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りJ 吻・ り 呼J μyX ヾ'ご へど。X Xa ヾS¥λ心 。

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W  _

4Q・--

I ‾I¥

-ア1

ピアサポーター6人が集まった全国初の会合(10 月30 日、札幌市中央区の北翔大学北方圏学術情報センター会議室)

サポート

6様の可

[で能性

ひきこもりを経験した人が地域に埋もれた当事者や家族を訪

問し、ピア(仲間)な目線で寄り添い互いに支え合うI

。「ひ

きこもリビアサポーター」として全国各地で活動する6人が

一堂に会し、ピアサポート活動の現状や未来について考える

初の会合が10月30日、札幌市内で開かれた。当日は「それぞ

れの経験的知識がつなぐ

ひきこもリビアサポート」と題して、

各自が理念や実践を紹介。支援の輪の拡大に期待が高まる

セッションの模様をレポートする。 (写真・文/武智敦子)

当事者目線の活動から

考えるひきこもリ支援

この日、会場となった北翔大学北

方圈学術情報センター「PORTO」

(札幌市中央区)の会議室は道内外か

ら集まった当事者や家族、支援者ら

46人で熱気に満ちていた。参加者の

内、当事者は19人。その中にはH月

1日に「ひきこもり新聞」を創刊した

128THE HOPPO JOURNAL2016.12

娶国初圃泗臨ションに当事者らが集う

1ヤ1

I  ¬

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◆ルポ「ひきこもり」  長期高齢化の周辺 ⑩

東京の木村ナオヒロさんや、「ひきこ

もり外交官”として全国を行脚する

大阪のさえきたいちさんらの顔も

あった。

講師は北海道をはじめ東京、神奈

川、大阪、香川でひきこもりピアサ

ポーターとして活動する男性6人。

セッションは、高年齢化するひきこ

もり支援に取り組み、2年前に道内

7ヵ所でピアサポーター養成研修を

実施した、札幌市のNPO法人レ

ター・ポスト

ーフレンド相談ネット

ワーク(田中敦理事長)が「当事者の

立場からピアサポート事業を捉え直

そう」と主催した。

ピアサポーターを含むひきこもり

サポーターの養成研修・派遣事業は

厚労省が2013

年度にスタート。

ひきこもり問題に関する知識や支援

方法について研修を受けた経験者や

家族、地域住民らをサポーターに認

定し、希望する家庭に派遣する同制

度の導入を自治体に求めた。

サポーターになるには「ひきこも

り地域支援センター」や国から事業

委託を受けた家族会などが実施する

講習会を受けなければならない。

特にひきこもり経験を持つピアサ

ポーターは、専門職よりも当事者の

気持ちに寄り添うことができるため、

現実的かつ包括的な強みがあるとさ

れる。

この日、熱弁をふるった講師のそ

れぞれの演題と講演要旨を紹介しよ

゛つ

「ピアサポート活動を始めて3年経

ちますが、『総数≒

情報≒連携』の3

つが大事だと感じています。

最近、内閣府の実態調査で54万人

というひきこもりの推計値が発表さ

れました。数字としては大きい。

しかし、社会的弱者と呼ばれる65

歳以上の高齢者の3190

万人、障

害者790万人に比べると、社会的

課題の対象にするには54万人という

ひきこもりの数は少なすぎる。香川

県内の当事者は4000

人いるかい

ないか。こうした中でサポーターを

増やし、賃金を支払うような仕組み

を作るのは大きな課題だと思います。

さらに、『友人はいるのか≒家族と

仲がいいか≒ネットを使えるのか』

『経済状態はどうなのか』など当事者

に関する情報も足りません。状況に

応じて支援方法は全く変わってくる。

こうした多種多様な情報が圧倒的に

少ないことにも支援の難しさを感じ

ている。

ひきこもりを客観的に見定める方

法として、介護保険法で定める要介

護認定の仕組みのようにレベル別に

区分けした『ひきこもり認定』のツー

ルが欲しいと思います。正直、料金

を頂戴し、サービスを提供している

当法人では深刻な人の支援は難しい。

障害や生活困窮が考えられるケース

では公的な支援が必要になってくる

(みやだけ・しょうた)

12歳の時に不登校になり20歳ま

でひきこもり生活を続ける。通

信制高校卒業後大学に進学。16

年に法人を設立し、塾と連携し

た学習支援やひきこもりイン

ターンシップ受入れなどを実施

している。介護事業所職員。30

からです。

国政調査のようにひきこもりの状

況分析を行ない、国はレベルの高い

大をまず支援する。このためにもレ

ベル分けしていくことが必要だと思

います。

香川県にはひきこもりに関連する

支援機関が34力所ありますが、当事

者と情報が分散しているので支援者

が足りない状態です。一方、県内で

はひきこもりサポーターの養成研修

が過去2回開催され、50人のサポー

ターがいますが、この2年間で派遣

されたのはI大だけです。

こうした課題を解決するにはミク

ロではなくマクロ目線が必要です。

そのために、目の前にいる10人だけ

でなく1000人に提供するサービ

スを創出していく。ひきこもりの数

が増えれば、事業体としての運営が

成り立ちより良いサービスを作るこ

ともできます。

そして、ひきこもり認定審査会を

設置する。34団体が集まり、情報を

調査、集約、整理した上でレベル別

に判定。チームを組んでレベル別に

支援していくのです。社会復帰を目

指すひきこもりを支援者が最速で支

援していけたらいいと思います」

2016.12THE HOPPO JOURNAL

。)

Page 3: は2005 - letter-post.com · 'ご へど。x xa ヾs¥λ心 。 りj 吻・ り 呼j μyx ヾ 一t w _ ・ 4q・-- - I 一 I S i ‾i ¥ ぷ 1 - 1 ア ピアサポーター6人が集まった全国初の会合(10月30

「今年度からアメリカ保健省の研修

テキストを使い、ピアサポートの

理論体系を学ぶ『ひきこもりピアサ

ポートゼミナール』を始めました。

参加者は当事者、経験者のみ。4人

以下の少人数による演習形式で主催

者と参加者の隔たりをなくし互いに

学び合っています。

ピアサポートの原則は互いに支え

(わりた・だいご)

ピアサポートの普及啓発に力を

入れ、ひきこもり当事者会、家

族会、精神保健領域で活動。居

場所主催、ブログやメルマガに

よる情報発信などのほか、ピア

サポートの理論体系を学ぶ「ピ

アサポートゼミナール」も開催

している。29歳

合うこと。例えば、外出できるよう

になった人に『運動してみましよう』

といきなり誘うのは無理強いにつな

がり、相手の選択肢を奪うことにな

る。も

うひとつは就労をゴールにして

いないかということ。外に出るか出

ないかは本人の意志。どうすれば相

手が自分らしく元気に過ごせるかを

ベースに考えた方がいいと思います。

しかし、従来の支援の目的は就労

です。それぞれの居場所は就労に向

けた通過点とされ、作業所などの中

間施設を経て一般就労に至るという

概念。もちろん就労は大事ですが、

色々な選択肢のひとつとしてあるだ

けで、本当のゴールはリカバリーだ

と思います。

リカバリーとは自分らしい人生を

見出し、自分なりに歩んでいくプロ

セスです。当事者が自分らしい人生

を歩むには、今何かできるかを一緒

に考えリカバリーを促進させるのが

私たちピアサポーターの役割。なぜ

なら、ひきこもり経験者同士は分か

り合えることが多いと信じているか

らです。

互いに関わることで双方のリカバ

リーが促進され、相手が成長すれば

ピアサポーターとして関わる自分自

身も成長する。相互作用が繰り返し

行なわれるからこそピアサポートは

大事だと思います。

ゼミナールで理論体系を学び、ど

んなことが分かったか。話題に出た

のは、自分たちのひきこもり経験か

ら得られた知識と福祉などの専門的

な知識をどう使い分けるか。専門的

知識を優先すれば、既存の専門職が

やっている活動と変わらない。しか

し、私たちには経験的知識を使って

相手と関われる強みがある。

ピアサポートは経験者が関わるか

ら何となく有意義で役に立つと言わ

れているが、その在り方や何を目標

にしているか、普及の方向などにつ

いてはまだ十分な検討がなされてい

ません。ピアサポーターを目指す者

同士が話し合って、ある程度の結論

を出すことが大事だと思います」

「当事者が支援を担う動きが広が

りを見せており、具体的にどのよ

うなことができるか考えてみたい。

(いずみ・しょう)

とよなか都市創造研究所運営委

員。吹田市人権施策審議会委員。

堺市地域活動支援センター「ぜ

るこば」非常勤支援員。関西大

学大学院博士課程前期課程在籍。

29歳

『ウィークタイ』は2005

年に任意

団体としてスタートし法人格を取り

3年。『卒業のない自分たちの居場所

を作れたら最高じやないか』。そん

な思いからスタートした居場所です。

従来の居場所支援との違いは社会

復帰という概念を捨てていること。

長い人生において就労や社会的自立

は点に過ぎない。長い人生を続けて

いくために、緩やかにつながり支え

合う。ステップではない居場所が欲

しかった。普通の人は多くの人間関

係の中にさまざまな居場所を持つが、

130THE H OPP OJ OURNAL12612

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◆ルポ「ひきこもり」一 長期高齢化の周辺 ⑩

私たちはそれを失っていたので、そ

れが欲しかったのです。

ひきこもりは、さぼりだ、努力が

足りない、無能だと社会から恪印を

押されながらも、その中で必死に生

き、変わらない社会でこれからも生

きていかねばならない。居場所は僕

らの日常にとって必要な場でした。

メインテーマの自助会について、

『当事者は支援を担えるか』という疑

問とセットに考えていきたい。自助

会をやっているのは、自分がなぜひ

きこもっているのかを理解し、対処

法を知るためです。そのために語り

ます。語ることで自分自身の課題が

整理されてくる。

自助会には、課題を抱えながらそ

れを乗り越えていこうと自発的な意

思に満ちた大が参加しています。僕

らは苦しさの対処法としてひきこも

りを使わざるを得なかった。親を悲

しませていると知り、自分を痛めつ

けながらも生きるための最後の”手

札”としてひきこもりを使っていた。

日本に54万人のひきこもりがいる。

居場所やボランティアなど社会的役

割の提供といった従来の与えられた

支援で苦しさに対処する手札は増え

ても、ひきこもりという手札が相変

わらずあるからです。

従来の支援で足りなかったのは、

ひきこもりという手札を使わせない

アプローチなのではないか。具体的

に必要なのは自分を知ることです。

どういう時にこの手札を使うのか。

これは教えられたから分かることで

はなく、自分自身が納得いく言葉で

理解してこそ初めて役立ちます。そ

の点、自助会の活動は、手札を使わ

せないというアプローチを埋めてい

るような気がします。

納得できる言葉を提供できるのは、

自助会においては信頼できる関係性

を作りうる人。信頼感によって相手

の語る知識や経験を受け入れ、自分

自身への理解を助ける。自助の意識

を刺激できるのは、同じ立場の人間

の言葉。自助会は結果としての支援

になっていると思う」

「2009

年から訪問支援を始め1

ヵ月に3件担当しています。当事者

とは信頼関係を結びながら対話を重

視。相手の話を聞いたり自分の経験

を話すなどの形で緩やかに関係を

作っています。ただ訪問する期間が

長くなると、それだけでは難しくな

るので、親や家族と話をすることも

増えてきます。

当事者と家族の間で気持ちのズレ

が生じている場合は、本人の了解を

得た上で代弁して親に伝えたり、そ

の逆もある。家族との橋渡しを頭に

入れながらやっています。

訪問支援を続けると課題も出てき

ます。訪問を重ねても一定の効果が

当事者や親に感じられない場合は専

門機関でケース検討を実施するなど

の工夫も必要です。

一方、法人では新たな訪問支援の

形として、昨年度から手紙を使った

アウトリーチにも取り組んでいます。

自助会に出てこられる当事者は氷山

の一角。手紙は声を発することので

きない大にアプローチできる有効な

手段と考えたからです。地域の保健

所や家族会に出向き説明したり、新

聞で希望者を募り、24人の方にはが

きを送っています。

はがきは当時者の名前で出し、返

信などの見返りは求めない。イラス

トや写真を入れたり記念切手を貼る

など視覚に訴える工夫もしています。

(よしかわ・しゅうじ)

小学校低学年から中学3年まで

不登校を経験。大学卒業後13年

間アルバイトを経験。自らのひ

きこもり気質に悩みながらも09

年から同法人で当事者の視点に

立ちながら訪問支援を中心に活

動を続けている。49歳

ちょっとした日常の刺激になればい

いなと思います。

道内では小樽の家族会の代表が手

紙によるアウトリーチを長く続けて

いました。

私自身も数年前からはがきをもら

い、癒しの効果があり有難かった。

今は私か悩む人に対して行なってい

る。こ’うしたことも、ピアサポート

では大事な部分だと思います。

自分自身を振り返ると、ガムシャ

ラではなく緩やかに生きてきました。

努力らしい努力はあまりせず、自然

に行きついた先が現状です。このよ

126120

THE H OPP OJ OURNAL131

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うな人生が良かったからピアサポー

ト活動をやっているのかというと、

そうではない。自己矛盾を感じなが

ら生きています。

何のためにこの活動をやっている

のか。そんな自問に答えてくれたの

が、オーストリアの精神科医、ヴィ

クトール

ーフランクルの『人生から

期待されていることもある』という

言葉でした。

人生が自分に対して何を期待し、

それにどう応えるか。フランクルの

言葉から、ボランティアを含めると

10年以上続けている活動も、もしか

したら求められているのではないか

と思いました。人間は揺れ動きの中

で何等かの価値を見出していかねば

ならないのだと。活動を通してその

ようなことを教わりました」

「私の住む多摩地区にはひきこもり

家族会や当事者会がありません。昨

年2月にKHJのピアサポーター養

成研修を受けてから、家族会と当事

者会を別々に立ち上げました。

(さかもと・りょううん)

大阪府出身。10代後半にひきこもり

を経験。福祉系の大学を卒業後、印

刷や編集の仕事を経て現在は身体障

害者施設で介護の仕事に従事。社会

福祉士、介護福祉士、KHJ全国ひ

きこもり家族連合会認定ひきこもり

ピアサポーター。2児の父。手記『自

立への漂流』を自費出版。48歳

活動を続けるうちに居場所支援か

就労支援かで悩んだこともあります

が、当事者が人との繋がりやエネル

ギーを取り戻し、自分の将来を切り

開いていくのが居場所のあるべき姿

だと思います。

家族会の親の中には、『ひきこもり

の息子のことを話せ

るようになっ

た』と会の開催を心待ちにするよう

になり、親子関係が好転した人もい

ます。このようにピアの力は専門家

がいなくても、同じ悩みを抱える者

同士が情報交換し悩みを語り合いな

がら互いをサポートできるのだと実

感しています。

ピアサポーターの地域における活

動の在り方としては、民生委員と連

携を図りながら具体的ケースをもっ

て社会資源を掘り起こしていく姿勢

も求められています。

今後は、細く長く継続するため無

理をしない。ひきこもりの世界だけ

に入り込み過ぎず、自分の家庭や子

育て、本職である障害者介助、団地

の自治体役員など地域や他の世界と

のつながりも大事にしていきたい。

当事者は千差万別で、ひきこもり

たくても働かざるをえない元当事者

もいます。働いている元当事者と、

現在働いていない当事者が分かり合

うことの難しさ。ぬぐいようのない

意識の壁が生じていることも大きな

課題だと考えています。私自身は介

護の仕事をこなしながら活動を続け

ているのでバーンアウト寸前。倒れ

る前に、一度全ての活動をリセット

して休みたいという思いもあります。

仕事と家庭を持ちながら、活動を

続ける意味については、親や大人た

ちと対等に話ができる一方で、当事

者としてひきこもりの気持ちが分か

ることが強みです。活動はあくまで

もボランタリーベースで考えていま

す。実際の活動では、養成研修で受

けた座学的知識よりも、これまでの

人生や仕事の中で培ってきた経験が

役立っている。これが正しいピアサ

ポート活動だと決めつけるのではな

く、いろいろなタイプの活動があっ

てもいいと思います」

「『あるがままにいられる』をコンセ

プトに自助グループ『リカバリース

ポット』を運営しています。リカバ

リーーは回復、元の状態に戻る、失っ

た機能を取り戻す。スポットは点や

シミという意味です。自助グループ

で全てを解決するのではなく、点に

過ぎなくてもいいと、この名前を付

けました。

私は当事者であり精神科クリニッ

クで働く専門職でもあるので、今日

は米国と英国のメンタルヘルス分野

の取り組みを紹介したいと思います。

米国ウィスコンシン州のマディソン

はメンタルヘルス分野のサービスが

充実している場所として有名です。

私は日本人の専門職にそこで研修

132THE HOPPO JOURNAL2〔〕16.12.

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◆ルポ「ひきこもり」一 長期高齢化の周辺 ⑥

(さかい・かずひろ)

ひきこもり当事者。20代後半に

数年間ひきこもる。帯広市の精

神科クリニックで作業療法士と

して勤務しながら、当事者の自

助グループ「リカバリースポッ

ト」を運営。ひきこもりの居場

所、スポーツ活動、就労支援な

どを実施している。″一

を受けてもらうためのコーディネー

トをしており、I週間ほど前に帰国

したばかりです。日本のメンタルヘ

ルスの分野でもピアサポート制度が

ありますが、ウィスコンシン州では

日本より一歩進んだピアスペシャリ

ストが活躍しています。ピアスペ

シャリストになるためには、しっか

りとした講習を受けなければならず

更新制度もある。専門職とピアスペ

シャリストが一緒にチームミーティ

ングに参加しており、垣根のない支

援が素晴らしいなと思いました。

日本では専門職とピアサポーター

が同じ立場で支援できるようになる

には、まだまだ時間がかかりそうで

す。ひきこもりピアサポーターが日

本で普及していったら先進地から学

べばいいと思います。

こちらもメンタルヘルス分野の話

題ですが、英国には『メリデン版訪

問家族支援プロジェクト』という訪

問による家族支援があります。日本

では訪問による家族支援が定着して

いない。私は日本の専門職を現地に

送り込み、研修を受けて日本で普及

させるプロジェクトメンバーのひと

りで、帯広の臨床の場でこの訪問家

族支援を提供しています。このノウ

ウや技術は日本でひきこもり支援

に関わる人にも興味を持って欲しい

と思います。

訪問家族支援の研修では支援者と

当事者、家族のトライアングルの理

念がしつこいほど出てきました。精

神科で働いていると、専門家として

上から目線になる自分に気付くこと

がある。しかし、大事なのは当事者

には当事者にしか持ち得ない経験や

知識があり、支えてきた家族にも家

族としての経験と知識がある。働い

ているクリニックに導入した経験か

ら言えば、トライアングルをしっか

り意識した家族支援は上手くいく。

ご家族や本人の潜在能力を信じるこ

と。肯定的に関わることは本当に大

事です。相手をリカバリーさせると

いう視点ではなく、一緒にリカバ

リーを目指し共に成長していく。こ

の視点が大事だと、プロジェクトに

参加して改めて感じました」

ピアサポーターが

繋がる仕組み作りを

6人の発表後、参加者が数大単位

のグループになって行なったセッ

ションでは、支援者から「年齢が上

の世代の当事者と会って話をするこ

とはできたが、次にどうサポートす

ればいいか?」といった具体的な質

問も出た。

これに対してピアサポーターかさまざまな意見が出たグループセッション

らは「今できることを太く長く続け、

本人が何をしたいかを確認しながら

関わっていくことが大事」という答

えがあった。

「研修を受けてピアサポーターに

なったが、派遣先は自分で開拓しな

さいという感じ。社会の中にひきこ

もりを増やすと話した登壇者の意見

に共感します」

「日本では支援がシステムとして

しっかり根付いていない。地域に

よって支援に温度差があることも課

題だ」

などといった声にも注目したい。

「ピアサポーターと当事者が互いに

支え合うという理念を根底におきな

がら、それぞれのやり方があっても

いい。ピアサポーターの志願者は沢

山いるし、ひとりで孤軍奮闘する大

もいる。今後はそんなサポーターが

繋がり協同していく仕組みを作って

いかなければならない」

セッションを終えた田中理事長は

このように振り返った。

この日、6人のピアサポーターの

実践報告は、いずれも心に深く響く

ものだった。当事者が行動し情報を

発信していく。新たな時代の流れを

感じた1日でもあった。

126120

THE HOPPO JOURNAL

。)