2. 他産業の優良ビジネスモデルについて -...
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1. 本調査の背景と目的
2. 他産業の優良ビジネスモデルについて
3. 優良ビジネスモデルの導入可能性について
4. 検討委員会での議論の取りまとめ
5. 6次産業化の取り組みへの示唆
6. 今後の課題
2.他産業の優良ビジネスモデルについて
優良ビジネスモデルの調査対象は、下表の5社
6次産業化の生産性向上に資する優良ビジネスモデルの調査では、独自の強みを包含する優良ビジネスモデルを採用している企業から調査対象を5社選定し、文献調査およびヒアリング調査を行った。
調査対象企業は、下表のとおり。
調査対象企業名 業 種
株式会社サイゼリヤ 外食チェーン
ローランド ディー.ジー.株式会社 コンピュータ周辺機器メーカー
株式会社セブン‐イレブン・ジャパン コンビニエンスストア
株式会社ポイント アパレルメーカー
株式会社ぐるなび 情報検索サイト運営
優良ビジネスモデルの調査対象企業
8
2.他産業の優良ビジネスモデルについて
㈱サイゼリヤ 会社概要
サイゼリヤのポリシー
毎日の暮らしの豊かさを食を通して提案していく
↓
健康的でおいしいイタリア料理を誰もが毎日食べられる価格で提供することを目指す
サイゼリヤの展望
日本全国のみならず、世界中の人々に豊かな食文化を広めたい
商 号 株式会社サイゼリヤ
代 表 者 代表取締役会長 正垣 泰彦、代表取締役社長 堀埜 一成
本 社 埻玉県吉川市旭2-5
設 立 1973年5月1日
事業内容 イタリア料理店「サイゼリヤ」をチェーン展開するフードサービス業
従業員数 正社員1,783人'2010/8期・単体(、準社員 6,738人'2010/8期・単体(
店 舗 数 888店舗'国内842店、海外46店 '2010/8期・連結((
78,976 82,866 84,949 88,32399,459
7.1%
9.0% 8.8%10.4%
14.4%
0%
2%
4%
6%
8%
10%
12%
14%
16%
18%
0
20,000
40,000
60,000
80,000
100,000
120,000
2006/8 2007/8 2008/8 2009/8 2010/8
売上高と営業利益率の推移'百万円(
沿 革
1973年05月 イタリアンレストラン「サイゼリヤ」の経営を開始
1977年12月 多店舗化に着手
1987年10月 手書きオーダーからオーダーエントリーシステムに変更
1998年04月 日本証券業協会に株式を店頭登録
2000年07月 オーストラリアに製造子会社を設立
2001年03月 神奈川県大和市に神奈川工場を建設
2001年05月 福島県西白河郡に福島精米工場を建設
2003年04月 西日本エリアの配送拠点となる兵庫工場が完成
2003年06月 中国の上海市に子会社を設立
2006年 「生産物流革新プロジェクト」を開始
2008年03月 台湾の台北市に子会社を設立
2008年09月 シンガポールに子会社を設立
'出所(㈱サイゼリヤ公表資料およびヒアリングよりNAPA作成
9
2.他産業の優良ビジネスモデルについて
㈱サイゼリヤ 事業内容等
'出所(㈱サイゼリヤ公表資料よりNAPA作成
サイゼリヤのポリシー
サイゼリヤの強み(バーティカル・マーチャンダイジングシステム)
サイゼリヤの主なメニュー
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2.他産業の優良ビジネスモデルについて
㈱サイゼリヤ ビジネスモデルとその特徴
お
客
様
店
舗
配
送(物
流)
カミッサリー(食品加工流通拠点)
オーストラリア工場
購
買(仕入れ)
契
約
農
家
バーティカル・マーチャンダイジング(食材の調達から加工・物流、店舗での提供までの一連のプロセスを自ら手掛けること)
おいしく楽しい食事を、誮でも食べられるような低価格で提供する。
POS情報から売れ筋・死に筋を分析し、メニュー構成を見直し。過去には、300近くあった品目を半分以下に絞り込んでいる。
品質維持と店舗作業の軽減のために、食材の加工や下処理を可能な限りカミッサリーで済ませている。
店舗で油は使わせない。
チェーンストア理論を適用し、時間をかけて作業の標準化を徹底してきた。
食材調達の数量決定、海運業者の選定、食材の検品作業など、以前は、購買部門、生産部門、個別店舗等に分散していた業務を物流部門に移管し、全体最適を追求している。
常に、世界中から、一番良いもの(=新鮮なもの)を安く供給できるところを探している。
クオリティの部分は絶対に譲らない。(極端に)絞り込まれた品目を深耕するMDであるため、商談には現地に
出向くことを徹底。
'出所(㈱サイゼリヤ公表資料およびヒアリングよりNAPA作成
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ビジネスモデルの特徴
メニューの絞込み、および、POS情報から売れ筋・死に筋を分析し、毎週、メニューを見直す
カミッサリーで、可能な限り、食材の加工や下処理を済ませる
効 果 ・ 成 果
店舗での顧客への提供スピードの向上
顧客の待ち時間の短縮 ⇒ 顧客回転率の上昇
店舗での在庫ロスの減尐
チェーンストア理論を適用し、作業の標準化を徹底
提供する商品の品質維持
店舗作業の軽減
バーティカル・マーチャンダイジング(食材の調達から加工・物流、店舗での提供までの一連のプロセルを自ら手掛ける)
分散していた業務を物流部門に集約し、一元化
各プロセスの改善を迅速に実行可能
全体最適の視点でコントロール可能
2.他産業の優良ビジネスモデルについて
㈱サイゼリヤ ビジネスモデルとその特徴
'出所(㈱サイゼリヤ公表資料およびヒアリングよりNAPA作成
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2.他産業の優良ビジネスモデルについて
ローランド ディー.ジー.㈱ 会社概要
商 号 ローランド ディー.ジー.株式会社
代 表 者 取締役社長 冨岡 昌弘
本 社 静岡県浜松市北区新都田1-6-4
設 立 1981年5月
事業内容 プリンター、プロッタ、工作機器等コンピュータ周辺機器の製造・販売
従業員数 847人'2010/3期・連結(
親 会 社 ローランド株式会社'電子楽器の製造販売;議決権の被所有割合40%(
28,867
36,106
44,903
39,047
28,403
16.9% 17.3%
21.3%
12.2%
2.5% 0%
4%
8%
12%
16%
20%
24%
28%
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
2006/3 2007/3 2008/3 2009/3 2010/3
売上高と営業利益率の推移'百万円(
'出所(ローランド ディー.ジー.㈱公表資料およびヒアリングよりNAPA作成
ローランドDGの理念
DVE'Digital Value Engineering(の推進
↓
社会の変化に対応し、プロセスの変革を通して、新たな付加価値を創造する
ローランドDGの戦略
・「カラー&3D」の基本路線に沿って、経営資源を集中する
・生産面では、デジタル屋台生産方式をより一層進展させる
沿 革
1981年05月 大阪市にて設立
1981年08月 コンパクト・エフェクター組立キットを販売
1982年05月 小型ペンプロッタを販売開始
1985年01月 ベルギーに子会社を設立
1988年05月 カッティングプロッタを発売開始
'HPのインクジェット・プロッタによりペン・プロッタ市場が激減(
1995年10月 世界初のカラープリント・カッターを販売開始
1997年 ライン生産から尐人数のセル生産方式に移行開始
1999年 一人完結セル生産方式'デジタル屋台(に移行開始
2000年10月 東証2部に上場
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2.他産業の優良ビジネスモデルについて
ローランド ディー.ジー.㈱ 事業内容等
ローランドDGの強み
世界に広がる販売網当社は、連結子会社6社を中心に合計24社のパートナー企業により、世界133の国と地域に製品やサービスを提供しています。
顧客支援活動当社は、製品本体の販売だけでなく、お客様に安心して長期間お使いいただくためのさまざまなサービス活動を積極的に行っています。
高品質と高効率を両立した生産方式当社は、独自の1人1台生産方式「D-shop」を採用しています。デジタル機器をフル活用したこの方式は、品質の高い製品を高効率に生産することが可能になっています。
'出所(ローランド ディー.ジー.㈱公表資料よりNAPA作成
品目別売上構成比
ビジネスモデル
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2.他産業の優良ビジネスモデルについて
ローランド ディー.ジー.㈱ ビジネスモデルとその特徴
お
客
様
営
業
・販
売
配
送
生
産(一人完結セル生産)
購
買
設
計
部品メーカー
サイン(看板)業界および広告業界向けに、オンデマンドで印刷だけでなくカッティングもできるプリンターを提供。印刷会社に頼むと版を作らなくてはならないため尐量では高コストになってしまうところを、低コストで尐量の印刷ができるようにした。
3D-CADによる完成品イメージを見ながら、全部門が合同で新製品に関するディスカッションを行う。
また、プロジェクト単位で組織横断のチームを作ることで、組織の壁を作ら
ないようにしている。
ほぼ全ての部品は外部調達で、生産プロセスにおいてローランドDG
は組立に特化している。
ライン生産では1工程の作業が遅れるとライン全体の生産性が低下してしまうため、セル生産方式を導入。作業員には一人で完成までの全組立工程を担当させるが、1台組立てるための作業時間は指示せず、作業員ごとにマイペースで作業を行う。
「人間はミスして当たり前」ということを前提に、3D-CADデータを活用した作業マニュアルを1工程ごとに作成し、それを作業員がリアルタイムで見られるようにモニターに表示させている。
また、部品を入れるトレイを、1工程ごとに必要な部品しか取れないように工夫
している。
電動ドライバーの締付け完了信号を無線で飛ばしてカウントする、測定機器の数値を自動判定する等のデジタル技術で作業員による工程内自己検査の徹底により、良品と丌良品を分けているだけの最終検査工程を無くしている。
'出所(ヒアリングよりNAPA作成
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2.他産業の優良ビジネスモデルについて
ローランド ディー.ジー.㈱ ビジネスモデルとその特徴
ビジネスモデルの特徴 効 果 ・ 成 果
ほぼ全ての部品を外部から調達 生産プロセスにおいて、経営資源を「組立」に特化
プロジェクト単位で組織横断のチームを作る 組織の壁を越えた円滑なコミュニケーションを実現
3D-CADを使って、完成品イメージを見ながら、全部門が合同で新製品開発のディスカッションを行う
プロダクト・アウト、マーケット・インに偏らない新製品
'出所(ヒアリングよりNAPA作成
「人間はミスして当たり前」を前提に、作業のマニュアル化やポカミス防止の工夫を徹底
新入社員やアルバイト等の早期の戦力化が可能
一人完結セル生産方式(デジタル屋台)を導入 ライン生産のデメリット解消、トータルで生産性向上
多品種尐量生産を同時並行で実行可能
需要の増減にフレキシブルに対応可能
作業員による工程内自己検査を徹底 最終検査工程を無くし、生産プロセスを短縮化
作業員に作業時間の指示をせず、各自のペースで完成品まで担当させる
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2.他産業の優良ビジネスモデルについて
㈱セブン-イレブン・ジャパン 会社概要
商 号 株式会社セブン-イレブン・ジャパン
代 表 者 代表取締役会長 鈴木 敏文、代表取締役社長 井阪 隆一
本 社 東京都千代田区二番町8-8
設 立 1973年11月20日
事業内容 コンビニエンスストアのフランチャイズ展開 等
従業員数 正社員5,763人'2010年2月末(
店 舗 数 12,753店舗'国内'2010/2期((
492,831516,967 527,667 540,773 535,018
36.0%33.4% 31.9% 32.9%
29.2%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
0
100,000
200,000
300,000
400,000
500,000
600,000
2006/2 2007/2 2008/2 2009/2 2010/2
売上高と営業利益率の推移'百万円(
'出所(㈱セブン-イレブン・ジャパン公表資料よりNAPA作成
創業の理念
・既存中小小売店の近代化と活性化
・共存共栄
お客様に向けてのメッセージいつでも、いつの時代も、あらゆるお客様にとって「便利な存在」であり続けたい。私たちは、地域との信頼関係を築き、価値ある商品やサービスの提供を通じて、皆さまの「生活サービスの拠点」となるよう力を注いでいます。セブン-イレブンは、これからも過去の発想にとらわれることなく、時代の変化に柔軟に対応し「便利の創造」に努めてまいります。
沿 革
1973年11月 ㈱ヨークセブン設立
1975年06月 24時間営業を開始
1976年09月 ベンダーの集約化、共同配送開始
1978年08月 ターミナルセブンによる発注開始
1979年10月 東証2部に上場
1982年10月 POS'販売時点情報管理(システム開始
1987年10月 東京電力料金収納業務取扱い開始
1999年03月 栄養ドリンク剤の販売開始
2000年02月 EC事業の㈱セブンドリーム・ドットコム設立
2000年08月 お食事配達サービスの㈱セブン・ミールサービス設立
2007年08月 「セブンプレミアム」の店舗での販売開始
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2.他産業の優良ビジネスモデルについて
㈱セブン-イレブン・ジャパン 事業内容等
'出所(㈱セブン-イレブン・ジャパン公表資料よりNAPA作成
SEJのフランチャイズ・システム
SEJの提供価値国内チェーン全店売上高の推移
国内店舗数の推移
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2.他産業の優良ビジネスモデルについて
㈱セブン-イレブン・ジャパン ビジネスモデルとその特徴
お
客
様
店
舗(加盟店)
配
送
購買・仕入れ
商品企画
メーカー・ベンダー
経営相談
本部と加盟店は従属関係ではなく、役割分担を明確にした対等なパートナーとして共同事業を行っている。本部の役割は、看板(宣伝)、ノウハウ提供、商品の推
奨、加盟店へのサービスの提供。加盟店の役割は、人、商品、経営数値のマネジメント。
'出所(ヒアリングよりNAPA作成
1店舗ごとにOFC(オペレーション・フィールド・カウンセラー)と呼ぶ本部担当者が付き、新商品はどれだけ売れるのか、どこに並べればよいのか等の情報を提供する。また、OFCは機会ロスを無くすように助言・指導し、拡大均衡になるように促す。
どの商品がどの世代に売れたかについて、POSデータを提供する。単にデータを提供するのではなく、オーナーが判断できるように見や
すく加工して提供する。
お客様のニーズを踏まえた商品・サービスの開発は重要な本部の役割の1つ。
味・品質についても、本部の責任。また、わくわく感、面白さを追求したMDを行っ
ている。棚配置に関しては、季節ごとにモデルゴンドラをオーナーに示している。
温度帯別共同配送システムが出来上がっている。過去にはメーカー別配送で、1店舗に1日70台も来ていたが、現在は1日9台となっている。
店舗のバックヤードは棚程度で、ほとんど在庫は持っていない。
設立当初から「単品管理」という考え方を導入しており、一品ごとに情報を集め、仮説を持って開発し、お店で展開し、売り切る努力をするということを繰り返してきた。
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ビジネスモデルの特徴 効 果 ・ 成 果
2.他産業の優良ビジネスモデルについて
㈱セブン-イレブン・ジャパン ビジネスモデルとその特徴
温度帯別共同配送システムを導入している 配送トラックが1店舗に1日70台から9台に減尐
共存共栄の理念でフランチャイズ方式を展開 加盟店とは役割分担を明確にした対等なパートナー
店舗のバックヤードで在庫を殆ど持たなくてもよい
1店舗ごとにOFCと呼ぶ本部担当者を配置し、POSデータをオーナーが判断しやすいように加工して提供
OFCの指導・助言により機会ロスの減尐、拡大均衡
POSデータに基づいた適時・適切な発注
わくわく感、面白さを追求したMDを実行 お客様の来店回数の維持・向上を実現
「単品管理」という考え方で、一品ごとに商品の開発から販売までの情報を分析している
商品開発力の継続的な向上を実現
'出所(ヒアリングよりNAPA作成
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2.他産業の優良ビジネスモデルについて
㈱ポイント 会社概要
商 号 株式会社ポイント
代 表 者 代表取締役会長兼社長 福田 三千男
本 社 茨城県水戸市泉町3-1-27
設 立 1953年10月
事業内容 一般消費者に対するカジュアル衣料及び雑貨の販売
従業員数 正社員1,596人'2010/2期・連結(、期間雇用者2,323人'2010/2期・連結(
店 舗 数 658店舗'国内627店、海外31店 '2010/2期・連結((
49,073
61,650
73,941
86,70597,684
20.3% 19.9%17.5% 17.9% 16.9%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
0
20,000
40,000
60,000
80,000
100,000
120,000
2006/2 2007/2 2008/2 2009/2 2010/2
売上高と営業利益率の推移'百万円(
'出所(㈱ポイント公表資料よりNAPA作成
ポイントのポリシー
enjoy?
↓
私たちは、ファッションを通じてすべての人に“enjoy”することを提供します
ポイントの中期経営計画(TOP12)
ファッションカジュアル市場におけるリーディングカンパニーとなる
沿 革
1953年10月 紳士服小売業を目的として水戸市にて設立
1973年03月 メンズカジュアルウェア小売業に進出
1984年08月 ポイント店のチェーン化を開始
1992年03月 レディースカジュアルウェア小売業に進出
1998年03月 子会社へ物流業務を委託
2000年12月 日本証券業協会に株式を店頭上場
2003年03月 海外出店を開始
2007年10月 自社サイトでEコマース事業を開始
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2.他産業の優良ビジネスモデルについて
㈱ポイント 事業内容等
ブランド ラインナップ “4つのDNA”
Fashion Casual独自のポジションを深化
Store Brand店頭の実感を基点とした物語作り
Multi Brands市場ニーズを先読みしたコーディネート
Speed Management権限委譲による素早い判断と行動
'出所(㈱ポイント公表資料よりNAPA作成
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2.他産業の優良ビジネスモデルについて
㈱ポイント ビジネスモデルとその特徴
お
客
様
店
舗
配
送(物
流)
企画・仕入(バイヤー)
商
社
すべてのブランドは、ファッション性と手頃な価格を兼ね備えた中間価格帯の「ファッション・カジュアル」に特化。「安カワ(手頃な価格で可愛いデザイン)」、「プチプラ(プチ・プライスの略。高価ではないが素敵なファッション品のこと)」として知名度と信頼を
獲得している。
自社でデザイナー、パタンナーを持たない。また、自社工場を持たない。
自社の経営資源を「顧客ニーズを吸い上げ、商品として企画化し、スピー
ディーに店頭に投入すること」に集中。
商品企画の方針は、自分達の着たい服を作る、自分達の理解できないものは売らない「等身大のMD」。バイヤーには、以下の特徴がある。①ターゲット顧客と同世代②自分自身がブランドのファン③店頭販売の経験がある④顧客ニーズを把握し表現する能力
顧客の嗜好、年齢、立地によってターゲット顧客を明確にしたマルチブランド戦略を展開している。
接客に十分な時間が取れるように、店舗での作業は極小化されている。店舗での在庫管理、発注業務、検品
作業は殆ど発生しない。また、店舗は在庫が殆ど置けないレイアウトを採用し、余分な在庫を持てな
いようになっている。
週7回(毎日1回)配送体制を実現。物流センターでの仕分けは自社で管理し、シャツ1枚でも翌日には店舗に配送できる体制を確立し、欠品によ
る機会ロスを防いでいる。
全体計画の範囲内で、各ブランドのバイヤーが、商品全般に関する決定権限を有し、商品企画開始から店頭に商品が並ぶまでのサイクルの短縮化を実現している。
'出所(第九回ポーター賞受賞企業・事業レポートおよびヒアリングよりNAPA作成
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ビジネスモデルの特徴 効 果 ・ 成 果
2.他産業の優良ビジネスモデルについて
㈱ポイント ビジネスモデルとその特徴
自社でデザイナー、パタンナーを持たず、また、自社工場も持たない
商品をスピーディに店頭に投入することに特化
すべてのブランドは、ファッション性と手頃な価格を兼ね備えた中間価格帯の「ファッション・カジュアル」に特化
「安カワ」・「プチプラ」として知名度と信頼を獲得
顧客の嗜好、年齢、立地によってターゲット顧客を明確にしたマルチブランド戦略を展開
ブランドごとにファンを獲得
'出所(第九回ポーター賞受賞企業・事業レポートおよびヒアリングよりNAPA作成
週7回(毎日1回)配送体制を実現するとともに、物流センターでの仕分けは自社で管理している
店頭での欠品による機会ロスを防止
店舗で在庫管理、発注業務、検品作業は殆ど行わないまた、店舗は在庫が殆ど置けないレイアウトを採用している
店舗作業は極小化され、接客に多くの時間を使える
全体計画の範囲内で、各ブランドのバイヤーが、商品全般に関する決定権限を有する
企画開始から商品販売までのサイクルの短縮化
顧客と同世代で、自身がブランドのファンであり、店頭販売の経験があり、ニーズを表現できる人をバイヤーにする
ターゲット顧客のニーズに沿った商品展開
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2.他産業の優良ビジネスモデルについて
㈱ぐるなび 会社概要
商 号 株式会社ぐるなび
代 表 者 代表取締役会長 滝 久雄、代表取締役社長 久保 征一郎
本 社 東京都千代田区有楽町1-2-2
設 立 1989年10月
事業内容 飲食店情報検索サイト「ぐるなび」の運営等
従業員数 正社員1,344人'2010年12月末・連結(
加盟店舗 詳細情報掲載店舗数 76,000店 '2010年12月末(
'出所(㈱ぐるなび公表資料よりNAPA作成
企業理念
私たちは顧客の満足を第一に考えます
↓
飲食店をはじめとする食関連事業者に対して、データベースをフルに機能させた有益なサービスを提供します。
ネットユーザーに対して、楽しさあふれる「食」の最新情報を日々提供します。
3つの事業領域
飲食店 :飲食店のサポーター
ネットユーザー :食のトータルサイト
生産者・メーカー・自治体 :情報問屋
沿 革
1996年06月 ㈱NKBの一事業部として「ぐるなび」開設
2000年02月 ㈱ぐるなび発足
2001年11月 加盟店管理画面を導入
2005年04月 大証ヘラクレス市場に上場
2008年12月 東証一部に上場
2009年08月 「ぐるなび地産他消ナビ」開設
2009年06月 マルシェ・ジャポン全国事務局の活動開始
2010年03月 「援農・援売.jp」開設
25
8,649
11,746
15,602
20,011
24,175
15.7%
10.6%
17.4%19.6% 18.8%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
2006/3 2007/3 2008/3 2009/3 2010/3
売上高と営業利益率の推移(単体)'百万円(
2.他産業の優良ビジネスモデルについて
㈱ぐるなび 事業内容等
'出所(㈱ぐるなび公表資料よりNAPA作成
インターネットユーザー
加
盟
飲
食
店ぐるなび通信
巡回スタッフ
コールセンター
ぐるなび大学
特集バナー広告 E-DM
ぐるなびPRO for 飲食店
'店舗ページ(店舗基本情報店舗ウリ情報 等
飲食店情報検索
飲食店情報入手
飲食店情報入手
自店情報の入力
販促パック'サービス料金(
基本加盟'加盟料金(
来 店
生活者の新しいライフスタイル
飲食店のライフライン
年間スケジュール販促計画の推進
ぐるなび
ぐるなびの販促支援事業の収益モデル
1.オンライン・プラットフォーム
飲食店のオフィシャルな情報を発信するサイトとして、月間アクセス数8.6億PVのメディアパワーを誇る、オリジナルのICT検索プラットフォーム
2.オフライン・プラットフォーム
1,000人の多面的な営業体制
年間3,000回以上開催のぐるなび大学
毎月15万部発行のぐるなび通信
ぐるなびを支える事業モデル
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2.他産業の優良ビジネスモデルについて
㈱ぐるなび ビジネスモデルとその特徴
お客様(ネットユーザー)
営業・加盟店サポート
販促・集客支援企画
インターネットサイトの運営
お客様(ネットユーザー)
飲食店(加盟店)
これまではお店に行ったときにしかわからなかったお店の情報を、行く前からわかるようにし、ぐるなびを見てからお店に行くという新たなライフスタイルを提案した。
「飲食店のサポーター」というコンセプトで事業を展開。ネットを使った新たな集客方法を理解してもらうために、全般的に販促の意識が低く、インターネットに疎かった飲食店オーナーの意識変革を行った。
営業担当や巡回スタッフにより、店舗をサポート。「ウリは何か」といったディスカッションを行う等手厚くサポートをしている。
加盟店自らが自分の店舗の管理画面を編集する。口コミサイトとは違い、飲食店のオフィシャルサイトとして、お客様から信頼を得ている。
ポイント付不等でお客様の会員登録を促進し、会員の方々の検索履歴等を分析することで、販促・集客支援の企画や加盟店のサポートに活用している。
'出所(ヒアリングよりNAPA作成
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2.他産業の優良ビジネスモデルについて
㈱ぐるなび ビジネスモデルとその特徴
ビジネスモデルの特徴 効 果 ・ 成 果
単なるサイトの場所貸しではなく、営業担当や巡回スタッフ等1,000人の営業体制で加盟店を手厚くサポートしている
集客効果の実体験で、飲食店オーナーを意識変革
知らないお店の情報をインターネットで検索できるようにすることで、行く前からお店の情報を得られるようにした
行きたいお店を事前に検索して来店する、新たなライフスタイルを提案
'出所(ヒアリングよりNAPA作成
加盟店自らが自分の店舗の管理画面を編集することで、店舗からの正確でリアルタイムな情報発信の場としている
口コミサイトと差別化し、お客様からの信頼を獲得
ポイント付不等でお客様の会員登録を促進し、会員の方々の検索履歴等を分析している
分析結果に基づいた科学的な企画・サポートの実現
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