向け実証授業」「学生向け実証授業」を

実施し、実用可能なものであるかを検証いたしました。

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本報告書では、上にあげました各種調査内容について報告するものであります。

平成 20 年 3 月

顧客ニースに的確に応える豊かな選択肢を持つ「気が利くデータベースエンジニア」を

育成するための XML データベース教育教材の開発委員会      

1

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調査1 XML・XML データベースに関する企業および専門学校の状況調査

1.調査の概要

(1)調査の目的

XML は、データの共有を意識した構造の、データ格納フォーマット言語である。データの長

さが可変長で扱えたり、同一項目を複数回格納できたりすることができるなど、従来型のデー

タベースマネジメントシステムでは実現できなかったデータの保存方法が可能となった。これ

らの技術は、Web システムで提供されるニュース・天気予報をはじめとする様々な分野で利用

されている。また、従来企業などが独自に構築してきたデータベースの共有が実現し、企業間

における連携が図られ、その応用範囲はますます広がっている。

しかしながら XMLプログラミングやデータベース問合せ言語である XQuery でのシステム

開発に関しては、現場での人材不足の状況が続いており、上流工程のプロダクトマネージャー

やシステム開発エンジニアが、作業を肩代わりしている状況が続いている。

そこで本事業では、XML のデータベース構造を理解するとともに、XQuery を利用したシス

テム開発をおこなえる技術を持った技術者を養成するための実践的な教材を開発し、専門学校

における XML データベースエンジニア育成教育の普及を図ることとした。

本調査は教材の開発に先立ち、専門学校におけるコンピュータ教育、プログラマー教育 、

XML 教育の状況、ならびに企業における XML 開発ニーズ、求められる XML 技術者像等を把握

し、社会ニーズに合致した XML データベースエンジニアを育成するための教育プログラムを開

発することを目的として実施したものである。

(2)調査時期

平成19年9月10日~9月21日

(3)調査対象

ソフトウェア開発、データベース開発等を行っている IT 関連企業

データベースエンジニア等を育成している IT系専門学校

調査1 「XML 利用・活用状況調査(企業調査)」

発送 1,097社回答 211社回答率 19.2 %

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調査2 「XML 教育に関する調査(IT系専門学校調査)」

発送 285 校

回答 61 校

回答率 21.4 %

(4)調査方法

調査対象企業の採用・教育担当者、および専門学校の教務担当者宛にアンケート用紙を郵送し、

ファクシミリによる回答を依頼した。

(5)その他

平成 14 年度および平成 16 年度文部科学省委託事業、専修学校 ITフロンティア教育推進事業

にて実施された XML をテーマとするアンケート調査と経年比較をするために、一部に同様の質

問項目を取り入れた質問票を作成した。

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2.調査の結果

調査1 「XML 利用・活用状況調査(企業調査)」

今回の調査対象企業は、プロジェクト参加専門学校の卒業生が就職・活躍している IT 関連企

業を中心に抽出し、調査を依頼した。

本調査の特徴は非常に回答率が高いことが挙げられる。調査内容により差があるものの一般

的な郵送調査では回収率が5%程度といわれているが、本調査においては 1,097社中 211社(19.2%)の回答が得られている。平成 16 年度調査は、回答率 14.1%(1,320社中 186社)

であり、それだけを以っても高い回答率であったが、今回の調査は更にそれを上回っている 。

XML 関連技術に対する関心・需要が高まっていることの顕れといえる。

今回の調査対象企業は、本プロジェクトに参加している専門学校出身者が就職している企業

を中心に調査票を送付した関係で、対象地域が北海道・東北,関東,中部,中国・四国に限定

されていることを申し添えておく。平成 16 年度調査では関東が 76.9%であったが、今回は他

地域の回答数が伸びたため 60.2%(211社中 127社)となった。

北海道・東北15.2%

関東60.2%

中部20.4%

中国・四国4.3%

●総括表紹介校 発送数 回答数 回答率

東北電子専門学校 141 31 22.0%日本電子専門学校 623 123 19.7%名古屋工学院専門学校 234 43 18.4%松山コンピュータ専門学校 99 14 14.1%

計 1,097 211 19.2%

●回答企業所在地分布地区 回答数 %

北海道・東北 32 15.2%(北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)関東 127 60.2%(埼玉、千葉、東京、神奈川)中部 43 20.4%(岐阜、静岡、愛知、三重)中国・四国 9 4.3%(広島、愛媛)

計 211 100.0%

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Q1.貴社にはプログラム開発等の IT エンジニアが何人くらいいらっしゃいますか。

回答のあった 211社の中で所属している IT系エンジニアは何人くらいいるのか、また、何

人くらいの企業が多いのかを把握するための質問である。「21~50 人」の 27%(57社)がも

っとも多いのは平成 16 年度の調査と変わらないが、「51~100 人」が 19.5%→17.5%、

「101~200 人」が 10.8%→17.5%となっている。アンケートの取り方による差異の可能性も

否定できないが、全体的な数値の変化を見ると1企業が抱える IT系エンジニアの数は増加して

いるものと考えることができる。

プログラム開発等の IT エンジニアの在籍者数

101)1~ 人11.4%

11 202) ~ 人14.2%

21 503) ~ 人27.0%

51 1004) ~ 人17.5%

101 2005) ~ 人17.5%

2006) 人以上12.3%

企業数 %101)1~ 人 24 11.4%

11 202) ~ 人 30 14.2%21 503) ~ 人 57 27.0%51 1004) ~ 人 37 17.5%101 2005) ~ 人 37 17.5%2006) 人以上 26 12.3%

計 211 100.0%

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Q2.貴社に対して、入出力に Internet Explorer などのブラウザを用いた Web システム開発の

依頼(引き合い)はありますか。

Web システム、つまりフロントエンドが「ホームページブラウザ」という形でのシステム開

発の引き合いが来ているかどうかを問う質問である。Q6のデータベースと比較すると、フロ

ントエンドというものに対する引き合いが無いという企業が 15.2%(32社)とやや多い。

Q1の「IT エンジニア数」でクロス集計すると、エンジニア 100 人以上の規模の企業とそれ以

上の企業とでは有意差が認められる。企業の規模により引き合いの有無が顕著に表れた結果と

なった。Web サービスシステムとデータベース機能(SQL など)を連動させるためには、プ

ログラムからのデータベース呼び出しや PHP などの簡易言語を利用したシステム開発技術が必

要となる。この技術力の有無とエンジニア規模が関わっているものと考えられる。

平成 16 年度調査では、「ある」が 86.6%(161 社)であったのに対し、今回調査では

84.4%(178社)と僅かに減少している。誤差の範囲と考えることもできるが、地域差・企業

の系列(グループ)化の動きも勘案しなければならない問題である。

入出力に Internet Explorer などのブラウザを用いた Web システム開発の依頼(引き合い)の状

企業数 %1)ある 178 84.4%2)ない 32 15.2%不明・未回答 1 0.5%

計 211 100.0%

1)ある84.4%

2)ない15.2%

不明・未回答0.5%

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Q3.Q2.で「1)ある」とお答えの方に質問します。そのような依頼があった場合、注文

に応じて見積もり提出など受注活動を行っていますか。

Web サービスシステム開発への引き合いについて、実際に受注活動をしているかどうかを問

う質問である。「引き合いがあればやっている」という企業がほとんどであり、「断ってい

る」と答えたのは 3.9%(7社)である。平成 16 年度調査でも、断っていると答えた企業は

3.1%であり、ほとんど同比率と考えられる。

Web サービスシステム開発への引き合いに対する受注活動

1)行っている92.7%

2)断っている3.9%

不明・未回答3.4%

企業数 %1)行っている 165 92.7%2)断っている 7 3.9%不明・未回答 6 3.4%

計 178 100.0%

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Q4.Q3.で「2)断っている」とお答えの方に質問します。なぜ断っているのか、お教え

ください。

Web サービスシステム開発を、なぜ“断っている”のかという質問である。やはり「技術者が

不足している」という内容が主となっている。また、「自社の業務範囲ではない」とする回答

もあった。

断っている理由:

・当社は運用が主なため。案件により親会社に渡している。

・技術者不足。

・見積もりができる Web 技術者がいないため

・現在体制ができる人員が不足しているため。常駐で業務を実施しているため、受注での営業

活動をしていないため。

・人材不足。

・請け負う余裕がないため。

・体制が要員不足のためできない。

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Q5.Q3.で「1)行っている」とお答えの方に質問します。最近3年間で受注したシステ

ム開発の内容で、Web サービスが増えていると感じますか。

Web サービスシステム開発について、実際に「受注活動を行っている」企業に対し、最近の

傾向として受注が増加傾向にあるかどうかを問う質問である。

「そう思う(増加している)」が 86.5%(154社)と、9割近くの会社がここ 3 年間で

Web サービスシステムの受注が増えていると答えている。

平成 16 年度調査でも「そう思う(増加している)」が 83.3%であり、それに加えてさらに

増加していると企業サイドでは感じている。

最近3年間で受注したシステム開発の内容で、Web サービスが増えていると感じるか

企業数 %1)そう思う 154 86.5%2)そんなことはない 17 9.6%3)わからない 1 0.6%不明・未回答 6 3.4%

計 178 100.0%

1)そう思う86.5%

不明・未回答3.4%

3)わからない0.6%

2)そんなことはない9.6%

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Q6.貴社に対して、以下のようなものをベースとしたデータベース構築、Web システムの開

発の依頼(引き合い)はありますか。

各種データベースの構築と、それに関わる Web サービスシステムの開発の依頼(引き合い)

があるかどうかを問う質問である。やはり、SQL データベースの開発が圧倒的に多く、マイク

ロソフト社の.NET の利用も進んでいることがわかる。それらに比べると XML 関連でのシステ

ム開発を請け負う企業数は少ない。

最初に企業規模によって依頼(引き合い)の状況に変化が現れている。エンジニア数が 10 人

以下の企業では、XML データベースの引き合いが無いと答えたところが 50%を超えている。

その反面、エンジニア数が 200 人を超える企業は 69.2%(18社)であり 101~200 人の企業

73.0%(27社)より減少する。11 人以上の企業では一定の割合での増加直線が読み取れるが、

101~200 人規模の企業では特に引き合い数が多い。今回の調査ではこの規模の企業の中に特

に XML 関係の技術を積極的に取り入れていく企業が多いということが現れている。

同様に SQL による引き合いの場合、最も比率が高いのが 51~100 人の企業であった。5%の

差ではあるが気になる点である。

200 人超のエンジニアを抱える企業が、データベースシステムなど以外に、従来型の開発業

務や個別案件のシステム(プログラム)開発が多くなっていることが推測される。

平成 16 年度調査でも 11~20 人程度のところは 50.0%と半々であり、小規模のソフト会社

は XML に対応できていないか、取り組みに消極的という可能性が引き続き読み取れる。

1)SQL等のRDB1~10人 11~20人 21~50人 51~

100人101~200人 200人以上 企業数計

1)ある 15 26 52 36 34 24 18762.5% 86.7% 91.2% 97.3% 91.9% 92.3% 88.6%

2)ない 8 3 5 1 2 2 2133.3% 10.0% 8.8% 2.7% 5.4% 7.7% 10.0%

不明・未回答 1 1 0 0 1 0 34.2% 3.3% 0.0% 0.0% 2.7% 0.0% 1.4%

計 24 30 57 37 37 26 211100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0%

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

101~

1120~

2150~

51 10

0~

101 20

0~

200人以

(%)1)ある2)ない不明・未回答

10

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2)XML等を使ったシステム開発

1~10人 11~20人 21~50人 51~100人

101~200人 200人以上 企業数計

1)ある 10 16 31 21 27 18 12341.7% 53.3% 54.4% 56.8% 73.0% 69.2% 58.3%

2)ない 12 11 21 15 8 6 7350.0% 36.7% 36.8% 40.5% 21.6% 23.1% 34.6%

不明・未回答 2 3 5 1 2 2 158.3% 10.0% 8.8% 2.7% 5.4% 7.7% 7.1%

計 24 30 57 37 37 26 211100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0%

3)XMLDB1~10人 11~20人 21~50人 51~

100人101~200人 200人以上 企業数計

1)ある 9 13 25 18 16 11 9237.5% 43.3% 43.9% 48.6% 43.2% 42.3% 43.6%

2)ない 13 13 30 18 18 13 10554.2% 43.3% 52.6% 48.6% 48.6% 50.0% 49.8%

不明・未回答 2 4 2 1 3 2 148.3% 13.3% 3.5% 2.7% 8.1% 7.7% 6.6%

計 24 30 57 37 37 26 211100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0%

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

101~

1120~

2150~

51 10

0~

101 20

0~

200人以

(%)1)ある2)ない不明・未回答

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

101~

1120~

2150~

51 10

0~

101 20

0~

200人以

(%)1)ある2)ない不明・未回答

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4).NET1~10人 11~20人 21~50人 51~

100人101~200人 200人以上 企業数計

1)ある 13 24 49 31 33 23 17354.2% 80.0% 86.0% 83.8% 89.2% 88.5% 82.0%

2)ない 8 5 5 3 2 2 2533.3% 16.7% 8.8% 8.1% 5.4% 7.7% 11.8%

不明・未回答 3 1 3 3 2 1 1312.5% 3.3% 5.3% 8.1% 5.4% 3.8% 6.2%

計 24 30 57 37 37 26 211100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0%

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

101~

1120~

2150~

51 10

0~

101 20

0~

200人以

(%)1)ある2)ない不明・未回答

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Q7.Q6.で「1)ある」とお答えの方に質問します。そのような依頼があった場合、注文

に応じて見積もり提出など受注活動を行っていますか。

データベース開発の引き合いについて、実際に受注活動をしているかどうかを問う質問であ

る。Web サービスシステム開発と同様、「引き合いがあればやっている」という企業が全般的

に多い。SQL 95.7%  .NET 93.6%  XML システム 93.5% と高比率となっている。し

かし、XML データベースは 80.4%と有意に低くなっている。受注活動を断る理由として「要員

不足」という意見があるが、XML 関連では「実績」「技術的信頼度」を挙げる企業があった。

特に XML データベースは平成 19 年 1 月に W3C より最終勧告された技術であり、まだまだ様

子見中の企業があると思われる。

断っている理由:

・受注でできる体制が整備できていないため

・親会社へ渡す。

・体制が整備できていない

・対応できる技術者がいない

・提案できる要員がいないため

1)行っている95.7%

2)断っている3.7%

不明・未回答0.5%

1)SQL等のRDB企業数 %

1)行っている 179 95.7%2)断っている 7 3.7%不明・未回答 1 0.5%

計 187 100.0%

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断っている理由:

・スキル不足

・まだ XML の依頼が過去にないため

・引き合いがあれば行います

・関連のグループ会社を紹介して対応している

・技術者が少ないため、フォロー不可

・見積もり依頼は断らないが、信用、信頼度から SLA評価低。よって提案していない。今後の

動向注視するのみ

・受注できる体制が整備できていないため

・体制が整備できていない

・対応できるエンジニアがいない

・対応できる技術者がいない

2)XML等を使ったシステム開発企業数 %

1)行っている 115 93.5%2)断っている 4 3.3%不明・未回答 4 3.3%

計 123 100.0%

1)行っている93.5%

2)断っている3.3%

不明・未回答3.3%

14

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断っている理由:

・XML データベースのパフォーマンスにおいて満足のいく結果が得られなかった経験があるた

め。

・オーダーがない

・まだ XML の依頼が過去にないため

・引き合いがあれば行います

・技術者が少ないため、フォロー不可

・技術者不足

・技術者不足。協力会社に委託

・見積もり依頼は断らないが、信用、信頼度から SLA評価低。よって提案していない。今後の

動向注視するのみ

・受注できる体制が整備できていないため

・親会社へ渡す

・人材がない

・体制が整備できていない

・対応できるエンジニアがいない

・提案できる要員がいないため

3)XMLDB企業数 %

1)行っている 74 80.4%2)断っている 9 9.8%不明・未回答 9 9.8%

計 92 100.0%

1)行っている80.4%

2)断っている9.8%

不明・未回答9.8%

15

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断っている理由:

・JAVA を中心とした開発に力を入れているため。

・.NET の技術不足と、.NET での開発リスク

・技術者がいないため

・技術者不足

・現在、商社の販売管理システムを直請中

・受注できる体制が整備できていないため

・体制が整備できていない

・対象技術者不足

・提案できる要員がいないため

4).NET企業数 %

1)行っている 162 93.6%2)断っている 8 4.6%不明・未回答 3 1.7%

計 173 100.0%

1)行っている93.6%

2)断っている4.6%

不明・未回答1.7%

16

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Q8.Q7.で「1)行っている」とお答えの方に質問します。最近3年間で受注するシステ

ム開発の内容で、Web サービスが増えていると感じますか。

それぞれの形態のシステムの開発数がこの3年で増えているかどうか直感的に問う問題であ

る。.NET が比率では最も多く3:1で増加している。SQL と XML システムはほぼ6:4の比

率である。それぞれに増加している傾向が見られる。しかし XML データベースでは「増えた」

と思うのは 50%であり半数であった。

1)SQL等のRDB企業数 %

1)そう思う 104 58.1%2)そんなことはない 60 33.5%3)わからない 13 7.3%不明・未回答 2 1.1%

計 179 100.0%

1)そう思う58.1%

2)そんなことはない33.5%

3)わからない7.3%

不明・未回答1.1%

2)XML等を使ったシステム開発企業数 %

1)そう思う 72 62.6%2)そんなことはない 40 34.8%3)わからない 3 2.6%不明・未回答 0 0.0%

計 115 100.0%

1)そう思う62.6%

2)そんなことはない34.8%

3)わからない2.6%

不明・未回答0.0%

17

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3)XMLDB企業数 %

1)そう思う 37 50.0%2)そんなことはない 30 40.5%3)わからない 6 8.1%不明・未回答 1 1.4%

計 74 100.0%

1)そう思う50.0%

2)そんなことはない40.5%

3)わからない8.1%

不明・未回答1.4%

4).NET企業数 %

1)そう思う 119 73.5%2)そんなことはない 36 22.2%3)わからない 6 3.7%不明・未回答 1 0.6%

計 162 100.0%

1)そう思う73.5%

2)そんなことはない22.2%

3)わからない3.7%

不明・未回答0.6%

18

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104

72

37

119

60

40

30

36

13

3

6

6

2

1

1

0 50 100 150

1)SQL等のRDB

2)XML等を使った システム開発

3)XMLDB

4).NET

1)そう思う2)そんなことはない3)わからない不明・未回答

19

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Q9.Q7.で「1)行っている」とお答えの方に質問します。貴社では、XML を利用した

Web システムを開発することができるエンジニアは何人位いますか。延べ人数(複数区

分に対応できる方はそれぞれにカウント)でお答えください。

それぞれの形態のシステムを開発することができるエンジニアを1企業あたり何人抱えるか

を問う設問である。

SQL は 11~20 人と 21~50 人規模の企業が4割超で最も多い。

XML システムおよび XML データベースは 1~5 人規模の企業が3割超で顕著に多い。

.NET は 10 人以下が6割近くを占めている。

SQL データベースがトップであり、.NET がそれに続いている。XML 関連技術はそれらに比べ

るとまだまだ少ない。しかし、XML システム関連のエンジニア数 11 人以上の企業は平成 16年調査では 30.6%であったのに対し、今回調査では 55.7%に目を見張るほどの伸びを見せて

いる。

11.7% 17.9% 21.8% 22.3% 13.4%

32.2%

36.5%

29.0%

12.2%

23.0%

29.0%

20.9%

14.9%

14.8%

19.1%

14.9%

16.7%

7.0%

2.7%

3.1%

8.4%

2.6%

2.5%

4.5%

6.1%

8.1%

4.9%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

SQL RDB1) 等の

XML2) 等を使った システム開発

XMLDB3)

NET4).

101人以上 不明・未回答1 5~ 人 6 10~ 人 11 20~ 人 21 50~ 人 51 100~ 人

20

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1)SQL等のRDB人数 企業数 %1~5 21 11.7%6~10 32 17.9%11~20 39 21.8%21~50 40 22.3%51~100 24 13.4%101以上 15 8.4%

不明・未回答 8 4.5%計 179 100.0%

2)XML等を使ったシステム開発人数 企業数 %1~5 37 32.2%6~10 14 12.2%11~20 24 20.9%21~50 22 19.1%51~100 8 7.0%101以上 3 2.6%

不明・未回答 7 6.1%計 115 100.0%

3)XMLDB人数 企業数 %1~5 27 36.5%6~10 17 23.0%11~20 11 14.9%21~50 11 14.9%51~100 2 2.7%101以上 0 0.0%

不明・未回答 6 8.1%計 74 100.0%

4).NET人数 企業数 %1~5 47 29.0%6~10 47 29.0%11~20 24 14.8%21~50 27 16.7%51~100 5 3.1%101以上 4 2.5%

不明・未回答 8 4.9%計 162 100.0%

21

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Q10.今後、XML/XML データベースを利用した Web システムを開発することができるエン

ジニアを新規採用(増員)する計画はありますか。

引き合いの増えてきた XML 利用の Web サービスシステムを開発することができる技術者を、

今後増員する予定があるかどうかを問う質問である。「未定」「不明・未回答」が半数近くあ

るこの設問は、本アンケートの中では特異な設問であった。明確な意思表示をした企業の8割

強は採用に積極的である。しかし、その採用意欲をグラフにすると「 11~20 人」と「101~200 人」にピークが2つできる。未定社を加えると結果が大きく変動するが、気になる結果で

ある。

今後、XML/XML データベースを利用した Web システムを開発することができるエンジニア

を新規採用(増員)する計画はありますか。

エンジニア人数別企業数 1~10人 11~20人 21~50人 51~100人

101~200人 200人以上 企業数計

1)ある 11 16 20 12 19 8 8645.8% 53.3% 35.1% 32.4% 51.4% 30.8% 40.8%

2)ない 2 1 4 7 5 1 208.3% 3.3% 7.0% 18.9% 13.5% 3.8% 9.5%

3)未定 7 9 27 15 8 12 7829.2% 30.0% 47.4% 40.5% 21.6% 46.2% 37.0%

不明・未回答 4 4 6 3 5 5 2716.7% 13.3% 10.5% 8.1% 13.5% 19.2% 12.8%

計 24 30 57 37 37 26 211100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

101~

1120~

2150~

51 10

0~

101 20

0~

200人以

(%)

1)増員予定あり2)増員予定なし3)未定不明・未回答

22

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Q11.XML などの新技術によるシステムの構築依頼があった場合、エンジニアに対する教育

はどのように行っていますか。当てはまるもの全てに○を付けてください(複数回答)。

新技術に対する技術者の教育方法を問う質問である。最も多いのは「市販の書籍で学習す

る」で、70.1%(211 社中 148 社)となっている。次が「社内の研究会・講習会などで学習す

る」で約4割の 41.2%(87 社)となっており、ほとんどの企業が自前で教育している形とな

っている。

ここまでは平成 16 年度調査と同傾向であるが、今回調査では異なる傾向が現れた。「社外の

組織や企業との共同プロジェクトなどの場を活用する」が前回の 9.1%から 40.3%に飛躍した。

また、「IT研修事業者によるXML関連のトレーニングを受講する」「eラーニングや通信

教育で学習する」が 5%強ではあるが増加している。その反面「社内の研究会・講習会などで

学習する」が 7.7%減少している。景気回復の影響もあってか、社外での技術習得を進める結果

となったと考えられる。ただし、従来型のセミナー参加ではなく、比較的経費のかからない社

外プロジェクト参画などを積極的に進めている。また、eラーニングの導入が進んでいること

は注目すべき点である。

新技術によるシステムの構築依頼があった場合、エンジニアに対する教育はどのように行っていますか。

(%の母数は回答企業数=211)企業数 %

1)IT研修事業者によるXML関連のトレーニングを受講する 86 40.8%2)協議会などが主催するXML関連のトレーニングを受講する 29 13.7%3)eラーニングや通信教育で学習する 55 26.1%4)市販の書籍で学習する 148 70.1%5)社内の研究会・講習会などで学習する 87 41.2%6)セミナー・講演会などに参加し情報収集する 81 38.4%7)XMLマスターを取得する 29 13.7%8)社外の組織や企業との共同プロジェクトなどの場を活用する 85 40.3%9)その他 15 7.1%

総数 615 -

15

29

29

55

81

85

86

87

148

0 20 40 60 80 100 120 140 160

9)その他

2)協議会などが主催する XML関連のトレーニングを受講する

7)XMLマスターを取得する

3)eラーニングや通信教育で学習する

6)セミナー・講演会などに 参加し情報収集する

8)社外の組織や企業との 共同プロジェクトなどの場を活用する

1)IT研修事業者による XML 関連のトレーニングを受講する

5)社内の研究会・講習会などで学習する

4)市販の書籍で学習する

23

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エンジニア教育 その他の方法:

・OJT・OJT(知識・経験のある人が指導)

・OJT にて修得

・web等で情報を取得する

・インターネットを活用

・ネットからの情報収集。他社の知識者からのアドバイス

・プロジェクト内で経験者おり実務指導

・具合的なものは実施していない

・現在の担当者は現場にて OJT で学習している

・現状は外注

・構築依頼は想定しておりません。

・特に検討していない

「その他」として記載があったものは、表現の違いはあるもののほとんどが「OJT」であった。

基礎知識を書籍で学んだり社外のプロジェクトなどに参加して学び、更に OJT で力を付けてい

くというのが、現状の企業内エンジニア教育の実態ではないかと思われる

一連の回答をまとめると、

「XML をめぐる企業をはじめとするエンジニアの対応は、今後利用が盛んになり、業務量が増

加することが予想される。XML システムの利用に加え、XML データベースの利用も増加すると

予想される。今は実績が少ない XML データベースではあるが技術的動向を常に捉え、顧客のニ

ーズにすぐに対応できる体制を作っておくことが必要である。」

ということが浮かび上がってくる。

25

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Q12.貴社で XML マスター(ベーシック、プロフェッショナルとも)の資格取得者は何人い

ますか。

XML 技術者の資格認定制度、XML マスターの取得状況について問う質問である。今回の調査

では、211社中一人もいないという企業が 81%(171社)と、意外に取得している人が少ない。

複数人取得の企業の分布も含め平成 16 年度調査と大きく変わっていない。XML マスター取

得者は増加傾向にあるとのことであるが、大企業に集中しているのではないかと思われ、まだ

これから広まる余地がある資格なのではないかということが読み取れる結果となった。

XML マスター(ベーシック、プロフェッショナルとも)の資格取得者は何人いますか。

人数 企業数 %0 171 81.0%1~5 31 14.7%6~10 3 1.4%11~20 5 2.4%21以上 1 0.5%

計 211 100.0%

0人81.0%

1~5人14.7%

11~20人2.4%

6~10人1.4%

21人以上0.5%

26

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Q13.XML マスター;ベーシック試験の上位資格である「XML マスタープロフェッショナル

(データベース)試験」が平成19年12月から開始されることをご存知でしたか?

XML データベースに関する資格試験が平成 19 年 12 月からスタートすることを知っている

かどうかの調査である。資格試験が発表されて間もない時期のアンケートであり、ホットな話

題であると考え、企業の最新技術動向に対する関心がどのあたりの細かさまで及んでいるかと

いう観点で調査した。

「XML マスタープロフェッショナル(データベース)試験」が平成19年12月から開始され

ることをご存知でしたか?

企業数 %1)知っている 44 20.9%2)知らなかった 156 73.9%不明・未回答 11 5.2%

計 211 100.0%

1)知っている20.9%

2)知らなかった73.9%

不明・未回答5.2%

27

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Q14.貴社で取得を推奨している IT 関連の資格は何ですか。

 企業で取得が推奨されている IT 関連資格について問う質問である。第1位は「基本情報技術

者試験」で、82.0%(211社中 173社)となっている。第2位は「オラクルマスター」で

74.4%(157社)が推奨していると答えている。傾向として経済産業省関係の資格が上位を占

めている。

取得を推奨している IT 関連の資格(複数回答の延べ数)

173

157

154

135

130

122

122

120

120

119

118

118

107

100

98

82

76

71

59

50

49

45

39

27

21

19

16

13

10

10

9

8

7

6

5

4

3

3

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200

基本情報技術者試験

オラクルマスター(オラクル認定技術者制度)

ソフトウェア開発技術者試験

テクニカルエンジニア(データベース)試験

テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験

アプリケーションエンジニア試験

システム監査技術者試験

テクニカルエンジニア(システム管理)試験

プロジェクトマネージャ試験

情報セキュリティアドミニストレータ試験

上級システムアドミニストレータ試験

テクニカルエンジニア(セキュリティ)試験

初級システムアドミニストレータ試験

テクニカルエンジニア(エンベデッドシステム)試験

MCP(マイクロソフト認定技術資格)

シスコ技術者認定

Sun Certified Programmer for the J ava Platform

Sun Certified Developer for the J ava Platform

LPI Linux認定試験

UMLモデリング技能認定試験

MCA(マイクロソフト認定アソシエイト)

XML XML技術者認定制度「 マスター」

Sun Certification Solaris

Red Hat RHCE認定エンジニア( )

MOT(マイクロソフトオフィシャルトレーナー)

NTT .com Masterコミュニケーションズインターネット検定

Microsoft Office Specialist(マイクロソフトオフィススペシャリスト)

Visual Basicプログラミング技術者能力認定試験

Webマスター認定試験

その他

特に推奨している資格はない

CAPP認定制度

CAD利用技術者試験

Webクリエイター能力認定試験

CSSシマンテックスペシャリスト認定試験制度( )

マルチメディア検定

CG検定

インターネット実務検定試験 28

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Q15.Q14の資格で、特に重要とお考えの資格を上位から順に5つご記入ください。

Q14で聞いた IT 関連資格のうち、特に重要と考える資格について問う質問である。

1位~5位の順序に対し、1位=5ポイント~5位=1ポイントの重みを付けて集計したの

が下図である。

上位3つの基本情報・ソフトウェア開発・オラクルマスターがAグループ、続いてプロジェ

クトマネージャ、マイクロソフト認定技術資格・シスコ技術者認定・アプリケーションエンジ

ニア試験という 100 ポイント超のあたりがBグループと考えられる。更にこの直後にテクニカ

ルエンジニア(ネットワーク/データベース)試験が続く。この2資格は平成 16 年度調査で

は 100ポイント以上獲得し、Bグループであったが、今回調査ではシスコ技術者認定・アプリ

ケーションエンジニア試験と入れ替わった。また、マイクロソフト関連資格は、前回調査では

あまり注目されなかったが、試験制度の改訂後の今回はBグループとして評価されている。

これらの資格が、企業が特に力を入れて重要と考えている資格ではないかと思われる。

29

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Q15 特に重要と考える資格5P 4P 3P 2P 1P (1位= 、2位= 、3位= 、4位= 、5位= の合計ポイント)

434

336

275

164

114

111

110

85

80

79

76

59

47

43

39

39

38

37

35

30

28

20

20

14

10

9

9

6

6

5

4

3

1

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500

基本情報技術者試験

ソフトウェア開発技術者試験

オラクルマスター(オラクル認定技術者制度)

プロジェクトマネージャ試験

MCP(マイクロソフト認定技術資格)

シスコ技術者認定

アプリケーションエンジニア試験

Sun Certified Programmer for the J ava Platform

テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験

テクニカルエンジニア(データベース)試験

Sun Certified Developer for the J ava Platform

LPI Linux認定試験

テクニカルエンジニア(エンベデッドシステム)試験

上級システムアドミニストレータ試験

情報セキュリティアドミニストレータ試験

システム監査技術者試験

テクニカルエンジニア(セキュリティ)試験

初級システムアドミニストレータ試験

その他

テクニカルエンジニア(システム管理)試験

Sun Certification Solaris

MCA(マイクロソフト認定アソシエイト)

XML XML技術者認定制度「 マスター」

UMLモデリング技能認定試験

MOT(マイクロソフトオフィシャルトレーナー)

Webマスター認定試験

NTT .com Masterコミュニケーションズインターネット検定

Microsoft Office Specialist(マイクロソフトオフィススペシャリスト)

Visual Basicプログラミング技術者能力認定試験

CSSシマンテックスペシャリスト認定試験制度( )

Red Hat RHCE認定エンジニア( )

CAD利用技術者試験

CAPP認定制度

30

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Q16.エンジニアに対する教育でお悩みの点はどのようなことですか(自由記述)。

企業はエンジニアに対する教育で「何に困っているのか」を明らかにするための質問である。

平成 16 年度にも同項目での調査を実施し、企業の肉声が伝わる質問である。

最も多く目についたのが、コミュニケーション能力やヒューマンスキルが低いというもので、

個々の持つ能力、エンジニアとしての能力の低さという指摘もあった。

新しい技術を身につける際の問題点としては、通常の業務が多忙で、教育にかけられる時間

が無いこと、カリキュラムが合わないこと、そして、民間の研修センターは費用が高い、とい

う意見が目立った。

個々のエンジニアの基本的な能力に起因するとも考えられるが、高度なレベルのスキルが身

に付かない、という意見も多い。IT 関連分野は技術の変動が激しく、ついていくだけでも非常

に大変であるというところが現れているようでもある。

主なキーワードは次の通りである。

基礎力不足

  ヒューマンスキル

  コミュニケーション能力

新技術

  サイクル・開発環境

  個人のキャリアとの対応

  技術の広がり

教育

  時間

  費用

  教育する側の体制

  OJT運用

  セキュリティ

コンプアイランス

モチベーション

実務と資格のギャップ

31

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1人に対し、多様な能力が要求されることが多く、1人ひとりを専門化させていくことが

難しい。1人ひとりの稼働を上げないとビジネスには成りえないが、仕事は選べなくなる。

20代の若い技術者への教育はできるが、各種経験のある 30代後半以降の技術者への教育

が難しい。

3つの事業所に分かれており、教育に偏りがある。JAVA、C#要員が少ない。

IT 技術の進化が速いので、どの技術を教育すれば良いのか判断が難しくなっている。

OJT で実施したいが、開発に余裕がなく、個別に適切な教育ができないこと。

SDK の選択。

Web/Java を中核とした新しいアーキテクチャがどんどん発表されているが、定番といえ

るものはいまだに存在しない。個別技術の習得ではなく、初めて触れる技術に柔軟に対応

していける基礎力が必要になっているが、基礎力を上げるカリキュラムというものが存在

しない。

Web系開発への技術者のスキルアップ。

アルゴリズムの基礎力が不足。

テスト、スキル力が不足。

会話能力が不足。

自発的な活動性が不足。

ある程度の基礎となる技術や経験を積み上げた状態から、仕事の受注状況より、新しい技

術や手法を学ばなければなりません。こうした状況の中においては、社内外の教育でカバ

ーできる部分もありますが、現実的には会社の一員としての長い時間を教育に費やすこと

もできないので、最終的にはエンジニアの探究心や学ぶ意欲をどうやって促進させていく

かが難しいと感じています。

お客様に出向いての仕事が多いため、社内教育を受けさせにくい。

コミュニケーションスキル向上のカリキュラムを取り入れてほしい。プロジェクトチーム

内のコミュニケーション、客先とのコミュニケーションが一番大切です。

スキルアッププログラムと研修のタイミング

なかなか自発的に新技術に対する取り組みができないこと。

ヒューマンスキル UP(特にコニュニケーション)の教育で中々成果が出ない。

ヒューマンスキル教育。 技術は実践で覚えていけるが、ヒューマンスキルは持って生まれ

たもの。教育が難しい。

ヒューマンスキル教育の必要性を感じている。具体的な対策を模索しています。

技術力が海外(中国など)に流れていることを懸念している。

プログラミング系資格は、あまり重要視されない(業界)。

プロジェクトマネージャを育成するにはどの様な教育を施したら良いか?

プロジェクト開始前に教育を行いたいが、時間の確保が難しい。

短期間のプロジェクトでは、OJT を十分に行えない。

OJT を行えるメンバーが育たない(育てる方法に悩んでいる)。

32

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学習したい内容にマッチした研修がない。

ヒューマンスキル(コミュニケーション、ネゴシエーション、リーダーシップ、文章能力

など)向上のための教育法に悩んでいる。

プロジェクト管理(特にリスク管理)について、標準的な手法のみでは対応(解決)でき

ない悩みがあります。

ベースとなる基礎知識、技術+実務経験=仕事ができる。

納期(開発スケジュール)が短くなる現実では、いかに実務を経験させるかが悩みになり

ます。

まとまった教育の時間が取りづらい。

まとまった時間が取れない。

費用の問題。

今後の技術動向がわかりにくい。

ユーザー及びプロジェクト内部におけるコミュニケーション能力。

日進月歩で変わっていく最新技術の取得。

職業人としての意識の甘さ。

試験工程における詰めの甘さ。

リーダー育成。

ロジカルな考え方が不徹底のため、言語教育の前の段階に時間を取られる(特に専門学校

卒業生の場合)。

育成とプロジェクトに対する効率的推進をいかに両立させるか。

指導者の育成。

会社として社員(技術者)に身に付けさせたい技術と、本人が身に付けたいとする技術の

指向性が合致しない場合がある(オープン系技術への志向者が多く、当社主力業務でもあ

る金融系・官公庁系における主体技術である汎用系スキル習得を望む者が減少しつつあ

る)。

会社側として教育の成果は、単に、「資格」が公的に認定されているということに止まら

ず、実際の仕事の上で役に立つものあることを求めています。その為には教育を受けた内

容を、実際の仕事の上で活用できる機会を用意することが必要となりますが、現実問題と

してタイムリーに求める仕事が発生することは稀です。

開発環境の変化が早く、対応するのに苦慮している。新技術をマスターさせても次から次

へと新技術が登場し、対応が遅れると失注に繋がってしまう。

開発業務の詳細な業務知識とアルゴリズム。

開発現場に入ると日々の業務に追われ、教育への時間捻出が困難になることが最大の悩み

です。

開発知識よりも、現場での業務知識を重要と考えている。

技術は入社後でも習得可能。

各種認定資格が対外的(営業的)に必要だと認識していますが、各個人にその認識を植え

付けることが非常に困難であると感じています。

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学習時間、各種受験の時間の提供が不十分。

資格にリンクして適切な業務内容やスキル評価を行うこと。

基本的に自己啓発に頼っているが、意欲が二極化している。意欲の低い技術者のモチベー

ションアップが悩みです。

技術スキル以外でのヒューマンスキル、コミュニケーションスキルのアップ方法。

技術の進歩が早く、次から次に新しい技術の習得をしなくてはいけないため、技術者によ

ってはついていけない者が出てくる。

技術の進歩にともない、情報修得が多岐に渡る為、深い技術習得に時間と費用がかかる。

技術教育より、セキュリティ関係、コンプライアンス遵守教育が大変。

技術的には各々レベルの格差があるため、個別の技術研修を実施したいが、それでは予算

がかかってしまう。研修を実施してもすぐに現場で必要としない場合、忘れてしまうケー

スがある。

技術要素が多様化する中で、各々の技術に対応する教育担当者を配置することが困難で、

社内教育に限界を感じている。また、社外教育活用も行っているものの、多くの技術習得

には費用の問題がある。

客先により要求される技術が異なり、最新技術のみを習得すれば良いというわけにはいか

ないこと。

客先常駐のため外部編集に参加させられない。

ヒューマンスキル、コミュニケーションスキルについて外部研修などで向上させたいが、

研修で結果が出るような研修があるか分らない。不安である。

教えることが出来る人材の確保。

教育に係わるコスト及び、その効果。

→教育を受ける側の意識も重要であるが、無駄にならない効果的な教育方法と実施に向け

た投資目安の検討(まだ資格を取れればよいが、「ただ教育を受けた」だけでは意味がな

い)。

教育に時間、費用を十分にかけることが出来ない。

教育に費用と時間がかけられない点で悩んでいます。ただし、精神面の教育も同時にやっ

ていく必要があると感じているため、OJT で実施しながら不備な点を修正し、教育してい

く予定です。

教育に要する時間。

教育及びその準備に対する時間と工数(人手と費用)の不足。

教育事業者の値段が高く、教育に関する費用が増大している。

エンジニアは多忙であり、技術習得の時間が取れない。

教育費。教育期間中収入が無くなること。

教育費用の負担。

業務が多忙のため教育をする時間がない点。弊社は Oracle を DB にして、XML、JAVA で

のパッケージソフトを開発しております。パッケージはすべて Web 対応になりますので、

XML 技術をお持ちの学生様が育つのは非常に有り難く思います。

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業務と教本のギャップ、品質確保に向けての手法。

業務多忙を理由に自己啓発に取り組んでいないケースが多い。

業務知識の習得

継続的教育と評価。

現状に満足し、3年、5年先の自分の姿を考えている技術者が少ないこと。

言われた事に対して分からないことを「わからない」、理解できないことを「理解できな

い」と言えない。嘘をつく。

個人差のあるケースが多いので、その人に合った教育をどう進めるかが悩みの点です。あ

と、教育コストも悩みとなります。

顧客によってばらつきがある言語、DB を細分化した教育体系がなかなか実現できない。

向き不向きの個人差が大きい。

向上心が低いエンジニアが増えた。

最近ネットワーク関係の仕事が増えてきたが、様々な知識が要求される。詳細な分野のみ

ならず、トータル的な運用管理者の育成が大事であるように思う。

仕事に慣れてくると向上心が薄くなる。

使える技術者(理論の裏付けを持った手の動く技術者)の育成が必要で、2007 年問題以降

そのような技術者を育てられる技術者がめっきり少なくなっている。このことは、技術の

空洞化につながっており、早急に実践的な技術者を育てるスキームを確立するにはどうし

たらよいかが課題である。

こう言っている間にも新しい技の取得を迫られており、スピード感を伴った解決策が必要

であり、ついていっていない。

試験の内容と実務の内容に差がある。

資格と実践がアンマッチングであるのが多い。要するに各種業務ノウハウも必要である事。

資格取得にかかる費用が高く、個人の負担が重いこと。

個人の志向と会社の方針を一致させる必要があること。

業務と関連付けて資格を取得できるように、調整を行う必要があること。

資格取得のための学習となってしまい、実務に活かされないことが多い点が懸念されます。

時間がない。

受講者に片寄が出てしまう(一定の人に集中してしまう)。

費用対効果。

実際に行っている仕事と技術のギャップ。

実践にどの程度反映されるかわからない点。

やっと育ったとしても転職してしまうなど。

実務に直結した教育体制の確立。

本人のやる気をいかに引き出すか(そもそも会社主導ではダメ)。

実務遂行が優先して、実践的な実務教育ができないこと。

実用的な研修があまりないので、基本的に社内教育ですませている。

社内での教育と現場での業務で必要となる知識とのギャップを埋めること。

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若年層に対する既存技術や経験ノウハウの伝達。

新技術の学習機会と会社組織としての仕組み。

情報処理試験の合格率が低い。

→内定者に秋季試験を受験させる方向

→会社は基本情報だけを支援(テキスト代会社負担。ただし、受験しなかった時個人負担

させる。)

情報処理試験は自己学習主体のため、合格率が低い。また、模擬試験を実施したいが、試

験問題作成および試験実施ができない。

新人教育の期間に於いて、適切な講師をアサインする事ができない年度がある。

新卒採用の技術研修において、学生時代のスキルレベルが違うため、一律での教育が難し

い。業務と教育では、やはり業務が優先となり、教育が遅れる。新卒社員の OJT 教育実施

で、教育担当者のスキルにより新卒社員のレベルにばらつきが発生する。

新入社員の教育担当から、「敬語を使えない」「報告書の日本語が正しくない」との声が

出ております。当社では、まず技術面よりもマナーに関する教育を検討する必要があると

思っています。

人に対する接し方や、社会常識など技術に関係ない部分を身につけてほしい。プログラマ

ーといえどコミュニケーション能力は必要です。ましてや SEや PM ならなおさらです。

先進的な技術はすぐに陳腐化します。そういった技術の全てを OJT で教育できることはな

いので、常に自ら情報の収集に努めてほしい。

費用。

物を使えること。一つのプロジェクトを完遂させるのに一番大事なのは、テクニカルの技

術では無く、自分を考えていること、相手が考えていることをどのように共有するか、理

解するか、いわゆるコミュニケーション能力が重要であるということ。

弊社では数人単位で客先にて業務を行っており、各エンジニアの担当するシステム構成は

客先ごとに異なっている。このため、一律の教育がしづらい。また、忙しさの違い等もあ

り、業務中あるいは業務後に集まって教育することが難しいため、個人での学習に委ねて

いるのが現状。

業務遂行上、技術的あるいは資格的に取得しなければならないものであれば取得に向けて

のモチベーションも変わるが、未取得でも業務遂行上問題がないことがほとんどで、かつ、

出願範囲が広く、実務に直接的でない事項多いこともあり、各エンジニアが取得へ向けて

の意識が薄い状態となっている。

簿記・会計と算数(数学)。

本人の意識改革

目の前の仕事を優先し、今後のキャリア形成のために必要な資格の勉強などを重視しない

点です。

予定を立てにくい(教育時間が取れない)。予定をしても受講できないケースもある(急

な割り込み作業、予定変更)。

教育内容、レベルが受講前にわかりづらいことがある。

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旅費などの費用がかかる。

離職率低下のための教育。

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■企業調査まとめ

今回の調査に回答を寄せていただいた企業は、IT エンジニア数が 50 人以下の企業は約半数、

XML エンジニアが 10 人以下の企業が約 45%というような結果であった。平成 16 年度の調査

(それぞれ6割・69.4%)に比べると、その数が確実に増加していることが伺える。

XML データを利用したシステム開発は前回調査より「増えている」と予想していたが、やは

り多いし、関心を持っている企業も多い。Web システムを含めて、フロントエンドはブラウザ

という形の開発も増え続けている。その裏では、XML型のデータが格納されているという形で

あり、新出の技術である XQuery に関する関心も高い。

XML 関連の受注に関しては全般的に受注するようになってきているが、100 人超の規模の会

社では引き合い受注が非常に多くなっている。XQuery に関しては全般的に興味を示したが、

51~100 人規模の企業での関心が最も高かった。

増員計画で、明確に増員計画ありと答えた企業はエンジニア数規模により双山の分布が発生

している。未回答の企業を加えると平坦化するが、企業が成長するためのひとつの要因となっ

ていることが推測される。

エンジニアに対する教育としては、XML 技術に限らず、全ての新しい技術に対する教育は参

考書籍を買い与えての自学と OJT が中心になっている。しかし、平成 16 年度調査と比べて、

「社外プロジェクトなどに参加して技術を習得する」が急増しており、より実践的な技術習得

が望まれていることが伺える。また、e-ラーニングや専門会社の IT講習会参加なども増え、

企業の熱心さが伝わる結果となった。具体的な問題として、実際的な教材が不足していること

があげられる。

そして、もう 1 つ、問題点として出てきているのが、プログラマーのスキルが低く、上位の

技術者が開発をおこなっていることである。つまり、ランクが高い、知識レベルやスキルが上

位の SE が、やむを得ず新しい技術(単価の低い下流工程)をせざるをえないケースもある。

エンジニアに求められる推奨資格としては、情報処理技術者関連とデータベース、そしてプ

ロジェクトマネージャ。データベースについては、ベンダー資格(オラクルマスター)が上位

に位置付いている。前回調査より大きく上位に躍進した資格は「マイクロソフト認定技術資

格」であり、試験制度の変革が企業に受け入れられた結果といえる。

また、ヒューマンスキルというキーワードが、アンケートの自由記述に相当数書かれていた 。

専門学校教育も「即戦力」という言葉で語られることが多いが、知識、技術だけでなく、人間

力を高める教育が重要視されていることは間違いないと言える。

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【企業調査のポイント】

・企業規模の小さい会社では XML に対応できていない可能性が高い。

・XML 技術者不足は顕著である(やむなく上級 SE が対応→開発コスト増加の構図)。

・XML エンジニア増員意欲は、かなりの割合の企業で高い。

・技術者への新技術教育は OJT がほとんど(業務が忙しく教育に割く時間がない)。

・推奨資格は情報処理技術者関連、データベース、次いでプロジェクトマネージャ等。

・民間で実施されているセミナー等の受講料が高い。

・研修に際して実践的な教材が不足。

・研修内容と実務との間にギャップがあり、ニーズに応えられていない。

・教育に際しては e-ラーニングの導入が進んでいる。

・企業が研究会のような組織を作り、そこで基礎を勉強するようなパターンもある。

・技術者のコミュニケーション能力など、ヒューマンスキルが低い(専門学校教育においても

即戦力となり得るヒューマンスキルを身に付けさせるべきという意見)

・平成 16 年度調査と比べると、XML をはじめとする新技術への取組意欲は高まっている。

  (Web2.0 などの広まりにつれ、顧客からの要望が増加)

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調査2 IT系専門学校調査「XML 教育に関する調査」

全国の専門学校(専門課程を持つ専修学校)約 3,000 校の中から、データベースシステム開

発など、IT 関連の学科を持つ 285 校を抽出し、アンケート調査票を発送。61 校から回答を得

た(回答率は 21.4%)。

調査項目としては、教育を行っているプログラム言語の種類・データベース関連教育・ホー

ムページ・CGI 等の教育状況を把握した上で、XML 関連教育への取り組みと教材の選定・教員

養成の方法等について質問を用意した。また、企業が推奨している資格と対比させる目的で、

各学校で取得を推奨している資格についても調査を行った。

なお、平成 16 年度に専修学校 ITフロンティア教育推進事業にて実施された同種の調査があ

り、比較のため一部に同様の質問項目を取り入れている。

●総括表発送数 回答数 回答率

IT系専門学校 285 61 21.4%

地域 回答校数 %北海道・東北 6 9.8%

関東 18 29.5%中部 11 18.0%近畿 7 11.5%

中国・四国 11 18.0%九州・沖縄 8 13.1%

回答校計 61 100.0%

北海道・東北9.8%

関東29.5%

中部18.0%

近畿11.5%

中国・四国18.0%

九州・沖縄13.1%

40

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Q1.貴校のコンピュータ実習室は、各マシンがネットワークに接続され、インターネットに

接続することができますか。

ネットワーク接続、インターネット接続環境といった基本的な項目についての質問である。

当然のことながら、ほぼ全ての学校がインターネット接続環境を整えて教育を行っている

平成 16 年度調査と比較して特長的なのは、接続はできるが「接続に制限を設けている」とい

う学校が 20%増加し、それに伴い「自由に接続できる」学校が減少していることである。有害

コンテンツ対策・スパムメール対策や、動画など大容量コンテンツに対するアクセス制限など

が理由として考えられる。教育におけるインターネット利用をより有効にするためのセキュリ

ティ対策や帯域制限などネットワーク管理法が進化したことの現われと読み取ることができる。

実習室のインターネット接続環境

1)ネットワークに接続していない

1.7%

3)インターネットに接続できるが制限を設

けてある46.6%

4)自由にインターネットに接続できる

51.7%

回答数 %1)ネットワークに接続していない 1 1.7%2)ネットワークで接続、インターネットには未接続 0 0.0%3)インターネットに接続できるが制限を設けてある 27 46.6%4)自由にインターネットに接続できる 30 51.7%5)わからない 0 0.0%6)その他(具体的に) 0 0.0%

計 58 100.0%

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Q2.貴校で実際に教育しているプログラム言語を全て教えてください(複数回答)

専門学校で教育が行われているプログラム言語についての質問である。最も多くの回答があ

った言語は C(C++)、と JAVA がそれぞれ 78.7(48 校)、VB が 72.1%(44 校)が第1グ

ループである。次いで JavaScript の 54.1%(33 校)、.NET と PHP の 45.9%(28 校)とい

ったところがそれに続く第2グループを形成している。

アセンブラ、COBOL、といったレガシー言語がそれに続き Perl、ActionScript などのホー

ムページ用言語が約2割の学校で教育されている。

平成 16 年度調査と比較すると回答の選択肢が増えたこともあるが、C・Java といったトップ

グループ採用校が減少し、前回調査の選択しになかった Script系言語などを選択する学校の比

率が多いことも分かった。ホームページ作成において、Java などのプログラム言語によるサー

バサイドプログラムだけでなく、比較的手軽に動的コンテンツが作成できる簡易言語教育が進

んでいることが理解できる。

教育しているプログラム言語

(%の分母は回答校数=61)回答数 %

C++1)C( 等を含む) 48 78.7%2)Java 48 78.7%3)COBOL 12 19.7%4)VB 44 72.1%

NET5) 28 45.9%6)アセンブラ 15 24.6%7)Perl 12 19.7%8)Ruby 2 3.3%9)PHP 28 45.9%10)JavaScript 33 54.1%11)ActionScript 11 18.0%12)DOMScript 1 1.6%13)その他(具体的に) 1 1.6%その他の言語:将来的にJAVAまで教育する準備をしている。

1

12

111212

152828

3344

4848

0 10 20 30 40 50 60

13)その他(具体的に)

12)DOMScript

8)Ruby

11)ActionScript

7)Perl

3)COBOL

6)アセンブラ

9)PHP

NET5)

10)JavaScript

4)VB

2)Java

C++1)C( 等を含む)

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Q3.貴校では SQ L などのデータベースシステムの教育をしていますか。

データベース教育を行っているかどうかを問う質問である。代表的な言語として SQL がある。

85.2%(61 校中 52 校)の学校で教育が行われている結果となった。平成 16 年度調査より減

少しているものの有意差とは認められない。

データベース(SQL)教育実施状況

回答数 %1)している 52 85.2%2)していない 5 8.2%3)わからない 1 1.6%4)授業ではやっていないが教員が研究している 3 4.9%

計 61 100.0%

1)している85.2%

3)わからない1.6%

2)していない8.2%

4)授業ではやって いないが教員が 研究している

4.9%

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Q4.貴校では、ホームページ作成の教育を行っていますか。

XML データベースのフロントエンドにもなる、ホームページ製作の教育を行っているかどう

かを問う質問である。教育が行われているのは 93.2%(59 校中 55 校)であり、ほとんどの学

校で実施されているという結果である。

ホームページ作成教育実施状況

回答数 %1)している 55 93.2%2)していない 2 3.4%3)わからない 1 1.7%4)授業ではやっていないが教員が研究している 1 1.7%

計 59 100.0%

1)している93.2%

3)わからない1.7%

2)していない3.4%

4)授業ではやって いないが教員が

研究している1.7%

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Q5.貴校では Web サーバ上で稼動する CGI の教育を行っていますか。

Web ベースで稼動する CGIプログラミング教育の実施状況を問う質問である。前項のホーム

ページについては、ワープロ感覚で作成可能なアプリケーションソフトウェアなども存在する

が、CGI になると多少敷居が高くなってくるようである。65.0%(60 校中 39 校)と、ほぼ3

分の2に減少する。

CGI 教育の実施状況

1)している65.0%

2)していない26.7%

3)わからない3.3%

4)授業ではやって いないが教員が 研究している

5.0%

回答数 %1)している 39 65.0%2)していない 16 26.7%3)わからない 2 3.3%4)授業ではやっていないが教員が研究している 3 5.0%

計 60 100.0%

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Q6.貴校ではデータベースサーバと入出力に Internet Explorer等のブラウザを用いた Web シ

ステムの教育をしていますか。

Web サービスシステム(ホームページ+データベースの連動型 CGI)の教育状況を問う質問

であるが、66.1%(59 校中 39 校)と、前問と変わらない。

平成 16 年度調査では Web システム教育実施校が 50%であり、ホームページ、データベース

個々の教育はほとんどの学校で実施されているものの、それを連動させる技術となると取り組

んでいる学校であった。今回の調査では、ホームページプログラムとデータベースの教育が連

動して行われるようになったことが有意差として読み取ることができる。

Web システム教育の実施状況

1)している66.1%

2)していない23.7%

4)授業ではやって いないが教員が

研究している5.1%3)わからない

5.1%

回答数 %1)している 39 66.1%2)していない 14 23.7%3)わからない 3 5.1%4)授業ではやっていないが教員が研究している 3 5.1%

計 59 100.0%

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Q7.XML 技術教育の実施状況として該当するものは次のうちどれですか。

ここからが、本題の XML についてである。どのような取り組みをしているか、あるいは予

定や計画があるかどうかを尋ねた。既に授業の中で取り組んでいる学校は 16.7%(10 校)で、

予定・計画中の学校が 13.3%(8校)。両者を併せても 30%(60 校中 18 校)であり、全体の3

分の1に満ちていない。

平成 14 年度の同種の質問では、既に取り組んでいる学校、予定・計画中の学校を合わせると

50%に及んでいた。平成 16 年度調査では 40%に減少している。

調査対象校数が今回とは異なっているため単純な比較はできないものの、XML がバックグラ

ウンドでの技術であり、その利用例が表出していないことから、全体として XML への取り組

みが後退傾向にあると考えられる。

XML 技術教育の実施状況

回答数 %1)既に授業の中でXMLの技術教育に取り組んでいる 10 16.7%2)今後、授業で取り組む予定・計画中である 8 13.3%3)検討中である 18 30.0%4)当面、授業で取り上げる予定・計画はない 16 26.7%5)わからない 6 10.0%6)その他(具体的に) 2 3.3%

計 60 100.0%その他:一部の学科で基本部分を学習するにとどまっている。 地図データの標準化に関する教育にて実施 数年前に導入したが、現在は取りやめている。

6)その他(具体的に)3.3%

2)今後、授業で取り組む予定・計画中である

13.3%

1)既に授業の中でXMLの技術教育に取り

組んでいる16.7%

5)わからない10.0%

3)検討中である30.0%

4)当面、授業で取り上げる予定・計画はない

26.7%

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Q8.XML データベースに関する技術教育の実施状況として該当するものは次のうちどれです

か。

XML データベース(XML データベース)に関する技術教育の実施状況について問う質問であ

る。平成 19 年 1 月に W3C から勧告となったばかりの最先端技術に対し、専門学校がどのよう

な取り組みをしているか、あるいは今後の予定や教育の計画があるかどうかを尋ねた。

導入を明示している学校は4校あったが、全体としては「模様眺め」の傾向が読み取れる。

XML データベース技術教育の実施状況

回答数 %1)既に授業の中でXMLDBの技術教育に取り組んでいる 0 0.0%2)今後、授業で取り組む予定・計画中である 4 6.7%3)検討中である 21 35.0%4)当面、授業で取り上げる予定・計画はない 23 38.3%5)わからない 11 18.3%6)その他(具体的に) 1 1.7%

計 60 100.0%その他:特にXMLだけを取り上げて教育する計画はない

4)当面、授業で取り上げる予定・計画はない

38.3%

3)検討中である35.0%

5)わからない18.3%

2)今後、授業で取り組む予定・計画中である

6.7%6)その他(具体的に)

1.7%

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Q9.XML/XML データベースの授業を行っている学科はいくつありますか(計画中の場合は

予定)。

本問と次の設問は、Q7及びQ8で「1)既に授業の中で取り組んでいる」「2)今後授業で

取り組む予定・計画中」と回答した 18 校を対象として、実際に行われている XML の授業につ

いて答えてもらったものである。

XML・XML データベースとも、2学科以下の学校がほとんどであった。

XML・XML データベースの授業を行っている学科数

回答数 % 回答数 %1学科 10 55.6% 2 66.7%2学科 6 33.3% 1 33.3%3学科 2 11.1% 0 0.0%

計 18 100.0% 3 100.0%

XML XMLDB

0

1

2

2

6

10

0 2 4 6 8 10

3学科

2学科

1学科

XMLXMLDB

49

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Q10.XML/XML データベースをどのような形態で取り上げていますか(計画中の場合は予

定)。

本問も前問と同じく、実施中あるいは計画中の学校のみを対象とした質問である。

専門の科目を設定しているケースが約半数以上の 61.1%である。回答数が少ないため明確な

傾向と言えないまでも、平成 16 年度調査の 42.9%を大きく上回っている。また、教養科目的

に他科目の授業の中で取り上げるケースもあった。

XML・XML データベースをどのような形態で取り上げているか

参考:平成 14 年、平成 16 年の同種調査の結果(「XML」についての回答)

回答数 % 回答数 %1)XMLをテーマとする必修科目で実施(例:「XML入門」等) 11 61.1% 3 100.0%2)XMLをテーマとする選択科目で実施(例:「XML入門」等) 2 11.1% 1 33.3%3)プログラミング言語の授業の中で取り上げる 3 16.7% 1 33.3%4)データベースの授業の中で取り上げる 1 5.6% 2 66.7%

Web5) 技術・ネットワーク関連の授業の中で取り上げる 4 22.2% 0 0.0%HTML6) に関連した授業の中で取り上げる 0 0.0% 0 0.0%

7)その他(具体的に) 0 0.0% 0 0.0%総数 21 - 7 -

XML XMLDB

回答数 % 回答数 %1)XMLをテーマとする必修科目で実施(例:「XML入門」等) 7 50.0% 12 42.9%2)XMLをテーマとする選択科目で実施(例:「XML入門」等) 1 7.1% 9 32.1%3)プログラミング言語の授業の中で取り上げる 3 21.4% 5 17.9%4)データベースの授業の中で取り上げる 2 14.3% 2 7.1%

Web5) 技術・ネットワーク関連の授業の中で取り上げる 7 50.0% 5 17.9%HTML6) に関連した授業の中で取り上げる 2 14.3% 5 17.9%

7)その他(具体的に) 1 7.1% 1 3.6%総数 23 - 39 -

N=14( ) N=28( )

14平成 年度 16平成 年度

0

2

1

1

3

4

1

3

2

11

0 2 4 6 8 10 12

Web5) 技術・ネットワーク関連の授業の中で取り上げる

4)データベースの授業の中で取り上げる

3)プログラミング言語の授業の中で取り上げる

2)XMLをテーマとする選択科目で実施(例:「XML入門」等)

1)XMLをテーマとする必修科目で実施(例:「XML入門」等)

XMLXMLDB

50

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Q11.上記の授業を担当する教員は合計で何名ですか(計画中の場合は予定人数)。

XML を担当している(担当できる)教員の人数を問う質問である。Q9の学科数と比例する

と思われるが、わずか1~2名という学校がほとんどであった。この傾向は平成 16 年度調査

と変わらない傾向である。

XML、XML データベースの授業を担当する教員数

回答数 % 回答数 %1名 9 50.0% 2 66.7%2名 6 33.3% 1 33.3%3名 3 16.7% 0 0.0%

計 18 100.0% 3 100.0%

XML XMLDB

0

1

2

3

6

9

0 2 4 6 8 10

3名

2名

1名

XMLXMLDB

51

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Q12.上記の授業を受講学生は合計で何名ですか(計画中の場合は予定人数)。

XML 関連及び XML データベースの授業を受講(予定を含む)している学生がどのくらい在

籍しているのかを問う質問である。幅があるが、50 名以下の学校が殆どである。特定学科に対

してのみ XML 関連授業が行われていることが、ここにも現れている。

XML、XML データベース関連授業の受講者数

0

0

2

1

1

4

7

6

0 1 2 3 4 5 6 7 8

101~

51 100~

21 50~

0 20~

XMLXMLDB

人数 回答数 % 回答数 %9 1 5.6% 0 0.0%10 1 5.6% 0 0.0%15 1 5.6% 0 0.0%20 3 16.7% 1 33.3%25 1 5.6% 0 0.0%30 4 22.2% 1 33.3%35 1 5.6% 1 33.3%50 1 5.6% 0 0.0%71 1 5.6% 0 0.0%78 1 5.6% 0 0.0%80 1 5.6% 0 0.0%100 1 5.6% 0 0.0%120 1 5.6% 0 0.0%

計 18 100.0% 3 100.0%

XML XMLDB

  ~20

21~ 50

51~ 100

101~

52

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Q13.上記の授業は何年生(計画中の場合は予定)に対して実施されていますか。

XML 関連の授業は何年生を対象として実施されているのかを把握するための質問で、学年間

の重複を認めて答えてもらった。現状では多くの専門学校が2年課程となっていることもあり 、

XML では 50%(9校)、XML データベースでは 67%(2校)が「2年生」で実施と答えてい

る。また、XML を1年生から教育する学校も 1 校あった。

XML、XML データベース関連授業の対象学年(計画中の場合は予定)

% =XML:18 XMLDB:3)(学年重複回答あり の母数 、

回答数 % 回答数 %1年 1 5.6% 0 0.0%2年 9 50.0% 2 66.7%3年 2 11.1% 0 0.0%4年 1 5.6% 0 0.0%

総数 13 - 2 -

XML XMLDB

0

0

2

0

1

2

9

1

0 2 4 6 8 10

4年

3年

2年

1年

XMLXMLDB

53

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Q14.上記の授業では実習も行っていますか(計画中の場合は予定)。

XML 関連授業における実習の有無についての質問である。80%(12 校)とほとんどの学校

で実習も合わせて行われているという結果であるが、講義のみという学校も 3 校ある。

XML データベースになるとその比率はさらに高まり、すべての学校が実習の実施を計画して

いる。

XML、XML データベース関連授業における実習の有無(計画中の場合は予定)

回答数 % 回答数 %1)実習を行っている 12 80.0% 3 100.0%2)実習は行わず、講義(解説)のみで行っている 3 20.0% 0 0.0%3)その他(具体的に) 0 0.0% 0 0.0%

計 15 100.0% 3 100.0%

XML XMLDB

0

0

3

0

3

12

0 2 4 6 8 10 12 14

3)その他(具体的に)

2)実習は行わず、講義(解説)のみで行っている

1)実習を行っている

XMLXMLDB

54

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Q15.「Q14」で、1)実習を行っている と回答した方にお伺い致します。使用してい

る XML のツール名を具体的に教えてください(計画中の場合は予定)。

XML 関連授業の実習で利用されているツールについての質問である。平成 16 年調査では共

通的に広く利用されているツールは見あたらなかったが、今回の調査では「XML Tool Box」・

「Xalan」・「MSXML」などの具合的名前が挙げられた。「XML Tool Box」は、高等教育機関

向け XML 教育カリキュラムである「XML アカデミー」を主催するインフォテリア株式会社が

無償で提供する検証・変換ツールであり、その利用が広まっていることが理解できる。

XML データベースに関しては無償試供している Cyber LuxeonやNeoCoreXMS があげられ

た。書籍雑誌などの付録 CD に収録されているなど入手の容易性が起因すると考えられる。

Oracle社や IBM社をはじめとするデータベースベンダーでも XML データベース製品を発売し

ているが、それらのツールを利用する予定の学校は現時点では見当たらない。

XML、XML データベース関連授業で使用されているツールの名称等

・XML ・XMLDBXMLツールBOX サイバーラクセオンXalan、Xerces、Eclipse 未定(NeoCoreXMS評価版、CyberLuxeon?)XDK

3.0msxml 、msxsl、Terapad6,7MSXML、IE 、Java、SDK

2007XMLNotepadエディタでTERAPADを使用(予定ですが)入門編として、テキストエディタでプログラム作成、実行はIEで行う。MSXML

55

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Q16.担当教員の育成はどのような方法で行っていますか。

XML 関 連授業 を 行 っ て い る 教 員 の 育 成 方 法 を 問 う質問 で あ る 。 「市販の 書 籍 」 が

72.2%(13 校)と最も多い。次に多いのが、「 IT研修事業者によるトレーニング」と同数で

「協議会などが主催するトレーニング」が 27.8%(5校)で並んでいる。「IT研修事業者によ

るトレーニング」は平成 14 年度・16 年度と徐々にその比率を減らしている。一方で「IT 研修事業者によるトレーニング」は徐々にではあるがその日いつを伸ばしている。前述の XML アカ

デミーが普及し始めたことを示している。

XML データベースに関しては未知数のところもあり、「市販の書籍」による育成以外に「 IT 研修事業者によるトレーニング」に大きな期待が寄せられている。

XML、XML データベース関連授業担当教員の育成方法

0

0

0

0

0

2

3

1

2

2

5

5

5

13

0 2 4 6 8 10 12 14

3)eラーニングや通信教育で学習する

8)学外の組織や企業との共同プロジェクトなどの場を活用

5)学内の教員研究会・勉強会などで学習する

7)XMLマスターを取得する

2)協議会などが主催するXML関連のトレーニングを受講

1)IT研修事業者によるXML関連のトレーニングを受講

4)市販の書籍で学習する

XMLXMLDB

8(複数回答 %の母数=XML:1,XMLDB:3)

回答数 % 回答数 %1)IT研修事業者によるXML関連のトレーニングを受講 5 27.8% 2 66.7%2)協議会などが主催するXML関連のトレーニングを受講 5 27.8% 0 0.0%3)eラーニングや通信教育で学習する 1 5.6% 0 0.0%4)市販の書籍で学習する 13 72.2% 3 100.0%5)学内の教員研究会・勉強会などで学習する 2 11.1% 0 0.0%6)セミナー・講演会などに参加し情報収集する 0 0.0% 0 0.0%7)XMLマスターを取得する 5 27.8% 0 0.0%8)学外の組織や企業との共同プロジェクトなどの場を活用 2 11.1% 0 0.0%9)その他(具体的に) 0 0.0% 0 0.0%

総数 33 - 5 -

XML XMLDB

56

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参考:平成 16 年度、平成 14 年度の同種調査の結果

平成 16 年度

平成 14 年度

回答数 % 回答数 %1)IT研修事業者によるXML関連のトレーニングを受講 9 32.1% 8 57.1%2)協議会などが主催するXML関連のトレーニングを受講 6 21.4% 0 0.0%3)eラーニングや通信教育で学習する 4 14.3% 0 0.0%4)市販の書籍で学習する 20 71.4% 10 71.4%5)学内の教員研究会・勉強会などで学習する 2 7.1% 1 7.1%6)セミナー・講演会などに参加し情報収集する 3 10.7% 0 0.0%7)XMLマスターを取得する 5 17.9% 4 28.6%8)学外の組織や企業との共同プロジェクトなどの場を活用 1 3.6% 0 0.0%9)その他(具体的に) 2 7.1% 1 7.1%

総数 52 - 24 -

16 N=平成 年度 28 14平成 年度 N=14

1

2

2

3

4

5

6

9

20

0 5 10 15 20 25

8)学外の組織や企業との共同プロジェクトなどの場を活用

9)その他(具体的に)

5)学内の教員研究会・勉強会などで学習する

6)セミナー・講演会などに参加し情報収集する

3)eラーニングや通信教育で学習する

7)XMLマスターを取得する

2)協議会などが主催するXML関連のトレーニングを受講

1)IT研修事業者によるXML関連のトレーニングを受講

4)市販の書籍で学習する

1

1

4

8

10

0 2 4 6 8 10 12

9)その他(具体的に)

5)学内の教員研究会・勉強会などで学習する

7)XMLマスターを取得する

1)IT研修事業者によるXML関連のトレーニングを受講

4)市販の書籍で学習する

57

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Q17.XML/XML データベース教育の授業形態、到達レベルについて教えてください。

XML 関連教育の到達目標をどのあたりに設定しているかを問う質問である。トップは、「専

門の科目で基礎部分のみ行っている」という学校が 55.6%(10 校)と過半数を占める。次い

で、「関連知識の一部として実施」している学校が 22.4%(4 校)、「XML によるデータ交換

システム構築レベルまで」という学校は 16.7%(3 校)となっている。1校ではあるが「XMLで Web サービスシステムを構築するレベルまで教育している」という学校があったが、まだ

実用レベルまでの教育が実践できていない学校が多いという結果であった。

XML データベースの場合はこれからの教育内容ということもあるが、「XML によるデータ

交換システム構築レベルまで」や「XML で Web サービスシステムを構築するレベルまで教育

している」のレベルまで目指している学校があることは期待できる。

XML、XML データベース教育の到達レベル設定

回答数 % 回答数 %1)関連知識としていろいろな科目の一部として行っている 4 22.2% 0 0.0%2)専門の科目で基礎部分のみ行っている 10 55.6% 1 33.3%

XML3) によるデー タ交換のためのシステムを構築するレヘ ル゙まで教育している 3 16.7% 0 0.0%XML We4) で サービスシステムを構築するレベルまで教育している 1 5.6% 1 33.3%5)わからない 0 0.0% 1 33.3%6)その他(具体的に) 0 0.0% 0 0.0%

計 18 100.0% 3 100.0%

XMLDBXML

1

1

0

1

0

0

1

3

10

4

0 2 4 6 8 10 12

5)わからない

XML We4) で サービスシステムを 構築するレベルまで教育している

XML3) によるデー タ交換のためのシス テムを 構築するレヘ ル゙まで教育している

2)専門の科目で基礎部分のみ行っている

1)関連知識としていろいろな科目の一部として行っている

XMLXMLDB

58

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Q18.XML の技術教育に際して、どのような事柄が現場の課題となりますか。以下の中から

該当するものの上位3つまでを選んでください。

XML 技術教育を行う際、教育現場で何が課題になるかを問う質問である。全回答校 61 校を

対象に、選択肢の中から上位3つを複数回答で答えてもらった。

最も多かったのが「XML 技術教育カリキュラム」で、63.9%(39 校)、次が「教員の育

成」で 52.5%(32 校)となっており、半数以上の学校がこの2点を課題であると感じている。

続いて「教材の選定」が 3.7%(23 校)、「IT エンジニアが備えるべき技術の把握・明確化」

が 34.4%(21 校)となっている。

平成 16 年度の調査と比較すると「教員の育成」に対する不安は約 7%減少している。その反

面「実習環境の整備(ツールの購入コストなどを含む)」が約 9%増加している。曲がりなり

にも何とか教育の道筋がつき、教員の確保という学校サイドの問題解決の見通しはついたが、

その目指す最終ターゲットが確定していない実習環境の整備(ツールの購入コストなどを含

む)という不安がうかがえる結果といえる。

XML、XML データベース技術関連教育現場の課題

(%の母数は回答校数=61)回答数 %

1)XML技術教育のカリキュラム 39 63.9%2)教材の選定 23 37.7%3)ツールの選定 11 18.0%4)教員自身による教材/補助教材の作成 16 26.2%5)教員の育成 32 52.5%6)指導方法 14 23.0%

19 31.1%21 34.4%

9)その他(具体的に) 1 1.6%総数 176 -

8)ITエンジニアが備えるべきXML技術の把握・明確化7)実習環境の整備(ツールの購入コストなどを含む)

1

11

14

16

19

21

23

32

39

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

9)その他(具体的に)

3)ツールの選定

6)指導方法

4)教員自身による教材/補助教材の作成

7)実習環境の整備(ツールの購入コストなどを含む)

8)ITエンジニアが備えるべきXML技術の把握・明確化

2)教材の選定

5)教員の育成

1)XML技術教育のカリキュラム

59

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Q19.XML の認定資格「XML マスター」について該当するものは次のうちどれですか。

XML 技術の認定資格である「XML マスター」の認知度に関する質問である。「よく知ってい

る」学校は 8.2%(61 校中 5 校)、「だいたいの内容は知っている」が 26.2%(16 校)、

「名称だけは知っている」が 39,3%(24 校)で、これらを合わせた 45 校が“何らかの形で知

っている”という結果であった。平成 16 年度の調査時より約 10%アップしており、普及が広ま

っているといえる。

「XML マスター」の認知度

回答数 %1)よく知っている 5 8.2%2)だいたいの内容は知っている 16 26.2% 45校3)名称だけは聞いたことがある 24 39.3%4)聞いたことがない・知らない 16 26.2%5)その他(具体的に) 0 0.0%

計 61 100.0%

1)よく知っている8.2%

2)だいたいの内容は知っている

26.2%

3)名称だけは聞いたことがある

39.3%

4)聞いたことがない・知らない

26.2%

60

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Q20.Q19で、1)、2)、3)を回答された方にお伺いします。貴校では、学生に対し

て XML マスター資格の取得に向けた指導を行っていますか。

「XML マスター」を“何らかの形で知っている”という学校 45 校に対して、資格取得に向けた

指導を行っているかどうかを尋ねてみた。「行っていない/行う予定・計画はない」が

40%(18 校)と最も多く、「もう少し様子を見てから検討したい」が 20%(9校)と、残念

なことに検討以前の学校が約3分の2を占める結果となった。平成 16 年度調査よりはわずかに

減少して入るものの、企業アンケート等の結果では技術者ニーズが高まっている分野であり、

専門学校としての取り組みはまだ遅れている状況といえる。

XML マスター資格取得に向けた指導の状況

回答数 %1)行っている 4 8.9%2)今後、行う予定・計画がある 6 13.3%3)検討中 7 15.6%4)もう少し様子を見てから検討したい 9 20.0%5)行っていない/行う予定・計画はない 18 40.0%6)その他(具体的に) 1 2.2%

計 45 100.0%(その他:興味のある学生は受験しています。独学で)

3)検討中15.6%

5)行っていない/行う予定・計画はない

40.0%

1)行っている8.9%

2)今後、行う予定・計画がある

13.3%

6)その他(具体的に)2.2%

4)もう少し様子を見てから検討したい

20.0%

61

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Q21.以下のa)~s)の各 IT資格に対する取り組み状況として、1~5の番号に○をつけ

てください。

各学校で取得を推奨している資格試験について問う質問である。重要度を5段階で答えても

らった。“たいへん重視している”が 75.4%(46 校)と最も多いのが「基本情報技術者」、次が

49.2%(29 校)の「ソフトウェア開発技術者」、44.1%(26 校)の「初級システムアドミニ

ストレータ」と、経済産業省関係の資格が続く。2位と 3位は平成 16 年度の調査と逆転してい

る。

企業アンケートで重要視されていた「オラクルマスター」は 19%(11 校)と少なく、基本

情報技術者試験の4分の1でしかない。

専門学校における IT資格推奨状況

1.大変重視している

2.重視している

3.どちらともいえない

4.重視していない

5.これから対応を検討

a)XMLマスター・ベーシック 2 5 16 16 18 57b)XMLマスター・プロフェッショナル 0 3 13 21 18 55c)基本情報技術者 46 10 4 0 1 61d)ソフトウェア開発技術者 29 19 7 4 0 59e)初級システムアドミニストレータ 26 19 8 6 0 59f)情報セキュリティアドミニストレータ 6 17 24 7 2 56g)マイクロソフト認定技術者(MCP) 10 12 17 12 7 58

ORACLE MASTERh)オラクル認定( ) 11 11 18 11 7 58i)シスコ技術者認定(CCNA) 16 10 10 14 9 59j)サンマイクロ認定資格(SCJ-P) 10 6 18 13 10 57

k)LPILinux認定試験 3 5 17 17 12 54l)テクニカルエンジニア(データベース) 3 14 21 13 6 57m)テクニカルエンジニア(ネットワーク) 6 19 16 11 5 57n)テクニカルエンジニア(システム管理) 2 6 22 16 10 56o)テクニカルエンジニア(エンベデッド) 1 6 22 17 9 55p)テクニカルエンジニア(セキュリティ) 4 11 17 15 9 56q)プロテクトマネージャー 1 4 22 20 9 56r)シマンテックスペシャリスト 3 3 18 20 12 56s)UMLモデリング技能認定 0 3 18 23 12 56

62

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資格重要度(「大変重視している」「重視している」をキーに並べ替え)

順位をポイント化した総合順位と事業の重視度との比較

4629

2616

111010

66

4

33

22

11

00

1019

1910

1112

619

171114

5365

64

33

47

81018

1718

1624

1721

1718

2216

2222

1318

04

614

1112

1311

715

131720

1616

1720

2123

100

977

1052

96

1212

1018

99

1812

0 10 20 30 40 50 60 70

c)基本情報技術者

d)ソフトウェア開発技術者

e)初級システムアドミニストレータ

i)シスコ技術者認定(CCNA)

ORACLE MASTERh)オラクル認定( )

g)マイクロソフト認定技術者(MCP)

j)サンマイクロ認定資格(SCJ-P)

m)テクニカルエンジニア(ネットワーク)

f)情報セキュリティアドミニストレータ

p)テクニカルエンジニア(セキュリティ)

l)テクニカルエンジニア(データベース)

k)LPILinux認定試験

r)シマンテックスペシャリスト

n)テクニカルエンジニア(システム管理)

a)XMLマスター・ベーシック

o)テクニカルエンジニア(エンベデッド)

q)プロテクトマネージャー

b)XMLマスター・プロフェッショナル

s)UMLモデリング技能認定

1.大変重視している 2.重視している 3.どちらともいえない 4.重視していない 5.これから対応を検討

1.大変重視している

2.重視している

3.どちらともいえない

4.重視していない

5.これから対応を検討

(5P) (4P) (3P) (2P) ( )1Pc)基本情報技術者 46 10 4 0 1 283 1 1d)ソフトウェア開発技術者 29 19 7 4 0 250 2 3e)初級システムアドミニストレータ 26 19 8 6 0 242 3 10i)シスコ技術者認定(CCNA) 16 10 10 14 9 187 4 16f)情報セキュリティアドミニストレータ 6 17 24 7 2 186 5 10

ORACLE MASTERh)オラクル認定( ) 11 11 18 11 7 182 6 2m)テクニカルエンジニア(ネットワーク) 6 19 16 11 5 181 7 5g)マイクロソフト認定技術者(MCP) 10 12 17 12 7 180 8 15l)テクニカルエンジニア(データベース) 3 14 21 13 6 166 9 4j)サンマイクロ認定資格(SCJ-P) 10 6 18 13 10 164 10 17p)テクニカルエンジニア(セキュリティ) 4 11 17 15 9 154 11 10n)テクニカルエンジニア(システム管理) 2 6 22 16 10 142 12 8o)テクニカルエンジニア(エンベデッド) 1 6 22 17 9 138 13 14q)プロテクトマネージャー 1 4 22 20 9 136 14 8r)シマンテックスペシャリスト 3 3 18 20 12 133 15 34

k)LPILinux認定試験 3 5 17 17 12 132 16 19a)XMLマスター・ベーシック 2 5 16 16 18 128 17 22s)UMLモデリング技能認定 0 3 18 23 12 124 18 20b)XMLマスター・プロフェッショナル 0 3 13 21 18 111 19 -

3 ↑*企業調査(Q14)における 7資格中の総合ポイントの順位

総合順位参考:企業の重視度

資格名 総合ポイント

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学校が重要と考える IT資格(ポイント比較)

111124128132133136138142

154164166

180181182186187

242250

283

0 50 100 150 200 250 300

b)XMLマスター・プロフェッショナル

s)UMLモデリング技能認定

a)XMLマスター・ベーシック

k)LPILinux認定試験

r)シマンテックスペシャリスト

q)プロテクトマネージャー

o)テクニカルエンジニア(エンベデッド)

n)テクニカルエンジニア(システム管理)

p)テクニカルエンジニア(セキュリティ)

j)サンマイクロ認定資格(SCJ-P)

l)テクニカルエンジニア(データベース)

g)マイクロソフト認定技術者(MCP)

m)テクニカルエンジニア(ネットワーク)

ORACLE MASTERh)オラクル認定( )

f)情報セキュリティアドミニストレータ

i)シスコ技術者認定(CCNA)

e)初級システムアドミニストレータ

d)ソフトウェア開発技術者

c)基本情報技術者

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Q22.XML 技術教育の課題/XML マスター資格を指導する上での問題点などがありましたら

お聞かせください。

XML 関連技術教育を指導する上で、学校が「困っていること」を明らかにするための自由記

述項目である。

世の中で実際にどの程度利用が広まっているかが明確に見えないため、限られた授業時間の

中でその程度の時間を割いて教育をおこなえばよいかが分からないという全体カリキュラムと

の整合性の問題があげられている。また、教育の必要性を感じているものの、実施するための

教員の知識やスキルが不足していたり、教育レベルの設定に迷ったり、具体的な活用事例が不

足して学生にとってのメリットを見いだせないなど、今後どのように取り入れていくべきかを

模索している状況が続いているようである。

●XML 技術教育の課題/XML マスター資格を指導する上での問題点

XML 技術者の「必要性と業界の需要」がどのくらいあるかを知りたい。また「トレーニン

グ」に要する期間なども。

社会での XML の必要性や重要性について、学生にどのように伝えるかが課題となっている。

企業などにおける XML の技術及び資格の評価が不明であるため、どのくらい時間を割いて

教育を実施すればよいのかの見極めが難しい。

身近に XML だから構築できたシステムが、意識できる形であまりないため、導入部で興味

を持たせることで苦労する。

XML マスタープロフェッショナルを学習するにあたって、使えるテキスト、iStudy等の

量が少ない。ヴァージョンが古い。

当該技術の必要性が不明確である。

教員自身が XML に対する理解を深め、指導できるレベルに達しなければならない。また、

技術に求められる必要性を十分に認識し、学生への動機付けとしたい。

導入にあたり現行カリキュラムとの優先度の検討

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■IT 系専門学校調査まとめ

今回の調査で明らかになった問題点としては、XML 技術教育に関する教員のスキルを向上さ

せる機会がもっと必要なこと(XML に限ったことではないかもしれないが、市販の書籍で独学

を強いられている)、実践的で適切な教材がなく、教員が教えにくいと感じていること等が判

明した。また、XML 認定資格(XML マスター)の認知度が低いことがわかってきた。

一方、企業調査の結果から、XML 技術を用いたデータ活用(データベース利用、XML 利用の

Web サービスなど)は社会的に進んできているものの、XML を専門に扱える技術者が不足し

ていることは明白である。今後、より多くの専門学校で XML 技術者育成が行われるべきであり、

そのための指導教員の育成、経験の浅い技術者や学生のレベルに合った実践的教材開発の重要

性を、今回の IT系専門学校調査で明らかにすることができた。

また、企業が推奨する資格取得と、学校が考える資格取得の間に差があることも注目すべき

点である。学校では3位に位置づけられる「初級システムアドミニストレーター」は、企業で

は18位と大きくランクを下げている。逆に企業で3位に位置づけられる「ORACLE マスタ

ー」は、学校では6位となっている。教材入手の容易性なども理由のひとつと考えられないこ

ともないが、企業が考える「重視する技術」と学校が考えるものとの間には明確な差があるこ

とがはっきりとした。

【IT系専門学校調査のポイント】

開発プログラム言語は、C、Java、VB がトップグループ(一昨年、日本コンピュータ学園

実施委託事業の際行われた「XML 技術者教育に関する調査」でも同傾向)。

総合的 CGI 教育に取り組む学校は回答校の3分の2。

Web サービスシステムに取り組む学校は半数に減少。

XML 教育を行っている、あるいは取り組む予定の学校は回答校の3分の1。

教員は市販の書籍で独学して身に付けている(外部研修受講の余裕がない)。

XML 教育のカリキュラム、教材の整備が教育現場の課題。

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大学におけるXML教育のヒアリング調査

(1)調査の目的.調査の概要 

 専門学校と並ぶ高等教育機関の大学でのXML教育の実態についての現状はどうなっているのかは

不明であり、教育を実践するためにどのような教材のニーズがあるかを調査することとした。

 大学における一般的なコンピュータ教育といえば、プログラミング,文書作成他などであり、メイ

ンとなる研究を補うための「道具」としての利用が多いといわれている。実際にどのようなIT・コ

ンピュータ教育がおこなわれているのかの概要を知るために今回の調査をおこなった。

(2)調査時期

平成19年10月~11月

(3)調査対象

インターネットホームページ上で「Web教育」「XML教育」「先端IT教育」などのキーワード

に「大学」というキーワードをand検索してビックアップした中から選定。

  稚内北星学園大学

  徳島文理大学

  高知工科大学

  松山大学

  愛媛大学

  金沢工業大学

  はこだて未来大学

(4)調査方法

  学校訪問の上でのヒアリング調査

2.調査の結果

  以下に、ヒアリングを実施した各委員の報告書を添付する。

67

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平成19年度 文部科学省委託事業 「XML データベース教育教材の開発」事業

大学教育におけるIT技術教育に関するヒアリング

学校名 稚内北星学園大学 応対者 丸山 不二夫 学長

場 所 稚内北星学園大学東京サテライト校

ヒアリング日 平成 19 年 10 月 11 日

 14:00~15:40参加者 佐藤公一(東北電子専門学校)

海野晴博(日本電子専門学校)

石橋雄一(中央情報専門学校)

藤村登(全国専門学校情報教育協

会)

形 式 座談会形式

挨拶の後、丸山学長より学校・カリキュラムに関する全般的な説明。その後質疑応答をおこなう。

体制 稚内本校 1~4年生

 一般的な学生を対象として授業

東京サテライト校 3・4年生

 社会人を対象とし、リカレント教育を主眼とした教育を実施

現役エンジニアを対象としているので、基礎レベルはかなり高い。

特徴 情報メディア学部

の単科大学

ITに特化した教育を実践

変化のスピードにどう対応するかが鍵となる

対応資格試験

 (対応カリキュラム)

Cisco CCNALPI(Linux Professional Institute)

Sun Certified Programmer for Java Platformオラクルマスター

XML マスター

【入学定員】 140名

【教育方針の根本的考え方】

 従来型の学校教育は、その内容があまり変わらないことを前提としている、継承型の教育。

 IT教育は

   対象となるIT産業自体が技術の担い手であると同時に、ユーザ技術者の育成者である。

      教育に熱心な業界であり、従来の教育体制とは別に「産業教育体制」があることが特

   変化が激しく、一生新技術の勉強が必要な業界である。

 教育モデル・基本となるパラダイムが違う。

      従来の継承型教育の想定外で、対応できない

      新標準の継続的成立が特徴で、変化の中で何を学ぶかが重要である

時には、経験を積んだ高齢者よりも若者の方が技術的に突出している場合もある。

総じて、技術革新の早さ、激しさにどう対応するかがIT教育の中心的課題と認識している。

 オープンソースな教材で授業を実施する。

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   マイクロソフト社は製品の発表(発売)を待たないと使えない。

   オープンソースだと開発段階から参画し情報を入手できるので、発表と同時に教育できる。

     

【サテライト校の特徴】

 社会人を主対象としている。

 基幹科目(分野)

  Java XML Linux Network システム開発工程(PM)

 土曜日(3 年生)日曜日(4年生)の授業を中心とする体制。

 基本は集合教育であるが、全授業を録画して欠席者フォローをしている。

 客員教員などは 30代の若手を多用している。

 ゼミを実施し、かなり自由に研究させている。社会人なので実力はある。

  ゼミで学生と教員が一緒に研究し、その結果を一般学生に授業展開する。

   その結果をサマースクールで実施し、次年度以降の運用科目としている。

     (教える科目内容の精査が段階的に実施されている)

【IT教育に関して】  (別紙カリキュラム表参照)

 学科科目の半数以上はIT関連科目。いわゆる一般教養科目は少ない。

 1・2年生で基礎を徹底しておこなう。3年次以降につなげるもので無理はできない。

 学生によりその能力には大きな差があり、一律には対応できない。

 カリキュラムの中で、ベンダー資格に対応しているものなどは単位認定をしている。

     (しかし、資格取得を推奨しているわけではない)

               

 座学だけでなく実習科目もカリキュラムに組み込まれている。

教えなければならない新技術が登場するような場合には学則変更手続きの上、カリキュラムを

変更して運用している。

産業界、ITベンダーと連携して、先進的、実践的、職場で役に立つ教育を行う。

   ベンダー資格の下請けでなく、新技術のアーリーアダプタとして教育に反映する。

【教員に関して】

 研究とか教育技法とかよりも「何を教えるべきか」を最優先させている。

 背景としては、学力低下する学生と技術ニーズの間のレベル調整の必要性がある。

 教員の教育力には個人差があるため、教員自身の成長も必要である。

【XML 教育に関して】

技術の大きな要素として使用されるようになってきており、基礎科目の教育を実践している。

XMLDB などについては、今後の発展性はまだ見えていないが、授業展開を視野に入れながら慎

重にチェックしていく。

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【今後の科目展開】

・ 分散処理    GoogleやAmazon の展開

・ Web サービス  REST Project Zero・ サービス

・ 組込系(組込 Java,Canon)

・ 環境開発

・ 上流工程

【まとめ】

ITエンジニア育成を目的としている大学であり、カリキュラム・体制・教育内容等も充実して

いる。産業界で使われる技術の中心となる XML・Java をIT教育科目の中心に据えるなど、就職後

の実務にも即対応できる教育内容と考えられる。

一般的な大学との違いを感じた。

(海野記)

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稚内北星学園大学カリキュラム表(1/3)

区分 1年次 2年次 3年次 4年次

IT・

コンピ

ュー

タ技

情報システム入門Ⅰ プログラミングⅢ コンピュータ・アーキテクチャ エンタープライズ・アプリケーションⅡ

情報システム入門Ⅱ プログラミングⅣ 情報科学概論 エンタープライズ・アプリケーションⅢ

プログラミングⅠ システム・プログラミングⅠ ネットワーク管理論Ⅰ ネットワーク特論プログラミングⅠ 実習 システム・プログラミングⅡ ネットワーク管理論Ⅰ実習 ネットワーク管理特論プログラミングⅡ コンピュータ実習Ⅰ ネットワーク管理論Ⅱ システム設計論Ⅱ

プログラミングⅡ 実習 コンピュータ実習Ⅱ ネットワーク・プログラミングⅠ

オブジェクト指向設計論

UNIXⅠ ネットワーク基礎 ネットワーク・プログラミングⅡ

Web サービス

UNIXⅠ 実習 システム管理論Ⅰ 応用プログラミング セマンテックWeb概論UNIXⅡ システム管理論Ⅰ実習 グラフィックス理論  

UNIXⅡ 実習 システム管理論Ⅱ グラフィックス・プログラミング  

メディア・リテラシー システム管理論Ⅱ実習 WebプログラミングⅠ  線形代数学Ⅰ データベース論 WebプログラミングⅡ  線形代数学Ⅱ XML概論 WebプログラミングⅢ  

情報メディア入門 システム設計論Ⅰ エンタープライズ・アプリケーションⅠ  

インターネット論Ⅰ マルチメディア技術論 コミュニケーションとデザイン  インターネット・リテラシーⅠ AV 基礎実習 アート表現  インターネット論Ⅱ メディアと表現 マルチメディア・システム実習  インターネット・リテラシーⅡ メディア演習 応用コミュニケーション論      CG デザイン  

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稚内北星学園大学カリキュラム表(2/3)

区分

1年次 2年次 3年次 4年次

関連

知識

日本語表現 映像製作技術 現代メディア 総合演習(社会情報論)日本国憲法 統合メディア論 ITビジネス特論 社会メディア論社会学 情報法論 知的財産法 経済思想史現代社会の社会学 情報経済論Ⅰ 幾何学  経済学 情報経済論Ⅱ 確率統計学  コミュニケーションと表現 情報化社会と労働 応用解析学  コミュニケーションと表現実習 メディアアート 応用代数学  文学 Web デザイン 技術史・技術論  映画史 微分積分学Ⅰ 現代資本主義  新聞とメディア 微分積分学Ⅱ インターンシップ  

幾何学Ⅰ 社会情報論  オフィス・リテラシー 図書館とメディア  

  言語学      社会調査論      社会問題の社会学      コミュニケーション論      テクスト論    

ゼミ 基礎ゼミⅠ 基礎ゼミⅡ プレゼミ 総合研究

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稚内北星学園大学カリキュラム表(3/3)

区分

1年次 2年次 3年次 4年次

語学

・健康

基礎英語   英語(リーディングⅠ)  総合英語Ⅰ   英語(英作文Ⅰ)  総合英語Ⅱ   英語(英文法Ⅰ)      英語(リスニングⅠ)      異文化理解Ⅰ      英語(リーディングⅡ)      英語(英作文Ⅱ)      英語(英文法Ⅱ)      英語(リスニングⅡ)  ロシア語初級Ⅰ   ロシア語初級Ⅱ      ロシア語表現    異文化理解Ⅱ   ロシア語講読スポーツⅠ スポーツⅢ    スポーツⅡ スポーツⅣ      健康科学論    

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平成19年度 文部科学省委託事業 「XML データベース教育教材の開発」事業

大学教育におけるIT技術教育に関するヒアリング

学校名 徳島文理大学 場所 徳島文理大学徳島キャンパス

応対者 人間生活学部  学科 教授 医学博士     藤井 信男 先生メディアデザイン人間生活学部  学科 学科長 教授      福光 賢祐 先生メディアデザイン人間生活学部  学科 准教授 情報 副所長 篠原 靖典 先生メディアデザイン センター人間生活学部  学科 講師          山城 新吾 先生メディアデザイン

ヒアリング日 平成 19 年 11 月 8 日

 15:00~16:15参加者 海野晴博(日本電子専門学校)

田中義敏(東京電子専門学校)

山崎政博(松山コンピュータ専門学

校)

形 式 座談会形式

1.大学プロフィール(学校案内ベース)

 (1)学部・学科構成

キャンパス 学部 学科 専攻・コース 入学定員

徳島キャンパス 薬学部 薬学科 230人間生活学部 食物栄養学科 90

児童学科 130心理学科 100メディアデザイン学科 60住居学科 40人間生活学科 50

健康福祉学部 人間福祉学科 40総合政策学部 総合政策学科 80音楽学部 音楽学科 ピアノコース 50

声楽コース

打楽器コース

管打楽器コース

電子楽器コース

音楽療法コース

香川キャンパス 香川薬学部 薬学科 130薬科学科(4 年制) 20

工学部 臨床工学科 40ナノ物質工学科 60機械創造工学科 60電子情報工学科 60

文学部 文化財学科 40

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日本文学科 40英語英米文化学科 40

徳島キャンパス 短期大学部 保育科 100生活科学科 食物専攻 50

生活科学専攻 40商科 50言語コミュニケーション学

40

音楽科 30

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 (2)ヒアリング対象学部/学科

    人間生活学部 メディアデザイン学科

 (3)学科特徴

   ①デジタルコンテンツを自在に制作する技術を習得

    映像やグラフィックス、Webデザインなど、デジタルコンテンツの制作技術を学ぶ。

    コンテンツの制作を総合的にプロデュースできることに重点を置き、卒業してすぐに活躍で

    る技術と能力を養う。

   ②現代社会に必須のコンピュータの基礎を習得

    進路に関わらず、あらゆる分野に応用できる技術としてコンピュータの基礎を学ぶ。

   ③市場の調査や知的財産など生日のフィールドは広範囲

    デジタルデザインにあたって必要となる、人々のニーズや行動を市場調査や分析を通じて明

かにする「マーケティング」や、著作権などさまざまな権利や知的財産の取扱といった「ラ

ツマネジメント」についてバランスよく学んだ上で、コンテンツの制作やe-ラーニングの

発に取り組む。

   ④すべての知識や技術を統合した「インストラクショナルデザイン」

    学んだ知識や技術のすべてを駆使した総合的な応用の場として、インターネットやデジタル

ディアを利用した「e-ラーニング教材」の開発を行う。

 (4)取得できる資格

    ・教員免許高一種(情報)

    ・上級情報処理士

    ・社会調査士

    ・基本情報技術者試験

    ・ソフトウェア開発技術者試験

    ・情報セキュリティアドミニストレータ試験

    ・教育情報化コーディネータ検定

    ・初級・上級システムアドミニストレータ試験

    ・テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験

 (5)主な進路

    ・インターネット関連会社

    ・教育関係、教育教材開発会社

    ・ソフトウェア開発会社

    ・広告関連会社、マスコミ関係

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 (6)履修科目

年次 メディア基礎 メディア応用 関連科目

1 年次 情報処理

コンピュータ概論

コンピュータ基礎演習

プログラミング演習

情報数学Ⅰ

情報数学Ⅱ

応用統計学

広告メディア論 基礎ゼミナール

情報科学

生活情報通論

2 年次 プログラミング論A

プログラミング論B

情報データベース

情報心理学

情報社会論

情報システム論A

情報システム論B

Webデザイン論

専門ゼミナールA

生活と法律Ⅰ

地域経済学

社会調査法

地域・市場調査Ⅰ

社会心理学

教育情報処理

3 年次 ネットワークプログラミング情報セキュリティ論

プレゼンテーション論

ニュービジネス論

マーケティング論

情報通信 論ネットワーク情報メディア論

環境データベース

ロボティクス

インストラクショナルデザイン演習コンピュータグラフィック

専門ゼミナールB

生活と法律Ⅱ

地域・市場調査Ⅱ

4 年次 論コンピュータネットワーク演習コンピュータネットワーク演習プレゼンテーション

演習Ⅱコンピュータグラフィック情報システム演習

CGアニメーション

ゲーム論

メディア教育論

演習インストラクショナルデザイン

卒業研究

情報関係法

生活と法律Ⅲ

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2.ヒアリング内容

 (1)入学生について

   (ⅰ)地域

      徳島県内からの入学者が半分、残りは中四国地域が多いが、沖縄からの入学生も多い

   (ⅱ)レベル

     ・必ずしもコンピュータが大好きなマニアが入学する訳ではない

     ・高校までの情報教育でWordとExcelの基本程度は履修済の学生が多い

     ・辛うじてキーボードが触れる程度の学生も入学するが大学で鍛え直す

 (2)全学的なIT教育

   (ⅰ)文理スタンダード

      学部/学科に関わらず、徳島文理の卒業生は必ずITに関して最低限到達しているレベ

の教育として、「文理スタンダード」制度を制定

   (ⅱ)文理スタンダードの方針

     ・ソフトの操作方法を学ぶのではなく、目的を持って何かを行うために必要な技術を学ぶ

   (ⅲ)文理スタンダードの授業内容

     ①1年次前期

      ・情報モラル/セキュリティ

      ・メール/インターネットの利活用

      ・Word(レポートの書き方中心)

      ・Excel(統計分析手法)

     ②1年次後期

      ・PowerPoint(プレゼン手法)

      ・静止画編集

      ・動画編集

      ・Web制作

 (3)メディアデザイン学科としてのIT教育

   ・全学的に実施している「文理スタンダード」は、コンピュータの利用者としての技術習得で

るが、メディアデザイン学科は「開発者」としての技術を習得する。

   ・平成18年度からカリキュラムを大幅改訂し、ソフトの使い方ではなく、プランニングから

作までの全行程を自分で行わせている。

   ・従来のカリキュラムよりも、ゼロから作り出す力は伸びている。

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 (4)プログラム教育

    VB.Net、C、VBA、Perlの教育を実施

    企業からはJavaが求められている感触を大学としても感じているが取り組めてはいない

 (5)データベース教育

   ・SQLの授業はAccessで実施

   ・OracleやSQL Serverは授業では利用していない

 (6)XML―DB教育

   ・XMLとXML-DBを個別に授業しているのではなく、XML-DBの授業の中でXML

基礎教育も実施

   ・使用テキストは毎日コミュニケーションズ社の「XMLデータベース入門以前」

   ・XMLの基本的なタグの利用方法を知り、XMLの必要性を知るに止まっている

   ・XPathやXQueryも授業は行うが、学生の理解に関しては疑問

   ・DBMSとしてはNeoCore、Xprioriを利用

   ・XMLについて企業から求められている感覚はあるが現実には求めるレベルの教育はできて

ない

   ・基礎的な内容からXML-DBまで教育するには、絶対的に時間が不足している

 (7)資格指導について

   ・必須の資格は存在せず、取得を推奨しているものは高校の情報教員資格と初級シスアド

   ・初級シスアドは、授業だけでなく資格対策講座も開講

   ・SE就職者やWeb系就職者もいるが、就職が多岐にわたるので特定の資格指導を全員に対

て行うことは困難

 (8)標準化への対応

    ・JABEEやJ07を意識はしているが、授業の一環としての実施は困難

    ・現在のところ、全面的に取り入れる予定はなく、必要なところだけを取り入れていく予定

 (9)自己点検・評価

    ・委員会を作って対応している

    ・学生アンケートを前期/後期にそれぞれ実施

    ・公開授業を実施し、学生及び教員からの評価を実施

    ・結果の公開は、現時点では学内の関係者に限定(学生を除く)

    ・2~3年以内に、第三者評価の実施や学外への結果の公開を実施予定

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 (10)学内ポータルサイト

    ・学内ポータルサイトは構築しており、学科や学年を限定した伝達メールの発信も可能

    ・学内SNSは存在しない

    ・Mixiは大部分の学生が利用していると思われる

    ・徳島大学が中心となり、四国の大学が連携してSNSを構築する計画がある

 (11)産学連携

    ・学内のファミリーマートと協同で商品開発を実施

     (弁当のオリジナルメニュー開発、エコバッグ、ファイルケース)

    ・徳島新聞社と協同で、防災教材としてFlashを利用したWeb上でゲーム感覚で学べ

教材開発

    ・徳島県立文書館と連携して「学ぼう!楽しもう!~インターネット特別展示室」を公開

    ・学生は産学連携に巻き込んで必要に迫られると大きく成長する

 (12)問題点

    ・XML-DBやLinux、Java等、IT系は取り組まなければならな課題が多いが、

現実的には全体で調整しながら実施するのではなく、必要性を感じた出来る人間が自主的

取り組むしかない。

3.所感

 ヒアリングの中で、従来の研究機関としての大学の位置づけは、ほとんど感じられず、実務に即し

た戦力の養成に主眼を置いているように感じた。

 現時点では、「XML-DBへの取り組みは行っていない訳ではない」レベルであるが、社会の求

める人材像を常に視野に入れた教育の取り組みをしており、近年中には本格的にJav aやXMLへの対応を実施するバックボーンが感じられた。

(山崎記)

80

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平成19年度 文部科学省委託事業 「XML データベース教育教材の開発」事業

大学教育におけるIT技術教育に関するヒアリング

学校名 高知工科大学 場所 高知工科大学キャンパス

応対者 工学博士 工学部情報システム学科 助教 妻鳥 貴彦 先生

ヒアリング日 平成 19 年 11 月 9 日

 10:00~11:30参加者 海野晴博(日本電子専門学校)

山崎政博(松山コンピュータ専門学

校)

田中義敏(東京電子専門学校)

形 式 座談会形式

1.大学プロフィール(学校案内ベース)

 (1)学部・学科構成

学部 学科 専攻・コース 入学定員

工学部 物質・環境システム工学科 92

知能機械システム工学科 92

電子・光システム工学科 92

情報システム工学科 92

社会システム工学科 92

フロンティア教育プログラ

20

 (2)ヒアリング対象学部/学科

    工学部 情報システム工学科

情報システム工学科では、柔軟で大胆な発想を育てることを主眼に置き、人に優しい次世

代の情報ネットワークシステムの実現に向けた人材を養成する技術者教育プログラムを通し

て、情報システムに関する基礎知識だけでなく、実践的な先端技術スキルやコミュニケーシ

ョン能力を養い、バランス感覚に優れたIT技術者の卵として、学生の皆さんを社会に送り

出しています。

高知工科大学には、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)が1999年4月から2

004年3月まで運用した次世代情報通信技術開発の国家的プロジェクト“JGN”で、全国に

3カ所設けられた「TAOリサーチセンター」の1つが置かれました。(他の2つは東京大学

グループと東北大学)。さらに2005年からはJGNの発展的プロジェクトであるJGNⅡ

のリサーチセンターが開設・運用されています。こうした日本屈指の情報通信技術の研究開発

環境で学べることも、本学科の大きなメリットの一つです。

81

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 (3)開講科目

1年次

〔専門基礎科目〕

初等代数学

離散数学

〔情報通信ネットワーク〕

通信網概論

〔計算機システム〕

論理回路理論

〔計算機ソフトウェア〕

計算機言語第1

〔自然科学・情報〕

コンピュータリテラシー

情報科学第1・2・3

2年次

〔専門基礎科目〕

応用解析学

数値計算法

情報理論基礎

アナログ・ディジタル通信

〔情報通信ネットワーク〕

通信方式

オートマトンと形式言語

〔計算機システム〕

線形回路理論

電子回路

3年次

〔情報通信ネットワーク〕

計算機ネットワーク

情報セキュリティ

情報ネットワーク設計

〔計算機システム〕

計算機アーキテクチャ

計算機システム

集積回路システム

〔計算機ソフトウェア〕

データベースシステム

オペレーティングシステム

ソフトウェア工学

情報システム工学実験第3・4

〔情報処理〕

人工知能基礎

パターン認識・理解

ヒューマンインターフェイス概論

コンピュータグラフィックス

4年次

〔卒業研究関連科目〕

情報システム工学特別講義

プロジェクト研究1・2・3

卒業研究

82

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〔計算機ソフトウェア〕

計算機言語第2

アルゴリズムとデータ構造1・2

オブジェクト指向プログラミング基礎

情報システムプログラミング

情報ネットワークプログラミング

情報システム工学実験第1・2

〔情報処理〕

知覚と認識、画像処理

83

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2.ヒアリング内容

 (1)工学部内共通のIT教育

    ・コンピュータリテラシー教育では

      コンピュータの基本的使い方で、コンピュータワークステーションにて、メールの出し

方、簡単な文書作成、ホームページの見方、使い方をやっている

   ・情報科学教育では

     ・プログラムを書く、表計算など、各学科のニーズによって違うが、情報システム科では

プログラミングを中心にやっている

 (2)プログラム教育

   ・PASCAL(共通の教科書を使っている)言語で学習・実習をおこなう

Macをつかっている。変換の仕方、センタリング、文書作成を行っている。

・JAVA言語を学習・実習を行う

・C言語・アセンブラ言語(レゴのプログラミング)

   ・オートマンと形式言語の中でXMLを実施している

    形式言語(銀行処理系)の仕組み構造を教えている。実習で特別なにかをやるとうことはや

っていない。指導教員にゆだねられている

 (3)資格指導について

   ・大学として資格試験へ対応することはしていない

   ・学生が自らの意思で取るようには言っている

・バックアップする形で情報処理技術者試験を受験している程度・単位認定も検討中

・高校生の希望があるので検討していきたい

・全科目選択制を取っているので、資格認定はとれない

   ・学生として社会に出る際の能力を示す意味では資格試験にも意味があるかもしれないが、社

人の能力認定は資格でなく仕事で示すべきものであり、社会人になって以降の資格は無意味

(4)企業の反応

・PASCALを使って支障はない

・企業によるが、組込ではC言語・アセンブラ、ASP系企業 JAVA・XML等を希望し

ているところもある

・基本は押さえていつでも対応できる知識・プログラミングのスキルは身に付けて卒業しても

らいたい

 (5)入学について

・7~8割は四国、その他 岡山、広島が多い

(6)就職について

   ・地元での就職は少ないので、企業が限られている

84

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    ・関西・関東からの求人が多いので、若いときに出て行って経験してきなさいと指導してい

るが、Uターンしたくても地元に求人がない。

 (7)データベース教育

    ・Acceseで実施

   

(8)標準化への対応

    ・2年後に、大学の再編成のともない、JO7を視野に入れて検討中

    ・JABEEの申請を目指している。

(9)自己点検評価

・自己点検評価 5年に一回、第三者評価を行い、公開を実施している

・個人特定で事務局が行い、授業評価によって教員評価をポイント制度(5段階評価)で、

給料が決まっているとのこと

(10)産官学連携について

・官に関して 文科省COE 教育GPに参加 

総務省情報通信機構JGN2に参加

積極的に参加するようにしている

・産に関して 四国レベルの産学連携組織に参加している

コーディネイトする担当教員がいる。

積極的に参加しようとしているが企業のニーズとマッチングしていない

(11)学生インターンシップ

・3年生の時に、全ての学生が履修させるように指導している

・受け入れ先を探すのは大変であるが、幅広く受け入れていただいている。

・学生の希望と制限があって違うところもあるが、行かせて体験させている

・インターンシップ報告会でプレゼンテーション聞いていて、意識していない世界に刺激を

受けてきているようである

・インターンシップの医療系・プログラム系などは、なかなか、学生のニーズに添わないこ

とが多く、今後の課題

・インターンシップに行く前に3年生に個別に指導している。そのためにも、それまでにゼ

ミの決定をして、ゼミ単位で指導をしている。

(12)学生ベンチャーについて

・学校の近くにコンビニをつくって、経営をしている

・他あまり事例はない

・1年の時に、「スタディースキル」で「学び方の学び」をやっているその中で、ある先生

がシミュレーションで会社を作る授業をやっている

85

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(13)クオータ制をとっている

・第1クオータ  4月~ 5月  2ヶ月で15回 (週2回)1単位

     第2クオータ  6月~ 7月

     第3クオータ 10月~11月

     第4クオータ 12月~ 1月

    

 (14)問題点

    ・XMLについては、特にそれを取り上げるとうことでは、色がついてしまうので、積極的

に取り組んではいない

3.所感

IT教育中心とした学科だけの大学であり、積極的に産官学の連携に取り組んでいる。地域を意識

し、学生とコミュニケーションを取りながら、学生の人間力をたかめ社会に出て行ける環境を造って

いこうという方針を感じられた。また、1年間を4クオータ制で実施し、全科目選択制とういうこと

とMacを使用していることが、工学系にない運営に興味を覚えました。

(田中記)

86

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平成19年度 文部科学省委託事業 「XML データベース教育教材の開発」事業

大学教育におけるIT技術教育に関するヒアリング

学校名 松山大学 場所 上杉准教授研究室

応対者 経営学部 准教授 上杉 志郎先生

ヒアリング日 平成 19 年 11 月 9日

 15:00~16:25参加者 海野晴博(日本電子専門学校)

田中義敏(東京電子専門学校)

山崎政博(松山コンピュータ専門学

校)

形 式 座談会形式

1.大学プロフィール(学校案内ベース)

 (1)学部・学科構成

学部 学科 入学定員

経済学部 経済学科 395経営学部 経営学科 396人文学部 英語英米文学科 101

社会学科 122法学部 法学部 213薬学部 医療薬学科 160

          別枠として編入枠(若干名)あり

 (2)ヒアリング対象学部/学科

    経営学部

 (3)学科特徴(学校案内より)

・多彩なコース制

経営学部では幅広く、多様なニーズに応えるため、昭和 45 年からコース制を導入し

ており、平成 5 年から現在の 6 コース体制となっている。学生はいずれかのコースに所

属し、幅広い経営学領域のなかから特定の領域の専門科目を集中的に習得することによ

り、その道のエキスパートとなることを目指す。

・ゼミの全学年必修

 経営学部では、ゼミナールを1回生から4回生まで必修としている。小人数による専

門的な教育を徹底し、あわせて、就職や日常生活など学習面にかぎらずきめ細かな指導

体制をつくりあげている。

・ノートパソコンの必携

経営学部では、最低限のコンピュータ・リテラシー(利用能力)を身につけ、パソコン

をツールとして使いこなせる人材を育てるため、学生全員にノート型パソコンの所有を

義務づけている。また多様な情報科目を配置し、自然とIT技術が身につくような指導

を実践している。

87

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・キャリア科目群の設置

 現代のグローバル化社会を生き抜くためには、自分の位置と特性を見つめ、キャリア

戦略をたてられることが大事だと考え、企業等のマネジメントを学びながら、それを自

分自身をマネジメントしていくためにも活用していくという、経営学を真に生きた知識

とすることを目的としたキャリア教育にも力を入れている。

・インターンシップ制度の導入

 経営学部は、平成 7 年度からオフ キャンパス プログラムという名称で、当時は全国・ ・的にも珍しかったインターンシップ制度を県内で最初にはじめた。教室で学ぶ企業や業

務を、実社会のなかで学びなおすという、「生きた経営学」を身につけることをねらい

としている。

・ゼミナール大会の実施

 経営学部では、各ゼミで学んだことをまとめ、プレゼンテーションをする機会をつく

るために、平成 13 年からゼミナール大会を開催している。ここでは、発表のためにい

っそうの努力をするグループや他のゼミ生や教員から厳しい指摘をうけ、さらに成長し

ていくグループが現れる。後日優秀な発表をしたグループは表彰される。

 (4)取得できる資格

    ・

教員免許高一種(情報)

    ・公認会計士

・税理士

・司書・司書教諭課程

・ファイナンシャルプランナー

・情報処理技術者試験

・簿記検定講座

・公務員

・法学検定

・不動産関連資格

    ・その他

   #資格取得に対する褒章制度有 公認会計士30万円他

 (5)主な進路(就職先)

    ・

建設業

    ・製造業

    ・卸・小売業

    ・金融・保険業

    ・不動産業

    ・飲食店・宿泊業

    ・電気・ガス・水道・熱供給

    ・情報通信業

    ・運輸業

    ・医療・福祉

    ・教育・学習支援業

    ・複合サービス事業

    ・サービス業

    ・公務員等各種

 (6)履修科目

      別紙

88

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2.ヒアリング内容

 (1)学内 IT環境   (ⅰ)ノートパソコンの必携

      学生には全員ノートパソコンの所持を義務付けている。

       一年次に指定のもの:約15万円

   (ⅱ)学内 LAN     ・事務系 LAN  シンクライアント接続により構成 教育系と別配線

     ・教育系 LAN  教育事務等に関するLAN。各種教育資産を含む

     ・資格試験用  MOS試験対応専用教室

             普段はネット非接続 試験時のみ ADSL で MS に接続

 (2)ITリテラシー教育

   IT基礎教育

      1年次 リテラシー 8時間

          スキルズ  1単位:前期15回

 (3)経営学部としてのIT教育

・ 経営に関わる情報

        MIS,OR,経営等

・ 情報システム

        情報処理論,Webデザイン論,C,Perl

・ e-ラーニング

        Moodle サーバーで利用

        コンピュータ以外の経営関連科目

・ その他

        一部研究室で

         ORACLE マスターシルバー MySQL         Web デザイン

         会計-BRML        教員交流で研究中

 (4)プログラム教育

・ ITエンジニア教育は特におこなっていない

   ソフトハウス等への就職者は自分で研究し資格取得等おこなう

   一部の研究室で SCM システムの開発やオンラインショップの研究など実施

 (5)データベース教育

   ・一部の研究室で研究している程度

89

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 (6)XML―DB教育

   ・今後の検討課題

 (7)資格指導について

   ・取得を推奨し、報奨金制度も設けているが、ターゲットは経営関連資格。

   ・マイクロソフト関連資格は資格対策講座も開講

 

 (8)標準化への対応

・JABEE等の対応はやっていない。 将来的に検討中。

3.所感

 従来からの大学の運営方式で学術理論研究を中心とした授業が展開されている。但し、現代企業業

務に対応できるIT利用法を徹底的に体得させる仕組みを作り上げている。

 一部の研究室の研究テーマとしてITエンジニアリングの研究が実践され、プログラム言語やデー

タベースなどの研究がおこなわれているが、全学的な展開ではない。社会の制度として会計報告のI

T化などの動きに対して対応できるような研究はおこなわれているようだが、それ以上ITエンジニ

ア養成の展開には時間がかかりそうである。

(海野記)

90

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松山大学経営学部カリキュラム表(1/4)

  経営コース 情報コース 会計コース 流通コース 経営教育コース 国際ビジネスコース

基礎科

1年次以

経営学概論 簿記原理

コンピュータ入門 基

礎演習

経営学概論 簿記原理

コンピュータ入門 基

礎演習

経営学概論 簿記原理

コンピュータ入門 基

礎演習

経営学概論 簿記原理

コンピュータ入門 基

礎演習

経営学概論 簿記原理

コンピュータ入門 基

礎演習

経営学概論 簿記原理

コンピュータ入門 基

礎演習

2年次以

演習第一 演習第一 演習第一 演習第一 演習第一 演習第一

3年次以

演習第二 演習第二 演習第二 演習第二 演習第二 演習第二

4年次以

演習第三 卒業論文 演習第三 卒業論文 演習第三 卒業論文 演習第三 卒業論文 演習第三 卒業論文 演習第三 卒業論文

1年次以

経営学原理 一般経営

史 経営管理総論 経

営情報総論 会計学通

論 商学総論

経営情報総論 コンピ

ュータ通論

商業会計論 工業会計

論 会計学通論

商学総論 企業論 会

計学通論

経営学原理 商業会計

論 工業会計論 会計

学通論 教育原理 教

育心理学 教師論

コンピュータ通論 経

営情報総論 商学総論

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核科

2年次以

経営学史 企業論 経

営組織論 経営労務論

経営財務論 マーケテ

ィング論 国際経営論

外国書講読

経営情報システム論 

経営工学概論 経営科

学 情報処理論(基

礎) 情報社会論 情

報と職業 会計情報解

析論 外国書講読

財務会計論 原価計算

論 管理会計論 会計

情報解析論 経営分析

外国書講読

マーケティング論 広

告論 保険論 商業史

国際マーケティング論

貿易論 実用英語 外

国書講読

産業教育論 産業心理

学 カウンセリング論

生涯学習論 情報社会

論 ライフコース論 

教育方法論 比較教育

制度学 教育史 教育

課程論(特別活動の指

導法を含む) 職業指

導I 職業指導 II 情

報と職業 経営労務論

マーケティング論 外

国書講読

貿易論 実用英語 国

際マーケティング論 

広告論 保険論 マー

ケティング論 外国書

講読

3年次以

経営戦略論 生産シス

テム論 経営コース特

殊講義

生産システム論 品質

システム論 経営デー

タ解析 情報資源管理

論 情報処理論(応

用) 情報コース特殊

講義

資金会計論 会計監査

論 税務会計論 国際

会計論 会計コース特

殊講義

消費者行動論 流通論

リスクマネジメント論

経営データ解析 流通

コース特殊講義

経営教育コース特殊講

国際会計論 リスクマ

ネジメント論 国際ビ

ジネスコース特殊講義

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松山大学経営学部カリキュラム表(2/4)

  経営コース 情報コース 会計コース 流通コース 経営教育コース 国際ビジネスコース

関連科

1年次以

コンピュータ通論 商

業会計論 工業会計論

経営学原理 企業論 

経営管理総論 商業会

計論 会計学通論 商

学総論

経営学原理 企業論 

経営管理総論 経営情

報総論 コンピュータ

通論 商学総論

経営学原理 一般経営

史 経営管理総論 経

営情報総論 商業会計

論 工業会計論

一般経営史 企業論 

経営管理総論 経営情

報総論 コンピュータ

通論 商業会計論

経営学原理 企業論 

経営管理総論 商業会

計論 会計学通論

2年次以

経営情報システム論 

経営工学概論 経営科

学 情報処理論(基

礎) 情報と職業 財

務会計論 原価計算論

管理会計論 会計情報

解析論 広告論 保険

論 商業史 貿易論 

実用英語 国際マーケ

ティング論 産業心理

学 銀行論 交通論 

経営組織論 経営労務

論 経営財務論 財務

会計論 原価計算論 

管理会計論 マーケテ

ィング論 広告論 保

険論 国際経営論 貿

易論 実用英語 国際

マーケティング論 リ

スクマネジメント論 

産業教育論 産業心理

学 銀行論 マルチメ

ディア演習

経営組織論 経営科学

経営労務論 経営財務

論 経営情報システム

論 情報処理論(基

礎) マーケティング

論 情報と職業 企業

実務研修 社会活動 

経営組織論 経営労務

論 経営情報システム

論 情報処理論(基

礎) 情報と職業 財

務会計論 原価計算論

会計情報解析論 銀行

論 交通論

経営学史 経営組織論

経営財務論 経営情報

システム論 情報処理

論(基礎) 教育相談

道徳教育の研究 生徒

指導の研究(進路指導

を含む) マルチメデ

ィア演習 企業実務研

修 社会活動 財務会

計論 原価計算論 管

理会計論 会計情報解

析論 広告論 商業史

実用英語

経営労務論 経営財務

論 経営情報システム

論 経営科学 情報処

理論(基礎) 情報と

職業 企業実務研修 

社会活動 財務会計論

原価計算論 会計情報

解析論 商業史 産業

教育論 銀行論 交通

論 情報コース特殊講

義 経営コース特殊講

義 流通コース特殊講

義 経営教育コース特

殊講義 国際ビジネス

コース特殊講義

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松山大学経営学部カリキュラム表(3/4)

  経営コース 情報コース 会計コース 流通コース 経営教育コース 国際ビジネスコース

関連科

目 3年次以

品質システム論 経営

データ解析 情報資源

管理論 資金会計論 

税務会計論 経営分析

会計監査論 国際会計

論 消費者行動論 流

通論 リスクマネジメ

ント論 情報コース特

殊講義 会計コース特

殊講義 流通コース特

殊講義 経営教育コー

ス特殊講義 国際ビジ

ネスコース特殊講義

経営戦略論 経営分析

消費者行動論 流通論

経営コース特殊講義 

会計コース特殊講義 

流通コース特殊講義 

経営教育コース特殊講

義 国際ビジネスコー

ス特殊講義

経営戦略論 生産シス

テム論 経営データ解

析 情報処理論(応

用) リスクマネジメ

ント論 情報コース特

殊講義 経営コース特

殊講義 流通コース特

殊講義 経営教育コー

ス特殊講義 国際ビジ

ネスコース特殊講義

経営戦略論 品質シス

テム論 情報資源管理

論 情報処理論(応

用) 経営分析 税務

会計論 情報コース特

殊講義 会計コース特

殊講義 経営コース特

殊講義 経営教育コー

ス特殊講義 国際ビジ

ネスコース特殊講義

経営データ解析 情報

資源管理論 税務会計

論 経営分析 会計監

査論 消費者行動論 

リスクマネジメント論

情報コース特殊講義 

会計コース特殊講義 

流通コース特殊講義 

経営コース特殊講義 

国際ビジネスコース特

殊講義

経営戦略論 経営デー

タ解析 消費者行動論

流通論

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松山大学経営学部カリキュラム表(4/4)

  経営コース 情報コース 会計コース 流通コース 経営教育コース 国際ビジネスコース

周辺科

1年次以

教育原理 教育心理学

教師論

一般経営史 工業会計

論 教育原理 教育心

理学 教師論

一般経営史 教育原理

教育心理学 教師論

コンピュータ通論 教

育原理 教育心理学 

教師論

  一般経営史 工業会計

論 教育原理 教育心

理学 教師論

2年次以

産業教育論 カウンセ

リング論 生涯学習論

情報社会論 ライフコ

ース論 マルチメディ

ア演習 企業実務研修

社会活動 

経営学史 商業史 カ

ウンセリング論 生涯

学習論 交通論 ライ

フコース論 企業実務

研修 社会活動

経営学史 経営工学概

論 情報社会論 ライ

フコース論 マルチメ

ディア演習 広告論 

保険論 商業史 実用

英語 貿易論 国際マ

ーケティング論 生涯

学習論 国際経営論 

交通論 銀行論

経営学史 経営財務論

経営工学概論 経営科

学 管理会計論 産業

教育論 産業心理学 

カウンセリング論 生

涯学習論 情報社会論

ライフコース論 マル

チメディア演習 企業

実務研修 社会活動 

経営工学概論 経営科

学 保険論 国際経営

論 貿易論 国際マー

ケティング論 交通論

銀行論

経営学史 経営組織論

経営工学概論 情報社

会論 ライフコース論

マルチメディア演習 

管理会計論 産業心理

学 カウンセリング論

生涯学習論

3年次以

情報処理論(応用) 資金会計論 会計監査

論 税務会計論 国際

会計論

品質システム論 情報

資源管理論 消費者行

動論 流通論

生産システム論 資金

会計論 会計監査論 

国際会計論

経営戦略論 生産シス

テム論 品質システム

論 情報処理論(応

用) 資金会計論 国

際会計論 流通論

生産システム論 品質

システム論 情報資源

管理論 情報処理論

(応用) 資金会計論

経営分析 会計監査論

税務会計論

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平成19年度 文部科学省委託事業 「XML データベース教育教材の開発」事業

大学教育におけるIT技術教育に関するヒアリング

学校名 愛媛大学 場所 愛媛大学総合情報メディアセンター

応対者 大学院教授 工学博士 工学部情報工学科 学科長 小林 真也  先生

松山市役所 総合政策部電子行政課        尾崎 富士夫 氏

ヒアリング日 平成 19 年 11 月 9 日

 16:30~18:00参加者 海野晴博(日本電子専門学校)

田中義敏(東京電子専門学校)

山崎政博(松山コンピュータ専門学

校)

形 式 座談会形式

1.大学プロフィール(学校案内ベース)

 (1)学部・学科構成

学部 学科 専攻・コース 入学定員

法文学部 総合政策学科 昼間主コース 260夜間主コース 80

人文学科 昼間主コース 115夜間主コース 50

教育学部 学校教育教員養成課程 100特別支援教育教員養成課程 20総合人間形成課程 国際理解教育コース 15

生活環境コース 20情報教育コース 10人間社会デザインコース 15

スポーツ健康科学課程 20芸術文化課程 音楽文化コース 10

造形芸術コース 10理学部 数学受験コース 150

物理受験コース

化学受験コース

生物受験コース

数学科 75物理学科

化学科

生物学科

地球科学科

医学部 医学科 90看護学科 60

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工学部 機械工学科 90電気電子工学科 80環境建設工学科 90機能材料工学科 70応用化学科 90情報工学科 80

農学部 生物資源学科 170

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 (2)ヒアリング対象学部/学科

    工学部 情報工学科

 (3)学科特徴

   ①コンピュータをサイエンスする

    出来あがったコンピュータを利活用するコンピューティングではなく、コンピュータそのも

をサイエンスすることが情報工学科の役割。

   ②T型人材の育成

    幅広い分野の知識と、職務における専門能力の両方を有する人材の育成。

   ③基礎作りと体系化を主眼とした教育

    コンピュータのハードウェアおよびソフトウェアの基礎科目や情報ネットワークの基礎科目

に重点を置き、基礎作りと体系化を主眼とした教育を行う。

 (4)取得できる資格

    ・高等学校教諭一種免許状(情報)

 (5)主な進路

    ・インターネット関連会社

    ・教育関係

    ・ソフトウェア開発会社

    ・製造関係

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 (6)開講科目

プログラミング言語

論理回路

プログラミング演習

計算機システム

信号処理

データ構造とアルゴリズム

オペレーティングシステム

オートマトン理論

ディジタル通信

データベース論

言語理論

情報ネットワーク

コンパイラ

ソフトウェア工学

情報工学実験

情報リテラシー

システムデザイン

卒業論文

電子回路

情報通信工学

情報数学

技術英語

電気回路論

画像情報工学

数値解析

情報理論

知識工学

パターン認識

数理計画法

並列分散処理

情報と職業

企業倫理

知的所有権

産業経済論

集積回路工学

情報計測学

コンピュータグラフィックス

ニューラルネットワーク

システム制御工学

ヒューマンインターフェイス

情報システム工学

インターンシップ

応用数学

応用解析学

統計解析

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2.ヒアリング内容

 (1)工学部内共通のIT教育

   (ⅰ)情報モラル

      技術者倫理教育、知的所有権に関する教育は、学部全体の教務の総意で実施

   (ⅱ)社会人リテラシー教育

     ・ネチケット

     ・Word

     ・Excel

     ・PowerPoint

 (2)情報工学科としてのIT教育

   ・勉強したい学生には、大学の資源だけでいつでも勉強できる環境を準備

   ・総合メディアセンターのコンピュータルームは24時間いつでも利用可能

(キーカードによる入退出管理)

   ・メディアセンターのコンピュータは、Windows もLinuxも学べるようにデュアルブー

環境を構築している

   ・大学はチャンスを与える機関であり、自ら伸びようととする学生にはチャンスを与えたい。

に自ら伸びようとする意識のない人間は入学しても無駄である

   ・ロケーションに関わらず無線LANを利用できる環境を構築中(登録制)

 (3)プログラム教育

   ・C言語のみ

   ・大学は、言語実習をする場ではなく、コアとなる技術を習得する場である。

   ・複数言語を学ぶよりも、1つの言語でプログラム言語とは何かを学ばせれば、他のプログラ

言語は自学自習で習得できる。

   ・Javaのようなオブジェクト指向言語についても、特に授業は実施していない。

   ・オブジェクト指向言語を教えるのではなく、オブジェクト指向とは何かを徹底して教えれば、

オブジェクト指向のプログラミングも対応できる。

   ・工学部ではシミュレーションの為のプログラミングも行う。シミュレーションのような高速

処理速度を要求される場では、仮想マシン上で動作するJava言語は不向きである

 (4)XML―DB教育

   ・XMLとXML-DBそのものの教育は実施していない

   ・教員がJustSystemのXML統合開発環境ツールであるxfyの開発研究に、Ju

tSystemと協同で取り組んでおり、学生も研究を一緒に行っている。

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   ・XML―DBを利用する立場ではなく、XMLやXML-DBのシステム開発の立場で学生

教員も関わっている。

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 (5)資格指導について

   ・大学として資格試験へ対応することはしていない

   ・学生が自らの意思で情報処理技術者試験を受験している程度

   ・情報処理技術者試験の大学としての捉え方は、資格でなく能力認定であり、本当の意味での

力としての資格ではないと考えている。

   ・学生として社会に出る際の能力を示す意味では資格試験にも意味があるかもしれないが、社

人の能力認定は資格でなく仕事で示すべきものであり、社会人になって以降の資格は無意味

 (6)標準化への対応

    ・JABEEは四国の大学としては最も早く2004年に取得

    ・J07については検討会を作って検討中。J07そのものを取り入れるか、J07を参考

して愛媛大学オリジナルを構築するかは検討段階

    ・J07を取り入れたとしても、現在の流れから大幅な変更はない見込み

     大幅な変更をする必要性を感じていないことと、人的資源の問題で大幅な変更は不可能な

とが理由

    ・JABEEの効果として、教員の意識改革ができ、授業時間が遅れて開始したり、意味な

早く終わったり、授業の開講時間数をいい加減にする教員がいなくなった

    ・学生に対しても、単に「休むな」という指導でなく「理由なく休むな」と指導した上で、

可抗力で休んだ学生にはフォローできる体制が整った

 (7)問題点

    ・教える人間の高齢化が進み、愛媛大学でも主要な人材は2名を除いて、この数年以内に退

年齢を迎える

    ・若い教員が、自分たちで計画を策定、実行できる環境を作る必要がある

    ・大学の教員は研究に関してはプロであるが、実務家ではない

    ・実務家としての客員教授、客員准教授の登用が必要

3.所感

 大学という機関の中では異質な、若い教授が非常にパワフルに熱弁を奮っていることに驚いた。

 今年、愛媛大学と松山市が主催で愛媛大学プログラミングオープンチャレンジ@松山(EPOCH@まつやま)という全国から出場者を募ってプログラミングのコンテストを開催し、水資源のない松山

で産業を発展させる為にはITを推進するしかないという官学の意思の疎通が見られる。

 XMLについても、取り組んでいないと言いながら、現実にはxfyの開発の立場で関わっており、

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いつでもXMLやXML-DBを教育に取り入れられる体制になっているようである。

(山崎記)

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平成 19 年度 文部科学省委託事業 「XML データベース教材の開発」事業 大学教育における IT 教育に関するヒアリング

全国専門学校情報教育協会主催の「金沢工業大学視察」研修として随行する形での報告とし、本来の XMLDB に関するヒアリングではない。

学校名 金沢工業大学 場所 金沢工業大学 扇が丘キャンパス対応者 事務局長・理事 福田謙之 氏

学生部長・教授 藤本元啓 氏参加者 今西 英(大阪総合デザイン専門

学校)石山 聡(日本工学院専門学校)他参加者 28名(2名は当日キャンセル)

ヒアリング日

平成 19 年 11 月 26 日10:00~17:00

形式 視察会

1. 大学プロフィール(1) 学部・学科構成(4 学部 14 学科 定員 1480名) ※平成 20 年度より

学部 学科 専攻・コース 入学定員工学部 機械工学科

ロボティクス学科航空システム工学科電気電子工学科情報通信工学科

200名100名

60名160名

60名環境・建築学部 環境土木工学科

建築学科建築都市デザイン学科

80名160名

60名情報学部 メディア情報学科

心理情報学科情報経営学科情報工学科

120名60名60名

200名バイオ化学部 応用バイオ学科

応用化学科80名80名

(2) 平成 19 年 5 月 1 日現在の学生数:7,196名(学部 6,809名)

(3) 教員数:340名

専門教員の 53%が民間企業経験者で、原則として非常勤講師で教育を行わない。

学部人数 女子人数3,505名 64名2,030名 241名1,274名 189名

教授 207名准教授 62名講師 68名助教・助手 3名

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(4) 外部評価や認定基準の状況・日本経営品質賞

平成 16 年度 371/1000 点平成 18 年度 621/1000 点平成 16 年度 大学基準協会

・平成 17 年度 日本高等教育評価機構・JABEE

平成 15 年度 機械系 2 学科,材料系 2 学科平成 16 年度 環境系 2 学科,建築系 2 学科平成 18 年度 電気系 2 学科

2. 教育目標と理念目標:「高邁な人間形成」,「深遠な技術改革」,「雄大な産学協同」自ら考え行動する技術者の育成

学生一人ひとりが自己実現の目標を持ち,主体的に行動できる「学生が主役の大学」。学生自らが興味を持ち,計画的に学習し,考えて,行動できる教育を全学的に実践している。「プロジェクトデザイン教育」や「アクロノール・プログラム」によって,自分を活かしていける能力を修得させる。総合力(学力×人間力)を身につけるカリキュラムが特徴。

教育目標の階層化 職員の実践目標:顧客満足度の向上教員の実践目標:教える教育から学ぶ教育へ学生の実践目標:知識から知恵に教育の実践目標:行動する技術者の育成

→ 学部・学科の教育目標 → 科目群の教育目標 → 科目の行動目標 への結び付け

※ 階層化によって、自己成長型教育プログラム「アクロノール・プログラム」を構築。学生は「自ら考え、行動する技術者」として、社会のあらゆる局面において自分を活かしていける能力を修得する。

3.教育カリキュラム金沢工業大学は 3期制(年間約 150 日)で1コマ 60分の授業を実施。授業外でも年間 300 日、学生ひとりひとりが自己実現にむけて主体的に活動できる環境を実現している。

卒業に必要な単位修学基礎教育課程科目:67 単位,英語教育課程科目:24 単位,数理工基礎教育課程科目:9単位基礎実技教育課程科目:16 単位,専門教育課程科目:14 単位

専門教育課程単位科目

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情報学部 メディア情報学科 (例)

1 年 2 年1期 2期 3期 4期 5期 6期情報設計 コンピュータ科学 技術者のための統計 プログラミングⅡ メディア情報論Ⅱ 情報処理マルチメディア

Ⅰシステムアドミニストレーション コンピュータシステム メディア情報論Ⅰ 指向オブジェクト プログラミング Visual プログラミング

Ⅰプロジェクトデザイン Ⅱシステムアドミニストレーション UNIX入門 情報ネットワーク 情報セキュリティ

プログラミングⅠ データベース 情報ネットワーク演習

情報セキュリティ演習

アルゴリズム入門 3Dデッサン 空間メディア数学 Ⅱプロジェクトデザイン演習コンピュータグラフィックス

3 年 4 年7期 8期 9期 10期 11期 12期Web プログラミング 教育工学入門 メディア応用 メディアテクノロジーコア メディアテクノロジーコア メディアテクノロジーコアWindows 開発ソフトウェア とデータベース ネットワーク メディアデザイン メディアデザインコア メディアデザインコア メディアデザインコア画像情報処理 と映像グラフィックス メディア 専門実験・演習Ⅲ Ⅲプロジェクトデザイン Ⅲプロジェクトデザイン Ⅲプロジェクトデザインメディア物理 専門実験・演習Ⅱ コアゼミ専門実験・演習Ⅰ進路セミナーⅠ 進路セミナーⅡ 進路セミナーⅢ

データベースとネットワーク科目:3階層モデルのデータベースサーバを構築して ASP,JSP を駆使してグループ演習

情報学部 心理情報学科 (例)

1 年 2 年1期 2期 3期 4期 5期 6期情報設計 コンピュータ科学 技術者のための統計 プログラミングⅡ 実験心理学 応用心理統計学

Ⅰシステムアドミニストレーション Ⅱシステムアドミニストレーション 心理学コミュニケーション 人間工学 認知心理学Ⅰプロジェクトデザイン プログラミングⅠ 情報デザイン学 心理情報学実験・演習Ⅰ 心理情報学実験・演習Ⅱ

心理学概論 生涯発達心理学 ビジュアルコミュニケーション メディアプログラミング生理・解剖学 Ⅱプロジェクトデザイン

3 年 4 年7期 8期 9期 10期 11期 12期カウンセリング心理学 組織・社会心理学 健康科学 生活情報デザインコ

ア生活情報デザインコア

生活情報デザインコア

心理検査・調査法 快適性工学 生活情報学 感性情報デザインコア

感性情報デザインコア

感性情報デザインコア

製品設計学 情報環境学 専門実験・演習Ⅲ Ⅲプロジェクトデザイン Ⅲプロジェクトデザイン Ⅲプロジェクトデザイン感性情報学 設計学ヒューマンインターフェイス コアゼミ専門実験・演習Ⅰ 専門実験・演習Ⅱ 感性インスタラクション進路セミナーⅠ 進路セミナーⅡ 進路セミナーⅢ

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環境・建築学部 建築学科 (例)

1 年 2 年1期 2期 3期 4期 5期 6期建築学大意 建築計画学 建築設計Ⅰ 建築設計Ⅱ 建築CAD演習コミュニケーション・ドローイング(建築) 日本建築史 西洋建築史 居住空間論

Ⅰプロジェクトデザイン 建築構造学 環境計画 建築環境設備Ⅰ 建築設備建築環境学 建築構造力学Ⅰ 建築構造力学Ⅱ 木構造

絵画・造形 鉄筋コンクリート構造 鉄骨構造

建築法規 建築施工Ⅱプロジェクトデザイン

  3 年 4 年7期 8期 9期 10期 11期 12期都市空間デザイン論 建築基礎構造 建築構造設計 建築構造コア 建築構造コア 建築構造コア建築環境計画 建築構造解析 サステイナブル建築 空間構築コア 空間構築コア 空間構築コア建築構造計画 空間構築 現代建築 建築デザインコア 建築デザインコア 建築デザインコア空間メディア 建築意匠 コアゼミ Ⅲプロジェクトデザイン Ⅲプロジェクトデザイン Ⅲプロジェクトデザイン建築デザイン論 建築測量実習建築実験・演習Ⅰ 建築実験・演習Ⅱ 建築実験・演習Ⅲ建築設計演習Ⅰ 建築設計演習Ⅱ 建築設計演習Ⅲ進路セミナーⅠ 進路セミナーⅡ 進路セミナーⅢ

環境・建築学部 建築都市デザイン学科 (例)

1 年 2 年1期 2期 3期 4期 5期 6期建築都市学大意 建築都市計画学 建築都市設計Ⅰ 建築都市設計Ⅱ 建築CAD演習コミュニケーション・ドローイング(建築) 日本建築史 西洋建築史 居住空間論

Ⅰプロジェクトデザイン 建築構造学 環境計画 建築環境設備Ⅰ 建築環境設備Ⅱ建築環境学 建築構造力学Ⅰ 建築構造力学Ⅱ 木構造

絵画・造形 鉄筋コンクリート構造 鉄骨構造

建築法規 建築施工Ⅱプロジェクトデザイン

  3 年 4 年7期 8期 9期 10期 11期 12期空間メディア 建築基礎構造 現代建築 建築デザインコア 建築デザインコア 建築デザインコア建築構造計画 建築意匠 都市・まちづくり論 都市デザインコア 都市デザインコア 都市デザインコア建築デザイン論 都市・住宅史 環境建築 建築環境コア 建築環境コア 建築環境コア都市空間デザイン論 省エネルギー建築 コアゼミ Ⅲプロジェクトデザイン Ⅲプロジェクトデザイン Ⅲプロジェクトデザイン建築環境実験・演習Ⅰ

建築環境実験・演習Ⅱ

建築環境実験・演習Ⅲ 建築測量実習

建築都市設計演習Ⅰ 建築都市設計演習Ⅱ 建築都市設計演習Ⅲ進路セミナーⅠ 進路セミナーⅡ 進路セミナーⅢ

  

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工学部 機械工学科 (例)

1 年 2 年1期 2期 3期 4期 5期 6期機械系入門 機械系CAD 機械系製図 機械材料 機械要素設計 機械要素設計機械の原理 Ⅰプロジェクトデザイン 工業力学 プログラミング基礎 材料力学Ⅱ 機械工作・演習

   材料力学 振動工学 流れ学機械力学 熱力学 計測工学

制御工学Ⅱプロジェクトデザイン

  3 年 4 年7期 8期 9期 10期 11期 12期機械設計演習 援用工学Ⅱコンピュータ 3D 設計 ビークルシステムコ

アビークルシステムコア

ビークルシステムコア

機械加工学 機械工学演習 ビークル機械 創製プロセスコア 創製プロセスコア 創製プロセスコア援用工学Ⅰコンピュータ 自動車工学 エンジン工学 エナジー&メカニクスコア エナジー&メカニクスコア エナジー&メカニクスコア

流体力学 成型加工学 マイクロプロセッシング Ⅲプロジェクトデザイン Ⅲプロジェクトデザイン Ⅲプロジェクトデザイン伝熱工学 先端材料

エネルギー機械バイオメカニクスコアゼミ

専門実験・演習Ⅰ 専門実験・演習Ⅱ 専門実験・演習Ⅲ進路セミナーⅠ 進路セミナーⅡ 進路セミナーⅢ

工学部 ロボティクス学科 (例)

1 年 2 年1期 2期 3期 4期 5期 6期機械系入門 工業力学 材料力学 機械材料 流れ学 機械要素設計

  機械の原理 機械力学 振動工学 機械工作・演習 応用エレクトロニクス

Ⅰプロジェクトデザイン 機械系CAD 熱力学 電気電子回路 制御工学   機械系製図 システム数学 計測工学

基礎エレクトロニクス コンピュータ工学

Ⅱプロジェクトデザイン  

3 年 4 年7期 8期 9期 10期 11期 12期機械連動学 機械学習 人工知能 ロボットインテリジェンスコア ロボットインテリジェンスコア ロボットインテリジェンスコアロボット工学演習 メカトロニクス ロボット制御 ロボットメカニクスコア ロボットメカニクスコア ロボットメカニクスコア制御工学Ⅱ シミュレーション工

学 信号処理 Ⅲプロジェクトデザイン Ⅲプロジェクトデザイン Ⅲプロジェクトデザインロボットプログラミング 省エネルギー建築 コアゼミ専門実験・演習Ⅰ 専門実験・演習Ⅱ 専門実験・演習Ⅲ進路セミナーⅠ 進路セミナーⅡ 進路セミナーⅢ

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工学部 航空システム工学科 (例)

1 年 2 年1期 2期 3期 4期 5期 6期機械系入門 機械の原理 機械系CAD 機械系製図 機械工作・演習 機械要素設計  工業力学 材料力学 機械材料 航空構造力学 制御工学

Ⅰプロジェクトデザイン 機械力学 振動工学 流れ学 熱流体工学   熱力学 応用数学 コンピュータ工学

     Ⅱプロジェクトデザイン  

  3 年 4 年7期 8期 9期 10期 11期 12期航空材料強度 航空構造設計 飛行力学 航空システムコア 航空システムコア 航空システムコア航空流体力学Ⅰ 航空原動機 航空流体力学Ⅱ Ⅲプロジェクトデザイン Ⅲプロジェクトデザイン Ⅲプロジェクトデザイン航空工学演習 コアゼミ数値シミュレーション 専門実験・演習Ⅱ 専門実験・演習Ⅲ

専門実験・演習Ⅰ進路セミナーⅠ 進路セミナーⅡ 進路セミナーⅢ

3. 教育組織(1) 教育組織改革

スタンフォード大学,MIT ほか数校の視察を平成 3 年から延べ 170名が実施している。平成4 年からは 6 年をかけて教育改革検討委員会を設けて 100回を超える委員会会議を開催している。

(2) GP を活用した教育の組織化特色GP・現代GP は平成 15 年から申請している。GP申請実績

平成 15 年度 工学設計教育とその課外活動環境(特色GP)平成 16 年度 学びを創造するインターネット町民塾(現代GP)平成 17 年度 ネット版工学基礎教育センターへの展開(特色GP)平成 18 年度 学ぶ意欲を引き出すための教育実践(特色GP)

発展する地域連携プロジェクトの実践(現代GP)KIT産学連携教育プロジェクトの実践(現代GP)

平成 19 年度 価値の共有による技術者倫理教育(特色GP)専門基礎の充実を図る教育版 CRM の導入(現代GP)

その他申請実績平成 19 年度 社会人学び直しニーズ対策教育推進プログラム

大学院教育改革推進プログラム(大学院GP)ものづくり技術者育成支援事業

(3) 学生の意欲を引き出す修学基礎教育カリキュラム学生は、KITポートフォリオと修学アドバイザーによって、修学基礎教育課程のうち、「修学基礎」、「進路ガイド基礎」、「技術者入門」、「人間と自然」に関する教育を受ける。これらは都度、評価、改善が施され学生のニーズに沿ったカリキュラムを作成していく。

(4) KITポートフォリオシステム「プログラムが動いた喜び」など、「自分の力で何かを実現できた喜び」を忘れないために、ポートフォリオシステムを活用する。学生個人がポートフォリオを記録し、それに対して修学アドバイザーがコメント記録する。このポートフォリオシステムにより記録されたポートフォリオを蓄積することで、「自学自習の姿勢」、「生活スタイルの確立」、「自己の目的志向の向上」が実現化される。

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ポートフォリオの種類・修学ポートフォリオ 1週間の行動履歴、各期の達成度自己評価を登録

(記録)・キャリアポートフォリオ 過去、在学中の体験、将来への展望を登録・3年次

の「進路セミナー」につなげる・自己評価ポートフォリオ 修学基礎科目・専門科目及び課外活動における自己

評価を登録・工学設計ポートフォリオ 「工学設計Ⅰ・Ⅱ」における成果物と自己評価を登

録・達成度評価ポートフォリオ 1~3年次冬に1年間の反省と次年度に向けての目

標を登録(記録)自己成長の軌跡と修学の自覚・自信・反省から技術者になる意義と意欲を高める

ポートフォリオにコメントする修学アドバイザー基本的にクラス担任が修学アドバイザーとしてコメントする。たとえ些細なことでもコメントを必ず返す。※モチベーションが低下してしまわないように、コメント記入を優先させる。※ポートフォリオが遅滞(停滞)しないように、自己のポートフォリオを管理する科目を設置して成績評価する。

(5) 設備・工学基礎教育センター(数理教育支援)数学、物理、化学などの補習サポートとして、学生個々のレベルに合わせて、マンツーマンからの授業を行う。年間利用者数は延べ 16,000 人担当する教員(教授、准教授)のスケジュールが掲示されており、指名での補修要望もある。科目や目的が明確でない学生に対しても、受付職員が相談を受けコーディネイトする。

・工学設計教育センター・夢考房(工学設計教育と課外活動支援)学生にプロジェクトの企画書と予算書を提出させて、採用されたプロジェクト活動を推進するための施設。2箇所の工房(考房)があり、初めて施設を利用する学生へのレクチャも含め、運営・管理は全て学生スタッフが執り行う。

施設内には工具貸出し用のブースがあり、申込制で全ての機材を利用できる。ネジやパンク修理キット、その他消耗品も施設内で購入することもできる。施設の利用には、Edyカードとして学生食堂でも使用できる ICカードの学生証かざすことで申込みの決済および実習時の保険加入登録を行う。

・ライブラリセンター(図書情報支援)視聴覚映像などのデータも管理できる。プロジェクタとスクリーンを備えた教室から、職員番号を入力し配信される。学生、教員の学習、教育・研究にとって有用な書誌・映像資料を所蔵。学生の自発的な知的探求に応える効率的で快適な情報環境・読書環境・学習環境を整えている。

平日(通常授業時)は。夜10時まで。土曜・日祝日も夕方5時まで開館している。

また女子学生がより快適・安心して利用できるよう女性専用閲覧室を開設。閲覧室・グループ討議室のほか個人閲覧室・パウダールームがあり、落ち着いた環境を整備。

・情報処理サービスセンター(情報環境支援)学内に 7000個の情報コンセントと 69ヶ所の無線 LAN アクセスポイントを備える。学生には入学時に1人1台のノートパソコンの購入を義務化しており、基礎教育課程でレポートの作成方法を指導する。

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さらに大学と周辺の学生アパート 200棟も光ケーブルで結ばれており、日本の大学において、未だ例を見ないキャンパス・ネットワーク環境を実現している。

Web システムを活用した修学支援(シラバス、図書情報・企業情報、休講・補講情報のほか各自の履修時間割や成績の紹介、履修している科目の講義ノートや参考資料など)を、個々の学生に one to one で提供している。また教材のタウンロード、Web 教材、講義VOD などの授業の補完・補助教材の提供を、eラーニングにより実施している。

・自己開発センター(資格取得支援)資格取得のための対策講座(現在 16講座)を開講し授業も行う。また数多くの資格試験を取り扱っている。視察当日は、初級システムアドミニストレータ講座に参加者が集まらないので、中止になったという連絡が、廊下に設置されたモニタへ配信されていた様に、講座の開講・閉講予定などもすみやかに学生に通知している。

・自習室 工学設計棟 1階に、225席の自習室を完備。自学学習やノートパソコンを使用しての資料検索・レポート作成、グル-プ毎のディスカッションなどができるよう、365 日・24時間オープンしている。多く

の学生が昼夜を問わず主体的に学習に取り組んでいる。(年間学生利用数 64万人)

    4. 教育

(1) 顧客満足度の向上を図る顧客とは「学生」

大学は教育サービスを提供する組織であり、サービスを受ける学生が主たる顧客である。親・企業は「ステークホルダー」授業料を支払う保護者や卒業生が就職する企業は、大学の利害に密接に関係する。

顧客満足度の向上とは、「厳しい研鑽によって自分の能力が大きく向上したことを実感し感動できること」と考える。

(2) 行動する技術者の育成教員が教え、学生に実行させる。・自立・自律:チャレンジ精神・自己管理能力・リーダーシップ:統率力・指導力・コミュニケーション能力:意思・感情・思考の伝達能力・プレゼンテーション能力:提示・発表する力・コラボレーション能力:共同・協調する能力

(3) 新教育体系3学期制・シラバス・導入教育・工学設計教育のほか、数理工統合教育・人間形成基礎教育・目的指向型カリキュラムなど金沢工業大学独自のものを草案

シラバスシラバスは教員と学生が交わす契約書であり、成果を保障する行動目標が明記されている。行動目標は、その達成を評価基準と毎時間ごとの学習内容が明記される。

道具(導入)教育1 年次春期(1期)に大学で学習するための学習方法や機材を利用するために必要な知識、技術を必須科目として学習させる。

(4) プロジェクト型教育の実践実社会に強い、人間力のある技術者の育成を行う。・グループによる問題領域の明確化・自主的な学習・行動

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・情報の収集と分析・解決案の創出と評価・報告書の作成・成果の発表(プレゼンテーション)

5. FD・SD(FSD)FD の実践=教育改革ではなく、FSD は教育改革の一部である。金沢工業大学の FSD としては以下の通り。

・建学の綱領、大学の教育目標、共有の価値、学生宣言などを、教職員が共有する。・シラバスの目的や教室管理など授業運営、修学指導に関する事項を共有する。・教育運営の委員会に地味職員とシステム担当者が参画する。・授業範囲、教科書、試験や課題、評価などの教育運営の調整を随時行う。・授業アンケートなどによる学生の意見などを公開し、授業改善案などをフィードバックしてもらう。・FD・SD を教職員個人、学科部署ごと、大学全体で階層化して活動する。・教職員の啓発による評価として、理事長賞を推奨する。(赤い大理石のりんごと副賞 10万円)

また金沢工業大学では、教育改革を単に教育システムの変更・改善と捉えるのではなく、取り組みに対する不断の努力の積み重ねによって達成されるものとして 6項目の努力すべき目標を定めている。

・学習意欲の触発と増進 知識の伝達だけを重視するのではなく、学生自らが考え、行動に移す意欲を触発する。

・伝達すべき知識の量の精査 教員の熱意に基づく伝達したい知識の量と、学生が消化できる知識の量に隔たりが生じている傾向を改め、工学の新しい展開が複合領域にわたることも考慮して、伝達すべき知識の量の思い切った精査を行う。

・伝達すべき知識の質の検証 大学教育における知識の質と、技術社会(実社会)に必要な知識の質の違いについて論議を尽くし、検証する。

・工学基礎・専門基礎の重視 限られた修学期間の中で、今日のめざましい科学技術の進展の全貌は捉えがたいものであることより、基礎科目の見直しを図り、学生に対しても、対応しうる能力の育成と生涯学習体制の強化を図る。

・教育組織の再構築 伝達すべき知識の量の精査 と 伝達すべき知識「 」 「の質の検証 の結果を教育に反映すべく、学生の」個々の学習意欲に応え得る新しい教育組織の再構築を行う。

・教育方法の改善 プレゼンテ-ション技法を始めとする教育方法の改善を行い、シラバスに関しても、統一した考え方と様式を確立する。

                          

6. 所感

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 金沢工業大学では、年間 60件以上の視察研修会が実施されているとのこと、大学事務局の四宮課長が主に対応されているらしく、1件1日だとしても1年の1/6がその対応に追われていることになる。年々回数も増えてくる傾向にあるため、対応者を増やすための教育を学内で行っているということに驚かされた。

初めに講演いただいた福田氏は冒頭で、「視察に来ていただく大学や専門学校が増えたことで懸念していることがある。それは質問されることが非常に細かいことで、木に例えるならば葉に関する事柄が多い。葉は目に見えて分かりやすいものであるが、その葉を他の木に持って行ってもなかなか育てるのは難しい」と話された。教育改革とは枝や幹、根を改革 (育てる)ことであるという意味なのである。

 教育機関として教育改革を積極的に推進してきた大学ではあるが、改革を一時的なイベントとしてではなく、永続的に改善していく事柄として採用面からの取り組みも行っている。現在も米大学への視察は行っているらしく、成功実績を視察することで教職員の意識も統一化されていくとのことであった。教育改革には教職員の意識改革も必要であることを改めて感じさせられた。

(日本工学院専門学校 石山)

 ほぼ 1 年間を通して、利用できるライブラリセンター・自習室が設置され、在学生の学習・研究に有意にはたらいていることは既に周知であったが、それ以上に、ものづくりの基礎ともいえる ゆめ工房 ・工学基礎教育センターをはじめとしたさまざまな学生支援の仕組みが工夫さ「 」れていることに感動した。

 教育システムにおいては、ハード・ソフト 両面での、改善が随時試みられ、全教職員一丸となっての取り組みに教育・研究に対する熱意と先見性が垣間見られる。 2008 年度 4 月新設される バイオ・化学部 だけでなく、既存の 情報学部 ・ 工学部 ・ 環境・建築学部 における分「 」 「 」 「 」 「 」野・領域の統合・分化により、ますますその教育機能にも磨きがかけられていくであろう。

 さまざまなポートフォリオシステムや、在学時の 15時間の予習・15時間の授業・15時間の復習を目標・実現化した1授業単位(計 45時間)の集約的学習・教授システム 等は、あらゆる分野での学力低下が懸念させる子弟・これからの新入学者に対しても、有意な試みとなるであろうし、しいては個々の学生の自立心や高度な専門技術性・能力の育成に結びつくであろう。

 また将来的には、地域での産学協同を目指した研究体制や生涯学習体制の強化をとおして、学生・教員・産業・社会による共同・共創の研究活動にも教育期間としての成長が期待できる。

金沢工業大学にみるさまざまな教育改革の試みは、専門学校においても大いに参考に取り入れられるべく提起する。

(大阪総合デザイン専門学校 今西)

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平成19年度 文部科学省委託事業 「XML データベース教育教材の開発」事業

大学教育における IT 技術教育に関するヒアリング

学校名 公立はこだて未来大学 場所

対応者 システム情報科学部 情報アーキテクチャ学科 教授 小野 哲雄 先生

システム情報科学部 複雑系学科       教授 小西 修  先生

ヒアリング日 平成 19 年 11 月 30 日

13:00~14:00参加者 海野晴博(日本電子専門学校)

船山世界(日本電子専門学校)

形式 座談会形式

1. 大学プロフィール(学校案内ベース)

(1)学部・学科構成

学部 学科 コース 入学定員

システム情報学部 複雑系学科 複雑系科学コース 合計 240名AO 20名推薦 60名一般 160名

情報アーキテクチャ学科 知能システムコース

情報システムコース

情報デザインコース

※ 2 年次から学科とコースに分かれるため、コースごとの定員は確認できず。

(2)ヒアリング対象学部/学科

   システム情報学部 複雑系学科および、情報アーキテクチャ学科

(3)学部/学科特徴

●システム情報科学部

システム情報科学部のみの大学であり、情報技術に根ざした 21 世紀の産業と研究開発をささ

える人物を育成することを目指し、異なる領域をまたぐ学問や、大学院レベルの高度なトピッ

クスの先取りなど、特色のあるカリキュラムを用意している。

■複雑系科学科

物理、生物、化学、経済などの領域にまたがる、従来の手法では扱えないようなダイナミック

な諸現象を、コンピュータと数理科学モデルを使って解明していく能力を育てる。

・複雑系科学コース

先端的な複雑系科学の理論を理解し、情報科学の知識と情報処理の高い実践的スキルを身

につけ、創意的なシステム開発ができる人材を育成する。物理・生物・経済などの基礎的

な理解を深めるとともに、複雑系として共通する分析の道具や理論 (数理や現象のモデル

化の手法、コンピューティングなど)を学ぶ。複雑さを生み出す主だった仕組みや法則性

を踏まえて、ナマの現実を学生自身が読み解き、モデル化し、解析する。

「複雑系のベーシック」を学びつつ、システム開発の現場でその知識を生かせるよう、よ

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り実践的なスキルを磨いていく。コンピュータ科学や情報技術の基本をしっかり学び、さ

まざまな情報システムを使いこなすレベルで、複雑系の理論や分析手法を活用する方法を

学ぶ。

■情報アーキテクチャ学科

情報科学、情報工学を核とした既存の情報系カリキュラムに加え、CG、ロボティクスなど、

情報の「もの作り」技術、そして認知心理学、デザインを核とした「人との関係」の科学を学

び、人とコンピュータシステムの新しい関係を切り開く人材を育てる。

・知能システムコース

人工知能やハードウェア技術(先端的な情報科学)と、認知科学・情報表現などを併せて

学び、次世代の情報システムエンジニアを育成する。

「人間のようなロボットを創りたい」と本気で考える先生がつくるカリキュラムは、シス

テムの企画・設計・プログラミング(ソフトウェア分野)から、電子工学(ハードウェア

分野)にもおよぶ。プログラムによる制御・作動実験まで、システムづくりの AtoZ を実

体験できる点がユニーク。

・情報システムコース

システム開発における二大技術(ネットワークとデータベース)の最前線を学ぶと同時に

コンピュータ⇔(情報)⇔人間の新しいカタチを実現できる人材を育成する。

人類が「もっと速く走りたい」から自動車を、「空を飛びたい」から飛行機を創ったよう

に、コンピュータを使って「生活を豊かにしたい」と考えるのが当コース。あの、世界中

の人とライブで情報交換できるインターネットのような「発明」を、次は学生自身がする

ための実習・演習も豊富。

  ・情報デザインコース

デザイン理論、ヒューマン・インタフェースなど(情報表現分野)に加え、情報科学・認

知科学の最先端を学習。情報デザイン分野を切り拓く人材を育成する。

美大やデザイン学校と最も異なるのは、送り手(表現者)のメッセージが、見る人・使う

人にどう伝わるのか?を科学的に学ぶ点――「感性」と「コンピューティング・スキル」

を磨くカリキュラムの、フレキシブルな二本立てになっている。

(4)取得できる資格

   資格取得を目的とした正課は設定していないが、取得そのものは推奨している。

・基本情報技術者試験は、外勤講師による対策講座で対応。

(5)主な進路(就職または、大学院への進学) 以下は就職実績。 

   ・情報サービス業   66.5%   ・製造業       15.0%   ・流通・通信・小売業  6.4%

   ・出版・印刷業     4.0%   ・金融・証券業     0.6%   ・その他サービス業   5.2%

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   ・その他        2.3%

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(6)履修科目

・学部共通 教養基礎科目群(1~2 年次(1~4セメスタ))

科学技術

科学史・科学哲学 現代の科学 物質の科学 生物と情報処理

認知システム論 メディアの科学 技術者倫理 ロボットの科学技術

法と科学技術

人文科学

芸術論 現代デザイン論 西洋思想と東洋思想 人類文明の興亡史

コミュニケーション論 情報メディア社会論 コンピュータと教育

認知科学 発達と学習

社会科学

地域と社会 言語と社会 女性と社会 起業家としての自立

社会と経済の把握 環境と産業 社会思想の歩み 情報産業論

情報マネージメント論

保健・体育 余暇と健康Ⅰ~Ⅱ

コミュニケーション科目群コミュニケーションⅠ~Ⅳ

ヴァーチャルイングリッシュプログラムⅠ~Ⅳ

・複雑系科学科 基礎科目群(1 年次(1~2セメスタ))

線形代数学Ⅰ Ⅱ 解析学Ⅰ Ⅱ 数学総合演習Ⅰ Ⅱ 情報機器概論 統計論 プログラミング言語

アルゴリズムとデータ構造 プログラミング演習 情報数学 物理学入門 力学基礎 人体生理学

生体情報処理 システム情報科学概論 科学技術リテラシ

・複雑系科学科 専門科目群(2~4 年次(3~8セメスタ))

【複雑系科学コース】

複素関数論 微分方程式 コンピュータアーキテクチャ 形式言語とオートマトン 人工知能Ⅰ

情報代数と符号理論 力学応用 生物物理の基礎

確率論と情報理論 オペレーティングシステム オペレーションズリサーチ 人工知能Ⅱ 数値解

析 応用解析学 非線形力学 ベクトル解析 特論(生物の複雑学)

システム情報科学実習 データベース工学 パターン認識 情報ネットワーク 信号処理基礎

カオス理論 フラクタル理論 複雑系科学演習 量子力学 特論(実験経済学Ⅰ) 特論(動物行

動論)

システム情報科学実習 複雑系計算論 信号処理応用 統計力学 ニューラルネットワーク

特論(輸送システム論) 特論(複雑系科学実験) 特論(複雑系科学トピックス)

特論(経済社会の複雑学) 特論(実験経済学 II ) 特論(ブレインサイエンス)

卒業研究 画像処理 特論(セルオートマトン)

・情報アーキテクチャ学科 コース共通基礎科目群(1 年次(1~2セメスタ))

システム情報科学概論 情報機器概論 プログラミング言語論 プログラミング演習 線形代数学

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解析学Ⅰ 数学総合演習Ⅰ 科学技術リテラシ アルゴリズムとデータ構造 線形代数学Ⅱ

解析学Ⅱ 情報数学 数学総合演習Ⅱ 電子工学基礎 力学基礎 情報表現基礎Ⅰ

情報表現基礎演習Ⅰ

・情報アーキテクチャ学科 専門科目群(2~4 年次(3~8セメスタ))

【知能システムコース】

情報アーキテクチャ演習Ⅰ 確率・統計学 人工知能Ⅰ ディジタル論理回路 応用解析学

微分方程式 応用数学演習 形式言語とオートマトン AIプログラミングⅠ

認知心理学 認知心理学演習 情報アーキテクチャ演習Ⅱ コンピュータアーキテクチャ

制御理論 人工知能Ⅱ AIプログラミングⅡ 電子センサ工学 回路とシステム

システム情報科学実習 ヒューマンインタフェース 自律システム 画像工学

ニューロコンピューティング オペレーティングシステム インターネットテクノロジ

システム管理方法論 情報アーキテクチャ特論 企業インターンシップ

システム情報科学実習 ロボティクス 分散協調システム パターン認識 並列分散処理

音声音楽処理 インタラクティブシステム

卒業研究

【情報システムコース】

情報アーキテクチャ演習Ⅰ 確率・統計学 人工知能Ⅰ ディジタル論理回路 応用解析学

微分方程式 応用数学演習 形式言語とオートマトン

認知心理学 認知心理学演習 情報アーキテクチャ演習Ⅱ コンピュータアーキテクチャ

制御理論 オペレーションズリサーチ データベース工学 電子センサ工学 回路とシステム

システム情報科学実習 ヒューマンインタフェース 画像工学 オペレーティングシステム

ソフトウェア設計論 I ネットワーク通信理論 計算パラダイムの変遷 インターネットテクノロ

システム管理方法論 情報アーキテクチャ特論 企業インターンシップ

システム情報科学実習 コンピュータグラフィックス ソフトウェア設計論Ⅱ

ネットワークセキュリティー 並列分散処理 音声音楽処理 ワークプレイス論

インタラクティブシステム

卒業研究

【情報デザインコース】

情報アーキテクチャ演習Ⅰ 確率・統計学 人工知能Ⅰ 情報デザインⅠ 情報デザイン演習Ⅱ

情報表現基礎Ⅱ 情報表現基礎演習Ⅱ

認知心理学 認知心理学演習 情報アーキテクチャ演習Ⅱ コンピュータアーキテクチャ

情報デザインⅡ 情報デザイン演習Ⅱ 情報表現基礎Ⅲ 情報表現基礎演習Ⅲ 電子センサ工学

システム情報科学実習 ヒューマンインタフェース 画像工学 ネットワーク通信理論

ヒューマンインタフェース演習 インターネットテクノロジ システム管理方法論

情報アーキテクチャ特論 知覚システム論 企業インターンシップ

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システム情報科学実習 ユーザーセンタードデザイン ユーザーセンタードデザイン演習

パターン認識 コンピュータグラフィックス 音声音楽処 ワークプレイス論理

卒業研究 情報環境構築演習 情報デザイン特論

2. ヒアリング内容

(1)教育システム

・ 従来の情報工学より、情報教育を広くとらえている。

・ 心理学や、コミュニケーション、デザインを含む。

・ 従来型の業務処理システムではなく、人工知能・CG など幅広い分野をターゲットとした教育

を展開。

・ 1 学年 240名、230名が卒業研究を履修する。

・ 一部の科目でチーム・ティーチング実施

(2)カリキュラム(時間割の基本構成)

・ 半期 6ヶ月で 1 つの授業が完結する、クォーター制を採用。

・ 卒業研究だけは通年授業。

・ 1科目 90分 15週で 2 単位。

(3)JABEEへの準拠

・ 実施に向けて検討し、外部審査も受けたが、まだ本格化していない。

・ 完全準拠はやりにくい。

・ 本学では、情報教育の基礎は網羅して、その上に特色を出しているので、基礎部分で JABEEと重なる部分がある。

(4)カリキュラムの策定

・ 教務委員会で計画、原案を作成して、教員との議論を経て決定する。

・ 新カリキュラムは 3 年目。

・ ACM等を参考にしているが、完全に準拠している訳ではない。

・ 従来は機械中心の情報システムであったが、本学では人間中心の情報システムを考える。

・ 人間中心情報システムを構築することが、デザインやコミュニケーションを必修にしている

理由。

(5)具体的カリキュラム

・ 1・2 年次でコンピュータの基礎を学ぶ。

・ 3 年次からプロジェクト学習を行う。

通年でチーム(学生 10名~15名、教員 2~3名)編成。

ケースによって異なるが、基本的に学生中心のディスカッション。

・ 外部から、プロジェクト学習で学生が大きく変わると評価されている。

日本電子専門学校, 2月16日,
←今回のテーマとは別なので、報告書には入れい方が賢明です。
日本電子専門学校, 2月16日,
人間中心の情報システムを構築することが
日本電子専門学校, 02/16/08,
実施に向け検討をし、外部審査も受けたが、まだ本格化していない。完全準拠はやりにくい。
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(5)インターンシップ

・ 3 年生の半数がインターンシップを経験する。

・ 8 月~9 月の 4週間で実施。

・ 企業実習として 2 単位を認定する。

・ 平成 19 年度は、企業 136社とマッチングさせ、129名が実施した。

・ 対価を得る場合もある(大学は関与せず)。

・ 滞在費や、事業所までの交通費の負担などは企業によって異なり、学校としては容認してい

る。

・ 関東圏の情報系企業が多い。

・ 就職は、首都圏 7割、2~3割が札幌、1割が地元函館志向など様々。

(6)産学連携

・ 共同研究センターが窓口となり、地元企業等とのプロジェクトが動いている。

・ 大学院を中心に寄附講座もある。

・ 3 年生のプロジェクト学習には、企業も入っている。

企業の新入社員研修プログラムなどを提供して頂いて、プロジェクト学習にしている。

テーマは 20以上設定されている。

地元との共存、コミュニケーションが特徴

(6)情報教育

・ 学生は、全員ノート PC を携行。(推奨機器スペック、推奨環境を公開)

・ 教室は LAN環境。

・ 導入は全学科 C 言語を用い、その後 JAVA も学科により習得する。

・ 基本アルゴリズムも C 言語を用いる。

・ 学生は、ほとんど初心者。1 年次に C 言語ポインタでつまずく学生が多い。

・ 2~4 年次に DB 言語他を学習。

・ 座学+演習スタイル。

・ 演習では小さな課題を出して演習を重ね、提出状況で単位認定。

(7)データベース教育

・ 情報アーキテクチャ学科は 2 年次から、複雑系学科は 3 年次から SQL 言語を学習。

・ Web と DB の連携の授業で SQL,PHP を学習。

・ XML も取り上げるが、Web-DB 連携の基本的な仕組みの一つとして紹介する程度。

・ XML データベース等に関しては データベース工学(担当:小西教授 の中で解説程度に触れ「 」ている。

・ コンピュータサイエンスの基礎を学習し、応用の利く人材を育成することを目的としており、

DB は情報の抽象化ツールととらえている。

・ Xquery の話。XML コンソーシアムの話。

・ XML は SQL に比較して使いづらいと思っている。普及状況等利用方法の広がりを注視し、新

日本電子専門学校, 2月16日,
滞在費や現地までの交通費の負担などが企業により異なることを、学校として容認していることを伝えたいです。
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たな展開が出た場合には導入を検討する。

・ 富士通は、大学の文学部から SE 人材を採用している。

・ プログラムはアルゴリズムが大切。プログラム言語は文法。

(8)資格について

・ 資格取得は推奨している。(褒賞は無し)

・ 基本情報技術者試験は、外勤講師による対策講座で対応。

・ 資格対策の授業は教員の抵抗が強い。

・ 授業だけで基本情報の合格レベルになるはずである。

・ 就職委員会(教員の集まり)は、就職活動において有利に働く資格取得の意義を理解している

が、アカデミズムに徹したい教員と議論が噛み合わない。

(9)FD について

・ 教務委員会が担当しているが、来年度から内容等詳細見直し予定。

・ 学校全体の人間関係(学生間、学生・教員間、教員間)がフランクになるよう仕組まれており、

相互の敷居が低い。

・ 教室はガラス張りで、見通し、風通しが良い。

(10)学生アンケートについて

・ 全教科実施している。

・ チーム・ティーチングの授業は、対象となる講師個人が判明しない問題があり、改善点とな

っている。

(11)秋葉原サテライト校舎について

・ 企業訪問、高校訪問、アドミッション事務などを担当。

・ 首都圏に就職した卒業生の立ち寄り所にもなっている。

3. 所感

函館山と函館港を望む、まだ新しいキャンパスは、単一学部の大学としては広大で近代的。気鋭の

建築デザイナーがデザインした校舎建物は、外観・内観とも大変ユニークなしつらえで、初めて入っ

た者を驚かせるのに十分である。教室は、ガラスで仕切られており、誰もが通路から授業風景を眺め

ることができる。「オープンスペース・オープンマインド」というモットーが実現されていることは、

これらの施設を一見するだけで、余計な説明は不要のようである。

さて、教育システムであるが、アカデミズムに徹しながら、高度情報化社会に貢献する人材育成に

強い自負心を感じた。それを最も象徴するのがチーム・ティーチングによるプロジェクト学習である 。

20 を超えるコースでは、学生がチームを組んで、自主的に課題に取り組む環境が整備されている。

当学部の情報教育は、従来の機械中心主義から人間中心主義への展開を図り、認知科学やコミュニ

ケーションを重視する。スキルを身につけるよりは、考え方を身につけ、プログラム言語を文法ツー

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ルとして、様々なアルゴリズムを紡ぎ出せる素養を身につけさせようとしている。DB 教育のとらえ

方は、現実の様々な事象を抽象化する道具として、人間中心主義システム構築の枢要な機能として学

ぶ。この中で XML-DB は、連携の基本的な仕組みの一つとして紹介されており、教科書の 2P程度を

占めている。

以上より、教育内容等にはアカデミックな印象と意気込みを感じたが、教員と学生、あるいは双方

間のコミュニケーションの垣根は低く、オープンマインドで交流していると言われるとおり、対応し

てくださったお二方も、とてもフランクにお話し下さった。遠くて寒い函館ではあったが、ご多忙の

中、親切な接遇に心温まるヒアリングであった。

(船山 記)

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■大学ヒアリングのまとめ

 調査前から予想されていたことではあるが、大学と専門学校の教育には大きな違いがあった。

近年「大学での職業教育」というキーワードがいろいろな場面に登場するが、まだまだ学究のための

IT利用という意味合いが強い。

 そのような中で、稚内北星学園大学は情報教育に特化しており、専門学校カリキュラムに頻出する

科目名の講義が設定されている。業界に対するアプローチなども専門学校に近い所があり、色々な形

での情報交換・技術提携等が可能であると考えられる。

 他の大学においては、何らかの研究をよりスムーズに進めるための「ツール」としての利用という

従来からの大学でのコンピュータ利用が主流である。その一方で就職活動・就職後に必要となる技能

研修や、あらゆる意味での情報収集のためにコンピュータ教育を進める大学が増えているのも事実で

ある。

 全体とすれば、専門学校のような即戦力養成型の職業教育とは違う存在であることを痛感した。

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■ まとめ

 まず、本調査を実施し、報告をまとめるに際し、御多忙中にも係わらずアンケートに御協力頂きま

した企業・学校関係者の方々、ヒアリング調査に御協力いただきました皆様に深く御礼を申し上げま

す。

 本調査では第一に、「XML および XMLDB は現代社会に普及し利用が広まっているのか」という実

態を調査することから始まりました。そこで、得られた結果は「XML 関連技術」は急激にではない

ですが「確実に普及している」ということでした。そのひとつの表れとして、「技術者不足」が起こ

りはじめています。

 第二に「XML および XMLDB は専門学校でどのように教育が実践されているのか」を調べ、実践に

際しての問題点は何かを明らかにすることでした。残念ながら XML に関しては「どのような場面で

どのように利用されているかわからない。」などの理由から、実際のカリキュラム導入に慎重な学校

が多くあったということでした。最先端の新技術の場合、気がつかないうちにデファクトスタンダー

ドとなって「世の中のほとんどのシステムで採用されていた。」ということになってしまうことが今

までの例でも数多くあります。Web2.0 といわれる現在のホームページのシステムでも、その中で流

れる変動的なデータはそのほとんどが XML 形式で保存・利用されているという人もいる反面で出て

きたこの結果は残念です。

同時に、「教材の不足」や「教員育成の難しさ」をあげる学校も多かったことは、教材開発の必要

性を痛感させられるものでした。「教材が世の中に普及することは、真に世の中で必要とされる技術

である。」という理論を考え方の根拠だとすると、それらの学校は産業界の後追いでカリキュラム策

定するだけとなってしまいます。しかし、技術革新の激しい現代の専門学校は、産業界と共同して

「新しい技術の開発」・「教育現場への展開」・「実務への利用」を進めていかなければなりません。

 また、「推奨取得資格」の質問で明らかになったのが、企業が考えるものと学校が考えるものとの

間に差があることです。学校が上げた資格の中に特徴を見るとすれば

・ 関連書籍が多数出版されている

・ ベンダーにより教育カリキュラムが用意されている

などの傾向があるものと考えることもできます。

 これらの実態を総じて考えますと、

「学校の教員も時間不足である。」

     「新技術を自分が学ぶ時間がない。」

  「市販本も少ない。」

     「学生向けの教材も揃っていない。」

という抜け出しがたい状況に陥ってしまうわけです。新技術に関しては、何らかの形で「専門学校の

学生たちが理解しやすい教材」を作成し、利用を広めていくことが大切であるという結論に達しまし

た。

この結論に基づき、教材開発を進めることとしました。

→「授業展 開する材料 (道具 )がない。」

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第三に、教材開発と並行して大学でのプログラムをはじめとするIT教育がどのようにおこなわれ

ているのかを調査しました。専門学校の学生を主対象として教材を開発しているわけですが、大学で

も利用することは可能かを探ることが大きな目的でした。大学は「教育機関」という位置づけだけで

はなく「研究機関」という重要な位置づけをもっています。「職業訓練教育」の導入が話題になって

おりますので、プログラマー業界への職業訓練として言語やデータベースの教育がどのようになって

いるかを調べようというものです。大学による差が明確になったわけですが、ITに特化した学校で

は講義科目として設定し、今回開発した教材の利用も可能であると考えました。また、従来からの大

学では、講義科目としての設定には困難と思われるものの、学生が研究を進める上で「ツール」とし

て利用する際の参考書籍としての利用は可能かとの判断に至りました。

このような基礎調査を踏まえ、教材開発をいたしました。そして、第四のステップとして開発した

教材の内容を企業・学校の関係者に説明しました。この結果、「一定の要件を満たした教材として完

成している。」との評価をいただきました。

この結果として第五段階の「教員対象実証授業」を実施しました。実際に授業を担当する教員を対

象として開発した教材を基に実証授業をおこないました。実習を中心とするケーススタディ教材であ

るため、実習室で実際の授業に必要なサーバの設定や教材の表記方法の見直しを含め詳細に至るチェ

ックをおこないました。

最終的な教材が完成し第六(最終)段階として、参加した委員の学校の学生諸君に協力をいただき、

「学生対象実証授業」を実施しました。それぞれの学校の先生が、自分の学校の学生に授業をおこな

うという当たり前の形式で授業をおこないました。

これらの一連の流れに従って本プロジェクトは進められました。本報告書はそれらの流れの要所要

所でおこなわれた調査をまとめたものです。

産業界・教育界をはじめとして広くの方々が今後新技術と対峙する際の参考としていただければ幸

いです。