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(2) 1歳以上の粗死亡率の計算
ア 手順のフレーム
1歳以上の各歳別粗死亡率を、 xq (死亡率)と xp (生存率)の関係式 xq =1- xpを利用して求める。 xp を求めるにあたり、日本人人口と死亡数を用いるが、死亡数については、以下にあるレキシスの図の考え方に従って集計する必要がある。
イ 使用データ
① 平成 17年国勢調査の日本人人口 ② 平成 17年の日本人死亡数
ウ Lexis(レキシス)の図
(ア)図の概念
数式に入る前に、Lexis(レキシス)の図について説明する。Lexisの図は、数式の意味を理解するために必要となり、生命表では必ず用いられる。 Lexisの図とは、簡単に言うと一人の生涯を線分で表したものである。具体的には、図2のとおりである。縦軸に年齢を、横軸に暦日をとる。 この図で使う用語は、2つある。生命線と死亡点である。生命線は、各個人の出
生点と死亡点とを結んだ線分である。いずれの線分も全て平行である。死亡点は、
各個人が死亡した点であり、生命線はそこで途切れる。死亡点は図上に散在する。
<図2 Lexis(レキシス)の概念図>
1+x
x
1−x
年 齢
平成17年 平成18年暦日(年)
平成17年中にx歳で死亡した人の数
生命線
死亡点
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(イ)生命表での使い方
Lexis の図の、生命表での使い方について説明する。ここでは、平成 17 年の x歳の人の死亡数を以下の図3のとおり4区分に分ける。 図2を 10月1日で分けて、更に、ちょうど1月1日生まれの生命線(右斜め 45度の
対角線)で上下に分けたものが図3である。なお、図3の各図形と死亡の月などとの
関係は次頁の表2のとおりである。
<図3 Lexisの図(死亡数を4区分に分けたもの)>
1+x
1−x
x
xe xd
1+xβ
xβ
xα
1−xα 1−xa
xa
平成18年1月1日 平成19年1月1日平成17年1月1日
平成17年10月1日
(年齢)
C
E
G
JI
HD
FB
A
平成18年10月1日
1+xb
平成16年10月1日
xb
◎平成 17年国勢調査の日本人人口
α x :同年1月1日に既に x歳で 10~12月生まれの人の数 β x :同年中に x歳になる1~9月生まれの人の数 α 1−x :同年1月1日は既に x-1歳で 10~12月生まれの人の数 β 1+x :同年中に x+1歳になる1~9月生まれの人の数
◎生命線の数 N(AB:暦日):平成 17年1月1日時点で、 x歳である人の数(静態人口)
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N(AH:年齢):平成 17年中に、 x歳の誕生日を迎えた人の数 (動態人口) N( H I:暦日):平成 18年1月1日時点で、 x歳である人の数 (静態人口)
N( B I:年齢):平成 17年中に、 x+1歳の誕生日を迎えた人の数 (動態人口)
<表2 図3における、各図形と死亡の月などとの関係>
図3の該当図形 (死亡数)
死亡の月 死亡日と平成 17年の誕生日との順番
(どちらを先に迎えたか)
台形ABFE( xe ) 死亡日を、17年の誕生日より先に迎えた
三角形ADE( xb ) 平成 17年1~9月
17年の誕生日より後に、死亡日を迎えた
三角形EFI( xa ) 死亡日を、17年の誕生日より先に迎えた
台形DEIH( xd ) 平成 17年 10~12月
17年の誕生日より後に、死亡日を迎えた
線分 AH を横切る生命線の数は、平成 17 年中に x歳の誕生日を迎える人の数であ
る。これを N(AH)と表す。同様に、線分HI を横切る生命線の数 N(HI)は、平成 17年に x歳を迎え、同年末まで生存した人の数となる。 平成 17年中に x歳を迎えた人が、同年末、さらに翌年 18年1月 1日を経て 18年
中に x+1歳の誕生日を迎えるまで生存する確率は)(
)(AHNIJN になる。
これを計算するためには平成 18 年にまたがって人口動態を観察しなければならない。今回の生命表は平成 17年のものであり、ここで用いる資料は、17年中に発生したものでなければならない。 そこで、平成 17年の x歳の生存率は、以下の(a)と(b)の積で求める。 (a) 平成 17年中に x歳を迎える人が、同年末まで生存する確率 (b) 平成 17年 1月 1日に生存していた人が、同年中に x+1歳を迎えるまで生存する確率
図3によると、(a)が)()(
AHNHIN 、(b)が
)()(
ABNBIN になる。
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ウ 数式
(ア)生命線の数(生存数)
各線分を通る生命線の数は、次のようにして求めることができる。 N(暦日) : N(AB) =α x +β 1+x + xe + 1+xb
N(HI) =α 1−x +β x - 1−xa - xd (※)N(AB) の求め方について、平成 17年 1月 1日時点の生存数を、10月から遡っていくと考える。
10月時点の日本人人口α x +β 1+x に9月までの死亡数 xe + 1+xb を足し合わせる。
N(年齢) : N(AH) =α 1−x +β x - 1−xa + xb N(BI) =α x +β 1+x - xa + 1+xb
(※)N(AH) の求め方について、平成 17年中に誕生日を迎える人数を、9月までと 10月以降に分ける。
まず 9月までに迎えた人N(AD) は、10月時点の日本人人口β x に9月までの死亡数 xb を足す。
次に 10月以降のN(DH) は、10月時点の日本人人口α 1−x から 10月以降の死亡数 1−xa を引く。
(イ)粗死亡率について
粗死亡率 xq′の求め方は、次のとおりである。
xq′ = 1-)()(
AHNHIN ×
)()(
ABNBIN
( x歳の誕生日を迎えた後の生存率と、 x+1歳の誕生日を迎えるまでの生存率を掛け合わせる。)
(3) 1歳以上の死亡率の計算
ア 手順のフレーム
(2)の粗死亡率 xq′について、補整を行う。補整を行う目的は、粗死亡率にみられる偶然変動(偶発的な要因によって死亡が増減すること)を取り除くことである。不規則性
を除去して動きを滑らかにしたものが、死亡率 xq となる。 なお、補整にあたっては、Greville(グレビル)(1979)の3次9項補整式を用いる。
イ 使用データ
① (2)で求めた1歳以上の粗死亡率
ウ 数式
x歳の死亡率 xq を求めるにあたり、 x-4歳(4期前)から x+4歳(4期後)までの計9時点の粗死亡率を使う。 なお、4歳以下については(イ)、99歳以上については(ウ)のとおりの外挿を別
途行う。
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(ア)98 歳までの死亡率
xq = -0.040724 4−′xq -0.009873 3−′xq +0.118470 2−′xq +0.266557 1−′xq +0.331140 xq′ +0.266557 1+′xq +0.118470 2+′xq -0.009873 3+′xq -0.040724 4+′xq ( x =1、2、.......、98)
(イ)計算上使う、-3歳~-1歳及び0歳の粗死亡率(外挿)
実在しない-3歳から-1歳及び0歳の粗死亡率 xq′については、形式的に下式のとおりとする。これを(ア)式の該当する項( 3−′q ~ 0q′ )に外挿する。
なお、求める順について、まずは0歳、続いて-1歳、-2歳、-3歳の順になる。 0q′を用いて 1−′q を求め、 0q′と 1−′q を用いて 2−′q を求めていくからである。
xq′= 1.352613 1+′xq +0.114696 2+′xq -0.287231 3+′xq -0.180078 4+′xq ( x =0,-1,-2,-3) (ウ)99 歳以上の粗死亡率(外挿)
xq′= 1.352613 1−′xq +0.114696 2−′xq -0.287231 3−′xq -0.180078 4−′xq ( x =99、100、101、102) なお、厚生労働省では「第 19 回完全生命表(平成 12 年)」から、99 歳以上の死
亡率についても外挿せずに、(2)で求めた xq′を直接(ア)式に代入して求めている。この方法には、99歳~106歳までの各歳別死亡数が、一定数以上必要となる。
(4) 死力の計算
ア 手順のフレーム
定義式 dxd x
xx
l
l⋅−=
1µ xx
ll
′⋅−=1
を計算していく。
生存数 xl は(3)の死亡率から得られる。この xl を微分して x'l を求めればよい。
ところで、微分するためには工夫が必要になる。生存数 xl は日齢、月齢、年齢ご
との値しかなく(これを離散点という)、微分可能な連続関数(曲線)の形になっていない
からである。
まずは、点在している xl の値から、連続関数の形を推定する必要がある。この推
定の方法が Lagrange(ラグランジュ)補間である。 次に、推定した連続関数を一階微分し、 x
'l を求める。
その上で、点在している xl と理論的に求めた x'l を用い、 xµ を計算していく。
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<図4 補間のイメージ図>
イ 使用データ
① (1)で求めた1歳未満の死亡率 ② (3)で求めた1歳以上の死亡率
ウ 数式
(ア)点在している xl の値
点在している生存数の求め方は、表3のとおりである。 1歳未満の生存数について、(1)で求めた死亡率に従っている。また、1歳以上
の生存数は、(3)で求めた死亡率に従っている。なお、高齢者についても、全ての
年齢とも(3)で求めた死亡率に基づくとしている。
<表3 生存数、死亡数>
日齢、月齢、年齢 生 存 数 死 亡 数
0w(週) 1w(〃) 2w(〃) 3w(〃) 4w(〃)
000,1000 =l
0101 pww ×= ll
0202 pww ×= ll
0303 pww ×= ll
0404 pww ×= ll
ww d 1001 ll −=
wwww d 2111 ll −=
wwww d 3221 ll −=
wwww d 4331 ll −=
mwwwm d 24442 ll −=−
2m(月) 3m(〃) 6m(〃)
0202 pmm ×= ll
0303 pmm ×= ll
0606 pmm ×= ll
mmmm d 3221 ll −=
mmmm d 6333 ll −=
mmmm d 12666 ll −=
(前) 点のみ散在 (後) 点を線で結ぶ=補間
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日齢、月齢、年齢 生 存 数 死 亡 数
1 (年)
x (〃)
1+x (〃)
001 p×= ll
11 −− ×= xxx pll
xxx p×=+ ll 1
211 ll −=d 1+−= xxxd ll
211 +++ −= xxxd ll
(イ) xl の連続関数の形の推定
Lagrangeの補間公式にもとづき、 xについての4次式にする。
141312101
43200
40302010
4321
))()()(())()()((
))()()(())()()((
aax aaaaaaaaaxaxaxax
aaaaaaaaaxaxaxax
lll−−−−
−−−−+
−−−−−−−−
=
343231303
42102
42321202
4310
))()()(())()()((
))()()(())()()((
aa aaaaaaaaaxaxaxax
aaaaaaaaaxaxaxax
ll−−−−
−−−−+
−−−−−−−−
+
434241404
3210
))()()(())()()((
aaaaaaaaaaxaxaxax
l−−−−
−−−−+
(ウ) x'l の計算
ⅰ 一階微分の一般解
040302010
432431421321
))()()(())()(())()(())()(())()((
ax aaaaaaaaaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxax
ll−−−−
−−−+−−−+−−−+−−−=′
141312101
432430420320
))()()(())()(())()(())()(())()((
aaaaaaaaaaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxax
l−−−−
−−−+−−−+−−−+−−−+
242321202
431430410310
))()()(())()(())()(())()(())()((
aaaaaaaaaaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxax
l−−−−
−−−+−−−+−−−+−−−+
343231303
421420410210
))()()(())()(())()(())()(())()((
aaaaaaaaaaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxax
l−−−−
−−−+−−−+−−−+−−−+
434241404
321320310210
))()()(())()(())()(())()(())()((
aaaaaaaaaaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxax
l−−−−
−−−+−−−+−−−+−−−+
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上式(ⅰ)を用いて、日齢、月齢、年齢別の x'l を求めていく。
求めるにあたり、 xを当期に、 0a 、 1a 、 2a 、 3a 、 4a を5時点(2期前、1期前、当期、1期後、2期後)に対応させる。具体的には次のとおりである。
<表4 各5時点の対応の仕方と、実際に代入する数値>
2期前= 0a 1期前= 1a 当期= 2a , x 1期後= 3a 2期後= 4a
0 日 7日 14 日 21 日 28 日 日齢0日~14日
0 7/365 14/365 21/365 28/365
7日 14 日 21 日 28 日 2月 日齢 21日
7/365 14/365 21/365 28/365 1/6
21 日 28 日 2月 3月 6月 月齢2月
21/365 28/365 1/6 1/4 1/2
2月 3月 6月 1歳 2歳 月齢6月
1/6 1/4 1/2 1 2
6月 1歳 2歳 3歳 4歳 2歳
1/2 1 2 3 4
2−x 歳 1−x 歳 x歳 1+x 歳 2+x 歳 x歳 2−x 1−x x 1+x 2+x
以下は、具体的に数値を代入した結果である。 ⅱ 日齢別の値
wwww 432100' 03571429.1352380952.6942857143.15657142857.20863095238.108 llllll ⋅−⋅+⋅−⋅+⋅−=
wwwww 432101' 34523810.407142857.2621428571.7845238095.4303571429.13 llllll ⋅+⋅−⋅+⋅−⋅−=
wwww 43102' 34523810.476190476.3476190476.3434523810.4 lllll ⋅−⋅+⋅−⋅=
mwwwww 243213' 07593623.008653614.2190824866.1634926284.4443041427.6 llllll ⋅−⋅+⋅+⋅−⋅=
mmwwww 324324' 11249079.021437035.132678346.6139400953.7796534650.14 llllll ⋅−⋅+⋅+⋅−⋅=
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ⅲ 月齢別の値
mmmwwm 632432' 05241561.070949945.427993119.595635355.2301933852.14 llllll ⋅−⋅+⋅+⋅−⋅=
163243' 01251236.061407767.043741765.1260380711.1556482415.2 llllll ⋅−⋅+⋅+⋅−⋅= mmmwm
216326' 00865801.040000000.033333333.414285714.941818182.4 llllll ⋅−⋅+⋅+⋅−⋅= mmmm
ⅳ 1歳、2歳の値
321631' 02727273.028571429.083333333.120000000.310822511.1 llllll ⋅−⋅+⋅+⋅−⋅= mm
432162' 07142857.060000000.016666667.000000000.130476190.0 llllll ⋅−⋅+⋅+⋅−⋅= m
ⅴ 3歳以上の値 3歳以上の一般項は次のとおりになる。
12)(8 2211' +−−+ −+−
= xxxxx
lllll
(エ) xµ の計算
x
xx
l
l '
−=µ
xl :(ア)で求めた値 x'l :(ウ)で求めた値
(5) 高齢者の死亡率の計算(補整)
ア 手順のフレーム
高齢者の死亡率は、(3)で偶然変動を取り除いても依然として動きの変動は激しい。そのため、高齢者の死亡率について、(3)の Grevilleの補整値を再補整する。 再補整にあたっては、高齢者の死力は指数関数に沿った動きをすると仮定し、
Gompertz-Makehamの法則 (ゴムパーツ-メイカム:死力と生存率の関係を利用)を適用する。何
歳からこの法則を適用するかは、理論的に求める。 なお、適用の手順について、まずは(4)で求めた値を利用して死力を指数関数
化したときのパラメーターを推計し、それに基づいて死亡率を求める。
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イ 使用データ
① (3)で求めた1歳以上の死亡率 ② (4)で求めた死力
ウ 数式
(ア)法則適用の開始年齢
⒜を基準に、⒝を加味して総合的に決めた。今回の「平成 17年東京都生命表」では、表5のとおりになる。
⒜ :死亡率 xq と粗死亡率 xq′との標準誤差 xSE の2倍が、0.001を超える年齢。
x
xxx
x
xx
x
xx
qqqqSSEl
lll
22 )(2)(222′−
=′−
==× > 0.001
xS :標準偏差 xl :生存数
⒝ :平均余命 xeo
や 100歳の生存数 100l の計算結果。
<表5 適用を開始した年齢> 地域 男 女
東 京 都 81歳 87歳 区 部 81歳 87歳 多摩・島しょ 81歳 87歳
(イ)死力のパラメーターの推計
下の①式を満たすような、死力のパラメーターA、B、Cを推計する。次の(ウ)で法則適用後の死亡率を求める際に必要となる。なお、推計値は表6のとおり。
⎭⎬⎫
⎩⎨⎧
−∑ 2)ˆ(minx
xx µµ ・・①
xµ̂ :指数関数化した死力 理論式は xµ̂ =A+ cxBe とおく・・②
xµ :粗死亡率 xq′を補整した死亡率 xq に基づき、(4)の方法で求めた値
<表6 今回推計したパラメーターA、B、Cの値> 地域 パラメーター 男 女
A -0.0794990127 -0.1134889593
B 0.0008499980 0.0009940026 東京都
C 0.0627999000 0.0600000000
注)区部と多摩・島しょのパラメーターは、東京都とおおむね同じである。
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(ウ)死亡率の算出
(イ)で求めたパラメーターA、B、Cを用いて死亡率 xq を求める。 手順として、まず生存率を対数変換して死力の式②が代入できるようにする。次
に死亡率の式を求め、死亡率の式にパラメーターA、B、Cの値を代入する。
ⅰ 生存率の対数変換
生存率の一般式 : xxx pll =+1
右辺に lをまとめて :x
xxp
l
l 1+= ・・③
上式③の対数をとり : xexexe p ll logloglog 1 −= +
定積分の形にして : dtdt
d tx
xt
l
l∫+
=1 1
dtx
x t∫+
−=1µ
以上より、死力と生存率の関係が得られる。 ∫+
=−1
logx
x txe dtp µ ・・④
ⅱ 死力の最適値の代入
上式④の右辺に死力の推計式②を代入
∫+
=−1
ˆlogx
x txe dtp µ
= dtBeAx
x
ct )(1
∫+
+ = A + CB
( ce -1) cxe ・・⑤
上式⑤を指数関数の形にすると、死力の最適値と生存率の関係式が得られる。
xp = exp [ - { A + CB
( ce -1) cxe } ] ・・⑥
ⅲ 死亡率の計算
xx qp −= 1 及び⑥から、死亡率 xq は次のとおりになる。
xq = 1- exp [ - { A + CB
( ce -1) cxe } ]
A、B、Cに表6で記載した値をそれぞれ代入すると、補整後の各歳別 xq の値が求まる。
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(エ)Gompertz-Makeham(ゴムパーツ メイカム)の法則
最後に、これまで数式の中で用いてきた Gompertz-Makeham の法則について、
簡単に説明する。 生存率と死力との関係を利用したものである。この法則によると、生存率を求め
る際に必要となる生存数について、次のとおり指数関数の形で表される。
xcxGKSx =)(l ・・⑦
上式⑦が求められるまでの歴史的な経緯を、以下で述べていく。
ⅰ Gompertzによる死力の指数関数化 Benjamin Gompertz(ベンジャミン=ゴムパ-ツ)は 1825年に、一論文を発表し
た。それによると、死力 xµ は次のように指数関数で与えられるとした。
xµ = xBC− (B、Cは常数)
ⅱ Makehamによる修正と、法則の導出 その後、W.M.Makeham(メイカム)が、これをやや修正して次のようにし
た。
xµ = A + xBC (A、B、Cは常数)・・⑧
xµ = dx
xd e )(log l− を積分する際に、上式⑧を用いると次のようになる。
左辺と右辺を入れ替え: dxxd xe µ−=)(log l
両辺を積分して: ∫ +−= dxBCAx xe )()(log l
KcC
BAx ex
e
loglog
+−−= ( Kelog は積分常数 )・・⑨
ここで、定数A、B、Cを次のように置き換える。
-A= Selog 、 GC
Be
e
loglog
=−
上式⑨は次のように書ける: GCSxKx ex
eee logloglog)(log ++=l ・・⑩
上式⑩を指数関数化すると、⑦で記載した法則の式になる。 xcxGKSx =)(l