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24 一般会計 令和元年度の一般会計は、船舶の大型化や取扱貨物量の増加に対応するため、金城ふ頭岸壁及び 飛島ふ頭岸壁などの整備に積極的に取り組むこととしている。また、金城ふ頭及び稲永ふ頭岸壁改 良並びに中川運河護岸改良などの老朽化対策、今後想定される大規模地震に対応した災害対策とし て大江ふ頭耐震強化岸壁改良などの地域防災機能の強化及び県民・市民に親しまれ賑わいのある、 景観に配慮したウォーターフロント創出や緑地整備を始めとする良好な港湾環境の形成を図るた め、次の3点を重点施策とする予算とした。 国際競争力及び産業競争力の強化と港湾物流の環境変化に対応した港づくり 港湾の安全確保と大規模災害にも対応できる地域防災を目指した港づくり 環境にやさしく、夢・うるおい・にぎわいのある親しまれる港づくり その予算額は、361億4,000万円で、対前年度比較で90億8,000万円、率にして33.6%の増加となっ ている。 令和元年度 平成30年度 対前年度比較 予 算 額 構成比 予 算 額 構成比 増△減額 伸 率 千円 8,108,406 % 22.4 千円 7,482,666 % 27.7 千円 625,740 % 8.4 その他負担金 1,130,567 3.2 963,974 3.5 166,593 17.2 使用料及び手数料 4,568,629 12.6 4,502,311 16.6 66,318 1.5 1,029,300 2.9 929,800 3.4 99,500 10.7 5,102,139 14.1 5,287,362 19.6 △185,223 △3.5 10 0.0 10 0.0 0 0.0 216,938 0.6 222,084 0.8 △5,146 △2.3 400,000 1.1 300,000 1.1 100,000 33.3 5,713,611 15.8 2,780,293 10.3 2,933,318 105.5 9,870,400 27.3 4,591,500 17.0 5,278,900 115.0 36,140,000 100 27,060,000 100 9,080,000 33.6 歳入予算の中で、例年大きな構成割合を占めている県市負担金は、組合の経費に対し、見込み得 る施設使用料及び組合債等の収入を充て、なお不足する額について、名古屋港管理組合規約に基づ き愛知県及び名古屋市よりそれぞれ2分の1の負担を仰ぎ、その使途については単に一般財源の不 足額に充てるのではなく、主として投資的経費としての公共事業に係る地方負担額及び地方負担額 に充てるために措置した組合債の元利償還金等に充当しているものである。本年度は公共事業に係

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Page 1: 2 一般会計3,331万8千円、率にして105.5%の増加となる57億1,361万1千円を計上し、組合債は、公共事業に 係る地方負担額の増加などにより、対前年度比較で52億7,890万円、率にして115%の増加となる

− 24 −

2 一般会計

 令和元年度の一般会計は、船舶の大型化や取扱貨物量の増加に対応するため、金城ふ頭岸壁及び

飛島ふ頭岸壁などの整備に積極的に取り組むこととしている。また、金城ふ頭及び稲永ふ頭岸壁改

良並びに中川運河護岸改良などの老朽化対策、今後想定される大規模地震に対応した災害対策とし

て大江ふ頭耐震強化岸壁改良などの地域防災機能の強化及び県民・市民に親しまれ賑わいのある、

景観に配慮したウォーターフロント創出や緑地整備を始めとする良好な港湾環境の形成を図るた

め、次の3点を重点施策とする予算とした。

⑴ 国際競争力及び産業競争力の強化と港湾物流の環境変化に対応した港づくり

⑵ 港湾の安全確保と大規模災害にも対応できる地域防災を目指した港づくり

⑶ 環境にやさしく、夢・うるおい・にぎわいのある親しまれる港づくり

 その予算額は、361億4,000万円で、対前年度比較で90億8,000万円、率にして33.6%の増加となっ

ている。

歳  入

歳 入 区 分令和元年度 平成30年度 対前年度比較

予 算 額 構成比 予 算 額 構成比 増△減額 伸 率

県 市 負 担 金千円

8,108,406%

22.4千円

7,482,666%

27.7千円

625,740%

8.4

そ の 他 負 担 金 1,130,567 3.2 963,974 3.5 166,593 17.2

使用料及び手数料 4,568,629 12.6 4,502,311 16.6 66,318 1.5

国 庫 支 出 金 1,029,300 2.9 929,800 3.4 99,500 10.7

財 産 収 入 5,102,139 14.1 5,287,362 19.6 △185,223 △3.5

寄 附 金 10 0.0 10 0.0 0 0.0

繰 入 金 216,938 0.6 222,084 0.8 △5,146 △2.3

繰 越 金 400,000 1.1 300,000 1.1 100,000 33.3

諸 収 入 5,713,611 15.8 2,780,293 10.3 2,933,318 105.5

組 合 債 9,870,400 27.3 4,591,500 17.0 5,278,900 115.0

計 36,140,000 100 27,060,000 100 9,080,000 33.6

 歳入予算の中で、例年大きな構成割合を占めている県市負担金は、組合の経費に対し、見込み得

る施設使用料及び組合債等の収入を充て、なお不足する額について、名古屋港管理組合規約に基づ

き愛知県及び名古屋市よりそれぞれ2分の1の負担を仰ぎ、その使途については単に一般財源の不

足額に充てるのではなく、主として投資的経費としての公共事業に係る地方負担額及び地方負担額

に充てるために措置した組合債の元利償還金等に充当しているものである。本年度は公共事業に係

Page 2: 2 一般会計3,331万8千円、率にして105.5%の増加となる57億1,361万1千円を計上し、組合債は、公共事業に 係る地方負担額の増加などにより、対前年度比較で52億7,890万円、率にして115%の増加となる

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る地方負担額等の増加により、対前年度比較で6億2,574万円、率にして8.4%の増加となる81億

840万6千円を計上した。

 また、平成6年度に起債充当率が引き上げられ、当該年度の公共事業に充てる県市負担金は抑制

されたものの、後年度負担の公債費に充てる県市負担金が増加したことにより、令和元年度予算で

は県市負担金の87%を公債費が占める状況となっている。

 次に歳入の大宗をなし、かつ、自主財源として財政の弾力的な運営に影響する使用料及び手数料

並びに財産収入は、港湾施設使用料に増収が見込まれるものの、土地交換に伴う差金の減収により

対前年度比較で1億1,890万5千円、率にして1.2%の減少となる96億7,076万8千円(歳入構成比

26.7%)を計上した。

 また、諸収入は、施設運営事業会計からの受託事業収入の増収などにより、対前年度比較で29億

3,331万8千円、率にして105.5%の増加となる57億1,361万1千円を計上し、組合債は、公共事業に

係る地方負担額の増加などにより、対前年度比較で52億7,890万円、率にして115%の増加となる

98億7,040万円を計上した。

その他例年どおり、国庫支出金、繰入金等の歳入を予算措置した。

(参考)県市負担金の推移

Page 3: 2 一般会計3,331万8千円、率にして105.5%の増加となる57億1,361万1千円を計上し、組合債は、公共事業に 係る地方負担額の増加などにより、対前年度比較で52億7,890万円、率にして115%の増加となる

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歳  出

歳 出 区 分令和元年度 平成30年度 対前年度比較

予 算 額 構成比 予 算 額 構成比 増△減額 伸 率

議 会 費千円

172,690%

0.5千円

167,839%

0.6千円

4,851%

2.9

総 務 費 3,215,681 8.9 2,901,897 10.7 313,784 10.8

港 営 費 2,301,853 6.4 2,419,175 9.0 △117,322 △4.9

企画調整費・建設費

補 助 事 業 2,530,400 7.0 2,244,600 8.3 285,800 12.7

直 轄 事 業 8,723,000 24.1 3,383,900 12.5 5,339,100 157.8

受 託 事 業 3,837,200 10.6 878,000 3.2 2,959,200 337.0

単 独 事 業 7,250,176 20.1 6,833,589 25.3 416,587 6.1

小 計 22,340,776 61.8 13,340,089 49.3 9,000,687 67.5

公 債 費 8,079,000 22.3 8,201,000 30.3 △122,000 △1.5

予 備 費 30,000 0.1 30,000 0.1 0 0.0

計 36,140,000 100 27,060,000 100 9,080,000 33.6

 歳出予算は、組合議会の運営に要する経費として議会費に1億7,269万円を計上したのを始め、一

般管理事務、名古屋四日市国際港湾株式会社に対する貸付金等に要する経費として総務費に32億

1,568万1千円を、また港湾施設等の管理運営に要する経費として港営費に23億185万3千円を計上

した。

 次に港湾施設整備等に関連する経費として企画調整費及び建設費に、補助事業25億3,040万円、

直轄事業の港湾管理者負担金87億2,300万円、受託事業38億3,720万円、単独事業72億5,017万6千

円の合わせて223億4,077万6千円を計上した。

 また、これら公共事業を行うに当たっては、財源を組合債に求めることが多く、この組合債の元

利償還金として、対前年度比較で1億2,200万円減額の80億7,900万円(歳出構成比22.3%)を公債

費に計上した。

 なお、これらの港湾整備事業等を重点施策別に示すと次表のとおりである。

Page 4: 2 一般会計3,331万8千円、率にして105.5%の増加となる57億1,361万1千円を計上し、組合債は、公共事業に 係る地方負担額の増加などにより、対前年度比較で52億7,890万円、率にして115%の増加となる

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   港湾整備事業の重点施策別内訳

区  分 主 な 事 業 内 容 予 算 額

国際競争力及び産業競争力

の強化と港湾物流の環境変

化に対応した港づくり

岸壁整備(金城ふ頭及び飛島ふ頭岸壁改良)

埠頭用地整備等(金城ふ頭護岸整備等)

コンテナ関連施設整備

 (飛島ふ頭南コンテナターミナル整備(貸付金)等)

航路整備(西航路拡幅等)

基本計画調査(貨物動向調査等)

千円

(7,988,000)

2,784,000

3,343,800

875,700

(1,340,000)

500,000

39,500

(13,587,000)

7,543,000

港湾の安全確保と大規模災

害にも対応できる地域防災

を目指した港づくり

港湾防災対策

 (大江ふ頭耐震強化岸壁改良、堀川口防潮水門耐震補強、

  港内護岸液状化対策、大江川地区土質調査等)

泊地しゅんせつ(港内泊地等)

岸壁・護岸改良等

 (金城ふ頭及び稲永ふ頭岸壁改良、中川運河護岸改良、西部

  木材港波除堤撤去等)

臨港交通施設補修等安全対策(港湾道路補修等)

港湾施設保安対策(保安対策施設維持等)

3,122,479

(11,786,300)

5,505,300

(2,310,700)

2,010,700

1,003,622

453,899

(18,677,000)

12,096,000

環境にやさしく、夢・うる

おい・にぎわいのある親し

まれる港づくり

臨港緑地等

 (中川運河水質改善施設整備、中川運河(堀止)緑地整備、

  風力発電施設補修、臨港緑地維持等)

港湾厚生施設等

 (ポートビル等施設補修、新舞子ボートパーク施設補修等)

水族館(生物借上、水族館施設補修等)

クルーズ船(ガーデンふ頭岸壁改良・屋根付き通路整備等)

再開発整備等(中川運河、ガーデンふ頭等)

1,177,324

711,609

596,662

307,326

69,079

2,862,000

(注)事業費に係る(  )は直轄事業の国負担分を含む。