2 リハビリテーション看護 · 2...

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― 33 ― リハビリテーション看護 概要 看護部の理念・方針 理念-患者様とともにリハビリテーションのゴール(目標)を目指し、できるかぎりの自立を支援 し、安全で質の高い看護を提供します。 方針-1 人間の生命、人間としての尊厳および権利を尊重した看護サービスを提供します。 リハビリテーション看護の専門性を発揮し、患者様の日常生活行動の獲得に向けて 「見守る」「待つ」「ともに考える」姿勢をもってかかわり、支援します。 リハビリテーションチームの多職種と協働し、患者様の目指す目標に向かって効果的な リハビリテーションが行えるように調整役となります。 看護実践能力の向上を目指して自己啓発に努め、職業人、社会人、人間としての成長を はかります。 看護学生の臨地実習、研修等に主体的にかかわり、後輩の育成とリハビリテーション看 護の発展に努めます。 組織と看護単位 看護部は、 つの病棟(第一病棟~第三病棟)・外来・手術室(中央材料室)の つの看護単位で 構成されている。平成 年度より地域連携・入退院支援室に入退院支援専任看護師を 人配置してい る。 勤務体制 第一病棟 (床) ・脊椎、脊髄疾患、股関節、膝関節疾患、関節リウマチ、スポー ツ障害等で手術を受ける患者の看護 ・障害者の全身麻酔下歯科治療に対する看護 ・神経難病等の治療で手術を受ける患者の看護 ・薬物療法を受ける患者の症状観察と日常生活の援助 ・医療依存度の高い重度の脳血管障害患者の看護 ・神経難病等で常時、医学的管理を要する患者の短期入院時に おける看護 交代・交代 人夜勤 第二病棟 (床) ・神経難病等で常時、医学的管理を要する患者の看護 ・頸、脊髄損傷でリハビリテーションを受ける患者の看護 ・頸、脊髄損傷患者の家族への在宅介護指導と自立への支援 ・脳血管障害でリハビリテーションを受ける患者の看護 ・褥瘡治療を受ける患者の看護 交代 人夜勤 第三病棟 (床) ・回復期リハビリテーション対象患者の$'/向上・在宅復帰・ 社会復帰の看護 ・高次脳機能障害患者の看護 ・患者、家族への在宅介護指導と健康管理、自立への支援 交代・交代 人夜勤 ・外来診療および更生相談をうける患者の診察介助 ・手術予定患者への術前オリエンテーション ・入院予約した患者、家族との面接(看護情報の収集) ・放射線検査(造影等)を受ける患者の検査介助と看護 ・外来通院患者の褥瘡など処置介助や指導 ・外来通院患者への在宅療養指導 ・看護スキンケア相談窓口の対応 日勤体制 手術室 ・手術患者の術前、術後訪問 ・手術患者の術前、術中、術直後の看護 ・障害者(児)の全身麻酔下歯科治療に対する看護 ・手術室設備、備品の適正管理 日勤体制 中央材料室 ・医療、看護用器材の洗浄、滅菌、保管、供給 ・安全で効率的な診療材料の供給と管理 ・輸液ポンプ等、一部医療機器の中央化に伴う保守点検 業務委託

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― 36 ― ― 33 ―

2 リハビリテーション看護概要

ア 看護部の理念・方針

理念-患者様とともにリハビリテーションのゴール(目標)を目指し、できるかぎりの自立を支援

し、安全で質の高い看護を提供します。

方針-1 人間の生命、人間としての尊厳および権利を尊重した看護サービスを提供します。

2 リハビリテーション看護の専門性を発揮し、患者様の日常生活行動の獲得に向けて

「見守る」「待つ」「ともに考える」姿勢をもってかかわり、支援します。

3 リハビリテーションチームの多職種と協働し、患者様の目指す目標に向かって効果的な

リハビリテーションが行えるように調整役となります。

4 看護実践能力の向上を目指して自己啓発に努め、職業人、社会人、人間としての成長を

はかります。

5 看護学生の臨地実習、研修等に主体的にかかわり、後輩の育成とリハビリテーション看

護の発展に努めます。

イ 組織と看護単位

看護部は、 つの病棟(第一病棟~第三病棟)・外来・手術室(中央材料室)の つの看護単位で

構成されている。平成 年度より地域連携・入退院支援室に入退院支援専任看護師を 人配置してい

る。

看 護 の 内 容 勤務体制

第一病棟

( 床)

・脊椎、脊髄疾患、股関節、膝関節疾患、関節リウマチ、スポー

ツ障害等で手術を受ける患者の看護

・障害者の全身麻酔下歯科治療に対する看護

・神経難病等の治療で手術を受ける患者の看護

・薬物療法を受ける患者の症状観察と日常生活の援助

・医療依存度の高い重度の脳血管障害患者の看護

・神経難病等で常時、医学的管理を要する患者の短期入院時に

おける看護

交代・ 交代

人夜勤

第二病棟

( 床)

・神経難病等で常時、医学的管理を要する患者の看護

・頸、脊髄損傷でリハビリテーションを受ける患者の看護

・頸、脊髄損傷患者の家族への在宅介護指導と自立への支援

・脳血管障害でリハビリテーションを受ける患者の看護

・褥瘡治療を受ける患者の看護

交代

人夜勤

第三病棟

( 床)

・回復期リハビリテーション対象患者の 向上・在宅復帰・

社会復帰の看護

・高次脳機能障害患者の看護

・患者、家族への在宅介護指導と健康管理、自立への支援

交代・ 交代

人夜勤

外 来

・外来診療および更生相談をうける患者の診察介助

・手術予定患者への術前オリエンテーション

・入院予約した患者、家族との面接(看護情報の収集)

・放射線検査(造影等)を受ける患者の検査介助と看護

・外来通院患者の褥瘡など処置介助や指導

・外来通院患者への在宅療養指導

・看護スキンケア相談窓口の対応

日勤体制

手術室

・手術患者の術前、術後訪問

・手術患者の術前、術中、術直後の看護

・障害者(児)の全身麻酔下歯科治療に対する看護

・手術室設備、備品の適正管理

日勤体制

中央材料室

・医療、看護用器材の洗浄、滅菌、保管、供給

・安全で効率的な診療材料の供給と管理

・輸液ポンプ等、一部医療機器の中央化に伴う保守点検

業務委託

Page 2: 2 リハビリテーション看護 · 2 リハビリテーション看護の専門性を発揮し、患者様の日常生活行動の獲得に向けて 「見守る」「待つ」「ともに考える」姿勢をもってかかわり、支援します。

― 34 ― ― 35 ―

ウ 入院基本料の届出と看護方式

(ア)入院基本料の届出

・第一病棟 急性期入院基本料 看護師配置 対

・第二病棟 障害者施設等入院基本料 対 入院基本料

・第三病棟 回復期リハビリテーション病棟入院料 (看護配置 対1)

(イ)看護提供体制

・ペアナーシングシステム:日勤帯、 人の看護師で仕事をシェアする体制

・プライマリーナーシング(モジュール型継続受持方式)

平成 年度事業実績

ア 看護職員の動向

平成 年度 月 日現在の看護職員数は 人(看護師 人、看護助手 人)欠員 人でのスター

トであった。平成 年度看護師の新規採用者は 人 途中退職に伴う前倒し採用 人含む)、県立病

院間の異動は転出者 人、転入者 人であった。看護師の平均年齢は 歳 前年度 歳 、看護

師経験年数 年(前年度 年)、既婚者は 人で既婚率は %(前年度 %)であった。

産休取得者 人(前年度 人)、育児休業取得者 人(前年度 人)、育児短時間勤務取得者 人(前

年度 人)、部分休業取得者 人 前年度 人 、育児休暇取得者 人 前年度 人 であった。育児短

時間勤務者の代替職員の採用は 人であった。その他 週間以上の病気休暇者は延べ 人であった。

平成 年度の退職者は 人で離職率は %(前年度 )、新卒新採用看護師は年度途中で

人の離職があった。途中退職による欠員があったため、 月より 人が新規採用された。

イ 管理・運営

センターの重点目標を受け、看護部の重点目標 項目をあげ、人事評価システムを効果的に活用し、

目標達成に向けて取り組みを行った。以下重点目標毎に述べる。

(ア)経営改善への貢献

.病床利用率向上

各病棟とも入院基本料算定要件を満たし、 年間運営することができた。特に第三病棟は重症患者

割合、在宅復帰率、重症患者回復率、リハビリテーション実績指数の つの要件が必要であり、特に

重症患者割合を満たすことができるよう、入院調整が必要であった。

経営改善計画アクションプラン を基に看護部の利用率を 病棟 、 病棟 、 病棟

、全体平均 を目標に病床管理を行った。平成 年度の月平均病床利用率は で、前年

度より ポイント上げることができた。

第一病棟では、他院からの整形外科手術後リハビリテーション目的の入院や、他病棟の入院患者の

受け入れを行い、年間入院患者の を受け入れた。利用率を向上させるとともに、平均入院日数

日以下を維持できるよう取り組んだ。

第二病棟は、看護クラス 1(食事摂取全介助)患者の受け入れの上限を決めない取り組みを今年

度も継続し、クラス 患者を 日最大 人、延べ患者数の を受け入れた。

第三病棟は、重症の脳血管疾患患者、頸髄損傷患者、整形外科手術後患者、神経難病患者など回復

期リハビリテーション適応患者をさらに幅広く受け入れた。また、病床利用率は と前年度より

ポイント上げることができた、年間を通し利用率の最も高い病棟であった。

病棟別 年度 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 平均

平成30年度

平成29年度

平成30年度

平成29年度

平成30年度

平成29年度

平成30年度

平成29年度

 (当日退院含む)

平成29年度、30年度 病床利用率比較

病床利用率(%)=延べ患者数

×100延べ病床数

1病棟

2病棟

3病棟

合計

b.経営改善への貢献

a)平成 年度診療報酬改訂により入院時支援加算が新設された。外来受診時より退院支援に係る

スクリーニングと介入を行い、入院時支援加算が取得できるようになった。また、歯科診療部と外

来、病棟が連携し、周手術期歯科連携の試行を行い、平成 年度より本格実施できるよう準備を行

った。排尿自立指導料算定ができるように泌尿器科医師と連携しマニュアル等の整備を行なった。

有料個室を 室増やすなども行い、病院収益向上に寄与することができた。

b)看護体制:ペアナーシング定着への取り組み

平成 年度より取り組んだペアナーシングは、 年目の取り組みとなり、システムの定着に取り

組んだ。プロジェクトチームにより、監査の実施、ペアナーシングのイメージ化がしやすいように

動画を制作した。利用率が ポイント向上する中で、年間の時間外勤務実績は 時間で前年

比 削減をすることができ、病院経営改善目標に寄与することができた。

ペアナーシングは、共に行動する職員との対等な立場であること、積極的なコミュニケーション

を取っていくこと、限られた時間の中で業務を終わらせるなどのマインドも重要であるため、入職

時のオリエンテーションや監査実施などの定着への取り組みは継続していく。

(イ)質の高い看護の提供

a.各部署で質評価の指標を決め、目標値を設定して取り組んだ。共通指標としては褥瘡発生率、手

指消毒薬の患者一人あたりの使用量、インシデントレベル 以上の患者誤認 とした。褥瘡発生率、

インシデントレベル 以上の患者誤認 については目標を達成できた。手指消毒薬の使用量

患者 日は、 月以降は全病棟で目標量を達成・維持することができた。

b.医療安全の向上

リスク感性の向上

平成 年度のインシデントレポート件数は 件、前年度 件と比較して 件減少した。レベ

ル別ではレベル が 件 と最も多く、次いでレベル が 件 の順であった。レベ

ル の報告件数は 件減少した。全体の報告件数の減少は、レベル の報告の減少とほぼ同数であ

る。今年度はレベル の報告割合を目標にあげなかったことがインシデント減少の要因と考える。レ

ベル の報告は、危険予知や業務の見直し等につながるため今後も継続的に提出を働きかけていく必

要がある。

項目別件数では、療養上の世話 件( % 、薬剤・輸血 件 %)、転倒・転落 件

)であった。転倒・転落の報告件数は前年度 件 と比較し 件減少した。今年度は、入院

時の初期計画立案率、転倒・転落発生時の計画修正率を目標にあげ取り組んだことで、環境調整など

意識することができたと考える。また、今年度は「レベル 以上の患者誤認を起こさない」を目標に

あげ取り組んだ。患者誤認は 件、レベル が 件、レベル が 件、レベル 以上は で目標を

達成することができた。しかし誤配膳や服薬患者間違い等、看護師だけでなく看護補助者からの発生

も見られ、監査や研修を行い患者確認方法や同姓同名者の周知方法の検討を行った。来年度も引き続

き取り組んでいく。

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ウ 入院基本料の届出と看護方式

(ア)入院基本料の届出

・第一病棟 急性期入院基本料 看護師配置 対

・第二病棟 障害者施設等入院基本料 対 入院基本料

・第三病棟 回復期リハビリテーション病棟入院料 (看護配置 対1)

(イ)看護提供体制

・ペアナーシングシステム:日勤帯、 人の看護師で仕事をシェアする体制

・プライマリーナーシング(モジュール型継続受持方式)

平成 年度事業実績

ア 看護職員の動向

平成 年度 月 日現在の看護職員数は 人(看護師 人、看護助手 人)欠員 人でのスター

トであった。平成 年度看護師の新規採用者は 人 途中退職に伴う前倒し採用 人含む)、県立病

院間の異動は転出者 人、転入者 人であった。看護師の平均年齢は 歳 前年度 歳 、看護

師経験年数 年(前年度 年)、既婚者は 人で既婚率は %(前年度 %)であった。

産休取得者 人(前年度 人)、育児休業取得者 人(前年度 人)、育児短時間勤務取得者 人(前

年度 人)、部分休業取得者 人 前年度 人 、育児休暇取得者 人 前年度 人 であった。育児短

時間勤務者の代替職員の採用は 人であった。その他 週間以上の病気休暇者は延べ 人であった。

平成 年度の退職者は 人で離職率は %(前年度 )、新卒新採用看護師は年度途中で

人の離職があった。途中退職による欠員があったため、 月より 人が新規採用された。

イ 管理・運営

センターの重点目標を受け、看護部の重点目標 項目をあげ、人事評価システムを効果的に活用し、

目標達成に向けて取り組みを行った。以下重点目標毎に述べる。

(ア)経営改善への貢献

.病床利用率向上

各病棟とも入院基本料算定要件を満たし、 年間運営することができた。特に第三病棟は重症患者

割合、在宅復帰率、重症患者回復率、リハビリテーション実績指数の つの要件が必要であり、特に

重症患者割合を満たすことができるよう、入院調整が必要であった。

経営改善計画アクションプラン を基に看護部の利用率を 病棟 、 病棟 、 病棟

、全体平均 を目標に病床管理を行った。平成 年度の月平均病床利用率は で、前年

度より ポイント上げることができた。

第一病棟では、他院からの整形外科手術後リハビリテーション目的の入院や、他病棟の入院患者の

受け入れを行い、年間入院患者の を受け入れた。利用率を向上させるとともに、平均入院日数

日以下を維持できるよう取り組んだ。

第二病棟は、看護クラス 1(食事摂取全介助)患者の受け入れの上限を決めない取り組みを今年

度も継続し、クラス 患者を 日最大 人、延べ患者数の を受け入れた。

第三病棟は、重症の脳血管疾患患者、頸髄損傷患者、整形外科手術後患者、神経難病患者など回復

期リハビリテーション適応患者をさらに幅広く受け入れた。また、病床利用率は と前年度より

ポイント上げることができた、年間を通し利用率の最も高い病棟であった。

病棟別 年度 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 平均

平成30年度

平成29年度

平成30年度

平成29年度

平成30年度

平成29年度

平成30年度

平成29年度

 (当日退院含む)

平成29年度、30年度 病床利用率比較

病床利用率(%)=延べ患者数

×100延べ病床数

1病棟

2病棟

3病棟

合計

b.経営改善への貢献

a)平成 年度診療報酬改訂により入院時支援加算が新設された。外来受診時より退院支援に係る

スクリーニングと介入を行い、入院時支援加算が取得できるようになった。また、歯科診療部と外

来、病棟が連携し、周手術期歯科連携の試行を行い、平成 年度より本格実施できるよう準備を行

った。排尿自立指導料算定ができるように泌尿器科医師と連携しマニュアル等の整備を行なった。

有料個室を 室増やすなども行い、病院収益向上に寄与することができた。

b)看護体制:ペアナーシング定着への取り組み

平成 年度より取り組んだペアナーシングは、 年目の取り組みとなり、システムの定着に取り

組んだ。プロジェクトチームにより、監査の実施、ペアナーシングのイメージ化がしやすいように

動画を制作した。利用率が ポイント向上する中で、年間の時間外勤務実績は 時間で前年

比 削減をすることができ、病院経営改善目標に寄与することができた。

ペアナーシングは、共に行動する職員との対等な立場であること、積極的なコミュニケーション

を取っていくこと、限られた時間の中で業務を終わらせるなどのマインドも重要であるため、入職

時のオリエンテーションや監査実施などの定着への取り組みは継続していく。

(イ)質の高い看護の提供

a.各部署で質評価の指標を決め、目標値を設定して取り組んだ。共通指標としては褥瘡発生率、手

指消毒薬の患者一人あたりの使用量、インシデントレベル 以上の患者誤認 とした。褥瘡発生率、

インシデントレベル 以上の患者誤認 については目標を達成できた。手指消毒薬の使用量

患者 日は、 月以降は全病棟で目標量を達成・維持することができた。

b.医療安全の向上

リスク感性の向上

平成 年度のインシデントレポート件数は 件、前年度 件と比較して 件減少した。レベ

ル別ではレベル が 件 と最も多く、次いでレベル が 件 の順であった。レベ

ル の報告件数は 件減少した。全体の報告件数の減少は、レベル の報告の減少とほぼ同数であ

る。今年度はレベル の報告割合を目標にあげなかったことがインシデント減少の要因と考える。レ

ベル の報告は、危険予知や業務の見直し等につながるため今後も継続的に提出を働きかけていく必

要がある。

項目別件数では、療養上の世話 件( % 、薬剤・輸血 件 %)、転倒・転落 件

)であった。転倒・転落の報告件数は前年度 件 と比較し 件減少した。今年度は、入院

時の初期計画立案率、転倒・転落発生時の計画修正率を目標にあげ取り組んだことで、環境調整など

意識することができたと考える。また、今年度は「レベル 以上の患者誤認を起こさない」を目標に

あげ取り組んだ。患者誤認は 件、レベル が 件、レベル が 件、レベル 以上は で目標を

達成することができた。しかし誤配膳や服薬患者間違い等、看護師だけでなく看護補助者からの発生

も見られ、監査や研修を行い患者確認方法や同姓同名者の周知方法の検討を行った。来年度も引き続

き取り組んでいく。

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2 リハビリテーション看護概要

ア 看護部の理念・方針

理念-患者様とともにリハビリテーションのゴール(目標)を目指し、できるかぎりの自立を支援

し、安全で質の高い看護を提供します。

方針-1 人間の生命、人間としての尊厳および権利を尊重した看護サービスを提供します。

2 リハビリテーション看護の専門性を発揮し、患者様の日常生活行動の獲得に向けて

「見守る」「待つ」「ともに考える」姿勢をもってかかわり、支援します。

3 リハビリテーションチームの多職種と協働し、患者様の目指す目標に向かって効果的な

リハビリテーションが行えるように調整役となります。

4 看護実践能力の向上を目指して自己啓発に努め、職業人、社会人、人間としての成長を

はかります。

5 看護学生の臨地実習、研修等に主体的にかかわり、後輩の育成とリハビリテーション看

護の発展に努めます。

イ 組織と看護単位

看護部は、 つの病棟(第一病棟~第三病棟)・外来・手術室(中央材料室)の つの看護単位で

構成されている。平成 年度より地域連携・入退院支援室に入退院支援専任看護師を 人配置してい

る。

看 護 の 内 容 勤務体制

第一病棟

( 床)

・脊椎、脊髄疾患、股関節、膝関節疾患、関節リウマチ、スポー

ツ障害等で手術を受ける患者の看護

・障害者の全身麻酔下歯科治療に対する看護

・神経難病等の治療で手術を受ける患者の看護

・薬物療法を受ける患者の症状観察と日常生活の援助

・医療依存度の高い重度の脳血管障害患者の看護

・神経難病等で常時、医学的管理を要する患者の短期入院時に

おける看護

交代・ 交代

人夜勤

第二病棟

( 床)

・神経難病等で常時、医学的管理を要する患者の看護

・頸、脊髄損傷でリハビリテーションを受ける患者の看護

・頸、脊髄損傷患者の家族への在宅介護指導と自立への支援

・脳血管障害でリハビリテーションを受ける患者の看護

・褥瘡治療を受ける患者の看護

交代

人夜勤

第三病棟

( 床)

・回復期リハビリテーション対象患者の 向上・在宅復帰・

社会復帰の看護

・高次脳機能障害患者の看護

・患者、家族への在宅介護指導と健康管理、自立への支援

交代・ 交代

人夜勤

外 来

・外来診療および更生相談をうける患者の診察介助

・手術予定患者への術前オリエンテーション

・入院予約した患者、家族との面接(看護情報の収集)

・放射線検査(造影等)を受ける患者の検査介助と看護

・外来通院患者の褥瘡など処置介助や指導

・外来通院患者への在宅療養指導

・看護スキンケア相談窓口の対応

日勤体制

手術室

・手術患者の術前、術後訪問

・手術患者の術前、術中、術直後の看護

・障害者(児)の全身麻酔下歯科治療に対する看護

・手術室設備、備品の適正管理

日勤体制

中央材料室

・医療、看護用器材の洗浄、滅菌、保管、供給

・安全で効率的な診療材料の供給と管理

・輸液ポンプ等、一部医療機器の中央化に伴う保守点検

業務委託

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第二

(イ)サポート状況

平成 年度の日々サポート時間の総数は 時間で、月単位のサポートは延べ 人であった。

日々サポート時間提供時間が多かったのは手術室で 時間 、次いで外来の 時間

であった。月単位のサポートは手術室延べ 人、次いで第三病棟 人、第二病棟 人であった。日

々サポートと単月単位のサポートを合わせると手術室、次いで第二病棟、第三病棟、外来の順に多か

った。

サポート受け入れ時間が最も多かったのは、第一病棟で、日々サポートに加え、月単位のサポート

延べ 人を受け入れた。

一病棟は平成 年度よりさらに利用率を ポイント上げ 、入院患者数 人 前年比∔ 人)

となったため、施設基準を満たす夜勤要員の確保のため、全部署が協力し柔軟なサポートを実施し安

全な看護の提供に貢献できた。今後も病床利用率や患者の重症度に合わせた柔軟なサポートを実施し、

安全な看護の提供、各部署の平均的な年休取得、時間外短縮を進めていく。

【平成 年度サポート実績】

1病棟 2病棟 3病棟 手術室 外来 合計

サポート提供時間(%)

サポート受入時間(%)

(ウ)感染防止対策

a.標準予防対策 標準予防策の基本である手指衛生と正しい個人防護具使用の徹底のために取り組みを行った。

5 月に実施した手洗いチェックでは「爪・指先」の洗い残しが多いのは例年どおりであった。手指消

毒チェックで「指先を消毒液に浸す」「手首まですり込む」の動作が、他のチェック項目は 100%実施

できていたのに対して、94%の実施率で若干低かった。手洗いの「爪・指先」の洗い残しについては

手荒れとの関連も考えられ、保護保湿効果のあるハンドローションの設置を開始したので、結果の変

化を確認していく。手指消毒はタイミングの遵守とともに、確実な手技を身につける必要がある。今

後も手指衛生チェックを継続していく。 5 月に吸引とおむつ交換における手指衛生と個人防護具の交換のタイミングについてベストプラク

ティスを作成し、勉強会を 6 月に開催し周知した。遵守状況の評価のために 10 月~11 月に吸引とおむ

つ交換の監査を実施した。吸引の監査項目の遵守率は吸引 であった。吸引のスイッチ操作後

の手指衛生の遵守率が であった。おむつ交換の監査項目の遵守率はおむつ交換 であ

った。個人防護具を外した後の手指衛生遵守率が ~ であるのに対して、患者や患者周囲

の環境に触れる前の手指衛生が 、個人防護具を装着する前の手指衛生が の遵守率であ

った。これらの監査を通して、患者に触れる前や患者周囲環境に触れる前の手指衛生の遵守率が

低い傾向があった。今後はなぜそのタイミングで手指衛生が必要なのかという理解を深めるよう

な取り組みを実施する必要がある。

手指消毒剤の使用量は目標値を患者一人当たり 18ml/日とし、毎月集計した。5 月から目標値を達

成した病棟があり、9 月以降はすべての病棟で目標値の達成を継続できた。患者一人当たりの年間平均

使用量として 1 病棟 18.7ml(前年度 9.8ml)、2 病棟 23.8ml(前年度 10.6ml)、3 病棟 19.8ml(前年度

13.1ml)という結果となり、平成 29 年度より使用量が全体的に増加した。今後はさらに目標値を上げ、

手指衛生の遵守率の向上を目指す。 b.サーベイランス

膀胱留置カテーテル挿入患者や間欠的導尿患者の感染症発生が少なくないことから、平成 年度か

ら間欠的導尿カテーテル関連尿路感染サーベイランス( )を継続してきた。これまで間欠導尿を実

施している患者が多かった第二病棟を対象にサーベイランスを実施していたが、すべての病棟で間欠

導尿を実施している患者が増加したので、今年度よりすべての病棟を対象にした。平成 年度の間欠

的導尿カテーテル尿路感染発生数は、新規 件 感染率 )である。 月に同じ病棟での同一微生

物の検出が 件報告された。導尿実施後の物品洗浄の方法を統一し、カテーテルの消毒液の交換頻度

を毎日実施することに変更するなどの対応を行った。また、平成 年 月から膀胱留置カテーテル関

連尿路感染サーベイランス( を実施している。平成 年度の膀胱留置カテーテル関連尿路感染

発生数は、新規 件(感染率 )であり、平成 年度と比較し減少しており、アウトブレイクの発

生はなかった。当センターは他病院からの転院患者や、在宅医療からのレスパイト目的の患者が、入

院前から膀胱留置カテーテルを挿入している場合が多く、他施設や地域から耐性菌が持ち込まれる可

能性が高い。今後も持ち込みの耐性菌への対策を強化していく必要がある。

(a) 間欠的導尿カテーテル関連尿路感染

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第二

(イ)サポート状況

平成 年度の日々サポート時間の総数は 時間で、月単位のサポートは延べ 人であった。

日々サポート時間提供時間が多かったのは手術室で 時間 、次いで外来の 時間

であった。月単位のサポートは手術室延べ 人、次いで第三病棟 人、第二病棟 人であった。日

々サポートと単月単位のサポートを合わせると手術室、次いで第二病棟、第三病棟、外来の順に多か

った。

サポート受け入れ時間が最も多かったのは、第一病棟で、日々サポートに加え、月単位のサポート

延べ 人を受け入れた。

一病棟は平成 年度よりさらに利用率を ポイント上げ 、入院患者数 人 前年比∔ 人)

となったため、施設基準を満たす夜勤要員の確保のため、全部署が協力し柔軟なサポートを実施し安

全な看護の提供に貢献できた。今後も病床利用率や患者の重症度に合わせた柔軟なサポートを実施し、

安全な看護の提供、各部署の平均的な年休取得、時間外短縮を進めていく。

【平成 年度サポート実績】

1病棟 2病棟 3病棟 手術室 外来 合計

サポート提供時間(%)

サポート受入時間(%)

(ウ)感染防止対策

a.標準予防対策 標準予防策の基本である手指衛生と正しい個人防護具使用の徹底のために取り組みを行った。

5 月に実施した手洗いチェックでは「爪・指先」の洗い残しが多いのは例年どおりであった。手指消

毒チェックで「指先を消毒液に浸す」「手首まですり込む」の動作が、他のチェック項目は 100%実施

できていたのに対して、94%の実施率で若干低かった。手洗いの「爪・指先」の洗い残しについては

手荒れとの関連も考えられ、保護保湿効果のあるハンドローションの設置を開始したので、結果の変

化を確認していく。手指消毒はタイミングの遵守とともに、確実な手技を身につける必要がある。今

後も手指衛生チェックを継続していく。 5 月に吸引とおむつ交換における手指衛生と個人防護具の交換のタイミングについてベストプラク

ティスを作成し、勉強会を 6 月に開催し周知した。遵守状況の評価のために 10 月~11 月に吸引とおむ

つ交換の監査を実施した。吸引の監査項目の遵守率は吸引 であった。吸引のスイッチ操作後

の手指衛生の遵守率が であった。おむつ交換の監査項目の遵守率はおむつ交換 であ

った。個人防護具を外した後の手指衛生遵守率が ~ であるのに対して、患者や患者周囲

の環境に触れる前の手指衛生が 、個人防護具を装着する前の手指衛生が の遵守率であ

った。これらの監査を通して、患者に触れる前や患者周囲環境に触れる前の手指衛生の遵守率が

低い傾向があった。今後はなぜそのタイミングで手指衛生が必要なのかという理解を深めるよう

な取り組みを実施する必要がある。

手指消毒剤の使用量は目標値を患者一人当たり 18ml/日とし、毎月集計した。5 月から目標値を達

成した病棟があり、9 月以降はすべての病棟で目標値の達成を継続できた。患者一人当たりの年間平均

使用量として 1 病棟 18.7ml(前年度 9.8ml)、2 病棟 23.8ml(前年度 10.6ml)、3 病棟 19.8ml(前年度

13.1ml)という結果となり、平成 29 年度より使用量が全体的に増加した。今後はさらに目標値を上げ、

手指衛生の遵守率の向上を目指す。 b.サーベイランス

膀胱留置カテーテル挿入患者や間欠的導尿患者の感染症発生が少なくないことから、平成 年度か

ら間欠的導尿カテーテル関連尿路感染サーベイランス( )を継続してきた。これまで間欠導尿を実

施している患者が多かった第二病棟を対象にサーベイランスを実施していたが、すべての病棟で間欠

導尿を実施している患者が増加したので、今年度よりすべての病棟を対象にした。平成 年度の間欠

的導尿カテーテル尿路感染発生数は、新規 件 感染率 )である。 月に同じ病棟での同一微生

物の検出が 件報告された。導尿実施後の物品洗浄の方法を統一し、カテーテルの消毒液の交換頻度

を毎日実施することに変更するなどの対応を行った。また、平成 年 月から膀胱留置カテーテル関

連尿路感染サーベイランス( を実施している。平成 年度の膀胱留置カテーテル関連尿路感染

発生数は、新規 件(感染率 )であり、平成 年度と比較し減少しており、アウトブレイクの発

生はなかった。当センターは他病院からの転院患者や、在宅医療からのレスパイト目的の患者が、入

院前から膀胱留置カテーテルを挿入している場合が多く、他施設や地域から耐性菌が持ち込まれる可

能性が高い。今後も持ち込みの耐性菌への対策を強化していく必要がある。

(a) 間欠的導尿カテーテル関連尿路感染

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リハビリテーション科の医師が 人増員されたため、患者数が昨年度より約 倍へ増加している。

今年度、整形外科では両側人工股関節置換術を 人行った。神経内科は、 療法(空腸投与レボ

ドパ・カルビドパ水和物配合剤)患者を 人受け入れた。レスパイトは延べ 人 うち 人が 回 が

利用し延べ 日受け入れた。

今年度は、センターの入院窓口としてセンターの全入院患者数 人のうち 人( %)(前年

度 %)を第一病棟で受け入れた。

平成 年度重点的に取り組んだことは下記の通りである。

a.センターの経営改善に貢献

病床利用率 (平成 年度 )、平均在院日数 日(平成 年度 日)であり、今年

度目標値 %としていたが、前年度より %向上した。病床利用率の向上のために、迅速な入院

調整と午後の入院受け入れなど柔軟な入院調整を行い、多い時は 日 ~ 人の入院受け入れができる

体制が定着してきている。平均在院日数 日以下を維持するために、全病棟の患者の入院を受けてい

る。有料個室の利用向上のため、 や外来と連携をとり、有料個室 室の平均稼働率は となっ

た。また、病床利用率向上の中、時間外削減の目標を前年度 %削減の合計 時間 年を目標と

していたが、今年度は、 時間 年で前年度より 時間 年 減少した。

b.看護の質向上

第一病棟はセンターの入院患者のほとんどを幅広く受け入れ、人工呼吸器装着患者や手術患者・緊

急入院患者への対応があり、症例件数の変動により看護の実践経験を積むことが難しいという課題が

ある。そのため、個々の経験を可視化し、実践経験が偏らないように勤務調整を行い、 ラーニング

の視聴やペアナーシングでの技術・知識の伝承・伝授によりボトムアップを図った。異動者と 年目

看護師は周手術期患者の看護、人工呼吸器の患者の担当ができるように、 年目看護師は周手術期患者

の看護が可能となった。第一病棟での実践経験を積むことにより、リーダーを担える人材の育成を図

っていく。

c.医療安全の向上

アクシデントレベル 以上の発生は 件、レベル は 件(前年度 件)、レベル は 件(前年

度 件)、レベル は 件(前年度 件)、レベル は 件(昨年度 件)であった。看護部全体

で取り組んだ患者誤認レベル は起きなかった。リスク感性が高くなることでレベル 、 のレポート

提出が増加し、早期にカンファレンスを行い業務改善に取り組んだ。

d.働きやすい職場環境の醸成

入院・手術件数や患者の重症度、病床利用率によりサポート体制や勤務調整、ペアナーシングを行

うことでノー残業デーは 達成し休暇取得も行えた。年次休暇取得を計画的に進め、計画的な休暇

取得も一人 日程度取得できた。チーム支援体制を行い、1~ 年目看護師の離職はなく定着している。

(イ)第二病棟

平成 年度入院患者疾患別内訳は、重度の肢体不自由者 、脊髄損傷 、神経難病 、

脳挫傷 、その他 であり、病棟全体では神経難病患者の割合が増加傾向である。年間延入院患

者数は、 人で、平成 年度に比べ増加している。退院先は、在宅が 、転院が 、老

人保健施設や更生施設等への入所が であった。

平成 年度重点的に取り組んだことは下記のとおりである。

a.センター経営収支改善

病床利用率 、平均在院日数 日であった。診療報酬算定要件の遵守を目標に重度肢体不自

由者(身障 ・ 級、脊髄損傷・神経難病等)が 割以上になるよう調整し平均 %で推移した。加

算増加への取り組みとして、認知症ケア加算や介護支援連携指導、入退院支援加算1、退院時共同指

導料について委員を中心に勉強会を実施。それぞれの実績は認知症ケア加算 件、介護支援連携

指導 件、入退院支援加算1 件、退院時共同指導料 件となっている。

b.質の高い看護の提供

感染予防を意識した手指消毒剤使用を推奨し、手指消毒剤を全員個人持ちとした。手指消毒剤使用

のタイミングについて毎朝の申し送り前に伝え意識的に使用していった。感染委員と係が中心となっ

て毎月の使用量を調査してグラフ化し、平均使用量は 患者 日と前年より上回る使用量とな

った。

インシデントレポート件数は 件で、レベル ( 件 、が最も多く、次いでレベル (

件 、レベル ( 件 、レベル ( 件 であった。患者誤認のインシデントが 件

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リハビリテーション科の医師が 人増員されたため、患者数が昨年度より約 倍へ増加している。

今年度、整形外科では両側人工股関節置換術を 人行った。神経内科は、 療法(空腸投与レボ

ドパ・カルビドパ水和物配合剤)患者を 人受け入れた。レスパイトは延べ 人 うち 人が 回 が

利用し延べ 日受け入れた。

今年度は、センターの入院窓口としてセンターの全入院患者数 人のうち 人( %)(前年

度 %)を第一病棟で受け入れた。

平成 年度重点的に取り組んだことは下記の通りである。

a.センターの経営改善に貢献

病床利用率 (平成 年度 )、平均在院日数 日(平成 年度 日)であり、今年

度目標値 %としていたが、前年度より %向上した。病床利用率の向上のために、迅速な入院

調整と午後の入院受け入れなど柔軟な入院調整を行い、多い時は 日 ~ 人の入院受け入れができる

体制が定着してきている。平均在院日数 日以下を維持するために、全病棟の患者の入院を受けてい

る。有料個室の利用向上のため、 や外来と連携をとり、有料個室 室の平均稼働率は となっ

た。また、病床利用率向上の中、時間外削減の目標を前年度 %削減の合計 時間 年を目標と

していたが、今年度は、 時間 年で前年度より 時間 年 減少した。

b.看護の質向上

第一病棟はセンターの入院患者のほとんどを幅広く受け入れ、人工呼吸器装着患者や手術患者・緊

急入院患者への対応があり、症例件数の変動により看護の実践経験を積むことが難しいという課題が

ある。そのため、個々の経験を可視化し、実践経験が偏らないように勤務調整を行い、 ラーニング

の視聴やペアナーシングでの技術・知識の伝承・伝授によりボトムアップを図った。異動者と 年目

看護師は周手術期患者の看護、人工呼吸器の患者の担当ができるように、 年目看護師は周手術期患者

の看護が可能となった。第一病棟での実践経験を積むことにより、リーダーを担える人材の育成を図

っていく。

c.医療安全の向上

アクシデントレベル 以上の発生は 件、レベル は 件(前年度 件)、レベル は 件(前年

度 件)、レベル は 件(前年度 件)、レベル は 件(昨年度 件)であった。看護部全体

で取り組んだ患者誤認レベル は起きなかった。リスク感性が高くなることでレベル 、 のレポート

提出が増加し、早期にカンファレンスを行い業務改善に取り組んだ。

d.働きやすい職場環境の醸成

入院・手術件数や患者の重症度、病床利用率によりサポート体制や勤務調整、ペアナーシングを行

うことでノー残業デーは 達成し休暇取得も行えた。年次休暇取得を計画的に進め、計画的な休暇

取得も一人 日程度取得できた。チーム支援体制を行い、1~ 年目看護師の離職はなく定着している。

(イ)第二病棟

平成 年度入院患者疾患別内訳は、重度の肢体不自由者 、脊髄損傷 、神経難病 、

脳挫傷 、その他 であり、病棟全体では神経難病患者の割合が増加傾向である。年間延入院患

者数は、 人で、平成 年度に比べ増加している。退院先は、在宅が 、転院が 、老

人保健施設や更生施設等への入所が であった。

平成 年度重点的に取り組んだことは下記のとおりである。

a.センター経営収支改善

病床利用率 、平均在院日数 日であった。診療報酬算定要件の遵守を目標に重度肢体不自

由者(身障 ・ 級、脊髄損傷・神経難病等)が 割以上になるよう調整し平均 %で推移した。加

算増加への取り組みとして、認知症ケア加算や介護支援連携指導、入退院支援加算1、退院時共同指

導料について委員を中心に勉強会を実施。それぞれの実績は認知症ケア加算 件、介護支援連携

指導 件、入退院支援加算1 件、退院時共同指導料 件となっている。

b.質の高い看護の提供

感染予防を意識した手指消毒剤使用を推奨し、手指消毒剤を全員個人持ちとした。手指消毒剤使用

のタイミングについて毎朝の申し送り前に伝え意識的に使用していった。感染委員と係が中心となっ

て毎月の使用量を調査してグラフ化し、平均使用量は 患者 日と前年より上回る使用量とな

った。

インシデントレポート件数は 件で、レベル ( 件 、が最も多く、次いでレベル (

件 、レベル ( 件 、レベル ( 件 であった。患者誤認のインシデントが 件

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3 医療相談

概要

医療相談室は平成6年3月のリハビリテーション病院開所時に設置され、5名の医療ソーシャル

ワーカー( が患者・家族からの相談に応じ、診療にかかわる経済的、心理・社会的問題の解決や

諸制度を活用するための支援等をおこなっている。

回復期リハビリテーション病棟の運営に伴い、急性期医療機関からの早期の転院調整や退院時の地

域関係機関との連絡調整業務が増加してきており、平成29年 月から、専従社会福祉士と専任看護

師を配置した「地域連携・退院支援員室」を設置した。平成29年4月からは、専任社会福祉士(医

療相談室と兼任)も配置し、連携業務の体制強化を図っている。平成30年4月からは、高次脳機能

障害者支援センターとの兼務で、医療ソーシャルワーカーを2名増員し、外来患者の相談支援の強化

も図っている。

平成30年度事業報告

ア 医療相談業務

(ア)援助の内容

平成30年度の相談件数は7,498件であった。そのうち入院患者への援助は4,785件、

外来患者への援助は2,713件、センター利用終了後のフォローアップ相談は116件となっ

ており、昨年度を上回っている。

平成30年度の入院患者660件のうち、FAX入院(紹介元病院からFAX等で診療情報提

供書を収受し、入院受け入れをする当センターのシステム)は301件となっており、入院患者

数、FAX入院対応数いずれも昨年度を上回っている。受診を経る通常の入院相談と比較すると、

FAX入院は院内や各病院との連絡調整の内容は多岐にわたり、頻度も多くなるが、受診が省略

されることにより、相談から入院までの期間短縮と、患者・家族の負担軽減につながっている。

相談援助内容は、表1のとおり「入院」「受診援助」相談が全体の約半数を占めている。相談は

入院中の患者・家族からが多く、「退院・社会復帰」や「諸制度の活用」についての相談が全体

の約半数を占めている。要因としては、社会復帰を目標に訓練を行う患者を積極的に受け入れて

いること、また、後遺症(障害)を抱えて社会復帰をする患者が大多数であり、退院にあたって

福祉制度の利用や助言が必要とされていることがあげられる。

(イ)援助の方法

表2のように、主な援助方法は面接・電話・院内調整の3つである。面接は、患者・家族に対

するものが多く、4,200件である。対面で聞き取りをすることにより、患者・家族の希望や

社会的・心理的な状況をより正確に把握し、適切な援助を提供できるよう努めている。その他、

関係機関との面接も261件となっている。また複数の専門スタッフが患者・家族に関わってお

り、院内の調整業務も多い。病棟や障害者支援施設等の見学案内は年間298件となっている。

表3は、関係機関との面接の内訳である。利用者の多くは介護保険対象者であり、在宅準備の

話し合い等でケアマネージャーと面接することが最も多い。次に、市町村担当者との面接が多く、

主に障害者総合支援法の各サービスを利用するための調整等を行っている。その他、退院先に応

じ、老人保健施設や病院職員と面接することがある。

表4は、関係機関との電話相談の内訳である。最も多いのは病院であり、急性期病院からの転

院相談が大半を占める。リハビリ目的の入院相談はMSWが初回相談を受付けているためである。

次に多いのはケアマネージャーで、在宅サービス等の連絡調整が主である。その他、市区町村担

当者との調整は、介護保険利用や障害者総合支援法の各サービス利用に必要な内容が多い。

イ 地域連携・退院支援室業務

平成30年度の退院支援計画書の発行数は、新規入院患者660人中、351人(53.1%)

であった。

地域連携・退院支援室での相談対応件数は4,721件あり、患者・家族に面談でおこなう支

援が92%、電話での支援は医療機関が多く、ついでケアマネージャーとなっている。入院中に

ケアマネージャーと面会し、退院後のケアプランについて情報提供を行う介護支援連携指導は3

1件。退院調整にあたっての関係機関と面会で連携調整を実施したものは年間のべ203機関、

うち年間3回以上面会を行った関係機関は23か所であった。面会で調整をおこなった関係機関

の75.7%は介護保険関連事業所であった。

上がり、対策を強化。フルネーム確認、指差し呼称を徹底し、医療安全委員からスタッフ全員に監査

を実施。監査結果 であった。看護補助者にも同姓同名や類似名が分かるように一覧を作成し、

病棟全体で患者誤認予防について、取り組んだ。

また転倒・転落について 件(前年度 件)と減少した。入院患者層の変化のみならず、転倒・

転落予防への取り組みとして、転倒・転落危険度の評価やセンサー類の適切な使用についてアセスメ

ントを行い、活用した。また、転倒・転落の危険性が高い患者については、勤務者全員でローテーシ

ョンしながら付き添い対応を実践し、転倒・転落予防に努めた。

c.働きやすい職場環境の整備

年間を通して患者の動向に合わせて勤務の調整や、早出、遅出人数を変動させて一定の業務量と

なるように配慮した。また他病棟への計画的な長期サポートを実践した。年休取得を計画的にすすめ、

平均 日取得できた。男性職員の育児参加休暇も 人取得できた。

(ウ)第三病棟

平成 年度、入院患者の疾患別内訳は、脳血管障害が %を占め、頭部外傷 %、整形外科

疾患術後は %、頸髄損傷など脊椎疾患は %、その他が %であった。今年度も脳卒中以外の

患者を積極的に受け入れた。総入院患者数は 人で、延べ入院患者数は 人、男性が %、

女性が %、平均年齢は 歳であった。退院先は在宅が %(平成 年度 %)で、老

人保健施設入所は %、他への転院は %(平成 年度 %)、当院他病棟への転棟が %で、

在宅復帰はほぼ横ばいの数値となり、他への転院は微増した。入院時の日常生活機能評価が 点以上

の重症者割合は %で、退院時の日常生活機能評価が入院時に比較して 点以上改善した重症患者

回復率は %であった。

平成 年度重点的に取り組んだことは以下の通りである。

a.センターの経営改善への貢献

病床利用率 %(平成 年度 %)で、平均在院日数は 日であった。病床利用率は前年

度と比較し微増となった。今年度より回復期リハビリテーション病棟入院料1を申請したことから、

アウトカム評価(実績指数) 以上を確保するため、医師・リハ専門職・ と看護師で月に一回の

アウトカム評価のための会議を定期開催し、実績指数 以上( ヵ月平均値 )を維持すること

ができた。外来・病棟間での調整や情報交換を行い、入退院の調整を行った。

b.看護の質の向上

今年度より、入院料を回復期リハビリテーション病棟入院料1に変更したことから、栄養部と連携

し、管理栄養士による栄養評価、栄養指導をすべての入院患者において毎月行った。また、退院支援

看護師と共同し、毎月 回の退院支援カンファレンスを定期開催し、適時性を持った退院支援につな

げることができた。モジュール毎にカンファレンスを実施し患者の看護計画を検討、退院についての

参画型看護計画を立案した。

リハビリテーション総合実施計画の説明時期に合わせて症例検討会を実施し、医師・看護師・担当

療法士の情報共有や目標の設定・確認を行った。退院後訪問は 件実施し、在宅における患者・家族

の不安に介入し、解決することができた。脳卒中リハビリテーション看護認定看護師の活用を行い、

アウトカム評価(実績指数)の精度を高めるため、学習会を行った。

感染制御のための取り組みとして、患者一人当たりの手指消毒剤の使用量の向上を推進し、患者一

人当たり使用量 ml(平成 年度 ml)と使用量を向上することができた。手指衛生の

つのタイミングの遵守、および個人防護用具の適正使用について今後はさらに取り組みを予定してい

る。また、患者療養環境の 活動に力を入れ、環境調整に取り組んでいる。安全で清潔な患者療養環

境を目指し、今後も取り組みを継続する予定である。

c.医療安全の向上

インシデントレポート件数は 件(内訳レベル 件 レベル 件 レベル : 件 レベ

ル : 件 レベル b: 件)であった。インシデントレポート総数が減少し、レベル の報告数

が減少傾向であるため、報告の文化を維持できるよう、取り組んでいく必要がある。また、患者の私

物の戻し間違いや誤配膳などの患者誤認が 件発生した。転倒転落件数は、平成 年度 件(平成

年度は 件)と傾向は変わらない状況であった。インシデントレポート を月に一度以上取り組

み、短時間で分析から具体的な行動目標を導き出し、朝の申し送り時に全員で行動目標を呼称する取

り組みを行っている。

d.働きやすい職場環境の整備

日勤でのペアナーシング導入から一年が経過し、各モジュールメンバー 名で協力して患者の看護を

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かつ定期的な介入が必要な患者には担当看護師を決め看護計画を立案した。地域で介護・福祉サービ

スを使用している患者には必要に応じて訪問看護ステーションへの連絡なども行った。

皮膚・排泄ケア認定看護師と協働して取り組んでいる「看護スキンケア相談」とスキントラブルを

抱えた外来患者の予防ケアは、述べ 件に対応した。「看護スキンケア相談」は曜日が固定されて

いるため件数の増加はないが、診察や訓練で来院したときに随時対応しているため相談しやすくなっ

たと考える。冬期に皮膚トラブルが悪化して入院する事例が数名いたが生活指導も含めた介入を行い

入院することなく過ごすことができた。

当センターは神経難病の通院患者が多く、また、患者と介護者の高齢化も進んでいるため、今後も

外来患者の状態に合わせ長く在宅生活が送れるよう継続的な看護を行なっていく。

c.医療安全の向上

インシデントレポート件数は 件 レベル : 件 レベル 件 レベル 件)であった。特に

レベル の積極的な報告を行い、警鐘事例の振り返りとポスター表示によりリスク感性の向上を図っ

た。また、定期的なカンファレンスを行いインシデントが共通認識できるよう取り組んだ。

d.働きやすい職場環境の整備

ノー残業デーは 達成した。年休は看護部の目標値である 日以上取得できた。

令和元年度事業計画

ア 経営改善への貢献

(ア)病床利用率向上への取り組み

(イ)施設改修に向けた準備

イ 質の高い看護の提供

(ア)看護の質評価指標を活用した質改善の実施と評価

(イ)訪問看護実施に向けた準備

ウ 働きやすい職場環境の醸成

実施する体制が定着した。勤務時間中の補完体制により、時間内での業務実施、記録の実施を行い、

昨年度より約 %の時間外業務が削減できた。年休は平均 日取得できた。

(エ)手術室

平成 年度の手術件数は 件、医科手術 件( )、歯科 件( %)であった。平成

年度の手術件数は 件(医科手術 件 %、歯科 件 %)であり手術件数は横ばいである。

麻酔別では全身麻酔が 件( %)、局所麻酔が 件( %)、局所麻酔後全身麻酔 件( %)、

脊椎麻酔 件( %)であった。

平成 年度重点的に取り組んだことは以下の通りである。

a.センターの経営改善への貢献

経営改善への貢献として取り組んだことは、手術材料の定数見直しを行うと共に、日切れが発生

しないような発注を心がけた。

また、病棟サポートを 時間実施した。その他にも短期サポートとして ヶ月ずつ、計 回サ

ポートを実施した。

.質の高い看護の提供

外来での術前訪問を 人実施できた。外来で手術が決定後術前訪問を実施し、早い段階から手術に

向けてのアプローチを開始している。禁煙指導、内服薬確認や皮膚の状態等を確認し、術前情報不足

による手術の延期は見られていない。

また、手術実施毎にカンファレンスをし、手術手順のマニュアルの見直しをすると共に、スタッフ

全員が手順、技術の共有を図った。

手術室クリニカルパスのバリアンス発生は 件( %)であった。バリアンス内容は、体温低下

件、皮膚障害 件であった。手術中、術後の緊急時の対応として、急変時に使用する医療器械の操作

方法、処置の方法、防災時等シミュレーション研修を年 回実施し有事時に備えている。

.医療安全の向上

インシデントレポート件数は 件 レベル : 件 レベル 件であった。医療機器の不具合など

による手術の中止が 件発生した。高額な機器の為、代替えがないので当日使用可能か確認してから

の手術を開始する手順とした。

感染防止に関しては、手術部位感染のサーベランスを人工関節置換術を対象として実施している。

今年度の発生率は であった。

.働きやすい職場環境の整備

ノー残業デーは %実施達成した。看護部の目標値である平均 日以上の年休取得は実施できた。

(オ)外来

医科外来の延べ患者数は 人、外来看護業務は 件で、その内訳は医療処置介助

件、日常生活援助 件、測定 件、看護相談・指導 件、継続看護 件、検査介

助 件 検査 件、その他 件)、入院予約面接 件、電話相談 件であった。職員健康

管理 件(採血、 型肝炎ワクチン、 種ワクチン、インフルエンザワクチン)であった。

平成 年度重点的に取り組んだことは以下の通りである。

a.センターの経営改善への貢献

経営改善への貢献として取り組んだことは、①入院時支援の実施、②入院当日の検査誘導、③病棟

サポート、の 点である。①は平成 年度診療報酬改定に伴い「入院時支援加算」が新設された。自

宅から当センターへ入院する患者に対し診療報酬に定められた入院時支援を実施し、退院時に退院時

支援を行った場合加算されるため、マニュアルを作成し取り組んだ。外来で入院時支援を行ったケー

スは 件、その内加算できたのは 件であった。②は平成 年度から入院当日の患者が入院手続

きをする間の待ち時間の活用と、病棟看護師の業務量軽減を目的に取り組み、今年度は 件に実施

した。③は平成 年度一年間で 時間(平成 年度 時間)病棟サポートに派遣した。

外来患者数は前年度に比べほとんど差はないが看護業務量は増加しており、かつ外来看護師が減少し

た中で柔軟に対応しサポートに派遣することができた。

b.看護の質向上

外来看護の特徴である、病棟・外来・地域で連携した継続看護の実践に取り組んだ。退院支援専任

看護師との情報交換や退院後初回外来受診時の状況を病棟看護師にフィードバックを行った。継続的

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かつ定期的な介入が必要な患者には担当看護師を決め看護計画を立案した。地域で介護・福祉サービ

スを使用している患者には必要に応じて訪問看護ステーションへの連絡なども行った。

皮膚・排泄ケア認定看護師と協働して取り組んでいる「看護スキンケア相談」とスキントラブルを

抱えた外来患者の予防ケアは、述べ 件に対応した。「看護スキンケア相談」は曜日が固定されて

いるため件数の増加はないが、診察や訓練で来院したときに随時対応しているため相談しやすくなっ

たと考える。冬期に皮膚トラブルが悪化して入院する事例が数名いたが生活指導も含めた介入を行い

入院することなく過ごすことができた。

当センターは神経難病の通院患者が多く、また、患者と介護者の高齢化も進んでいるため、今後も

外来患者の状態に合わせ長く在宅生活が送れるよう継続的な看護を行なっていく。

c.医療安全の向上

インシデントレポート件数は 件 レベル : 件 レベル 件 レベル 件)であった。特に

レベル の積極的な報告を行い、警鐘事例の振り返りとポスター表示によりリスク感性の向上を図っ

た。また、定期的なカンファレンスを行いインシデントが共通認識できるよう取り組んだ。

d.働きやすい職場環境の整備

ノー残業デーは 達成した。年休は看護部の目標値である 日以上取得できた。

令和元年度事業計画

ア 経営改善への貢献

(ア)病床利用率向上への取り組み

(イ)施設改修に向けた準備

イ 質の高い看護の提供

(ア)看護の質評価指標を活用した質改善の実施と評価

(イ)訪問看護実施に向けた準備

ウ 働きやすい職場環境の醸成

実施する体制が定着した。勤務時間中の補完体制により、時間内での業務実施、記録の実施を行い、

昨年度より約 %の時間外業務が削減できた。年休は平均 日取得できた。

(エ)手術室

平成 年度の手術件数は 件、医科手術 件( )、歯科 件( %)であった。平成

年度の手術件数は 件(医科手術 件 %、歯科 件 %)であり手術件数は横ばいである。

麻酔別では全身麻酔が 件( %)、局所麻酔が 件( %)、局所麻酔後全身麻酔 件( %)、

脊椎麻酔 件( %)であった。

平成 年度重点的に取り組んだことは以下の通りである。

a.センターの経営改善への貢献

経営改善への貢献として取り組んだことは、手術材料の定数見直しを行うと共に、日切れが発生

しないような発注を心がけた。

また、病棟サポートを 時間実施した。その他にも短期サポートとして ヶ月ずつ、計 回サ

ポートを実施した。

.質の高い看護の提供

外来での術前訪問を 人実施できた。外来で手術が決定後術前訪問を実施し、早い段階から手術に

向けてのアプローチを開始している。禁煙指導、内服薬確認や皮膚の状態等を確認し、術前情報不足

による手術の延期は見られていない。

また、手術実施毎にカンファレンスをし、手術手順のマニュアルの見直しをすると共に、スタッフ

全員が手順、技術の共有を図った。

手術室クリニカルパスのバリアンス発生は 件( %)であった。バリアンス内容は、体温低下

件、皮膚障害 件であった。手術中、術後の緊急時の対応として、急変時に使用する医療器械の操作

方法、処置の方法、防災時等シミュレーション研修を年 回実施し有事時に備えている。

.医療安全の向上

インシデントレポート件数は 件 レベル : 件 レベル 件であった。医療機器の不具合など

による手術の中止が 件発生した。高額な機器の為、代替えがないので当日使用可能か確認してから

の手術を開始する手順とした。

感染防止に関しては、手術部位感染のサーベランスを人工関節置換術を対象として実施している。

今年度の発生率は であった。

.働きやすい職場環境の整備

ノー残業デーは %実施達成した。看護部の目標値である平均 日以上の年休取得は実施できた。

(オ)外来

医科外来の延べ患者数は 人、外来看護業務は 件で、その内訳は医療処置介助

件、日常生活援助 件、測定 件、看護相談・指導 件、継続看護 件、検査介

助 件 検査 件、その他 件)、入院予約面接 件、電話相談 件であった。職員健康

管理 件(採血、 型肝炎ワクチン、 種ワクチン、インフルエンザワクチン)であった。

平成 年度重点的に取り組んだことは以下の通りである。

a.センターの経営改善への貢献

経営改善への貢献として取り組んだことは、①入院時支援の実施、②入院当日の検査誘導、③病棟

サポート、の 点である。①は平成 年度診療報酬改定に伴い「入院時支援加算」が新設された。自

宅から当センターへ入院する患者に対し診療報酬に定められた入院時支援を実施し、退院時に退院時

支援を行った場合加算されるため、マニュアルを作成し取り組んだ。外来で入院時支援を行ったケー

スは 件、その内加算できたのは 件であった。②は平成 年度から入院当日の患者が入院手続

きをする間の待ち時間の活用と、病棟看護師の業務量軽減を目的に取り組み、今年度は 件に実施

した。③は平成 年度一年間で 時間(平成 年度 時間)病棟サポートに派遣した。

外来患者数は前年度に比べほとんど差はないが看護業務量は増加しており、かつ外来看護師が減少し

た中で柔軟に対応しサポートに派遣することができた。

b.看護の質向上

外来看護の特徴である、病棟・外来・地域で連携した継続看護の実践に取り組んだ。退院支援専任

看護師との情報交換や退院後初回外来受診時の状況を病棟看護師にフィードバックを行った。継続的